(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
H04W 76/11 20180101AFI20240930BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240930BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20240930BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W84/12
H04W76/15
(21)【出願番号】P 2022581004
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2021103972
(87)【国際公開番号】W WO2022002192
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】202010622036.9
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】淦 明
(72)【発明者】
【氏名】李 伊青
(72)【発明者】
【氏名】李 云波
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇宸
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-053990(JP,A)
【文献】特表2023-527813(JP,A)
【文献】MLO: AID Allocation,IEEE 802.11-20/0770r0,2020年06月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントマルチリンクデバイスのためのアソシエーション識別子(AID)割当て方法であって、
第1のフレームを生成するステップと、
非アクセスポイントマルチリンクデバイスに前記第1のフレームを送信するステップであって、前記第1のフレームは前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられたAIDの値を運び、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、ステップとを含む、方法。
【請求項2】
非アクセスポイントマルチリンクデバイスのためのアソシエーション識別子(AID)割当て方法であって、
アクセスポイントマルチリンクデバイスから第1のフレームを受信するステップと、
前記第1のフレームを解析して、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられ、前記第1のフレームで運ばれるAIDの値を取得する、ステップであって、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、前記第1のフレームは
前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、ステップとを含む、方法。
【請求項3】
前記AIDは、トラフィック指示マップ(TIM)において指示される前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の前記第1のタイプのアクセスポイントに対応する識別子ではない、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の前記第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る前記BSSIDの前記値は、
【数1】
であり、Nは、第1のタイプのアクセスポイントの数であり、
【数2】
は、前記第1のタイプのアクセスポイント内のi番目のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の前記アクセスポイントの前記識別子は、M-1個の連続する値を含
み、
Mは、前記アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントの数である、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記AIDは、以下の範囲、すなわち
【数3】
のいかなる値でもなく、Nは、前記第1のタイプのアクセスポイントの前記数であり、
【数4】
は、前記第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表し、NはM以下であ
り、
Mは、前記アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントの数である、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
アクセスポイントマルチリンクデバイスに適用される通信装置であって、
第1のフレームを生成するように構成された処理ユニットと、
非アクセスポイントマルチリンクデバイスに前記第1のフレームを送信するように構成されたトランシーバユニットであって、前記第1のフレームは前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられたAIDの値を運び、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記第1のタイプのアクセスポイントは、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、トランシーバユニットとを備える、通信装置。
【請求項8】
非アクセスポイントマルチリンクデバイスに適用される通信装置であって、
アクセスポイントマルチリンクデバイスから第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、
前記第1のフレームを解析して、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられ、前記第1のフレームで運ばれるAIDの値を取得するように構成された処理ユニットであって、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記第1のタイプのアクセスポイントは、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、処理ユニットとを備える、通信装置。
【請求項9】
前記AIDは、トラフィック指示マップ(TIM)において指示される前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の前記第1のタイプのアクセスポイントに対応する識別子ではない、請求項
7または
8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の前記第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る前記BSSIDの前記値は、
【数5】
であり、Nは、第1のタイプのアクセスポイントの数であり、
【数6】
は、前記第1のタイプのアクセスポイント内のi番目のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表す、請求項
7から
9のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の前記アクセスポイントの前記識別子は、M-1個の連続する値を含
み、Mは、前記アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントの数である、請求項
9に記載の通信装置。
【請求項12】
前記AIDは、以下の範囲、すなわち
【数7】
のいかなる値でもなく、Nは、前記第1のタイプのアクセスポイントの前記数であり、
【数8】
は、前記第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表し、NはM以下であ
り、
Mは、前記アクセスポイントマルチリンクデバイスに含まれるアクセスポイントの数である、請求項
10に記載の通信装置。
【請求項13】
通信装置であって、前記通信装置はアクセスポイントマルチリンクデバイスであり、プロセッサおよびトランシーバを備え、前記プロセッサは、第1のフレームを生成するように構成され、
前記トランシーバは、非アクセスポイントマルチリンクデバイスに前記第1のフレームを送信するように構成され、前記第1のフレームは前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられたAIDの値を運び、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記第1のタイプのアクセスポイントは、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、通信装置。
【請求項14】
通信装置であって、前記通信装置は非アクセスポイントマルチリンクデバイスであり、プロセッサおよびトランシーバを備え、前記トランシーバは、アクセスポイントマルチリンクデバイスから第1のフレームを受信し、
前記プロセッサは、前記第1のフレームを解析して、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられ、前記第1のフレームで運ばれるAIDの値を取得するように構成され、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記第1のタイプのアクセスポイントは、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、通信装置。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、前記命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能とされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能とされる、コンピュータプログラム。
【請求項17】
アクセスポイントマルチリンクデバイスに適用され、入力/出力インターフェースおよび処理回路を備えるチップまたはチップシステムであって、前記処理回路は、第1のフレームを生成するように構成され、前記入力/出力インターフェースは、非アクセスポイントマルチリンクデバイスに前記第1のフレームを送信するように構成され、前記第1のフレームは前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられたAIDの値を運び、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記第1のタイプのアクセスポイントは、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、チップまたはチップシステム。
