(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】電動モータ制御装置
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20240930BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K5/22
(21)【出願番号】P 2023107548
(22)【出願日】2023-06-29
(62)【分割の表示】P 2019095160の分割
【原出願日】2019-05-21
【審査請求日】2023-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】服部 誠
(72)【発明者】
【氏名】鷹繁 貴之
(72)【発明者】
【氏名】樋口 博人
(72)【発明者】
【氏名】上谷 洋行
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-163810(JP,A)
【文献】特開2016-036244(JP,A)
【文献】国際公開第2019/022110(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、
前記電動モータを制御する制御基板と、
前記電動モータと前記制御基板とを電気的に接続する金属製の接続部と、を備え、
前記電動モータは、少なくとも3つの第1接続端子を有し、
前記制御基板は、前記第1接続端子に対応する少なくとも3つの第2接続端子を有し、
前記接続部は、
前記第1接続端子にはんだ又は溶接により接合される接合部と、
一端が前記接合部に連結されるとともに他端が前記第2接続端子にはんだ又は溶接により接合される軸状の連結部と、を有し、
少なくとも3つの前記第2接続端子は、前記制御基板において同一直線上に配置され、
少なくとも3つの前記第1接続端子は、軸状に形成されており、
前記接合部は、前記第1接続端子よりも幅広
かつ平坦な接合面を有する板状の部材であり、
前記制御基板を平面視した場合に、前記制御基板の端部が少なくとも3つの前記第1接続端子が配置される第1直線と少なくとも3つの前記第2接続端子が配置される第2直線に挟まれる位置に配置され
、かつ少なくとも3つの前記第1接続端子に接合される少なくとも3つの前記接合面のそれぞれが互いに平行になるように配置されている電動モータ制御装置。
【請求項2】
前記制御基板は、一対の締結具を介して基部に固定されており、
少なくとも3つの前記第2接続端子は、前記制御基板において、前記一対の締結具が締結される一対の締結位置を結ぶ直線上の前記一対の締結位置に挟まれた領域に配置される請求項1に記載の電動モータ制御装置。
【請求項3】
前記第1直線は、前記第2直線と平行な直線である請求項1または請求項2に記載の電動モータ制御装置。
【請求項4】
前記制御基板を平面視した場合に、少なくとも3つの前記第1接続端子に接合される少なくとも3つの前記接合面のそれぞれが前記第1直線と直交するように配置されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動モータ制御装置。
【請求項5】
密閉された内部空間を形成する筐体と、
前記内部空間に収容される圧縮部と、を備え、
前記電動モータは、前記内部空間に収容されるとともに前記圧縮部を駆動する駆動軸を回転させる請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の電動モータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータと、モータの出力により回転される圧縮機構と、それらを収容するハウジングと、モータを駆動制御する回路部を備える電動圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、ハウジング内のモータの端子に接続されるモータ用端子のリードピンをパワー基板の端子部に接続することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電動圧縮機において、モータ用端子のリードピンは、パワー基板の端子部に直接接続されている。そのため、ハウジングに収容されるモータおよび圧縮機構の振動がリードピンに伝達されると、リードピンとパワー基板の端子部に過大な応力がかかってしまう可能性がある。そこで、リードピンをパワー基板の端子部に直接接続せずに、振動を許容する他の部材を介してリードピンとパワー基板の端子部を電気的に接続することが考えられる。
【0005】
