(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】呼吸器加湿システム
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20240930BHJP
A61M 15/00 20060101ALN20240930BHJP
【FI】
A61M16/16 A
A61M15/00 Z
(21)【出願番号】P 2023033132
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2020108960の分割
【原出願日】2013-05-01
【審査請求日】2023-03-29
(32)【優先日】2012-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】デクスター、チ、ルン、チュン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ジョン、ペイトン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、アラン、スィーカップ
【審査官】立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-521705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/16
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸ガスの流れを送出するように構成され
た換気装置と、
前記
換気装置から前記呼吸ガスの流れを受け取り、加湿された呼吸ガスの流れを出力する加湿器であって、加湿器ユニットと
、湿度室と
、前記湿度室の液体を加熱するように構成されたヒータープレートと、ヒーター線を有する呼吸管とを含む、加湿器と、
前記加湿器と前記
換気装置との間の電子通信を可能にするように構成された、前記加湿器と前記
換気装置との間の通信接続と、を含む呼吸器加湿システムであって、
前記
換気装置が前記加湿器を制御できるように、前記通信接続は、前記呼吸器加湿システムの前記
換気装置と前記加湿器との間で制御信号が送信されることを可能にするように構成されて
おり、
前記通信接続は、前記換気装置が前記加湿器の一つ以上の動作パラメータを設定又は確認できるように構成されており、
前記一つ以上の動作パラメータのうち少なくとも一つは、使用される前記換気装置のタイプに関係し、
前記呼吸ガスの流れが遮断又は停止された場合、前記換気装置は、前記ヒータープレート及び/又は前記ヒーター線への電力を遮断するように前記加湿器に通知する、呼吸器加湿システム。
【請求項2】
前記換気装置はユーザインターフェースを含み、前記ユーザインターフェースは、換気装置の動作データ及び情報を表示するように構成されており、ユーザがデータ又は情報を入力することにより、又は前記換気装置の様々な動作設定又はモードを設定もしくは確認することにより前記換気装置と相互作用できるようにし、前記ユーザインターフェースはタッチスクリーンユーザインターフェースである、請求項
1に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項3】
前記加湿器はユーザインターフェースを備え、前記換気装置の前記ユーザインターフェースは前記加湿器の前記ユーザインターフェースを置換する、又は別のインターフェースを提供することができる、請求項
2に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項4】
前記換気装置の前記ユーザインターフェースは、前記加湿器の利用可能な動作パラメータ又は動作モードを表示するメニューを含む、請求項
3に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項5】
前記ユーザに前記加湿器の動作パラメータ又は動作モードを設定するように指示するために前記ユーザインターフェース上にプロンプトが表示される、請求項
2に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項6】
前記換気装置は、前記呼吸器加湿システムのユーザが前記ユーザインターフェースを利用して前記加湿器の一つ以上の動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認できるように構成されている、請求項
2~
5のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項7】
前記通信接続は、前記換気装置と前記加湿器との間でデータを送信するように構成されており、前記データは、
a)部品のオン/オフ電源状態、
b)部品の現在の動作状態
c)現在のセンサデータ、及び
d)動作パラメータの設定点
のうちいずれか一つ又は複数を含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項8】
前記通信接続は、前記換気装置と前記加湿器との間でデータを送信するように構成されており、前記データは、前記通信接続上で前記換気装置へ送信され得る前記加湿器に関するデータを含み、前記データは、温度情報、エラー状態、又はアラーム条件などの前記加湿器の状態又は動作に関する任意の情報を含む、請求項1~
7のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項9】
前記換気装置とともに前記加湿器を動作させるための制御ルーチンに従って動作し、前記制御ルーチンは、前記加湿器と前記換気装置との間で通信を確立するステップを備える、請求項1~
8のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項10】
前記加湿器は、当該加湿器に関する情報又はデータを前記換気装置に送信するように構成されている、請求項1~
9のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項11】
前記加湿器のデータは、
a)温度情報、
b)湿度情報、
c)前記加湿器の室容積情報、及び
d)前記呼吸ガスの流れの送出を精密に制御する際に前記換気装置を支援し得る前記加湿器の性質又は特性に関する他の関連情報
のうちいずれか一つ又は複数を含む、請求項
10に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項12】
前記加湿器から前記加湿された呼吸ガスの流れを受け取る呼吸回路を備え、前記加湿器は、前記呼吸回路に関する情報又はデータを前記換気装置に送信するように構成されている、請求項1~
11のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項13】
前記呼吸回路に関するデータは、
a)コンプライアンス情報、
b)リーク速度情報、
c)デッドスペース情報
d)実際の一回呼吸量、及び
e)前記呼吸ガスの流れの送出を精密に制御する際に前記換気装置を支援し得る前記呼吸回路の性質、特性又は動作に関する他の関連情報
のうちいずれか一つ又は複数を含む、請求項
12に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項14】
a)前記加湿器から前記加湿された呼吸ガスの流れを受け取る呼吸回路、及び/又は
b)前記呼吸回路から前記加湿された呼吸ガスの流れを受け取り、前記加湿呼吸ガスの流れを患者へ送出する患者インターフェース、
を備える、請求項1~
11のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項15】
前記通信接続は有線接続を含む、請求項1~
14のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項16】
前記
換気装置は供給管を介して呼吸ガスの流れを前記加湿器に供給する、請求項1~
15のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項17】
前記
換気装置は、中央監視システム又は電子患者データ記録システムと通信するように構成され、前記
換気装置は前記加湿器の前記動作パラメータ又はモードを前記中央監視システム又は前記電子患者データ記録システムへ伝達するように構成されている、請求項
1~16のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項18】
前記換気装置は、前記情報又はデータに基づいて前記加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する、請求項
12に記載の呼吸器加湿システム。
【請求項19】
前記換気装置は中央監視システムと直接通信し、前記加湿器は前記換気装置を介して前記中央監視システムと間接的に通信する、請求項1~
18のいずれか1項に記載の呼吸器加湿システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸器加湿システム及び方法に関する。特に、本発明は、他のシステム部品と電子通信が可能な呼吸器加湿器、このような加湿器を含むシステム、及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの状況下では、加湿呼吸ガスを患者へ供給することが必要である又は望ましい。このような場合、呼吸回路と患者インターフェースとを介し患者へ加湿呼吸ガスを供給するために呼吸器加湿器を使用することができる。いくつかの構成では、本システムは呼吸器支援を患者へ提供する。したがって、このようなシステムは、しばしば一定又は可変正圧で呼吸ガスの流れを患者へ提供するために換気装置などの流れ発生器を含み得る。既存システムでは、流れ発生器、加湿器、及びシステムの他の部品のそれぞれは通常、それ自身のセンサと、いくつかの部品に対してはユーザインターフェースとを含む。通常、各部品は、他の部品から独立に設定され、それ自身のセンサから収集される情報を利用することによりその制御処理を行う。したがって、本発明の目的は、有益な選択を一般の人々に少なくとも提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の態様は、呼吸器加湿システムの部品間の電子通信を提供することで、既存システムと比較して同様なコスト又は低減されたコストで、システムの個々の部品とシステム全体の性能の改善を可能にするであろう本発明者による実現に関わる。1つ又は複数の好ましい実施形態は、加湿器と流れ発生器などのシステムの他の部品との間の通信を提供する。本発明の1つの好ましい実施形態は、呼吸器加湿システムの他の部品との電子通信のために構成された加湿器である。他の好ましい実施形態はこのような加湿器と関連方法とを取り入れたシステムに関する。
