(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】グループIII及びランタニドビス-フェニル-フェノキシ金属-配位子錯体
(51)【国際特許分類】
C08F 4/54 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
C08F4/54
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023061074
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2022544639の分割
【原出願日】2021-01-29
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、レット エー.
(72)【発明者】
【氏名】フォンテーヌ、フィリップ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】クロシン、イエジ
(72)【発明者】
【氏名】セネカル、トッド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デローブ、ジョナサン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ワクジャ、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】アウヨン、イヴリン
(72)【発明者】
【氏名】グリッグ、ロバート デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】パル、スディプタ
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、ブラッド シー.
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0144018(US,A1)
【文献】国際公開第2018/022975(WO,A1)
【文献】特表2017-520548(JP,A)
【文献】特開2006-306929(JP,A)
【文献】XU,T. et al,Metal-size influence in isoselective 2-vinylpyridine polymerization,Polyhedron,Vol.165,2019年,pp.68-72
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/00-4/58
C08F 4/60-4/70
C07F 1/00-5/06
C07F 7/00-7/30
C07F 9/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)によるオレフィンプロパゲーティング触媒種であって、
【化3】
式中、
Mが、
+3の酸化状態を有する、スカンジウム、イットリウム、又はランタニド金属であり、
X
Pが、
伝播オレフィン鎖であり
、
各Zが、独立して、-O-、-S-、-N(R
N)-、又は-P(R
P)-から選択され、点線が、任意選択的に配位結合を定義し、
R
1
及びR
16
が、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルから選択され、
【化4】
式中、R
31-35
、R
41-48
、及びR
51-59
の各々が、独立して、-H、(C
1
-C
40
)ヒドロカルビル、(C
1
-C
40
)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C
)
3
、-Ge(R
C
)
3
、-P(R
P
)
2
、-N(R
N
)
2
、-OR
C
、-SR
C
、-NO
2
、-CN、-CF
3
、R
C
S(O)-、R
C
S(O)
2
-、(R
C
)
2
C=N-、R
C
C(O)O-、R
C
OC(O)-、R
C
C(O)N(R
N
)-、(R
C
)
2
NC(O)-、又はハロゲンから選択されるが、R
1
及びR
16
が式(II)である場合、R
31
~R
35
のうちの少なくとも1つが、-Hではないことを条件とし、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、及びR
15が、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、(R
C)
2P=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、
R
C
C(O)N(R
N
)-、(R
C)
2NC(O)-、及びハロゲンから
選択され、
Lが、(C
1-C
40)ヒドロカルビレン又は(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
式(I)中の各R
C、R
P、及びR
Nが、独立して、(C
1-C
30)ヒドロカルビル、(C
1-C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、オレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項2】
Mが、イットリウム又はランタニド金属であり、R
5-8のうちの少なくとも1つが、-Hではなく、R
9-12のうちの少なくとも1つが、-Hではない、請求項1に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項3】
R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、-Hではない、請求項1又は請求項2に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項4】
R
6及びR
11が、tert-ブチルである、
請求項1~3のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項5】
R
1及びR
16が、式(III)を有するラジカルから選択され、任意選択的に、R
42とR
43とが連結されて環状構造を形成し、任意選択的に、R
46とR
47とが連結されて環状構造を形成する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項6】
R
1
及びR
16
が、式(III)を有するラジカルであり、
R
42及びR
47が、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、若しくは-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3であるか、又は
R
43及びR
46が、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、若しくは-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、
請求項1~5のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項7】
R
1
及びR
16
が、式(IV)を有するラジカルであり、R
52、R
53、R
55、R
57、及びR
58のうちの少なくとも2つが、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、又は-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、
請求項1~5のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項8】
Lが、-CH
2-、-CH
2(CH
2)
mCH
2-(mが、0~3である)、-CH
2Si(R
C)
2CH
2-、-CH
2Ge(R
C)
2CH
2-、
-CH(CH
3
)CH
2
C
*
H(CH
3
)、及び-CH
2(フェン-1,2-ジ-イル)CH
2-から選択され、L中の各R
Cが、(C
1-C
20)ヒドロカルビルであり、「C
*」は、水素原子が除去されて二級又は三級アルキルラジカルを形成する、炭素原子である、
請求項1~7のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【請求項9】
Mが、スカンジウムである、
請求項1~8のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年1月31日に出願された米国特許仮出願第62/968,67
8号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示の実施形態は、概して、オレフィン重合触媒系及びプロセスに関し、より具体
的には、グループIII又はランタニド金属中心を有するビス-フェニルフェノキシ金属
-配位子錯体に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレン、エチレン系ポリマー、ポリプロピレン、及びプロピレン系ポリマーな
どのオレフィン系ポリマーは、様々な触媒系によって生成される。オレフィン系ポリマー
の重合プロセスにおいて使用されるかかる触媒系の選択は、かかるオレフィン系ポリマー
の特徴及び特性に寄与する重要な要因である。
【0004】
エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーは、多種多様な物品のために製造され
る。様々な樹脂を異なる用途での使用に好適なものとする、異なる物理的特性を有する多
種多様な得られるポリエチレン樹脂を生成するために、ポリエチレン及びポリプロピレン
重合プロセスを、いくつかの点で変えることができる。エチレンモノマー、及び任意選択
的に1つ以上のコモノマーが、アルカン又はイソアルカンなどの液体希釈剤又は溶媒中に
存在し、その中でヘキサン及びイソブタンが特定の例である。水素を反応器に添加しても
よい。エチレン系を生成するための触媒系は、典型的には、クロム系触媒系、チーグラー
-ナッタ触媒系、及び/又は分子(メタロセン若しくは非メタロセン(分子)のいずれか
)触媒系を含み得る。触媒系及び希釈剤中の反応物は、反応器内で高い重合温度で循環し
、それによってエチレン系ホモポリマー又はコポリマーを生成する。定期的又は継続的に
、希釈剤に溶解したポリエチレン生成物を含む、反応混合物の一部は、未反応のエチレン
及び1つ以上の任意選択的なコモノマーと共に、反応器から取り出される。反応混合物は
、反応器から取り出された後に、希釈剤及び未反応反応物からポリエチレン生成物を取り
除くために処理されてもよく、希釈剤及び未反応反応物は、典型的には反応器中に再循環
する。代替的に、反応混合物を、第1の反応器に直列接続された第2の反応器に送っても
よく、ここで第2のポリエチレン画分が生成され得る。ポリエチレン重合などのオレフィ
ン重合に好適な触媒系を開発するための研究努力にもかかわらず、高い分子量及び狭い分
子量分布、並びにエチレンに対する高い選択性を有するポリマーを生成することができる
触媒系の効率を高める必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
エチレン及びα-オレフィンの共重合反応中にエチレンに対して高い選択性を有する
触媒系又は金属-配位子錯体を作成する必要性が継続的にある。更に、金属-配位子錯体
は、高い触媒効率、増加した効率、及び高温(140℃より高い、又はおよそ190℃な
ど)で高い分子量又は低い分子量のポリマーを生成する汎用的な能力を備えているべきで
ある。
【0006】
本開示の実施形態は、式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系を含む。
【0007】
【0008】
式(I)において、Mは、スカンジウム、イットリウム、ランタニド金属、又は+3
の酸化状態を有するアクチニド金属である。(T)nの下付き文字nは、0、1、又は2
であり、Xは、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビ
ル、-CH2Si(RC)3-Q(ORC)Q、-Si(RC)3-Q(ORC)Q、-
OSi(RC)3-Q(ORC)Q、-CH2Ge(RC)3-Q(ORC)Q、-Ge
(RC)3-Q(ORC)Q、-P(RC)2-W(ORC)W、-P(O)(RC)2
-W(ORC)W、-N(RC)2、-NH(RC)、-N(Si(RC)3)2、-N
RCSi(RC)3、-NHSi(RC)3、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、
-CF3、-OCF3、-S(O)RC、-S(O)2RC、-OS(O)2RC、-N
=C(RC)2、-N=CH(RC)、-N=CH2、-N=P(RC)3、-OC(O
)RC、-C(O)ORC、-N(RC)C(O)RC、-N(RC)C(O)H、-N
HC(O)RC、-C(O)N(RC)2、-C(O)NHRC、-C(O)NH2、ハ
ロゲン、又は水素から選択される配位子であり、各RCは、独立して、置換若しくは非置
換(C1-C30)ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換(C1-C30)ヘテロヒ
ドロカルビルである。下付き文字Qは、0、1、2、又は3であり、下付き文字Wは、0
、1、又は2である。Tは、ルイス塩基である。(T)nの下付き文字nが1である場合
、XとTとが任意選択的に接続される。金属-配位子錯体は、全体的に電荷中性である。
【0009】
式(I)において、R1及びR16は、独立して、-H、(C1-C40)ヒドロカ
ルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3
、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3
、RCS(O)-、RCS(O)2-、-N=C(RC)2、RCC(O)O-、RCO
C(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、式(II)
を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルか
らなる群から選択される。
【0010】
【0011】
式(II)、(III)、及び式(IV)において、R31-35、R41-48、
及びR51-59の各々は、独立して、-H、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1
-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)
2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)
-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、R
CC(O)N(RN)-、(RC)2NC(O)-、又はハロゲンから選択される。
【0012】
式(I)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R
11、R12、R13、R14、及びR15は、独立して、-H、(C1-C40)ヒド
ロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC
)3、-P(RP)2、-N(RN)2-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF
3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RC
OC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、及びハロゲンから選
択される。
【0013】
式(I)において、Lは、(C1-C40)ヒドロカルビレン又は(C1-C40)
ヘテロヒドロカルビレンであり、各Zは、独立して、-O-、-S-、-N(RN)-、
又は-P(RP)-から選択される。
【0014】
式(I)、(II)、(III)、及び式(IV)において、各RC、RP、及びR
Nは、独立して、(C1-C30)ヒドロカルビル、(C1-C30)ヘテロヒドロカル
ビル、又は-Hである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、触媒系の特定の実施形態を説明する。本開示の触媒系は、異なる形態で実施
されてもよく、本開示に記載の特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではないこ
とを理解されたい。
【0016】
一般的な略語を以下に列挙する。
R、Z、M、X、及びn:上で定義されるとおり、Me:メチル、Et:エチル、P
h:フェニル、Bn:ベンジル、i-Pr:イソ-プロピル、t-Bu:tert-ブチ
ル、t-Oct:tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)、
Tf:スルホン酸トリフルオロメタン、CV:カラム体積(カラムクロマトグラフィーで
使用される)、EtOAc:酢酸エチル、TEA:トリエチルアルミニウム、MAO:メ
チルアルミノキサン、MMAO:修飾メチルアルミノキサン、LiCH2TMS:(トリ
メチルシリル)メチルリチウム、TMS:トリメチルシリル、Pd(AmPhos)Cl
2:ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロ
パラジウム(II)、Pd(AmPhos):クロロ(クロチル)(ジ-tert-ブチ
ル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)パラジウム(II)、Pd(dppf)
Cl2:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジ
クロリド、ScCl3:スカンジウム(III)クロリド、PhMe:トリエン、THF
:テトラヒドロフラン、CH2Cl2:ジクロロメタン、DMF:N,N-ジメチルホル
ムアミド、EtOAc:酢酸エチル、Et2O:ジエチルエーテル、MeOH:メタノー
ル、NH4Cl:塩化アンモニウム、MgSO4:硫酸マグネシウム、Na2SO4:硫
酸ナトリウム、NaOH:水酸化ナトリウム、ブライン:飽和塩化ナトリウム水溶液、S
iO2:シリカ、CDCl3:クロロホルム-D、GC:ガスクロマトグラフィー、LC
:液体クロマトグラフィー、NMR:核磁気共鳴、MS:質量分析、mmol:ミリモル
、mL:ミリリットル、M:モル、min又はmins:分、h又はhrs:時間、d:
日数、TLC:薄層クロマトグラフィー、rpm:1分当たりの回転、rt:室温。
【0017】
「独立して選択される」という用語は、R1、R2、R3、R4、及びR5などのR
基が、同一であっても異なっていてもよいこと(例えば、R1、R2、R3、R4、及び
R5は全て、置換アルキルであってもよく、又はR1及びR2は、置換アルキルであって
もよく、R3は、アリールであってもよい、など)を示すために本明細書で使用される。
R基に関連付けられた化学名は、化学名の化学構造に対応するものとして当技術分野で認
識されている化学構造を伝えることを意図している。したがって、化学名は、当業者に既
知の構造的定義を補足及び例示することを意図しており、排除することを意図していない
。
【0018】
ある特定の炭素原子含有化学基を説明するために使用するとき、「(Cx-Cy)」
の形態を有する括弧内の表現は、化学基の非置換形態がx及びyを含むx個の炭素原子~
y個の炭素原子を有することを意味する。例えば、(C1-C50)アルキルは、その非
置換形態において1~50個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態
及び一般構造において、ある特定の化学基は、RSなどの1つ以上の置換基によって置換
されてもよい。括弧付きの「(Cx-Cy)」を使用して定義されるRS置換化学基は、
任意の基RSの同一性に従ってy個を超える炭素原子を含有することができる。例えば、
「RSがフェニル(-C6H5)である、厳密に1つの基RSで置換された(C1-C5
0)アルキル」は、7~56個の炭素原子を含有し得る。したがって、概して、括弧付き
の「(Cx-Cy)」を使用して定義される化学基が1つ以上の炭素原子含有置換基RS
によって置換されるとき、化学基の炭素原子の最小及び最大合計数は、xとyとの両方に
、全ての炭素原子含有置換基RS由来の炭素原子の合計数を加えることによって、決定さ
れる。
【0019】
「置換」という用語は、対応する非置換化合物又は官能基の炭素原子又はヘテロ原子
に結合した少なくとも1つの水素原子(-H)が、置換基(例えばRS)によって置き換
えられることを意味する。「過置換」という用語は、対応する非置換化合物又は官能基の
炭素原子又はヘテロ原子に結合した全ての水素原子(H)が置換基(例えばRS)によっ
て置き換えられることを意味する。「多置換」という用語は、対応する非置換化合物又は
官能基の炭素原子又はヘテロ原子に結合した少なくとも2個であるが全てよりは少ない水
素原子が、置換基によって置き換えられることを意味する。「-H」という用語は、別の
原子に共有結合した水素又は水素ラジカルを意味する。「水素」及び「-H」は、交換可
能であり、明記されていない限り、同一の意味を有する。
【0020】
「(C1-C50)ヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有する
炭化水素ラジカルを意味し、「(C1-C50)ヒドロカルビレン」という用語は、1~
50個の炭素原子を有する炭化水素ジラジカルを意味し、その各炭化水素ラジカル及び各
炭化水素ジラジカルは、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖、環式(
3個以上の炭素を有し、単環式及び多環式、縮合及び非縮合の多環式、並びに二環式を含
む)又は非環式であり、1つ以上のRSによって置換されているか、又は置換されていな
い。
【0021】
本開示では、(C1-C50)ヒドロカルビルは、非置換又は置換(C1-C50)
アルキル、(C3-C50)シクロアルキル、(C3-C20)シクロアルキル-(C1
-C20)アルキレン、(C6-C40)アリール、又は(C6-C20)アリール-(
C1-C20)アルキレン(ベンジル(-CH2-C6H5)など)であり得る。
【0022】
「(C1-C50)アルキル」及び「(C1-C18)アルキル」という用語は、非
置換であるか、又は1つ以上のRSによって置換されている、それぞれ、1~50個の炭
素原子の飽和直鎖又は分岐炭化水素ラジカル、及び1~18個の炭素原子の飽和直鎖又は
分岐炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C1-C50)アルキルの例は、非置換(C
1-C20)アルキル、非置換(C1-C10)アルキル、非置換(C1-C5)アルキ
ル、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチ
ルプロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1
-ノニル、及び1-デシルである。置換(C1-C40)アルキルの例は、置換(C1-
C20)アルキル、置換(C1-C10)アルキル、トリフルオロメチル、及び[C45
]アルキルである。「[C45]アルキル」という用語は、置換基を含めてラジカル中に
最大45個の炭素原子が存在し、例えば、それぞれ、(C1-C5)アルキルである1つ
のRSによって置換された(C27-C40)アルキルであることを意味する。各(C1
-C5)アルキルは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1-プロピル、1-メチル
エチル、又は1,1-ジメチルエチルであり得る。
【0023】
「(C6-C50)アリール」という用語は、6~40個の炭素原子を有し、そのう
ちの少なくとも6~14個の炭素原子が芳香環炭素原子である、非置換であるか、又は(
1つ以上のRSによって)置換された単環式、二環式、又は三環式芳香族炭化水素ラジカ
ルを意味する。単環式芳香族炭化水素ラジカルは、1つの芳香環を含み、二環式芳香族炭
化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式芳香族炭化水素ラジカルは、3つの環を有す
る。二環式又は三環式芳香族炭化水素ラジカルが存在するとき、そのラジカルの環のうち
の少なくとも1つは、芳香族である。芳香族ラジカルの他の1つ又は複数の環は、独立し
て、縮合又は非縮合及び芳香族又は非芳香族であり得る。非置換(C6-C50)アリー
ルの例としては、非置換(C6-C20)アリール、非置換(C6-C18)アリール、
2-(C1-C5)アルキルフェニル、フェニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレ
ニル、インダケニル、ヘキサヒドロインデニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフ
チル、テトラヒドロナフチル、及びフェナントレンが挙げられる。置換(C6-C40)
アリールの例としては、置換(C1-C20)アリール、置換(C6-C18)アリール
、2,4-ビス([C20]アルキル)-フェニル、ポリフルオロフェニル、ペンタフル
オロフェニル、及びフルオレン-9-オン-1-イルが挙げられる。
【0024】
「(C3-C50)シクロアルキル」という用語は、非置換であるか、又は1つ以上
のRSによって置換されている、3~50個の炭素原子の飽和環式炭化水素ラジカルを意
味する。他のシクロアルキル基(例えば、(Cx-Cy)シクロアルキル)は、x~y個
の炭素原子を有し、非置換であるか、又は1つ以上のRSによって置換されているものと
して、同様の様式で定義される。非置換(C3-C40)シクロアルキルの例は、非置換
(C3-C20)シクロアルキル、非置換(C3-C10)シクロアルキル、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ
ル、シクロノニル、及びシクロデシルである。置換(C3-C40)シクロアルキルの例
は、置換(C3-C20)シクロアルキル、置換(C3-C10)シクロアルキル、シク
ロペンタノン-2-イル、及び1-フルオロシクロヘキシルである。
【0025】
(C1-C50)ヒドロカルビレンの例としては、非置換又は置換の(C6-C50
)アリーレン、(C3-C50)シクロアルキレン、及び(C1-C50)アルキレン(
例えば、(C1-C20)アルキレン)が挙げられる。ジラジカルは、同じ炭素原子上(
例えば、-CH2-)若しくは隣接する炭素原子上(すなわち、1,2-ジラジカル)に
あってもよく、又は1個、2個、若しくは3個以上の介在する炭素原子(例えば、1,3
-ジラジカル、1,4-ジラジカルなど)によって離間されている。いくつかのジラジカ
ルとしては、1,2-、1,3-、1,4-、又はα,ω-ジラジカルが挙げられ、他の
ものとしては1,2-ジラジカルが挙げられる。α,ω-ジラジカルは、ラジカル炭素間
に最大の炭素骨格間隔を有するジラジカルである。(C2-C20)アルキレンα,ω-
ジラジカルのいくつかの例としては、エタン-1,2-ジイル(すなわち、-CH2CH
2-)、プロパン-1,3-ジイル(すなわち、-CH2CH2CH2-)、2-メチル
プロパン-1,3-ジイル(すなわち、-CH2CH(CH3)CH2-)が挙げられる
。(C6-C50)アリーレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、フェニル-
1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、又はナフタレン-3,7-ジイルが挙げ
られる。
【0026】
「(C1-C50)アルキレン」という用語は、非置換であるか、又は1つ以上のR
Sによって置換されている1~50個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐鎖のジラジカル(す
なわち、ラジカルが環原子上にはない)を意味する。非置換(C1-C50)アルキレン
の例は、非置換-CH2CH2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)
5-、-(CH2)6-、-(CH2)7-、-(CH2)8-、-CH2C*HCH3
、及び-(CH2)4C*(H)CH3を含む、非置換(C1-C20)アルキレンであ
り、ここで、「C*」は、水素原子が除去されて二級又は三級アルキルラジカルを形成す
る炭素原子を表す。置換(C1-C50)アルキレンの例は、置換(C1-C20)アル
キレン、-CF2-、-C(O)-、及び-(CH2)14C(CH3)2(CH2)5
-(すなわち、6,6-ジメチル置換1,20-エイコシレン)である。前述したように
、2つのRSは一緒になって、(C1-C18)アルキレンを形成することができるため
、置換(C1-C50)アルキレンの例としては、1,2-ビス(メチレン)シクロペン
タン、1,2-ビス(メチレン)シクロヘキサン、2,3-ビス(メチレン)-7,7-
ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び2,3-ビス(メチレン)ビシクロ[
2.2.2]オクタンも挙げられる。
【0027】
「(C3-C50)シクロアルキレン」という用語は、非置換であるか、又は1つ以
上のRSによって置換されている3~50個の炭素原子の環状ジラジカル(すなわち、ラ
ジカルが環原子上に存在する)を意味する。
【0028】
「ヘテロ原子」という用語は、水素又は炭素以外の原子を指す。1つ以上のヘテロ原
子を含有する基の例としては、O、S、S(O)、S(O)2、Si(RC)2、P(R
P)、N(RN)、-N=C(RC)2、-Ge(RC)2-、-Si(RC)-、ホウ
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、又はインジウム(In)が挙げら
れ、各RC及び各RPは、非置換(C1-C18)ヒドロカルビル又は-Hであり、各R
Nは、非置換(C1-C18)ヒドロカルビルである。「ヘテロ炭化水素」という用語は
、炭化水素の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている分子又は分子骨格を
指す。「(C1-C50)ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子
を有するヘテロ炭化水素ラジカルを意味し、「(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレン
」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ジラジカルを意味する。
(C1-C50)ヘテロヒドロカルビル又は(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレンの
ヘテロ炭化水素は、1個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロヒドロカルビルのラジカルは
、炭素原子上又はヘテロ原子上に存在してもよい。ヘテロヒドロカルビレンの2つのラジ
カルは、単一の炭素原子上又は単一のヘテロ原子上に存在してもよい。更に、ジラジカル
の2つのラジカルのうちの一方は、炭素原子上にあり得、他方のラジカルは、異なる炭素
原子上にあり得るか、2つのラジカルのうちの一方は、炭素原子上にあり得、他方は、ヘ
テロ原子上にあり得るか、又は2つのラジカルのうちの一方は、ヘテロ原子上にあり得、
他方のラジカルは、異なるヘテロ原子上にあり得る。(C1-C50)ヘテロヒドロカル
ビル及び(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレンは各々、非置換であるか、又は(1つ
以上のRSによって)置換されていてもよく、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和、直
鎖又は分岐鎖、環式(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式を含む)又は非環式であ
ってもよい。
【0029】
(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルは、非置換であるか、又は置換されていても
よい。(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルの非限定的な例としては、(C1-C50
)ヘテロアルキル、(C1-C50)ヒドロカルビル-O-、(C1-C50)ヒドロカ
ルビル-S-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C1-C50)ヒドロ
カルビル-S(O)2-、(C1-C50)ヒドロカルビル-Si(RC)2-、(C1
-C50)ヒドロカルビル-N(RN)-、(C1-C50)ヒドロカルビル-P(RP
)-、(C2-C50)ヘテロシクロアルキル、(C2-C19)ヘテロシクロアルキル
-(C1-C20)アルキレン、(C3-C20)シクロアルキル-(C1-C19)ヘ
テロアルキレン、(C2-C19)ヘテロシクロアルキル-(C1-C20)ヘテロアル
キレン、(C1-C50)ヘテロアリール、(C1-C19)ヘテロアリール-(C1-
C20)アルキレン、(C6-C20)アリール-(C1-C19)ヘテロアルキレン、
又は(C1-C19)ヘテロアリール-(C1-C20)ヘテロアルキレンが挙げられる
。
【0030】
「(C1-C50)ヘテロアリール」という用語は、合計1~50個の炭素原子及び
1~10個のヘテロ原子を有する、非置換であるか、又は(1つ以上のRSによって)置
換されている単環式、二環式、又は三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単
環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、1つのヘテロ芳香環を含み、二環式ヘテロ芳香族
炭化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、3つの
環を有する。二環式又は三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルが存在する場合、ラジカル
における環のうちの少なくとも1つは、ヘテロ芳香族である。ヘテロ芳香族ラジカルの他
の1つ又は複数の環は、独立して、縮合又は非縮合及び芳香族又は非芳香族であってもよ
い。他のヘテロアリール基(例えば、(C1-C12)ヘテロアリールなどの(Cx-C
y)ヘテロアリール全般)は、x~y個の炭素原子(1~12個の炭素原子など)を有し
、かつ非置換であるか、又は1つ又は2つ以上のRSで置換されているものとして、同様
の様式で定義される。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5員環又は6員環である
。5員環単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5マイナスh個の炭素原子を有し、こ
こで、hは、ヘテロ原子の数であり、1、2、3、又は4であり得、各ヘテロ原子は、O
、S、N、又はPであり得る。5員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピロ
ール-1-イル、ピロール-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピラ
ゾール-1-イル、イソオキサゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾ
ール-2-イル、オキサゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、1,2,4-トリア
ゾール-1-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾ
ール-2-イル、テトラゾール-1-イル、テトラゾール-2-イル、及びテトラゾール
-5-イルが挙げられる。6員環単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、6マイナスh
個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子の数であり、1又は2個であり得、ヘテロ原子は
、N又はPであり得る。6員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピリジン-
2-イル、ピリミジン-2-イル、及びピラジン-2-イルが挙げられる。二環式ヘテロ
芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6又は6,6環系であり得る。縮合5,6環系二環
式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、インドール-1-イル、及びベンズイミ
ダゾール-1-イルである。縮合6,6環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は
、キノリン-2-イル、及びイソキノリン-1-イルである。三環式ヘテロ芳香族炭化水
素ラジカルは、縮合5,6,5、5,6,6、6,5,6、又は6,6,6環系であり得
る。縮合5,6,5環系の例は、1,7-ジヒドロピロロ[3,2-f]インドール-1
-イルである。縮合5,6,6環系の例は、1H-ベンゾ[f]インドール-1-イルで
ある。縮合6,5,6環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,5,
6環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,6,6環系の例は、アク
リジン-9-イルである。
【0031】
「(C1-C50)ヘテロアルキル」という用語は、1~50個の炭素原子及び1個
以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖又は分岐鎖ラジカルを意味する。「(C1-C50
)ヘテロアルキレン」という用語は、1~50個の炭素原子及び1個又は2個以上のヘテ
ロ原子を含有する飽和直鎖又は分岐鎖ジラジカルを意味する。ヘテロアルキル又はヘテロ
アルキレンのヘテロ原子には、Si(RC)3、Ge(RC)3、Si(RC)2、Ge
(RC)2、P(RP)2、P(RP)、N(RN)2、N(RN)、N、O、ORC、
S、SRC、S(O)、及びS(O)2が含まれ得、ヘテロアルキル及びヘテロアルキレ
ン基の各々は、非置換であるか、又は1つ以上のRSによって置換されている。
【0032】
非置換(C2-C40)ヘテロシクロアルキルの例としては、非置換(C2-C20
)ヘテロシクロアルキル、非置換(C2-C10)ヘテロシクロアルキル、アジリジン-
1-イル、オキセタン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、ピロリジン-1-イ
ル、テトラヒドロチオフェン-S,S-ジオキシド-2-イル、モルホリン-4-イル、
1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロアゼピン-4-イル、3-オキサ-シクロ
オクチル、5-チオ-シクロノニル、及び2-アザ-シクロデシルが挙げられる。
【0033】
「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(C
l)、臭素原子(Br)、又はヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハライド」と
いう用語は、ハロゲン原子のアニオン形態、フルオライド(F-)、クロライド(Cl-
)、ブロマイド(Br-)、又はアイオダイド(I-)を意味する。
【0034】
「飽和」という用語は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、及び(ヘテロ原
子含有基において)炭素-窒素、炭素-リン、及び炭素-ケイ素二重結合を欠くことを意
味する。飽和化学基が1つ以上の置換基RSによって置換されている場合、1つ以上の二
重結合及び/又は三重結合は、任意選択的に、置換基RS中に存在していてもよい。「不
飽和」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合若しくは炭素-炭素三重結合、又は
