(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】操作装置、操作システム及び操作方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/245 20140101AFI20240930BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20240930BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240930BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20240930BHJP
A63F 13/837 20140101ALI20240930BHJP
【FI】
A63F13/245
A63F13/211
A63F13/426
A63F13/428
A63F13/837
(21)【出願番号】P 2022576245
(86)(22)【出願日】2021-01-19
(86)【国際出願番号】 JP2021001600
(87)【国際公開番号】W WO2022157818
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾花 功一
(72)【発明者】
【氏名】石岡 学
(72)【発明者】
【氏名】稲田 徹悟
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩貴
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-137807(JP,A)
【文献】新岡 優哉,スプラトゥーン コウリャク&イカ研究白書,第1版,株式会社KADOKAWA 浜村 弘一,2015年06月09日,第11頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる操作に応じて照準位置を操作する操作装置であって、
前記操作装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける
ボタンである第1切替操作部と、
前記操作装置の動きを検出する検出部と、
前記ユーザーの操作に応じて前記照準位置を操作する照準操作部と、
前記第1切替操作部に対する操作に応じて、前記検出部によって検出された前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定す
るモードと、前記照準操作部に対する操作に応じて前記照準位置を決定す
るモードとのうち1つのモードに前記動作モードを切り替えるモード切替部と、を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記動作モードを切り替える操作を受け付ける第2切替操作部と、
前記照準位置が設定される領域を撮像する撮像部と、を備え、
前記モード切替部は、
前記第2切替操作部が操作されると、前記撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定す
るモードに前記動作モードを切り替え、
前記第2切替操作部が操作されていないと、前記第1切替操作部に対する操作に応じて、前記
操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定するモードと
、前記
照準操作部に対する操作に応じて前記照準位置を決定するモードとのうち1つのモードに前記動作モードを切り替えることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
ユーザーによる操作に応じて照準位置を操作する操作装置であって、
前記操作装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける第1切替操作部と、
前記動作モードを切り替える操作を受け付ける第2切替操作部と、
前記操作装置の動きを検出する検出部と、
前記ユーザーの操作に応じて前記照準位置を操作する照準操作部と、
前記照準位置が設定される領域を撮像する撮像部と、
前記動作モードを切り替えるモード切替部と、を備え、
前記モード切替部は、
前記第2切替操作部が操作されると、前記撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定するモードに前記動作モードを切り替え、
前記第2切替操作部が操作されていないと、前記第1切替操作部に対する操作に応じて、前記検出部によって検出された前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定す
るモードと、前記照準操作部に対する操作に応じて前記照準位置を決定す
るモードとのうち1つのモードに前記動作モードを切り替え
ることを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項2
又は請求項3に記載の操作装置において、
前記撮像部による撮像画像の少なくとも一部を表示する表示部を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の操作装置において、
前記第2切替操作部は、前記表示部の近傍に設けられ、前記ユーザーを検出する近接センサーを有し、
前記モード切替部は、前記第2切替操作部によって前記表示部を観察する前記ユーザーの動きが検出されると、前記
撮像画像に基づいて前記照準位置を決定するモードに前記動作モードを切り替えることを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項2から請求項
5のいずれか一項に記載の操作装置において、
前記操作装置の外装を構成する銃型の筐体を備え、
前記撮像部は、前記筐体におけるバレルに、前記撮像部による撮像方向が前記バレルの延出方向に沿うように設けられていることを特徴とする操作装置。
【請求項7】
請求項
1から請求項
6のいずれか一項に記載の操作装置において、
前記動作モードが前記
操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定するモードでないときに、前記検出部が有するジャイロセンサーの誤差を補正する誤差補正部を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の操作装置において、
決定された前記照準位置の座標値を示す信号を生成する信号生成部と、
前記信号生成部によって生成された信号を送信する送信部と、を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項9】
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の操作装置と、
前記操作装置によって操作される情報処理装置と、を備えることを特徴とする操作システム。
【請求項10】
請求項
9に記載の操作システムにおいて、
前記情報処理装置によって生成され、かつ、前記操作装置によって前記照準位置が操作される画面を表示する表示装置を備えることを特徴とする操作システム。
【請求項11】
照準位置を操作する操作装置にて実施される操作方法であって、
前記操作装置の動作モードを切り替え
る切替
ボタンが操作
されたか否かを判定する第1判定手順と、
前記第1判定手順にて、前
記切替
ボタンが操作
されたと判定されると、前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定す
るモードと、前記操作装置に設けられた照準操作部に対するユーザーの操作に応じて前記照準位置を決定す
るモードとのうち、一方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える第1切替手順と、
前記第1判定手順にて、前
記切替
ボタンが操作
されていないと判定されると、前記
操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定するモード
と、前記
照準操作部に対するユーザーの操作に応じて前記照準位置を決定するモード
とのうち、他方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える第2切替手順と、を含むことを特徴とする操作方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の操作方法において、
前記操作装置の動作モードを切り替え
る切替操作が行われたか否かを判定する第2判定手順と、
前記第2判定手順にて、前
記切替操作が行われたと判定されると、前記操作装置に設けられた撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定す