【0004】
好ましい実施形態は、システムの1つ又は複数の他の部品との電子通信が可能でありしたがって加湿器とシステムの他の部品との間のデータ又は制御信号の転送が可能な加湿器を含む呼吸器支援及び/又は加湿システムに関わる。いくつかのシステムでは、換気装置などの流れ発生器が呼吸ガスの流れを提供するために設けられる。加湿器と流れ発生器は相互の電子通信が可能である。いくつかの構成では、加湿器の動作モード又はパラメータは、流れ発生器のユーザインターフェースを介し自動又は手動のいずれかで流れ発生器により設定又は確認される。加湿器はまた、加湿器の動作モード又はパラメータを設定又は確認するために流れ発生器又はインキュベータなど他のシステム部品により提供されるデータを利用することができる。いくつかの構成では、加湿器のユーザインターフェースは別のシステム部品からのデータを表示することができる、又はユーザインターフェースはネブライザ又はパルス酸素濃度計など他のシステム部品を制御するように構成され得る。
【0005】
好ましい実施形態は呼吸器加湿システムに関わる。本システムは、呼吸ガスの流れを送出するように構成された流れ発生器を含む。加湿器は呼吸ガスの流れを流れ発生器から受け取り、加湿された呼吸ガスの流れを出力する。呼吸回路は加湿呼吸ガスの流れを加湿器から受け取り、患者インターフェースは加湿呼吸ガスの流れを呼吸回路から受け取る。患者インターフェースは加湿呼吸ガスの流れを患者へ送出する。加湿器と流れ発生器との間の通信接続は加湿器と流れ発生器との間の電子通信を可能にするように構成される。
【0006】
いくつかの構成では、流れ発生器は、流れ発生器の動作パラメータ又はモードに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを自動的に設定する。
【0007】
いくつかの構成では、流れ発生器は、ユーザが流れ発生器のユーザインターフェースを使用することにより加湿器の動作パラメータ又はモードを設定できるようにするように構成されたユーザインターフェースを含む。流れ発生器は、ユーザが加湿器の動作パラメータ又はモードを設定するためのプロンプトをユーザインターフェース上に提供することができる。動作パラメータ又はモードの設定は加湿器の初期設定モードを確認することを含むことができる。
【0008】
いくつかの構成では、加湿器は、流れ発生器の動作パラメータ又はモードに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを自動的に設定する。流れ発生器の動作パラメータは呼吸ガスの流れの流量を含み得る。
【0009】
いくつかの構成では、本システムは、呼吸回路と加湿器との間の電子通信を可能にするように構成された加湿器と呼吸回路との間の通信接続を含むことができる。呼吸回路は呼吸回路データを加湿器へ伝達することができ、加湿器は呼吸回路データを流れ発生器へ伝達することができ、流れ発生器は呼吸回路データに基づき動作パラメータ又はモードを設定する。呼吸回路データは、呼吸回路が加湿器へ接続されると加湿器へ自動的に伝達され得る。
【0010】
いくつかの構成では、流れ発生器は中央監視システム又は電子患者データ記録システムと通信するように構成され、流れ発生器は加湿器の動作パラメータ又はモードを中央監視システム又は電子患者データ記録システムへ伝達するように構成される。
【0011】
いくつかの構成では、システムはさらに、温度調節装置と、温度調節装置と加湿器との間の電子通信を可能にするように構成された通信接続とを含む。温度調節装置に関するデータは加湿器へ伝達され得、加湿器は温度調節装置に関するデータに基づき動作パラメータ又はモードを設定できる。温度調節装置はインキュベータであり得、温度調節装置に関するデータは温度レベルを含み得る。加湿器はインキュベータの外に配置され得、患者インターフェースはインキュベータ内に配置され得、呼吸回路は加湿器と患者インターフェースとの間で延長可能であり、呼吸回路は、インキュベータの外に配置された第1の部分とインキュベータ内に配置された第2の部分とを含むことができ、第1の加熱素子は熱エネルギーを第1の部分に印加するように構成され得、第2の加熱素子は熱エネルギーを第2の部分に印加するように構成され得、センサは加湿呼吸ガスの流れのパラメータを検知するように構成され得、センサは第1の部分内に配置され得、加湿器はセンサからのデータとインキュベータからのデータとを利用することにより第1の加熱素子及び第2の加熱素子を制御することができる。センサからのデータは加湿呼吸ガスの流れの流量と温度のうちの1つ又は複数を含み得る。インキュベータからのデータはインキュベータの現在温度と温度設定点のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0012】
いくつかの構成では、本システムはさらに、周辺装置と、周辺装置と加湿器との間の電子通信のために構成された通信接続とを含むことができる。加湿器は、周辺装置からのデータに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを設定できる。加湿器はユーザインターフェースを含むことができ、加湿器は周辺装置からのデータをユーザインターフェース上に表示することができる。加湿器は、ユーザがユーザインターフェースを使用することにより周辺装置の動作パラメータ又はモードを設定できるようにするように構成され得る。周辺装置はネブライザ又はパルス酸素濃度計であり得る。
【0013】
好ましい実施形態は、加湿された呼吸ガスの流れを出力する加湿器を含む呼吸器加湿システムに関する。呼吸回路は加湿呼吸ガスの流れを加湿器から受け取る。患者インターフェースは加湿呼吸ガスの流れを呼吸回路から受け取り、加湿呼吸ガスの流れを患者へ送出する。本システムはまた、温度調節装置と、温度調節装置と加湿器との間の電子通信を可能にするように構成された通信接続とを含む。
【0014】
いくつかの構成では、加湿器はさらにユーザインターフェースを含み、本システムは、ユーザが加湿器のユーザインターフェースを使用することにより温度調節装置の動作パラメータ又はモードを設定できるようにするように構成される。温度調節装置に関するデータは加湿器へ伝達され得、加湿器は温度調節装置に関するデータに基づき動作パラメータ又はモードを設定できる。温度調節装置はインキュベータであり得る。加湿器はインキュベータの外に配置され得、患者インターフェースはインキュベータ内に配置され得、呼吸回路は加湿器と患者インターフェースとの間で延長可能であり、呼吸回路はインキュベータの外に配置された第1の部分とインキュベータ内に配置された第2の部分とを含むことができ、第1の加熱素子は熱エネルギーを第1の部分へ印加するように構成され得、第2の加熱素子は熱エネルギーを第2の部分へ印加するように構成され得、センサは加湿呼吸ガスの流れのパラメータを検知するように構成され得、センサは第1の部分内に配置され得、加湿器は第1の加熱素子を制御することができ、第2の加熱素子はセンサからのデータとインキュベータからのデータを利用することができる。温度調節装置はインキュベータであり得、本システムはさらに、呼吸回路内に配置されるとともに加湿呼吸ガスの流れのパラメータを検知するように構成されたセンサを含むことができ、センサからのデータは加湿呼吸ガスの流れの流量と温度のうちの1つ又は複数を含み得る。インキュベータからのデータはインキュベータの現在温度と温度設定点のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0015】
好ましい実施形態は、加湿された呼吸ガスの流れを出力する加湿器を含む呼吸器加湿システムに関わる。呼吸回路は加湿呼吸ガスの流れを加湿器から受け取る。患者インターフェースは加湿呼吸ガスの流れを呼吸回路から受け取り、加湿呼吸ガスの流れを患者へ送出する。本システムはまた、周辺装置と、周辺装置と加湿器との間の電子通信を可能にするように構成された通信接続とを含む。
【0016】
いくつかの構成では、加湿器は周辺装置からのデータに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する。加湿器はユーザインターフェースを含むことができ、加湿器は、周辺装置からのデータをユーザインターフェース上に表示することができる。加湿器は、ユーザがユーザインターフェースを使用することにより周辺装置の動作パラメータ又はモードを設定できるようにするように構成され得る。周辺装置はネブライザ又はパルス酸素濃度計であり得る。
【0017】
いくつかの構成では、周辺装置は流れ発生器又は温度調節装置であり得る。流れ発生器は、流れ発生器の動作パラメータ又はモードに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを自動的に設定できる。
【0018】
いくつかの構成では、流れ発生器は、ユーザが流れ発生器のユーザインターフェースを使用することにより加湿器の動作パラメータ又はモードを設定できるようにするように構成されたユーザインターフェースを含む。流れ発生器は、ユーザが加湿器の動作パラメータ又はモードを設定するためのプロンプトをユーザインターフェース上に提供することができる。動作パラメータ又はモードの設定は加湿器の初期設定モードを確認することを含むことができる。
【0019】
いくつかの構成では、加湿器は流れ発生器の動作パラメータ又はモードに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを自動的に設定する。流れ発生器の動作パラメータは呼吸ガスの流れの流量を含み得る。
【0020】
いくつかの構成では、本システムは、呼吸回路と加湿器との間の電子通信を可能にするように構成された加湿器と呼吸回路との間の通信接続を含むことができる。呼吸回路は呼吸回路データを加湿器へ伝達することができ、加湿器は呼吸回路データを流れ発生器へ伝達することができ、流れ発生器は呼吸回路データに基づき動作パラメータ又はモードを設定する。呼吸回路データは、呼吸回路が加湿器へ接続されると加湿器へ自動的に伝達され得る。
