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特許7562713基板にメモリセル、高電圧デバイス、及び論理デバイスを作製する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】基板にメモリセル、高電圧デバイス、及び論理デバイスを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 41/42 20230101AFI20240930BHJP
   H10B 41/30 20230101ALI20240930BHJP
   H10B 41/49 20230101ALI20240930BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240930BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240930BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H10B41/42
H10B41/30
H10B41/49
H01L29/78 371
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022579030
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020066727
(87)【国際公開番号】W WO2021262235
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】202010581174.7
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】17/129,865
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】サン、ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、アンディ
(72)【発明者】
【氏名】ソング、グオ シャン
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/112756(WO,A1)
【文献】特表2018-503263(JP,A)
【文献】特表2018-509000(JP,A)
【文献】特開2003-168748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/42
H10B 41/30
H10B 41/49
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを形成する方法であって、
第1のエリア、第2のエリア、及び第3のエリアを含む半導体材料の基板を提供するステップと、
前記第3のエリア内の前記基板の上面に対して、前記第1のエリア内の前記基板の上面及び前記第2のエリア内の前記基板の上面を陥凹させるステップと、
前記第1及び第2のエリア内の前記上面の上方に配設され、前記第1及び第2のエリア内の前記上面から絶縁された第1の導電層を形成するステップと、
前記第1及び第2のエリア内の前記第1の導電層の上方に配設され、前記第1及び第2のエリア内の前記第1の導電層から絶縁され、かつ前記第3のエリア内の前記上面の上方に配設され、前記第3のエリア内の前記上面から絶縁された第2の導電層を形成するステップと、
1つ以上のエッチングを実行して、前記第1のエリア内の前記第1及び第2の導電層の一部を選択的に除去し、前記第2のエリアから前記第1及び第2の導電層を完全に除去する一方で、前記第3のエリア内の前記第2の導電層を維持するステップであって、前記1つ以上のエッチングは、前記第1のエリア内にスタック構造の対をもたらし、前記スタック構造の各々は、前記第1の導電層の浮遊ゲートの上方に配設され、前記第1の導電層の浮遊ゲートから絶縁された前記第2の導電層の制御ゲートを含む、ステップと、
前記スタック構造の対のうちの1つの間に各々配設された第1のソース領域を前記基板内に形成するステップと、
前記第1及び第2のエリア内の前記基板の前記上面の上方に配設され、前記第1及び第2のエリア内の前記基板の前記上面から絶縁された第3の導電層を形成するステップと、
前記第1及び第2のエリア内の前記第3の導電層の上方に保護層を形成するステップと、
前記保護層の前記形成ステップの後に、前記第3のエリアから前記第2の導電層を除去するステップと、
前記第3のエリアからの前記第2の導電層の前記除去ステップ後、前記第3のエリア内の前記上面の上方に配設され、前記第3のエリア内の前記上面から絶縁された導電性材料の複数のブロックを形成するステップと、
前記第3のエリア内における前記導電性材料のブロックの前記形成ステップの後に、前記保護層の部分並びに前記第1及び第2のエリア内の前記第3の導電層の部分をエッチングして、各々が前記スタック構造のうちの1つに隣接して配設された前記第3の導電層の複数の選択ゲートを形成し、かつ各々が前記第2のエリア内の前記上面の上方に配設され、前記第2のエリア内の前記上面から絶縁された前記第3の導電層の複数のHVゲートを形成するステップであって、前記スタック構造の対の各々について、前記第3の導電層の消去ゲートが、前記スタック構造の対の間に配設され、前記ソース領域のうちの1つの上方に配設され、前記ソース領域のうちの1つから絶縁される、ステップと、
前記複数の選択ゲート及び前記複数のHVゲートの前記形成ステップの後に、
前記第1、第2、及び第3のエリア内に流動性材料の半非共形層を形成するステップと、
前記第1のエリア内の前記保護層から前記流動性材料の前記半非共形層の一部を除去する一方で、前記第2及び第3のエリア内の前記流動性材料の前記半非共形層を維持するステップと、
前記第1のエリア内の前記保護層を薄くするステップと、
前記第1のエリア内の前記流動性材料の前記半非共形層の残りの一部、並びに前記第2及び第3のエリア内の前記流動性材料の前記半非共形層を除去するステップと、