【請求項18】
非アクセスポイントマルチリンクデバイスに適用され、入力/出力インターフェースおよび処理回路を備えるチップまたはチップシステムであって、前記入力/出力インターフェースは、アクセスポイントマルチリンクデバイスから第1のフレームを受信するように構成され、前記処理回路は、前記受信された第1のフレームを解析して、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスに割り当てられ、前記第1のフレームで運ばれるAIDの値を取得するように構成され、前記AIDの前記値は、前記アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得る基本サービスセット識別子(BSSID)の値ではなく、前記第1のタイプのアクセスポイントは、
複数のBSSIDをサポートし、前記第1のタイプのアクセスポイントは、前記非アクセスポイントマルチリンクデバイスと前記アクセスポイントマルチリンクデバイスとの間
に確立されるリンク
上のアクセスポイントであ
り、
前記第1のフレームは前記AIDの前記値のフィールドを含み、前記フィールドは2バイトである、チップまたはチップシステム。
【請求項19】
前記処理回路は、請求項3から
6のいずれか一項に記載の方法をさらに実行するように構成される、請求項
17または
18に記載のチップまたはチップシステム。
【請求項20】
請求項
7、
9から
13のいずれか一項に記載の通信装置、および/または
請求項
8から
12、
14のいずれか一項に記載の通信装置
を備える通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2020年7月1日付で中国国家知識産権局に出願された、「マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法および関連装置」という名称の中国特許出願第202010622036.9号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、無線通信技術の分野に関し、特に、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法および関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
アソシエーション識別子(association identifier、AID)は、アソシエーションを確立した後に、アクセスポイント(access point、AP)によって、アソシエーションされた局(station、STA)に割り当てられる識別子(identify、ID)であり、アソシエーションされたSTAのIDと見なされ得る。AIDは、APにアソシエーションされたSTAを識別および区別するために使用されてもよく、特定のアソシエーションされたSTAを指すためのいくつかのフレーム構造体におけるインデックスとして使用されてもよい。APが複数のBSSID要素(multiple BSSID element)を運ぶために複数の基本サービスセット識別子(basic service set identifier、BSSID)、またはビーコン(beacon)フレームまたはプローブ応答(probe response)フレームをサポートできる場合、APがサポートできるBSSIDの最大数は2nである。これは、BSSIDの範囲が[1,2n-1]であることを示す。したがって、APによってSTAに割り当てられ得るAIDの範囲は、[2n,2007]である。nは、BSSID要素の最大BSSIDインジケータ(max BSSID indicator)フィールドの値であってもよい。APが複数のBSSIDをサポートすることができない場合、またはbeaconフレームもしくはprobe responseフレームが複数のBSSID要素を運ぶことができない場合、APによってSTAに割り当てられ得るAIDの範囲は[1,2007]である。
【0004】
マルチリンクデバイス(multi-link device、MLD)において、1つの非アクセスポイント(non-access point、non-AP)MLDに含まれる複数のSTAは、1つの同じAIDを共有する、すなわち、1つのnon-AP MLDは、ただ1つのAIDを有する。AP MLDは、クロスリンクトラフィック指示マップ(traffic indication map、TIM)指示を実行し得るため。言い換えれば、AP1とAP2は同じAP MLDに属すると仮定される。AP1によって送信されるクロスリンクTIM指示は、AP1のTIM情報を運ぶだけでなく、AP2のTIM情報も運ぶことができる。TIM情報は、APがAP2にアソシエーションされたnon-AP MLDに対するサービスを有するかどうかを示すことができる。しかしながら、場合によっては、AP MLDがクロスリンクTIM指示を使用するときにAID曖昧性が生じ得る。例えば、AP1とAP2とが同じAP MLDに属していると仮定される。AP1のbeaconフレームまたはprobe responseフレームが複数のBSSID要素を含むならば、それはAP1が複数のBSSIDをサポートできることを示す。AP2のbeaconフレームまたはprobe responseフレームが複数のBSSID要素を含まないならば、それはAP2が複数のBSSIDをサポートすることができず、ただ1つのBSSIDを有することを示す。この場合、AP1にアソシエーションされたnon-AP MLDにAP1によって割り当てられるAIDの範囲は[2n,2007]であり、AP2にアソシエーションされたnon-AP MLDにAP2によって割り当てられるAIDの範囲は[1,2007]である。この場合、AP MLDがクロスリンクTIM指示を使用するとき、クロスリンクTIM指示はAP1のTIM情報を運ぶだけでなく、AP2のTIM情報も運ぶので、AP1によってサポートされるBSSIDは、AP2にアソシエーションされたnon-AP MLDにAP2によって割り当てられるAIDと競合する可能性がある。言い換えれば、AP1の複数のBSSIDの範囲は[1,2n-1]であり、AP2にアソシエーションされたnon-AP MLDのAIDの範囲も[1,2n-1]である。したがって、AP MLDによって送信されたクロスリンクTIM指示を受信すると、non-AP MLDは、AIDの範囲が[1,2n-1]であるnon-AP MLDがサービスを有するかどうかを判定することができない(AIDのこの部分はAP1のBSSIDと同じであるため)、すなわち、AIDは曖昧である。したがって、AP MLD内の1つまたは複数のAPが複数のBSSIDをサポートすることができる場合、クロスリンクTIM指示中のAID曖昧性を回避するためにAP MLDがどのようにnon-AP MLDにAIDを割り当てるかが解決されるべき喫緊の課題になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、より正確なAIDを局デバイスに割り当てるために、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法および関連装置を提供し、それによって、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。
【0006】
以下、本出願を複数の態様から説明する。以下の実施態様および異なる態様の有益な効果への相互参照がなされ得ることを理解されたい。
【0007】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法を提供し、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法は、アクセスポイントマルチリンクデバイスが第1のフレームを生成して送信することを含み、第1のフレームは局デバイスに割り当てられたAIDを運びうる。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0008】
任意選択で、第1のフレームはアソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームであってもよい。
【0009】
任意選択で、アクセスポイントのマルチリンクデバイスが第1のフレームを送信する前に、局デバイスは、アクセスポイントマルチリンクデバイスとのアソシエーション関係を確立するように要求するために、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームをアクセスポイントマルチリンクデバイスに送信する。アクセスポイントマルチリンクデバイスが、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームを受信した後、アクセスポイントマルチリンクデバイスは、アソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームを局デバイスへ返信し得る。
【0010】
この解決策では、AIDが局デバイスに割り当てられるとき、APに割り当てられているBSSIDおよび/または第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、Non-AP MLDに割り当てられることが許されない。したがって、より正確なAIDがNon-AP MLDに割り当てられることができ、これにより、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。
【0011】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法を提供し、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法は、局デバイスが、第1のフレームを受信し解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得することを含む。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0012】
任意選択で、第1のフレームはアソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームであってもよい。
【0013】
任意選択で、アクセスポイントのマルチリンクデバイスが第1のフレームを送信する前に、局デバイスは、アクセスポイントマルチリンクデバイスとのアソシエーション関係を確立するように要求するために、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームを生成し送信してもよい。アクセスポイントマルチリンクデバイスが、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームを受信した後、アクセスポイントマルチリンクデバイスは、アソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームを局デバイスへ返信し得る。