【0021】
いくつかの構成では、流れ発生器は中央監視システム又は電子患者データ記録システムと通信するように構成され、流れ発生器は加湿器の動作パラメータ又はモードを中央監視システム又は電子患者データ記録システムへ伝達するように構成される。
【0022】
いくつかの構成では、温度調節装置に関するデータは加湿器へ伝達され得、加湿器は温度調節装置に関するデータに基づき動作パラメータ又はモードを設定できる。温度調節装置はインキュベータであり得、温度調節装置に関するデータは温度レベルを含み得る。加湿器はインキュベータの外に配置され得、患者インターフェースはインキュベータ内に配置され得、呼吸回路は加湿器と患者インターフェースとの間で延長可能であり、呼吸回路はインキュベータの外に配置された第1の部分とインキュベータ内に配置された第2の部分とを含むことができ、第1の加熱素子は熱エネルギーを第1の部分へ印加するように構成され得、第2の加熱素子は熱エネルギーを第2の部分へ印加するように構成され得、センサは加湿呼吸ガスの流れのパラメータを検知するように構成され得、センサは第1の部分内に配置され得、加湿器はセンサからのデータとインキュベータからのデータとを利用することにより第1の加熱素子及び第2の加熱素子を制御することができる。センサからのデータは加湿呼吸ガスの流れの流量と温度のうちの1つ又は複数を含み得る。インキュベータからのデータはインキュベータの現在温度と温度設定点のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0023】
好ましい実施形態は、呼吸器加湿器を動作させる方法であって、加湿器と、呼吸ガスの流れを加湿器へ提供する流れ発生器との間の電子通信を確立する工程と、流れ発生器の動作パラメータ又はモードに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを自動的に設定する工程とを含む方法に関する。
【0024】
いくつかのケースでは、流れ発生器は加湿器の動作パラメータの設定を指示する。加湿器の動作パラメータの設定は、流れ発生器の動作パラメータ又はモードに基づき加湿器により行われ得る。
【0025】
いくつかのケースでは、本方法はさらに、呼吸回路のパラメータに関する呼吸回路データを電子通信接続上で加湿器へ送信する工程と、呼吸回路データを流れ発生器へ送信する工程と、呼吸回路データに基づき換気装置の動作パラメータ又はモードを設定する工程とを含む。呼吸回路データを加湿器へ送信する工程は、呼吸回路が加湿器へ接続されると自動的に発生し得る。
【0026】
いくつかのケースでは、本方法はさらに、加湿器に関するデータを流れ発生器を介し中央監視システム又は電子患者データ記録システムへ送信する工程を含む。本方法はさらに、加湿呼吸ガスの流れをインキュベータ内に配置された患者インターフェースへ送出する工程と、インキュベータから加湿器へ送信されたインキュベータの動作パラメータ又はモードに関するデータに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する工程とを含む。
【0027】
好ましい実施形態は、呼吸器加湿器を動作させる方法であって、加湿器と、加湿器に呼吸ガスの流れを提供する流れ発生器との間の電子通信を確立する工程と、流れ発生器のユーザインターフェースを使用することにより加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する工程とを含む方法に関わる。
【0028】
いくつかのケースでは、本方法はさらに、呼吸回路のパラメータに関する呼吸回路データを電子通信接続上で加湿器へ送信する工程と、呼吸回路データを流れ発生器へ送信する工程と、呼吸回路データに基づき換気装置の動作パラメータ又はモードを設定する工程とを含む。呼吸回路データを加湿器へ送信する工程は、呼吸回路が加湿器へ接続されると自動的に発生し得る。本方法はさらに、加湿器に関するデータを流れ発生器を介し中央監視システム又は電子患者データ記録システムへ送信する工程を含むことができる。本方法はさらに、加湿呼吸ガスの流れをインキュベータ内に配置された患者インターフェースへ送出する工程と、インキュベータから加湿器へ送信されたインキュベータの動作パラメータ又はモードに関するデータに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する工程とを含むことができる。
【0029】
好ましい実施形態は、呼吸器加湿器を動作させる方法であって、加湿器とインキュベータとの間の電子通信を確立する工程と、加湿呼吸ガスの流れを加湿器からインキュベータ内に配置された患者インターフェースへ供給する工程と、インキュベータから加湿器へ送信されたインキュベータの動作パラメータ又はモードに関するデータを使用して加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する工程とを含む方法に関する。
【0030】
いくつかのケースでは、本方法はさらに、加湿器のユーザインターフェースを使用してインキュベータの動作パラメータ又はモードを設定する工程を含む。
【0031】
好ましい実施形態は、呼吸器加湿器を動作させる方法であって、加湿器と周辺装置との間の電子通信を確立する工程と、周辺装置の動作パラメータ又はモードを含む周辺装置データを周辺装置から加湿器へ送信する工程と、周辺装置データを加湿器のユーザインターフェース上に表示する工程とを含む方法に関する。
【0032】
いくつかのケースでは、本方法はさらに、加湿器のユーザインターフェースを使用して周辺装置の動作パラメータ又はモードを設定する工程を含む。本方法はさらに、周辺装置データに基づき加湿器の動作パラメータ又はモードを設定する工程を含む。
【0033】
本発明を例示するが限定しないように意図された本発明のいくつかの特徴、態様、及び利点を有する好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。添付図面は13の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明のいくつかの特徴、態様、及び利点を有する呼吸器加湿システムを示す。図示の呼吸器加湿システムはガス流生成器、加湿器、及び呼吸回路を含む。
【
図2】
図1の呼吸器加湿システムの流れ発生器と加湿器との間のデータ通信接続を示す。
【
図3】流れ発生器を使用して加湿器の動作パラメータを設定又は確認するための制御ルーチンを示す。
【
図4】流れ発生器の動作パラメータの設定又は確認のための呼吸回路に関するデータを流れ発生器へ送信するために加湿器を使用するための制御ルーチンを示す。
【
図5】流れ発生器に関するデータを加湿器へ伝達するとともに同データを使用して加湿器の動作パラメータを設定又は確認するための制御ルーチンを示す。
【
図6】システムデータを中央監視システム又は電子患者データ記録システムへ伝達可能な
図1のシステムと同様なシステムなどの呼吸器加湿システムを示す。
【
図7】
図6のシステムのシステムデータを流れ発生器を介し加湿器から中央監視システムへ伝達するための制御ルーチンを示す。
【
図8】
図1のシステムと同様なシステムなどの呼吸器加湿システムであってインキュベータを内蔵する呼吸器加湿システムを示す。
【
図9】
図8の呼吸器支援システムの流れ発生器とインキュベータとの間のデータ通信接続を示す。
【
図10】インキュベータに関するデータに基づき加湿器の動作パラメータを設定又は確認するための制御ルーチンを示す。
【
図11】
図1のシステムと同様なシステムなどの呼吸器加湿システムであってネブライザ及び/又はパルス酸素濃度計などの周辺装置を内蔵する呼吸器加湿システムを示す。
【
図12】加湿器、呼吸回路、及び周辺装置を含む呼吸器加湿システムを示す。
【
図13】周辺装置に関するデータを加湿器のインターフェース上に表示し及び/又は
図12のシステムにおける加湿器のインターフェースを使用して周辺装置の動作パラメータを設定又は確認するための制御ルーチンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書に開示される呼吸器加湿部品、システム、及び関連方法のうちの1つ又は複数の実施形態は本システムの2つ以上の部品間の電子通信を提供する。少なくとも1つの構成では、第1のシステム部品の動作モード又はパラメータに関するデータは第2のシステム部品へ伝達され、第2のシステム部品は、第2のシステム部品又は別のシステム部品の動作モード又はパラメータを設定又は確認するために同データを利用することができる。少なくとも1つの構成では、第1のシステム部品と第2のシステム部品との間のデータの通信は、第1又は第2のシステム部品の一方のユーザインターフェースが第1又は第2のシステム部品の他方に関するデータを表示又は記録すること(又はそれを制御すること)を可能にする。少なくとも1つの構成では、第1のシステム部品は第2のシステム部品へ接続され、第2のシステム部品に関するデータを取得することができる。次に、第1のシステム部品は同データを第3のシステム部品へ伝達することができ、第3のシステム部品は第3のシステム部品の動作パラメータ又はモードを設定又は確認するために同データを使用することができる。少なくとも1つの構成では、第1のシステム部品は第2のシステム部品へ接続され、第2のシステム部品に関するデータを取得することができる。次に、第1のシステム部品は第3のシステム部品の動作パラメータ又はモードを設定又は確認するために同データを使用することができる。このようなシステムと方法の例が本明細書に開示されるが、本発明のいくつかの特徴、態様、及び利点を限定するのではなく例示することを目的とする。
【0036】
図1に、参照番号10により概して参照される呼吸器加湿システムを示す。システム10は好適には、加湿呼吸ガスの流れを適切な患者インターフェース12を介しユーザ又は患者(図示せず)へ提供し、システム10の2つ以上の部品間のシステムデータの伝達を可能にする。図示のシステム10は、好適な呼吸ガスの流れを提供することができる流れ発生器14を含む。図示の構成では、流れ発生器14は、空気、酸素、又は空気/酸素混合物を環境気圧を越える連続的又は可変圧力で患者インターフェース12へ提供することができる換気装置である。したがって、流れ発生器14は本明細書では換気装置とも呼ばれる。好適には、換気装置14は、換気装置14により供給される呼吸ガスのタイミング、圧力、容積、又は流量などいくつかの換気装置機能の電子又はコンピュータ制御を含む電子換気装置である。換気装置14はまた、関連換気装置データ及びオペレーティングプロトコルを格納するためのメモリを含む。