しかしながら、他の部材を介してリードピンとパワー基板の端子部を電気的に接続する場合、リードピンと他の部材とをはんだ又は溶接により接合し、パワー基板の端子部と他の部材とをはんだ又は溶接により接合する必要がある。すなわち、リードピンをパワー基板の端子部に直接接続する場合に比べ、はんだ又は溶接により接合する箇所が増加し、製造に必要な作業が増大してしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電動モータが有する少なくとも3つの接続端子と制御基板が有する少なくとも3つの接続端子とを電気的に接続する際に必要な作業の作業性を向上させることが可能な電動モータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電動モータ制御装置は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る電動モータ制御装置は、電動モータと、前記電動モータを制御する制御基板と、前記電動モータと前記制御基板とを電気的に接続する金属製の接続部と、を備え、前記電動モータは、少なくとも3つの第1接続端子を有し、前記制御基板は、前記第1接続端子に対応する少なくとも3つの第2接続端子を有し、前記接続部は、前記第1接続端子にはんだ又は溶接により接合される接合部と、一端が前記接合部に連結されるとともに他端が前記第2接続端子にはんだ又は溶接により接合される軸状の連結部と、を有し、少なくとも3つの前記第2接続端子は、前記制御基板において同一直線上に配置されている。
【0008】
本発明の一態様に係る電動モータ制御装置によれば、電動モータが有する少なくとも3つの軸状の第1接続端子と、制御基板が有する少なくとも3つの第2接続端子とが、金属製の接続部により電気的に接続される。接続部は接合部と連結部を有し、接合部ははんだ又は溶接により第1接続端子に接合され、連結部ははんだ又は溶接により第2接続端子に接合される。
【0009】
そして、少なくとも3つの第2接続端子が制御基板において同一直線上に配置されているため、少なくとも3つの第2接続端子をはんだ又は溶接により接合する際に、はんだ又は溶接を行う工具の移動量が最小となりかつ移動方向を変える必要がない。そのため、電動モータが有する少なくとも3つの接続端子と制御基板が有する少なくとも3つの接続端子とを電気的に接続する際に必要な作業の作業性を向上させることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る電動モータ制御装置において、前記制御基板は、一対の締結具を介して基部に固定されており、少なくとも3つの前記第2接続端子は、前記制御基板において、前記一対の締結具が締結される一対の締結位置を結ぶ直線上の前記一対の締結位置に挟まれた領域に配置される構成が好ましい。
【0011】
本構成の電動モータ制御装置によれば、一対の締結位置が確実に基部に対して固定されている。そのため、一対の締結位置を結ぶ直線上の一対の締結位置に挟まれた領域に配置される少なくとも3つの第2接続端子は、他の位置に配置される場合に比べて基部に対する変位が少なく、電動モータの振動等による応力を受けにくい。
【0012】
本発明の一態様に係る電動モータ制御装置において、少なくとも3つの前記第1接続端子は、同一直線上に配置されており、少なくとも3つの前記第1接続端子が配置される第1直線は、少なくとも3つの前記第2接続端子が配置される第2直線と平行な直線である構成が好ましい。
【0013】
本構成の電動モータ制御装置によれば、少なくとも3つの第1接続端子が同一直線上に配置されているため、少なくとも3つの第1接続端子をはんだ又は溶接により接合する際に、はんだ又は溶接を行う工具の移動量が最小となりかつ移動方向を変える必要がない。また、少なくとも3つの第1接続端子が配置される第1直線と、少なくとも3つの第2接続端子が配置される第2直線が平行であるため、少なくとも3つの第1接続端子をはんだ又は溶接により接合した後に、少なくとも3つの第2接続端子をはんだ又は溶接により接合するために工具を移動させる場合、工具の移動量を少なくすることができる。
【0014】
上記構成の電動モータ制御装置おいて、前記制御基板を平面視した場合に、前記制御基板の端部が前記第1直線と前記第2直線に挟まれる位置に配置されるのが好ましい。
このようにすることで、制御基板を平面視した場合に、制御基板の端部から離間した位置に少なくとも3つの第1接続端子が配置される構成となる。
【0015】
制御基板を平面視した場合に、少なくとも3つの第1接続端子が制御基板に隠れた位置とならないため、はんだ又は溶接を行う工具を移動させる際に制御基板との接触を避けるために迂回する動作が不要となる。また、制御基板を平面視した場合に少なくとも3つの第1接続端子が視認可能であるため、例えばカメラ等で第1接続端子を撮像しながら工具によりはんだ又は溶接を行うことができる。