(ヘテロ原子含有基において)1つ以上の炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、又
は炭素-ケイ素二重結合を含有し、置換基RS(存在する場合)、又は芳香環若しくはヘ
テロ芳香環(存在する場合)中に存在し得る二重結合を含まないことを意味する。
【0035】
「ランタニド金属」という用語は、元素57~71(ランタン(La)~ルテチウム
(Lu))を含む。
【0036】
本開示の実施形態は、式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系を含む。
【0037】
【0038】
式(I)において、Mは、スカンジウム、イットリウム、ランタニド金属、又は+3
の酸化状態を有するアクチニド金属である。(T)nの下付き文字nは、0、1、又は2
であり、Xは、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビ
ル、-CH2Si(RC)3-Q(ORC)Q、-Si(RC)3-Q(ORC)Q、-
OSi(RC)3-Q(ORC)Q、-CH2Ge(RC)3-Q(ORC)Q、-Ge
(RC)3-Q(ORC)Q、-P(RC)2-W(ORC)W、-P(O)(RC)2
-W(ORC)W、-N(RC)2、-NH(RC)、-N(Si(RC)3)2、-N
RCSi(RC)3、-NHSi(RC)3、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、
-CF3、-OCF3、-S(O)RC、-S(O)2RC、-OS(O)2RC、-N
=C(RC)2、-N=CH(RC)、-N=CH2、-N=P(RC)3、-OC(O
)RC、-C(O)ORC、-N(RC)C(O)RC、-N(RC)C(O)H、-N
HC(O)RC、-C(O)N(RC)2、-C(O)NHRC、-C(O)NH2、ハ
ロゲン、又は水素から選択される配位子である。各RCは、独立して、置換若しくは非置
換(C1-C30)ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換(C1-C30)ヘテロヒ
ドロカルビルである。下付き文字Qは、0、1、2、又は3であり、下付き文字Wは、0
、1、又は2である。Tは、ルイス塩基である。(T)nの下付き文字nが1である場合
、XとTとが任意選択的に接続される。金属-配位子錯体は、全体的に電荷中性である。
【0039】
式(I)において、R1及びR16は、独立して、-H、(C1-C40)ヒドロカ
ルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3
、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3
、RCS(O)-、RCS(O)2-、-N=C(RC)2、RCC(O)O-、RCO
C(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、式(II)
を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルか
らなる群から選択される。
【0040】
【0041】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体において、R1又はR16の
うちのいずれか、又はR1及びR16の両方は、式(II)、式(III)、又は式(I
V)を有するラジカルから選択される。Mがイットリウム又はランタニド金属であること
を条件として、R1は、-H、フェニル、又はtert-ブチルではなく、R16は、-
H、フェニル、又はtert-ブチルではない。
【0042】
式(II)、式(III)、又は式(IV)を有するラジカルの一部として式(I)
の金属-配位子錯体に存在する場合、式(I)の金属-配位子錯体の基R31-35、R
41-48、及びR51-59は、各々独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(
C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、Si(RC)3、P(RP)2、N(RN)2、
ORC、SRC、NO2、CN、CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)
2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(RN)-、(RN
)2NC(O)-、ハロゲン、水素(-H)、又はそれらの組み合わせから選択される。
独立して、各RC、RP、及びRNは、非置換(C1-C18)ヒドロカルビル、(C1
-C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
【0043】
式(I)の金属-配位子錯体における基R1及びR16は、互いに独立して選択され
る。例えば、R1は、式(II)、(III)、若しくは(IV)を有するラジカルから
選択されてもよく、R16は、(C1-C40)ヒドロカルビルであり得るか、又はR1
は、式(II)、(III)、若しくは(IV)を有するラジカルから選択されてもよく
、R16は、式(II)、(III)、若しくは(IV)を有するラジカルから選択され
得、R1のそれと同じか又は異なる。R1及びR16の両方は、式(II)を有するラジ
カルであり得、その場合、基R31-35は、R1及びR16において同じか又は異なる
。他の実施例では、R1及びR16の両方は、式(III)を有するラジカルであり得、
その場合、基R41-48は、R1及びR16において同じか若しくは異なるか、又はR
1及びR16の両方は、式(IV)を有するラジカルであり得、その場合、基R51-5
9は、R1及びR16において同じか又は異なる。
【0044】
いくつかの実施形態では、R1及びR16のうちの少なくとも1つは、式(II)を
有するラジカルであり、ここで、R32及びR34はtert-ブチルである。1つ以上
の実施形態では、R32及びR34は、(C1-C12)ヒドロカルビル又は-Si[(
C1-C10)アルキル]3である。
【0045】
いくつかの実施形態では、R1又はR16のうちの少なくとも1つが、式(III)
を有するラジカルであるとき、R43及びR46のうちの一方又は両方は、tert-ブ
チルであり、R41-42、R44-45、及びR47-48は、-Hである。他の実施
形態では、R42及びR47のうちの一方又は両方は、tert-ブチルであり、R41
、R43-46、及びR48は、-Hである。いくつかの実施形態ではR42及びR47
の両方は、-Hである。様々な実施形態では、R42及びR47は、(C1-C20)ヒ
ドロカルビル又は-Si[(C1-C10)アルキル]3である。他の実施形態では、R
43及びR46は、(C1-C20)ヒドロカルビル又は-Si[(C1-C10)アル
キル]3である。いくつかの実施形態では、R42とR43とが連結されて環状構造を形
成し、R46とR47とが連結されて環状構造を形成する。
【0046】
実施形態では、R1又はR16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジ
カルであり、各R52、R53、R55、R57、及びR58は、-H、(C1-C20
)ヒドロカルビル、-Si[(C1-C20)ヒドロカルビル]3、又は-Ge[(C1
-C20)ヒドロカルビル]3である。いくつかの実施形態では、R52、R53、R5
5、R57、及びR58のうちの少なくとも1つが、(C3-C10)アルキル、-Si
[(C3-C10)アルキル]3、又は-Ge[(C3-C10)アルキル]3である。
1つ以上の実施形態では、R52、R53、R55、R57、及びR58のうちの少なく
とも2つが、(C3-C10)アルキル、-Si[(C3-C10)アルキル]3、又は
-Ge[(C3-C10)アルキル]3である。様々な実施形態では、R52、R53、
R55、R57、及びR58のうちの少なくとも3つが、(C3-C10)アルキル、-
Si[(C3-C10)アルキル]3、又は-Ge[(C3-C10)アルキル]3であ
る。
【0047】
いくつかの実施形態では、R1又はR16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を
有するラジカルであり、R52、R53、R55、R57、及びR58のうちの少なくと
も2つが、(C1-C20)ヒドロカルビル又は-C(H)2Si[(C1-C20)ヒ
ドロカルビル]3である。
【0048】
(C3-C10)アルキルの例としては、プロピル、2-プロピル(イソ-プロピル
とも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、1-ブチル、ペンチル、3-メチルブチル、ヘキシル、4-メ
チルペンチル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチル
ペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルが挙げられるが、これらに限定
されない。
【0049】
式(I)による金属-配位子触媒のいくつかの実施形態では、R1及びR16は、3
,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-
トリイソプロピルフェニル、3,5-ジイソプロピルフェニル、カルバゾリル、カルバゾ
ール-9-イル、1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾリル、1,2,3,4,5,6
,7,8-オクタヒドロカルバゾリル、3,6-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル
フェニル)カルバゾール-9-イル、3,6-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル
)カルバゾール-9-イル)、3,6-ビス-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル
)カルバゾール-9-イル、2,7-ジ(三級ブチル)-カルバゾール-9-イル、2,
7-ジ(三級オクチル)-カルバゾール-9-イル、2,7-ジフェニルカルバゾール-
9-イル、2,7-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-カルバゾール-9-イル
アントラセニル、1,2,3,4-テトラヒドロアントラセニル、1,2,3,4,5,
6,7,8-オクタヒドロアントラセニル、フェナントレニル、1,2,3,4,5,6
,7,8-オクタヒドロフェナントレニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、2
,6-ジメチルフェニル、2,6-ジイソプロピルフェニル、3,5-ジフェニルフェニ
ル、1-ナフチル、2-メチル-1-ナフチル、2-ナフチル、1,2,3,4-テトラ
-ヒドロナフタ-5-イル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタ-6-イル、アントラ
セン-9-イル、1,2,3,4-テトラヒドロアントラセン-9-イル、1,2,3,
4,5,6,7,8-オクタヒドロアントラセン-9-イル、1,2,3,4,5,6,
7,8-オクタヒドロフェナントレン-9-イル、インドリル、インドリニル、キノリニ
ル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、又は1,2,3,4-
テトラヒドロイソキノリニルから選択される。
【0050】
式(I)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R
11、R12、R13、R14、及びR15は、独立して、-H、(C1-C40)ヒド
ロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC
)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-C
F3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、R
COC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、及びハロゲンから
選択される。
【0051】
1つ以上の実施形態では、R2、R4、R5、R12、R13、及びR15は、水素
であり、各Zは、酸素である。
【0052】
実施形態では、点線は、任意選択的に、金属中心、Mと基Zとの間の配位結合である
。いくつかの実施形態では、ZとMとを接続する点線のうちの1つは、ZとMとの間の配
位結合を形成しない。様々な実施形態では、両方の点線は、基ZとMとの間の配位結合を
形成する。
【0053】
様々な実施形態では、R3及びR14は、(C1-C24)アルキルである。1つ以
上の実施形態では、R3及びR14は、(C4-C24)アルキルである。いくつかの実
施形態では、R3及びR14は、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ば
れる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペンチル、
シクロヘキシル、1-ブチル、ペンチル、3-メチル-1-ブチル、ヘキシル、4-メチ
ル-1-ペンチル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメ
チルペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルである。実施形態では、R
3及びR14は、-ORCであり、RCは、(C1-C20)炭化水素であり、いくつか
の実施形態では、RCは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピ
ルとも呼ばれる)、又は1,1-ジメチルエチルである。
【0054】
1つ以上の実施形態では、R8及びR9のうちの1つは、-Hではない。様々な実施
形態では、R8及びR9のうちの少なくとも1つは、(C1-C24)アルキルである。
いくつかの実施形態では、R8及びR9の両方は、(C1-C24)アルキルである。い
くつかの実施形態では、R8及びR9は、メチルである。他の実施形態では、R8及びR
9は、ハロゲンである。
【0055】
いくつかの実施形態では、R3及びR14は、メチルである。1つ以上の実施形態で
は、R3及びR14は、(C4-C24)アルキルである。いくつかの実施形態では、R
8及びR9は、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-
ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、シクロペンチル、シクロヘキシル、
1-ブチル、ペンチル、3-メチル-1-ブチル、ヘキシル、4-メチル-1-ペンチル
、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2
-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルである。
【0056】
様々な実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体において、R6及びR11は、ハ
ロゲンである。いくつかの実施形態では、R6及びR11は、(C1-C24)アルキル
である。様々な実施形態では、R6及びR11は、1-プロピル、2-プロピル(イソ-
プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、
シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ブチル、ペンチル、3-メチルブチル、ヘキシル
、4-メチルペンチル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-ト
リメチルペンタン-2-イルとも呼ばれる)、ノニル、及びデシルから選択される。いく
つかの実施形態では、R6及びR11は、tert-ブチルである。実施形態では、R6
及びR11は、-ORCであり、RCは、(C1-C20)炭化水素であり、いくつかの
実施形態では、RCは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(イソ-プロピル
とも呼ばれる)、又は1,1-ジメチルエチルである。他の実施形態では、R6及びR1
1は、-SiRC
3であり、各RCは、独立して、(C1-C20)ヒドロカルビルであ
り、いくつかの実施形態では、RCは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル(
イソ-プロピルとも呼ばれる)、又は1,1-ジメチルエチルである。
【0057】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基(例えば、X及びR
1-59)のうちのいずれか又は全ては、非置換であり得る。他の実施形態では、式(I
)の金属-配位子錯体の化学基X及びR1-59のうちのいずれも1つ又は2つ以上のR
Sで置換されていない場合も、それらのうちのいずれか又は全てが、1つ又は2つ以上の
RSで置換されている場合もある。2つ又は3つ以上のRSが式(I)の金属-配位子錯
体の同じ化学基に結合している場合、化学基の個々のRSは、同じ炭素原子若しくはヘテ
ロ原子、又は異なる炭素原子若しくはヘテロ原子に結合していてもよい。いくつかの実施
形態では、化学基X及びR1-59のうちのいずれもRSで過置換されていない場合も、
それらのうちのいずれか又は全てが、RSで過置換されている場合もある。RSで過置換
されている化学基では、個々のRSは、全て同一であっても、独立して選択されてもよい
。1つ以上の実施形態では、RSは、(C1-C20)ヒドロカルビル、(C1-C20
)アルキル、(C1-C20)ヘテロヒドロカルビル、又は(C1-C20)ヘテロアル
キルから選択される。
【0058】
式(I)において、Lは、(C1-C40)ヒドロカルビレン又は(C1-C40)
ヘテロヒドロカルビレンであり、各Zは、独立して、-O-、-S-、-N(RN)-、
又は-P(RP)-から選択される。1つ以上の実施形態では、Lは、1~10個の原子
を含む。
【0059】
式(I)、(II)、(III)、及び式(IV)において、各RC、RP、及びR
Nは、独立して、(C1-C30)ヒドロカルビル、(C1-C30)ヘテロヒドロカル
ビル、又は-Hである。
【0060】
式(I)のいくつかの実施形態では、Lは、(C3-C7)アルキル1,3-ジラジ
カル、例えば、-CH2CH2CH2-、-CH(CH3)CH2C*H(CH3)、-
CH(CH3)CH(CH3)C*H(CH3)、-CH2C(CH3)2CH2-、シ
クロペンタン-1,3-ジイル、又はシクロヘキサン-1,3-ジイルなどから選択され
得る。いくつかの実施形態では、Lは、(C4-C10)アルキル1,4-ジラジカル、
例えば、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2C(CH3)2CH2
-,シクロヘキサン-1,2-ジイルジメチル、及びビシクロ[2.2.2]オクタン-
2,3-ジイルジメチルなどから選択され得る。いくつかの実施形態では、Lは、(C5
-C12)アルキル1,5-ジラジカル、例えば、-CH2CH2CH2CH2CH2-
、及び1,3-ビス(メチレン)シクロヘキサンから選択され得る。いくつかの実施形態
では、Lは、(C6-C14)アルキル1,6-ジラジカル、例えば、-CH2CH2C
H2CH2CH2CH2-、又は1,2-ビス(エチレン)シクロヘキサンなどから選択
され得る。
【0061】
1つ以上の実施形態では、Lは、(C2-C40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
2~10個の原子のうちの少なくとも1個は、ヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態で
は、Lは、-CH2Ge(RC)2CH2-であり、各RCは、(C1-C30)ヒドロ
カルビルである。いくつかの実施形態では、Lは、-CH2Ge(CH3)2CH2-、
-CH2Ge(エチル)2CH2-、-CH2Ge(2-プロピル)2CH2-、-CH
2Ge(t-ブチル)2CH2-、-CH2Ge(シクロペンチル)2CH2-、又は-
CH2Ge(シクロヘキシル)2CH2-である。
【0062】
1つ以上の実施形態では、Lは、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2(CH2
)mCH2-(mは、1~3である)、-CH2Si(RC)2CH2-、-CH2Ge
(RC)2CH2-、-CH(CH3)CH2CH*(CH3)、及び-CH2(フェン
-1,2-ジ-イル)CH2-から選択され、L中の各RCは、(C1-C20)ヒドロ
カルビルである。
【0063】
かかる(C1-C12)アルキルの例としては、メチル、エチル、1-プロピル、2
-プロピル(イソ-プロピルとも呼ばれる)、1,1-ジメチルエチル、シクロペンチル
、又はシクロヘキシル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n
-オクチル、tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペント-2-イル)、ノニル
、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
いくつかの実施形態では、式(I)による金属-配位子錯体において、R8及びR9
の両方は、メチルである。他の実施形態では、R8及びR9のうちの一方は、メチルであ
り、R8及びR9の他方は、-Hである。
【0065】
式(I)による金属-配位子錯体において、Xは、共有結合又はイオン結合を介して
Mと結合する。いくつかの実施形態では、Xは、-1の正味ホルマール酸化状態を有する
モノアニオン性配位子であり得る。各モノアニオン性配位子は、独立して、水素化物、(
C1-C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルカ
ルバニオン、ハライド、ニトレート、カーボネート、ホスフェート、スルフェート、HC
(O)O-、HC(O)N(H)-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)O-、(
C1-C40)ヒドロカルビルC(O)N((C1-C20)ヒドロカルビル)-、(C
1-C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)-、RKRLB-、RKRLN-、RKO
-、RKS-、RKRLP-、又はRMRKRLSi-であってもよく、各RK、RL、
及びRMは、独立して、水素、(C1-C40)ヒドロカルビル、若しくは(C1-C4
0)ヘテロヒドロカルビルであるか、又はRK及びRLが一緒になって、(C2-C40
)ヒドロカルビレン若しくは(C1-C20)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、RMは
、上で定義されたとおりである。
【0066】
いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲン、非置換(C1-C20)ヒドロカルビル
、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルC(O)O-、又はRKRLN-であり、RK
及びRLのうちの各々は、独立して、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルである。い
くつかの実施形態では、各単座配位子Xは、塩素原子、(C1-C10)ヒドロカルビル
(例えば、(C1-C6)アルキル若しくはベンジル)、非置換(C1-C10)ヒドロ
カルビルC(O)O-、又はRKRLN-であり、RK及びRLの各々は、独立して、非
置換(C1-C10)ヒドロカルビルである。
【0067】
いくつかの実施形態では、nは1であり、XとTとが連結され、以下からなる群から
選択される。
【0068】
【0069】
更なる実施形態では、Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブ
チル、2,2,-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、又
はクロロから選択される。Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブ
チル、2,2,-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、及
びクロロである。一実施形態では、nは、2であり、少なくとも2つのXは、独立して、
モノアニオン性単座配位子である。特定の実施形態では、nは、2であり、2つのX基は
一緒になって、二座配位子を形成する。更なる実施形態では、二座配位子は、2,2-ジ
メチル-2-シラプロパン-1,3-ジイル又は1,3-ブタジエンである。
【0070】
1つ以上の実施形態では、各Xは、独立して、-(CH2)SiRX
3であり、各R
Xは、独立して、(C1-C30)アルキル又は(C1-C30)ヘテロアルキルであり
、少なくとも1つのRXは、(C1-C30)アルキルである。いくつかの実施形態では
、RXのうちの1つが(C1-C30)ヘテロアルキルである場合、ヘテロ原子は、シリ
カ又は酸素原子である。いくつかの実施形態では、RXは、メチル、エチル、プロピル、
2-プロピル、ブチル、1,1-ジメチルエチル(又は、tert-ブチル)、ペンチル
、ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、tert-オクチル、又はノニルである。
【0071】
1つ以上の実施形態では、Xは、-(CH2)Si(CH3)3、-(CH2)Si
(CH3)2(CH2CH3)、-(CH2)Si(CH3)(CH2CH3)2、-(
CH2)Si(CH2CH3)3、-(CH2)Si(CH3)2(n-ブチル)、-(
CH2)Si(CH3)2(n-ヘキシル)、-(CH2)Si(CH3)(n-Oct
)RX、-(CH2)Si(n-Oct)RX
2、-(CH2)Si(CH3)2(2-
エチルヘキシル)、-(CH2)Si(CH3)2(ドデシル)、-CH2Si(CH3
)2CH2Si(CH3)3(本明細書では、-CH2Si(CH3)2CH2TMSと
称される)である。任意選択的に、いくつかの実施形態では、式(I)による金属-配位
子錯体は、正確に2つのRXが共有結合しているか、又は正確に3つのRXが共有結合し
ている。
【0072】
いくつかの実施形態では、Xは、-CH2Si(RC)3-Q(ORC)Q、-Si
(RC)3-Q(ORC)Q、-OSi(RC)3-Q(ORC)Qであり、ここで、下
付き文字Qは、0、1、2、又は3であり、各RCは、独立して、置換若しくは非置換(
C1-C30)ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換(C1-C30)ヘテロヒドロ
カルビルである。
【0073】
いくつかの実施形態では、Xは、B(RY)4、Al(RY)4、又はGa(RY)
4であり、各RYは、-H、(C1-C30)ヒドロカルビル、又はハロゲン原子である
。
【0074】
式(I)による金属-配位子錯体において、各Tは、配位結合又はイオン結合を介し
てMと結合する。1つ以上の実施形態では、Tは、ルイス塩基である。ルイス塩基は、電
子対を受容体化合物に供与することができる化合物又はイオン種であり得る。この説明の
目的のために、受容体化合物は、M、式(I)の金属-配位子錯体の金属である。ルイス
塩基は、中性又はアニオン性であり得る。いくつかの実施形態では、ルイス塩基は、ヘテ
ロ炭化水素又は炭化水素であり得る。中性ヘテロ炭化水素ルイス塩基の例としては、アミ
ン、トリアルキルアミン、エーテル、シクロエーテル、又は硫化物が挙げられるが、これ
らに限定されない。アニオン性炭化水素の例としては、シクロペンタジエンが挙げられる
が、これに限定されない。中性炭化水素の例としては、1,3-ブタ-ジ-エンが挙げら
れるが、これに限定されない。
【0075】
1つ以上の実施形態では、ルイス塩基は、中性配位子であり得る単座配位子であり得
る。いくつかの実施形態では、中性配位子は、ヘテロ原子を含有し得る。特定の実施形態
では、中性配位子は、RTNRKRL、RKORL、RKSRL、又はRTPRKRLな
どの中性基であり、各RTは、独立して、水素、[(C1-C10)ヒドロカルビル]3
Si(C1-C10)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヒドロカルビル、[(C1-C
10)ヒドロカルビル]3Si、又は(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルであり、各
RK及びRLは、独立して、以前に定義されたとおりである。
【0076】
いくつかの実施形態では、ルイス塩基は、(C1-C20)炭化水素である。いくつ
かの実施形態では、ルイス塩基は、シクロペンタジエン又は1,3-ブタ-ジ-エンであ
る。
【0077】
様々な実施形態では、ルイス塩基は、(C1-C20)ヘテロ炭化水素であり、ヘテ
ロ炭化水素のヘテロ原子は、酸素である。いくつかの実施形態では、Tは、テトラヒドロ
フラン、ジエチルエーテル、又はメチル基tert-ブチルエーテル(methyl tert-buty
l ether、MTBE)である。
【0078】
式(I)の金属-配位子錯体において、各Zは、独立して、O、S、N(C1-C4
0)ヒドロカルビル、又はP(C1-C40)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形
態では、各Zは異なる。例えば、一方のZはOであり、他方のZはNCH3である。いく
つかの実施形態では、一方のZはOであり、一方のZはSである。別の実施形態では、一
方のZはSであり、一方のZはN(C1-C40)ヒドロカルビル(例えば、NCH3)
である。更なる実施形態では、各Zは同じである。更に別の実施形態では、各ZはOであ
る。別の実施形態では、各ZはSである。
【0079】
式(I)において、各Zは、点線を介してMに接続される。点線は、任意選択的な配
位結合を定義する。いくつかの実施形態では、点線のうちの1つは、ZとMとの間に配位
結合を形成し、第2の点線は、ZをMに直接接続又は結合しない。様々な実施形態では、
各Zは、Mとの配位結合を形成する。他の実施形態では、各Zは、Mに直接接続又は結合
されていない。理論に拘束されることを意図するものではないが、Z-M配位結合の数は
、Mによって定義される金属の原子半径に依存すると考えられている。
【0080】
触媒系の特定の実施形態では、式(I)による金属-配位子錯体は、限定されないが
、本発明の金属-配位子錯体1~38のうちのいずれかの構造を有する錯体を含み得る。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
オレフィン伝播
式(I)の金属-配位子錯体に対するオレフィン伝播を開始するために助触媒は必要
とされないが、ルイス塩基Tが式(I)の金属中心Mに配位している場合、金属-配位子
触媒は効率的ではないと考えられている。したがって、オレフィン伝播中に、ルイス塩基
は、金属中心Mから解離し、金属-配位子錯体は、式(Ia)による構造を有する。
【0087】
【0088】
式(Ia)において、R1~R16、M、Z、及びLは、式(I)で定義されたとお
りである。XPは、ヒドロカルビルであり、ヒドロカルビルは、少なくとも30個の炭素
原子を有して、分岐又は非分岐である。より具体的には、XPは、伝播オレフィン鎖であ
る。
【0089】
添加剤成分
いくつかの実施形態では、触媒系は、添加剤を含まない。添加剤は、重合反応中に存
在する化学剤であり、オレフィン伝播を抑止しない。1つ以上の実施形態では、触媒系は
、添加剤を更に含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、助触媒として機能する。他の
実施形態では、添加剤は、捕捉剤又は除去剤として機能する。助触媒は、触媒と協働して
反応を触媒するか、又は触媒の触媒活性を改善する試薬である。理論に拘束されることを
意図するものではないが、式(I)のルイス塩基Tは、助触媒の存在なしに解離すると考
えられている。しかしながら、助触媒は、ルイス塩基と金属-配位子錯体の金属中心との
解離を促進し得るとも考えられている。
【0090】
除去剤は、プレ触媒を添加する前に反応器内の不純物を封鎖するため、活性化剤の性
質ではない。アルモキサンのロード量が少ないと、助触媒として作用せず、むしろ除去剤
として機能する。
【0091】
好適な添加剤としては、アルキルアルミニウム、ポリマー、又はオリゴマーアルモキ
サン(アルミノキサンとしても知られている)、中性ルイス酸、及び非ポリマー、非配位
性、イオン形成化合物(酸化条件下でのかかる化合物の使用を含む)が挙げられ得るが、
これらに限定されない。前述の添加剤及び技法のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図
される。「アルキルアルミニウム」という用語は、モノアルキルアルミニウムジヒドリド
若しくはモノアルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニムウヒドリド若しく
はジアルキルアルミニウムハライド、又はトリアルキルアルミニウムを意味する。ポリマ
ー又はオリゴマーのアルモキサンの例としては、メチルアルモキサン、トリイソブチルア
ルミニウムで修飾されたメチルアルモキサン、及びイソブチルアルモキサンが挙げられる
。
【0092】
いくつかの実施形態では、添加剤は、本明細書に記載の(C1-C20)ヒドロカル
ビル置換基を含有するルイス酸第13族金属化合物である。いくつかの実施形態では、添
加剤は、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-置換アルミニウム又はトリ((C1
-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物を含む。他の実施形態では、添加剤は、トリ
(ヒドロカルビル)-置換アルミニウム、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-ホ
ウ素化合物、トリ((C1-C10)アルキル)アルミニウム、トリ((C6-C18)
アリール)ホウ素化合物、及びそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体である
。
【0093】
1つ以上の実施形態では、重合プロセスは、ボレート系添加剤を更に含む。いくつか
の実施形態では、ボレート系添加剤は、トリス(フルオロ置換フェニル)ボラン、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボランから選択される。いくつかの実施形態では、助触媒は
、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)アンモニウムテトラ((C1-C20)ヒド
ロカルビル)ボレート(例えば、ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(
ペンタフルオロフェニル)ボレート)である。本明細書で使用されるとき、「アンモニウ
ム」という用語は、((C1-C20)ヒドロカルビル)4N+、((C1-C20)ヒ
ドロカルビル)3N(H)+、((C1-C20)ヒドロカルビル)2N(H)2
+、(
C1-C20)ヒドロカルビルN(H)3
+、又はN(H)4
+である窒素カチオンを意
味し、各(C1-C20)ヒドロカルビルは、2つ以上存在する場合、同一でも異なって
いてもよい。
【0094】
1つ以上の実施形態では、添加剤は、ポリマー又はオリゴマーアルミノキサン、特に
メチルアルミノキサン、並びに不活性、相溶性、非配位性、イオン形成化合物から選択さ
れ得る。例示的な好適な添加剤としては、修飾メチルアルミノキサン(modified methyl
aluminoxane、MMAO)、ビス(水素化牛脂アルキル)メチル、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート(1-)アンモニウム、トリエチルアルミニウム、ブチル化ヒ
ドロキシ-トルエンジエチルアルミニウム、ビス-(ブチル化ヒドロキシ-トルエン)エ
チルアルミニウム、トリス-(ブチル化ヒドロキシ-トルエン)アルミニウム、及びそれ
らの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施形態では、1つ以上の助触媒を、互いに組み合わせて使用することが
できる。助触媒の組み合わせの特定の例は、トリ((C1-C8)ヒドロカルビル)アル
ミニウム、トリ((C1-C4)ヒドロカルビル)ボラン、トリ((C6-C18)アリ
ール)ボラン、又はアンモニウムボレートと、オリゴマー若しくはポリマーアルモキサン
化合物との混合物である。式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数の、助触媒
のうちの1つ以上の総モル数との比は、1:10,000~100:1である。いくつか
の実施形態では、この比は、少なくとも1:5000であり、いくつかの他の実施形態で
は、少なくとも1:1000及び10:1以下であり、いくつかの他の実施形態では、1
:1以下である。アルモキサン単独が助触媒として使用される場合、好ましくは、アルモ
キサンのAlと式(I)の金属配位子錯体の金属との比(Al/M)は、少なくとも20
である。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを単独で助触媒として使用する場合、
いくつかの他の実施形態では、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数に対し
て用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのモル数は、0.5:1~10:
1、1:1~6:1、又は1:1~5:1である。
【0096】
触媒系の特性
本明細書に記載される式(I)の金属-配位子錯体及び1つ以上の助触媒を含むプロ
触媒は、以下に更に定義されるように、100を超える範囲、例えば、150超、200
超、300超、又は500超の反応性比r1を有する。
【0097】
挿入された最後のモノマーの属性が後続のモノマーの挿入速度を決定付けるランダム
コポリマーには、末端共重合モデルが用いられる。このモデルでは、以下のタイプの挿入
反応
【0098】
【数1】
式中、C
*は触媒を表し、M
iはモノマーiを表し、k
ijは速度式
【0099】
【0100】
反応媒体中のコモノマーのモル分率(i=2)は、次の等式によって定義される。
【0101】
【0102】
George Odian,Principles of Polymerizat
ion,Second Edition,John Wiley and Sons,1
970に開示されているように、コモノマー組成の簡単な等式を次のように導出すること
ができる。
【0103】
【0104】
この等式から、ポリマー中のコモノマーのモル分率は、反応媒体中のコモノマーのモ
ル分率、及び挿入速度定数に関して次のように定義された2つの温度依存反応性比にのみ
依存する。
【0105】
【0106】
あるいは、最後から2番目の共重合モデルでは、成長中のポリマー鎖に挿入された最
後2つのモノマーの属性が、その後のモノマー挿入の速度を決定付ける。重合反応は、以
下の形態であり、
【0107】
【0108】
【0109】
コモノマー含有量は、次のように計算することができ(これも上記のGeorge
Odianで開示されている)、
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
このモデルでも、ポリマー組成は、反応器内の温度依存反応性比及びコモノマーモル
分率のみの関数である。逆になったコモノマー又はモノマーの挿入が発生し得る場合、又
は2つを超えるモノマーの共重合の場合にも同じことが言える。
【0114】
前述のモデルで使用するための反応性比は、周知の理論手法を使用して予測するか、
又は実際の重合データから経験的に導出され得る。好適な理論手法は、例えば、B.G.