【0037】
好適には、換気装置14はまた、換気装置動作データ及び情報を表示するユーザインターフェース16を含む。好適には、ユーザインターフェース16はまた、ユーザがデータ又は情報を入力することにより又は換気装置14の様々な動作設定又はモードを設定又は確認することにより換気装置14と相互作用できるようにする。ユーザインターフェース16は、ボタン、ノブ、キー、ナビゲーションリングなどのユーザ入力と組み合わせた表示画面を含む任意の好適な構成であり得る。1つの好ましい構成では、ユーザインターフェース16は情報を表示しユーザ入力を受信することができるタッチスクリーンであり得る。タッチスクリーンは、単独のユーザ入力であり得る、又は前述のものなど他のユーザ入力と組み合わせて使用され得る。
【0038】
図示のシステム10では、ガスボンベ、呼吸ガスの壁供給源、又は任意の他の好適な源であり得る呼吸ガス源18が換気装置14へ接続される。呼吸ガスは、空気、酸素、空気と酸素の混合、又は水素、ヘリウム、又は窒素などの呼吸療法に使用される任意の他の好適なガスであり得る。いくつかの実施形態では、換気装置14は、呼吸ガスの流れを生成するために、室内空気又は外気を単独で、又は呼吸ガス源18からのガスと組み合わせて利用する。換気装置14は好適には、外気と呼吸ガス源18からの呼吸ガスとを精密に混合し、圧力、容積、流量、又は時間などの所望の値又は範囲の1つ又は複数のパラメータに従って、混合された空気とガス(「呼吸ガス」と総称される)を送出することができる。他の実施形態では、流れ発生器14は外気又は室内空気を利用しない。
【0039】
換気装置14から出力される呼吸ガスの流れは好適には、吸気管又は供給管22などの好適な導管により加湿器システム(又は加湿器20)へ送出される。加湿器20は、加湿呼吸ガスの流れを提供管24などの好適な導管を介し患者インターフェース12へ出力するために、水などの湿気又は気化液体を、換気装置から受け取った呼吸ガスの流れへ供給する。好適には、加湿器20は、摂氏約37度の最適温度及び約44mg/Lの絶対湿度(すなわち100%相対湿度)などの設定点又は所望温度及び絶対又は相対湿度で、又は最適温度及び絶対又は相対湿度の望ましい又は許容範囲内で、加湿呼吸ガスの流れを出力することができる。例えば、絶対湿度の許容範囲は、約33mg/L(すなわち、摂氏37度における約74.85%の対応相対湿度)以上の任意の値であり得る。
【0040】
加湿器20は加湿器ユニットと湿度室とを含むことができる。湿度室は、呼吸ガスの流れへ転送される蒸気を湿度室内に生成するために加湿器ユニットにより加熱される一定量の水などの液体を保持することができる。湿度室は必要に応じて、一定量の液体を補充するために湿度室に液体源26が接続された自動充填タイプのものであり得る。加湿器ユニットの基本的構造と動作原理の例は、本出願の譲受人Fisher & Paykel Healthcare Ltd.により販売されるMR850加湿器である。好適な湿度室は、本出願の譲受人により販売されるMR225又はMR290湿度室である。しかし、本明細書に記載されるように、本加湿器20はまた、システム10の部品のうちの1つ又は複数(換気装置14又は他の流れ発生器を好適には含む)との電子通信のために構成される。
【0041】
供給管24は、呼吸ガスの流れの温度が供給管24内で高いレベルに維持されるような、及び供給管24又は患者インターフェース12内の凝縮を回避又は制限するための、加熱供給管であり得る。供給管24は電力源又は熱源へ接続される加熱素子を含むことができる。好適には、加湿器20は加熱素子へ電力を供給するように構成される。センサ又はプローブ(
図1に示さず)は、呼吸ガスの流れの温度及び/又は流量など加湿呼吸ガスの流れのパラメータを検知するために供給管24を介し加湿器20と供給管24とに結合することができる。好適には、センサは供給管24の吸気口端から離間されており、いくつかの構成では供給管24の排気口端に配置され得る。センサは、センサデータ(例えば、温度及び/又は流量)を加湿器20へ送信するために加湿器20へ結合され得る。加湿器20は、例えば供給管24内の呼吸ガスの流れの温度及び/又は湿度を所望レベルに又は所望又は許容範囲内に維持するための加熱板又は素子の電力レベルなどの加湿器20の動作パラメータを制御するためにセンサ48からの情報を利用することができる。
【0042】
加湿器20からは、加湿呼吸ガスの流れが患者インターフェース12へ供給される。患者インターフェース12は、呼吸ガスを患者の呼吸器系へ供給することができる任意の好適なタイプのインターフェースであり得る。例えば、患者インターフェース12は患者の鼻と口の両方を覆うフェースマスク又は患者の鼻だけを覆う鼻マスクであり得る。鼻カニュラ、鼻管、又は患者の鼻孔内に挿入される他の構造を含み得る鼻インターフェース、又はカテーテルマウントなどの適切なインターフェース装置などの他の好適な患者インターフェース12もまた、気管内管、気管切開術(気管)管、又は他の侵襲性インターフェースと組み合わせて使用することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、患者インターフェース12は、呼吸ガスの流れを患者へ送出し呼気ガスを患者から受け取る密閉又はほぼ密閉されたシステムを提供する。好適には、システム10は、呼吸ガスがほぼ患者インターフェース12の吸気口から患者インターフェース12の排気口の方向にシステム10内で絶えず流れている偏った流れシステムである。したがって、患者は呼吸ガスの流れの一部を吸入することができ、残りの部分は患者インターフェース12を通過される。呼気ガス(exhaled or expiratory gases)は、呼吸ガス(breathing gas)の流れと混じり、呼吸ガスの流れの未使用部分と共に特許インターフェース12から出ることができる。患者の呼気ガスと未使用呼吸ガスのいずれか又は両方が任意特定時点で存在し得るということが理解されるが、便宜上、患者インターフェース12から出るガスは呼気ガス、又は呼吸ガスの流れと呼ばれる。
【0044】
新生児用途などのいくつかの用途では、例えば、呼気ガスは、患者インターフェース12から、システム10内の最低圧力を好適には周囲圧又は大気圧を越えたレベルに調節するように構成された任意選択的な呼気圧装置(expiratory pressure device)30へ流れる。好適には、呼気圧装置30は呼気管32などの好適な導管により患者インターフェース12へ接続される。呼気圧装置30は、特定システム10、流れ発生器14のタイプ、又は治療プロトコルに依存して任意の好適な構成なものであり得る。例えば、呼気圧装置30は、システム10からの呼気ガスの流出を調節する呼気弁又は呼気ポートであり得る。呼気弁30は、流れ発生器14から離れて配置され得る、又は流れ発生器14に配置され得る、又は流れ発生器と一体にされ得、その場合には、呼気管32は、
図1(及び本明細書の他の図面)の破線により示されるような流れ発生器14まで延長することができる。別の構成では、呼気圧装置30は、患者インターフェース12に直接接続又はそれと一体化され得る。
【0045】
好適には、呼気圧装置30はシステム10内の及び特に患者インターフェース12における最低圧力又は最低背圧(呼吸終末陽圧(PEEP:positive end expiration pressure)と呼び得る)を提供するように構成される。いくつかのシステムでは、PEEPは持続的気道陽圧(CPAP:continuous positive airway pressure)にほぼ等しいか又は等しい。したがって、このような装置30をCPAP生成器と呼び得る。いくつかの構成では、呼気圧装置30は、平均PEEP圧力に対する圧力振動を与えることができる振動弁であり得る。1つのタイプの振動圧力呼気圧装置30は、しばしば気泡管(bubbler)と呼ばれる流体抵抗弁特に液体又は水抵抗弁である。一般的に、水抵抗弁は呼気ガスを、貯水槽内に沈められた排気口へ送出するので、周囲圧又は大気圧により引き起こされるものより大きく、かつ貯水槽内の水の表面に対する排気口の深さに関係する、呼気ガスの流出に対する抵抗を生じる。いくつかの構成では、排気口の深さはPEEPが所望のレベルに調整されるように調整可能である。好適な1つの気泡管は、本出願の譲受人により販売されるBubble CPAP発生器である。好適な気泡管装置のさらなる詳細は、参照により本明細書にその全体を援用する米国特許第6,805,120号明細書に記載されている。気泡管(又は他の振動加圧装置)は約5~30Hzの周波数で患者の胸内に振動を生成できることが好ましい。
【0046】
しかし、呼気圧装置30は必要ではなく、多くの用途では省略され得る。呼気ガスは、任意の好適な構成(例えば、システム10内の圧力を調節してもしなくてもよい又は調節の際に支援してもしなくてもよい単純な呼気ポート)により任意の好適なやり方でシステム10から排出され得る。いくつかの構成では、呼気管32は、呼気圧装置30を内蔵することなく、患者インターフェース12から換気装置14へ延長することができる。呼気ポート又は弁は、任意の適切なやり方で呼気ガスの放出を調節するために、換気装置14内に内蔵され得る。例えば、呼気ポート又は弁は大きな抵抗の有無にかかわらず、呼気ガスを放出することができない閉位置と呼気ガスを放出することができる開位置とを有することができる。
【0047】
図示のシステム10は吸気回路と呼気回路とを有するように考慮され得る。図示の構成では、吸気回路は、流れ発生器14(及び呼吸ガス源18)、供給管22、加湿器20、及び供給管34のすべて又は一部を含むことができる。呼気回路は、呼気管32と任意選択的な呼気圧装置30のすべて又は一部を含むことができる。患者インターフェース12の一部は、患者による吸気の前に又は患者に利用可能となる前に吸入呼吸ガスの流れにより大部分は占有され得、一方、患者インターフェース12の別の部分は、患者により吐き出された又は患者をバイパスした呼気ガスの流れにより大部分は占有され得る。したがって、患者インターフェース12は吸気回路と呼気回路のそれぞれの一部を形成するように考慮され得る。患者インターフェース12の一部はまた、少なくともある時間の間吸気ガスと呼気ガスの混合物を含むことができ、吸気回路又は呼気回路のいずれかの一部と考えなくてもよいし、又はそれぞれの一部と考えてもよい。