【0016】
本発明の一態様に係る電動モータ制御装置において、少なくとも3つの前記第1接続端子は、軸状に形成されており、前記接合部は、前記第1接続端子よりも幅広の接合面を有する板状の部材であるのが好ましい。
板状の接合部が軸状の第1接続端子に比べて幅広の接合面を有するため、はんだ又は溶接等による接合部と第1接続端子の接合が容易であり、かつ十分な接合強度を得ることができる。
【0017】
本発明の一態様に係る電動モータ制御装置おいては、密閉された内部空間を形成する筐体と、前記内部空間に収容される圧縮部と、を備え、前記電動モータは、前記内部空間に収容されるとともに前記圧縮部を駆動する駆動軸を回転させる構成が好ましい。
電動モータにより駆動される圧縮部を備える電動モータ制御装置において、電動モータが有する少なくとも3つの接続端子と制御基板が有する少なくとも3つの接続端子とを電気的に接続する際に必要な作業の作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電動モータが有する少なくとも3つの接続端子と制御基板が有する少なくとも3つの接続端子とを電気的に接続する際に必要な作業の作業性を向上させることが可能な電動モータ制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機を示す側面図である。
【
図2】
図1に示すインバータ一体型電動圧縮機に組み込まれるインバータ装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す接続部近傍をY軸に沿ってみた図である。
【
図5】
図3に示す接続部近傍を上方からみた平面図である。
【
図6】
図3に示す接続部近傍をX軸に沿ってみた図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るインバータ装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図3に示す接続部近傍をY軸に沿ってみた部分拡大図であり、モータ接続端子と接合部の接合工程を示す図である。
【
図9】
図3に示す接続部近傍をY軸に沿ってみた部分拡大図であり、モータ接続端子と接合部の接合工程を示す図である。
【
図10】
図3に示す接続部近傍をY軸に沿ってみた部分拡大図であり、モータ接続端子と接合部との接合工程を示す図である。
【
図11】
図3に示す接続部近傍をY軸に沿ってみた部分拡大図であり、スルーホールと連結部との接合工程を示す図である。
【
図12】
図3に示す接続部近傍を上方からみた平面図であり、工具の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機(電動モータ制御装置)100について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機100を示す側面図である。
図2は、
図1に示すインバータ一体型電動圧縮機に組み込まれるインバータ装置40を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、インバータ一体型電動圧縮機100は、密閉された内部空間を形成するハウジング(筐体)10と、ハウジング10の内部空間に収容される圧縮機(圧縮部)20と、ハウジング10の内部空間に収容される電動モータ30と、電動モータ30を制御する制御基板41bを有するインバータ装置40と、電動モータ30とインバータ装置40とを電気的に接続する接続部50と、を備える。本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100は、車両用空気調和機に用いられる圧縮機であって、インバータ装置40により駆動回転数が制御される電動モータ30により圧縮機20を駆動する装置である。
【0022】
ハウジング10は、圧縮機20を収容する圧縮機ハウジング11と、電動モータ30を収容するモータハウジング12とを有する。ハウジング10は、圧縮機ハウジング11とモータハウジング12とをボルト13により結合することにより、密閉された内部空間を形成する。ハウジング10は、例えば、アルミニウム合金により形成されている。
【0023】
モータハウジング12の後方端側(
図1の右方端側)には、低圧冷媒ガスを吸入する冷媒吸入ポート14が設けられている。圧縮機ハウジング11の前方端側(
図1の左方端側)には、圧縮された冷媒ガスを外部に吐出する冷媒吐出ポート15が設けられている。
【0024】