Kyle,Chemical and Process Thermodynamics
,Third Addition,Prentice-Hall,1999及びRedl
ich-Kwong-Soave(RKS)Equation of State,Ch
emical Engineering Science,1972,pp1197-1
203に開示されている。市販のソフトウェアプログラムを使用して、経験的に導出され
たデータからの反応性比の導出を支援してもよい。かかるソフトウェアの一例は、Asp
en Technology,Inc.,Ten Canal Park,Cambri
dge,MA 02141-2201 USAからのAspen Plusである。
【0115】
したがって、本発明によるエチレン系ポリマーを生成するためのプロセスは、アルフ
ァ-オレフィンの存在下でポリ(エチレンアルファ-オレフィン)コポリマーのリッチポ
リエチレン(例えば、高密度ポリエチレン)又はリッチポリエチレンセグメントを選択的
に与え、それによって実質的に重合されない。エチレン系ポリマーを生成するためのプロ
セスは、オレフィン重合条件を用いる。いくつかの実施形態では、オレフィン重合条件は
、独立して、1つ以上の他の成分の存在下で、式(I)の金属-配位子錯体を含むプロ触
媒と1つ以上の助触媒との反応によって形成される、インサイチュでの触媒を生成する。
かかる他の成分としては、(i)オレフィンモノマー、(ii)式(I)の別の金属-配
位子錯体、(iii)触媒系のうちの1つ以上、(iv)1つ以上の鎖シャトリング剤、
(v)1つ以上の触媒安定剤、(vi)1つ以上の溶媒、及び(vii)それらの任意の
2つ以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
特に本発明の触媒は、エチレン系ポリマーを生成するためのプロセスにおいて、(C
3-C40)アルファ-オレフィンの存在下でエチレンを重合するための高い選択性を達
成することができるものであり、高い選択性は、前述の反応性比r1を特徴とする。好ま
しくは、本発明のプロセスについて、反応性比r1は、50超、より好ましくは100超
、更により好ましくは150超、更により好ましくは200超である。本発明の反応性比
r1が無限大に近づくと、それによって生成されたリッチポリエチレンへの(又はその上
への)アルファ-オレフィンの組み込みが、0モルパーセント(mol%)に近づく。
【0117】
本明細書に記載されるプロ触媒及び1つ以上の助触媒を含む本発明の触媒組成物は、
活性金属中心1グラム当たり1000,000g超のポリマー、例えば、活性金属中心1
グラム当たり2000,000g超のポリマーの範囲の触媒効率を有する。触媒効率は、
溶液重合プロセスで使用される触媒量と比較して生成されるポリマーの量に関して測定さ
れ、重合温度は、少なくとも130℃、例えば、170~195℃の範囲であり、エチレ
ン濃度は、5g/L超、例えば、6g/L超であり、エチレン転化率は、70パーセント
超、例えば、80パーセント超、又は代替として、90パーセント超である。
【0118】
ポリオレフィン
本開示において記載される触媒系は、オレフィン、主にエチレン、プロピレン、α-
オレフィン、例えば、オクテン、及びジエンの重合に利用され得る。いくつかの実施形態
では、重合スキーム中に単一タイプのオレフィン又はα-オレフィンのみが存在し、ホモ
ポリマーを生成する。しかしながら、追加のα-オレフィンを重合手順に組み込んでもよ
い。追加のα-オレフィンコモノマーは、典型的には、20個以下の炭素原子を有する。
例えば、α-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子、又は3~8個の炭素原子
を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1
-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、及
び4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上
のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オク
テンからなる群から、又は代替として、1-ヘキセン及び1-オクテンからなる群から選
択され得る。
【0119】
エチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマー及び/又はインターポリマー
(コポリマーを含む)、並びに任意選択的にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマー
は、エチレンに由来するモノマー単位を少なくとも50モルパーセント(mol%)含み
得る。「少なくとも50モルパーセント」に包含される全ての個々の値及び部分範囲は、
別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、エチレンのホ
モポリマー及び/又はインターポリマー(コポリマーを含む)、並びに任意選択的にα-
オレフィンなどの1つ以上のコモノマーは、エチレン由来する少なくとも60モルパーセ
ントのモノマー単位、エチレンに由来する少なくとも70モルパーセントのモノマー単位
、エチレンに由来する少なくとも80モルパーセントのモノマー単位、又はエチレンに由
来する50~100モルパーセントのモノマー単位、又はエチレンに由来する80~10
0モルパーセントのモノマー単位を含み得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、触媒系は、エチレンに由来する少なくとも90モルパーセ
ントの単位を含むエチレン系ポリマーを生成し得る。少なくとも90モルパーセントから
の全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に
開示される。例えば、エチレン系ポリマーは、エチレンに由来する少なくとも93モルパ
ーセントの単位、少なくとも96モルパーセントの単位、エチレンに由来する少なくとも
97モルパーセントの単位、又は代替として、エチレンに由来する90~100モルパー
セントの単位、エチレンに由来する90~99.5モルパーセントの単位、又はエチレン
に由来する97~99.5モルパーセントの単位を含み得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、触媒系は、50モルパーセント(mol%)未満の追加の
α-オレフィンの量を有するエチレン系ポリマーを生成し、他の実施形態、追加のα-オ
レフィンの量は、少なくとも0.01mol%~25mol%を含み、更なる実施形態で
は、追加のα-オレフィンの量は、少なくとも0.1mol%~10mol%を含む。い
くつかの実施形態では、追加のα-オレフィンは1-オクテンである。
【0122】
エチレン系ポリマーは、本開示の実施形態による触媒系を組み込む他の従来の重合プ
ロセスによって生成され得る。かかる従来の重合プロセスとしては、1つ以上の従来の反
応器、例えばループ反応器、等温反応器、流動床気相反応器、撹拌槽型反応器、バッチ反
応器などの並列、直列、又はそれらの任意の組み合わせを使用する、溶液重合プロセス、
気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、
それらに限定されない。
【0123】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系
において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選択的に1つ以上
のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の助触媒の存在
下で重合される。別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重
ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選
択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示及び本明細書に記載の触媒系及び任意選択的
に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意選択的に
1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器又は第2の反応器において使用するこ
とができる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ
反応器系において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選択的に
1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において
重合される。
【0124】
別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば単一ループ反応器
系において、溶液重合によって生成することができ、エチレン、及び任意選択的に1つ以
上のα-オレフィンは、本開示内に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の助触媒の存
在下で、前の段落に記載のように重合される。
【0125】
エチレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤を更に含んでもよい。かかる添加剤として
は、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加
工助剤、紫外線安定剤、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない
。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含有してもよい。エチレン系ポリマーは、
エチレン系ポリマー及び1つ以上の添加剤の重量に基づいて、かかる添加剤を合計約0~
約10重量パーセント妥協し得る。エチレン系ポリマーは、充填剤を更に含み得、充填剤
としては、有機又は無機充填剤を挙げることができるが、これらに限定されない。エチレ
ン系ポリマーは、エチレン系ポリマー及び全ての添加剤又は充填剤の合計重量に基づいて
、例えば炭酸カルシウム、タルク、又はMg(OH)2などの約0~約20重量パーセン
トの充填剤を含有し得る。エチレン系ポリマーは、1つ以上のポリマーと更にブレンドさ
れてブレンドを形成することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーを製造するための重合プロセスは、触
媒系の存在下でエチレンと少なくとも1つの追加のα-オレフィンを重合することを含み
、ここで、触媒系は、少なくとも1つの式(I)の金属-配位子錯体を組み込んでいる。
式(I)の金属-配位子錯体を組み込むかかる触媒系から得られるポリマーは、ASTM
D792(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、例えば、0.
850g/cm3~0.970g/cm3、0.870g/cm3~0.950g/cm
3、0.870g/cm3~0.920g/cm3、又は0.870g/cm3~0.9
00g/cm3の密度を有し得る。
【0127】
実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、
5~15のメルトフロー比(I10/I2)を有し、メルトインデックスI2は、AST
M D1238(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、190℃
及び2.16kgのロードで測定され、メルトインデックスI10は、ASTM D12
38に従って、190℃及び10kgのロードで測定される。他の実施形態では、メルト
フロー比(I10/I2)は5~10であり、また他の実施形態では、メルトフロー比は
5~9である。
【0128】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポ
リマーは、0.1~100のメルトインデックス(I2)を有し、メルトインデックスI
2は、ASTM D1238(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従っ
て、190℃及び2.16kgのロードで測定される。
【0129】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポ
リマーが、1.0~25の分子量分布(molecular-weight distribution、MWD)を有
し、ここで、MWDはMw/Mnとして定義され、Mwは重量平均分子量であり、Mnは
数平均分子量である。他の実施形態では、触媒系から得られたポリマーは、1.5~6の
MWDを有する。別の実施形態は、1.5~3のMWDを含み、他の実施形態は、2~2
.5のMWDを含む。
【0130】
SymRAD HT-GPC分析
分子量データは、Symyx/Dowにより構築された、ハイブリットのロボット支
援希釈高温度ゲル浸透クロマトグラフィー装置(Sym-RAD-GPC)における分析
によって決定する。ポリマー試料を、300百万分率(parts per million、ppm)の
ブチル化ヒドロキシルトルエン(butylated hydroxyl toluene、BHT)によって安定化
された10mg/mLの濃度で、1,2,4-トリクロロベンゼン(trichlorobenzene、
TCB)中に160℃で120分間加熱することによって溶解させる。250μLアリコ
ートの試料を注入する直前に、各試料を1mg/mLに希釈した。GPCは、160℃で
2.0mL/分の流速で2つのPolymer Labs PLgelの10μm MI
XED-Bカラム(300×10mm)を備える。試料検出を、濃度モードでPolyC
har IR4検出器を使用して行う。狭ポリスチレン(polystyrene、PS)標準の従
来の較正は、この温度でのTCBにおけるPS及びPEの既知のMark-Houwin
k係数を使用してホモポリエチレン(polyethylene、PE)に調整された見かけの単位で
利用される。
【0131】
1-オクテン組み込みIR分析
HT-GPC分析用の試料の実行がIR分析に先行する。IR分析の場合、試料の堆
積及び1-オクテン取り込みの分析には、48ウェルのHTシリコンウエハを利用する。
分析のために、試料を210分以下にわたって160℃に加熱し、試料を再加熱して磁気
GPC撹拌棒を除去し、J-KEM Scientific加熱ロボットシェーカー上の
ガラスロッド撹拌棒で振とうする。試料をTecan MiniPrep 75堆積ステ
ーションを使用して加熱しながら堆積させ、1,2,4-トリクロロベンゼンを窒素パー
ジ下、160℃でウエハの堆積ウェルから蒸発させる。1-オクテンの分析は、NEXU
S 670 E.S.P.FT-IRを使用して、HTシリコンウエハ上で行う。
【実施例】
【0132】
実施例1~22は、配位子の中間体、配位子自体、及び配位子を含む単離された金属
-配位子錯体の合成手順である。実施例24は、実施例1~23に従って調製された金属
-配位子錯体から得られた重合結果を記載している。実施例1~23は、本開示に記載さ
れた実施形態を例証するために提供され、本開示又はその添付の特許請求の範囲を限定す
ることを意図するものではないことを理解されたい。
【0133】
実施例1-本発明の金属-配位子錯体1(IMLC-1)の合成:
【0134】
【0135】
窒素グローブボックスにおいて、オーブン乾燥したバイアルに、ScCl3(0.0
16g、0.106mmol)、THF(約50mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。混合
物を-30℃で冷却し、次いでLiCH2TMS(ペンタン中1.0M、0.35mL、
0.35mmol)を滴加し、次いで混合物を室温で1.5時間撹拌した。この混合物に
、THF(約10mL)中1当量の配位子式i(0.168g、0.106mmol)を
ゆっくりと添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで溶媒を真空中で除去し
て、IMLC-1を白色の固体(0.154g、83%)として得た。
【0136】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.18(dd,J=10.3
,8.2Hz,2H),8.08(dd,J=11.9,8.3Hz,2H),7.93
(d,J=1.7Hz,1H),7.71(dd,J=7.7,1.7Hz,2H),7
.66(d,J=2.8Hz,1H),7.61(d,J=2.7Hz,1H),7.5
7(dd,J=8.8,1.7Hz,2H),7.54-7.44(m,3H),7.4
0-7.29(m,4H),7.21(dd,J=1.8,0.8Hz,1H),7.0
5(dd,J=1.8,0.8Hz,1H),4.07(s,1H),3.74-3.6
1(m,3H),3.61-3.52(m,2H),3.21-3.10(m,2H),
1.74(s,3H),1.70-1.63(m,2H),1.62(s,9H),1.
60-1.53(m,2H),1.51(s,9H),1.48(s,3H),1.39
-1.23(m,34H),1.37(s,3H),1.30(s,9H),1.21(
s,9H),1.16-1.02(m,5H),0.96-0.84(m,6H),0.
90(s,9H),0.89(s,9H),0.77(dt,J=9.4,6.9Hz,
2H),0.66(d,J=6.8Hz,2H),0.26(s,3H),0.24(s
,3H),0.15(s,3H),0.12(s,3H),-0.32(s,9H),-
0.66(d,J=12.3Hz,1H),-1.37(d,J=12.3Hz,1H)
。
【0137】
国際公開第2017/058981(A1)号に詳述されている配位子式iの調製。
【0138】
実施例2-本発明の金属-配位子錯体2(IMLC-2)の合成:
【0139】
【0140】
グローブボックスにおいて、バイアルに、ScCl3(0.027g)、THF(約
10mL)、及び磁気撹拌棒を入れる。混合物を-30℃で冷却した後、LiCH2TM
S(約0.55mL)を室温で滴加した。2時間撹拌した後、THF(約5mL)中の1
当量の配位子式ii(0.226g)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。
次いで溶媒を真空中で除去して、IMLC-2を白色の固体(0.074mg、収率28
%)として得た。
【0141】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)(選ばれたピーク)δ 8.20(
d,J=8.2Hz,1H),8.16(d,J=8.2Hz,1H),8.14-8.
09(m,1H),8.06(d,J=8.3Hz,2H),7.81(d,J=1.7
Hz,1H),7.61(d,J=1.6Hz,1H),7.57(d,J=2.7Hz
,1H),7.51-7.40(m,4H),7.35-7.26(m,6H),7.2
2-7.17(m,1H),7.03(dd,J=9.0,3.2Hz,1H),6.4
3-6.35(m,1H),6.26-6.18(m,1H),3.97-3.85(m
,1H),3.58-3.40(m,5H),3.20-3.11(m,2H),1.5
9(s,9H),1.50(s,9H),1.27(s,9H),1.19(s,9H)
,0.85(s,9H),0.83(s,9H),-0.31(s,9H),-0.70
(d,J=12.3Hz,1H),-1.42(d,J=12.3Hz,1H)。
【0142】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-115.55,-116.8
3。
【0143】
国際公開第2014/105411(A1)号に詳述されている配位子式iiの調製
。
【0144】
実施例3-本発明の金属-配位子錯体3(IMLC-3)の合成:
【0145】
【0146】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、ScCl3(0.200g)
、THF(約25mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。これにゆっくりとLiCH2TMS
(ヘキサン中1.0M、4mL)を添加し、この混合物を室温で4時間撹拌した。この無
色のほとんどの透明な混合物に、配位子式iii(1.62g)を添加し、反応混合物の
即時暗色化を観察した(透明な濃灰色)。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、混合物
を濾過し、次いで濾液を真空乾燥させて、IMLC-3をオフホワイトの固体(1.08
g、収率57%)として得た。
【0147】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)(主要生成物の選ばれたピーク)δ
8.58(s,1H),8.48(d,J=6.9Hz,2H),8.43(s,1H
),8.26(s,1H),7.77-6.95(m,12H),6.85(s,1H)
,6.51(d,J=4.9Hz,1H),6.45-6.34(m,1H),5.54
(s,1H),5.23(s,1H),4.51(s,1H),3.63(s,2H),
3.44(s,1H),3.36(m,2H),2.86(m,2H),1.51(s,
9H),1.499(s,9H),1.497(s,9H),1.44(s,9H),0
.84(m,18H),-0.24(s,9H),-1.39-1.45(m,2H),
-2.00(d,J=12.7Hz,1H)。
【0148】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-115.52,-118.5
1。
【0149】
国際公開第2012/027448(A1)号に詳述されている配位子式iiiの調
製。
【0150】
実施例4-本発明の金属-配位子錯体4(IMLC-4)の合成:
【0151】
【0152】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、ScCl3(0.030g、
0.20mmol)、THF(約50mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。LiCH2TM
S(ペンタン中1.0M、0.60mL、0.60mmol)をゆっくりと添加し、次い
で混合物を室温で2時間撹拌した。配位子式iv(0.249g、0.199mmol)
をTHFに溶解させ、次いで瓶にゆっくりと添加し、内容物を室温で18時間撹拌した。
次いで溶媒を真空中で除去し、生成物をペンタン中で抽出し、フリット漏斗を通過させた
。濾液を減圧下で濃縮して、IMLC-4を白色の固体(0.213g、収率74%)と
して得た。
【0153】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-115.54,-117.6
9。
【0154】
国際公開第2016/003878(A1)号に詳述されている配位子式ivの調製
。
【0155】
実施例5-本発明の金属-配位子錯体5(IMLC-5)の合成:
【0156】
【0157】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、ScCl3(0.029g、
0.19mmol)、THF(約50mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。LiCH2TM
S(ペンタン中1.0M、0.58mL、0.58mmol)をゆっくりと添加し、次い
で混合物を室温で2時間撹拌した。配位子式v(0.269g、0.192mmol)を
THFに溶解させ、次いで瓶にゆっくりと添加し、内容物を室温で18時間撹拌した。次
いで溶媒を真空中で除去し、生成物をペンタン中で抽出し、フリット漏斗を通過させた。
濾液を減圧下で濃縮して、IMLC-5を白色の固体(0.075g、収率24%)とし
て得た。
【0158】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)(主要生成物の選ばれたピーク)δ
8.21-8.10(m,3H),8.07(d,J=8.3,1H),7.69(d
,J=1.7Hz,1H),7.54(d,J=3.0,1H),7.51-7.30(
m,10H),7.26(q,J=3.0Hz,1H),7.04(d,J=5.6Hz
,1H),6.41-6.34(m,1H),6.26-6.16(m,1H),5.2
0(d,J=12.6Hz,1H),4.76(d,J=12.1Hz,1H),4.0
3(d,J=12.5Hz,1H),3.78(d,J=12.0Hz,1H),3.6
2-3.46(m,2H),3.06(m,2H),1.51(s,9H),1.46(
s,9H),1.34(s,9H),1.28(s,9H),0.72(s,9H),0
.68(s,9H),0.34(s,3H),-0.31(s,9H),-0.60(d
,J=12.7Hz,1H),-1.17(d,J=12.6Hz,1H)。
【0159】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-116.68,-117.5
5。
【0160】
実施例6-2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチル-フェノールの合成-配位子式(
v)の調製:
【0161】
【0162】
1リットルのガラス瓶に、アセトニトリル(acetonitrile、ACN)(400mL)
、4-フルオロ-6-メチル-フェノール(50g、396mmol)、及びp-トルエ
ンスルホン酸(一水和物)(p-toluenesulfonic acid、PTSA)(75.6g、396
mmol)を充填し、全てが溶液中にあることを確認した。溶液を氷で25分間、0℃に
冷却した(沈殿物が形成された)。冷却した溶液を、(およそ5分間にわたって)N-ブ
ロモスクシンイミド(N-bromosuccinimide、NBS)(70.6g、396mmol)で
ゆっくりと処理し、一晩撹拌しながら室温に到達させた。揮発性物質を真空下で除去し、
得られた固体をCH2Cl2(600mL)で処理し、冷凍庫(0℃)で冷却し、シリカ
ゲルの大きなプラグを通して濾過した。シリカゲルを、冷CH2Cl2で数回洗浄した。
揮発性物質を真空下で除去して、生成物(46g、56%)を得た。
【0163】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.05(ddd,J=7.7,3
.0,0.7Hz,1H),6.83(ddt,J=8.7,3.0,0.8Hz,1H
),5.35(s,1H),2.29(d,J=0.7Hz,3H);19F NMR(
376MHz,CDCl3)δ-122.84。
【0164】
実施例7-ビス((2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ)メチル)ジ
イソプロピルゲルマンフェノールの合成-配位子式(v)の調製:
【0165】
【0166】
グローブボックスにおいて、磁気撹拌棒を備えた250mLのフラスコ内で、水素化
ナトリウム(NaH)(1.756g)(注意H2ガスが生成される)を、水素発生が停
止するまで、DMF(35mL)中の2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチル-フェノー
ル(15g、73.16mmol)の溶液にゆっくりと添加した。この混合物を、室温で
30分間撹拌した。この時間の後、ジイソプロピルゲルミルジクロリド(6.286g、
24.4mmol)を添加した。混合物を55℃に温め、この温度で18時間保持した。
この反応物をグローブボックスから取り出し、飽和NH4Cl水溶液(20mL)及びH
2O(8mL)でクエンチした。Et2O(30mL)を添加し、相を分液漏斗に移し、
分離した。水相をEt2O(20mL)で更に抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(
10mL)で洗浄した。次いで有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮乾固させ
た。粗残渣をシリカゲル上にドライロードし、次いでフラッシュクロマトグラフィー(1
00mL/分、20分かけて10%に上昇する酢酸エチルを含む純粋なヘキサン)を使用
して精製して、淡黄色の油を生成物として得た。全ての清浄な画分(いくつかの画分は、
出発フェノールの10%未満を含有していた)を合わせ、最終生成物を真空下、Schl
enkライン上で一晩放置した(収量:9g、62%)。
【0167】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.10(dd,J=7.7,3.
0Hz,2H),6.84(ddd,J=8.8,3.1,0.8Hz,2H),4.1
4(s,4H),2.33(s,6H),1.74(hept,J=7.4Hz,2H)
,1.35(d,J=7.4Hz,12H);19F NMR(376MHz,CDCl
3)δ-118.03。
【0168】
実施例8-配位子式(v)の合成:
【0169】
【0170】
撹拌棒を備えた500mLのガラス瓶に、2,7-ジ-tert-ブチル-9-(2
-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3-(4,4,5,5-テト
ラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2,4,4-トリメチル
ペンタン-2-イル)フェニル)-9H-カルバゾール()(29.0g、41.9mm
ol)、ビス((2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ)メチル)ジイソプ
ロピルゲルマン(6.00g、8.65mmol、10%の2-ブロモ-4-フルオロ-
2-メチル-フェノールを含有する)、及びTHF(80mL)を充填した。溶液を55
℃に加熱し、撹拌しながら、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2
-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(tBu3P-PdG2)(199mg、0
.346mmol、4mol%)で処理した。NaOH水溶液(17.3mL、51.9
mmol、3M)を窒素で20分間パージし、次いでTHF溶液に添加した。反応物を5
5℃で一晩撹拌した。水相を分離し、廃棄し、残存する有機相をジエチルエーテルで希釈
し、ブラインで2回洗浄した。溶液をシリカゲルの短いプラグに通した。濾液を回転蒸発
器で乾燥させ、THF/MeOH(40mL/40mL)に溶解させ、HCl(2mL)
で処理し、70℃で一晩撹拌した。溶液を真空下で乾燥させ、C18逆相カラムクロマト
グラフィー(収量:6.5g、54%)によって精製した。
【0171】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.01(d,J=8.2Hz,4
H),7.42(dd,J=25.5,2.4Hz,4H),7.32(dd,J=8.
2,1.6Hz,4H),7.17(s,4H),6.87(ddd,J=16.4,8
.8,3.0Hz,4H),6.18(s,2H),3.79(s,4H),2.12(
s,6H),1.71(s,6H),1.56(s,4H),1.38(s,12H),
1.31(s,36H),0.83-0.73(m,30H);19F NMR(376
MHz,CDCl3)δ-119.02。
【0172】
実施例9-本発明の金属-配位子錯体6(IMLC-6)の合成:
【0173】
【0174】
国際公開第2018/170138(A1)号に詳述されている配位子式viの調製
。グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、ScCl3(0.217g、1
.44mmol)、THF(約100mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。LiCH2TM
S(ペンタン中1.0M、4.4mL、4.4mmol)をゆっくりと添加し、次いで混
合物を室温で2時間撹拌した。配位子式vi(1.58g、1.44mmol)をTHF
に溶解させ、次いで瓶にゆっくりと添加し、内容物を室温で18時間撹拌した。次いで溶
媒を真空中で除去し、生成物をペンタン中で抽出し、フリット漏斗を通過させた。濾液を
減圧下で濃縮して、IMLC-6をオフホワイトの固体(1.28g、収率68%)とし
て得た。
【0175】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ(主要生成物の選ばれたピーク)
8.22(d,J=7.6Hz,1H),8.19(d,J=7.7Hz,1H),8.
09(d,J=8.2Hz,1H),8.04(d,J=8.2Hz,1H),7.93
(d,J=7.9Hz,1H),7.63(d,J=7.9Hz,1H),7.60-7
.02(重複,18H),6.75(ddd,J=9.0,7.3,3.2Hz,1H)
,6.45-6.38(m,1H),5.59(ddd,J=8.7,4.9,3.7H
z,1H),4.92(dd,J=8.9,5.1Hz,1H),4.85(dd,J=
9.1,5.0Hz,1H),4.42(t,J=12.2Hz,1H),3.73-3
.61(m,2H),3.30-3.17(m,2H),-0.27(s,10H),-
1.72(d,J=12.7Hz,1H),-2.23(d,J=12.6Hz,1H)
。
【0176】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-116.55,-118.2
3。
【0177】
実施例10-配位子式(vii)の調製-4-(オクチルオキシ)フェノール(2)
の合成
【0178】
【0179】
DMF(100mL)中のヒドロキノン(1)(20g、0.181mol)の撹拌
溶液に、NaOH(6.67g、0.167mol)を添加した。次いで1-ブロモオク
タン(n-Oct-Br)(26.1mL、0.150mol)を室温でフラスコに滴加
し、続いて反応混合物を60℃に加熱し、この温度で12時間撹拌した。室温まで冷却し
た後、反応混合物を水(300mL)に注ぎ、水相をEtOAc(300mL)で抽出し
た。有機層を水(3×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次
いで濃縮乾固させた。残渣をSiO2ゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
生成物を、石油(pet)エーテル中の10% EtOAcを使用して溶出し、これによ
り15.5g(46%)の4-(オクチルオキシ)フェノール(2)を得た:1H NM
R(400MHz,CDCl3)δ 0.91(t,J=6.92Hz,3H),1.3
1-1.48(m,10H),1.74-1.81(m,2H),3.92(t,J=6
.60Hz,2H),6.76-6.82(m,4H)。
【0180】
実施例11-配位子式(vii)の調製-2-ヨード-4-(オクチルオキシ)フェ
ノール(3)の合成
【0181】
【0182】
MeOH(200mL)中の4-(オクチルオキシ)フェノール(2)(15.5g
、0.069mol)の溶液に、ヨウ化カリウム(KI)(12.6g、0.076mo
l)を添加した。反応混合物を0℃に冷却した。0~3℃の温度を維持しながら、NaO
H(3.28g、0.082mol)及び13%次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水
溶液(39.9mL、0.069mol)を3時間かけて滴加した。得られた混合物を0
~3℃で8時間撹拌した。混合物を、1.5の通常(N)HCl水溶液を使用して中和し
、MeOHを減圧下、35℃で除去した。水層をEtOAc(2×200mL)で抽出し
、合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで濃縮乾固させた。得ら
れた残渣を、石油エーテル中の10% EtOAcを使用するSiO2ゲルカラムクロマ
トグラフィーによって精製して、5.2g(22%)の2-ヨード-4-(オクチルオキ
シ)フェノール(3)を得た。
【0183】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.90(t,J=7.20Hz,
3H),1.27-1.46(m,10H),1.71-1.77(m,2H),3.8
8(t,J=6.40Hz,2H),4.90(s,1H),6.83(dd,J=2.
80,8.80Hz,1H),6.91(d,J=8.80Hz,1H),7.19(d
,J=2.80Hz,1H);
LCMS:347(M-1)。
【0184】
実施例12-配位子式(vii)の調製-2-(2-ヨード-4-(オクチルオキシ
)フェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(4)の合成
【0185】
【0186】
塩化メチレン(CH2Cl2)(50mL)中の2-ヨード-4-(オクチルオキシ
)フェノール(3)(5.2g、0.014mol)の溶液に、パラ-トルエンスルホン
酸(p-TsOH)(0.026g、0.00014mol)を添加した。撹拌溶液を0
℃に冷却し、次いで3,4ジヒドロ-2H-ピラン(3.8mL、0.042mol)を
滴加した。得られた混合物を室温に温め、次いで16時間撹拌した。反応混合物を、減圧
下で濃縮乾固させた。残渣を、石油エーテル中の2~3% EtOAcで溶出する中性ア
ルミナカラムクロマトグラフィーによって精製して、5.1g(84%)の2-(2-ヨ
ード-4-(オクチルオキシ)フェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(4)を得た。
【0187】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.90(t,J=7.20Hz,
3H),1.30-1.63(m,11H),1.68-1.78(m,4H),1.8
4-1.91(m,1H),1.97-2.01(m,1H),2.13-2.17(m
,1H),3.59-3.64(m,1H),3.87-3.96(m,3H),5.3
8(s,1H),6.83(dd,J=2.80,8.80Hz,1H),7.00(d
,J=8.80Hz,1H),7.32(d,J=2.80Hz,1H);
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 14.1,18.4,22.7,
25.3,26.0,29.2,29.3,30.3,31.8,61.8,68.7,
87.8,97.5,115.5,116.3,124.9,149.9,154.2。
【0188】
実施例13-配位子式(vii)の調製-2,7-ジ-tert-ブチル-9-(5
-(オクチルオキシ)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)フェ
ニル)-9H-カルバゾール(6)の合成
【0189】
【0190】
100mLのフラスコに、2-(2-ヨード-4-オクトキシ-フェノキシ)テトラ
ヒドロピラン(4)(2.45g、5.67mmol)、2,7-ジtert-ブチル-
9H-カルバゾール(5)(2.06g、7.37mmol)、ヨウ化銅(CuI)(0
.03g、0.17mmol)、ジアミン(0.12ml、1.19mmol)、及び三
塩基性リン酸カリウム(K3PO4)(3.01g、14.17mmol)を充填し、次
いでトルエン(22mL)を添加した。フラスコに凝縮器を取り付け、溶液を135℃で
18時間撹拌した(外部温度、反応は還流していなければならない)。依然として、約5
0%の出発物質が残っているように見えた。追加のCuI及びジアミン(上記と同じ量)
を添加し、反応を一晩続けた。反応は、依然として進行していた。追加のCuI(32m
g)を添加し、反応を一晩続けた。反応は、依然として進行していた。追加のCuI(3
2mg)を添加し、反応を一晩続けた。
【0191】
反応物を室温まで冷却し、次いでSiO2ゲルプラグを通して濾過した。プラグをE
t2O(65mL)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を、SiO2ゲルカラム
クロマトグラフィー(15g CELITEロードカートリッジ、80g SiO2、6
0mL/分、0%ヘキサン~20%ヘキサン/アセトン)を使用して直接精製した。物質
は清潔ではないため、第2のカラムを実行した。残渣を、逆相カラムクロマトグラフィー
(15g CELITEロードカートリッジ、50g C18、0% THF~10%
THF/CH3CN、次いで95% THF/CH3CNに上昇させ、5分間保持する)
を使用して直接精製した。生成物2,7-ジtert-ブチル-9-(5-オクトキシ-
2-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-フェニル)カルバゾール(6)を、収率73
%(2.4g)でオフホワイトの固体として得た。
【0192】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.97(ddd,J=8.2,1
.6,0.6Hz,2H),7.39(d,J=9.0Hz,1H),7.29(dd,
J=8.2,1.7Hz,2H),7.24(dd,J=1.7,0.6Hz,1H),
7.17(dd,J=1.7,0.6Hz,1H),7.04(d,J=3.0Hz,1
H),7.00(dd,J=9.0,3.1Hz,1H),5.08-4.94(m,1
H),3.94(t,J=6.6Hz,2H),3.69(td,J=10.9,2.9
Hz,1H),3.42(dt,J=11.3,3.7Hz,1H),1.79(p,J
=6.7Hz,2H),1.54-1.00(m,34H),0.92-0.82(m,
3H)。
【0193】
実施例14-配位子式(vii)の調製-2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジ
イルビス(オキシ))ビス(3-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール
-9-イル)-5’-フルオロ-3’-メチル-5-(オクチルオキシ)-[1,1’-
ビフェニル]-2-オール)(8)(式(vii)の配位子)の合成
【0194】
【0195】
6からのArZnX溶液の調製:
ヘキサン(0.76mL、1.82mmol)中の2.4M n-ブチルリチウム(
n-BuLi)を、グローブボックス内の40mLバイアル中の2,7-ジtert-ブ
チル-9-(5-オクトキシ-2-テトラヒドロピラン-2-イルオキシ-フェニル)カ
ルバゾール(6)(1.01g、1.74mmol)の、-35℃のTHF(7mL、乾
燥及び脱気)溶液に添加した。溶液を1.5時間撹拌し、次いで-35℃に再冷却した。
次いで、THF(3mL)中のジクロロ亜鉛(ZnCl2)(0.23g、1.70mm
ol)の溶液を添加し、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。
【0196】
交差結合:
ジブロミド7(0.34g、0.76mmol)及びPd-Amphos(0.01
g、0.03mmol)のTHF(3mL)溶液を、6から調製した上記ArZnX溶液
に添加した。反応物を50℃に温め、この温度で18時間維持した。この時間の後、バイ
アルをグローブボックスから取り出し、MeOH(5mL)及び濃HCl(ガラスピペッ
トから5滴)を反応混合物に添加した。この溶液を室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下
で除去した。残存する粗残渣をMeOH(4×5mL)から蒸発させて、褐色の固体を得
た。この固体をMeOH(10mL)で粉砕し、不溶性生成物を濾過によって収集した。
濾過ケーキをMeOH(2×4mL)で洗浄した。濾過ケーキ中の固体を収集し、真空下
で乾燥させて、2-(2,7-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-6-[2
-[3-[2-[3-(2,7-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-2-ヒ
ドロキシ-5-オクトキシ-フェニル]-4-フルオロ-6-メチル-フェノキシ]プロ
ポキシ]-5-フルオロ-3-メチル-フェニル]-4-オクトキシ-フェノール(8)
(0.675g、収率:69%)を黄褐色の固体として得た。
【0197】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.99(d,J=8.2Hz,4
H),7.29(dd,J=8.2,1.7Hz,4H),7.08(d,J=1.5H
z,4H),7.04-6.95(m,6H),6.87-6.80(m,2H),6.
