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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】送達システム及びこれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20240930BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20240930BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20240930BHJP
【FI】
A24B15/16
A24D1/20
A24D3/17
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2022551331
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 GB2021050530
(87)【国際公開番号】W WO2021176215
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】2003093.8
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2011177.9
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヤネズ, イグナシオ スアレズ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス, イアント
(72)【発明者】
【氏名】クルドグリー, ゾーハル
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-516816(JP,A)
【文献】特表2005-512554(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100366(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/224366(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/174141(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00-3/18
A24F 40/00-47/00
A24B 15/00-15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料及び冷却剤WS-3を含む送達システムであって、前記冷却剤WS-3が35mLの1パフ中に平均して少なくとも約1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる、送達システム。
【請求項2】
前記WS-3が、35mLの1パフ中に平均して約100μg以下のWS-3の送達をもたらす量で含まれる、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記送達システムが、前記エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与える添加剤を含まない、請求項1又は2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記送達システムが、前記冷却剤WS-3に加えてさらなる冷却剤を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項5】
前記送達システムが、エアロゾル生成材料のロッドを含む燃焼性エアロゾル供給システムであり、WS-3が、ISO喫煙法下で、1パフ中に平均して少なくとも1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項6】
前記燃焼性エアロゾル供給システムが、ISO喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に平均して少なくとも約25μgのWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記燃焼性エアロゾル供給システムが、ISO喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に100μg以下のWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む、請求項5又は6に記載の送達システム。
【請求項8】
前記送達システムが、非燃焼性エアロゾル供給システムであり、WS-3が、HCI喫煙法下で、1パフ中に平均で少なくとも1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項9】
前記非燃焼性エアロゾル供給システムが、HCl喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に平均して少なくとも約2μgのWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記非燃焼性エアロゾル供給システムが、HCI喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に100μg以下のWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む、請求項8又は9に記載の送達システム。
【請求項11】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、送達システム当たり少なくとも0.1mg又は少なくとも0.3mgである、請求項1~10のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項12】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、送達システム当たり少なくとも1mgである、請求項1~11のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項13】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、送達システム当たり10mg以下である、請求項1~12のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項14】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、送達システム当たり5mg以下である、請求項13に記載の送達システム。
【請求項15】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、送達システム当たり2.5mg以下である、請求項13に記載の送達システム。
【請求項16】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、前記送達システムによって送達されるタール1mg当たり少なくとも60μgである、請求項5~7のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項17】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、前記送達システムによって送達されるタール1mg当たり10mg以下である、請求項5~7又は16のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項18】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、前記送達システムによって送達されるタール1mg当たり5mg以下である、請求項17に記載の送達システム。