モータハウジング12の外周部には、インバータ装置40を一体に組み込むためのインバータ収容部16が設けられている。インバータ収容部16は、モータハウジング12と一体に成形されているインバータボックス17と、インバータボックス17にビス等を介して一体に結合されるジャンクションボックス18とから構成されている。ジャンクションボックス18は、インバータボックス17の上面を閉鎖するカバーを兼用する。
【0025】
インバータボックス17は、平面視が略矩形状で周囲に上方に立ち上げられた立ち上げ壁を有している。インバータボックス17の上面には、ジャンクションボックス18を固定するためのフランジ面17Aが形成されている。インバータボックス17の内部側の底面は、インバータ装置40を構成するインバータモジュール41を設置する平坦面となっている。この平坦面は、モータハウジング12の外周壁によって構成されている。
【0026】
ジャンクションボックス18は、インバータ装置40を収容するためのボックス体であり、例えば、アルミニウム合金により形成されている。ジャンクションボックス18は、平面視がインバータボックス17と同じ矩形状であり、周囲壁の下面にはインバータボックス17と一体に結合するためのフランジ面18Aが形成されている。
【0027】
圧縮機20は、冷媒吸入ポート14から吸入した低圧冷媒ガスを圧縮して冷媒吐出ポート15へ吐出する装置である。圧縮機20は、例えば、電動モータ30が回転させる駆動軸に連結される旋回スクロール(図示略)と圧縮機ハウジング11に固定される固定スクロール(図示略)とを有するスクロール圧縮機である。
【0028】
電動モータ30は、インバータ装置40から供給される交流電流により交流磁場を発生させるステータ(図示略)と交流磁場から受ける磁力により回転するロータ(図示略)と、ロータと圧縮機20を連結する駆動軸(図示略)と、を備える。電動モータ30は、駆動軸を回転させることにより、圧縮機20を駆動する。
【0029】
インバータ装置40は、インバータボックス17に収容されるインバータモジュール41と、ジャンクションボックス18に収容されるノイズ除去用フィルタ回路(図示略)とを有する。インバータモジュール41は、
図2に示すように、金属製ベースプレート(基部)41aと制御基板41bとを複数のスペーサ41cを介して一体にモジュール化した装置である。金属製ベースプレート41aは、矩形状のアルミニウム合金製板材から構成され、インバータボックス17の底面であるモータハウジング12の平坦な外周壁に密着するようにビスにより固定されている。
【0030】
制御基板41bは、車両側制御装置(ECU)と通信線を介して接続され、ECUとの間で制御信号を送受信し、それに基づいて電動モータ30に印加する交流電力を制御する制御回路が実装されている矩形状の基板である。制御基板41bには、電動モータ30に三相交流電流を出力するUVW出力端子を有するインテリジェントパワーモジュール(図示略)が実装されている。制御基板41bは、複数のスペーサ41cを介して金属製ベースプレート41aと一体化されている。
【0031】
図3は、
図2に示す接続部50近傍の部分拡大図である。
図3に示すように、制御基板41bは、インテリジェントパワーモジュールのUVW出力端子に電気的に接続される3つの接続端子であるスルーホール(第2接続端子)41b1,41b2,41b3を有する。
【0032】
3つのスルーホール41b1,41b2,41b3は、それぞれ接続部50により電動モータ30が有する絶縁端子部31のモータ接続端子(第1接続端子)31a1,31a2,31a3に電気的に接続される。スルーホール41b1,41b2,41b3は、
図3に示すX軸と平行な第1直線L1に沿って等間隔に配置される。同様に、モータ接続端子31a1,31a2,31a3は、それぞれ
図3に示すX軸と平行な第2直線L2に沿って等間隔に配置される。
【0033】
図4は、
図3に示す接続部50近傍をY軸に沿ってみた図である。
図5は、
図3に示す接続部50近傍を上方からみた平面図である。
図4および
図5に示すように、絶縁端子部31は、締結ボルト32によってモータハウジング12に設けられた開口部12Aに取り付けられる。絶縁端子部31は、モータハウジング12の内部空間ISとモータハウジング12の外部空間OSとが連通しないように開口部12Aを密封する。
【0034】
図5に示すように、平面視した制御基板41bにおいて、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3は、第1直線L1に沿って配置されている。すなわち、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3は、同一直線上に配置されている。また、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3は、第2直線L2に沿って配置されている。すなわち、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3は、同一直線上に配置されている。第1直線L1と第2直線L2はX軸と平行であるため、第1直線L1は第2直線L2と平行な直線である。