【0014】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は通信装置を提供する。通信装置は、アクセスポイントマルチリンクデバイスまたはアクセスポイントマルチリンクデバイス内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよく、
第1のフレームを生成するように構成された処理ユニットと、
第1のフレームを送信するように構成されたトランシーバユニットと
を含み、第1のフレームは局デバイスに割り当てられたAIDを運びうる。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0015】
任意選択で、第1のフレームはアソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームであってもよい。
【0016】
任意選択で、局デバイスは、アクセスポイントマルチリンクデバイスとのアソシエーション関係を確立するように要求するために、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームをアクセスポイントマルチリンクデバイスに送信してもよい。アクセスポイントマルチリンクデバイスが、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームを受信した後、アクセスポイントマルチリンクデバイスは、アソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームを局デバイスへ返信し得る。
【0017】
第4の態様によれば、本出願の一実施形態は通信装置を提供する。通信装置は、局デバイスまたは局デバイス内のチップ、例えば、Wi-Fiチップであってもよく、
第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバユニットと、
第1のフレームを解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得するように構成された処理ユニットと
を含む。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0018】
任意選択で、第1のフレームはアソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームであってもよい。
【0019】
任意選択で、局デバイスは、アクセスポイントマルチリンクデバイスとのアソシエーション関係を確立するように要求するために、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームをアクセスポイントマルチリンクデバイスに送信してもよい。アクセスポイントマルチリンクデバイスが、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームを受信した後、アクセスポイントマルチリンクデバイスは、アソシエーション応答フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答フレームを局デバイスへ返信し得る。
【0020】
前述した態様のいずれか1つの実施態様では、前述したアクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDは、
【数1】
である。
【0021】
Nは、第1のタイプのアクセスポイントの数でありえ、
【数2】
は、第1のタイプのアクセスポイント内のi番目のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表し得る。Nは1より大きい正の整数であり得る。
【0022】
任意選択で、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子は、M個の離散した整数値を含んでもよく、またはM個の連続する整数値を含んでもよい。Mは、アクセスポイントマルチリンクデバイスに含まれるアクセスポイントの数であってもよく、Mは、1より大きい正の整数であってもよい。NはM以下であってもよい。
【0023】
この解決策では、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のいくつかのAPによってサポートされ得るBSSIDは、局デバイスに割り当てられることが許されないので、クロスリンクTIM指示においてAID曖昧性が生じないことが保証されるのであれば、割当てが許されない範囲が狭められる。このようにして、局デバイスに割り当てられ得るAIDの範囲が拡大され、識別子リソースの利用が改善され得る。
【0024】
前述した態様のいずれか1つの実施態様では、第1のフレームで運ばれるAIDは、以下の範囲のいかなる値でもない。
【数3】
【0025】
Nは、第1のタイプのアクセスポイントの数であってもよく、
【数4】
は、第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表してもよく、Mは、アクセスポイントマルチリンクデバイスのアクセスポイントの数である。
【0026】
この解決策では、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDに続く連続値のセグメントが、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子として直接使用される。言い換えれば、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子および第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDは、連続した範囲を成してもよく、第1のフレームで運ばれるAIDは、連続した範囲内のいかなる値でもあり得ない。したがって、アクセスポイントマルチリンクデバイスは、連続するAIDを局デバイスに割り当てることができ、それによって、アクセスポイントマルチリンクデバイスによるAIDを選択する際の困難さを低減する。
【0027】
第5の態様によれば、本出願の一実施形態は通信装置を提供し、通信装置は、具体的には、アクセスポイントマルチリンクデバイスであり、プロセッサおよびトランシーバを含む。プロセッサは、第1の態様の方法における対応する機能を実行する際にアクセスポイントマルチリンクデバイスをサポートするように構成される。トランシーバは、アクセスポイントマルチリンクデバイスと局デバイスとの間の通信をサポートし、前述の方法における情報、フレーム、データパケット、命令などを局デバイスへ送信するように構成される。アクセスポイントマルチリンクデバイスはメモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されるように構成され、メモリは、アクセスポイントマルチリンクデバイスに必要なプログラム命令およびデータを記憶する。
【0028】
具体的には、プロセッサは、第1のフレームを生成するように構成される。トランシーバは、第1のフレームを送信するように構成され、第1のフレームは、局デバイスに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0029】
第6の態様によれば、本出願の一実施形態は通信装置を提供し、通信装置は、具体的には、局デバイスであり、プロセッサおよびトランシーバを含む。トランシーバは、第1のフレームを受信するように構成され、プロセッサは、受信された第1のフレームを解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得するように構成される。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。任意選択で、通信装置は、プロセッサをさらに含んでもよい。プロセッサは、アソシエーション要求フレームまたはマルチリンクアソシエーション要求フレームを生成するように構成され得る。アクセスポイントマルチリンクデバイスはメモリをさらに含んでもよい。メモリは、プロセッサに結合されるように構成され、メモリは、アクセスポイントマルチリンクデバイスに必要なプログラム命令およびデータを記憶する。
【0030】
第7の態様によれば、本出願の一実施形態は、入力/出力インターフェースおよび処理回路を含むチップまたはチップシステムを提供する。処理回路は、第1のフレームを生成するように構成される。入力/出力インターフェースは、第1のフレームを送信するように構成され、第1のフレームは、局デバイスに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0031】
可能な設計では、入力/出力インターフェースは、AP MLDから第1のフレームを受信するように構成される。処理回路は、受信された第1のフレームを解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得するように構成される。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0032】
第8の態様によれば、本出願はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、上記の態様のいずれか1つによるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法を実行することが可能となる。
【0033】
第9の態様によれば、本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは上記の態様によるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法を実行することが可能となる。
【0034】
本出願の実施形態によれば、より正確なAIDが局デバイスに割り当てられることができ、それにより、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。
【0035】
本出願の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するために使用される添付図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本出願の一実施形態による無線通信システムの概略的なアーキテクチャ図である。
【
図2a】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。
【
図2b】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの他の構造の概略図である。
【
図3a】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信の概略図である。
【
図3b】本出願の一実施形態によるマルチリンク通信の他の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法の概略フローチャートである。