【請求項19】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、エアロゾル生成材料1g当たり少なくとも0.8mgである、請求項1~18のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項20】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、エアロゾル生成材料1g当たり15mg以下である、請求項1~19のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項21】
前記送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量が、エアロゾル生成材料1g当たり11mg以下である、請求項20に記載の送達システム。
【請求項22】
前記冷却剤WS-3が前記エアロゾル生成材料中に存在する、請求項1~21のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項23】
前記冷却剤WS-3が前記エアロゾル生成材料に適用される、請求項22に記載の送達システム。
【請求項24】
前記冷却剤WS-3が、前記冷却剤WS-3の溶液を前記エアロゾル生成材料に噴霧することによって、又は前記冷却剤WS-3を固体形態で前記エアロゾル生成材料に添加することによって、前記エアロゾル生成材料に適用される、請求項23に記載の送達システム。
【請求項25】
前記冷却剤WS-3が、前記エアロゾル生成材料を取り囲むラッパーに添加される、請求項22に記載の送達システム。
【請求項26】
前記送達システムはフィルターを備え、前記冷却剤WS-3は前記フィルター中に存在する、請求項1~25のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項27】
前記冷却剤WS-3がフィルター材料に適用される、請求項26に記載の送達システム。
【請求項28】
前記冷却剤WS-3が、前記冷却剤WS-3の溶液を前記フィルター材料に噴霧することによって、又は前記冷却剤WS-3を固体形態で前記フィルター材料に添加することによって、前記フィルター材料に適用される、請求項27に記載の送達システム。
【請求項29】
固体形態の前記冷却剤WS-3が粉末形態である、請求項24又は28に記載の送達システム。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか一項に記載の送達システムを製造する方法であって、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与えることなく、冷感を与える量で前記冷却剤WS-3を前記送達システムに組み込むステップを含む、方法。
【請求項31】
前記冷却剤WS-3を前記エアロゾル生成材料に適用するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記冷却剤WS-3の溶液を前記エアロゾル生成材料に噴霧することによって、又は前記冷却剤WS-3を固体形態で前記エアロゾル生成材料に適用することによって、前記冷却剤WS-3を前記エアロゾル生成材料に適用するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記冷却剤WS-3を、前記エアロゾル生成材料を取り囲むラッパーの少なくとも一部に適用するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記冷却剤WS-3を前記送達システムのフィルターに組み込むステップを含む、請求項3033のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記冷却剤WS-3をフィルター材料に適用するステップを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記冷却剤WS-3の溶液を前記フィルター材料に噴霧することによって、又は前記冷却剤WS-3を固体形態で前記フィルター材料に適用することによって、前記冷却剤WS-3を前記フィルター材料に適用するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
固体形態の前記冷却剤WS-3が粉末形態である、請求項32又は36に記載の方法。
【請求項38】
特徴的なフレーバーを付与することなく、送達システムの使用者に冷感を与えるための冷却剤WS-3の使用であって、平均して少なくとも約1.5μgの量のWS-3が35mLの1パフにて送達される、使用。
【請求項39】
前記送達システムが、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与える添加剤を含まない、請求項38に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼性エアロゾル供給システム及び非燃焼性エアロゾル供給システムを含む送達システム、並びにこれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送達システムが使用されるときに所望の冷感及び/又は味の感覚を与えるために、送達システムにおいて冷却剤を使用することが公知である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態によると、エアロゾル生成材料及び冷却剤WS-3を含む送達システムであって、冷却剤WS-3は、35mLの1パフ(1回の吸引)中に平均して少なくとも約1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる送達システムが提供される。
【0004】
いくつかの実施形態では、WS-3は、35mLの1パフ中に平均して約100μg以下のWS-3の送達をもたらす量で含まれる。
【0005】
いくつかの実施形態では、送達システムは、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与える添加剤を含まない。
【0006】
いくつかの実施形態では、送達システムは、冷却剤WS-3に加えてさらなる冷却剤を含まない。
【0007】
いくつかの実施形態では、送達システムは、エアロゾル生成材料のロッドを含む燃焼性エアロゾル供給システムであり、WS-3は、ISO喫煙法下で、1パフ中に平均して少なくとも1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる。
【0008】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に平均して少なくとも約25μgのWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に100μg以下のWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、送達システムは、非燃焼性エアロゾル供給システムであり、WS-3は、HCI喫煙法下で、1パフ中に平均で少なくとも1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる。
【0011】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、HCI喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に平均して少なくとも約2μgのWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、HCI喫煙法下で生成されるエアロゾルの1パフ中に100μg以下のWS-3の送達をもたらす量でWS-3を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システム当たり少なくとも0.1mg又は少なくとも0.3mgである。