【0048】
システム10のある部分は呼吸回路と呼ばれ得、参照番号40により概して示される。通常、呼吸回路40は、システム10の部品間に呼吸ガスの流れを送る導管又は管類を少なくとも含む。いくつかのケースでは、呼吸回路はまた、患者インターフェース12及び/又は加湿器20又はその一部(例えば、加湿器チャンバ)を含むことができる。図示の構成では、呼吸回路40は、供給管22、供給管24、及び呼気管32のうちの1つ又は複数を含むことができる。呼吸回路40の管22、24、32は、螺旋巻き補強材などの補強構体により強化されることができる軟質プラスチック材料から構成された蛇管又は管であり得る。呼吸回路40の管22、24、32は、本来いくぶん弾性的であり得、システム10内の圧力変化に応じて管22、24、32は屈曲又は変形(例えば、膨張と収縮)を生じ得る。管22、24、32のこの変形は、呼吸回路40の全容積をシステム圧力に応じて変化させ、呼吸回路40の「コンプライアンス」と呼ばれる。特定の呼吸回路40のコンプライアンスは、呼吸ガスの送出を精密に制御する際に流れ発生器14を支援するために役立つ情報である。これは、システム10の容積の変化を、そうでなければ患者により利用されている呼吸ガスと解釈され得るからである。
【0049】
呼吸ガスの送出を精密に制御する際に流れ発生器14を支援するために役立つ情報であるシステム10の別の特性はシステム10のリーク速度である。リーク速度は、患者インターフェース12と患者との間におけるシステム10の部品間のリークの結果としてのシステム10からの呼吸ガスの損失又は他のシステム損失の速度である。全リーク速度は、システム10の様々な部分内のリーク速度部分に分解することができる。特に、呼吸回路40内のリーク速度の判断又は推定は、呼吸ガスの送出を精密に制御する際に流れ発生器14を支援するために役立つ情報であり得る。特定の呼吸回路40のリーク速度は、呼吸回路モデルのサンプルサイズの理論計算又は実測に基づくなどにより推定できるかもしれない。特定の呼吸回路40のリーク速度はまた、製造時に測定できるかもしれない。
【0050】
呼吸回路40はまた、呼吸ガスの吸気流れと呼気流れの両方を処理する部分を含むことができる。このような部分の容積は呼吸回路40のデッドスペースを規定する。デッドスペースはまた、患者により利用される呼吸ガスの実際の容積を流れ発生器14が判断できるようにすることにより呼吸ガスの送出を精密に制御する際に流れ発生器14を支援するために役立つ情報である。コンプライアンス、リーク速度、及びデッドスペースなどの呼吸表面40に関する情報の一部又はすべては、以下に述べるようにシステム10による使用のために、好適にはいくつかのタイプの不揮発性メモリなど(EEPROM、RFID、バーコードなど)の電子的形式又は電子的可読形式で呼吸回路40に備えられ得る。
【0051】
好適には、システム10はシステム10の2つ以上の部品間の電子通信を可能にするように構成される。図示の構成では、加湿器20と流れ発生器又は換気装置14は通信接続50を介し電子通信可能である。同様に、加湿器20と呼吸回路40は通信接続52を介し電子通信可能である。通信接続50、52は、有線接続又は無線接続を含みかつ任意の好適な通信プロトコルを利用する任意の好適な構成のものであり得る。通信接続50、52はシステム部品間で直接的なものであってもよいし、間接的なものであってもよい(例えば、他のシステム部品を介し、又はWi-Fiネットワークなどのネットワーク上で)。
【0052】
このような構成により、情報は加湿器20と呼吸回路40との間又は加湿器20と換気装置14との間で送信され得る。例えば、呼吸回路40に関する情報は、加湿器20へ送信され得、加湿器20の1つ又は複数の動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認するために加湿器20により使用され得る。呼吸回路40に関する情報はまた、加湿器20により換気装置14へ提供されるかもしれない。換気装置14は、換気装置14の1つ又は複数の動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認するためにこの情報を利用することができる。加湿器20に関する情報もまた、同様な目的のため換気装置14へ伝達することができる。
【0053】
いくつかの構成では、通信接続50、52は、1つの部品が別の部品を制御できるようにするために、制御信号がシステム10の様々な部品間で送信されるようにし得る。例えば、換気装置14は、加湿器20の1つ又は複数の動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認することができる。換気装置14は、加湿器20を自動的に制御することができる、又はシステム10のユーザがユーザインターフェース16を利用することにより加湿器20の1つ又は複数の動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認できるようにすることができる。システム10の部品間で送信される情報又はデータは、例えば部品のオン/オフ電源状態、部品の現在の動作状態、現在のセンサデータ、及びパラメータ設定点を含むシステム10の動作に関連する任意のタイプの情報であり得る。
【0054】
図2に、換気装置14と加湿器20との間の情報の流れの例を示す。上述のように、換気装置14に関する情報は、通信接続50上で加湿器20へ送信され得る。ブロック60に示すように、換気装置14(又は他の流れ発生器)に関する情報又はデータは、換気装置の動作に関連する任意の情報(例えば流量、換気波形(呼吸パターン)、エラー状態、及び圧力)を含み得る。加湿器20は、この情報を利用して、より良好な湿度発生、呼吸回路結露管理、及び改善された誤り検出率を提供するために加湿器20の動作パラメータの最適化を支援することができる。ブロック62に示すように、加湿器20又は呼吸回路40に関する情報又はデータ(集合的に「加湿器データ」)は、通信接続50上で換気装置14へ送信され得る。加湿器データは、加湿器20の状態又は動作に関する任意の情報、例えば温度情報、エラー状態、又はアラーム条件、又は呼吸回路40のコンプライアンス、リーク速度、及びデッドスペースを含み得る。
【0055】
図3を参照すると、換気装置14を有する加湿器20又は他の流れ発生器を動作させるための処理フロー又は制御ルーチン70の例が示されている。ブロック72では、通信接続50を介した電子通信などの通信が加湿器20と換気装置14との間で確立される。通信は、任意の好適な通信プロトコルを使用することにより任意の好適な時間に確立され得る。通信は、換気装置14、加湿器20、又はシステム10の別の部品により開始され得る。通信は一旦確立されると維持され得る、又は換気装置14又は加湿器20がオンにされる又は電源が入れられるたびに、又は加湿器20又は他のシステム部品が送信すべき新しい情報を有すると、などの他の発生又は条件に応じて開始又は再設定され得る。いくつかの構成では、流れ発生器14と加湿器20は通信チャネルが常に利用可能となるように互いに一体化され得る。
【0056】
ブロック74では、流れ発生器又は換気装置14は加湿器20の動作パラメータを設定する(例えば、識別する、読む、選択する、調整する、確認する)。動作パラメータは、利用される特定の加湿器20上で入手可能な又は調整又は選択可能な任意のパラメータ又は一組のパラメータであり得る。動作パラメータは、加湿器の1つ又は複数の動作モードを含み得る。動作パラメータ又はモードは、換気装置14などの利用される流れ発生器のタイプに関係し得る、又は換気装置14又は他の流れ発生器の動作モードに関係し得る。
【0057】
加湿器20の動作パラメータは、換気装置14により自動的に又はユーザインターフェース16を使用して手動的に設定され得る。例えば、利用可能動作モード又はパラメータを換気装置14へ伝達することができ、換気装置14は、換気装置タイプ又は換気装置動作モードなどの換気装置情報又はデータに基づき、動作モード又は動作パラメータを設定できる。このような構成により、加湿器20は、システム10のユーザによる追加行為無しに、流れ発生器14のタイプ又は治療のタイプに適切な動作モードで自動的に配置されることになる。別の構成では、加湿器20は換気装置又は流れ発生器14に情報を問い合わせ、換気装置又は流れ発生器14情報に応じて加湿器20動作パラメータ又はモードを設定できるかもしれない。
【0058】
又は、換気装置14のユーザインターフェース16は、加湿器20の動作パラメータ又は動作モードを設定するために利用され得る。換気装置14のユーザインターフェース16は、加湿器20のユーザインターフェースを置換する、又は別のインターフェースを提供することができる。換気装置14のユーザインターフェース16は、加湿器20の利用可能な動作パラメータ又は動作モードを表示するメニューであってユーザインターフェース16を介しユーザにより設定できるメニューを含むことができる。いくつかの構成では、ユーザに加湿器20の動作パラメータ又は動作モードを設定するように指示するためにプロンプトをユーザインターフェース16上に表示することができる。例えば、加湿器20は、あるタイプの流れ発生器又は流れ発生器のある動作モードに不適切な又は望ましくないデフォルトモードを有し得る。したがって、プロンプトは、ユーザが加湿器20を適切な動作モードに設定する尤度を増加することができる。いくつかのケースでは、換気装置14又は他の流れ発生器は加湿器20の動作パラメータ又は動作モードがユーザにより設定されるまで無効状態のままであり得る。このような構成は、加湿器20が、換気装置14又は他の流れ発生器の現在の動作モードに理想的ではないかもしれないデフォルトモード又は以前のモードで動作する状況を回避する。
【0059】