【0035】
図4に示すように、制御基板41bは、複数のスペーサ41cを介して金属製ベースプレート41aから隙間を空けた状態で配置されている。また、制御基板41bは、複数の締結ボルト(締結具)41dにより金属製ベースプレート41aに固定されている。
図4および
図5に示すように、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3は、制御基板41bにおいて、一対の締結ボルト41dを結ぶ第1直線L1上の第1締結位置P1および第2締結位置P2に挟まれた領域に配置される。
【0036】
図5に示すように、制御基板41bの端部41b4は、第1直線L1および第2直線L2と平行に延びる直線上に配置される。そして、制御基板41bを平面視した場合に、制御基板41bの端部41b4は、第1直線L1と第2直線L2に挟まれる位置に配置される。すなわち、制御基板41bを平面視した場合に、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3と、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3のそれぞれが視認できるように配置される。
【0037】
図3および
図4に示すように、絶縁端子部31は、電動モータ30と接続部50とを電気的に接続するモータ接続端子31a1,31a2,31a3と、締結ボルト32によりモータハウジング12に取り付けられる金属板31bと、モータ接続端子31a1,31a2,31a3を取り囲むように配置される碍子31cと、を有する。
【0038】
図3および
図4に示す3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3は、電動モータ30のU端子,V端子,W端子のそれぞれと電気的に接続されている。モータ接続端子31a1,31a2,31a3は、モータハウジング12の内部空間ISから外部空間OSへ突出する軸状に形成されている。モータ接続端子31a1,31a2,31a3は、ガラス固化体(図示略)と一体に形成されており、ガラス固化体によって金属板31bとの絶縁が行われている。
【0039】
碍子31cは、絶縁性を有する材料を用いて略円筒状に形成された部材であって、モータ接続端子31a1,31a2,31a3が内部を挿通して配置されている。碍子31cにより、接続部50と金属板31bとの絶縁距離が確保される。
【0040】
接続部50は、モータ接続端子31a1とスルーホール41b1、モータ接続端子31a2とスルーホール41b2、およびモータ接続端子31a3とスルーホール41b3とをそれぞれ電気的に接続する金属製の部材である。接続部50は、例えば、板金の打ち抜き加工により形成される。
【0041】
接続部50は、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3のそれぞれに対応して設けられる。接続部50は、モータ接続端子31a1,31a2,31a3に接合される板状の接合部51と、一端が接合部51に連結されるとともに他端がスルーホール41b1,41b2,41b3に接合される軸状の連結部52と、を有する。
【0042】
図6は、
図3に示す接続部50近傍をX軸に沿ってみた図である。
図6に示すように、接合部51は、モータ接続端子31a3のY軸方向の幅W1よりも幅広の幅W2を有する。
図5に示すように、接合部51のモータ接続端子31a3側の面がモータ接続端子31a3に接合される接合面51aとなっている。モータ接続端子31a3と接合面51aとは、例えば、錫と鉛の合金であるはんだSOにより接合されている。モータ接続端子31a3と接合面51aとは、例えば、アーク溶接により接合してもよい。
【0043】
なお、
図6は、モータ接続端子31a3とスルーホール41b3とを接続する接続部50を示しているが、モータ接続端子31a1とスルーホール41b1とを接続する接続部50、およびモータ接続端子31a2とスルーホール41b2とを接続する接続部50の構造も同様であるので、説明を省略する。
【0044】
連結部52は、各位置での断面形状が略同一となるように形成される軸状の部材であり、第1軸線A1に沿って延びる第1腕部52aと、第1軸線A1と直交する第2軸線A2に沿って延びる第2腕部52bと、第1軸線A1と直交する第3軸線A3に沿って延びる第3腕部52cと、を有する。第1軸線A1と第2軸線A2とが直交するため、第1軸線A1と第2軸線A2とがなす角度θ1は90°となる。また、第1軸線A1と第3軸線A3とが直交するため、第1軸線A1と第3軸線A3とがなす角度θ2は90°となる。