各々が前記複数の選択ゲートのうちの1つに隣接する複数の第1のドレイン領域を前記基板内に形成するステップと、
各々が前記複数のHVゲートのうちの1つに隣接する複数の第2のソース領域を前記基板内に形成するステップと、
各々が前記複数のHVゲートのうちの1つに隣接する複数の第2のドレイン領域を前記基板内に形成するステップと、
各々が前記導電性材料の複数のブロックのうちの1つに隣接する複数の第3のソース領域を前記基板内に形成するステップと、
各々が前記導電性材料の複数のブロックのうちの1つに隣接する複数の第3のドレイン領域を前記基板内に形成するステップと、
前記選択ゲート及び前記消去ゲートを露出するように、前記第1のエリア内の前記薄くされた保護層を除去するステップと、
前記選択ゲート及び前記消去ゲートにシリサイドを形成するステップと、
前記導電性材料の複数のブロックの各々を金属材料の複数のブロックと置き換えるステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記金属材料の複数のブロックの各々は、高K絶縁材料の層によって前記第3のエリア内の前記上面から絶縁されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記置き換えステップの前に、前記導電性材料の複数のブロックの各々が、高K絶縁材料の層によって前記第3のエリア内の前記上面から絶縁され、前記置き換えステップは、前記高K絶縁材料の層の前記金属材料のブロックの各々を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1、第2、及び第3の導電層の各々は、ポリシリコン又はアモルファスシリコンで形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の導電層の前記形成ステップは、前記第3のエリア内に前記第1の導電層を形成するステップを更に含み、前記方法は、前記第1の導電層を前記第3のエリアから除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の導電層の前記形成ステップは、前記第3のエリア内に前記第3の導電層を形成するステップを更に含み、前記方法は、前記第3の導電層を前記第3のエリアから除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1、第2、及び第3のドレイン領域、並びに前記第2及び第3のソース領域にシリサイドを形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
記HVゲートにシリサイドを形成するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記選択ゲート、前記消去ゲート、及び前記HVゲートに前記シリサイド形成するステップの後、かつ前記導電性材料の複数のブロックの各々と、前記金属材料のブロックとの前記置き換えステップの前に、前記方法は、
前記第1及び第2のエリア内の前記シリサイドに材料の保護層を形成するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記スタック構造の各々について、前記制御ゲートは、ONO絶縁層によって前記浮遊ゲートから絶縁される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第3の導電層の前記形成ステップの後に、前記方法は、
前記第2のエリア内の前記第3の導電層に絶縁材料の層を形成するステップと、
前記第1及び第3のエリア内の前記第3の導電層、並びに前記第2のエリア内の前記絶縁材料の層に導電性材料のダミー層を形成するステップと、
化学機械研磨を実行して、前記第1、第2、及び第3のエリア内の前記導電性材料のダミー層を除去するステップと、次いで、
前記第2のエリアから前記絶縁材料の層を除去するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2020年6月23日に出願され、「Method of Making Memory Cells,High Voltage Devices and Logic Devices on a Substrate」と題する中国特許出願第202010581174.7号、及び2020年12月21日に出願され、「Method Of Making Memory Cells,High Voltage Devices And Logic Devices On A Substrate」と題する米国特許出願第17/129,865号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、埋め込み型不揮発性メモリセルを備えた半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
シリコン半導体基板に形成された不揮発性メモリ半導体デバイスは、周知である。例えば、米国特許第6,747,310号、同第7,868,375号、及び同第7,927,994号は、半導体基板に形成された4つのゲート(浮遊ゲート、制御ゲート、選択ゲート、及び消去ゲート)を備えたメモリセルを開示し、これらは、全ての目的に対して参照により本明細書に組み込まれる。ソース及びドレイン領域は、基板への拡散注入領域として形成され、基板においてそれらの間にチャネル領域を画定する。浮遊ゲートは、チャネル領域の第1の部分の上方に配設され、第1の部分の導電率を制御し、選択ゲートは、チャネル領域の第2の部分の上方に配設され、第2の部分の導電率を制御し、制御ゲートは、浮遊ゲートの上方に配設され、消去ゲートは、ソース領域の上方に、かつ浮遊ゲートに横方向に隣接して配設される。
【0004】
また、不揮発性メモリセルと同じ基板に低電圧論理デバイス及び高電圧論理デバイスを形成することも知られている。例えば、全ての目的に対して参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,276,005号を参照されたい。高K誘電体及び金属ゲートなどの新しいゲート材料も、性能を高めるために使用される。しかしながら、メモリセルを形成する際の処理工程は、同時に作製される論理デバイスに悪影響を与える場合があり、逆もまた同様である。