【0014】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システム当たり少なくとも1mgである。
【0015】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システム当たり10mg以下、又は5mg以下、又は2.5mg以下である。
【0016】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システムによって送達されるタール1mg当たり少なくとも60μgである。
【0017】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システムによって送達されるタール1mg当たり10mg以下又は5mg以下である。
【0018】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、エアロゾル生成材料1g当たり少なくとも0.8mgである。
【0019】
いくつかの実施形態では、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、エアロゾル生成材料1g当たり15mg以下又は11mg以下である。
【0020】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、エアロゾル生成材料中に存在する。
【0021】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、エアロゾル生成材料に適用される。
【0022】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、冷却剤WS-3の溶液をエアロゾル生成材料に噴霧することによって、又は冷却剤WS-3を固体形態、例えば粉末形態でエアロゾル生成材料に添加することによって、エアロゾル生成材料に適用される。
【0023】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、エアロゾル生成材料を取り囲むラッパーに添加される。
【0024】
いくつかの実施形態では、送達システムはフィルターを備え、冷却剤WS-3は、当該フィルター中に存在する。
【0025】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3はフィルター材料に適用される。
【0026】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、冷却剤WS-3の溶液をフィルター材料に噴霧することによって、又は冷却剤WS-3を固体形態、例えば粉末形態でフィルター材料に添加することによって、フィルター材料に適用される。
【0027】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本明細書に記載される送達システムを製造する方法であって、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与えることなく、冷感を与える量で、冷却剤WS-3を送達システムに組み込むステップを含む方法が提供される。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、冷却剤WS-3をエアロゾル生成材料に適用するステップを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法は、冷却剤WS-3の溶液をエアロゾル生成材料に噴霧することによって、又は冷却剤WS-3を固体形態、例えば粉末形態でエアロゾル生成材料に適用することによって、冷却剤WS-3をエアロゾル生成材料に適用するステップを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法は、冷却剤WS-3を、エアロゾル生成材料を取り囲むラッパーの少なくとも一部に適用するステップを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、冷却剤WS-3を送達システムのフィルターに組み込むステップを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、冷却剤WS-3をフィルター材料に適用するステップを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、本方法は、冷却剤WS-3の溶液をフィルター材料に噴霧することによって、又は冷却剤WS-3を固体形態、例えば粉末形態でフィルター材料に適用することによって、冷却剤WS-3をフィルター材料に適用するステップを含む。
【0034】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、特徴的な香料を付与することなく、送達システムの使用者に冷感を与えるための冷却剤WS-3の使用であって、平均して少なくとも約1.5μgの量のWS-3が35mLの1パフにて送達される使用が提供される。
【0035】
ここで、添付図面を参照して、単なる例として本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態による燃焼性エアロゾル供給システムの概略側面図である。
図2】本発明の実施形態による燃焼性エアロゾル供給システムの分解図であり、WS-3冷却剤は、エアロゾル生成材料を囲むラッパーのパッチとして含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「送達システム」は、少なくとも1つの物質を使用者に送達するシステムを包含することを意図しており、
「燃焼性エアロゾル供給システム」、例えば、シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用、又は手巻きシガレット若しくは手作りシガレット用のタバコ(タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品、又は他の喫煙可能な材料を主成分とするか否かを問わない)、及び
電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムなど、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する「非燃焼性エアロゾル供給システム」を含む。
【0038】
本発明は、エアロゾル生成材料と、冷却効果又は清涼感を与えるのに十分な量の冷却剤WS-3とを含む送達システムに関する。特に、本発明は、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与えない送達システムに関する。エアロゾル生成材料がタバコを含むとき、WS-3は、タバコの匂い又は味以外の顕著な匂い又は味を与えることなく、冷感又は清涼感を与える。
【0039】
本発明に至った開発研究の目的は、いかなる特徴的な加香特性も付与することなく冷感を与える送達システムを開発することであった。
【0040】
メンソールは特徴的なフレーバーを付与する添加剤の一例である。送達システムに含まれる場合、メンソールは3つの異なる感覚、すなわち、メンソールの味又はフレーバー、新鮮さ、及び低温感受性TRPM8受容体を化学的にトリガするメンソールの機能の結果としての冷感を生じる。
【0041】
メンソールシガレットは1920年代に最初に開発された。メンソールシガレットは非メンソールシガレットと同様に構成されているが、最大3.5重量%のメンソールを含む。
【0042】
燃焼性シガレットなどのエアロゾル生成材料を燃焼させる燃焼性エアロゾル供給システムは、喫煙セッション中に基質を徐々に燃焼させる。すなわち、点火されたシガレットは、その中の基質を点火された端部から口端部に向かって徐々に燃焼させる。そのような送達システムがメンソールを組み込んでいる場合、メンソールは、エアロゾル生成材料、フィルター及び/又はチップペーパーに含まれてもよい。メンソールは、その冷感効果及び/又はそのミント味のようないくつかの理由のために組み込まれてもよい。例えば、メンソールが燃焼性シガレットのエアロゾル生成材料に均一に組み込まれる場合、燃焼性タバコ全体に配置されたメンソールの一部は徐々に揮発するため、喫煙セッション中、使用者は、比較的一定した冷感効果及び/又はミント味を感じる。