【0045】
なお、第1軸線A1と第2軸線A2とがなす角度θ1を90°とは異なり、かつ0°を含まない他の角度とし、第1軸線A1と第2軸線A2とが交差するようにしてもよい。同様に、第1軸線A1と第3軸線A3とがなす角度θ2を90°とは異なり、かつ0°を含まない他の角度とし、第1軸線A1と第3軸線A3とが交差するようにしてもよい。
【0046】
第1腕部52aは、一端が第2腕部52bに接続されるとともに他端が第3腕部52cに接続される軸状の部材である。
図6に示すように、第1腕部52aは、モータ接続端子31a3が延びるZ軸と平行な方向と直交する方向に沿って延びている。また、第1腕部52aは、Z軸に沿った方向において、接合部51と制御基板41bに挟まれる位置に配置されている。
【0047】
第1腕部52aが接合部51と制御基板41bに挟まれる位置に配置されているため、第1腕部52aの一部(
図6中の幅W2に対応する部分)が接合部51とY軸方向において重複する。そのため、これらを重複させない場合に比べ、連結部52のY軸方向の長さを小型化することができる。
【0048】
第1腕部52aと接合部51の間には、Z軸方向に所定距離以上の第1間隙53aが形成されている。第1間隙53aは、連結部52が振動に伴って弾性変形する場合に、その弾性変形が所望の変形量以下である場合に、第1腕部52aが接合部51に接触しないようにする隙間である。
【0049】
第2腕部52bは、一端が第1腕部52aに接続されるとともに他端がスルーホール41b3に接合される軸状の部材である。第2腕部52bの制御基板41b側の端部は、スルーホール41b3に挿入された状態で、はんだSOにより接合されている。第2腕部52bは、はんだSOによりスルーホール41b3に接合されることにより、スルーホール41b3と電気的に接続された状態となる。
【0050】
第3腕部52cは、一端が接合部51に接続されるとともに他端が第1腕部52aに接続される軸状の部材である。第3腕部52cは、Z軸方向において制御基板41bから最も距離が離れた位置で接合部51に接続されている。そのため、Z軸方向の制御基板41bに近い位置で接合部51に接続する場合に比べて、第3腕部52cの長さが長くなる。
【0051】
第3腕部52cと接合部51の間には、Y軸方向に所定距離以上の第2間隙53bが形成されている。第2間隙53bは、連結部52が振動に伴って弾性変形する場合に、その弾性変形が所望の変形量以下である場合に、第3腕部52cが接合部51に接触しないようにする隙間である。
【0052】
図6に示すように、本実施形態の連結部52は、一端が接合部51に接合され、他端が制御基板41bのスルーホール41b3に接合されている。そのため、連結部52は、圧縮機20および電動モータ30の振動によりモータハウジング12に対する制御基板41bのXYZ空間上での相対位置が変化すると、接合部51に対する第2腕部52bのスルーホール41b3との接合部分の位置が変化する。
【0053】
そして、本実施形態の連結部52は、接合部51に対する第2腕部52bのスルーホール41b3との接合部分の位置の変化に追従するために、腕部が延びる方向を変化させることが可能な3か所の屈曲部を備えている。第1屈曲部B1は、第1腕部52aと第2腕部52bの接続位置に形成されている。第2屈曲部B2は、第1腕部52aと第3腕部52cの接続位置に形成されている。第3屈曲部B3は、第3腕部52cと接合部51の接続位置に形成されている。
【0054】
連結部52は、接合部51に対する第2腕部52bのスルーホール41b3との接合部分の位置が近接するように変化する場合、第1屈曲部B1の角度θ1と、第2屈曲部B2の角度θ2とを小さくし、第3屈曲部B3が第2間隙53bを広げるように第3腕部52cを変位させる。これにより、軸状に形成される連結部52が収縮した状態となる。連結部52が収縮することにより、接合部51に対するスルーホール41b3の位置の変化に追従する。よって、連結部52とモータ接続端子31a3との接合部分、および連結部52とスルーホール41b3との接合部分にかかる応力が軽減される。
【0055】
また、連結部52は、接合部51に対する第2腕部52bのスルーホール41b3との接合部分の位置が離間するように変化する場合、第1屈曲部B1の角度θ1と、第2屈曲部B2の角度θ2とを大きくし、第3屈曲部B3が第2間隙53bを狭めるように第3腕部52cを変位させる。これにより、軸状に形成される連結部52が伸張した状態となる。連結部52が伸張することにより、接合部51に対するスルーホール41b3の位置の変化に追従する。よって、連結部52とモータ接続端子31a3との接合部分、および連結部52とスルーホール41b3との接合部分にかかる応力が軽減される。