【
図5】本出願の一実施形態によるAID要素のフレーム構造の概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態によるNon-AP MLDとAP MLDとの間の通信の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による通信装置の構造の概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による通信装置の他の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下は、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を、明確かつ完全に説明する。
【0038】
本出願の実施形態における技術的解決策の理解を容易にするために、以下、本出願の実施形態で提供されるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法のシステムアーキテクチャを簡単に説明する。本出願の実施形態で説明されるシステムアーキテクチャは、本出願の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するように意図されており、本出願の実施形態で提供される技術的解決策に対する制限を構成しないことが理解されよう。
【0039】
本出願の実施形態は、より正確なAIDを局デバイスに割り当てるために、無線通信システムに適用されるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法を提供し、それによって、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。無線通信システムは、無線ローカルエリアネットワークまたはセルラーネットワークでありうる。AID割当て方法は、無線通信システム内の通信デバイス、または通信デバイス内のチップもしくはプロセッサによって実施され得る。通信デバイスは、複数のリンク上での同時送信をサポートする無線通信デバイスであってもよい。例えば、通信デバイスは、マルチリンクデバイスまたはマルチバンドデバイス(multi-band device)と呼ばれてもよい。シングルリンク伝送のみをサポートする通信デバイスと比較して、マルチリンクデバイスは、より高い伝送効率およびより高いスループットを有する。
【0040】
マルチリンクデバイスは、1つまたは複数の連携局STA(affiliated STA)を含む。連携局は論理局であり、1つのリンク上で動作してもよい。連携局はアクセスポイント(access point、AP)または非アクセスポイント局(non-access point station、non-AP STA)でありうる。説明を簡単にするために、本出願では、その連携局がAPであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクAP、マルチリンクAPデバイス、またはAPマルチリンクデバイス(AP multi-link device、AP MLD)と呼ばれる場合があり、その連携局がnon-AP STAであるマルチリンクデバイスは、マルチリンクNon-AP、マルチリンクNon-APデバイス、またはNon-APマルチリンクデバイス(Non-AP multi-link device,Non-AP MLD)と呼ばれる場合がある。説明を容易にするために、本出願の実施形態では、「マルチリンクデバイスは連携局を含む」は「マルチリンクデバイスは局を含む」としても簡単に説明される。
【0041】
マルチリンクデバイスは、1つまたは複数の連携局STA(affiliated STA)を含む。言い換えると、1つのマルチリンクデバイスは、複数の論理局を含んでもよい。各論理局は1つのリンク上で動作するが、複数の論理局は同じリンク上で動作することができる。データ送信中、AP MLDおよびNon-AP MLDは、リンクまたはリンク上の局を識別するために、リンク識別子を使用しうる。通信の前に、AP MLDおよびNon-AP MLDは、まず、リンク識別子とリンクまたはリンク上の局との間の対応関係について互いにネゴシエートまたは通信することができる。したがって、データ送信中、リンク識別子は、リンクまたはリンク上の局を示すために大量のシグナリング情報を送信することなく運ばれる。これは、シグナリングオーバーヘッドを低減し、伝送効率を改善する。
【0042】
一例では、AP MLDが基本サービスセット(basic service set、BSS)を確立するとき、送信された管理フレーム、例えばbeaconフレームは、複数のリンク識別子情報フィールドを含む要素を運ぶ。各リンク識別子情報フィールドは、リンク識別子を含み、BSS識別子、オペレーションセット、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数をさらに含む。BSS識別子、オペレーションセット、およびチャネル番号のうちの1つまたは複数は、リンク識別子に対応する。他の例では、マルチリンクアソシエーションを確立するプロセスにおいて、AP MLDおよびNon-AP MLDは、複数のリンク識別子情報フィールドをネゴシエートする。後続の通信では、AP MLDまたはNon-AP MLDは、対応するリンクの両端の局を表すためにリンク識別子を使用する。リンク識別子は、局のMACアドレス、動作オペレーションセット、およびチャネル番号の1つまたは複数の属性をさらに表すことができる。MACアドレスはまた、アソシエーションされたAP MLDのアソシエーション識別子(association identifier、AID)と置き換えられ得る。
【0043】
1つのリンク上で複数の局が動作する場合、リンク識別子(数値IDである)は、オペレーションセットおよびリンクが位置するチャネル番号を表すだけでなく、リンク上で動作する局の識別子、例えば、局のMACアドレスまたはアソシエーション識別子AIDも表す。
【0044】
マルチリンクデバイスは、IEEE802.11シリーズプロトコルに準拠する無線通信を実装しうる。例えば、マルチリンクデバイスは、他のデバイスとの通信を実施するために、IEEE802.11beに基づく、またはIEEE802.11beと互換性のある、極めて高いスループットレートに準拠する局であってもよい。もちろん、他のデバイスは、マルチリンクデバイスであってもよいし、マルチリンクデバイスでなくてもよい。
【0045】
本出願の実施形態で提供されるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法は、1つのノードが1つまたは複数のノードと通信するシナリオに適用されてもよく、シングルユーザアップリンク/ダウンリンク通信シナリオまたはマルチユーザアップリンク/ダウンリンク通信シナリオに適用されてもよく、またはデバイス間(device to device、D2D)通信シナリオに適用されてもよい。
【0046】
前述のノードのいずれか1つは、AP MLDであってもよいし、またはNon-AP MLDであってもよい。例えば、AID割当て方法は、AP MLDがNon-AP MLDと通信するシナリオに適用され、Non-AP MLDがNon-AP MLDと通信するシナリオに適用され、またはAP MLDがAP MLDと通信するシナリオに適用される。これは、本出願の実施形態では限定されない。任意選択で、前述のノードのうちの1つはマルチリンクデバイスであってもよく、他のノードはマルチリンクデバイスであってもよく、またはマルチリンクデバイスでなくてもよい。例えば、AID割当て方法は、AP MLDがシングルリンクデバイスと通信するシナリオに適用される。シングルリンクデバイスはSTAであってもよい。
【0047】
説明を容易にするために、AP MLDがSTAと通信するシナリオが、本出願のシステムアーキテクチャを説明するために以下の例として使用される。本明細書におけるSTAは、広義であり、STA側を指し、シングルリンクSTAまたはNon-AP MLDであり得ることが理解され得る。
【0048】
図1は、本出願の一実施形態による無線通信システムの概略的なアーキテクチャ図である。
図1は、無線ローカルエリアネットワークを一例として用いることによって、本出願の一実施形態の適用シナリオを説明する。
図1に示される無線通信システムは、APマルチリンクデバイス100と、Non-APマルチリンクデバイス200とを含む。APマルチリンクデバイスは、Non-APマルチリンクデバイスにサービスを提供するマルチリンクデバイスであり、Non-APマルチリンクデバイスは、スループットレートを改善するために、複数のリンクを使用することによりAPマルチリンクデバイスと通信することができる。確かに、無線通信システムは、他のデバイス、例えば、Non-APマルチリンクデバイス300およびシングルリンクSTA 400をさらに含んでもよい。
図1のAPマルチリンクデバイスの数およびNon-APマルチリンクデバイスの数は単なる例である。
【0049】
任意選択で、
図2aは、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの構造の概略図である。IEEE802.11規格は、マルチリンクデバイスにおける802.11物理層(physical layer、PHY)パートおよび媒体アクセス制御(media access control、MAC)層パートに焦点を当てている。
図2aに示されるように、マルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、低MAC(low MAC)層およびPHY層で互いに独立しており、高MAC(high MAC)層でも互いに独立している。
図2bは、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスの他の構造の概略図である。
図2bに示されるように、マルチリンクデバイスに含まれる複数のSTAは、低MAC(low MAC)層およびPHY層で互いに独立しており、高MAC(high MAC)層を共有する。確かに、マルチリンク通信プロセスにおいて、Non-APマルチリンクデバイスは、高MAC層が互いに独立している構造を用いることができ、APマルチリンクデバイスは、高MAC層が共有される構造を用いる。あるいは、Non-APマルチリンクデバイスは、高MAC層が共有される構造を用いてもよく、APマルチリンクデバイスは、高MAC層が互いに独立した構造を用いてもよい。あるいは、Non-APマルチリンクデバイスとAPマルチリンクデバイスの両方が、高MAC層が共有される構造を用いてもよい。あるいは、Non-APマルチリンクデバイスおよびAPマルチリンクデバイスは両方とも、高MAC層が互いに独立した構造を用いてもよい。本出願の本実施形態では、マルチリンクデバイスの内部構造の概略図は限定されない。
図2aおよび
図2bは、説明のための単なる例である。例えば、高MAC層または低MAC層は、マルチリンクデバイスのチップシステム内の1つのプロセッサによって実装されてもよく、またはチップシステム内の異なる処理モジュールによって実装されてもよい。