【0005】
同じ基板にメモリセル、低電圧論理デバイス、及び高電圧デバイスを含むデバイスを作製する改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
上述した問題及び必要性は、半導体デバイスを形成する方法によって対処され、この方法は、
第1のエリア、第2のエリア、及び第3のエリアを含む半導体材料の基板を提供するステップと、
第3のエリア内の基板の上面に対して、第1のエリア内の基板の上面及び第2のエリア内の基板の上面を陥凹させるステップと、
第1及び第2のエリア内の上面の上方に配設され、第1及び第2のエリア内の上面から絶縁された第1の導電層を形成するステップと、
第1及び第2のエリア内の第1の導電層の上方に配設され、第1及び第2のエリア内の第1の導電層から絶縁され、かつ第3のエリア内の上面の上方に配設され、第3のエリア内の上面から絶縁された第2の導電層を形成するステップと、
1つ以上のエッチングを実行して、第1のエリア内の第1及び第2の導電層の一部を選択的に除去し、第2のエリアから第1及び第2の導電層を完全に除去する一方で、第3のエリア内の第2の導電層を維持するステップであって、1つ以上のエッチングは、第1のエリア内にスタック構造の対をもたらし、スタック構造の各々は、第1の導電層の浮遊ゲートの上方に配設され、それから絶縁された第2の導電層の制御ゲートを含む、ステップと、
スタック構造の対のうちの1つの間に各々配設された基板内に第1のソース領域を形成するステップと、
第1及び第2のエリア内の基板の上面の上方に配設され、そこから絶縁された第3の導電層を形成するステップと、
第1及び第2のエリア内の第3の導電層の上方に保護層を形成するステップと、
保護層の形成ステップの後に、第3のエリアから第2の導電層を除去するステップと、
第3のエリアからの第2の導電層の除去ステップ後、第3のエリア内の上面の上方に配設され、第3のエリア内の上面から絶縁された導電性材料の複数のブロックを形成するステップと、
第3のエリア内における導電性材料のブロックの形成ステップの後に、保護層の部分並びに第1及び第2のエリア内の第3の導電層の部分をエッチングして、各々がスタック構造のうちの1つに隣接して配設された第3の導電層の複数の選択ゲートを形成し、かつ各々が第2のエリア内の上面の上方に配設され、そこから絶縁された第3の導電層の複数のHVゲートを形成するステップと、
各々が複数の選択ゲートのうちの1つに隣接する複数の第1のドレイン領域を基板内に形成するステップと、
各々が複数のHVゲートのうちの1つに隣接する複数の第2のソース領域を基板内に形成するステップと、
各々が複数のHVゲートのうちの1つに隣接する複数の第2のドレイン領域を基板内に形成するステップと、
各々が導電性材料の複数のブロックのうちの1つに隣接する複数の第3のソース領域を基板内に形成するステップと、
各々が導電性材料の複数のブロックのうちの1つに隣接する複数の第3のドレイン領域を基板内に形成するステップと、
導電性材料の複数のブロックの各々を金属材料の複数のブロックと置き換えるステップと、を含む。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図1B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図1C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図2A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図2B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図2C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図3A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図3B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図3C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図4A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図4B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図4C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図5A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図5B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図5C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図6A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図6B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図6C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図7A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図7B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図7C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図8A