06(s,2H),3.88(t,J=6.6Hz,4H),3.65(t,J=6.2
Hz,4H),2.03(s,6H),1.83-1.64(m,6H),1.48-1
.22(m,56H),0.94-0.79(m,6H);19F NMR(376MH
z,CDCl3)δ-118.36。
【0198】
実施例15-本発明の金属-配位子錯体7(IMLC-7)の合成:
【0199】
【0200】
ScCl3(0.02g、0.16mmol)のTHF(6mL)溶液を、-35℃
に冷却した。ペンタン(1M、0.5mL、0.497mmol)中の1M TMSCH
2Liを冷溶液に添加し、次いでこれを室温で4時間撹拌し、次いでわずかに濁った溶液
を冷凍庫(-35℃)で5分間冷却した。THF(1mL)中の配位子式vii(0.2
g、0.16mmol)を滴加した。溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空によって除
去し、次いでペンタン(4mL)を残渣に添加した。混合物を1分間撹拌し、次いで溶媒
を真空によって除去した。ペンタン(5mL)を残渣に添加し、混合物をCELITEの
パッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(5mL)で更に抽出した。合
わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて、(IMLC-7)をオフホワイトの固体(
65%、0.150g)として得た。
【0201】
1H NMR(400MHz,C6D6)(選ばれたピーク)δ 8.20(d,J
=8.2Hz,1H),8.15(dd,J=8.2,5.5Hz,2H),8.07(
d,J=8.2Hz,1H),7.82(d,J=1.6Hz,1H),7.65(d,
J=1.6Hz,1H),7.60(d,J=1.6Hz,1H),7.50-7.40
(m,3H),7.35(ddd,J=13.0,8.3,1.7Hz,2H),7.1
4(d,J=3.5Hz,1H),7.10(d,J=3.4Hz,1H),7.02(
d,J=3.4Hz,1H),6.99(dd,J=9.3,3.2Hz,1H),6.
95(d,J=3.4Hz,1H),6.81(dd,J=9.0,3.3Hz,1H)
,6.29(dd,J=8.2,3.1Hz,1H),6.14(dd,J=8.3,3
.1Hz,1H),3.91(dd,J=10.7,8.2Hz,1H),3.68(d
t,J=9.1,6.4Hz,1H),3.55(ddt,J=21.5,9.1,6.
3Hz,2H),3.49-3.33(m,4H),3.31-3.24(m,1H),
3.23-3.12(m,3H),1.50(s,9H),1.42(s,9H),1.
31(s,9H),1.26(s,9H),-0.30(s,9H),-0.70(d,
J=12.2Hz,1H),-1.33(d,J=12.2Hz,1H)。
【0202】
19F NMR(376MHz,C6D6)δ-115.84,-117.09。
【0203】
実施例16-本発明の金属-配位子錯体8(IMLC-8)の合成:
【0204】
【0205】
国際公開第2016/089935(A1)号で引用された手順に従って調製された
配位子式viii。
【0206】
ScCl3(0.0356g、0.235mmol)のTHF(6mL)溶液を、-
35℃に冷却した。ペンタン中のTMSCH2Li(1M、0.739mL、0.739
mmol)を冷溶液に添加し、これを室温で4時間撹拌し、次いでわずかに濁った溶液を
冷凍庫(-35℃)で5分間冷却した。THF(1mL)中の配位子式viii(0.2
75g、0.224mmol)を冷溶液に滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
溶媒を真空によって除去し、次いでペンタン(4mL)を残渣に添加した。混合物を1分
間撹拌し、次いで溶媒を真空によって除去した。ペンタン(10mL)を残渣に添加し、
混合物をCELITEのパッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(2×
8mL)で更に抽出した。合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて、オフホワイト
の固体を得た。ペンタン(5mL)を固体に添加し、溶液を冷凍庫(-35℃)に入れた
。72時間後、ペンタン層をピペットを使用して除去した。残存する白色の固体を真空下
で乾燥させて、(IMLC-8)を白色の固体(55%、0.175g)として得た。
【0207】
1H NMR(400MHz,C6D6)(選ばれたピーク)δ 8.01(d,J
=8.2Hz,1H),7.93(dd,J=8.2,4.7Hz,2H),7.86(
d,J=8.2Hz,1H),7.73(d,J=1.6Hz,1H),7.47(d,
J=2.6Hz,1H),7.40(d,J=2.6Hz,1H),7.37(dd,J
=8.2,1.6Hz,1H),7.32-7.17(m,7H),7.13-7.04
(m,3H),6.76(dd,J=8.6,3.1Hz,1H),6.68(dd,J
=8.2,3.1Hz,1H),5.37(d,J=2.0Hz,1H),4.60(d
,J=2.0Hz,1H),2.64(s,2H),2.48(s,2H),2.28(
s,3H),1.86(s,3H),1.59(s,9H),1.34(s,3H),1
.29(s,9H),1.23(s,9H),1.17(s,3H),1.09(d,J
=1.2Hz,9H),0.92(s,9H),0.84(s,9H),-0.51(d
,J=1.1Hz,9H),-1.17(d,J=12.4Hz,1H),-1.44(
d,J=12.4Hz,1H)。
【0208】
19F NMR(376MHz,C6D6)δ-114.87,-117.57。
【0209】
実施例17-本発明の金属-配位子錯体9(IMLC-9)の合成:
【0210】
【0211】
国際公開第2014/105411(A1)号に詳述されている配位子式ixの調製
。
【0212】
ScCl3(0.0448g、0.296mmol)のTHF(8mL)溶液を、-
35℃に冷却した。ペンタン中のTMSCH2Li(1M、0.902mL、0.902
mmol)を冷溶液に添加し、これを室温で4時間撹拌し、次いでわずかに濁った溶液を
冷凍庫(-35℃)で5分間冷却した。THF(1mL)中の配位子式ix(0.350
g、0.282mmol)を冷溶液に滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒
を真空によって除去し、次いでペンタン(10mL)を添加し、混合物をCELITEの
パッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(2×4mL)で更に抽出した
。新しいバイアルを使用し、次いでCELITEパッドをトルエン(2×8mL)で抽出
した。合わせたトルエン抽出物を真空下で乾燥させて、オフホワイトの半固体を得た。ペ
ンタン(6mL)を半固体に添加し、物質を粉砕して白色の粉末を得た。ペンタン層をピ
ペットを使用して除去した。固体を真空下で乾燥させて、(IMLC-9)を白色の固体
(57%、0.230g)として得た。
【0213】
1H NMR(400MHz,C6D6)(選ばれたピーク)δ 8.22(d,J
=8.2Hz,1H),8.17(d,J=8.2Hz,1H),8.13(d,J=8
.2Hz,1H),8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.68(d,J=1.6
Hz,1H),7.59(d,J=1.6Hz,1H),7.46-7.29(m,10
H),7.21(dt,J=9.1,2.8Hz,2H),6.37(dd,J=8.5
,3.1Hz,1H),6.28(ddd,J=8.8,7.3,3.2Hz,1H),
5.80(dd,J=8.8,5.2Hz,1H),4.13(t,J=9.6Hz,1
H),3.76(ddd,J=9.5,6.4,3.3Hz,1H),3.65(td,
J=8.7,3.3Hz,1H),3.60-3.51(m,1H),3.12(d,J
=7.6Hz,2H),3.03(d,J=7.9Hz,2H),1.47(s,9H)
,1.37(s,9H),1.26(s,9H),1.25(s,9H),1.16(d
,J=5.4Hz,12H),0.84(s,9H),0.79(s,9H),-0.2
6(s,9H),-0.64(d,J=12.7Hz,1H),-1.60(d,J=1
2.7Hz,1H)。
【0214】
19F NMR(376MHz,C6D6)δ-115.93,-116.71。
【0215】
実施例18-本発明の金属-配位子錯体10(IMLC-10)の合成:
【0216】
【0217】
米国特許第9522855(B2)号で引用された手順に従って調製された配位子式
x。
【0218】
ScCl3(0.0640g、0.423mmol)のTHF(8mL)溶液を、-
35℃に冷却した。ペンタン中のTMSCH2Li(1M、1.29mL、1.29mm
ol)を冷溶液に添加し、次いでこれを室温で4時間撹拌し、次いでわずかに濁った溶液
を冷凍庫(-35℃)で5分間冷却した。THF(1mL)中の配位子式x(0.350
g、0.403mmol)を滴加した。溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空によって
除去し、次いでペンタン(4mL)を残渣に添加した。混合物を1分間撹拌し、次いで溶
媒を真空によって除去した。ペンタン(10mL)を残渣に添加し、混合物をCELIT
Eのパッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(2×8mL)で更に抽出
した。新しいバイアルを使用し、次いでCELITEパッドをトルエン(2×10mL)
で抽出した。合わせたトルエン抽出物を真空下で乾燥させて、わずかに黄色の油を得た。
ペンタン(6mL)を添加し、油を粉砕して白色の粉末を得た。ペンタン層をピペットを
使用して除去した。再び、ペンタン(6mL)を白色粉末に添加し、次いでペンタン層を
ピペットを使用して除去した。固体を最小量のトルエン(約1.5mL)に溶解させ、次
いでこれをペンタン(約5mL)で層状にした。溶液を冷凍庫(-35℃)に24時間入
れた。ピペットを使用して沈殿物から溶媒を除去し、(IMLC-10)(63%、0.
270g)を白色の固体として残す。
【0219】
1H NMR(400MHz,C6D6)(主要生成物の選ばれたピーク)δ 8.
39-8.28(m,1H),8.15(ddt,J=8.6,7.7,1.0Hz,2
H),7.93(dt,J=7.8,1.0Hz,1H),7.42(d,J=2.6H
z,1H),6.60(dd,J=8.4,2.6Hz,1H),5.90(d,J=8
.4Hz,1H),5.45(d,J=8.5Hz,1H),4.12(ddd,J=1
0.7,8.9,3.4Hz,1H),4.04(ddd,J=10.7,9.0,3.
3Hz,1H),3.01(ddd,J=8.8,3.4,1.7Hz,1H),2.7
6(ddd,J=9.1,3.4,1.7Hz,1H),2.73-2.56(m,4H
),2.27(s,3H),2.17(s,3H),1.32(s,9H),1.17(
s,9H),0.73-0.62(m,4H),-0.25(s,9H),-1.84(
d,J=12.4Hz,1H),-2.36(d,J=12.4Hz,1H)。
【0220】
実施例19-本発明の金属-配位子錯体11(IMLC-11)の合成:
【0221】
【0222】
国際公開第2018/183056(A1)号に詳述されている配位子式xiの調製
。
【0223】
グローブボックスにおいて、ガラス瓶に、ScCl3(0.101g、0.669m
mol)、THF(約100mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。このLiCH2TMS(
ペンタン中1.0M、2.0mL、2.0mmol)にゆっくりと添加し、次いで得られ
た混合物を室温で2時間撹拌した。配位子式xi(0.718g、0.669mmol)
をTHFに溶解させ、次いで添加し、混合物を18時間撹拌し続けた。溶媒を真空中で除
去し、次いで生成物をヘキサン中で抽出し、フリット漏斗を通過させた。濾液を真空中で
乾燥させて、IMLC-11を白色の固体(0.682g、80%)として得た。
【0224】
g、79.9%)。
【0225】
実施例20-本発明の金属-配位子錯体12(IMLC-12)の合成:
【0226】
【0227】
国際公開第2017/058858(A1)号に詳述されている配位子式xiiの調
製。
【0228】
40mLのオーブン乾燥したバイアルに、ScCl3(22mg、0.14mmol
)、THF(5mL)を充填し、撹拌棒を冷凍庫(-30℃)に20分間入れた。撹拌し
ながら、溶液をLiCH2TMS(460μL、0.46mmol、1M)で処理し、4
時間撹拌した。完了したら、反応物を、配位子式xii(150mg、0.14mmol
)及びTHF(2mL)の冷却した(-30℃)溶液で処理(滴下)し、18時間撹拌し
た。揮発性物質を真空下で除去し、溶液をペンタン(10mL)で処理し、溶液をセライ
トを通して濾過し、揮発性物質を真空下で除去して、IMLC-12(収量:100mg
、59%)を得た。
【0229】
実施例21-本発明の金属-配位子錯体13(IMLC-13)の合成:
【0230】
【0231】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、YCl3(0.069g、0
.35mmol)及びTHF(約50mL)を充填した。この撹拌混合物に、LiCH2
TMS(ヘキサン中1.0M、1.1mL、1.1mmol)を添加し、混合物を2時間
撹拌した。配位子式iii(0.434g、0.353mmol)をTHFに溶解させ、
次いで混合物にゆっくりと添加して、黄色の混合物得た。混合物を室温で18時間撹拌し
、次いで溶媒を真空中で除去して、黄色の固体を得た。生成物をヘキサン中で抽出し、次
いでフリット漏斗に通した。黄色の溶出液を収集し、真空中で乾燥させて、IMLC-1
3を黄色の固体(0.122g、収率23%)として得た。
【0232】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)(選ばれたピーク)δ 8.57(
dd,J=23.0,1.9Hz,2H),8.48(m,1H),8.24(d,J=
1.7Hz,1H),7.69(m,1H),7.60(m,1H),7.54-7.4
9(m,2H),7.33(d,J=8.6Hz,1H),7.12(dd,J=9.0
,3.1Hz,2H),6.88-6.77(m,1H),6.46-6.42(m,1
H),3.99(ddd,J=10.0,6.5,3.0Hz,1H),3.69-3.
65(m,1H),1.52(s,9H),1.485(s,9H),1.479(s,
9H),0.86(s,9H),0.83(s,9H),-0.15(s,9H),-1
.88(dd,J=12.1,3.6Hz,1H),-2.32(dd,J=12.1,
3.9Hz,1H)。
【0233】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-114.42,-116.7
1。
【0234】
実施例22-本発明の金属-配位子錯体14(IMLC-14)の合成:
【0235】
【0236】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、YCl3(0.159g、0
.814mmol)及びTHF(約50mL)を充填した。この撹拌混合物に、LiCH
2TMS(ヘキサン中1.0M、2.5mL、2.5mmol)を添加し、混合物を2時
間撹拌した。配位子式ii(1.02g、0.814mmol)をTHFに溶解させ、次
いで混合物にゆっくりと添加して、黄色の混合物得た。混合物を室温で18時間撹拌し、
次いで溶媒を真空中で除去して、黄色の固体を得た。生成物をヘキサン中で抽出し、次い
でフリット漏斗に通した。黄色の溶出液を収集し、真空中で乾燥させて、IMLC-14
を黄色の固体(0.877g、収率78%)として得た。
【0237】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)(ピーク又は主要生成物を選択)δ
8.24(d,J=8.3Hz,1H),8.18(d,J=8.3Hz,1H),8
.17(d,J=8.8Hz,1H),8.05(d,J=8.2Hz,1H),8.0
3(d,J=8.2Hz,1H),7.90(d,J=8.2Hz,1H),7.74(
dd,J=12.1,1.6Hz,1H),7.71(d,J=1.7Hz,1H),7
.55-6.98(m,8H),6.94(dd,J=8.9,3.2Hz,1H),6
.68(dd,J=8.7,3.1Hz,1H),6.37(dd,J=8.5,3.1
Hz,1H),6.21(dd,J=8.5,3.2Hz,1H),1.57(s,9H
),1.54(s,9H),1.25(s,9H),1.24(s,9H),0.87(
s,9H),0.83(s,9H),-0.31(s,9H),-1.47(dd,J=
11.4,3.5Hz,1H),-1.72(dd,J=11.3,3.7Hz,1H)
。
【0238】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-114.37,-116.1
3。
【0239】
実施例23-本発明の金属-配位子錯体15(IMLC-15)の合成:
【0240】
【0241】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、GdCl3(0.428g、
1.62mmol)及びTHF(約100mL)を充填した。この懸濁液に、LiCH2
TMS(ヘキサン中1.0M、5.0mL、5.0mmol)を添加した。混合物を室温
で2時間撹拌した。次いで、配位子式ii(2.02g、1.62mmol)を添加して
黄色の混合物を得、次いでこれを室温で18時間撹拌した。次いで溶媒を減圧下で除去し
、次いで得られた固体をヘキサンに溶かし、濾過した。濾液を真空中で乾燥させて、IM
LC-15を黄色の固体(0.526g、21%)として得た。IMLC-15は常磁性
化合物であり、1H及び19F NMRスペクトルのシグナルは広範であり、解明されて
いない。
【0242】
実施例24-本発明の金属-配位子錯体16(IMLC-16)の合成:
【0243】
【0244】
グローブボックスにおいて、250mLのガラス瓶に、HoCl3(0.394g、
1.45mmol)及びTHF(約100mL)を充填した。HoCl3をTHFに溶解
させて、薄黄色の溶液を得た。次いで、LiCH2TMS(ヘキサン中1.0M、4.5
mL、4.5mmol)を添加し、混合物を2時間撹拌した後、THFに溶解させた配位
子式i(2.26g、1.45mmol)をゆっくりと添加した。得られた混合物を室温
で18時間撹拌し、次いでTHFを真空中で除去した。残渣をヘキサンに溶かし、濾過し
た。濾液を収集し、真空中で乾燥させて、IMLC-16を黄色の固体(1.32g、6
6%)として得た。IMLC-16は常磁性化合物であり、1H及び19F NMRスペ
クトルのシグナルは広範であり、解明されていない。
【0245】
実施例25-本発明の金属-配位子錯体17(IMLC-17)の合成:
【0246】
【0247】
グローブボックスにおいて、40mLのガラスバイアルに、ScCl3(0.17g
、0.11mmol)及びTHF(約10mL)を充填した。次いで、LiCH2TMS
(ヘキサン中1.0M、0.34mL、0.34mmol)を添加し、混合物を2時間撹
拌した後、THFに溶解させた配位子式xiii(1.38g、0.113mmol)を
ゆっくりと添加した。得られた混合物を室温で18時間撹拌し、次いでTHFを真空中で
除去した。残渣をヘキサンに溶かし、濾過した。濾液を収集し、真空中で乾燥させて、I
MLC-17を固体(0.100g、62%)として得た。
【0248】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ(メジャー種、選択されたシグナ
ル)8.24-7.98(m,8H),7.65(d,J=1.7Hz,1H),7.6
0(d,J=1.8Hz,1H),7.57(d,J=2.7Hz,1H),7.54-
7.23(m,5H),7.19-7.04(m,1H),6.97-6.93(m,1
H),5.03(dd,J=8.9,5.1Hz,1H),4.82(dd,J=8.9
,5.1Hz,1H),4.37(t,J=9.9Hz,1H),3.89-3.81(
m,1H),3.80-3.72(m,1H),3.73-3.65(m,1H),3.
65-3.54(m,2H),2.85(t,J=6.1Hz,2H),1.35(s,
9H),1.30(s,9H),1.27(s,9H),1.20(s,9H),0.8
4(s,9H),0.81(s,9H),-0.27(s,9H),-1.47(d,J
=12.9Hz,1H),-2.21(d,J=13.0Hz,1H);(マイナー種、
選択されたシグナル)6.57-6.46(m,2H),6.29(td,J=8.3,
3.2Hz,1H),6.06(dd,J=8.9,4.9Hz,1H),5.90(d
d,J=9.0,4.7Hz,1H),1.55(s,9H),1.48(s,9H),
1.46(s,9H),1.17(s,9H),0.85(s,9H),0.74(s,
9H),-0.21(s,6H),-1.11(d,J=11.5Hz,1H),-1.
37(d,J=11.5Hz,1H)。
【0249】
19F{1H}NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ(メジャー種)-115
.43(s,1F),-116.90(s,1F);(マイナー種)-116.33(s
,1F),-119.99(s,1F)。
【0250】
実施例26-3’-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イ
ル)-5-フルオロ-2’-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-5
’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-
オール(xiii-c)の調製:
【0251】
【0252】
三口丸底フラスコに、2,7-ジ-tert-ブチル-9-(2-((テトラヒドロ
-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,
2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル
)フェニル)-9H-カルバゾール(xiii-a)(3.0612g、4.4121m
mol)、2-ヨード-4-フルオロフェノール(xiii-b)(1.0001g、4
.2021mmol)、炭酸ナトリウム(1.3368g、12.6125mmol)、
水(4.4mL)、及びTHF(6.8mL)を充填した。反応混合物を窒素雰囲気下に
置き、次いでTHF(2.3mL)中のクロロ(トリ-tert-ブチルホスフィン)(
2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(tBu3P P
d G2)(0.0470g、0.0917mmol)の溶液を、シリンジを介して添加
した。反応物を還流(70℃)で1.5時間加熱し、その後、フラスコの内容物を冷却し
、水を添加して残存する固体を溶解させた。酢酸エチルでの抽出を行い、次いで有機相を
ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去して褐
色の固体を得、これをクロロホルムに溶かし、300gのGold RediSep高性
能カラムを使用してISCO CombiFlashシステムにロードした。生成物をヘ
キサン中の1~5%酢酸エチルの勾配を使用して溶出し、溶出液を真空中で乾燥させて、
xiii-cを白色の結晶性固体(1.6108g、収率57%)として得た。
【0253】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.06(dd,J=8.3
,4.3Hz,2H),7.68(d,J=2.4Hz,1H),7.56(d,J=2
.4Hz,1H),7.41(ddd,J=7.8,6.2,1.6Hz,3H),7.
27(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),7.18-7.02(m,2H),7.
00(s,1H),4.44(s,1H),3.32-2.20(b,2H),1.83
(d,J=14.8Hz,1H),1.77,(d,J=14.8Hz,1H),1.5
3(s,3H),1.51(s,3H),1.47(s,18H),1.33-0.95
(m,6H),0.91(s,9H)。
【0254】
19F NMR(376MHz,クロロホルム-d)δ-123.49。
【0255】
実施例27-3-((3’-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール
-9-イル)-5-フルオロ-2’-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキ
シ)-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル
]-2-イル)オキシ)プロピル4-メチルベンゼンスルホネート(xiii-d)及び
1,3-ビス((3’-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イ
ル)-5-フルオロ-2’-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-5
’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-
イル)オキシ)プロパン(xiii-e)の調製:
【0256】
【0257】
ガラス器具をオーブン乾燥させた。窒素充填したグローブボックスにおいて、撹拌棒
及びセプタムを備えた三口丸底フラスコに、95%水素化ナトリウム(0.077g、3
.06mmol)及び無水N,N-ジメチルホルムアミド(17.5mL)を充填した。
フラスコを密封し、フードに取り付けた。フラスコに窒素ガス入口を装備し、窒素雰囲気
下に置いた。撹拌した白色スラリーを0℃(氷水浴)に冷却した。無水N,N-ジメチル
ホルムアミド(10mL)中の3’-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾ
ール-9-イル)-5-フルオロ-2’-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)
オキシ)-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェ
ニル]-2-オールxiii-c(1.50g、2.21mmol)を、室温でシリンジ
を介してゆっくりと添加した。無水N,N-ジメチルホルムアミド(1.75mL)中の
1,3-プロパンジオールジ-パラトシレート(0.2519g、0.3716mmol
)の溶液を、0℃(氷水浴)でシリンジを介してゆっくりと添加した。黄色の濁った溶液
を室温で1時間撹拌した。1時間後、反応が完了したと決定された。反応物を0℃(氷水
浴)に冷却した。水(23mL)を反応物に添加し、固体を溶液から沈殿させた。固体が
溶解するまで酢酸エチルを添加した。相を分離した。水相を酢酸エチル(3×25mL分
量)で抽出した。合わせた有機相を水(40mL)、ブライン(40mL)、次いで1M
水酸化ナトリウム(40mL)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過
し、回転蒸発によって濃縮して、粘着性の黄色の固体を得た。固体をカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲルカラム、ヘキサン中15~70%ジクロロメタン)によって精製して
、xiii-dを白色の結晶性固体として、またxiii-eを白色の結晶性固体として
得た。固体であるxiii-dを高真空下で乾燥させて、0.77g(39.2%)を白
色の結晶として得た。白色の結晶性固体であるxiii-eを高真空下で乾燥させて、0
.47gを白色の結晶として得た。
【0258】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.02-7.96(m,4H),
7.48(d,J=2.5Hz,2H),7.39(t,J=2.3Hz,2H),7.
34(s,3H),7.33-7.28(m,5H),7.14(ddd,J=8.9,
3.1,1.3Hz,2H),6.81-6.74(m,2H),6.71(d,J=4
.8Hz,1H),6.69(d,J=4.7Hz,1H),4.35(s,2H),4
.02(dt,J=9.8,5.5Hz,4H),2.59(d,J=11.3Hz,2
H),2.37(t,J=10.9Hz,2H),2.13-2.02(m,2H),1
.81-1.67(m,4H),1.38(s,27H),1.37(s,9H),1.
36(s,12H),1.04(d,J=9.8Hz,4H),0.83(s,18H)
,0.79-0.69(m,2H),0.44(d,J=13.3Hz,2H)。
【0259】
実施例28-6’,6’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(
3-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-フルオ
ロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-
2-オール)(配位子式xiii)の調製:
【0260】
【0261】
撹拌棒、セプタム、凝縮器、及び窒素ガスを備えた三口丸底フラスコに、1,3-ビ
ス((3’-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-5-
フルオロ-2’-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-5’-(2,
4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキ
シ)プロパン(xiii-e)(0.47g、0.52mmol)を充填した。クロロホ
ルム(2.5mL)及びメタノール(2.5mL)の混合物を添加し、反応物を窒素雰囲
気下に置いた。反応物を還流60℃(加熱マントル温度)で加熱し、p-トルエンスルホ
ン酸一水和物を添加した(0.013g、0.066mmol)を添加した。10分以内
に、固体が溶液から沈殿した。3時間後、反応が完了したと決定され、室温まで冷却した
。残存する酸をクエンチするために、重炭酸ナトリウム(2.5mL)を反応物に添加し
た。相を分離した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発によって濃
縮して、粗白色固体を得た。固体を高真空下に置き、0.42g(64.6%)の生成物
を白色の固体として得た。
【0262】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.08(d,J=8.2Hz,4
H),7.36(dd,J=8.3,1.7Hz,4H),7.33(d,J=2.3H
z,2H),7.26(d,J=2.4Hz,2H),7.03(d,J=1.6Hz,
4H),6.95(dd,J=8.7,3.2Hz,2H),6.28(td,J=8.
5,3.2Hz,2H),5.74(dd,J=9.0,4.4Hz,2H),5.15
(s,2H),3.71(t,J=5.5Hz,4H),1.84(p,J=5.5Hz
,2H),1.69(s,4H),1.35(s,12H),1.31(s,36H),
0.78(s,18H)。
【0263】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 149.41,148.32,1
42.63,142.12,129.66,127.55,123.76,121.15
,119.71,118.27,118.15,118.04,115.43,112.
72,112.64,106.21,64.64,57.40,38.31,35.28
,32.64,32.02,31.94,31.75,29.03。
【0264】
実施例29-本発明の金属-配位子錯体18(IMLC-18)の合成:
【0265】
【0266】
グローブボックスにおいて、40mLのガラスバイアルに、ScCl3(0.15g
、0.099mmol)及びTHF(約10mL)を充填した。次いで、LiCH2TM
S(ヘキサン中1.0M、0.30mL、0.30mmol)を添加し、混合物を2時間
撹拌した後、THFに溶解させた配位子式xiii(1.43g、0.0993mmol
)をゆっくりと添加した。得られた混合物を室温で18時間撹拌し、次いでTHFを真空
中で除去した。残渣をヘキサンに溶かし、濾過した。濾液を収集し、真空中で乾燥させて
、IMLC-18を固体(0.106g、65%)として得た。
【0267】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.19(dd,J=8.1,
1.2Hz,2H),8.09(dd,J=8.2,2.8Hz,2H),8.02(s
,1H),7.98(d,J=1.7Hz,1H),7.94(s,1H),7.91(
d,J=8.1Hz,2H),7.74(d,J=1.7Hz,1H),7.64-7.
20(6H),7.03-6.93(m,3H),6.81(d,J=2.5Hz,1H
),4.11(m,1H),3.81-3.74(m,1H),3.74-3.66(m
,2H),3.65-3.51(m,2H),3.14-3.04(2H),2.16(
s,3H),1.90(s,2H),1.78-1.06(m,27H)1.69(s,
16H),1.64(s,9H),1.51(s,9H),1.31(s,9H),1.
20(s,9H),0.93(s,9H),0.90(s,6H),0.88(s,6H
),0.86(s,9H),0.79(s,9H),0.71(s,9H),-0.32
(s,9H),-0.76(d,J=12.4Hz,1H),-1.36(d,J=12
.3Hz,1H)。
【0268】
実施例30-2-メチル-4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェ
ノール(xiv-b)の調製:
【0269】
【0270】
N2雰囲気下、THF(60mL)中の2-(4-(2,4,4-トリメチルペンタ
ン-2-イル)フェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(xiv-a)(20.00g
)を、THF(40mL)中のnBuLi(39.251mL、2.5M)の溶液に滴下
様式で添加した。次いで、反応容器をアセトン/ドライアイス浴に入れ、MeI(20.
363mL)をシリンジを介して添加した。次いで、反応器混合物を室温で一晩撹拌し、
その後、混合物を水にクエンチし、次いで塩化メチレンに抽出した。溶媒を除去して黄色
の油を得、次いで300gのISCOカラムの上部に添加し、ヘキサン中0~70&酢酸
エチルの勾配で溶出した。溶出液を乾燥させて無色の油を得、次いでこれをMeOH(5
0mL)及びTHF(50mL)の混合物に溶かした。次いで、混合物が酸性になるまで
濃HCl(4~5滴)を添加し(pH紙で試験)、次いで混合物を55℃で6時間加熱し
、次いで室温まで冷却し、この温度で混合物を一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残
渣を塩化メチレンに溶かし、ブライン(HClで酸性化した)で洗浄し、次いで塩化メチ
レンに抽出した。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で乾燥させて、
xiv-bをわずかに黄色の油(9.22g、収率64%)として得た。
【0271】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.12(d,J=2.5,
Hz,1H),7.07(dd,J=8.2,2.5Hz,1H),6.70(d,J=
8.3Hz,1H),5.18(s,1H),2.27(s,3H),1.71(s,2
H),1.36(s,6H),0.76(s,9H)。
【0272】
実施例31-2-ヨード-6-メチル-4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2
-イル)フェノール(xiv-c)の調製:
【0273】
【0274】
ガラス容器において、8.760gの2-メチル-4-(2,4,4-トリメチルペ
ンタン-2-イル)フェノール(xiv)及び6.805gのp-トルエンスルホン酸(
PTSA)を、アセトニトリル(200mL)に溶解させ、0℃に冷却した。冷却される
と、全てのxiv-bが消費されるまで(約4時間)、過剰のN-ヨードスクシンイミド
(NIS)(21g)を添加した。次いで、混合物を蒸発乾固させ、クロロホルムに溶解
させ、飽和チオ硫酸ナトリウムで2回洗浄し、次いで水で2回洗浄した。有機層を乾燥さ
せ、濾過し、ストリッピングして褐色の油を露出させ、次いで330gのISCOカラム
を貫流させて、xiv-cを暗褐色の油(7.43g、収率90%)として得た。
【0275】
1H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ 7.47(d,J=2.3H
z,1H),7.11(m,1H),5.17(s,1H),2.34(s,3H),1
.71(s,2H),1.35(s,6H),0.79(s,9H)。
【0276】
実施例32-1,3-ビス(2-ヨード-6-メチル-4-(2,4,4-トリメチ
ルペンタン-2-イル)フェノキシ)プロパン(xiv-e)の調製:
【0277】
【0278】
窒素雰囲気下で、ガラス丸底フラスコに、7.430gの2-ヨード-6-メチル-
4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノール(xiv-c)、炭酸カ
リウム(5.338g)、3.713gのプロパン-1,3-ジイルビス(4-メチルベ
ンゼンスルホネート)(xiv-d)、及びDMF(150mL)を充填した。混合物を
120℃で60分間加熱した後、フラスコの内容物を冷却し、次いで濃縮乾固させた。残
渣を50/50の塩化メチレン/水に溶かし、塩化メチレンに抽出した。有機相を合わせ
、2N NaoH(400mL)、ブライン、次いで水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、濾過し、濃縮して暗褐色の油を得た。残渣をヘキサンに溶かし、330g
のシリカ(ISCO)カラムの上部に添加し、ヘキサン中の5%酢酸エチルで溶出した。
溶出液を真空中で乾燥させて、暗赤色の油(5.63g、80%)を得た。
【0279】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.56(d,J=2.3H
z,2H),7.11(d,J=2.3,Hz,2H),4.11(t,J=6.4Hz
,4H),2.44(p,J=6.4Hz,2H),2.34(s,6H),1.67(
s,4H),1.31(s,12H),0.73(s,18H)。
【0280】
プロパン-1,3-ジイルビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(xiv-d)
の調製は、国際公開第2014/105411(A1)号に詳述されている。
【0281】
実施例33-2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(
3-(2,7-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-メチル
-5,5’-ビス(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェ
ニル]-2-オール)(配位子式xiv)の調製:
【0282】
【0283】
三口ガラス丸底フラスコに、1,2-ジメトキシエタン(60mL)を充填し、次い
で4.00gの2,7-ジ-tert-ブチル-9-(2-((テトラヒドロ-2H-ピ
ラン-2-イル)オキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキ
サボロラン-2-イル)-5-(2,4,4-リメチルペンタン-2-イル)フェニル)
-9H-カルバゾール(xiv-f)、1,3-ビス(2-ヨード-6-メチル-4-(
2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ)プロパン(xiv-e)(2
.032g)、及びTHF(35mL)を添加した。全ての成分が完全に溶解するまで追
加のTHFを添加し、次いで水(15mL)中のNaOH溶液(0.6586g)を添加
した。次いで、フラスコの内容物をN2で15分間スパージし、次いでPd(PPh3)
4を添加し、容器の内容物を85℃で48時間加熱した。これに続いて、フラスコの内容
物を冷却し、沈殿物を形成し、これを真空濾過によって単離した後、高真空下で2時間乾
燥させた。次いで、得られた固体をTHF(50mL)、MeOH(50mL)、及びお
よそ100mgのp-トルエンスルホン酸(PTSA)に溶解させ、これを(pH紙によ
って試験して)溶液が酸性になるまで添加した。溶液を60℃に一晩加熱し、次いで内容
物を冷却し、濃縮した。残渣を塩化メチレン(100mL)に溶かし、ブライン(100
mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲルのパッドで濾過し、次いで乾
燥させて、配位子式(xiv)をオフホワイトの結晶性固体(1.4g、収率37%)と
して得た。
【0284】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.03(dd,J=8.2
,0.6Hz,4H),7.45-7.42(m,4H),7.31(dd,J=8.2
,1.7Hz,4H),7.23(d,J=2.4Hz,2H),7.15(dd,J=
1.8,0.7Hz,4H),7.12(dd,J=2.5,0.8Hz,2H),6.