るモードに、前記操作装置の動作モードを切り替える第3切替手順と、を含み、
前記第2判定手順にて、前
記切替操作が行われていないと判定されると、前記第1判定手順を実施することを特徴とする操作方法。
【請求項13】
照準位置を操作する操作装置にて実施される操作方法であって、
前記操作装置の動作モードを切り替える第1切替操作が行われたか否かを判定する第1判定手順と、
前記第1判定手順にて、前記第1切替操作が行われたと判定されると、前記操作装置に設けられた撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定するモードに、前記操作装置の動作モードを切り替える第1モード切替手順と、
前記第1判定手順にて、前記第1切替操作が行われていないと判定されると、前記操作装置の動作モードを切り替える第2切替操作が行われたか否かを判定する第2判定手順と、
前記第
2判定手順にて、前記第
2切替操作が行われたと判定されると、前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定す
るモードと、前記操作装置に設けられた照準操作部に対するユーザーの操作に応じて前記照準位置を決定す
るモードとのうち、一方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える
第2モード切替手順と、
前記第
2判定手順にて、前記第
2切替操作が行われていないと判定されると、前記
操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定するモード
と、前記照準操作部に対するユーザーの操作に応じて前記照準位置を決定するモード
とのうち、他方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える
第3モード切替手順と、を含むことを特徴とする操作方法。
【請求項14】
請求項
12又は請求項13に記載の操作方法において、
前記
撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定するモードに前記操作装置の動作モードが切り替えられると、前記撮像部による撮像画像の少なくとも一部を前記操作装置に設けられた表示部に表示させる表示手順を含むことを特徴とする操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作装置、操作システム及び操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銃型の方向インタフェースオブジェクトを備え、方向インタフェースオブジェクトによる照準位置を算出しつつゲームを実行するゲーム装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
詳述すると、特許文献1に記載のゲームシステムは、ユーザーによって操作される方向インタフェースオブジェクトと、ユーザーに装着されるHMD(Head Mounted Display)と、カメラと、コンピューターとにより構成される。HMDは、コンピューターと接続され、ビデオゲーム又は他のコンテンツを表示する。カメラは、ユーザー及び方向インタフェースオブジェクトを含むインタラクティブ環境の画像を撮影する。コンピューターは、カメラによる撮影画像を分析し、ユーザー、HMD及び方向インタフェースオブジェクトの位置及び動きを決定して、これらの位置及び動きに基づいてゲーム等の処理を進行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のゲームシステムでは、カメラによる方向インタフェースオブジェクトの撮像画像に基づいて、コンピューターが、方向インタフェースオブジェクトの位置及び動きを決定する。すなわち、特許文献1に記載のゲームシステムでは、方向インタフェースオブジェクトを撮影するカメラが必要となる。このため、ゲームシステムの構成が複雑化しやすい。この他、家庭用のゲーム装置にカメラを接続して、特許文献1に記載のゲームシステムを構成しようとすると、カメラを適切な位置に配置する必要があり、ゲームを開始するための準備が煩雑である。
このため、複雑な構成及び煩雑な操作を要することなく照準位置を決定できる操作装置が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係る操作装置は、ユーザーによる操作に応じて照準位置を操作する操作装置であって、前記操作装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける第1切替操作部と、前記操作装置の動きを検出する検出部と、前記ユーザーの操作に応じて前記照準位置を操作する照準操作部と、前記第1切替操作部に対する操作に応じて、前記検出部によって検出された前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定する第1モードと、前記照準操作部に対する操作に応じて前記照準位置を決定する第2モードとのうち1つのモードに前記動作モードを切り替えるモード切替部と、を備える。
【0006】
本開示の第2態様に係る操作システムは、上記操作装置と、前記操作装置によって操作される情報処理装置と、を備える。
【0007】
本開示の第3態様に係る操作方法は、照準位置を操作する操作装置にて実施される操作方法であって、前記操作装置の動作モードを切り替える第1切替操作が行われたか否かを判定する第1判定手順と、前記第1判定手順にて、前記第1切替操作が行われたと判定されると、前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定する第1モードと、前記操作装置に設けられた照準操作部に対するユーザーの操作に応じて前記照準位置を決定する第2モードとのうち、一方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える第1切替手順と、前記第1判定手順にて、前記第1切替操作が行われていないと判定されると、前記第1モード及び前記第2モードのうち、他方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える第2切替手順と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す模式図。
【
図3】第1実施形態に係る操作装置の構成を示すブロック図。
【
図4】第1実施形態に係る操作装置の制御部を示す機能ブロック図。
【
図5】第1実施形態に係る照準操作処理を示すフローチャート。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図。
【
図8】第2実施形態に係る撮像領域における表示領域を示す図。
【
図9】第2実施形態に係る操作装置の構成を示すブロック図。
【
図10】第2実施形態に係る操作装置の制御部を示す機能ブロック図。
【
図11】第2実施形態に係る表示装置に表示されるゲーム画面の一例を示す図。
【
図12】第2実施形態に係るゲーム画面を含む撮像画像の一例を示す図。
【
図13】第2実施形態に係る照準操作処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[情報処理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係る情報処理システム1は、本開示の操作システムを含む。情報処理システム1は、
図1に示すように、表示装置2、操作装置3A及び情報処理装置5を備え、操作装置3Aに対するユーザーUSの操作に応じて、情報処理装置5が所定の処理を実行し、実行結果を表示装置2が表示する。本実施形態では、情報処理装置5は、FPS(First-person shooter)等のガンシューティングゲームを実行可能に構成されている。そして、情報処理装置5は、表示装置2に表示される画面における操作装置3Aの照準位置を取得し、取得された照準位置に基づいてガンシューティングゲームを進行させる。
以下、情報処理システム1の各構成について説明する。
【0010】
[表示装置の構成]
表示装置2は、情報処理装置5と接続されている。表示装置2は、情報処理装置5によって生成された画像を表示する表示領域DPを有する。表示装置2は、情報処理装置5による処理結果を含む画像、例えば、ゲームの実行時画面の画像を表示する。本実施形態では、表示装置2は、情報処理装置5によって生成され、かつ、操作装置3Aによって照準位置が操作される画面を表示する。
【0011】
[操作装置の構成]
図2は、操作装置3Aを示す模式図である。なお、
図2では、D1方向とD2方向とは直交している。しかしながら、D1方向とD2方向とは交差していればよく、D1方向とD2方向とは必ずしも直交していなくてもよい。