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図8B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図8C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図9A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図9B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図9C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図10A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図10B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図10C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図11A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図11B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図11C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図12A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図12B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図12C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図13A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図13B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図13C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図14A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図14B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図14C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図15A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図15B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図15C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図16A】メモリセルを形成する工程を示すメモリセルエリアの断面図である。
図16B】HVデバイスを形成する工程を示すHVエリアの断面図である。
図16C】論理デバイスを形成する工程を示す論理エリアの断面図である。
図17】完成したメモリセルを示すメモリセルエリアの断面図である。
図18】完成したHVデバイスを示すHVエリアの断面図である。
図19】完成した論理デバイスを示す論理エリアの断面図である。
図20】代替の実施形態における完成した論理デバイスを示す論理エリアの断面図である。
図21】代替の実施形態における完成した論理デバイスを示す論理エリアの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、同じ半導体基板にメモリセル、低電圧論理デバイス、及び高電圧論理デバイスを同時に形成することによって半導体デバイスを形成するプロセスである。下で説明されるプロセスは、基板10の1つ以上のメモリセルエリア(第1のエリア又はMCエリアとも称される)2内にメモリセル、基板10の1つ以上の高電圧論理デバイスエリア(第2のエリア又はHVエリアとも称される)4内に高電圧論理デバイス、及び基板10の1つ以上の低電圧論理デバイスエリア(第3のエリア又は論理エリアとも称される)6内に低電圧論理デバイスを形成することを含む。本プロセスは、MCエリア2内にメモリセルの対、HVエリア4内に高電圧論理デバイス、及び論理エリア6内に低電圧論理デバイスを同時に形成することに関して説明される。しかしながら、各領域の中の多数のそのようなデバイスは、同時に形成される。基板10は、半導体材料(例えば、シリコン)の基板である。
【0017】
MCエリア2について図1A図16Aを参照し、HVエリア4について図1B図16Bを参照し、論理エリア6について図1C図16Cを参照すると、半導体メモリデバイスを作製するプロセスにおける工程の断面図が示される。このプロセスは、シリコン基板10の上面10aを、論理エリア6に対して凹部量RだけMCエリア2及びHVエリア4に陥凹させることによって始まる。基板上面10aを陥凹させることは、好ましくは、基板上面10aに二酸化ケイ素(以下、「酸化物」)層及び酸化物層に窒化ケイ素(以下、「窒化物」)層を形成することによって行われる。フォトリソグラフィマスキング工程を実行して、フォトレジストでMC及びHVエリア2/4ではなく論理エリア6を覆う(すなわち、3つのエリア全てにわたってフォトレジストを形成し、フォトレジストの一部を選択的に露出し、フォトレジストの一部を選択的に除去し、下地構造の露出した部分(この場合、MC及びHVエリア2/4内の窒化物層)を残す一方、下地構造の他の部分(この場合、論理エリア6内の窒化物層)をフォトレジストによって覆われたままにする)。窒化物及び酸化物エッチングを行い、これらの層をMC及びHVエリア2/4から除去し、これらのエリア内の上面10aを露出したままにする。フォトレジストの除去後、次いで、熱酸化を行い、MC及びHVエリア2/4内の上面10aの露出部分に酸化物層を形成する。この熱酸化プロセスは、基板のシリコンの一部を消費し、これらのエリア内で上面10aを効果的に下げる。次いで、窒化物及び酸化物エッチングを使用して、全ての酸化物及び窒化物層を除去し、図1A図1B、及び図1Cに示される構造をもたらす。MC及びHVエリア2/4の上面10aは、論理エリア6の上面10aに対して量R(例えば、200~700A)だけ陥凹される。