74-5.94(br,2H),3.70(t,J=6.4Hz,4H),2.00(s
,6H),1.80-1.74(m,2H),1.76(s,4H),1.74(s,4
H),1.41(s,24H),1.30(s,36H),0.83(s,18H),0
.75(s,18H)。
【0285】
2,7-ジ-tert-ブチル-9-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-
イル)オキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
-2-イル)-5-(2,4,4-リメチルペンタン-2-イル)フェニル)-9H-カ
ルバゾールの調製は、国際公開第2014/105411(A1)号に詳述されている。
【0286】
実施例34-本発明の金属-配位子錯体19(IMLC-19)の合成:
【0287】
【0288】
グローブボックスにおいて、バイアルに、ScCl3(0.145g、0.96mm
ol)及びTHF(約30mL)を充填した。この混合物を室温で3.5時間撹拌し、次
いで-35℃に冷却した後、LiMe(Et2O中の1.6M溶液、1.825mL、2
.88mmol)をバイアルに添加し、得られた混合物を10分間撹拌した。配位子式I
(1.500g、0.96mmol)を固体として添加し、次いで、反応混合物を室温で
一晩撹拌した。次いで、THFを真空中で除去し、得られた残渣をペンタン中に溶かし、
濾過した。濾液を収集し、真空中で乾燥させて、IMLC-19を白色の固体(1.61
4g、99%)として得た。
【0289】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.26(d,J=8.2Hz
,1H),8.19(d,J=8.3Hz,1H),8.17(d,J=1.3Hz,1
H),8.09(d,J=8.2Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,1H)
,7.81(d,J=2.5Hz,1H),7.71-7.67(m,2H),7.62
-7.57(m,2H),7.54(dd,J=4.8,2.0Hz,2H),7.49
-7.45(m,2H),7.45-7.41(m,2H),7.35(dd,J=8.
3,1.6Hz,1H),7.23(dd,J=8.2,1.6Hz,1H),7.02
(s,1H),4.34-4.15(m,1H),3.88-3.77(m,1H),3
.68-3.57(m,1H),3.48(m,1H),3.21(m,2H),2.8
4(q,J=6.5,6.0Hz,2H),2.14(s,2H),1.81-1.72
(m,4H),1.68(s,9H),1.58(m,2H),1.50(s,3H),
1.49(s,9H),1.40-1.21(m,37H),1.183(s,9H),
1.180(s,9H),1.02(q,J=6.4,5.9Hz,4H),0.97(
s,9H),0.96-0.91(m,6H),0.90(s,9H),0.71(m,
4H),0.19-0.17(m,6H),0.17(s,3H),0.14(s,3H
),-1.13(s,3H)。
【0290】
実施例35-本発明の金属-配位子錯体20(IMLC-20)の合成:
【0291】
【0292】
グローブボックスにおいて、40mLのガラスバイアルに、ScCl3(0.021
g、0.14mmol)及びTHF(約10mL)を充填した。この混合物を室温で一晩
(18時間)撹拌させ、その後、バイアルの内容物を-30℃に20分間冷却した。次い
で、LiMe(Et2O中の1.6M溶液、0.27mL、0.43mmol)をバイア
ルに添加し、得られた混合物を5分間撹拌した。THF(約10mL)中の配位子式II
(0.175g、0.139mmol)の溶液をバイアルに添加した。バイアルの内容物
を室温で18時間撹拌し、その後、溶媒を真空中で除去した。残渣をペンタンに溶かし、
フリットカラムで濾過した。濾液を収集し、真空中で乾燥させて、IMLC-20を白色
の固体として定量的収率で得た。
【0293】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.23(dd,J=8.2,
1.6Hz,2H),8.13(d,J=8.2Hz,1H),8.04(d,J=1.
7Hz,1H),7.94(d,J=8.2Hz,1H),7.76(d,J=2.6H
z,1H),7.64(d,J=1.6Hz,1H),7.51(d,J=1.2Hz,
2H),7.47(dd,J=8.2,1.7Hz,2H),7.42(dd,J=8.
3,1.7Hz,1H),7.39(d,J=1.6Hz,1H),7.33(dd,J
=9.0,2.7Hz,2H),7.21(dd,J=8.2,1.7Hz,1H),7
.12-7.07(m,1H),6.93(dd,J=9.0,3.2Hz,1H),6
.35(s,1H),6.22-6.02(m,1H),4.16(d,J=2.2Hz
,1H),3.68(s,1H),3.46(d,J=3.0Hz,1H),3.35(
s,1H),3.13(s,2H),2.83(d,J=8.9Hz,2H),2.11
(s,2H),1.90(s,3H),1.75-1.65(m,4H),1.63(s
,9H),1.59-1.51(m,3H),1.49(s,9H),1.46-1.4
3(m,1H),1.31(s,3H),1.25(s,3H),1.22(s,9H)
,1.19(s,3H),1.19(s,3H),1.13(s,9H),1.00(s
,3H),0.93(s,9H),0.86(s,9H),-1.13(s,3H)。
【0294】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-116.50,-116.5
3。
【0295】
実施例36-本発明の金属-配位子錯体21(IMLC-21)の合成:
国際公開第2017/004456(A1)号で引用された手順に従って調製された
配位子
【0296】
【0297】
トリクロロスカンジウム(0.037g、0.242mmol)のTHF(8mL)
懸濁液を-35℃に冷却した。ペンタン中のトリメチルシリルメチルリチウム(1.00
M、0.739mL、0.739mmol)を冷懸濁液に添加し、これを室温で4時間撹
拌し、次いでわずかに濁った溶液を-35℃の冷凍庫で5分間冷却した。THF(1mL
)中の2-(2,7-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-6-[4-[3-
[5-[3-(2,7-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-2-ヒドロキシ
-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-7-メチル-インダン-4
-イル]オキシプロポキシ]-7-メチル-インダン-5-イル]-4-(1,1,3,
3-テトラメチルブチル)フェノール(0.300g、0.231mmol)を滴加した
。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空によって除去し、次いでペンタン(5m
L)を添加し、揮発性物質を真空下で除去した。ペンタン(10mL)を添加し、混合物
をCELITEのパッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(10mL)
で更に抽出した。合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて、わずかに緑色の固体を
得た。この物質をペンタン(2×3mL)から蒸発させた。ペンタン(2mL)を添加し
、混合物を冷凍庫(-35℃)に18時間置いた。ペンタン層をピペットを使用して除去
し、残存する固体を真空下で乾燥させて、IMLC-21(165mg、収率:48%)
を白色の固体として得た。
【0298】
1H NMR(400MHz,C6D6(選ばれたピーク))δ 8.19(d,J
=8.2Hz,1H),8.13(app t,J=8.4Hz,2H),8.07(d
,J=8.3Hz,1H),7.95(d,J=1.7Hz,1H),7.73(d,J
=1.7Hz,1H),7.66(d,J=1.6Hz,1H),7.58(dd,J=
3.9,2.2Hz,2H),7.54(d,J=2.8Hz,1H),7.50-7.
41(m,3H),7.36(ddd,J=8.4,6.8,1.7Hz,2H),7.
27(d,J=3.1Hz,2H),7.11(s,1H),4.30(dd,J=10
.6,8.3Hz,1H),3.87(ddd,J=9.2,5.6,3.0Hz,1H
),3.81-3.61(m,3H),3.48-3.22(m,3H),2.07(s
,3H),1.93(s,3H),1.60(s,9H),1.51(s,9H),1.
32(s,9H),1.26(s,9H),1.20(s,6H),0.88(d,J=
3.3Hz,18H),-0.27(s,9H),-0.34--0.41(m,1H)
,-1.23(d,J=12.3Hz,1H)。
【0299】
実施例37-本発明の金属-配位子錯体22(IMLC-22)の合成:
IMLC-2配位子と同様の方法で調製された配位子
【0300】
【0301】
トリクロロスカンジウム(0.042g、0.275mmol)のTHF(8mL)
懸濁液を-35℃に冷却した。ペンタン中のトリメチルシリルメチルリチウム(1.00
M、0.838mL、0.838mmol)を冷懸濁液に添加し、これを室温で4時間撹
拌し、次いでわずかに濁った懸濁液を-35℃の冷凍庫で5分間冷却した。THF(1m
L)中の2-(2,7-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-6-[2-[2
-[2-[3-(2,7-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-2-ヒドロキ
シ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-4-フルオロ-6-メチ
ル-フェノキシ]エトキシ]-5-フルオロ-3-メチル-フェニル]-4-(1,1,
3,3-テトラメチルブチル)フェノール(0.325g、0.262mmol)を滴加
した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空によって除去し、次いでペンタン(
8mL)を添加し、混合物をCELITEのパッドを通して濾過した。CELITEパッ
ドをペンタン(4mL)で更に抽出した。合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて
、IMLC-22をオフホワイトの固体(210mg、56%)として得た。
【0302】
1H NMR(400MHz,C6D6)δ 8.18(d,J=8.2Hz,1H
),8.11(dd,J=8.2,5.5Hz,2H),7.98(d,J=8.2Hz
,1H),7.74(d,J=1.6Hz,1H),7.62(d,J=1.6Hz,1
H),7.57(d,J=2.6Hz,1H),7.49(d,J=1.6Hz,1H)
,7.46(q,J=1.2Hz,2H),7.38(t,J=2.7Hz,2H),7
.26(d,J=1.9Hz,2H),6.53(dd,J=8.1,3.1Hz,1H
),6.39(dd,J=8.0,3.1Hz,1H),4.29-4.12(m,2H
),3.29(dt,J=7.7,5.8Hz,2H),3.01(dt,J=8.1,
6.1Hz,2H),2.88(dd,J=8.7,2.4Hz,1H),2.78-2
.70(m,1H),1.75(s,3H),1.61(s,9H),1.59(s,2
H),1.56(s,9H),1.30(s,9H),1.16(s,9H),0.87
(d,J=1.6Hz,12H),0.84(s,9H),-0.42(s,9H),-
0.91(d,J=11.0Hz,1H),-0.99(d,J=11.0Hz,1H)
;19F NMR(376MHz,C6D6)δ-115.26,-116.51。
【0303】
実施例38-本発明の金属-配位子錯体23(IMLC-23)の合成:
【0304】
【0305】
トリクロロスカンジウム(0.020g、0.129mmol)のTHF(6mL)
懸濁液を-35℃に冷却した。ペンタン中のトリメチルシリルメチルリチウム(1.00
M、0.404mL、0.404mmol)を冷懸濁液に添加し、これを室温で4時間撹
拌し、次いでわずかに濁った溶液を-35℃の冷凍庫で5分間冷却した。THF(1mL
)中の2-(3,6-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-6-[2-[3-
[2-[3-(3,6-ジtert-ブチルカルバゾール-9-イル)-2-ヒドロキシ
-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]フェニル]スルファニルプロ
ピルスルファニル]フェニル]-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノー
ル(0.150g、0.123mmol)を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した
。溶媒を真空によってで除去し、次いで、ペンタン(10mL)を添加し、混合物をCE
LITEのパッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(2×4mL)で更
に抽出した。合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて、IMLC-23(150m
g、85%)を白色の固体として得た。
【0306】
1H NMR(400MHz,C6D6(選ばれたピーク))δ 8.54(dd,
J=1.8,0.8Hz,1H),8.41(d,J=1.8Hz,1H),8.24(
d,J=1.7Hz,1H),7.92(d,J=8.6Hz,1H),6.27(dd
,J=6.0,3.3Hz,1H),6.07(dd,J=7.8,1.4Hz,1H)
,2.69(d,J=7.0Hz,2H),2.60(d,J=7.1Hz,2H),1
.52(s,9H),1.45(s,9H),0.91(s,9H),0.86(s,9
H),-0.26(s,9H),-1.35(d,J=12.1Hz,1H),-2.2
1(d,J=12.1Hz,1H)。
【0307】
実施例39-化合物14の合成。
【0308】
【0309】
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(4mL)及び2-ブロモチオフェノール
(10)(0.245mL、2.03mmol)を、炭酸カリウム(K2CO3)(0.
411g、2.97mmol)を充填した40mLのバイアルに連続的に添加した。1,
3-ジブロモプロパン(13)(0.101mL、0.991mmol)を添加し、混合
物を室温で撹拌した。この温度で18時間撹拌した後、反応物をジエチルエーテル(10
mL)で希釈し、次いでCELITEのプラグを通して濾過した。濾液を水(5mL)、
飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し
、濃縮乾固させた。得られた残渣をシリカゲル(SiO2)カートリッジの上に直接ロー
ドし、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO2、40mL/分、0%酢
酸エチル(EtOAc)~20% EtOAc/ヘキサン)を使用して精製して、0.3
5g(83%)の所望の生成物14を白色の固体として得た。1H NMR(400MH
z,CDCl3)δ 7.59-7.50(m,2H),7.29-7.21(m,4H
),7.03(ddd,J=7.9,5.2,3.7Hz,2H),3.11(t,J=
7.0Hz,4H),2.05(p,J=7.0Hz,2H);13C NMR(101
MHz,CDCl3)δ 137.35,133.09,128.33,127.77,
126.77,123.85,31.79,27.30。
【0310】
実施例40-化合物16の合成:
【0311】
【0312】
脱気トルエン(8mL)及び脱気水(2mL)を、BPinエステル15(1.27
g、1.83mmol)、ジブロミド14(0.340g、0.813mmol)、及び
NaOH(0.195g、4.88mmol)を充填した40mLのバイアルに添加した
。混合物を窒素で5分間スパージし、次いで固体テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)(0.047g、0.041mmol)を添加
した。次いで、反応物を95℃(外部温度)に加熱し、この温度で17時間維持した。こ
の時間の後、反応物を室温まで冷却した。混合物を分液漏斗に移し、トルエン層を単離し
、次いで水(2×8mL)で洗浄した。
【0313】
MeOH(10mL)を上記のトルエン溶液に添加し、次いで濃塩酸(濃HCl)(
ガラスピペットから8滴)を添加した。フラスコに凝縮器を取り付け、次いで混合物を7
5℃(外部温度)に加熱し、この温度で3時間維持した。この時間の後、反応物を室温ま
で冷却し、揮発性物質を減圧下で除去した。水(10mL)及びCH2Cl2(15mL
)を粗残渣に添加し、次いで相を分液漏斗に移し、分離した。水相をCH2Cl2(15
mL)で更に抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(
Na2SO4)、次いでシリカゲルプラグに通した。プラグをCH2Cl2(65mL)
で洗浄して、全ての物質が収集されたことを確認した(薄層クロマトグラフィー(thin l
ayer chromatography、TLC)によって監視した)。粗残渣を、フラッシュカラムクロ
マトグラフィー(12g CELITEロードカートリッジ、40g SiO2、40m
L/分、0% EtOAc~15% EtOAc/ヘキサン)を使用して直接精製して、
0.85g(85%)の配位子16を白色の粉末として得た。
【0314】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.18-8.13(m,4H),
7.47(app dd,J=8.6,1.9Hz,4H),7.39-7.26(m,
8H),7.23-7.15(m,8H),4.88(s,2H),2.92(app
t,J=7.0Hz,4H),1.89(p,J=7.0Hz,2H),1.70(s,
4H),1.45(s,36H),1.34(s,12H),0.81(s,18H);
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 147.05,142.96,142
.51,139.46,138.07,136.30,130.89,129.03,1
28.48,128.45,128.24,126.35,125.80,123.85
,123.63,123.54,116.31,109.59,57.05,38.21
,34.75,32.42,32.08,32.04,31.95,27.88;LCM
S(ES/APCIMS m/z 1247[(M+Na)+])。
【0315】
実施例41-本発明の金属-配位子錯体24(IMLC-24)の合成:
国際公開第2017/004462(A1)号で引用された手順に従って調製された
配位子
【0316】
【0317】
トリクロロスカンジウム(0.027g、0.181mmol)のTHF(8mL)
懸濁液を-35℃に冷却した。ペンタン中のトリメチルシリルメチルリチウム(1.00
M、0.551mL、0.551mmol)を冷懸濁液に添加し、これを室温で4時間撹
拌し、次いでわずかに濁った懸濁液を-35℃の冷凍庫で5分間冷却した。THF(1m
L)中の2-[2,7-ビス[ジイソプロピル(オクチル)シリル]カルバゾール-9-
イル]-6-[2-[3-[2-[3-[2,7-ビス[ジイソプロピル(オクチル)シ
リル]カルバゾール-9-イル]-2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル]-4-フル
オロ-6-メチル-フェノキシ]プロポキシ]-5-フルオロ-3-メチル-フェニル]
-4-メチル-フェノール(0.300g、0.172mmol)を滴加した。溶液を室
温で一晩撹拌した。溶媒を真空によって除去し、次いでペンタン(10mL)を添加し、
混合物をCELITEのパッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(2×
4mL)で更に抽出した。合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて、油を得た。こ
の油をペンタン(10mL)に溶かし、次いでCELITEプラグを通して濾過した。プ
ラグをペンタン(5mL)で更に抽出した。合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させ
て、IMLC-24(290mg、収率:86%)をオフホワイトの固体として得た。
【0318】
1H NMR(400MHz,C6D6)(選ばれたピーク)δ 8.27(dd,
J=7.6,2.5Hz,2H),8.18(t,J=8.3Hz,3H),7.99(
d,J=2.1Hz,1H),7.75(s,1H),6.63(d,J=2.5Hz,
1H),6.39(dd,J=8.1,3.1Hz,1H),6.18(dd,J=8.
3,3.2Hz,1H),-0.25(s,9H),-0.70(d,J=12.5Hz
,1H),-1.38(d,J=12.4Hz,1H);19F NMR(376MHz
,C6D6)δ-115.61,-117.20。
【0319】
実施例42-本発明の金属-配位子錯体25(IMLC-25)の合成:
国際公開第2017/004462(A1)号で引用された手順に従って調製された
配位子
【0320】
【0321】
トリクロロスカンジウム(0.038g、0.248mmol)のTHF(8mL)
懸濁液を-35℃に冷却した。ペンタン中のトリメチルシリルメチルリチウム(1.00
M、0.757mL、0.757mmol)を冷懸濁液に添加し、これを室温で4時間撹
拌し、次いでわずかに濁った溶液を-35℃の冷凍庫で5分間冷却した。THF(2mL
)中の2-[2,7-ビス(1,1,3,3-テトラメチルブチル)カルバゾール-9-
イル]-6-[2-[3-[2-[3-[2,7-ビス(1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)カルバゾール-9-イル]-2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメ
チルブチル)フェニル]-4-フルオロ-6-メチル-フェニル]プロポキシ]-5-フ
ルオロ-3-メチル-フェニル]-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノ
ール(0.350g、0.236mmol)を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し
た。溶媒を真空によって除去し、次いでペンタン(5mL)を添加し、揮発性物質を真空
下で除去した(残留THFを除去しようとする)。ペンタン(10mL)を添加し、混合
物をCELITEのパッドを通して濾過した。CELITEパッドをペンタン(10mL
)で更に抽出した。
【0322】
合わせたペンタン抽出物を真空下で乾燥させて、わずかに緑色の固体を得た。この物
質をペンタン(2×3mL)から蒸発させた。ペンタン(2mL)を添加し、混合物を冷
凍庫(-35℃)に18時間置いた。ペンタン層をピペットを使用して除去し、残存する
固体を真空下で乾燥させて、IMLC-25(325mg、82%)を白色の固体として
得た。
【0323】
1H NMR(400MHz,C6D6(選ばれたピーク))δ 8.15(dd,
J=10.3,8.2Hz,2H),8.06(dd,J=13.0,8.2Hz,2H
),7.76(d,J=1.5Hz,1H),7.55(dd,J=6.0,2.1Hz
,2H),7.50(d,J=1.5Hz,1H),7.44(tt,J=6.8,3.
4Hz,3H),7.36-7.27(m,5H),7.20(dd,J=9.2,3.
2Hz,1H),7.04(dd,J=9.0,3.2Hz,1H),6.40(dd,
J=8.1,3.1Hz,1H),6.21(dd,J=8.2,3.2Hz,1H),
3.94(t,J=9.3Hz,1H),3.63-3.48(m,5H),3.19(
d,J=6.9Hz,2H),1.63(s,6H),1.54(s,3H),1.51
(d,J=2.5Hz,6H),1.41(d,J=2.5Hz,6H),1.28(s
,6H),1.26(s,6H),1.23(s,8H),1.16(s,2H),0.
96(s,9H),0.92(s,9H),0.85-0.81(m,18H),0.7
0(s,9H),0.66(s,9H),-0.27(s,9H),-0.63(d,J
=12.3Hz,1H),-1.34(d,J=12.3Hz,1H);
19F NMR(376MHz,C6D6)δ-115.40,-116.76。
【0324】
実施例43-本発明の金属-配位子錯体26(IMLC-26)の合成:
国際公開第2017/004462(A1)号で引用された手順に従って調製された
配位子
【0325】
【0326】
トリクロロスカンジウム(0.030g、0.200mmol)のTHF(8mL)
懸濁液を室温で6時間撹拌した。混合物を-35℃に冷却し、次いでEt2O中のメチル
リチウム(1.60M、0.378mL、0.604mmol)を冷懸濁液に添加し、こ
れを室温で10分間撹拌した。この時間の後、THF(2mL)中の配位子2-[2,7
-ビス[ジイソプロピル(オクチル)シリル]カルバゾール-9-イル]-6-[2-[
3-[2-[3-[2,7-ビス[ジイソプロピル(オクチル)シリル]カルバゾール-
9-イル]-2-ヒドロキシ-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]
-4-フルオロ-6-メチル-フェノキシ]プロポキシ]-5-フルオロ-3-メチル-
フェニル]-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(0.380g、
0.196mmol)を滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空によっ
て除去し、次いでヘキサン(10mL)を添加し、混合物をCELITEのパッドを通し
て濾過した。CELITEパッドをヘキサン(2×4mL)で更に抽出した。合わせたヘ
キサン抽出物を真空下で乾燥させて、油を得た。この油をヘキサン(2mL)に溶かし、
次いで真空下で除去して、IMLC-26をオフホワイトの固体(395mg、94%)
として得た。
【0327】
1H NMR(400MHz,C6D6)(主要生成物の選ばれたピーク)δ 8.
30(d,J=7.7Hz,1H),8.25-8.18(m,3H),8.03(s,
1H),7.83(s,1H),7.67-7.62(m,4H),7.52(d,J=
7.8Hz,1H),7.43(d,J=8.0Hz,1H),7.37-7.31(m
,3H),7.16-7.10(m,1H),6.95(dd,J=8.9,3.2Hz
,1H),6.85(ddd,J=11.9,8.6,3.2Hz,1H),6.41(
dd,J=8.2,3.2Hz,1H),6.26(dd,J=8.3,3.2Hz,1
H),4.28(dt,J=10.2,4.4Hz,1H),4.04-3.90(m,
1H),3.51(q,J=5.7Hz,1H),3.28-3.13(m,3H),3
.06-2.87(m,2H),1.93(s,3H),-1.17(s,3H)。
【0328】
19F NMR(376MHz,C6D6)δ-115.88,-116.38。
【0329】
実施例44-本発明の金属-配位子錯体27(IMLC-27)の合成:
【0330】
【0331】
グローブボックスにおいて、40mLのガラスバイアルに、ScCl3(0.018
g、0.12mmol)、THF(約5mL)、及び磁気撹拌棒を入れた。混合物を-3
0℃で冷却した後、LiCH2TMS(0.371mL、0.37mol、ペンタン中1
.0M)を室温で滴加した。3時間撹拌した後、THF(約2mL)中の2当量の配位子
式xxi(0.1g、0.335mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した
。次いで、溶媒を真空中で除去し、残渣をペンタン中に溶かし、濾過し、次いで真空中で
乾燥させて、黄色の固体(120mg、収率:64%)を得た。
【0332】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.73(d,J=1.8Hz
,1H),8.66(d,J=1.9Hz,1H),8.37(s,1H),8.25(
s,1H),8.19(d,J=9.3Hz,1H),8.08(dd,J=9.0,7
.3Hz,3H),7.96(d,J=1.9Hz,1H),7.90(d,J=9.3
Hz,1H),7.85(d,J=2.0Hz,1H),7.70(d,J=2.7Hz
,1H),7.61(ddd,J=8.5,6.0,1.8Hz,2H),7.55-7
.45(m,5H),7.05(dd,J=9.3,2.0Hz,1H),6.37(d
d,J=8.2,3.2Hz,1H),6.21(dd,J=8.3,3.3Hz,1H
),5.11(d,J=12.6Hz,1H),4.67(d,J=12.1Hz,1H
),3.98(d,J=12.7Hz,1H),3.74(d,J=12.1Hz,1H
),2.85(q,J=7.2,6.8Hz,3H),2.58-2.44(m,2H)
,1.48(s,9H),1.44(s,9H),1.35(s,9H),1.31(s
,9H),1.14(d,J=2.6Hz,3H),0.94-0.84(20H),0
.79(s,9H),0.71(s,9H),-0.35(s,9H),-1.66(d
,J=12.7Hz,1H),-2.14(d,J=12.6Hz,1H)。
【0333】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-117.45,-118.4
5。(収量:120mg、64%)
【0334】
実施例45-配位子式xxiの調製
【0335】
【0336】
窒素充填したグローブボックスにおいて、撹拌棒を備えたバイアルに、9-(3-B
Pin-2-(メトキシメトキシ)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル
)フェニル)-2,6-ジ-tert-ブチルアントラセン(353mg、0.54mm
ol)、ビス((2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ)メチル)ジイソプ
ロピルゲルマン(169mg、0.25mmol)、及びPd(PPh3)4(14mg
、0.01mmol)を充填した。バイアルにセプタムキャップを装備し、グローブボッ
クスから取り出し、窒素パージしたNaOH(0.74mL、1.47mmol、2M水
溶液)をシリンジを介して添加した。セプタムキャップ上の穿刺穴を真空グリースで密封
した。反応混合物を60℃で一晩撹拌した。撹拌を停止し、反応混合物を25℃に冷却し
た。アリコートを取り、THFで希釈し、LC/MSを使用して分析し、完全な転化を確
認した。反応混合物の水層をピペットで除去し、有機相をブライン(6mL)で洗浄した
。有機相を単離し、5mLのメタノール、約0.9mLの濃HCl、及び5mLのTHF
と混合し(溶解度を改善するために)、次いで60℃に加熱し、12時間撹拌した。反応
混合物を25℃に冷却し、溶液を真空下で乾燥させ、10カラム体積にわたって0%~1
00%勾配のCH3CN/THFを含む逆相カラムクロマトグラフィーを介して精製した
。関連する画分を合わせ、真空下で乾燥させた(収量:270mg、78%)。
【0337】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.54(s,2H),8.
08(s,2H),8.06-8.01(m,2H),7.86(d,J=9.0Hz,
2H),7.81-7.68(m,2H),7.64(dd,J=8.9,1.9Hz,
2H),7.57(s,2H),7.52(d,J=11.2Hz,2H),7.48(
s,2H),7.03(d,J=8.0Hz,2H),6.91(dd,J=8.7,3
.2Hz,2H),4.06(d,J=11.4Hz,2H),4.00(d,J=11
.1Hz,2H),2.21(s,6H),2.19(s,4H),1.86(m,2H
),1.52(m,30H),1.40(d,J=1.4Hz,18H),1.13-1
.00(m,12H),0.92(d,J=1.9Hz,18H)。19F NMR(3
76MHz,クロロホルム-d)δ-119.69
【0338】
実施例46-本発明の金属-配位子錯体28(IMLC-28)の合成:
国際公開第2020/047384(A1)号に詳述されている配位子式xxiiの
調製。
【0339】
【0340】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(44.7mg、0
.295mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.6M、0.554mL、0.886mmol、3.0当量)で処理した。混合
物は、数分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後5分未満に、配位子式xxii
(2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(2,7-
ジ-tert-ブチルアントラセン-9-イル)-5’-フルオロ-3’-メチル-5-
(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オー
ル))(377mg、0.295mmol、1.00当量)。3時間の撹拌後、溶媒を真
空ポンプによって除去し、固体を6mLのヘキサンに懸濁した。溶液を0.45umシリ
ンジフィルターを通して濾過し、溶媒を真空ポンプによって濾液から除去した。317m
gの固体を単離した(76%)。
【0341】
1H NMR(400MHz,CD2Cl2)δ 8.49(s,1H),8.35
(s,1H),8.20(s,1H),8.09-7.98(m,3H),7.93(d
,J=8.9Hz,1H),7.74(d,J=8.9Hz,1H),7.63(dd,
J=8.9,1.8Hz,1H),7.58(dd,J=8.9,1.9Hz,1H),
7.55(s,1H),7.47(s,1H),7.45-7.39(m,2H),7.
30(dd,J=8.8,1.9Hz,1H),7.24(d,J=2.7Hz,1H)
,7.23-7.17(m,2H),6.83(dd,J=9.6,3.2Hz,1H)
,6.59(dd,J=9.7,3.3Hz,1H),6.42(dt,J=8.7,4
.9Hz,1H),6.12(dd,J=8.6,3.1Hz,1H),4.12-4.