操作装置3Aは、ユーザーによる操作に応じて照準位置を操作する。操作装置3Aは、
図2に示すように、筐体31、第1操作部32、第2操作部33、トリガー34、操作検出部35及び第1切替操作部36を備える。
筐体31は、操作装置3Aの外装を構成するものであり、銃型の筐体である。詳述すると、筐体31は、ライフル又はマシンガンに類似した形状に形成されている。すなわち、操作装置3Aは銃型の操作装置である。
筐体31は、バレル311、グリップ312、フォアグリップ313及びブリッジ314を有し、側方から見て略平行四辺形に形成されている。
【0012】
バレル311は、D1方向に直線状に延出している。バレル311は、銃における銃身に相当する部位である。
グリップ312は、バレル311におけるD1方向とは反対方向の端部からD1方向に交差するD2方向に沿って延出している。グリップ312は、ユーザーUSの片手によって把持される部位である。
フォアグリップ313は、バレル311におけるD1方向の先端部からD2方向に沿って延出している。フォアグリップ313は、グリップ312を把持する片手とは反対側の片手によって把持される部位である。例えば、グリップ312が右手によって把持される場合には、フォアグリップ313は左手によって把持される。
ブリッジ314は、グリップ312におけるD2方向の先端部とフォアグリップ313におけるD2方向の先端部とを接続する部位である。ブリッジ314は、バレル311と略平行に延出している。
【0013】
第1操作部32は、フォアグリップ313に設けられ、ユーザーによる操作に応じた制御信号を後述する制御部41Aに出力する。第1操作部32は、照準操作部321、方向キー322、ボタン323,324及びトリガーボタン325を有する。
照準操作部321、方向キー322及びボタン323は、フォアグリップ313においてD1方向とは反対方向を向く面に設けられている。照準操作部321は、ユーザーの操作に応じて操作装置3Aの照準位置を操作するものであり、例えばカーソル又は照準を操作可能なアナログスティックである。
ボタン324及びトリガーボタン325は、フォアグリップ313においてD1方向を向く面に設けられている。トリガーボタン325は、銃のトリガーのように構成され、トリガーボタン325を引いたときの操作感は、トリガー34を引いたときの操作感と略同じとなるように構成されている。
【0014】
第2操作部33は、詳しい図示を省略するが、バレル311においてD1方向とは反対方向の端部に設けられている。第2操作部33は、照準操作部321と同様の照準操作部331を有する。すなわち、照準操作部331は、照準操作部321と同様に、ユーザーの操作に応じて操作装置3Aの照準位置を操作するものであり、例えばアナログスティックである。第2操作部33は、第1操作部32と同様に、ユーザーによる操作に応じた制御信号を制御部41Aに出力する。
トリガー34は、バレル311とグリップ312との交差部分に配置されている。トリガー34は、例えばグリップ312を把持する手の人差し指によって操作される。
操作検出部35は、筐体31の内部においてトリガー34に応じた位置に設けられている。操作検出部35は、トリガー34が操作されたことを検出すると、トリガー34が操作されたことを示す制御信号を制御部41Aに出力する。
第1切替操作部36は、例えばグリップ312を握る手の親指にて操作可能なボタンである。第1切替操作部36は、操作装置3Aの動作モードを切り替える操作を受け付ける。具体的に、第1切替操作部36は、ユーザーの操作に応じて、操作装置3Aの動作モードを切り替える制御信号を制御部41Aに出力する。制御部41Aによる動作モードの切替については、後に詳述する。
【0015】
図3は、操作装置3Aの構成を示すブロック図である。
操作装置3Aは、上記構成の他、
図3に示すように、検出部37、通信部38、記憶部39、メモリー40及び制御部41Aを有する。
検出部37は、操作装置3Aの動きを検出する。検出部37は、3軸の加速度を検出する加速度センサーと、3軸の角速度を検出するジャイロセンサーと、を有する。換言すると、検出部37は、3軸の加速度及び3軸の角速度を検出可能な6軸センサーである。検出部37は、検出された各軸の加速度及び3軸の角速度を制御部41Aに出力する。
【0016】
通信部38は、本開示の送信部に相当する。通信部38は、制御部41Aによる制御の下、外部機器と通信する。通信部38は、例えば情報処理装置5と通信する。なお、通信部38は、情報処理装置5と有線にて通信可能である他、無線にて通信可能である。操作装置3Aと情報処理装置5とが無線にて接続される場合には、通信部38は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した通信プロトコルにて情報処理装置5と通信する。例えば、通信部38は、制御部41Aによって生成された操作信号を情報処理装置5に送信する。
【0017】
記憶部39は、フラッシュメモリー等の不揮発性記憶装置によって構成され、操作装置3Aの動作に必要なプログラム及びデータを記憶している。例えば、記憶部39は、操作装置3Aによって操作される照準位置を決定し、照準位置の座標を示す操作信号を送信するための照準操作プログラムを記憶している。
メモリー40は、制御部41Aのワークメモリーである。
【0018】
制御部41Aは、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備えて構成され、操作装置3Aの動作を制御する。例えば、制御部41Aは、トリガー34が操作されたことを示す制御信号が操作検出部35から入力されると、通信部38を介して情報処理装置5に、トリガー34が操作されたことを示す操作信号を送信する。また例えば、制御部41Aは、第1切替操作部36に対するユーザーの操作に応じて、操作装置3Aの動作モードを切り替えて、表示領域DPにおける照準位置の座標を示す操作信号を、通信部38を介して情報処理装置5に送信する。
【0019】
図4は、制御部41Aを示す機能ブロック図である。
制御部41Aは、
図4に示すように、モード切替部411、照準位置決定部412、信号生成部413及び通信制御部414を有する。
モード切替部411は、第1切替操作部36に対する切替操作に応じて、操作装置3Bの動作モードを切り替える。具体的に、第1切替操作部36に対する切替操作が行われていない場合には、モード切替部411は、操作装置3Bの動作モードを第1モードとする。一方、第1切替操作部36に対する切替操作が行われた場合には、モード切替部411は、操作装置3Bの動作モードを第2モードに切り替える。
【0020】
第1モードは、検出部37によって検出される操作装置3Aの動きに基づいて、照準位置を決定する動作モードである。なお、第1モードにて照準位置を決定する場合には、表示装置2に対する操作装置3Aの姿勢及び向きを調整するキャリブレーションが、操作装置3Aを用いて予め行われる。
第2モードは、照準操作部321,331に対するユーザーの操作に応じて、照準位置を決定する動作モードである。なお、第2モードにて照準位置を決定する場合には、表示領域DPの解像度、表示領域DP内の照準の移動範囲、及び、表示領域DP内における照準の移動速度等の設定情報が、操作装置3Aによって情報処理装置5から取得されるか、或いは、第1操作部32及び第2操作部33に対するユーザーの入力操作に基づいて取得される。
【0021】
照準位置決定部412は、モード切替部411によって切り替えられた動作モードに応じて照準位置を決定する。本実施形態では、照準位置決定部412は、表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する。
操作装置3Aの動作モードが第1モードである場合、照準位置決定部412は、検出部37によって検出される操作装置3Aの動きから、表示領域DPに対する操作装置3Aの姿勢及び向きを推定し、推定された操作装置3Aの姿勢及び向きに基づいて、表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する。
操作装置3Aの動作モードが第2モードである場合、照準位置決定部412は、照準操作部321,331に対するユーザーの操作に応じて、表示領域DPにおいて移動される照準位置の座標値を決定する。
【0022】
信号生成部413は、照準位置決定部412によって決定された照準位置の座標値を示す信号である操作信号を生成する。
通信制御部414は、通信部38による外部機器との通信を制御し、外部機器との間で情報を送受信する。例えば、通信制御部414は、信号生成部413によって生成された操作信号を、通信部38を介して情報処理装置5に送信する。また、通信制御部414は、通信部38を介して情報処理装置5から必要な情報、例えば上記設定情報を取得する。