【0043】
メンソールの多くの合成誘導体は個人用衛生製品に使用されている。最も商業的に成功した化合物のいくつかは、1970年代にWillkinson Sword Ltd.によって製造されたものであり、WS-3を含んでいる。WS-3はTRPM8受容体アゴニストとして作用する冷却剤であり、強力かつ持続的な冷却三叉神経効果をもたらす。
【化1】
【0044】
WS-3の別名としては、シクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-2-(イソプロピル)-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、エチルメタンカルボキサミド(INCI)、N-エチル-5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-2-(イソプロピル)-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-p-メタン-3-カルボキサミドが挙げられる。その分子式はC1325NOである。
【0045】
送達システムにWS-3を含めることが以前より提案されている。しかし、送達システムに含まれるWS-3の量は一般に、吸入によって冷感を検知するにはあまりにも少なかった。これは、WS-3が通常、メンソールなどの香料又は第2の冷却剤と組み合わされ、求められる効果はこの感覚剤の組み合わせの結果であるためである。
【0046】
驚くべきことに、送達システムに冷却剤WS-3を適切な量で含めると、送達システムの使用時にミント又は他の特徴的なフレーバーが全く存在せずに、冷感又は清涼感を与えることができることが見出された。
【0047】
以下に示す実験研究において示されるように、他の冷却剤は所望の冷感又は清涼感を与えるだけでなく、ミント又は他の非タバコ香料も添加していたため、本発明においてそれらの含有を望ましくないものにした。
【0048】
これまで送達システムで使用されてきたメンソール及び他のいくつかの冷却剤とは対照的に、WS-3は貯蔵中に送達システム又は包装体内を移動しない作用物質である。例えば、メンソールは非常に揮発性が高く、何らかの方法で含有又は封入されていない限り、送達システムに組み込まれた後に移動する。例えば、メンソール含有シガレットのパック中のメンソールは外側のプラスチック包装用フィルムに含まれている。この包装用フィルム内でメンソールは移動し平衡する。しかし、この外側の包装用フィルムが取り除かれると(初めてパックを開封したときに)メンソールが失われ始める。この揮発性メンソールの移動及び喪失は、各送達システムに含まれるメンソールの量及び適用場所を決定する際に考慮する必要がある。このことは、送達システムが使用されるときにメンソールがどこに位置するかによってメンソールの送達が変化し得ることも意味する。
【0049】
対照的に、安定なWS-3は移動しないため、送達システムに含まれるWS-3の量は、送達システムが使用されるときに消費者に送達される量と密接に相関することになる。このことは、送達システム内に組み込まれるWS-3の量、及びWS-3がどこでどのように組み込まれるかがより重要であることを意味する。
【0050】
冷却剤の量
上述したように、本発明は、エアロゾル生成材料及び冷却剤WS-3を含む送達システムであって、冷却剤WS-3は、35mLの1パフ中に平均して少なくとも約1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる送達システムを提供する。
【0051】
誤解を避けるために、本明細書において、1パフ中のWS-3の平均量に言及する場合、これは、冷感又は清涼感を与える1パフ中の平均量を意味する。本明細書で論じられるように、本発明は、WS-3が選択され予め定められた1パフにおいてのみ冷感又は清涼感を与える実施形態を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、WS-3は、35mLの1パフ中に平均して約100μg以下のWS-3の送達をもたらす量で含まれる。
【0053】
いくつかの実施形態では、適切な量のWS-3が送達システムに含まれ、識別可能な冷却効果を与える。WS-3を含む送達システムは、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与えない。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明を使用して達成される冷却剤の効果はさらに微妙であり、明白な冷却効果を与えるよりもむしろ、使用者に清涼感又は印象を与える。特に、清涼感は、使用者に冷たい、及び/又はすっきりとした後味を与えてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、送達システムは、エアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与える他の添加剤を含まない。
【0056】
いくつかの実施形態では、送達システムは、冷却剤WS-3に加えてさらなる冷却剤を含まない。
【0057】
送達システムがシガレットのような燃焼性エアロゾル供給システムである実施形態では、WS-3は、ISO喫煙法下で、1パフ中に平均して少なくとも1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる。ISO喫煙法は、35mLの1パフ容量、2秒間のパフ持続時間、60秒間のパフ間隔、及び通気孔閉塞なしに基づいている。
【0058】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で燃焼性エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルの1パフ中に、平均して少なくとも約1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は少なくとも95μgのWS-3の送達をもたらすのに十分なWS-3を含む。いくつかの実施形態では、ISO喫煙法下で燃焼性エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルの1パフ中に送達されるWS-3の最大量は約100μgである。いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で燃焼性エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルの1パフ中に送達されるWS-3の最大量は約100μgである。いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で平均して、1パフ中に100μg以下のWS-3、1パフ中に約95、90、85、80、75、70、65、又は約60μg以下のWS-3の送達をもたらすのに十分なWS-3を含む。
【0059】
送達システムが非燃焼性エアロゾル供給システムである実施形態では、WS-3は、HCI喫煙法下で製品によって生成されるエアロゾルの1パフ中に、平均して少なくとも約1.5μgのWS-3の送達をもたらす量で含まれる。HCI喫煙法は、通気孔は塞がれた状態の55mLの1パフ容量、2秒間のパフ持続時間、及び30秒間のパフ間隔に基づいている。
【0060】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、HCI喫煙法下で非燃焼性エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルの1パフ中に平均して少なくとも2μgのWS-3を送達するのに十分なWS-3を含む。いくつかの実施形態では、HCI喫煙法下で非燃焼性エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルの1パフ中に送達されるWS-3の最大量は約100μgである。