03(m,1H),3.97(ddd,J=10.2,6.3,3.7Hz,1H),3
.78(dtd,J=19.5,9.4,5.0Hz,2H),2.36(td,J=7
.0,2.6Hz,2H),2.23(qd,J=6.5,3.0Hz,2H),1.9
9(p,J=3.0Hz,2H),1.65-1.59(m,3H),1.47(s,9
H),1.43(s,3H),1.40-1.37(m,6H),1.35(s,3H)
,1.31(s,9H),1.27(s,3H),1.07(s,9H),0.93(s
,9H),0.85-0.83(m,4H),0.78(s,9H),0.76(s,9
H),0.46(s,3H),-2.25(s,3H)。
【0342】
13C NMR(101MHz,CD2Cl2)δ 160.67(d,J=37.
6Hz),160.58,158.88,158.26(d,J=36.7Hz),14
8.73,148.71,148.44,148.42,146.74,146.19,
145.87,145.64,137.96,137.88,137.81,137.7
8,137.69,137.62,135.85,135.51,134.94,134
.85,134.41,134.32,132.94,132.64,131.51,1
30.97,130.82,130.36,130.01,129.93,129.89
,129.64,129.29,129.25,128.39,128.30,127.
57,127.54,127.22,127.14,126.72,124.98,12
4.31,124.25(2),124.00,123.79,123.48,123.
12,122.99,122.13,121.86,117.67(d,J=22.7H
z),115.85(d,J=22.4Hz),115.26(d,J=22.7Hz)
,114.08(d,J=22.5Hz),77.54,73.52,70.64,57
.07,55.86,37.55,37.51,35.12,34.86,34.62,
34.58,33.87,33.31,32.35,32.31,31.71,31.5
8,31.55,30.88,30.83,30.40,30.21,30.07,29
.61,28.64,26.88,25.19,24.16,20.37,18.25,
15.43,11.15。19F NMR(376MHz,CD2Cl2)δ-118.
94(t,J=9.2Hz),-119.05(d,J=8.5Hz)。
【0343】
実施例47-本発明の金属-配位子錯体29(IMLC-29)の合成:
【0344】
【0345】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(20.4mg、0
.135mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.6M、0.253mL、0.405mmol、3.0当量)で処理した。混合
物は、1分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後2分未満に、配位子式xxii
i(2’、2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(5’-フルオ
ロ-3’-メチル-3-(1,1,4,4,8,8,11,11-オクタメチル-1,2
,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロペンタセン-6-イル)-5-(2,4,
4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オール))(2
02mg、0.135mmol、1.00当量)を添加した。14時間の撹拌後、溶媒を
真空ポンプによって除去し、固体を6mLのヘキサンに懸濁した。溶液を0.45umシ
リンジフィルターで濾過し、溶媒を真空ポンプによって濾液から除去した。187mgの
固体を単離した(85%)。
【0346】
1H NMR(400MHz,CD2Cl2)δ 8.42(s,1H),8.20
(s,1H),8.11(s,1H),8.04(s,1H),8.00(d,J=2.
1Hz,2H),7.85(s,1H),7.72(s,1H),7.52(d,J=2
.0Hz,2H),7.35(d,J=2.7Hz,1H),7.20(t,J=2.5
Hz,2H),7.15(d,J=2.7Hz,1H),6.80(dd,J=9.6,
3.2Hz,1H),6.68(dd,J=9.6,3.3Hz,1H),6.35(d
d,J=8.6,3.2Hz,1H),6.11(dd,J=8.4,3.2Hz,1H
),4.09(dt,J=9.9,4.7Hz,1H),3.99(dt,J=10.4
,4.9Hz,1H),3.81(dt,J=10.5,5.4Hz,1H),3.72
(dt,J=9.7,4.9Hz,1H),3.53(bs,2H),2.41(dt,
J=8.5,6.4Hz,2H),2.22(dt,J=8.9,6.6Hz,2H),
1.99-1.20(m,72H),0.99-0.73(m,36H),-2.27(
s,3H)。
【0347】
13C NMR(101MHz,CD2Cl2)δ 160.97,160.54,
160.41,159.35,158.55,158.00,148.79,148.7
6,148.49,148.47,143.26,143.00,142.95,142
.78,142.60,142.06,141.92,141.76,138.31,1
38.23,138.15,138.07,136.02,135.90,135.46
,135.33,135.24,135.15,134.61,134.52,133.
05,132.81,131.29,130.93,130.62,130.25,13
0.07,129.83,129.50,129.22,129.12,128.83,
127.50,127.20,126.90,125.35,125.31,125.2
1,125.10,124.94,124.53,124.08,123.87,123
.79,122.97,122.56,117.05,116.82,116.11,1
15.88,115.02,114.80,114.00,113.78,77.22,
73.84,70.80,56.90,56.64,37.47,35.35,35.2
3,35.19,35.10,35.04,34.86,34.82,34.67,34
.50,34.49,34.45,34.41,34.30,34.21,33.60,
33.15,32.93,32.74,32.71,32.61,32.57,32.4
0,32.36,32.31,32.14,32.11,31.97,31.92,31
.89,31.86,31.75,31.73,31.69,31.63,31.54,
30.86,30.58,30.09,24.23,22.61,17.80,15.6
0,13.83。
【0348】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-118.71(t,J=9.0
Hz),-119.21(t,J=9.0Hz)。
【0349】
実施例48-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1,1,4,4,8,8,11
,11-オクタメチル-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロペンタセン
-6-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン:
【0350】
【0351】
50mLの丸底フラスコに、6-ブロモ-1,1,4,4,8,8,11,11-オ
クタメチル-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロペンタセン(1.30
g、2.72mmol、1.00当量)及び14mLの乾燥THFを充填した。溶液を、
窒素ブランケット下で-78℃に冷却した。N-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、
1.87mL、3.00mmol、1.10当量)を注入し、混合物を30分間撹拌した
。溶液は不均一になった。イソプロポキシBpin(0.666mL、3.27mmol
、1.20当量)を注入し、溶液を1時間かけて徐々に0℃に温めた。
【0352】
溶液を塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。生成物をジクロロメタンで数回抽出
した。合わせた有機画分を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサ
ン中0~20% EtOAc)によって精製した。1.154gのボロン酸エステルを黄
色の固体として単離した(収率81%)。
【0353】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.42(s,2H),8.24(
s,1H),7.83(s,2H),1.78(s,8H),1.58(s,12H),
1.42(s,12H),1.40(s,12H)。
【0354】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 143.56,142.91,1
34.95,129.97,127.17,125.26,124.88,83.76,
35.21,34.89,34.47,32.74,32.48,25.34。
【0355】
実施例49-2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(
5’-フルオロ-3’-メチル-3-(1,1,4,4,8,8,11,11-オクタメ
チル-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロペンタセン-6-イル)-5
-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オ
ール)-配位子式(xxiii)の調製:
【0356】
【0357】
100mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((5-フルオロ-3’-ヨード-2’
-(メトキシメトキシ)-3-メチル-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-
イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロパン(0.951g、0.
913mmol、1.00当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1,1,4,
4,8,8,11,11-オクタメチル-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタ
ヒドロペンタセン-6-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(1.15g、2.19
mmol、2.20当量)、及びPd(Amphos)Cl2(65mg、0.091m
mol、10mol%)を充填した。還流凝縮器を取り付け、ユニットを窒素雰囲気下に
置いた。窒素スパージしたTHF(10mL)を添加し、続いて窒素スパージしたK3P
O4(4.57mL、9.13mmol、10.0当量)を添加した。混合物を70℃に
加熱し、窒素ブランケット下で14時間撹拌した。
【0358】
溶液を冷却し、相を分離した。有機相を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグ
ラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。3つの部分:(1)
プロトデボリレート化ボロン酸エステル(230mg)、(2)所望のMOM-エーテル
中間体(772mg)、(3)未確認の物質、場合によっては単結合中間体(405mg
)を単離した。
【0359】
固体MOM-エーテル中間体を、10mLのTHF及び10mLのメタノールに溶解
させた。約3mLの6M HClを添加し、混合物を一晩還流させた。
【0360】
溶液を冷却し、水で希釈し、生成物をジクロロメタンの部分で抽出した。合わせた有
機画分を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10%
EtOAc)によって精製した。第2のカラム精製を行い(ヘキサン中0~10%ジクロ
ロメタン)、529mgの最終配位子を黄色の固体として得た(39%)。
【0361】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.30(s,2H),7.92(
s,4H),7.59(s,4H),7.45(d,J=2.4Hz,2H),7.31
(d,J=2.4Hz,2H),6.95(dd,J=9.1,3.2Hz,2H),6
.78(dd,J=8.9,3.1Hz,2H),5.45(s,2H),3.71(t
,J=6.2Hz,4H),1.97(s,6H),1.76-1.62(m,22H)
,1.43(d,J=2.8Hz,12H),1.39(d,J=2.3Hz,24H)
,1.15(s,12H),1.09(s,12H),0.78(s,18H)。
【0362】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 159.56,157.15,1
50.75,150.73,148.78,144.10,143.54,141.50
,133.36,133.28,133.20,133.11,130.49,130.
33,129.05,128.99,128.50,125.46,124.90,12
4.47,124.46,122.76,116.54,116.32,116.23,
116.01,70.17,56.73,38.12,35.03,34.87,34.
66,34.52,32.62,32.50,32.41,32.14,32.02,3
1.57,26.90,25.26,20.69,16.68。
【0363】
19F NMR(470MHz,CDCl3)δ-119.92(t,J=8.9H
z)。
【0364】
国際公開第2020/047384(A1)号に詳述されている1,3-ビス((5
-フルオロ-3’-ヨード-2’-(メトキシメトキシ)-3-メチル-5’-(2,4
,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ
)プロパンの調製。
【0365】
実施例50-本発明の金属-配位子錯体30(IMLC-30)の合成:
【0366】
【0367】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(14.9mg、0
.0985mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を
周囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置
いた。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、次いでメチルリチウム(ジエ
チルエーテル中1.6M、0.191mL、0.306mmol、3.1当量)で処理し
た。混合物は、1分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後2分未満に、配位子式
xxiv(2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(
2,7-ビス(トリメチルシリル)-9H-カルバゾール-9-イル)-5’-フルオロ
-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビ
フェニル]-2-オール))(136mg、0.0985mmol、1.00当量)を添
加した。14時間の撹拌後、溶媒を真空ポンプによって除去し、固体を3mLのヘキサン
に懸濁した。溶液を0.45umシリンジフィルターで濾過し、溶媒を真空ポンプによっ
て濾液から除去した。固体を約1mLのペンタンに溶解させ、次いでグローブボックス冷
凍庫で一晩冷却させた。白色の固体が形成され、次いでデカンテーションによって分離し
た。57.4mgの固体を単離した(40%)。
【0368】
1H NMR(500MHz,CD2Cl2)δ 8.20(dd,J=7.6,0
.8Hz,1H),8.16(dd,J=7.6,0.8Hz,1H),8.13(dd
,J=7.6,0.8Hz,1H),7.97(dd,J=7.6,0.7Hz,1H)
,7.95(q,J=1.2Hz,1H),7.60(s,1H),7.54(dd,J
=11.3,2.7Hz,1H),7.51-7.43(m,2H),7.43-7.2
7(m,3H),7.27-7.18(m,3H),7.14(d,J=0.9Hz,1
H),6.92(dd,J=9.3,3.2Hz,1H),6.58(dd,J=9.2
,3.2Hz,1H),6.49(dd,J=8.6,3.2Hz,1H),6.28(
dd,J=8.7,3.2Hz,1H),4.20-4.05(m,1H),3.96-
3.83(m,1H),3.79-3.69(m,1H),3.69-3.59(m,1
H),2.87-2.71(m,2H),2.62-2.45(m,2H),1.96(
m,1H),1.86(m,1H),1.81-1.74(m,2H),1.70-1.
55(m,5H),1.41(s,3H),1.39-1.32(m,9H),0.97
-0.90(m,4H),0.82(s,9H),0.79(s,9H),0.66(s
,3H),0.42(s,9H),0.28(s,9H),0.11(s,9H),-0
.04(s,9H),-1.84(s,3H)。
【0369】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-118.26(t,J=8.8
Hz),-118.32(t,J=9.1Hz)。
【0370】
実施例51-1-(エトキシメトキシ)-4-(2,4,4-トリメチルペンタン-
2-イル)ベンゼン:
【0371】
【0372】
THF(300mL)及びH2O(3mL)中の4-(2,4,4-トリメチルペン
タン-2-イル)フェノール(10.091g、48.909mmol、1.00当量)
の透明な無色溶液を、窒素のポジティブフロー下で1時間スパージし、そのときにNaO
H水溶液(7.8mL、97.818mmol、2.00当量、50%w/w)を、シリ
ンジを介して素早い滴下で添加した。23℃で20分間撹拌(500rpm)した後、未
希釈のクロロメチルエチルエーテル(13.6mL、146.73mmol、3.00当
量)を、透明無色の溶液にシリンジを介して素早い滴下様式で添加した。23℃で2時間
撹拌した後、白色になった不均一混合物をNaOH水溶液(150mL、1N)で希釈し
、THFを回転蒸発によって除去し、得られた白色二相混合物をCH2Cl2(100m
L)で希釈し、分液漏斗に注ぎ、分割し、有機物をNaOH水溶液(2×50mL、1N
)で洗浄し、残留有機物を水溶液(2×25mL)から抽出し、合わせ、固体Na2SO
4で乾燥させ、デカントし、濃縮した。得られた淡黄色の油をCH2Cl2(20mL)
で希釈し、シリカゲルパッドを通して吸引濾過し、CH2Cl2(4×50mL)ですす
ぎ、濾液を濃縮して、フェノール性メチルエチルエーテルを透明無色の油(12.800
g、48.420mmol、99%)として得た。
【0373】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.29-7.22(m,2H),
6.98-6.90(m,2H),5.19(d,J=1.1Hz,2H),3.72(
q,J=7.1Hz,2H),1.69(s,2H),1.33(s,6H),1.21
(t,J=7.1Hz,3H),0.71(s,9H)。
【0374】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 155.01,143.38,1
27.01,115.44,93.30,64.08,56.99,37.99,32.
30,31.75,31.59,15.10。
【0375】
実施例52-(2-(エトキシメトキシ)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン
-2-イル)フェニル)トリメチルシラン:
【0376】
【0377】
連続パージの窒素充填したグローブボックスにおいて、脱酸素化無水THF(100
mL)中の保護フェノール(5.000g、18.910mmol、1.00当量)の透
明な無色の溶液を、-35℃に冷却した冷凍庫に2時間入れ、そのときにn-BuLi溶
液(15.4mL、24.583mmol、1.30当量、ヘキサン中2.6M)を、シ
リンジを介して素早い滴下様式で添加した。山吹色になった溶液を冷凍庫内で45分間静
置し、取り出し、23℃で2時間撹拌し(300rpm)、暗い山吹色になった溶液を-
35℃に冷却した冷凍庫に1時間戻し、次いで、未希釈のクロロトリメチルシラン(3.
60mL、28.365mmol、1.50当量)を、シリンジを介して未希釈で、素早
い滴下様式で添加し、20分後、白色になった混合物を冷凍庫から取り出し、23℃で2
時間撹拌した(300rpm)。得られた透明な無色の溶液をグローブボックスから取り
出し、飽和水性NaHCO3混合物で中和し、CH2Cl2(100mL)で希釈し、分
液漏斗に注ぎ、分割し、有機物を飽和水性NaHCO3混合物(1×50mL)で洗浄し
、残留有機物を水溶液(2×25mL)から抽出し、合わせ、固体Na2SO4で乾燥さ
せ、デカントし、濃縮した。得られた淡黄色の油をCH2Cl2(10mL)で希釈し、
シリカゲルパッドを通して吸引濾過し、CH2Cl2(4×25mL)ですすぎ、濾液を
濃縮して、保護フェノールを透明な淡黄色の油(5.365g、15.939mmol、
84%)として得た。
【0378】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.36(d,J=2.6Hz,1
H),7.29-7.24(m,1H),6.96(d,J=8.6Hz,1H),5.
20(s,2H),3.71(q,J=7.0Hz,2H),1.69(s,2H),1
.35(s,6H),1.22(t,J=7.1Hz,3H),0.71(s,9H),
0.27(s,9H)。
【0379】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 159.89,142.26,1
32.63,128.10,126.78,111.69,92.67,64.02,5
7.10,38.03,32.31,31.76,31.53,15.10,-0.77
。
【0380】
実施例53-(2-(エトキシメトキシ)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-
1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-
2-イル)フェニル)トリメチルシラン:
【0381】
【0382】
500mLの丸底フラスコに、(2-(エトキシメトキシ)-5-(2,4,4-ト
リメチルペンタン-2-イル)フェニル)トリメチルシラン(16.9g、50.2mm
ol、1.00当量)及び148mLの乾燥THFを充填した。溶液を、窒素ブランケッ
ト下で-78℃に冷却した。N-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、22.1mL、
55.2mmol、1.10当量)を滴加した。混合物を-78℃で撹拌し、2時間かけ
て室温に温めた。
【0383】
フラスコを-78℃浴に戻し、イソプロポキシ-Bpin(12.3mL、60.3
mmol、1.20当量)を注入した。混合物を3時間かけて室温まで徐々に温めた。
【0384】
溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。相を分離し、水相をジクロロメ
タンで数回抽出した。合わせた有機画分を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラ
フィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。11.434gの生成
物を無色の油として単離した(49%)。
【0385】
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.66(d,J=2.7Hz,1
H),7.51(d,J=2.8Hz,1H),5.17(s,2H),3.68(q,
J=7.1Hz,2H),1.71(s,2H),1.36(d,J=5.8Hz,18
H),1.19(t,J=7.1Hz,3H),0.69(s,9H),0.31(s,
9H)。
【0386】
13C NMR(126MHz,CDCl3)δ 165.13,143.13,1
36.57,135.41,130.36,98.70,83.56,65.55,56
.97,38.11,32.33,31.81,31.57,24.82,15.16,
-0.13。
【0387】
実施例54-1,3-ビス((2’-(エトキシメトキシ)-5-フルオロ-3-メ
チル-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-3’-(トリメチルシリ
ル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロパン:
【0388】
【0389】
500mLの丸底フラスコに、(2-(エトキシメトキシ)-3-(4,4,5,5
-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(2,4,4-トリ
メチルペンタン-2-イル)フェニル)トリメチルシラン(11.4g、24.6mmo
l、2.20当量)、1,3-ビス(2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ
)プロパン(5.04g、11.2mmol、1.00当量)、水酸化ナトリウム(4.
03g、101mmol、9.00当量)、及びPd(PPh3)4(1.29g、1.
12mmol、10mol%)を充填した。還流凝縮器を取り付け、ユニットを窒素雰囲
気下に置いた。130mLの窒素スパージした6:1ジオキサン:水を添加し、混合物を
窒素下、85℃で撹拌した。
【0390】
14時間後、溶液を冷却し、ブラインでクエンチした。相を分離し、水相をジクロロ
メタンで2回抽出した。合わせた有機画分を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグ
ラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。9.33gの生成物
を、透明な無色の油として単離した(86%)。
【0391】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.39(d,J=2.5Hz,2
H),7.23(d,J=2.5Hz,2H),6.88(dd,J=8.9,3.2H
z,2H),6.82(dd,J=8.9,3.1Hz,2H),4.59(s,4H)
,3.61-3.02(m,8H),2.20(s,6H),1.69(s,4H),1
.40(t,J=6.5Hz,2H),1.31(s,12H),0.97(t,J=7
.1Hz,6H),0.68(s,18H),0.29(s,18H)。
【0392】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 159.32,157.12,1
56.92,151.31,151.29,144.35,134.86,134.77
,133.04,132.96,132.92,131.98,130.61,129.
36,129.35,116.22,116.00,115.74,115.52,97
.55,69.38,64.88,56.85,38.16,32.31,31.82,
30.91,16.77,16.76,14.86,-0.16。
【0393】
19F NMR(470MHz,CDCl3)δ-120.59(t,J=8.8H
z)。
【0394】
国際公開第2020/047384(A1)号に詳述されている1,3-ビス(2-
ブロモ-4-フルオロ-6-メチルフェノキシ)プロパンの調製。
【0395】
実施例55-1,3-ビス((2’-(エトキシメトキシ)-5-フルオロ-3’-
ヨード-3-メチル-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1
’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロパン:
【0396】
【0397】
500mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((2’-(エトキシメトキシ)-5-
フルオロ-3-メチル-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-3’-
(トリメチルシリル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロパン(9.
00g、9.36mmol、1.00当量)を充填した。固体を130mLのアセトニト
リル及び100mLのジクロロメタンに溶解させた。混合物を光から保護し、n-ヨード
スクシンイミド(14.7g、65.5mmol、7.00当量)で処理した。混合物を
24時間撹拌した。
【0398】
TLCでは部分的な転化しか観察されず、更に7.00gのNISを添加した。混合
物を6日間撹拌した。TLCにより、ほぼ完了したことが示された。最終5.00gのN
ISを添加し、混合物を更に24時間撹拌した。
【0399】
反応物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。生成物をジクロロメタンで数回
抽出した。合わせた有機画分を5% NaOHで洗浄した。有機相を濃縮し、残渣をシリ
カゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製し
た。8.314gの生成物を、透明な無色の油として単離した(83%)。
【0400】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.74(d,J=2.3Hz,2
H),7.25(d,J=2.4Hz,2H),6.91-6.78(m,4H),4.
77(s,4H),3.40(s,4H),3.29(q,J=7.1Hz,4H),2
.22(s,6H),1.68(s,4H),1.47(p,J=6.6Hz,2H),
1.30(s,12H),0.94(t,J=7.1Hz,6H),0.73(s,18
H)。
【0401】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 159.26,156.86,1
52.18,151.21,151.18,147.89,136.98,133.50
,133.41,133.27,133.18,131.66,131.64,129.
66,116.78,116.56,115.66,115.43,98.00,92.
56,69.88,65.32,56.65,38.18,32.39,31.88,3
0.76,16.82,14.76。
【0402】
19F NMR(376MHz,CDCl3)δ-120.29(t,J=8.7H
z)。
【0403】
実施例56-リアンド(liand)式(xxiv)の調製:
【0404】
【0405】
グローブボックスにおいて、50mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((2’-(
エトキシメトキシ)-5-フルオロ-3’-ヨード-3-メチル-5’-(2,4,4-
トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロ
パン(0.500g、0.468mmol、1.00当量)、2,7-ビス(トリメチル
シリル)-9H-カルバゾール(0.364g、1.17mmol、2.50当量)、K
3PO4(0.596g、2.81mmol、6.00当量)、CuI(89mg、0.
47mmol、1.0当量)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(0.081mL、
0.75mmol、1.6当量)、及び6mLのトルエンを充填した。還流凝縮器を取り
付け、ユニットをゴムセプタムで密封し、ヒュームフードに移した。混合物を窒素ブラン
ケット下、120℃で24時間撹拌した。不均一な混合物を冷却し、ジクロロメタンで希
釈した。スラリーをシリカのプラグを通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル
上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。5
56mgの白色の固体を単離した。プロトン/フッ素NMRにより、これが、少量の余り
のカルバゾールを有する結合中間体であることが示された。固体を5mLのTHFに溶解
させた。溶液を1mLの6M HClで処理し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。TL
Cでは朝までに転化が示されなかったため、混合物を70℃で4時間撹拌した。TLCに
より、いくつかの生成物が形成されたことが示された。脱シリル化が発生している可能性
があると疑われ、反応を停止させた。粗溶液をシリカに吸着させ、クロマトグラフィー(
ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。136mgの所望の生成物を白
色の固体として単離した(22%)。
【0406】
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.14(d,J=7.7Hz,4
H),7.47-7.35(m,8H),7.24(s,4H),6.97(dd,J=
8.8,3.1Hz,2H),6.80(dd,J=8.6,3.1Hz,2H),6.
40(s,2H),3.60(t,J=6.4Hz,4H),1.83(s,6H),1
.73(s,4H),1.66(q,J=6.3Hz,2H),1.37(s,12H)
,0.79(s,18H),0.19(s,36H)。
【0407】
13C NMR(126MHz,CDCl3)δ 159.88,157.94,1
49.93,147.75,142.95,140.99,138.07,133.62
,133.55,132.85,132.78,129.19,127.59,126.
37,125.01,124.43,123.85,119.76,117.37,11
7.19,116.12,115.94,114.52,70.92,57.06,38
.22,32.50,31.94,31.67,16.32,-0.82。
【0408】
19F NMR(470MHz,CDCl3)δ-118.21(t,J=8.6H
z)。
【0409】
J.Org.Chem.2019,84,11783に詳述されている2,7-ビス
(トリメチルシリル)-9H-カルバゾールの調製。
【0410】
実施例57-本発明の金属-配位子錯体31(IMLC-31)の合成:
【0411】
【0412】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(18.0mg、0
.119mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.6M、0.231mL、0.369mmol、3.1当量)で処理した。混合
物は、1分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後2分未満に、配位子式xxv(
2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(2,7-ビ
ス(トリメチルゲルミル)-9H-カルバゾール-9-イル)-5’-フルオロ-3’-
メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル
]-2-オール))(178mg、0.119mmol、1.00当量)を添加した。混
合物を4時間撹拌し、溶媒を真空ポンプによって除去した。固体残渣を5mLの乾燥ヘキ
サンと混合し、スラリーを0.45umのシリンジフィルターを通して濾過した。濾液を
濃縮して白色の固体にした。固体を約3mLのペンタンに懸濁した。スラリーを濾過し、
白色の固体を回収した。74.9mgの白色の固体を単離した(39%)。
【0413】
1H NMR(500MHz,CD2Cl2)δ 8.18(d,J=7.7Hz,
1H),8.15(d,J=7.5Hz,1H),8.11(d,J=7.6Hz,1H
),7.96(d,J=7.6Hz,1H),7.89(s,1H),7.58-7.5
0(m,2H),7.46-7.38(m,2H),7.34(d,J=2.6Hz,1
H),7.33-7.26(m,2H),7.26-7.21(m,2H),7.17(
d,J=7.6Hz,1H),7.09(s,1H),6.91(dd,J=9.3,3
.2Hz,1H),6.59(dd,J=9.2,3.2Hz,1H),6.48(dd
,J=8.6,3.2Hz,1H),6.29(dd,J=8.5,3.2Hz,1H)
,4.23-4.10(m,1H),3.95-3.78(m,1H),3.72(dd
,J=7.5,4.1Hz,1H),3.68-3.53(m,1H),2.77(q,
J=6.7Hz,2H),2.65-2.47(m,2H),2.06-1.92(m,
1H),1.86(d,J=16.5Hz,1H),1.77(dd,J=14.4,9
.8Hz,2H),1.71-1.55(m,5H),1.41(s,3H),1.38
-1.31(m,9H),1.02-0.89(m,4H),0.82(s,9H),0
.79(s,9H),0.66(s,3H),0.52(s,9H),0.39(s,9
H),0.21(s,9H),0.06(s,9H),-1.84(s,3H)。
【0414】
13C NMR(126MHz,CD2Cl2)δ 160.82,158.88,
158.45,155.95,155.35,149.12,148.76,148.7
4,142.15,140.92,139.72,139.66,139.56,139
.32,138.90,138.70,137.13,136.91,136.65,1
36.45,134.90,134.83,134.14,134.07,129.87
,129.17,128.45,127.87,127.62,125.97,124.
74,124.56,124.46,123.81,123.54,123.32,12
3.28,123.08,122.88,122.47,119.73,119.41,
119.11,118.81,117.54,117.12,116.94,116.2
6,116.24,116.10,116.03,115.92,115.85,115
.08,114.90,114.49,78.05,74.23,70.66,57.9
6,57.04,37.73,33.32,32.37,32.32,32.23,31
.67,31.61,30.27,30.22,29.57,24.38,17.30,
14.82,-1.67(2),-1.85,-2.35。
【0415】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-118.22--118.37
(m)。
【0416】
実施例58-2,7-ビス(トリメチルゲルミル)-9H-カルバゾール:
【0417】
【0418】
グローブボックスにおいて、50mLの瓶に、2,7-ジリチオ-9-(tert-
ブチルジメチルシリル)-9H-カルバゾール(1.00g、3.41mmol、1.0
0当量)及び17mLの乾燥THFを充填した。クロロトリメチルゲルマン(1.26m
L、10.2mmol、3.00当量)を添加し、混合物を45分間撹拌した。反応が進
行するにつれて、固体有機リチウムは急速に溶解した。透明な無色の溶液を塩化アンモニ
ウム水溶液でクエンチした。生成物をジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機画分
を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10% EtO
Ac)によって精製した。0.995gの白色の固体を単離した。プロトン/カーボンN
MRにより、これがシリル化中間体であることを確認した。カルバゾールを10mLのT
HFに溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.609g、1.93m
mol、1.00当量)で処理した。混合物を20分間撹拌すると、TLCにより、出発
物質の完全な消費が示された。溶液を塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。生成物を
ジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機画分を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのク
ロマトグラフィー(ヘキサン中0~20% EtOAc)によって精製した。0.720
gの生成物を白色の固体として単離した(2つのステップで53%)。
【0419】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.05(d,J=7.7Hz,2
H),7.94(s,1H),7.54(s,2H),7.32(dd,J=7.6,0
.8Hz,2H),0.45(s,18H)。
【0420】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 140.11,139.37,1
23.64,123.47,119.80,114.94,-1.49。
【0421】
国際公開第2017/058981(A1)号に詳述されている2,7-ジリチオ-
9-(tert-ブチルジメチルシリル)-9H-カルバゾールの調製。
【0422】
実施例59-配位子式(xxv)の調製:
【0423】
【0424】
グローブボックスにおいて、50mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((2’-(
エトキシメトキシ)-5-フルオロ-3’-ヨード-3-メチル-5’-(2,4,4-
トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロ
パン(0.500g、0.468mmol、1.00当量)、2,7-ビス(トリメチル
シリル)-9H-カルバゾール(0.469g、1.17mmol、2.50当量)、K
3PO4(0.595g、2.81mmol、6.00当量)、CuI(89mg、0.
47mmol、1.0当量)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(0.081mL、
0.75mmol、1.6当量)、及び6mLのトルエンを充填した。還流凝縮器を取り
付け、ユニットをゴムセプタムで密封し、ヒュームフードに移した。混合物を窒素ブラン
ケット下、120℃で48時間撹拌した。不均一な混合物を冷却し、ジクロロメタンで希
釈した。スラリーをシリカのプラグを通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル
上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。5
52mgの白色の固体を単離した。プロトン/フッ素NMRにより、これが、少量の余り
のカルバゾールを有する結合中間体であることが示された。中間体(420mg、0.2
60mmol、1.00当量)を4.5mLの乾燥DMFに溶解させた。溶液をナトリウ
ムエタンチオレート(88mg、4.0当量)で処理し、100℃で2時間撹拌した。T
LCにより、出発物質の完全な消費が示された。溶液を冷却し、ブラインでクエンチし、
生成物をジエチルエーテルで数回抽出した。合わせた有機画分を濃縮し、残渣をシリカゲ
ル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~20%ジクロロメタン)によって精製した
。347mgの生成物を白色の固体として単離した(2つのステップで49%)。
【0425】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.12(d,J=7.7Hz,4
H),7.42(s,4H),7.35(d,J=7.6Hz,4H),7.18(s,
4H),6.97(dd,J=8.8,3.2Hz,2H),6.79(dd,J=8.
7,3.1Hz,2H),6.36(s,2H),3.61(t,J=6.2Hz,4H
),1.84(s,6H),1.73(s,4H),1.66(p,J=6.0Hz,2
H),1.37(s,12H),0.79(s,18H),0.29(s,36H)。
【0426】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 160.10,157.68,1
50.01,149.98,147.73,142.96,141.01,140.19
,133.61,133.52,132.83,132.75,129.14,127.