【0023】
[照準操作処理]
図5は、制御部41Aが実施する照準操作処理を示すフローチャートである。
制御部41Aは、記憶部39に記憶された照準操作プログラムに基づいて、
図5に示す照準操作処理を実施する。照準操作処理は、ユーザーによって操作される操作装置3Aの照準位置を決定し、決定された照準位置を示す操作信号を情報処理装置5に送信することによって、情報処理装置5にて実行されるゲームにおける照準位置を操作する処理である。すなわち、照準操作処理は、本開示の操作方法を含む処理である。
照準操作処理では、まず、モード切替部411が、第1切替操作部36に対する操作(第1切替操作)が行われているか否かを判定する(ステップSA1)。具体的に、ステップSA1では、モード切替部411が、第1切替操作部36を構成するボタンが入力されているか否かを判定する。ステップSA1は、第1判定手順に相当する。
【0024】
ステップSA1の判定処理にて、第1切替操作部36に対する操作が行われていると判定されない場合、すなわち、第1切替操作部36に対する操作が行われていない場合(ステップSA1:NO)、モード切替部411は、操作装置3Aの動作モードを第1モードとする(第2切替手順)。動作モードが第1モードであるとき、照準位置決定部412は、上記のように、検出部37によって検出される操作装置3Aの動きに応じて、表示領域DPに対する操作装置3Aの姿勢及び向きを推定し、表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する(ステップSA2)。ステップSA2の後、制御部41Aは、処理をステップSA4に移行する。
【0025】
ステップSA1の判定処理にて、第1切替操作部36に対する操作が行われていると判定される場合、すなわち、第1切替操作部36が入力されている場合(ステップSA1:YES)、モード切替部411は、操作装置3Aの動作モードを第2モードに切り替える(第1切替手順)。動作モードが第2モードであるとき、照準位置決定部412は、照準操作部321,331に対するユーザーの操作に応じて照準位置の座標値を決定する(ステップSA3)。ステップSA3の後、制御部41Aは、処理をステップSA4に移行する。
【0026】
ステップSA4では、信号生成部413が、決定された照準位置の座標値を示す操作信号を生成し、通信制御部414が、生成された操作信号を、通信部38によって情報処理装置5に送信する(ステップSA4)。ステップSA4の後、制御部41Aは、処理をステップSA1に戻す。
このように、照準操作処理は、制御部41Aによって繰り返し実行され、操作装置3Aの姿勢及び向きを変更するユーザーの操作、又は、照準操作部321,331に対するユーザーの操作に応じた操作信号が、情報処理装置5に送信される。これにより、情報処理装置5は、表示領域DPに表示されるゲーム画面等の実行時画面において照準位置を移動させる。
【0027】
[情報処理装置の構成]
図6は、情報処理装置5の構成を示すブロック図である。
情報処理装置5は、上記のように、操作装置3Aに対するユーザーの操作に応じて、ゲーム等の処理を実行する。すなわち、情報処理装置5は、操作装置3Aによって操作される。例えば、情報処理装置5は、ガンシューティングゲームを実行し、操作装置3Aから受信される操作信号に基づいて、ゲーム画面における照準位置を移動させる。このような情報処理装置5は、
図6に示すように、通信部51、出力部52、記憶部53、メモリー54及び制御部55を備える。
【0028】
通信部51は、操作装置3A等の外部機器と通信し、外部機器との間で情報を送受信する。すなわち、通信部51は、操作装置3Aから操作信号を受信する受信部の機能を有する。通信部51は、外部機器から受信した信号を、制御部55に出力する。また、通信部51は、ルーター等の中継装置を介して、インターネット等のネットワークと接続可能であり、ネットワーク上のサーバーと通信可能である。
【0029】
出力部52は、表示装置2と接続される。出力部52は、制御部55によって生成された画像信号を表示装置2に出力し、画像信号に応じた画像を表示装置2に表示させる。
記憶部53は、情報処理装置5の動作に必要なプログラム及びデータを記憶している。例えば記憶部53は、情報処理装置5を管理するOS(Operating System)を記憶している。また例えば、記憶部53は、操作装置3Aによって操作可能なゲームのプログラムを記憶している。
メモリー54は、制御部55のワークメモリーである。
【0030】
制御部55は、記憶部53に記憶されたOSを実行して、情報処理装置5の動作を制御する他、ユーザーによって選択されたゲームを実行する。制御部55がガンシューティングゲームを実行するときには、制御部55は、通信部51を介して操作装置3Aから受信される操作信号に基づいて、ゲームを進行させる。
例えば、制御部55は、トリガー34が操作されたことを示す操作信号が受信された場合には、現在の照準位置とゲーム画面上のオブジェクトの位置とに基づいて、オブジェクトに対する銃弾等の当たり判定を行う。
また例えば、制御部55は、照準位置の座標値を示す操作信号が受信された場合には、受信された操作信号に基づいて、ゲーム画面内で照準位置を移動させる。
【0031】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る情報処理システム1は、以下の効果を奏する。
情報処理システム1は、操作システムに相当する。情報処理システム1は、操作装置3Aと、操作装置3Aによって操作される情報処理装置5と、を備える。
操作装置3Aは、ユーザーUSによる操作に応じて照準位置を操作する操作装置である。操作装置3Aは、第1切替操作部36、検出部37、照準操作部321,331及びモード切替部411を備える。第1切替操作部36は、操作装置3Aの動作モードを切り替える操作を受け付ける。検出部37は、操作装置3Aの動きを検出する。照準操作部321,331は、ユーザーUSの操作に応じて照準位置を操作する。モード切替部411は、第1切替操作部36に対する操作に応じて、検出部37によって検出された操作装置3Aの動きに基づいて照準位置を決定する第1モードと、照準操作部321,331に対する操作に応じて照準位置を決定する第2モードとのうち1つのモードに操作装置3Aの動作モードを切り替える。
【0032】
このような構成によれば、検出部37によって検出される操作装置の動きに基づいて照準位置を決定できる他、照準操作部321,331に対する操作に応じて照準位置を決定できる。これにより、操作装置3Aを撮像して、操作装置3Aの姿勢、及び、操作装置3Aと表示装置2との相対的な向きを取得するための撮像装置を設ける必要がない。従って、複雑な構成及び操作を要することなく照準位置を決定できる。そして、決定された照準位置を示す操作信号を操作装置3Aが送信することによって、操作信号を受信した情報処理装置5において、操作された照準位置を把握できる。
【0033】
操作装置3Aでは、照準位置決定部412にて決定された照準位置の座標値を示す操作信号を生成する信号生成部413と、信号生成部413によって生成された操作信号を送信する通信部38と、を備える。通信部38は、送信部に相当する。
このような構成によれば、送信された操作信号を受信することによって、操作装置3Aとは異なる外部機器としての情報処理装置5が、操作装置3Aによって操作される照準位置を把握できる。
【0034】
情報処理システム1は、表示装置2を備える。表示装置2は、情報処理装置5によって生成され、かつ、操作装置3Aによって照準位置が操作されるゲーム画面等の画面を表示する。
このような構成によれば、例えば操作装置3Aにて決定された照準位置を情報処理装置5が取得することによって、照準位置を示す照準マーカーを表示装置2に表示させることができる。従って、情報処理システム1の汎用性を高めることができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理システムは、第1実施形態に係る情報処理システム1と同様の構成を備えるが、操作装置が照準位置を決定するための他の構成を更に備える点で、情報処理システム1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
[情報処理システムの概略構成]
本実施形態に係る情報処理システムは、操作装置3Aに代えて操作装置3Bを備える他は、第1実施形態に係る情報処理システム1と同様の構成及び機能を備える。すなわち、本実施形態に係る情報処理システムは、本開示の操作システムを含むものであり、表示装置2、操作装置3B及び情報処理装置5を備える。
【0037】
[操作装置の構成]
図7は、操作装置3Bを示す模式図である。
操作装置3Bは、操作装置3Aと同様に、情報処理装置5を操作する操作信号を送信する。操作装置3Bは、