【0018】
次に、酸化物層12が上面10aに形成される(例えば、堆積又は熱成長などによって)。その後、ポリシリコン(以下「ポリ」)14のような導電層が酸化物層12に形成される。ポリ層14は、代わりに、その場でドープされるか又はドープされていないかのいずれかであるアモルファスシリコンであってもよい。非ドープのポリシリコン又はアモルファスシリコンが層14に使用される場合、埋め込み及びアニールが行われる。次いで、フォトリソグラフィマスキング工程を行って、MC及びHVエリア2/4をフォトレジスト16で覆うが、論理エリア6を露出させたままにする(すなわち、フォトレジスト16は、マスキング工程の一部として論理エリア6から除去される)。次いで、図2A図2B、及び図2Cに示されるように、ポリエッチングを使用して、論理エリア6からポリ層14を除去する。
【0019】
フォトレジスト16が除去された後、任意選択の酸化物層18が構造の上方に形成され、続いて酸化物層18に窒化物層20が形成される。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、各エリアの部分をフォトレジストで選択的に覆う。窒化物、酸化物、ポリ、及びシリコンのエッチングを使用して、窒化物20、酸化物18、ポリ14、酸化物12を貫いてシリコン基板10の中までトレンチを形成する。好ましくは、トレンチは、基板10の論理エリア6内で2000A~3500Aの深さであり、基板10のMC及びHVエリア2/4内で1600A~3300Aの深さである。次いで、図3A図3B、及び図3Cに示されるように、トレンチを窒化物層20の酸化物堆積及び化学機械研磨(CMP)停止によって酸化物22で充填する。酸化物22はまた、STI(浅いトレンチ分離)と称され得、これは周知の分離技術である。酸化物22は、酸化物堆積前の熱酸化によって形成されたライナー酸化物を含むことができる。
【0020】
一連の埋め込みを実行して、各エリア2/4/6(各埋め込み中に他のエリアのうちの1つ以上を保護するフォトレジストを用いる)において基板10内に所望のウェルを作成し、続いて酸化物のエッチバックを行い、STI酸化物22が窒化物層20の上端の下方に陥凹させることができる。次に、窒化物エッチングを使用して、窒化物層20を除去する。次いで、絶縁層24が構造の上方に形成される。好ましくは、絶縁層24は、酸化物/窒化物/酸化物副層(酸化物、窒化物、酸化物堆積及びアニールによって形成された)を有するONO複合体層である。しかしながら、絶縁層24は、代わりに、他の誘電体層の複合体、又は副層を有さない単一の誘電体材料で形成されてもよい。次いで、ポリシリコン層26などの導電層が、ポリシリコン堆積によって構造に形成される。ポリ層26は、代わりに、その場ドープ又は非ドープのいずれかの、アモルファスシリコンであってもよい。ポリ埋め込み及びアニールは、非ドープのポリシリコン又はアモルファスシリコンが層14に使用される場合に実行される。次いで、ハードマスク層28をポリ層26に形成する。ハードマスク層28は、窒化物、SiCN、又は酸化物、窒化物及び/若しくはSiCN層の複合体であり得る。結果得られた構造を図4A図4B及び図4Cに示す。
【0021】
フォトリソグラフィマスキング工程は、構造にフォトレジスト30を形成するために使用され、ここで、HVエリア4から除去され、MCエリア2から選択的に除去されて、HVエリア4内の層28が露出し、MCエリア2内の層28の一部分のみが露出する。一連のエッチングを使用して、ハードマスク層28、ポリ層26、及びONO層24の露出部分を除去し、MCエリア2内のハードマスク層28、ポリ層26、及びONO層24の離間したスタック構造S1及びS2の対を残し、これらの層をHVエリア4から完全に除去する。結果得られた構造を図5A図5B及び図5Cに示す。
【0022】
フォトレジスト30が除去された後、酸化物堆積又は熱酸化及びエッチングを使用して、MCエリア2内のスタックS1及びS2の側面に沿ってスペーサ32を形成する。窒化物の堆積及びエッチングを使用して、酸化物スペーサ32の側面に沿って窒化物スペーサ34を形成する。酸化物及び窒化物のエッチングを組み合わせることができる。各離間したスタック構造S1/S2が同様にポリ14のブロックを含むように、ポリエッチングを実行して、ポリ層14の露出部分を除去する。ポリ層14をHVエリア4から完全に除去する。酸化物スペーサ36は、図6A図6B、及び図6Cに示されるように、酸化物堆積及び酸化物異方性エッチングによってポリ層14のブロックの露出端に沿って含むスタック構造S1/S2の側面に形成される。
【0023】
フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、MC及び論理エリア2/6をフォトレジストで覆うが、露出したHVエリア4を残す。酸化物エッチングを使用して、HVエリア4から酸化物層12を除去する。フォトレジストの除去後、次いで、絶縁層38を、熱成長及び/又は堆積によってHVエリア4内の基板上面10a、並びにMC及び論理エリア2/6内の構造に形成する。絶縁層38は、酸化物及び/又は酸窒化物であり得、HVデバイスのゲート酸化物として機能する。しかしながら、酸化物12の除去及び絶縁層38との置き換えは任意選択的であり、酸化物12は代わりに、HVデバイスのゲート酸化物の一部又は全体として使用されてもよいことに留意されたい。フォトレジストの除去後、フォトレジスト40を構造に形成し、MCエリア2内のスタックS1とS2との間のエリア(本明細書では内部スタックエリアと称される)からのみ除去する。埋め込みプロセスを実行して、スタックS1とスタックS2との間の基板内にソース領域42を形成する。次いで、酸化物エッチングを使用して、内部スタックエリア内の酸化物層38、酸化物スペーサ36、及び酸化物層12を除去する。結果得られた構造を図7A図7B及び図7Cに示す。