53,126.38,126.37,125.03,124.04,123.52,11
9.75,117.36,117.14,116.12,115.89,114.03,
70.90,57.06,38.22,32.48,31.93,31.66,16.3
3,-1.50。
【0427】
19F NMR(376MHz,CDCl3)δ-118.23(t,J=8.7H
z)。
【0428】
実施例60-本発明の金属-配位子錯体32(IMLC-32)の合成:
【0429】
【0430】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(28.3mg、0
.187mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.53M、0.379mL、3.1当量)で処理した。混合物は、数分以内に均
質になった。メチルリチウムの添加後5分未満に、配位子式xxvi(6’、6’’’-
(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(2,6-ジ-tert-ブチ
ルアントラセン-9-イル)-3’-フルオロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン
-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オール))(234mg、0.187m
mol、1.00当量)を添加した。3時間の撹拌後、溶媒を真空ポンプによって除去し
、固体を6mLの1:1ヘキサン:トルエンに懸濁した。溶液を0.45umシリンジフ
ィルターを通して濾過し、溶媒を真空ポンプによって濾液から除去した。黄色の固体を単
離した。固体を1mLの乾燥ペンタンに溶解させ、グローブボックス冷凍庫で一晩冷却し
た。少量の白色の固体が沈殿し、これをデカンテーションによって除去した。固体を乾燥
させた(32mg)。デカントした液体を濃縮して、182mgの黄色固体(71%)を
得た。各部分のプロトン/フッ素NMRにより、生成物は主にペンタン可溶性部分に含ま
れたことが示された。錯体は、4つの異なる回転異性体の混合物として存在した。
【0431】
1H NMR(400MHz,CD2Cl2)δ 8.47-6.05(m,24H
),4.59-3.28(m,6H),2.27-0.72(m,78H),-2.76
--3.06(m,3H)。
【0432】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-117.10--117.24
(m),-117.31--117.43(m),-117.56--117.68(m
),-117.79(td,J=8.5,5.1Hz),-119.21(td,J=8
.8,5.5Hz),-119.35(td,J=8.9,5.6Hz),-120.0
5(qd,J=10.8,8.9,6.3Hz)。
【0433】
国際公開第2020/047384(A1)号に詳述されている配位子式xxviの
調製。
【0434】
実施例61-本発明の金属-配位子錯体33(IMLC-33)の合成:
【0435】
【0436】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(27.0mg、0
.179mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.53M、0.362mL、0.554mmol、3.1当量)で処理した。混
合物は、1分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後2分未満に、配位子式xxv
ii(2’,2’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(2,
7-ビス(ジメチル(フェニル)シリル)-9H-カルバゾール-9-イル)-5’-フ
ルオロ-3’-メチル-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1
’-ビフェニル]-2-オール))(280mg、0.179mmol、1.00当量)
を添加した。混合物を4時間撹拌し、溶媒を真空ポンプによって除去した。固体残渣を5
mLの乾燥1:1ヘキサン:トルエンと混合し、スラリーを0.45umシリンジフィル
ターを通して濾過した。濾液を濃縮して白色の固体にした。266mgの固体を回収した
(87%)。
【0437】
1H NMR(500MHz,CD2Cl2)δ 8.26-8.21(m,1H)
,8.19-8.15(m,1H),8.12(dd,J=7.7,0.8Hz,1H)
,7.95(td,J=7.3,0.8Hz,1H),7.93(d,J=1.0Hz,
1H),7.65-7.58(m,3H),7.52(dd,J=7.6,0.9Hz,
1H),7.51-7.47(m,4H),7.40-7.38(m,3H),7.36
-7.32(m,5H),7.32-7.29(m,2H),7.28-7.16(m,
13H),6.86-6.82(m,1H),6.54(ddd,J=13.3,8.9
,3.3Hz,2H),6.14(dd,J=8.5,3.1Hz,1H),4.01-
3.83(m,1H),3.61-3.54(m,1H),3.54-3.39(m,2
H),2.72-2.62(m,2H),2.53-2.43(m,2H),1.75(
dd,J=14.4,2.1Hz,2H),1.67-1.50(m,4H),1.42
(s,3H),1.39(s,3H),1.34-1.26(m,12H),0.78(
s,9H),0.76-0.72(m,13H),0.66(s,3H),0.61(s
,3H),0.60(s,3H),0.36(s,3H),0.35(s,3H),0.
34(s,3H),0.18(s,3H),-1.72(s,3H)。
【0438】
13C NMR(126MHz,CD2Cl2)δ 160.84,160.34,
158.90,158.40,155.98,155.42,149.09,149.0
7,148.64,148.62,142.24,141.24,139.97,139
.94,139.21,139.00,138.99,138.61,136.96,1
36.90,136.64,136.57,136.47,135.40,134.99
,134.86,134.79,134.35,134.33,134.30,134.
27,134.16,134.12,134.09,134.08,134.02,13
3.98,133.29,129.68,129.25,128.92,128.71,
128.66,128.63,128.48,128.11,127.90,127.7
8,127.77,127.58,127.57,127.53,127.50,127
.43,125.74,125.08,124.92,124.66,124.59,1
24.41,124.38,123.44,122.99,119.99,119.58
,119.29,118.88,118.83,117.72,117.56,117.
23,117.05,116.10,115.85,115.67,115.06,11
4.88,77.80,74.14,70.75,57.74,56.98,37.67
,37.66,33.28,32.44,32.30,32.25,31.62,30.
14,30.01,29.62,24.18,24.15,17.08,15.05,-
2.06,-2.25,-2.38,-2.42,-2.48,-2.53,-2.76
,-2.82。
【0439】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-118.07(t,J=8.9
Hz),-118.36(t,J=8.8Hz)。
【0440】
実施例62-2,7-ビス(ジメチル(フェニル)シリル)-9H-カルバゾール:
【0441】
【0442】
グローブボックスにおいて、50mLの瓶に、2,7-ジリチオ-9-(tert-
ブチルジメチルシリル)-9H-カルバゾール(1.00g、3.41mmol、1.0
0当量)及び17mLの乾燥THFを充填した。クロロジメチルフェニルシラン(1.7
2mL、10.2mmol、3.00当量)を添加し、混合物を45分間撹拌した。反応
が進行するにつれて、固体有機リチウムは急速に溶解した。透明な無色の溶液を塩化アン
モニウム水溶液でクエンチした。生成物をジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機
画分を濃縮した。溶液をNa2SO4で乾燥させ、塩基性アルミナを通して濾過し、白色
の固体に濃縮した。2.021gの粗白色固体を単離し、更に精製することなく使用した
。カルバゾールを10mLのTHFに溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和
物(2.02g、3.41mmol、1.00当量)で処理した。混合物を20分間撹拌
すると、TLCにより、出発物質の完全な消費が示された。溶液を塩化アンモニウム水溶
液でクエンチした。生成物をジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機画分を濃縮し
、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~20% EtOAc)に
よって精製した。0.803gの生成物を白色の固体として単離した(2つのステップで
54%)。
【0443】
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.06(d,J=7.7Hz,2
H),7.87(s,1H),7.60-7.49(m,6H),7.44-7.31(
m,8H),0.62(s,12H)。
【0444】
13C NMR(126MHz,CDCl3)δ 139.31,138.62,1
35.79,134.27,129.07,127.81,124.85,123.93
,119.93,116.52,-2.07。
【0445】
実施例63-配位子式(xxvii)の調製:
【0446】
【0447】
グローブボックスにおいて、50mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((2’-(
エトキシメトキシ)-5-フルオロ-3’-ヨード-3-メチル-5’-(2,4,4-
トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロ
パン(0.500g、0.468mmol、1.00当量)、2,7-ビス(トリメチル
ゲルミル)-9H-カルバゾール(0.500g、0.468mmol、1.00当量)
、2,7-ビス(ジメチル(フェニル)シリル)-9H-カルバゾール(0.448g、
1.03mmol、2.20当量)、K3PO4(0.596g、2.81mmol、6
.00当量)、CuI(89mg、0.47mmol、1.0当量)、N,N’-ジメチ
ルエチレンジアミン(0.081mL、0.75mmol、1.6当量)、及び6mLの
トルエンを充填した。還流凝縮器を取り付け、ユニットをゴムセプタムで密封し、ヒュー
ムフードに移した。混合物を窒素ブランケット下、120℃で48時間撹拌した。CuI
(89mg)及びDMEDA(0.081mL)の追加の部分を添加した。撹拌を更に4
8時間続けた。溶液を冷却し、ジクロロメタンで希釈し、スラリーをアルミナのプラグを
通して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン
中0~10% EtOAc)によって精製した。177mgの所望の中間体を単離し、次
のステップに取った。中間体を6mLの1:1 THF:メタノールに溶解させた。これ
を20mgのp-トルエンスルホン酸一水和物で処理し、5時間還流させた。TLCによ
り、出発物質の完全な消費が示された。溶液を冷却し、ジクロロメタン及び水で希釈した
。相を分離し、水相をジクロロメタンで更に数回抽出した。合わせた有機画分を濃縮し、
シリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~20% EtOAc)によって精
製した。129mgの生成物を白色の固体として単離した(2つのステップで収率18%
)。
【0448】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.13(d,J=7.8Hz,4
H),7.46-7.33(m,16H),7.28(s,4H),7.24-7.06
(m,12H),6.88(dd,J=8.9,3.2Hz,2H),6.77(dd,
J=8.6,3.1Hz,2H),6.43(s,2H),3.42(t,J=6.3H
z,4H),1.73(s,6H),1.68(s,4H),1.50-1.39(m,
2H),1.32(s,12H),0.71(s,18H),0.57-0.36(m,
24H)。
【0449】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 160.13,157.70,1
49.85,149.82,147.58,142.93,140.99,138.48
,135.61,134.15,134.09,133.62,133.54,132.
81,132.72,128.97,128.87,127.71,127.65,12
7.61,127.40,126.39,125.34,124.92,124.03,
119.87,117.31,117.09,116.17,115.94,115.6
7,70.96,57.02,38.16,32.39,31.83,31.58,30
.47,16.19,-2.04,-2.10。
【0450】
19F NMR(470MHz,CDCl3)δ-118.16(m)。
【0451】
実施例64-本発明の金属-配位子錯体34(IMLC-34)の合成:
【0452】
【0453】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(27.0mg、0
.179mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.53M、0.362mL、0.554mmol、3.1当量)で処理した。混
合物は、1分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後2分未満に、6’,6’’’
-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(2,7-ビス(トリメチル
ゲルミル)-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-フルオロ-5-(2,4,4-ト
リメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オール))を添加した
(262mg、0.179mmol、1.00当量)。混合物を5時間撹拌し、溶媒を真
空ポンプによって除去した。固体残渣を5mLの乾燥2:1ヘキサン:トルエンと混合し
、スラリーを0.45umシリンジフィルターを通して濾過した。濾液を濃縮して白色の
固体にした。固体を約2mLのペンタンに懸濁した。混合物をグローブボックス冷凍庫で
一晩冷却した。スラリーを濾過し、白色の固体を真空下で乾燥させた。199mgの固体
を単離した(69%)。
【0454】
1H NMR(500MHz,CD2Cl2)δ 8.32(dd,J=7.7,0
.8Hz,1H),8.28(dd,J=7.7,0.8Hz,1H),8.10(dd
,J=7.6,0.8Hz,1H),8.05(dd,J=7.6,0.8Hz,1H)
,7.58(t,J=0.9Hz,1H),7.55(t,J=0.9Hz,1H),7
.51-7.44(m,3H),7.37(d,J=2.7Hz,1H),7.27(d
,J=2.6Hz,1H),7.25-7.19(m,3H),7.14(d,J=0.
9Hz,1H),7.09(t,J=0.8Hz,1H),6.98(ddd,J=9.
5,5.2,3.2Hz,2H),6.47(ddd,J=8.9,7.6,3.2Hz
,1H),6.11(ddd,J=8.8,7.8,3.2Hz,1H),4.78(d
d,J=8.8,5.1Hz,1H),4.48(dd,J=8.9,5.1Hz,1H
),4.10(ddd,J=10.7,8.5,2.1Hz,1H),3.60(ddd
d,J=15.9,10.2,6.6,3.0Hz,2H),3.42(ddd,J=9
.4,8.4,3.5Hz,1H),2.45-2.34(m,4H),1.83-1.
62(m,5H),1.53(ddt,J=15.7,8.0,4.0Hz,1H),1
.45-1.31(m,12H),0.91(ddd,J=7.6,5.0,2.4Hz
,4H),0.81(s,9H),0.80(s,9H),0.35(s,9H),0.
32(s,9H),0.21(s,9H),0.19(s,9H),-2.51(s,3
H)。
【0455】
13C NMR(101MHz,CD2Cl2)δ 161.54,160.60,
159.11,158.18,156.96,156.08,151.15,151.1
3,150.00,149.97,141.43,141.30,141.24,141
.15,139.99,139.90,139.28,138.89,136.93,1
36.87,136.66,136.57,135.78,135.70,130.01
,128.91,128.69,128.19,128.10,127.92,127.
55,125.38,125.26,125.18,124.26,123.94,12
3.40,123.20,123.17,123.09,123.04,122.73,
122.64,122.42,122.28,119.82,119.77,119.1
9,119.07,117.85,117.61(2),117.36,116.43,
115.61,114.85,114.62,113.87,113.80,113.6
5,113.46,78.59,74.71,70.21,57.20,57.10,3
7.81,37.69,32.68,32.40,32.38,32.35,31.70
,31.68,31.60,30.64,30.38,29.77,24.50,-1.
70,-1.78,-1.99,-2.13。
【0456】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-116.82--117.34
(m),-118.67(td,J=8.2,5.0Hz)。
【0457】
実施例65-1,3-ビス((5’-フルオロ-3’-ヨード-2’-メトキシ-5
’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-
イル)オキシ)プロパン:
【0458】
【0459】
グローブボックスにおいて、固体6’,6’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス
(オキシ))ビス(3’-フルオロ-3-ヨード-5-(2,4,4-トリメチルペンタ
ン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オール)(5.00g、5.41mm
ol、1.00当量)を100mLの瓶に入れ、THF(50mL)に溶解させた。溶液
を水素化ナトリウム(0.298g、2.3当量)で処理した。10分後、溶液をヨード
メタン(0.81mL、2.4当量)及び10mLの乾燥DMFで処理した。混合物を3
時間撹拌した。TLCにより、フェノール中間体の完全な転化が示された。溶液を水で希
釈し、生成物をジクロロメタンの部分で抽出した。合わせた有機画分をMgSO4で乾燥
させ、シリカゲルのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのク
ロマトグラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。4.93g
の無色の油を単離した(96%)。
【0460】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.72(d,J=2.4Hz,2
H),7.14(d,J=2.4Hz,2H),7.05-6.89(m,4H),6.
82(dd,J=8.9,4.5Hz,2H),3.87(t,J=5.8Hz,4H)
,3.27(s,6H),1.86(p,J=5.9Hz,2H),1.69(s,4H
),1.31(s,12H),0.73(s,18H)。
【0461】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 157.78,155.40,1
54.94,152.18,152.16,147.38,136.50,130.61
,130.12,129.12,129.04,117.78,117.55,115.
07,114.84,113.30,113.21,91.55,65.10,60.5
2,56.93,38.17,32.41,31.85,31.45,29.16。
【0462】
19F NMR(470MHz,CDCl3)δ-124.29(td,J=8.3
,4.5Hz)。
【0463】
国際公開第2020/047384(A1)号に詳述されている6’,6’’’-(
プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3’-フルオロ-3-ヨード-5-(
2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-オール
)の調製。
【0464】
実施例66-配位子式(xxviii)の調製:
【0465】
【0466】
グローブボックスにおいて、50mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((5-フル
オロ-3’-ヨード-2’-メトキシ-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-
イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロパン(0.950g、0.
997mmol、1.00当量)、2,7-ビス(トリメチルゲルミル)-9H-カルバ
ゾール(0.999g、2.49mmol、2.50当量)、K3PO4(1.27g、
5.98mmol、6.00当量)、CuI(190mg、0.997mmol、1.0
当量)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(0.172mL、1.60mmol、1
.60当量)、及び10mLのトルエンを充填した。還流凝縮器を取り付け、ユニットを
ゴムセプタムで密封し、ヒュームフードに移した。混合物を窒素ブランケット下、120
℃で24時間撹拌した。不均一な混合物を冷却し、ジクロロメタンで希釈した。スラリー
をシリカのプラグを通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル上でのクロマトグ
ラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。0.970mgの白
色の固体を単離した。プロトン/フッ素NMRにより、これが、少量の余りのカルバゾー
ルを有する結合中間体であることが示された。固体を窒素下で6.5mLの乾燥DMFに
溶解させた。溶液をナトリウムエタンチオレート(218mg、2.59mmol、4.
0当量)で処理し、100℃で48時間撹拌した。TLCにより、出発物質の消費が示さ
れた。溶液を冷却し、ブラインでクエンチし、生成物をジクロロメタンの部分で抽出した
。合わせた有機画分を、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~40%ジ
クロロメタン)によって精製した。510mgの生成物を白色の固体として単離した(2
つのステップで35%)。
【0467】
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 8.21(dd,J=7.7,0.
8Hz,4H),7.41(dd,J=7.6,0.8Hz,4H),7.32(d,J
=2.4Hz,2H),7.26(s,2H),7.14(d,J=0.9Hz,4H)
,6.92(dd,J=8.8,3.2Hz,2H),6.36-6.17(m,2H)
,5.56(dd,J=9.0,4.4Hz,2H),5.15(s,2H),3.66
(t,J=5.5Hz,4H),1.90-1.77(m,2H),1.35(s,12
H),0.77(s,18H),0.34(s,36H)。
【0468】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 158.06,155.68,1
51.18,151.16,148.15,142.61,141.36,140.44
,129.57,127.67,127.60,127.48,125.88,124.
27,123.54,123.48,119.78,118.11,117.87,11
5.34,115.12,113.89,112.54,112.45,64.44,5
7.16,38.13,32.45,31.88,31.58,28.88,-1.45
。
【0469】
19F NMR(470MHz,CDCl3)δ-123.22(td,J=8.3
,4.3Hz)。
【0470】
実施例67-本発明の金属-配位子錯体35(IMLC-35)の合成:
【0471】
【0472】
グローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、ScCl3(30.8mg、0
.204mmol、1.00当量)及び4.5mLの乾燥THFを充填した。混合物を周
囲温度で一晩撹拌した。約16時間後、スラリーをグローブボックス冷凍庫に1時間置い
た。次いで、バイアルをグローブボックスから取り出し、メチルリチウム(ジエチルエー
テル中1.53M、0.412mL、0.631mmol、3.1当量)で処理した。混
合物は、1分以内に均質になった。メチルリチウムの添加後2分未満に、配位子式xxi
x(6’,6’’’-(プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(3-(2,7
-ビス(ジメチル(フェニル)シリル)-9H-カルバゾール-9-イル)-3’-フル
オロ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]
-2-オール))(314mg、0.204mmol、1.00当量)を添加した。混合
物を5時間撹拌し、溶媒を真空ポンプによって除去した。固体残渣を5mLの乾燥2:1
ヘキサン:トルエンと混合し、スラリーを0.45umシリンジフィルターを通して濾過
した。濾液を濃縮して白色の固体にした。固体を約2mLの温かいペンタンに溶解させた
。混合物をグローブボックス冷凍庫で一晩冷却し、白色の固体を沈殿させた。溶媒をデカ
ンテーションによって除去し、白色の固体を真空下で乾燥させた。0.278gの固体を
単離した(82%)。
【0473】
1H NMR(500MHz,CD2Cl2)δ 8.40(dd,J=7.7,0
.8Hz,1H),8.29(dd,J=7.7,0.8Hz,1H),8.17(dd
,J=7.7,0.8Hz,1H),8.05(dd,J=7.8,0.8Hz,1H)
,7.65(dd,J=7.7,0.9Hz,1H),7.59(d,J=1.0Hz,
1H),7.56(dd,J=7.7,0.9Hz,1H),7.52(d,J=0.9
Hz,1H),7.45(d,J=2.6Hz,1H),7.42-7.39(m,2H
),7.35-7.29(m,7H),7.25-7.08(m,14H),7.06-
6.99(m,4H),6.96-6.90(m,1H),6.88(dd,J=9.4
,3.2Hz,1H),6.47(ddd,J=8.9,7.7,3.2Hz,1H),
6.10(ddd,J=8.8,7.7,3.2Hz,1H),4.38(dd,J=8
.8,5.2Hz,1H),4.23(dd,J=8.9,5.2Hz,1H),3.3
8(ddd,J=10.6,8.0,2.1Hz,1H),2.92(ddd,J=9.
5,5.8,3.5Hz,1H),2.63(dtd,J=13.7,8.5,7.6,
2.8Hz,2H),2.26-2.14(m,4H),1.83(d,J=14.5H
z,1H),1.80-1.63(m,4H),1.41(s,3H),1.41(s,
3H),1.37(s,3H),1.33(s,3H),1.12-1.02(m,1H
),0.84(s,9H),0.80(s,9H),0.61(s,3H),0.60(
s,3H),0.54(s,3H),0.52(s,3H),0.43(s,3H),0
.36(s,3H),0.35(s,3H),0.31(s,3H),-2.41(s,
3H)。
【0474】
13C NMR(101MHz,CD2Cl2)δ 161.58,160.75,
159.16,158.33,156.70,155.85,150.92,150.8
9,149.75,149.72,141.35,141.17,141.15,140
.92,139.04,138.78,138.36,137.47,136.86,1
36.75,136.68,136.59,136.06,135.98,135.81
,135.79,135.28,134.19,134.12,134.07,134.
04,134.02,133.98,129.58,128.91,128.78,12
8.68,128.61,128.58,128.30,128.10,127.75,
127.57,127.49,127.41,127.38,127.31,127.2
8,127.09,125.67,125.58,125.18,125.13,124
.66,124.54,124.51,124.30,124.12,123.97,1
23.70,123.54,123.45,122.88,122.51,119.92
,119.88,119.31,119.27,118.08,117.75,117.
58,117.52,117.37,117.14,115.11,114.76,11
4.66,114.43,113.78,113.55,77.92,75.13,70
.12,57.23,57.17,37.81,37.65,32.92,32.45,
32.37,32.34,31.76,31.61,30.71,30.32,29.4
0,24.25,-1.95,-2.09,-2.47,-2.53,-2.64,-2
.78,-2.83(2)。
【0475】
19F NMR(470MHz,CD2Cl2)δ-117.37(td,J=8.
2,5.0Hz),-118.41(td,J=8.4,5.2Hz)。
【0476】
実施例68-配位子式(xxix):
【0477】
【0478】
グローブボックスにおいて、50mLの丸底フラスコに、1,3-ビス((5-フル
オロ-3’-ヨード-2’-メトキシ-5’-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-
イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)オキシ)プロパン(1.31g、1.3
8mmol、1.00当量)、2,7-ビス(ジメチル)(フェニル)シリル)-9H-
カルバゾール(1.80g、4.13mmol、3.00当量)、K3PO4(1.75
g、8.25mmol、6.00当量)、CuI(524mg、2.75mmol、2.
00当量)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(0.474mL、4.40mmol
、3.2当量)、及び13.8mLのトルエンを充填した。還流凝縮器を取り付け、ユニ
ットをゴムセプタムで密封し、ヒュームフードに移した。混合物を窒素ブランケット下、
120℃で24時間撹拌した。TLCにより、主に余りのカルバゾールが残った状態で、
ジヨウ化物の完全な消費を示した。溶液を冷却し、ジクロロメタンで希釈し、スラリーを
アルミナのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上でのクロマトグ
ラフィー(ヘキサン中0~10% EtOAc)によって精製した。余りのカルバゾール
を有する所望の中間体(約1:1.5モル比)を含有する、2.028gの無色の油を単
離した。物質を13mLの乾燥DMFに溶解させ、ナトリウムエタンチオレート(0.4
34g、5.16mmol)で処理した。混合物を100℃で48時間撹拌した。溶液を
冷却し、ブラインでクエンチし、生成物をジクロロメタンの部分で抽出した。合わせた有
機画分を、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン中0~40%ジクロロメタン
)によって精製した。1.02gの生成物を白色の固体として単離した(2つのステップ
で48%)。
【0479】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.22(dd,J=7.7,0.
8Hz,4H),7.47(dd,J=7.7,0.9Hz,4H),7.45-7.3
8(m,8H),7.29(d,J=2.4Hz,2H),7.25-7.15(m,1
8H),6.83(dd,J=8.7,3.2Hz,2H),6.21(td,J=8.
5,3.1Hz,2H),5.62(dd,J=9.1,4.5Hz,2H),5.15
(s,2H),3.42(t,J=5.4Hz,4H),1.30(s,12H),0.
71(s,18H),0.50(s,12H),0.48(s,12H)。
【0480】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 158.02,155.64,1
51.10,147.79,142.53,141.24,138.42,135.95
,134.10,129.36,128.96,127.68,127.60,127.
52,127.15,125.92,125.52,124.04,123.45,11
9.89,118.10,117.86,115.54,115.27,115.04,
112.79,112.70,64.33,57.09,38.08,32.38,31
.81,31.53,28.74,-1.99,-2.15。
【0481】
19F NMR(376MHz,CDCl3)δ-123.09(td,J=8.3
,4.4Hz)。
【0482】
実施例69-本発明の金属-配位子錯体36(IMLC-36)の合成:
【0483】
【0484】
N2を充填したグローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、5mLのTHF
中のScCl3(17.2mg、0.11mmol、1当量)を充填した。ScCl3の
チャンクを破壊するために、溶液を室温で4時間激しく撹拌した。溶液を30分間-35
℃に冷却した。5mLのTHF中の再結晶化固体LiCH2TMS(33mg、0.35
mmol、3.1当量)を溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶液を-
35℃で30分間冷却した。配位子式xxx(182mg、0.11mmol、1当量)
の5mLのTHF溶液を上記溶液に添加し、最終反応混合物を室温で一晩撹拌した。TH
Fを真空下で蒸発させ、残渣を冷トルエンで粉砕した。残渣を真空下で乾燥させて、白色
の固体(86mg、42%)を得た。
【0485】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.41-6.94(m,20
H),4.17(d,J=9.4Hz,2H),4.05-3.17(m,6H),2.
31-0.43(m,142H),-0.24(s,9H),-0.82(d,J=12
.5Hz,1H),-1.34(d,J=12.5Hz,1H)。
【0486】
国際公開第2017/004462(A1)号に詳述されている配位子式xxxの調
製。
【0487】
実施例70-本発明の金属-配位子錯体37(IMLC-37)の合成:
【0488】
【0489】
N2を充填したグローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、5mLのTHF
中のScCl3(16mg、0.1mmol、1当量)を充填した。ScCl3のチャン
クを破壊するために、溶液を室温で4時間激しく撹拌した。溶液を30分間-35℃に冷
却した。5mLのTHF中の再結晶化固体LiCH2TMS(31mg、0.33mmo
l、3.1当量)を溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶液を-35℃
で30分間冷却した。配位子式xxxi(132mg、0.1mmol、1当量)の5m
LのTHF溶液を上記溶液に添加し、最終反応混合物を室温で一晩撹拌した。THFを真
空下で蒸発させ、残渣を冷トルエンで粉砕した。残渣を真空下で乾燥させて、白色の固体
(69mg、45%)を得た。
【0490】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.32-6.55(m,24
H),5.53(dt,J=9.0,5.5Hz,2H),5.39(ddd,J=8.
6,6.8,4.3Hz,2H),5.32(dd,J=8.9,5.0Hz,2H),
3.9-2.9(m,8H),2.9-0.5,(m,76H),-0.39(s,9H
),-0.97(d,J=12.9Hz,1H),-1.84(d,J=12.8Hz,
1H)。
【0491】
19F NMR(376MHz,ベンゼン-d6)δ-115.31--115.5
5(m),-116.56--116.90(m)。
【0492】
実施例71-2,7-ジメシチル-9H-カルバゾール:
【0493】
【0494】
500mLの丸底フラスコに、2,7-ジブロモ-9H-カルバゾール(4.0g、
12.0mmol、1当量)、2,4,6-トリメチルフェニルボロン酸(6.0g、3
7mmol、3当量)、炭酸セシウム(12.0g、37.0mmol、3当量)を充填
した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(711mg、0.6
2mmol、5mol%)を反応混合物に添加した。還流凝縮器を備えたRBを排出し、
次いで窒素で再充填し、この排出/再充填プロセスを3回繰り返した。新たに調製された
脱酸素化トルエン(40mL)、エタノール(30mL)、及びH2O(30mL)を、
シリンジを介して反応混合物に添加し、黄色の混合物を100℃に加熱したマントルに入
れた。反応混合物を24時間撹拌し、反応の完了をNMRによって監視した。反応物を室
温まで冷却した。有機相をジクロロメタン(70×3)で抽出した。合わせた有機層をN
a2SO4で乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。オレンジ色の固体ケーキをジクロロ
メタンで洗浄して、白色の固体(4.3g、87%)を得た。
【0495】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.13(d,J=7.9H
z,2H),8.10(s,1H),7.23-7.19(m,2H),7.03(dd
,J=7.9,1.3Hz,2H),6.99(s,4H),2.37(s,6H),2
.05(s,12H)。
【0496】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 140.1,139.8,139
.1,136.7,136.4,128.2,122.0,121.3,120.3,1
11.3,21.2,20.92。
【0497】
実施例72:2,7-ジメシチル-9-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2
-イル)オキシ)-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェニル)-9
H-カルバゾール:
【0498】
【0499】
100mLの丸底フラスコに、2,7-ジメシチル-9H-カルバゾール(1.2g
、3.0mmol、1当量)、2-(2-ヨード-4-(2,4,4-トリメチルペンタ
ン-2-イル)フェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(2.2g、5.4mmol、
1.8当量)、K3PO4(3.8g、18mmol、6当量)を充填した。フラスコを
、N2を充填したグローブボックスに入れ、Cu2O(851mg、6mmol、2当量
)、NN’DMEDA(839mg、9.5mmol、3.2当量)、並びに乾燥及び脱
気したキシレン(15mL)をそれに添加した。不均一な反応混合物を145℃で24時
間、激しく撹拌しながら撹拌した。反応の完了をNMRによって監視した。オレンジ色の
反応混合物をグローブボックスから取り出し、セライトを通して濾過した。アセトニトリ
ル(50mL)を濾液に添加し、固体生成物を粉砕した。白色の固体を使い捨てフリット
漏斗に収集し、20mLのアセトニトリルで洗浄した。白色の固体を真空下で乾燥させて
生成物(1.3g、63%)を得た。
【0500】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.18(d,J=7.9H
z,2H),7.46(d,J=2.4Hz,1H),7.35(dd,J=8.7,2
.5Hz,1H),7.18(d,J=8.7Hz,1H),7.05(dd,J=7.
9,1.4Hz,2H),6.97(d,J=1.4Hz,1H),6.95-6.87
(m,5H),5.22(t,J=2.9Hz,1H),3.41(td,J=11.3
,2.5Hz,1H),3.27(dt,J=11.5,3.7Hz,1H),2.32
(d,J=1.6Hz,6H),2.05-1.97(m,12H),1.56(s,4
H),1.48-1.35(m,1H),1.33(d,J=4.4Hz,5H),1.