図7に示すように、第1実施形態に係る操作装置3Aと同様の構成を備える他、撮像部42、第2切替操作部43及び表示部44を備える。
撮像部42は、銃型の操作装置3Bによって照準位置が設定される領域を撮像する。例えば、撮像部42は、操作装置3Bが表示装置2の表示領域DPに向けられたときに、表示領域DPを含む領域を撮像する。撮像部42は、バレル311におけるD1方向の先端部に、撮像部42の撮像方向(D3方向)がバレル311の延出方向(D1方向)に沿うように設けられている。本実施形態では、D3方向はD1方向と平行である。撮像部42は、撮像画像を制御部41Bに出力する。撮像部42は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー又はCMOS(Complementary MOS)イメージセンサーを備える構成とすることができる。
【0038】
第2切替操作部43は、操作装置3Bの動作モードを切り替える操作を受け付ける。
本実施形態では、第2切替操作部43は、ユーザーを検出する近接センサーを有する。第2切替操作部43は、近接センサーによって、ユーザーが近接センサーに顔を近づける動作、すなわち、表示部44を観察するユーザーの動きを動作モードの切替操作として認識し、当該切替動作が行われた場合に、操作装置3Bの動作モードを第3モードに切り替える制御信号を制御部41Bに出力する。表示部44を観察するユーザーの動きは、より詳しくは、表示部44を覗き込むユーザーの動きである。なお、第3モードについては後に詳述する。
第2切替操作部43は、表示部44近傍に設けられている。詳述すると、第2切替操作部43は、筐体31におけるバレル311とグリップ312との交差部であって、D1方向及びD2方向のそれぞれに交差する両側面における表示部44近傍の位置に設けられている。
【0039】
図8は、撮像部42による撮像領域CAにおいて表示部44によって表示される表示領域DPを示す図である。
表示部44は、バレル311におけるD1方向とは反対方向の端部に、D2方向とは反対方向に突出するように設けられている。すなわち、表示部44は、銃における照門(リアサイト)に応じた部位に設けられている。表示部44は、制御部41Bによる制御の下、撮像部42による撮像領域における少なくとも一部の領域の画像を表示する。例えば表示部44は、
図8に示すように、撮像部42による撮像領域CAにおいて、撮像領域CAの中央を含み、かつ、撮像領域CAよりも小さい照準領域SAの画像を表示する。すなわち、表示部44は、撮像部42による撮像画像の少なくとも一部を表示する。撮像領域CAの中央が照準位置となることから、表示部44が照準領域SAの画像を表示することによって、ユーザーが操作装置3Bの照準位置を把握しやすくすることができる。
【0040】
また、表示部44が表示する画像は、撮像部42による撮像領域CAにおいて照準領域SAの外側領域の輝度又は色味を変更した画像であってもよい。このような画像が表示される場合には、操作装置3Bによる照準位置を把握しやすくすることができる他、撮像領域CAにおいて照準領域SAの外側の領域の様子を表示部44にて確認できる。
一方、表示部44の表示画像は、撮像部42による撮像画像そのものであってもよい。
なお、表示部44は、操作装置3Bの動作モードが第3モードであるときに限定されていてもよい。
【0041】
[操作装置の他の構成]
図9は、操作装置3Bの構成を示すブロック図である。
図10は、制御部41Bを示す機能ブロック図である。
操作装置3Bは、
図9に示すように、制御部41Aに代えて制御部41Bを備える。
制御部41Bは、制御部41Aと同様に、操作装置3Bの動作を制御する。制御部41Bは、
図10に示すように、信号生成部413、通信制御部414、モード切替部415、照準位置決定部416及び誤差補正部417を有する。
【0042】
モード切替部415は、第1切替操作部36及び第2切替操作部43に対する切替操作に応じて、操作装置3Bの動作モードを切り替える。具体的に、モード切替部411は、第1切替操作部36及び第2切替操作部43に対して切替操作が行われていない場合には、操作装置3Bの動作モードを上記した第1モードとする。第1切替操作部36に対する切替操作が行われた場合には、モード切替部415は、操作装置3Bの動作モードを上記した第2モードに切り替える。第2切替操作部43に対する切替操作が行われた場合、すなわち、表示部44を観察するユーザーの動きが第2切替操作部43によって検出された場合には、モード切替部415は、操作装置3Bの動作モードを第3モードに切り替える。
第3モードは、撮像部42による撮像画像に基づいて、操作装置3Bによる照準位置を決定する動作モードである。
このように、モード切替部415は、第2切替操作部43が操作された場合には、第3モードに操作装置3Bの動作モードを切り替え、第2切替操作部43が操作されていない場合には、第1切替操作部36に対する操作に応じて、第1モードと第2モードとのうち1つの動作モードに操作装置3Bの動作モードを切り替える。
【0043】
照準位置決定部416は、モード切替部415によって切り替えられた動作モードに応じて、ゲーム画面等の実行時画面が表示される表示装置2の表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する。
動作モードが第1モード又は第2モードである場合、照準位置決定部416は、照準位置決定部412と同様に、表示装置2の画面における照準位置を示す座標値を決定する。
【0044】
図11は、情報処理装置5によって表示装置2に表示されるゲーム画面SCの一例を示す図である。
動作モードが第3モードである場合、照準位置決定部416は、操作装置3Bの姿勢及び向きに応じて撮像領域CAの位置が変化する撮像部42による撮像画像に基づいて、表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する。
例えば、表示装置2は、
図11に示すゲーム画面SCを表示する。
ここで、FPS等のガンシューティングゲームのゲーム画面には、一般的に、プレイヤーのステータス、所持中の武器を示すアイコン、プレイヤーの進行方向、及び、スコア等を表示する複数のアイコンが含まれる。例えば
図11に示されるゲーム画面SCには、4つのアイコンCN(CN1~CN4)が含まれる。ゲーム画面における複数のアイコンの位置は、ゲーム毎に予め決められている。このため、少なくとも3つのアイコンを認識マーカーとし、撮像画像における各認識マーカーの位置に基づいて、表示領域DPの位置を規定できる。また、撮像部42の撮像方向は、バレル311の延出方向に沿っていることから、撮像部42による撮像領域CAの中心を、操作装置3Bによる照準位置とみなすことができる。
【0045】
図12は、撮像部42によって撮像された、ゲーム画面SCを含む撮像画像CPの一例を示す図である。
このため、照準位置決定部416は、
図12に示すように、撮像部42による撮像画像CPから、表示領域DPに表示されたゲーム画面SCにおける4つのアイコンCN1~CN4を認識マーカーMK1~MK4として認識し、認識マーカーMK1~MK4の位置に基づいて、撮像画像CPにおける表示領域DPの座標範囲を決定する。次に、照準位置決定部416は、表示領域DPの座標範囲と撮像画像CP(撮像領域CA)の中心位置とに基づいて、ゲーム画面SCにおける照準位置TPの座標値を決定する。
なお、信号生成部413は、上記のように、照準位置決定部416によって決定された表示領域DPにおける照準位置の座標値を示す操作信号を生成する。
また、通信制御部414、例えば信号生成部413によって生成された操作信号を、通信部38によって情報処理装置5に送信する。
【0046】
誤差補正部417は、操作装置3Bの動作モードが、検出部37による検出結果に基づいて照準位置を決定する第1モードでない場合に機能する。すなわち、誤差補正部417は、操作装置3Bの動作モードが第2モード又は第3モードである場合に機能する。誤差補正部417は、検出部37が有するジャイロセンサーの誤差、詳しくは、ドリフト誤差を補正する。
【0047】
撮像部42が単眼カメラである場合には、以下の誤差補正方法が例示される。
第1ステップとして、誤差補正部417は、撮像部42による撮像画像から認識マーカーMK1~MK4を認識し、表示装置2の表示領域DPと操作装置3Bとの相対位置、及び、表示領域DPに対する操作装置3Bの姿勢とを算出する。
第2ステップとして、誤差補正部417は、検出部37が有するジャイロセンサー及び加速度センサーによる検出結果に基づいて、表示領域DPと操作装置3Bとの相対位置、及び、表示領域DPに対する操作装置3Bの姿勢を更新する。
【0048】