【0050】
例えば、本出願の本実施形態におけるマルチリンクデバイスは、シングルアンテナデバイスであってもよく、またはマルチアンテナデバイスであってもよい。例えば、マルチリンクデバイスは、3つ以上のアンテナを有するデバイスであってもよい。本出願の本実施形態において、マルチリンクデバイスに含まれるアンテナの数は限定されない。本出願の本実施形態では、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で送信されることを可能にし得るか、または同じデータパケットが異なるリンク上で送信されることさえ可能にし得る。あるいは、マルチリンクデバイスは、同じアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で送信されることを可能にしなくてもよいが、異なるアクセスタイプのサービスが異なるリンク上で送信されることを可能にしてもよい。
【0051】
マルチリンクデバイスが動作する周波数帯域は、sub 1GHz、2.4GHz、5GHz、6GHz、および高周波60GHzのうちの1つまたは複数の周波数帯域を含みうる。
【0052】
図3aは、本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法の概略図である。
図3aは、AP MLD100とNon-AP MLD200との間の通信の概略図である。
図3aに示されるように、AP MLD100は、n個の連携局、すなわち、AP100-1、AP100-2、...、およびAP100-nを含む。Non-AP MLD200は、n個の連携局、すなわち、STA200-1、STA200-2、...、およびSTA 200-nを含む。AP MLD100およびNon-AP MLD200は、リンク1、リンク2、...、およびリンクnを介して同時に通信する。AP MLD内のAPは、通信のためにNon-AP MLD内のSTAとのリンクを確立しうる。例えば、AP MLD100内のAP 100-1は、通信のために非AP MLD 200内のSTA 200-1とのリンク1を確立し、AP MLD 100内のAP 100-2は、通信のために非AP MLD 200内のSTA 200-2とのリンク2を確立する、などである。
【0053】
図3bは、本出願の一実施形態によるマルチリンク通信方法の他の概略図である。
図3bは、AP MLD100が、Non-AP MLD200、Non-AP MLD300、およびSTA400と通信する概略図である。
図3bに示されるように、AP MLD100は、AP100-1~AP100-3の3つの連携局を含むと仮定される。Non-AP MLD200は、2個の連携局、すなわち、STA200-1およびSTA200-2を含む。Non-AP MLD300は、2個の連携局、すなわち、STA300-1およびSTA300-2を含む。STA400は、シングルリンクデバイスである。AP MLD100は、リンク1およびリンク3を介してNon-AP MLD200と個別に通信し、リンク2およびリンク3を介してNon-AP MLD300と通信し、リンク1を介してSTA400と通信しうる。
【0054】
一例では、STA400は、2.4GHz周波数帯域で動作する。Non-AP MLD300に含まれるSTA300-1は5GHz周波数帯域で動作し、Non-AP MLD300に含まれるSTA300-2は6GHz周波数帯域で動作する。Non-AP MLD200に含まれるSTA200-1は2.4GHz周波数帯域で動作し、Non-AP MLD200に含まれるSTA200-2は6GHz周波数帯域で動作する。2.4GHz周波数帯域で動作し、AP MLD100内にあるAP100-1は、リンク1を介して、Non-AP MLD200内のSTA400およびSTA200-2にアップリンクまたはダウンリンクデータを送信しうる。5GHz周波数帯域で動作し、AP MLD100内にあるAP100-2は、リンク2を介して、5GHz周波数帯域で動作し、Non-AP MLD300内にあるSTA300-1にアップリンクまたはダウンリンクデータを送信しうる。6GHz周波数帯域で動作し、AP MLD100内にあるAP100-3は、リンク3を介して、6GHz周波数帯域で動作し、Non-AP MLD200内にあるSTA200-2にアップリンクまたはダウンリンクデータを送信してもよく、またはリンク3を介して、Non-AP MLD300内のSTA300-2にアップリンクまたはダウンリンクデータを送信してもよい。
【0055】
例えば、マルチリンクデバイス(
図1のマルチリンクデバイスAP MLD100、Non-AP MLD200、およびNon-AP MLD300のうちのいずれか1つなど)は、無線通信機能を有する装置である。装置は、完全なデバイスであってもよく、または完全なデバイスに設置されたチップ、処理システムなどであってもよい。チップまたは処理システムが設置されたデバイスは、チップまたは処理システムの制御下で、本出願の本実施形態の方法および機能を実施できる。例えば、本出願の実施形態におけるNon-APマルチリンクデバイスは、無線トランシーバ機能を有し、802.11シリーズプロトコルをサポートしてもよく、APマルチリンクデバイスまたは他のNon-APマルチリンクデバイスと通信してもよい。例えば、Non-APマルチリンクデバイスは、ユーザがAPと通信し、次いでWLANと通信することを可能にする任意のユーザ通信デバイスである。例えば、Non-APマルチリンクデバイスは、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、または携帯電話など、ネットワークに接続され得るユーザ機器であってもよく、モノのインターネットにおけるモノのインターネットノードであってもよく、または車両のインターネットにおける車載通信装置であってもよい。Non-APマルチリンクデバイスは、あるいは、前述の端末内のチップおよび処理システムであってもよい。本出願の実施形態におけるAPマルチリンクデバイスは、Non-APマルチリンクデバイスにサービスを提供する装置であり、802.11シリーズプロトコルをサポートしうる。例えば、APマルチリンクデバイスは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、またはブリッジなどの通信エンティティであってもよく、APマルチリンクデバイスは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局などを含んでもよい。確かに、APマルチリンクデバイスは、あるいは、本出願の実施形態における方法および機能を実施するために、様々な形態のデバイスのチップおよび処理システムであってもよい。
【0056】
マルチリンクデバイスは、高レート低遅延の送信をサポートし得ることが理解され得る。無線ローカルエリアネットワークの適用シナリオの継続的な発展にともない、マルチリンクデバイスはより多くのシナリオに、例えば、スマートシティのセンサノード(例えば、スマートメータ、スマート電気メータ、およびスマート空気検出ノード)、スマートホームのスマートデバイス(例えば、スマートカメラ、プロジェクタ、ディスプレイ、TV、ステレオ、冷蔵庫、洗濯機)、モノのインターネットのノード、エンターテイメント端末(例えば、ARおよびVRなどのウェアラブルデバイス)、スマートオフィスのスマートデバイス(プリンタおよびプロジェクタなど)、車両のインターネットのIoVデバイス、および日常生活シナリオにおける一部のインフラ(例えば、自動販売機、スーパーマーケットのセルフサービスナビゲーション端末、セルフサービスキャッシュレジスタデバイス、およびセルフサービス注文機)に、さらに適用されうる。Non-APマルチリンクデバイスおよびAPマルチリンクデバイスの具体的な形態は、本出願の実施形態では限定されず、本明細書では単に例として説明される。802.11プロトコルは、802.11beをサポートし、または802.11beと互換性のあるプロトコルであってもよい。
【0057】
上記の内容は、本出願の実施形態で提供されるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法のシステムアーキテクチャを簡単に説明している。本出願の技術的解決策をよりよく理解するために、以下で、本出願の実施形態の可能な適用シナリオを参照して、本出願の技術的解決策を詳細に説明する。
【0058】
無線通信システムでは、AP MLDの識別子はデフォルトで0であり、AP MLD内の複数のAPは識別子(すなわち、識別子0)を共有する。したがって、AP MLD内のどのAPがメッセージ/情報/無線フレーム(radio frame)を送信するかは識別されることができない。したがって、本出願の本実施形態は、APを識別するためにAPに異なる識別子を割り当てるためのAP MLDの識別子の割当て方法を提供し、その結果、異なるAPによって送信されたメッセージ/情報/無線フレームなどは、APの識別子を使用することにより区別される。一実施態様は以下の通りである:AP MLDは、異なるAPに異なる識別子を割り当て、例えば、各APの識別子を直接示す。同じAP MLD内のAPの識別子は、連続した整数値であってもよいし、不連続な整数値であってもよい。例えば、AP MLDは、AP1、AP2、AP3、AP4、およびAP5の合計5つのAPを含む。AP1に割り当てられた識別子は1であってもよく、AP2に割り当てられた識別子は5であってもよく、AP3に割り当てられた識別子は4であってもよく、AP4に割り当てられた識別子は7であってもよく、AP5に割り当てられた識別子は3であってもよい。他の実施態様では、AP MLDは、M個のアクセスポイントの開始識別子および終了識別子を直接指示する。例えば、AP MLDによってM個のアクセスポイントに割り当てられた識別子は、
【数5】
から
【数6】
である。言い換えれば、AP MLDの識別子範囲は
【数7】
である。
【数8】
は、AP MLD内の第1のAPによってサポートされ得るBSSIDの数を表す。
【数9】
は、AP MLD内の第2のAPによってサポートされ得るBSSIDの数を表す。
【数10】
は、AP MLD内のM番目のAPによってサポートされ得るBSSIDの数を表す。
【0059】
AP MLD内の各APの識別子、各APによってサポートされ得るBSSID、およびAP MLDによってNon-AP MLDに割り当てられたAIDは、同じ識別システムを使用する。例えば、各APの識別子、各APによってサポートされ得るBSSID、およびNon-AP MLDのAIDは、すべて範囲[1,2007]から得られる整数値である。
【0060】
したがって、本出願の本実施形態は、より正確なAIDを局デバイスに割り当てるために、マルチリンクデバイスのためのAID割当て方法を提供し、それによって、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。
【0061】