【0061】
これらの量のWS-3を含めることにより、送達システムの使用時にミント又は他の特徴的な香料が全く存在せずに、冷感又は清涼感を与える量のWS-3冷却剤の送達を消費者に提供する。
【0062】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で、1パフ中に平均して、少なくとも約30μgのWS-3、少なくとも約35μg、少なくとも約40μg、少なくとも約45μg、少なくとも約50μg、少なくとも約55μg、少なくとも約60μg、少なくとも約65μg、少なくとも約70μg、少なくとも約75μg、少なくとも約80μgのWS-3の送達をもたらすのに十分なWS-3を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、ISO喫煙法下で、平均して、1パフ中に100μg以下のWS-3、95μg、90μg、85μg、80μg、75μg、70μg、65μg、又は約60μg以下のWS-3の送達をもたらすのに十分なWS-3を含む。
【0064】
燃焼性エアロゾル供給システムから燃焼時に生成されるエアロゾルへのWS-3の推定移動速度は、ISO喫煙法下で、タール又はニコチンを含まない乾燥粒子状物質(NFDPM)1mg当たり約1~約2%である。
【0065】
燃焼性エアロゾル供給システムからエアロゾルへのWS-3の移動速度がタール又はNFDPM1mg当たり約1.2%である実施形態では、以下の計算を行うことができる。1mgタールシガレットによって提供される1パフ毎に36μgのWS-3を送達して7パフを提供するためには、21mgのWS-3をエアロゾル生成材料のロッドに沿って均等に分布させる必要がある。WS-3を含む6.1mgタールシガレットによって提供される予め定められた3パフ中に約50μgのWS-3を送達するためには、2mgのWS-3を局所的に、例えば、エアロゾル生成材料のロッドに沿って適切な位置に配置されたパッチ又はバンドとして含める必要がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、約0.1mg~約5mgのWS-3、又は約0.3mg~約2.5mgのWS-3を含む燃焼性エアロゾル供給システムが提供される。いくつかの実施形態では、最高約10mgのWS-3を含む燃焼性エアロゾル供給システムが提供される。
【0067】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムは、燃焼性エアロゾル供給システムが使用されるときに、最後の数パフの間に冷感又は清涼感を与えるように、エアロゾル生成材料のロッドのフィルター端部の方に、又はフィルター端部に局在化されたWS-3を含む。いくつかの実施形態では、局在化されたWS-3は、ISO喫煙法下で平均して、1パフ中に少なくとも1.5μgのWS-3の送達をもたらす。ISO喫煙法は、35mLの1パフ容量、2秒間のパフ持続時間、60秒間のパフ間隔、及び通気孔閉塞なしに基づく。
【0068】
特定の実施形態では、WS-3を含む液体製剤が、エアロゾル生成材料のロッドを囲むラッパーに印刷される。回転グラビア印刷プロセスなどの任意の適切な印刷プロセスが使用されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、WS-3は、燃焼性エアロゾル供給システムの使用を通して冷感又は清涼感を与えるために、ラッパー全体に印刷される。他の実施形態では、ラッパーの1つ又は複数の部分のみにWS-3が適用され、ラッパーの他の部分には冷却剤がなく、以てラッパーにおけるWS-3の局在化領域が加熱されたときに冷感又は清涼感を与える局在化されたWS-3を提供する。いくつかの実施形態では、冷却剤はラッパーの1つ又は複数のバンドとして提供されてもよい。1つ又は複数のバンドの配置場所及びそれらの幅に応じて、冷感又は清涼感は、エアロゾル供給システムの使用中の異なる時点で、異なる持続時間で起こり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、WS-3は、少なくとも約0.1mm、少なくとも約1mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7mm、少なくとも約10mm、少なくとも約15mm、少なくとも約20mm、又は少なくとも約25mmの幅を有するバンドで提供される。いくつかの実施形態では、WS-3は、最大約73mm、最大約60mm、最大約50mm、最大約45mm、最大約40mm、最大約35mm、最大約30mm、又は最大約25mmの幅を有するバンドで提供される。
【0071】
いくつかの実施形態では、WS-3は、パッチ又はバンドの形態で、エアロゾル生成材料のロッドのフィルター端部の方に、又はフィルター端部に印刷される。これは、WS-3を放出し、燃焼性エアロゾル供給システムの使用終了に向けて、例えば、最後の4パフ、3パフ、2パフ、又は1パフの間に、冷感又は清涼感を生成又は送達する。いくつかの特定の実施形態では、印刷領域は、組み立てられた燃焼性エアロゾル供給システムのフィルター端部において21mmの幅を有するバンドを形成するように配置される。58mmの長さを有するエアロゾル生成材料のロッドを有し、平均8パフを提供する燃焼性エアロゾル供給システムに基づいて、21mmの印刷されたWS-3のバンドは、最後の3パフで冷感を与えると予想される。いくつかの実施形態では、印刷されたバンドは、少なくとも0.5mgのWS-3を含有する。いくつかの特定の実施形態では、印刷されたバンド、例えば21mmの幅を有するバンドは、最後の数パフで冷感を与えるために1mg、1.5mg、2mg、2.5mg又は3mgのWS-3を含有する。ラッパーの印刷領域は、ラップシームを形成するために接着剤が塗布されるラッパーの縁部を除外してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、燃焼性エアロゾル供給システムはシガレットである。例えば、シガレットは、紙のラッパーによって囲まれたタバコ材料のロッドと、フィルターとを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、WS-3は、ラッパーに適用されるシガレットに含まれる。いくつかの実施形態では、WS-3は、ラッパーのバンドとして適用される。したがって、シガレットは、いくつかの実施形態では、約0.1mg~約5mgのWS-3、又は約0.3mg~約2.5mgのWS-3を含むラッパーのバンドを含んでいてもよい。バンドは、例えば、回転グラビア印刷プロセスによって適用されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、加熱されてエアロゾルを形成するが燃焼されないエアロゾル生成材料の装填物を含む非燃焼性エアロゾル供給システムは、HCI喫煙法下で、平均して、1パフ中に少なくとも約1.5μgのWS-3、少なくとも約2μg、少なくとも約2.5μg、少なくとも約3μg、少なくとも約4μg、少なくとも約5μg、少なくとも約6μg、少なくとも約7μg、少なくとも約8μg、少なくとも約9μg、少なくとも約10μg、少なくとも約12μg、少なくとも約15μg、少なくとも約20μg、少なくとも約25μg、又は少なくとも約30μgのWS-3の送達をもたらすのに十分なWS-3を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、HCl喫煙法下で平均して、1パフ中に約100μg以下のWS-3、約95μg以下、約90μg以下、約85μg以下、約80μg以下、約75μg以下、約70μg以下、約65μg以下、約60μg以下、約55μg以下、又は約50μg以下のWS-3の送達をもたらすのに十分なWS-3を含む。
【0075】