【0024】
フォトレジスト40の除去後、構造にトンネル酸化物44を形成する。トンネル酸化物44は、堆積及び/又は熱成長によって形成された酸化物及び/又は酸窒化物であり得る。ソース領域42におけるより高いドーパントレベルの触媒効果のために、トンネル酸化物44は、ソース領域42により厚い部分44aを有することができる。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、HV及び論理エリア4/6、並びにMCエリア内の内部スタックエリアをフォトレジストで覆う。スタック構造S1及びS2の他方側のエリア(本明細書では外部スタックエリアと称される)は露出したままである。埋め込みは、この時点で、外部スタックエリア内の基板10の部分(すなわち、後に形成される選択ゲートの下にあるそれらの基板部分)について実行され得る。酸化物エッチングを使用して、外部スタックエリア内の露出した酸化物層12を除去する。フォトレジストの除去後、構造に酸化物層46を形成する。酸化物層46は、堆積及び/又は熱成長によって形成された酸化物及び/若しくは酸窒化物又は任意の他の適切な誘電体材料であり得る。酸化物層46の形成は、トンネル酸化物44及び絶縁層38の一部を厚くするか、又はその一部になる。結果得られた構造を図8A図8B及び図8Cに示す。
【0025】
構造にポリシリコン層48などの導電層が形成される。ポリ層48は、その場ドープ又は非ドープとすることができ、また代わりにアモルファスシリコンであってもよい。次いで、非ドープのポリシリコン又はアモルファスシリコンが層48に使用される場合、ドーピング及びアニールが実行される。バッファ酸化物層50は、ポリ層48に形成される。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、HVエリア4内のバッファ酸化物層50を覆うが、MC及び論理エリア2/6内に露出したバッファ酸化物層50を残す。次いで、バッファ酸化物層50の露出部分を、MC及び論理エリア2/6内で酸化物エッチングによって除去する。フォトレジストの除去後、図9A図9B、及び図9Cに示されるように、ポリシリコン層52などの導電層を構造に堆積させる(これは代わりにポリ層48と同じドーピングを用いるアモルファスシリコンであってもよい)。ポリ化学機械研磨(CMP)を実行して、構造の上面を平坦化し、ハードマスク層28で停止する。更なるポリエッチバックプロセスを使用して、スタックS1及びS2の頂部より下にポリ層48の上面を陥凹させる。これにより、メモリセル形成の大部分が完成する。酸化物エッチングを使用して、HVエリア4内でバッファ酸化物50を除去する。保護絶縁層54をこの構造の上方に形成する。層54は、酸化物、窒化物、SiCN、又はそれらの組み合わせであり得る。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、MC及びHVエリア2/4をフォトレジストで覆い、一方、論理エリア6を露出したままにする。エッチングを使用して、論理エリア6内の保護層54を除去する。フォトレジストの除去後、図10A図10B及び図10Cに示すように、一連のエッチングを実行して、論理エリア6内の材料の層の全てを除去し、基材の上面10aを露出させたままにする。保護層54は、この一連のエッチングからMC及びHVエリア2/4を保護する。
【0026】
埋め込みをこの時点で実行して、論理エリア6内の基板10にドープされたP及びNウェルを形成することができる。誘電体層56は、論理エリア6内の露出した基板上面10aに形成される(これは、論理デバイスのゲート誘電体として機能することができる)。誘電体層56は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高K誘電体層、又はそれらの複合体であり得る。高K絶縁材料は、二酸化ケイ素の誘電率よりも大きい誘電率Kを有する絶縁材料である。高K絶縁材料の例としては、HfO2、ZrO2、TiO2、Ta25、及びそれらの組み合わせが挙げられる。次いで、ポリシリコン層58などのダミー導電層を構造の上方に形成する。次いで、ハードマスク層60をダミーポリ層58に形成する。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、論理エリア6の選択部分をフォトレジストで覆い、ハードマスク層60をMC及びHVエリア2/4全体、並びに論理エリア6の一部に露出させたままにする。次いで、エッチングを使用して、MC、HV、及び論理エリア2/4/6内のハードマスク層60の露出エリアを除去する。フォトレジストの除去後、エッチングを使用して、ダミーポリ層58及び誘電体56の露出部分(すなわち、論理エリア6内のハードマスク層60の残りの部分によって保護されていない全ての部分)を除去し、論理エリア6内に論理スタック構造LS1及びLS2を残す。誘電体スペーサ62を、堆積及びエッチングによって、論理スタック構造LS1/LS2の側面に形成する。この時点で、論理エリア6内の基板10に埋め込みを実行することができる。結果得られた構造を図11A図11B及び図11Cに示す。
【0027】
フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、論理エリア6、HVエリア4の一部、及びMCエリア2の一部をフォトレジスト64で覆う(すなわち、内部スタックエリア、スタック構造S1及びS2、並びにスタック構造S1及びS2に直接隣接する外部スタックエリアのこれらの部分を覆う)。図12A図12B、及び図12Cに示されるように、エッチングを使用して、保護層54及びポリ層48の露出部分を除去する。フォトレジスト64を除去した後、追加の選択的な埋め込み及びエッチングを、基板10の異なる露出部分において(すなわち、追加のフォトリソグラフィマスク工程及び埋め込みによって)実行することができる。例えば、HV及び論理エリア4/6は、MCエリア2を露出したままにするフォトレジストによって覆うことができ、酸化物層46によってのみ覆われた基板10の部分は、埋め込みを受ける。MC及び論理エリア2/6は、HVエリア4を露出したままにするフォトレジストによって覆うことができ、酸化物層38によってのみ覆われた基板10の部分は、埋め込みを受ける。更に、酸化物エッチングを使用して、酸化物層38を薄くすることができる(これにより、HVエリア4内の保護層54も薄くする)。結果得られた構造を図13A図13B及び図13Cに示す。