本出願における局デバイスは、Non-APマルチリンクデバイスであってもよく、またはシングルリンクSTAデバイスであってもよいことが理解されよう。説明を簡単にするために、以下では、局デバイスがNon-AP MLDである例を使用する。
【0062】
本出願の本実施形態では、AP MLDは1つのNon-AP MLDに1つのAIDを割り当て、Non-AP MLD内のすべての局がAIDを共有することが理解されよう。
【0063】
任意選択で、本出願で言及される「アクセスポイントによってサポートされ得るBSSID」は、アクセスポイントが属するBSSのBSSIDであり得る。1つのBSSが複数のBSSIDを有し得ることが理解されよう。小さい領域には、複数のタイプのユーザや、複数のサービスをサポートするユーザが存在し得る。小さい領域において異なるAPが使用される場合、各APはクリーンなチャネルを見つけようと試みるため、異なるAP間のチャネル干渉は回避され得ない。そこで、IEEE802.11axは、1つのAPがサービスタイプや顧客タイプごとに複数のAPに仮想化されることを提案している。したがって、1つの仮想APは1つのBSSIDを有してもよく、すなわち、1つの実際のAPは複数のBSSIDを有する。
【0064】
図4は、本出願の一実施形態によるマルチリンクデバイスのためのAID割当て方法の概略フローチャートである。
図4に示されるように、マルチリンクデバイスのためのAID割り当て方法は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0065】
S401:AP MLDは第1のフレームを生成する。
【0066】
S402:AP MLDは第1のフレームを送信し、第1のフレームはNon-AP MLDに割り当てられたAIDを運び、AIDはAP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDでもAP MLD内のAPの識別子でもなく、第1のタイプのAPはNon-AP MLDとAP MLDとの間にリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0067】
S403:Non-AP MLDは第1のフレームを受信する。
【0068】
S404:Non-AP MLDは、第1のフレームを解析して、Non-AP MLDに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得する。
【0069】
任意選択で、第1のフレームはアソシエーション応答(association response)フレームまたはマルチリンクアソシエーション応答(multi-link association response)フレームであってもよい。
【0070】
具体的には、Non-AP MLDは、AP MLDとのアソシエーション関係を確立するように要求するために、AP MLDにマルチリンクアソシエーション要求(multi-link association request)フレームを送信する。AP MLDは、マルチリンクアソシエーション要求フレームに応答して、マルチリンクアソシエーション応答フレームをNon-AP MLDに送信する。これに対応して、Non-AP MLDは、マルチリンクアソシエーション応答フレームを受信し、マルチリンクアソシエーション応答フレームを解析して、Non-AP MLDに割り当てられ、マルチリンクアソシエーション応答フレームで運ばれるAIDを取得する。AIDは、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDでも、AP MLD内のAPの識別子でもない。AIDは、マルチリンクアソシエーション応答フレーム/アソシエーション応答フレームのAID要素で運ばれてもよい。
図5は、本出願の一実施形態によるAID要素のフレーム構造の概略図である。
図5に示されるように、AID要素は、1バイトの要素識別子、1バイトの長さ、および2バイトのAIDを含む。
【0071】
任意選択で、第1のタイプのAPは、Non-AP MLDとAP MLDとの間にリンク(setup links)を確立するためのアクセスポイントであってもよい。AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは
【数11】
である。
【数12】
は、第1のタイプのアクセスポイント内のi番目のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表し得る。Nは1より大きい正の整数であり得る。第1のタイプのAPの数はNに等しくてもよい。Nは1より大きい正の整数であり得る。
【0072】
図3bのAP MLD100とNon-AP MLD300との間の通信が一例として用いられる。Non-AP MLD300とAP MLD100との間に確立されたリンクは、リンク2およびリンク3である。この場合、AP MLD100内の「第1のタイプのアクセスポイント」は、リンク2に対応するAP100-2と、リンク3に対応するAP100-3とを含む。言い換えれば、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、第1のタイプのAP内の第1のアクセスポイントAP100-2によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数13】
と、第1のタイプのAP内の第2のアクセスポイントAP100-3によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数14】
とを含む。したがって、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは範囲
【数15】
である。ここにおける
【数16】
は、AP100-2によってサポートされ得るBSSIDを表し、ここにおける
【数17】
は、AP100-3によってサポートされ得るBSSIDを表すことが理解されよう。
【0073】
同様に、
図3bのAP MLD100とNon-AP MLD200との間の通信が一例として用いられる。Non-AP MLD200とAP MLD100との間に確立されたリンクは、リンク1およびリンク3である。この場合、AP MLD100内の「第1のタイプのアクセスポイント」は、リンク1に対応するAP100-1と、リンク3に対応するAP100-3とを含む。言い換えれば、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、第1のタイプのAP内の第1のアクセスポイントAP100-1によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数18】
と、第1のタイプのAP内の第2のアクセスポイントAP100-3によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数19】
とを含む。したがって、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは範囲
【数20】
である。ここにおける
【数21】
は、AP100-1によってサポートされ得るBSSIDを表し、ここにおける
【数22】
は、AP100-3によってサポートされ得るBSSIDを表すことが理解されよう。
【0074】
他の例として、
図6は、本出願の一実施形態によるNon-AP MLDとAP MLDとの間の通信の概略図である。
図6に示されるように、AP MLD1が5つのAP、すなわちAP1~AP5を含むと仮定される。Non-AP MLD2は、2個の連携局、すなわち、STA2およびSTA3を含む。Non-AP MLD3は、2個の連携局、すなわち、STA4およびSTA5を含む。STA1は、シングルリンクデバイスである。AP MLD1は、リンク4およびリンク5を介してNon-AP MLD3と個別に通信し、リンク2およびリンク3を介してNon-AP MLD2と通信し、リンク1を介してSTA1と通信しうる。AP MLD1がNon-AP MLD2と通信する例が用いられる。Non-AP MLD2とAP MLD1との間に確立されたリンクは、リンク2およびリンク3である。この場合、AP MLD1内の第1のタイプのアクセスポイントは、リンク2に対応するAP2と、リンク3に対応するAP3とを含む。言い換えれば、この場合、AP MLD1内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、第1のタイプのAP内の第1のアクセスポイントAP2によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数23】
と、第1のタイプのAP内の第2のアクセスポイントAP3によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数24】
とを含む。したがって、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは範囲
【数25】
である。ここにおける
【数26】
は、AP2によってサポートされ得るBSSIDを表し、ここにおける
【数27】
は、AP3によってサポートされ得るBSSIDを表すことが理解されよう。
【0075】
同様に、AP MLD1がNon-AP MLD3と通信する例が使用される。Non-AP MLD3とAP MLD1との間に確立されたリンクは、リンク4およびリンク5を含む。この場合、AP MLD1内の第1のタイプのアクセスポイントは、リンク4に対応するAP4と、リンク5に対応するAP5とを含む。言い換えれば、この場合、AP MLD1内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、第1のタイプのAP内の第1のアクセスポイントAP4によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数28】
と、第1のタイプのAP内の第2のアクセスポイントAP5によってサポートされ得るBSSID、すなわち
【数29】
とを含む。したがって、AP MLD内の第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは範囲
【数30】
である。ここにおける
【数31】
は、AP4によってサポートされ得るBSSIDを表し、ここにおける
【数32】
は、AP5によってサポートされ得るBSSIDを表すことが理解されよう。
【0076】
本出願の本実施形態では、AP MLD内のいくつかのAPによってサポートされ得るBSSIDは、Non-AP MLDに割り当てられることが許されないので、クロスリンクTIM指示においてAID曖昧性が生じないことが保証されるのであれば、割当てが許されない範囲が狭められることが理解されよう。このようにして、Non-AP MLDに割り当てられ得るAIDの範囲が拡大され、識別子リソースの利用が改善され得る。
【0077】