第3ステップとして、誤差補正部417は、再度、撮像部42による撮像画像から認識マーカーMK1~MK4を認識し、検出部37が有するジャイロセンサー及び加速度センサーによる検出結果に基づく表示領域DPと操作装置3Bとの相対位置、及び、表示領域DPに対する操作装置3Bの姿勢と、撮像画像から導かれる表示領域DPと操作装置3Bとの相対位置、及び、表示領域DPに対する操作装置3Bの姿勢とを統合して、ジャイロセンサーのドリフト誤差を補正する。撮像画像に基づく相対位置及び姿勢と、検出部37の検出結果に基づく相対位置及び姿勢との統合は、カルマンフィルター等のアルゴリズムを用いてもよい。この場合、ノイズ等の分散を持つジャイロセンサー及び加速度センサーによる検出結果に基づく位置姿勢推定結果と、認識精度等の分散を持つイメージセンサーによる撮像画像から認識される認識マーカーMK1~MK4に基づく位置姿勢推定結果とに基づいて、2つの分散よりも小さい分散となる位置姿勢推定結果、すなわち、より高い精度の位置姿勢推定結果が算出される。
【0049】
なお、撮像部42が単眼カメラである場合には、小さい表示領域DPを近くから撮像した場合と、大きい表示領域DPを遠くから撮像した場合との区別ができない。このため、表示領域DPのサイズをユーザーに入力してもらったり、加速度センサーによる検出結果を用いて座標差分と絶対移動量を紐づけたりする等の対応が必要である。
【0050】
撮像部42が複眼カメラである場合には、例えば、上記した第1~第3ステップに示されるセンサーフュージョン処理を繰り返し実施して、ジャイロセンサーのドリフト誤差を補正する。これに伴い、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を実行して、表示装置2が配置された空間の地図を作成する。
なお、SLAMの実行により、空間内の絶対座標が求められることから、操作装置3Bの姿勢が変更される毎に、ジャイロセンサーのドリフト誤差を補正することもできる。
以上、誤差補正部417によるジャイロセンサーのドリフト誤差の補正について説明したが、必ずしも上記した補正方法を採用しなくてもよい。例えば、誤差補正部417は、ゲームの実行中にジャイロセンサーを定期的にリセットすることによって、ドリフト誤差の累積を抑制してもよい。
【0051】
[照準操作処理]
図13は、制御部41Bが実施する照準操作処理を示すフローチャートである。
制御部41Bは、記憶部39に記憶された照準操作プログラムに基づいて、
図13に示す照準操作処理を実施する。照準操作処理は、第1実施形態において示した照準操作処理と同様に、ユーザーによって操作される操作装置3Aの照準位置の座標値を決定し、決定された照準位置の座標値を示す操作信号を情報処理装置5に送信することによって、情報処理装置5にて実行されるゲームにおける照準位置を操作する処理である。本実施形態においても照準操作処理は、本開示の操作方法を含む処理である。
【0052】
本実施形態における照準操作処理では、まず、モード切替部415が、第2切替操作部43に対する操作(第2切替操作)が行われたか否かを判定する(ステップSB1)。具体的に、ステップSB1では、モード切替部415が、第2切替操作部43を構成する近接センサーがユーザーを検出しているか否かを判定する。ステップSB1は、第2判定手順に相当する。
ステップSB1の判定処理にて、第2切替操作部43に対する操作が行われていると判定された場合、すなわち、第2切替操作部43がユーザーを検出している場合(ステップSB1:YES)、モード切替部415は、操作装置3Bの動作モードを第3モードに切り替える(第3切替手順)。操作装置3Bの動作モードが第3モードである場合、照準位置決定部416は、撮像部42による撮像画像に基づいて照準位置の座標値を決定する(ステップSB2)また、操作装置3Bの動作モードが第3モードである場合、制御部41Bは、撮像部42による撮像画像の少なくとも一部を表示部44に表示させる表示手順を実施する。
ステップSB2の後、制御部41Bは、処理をステップSB5に移行する。
【0053】
ステップSB1の判定処理にて、第2切替操作部43に対する操作が行われていると判定されない場合、すなわち、第2切替操作部43がユーザーを検出していない場合(ステップSB1:NO)、モード切替部415は、上記したステップSA1と同様に、第1切替操作部36が操作されているか否かを判定する(ステップSB3)。ステップSB3は、第1判定手順に相当する。
ステップSB3の判定処理にて、第1切替操作部36に対する操作が行われていると判定された場合(ステップSB3:YES)、ステップSA3と同様に、モード切替部415は、操作装置3Bの動作モードを第2モードに切り替える(第1切替手順)。操作装置3Bの動作モードが第2モードである場合、照準位置決定部416は、照準操作部321,331に対するユーザーの操作に応じて、表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する(ステップSB4)。ステップSB4の後、制御部41Bは、処理をステップSB5に移行する。
【0054】
ステップSB5では、誤差補正部417が、検出部37が有するジャイロセンサーのドリフト誤差を補正する(ステップSB5)。ステップSB5の後、制御部41Bは、処理をステップSB7に移行する。
【0055】
ステップSB3の判定処理にて、第1切替操作部36に対する操作が行われていないと判定された場合(ステップSB3:NO)、ステップSA2と同様に、モード切替部415は、操作装置3Bの動作モードを第1モードとする(第2切替手順)。操作装置3Bの動作モードが第1モードである場合、照準位置決定部416は、検出部37によって検出される操作装置3Bの動きに基づいて、表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定する(ステップSB6)。ステップSB6の後、制御部41Bは、処理をステップSB7に移行する。
【0056】
ステップSB7では、ステップSA4と同様に、信号生成部413が、決定された照準位置の座標値を示す操作信号を生成し、通信制御部414が、生成された操作信号を通信部38によって情報処理装置5に送信する(ステップSB7)。ステップSB7の後、制御部41Bは、処理をステップSB1に戻す。
このように、照準操作処理は、制御部41Bによって繰り返し実行され、操作装置3Bの姿勢及び向きを変更するユーザーの操作、又は、照準操作部321,331に対するユーザーの操作に応じた操作信号が、情報処理装置5に送信される。これにより、情報処理装置5は、例えばゲーム画面等の実行時画面における照準位置TP(
図12参照)を移動させる。
【0057】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る情報処理システムは、第1実施形態に係る情報処理システム1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
操作装置3Bは、撮像部42及び第2切替操作部43を備える。撮像部42は、照準位置が設定される領域である表示領域DPを撮像する。第2切替操作部43は、操作装置3Bの動作モードを切り替える操作を受け付ける。モード切替部415は、第2切替操作部43が操作されると、撮像部42による撮像画像に基づいて照準位置の座標値を決定する第3モードに動作モードを切り替える。モード切替部415は、第2切替操作部43が操作されていないと、第1切替操作部36に対する操作に応じて、第1モードと第2モードとのうち1つのモードに動作モードを切り替える。
このような構成によれば、撮像部42による撮像画像に基づいて照準位置が決定されるので、照準位置を精度よく決定できる。
【0058】
操作装置3Bは、撮像部42による撮像画像の少なくとも一部を表示する表示部44を備える。
このような構成によれば、ユーザーUSが操作装置3Bの姿勢及び向きを変化させることによって操作される照準位置を、ユーザーが認識しやすくすることができる。従って、操作装置3Bの使い勝手を高めることができる。
【0059】
操作装置3Bにおいて、第2切替操作部43は、表示部44の近傍に設けられ、ユーザーを検出する近接センサーを有する。モード切替部415は、第2切替操作部43によって表示部44を観察するユーザーの動きが検出されると、第3モードに操作装置3Bの動作モードを切り替える。
このような構成によれば、第2切替操作部43が、ユーザーが表示部44を覗き込む動作を、ユーザーが銃の照門を覗き込む動作とみなして、操作装置3Bの動作モードを、表示部44に一部が表示される画像を撮像する撮像部42を用いる第3モードに切り替える操作として認識できる。そして、第2切替操作部43に対して当該操作が行われた場合に、操作装置の動作モードが第3モードに切り替わることによって、実際の銃を用いる場合と同様に、操作装置3Bを操作できる。従って、操作装置3Bの使い勝手を高めることができる。