【0028】
酸化物及び窒化物の堆積、続いてスペーサエッチングを使用して、MCエリア2内のスタック構造S1/S2の側面、論理エリア6内のスタック構造LS1/LS2の側面、及びHVエリア4内の構造の側面に酸化物スペーサ66及び窒化物スペーサ68を形成する。半非共形(semi-nonconformal)層70をその構造に形成する。この層は、下地トポグラフィの適合性のいくつかを保有するが、垂直表面及び水平表面が合流する場合と比較して、下地トポグラフィの頂部でより薄い。このような様々な厚さを達成するために、流動性材料を使用して層70を形成することが好ましい。半非共形層70のための非限定的な材料の一例は、BARC材料(底部反射防止コーティング)であり、これは、フォトリソグラフィ中のレジスト界面における反射率を低減するために一般的に使用される。BARC材料は流動性かつ湿潤性であり、酸化物に対するそれらの高い選択性のために最小限のプロセス損傷で容易にエッチング及び除去される。半非共形層70に使用することができる他の材料には、フォトレジスト又はスピンオンガラス(SOG)が含まれる。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、HV及び論理エリア4/6をフォトレジストで覆う一方で、MCエリア2を露出させたままにする。エッチング(例えば、異方性)を使用して、半非共形層70をスタック構造S1/S2及びポリブロック48の保護層54から除去し、その保護層を露出し、一方、酸化物層46を覆う半非共形層70を維持する(すなわち、半非共形層70のこの部分は、次のエッチング工程用のハードマスクとして機能する)。エッチングを使用して、スタック構造S1/S2の保護層54を薄くするか、又は除去し、スタック構造S1/S2に隣接するポリブロック48の保護層を薄くする。結果得られた構造を、図14A図14B、及び図14C(フォトレジスト除去後)に示す。
【0029】
半非共形層70の除去後、埋め込みを実行して、MCエリア2のスペーサ68に隣接する基板内にドレイン領域74、HVエリア4のスペーサ68に隣接するソース及びドレイン領域76/78、並びに論理エリア6のスペーサ68に隣接するソース及びドレイン領域80/82を形成する。任意の所与の領域の埋め込みは、埋め込まれるべきではない他の領域の埋め込みを阻止するためにフォトレジストを形成することによって実行することができる。例えば、同じドーピングタイプの、MCエリア2のドレイン領域74、HVエリア4のソース/ドレイン領域76/78、及び論理エリア6のソース/ドレイン領域80/82は、逆のソース/ドレインドーピングタイプのエリアにフォトレジストを形成し、次いでMC、HV、及び論理エリア2/4/6に単一の埋め込みを実行することによって、同時に形成することができる。この時点でブロッキング層84を堆積、マスキング工程、及びエッチングにより、次の工程で任意のシリサイド化を阻止するために形成することができる。ブロッキング層84によって保護されていないMC及びHVエリア2/4の保護層54の任意の残りの部分もまた、上記エッチング中に除去され、ゲートポリ48をその後のシリサイド化に露出させる。次いで、金属堆積及びアニールを実行して、ポリ48、ソース領域76/80、及びドレイン領域74/78/82の露出ブロックの上面にシリサイドを形成する。ブロッキング層84は、そのような形成が望ましくない任意の部分のシリサイド形成を防止する。任意選択的に、ブロッキング層84は、これらの選択領域内のシリサイド形成を阻止するために、ソース/ドレインエリア74/76/78/80/82及び/又はポリゲートエリア48の選択部分に維持することができる。結果得られた構造を図15A図15B及び図15Cに示す。
【0030】
エッチングを使用して、論理エリア6内のスタック構造LS1/LS2のハードマスク層60の残りの部分、MCエリア2内のスタック構造S1/S2の窒化物層28、及び3つ全てのエリア内の任意の露出した窒化物スペーサ68を除去する。層88(例えば、窒化物)を構造の上方に形成する。次いで、層間誘電体(ILD)絶縁材料90の厚い層を層88に形成する。CMPを実行して、ILD絶縁材料90を平坦化及び陥凹して、論理エリア6内のダミーポリ58を露出させる。フォトリソグラフィマスキング工程を使用して、MC及びHVエリア2/4をフォトレジストで覆い、論理エリア6を露出したままにする。ポリエッチングを使用して、論理エリア6内のポリ層58のブロックを除去する。任意選択的に、この工程で誘電体層56を除去することもできる。フォトレジストの除去後、任意選択的に、酸化ケイ素、酸窒化物、高K誘電体層、又はそれらの複合体などの誘電体層92を構造の上方に堆積させることができる。Al、Ti、TiAlN、TaSiN、TaN、TiN、若しくは他の適切な金属材料など、又はそれらの複合体の金属ゲート材料94の層を誘電体層92の上方に形成する。次いで、CMPを実行して、誘電体層92及び金属層94を除去し、論理エリア6内の誘電体層92で裏打ちされた金属94のブロックを残す。結果得られた構造を図16A図16B、及び図16Cに示す。
【0031】