任意選択で、AP MLD内のAPの識別子は、AP MLD内のすべてのAPの識別子を指してもよく、またはAP MLD内の第1のタイプのAPの識別子を指してもよい。説明を簡単にするために、以下では、AP MLD内のすべてのAPの数がMであると仮定される。したがって、AP MLD内のすべてのAPの識別子は、M個の離散した整数値を含んでもよく、またはM個の連続する整数値を含んでもよい。同様に、AP MLD内の第1のタイプのAPの識別子は、N個の離散した整数値を含んでもよく、またはN個の連続する整数値を含んでもよい。具体的には、AP MLD内のすべてのAP/第1のタイプのAPの識別子は、第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDの最大値に続く連続した整数値のセグメントであり得る。例えば、第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDの最大値が
【数33】
である場合、AP MLD内のすべてのAPの識別子の範囲は
【数34】
であり、AP MLD内の第1のタイプのAPの識別子の範囲は
【数35】
である。Mは1より大きい正の整数であり得る。NはM未満であってもよい。言い換えれば、NはMのサブセットであり得る。AP MLDのすべてのアクセスポイントが1つのNon-AP MLDにアソシエーションされている場合、NはMに等しくてもよい。
【0078】
結論として、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数36】
内のいかなる値でもなく、AP MLD内のAPの識別子でもない。あるいは、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数37】
または範囲
【数38】
内のいかなる値でもない。
【0079】
言い換えれば、AP MLDがNon-AP MLDにAIDを割り当てるとき、第1のセット内のいかなる要素もNon-AP MLDに割り当てることが許されないことが理解されよう。第1のセットは、範囲
【数39】
およびAP MLD内のAPの識別子を含みうる。AP MLDによってNon-AP MLDに割り当てられるAIDの範囲は、範囲
【数40】
およびAP MLDのM個のAPの識別子を除く範囲[1,2007]内の値、または範囲[1,2007]と範囲
【数41】
または範囲
【数42】
との間の差集合、すなわち範囲
【数43】
または範囲
【数44】
であることがさらに理解されよう。言い換えれば、AP MLDがNon-AP MLDにAIDを割り当てるとき、第1のフレームで運ばれるAIDは、
【数45】
以下とすることはできず、AP MLDに割り当てられたAPの識別子とすることはできない。n
iは、マルチBSSIDセット内のMaxBSSIDインジケータの最大値である(where n
i is the maximum value of the MaxBSSID indicator in a multiple BSSID set is reserved)。
【0080】
AP MLDがAIDをNon-AP MLDに割り当てるとき、APに割り当てられているBSSIDおよび/または第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、Non-AP MLDに割り当てられることが許されないことが理解されよう。したがって、より正確なAIDがNon-AP MLDに割り当てられることができ、これにより、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。
【0081】
任意選択で、TIM指示において、AP MLDでクロスリンクTIM指示を送信するAPは、AP自体に識別子をさらに割り当てる必要がなく、ビットマップ制御フィールド(bitmap control field)内の1ビットを使用することによりAPを直接示しうる。したがって、AP MLDには1つ少ない識別子が割り当てられる、すなわち、AP MLDのM個のAPはM-1個の識別子のみを有する。したがって、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数46】
内のいかなる値でもない場合がある。同様に、AP MLD内でクロスリンクTIM指示を送信するAPが第1のタイプのAPに属する場合、AP MLD内のN個の第1のタイプのAPの識別子は、N-1個の識別子のみを含む。したがって、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数47】
内のいかなる値でもない場合がある。
【0082】
本出願の本実施形態では、ビットマップ制御フィールドの1ビットが、TIM指示を送信するAPを識別するために使用され、その結果、1つの識別子が節約されることができ、リソースが節約され得ることが理解されよう。
【0083】
いくつかの実現可能な実施態様では、第1のフレームで運ばれるAIDは、AP MLD内のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSID、またはAP MLD内のアクセスポイントの識別子ではない場合がある。具体的には、AP MLD内のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDは
【数48】
である。
【数49】
は、AP MLD内のi番目のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表し得る。AP MLD内のアクセスポイントの数はMに等しくてもよく、Mは1より大きい正の整数であってもよい。
【0084】
AP MLD内のAPの識別子は、AP MLD内のすべてのAPの識別子を指してもよく、またはAP MLD内の第1のタイプのAPの識別子を指してもよい。したがって、AP MLD内のすべてのAPの識別子は、M個の離散した整数値を含んでもよく、またはM個の連続する整数値を含んでもよい。同様に、AP MLD内の第1のタイプのAPの識別子は、N個の離散した整数値を含んでもよく、またはN個の連続する整数値を含んでもよい。具体的には、AP MLD内のすべてのAP/第1のタイプのAPの識別子は、AP MLD内のすべてのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの最大値に続く連続した整数値のセグメントであり得る。例えば、AP MLD内のすべてのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの最大値が
【数50】
である場合、AP MLD内のすべてのAPの識別子の範囲は
【数51】
であり、AP MLD内の第1のタイプのAPの識別子の範囲は
【数52】
である。
【0085】
結論として、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数53】
内のいかなる値でもなく、AP MLD内のAPの識別子でもないことが可能である。あるいは、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数54】
、範囲
【数55】
、範囲
【数56】
、または範囲
【数57】
内のいかなる値でもない。
【0086】
本出願の本実施形態では、AP MLDは第1のフレームを生成して送信し、第1のフレームはNon-AP MLDに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、AP MLD内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、AP MLD内のAPの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、Non-AP MLDとAP MLDとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。本出願の本実施形態では、AIDがNon-AP MLDに割り当てられるとき、APに割り当てられているBSSIDおよび/または第1のタイプのAPによってサポートされ得るBSSIDは、Non-AP MLDに割り当てられることが許されない。したがって、より正確なAIDがNon-AP MLDに割り当てられることができ、これにより、クロスリンクTIM指示におけるAID曖昧性を回避する。
【0087】
任意選択の実施形態では、局デバイスがシングルリンクSTAである場合、シングルリンクSTAは、AP MLDとのアソシエーション関係を確立するように要求するために、AP MLDにアソシエーション要求(association request)フレームを送信する。AP MLDは、アソシエーション要求フレームに応答して、アソシエーション応答フレームをNon-AP MLDに送信する。アソシエーション応答フレームは、Non-AP MLDに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、アソシエーション応答フレームのAID要素で運ばれてもよい。AIDは、AP MLD内のAPの識別子でも、AP MLD内のシングルリンクSTAとのアソシエーションを確立するAPによってサポートされ得るBSSIDでもない。
【0088】
任意選択で、AIDは、範囲
【数58】
内のいかなる値でもなく、AP MLD内のすべてのAPの識別子でもない。あるいは、AIDは、範囲
【数59】
内のいかなる値でもない。
【数60】
は、AP MLD内のシングルリンクSTAにアソシエーションされたAPによってサポートされ得るBSSIDの数を表す。言い換えれば、AP MLDがAIDをシングルリンクSTAに割り当てるとき、AIDは
【数61】
より小さくすることができない。
【0089】
他の任意選択の実施形態では、AP MLDが1つの識別子を使用するとき、例えば、AP MLDの識別子はデフォルトで0であり、すなわち、AP MLD内の複数のAPがその識別子(すなわち、識別子0)を共有するとき、AP MLDによってNon-AP MLDに送信される第1のフレームで運ばれるAIDは、AP MLD内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDではない。第1のタイプのアクセスポイントは、Non-AP MLDとAP MLDとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。言い換えれば、第1のフレームで運ばれるAIDは、範囲
【数62】
内のいかなる値でもない。Nは、第1のタイプのアクセスポイントの数であり、
【数63】
は、第1のタイプのアクセスポイント内のi番目のアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDの数を表す。
【0090】
上記の内容は、本出願で提供される方法を詳細に説明している。本出願の実施形態における前述の解決策をより良好に実施するために、本出願の実施形態は、対応する装置またはデバイスをさらに提供する。
【0091】