非燃焼性エアロゾル供給システムからエアロゾル生成材料を加熱したときに生成されるエアロゾルへのWS-3の推定移動速度は、HCl喫煙法下で約5~約35%である。
【0076】
WS-3の移動速度が約5%である実施形態では、以下の計算を行うことができる。非燃焼性エアロゾル供給システムによって供給される9パフのうちのそれぞれにおいて25μgのWS-3を送達するために、4.5mgのWS-3がエアロゾル生成材料内に均一に分布される必要がある。WS-3の移動速度が約35%である実施形態では、以下の計算を行うことができる。非燃焼性エアロゾル供給システムによって供給される9パフのうちのそれぞれにおいて約36μgのWS-3を送達するために、0.925mgのWS-3がエアロゾル生成材料内に均一に分布される必要がある。
【0077】
送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システム当たりのWS-3の総重量として表されてもよい。いくつかの実施形態では、送達システムは、少なくとも約1mgの冷却剤WS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、約10mg以下又は約5mg以下の冷却剤WS-3を含む。これらの実施形態のいくつかでは、送達システムは、約83mmの長さを有するキングサイズシガレットである。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システム当たり少なくとも約1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、又は少なくとも約4.9mgのWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システム当たり約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2mg以下、又は約1.1mg以下のWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、約1mg、約2mg、又は約3mgのWS-3を含む。
【0078】
代替的又は追加的に、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、使用時に送達システムによって送達されるタール1mg当たりのWS-3の総重量として表されてもよい。いくつかの実施形態では、送達システムは、使用時に送達システムによって送達されるタール1mg当たり少なくとも60μgのWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、使用時に送達システムによって送達されるタール1mg当たり約5mg以下のWS-3を含む。これらの実施形態では、送達システムのタール送達は、ISOマシン喫煙法を使用して測定されるものであり、これは、35mlの1パフ容量、2秒間のパフ持続時間、及び1分間に1回のパフ頻度を含み、通気孔が開いており、喫煙がチップペーパー又はフィルターから一定の長さまで継続する。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システムによって送達されるタール1mg当たり、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8mg、又は少なくとも約4.9mgのWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システムによって送達されるタール1mg当たり約5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2mg以下、又は約0.1mg以下のWS-3を含む。
【0079】
代替的又は追加的に、送達システムに含まれる冷却剤WS-3の量は、送達システム内のエアロゾル生成材料1mg当たりのWS-3の総重量として表されてもよい。これらの実施形態のいくつかでは、送達システムは、約83mmの長さを有するキングサイズシガレットである。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システム内のエアロゾル生成材料1mg当たり、少なくとも約0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8mg、又は少なくとも約7.9mgのWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システム内のエアロゾル生成材料1mg当たり約11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.9、7.8、7.7、7.6、7.5、7.4、7.3、7.2、7.1、7、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5mg以下、又は約1.4mg以下のWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システム内のエアロゾル生成材料1mg当たり少なくとも約1.4mgのWS-3を含む。いくつかの実施形態では、送達システムは、送達システム内のエアロゾル生成材料1mg当たり約8mg以下のWS-3を含む。
【0080】
溶媒
WS-3冷却剤は、送達システム、又は送達システムの構成成分に溶液形態で添加されてもよい。
【0081】
WS-3は、エタノールなどのアルコール及びDMSO(ジメチルスルホキシド)に容易に可溶であるため、いくつかの実施形態では、WS-3は、溶液の形態で送達システムに添加され、溶媒は、エタノールなどのアルコール及び/又はDMSOを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、WS-3及び溶媒を含む溶液は、プロピレングリコール、グリセロール、又は他のグリコールのような湿潤剤をさらに含む。WS-3溶液中に湿潤剤を含めることは、送達システムに湿潤剤を含める便利な手段であることに加えて、溶液の引火点を低下させる利点を有する。これは、溶媒がエタノールのようなアルコールである場合に特に有益である。
【0083】
いくつかの実施形態では、プロピレングリコールのような湿潤剤を(アルコール又はDMSOなしで)溶媒として使用してもよいが、アルコール又はDMSOと湿潤剤との組み合わせは、WS-3の溶解度がプロピレングリコールのような湿潤剤中よりも溶媒中の方が高いことにより、所定量のWS-3を可溶化するために必要な液体の総量を減少させるため、そのような組み合わせが好ましい。
【0084】
いくつかの実施形態では、WS-3を送達システムに添加するために使用される溶液は、湿潤剤と共にアルコールに可溶化されたWS-3を含む。いくつかの実施形態では、溶媒はエタノールであり、及び/又は湿潤剤はプロピレングリコールである。ある特定の実施形態では、溶液は1部のプロピレングリコール、2部のエタノール及び3部のWS-3を含む。明らかに、成分の比率は、溶液が送達システムにWS-3を添加するのに適した状態で調整してもよい。実際、以下の実施例では、様々な溶液を用いて送達システムにWS-3を添加する。
【0085】
ある特定の実施形態では、上述した比率の溶液を用いて、WS-3及びプロピレングリコールを送達システムのエアロゾル生成材料に適用する。6mgの溶液を用いて、3mgのWS-3をエアロゾル生成材料に添加する。
【0086】
いくつかの実施形態では、WS-3を含む溶液は、噴霧によって送達システムに添加される。例えば、溶液は、送達システムに組み込まれる前に、エアロゾル生成材料に噴霧されてもよい。溶液は、エアロゾル生成材料に均一に適用されても、又は溶液の特定の分布、したがって、エアロゾル生成材料内及び送達システム内のWS-3の特定の分布をもたらすように適用されてもよい。
【0087】
位置
本発明の所望の効果を提供するために、WS-3冷却剤は、送達システムの使用中に消費者へのWS-3の送達を可能にするように送達システムに含まれるべきである。
【0088】