【0060】
操作装置3Bは、操作装置3Bの外装を構成する銃型の筐体31を備える。撮像部42は、筐体31におけるバレル311に、撮像部42による撮像方向(D3方向)がバレル311の延出方向(D1方向)に沿うように設けられている。
このような構成によれば、撮像部42による撮像画像に基づいて決定される照準位置と、操作装置3Bの形状に応じてユーザーが認識する照準位置とを合わせやすくすることができる。すなわち、照準位置を移動させるときの操作装置3Bに対するユーザーの操作を直感的に実施しやすくすることができる。従って、操作装置3Bの使い勝手を高めることができる。
【0061】
操作装置3Bは、操作装置3Bの動作モードが第1モードでないときに、検出部37が有するジャイロセンサーの誤差を補正する誤差補正部417を備える。
このような構成によれば、操作装置3Bの動作モードが、検出部37による検出結果に基づいて照準位置の座標値を決定する第2モードでない場合に、誤差補正部417によって、検出部37が有するジャイロセンサーのドリフト誤差を補正できる。従って、操作装置3Bの動作モードが第2モードである場合に、照準位置の座標値を精度よく決定できる。
【0062】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、照準位置決定部412,416は、表示装置2の表示領域DPにおける照準位置の座標値を決定するとした。しかしながら、これに限らず、照準位置決定部412,416は、表示領域DPにおける照準位置の座標値に代えて、表示領域DPを複数の領域に分割したときの領域番号を決定してもよい。すなわち、表示領域DPにおける照準位置が一意に決定されるのであれば、照準位置を示す情報は、どのような情報であってもよい。
【0063】
上記各実施形態では、第1切替操作部36は、グリップ312を握る手の親指にて操作可能なボタンであるとした。しかしながら、これに限らず、第1切替操作部36は、ユーザーによって操作可能な操作手段であればよく、例えばタッチセンサーであってもよく、スイッチであってもよい。また、第1切替操作部36の位置は、適宜変更可能である。例えば、第1切替操作部36は、第1操作部32に設けられていてもよい。
また、モード切替部411,415は、第1切替操作部36が操作されている場合に、操作装置3A,3Bの動作モードを第2モードに切り替えるとした。しかしながら、第1切替操作部36が操作され続けている間、第2モードに切り替える構成に限らず、第1切替操作部36が操作される毎に、第1モードと第2モードとで動作モードを切り替えてもよい。一方、モード切替部411,415は、第1切替操作部36が操作されている場合に、操作装置3A,3Bの動作モードを第2モードに切り替える構成に限らず、第1モードに切り替えてもよい。
更に、操作装置3Bにおいて、第1切替操作部36は無くてもよい。この場合、第2切替操作部43に対する切替操作が行われていない場合、モード切替部415は、第1モード及び第2モードのうち一方のモードに操作装置3Bの動作モードを切り替えてもよい。
【0064】
上記各実施形態では、照準操作部321は、アナログスティックであるとした。上記第2実施形態では、照準操作部331は、アナログスティックであるとした。しかしながら、これに限らず、照準操作部321,331は、方向キー322等、他の操作子であってもよい。
【0065】
上記各実施形態では、検出部37は、3軸の加速度を検出する加速度センサーと、3軸の角速度を検出するジャイロセンサーとを有するとした。しかしながら、これに限らず、操作装置3A,3Bの動きを検出可能であれば、他のセンサーを備える構成としてもよく、加速度センサー及びジャイロセンサーのうち一方は無くてもよい。
【0066】
上記第2実施形態では、第2切替操作部43は、近接センサーを有するとした。しかしながら、これに限らず、第2切替操作部43は、例えばボタン等の操作子であってもよく、3つのスライド位置にスライド可能なスライドスイッチであってもよい。また、第2切替操作部43の配置位置も、適宜変更可能である。
また、モード切替部415は、第2切替操作部43の近接センサーがユーザーを検出し続けている間、操作装置3Bの動作モードを第3モードに維持するとした。しかしながら、これに限らず、近接センサーがユーザーを検出すると、第3モードに切り替えてもよい。また、近接センサーはユーザーを検出すればよく、近接センサーが検出するユーザーの動きは、表示部44を観察するユーザーの動きに限らない。
【0067】
上記第2実施形態では、モード切替部415は、ユーザーの切替操作に応じて、第1モード、第2モード及び第3モードのうち1つの動作モードに、操作装置3Bの動作モードを切り替えるとした。しかしながら、これに限らず、モード切替部415は、ユーザーの切替操作に応じて、第1モードと第3モードとのうち1つの動作モードに、操作装置3Bの動作モードを切り替えてもよく、或いは、第2モードと第3モードとのうち1つの動作モードに、操作装置3Bの動作モードを切り替えてもよい。すなわち、操作装置3Bの動作モードは、第1モード及び第2モードのうち一方の動作モードを含まなくてもよい。
【0068】
上記第2実施形態では、操作装置3Bは、撮像部42による撮像画像の少なくとも一部を表示する表示部44を備えるとした。しかしながら、これに限らず、表示部44は無くてもよい。また、上記のように、表示部44は、撮像画像の全体を表示してもよい。
【0069】
上記第2実施形態では、撮像部42は、筐体31のバレル311におけるD1方向の先端部に、撮像方向とバレル311の延出方向とが平行となるように設けられるとした。しかしながら、これに限らず、撮像方向とバレル311の延出方向とが平行となるように設けられれば、撮像部42の配置位置は、適宜変更可能である。例えば、バレル311におけるD1方向とは反対方向の位置に設けられてもよく、グリップ312、フォアグリップ313又はブリッジ314に設けられてもよい。
また、筐体31は、銃型の形状を有するとした。しかしながら、これに限らず、筐体31の形状は、銃型に限らず、他の形状であってもよい。
【0070】
上記第2実施形態では、制御部41Bは、操作装置3Bの動作モードが、検出部37の検出結果に基づいて照準位置の座標値を決定する第1モードでない場合、すなわち、第2モード又は第3モードである場合に、検出部37が有するジャイロセンサーのドリフト誤差を補正する誤差補正部417を有するとした。しかしながら、これに限らず、誤差補正部417は無くてもよい。また、上記のように、誤差補正部417によるドリフト誤差の補正方法は、上記に限定されず、他の補正方法が採用されてもよい。
【0071】
上記各実施形態では、信号生成部413は、決定された照準位置の座標値を示す操作信号を生成し、送信部としての通信部38は、生成された操作信号を情報処理装置5に送信するとした。しかしながら、これに限らず、例えば、操作装置3A,3Bだけでゲーム等の処理を実行可能であれば、必ずしも操作信号を外部に送信しなくてもよい。この場合、ゲーム画面等の実行時画面は、表示部44に表示される構成としてもよい。また、この場合、表示装置2及び情報処理装置5は、無くてもよい。
【0072】
上記各実施形態では、情報処理装置5が、操作装置3A,3Bから受信される操作信号に基づいてゲーム等の処理を実行するとした。しかしながら、これに限らず、情報処理装置5は、ネットワークを介してサーバーに接続され、サーバーが、情報処理装置5から受信される操作信号に基づいてゲーム等の処理を進行させ、情報処理装置5が、サーバーから受信されたゲーム画面等の実行時画面を表示装置2に表示させてもよい。
【0073】
上記各実施形態では、制御部41A,41Bが実施する照準操作処理は、記憶部39に記憶された照準操作プログラムに基づいて実行されるとした。このような照準操作プログラムは、コンピューター読取可能に記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体から、操作装置が照準操作プログラムを読み取って実行することで、上記した操作装置3A,3Bと同様の効果を奏することが可能となる。このような記録媒体としては、ディスク型記録媒体であってもよく、半導体記憶装置であってもよい。この他、照準操作プログラムは、ネットワークを介して提供されてもよい。
【0074】
上記各実施形態では、筐体31のバレル311、グリップ312、フォアグリップ313及びブリッジ314は、互いに接続されていた。しかしながら、これに限らず、バレル311、グリップ312、フォアグリップ313及びブリッジ314のうちの少なくとも1つの部位は、筐体31に対して脱離可能に装着されていてもよい。この場合、当該部位は、機能が異なる複数の装着体から選択されたものであってもよい。すなわち、操作装置は、操作装置の機能拡張又は形状変更のために、所定の機能を有する装着体が筐体に選択的に装着される構成としてもよい。