29-1.2(m,1H),1.15(dq,J=9.8,6.5,5.3Hz,3H)
,0.67(s,9H)。
【0501】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 151.2,144.7,142
.4,142.4,140.0,140.0,138.8,138.7,136.5,1
36.4,136.3,136.2,136.2,136.2,128.1,128.1
,128.1,128.0,128.0,127.1,126.7,121.6,121
.6,121.1,121.1,119.9,117.2,111.1,111.0,9
7.0,61.5,57.2,38.3,32.5,31.8,31.7,31.5,3
0.1,25.1,21.2,20.9,20.9,20.8,20.8,20.7,1
7.9。
【0502】
実施例73-配位子式(xxxi)の調製:
【0503】
【0504】
N2を充填したグローブボックスにおいて、40mLのバイアルに、2,7-ジメシ
チル-9-(5-オクトキシ-2-テトラヒドロピラン-2-テトラヒドロピラン-2-
イルオキシ-フェニル)カルバゾール(500mg、0.72mmol、2.3当量)及
び3mLのTHFを充填した。溶液をグローブボックス冷凍庫で20分間、-35℃に冷
却し、2.5Mのn-ブチルリチウム(0.0.32mL、0.78mmol、2.4当
量)を溶液に添加した。溶液を室温で1.5時間撹拌し、次いで30分間-35℃に冷却
した。3mLのTHF中のジクロロ亜鉛(72mg、0.53mmol、1.7当量)の
溶液を添加し、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。1,3-ビス(4-フルオロ-2
-ヨードフェノキシ)プロパン(160mg、0.31mmol、1当量)、及びビス(
ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム
(II)(11mg、0.02mmol、0.05当量)のTHF(3mL)溶液を、上
記ArZnX溶液に添加した。反応物を50℃に加熱し、反応混合物を24時間撹拌した
。反応の完了をNMRによって監視した。バイアルをグローブボックスから取り出し、M
eOH(5mL)及び濃HCl(ガラスピペットからの4滴)を反応混合物に添加した。
溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗残渣をカラムに直接ロード
し、ヘキサン中の50% CH2Cl2を使用して生成物を精製した。溶媒を蒸発させる
と、白色の固体(162mg、42%)が得られた。
【0505】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.25(d,J=8.0Hz,4
H),7.39-7.34(m,2H),7.14-7.05(m,6H),6.94(
d,J=1.8Hz,4H),6.93-6.84(m,10H),6.43(ddd,
J=9.0,7.9,3.2Hz,2H),6.01(dd,J=9.1,4.4Hz,
2H),5.64(s,2H),3.40(t,J=5.5Hz,4H),2.27(s
,12H),2.00(d,J=21.6Hz,26H),1.57(d,J=5.8H
z,4H),1.26(s,12H),0.59(s,18H)。
【0506】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 209.4,207.1,201
.7,201.7,199.0,193.9,193.1,190.8,190.0,1
87.7,187.1,187.1,180.2,179.2,179.1,178.4
,177.3,175.3,173.0,172.5,171.3,169.5,169
.2,166.4,166.2,163.8,163.7,161.7,115.2,1
08.2,89.1,83.3,82.6,82.4,72.0,71.8,71.8。
【0507】
国際公開第2012/027448号に詳述されている1,3-ビス(4-フルオロ
-2-ヨードフェノキシ)プロパンの調製。
【0508】
実施例74-本発明の金属-配位子錯体38(IMLC-38)の合成:
【0509】
【0510】
N2を充填したグローブボックスにおいて、20mLのバイアルに、5mLのTHF
中のScCl3(15mg、0.1mmol、1当量)を充填した。ScCl3のチャン
クを破壊するために、溶液を室温で4時間激しく撹拌した。溶液を30分間-35℃に冷
却した。5mLのTHF中の再結晶化固体LiCH2TMS(29mg、0.31mmo
l、3.1当量)を溶液に添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶液を-35℃
で30分間冷却した。配位子式xxxii(127mg、0.1mmol、1当量)の5
mLのTHF溶液を上記溶液に添加し、最終反応混合物を室温で一晩撹拌した。THFを
真空下で蒸発させ、残渣を冷トルエンで粉砕した。残渣を真空下で乾燥させて、白色の固
体(81mg、55%)を得た。
【0511】
1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ 8.23-5.9(m,28H
),3.99(dt,J=18.3,9.7Hz,2H),3.5-2.7(m,6H)
,2.5-0.5(m,78H),-0.53(s,9H),-0.89(d,J=11
.9Hz,1H),-1.00(d,J=11.9Hz,1H)。
【0512】
実施例75-配位子式(xxxii)の調製:
【0513】
【0514】
N2を充填したグローブボックスにおいて、40mLのバイアルに、2,7-ジメシ
チル-9-(5-オクトキシ-2-テトラヒドロピラン-2-テトラヒドロピラン-2-
イルオキシ-フェニル)カルバゾール(500mg、0.72mmol、2.3当量)及
び3mLのTHFを充填した。溶液をグローブボックス冷凍庫で20分間、-35℃に冷
却し、2.5Mのn-ブチルリチウム(0.0.32mL、0.78mmol、2.4当
量)を溶液に添加した。溶液を室温で1.5時間撹拌し、次いで30分間-35℃に冷却
した。3mLのTHF中のジクロロ亜鉛(72mg、0.53mmol、1.7当量)の
溶液を添加し、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。1,3-ビス(4-フルオロ-2
-ヨード-6-メチルフェノキシ)プロパン(169mg、0.31mmol、1当量)
、及びビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロ
ロパラジウム(II)(11mg、0.02mmol、0.05当量)のTHF(3mL
)溶液を、上記ArZnX溶液に添加した。反応物を50℃に加熱し、反応混合物を24
時間撹拌した。反応の完了をNMRによって監視した。バイアルをグローブボックスから
取り出し、MeOH(5mL)及び濃HCl(ガラスピペットからの4滴)を反応混合物
に添加した。溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗残渣をカラム
に直接ロードし、ヘキサン中の50% CH2Cl2を使用して生成物を精製した。溶媒
を蒸発させると、白色の固体(161mg、41%)が得られた。
【0515】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.09(d,J=7.9Hz,4
H),7.36(d,J=2.4Hz,2H),7.20(d,J=2.4Hz,2H)
,6.94(dd,J=7.9,1.4Hz,4H),6.83-6.73(m,11H
),6.73-6.60(m,7H),3.19(t,J=6.7Hz,4H),2.1
2(s,12H),1.88(s,12H),1.78(s,12H),1.60(s,
10H),1.40-1.29(m,2H),1.23(s,10H),0.55(s,
18H)。
【0516】
13C NMR(101MHz,CDCl3)δ 160.4,158.0,149
.5,149.5,147.9,143.3,142.0,139.9,139.0,1
36.5,136.3,136.1,133.7,133.6,133.2,133.1
,129.0,128.5,128.1,128.1,128.0,126.7,126
.7,125.8,122.0,121.4,120.2,117.5,117.3,1
16.5,116.2,111.0,77.4,71.1,57.4,38.3,32.
5,31.8,31.6,21.1,20.9,20.9,16.2。
【0517】
国際公開第2014/105414号に詳述されている1,3-ビス(4-フルオロ
-2-ヨード-6-メチルフェノキシ)プロパンの調製。
【0518】
比較金属-配位子錯体C1及びC2(本明細書では「比較C1」及び「比較C2」)
の各々を助触媒1と混合して、触媒系を形成した。本発明の金属-配位子錯体1、2、及
び3は、式(I)の金属-配位子錯体による構造を有する。比較プロ触媒は、以下の構造
を有していた:
【0519】
【0520】
実施例76-連続プロセス重合の結果
反応環境に導入する前に、原料(エチレン、1-オクテン)及びプロセス溶媒(Ex
xonMobil CorporationからIsopar Eという商標で市販され
ている狭い沸点範囲の高純度イソパラフィン溶媒)をモレキュラーシーブで精製した。水
素を、高純度グレードとして加圧シリンダー内に供給し、それ以上精製しない。反応器モ
ノマー供給(エチレン)ストリームを、機械的圧縮機を介して525psigの反応圧力
より高い圧力まで加圧する。溶媒及びコモノマー(1ーオクテン)供給物を、機械的容積
式ポンプを介して525psigの反応圧力より高い圧力まで加圧する。AkzoNob
elから市販されている修飾メチルアルミノキサン(MMAO)を、不純物捕捉剤として
使用する。個々の触媒成分(プロ触媒助触媒)を手動でバッチ希釈し、精製溶媒(Iso
par E)で特定の成分濃度にして、525psigで反応圧力超に加圧した。助触媒
は、Boulder Scientificから市販されている[HNMe(C18H3
7)2][B(C6F5)4]であり、プロ触媒に対して1.2モル比で使用する。全て
の反応供給流を、質量流量計を用いて測定し、コンピュータにより自動化された弁制御系
によって独立して制御する。
【0521】
連続溶液重合は、5Lの連続撹拌槽反応器(continuously stirred-tank reactor、
CSTR)で実行する。反応器は、全ての新鮮な溶媒、モノマー、コモノマー、水素、及
び触媒成分供給物を独立して制御する。反応器への溶媒、モノマー、コモノマー、及び水
素を合わせた供給を、5℃~50℃の間のどこか、典型的には、25℃に温度制御する。
重合反応器への新鮮なコモノマー供給物は、溶媒供給物とともに供給する。新鮮な溶媒供
給物は、典型的には、新鮮な供給物質量流量の合計の半分を受ける各インジェクターによ
り制御される。助触媒は、計算された特定のモル比(1.2モル当量)に基づいて、プロ
触媒成分に供給する。各々の新鮮な注入の位置の直後に、供給ストリームを循環重合反応
器の内容物と静的混合要素を用いて混合する。重合反応器からの(溶媒、モノマー、コモ
ノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含む)流出物を、最初の反応器ループから
出し、制御バルブ(最初の反応器の圧力を指定された目標に維持する役割)に通す。スト
リームが反応器を出るとき、これを水と接触させて、反応を停止させる。更に、酸化防止
剤などの様々な添加剤を、この時点で添加することができる。次いで、ストリームを、触
媒失活剤(catalyst kill)及び添加剤を均一に分散させるために別の静的混合要素の組
に通す。
【0522】
添加剤の添加に続いて、流出物(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及
び溶融ポリマーを含む)は、他の低沸点反応成分からのポリマーの分離に備えて熱交換器
を通過してストリーム温度を上げる。次いで、ストリームを、2段階の分離及び揮発分除
去システムに入れ、そこでポリマーが、溶媒、水素、並びに未反応のモノマー及びコモノ
マーから除去される。分離され、揮発分が除去されたポリマー溶融物を、水中ペレット化
のために特別に設計されたダイにポンプで送り、均一な固体ペレットに切断し、乾燥させ
、保管のためのボックスに移送する。
【0523】
【表1】
連続反応器条件:溶媒供給量=17.3kg/時間、エチレン供給量=5.3kg/
時間、1-オクテン供給量1.3kg/時間、エチレン出口=9g/L。
[A]固体%は
、反応器内のポリマー濃度である。
[B]H
2(mol%)は、反応器に供給されたエチ
レンに対する水素のモル分率として定義される。
[C]効率(Eff.)は、10
6gポ
リマー/g金属)として測定される。
[D]金属-配位子錯体C1を、添加剤ビス(オク
タデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1:1
.2比の触媒/添加剤)と合わせた。
【0524】
バッチ反応器重合のための手順。原料(エチレン、1-オクテン)及びプロセス溶媒
(ExxonMobil CorporationからISOPAR Eという商標で市
販されている狭い沸点範囲の高純度イソパラフィン溶媒)をモレキュラーシーブで精製し
た。1ガロン(3.79L)の撹拌オートクレーブ反応器に、ISOPAR E及び1-
オクテンを充填した。次いで、反応器を所望の温度に加熱し、エチレンを充填して所望の
圧力に到達させた。必要に応じて、水素もこの時点で添加した。触媒組成物は、所望のプ
ロ触媒、及び必要に応じて任意選択的に1つ以上の添加剤を追加の溶媒と混合して約15
~20mLの総体積を得ることによって、不活性雰囲気下でドライボックス中で調製した
。次いで、活性化触媒混合物を反応器中に急速注入した。重合中にエチレンを供給し、必
要に応じて反応器を冷却することによって、反応器の圧力及び温度を一定に保った。10
分後、エチレンの供給を止め、溶液を窒素パージした樹脂製ケトルに移した。ポリマーを
真空オーブン中で徹底的に乾燥させ、重合実験の間に反応器を熱いISOPAR Eで徹
底的にすすいだ。
【0525】
本開示における前述の手順に従って、バッチ式反応器内で更なる重合を実行した。触
媒溶液を窒素雰囲気下で調製した。本発明の金属-配位子錯体を助触媒と合わせた。表2
に要約された結果について、反応器内で1-オクテンロード量(600g)の増加を伴っ
てバッチ重合反応を実行して、本発明の金属-配位子錯体1と金属-配位子錯体2との間
のコモノマー組み込みのレベルを比較金属-配位子錯体C1とより良好に区別した。バッ
チ反応器の条件は、以下のとおりであった:(1)225psiのC2、600gの1-
オクテン、及び40mmolのH2を、750gのisopar-Eの存在下、120℃
の反応温度で10分間の実行時間にわたって反応させた。(2)320psiのC2、6
00gの1-オクテン、及び40mmolのH2を、710gのisopar-Eの存在
下、160℃の反応器温度及び10分間の実行時間で反応させた。又は(3)410ps
iのC2、600gの1-オクテン、40mmolのH2、及び50当量の助触媒、MM
AOを、715gのisopar-Eの存在下、190℃の反応器温度で10分間の実行
時間にわたって反応させた。比較例では、プロ触媒中の金属に対して1.2モル当量の助
触媒1を使用して、比較C1を活性化した。高1-オクテン重合反応の結果を表2に示す
。
【0526】
【0527】
【0528】
表2の反応器条件:(1)120℃、225psiのC2、100gの1-オクテン
、1250gのisopar-E、10分の実行時間;(2)160℃、320psiの
C2、60gの1-オクテン、1250gのisopar-E、10分の実行時間;(3
)190℃、410psiのC2、65gの1-オクテン、1250gのisopar-
E、10分の実行時間。
【0529】
*添加剤の量は、当量に基づいた。当量は、Al/モルMの比として測定され、Mは
、金属-配位子錯体の金属中心である。**プロ触媒中の金属に対する1.2モル当量の
ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト(助触媒1)を使用して、比較C2を活性化した。
【0530】
【0531】
表3の反応条件:(1)120℃、225psiのC2、600gの1-オクテン、
750gのisopar-E、0mmolのH2、10分の実行時間;(2)160℃、
320psiのC2、600gの1-オクテン、710gのisopar-E、0mmo
lのH2、10分の実行時間;(3)190℃、410psiのC2、600gの1-オ
クテン、715gのisopar-E、0mmolのH2、10分の実行時間。50当量
の助触媒、プロ触媒中の金属に対して1.2モル当量の助触媒1を使用して、比較C1を
活性化した。ND=機器の検出限界未満。TEAは、トリエチルアルミニウムである。
【0532】
表2に示される重合実験の大部分において、1-オクテンに由来する単位の重量パー
セントは、検出限界未満であった。本発明の金属-配位子錯体のエチレン選択性のより良
好な理解を得るために、反応器内の1-オクテンの量が増加した。表3における各重合実
験の反応条件には、600グラムの1-オクテンが含まれ、これは表2の反応条件よりも
6倍大きかった。反応器内のオクテンの量を増加させることにより、生成されたポリマー
中のオクテンに由来する単位の量は、反応の動態に基づいて増加するはずである。反応器
内の1-オクテンの量の6倍で、本発明の金属-配位子錯体は、3重量パーセント未満の
オクテンに由来する単位を有するエチレン生成ポリマーに対して依然として非常に選択的
であった。
【0533】
表3の結果は、IMLC-8が、高い重量パーセントのオクテンに由来する単位を有
するポリマーを生成したことを示した。しかしながら、IMLC-8によって生成された
ポリマーはまた、非常に低い分子量を有した。高いオクテン重量パーセントと組み合わせ
た低分子量は、オクテンが鎖終端試薬として作用したことを示した。ポリマー鎖に重合さ
れたエチレンの量が除外されたため、オクテンの量は逆高であった。しかしながら、表2
の結果に基づいて、IMLC-8はエチレン選択性である。
【0534】
【0535】
表4の反応条件:(1)190℃、410psiのC2、65gの1-オクテン、1
250gのisopar-E、0mmolのH2、10分の実行時間。20当量の第2の
添加剤であるTEAを、各実行で使用した。
【0536】
バッチ式反応器重合手順。バッチ反応器の重合反応は、2LのParr(商標)バッ
チ反応器内で行う。反応器を電気加熱マントルによって加熱し、冷却水を含有する内部蛇
管冷却コイルによって冷却する。反応器及び加熱/冷却システムの両方を、Camile
(商標)TGプロセスコンピュータによって制御及び監視する。反応器の底部には、反応
器の内容物をステンレス鋼のダンプポットに移すダンプ弁が取り付けられている。ダンプ
ポットに、触媒失活溶液(典型的には、5mLのIrgafos/Irganox/トル
エン混合液)を事前に充填する。ポット及びタンクの両方を窒素でパージして、ダンプポ
ットを30ガロンのブローダウンタンクに通気する。重合又は触媒補給のために使用した
全ての溶媒を溶媒精製カラムに通過させて、重合に影響を及ぼし得る一切の不純物を除去
する。1-オクテン及びIsoparEを、A2アルミナを含有する第1のカラム、Q5
を含有する第2のカラムの2つのカラムに通す。エチレンを、A204アルミナ及び4Å
モレキュラーシーブを含有する第1のカラム、Q5を含有する第2のカラムの2つのカラ
ムに通す。移送に使用されるN2を、A204アルミナ、4Åモレキュラーシーブ及びQ
5を含有する単一のカラムに通す。
【0537】
反応器は、反応器のロード量に応じて、IsoparE溶媒及び/又は1-オクテン
を含有し得るショットタンクから最初にロードする。ショットタンクは、ショットタンク
を取り付けたラボスケールを使用して負荷設定点までロードする。液体供給物の添加後、
反応器を重合温度設定点まで加熱する。エチレンを使用する場合、反応圧力設定点を維持
するための反応温度で、エチレンを反応器に添加する。添加するエチレンの量を、マイク
ロモーション流量計によって監視する。いくつかの実験については、120℃での標準条
件は、611gのIsoparE中の46gのエチレン及び303gの1-オクテンであ
り、150℃での標準条件は、547gのIsoparE中の43gのエチレン及び30
3gの1-オクテンである。
【0538】
金属-配位子錯体及び助触媒を適切な量の精製トルエンと混合して、モル濃度の溶液
を得る。金属-配位子錯体及び助触媒を、不活性グローブボックス内で処理し、シリンジ
に引き込み、触媒ショットタンク内に加圧移送する。シリンジを5mLのトルエンで3回
すすぐ。触媒を添加した直後に、実行タイマーを始める。エチレンを使用する場合は、こ
れをCamileによって添加して、反応器内の反応圧力設定点を維持する。重合反応を
10分間実行し、次いで、撹拌機を停止し、下部のダンプ弁を開放して、反応器の内容物
をダンプポットに移す。ダンプポットの内容物をトレイ中に注ぎ、ラボフード内に置き、
そこで、溶媒を一晩蒸発させる。残存するポリマーを含有するトレイを、真空オーブンに
移し、真空下で140℃まで加熱して、あらゆる残存する溶媒を除去する。トレイを周囲
温度まで冷却した後、効率を測定するためにポリマーを秤量して収量を求め、ポリマー試
験に供した。
【0539】
【0540】
表5の反応器条件:(1)190℃、43gのC2、28gの1-オクテン、520
gのisopar-E、10分の実行時間。
【0541】
【0542】
表6の反応条件:(1)150℃、43gのC2、300gの1-オクテン、520
gのisopar-E、0mmolのH2、10分の実行時間;(2)190℃、43g
のC2、300gの1-オクテン、520gのisopar-E、0mmolのH2、1
0分の実行時間;ND=機器の検出限界未満。
【0543】
【0544】
表7の反応条件:190℃、300gの1-オクテン、525gのisopar-E
、0mmolのH2。
【0545】
アルモキサンのロード量が少ないと、活性化剤として作用せず、むしろ除去剤として
機能する。除去剤は、プレ触媒を添加する前に反応器内の不純物を封鎖するため、活性化
剤の性質ではない。表7の結果によって示されるように、ポリマーを生成するために添加
剤も助触媒も必要とされない。
【0546】
【0547】
表8の反応条件:(1)160℃、320psiのC2、60gの1-オクテン、1
250gのisopar-E、0mmolのH2、10分の実行時間;(2)190℃、
410psiのC2、65gの1-オクテン、1250gのisopar-E、0mmo
lのH2、10分の実行時間。20当量の第2の添加剤であるTEAを、各実行で使用し
た。
【0548】
装置規格
全ての溶媒及び試薬は、商業的供給源から入手し、別段の記載がない限り、受け取ったまま使用した。無水トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、及びジエチルエーテルを、活性アルミナ、及び場合によってはQ-5反応物質を通過させることによって精製する。窒素充填グローブボックス中で行った実験に使用した溶媒は、活性化4Åモレキュラーシーブ上での貯蔵によって更に乾燥させる。感湿反応用ガラス器具を、使用前に一晩オーブン内で乾燥させる。NMRスペクトルを、Varian 400-MR及びVNMRS-500分光計で記録する。
1H NMRデータの化学シフトは、基準として重水素化溶媒中の残留プロトンを使用して、内部テトラメチルシラン(TMS、δスケール)からの低磁場ppmとして報告する。
13C NMRデータは、
1Hデカップリングを用いて決定し、化学シフトは、基準として重水素化溶媒中の残留炭素を使用して、テトラメチルシラン(TMS、δスケール)からの低磁場(ppm)として報告する。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
式(I)による金属-配位子錯体であって、
【化1】
式中、
Mが、スカンジウム、イットリウム、又は+3の酸化状態を有するランタニド金属であり、
Xが、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-CH
2Si(R
C)
3-Q(OR
C)
Q、-Si(R
C)
3-Q(OR
C)
Q、-OSi(R
C)
3-Q(OR
C)
Q、-CH
2Ge(R
C)
3-Q(OR
C)
Q、-Ge(R
C)
3-Q(OR
C)
Q、-P(R
C)
2-W(OR
C)
W、-P(O)(R
C)
2-W(OR
C)
W、-N(R
C)
2、-NH(R
C)、-N(Si(R
C)
3)
2、-NR
CSi(R
C)
3、-NHSi(R
C)
3、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、-OCF
3、-S(O)R
C、-S(O)
2R
C、-OS(O)
2R
C、-N=C(R
C)
2、-N=CH(R
C)、-N=CH
2、-N=P(R
C)
3、-OC(O)R
C、-C(O)OR
C、-N(R
C)C(O)R
C、-N(R
C)C(O)H、-NHC(O)R
C、-C(O)N(R
C)
2、-C(O)NHR
C、-C(O)NH
2、ハロゲン、B(R
Y)
4、Al(R
Y)
4、若しくはGa(R
Y)
4、又は水素から選択される配位子であり、各R
Cが、独立して、置換若しくは非置換(C
1-C
30)ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換(C
1-C
30)ヘテロヒドロカルビルであり、各Qが、0、1、2、又は3であり、各Wが、0、1、又は2であり、各R
Yが、-H、(C
1-C
30)ヒドロカルビル、又はハロゲン原子であり、
各Tが、独立して、ルイス塩基であり、
nが、0、1、又は2であり、nが1である場合、XとTとが任意選択的に連結され、nが2である場合、XとTのうちの1つとが任意選択的に連結され、
前記金属-配位子錯体が、全体的に電荷中性であり、
各Zが、独立して、-O-、-S-、-N(R
N)-、又は-P(R
P)-から選択され、点線が、任意選択的に配位結合を定義し、
R
1及びR
16が、独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、-N=C(R
C)
2、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、又はハロゲンからなる群から選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、及びR
15が、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、(R
C)
2P=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、及びハロゲンから選択されるが、
Mがイットリウム又はランタニド金属である場合、R
1が、-H、フェニル、又はtert-ブチルではなく、R
16が、-H、フェニル、又はtert-ブチルではないことを条件とし、
Lが、(C
1-C
40)ヒドロカルビレン又は(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
式(I)中の各R
C、R
P、及びR
Nが、独立して、(C
1-C
30)ヒドロカルビル、(C
1-C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、金属-配位子錯体。
項2.
R
1及びR
16が、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルから選択され、
【化2】
式中、R
31-35、R
41-48、及びR
51-59の各々が、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R
N)-、(R
C)
2NC(O)-、又はハロゲンから選択されるが、R
1及びR
16が式(II)である場合、R
31~R
35のうちの少なくとも1つが、-Hではないことを条件とする、項1に記載の金属-配位子錯体。
項3.
Mがイットリウム又はランタニド金属である場合、R
5-8のうちの少なくとも1つが、-Hではなく、R
9-12のうちの少なくとも1つが、-Hではない、項1又は項2に記載の金属-配位子錯体。
項4.
R
1及びR
16が、同一である、項1又は項2に記載の金属-配位子錯体。
項5.
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(III)を有するラジカルである、項2に記載の金属-配位子錯体。
項6.
R
42及びR
47が、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、又は-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、項5に記載の金属-配位子錯体。
項7.
R
43及びR
46が、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、又は-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、項5に記載の金属-配位子錯体。
項8.
任意選択的に、R
42とR
43とが一緒に結合され、任意選択的に、R
46とR
47とが一緒に結合される、項5~7のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項9.
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(II)を有するラジカルであり、R
31~R
35のうちの少なくとも1つが、-Hではない、項2に記載の金属-配位子錯体。
項10.
R
32及びR
34が、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、又は-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、項9に記載の金属-配位子錯体。
項11.
R
1及びR
16のうちの少なくとも1つが、式(IV)を有するラジカルである、項2に記載の金属-配位子錯体。
項12.
R
52、R
53、R
55、R
57、及びR
58のうちの少なくとも2つが、(C
1-C
20)ヒドロカルビル、-Si[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3、又は-Ge[(C
1-C
20)ヒドロカルビル]
3である、項11に記載の金属-配位子錯体。
項13.
任意選択的に、R
52とR
53とが連結されて環状構造を形成し、任意選択的に、R
57とR
58とが連結されて環状構造を形成する、項11又は項12に記載の金属-配位子錯体。
項14.
R
6、R
7、及びR
8のうちの少なくとも1つが、ハロゲンであり、
R
9、R
10、及びR
11のうちの少なくとも1つが、ハロゲンである、項1~13のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項15.
R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、-Hではない、項1~12のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項16.
R
3及びR
14が、(C
1-C
10)アルキルである、項1~15のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項17.
R
3及びR
14が、メチルであり、R
6及びR
11が、ハロゲンである、項1~16のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項18.
R
3及びR
14が、-OR
Cであり、R
Cが、(C
1-C
30)ヒドロカルビルである、項1~15のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項19.
R
6及びR
11が、tert-ブチルである、項1~15のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項20.
R
3及びR
14が、tert-オクチル、n-オクチル、又はn-オクチルアルコキシである、項1~15のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項21.
Lが、-CH
2-、-CH
2(CH
2)
mCH
2-(mが、0~3である)、-CH
2Si(R
C)
2CH
2-、-CH
2Ge(R
C)
2CH
2-、-CH(CH
3)CH
2CH
*(CH
3)、及び-CH
2(フェン-1,2-ジ-イル)CH
2-から選択され、L中の各R
Cが、(C
1-C
20)ヒドロカルビルであり、「C
*」は、水素原子が除去されて二級又は三級アルキルラジカルを形成する、炭素原子である、項1~20のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項22.
Xが、-CH
2Si[(C
1-C
20)アルキル]
3、(C
1-C
12)アルキル、又はハロゲン原子である、項1~21のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項23.
nが、1又は2であり、少なくとも1つのTが、(C
1-C
20)ヘテロヒドロカルボンであり、前記ヘテロヒドロカルボンのヘテロ原子が、酸素である、項1~22のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項24.
nが、1又は2であり、少なくとも1つのTが、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、又はメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)である、項1~23のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項25.
R
2、R
4、R
5、R
12、R
13、及びR
15が、水素であり、
各Zが、酸素である、項1~24のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体。
項26.
重合プロセスであって、
項1~24のいずれか一項に記載の金属-配位子錯体を含む触媒系の存在下、エチレンと1つ以上のオレフィンとをオレフィン重合条件下で重合して、エチレン系ポリマーを形成することを含む、重合プロセス。
項27.
前記触媒系が、少なくとも1つの助触媒を更に含む、項26に記載の重合プロセス。
項28.
助触媒が、前記触媒系に存在しない、項26に記載の重合プロセス。
項29.
前記重合プロセスが、溶液重合プロセスである、項26~28のいずれか一項に記載の重合プロセス。
項30.
前記触媒系が、添加剤を更に含む、項26~29のいずれか一項に記載の重合プロセス。
項31.
前記添加剤が、修飾されたメチルアルミノキサンである、項30に記載の重合プロセス。
項32.
前記添加剤が、アルキルアルミニウムである、項30に記載の重合プロセス。
項33.
前記重合エチレンが、ボレート系添加剤の存在下で生じる、項26に記載の重合プロセス。
項34.
式(Ia)によるオレフィンプロパゲーティング触媒種であって、
【化3】
式中、
Mが、スカンジウム、イットリウム、又は+3の酸化状態を有するランタニド金属であり、
X
Pが、ヒドロカルビルから選択される配位子であり、前記ヒドロカルビルが、少なくとも30個の炭素原子を有して、分岐又は非分岐であり、
各Zが、独立して、-O-、-S-、-N(R
N)-、又は-P(R
P)-から選択され、点線が、任意選択的に配位結合を定義し、
R
1及びR
16が、独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、-N=C(R
C)
2、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、又はハロゲンからなる群から選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、及びR
15が、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、(R
C)
2P=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、及びハロゲンから選択されるが、
Mがイットリウム又はランタニド金属である場合、R
1が、-H、フェニル、又はtert-ブチルではなく、R
16が、-H、フェニル、又はtert-ブチルではないことを条件とし、
Lが、(C
1-C
40)ヒドロカルビレン又は(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビレンであり、
式(I)中の各R
C、R
P、及びR
Nが、独立して、(C
1-C
30)ヒドロカルビル、(C
1-C
30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、オレフィンプロパゲーティング触媒種。
項35.
Mが、イットリウム又はランタニド金属であり、R
5-8のうちの少なくとも1つが、-Hではなく、R
9-12のうちの少なくとも1つが、-Hではない、項34に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項36.
R
1及びR
16が、式(II)を有するラジカル、式(III)を有するラジカル、及び式(IV)を有するラジカルから選択され、
【化4】
式中、R
31-35、R
41-48、及びR
51-59の各々が、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R
N)-、(R
C)
2NC(O)-、又はハロゲンから選択されるが、R
1及びR
16が式(II)である場合、R
31~R
35のうちの少なくとも1つが、-Hではないことを条件とする、項34又は項35に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項37.
R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、-Hではない、項34又は項35に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項38.
R
3及びR
14が、(C
1-C
10)アルキルである、項34~36のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項39.
R
3及びR
14が、-OR
Cであり、R
Cが、(C
1-C
30)ヒドロカルビルである、項34~37のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項40.
R
3及びR
14が、tert-オクチル、n-オクチル、又はn-オクチルアルコキシである、項34~37のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項41.
R
6及びR
11が、tert-ブチルである、項34~40のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項42.
R
1及びR
16が、式(III)を有するラジカルから選択され、任意選択的に、R
42とR
43とが連結されて環状構造を形成し、任意選択的に、R
46とR
47とが連結されて環状構造を形成する、項34~41のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項43.
Lが、-CH
2-、-CH
2(CH
2)
mCH
2-(mが、0~3である)、-CH
2Si(R
C)
2CH
2-、-CH
2Ge(R
C)
2CH
2-、-CH(CH
3)CH
2CH
*(CH
3)、及び-CH
2(フェン-1,2-ジ-イル)CH
2-から選択され、L中の各R
Cが、(C
1-C
20)ヒドロカルビルであり、「C
*」は、水素原子が除去されて二級又は三級アルキルラジカルを形成する、炭素原子である、項34~42のいずれか一項に記載のオレフィンプロパゲーティング触媒種。
項44.
スカンジウム、イットリウム、又はビス(フェニルフェノキシ)配位子に配位された+3の酸化状態を有するランタニド金属を含む、触媒構造。