いくつかの実施形態では、WS-3冷却剤の送達は吸入によるものである。したがって、消費者に送達されるWS-3は、送達システムによって生成され、消費者によって吸入されるエアロゾルに含まれる。したがって、WS-3は、エアロゾルに取り込まれるように送達システムに組み込まれる。
【0089】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3はエアロゾル生成材料中に存在する。いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3はエアロゾル生成材料に適用される。送達システムが使用されると、WS-3は揮発し、送達システムを通るエアロゾル流に同伴される。研究によると、WS-3は安定な分子であり、変換されず、エアロゾル中の他の化学物質と反応しないことが示唆されている。これは、シガレットのような燃焼性エアロゾル供給システムのエアロゾル生成材料のロッドに見られる高温にもかかわらずである。また、これは、メンソールのような送達システムに使用されるいくつかの冷却剤と比較して、WS-3の揮発性が比較的低いにもかかわらずである。
【0090】
いくつかの実施形態では、WS-3は、送達システムに含めるためにエアロゾル生成材料のロッドにエアロゾル生成材料が組み込まれる前に、又は組み込まれるときに、エアロゾル生成材料に適用される。或いは、WS-3は、エアロゾル生成材料ロッドが形成された後に、例えばWS-3をエアロゾル生成材料のロッドに注入することによって、エアロゾル生成材料ロッドに添加されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、冷却剤WS-3の溶液をエアロゾル生成材料に噴霧することによって、エアロゾル生成材料に適用される。適切な溶液は上述されている。このWS-3溶液の適用は、WS-3がエアロゾル生成材料全体に均一に分布することを確実にするのに役立ち得る。代替的又は追加的に、冷却剤WS-3は、固体形態、例えば粉末形態でエアロゾル生成材料に添加されてもよい。
【0092】
WS-3がエアロゾル生成材料に適用される場合、WS-3は、送達システムが使用され、エアロゾル生成材料が加熱されるにつれて徐々にエアロゾルに放出され、同伴される。
【0093】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、エアロゾル生成材料を取り囲むラッパーに適用されることによって含められる。これは、WS-3をエアロゾル生成材料又は送達システムの1つ若しくは複数の他の部分に適用することに追加しても、又は代わりに行われてもよい。ここでも、WS-3は、溶液形態又は固体形態、例えば粉末形態でラッパーに適用されてもよい。WS-3の粒子は、接着剤を用いてラッパーに付着されてもよい。いくつかの実施形態では、WS-3は、送達システムにおいてエアロゾル生成材料に面するラッパーの内側表面に存在する。
【0094】
他の実施形態では、WS-3は、エアロゾル生成材料を取り囲むラッパー又はこれに隣接して配置されたシート材料の個別の層に適用される。
【0095】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成ロッドに沿った冷却剤WS-3の位置を制御することによって、消費者への冷感又は清涼感の送達を制御することが可能である。冷感又は清涼感の一貫した送達が望まれる場合には、冷却剤はエアロゾル生成材料のロッドに沿って均一に分布させてもよい。冷却効果又は清涼効果が送達システムの使用中の特定の予め定められた点で提供される場合、これは冷却剤の局所的提供によって達成できる。例えば、送達システムの最後の数パフにおいて冷感又は清涼感を与えるために、冷却剤WS-3はエアロゾル生成材料のロッドの一部のみ、すなわち送達システムを使用後期で加熱又は燃焼される部分に適用されてもよい。燃焼性エアロゾル供給システムの場合には、冷却剤はエアロゾル生成材料のロッドのフィルター端部の方に配置される。これを達成するための1つの便利な方法は、エアロゾル生成材料のロッドを取り囲むラッパー又はこれに隣接して冷却剤のパッチ又はバンドを設けることによる。
【0096】
いくつかの実施形態では、送達システムはフィルターを備え、冷却剤WS-3はフィルターに含まれる。これは、送達システムのエアロゾル生成材料にWS-3を含むことに追加しても、又はその代わりに行ってもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、WS-3は、フィルター材料に適用される。例えば、WS-3は、フィルター材料が、送達システムに含めるためにフィルター要素のフィルターに組み込まれる前に、又は組み込まれるときに、フィルター材料に適用されてもよい。ここでも、WS-3は、溶液形態又は固体形態、例えば粉末形態でフィルター材料に適用されてもよい。或いは、WS-3は、フィルター又はフィルター要素が形成された後、例えばフィルターに注入することによって、フィルター又はフィルター要素に添加されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、冷却剤WS-3は、フィルター材料を取り囲むラッパーに適用されることによってフィルターに含められる。これは、WS-3をフィルター材料又は送達システムの他の部分に適用することに追加しても又は、代わりに行われてもよい。ここでも、WS-3は、溶液形態又は固体形態、例えば粉末形態でラッパーに適用されてもよい。WS-3の粒子は、接着剤を用いてラッパーに付着されてもよい。いくつかの実施形態では、WS-3は、送達システムにおいてフィルター材料に面するラッパーの内側表面に存在する。
【0099】
いくつかの実施形態では、WS-3が、生成されて使用者に送達されるエアロゾル中で送達されるようにWS-3を含むことに加えて、送達システムは、使用中に使用者にさらなる感覚を与えるために、その表面の少なくとも一部に感覚物質を含んでいてもよい。例えば、感覚物質は、使用時にシステムが使用者の唇と接触する場所に局在するシステムの口端部の表面に設けられてもよい。感覚物質は、本明細書に論じられるように、WS-3によって提供される冷感又は清涼感を補完するように選択されてもよい。
【0100】
図1及び図2を参照すると、限定ではなく例示の目的で、本発明の例示的な実施形態による燃焼性エアロゾル供給システム1は、フィルター2と、エアロゾル生成材料の円筒形ロッド3とを備える。エアロゾル生成材料のロッド3は、エアロゾル生成材料のロッド3の一端がフィルター2の端部に当接するようにフィルター2と位置合わせされている。フィルター2は、プラグラップ5に包まれたフィルター材料4であり、タバコなどのエアロゾル生成材料6のプラグは、紙ラッパー7によって囲まれて、エアロゾル生成材料のロッド3を形成している。エアロゾル生成材料のロッド3は、従来のようにチップペーパー8によってフィルター2に連結されている。
【0101】
図1に示す実施形態では、エアロゾル生成材料のプラグは、本明細書に記載する本発明の実施形態に従って、冷却剤WS-3が適用されたタバコを含む。
【0102】
図2に示す実施形態は、ラッパー7の長さに沿った第1の位置にパッチ9の形態で提供された冷却剤WS-3を含み、ラッパー7は、エアロゾル生成材料のプラグを取り囲んでエアロゾル生成材料のロッドを形成する。図示された実施形態では、パッチ9は、エアロゾル生成材料のロッド3の口端部寄りに配置され、燃焼性エアロゾル供給システムの使用時に、パッチは、加熱されると冷却剤を放出するため、冷却剤は、送達システムの最後の数パフの間だけ送達される。
【0103】
他の実施形態(図示せず)では、冷却剤パッチは、エアロゾル生成材料のロッドの長さに沿った別の位置に配置されてもよく、複数のパッチが提供されてもよく、又は単一のパッチがロッドに沿ってより長く延びていてもよく、さらにエアロゾル生成材料のロッドの全長に延びていてもよい。
【0104】
本発明による燃焼性エアロゾル供給システムは、燃焼性エアロゾル供給システムについて公知の任意のサイズ又は寸法に適合することができる。
【0105】