【0075】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[1]本開示の第1態様に係る操作装置は、ユーザーによる操作に応じて照準位置を操作する操作装置であって、前記操作装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける第1切替操作部と、前記操作装置の動きを検出する検出部と、前記ユーザーの操作に応じて前記照準位置を操作する照準操作部と、前記第1切替操作部に対する操作に応じて、前記検出部によって検出された前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定する第1モードと、前記照準操作部に対する操作に応じて前記照準位置を決定する第2モードとのうち1つのモードに前記動作モードを切り替えるモード切替部と、を備える。
【0076】
このような構成によれば、検出部によって検出される操作装置の動きに基づいて照準位置を決定できる他、照準操作部に対する操作に応じて照準位置を決定できる。これにより、操作装置を撮像して、操作装置の姿勢、及び、操作装置と表示装置との相対的な向きを取得するための撮像装置を設ける必要がない。従って、複雑な構成及び操作を要することなく照準位置を決定できる。そして、決定された照準位置を示す操作信号を操作装置が送信することによって、操作信号を受信した情報処理装置において、操作された照準位置を把握できる。
【0077】
[2][1]において、前記動作モードを切り替える操作を受け付ける第2切替操作部と、前記照準位置が設定される領域を撮像する撮像部と、を備え、前記モード切替部は、前記第2切替操作部が操作されると、前記撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定する第3モードに前記動作モードを切り替え、前記第2切替操作部が操作されていないと、前記第1切替操作部に対する操作に応じて、前記第1モードと前記第2モードとのうち1つのモードに前記動作モードを切り替えてもよい。
このような構成によれば、撮像部による撮像画像に基づいて照準位置が決定されるので、照準位置を精度よく決定できる。
【0078】
[3][2]に記載の操作装置において、前記撮像部による撮像画像の少なくとも一部を表示する表示部を備えていてもよい。
このような構成によれば、ユーザーが操作装置の姿勢を変化させることによって操作される照準位置を、ユーザーが認識しやすくすることができる。従って、操作装置の使い勝手を高めることができる。
【0079】
[4][3]に記載の操作装置において、前記第2切替操作部は、前記表示部の近傍に設けられ、前記ユーザーを検出する近接センサーを有し、前記モード切替部は、前記第2切替操作部によって前記表示部を観察する前記ユーザーの動きが検出されると、前記第3モードに前記動作モードを切り替えてもよい。
このような構成によれば、第2切替操作部が、ユーザーが表示部を覗き込む動作を、ユーザーが銃の照門を覗き込む動作とみなして、操作装置の動作モードを、表示部に一部が表示される画像を撮像する撮像部を用いる第3モードに切り替える操作として認識できる。そして、第2切替操作部に対して当該操作が行われた場合に、撮像部による撮像画像に基づいて照準位置を決定する第3モードに操作装置の動作モードが切り替わることによって、実際の銃を用いる場合と同様に、操作装置を操作できる。従って、操作装置の使い勝手を高めることができる。
【0080】
[5][2]から[4]のいずれか1つに記載の操作装置において、前記操作装置の外装を構成する銃型の筐体を備え、前記撮像部は、前記筐体におけるバレルに、前記撮像部による撮像方向が前記バレルの延出方向に沿うように設けられていてもよい。
このような構成によれば、撮像方向が筐体のバレルの延出方向に沿うように、撮像部がバレルに設けられていることにより、撮像部による撮像画像に基づいて決定される照準位置と、操作装置の形状に応じてユーザーが認識する照準位置とを合わせやすくすることができる。すなわち、照準位置を移動させるときの操作装置に対するユーザーの操作を直感的に実施しやすくすることができる。従って、操作装置の使い勝手を高めることができる。
【0081】
[6][2]から[5]のいずれか1つに記載の操作装置において、前記動作モードが前記第1モードでないときに、前記検出部が有するジャイロセンサーの誤差を補正する誤差補正部を備えていてもよい。
このような構成によれば、操作装置の動作モードが、検出部による検出結果に基づいて照準位置を決定する第2モードでない場合に、誤差補正部によって、検出部が有するジャイロセンサーの誤差、例えば、ドリフト誤差を補正できる。従って、操作装置の動作モードが第2モードである場合に、照準位置を精度よく決定できる。
【0082】
[7][1]から[6]のいずれか1つに記載の操作装置において、決定された前記照準位置の座標値を示す信号を生成する信号生成部と、前記信号生成部によって生成された信号を送信する送信部と、を備えていてもよい。
このような構成によれば、送信された信号を受信することによって、操作装置とは異なる外部機器が、操作装置によって操作される照準位置を把握できる。
【0083】
[8]本開示の第2態様に係る操作システムは、[1]から[7]のいずれか1つに記載の操作装置と、前記操作装置によって操作される情報処理装置と、を備える。
このような構成によれば、上記した操作装置と同様の効果を奏することができる。
【0084】
[9][8]に記載の操作システムにおいて、前記情報処理装置によって生成され、かつ、前記操作装置によって前記照準位置が操作される画面を表示する表示装置を備えていてもよい。
このような構成によれば、照準位置が操作される表示装置は、情報処理装置によって生成された画像を表示するので、例えば操作装置にて決定された照準位置を情報処理装置が取得することによって、照準位置を示す照準マーカーを表示装置に表示させることができる。従って、操作システムの汎用性を高めることができる。
【0085】
[10]本開示の第3態様に係る操作方法は、照準位置を操作する操作装置にて実施される操作方法であって、前記操作装置の動作モードを切り替える第1切替操作が行われたか否かを判定する第1判定手順と、前記第1判定手順にて、前記第1切替操作が行われたと判定されると、前記操作装置の動きに基づいて前記照準位置を決定する第1モードと、前記操作装置に設けられた照準操作部に対するユーザーの操作に応じて前記照準位置を決定する第2モードとのうち、一方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える第1切替手順と、前記第1判定手順にて、前記第1切替操作が行われていないと判定されると、前記第1モード及び前記第2モードのうち、他方のモードに前記操作装置の動作モードを切り替える第2切替手順と、を含む。
このような構成によれば、上記した[1]に記載の操作装置と同様の効果を奏することができる。
【0086】
[11][10]に記載の操作方法において、前記操作装置の動作モードを切り替える第2切替操作が行われたか否かを判定する第2判定手順と、前記第2判定手順にて、前記第2切替操作が行われたと判定されると、前記操作装置に設けられた撮像部による撮像画像に基づいて前記照準位置を決定する第3モードに、前記操作装置の動作モードを切り替える第3切替手順と、を含み、前記第2判定手順にて、前記第2切替操作が行われていないと判定されると、前記第1判定手順を実施してもよい。
このような構成によれば、上記した[2]に記載の操作装置と同様の効果を奏することができる。
【0087】
[12][11]に記載の操作方法において、前記第3モードに前記操作装置の動作モードが切り替えられると、前記撮像部による撮像画像の少なくとも一部を前記操作装置に設けられた表示部に表示させる表示手順を含んでもよい。
このような構成によれば、上記した[3]に記載の操作装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0088】
1…情報処理システム(操作システム)、2…表示装置、3A,3B…操作装置、31…筐体、311…バレル、312…グリップ、313…フォアグリップ、314…ブリッジ、321,331…照準操作部、36…第1切替操作部、37…検出部、38…通信部(送信部)、41A,41B…制御部、411,415…モード切替部、412,416…照準位置決定部、413…信号生成部、414…通信制御部、417…誤差補正部、42…撮像部、43…第2切替操作部、44…表示部、5…情報処理装置、SA1,SB3…ステップ(第1判定手順)、SA2,SB6…ステップ(第2モード切替手順)、SA3,SB4…ステップ(第1モード切替手順)、SB1…ステップ(第2判定手順)、SB2…ステップ(第3モード切替手順)。