図4を参照すると、システムデータを換気装置14又は他の流れ発生器へ提供するための流れ処理又は制御ルーチン80。ブロック82では、加湿器20は任意の好適な構成を介し呼吸回路40を特定する。例えば、加湿器20は、呼吸回路40が加湿器20の近傍内に収められる又は加湿器20へ接続される場合、呼吸回路40を自動的に特定することができる。したがって、加湿器20と呼吸回路40は、識別データを呼吸回路40から加湿器20へ転送するデータ転送構成を有することができる。データ転送構成は、RFIDタグ及び受信器、電子的ピン及び受信器、自動バーコード読み取り装置、又は任意の他の好適なデータ転送構成を含むことができる。呼吸回路40の識別はまた、呼吸回路の特性を特定する加湿器20に基づき達成されるかもしれない。呼吸回路40の識別は、例えば呼吸回路識別情報の手動バーコード読み取り装置により又は加湿器20のユーザインターフェース内への呼吸回路識別情報の入力によりなど手動で達成されるかもしれない。
【0060】
ブロック84では、加湿器20は、呼吸回路40に関する情報又はデータ及び/又は加湿器20に関する情報又はデータを換気装置14へ送信する。呼吸回路データは、呼吸ガスの流れの送出を精密に制御する際に換気装置14を支援し得る呼吸回路40のコンプライアンス情報、リーク速度情報、デッドスペース情報、又は性質、特性、又は動作に関する他の関連情報を含み得る。加湿器データは、呼吸ガスの流れの送出を精密に制御する際に換気装置14を支援し得る加湿器20の温度情報、湿度情報、室容積情報、又は性質又は特性に関する他の関連情報を含み得る。
【0061】
ブロック86では、換気装置14又は他の流れ発生器は、呼吸回路データ及び/又は加湿器データに基づき動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認することができる。例えば、換気装置14は、実際の患者の一回呼吸量をより正確に判断するために呼吸回路データを利用することができる。
【0062】
図5は、加湿器20が動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認するためにデータを利用できるように、換気装置14又は他の流れ発生器に関する情報を加湿器20へ送信するための流れ処理又は制御ルーチン90の例を示す。ブロック92では、通信が換気装置14と加湿器20との間で確立される。
図1と
図3に関連して上に論述したように、通信は、任意の好適な通信プロセス又はプロトコルを使用して、通信接続50などの任意の好適な接続を介し確立され得る。通信が換気装置14と加湿器20との間で確立されると、ブロック94では、換気装置14は換気装置14に関する情報又はデータを加湿器20へ送信する。換気装置データは、加湿器20から送出される呼吸ガスの流れの温度及び/又は湿度を精密に制御する際に加湿器20を支援するための流量情報、波形(呼吸パターン)情報、エラー状態情報、圧力情報、又は任意の他の関連情報を含み得る。
【0063】
ブロック96では、加湿器20は、換気装置データを利用して、加湿器20の動作を改善するために加湿器20の動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認することができる。例えば、換気装置データを利用することにより、加湿器20はより良好な湿度発生、呼吸回路凝結管理を実現し、誤り検出率を改善することができる。有利には、このような構成は、加湿器が換気装置データを受信しない構成に比べて加湿器20の性能の改善をもたらすことができる。大抵の既存構成では、加湿器は、加湿器機能に関連する呼吸ガスの流れに関する情報を判断するために自身のセンサに依存する。呼吸ガスパラメータの測定の不正確性としたがって加湿器の制御の不正確性は、例えばセンサの応答時間又はセンサの物理的位置の結果としての遅延のために導入され得る。本システム及び方法のいくつかの実施形態は、換気装置14がまた、呼吸ガスの流れの精密な制御を達成するために呼吸ガスに関するパラメータを測定するためのセンサを含むということと、この情報が加湿器20と共有されれば加湿器20の性能の改善をもたらし得るということとの実現に関わる。
【0064】
例えば、換気装置14は測定又は制御されたパラメータを加湿器20へ出力することができ、加湿器20はその動作を制御することができる、又は加湿器20の動作又は精度を改善するためにフィードバック制御として換気装置データと組み合わせて加湿器20センサにより提供される情報を利用することができる。例えば、加湿器20は、例えば比例微分積分(PID:proportional,integral and derivative)係数、患者終了温度設定点、ヒータープレート設定点などの制御パラメータのうちの1つ又は複数を適合化することができる、又はそうでなければ、湿度発生及び送出に関するより良好な応答とアラームを提供するために換気装置データを使用することによりその発熱部品(例えば、ヒータープレート及びヒーター線)又は他の部品を動作させることができる。特定の一用途では、呼吸ガスの流れが遮断又は停止されれば、換気装置14は加湿器20に直ちに通知することができ、加湿器20はすべての発熱部品を遮断することにより、したがって流れが再開すると過熱ガスを供給する機会を低減することにより応答することができる。換気装置14と加湿器20との間の通信により、発熱部品の遮断は、加湿器20がガス流の遮断又は停止を判断するためにそれ自身のセンサに依存する場合より、より迅速に発生し得る。
【0065】
図6は、上記システム10と好適には同様な呼吸器加湿システム100を示す。したがって、システム10と同じ又は同様な部品を示すために同じ参照番号が使用される。システム100は、ユーザインターフェース16を有する換気装置14などの流れ発生器を含む。換気装置14は、呼吸ガスの流れを供給管22を介し加湿器20へ供給する。図示しないが、呼吸ガス源は呼吸ガスを換気装置14へ供給することができる。加湿器20は加湿呼吸ガスの流れを提供管24を介し患者インターフェース12へ供給する。図示しないが、加湿器20は補充目的のために水又は他の流体源に接続され得る。患者インターフェース12は呼気ガスを呼気管32へ送出する。任意選択的呼気圧装置30は呼気管32により患者インターフェース12へ接続され得る。上に述べたように、指定すれば、呼気圧装置30は換気装置14から離れて配置され得る、又は換気装置14に配置され得る、又は換気装置14と一体化され得、この場合、呼気管32は
図6の破線により示されるように換気装置14まで延長することができる。呼吸回路40は、呼気管32と共に供給管22、24を含むことができる。好適には、換気装置14と加湿器20は通信のために通信接続50により互いに電子的に接続される。同様に、加湿器20と呼吸回路40は好適には、通信のために通信接続52により互いに電子的に接続される。
【0066】
図示のシステム100は、通信のために、好適な通信接続104(有線又は無線であり得る)により中央監視システム102などの外部記憶装置又は監視装置へ接続される。中央監視システム102は通常、システム100から離れて配置され、遠隔地からの監視を可能にするためにシステム100から情報を収集し表示することができる。通常、中央監視システム102は、システム100と同様なもの又は異なるものを含む複数の個々の患者システムからデータを収集し表示する。したがって、中央監視システム102は複数の患者システムの遠隔監視を可能にする。中央監視システム102として示されたが、システム100はまた、電子式患者データ記録システムなどの他のタイプの外部、遠隔、又は中央システムとの通信のために構成することができる。電子式患者記録管理はますます一般的になっており、患者診断のために、故障発見のために、及び紙記録を補足又は置換するために使用される。したがって、システム100はデータを電子式患者データ記録システムへ発行するように構成され得る。本明細書で使用されるように、中央監視システム102への参照は、特記しない限り、電子式患者データ記録システムなどの他の外部、遠隔、又は中央システムを含む。
【0067】
好適には、システム100と中央監視システム102との間の通信接続104はシステム100端上の換気装置14から発する。したがって、好適には、システム100からのデータは換気装置14(又は他の流れ発生器)を介し中央監視システム102へ伝達される。換気装置を含む呼吸器加湿システムでは、加湿器はしばしば支援装置と見なされる。したがって、換気装置は、加湿器よりむしろ中央監視システムへ接続される可能性が高い。加湿器が中央監視システムと通信可能だとしても、換気装置に加えて、加湿器に利用可能な接続ポートが存在しないかもしれない。接続ポートが利用可能であってとしても、有線システムでは、換気装置と加湿器の個別接続はシステムから接続ポートへ延長する2本のケーブルをもたらすので、不便となり得る。
【0068】
有利には、図示のシステム100では、換気装置14は、加湿器20又は呼吸回路40などの他のシステム部品から情報を収集し、同情報を換気装置データと共に中央監視システム102へ送信することができる。したがって、加湿器データ又は他のシステムデータは、加湿器20を中央監視システム102と直接通信可能にする必要無く、中央監視システム102へ提供される情報に含まれ得る。したがって、本監視データ又は記録管理データは、換気装置データだけが送信されるシステムよりもより完全である。換気装置14を介し中央監視システム102へ転送される加湿器データ又は他のシステムデータは、任意の通常動作パラメータ、アラーム条件、使用期間などを含み得る。
【0069】
いくつかの構成では、システム100は、例えば任意選択的な有線又は無線通信接続106を介した加湿器20と中央監視システム102との間の直通通信を提供することができる。このような構成では、加湿器20と中央監視システム102との間でシステムデータを伝達することができる。システムデータは加湿器20に関する情報を含み得る、又はいくつかの構成では、加湿器20は、加湿器20と中央監視システム102との間で伝達されるシステムデータが加湿器20に加えて又はそれ以外のシステム部品からの情報を含むように、他のシステム部品から情報を取得することができる。例えば、他のシステム部品(例えば、呼吸装置14又は呼吸回路40)は情報を加湿器20へ提供することができる。加湿器20は通信接続106を介し中央監視システム102へシステムデータを送信することができる。
【0070】
図7は、換気装置14を介し加湿器データ又は他のシステムデータを中央監視システム102へ提供するために