本明細書中で使用される場合、用語「タバコ」とは、シガレットのような燃焼性エアロゾル供給システムのタバコロッド中に、又は非燃焼性エアロゾル供給システムのタバコ含有エアロゾル生成材料中に典型的に見出される材料を指す。例えば、タバコは、タバコ葉身、タバコ茎、膨張タバコ、再構成タバコ、押出タバコ、タバコ代替品、及び充填材料を含む。
【0106】
本明細書中で使用される場合、用語「タバコ」とは、タバコ属の任意のメンバーの任意の部分及び任意の関連する副産物、例えば、葉又は茎を含む。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、タバコ(Nicotiana tabacum)種に由来する。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、切断茎、切断葉身、葉身、小葉身、茎繊維、短茎及び長茎からなる群から選択される1つ又は複数である。
【0107】
任意の種類、スタイル及び/又は変種のタバコが扱われてもよい。使用してもよいタバコの例としては、ヴァージニア種、バーレー種、オリエント種、コムム(Comum)種、アマレリノ(Amarelinho)種及びメリーランド種のタバコ、並びにこれらの種類のいずれかのブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、異なる種類、スタイル及び/又は変種を扱うと、異なる感覚刺激特性を有するタバコが得られることを認識している。
【0108】
いくつかの実施形態では、送達システムは、フィルターを備える。フィルターは、当技術分野で公知の任意のフィルター構成を表してもよい。送達システム用のフィルターは、典型的には、繊維状セルロースアセテート、ポリプロピレン材料、ポリエチレン材料、又はギャザーペーパー材料のうちの1つ又は複数を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、フィルターは活性炭などの吸着材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、フィルターは1つ又は複数のカプセルを含んでいてもよい。カプセルは、現地規制で許可されている場合、香料などのエアロゾル変性剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル変性剤は、WS-3以外の他の冷却剤ではなく、及び/又はエアロゾル生成材料の匂い又は味に加えて、顕著な匂い又は味を与える香料ではない。
【0110】
本明細書中で使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、現地規制が許可する場合、成人消費者向けの製品において所望の味又は香りを作り出すために使用することができる材料を意味する。これらとしては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゲラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種由来のミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を挙げることができる。それらは、模倣成分、合成成分、天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、例えば、油、液体、又は粉末などの任意の適切な形態であってもよい。
【0111】
実験
実施された実験研究の目的は、冷却剤と、「添加剤又は添加剤の組み合わせから生じる、タバコの匂い又は味以外の顕著な匂い又は味」として定義される特徴的な香料との区別を実証することであった。
【0112】
試験用シガレットは、溶液形態でタバコロッド中のエアロゾル生成材料に適用された以下の量のWS-3を用いて製造した。
【表1】
【0113】
WS-3溶液は、以下の溶媒(PGはプロピレングリコールであり、EtOHはエタノールである)を用いて調製した。
【表2】
【0114】
(1)メンソール系香料強度、(2)冷感、及び(3)タバコの味強度がそれぞれ1~10のスケールでテスターにより(N=28)評価できるように、種々のシガレットを調製し、喫煙した。
【表3】
【0115】
メンソール系香料強度のスコアが1未満である場合、データによると、WS-3がメンソール香料なしで冷感を与えることが示された。実際、ANOVA統計(図1に示す)は、メンソール添加サンプルに対して、全冷却剤添加サンプルにおいてメンソール香料強度は有意に低いことを示している。特に、WS-3は、両方の対照サンプル(メンソールを含まない)に関してメンソール香料の特質に統計学的に差はなかった。
【0116】
冷却剤サンプルの冷感は、両対照製品よりも有意に高かった。統計的PCA分析によってANOVA結果が確認され、両方の冷却剤サンプル(WS-3及びWS-23)とメンソール添加製品との明確な区別を示した。
【0117】
さらなるサンプルは、国際標準規格ISO 13299に記載されている方法を用いて、燃焼することなくタバコ自体を嗅ぐことにより、規格製品のフレーバーを特徴評価するために適用された感覚法である「スニッフィング分析」を用いて分析した。このデータは表4及び表5に示されており、QDP(定量的記述分析)の結果を示しており、異なるタバコの典型的フレーバーノート及び非タバコの典型的フレーバーノートの知覚について0~5のスコアを示す。
【表4】

【表5】
【0118】
表4及び表5では、平均1.0超の臨界強度が太字で強調されている。0~5のカテゴリースケールでは、「WS3」又は「WS23」のプロトタイプシガレットのいずれも、非タバコの典型的フレーバーノート(表5参照)で1.0超の臨界強度を示していない。
【0119】
メンソール添加シガレットのみがスコアスケール4.9で非常に強いミントフレーバーを有すると記載されていた。喫煙分析の結果によると、「対照」無香料シガレットにすらごくわずかなミントノートが記載されていた。「WS23」は0.7ポイントで重大ではないが検知可能なミントフレーバーを示している(表5)。
【0120】
「タバコの典型的フレーバーノート」はプロトタイプ「WS-3」及び「WS-23」(表4参照)だけでなく「対照」シガレットにおいて、おおよそ同様に検知可能である。これは、タバコの香りが、メンソール添加シガレットを除くすべてのシガレットにおけるフレーバーを支配していることを意味する。QDPのこれらの結果は喫煙分析と非常によく一致している。これにより両方法の妥当性も証明される。
【0121】
データから、「WS-23」の含有は、喫煙分析においてもスニフィング分析においても、非常に少ないが検知可能なミント/メンソールのフレーバーを付与する物質として同定され得ると結論付けることができる。対照的に、データは、「WS-3」冷却剤の含有がメンソール香料なしで冷感を与えることを示唆している。データは、WS-3が最小限の非タバコ香料を提供し、タバコの匂い又は味以外の顕著な、又は識別可能な匂い又は味なしに冷感又は清涼感を与える添加剤が求められる場合には、WS-3が好ましいことを示す。
【0122】
本明細書に記載される種々の実施形態は、特許請求される特徴を理解し、教示するのを助けるためにのみ提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載される利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、請求項によって定義される本発明の範囲に対する制限又は請求項の均等物に対する限定と考えるべきではなく、他の実施形態が利用されてもよく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく修正がなされてもよいことを理解されたい。本発明の種々の実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組み合わせを適切に備えていても、適切な組み合わせからなっていても、又は本質的に適切な組み合わせからなっていてもよい。加えて、本開示は、ここでは特許請求されていないが将来的に特許請求され得る他の発明を含んでいてもよい。
図1
図2