図17は、MCエリア2内の最終メモリセル構造を示し、これは、各々が2つのドレイン領域74から離間したソース領域42を共有し、それらの間に延在するシリコン10内のチャネル領域96を有する、メモリセルの対を含む。各メモリセルは、チャネル領域96の導電率を制御するためにチャネル領域96の第1の部分の上方に配設され、それから絶縁された浮遊ゲート14aと、チャネル領域96の導電率を制御するためにチャネル領域96の第2の部分の上方に配設され、それから絶縁された選択ゲート48a(これはまた、ワード線ゲートとも称され得る)と、浮遊ゲート14aの上方に配設され、それから絶縁された制御ゲート26aと、ソース領域42の上方に配設され、それから絶縁された消去ゲート48b(メモリセルの対によって共有される)と、を含む。メモリセルの対は、列方向(BL方向)に延在し、メモリセルの列は、隣接する列の間に絶縁体22を伴って形成される。制御ゲートの行は、メモリセルの行全体にわたって制御ゲートを相互に接続する、連続制御ゲート線として形成される。選択ゲートの行は、メモリセルの行全体にわたって選択ゲートを相互に接続する、連続選択ゲート線として(ワードゲート線としても知られる)形成される。消去ゲートの行は、メモリセルの対の行全体にわたって消去ゲートを相互に接続する、連続消去ゲート線として形成される。
【0032】
最終HVデバイス(複数)を図18に示す。各HVデバイスは、離間したソース及びドレイン領域76及び78を含み、シリコン基板10のチャネル領域98がそれらの間に延在する。導電性ゲート48cは、その導電率を制御するためにチャネル領域98の上方に配設され、そこから絶縁される。
【0033】
最終論理デバイス(複数)を図19に示す。各論理デバイスは、離間したソース及びドレイン領域80及び82を含み、シリコン基板10のチャネル領域100がそれらの間に延在する。金属ゲート94は、その導電率を制御するために(誘電体層92によって)チャネル領域100の上方に配設され、そこから絶縁される。図20は、誘電体層56が維持され、誘電体層92の形成が省略されている場合の最終論理デバイスを示す。図21は、誘電体層56が維持され、誘電体層92が形成された場合の最終論理デバイスを示す。
【0034】
同じ基板にメモリセル、HVデバイス、及び論理デバイスを形成する上記方法には、多くの利点がある。メモリセル及びHVデバイスの形成は、任意選択の高K誘電体及び金属ゲートが論理エリア6内に形成される前に完了するため、論理エリア6内の任意選択の高K誘電体層92及び金属ゲート94は、メモリセル及びHVデバイスの形成によって悪影響を受けない。MC及びHVエリア2/4内のゲートを形成するためのプロセス工程は、論理エリア6内のゲートの形成のためのプロセス工程とは別個で独立している(及びそれに対してカスタマイズされ得る)。MC及びHVエリア2/4は、メモリセル及びHVデバイスの形成のほとんどが完了した後、及び論理エリア6内の処理の前(すなわち、メモルセル及びHVデバイスの形成から残された論理エリア6内の層の除去の前、及びダミーポリ除去を含む論理デバイスを形成するために使用された層の堆積及び除去の前など)に保護層54によって覆われる。基板10の上面10aは、MC/HVエリア2/4内のより高い構造を収容するために、論理エリア6内のそれに対してMC及びHVエリア2/4内で陥凹される(すなわち、そのため、論理エリア6内のより短い論理デバイスの頂部が、MC/HVエリア2/4内のより高いメモリセル及びHVデバイスの頂部よりもわずかに高くなる。また、そのため、3つの領域全てにまたがるCMPを処理に使用できる。例えば、選択ゲート48aとHVゲート48cの頂部は、論理ゲート形成CMP工程中にそのままである)。保護層88は、金属論理ゲート94を形成する際に使用されるCMPからシリサイド化されたポリブロック48を保護し、制御ゲートポリ26は、このCMPの停止層として役立つ。シリサイド86は、ドレイン領域74、及びソース/ドレイン領域76/78、ソース/ドレイン領域80/82、選択ゲート48a、消去ゲート48b、及びHVゲート48cの導電率を高める。半非共形層70は、保護層54が薄くなっている間に、MCエリア2のソース/ドレイン領域内の酸化物及びケイ素を保護する。メモリセル選択ゲート48a、メモリセル消去ゲート48b、及びHVデバイスゲート48cは、単一の導電性材料堆積を使用して形成することができる(すなわち、単一のポリシリコン堆積によって形成された単一のポリシリコン層を使用して、3つのタイプ全てのゲートを形成することができる)。更に、同じポリエッチングを使用して、各選択ゲート48aのエッジのうちの1つ及び各HVゲート48cの両方のエッジを定義することができる。様々なゲート酸化物46、12、38、及び56の厚さは、各々がそのそれぞれのゲート動作に対して最適化されて互いに独立している。例えば、選択ゲート48aの下の層46は、浮遊ゲートの下の層12よりも薄いことが好ましい。
【0035】
本発明は、上で説明され、本明細書において図示した実施形態(複数可)に限定されるものではなく、添付の請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、特許請求の範囲又は特許請求項の用語の限定を意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、特許請求の範囲及び明細書から明らかであるように、全ての方法の工程は、例示又は特許請求した正確な順序で実施される必要はなく、むしろ特許請求の範囲に別段の定めがない限り、任意の順序で本発明のメモリセルエリア及び論理エリアの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は両方とも、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接する」という用語は、「直接隣接する」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に何ら配設されない)、及び「間接的に隣接する」(中間材料、要素、又は空間がそれらの間に配設される)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を基板に直接、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、並びにその要素を基板に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
図21