図6のシステム100により利用することができる処理フロー又は制御ルーチン110の例を示す。ブロック112では、通信が上述のように換気装置14と加湿器20との間で確立される。ブロック114では、加湿器20は、加湿器データ、呼吸回路データ又は他のシステムデータ(集合的に「加湿器データ」)などのデータを換気装置14へ送信する。ブロック116では、換気装置14は通信接続104を介しデータを中央監視システム102へ送信する。換気装置14は加湿器データを換気装置データとは別個に中央監視システム102へ送信することができる、又は、換気装置14は換気装置データと加湿器データを集約し、集約したデータを単一データセットとして送ることができる。換気装置14は任意の好適な通信プロトコルを介しデータを中央監視システム102へ送信することができる。
【0071】
図8に、好適には上記システム10及び100と同様である別のシステム150を示す。したがって、同じ又は同様な部品を参照するために同じ参照番号が使用される。システム150はユーザインターフェース16を有する換気装置14などの流れ発生器を含む。換気装置14は供給管22を介し呼吸ガスの流れを加湿器20へ供給する。図示しないが、呼吸ガス源は呼吸ガスを換気装置14へ供給することができる。加湿器20は供給管24を介し加湿呼吸ガスの流れを患者インターフェース12へ提供する。図示しないが、加湿器20は補充目的のために水又は他の流体源へ接続され得る。患者インターフェース12は呼気ガスを呼気管32へ送出する。任意選択的呼気圧装置30は呼気管32により患者インターフェース12へ接続され得る。上に述べたように、指定すれば、呼気圧装置30は換気装置14から離れて配置され得る、又は換気装置14に配置され得る、又は換気装置14と一体化され得、この場合、呼気管32は
図8の破線により示されたように換気装置14まで延長することができる。呼吸回路40は、呼気管32と共に供給管22、24を含むことができる。好適には、換気装置14と加湿器20は通信のために通信接続50により互いに電子的に接続される。同様に、加湿器20と呼吸回路40は好適には、通信のために通信接続52により互いに電子的に接続される。
【0072】
図示のシステム150は患者近傍の又は周辺の領域の周囲温度を調節するように構成された温度調節装置152などの周辺部品又は装置を内蔵する。温度調節装置により制御される環境は患者を完全に又は部分的に取り囲むことができる。図示の構成では、温度調節装置は、インキュベータ152内の空間の温度を調節することができる保育器などのインキュベータ152である。インキュベータ152は通常、インキュベータ152を囲む領域の周囲温度に比べ上昇された温度の環境を提供する。しかし、上昇又は低下された局所温度環境を提供する他のタイプの温度調節装置も使用することができる。したがって、温度調節装置はまた冷却装置であり得る。用語「インキュベータ」は、システム150の特定の一例を説明する際の都合上本明細書で使用される。しかし、本開示がインキュベータに特有であるということが特に明記されない限り又は文脈から明らかでない限り、本用語はまた、他のタイプの温度調節装置に適用するように意図される。好適には、システム150は、インキュベータ152と加湿器20との間の電子通信を可能にするために任意の好適な通信プロトコルを使用する任意の好適な接続であり得るインキュベータ152と加湿器20との間の通信接続154を含む。接続154は有線でも無線でもよい。
【0073】
図示の構成では、加湿器20はインキュベータ152の外部にあり、患者インターフェース12はインキュベータ152内にある。供給管24は、インキュベータ152の外部にある加湿器20からインキュベータ152内の患者インターフェース12まで延びる。供給管24は単独管であり得る、又はインキュベータ152の外部の管部分とインキュベータ152内の管部分とを有することができる。図示の供給管24は、好適な接続160により加湿器20へ接続される少なくとも1つのセンサ(概して、156)を含む。センサ156は、供給管24内の加湿呼吸ガスの1つ又は複数のパラメータ(例えば、温度及び/又は流量)を検知し、当該情報を加湿器20へ伝達する。加湿器20は、呼吸ガスの温度又は湿度を制御するためにセンサ156からの情報を利用する。センサ156は、インキュベータ152の外側(センサ156a)又はインキュベータの内側(センサ156b)に配置され得る。いくつかの構成では、センサ156a及び156bの両方を設けることができる。
【0074】
図示の構成はまた、熱エネルギーを供給管24内の呼吸ガスの流れへ送ることができる加熱素子162を含む。加熱素子162は、供給管24を囲むものとして
図8では概略図的に示されるが、供給管24の壁内に含まれ得る、又はそうでなければ供給管24と一体化され得る。加熱素子162は加湿器20により電力が供給される。加湿器20は、例えば供給管24内の呼吸ガスの流れの温度を制御するために加熱素子162を動作させて熱損失を補償することができる。
【0075】
有利には、図示のシステム150は、インキュベータ152の動作条件に関する情報をインキュベータ152が加湿器20へ伝達できるようにする。加湿器20は患者インターフェース12へ送出される呼吸ガスのパラメータをより良好に制御するためにインキュベータ情報を利用することができる。例えば、センサ156により提供される情報はセンサ位置に依存するため、加湿器20はしばしば、供給管24全体に沿った環境条件に関する不完全な情報を有する。インキュベータを含むシステムでは、センサの位置は(インキュベータ環境の内側にあるか外側にあるかにかかわらず)、加湿器と患者インターフェースとの間の供給管全体に沿った環境の不完全な描写を提供する。インキュベータの外部のセンサとインキュベータ内のセンサなどの多センサを採用することができるが、この解決策はシステムのコストと複雑さを生憎増加する。センサをインキュベータの外部に配置した場合、温度制御はインキュベータの外部の環境条件に基づくが、インキュベータ内の温度が呼吸ガスの流れの目標温度の上か下かに依存して、呼吸ガスの流れの過熱と、所望又は目標のレベル又は凝結からの湿度の低下とをもたらし得る。センサをインキュベータ内部に配置した場合、温度制御は、通常インキュベータの外部の条件より暖かいインキュベータの内部の環境条件に基づく。その結果、加湿器は十分な熱を呼吸ガスに供給しないかもしれなく、凝結を生じ得る。
【0076】
図示の構成により、センサ156はインキュベータ152の外に配置され得、インキュベータ152は、供給管24の関連部分(例えば、インキュベータ152の外側とインキュベータ152の内側)に沿った条件のより完全な描写を提供するためにインキュベータデータを加湿器20へ提供することができる。インキュベータデータは、加湿呼吸ガスの送出の精密な制御を行う際に加湿器20を支援する任意の関連情報(現在温度と温度設定点など)を含み得る。1つの構成では、センサ156aはインキュベータ152の外側(インキュベータ152の直ぐ前の供給管24の部分の端など)に設けられる。現在温度及び/又は温度設定点を使用することにより、加湿器20は、インキュベータ152の外側から内側への呼吸ガスの流れにより経験される条件の変化を補償するために、インキュベータ152の外側の条件(センサ156aを介し)とインキュベータ152の内部の条件(インキュベータデータを介し)とを考慮して、送出された呼吸ガスの温度と湿度を制御することができる。したがって、インキュベータ延長管は加熱されないということと、インキュベータ温度は呼吸ガスの温度より低いということを仮定すると、呼吸管24温度設定点の端(センサ156aにおける、又はインキュベータ152の丁度前の管部の端における)は、インキュベータ152内の供給管24の部分(すなわちインキュベータ延長管)の温度低下を補償するために動的に調節され得る。呼吸管24設定点の端は、恐らくいくつかある要素の中でもインキュベータ温度とガス流量とに依存し得る。
【0077】
1つの構成では、インキュベータ152内の供給管24の部分すなわちインキュベータ延長管内の呼吸ガスの流れに熱エネルギーを印加するために第2の加熱素子164を設けることができる。好適には、第2の加熱素子164は、第1の加熱素子162とは別個に加湿器20により制御可能である。したがって、加湿器20は、インキュベータ152の外側の供給管24の部分内のガスに比べて異なる量(異なる印加熱エネルギー)だけ、インキュベータ延長管内のガスを加熱することができる。有利には、このような構成は、加熱素子162のフィードバック制御と加熱素子164のフィードフォワード制御を行うためにセンサ156aからのデータを利用することができる。加熱素子164のフィードフォワード制御はインキュベータ152現在温度又は温度設定点に基づき得る。したがって、余分のセンサ156bは必要でないが、必要に応じ設けることができる。例えば、センサ156bは、センサ156aに対する安全バックアップとして働く、又はインキュベータ152からの温度情報を検証する、又はインキュベータ152のセンサに対する安全バックアップとして働くことが望ましい。このような構成は、費用効率が高いやり方で、インキュベータ152の外側の供給管24の部分とインキュベータ内の供給管24の延長管部分との両方内の呼吸ガスの流れの温度及び/又は湿度の精密な制御を可能にする。インキュベータ152を自動又は手動のいずれかで動作させるために加湿器20を使用することができるかもしれない。例えば、システム150のユーザが通信接続154上でインキュベータ152を動作させることができるようにするために、加湿器20のユーザインターフェースを利用することができるかもしれない。他の構成では、加湿器20は、インキュベータ152を動作させる(例えば、動作パラメータ又は動作モードを設定する)ために制御信号を自動的に送ることができるかもしれない。
【0078】
図9は、通信接続154上のインキュベータ152から加湿器20へのインキュベータデータ166の流れの例を示す。ブロック166に示すように、インキュベータデータは、流れ呼吸ガスの温度と湿度とを精密に制御する際に加湿器20を支援し得るインキュベータ152の動作パラメータ又は動作条件に関する任意の関連情報(インキュベータ現在温度とインキュベータ温度設定点を含む)を含み得る。インキュベータデータ166はまた、換気装置14と中央監視システム(図示せず)又は他の遠隔又は外部メモリ又は監視装置(例えば
図6の中央監視システム102)へ送信され得る。
【0079】