本出願の実施形態では、マルチリンクデバイス内の機能モジュールは、前述の方法例に基づいて定義され得る。例えば、それぞれの機能モジュールは各機能に対応して定義されてもよく、あるいは2つ以上の機能を1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールはハードウェアの形態で実装されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本出願の実施形態では、モジュール分割は一例であり、単なる論理的機能分割にすぎないことに留意されたい。実際の実装では、他の分割方式が使用されてもよい。
【0092】
統合ユニットが使用されるとき、
図7は、本出願の一実施形態による通信装置の構造の概略図である。通信装置1は、AP MLDであってもよいし、AP MLD内のチップ、例えばWi-Fiチップであってもよい。
図7に示されるように、通信装置1は、処理ユニット11と、トランシーバユニット12とを含む。
【0093】
処理ユニット11は、第1のフレームを生成するように構成される。トランシーバユニット12は、第1のフレームを送信するように構成される。第1のフレームは、局デバイスに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のAPの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0094】
本出願の本実施形態における通信装置1は、前述の方法におけるAP MLDの任意の機能を有する。ここでは詳細は再び説明されない。
【0095】
図8は、本出願の一実施形態による通信装置の他の構造の概略図である。通信装置2は、Non-AP MLDであってもよいし、Non-AP MLD内のチップ、例えばWi-Fiチップであってもよい。
図8に示されるように、通信装置2は、トランシーバユニット21と、処理ユニット22とを含む。
【0096】
トランシーバユニット21は、第1のフレームを受信するように構成される。処理ユニット22は、受信された第1のフレームを解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得するように構成される。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。
【0097】
本出願の本実施形態における通信装置2は、前述の方法におけるNon-AP MLDの任意の機能を有する。ここでは詳細は再び説明されない。
【0098】
以上は、本出願の実施形態におけるAP MLDについて説明している。以下では、AP MLDおよびNon-AP MLDの可能な製品形態について説明する。
図7で説明されたAP MLDの機能を有する任意の形態の任意の製品、および
図8で説明されたNon-AP MLDの機能を有する任意の形態の任意の製品は、本出願の実施形態の保護範囲内に入ることを理解されたい。以下の説明は単なる例であり、本出願の実施形態におけるAP MLDおよびNon-AP MLDの製品形態はそれに限定されないことをさらに理解されたい。
【0099】
可能な製品形態として、本出願の本実施形態で説明されるAP MLDは、一般的なバスアーキテクチャを使用することにより実装されてもよい。
【0100】
AP MLDは、プロセッサと、プロセッサに内部接続されてプロセッサと通信するトランシーバとを含む。プロセッサは、第1のフレームを生成するように構成される。トランシーバは、第1のフレームを送信するように構成され、第1のフレームは、局デバイスに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。任意選択で、AP MLDはメモリをさらに含んでもよく、メモリはプロセッサによって実行される命令を記憶するように構成される。
【0101】
Non-AP MLDは、プロセッサと、プロセッサに内部接続されてプロセッサと通信するトランシーバとを含む。トランシーバは、第1のフレームを受信するように構成される。プロセッサは、受信された第1のフレームを解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得するように構成される。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。任意選択で、AP MLDはメモリをさらに含んでもよく、メモリはプロセッサによって実行される命令を記憶するように構成される。
【0102】
可能な製品形態では、本出願の本実施形態で説明されるAP MLDは、汎用プロセッサによって実装されてもよい。
【0103】
AP MLDを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部接続されて処理回路と通信する入力/出力インターフェースとを含む。処理回路は、第1のフレームを生成するように構成される。入力/出力インターフェースは、第1のフレームを送信するように構成され、第1のフレームは、局デバイスに割り当てられたAIDを運ぶ。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。任意選択で、汎用プロセッサは、記憶媒体をさらに含んでもよい。記憶媒体は、処理回路によって実行される命令を記憶するように構成される。
【0104】
Non-AP MLDを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部接続されて処理回路と通信する入力/出力インターフェースとを含む。入力/出力インターフェースは、第1のフレームを受信するように構成される。処理回路は、受信された第1のフレームを解析して、局デバイスに割り当てられ、第1のフレームで運ばれるAIDを取得するように構成される。AIDは、アクセスポイントマルチリンクデバイス内の第1のタイプのアクセスポイントによってサポートされ得るBSSIDでも、アクセスポイントマルチリンクデバイス内のアクセスポイントの識別子でもない。第1のタイプのアクセスポイントは、局デバイスとアクセスポイントマルチリンクデバイスとの間のリンクを確立するためのアクセスポイントである。任意選択で、汎用プロセッサは、記憶媒体をさらに含んでもよい。記憶媒体は、処理回路によって実行される命令を記憶するように構成される。
【0105】
可能な製品形態として、本出願の本実施形態で説明されるAP MLDまたはNon-AP MLDは、以下の構成要素、すなわち、1つまたは複数のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブルロジックデバイス)、コントローラ、状態マシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、任意の他の適切な回路、または本出願で説明される様々な機能を実行することができる回路の任意の組合せを使用することによってさらに実装され得る。
【0106】
前述の様々な製品形態の通信装置が方法の実施形態におけるAP MLDの任意の機能を有することを理解すべきである。ここでは詳細は再び説明されない。
【0107】
本出願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムコードを実行すると、電子デバイスが前述の実施形態の方法を実行する。
【0108】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは前述の実施形態における方法を実行することが可能になる。
【0109】
本出願の一実施形態は、通信装置をさらに提供する。装置は、チップの製品形態で存在し得る。装置の構造体は、プロセッサと、インターフェース回路とを含む。プロセッサは、装置が前述の実施形態の方法を実行することを可能にするために、インターフェース回路を介して他の装置と通信するように構成される。
【0110】
本出願の一実施形態は、AP MLDおよび局デバイス(例えば、Non-AP MLD)を含む無線通信システムをさらに提供する。AP MLDおよび局デバイスは、前述の実施形態の方法を行いうる。
【0111】
本出願で開示されている内容と組み合わされて説明されている方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実装されてもよいし、または、ソフトウェア命令を実行することによりプロセッサによって実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含みう。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバルハードディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、または当技術分野でよく知られた任意の他の形態の記憶媒体に記憶され得る。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合されることで、プロセッサは記憶媒体から情報を読み込んだり、記憶媒体に情報を書き込んだりすることができる。当然ながら、記憶媒体はプロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に配置されてもよい。加えて、ASICはコアネットワークインターフェースデバイスに位置していてもよい。当然ながら、プロセッサと記憶媒体とはコアネットワークインターフェースデバイスに別個の構成部分として存在し得る。
【0112】
当業者は、前述の1つまたは複数の例では、本出願に記載されている機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せによって実装され得ることを理解されたい。機能がソフトウェアによって実装されるとき、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶され得るか、またはコンピュータ可読媒体において1つまたは複数の命令またはコードとして伝送され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体および通信媒体を含み、通信媒体は、1つの場所から他の場所へのコンピュータプログラムの送信を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。
【0113】
前述の特定の実施態様では、本出願の目的、技術的解決策、および有益な効果がさらに詳細に説明されている。前述の説明は、本出願の単なる特定の実施態様であり、本出願の保護範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われた修正、同等の交換、改善などは、本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0114】
1 通信装置
2 通信装置
11 処理ユニット
12 トランシーバユニット
21 トランシーバユニット
22 処理ユニット
100 アクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス
200 非アクセスポイント(Non-AP)マルチリンクデバイス
300 Non-APマルチリンクデバイス
400 シングルリンク局(STA)