図10は、インキュベータ152から加湿器20へ送信されるインキュベータデータ166に基づき加湿器20を動作させるための処理フロー又は制御ルーチン170の例を示す。ブロック172では、通信は、他の開示された通信接続に関して上で述べたものを含む任意の好適な方法又はプロトコルにより加湿器20とインキュベータ152との間で確立される。ブロック174では、インキュベータはインキュベータデータ166を加湿器20へ送信する。ブロック176では、加湿器20はデータ166を使用して動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認する。加湿器20は、動作パラメータ(例えば、加湿器20内の温度と加熱素子162又は164の電力レベル)を設定するために他の情報(例えば、ガス流量)と共に加湿器データを使用することができる。ブロック174と176の作業は、制御ループを確立するために所望の頻度で繰り返され得る。
【0080】
図11は、好適には上記システム10、100及び150と同様である別のシステム180を示す。したがって、同じ又は同様な部品を参照するために同じ参照番号が使用される。システム180は、ユーザインターフェース16を有する換気装置14などの流れ発生器を含む。換気装置14は、供給管22を介し呼吸ガスの流れを加湿器20へ供給する。図示しないが、呼吸ガス源は呼吸ガスを換気装置14へ供給することができる。加湿器20は、供給管24を介し加湿呼吸ガスの流れを患者インターフェース12へ供給する。図示しないが、加湿器20は補充目的のために水又は他の流体源へ接続され得る。患者インターフェース12は呼気ガスを呼気管32へ送出する。任意選択的呼気圧装置30は呼気管32により患者インターフェース12へ接続され得る。上に述べたように、指定すれば、呼気圧装置30は換気装置14から離れて配置され得る、又は換気装置14に配置され得る、又は換気装置14と一体化され得、この場合、呼気管32は換気装置14まで延長することができる(
図11に示さず)。呼吸回路40は、呼気管32と共に供給管22、24を含むことができる。好適には、換気装置14と加湿器20は通信のために通信接続50により互いに電子的に接続される。同様に、加湿器20と呼吸回路40は好適には、通信のために通信接続52により互いに電子的に接続される。
【0081】
システム180はまた、加湿器20との電子通信のために構成される1つ又は複数の追加システム部品(周辺部品又は装置と呼び得る)を含む。図示のシステム180では、物質を蒸発ミストの形態で呼吸回路40まで送出するために、ネブライザ182などの薬物送出装置がシステム180に内蔵される。ネブライザ182は呼吸回路40の供給管24と直接通信し得る。ネブライザ182は、任意の好適な通信プロトコルを使用することにより、有線でも無線でもよい好適な通信接続184を介し加湿器20と通信する。図示の加湿器20は、好適にはディスプレイを含むユーザインターフェース186を含む。システム180は、ネブライザ182がネブライザの動作に関する情報(ネブライザデータ)を加湿器20へ送信できるようにするように構成される。加湿器20はネブライザデータを受信し、同データをユーザインターフェース186上に表示することができる。このような構成により、ネブライザ182はユーザディスプレイを省略できるようになり、ネブライザ182のコストを低減するとともにシステム180内の特徴の重複を回避することができる。いくつかの構成では、システム180は、加湿器20が制御信号などの情報をネブライザ182へ送ることができるようにするように構成される。したがって、ネブライザ182はまた、ユーザインターフェースを省略して、ネブライザ182のコストをさらに低減することができる。ユーザインターフェース機能は、加湿器20のユーザインターフェース186により達成され得る。従来のシステム10、100、150の動作と同様に、システム180の加湿器20は、加湿器20と全体システム180の動作を改善するためにネブライザデータを利用することができる。例えば、ネブライザデータはネブライザの過熱などのアラーム条件を含み得、アラーム条件又はアラーム機能が特定のネブライザにより提供されれば加湿器20(又は他のシステム部品)はこれらの情報を利用することができる。このような情報に応じて、加湿器20は、ネブライザ182の熱を低減するのを支援するために迅速に反応してすべての加熱素子を遮断することができる。
【0082】
システム180はまた、例えばパルス酸素濃度計などの測定装置であり得る別の周辺装置又は部品190を含むことができる。パルス酸素濃度計190は、任意の好適な通信プロトコルを使用することにより、有線でも無線でもよい好適な通信接続192を介し加湿器20と通信することができる。ネブライザ182と同様に、パルス酸素濃度計190は、パルス酸素濃度計190情報又はデータの表示を可能にし必要に応じパルス酸素濃度計190がそれ自身のユーザインターフェースを有する必要無くパルス酸素濃度計190のパラメータの設定を可能にすることができる加湿器20のユーザインターフェース186を利用することができる。パルス酸素濃度計190データはいくつかある関連データの中でも酸素飽和度(SpO2)を含み得る。このような構成は、機能を維持又は改善する一方でパルス酸素濃度計190のコストを低減することができる。加湿器20はまた、ネブライザ182、パルス酸素濃度計190などの任意の周辺装置に関するデータを換気装置14へ送信することができる。換気装置14は同データを利用して、換気装置14の動作パラメータを制御する、又は同データを別の部品又は例えば中央監視システム又は患者記録のシステムなどのシステムへ発行することができる。別の構成では、周辺装置182、190(又は任意の他の周辺装置)は、換気装置14との、又は加湿器20の代わりに又はそれに加えてユーザインターフェースを含む他のシステム部品との通信のために構成されるかもしれない。
【0083】
図12は、システム180と同様であるが換気装置14を省略した別のシステム200を示す。システム200では、加湿器20は加湿大気又は加湿室内空気を患者インターフェース12へ単に供給し得る。加湿器20は、空気又は他のガスの流れを生成するために内部流れ源を有するかもしれない。又は、呼吸ガスの流れは、例えば非電子式呼吸ガス源(機械的流量調節器又はガス混合器、ガスボンベ、又はガス壁源などの)により提供され得る。他の点では、システム200は好適にはシステム180と同様であり、任意の好適な通信プロトコルを使用することにより好適な通信接続204を介し加湿器20と周辺装置202の通信を可能にする。
【0084】
図13は、データを表示するための、又は周辺装置182、190、202の制御を可能にするための、又は加湿器20が
図11のシステム180又は
図12のシステム200内のデータに基づき動作できるようにするための、処理フロー又は制御ルーチン210の例を示す。ブロック212では、通信は、上に説明したものなど任意の好適な方法又はプロトコルを使用することにより加湿器20と周辺装置182、190、202との間で確立される。ブロック214では、周辺装置182、190、202は、周辺装置182、190、202の動作に関する任意の関連情報を含み得るデータを加湿器20へ送信する。ブロック216では、適切ならば、加湿器20は周辺装置データの一部又はすべてを加湿器20のユーザインターフェース186上に表示する。ブロック218では、適切ならば、加湿器20は周辺装置データに基づき動作パラメータ又は動作モードを設定又は確認することができる。例えば、周辺装置がネブライザ182である場合、ネブライザデータはアラーム条件(例えば、ネブライザの過熱)を含むことができ、それに応じて、加湿器20は適切な行動を取る(例えば、加熱素子を遮断する)ことができる。それに加えて、周辺装置182、190、202のパラメータを設定するために加湿器20のユーザインターフェース186を利用することができる。
【0085】
本明細書に開示されたシステムのいくつかでは、流れ発生器は単なる例のための換気装置として説明された。しかし、本システムは、呼吸ガスの流れを送出することができる任意のタイプの換気装置又は任意の他のタイプの流れ発生器を含むことができる。例えば、流れ発生器は、持続的気道陽圧(CPAP)機械、可変又は2レベル気道陽圧(VPAP:variable positive airway pressure又はBPAP:bi-level positive airway pressure)機械、幼児呼吸装置、又はこのようなモードのうちの1つ又は複数で動作することができる機械であり得る。流れ発生器はまた、例えば電子式ガス混合器、ボンベガス、又は壁ガス源からのガスであるかもしれない。したがって、本明細書における用語「換気装置」の使用は一例としてであり、限定するものではない。
【0086】
本発明はいくつかの好ましい実施形態と実施例との文脈で開示されたが、本発明が具体的に開示された実施形態を越えて他の別の実施形態及び/又は本発明の利用、本発明の明白な修正と等価物に拡大することは当業者により理解されるだろう。特に、本システムは特に好ましい実施形態の文脈で説明されたが、当業者は、本開示に照らして、本システムのいくつかの利点、特徴、及び態様(その多くは上に述べられた)が多種多様な他の用途において実現され得るということが分かるだろう。加えて、説明された本発明の様々な態様と特徴は別々に実施され、組み合わせられ、又は別のものと置換され得ることと、これら特徴と態様の多種多様な結合と副結合がなされ、依然として本発明の範囲に入り得るということとが考えられる。したがって、本明細書で開示された本発明の範囲は、上記特定の開示実施形態により限定されるべきではなく、特許請求の範囲を公正に読むことだけにより判断されるべきであるように意図されている。
【0087】
本明細書と特許請求の範囲を通して、「含む」、「含んだ」などの用語は包括的意味で(すなわち、文脈が明確に要求しない限り「含むが限定しない」という意味で)考えるべきである。
【0088】
本発明は考えられる実施形態を参照して一例として説明されたが、修正又は改良は本発明の精神及び範囲を逸脱すること無く及びその付随する利点を損なうこと無くなされ得るということを理解すべきである。さらに、公知の等価物を有する、本発明の特定の部品又は整数に言及された場合、このような等価物は個々に説明されているかのように本明細書に取り込まれる。
【0089】
本明細書を通して背景技術のいかなる論述も決して、このような技術が周知である又は当該技術分野における共通一般的知識の一部を形成するということを認めると考えるべきではない。