【0056】
なお、以上においては、連結部52が振動に追従して収縮および伸張することについて、
図6に示すYZ平面上を参照して説明したが、XY平面およびXZ平面においても、同様である。すなわち、連結部52が振動に追従して収縮および伸張する機構を有するため、XYZ空間における任意の方向の変位に対して、連結部52とモータ接続端子31a3との接合部分、および連結部52とスルーホール41b3との接合部分にかかる応力を軽減するように変位する。
【0057】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係るインバータ装置40の製造方法を説明する。なお、以下の説明においては、インバータ装置40の製造方法における一部の工程についてのみ説明をし、他の工程の説明を省略する。具体的には、モータ接続端子31a1,31a2,31a3とスルーホール41b1,41b2,41b3とを接合工程のみ説明し、その他の工程の説明を省略する。
【0058】
ステップS101で、インバータ装置40を製造する作業者は、モータハウジング12の開口部12Aに絶縁端子部31を配置し、金属板31bに形成された貫通穴を介して締結ボルト32を締結する。これにより、絶縁端子部31がモータハウジング12の開口部12Aに設置される。
【0059】
ステップS102で、インバータ装置40を製造する作業者は、モータハウジング12に対して制御基板41bを設置する。具体的に、作業者は、金属製ベースプレート41aをビス(図示略)によりモータハウジング12の平坦な外周壁に密着するように固定する。また、作業者は、複数のスペーサ41cを介して制御基板41bを金属製ベースプレート41aから隙間を空けた状態で配置し、締結ボルト41dにより制御基板41bを金属製ベースプレート41aに固定する。これにより、制御基板41bは、金属製ベースプレート41aを介してモータハウジング12に固定された状態となる。
【0060】
ステップS103で、インバータ装置40を製造する作業者は、モータ接続端子31a1,31a2,31a3のそれぞれと、接続部50の接合部51とをはんだ又は溶接により接合させる。ここで、モータ接続端子31a1,31a2,31a3のそれぞれと接合部51をはんだにより接合する例について、
図8から
図10を参照して説明する。
図8から
図10は、
図3に示す接続部50近傍をY軸に沿ってみた部分拡大図である。
【0061】
図8から
図10において、符号Tは、はんだを溶融させる工具を示す。工具Tは、例えば、XYZ空間上の任意の位置に移動するとともに、はんだを自動的に供給可能なはんだ付けロボットである。作業者は、工具Tを制御する制御装置(図示略)に対して、予め、モータ接続端子31a1,31a2,31a3と接合部51を接合する位置を設定しておくことにより、モータ接続端子31a1,31a2,31a3と接合部51のはんだ付けを工具Tに実行させることができる。
【0062】
ステップS103で、インバータ装置40を製造する作業者は、工具Tによるはんだ付けを行う前に、3つの接続部50をモータ接続端子31a1,31a2,31a3に接着剤等により仮止めしておく。その際、作業者は、第2腕部52bの端部がスルーホール41b1,41b2,41b3のそれぞれに挿入された状態とする。
【0063】
その後、インバータ装置40を製造する作業者は、工具Tを制御する制御装置(図示略)を動作させる。制御装置は、モータ接続端子31a1と接合部51とをはんだ付けし、その後にモータ接続端子31a2と接合部51とをはんだ付けし、最後にモータ接続端子31a3と接合部51とをはんだ付けするように予め設定されている。
【0064】
第1に、工具Tは、モータ接続端子31a2の位置へ移動する。そして、工具Tは、モータ接続端子31a1と接合部51とを例えばZ軸に沿って上方から下方に移動しながらはんだを溶融させ、モータ接続端子31a1と接合部51とをはんだにより接合する(
図8参照)。
図9に示すように、モータ接続端子31a1と接合部51とは、固化したはんだSOにより接合された状態となる。
【0065】
第2に、工具Tは、モータ接続端子31a2の位置へ移動する。そして、工具Tは、モータ接続端子31a2と接合部51とを例えばZ軸に沿って上方から下方に移動しながらはんだを溶融させ、モータ接続端子31a2と接合部51とをはんだにより接合する(
図9参照)。
図10に示すように、モータ接続端子31a2と接合部51とは、固化したはんだSOにより接合された状態となる。
【0066】
第3に、工具Tは、モータ接続端子31a3の位置へ移動する。そして、工具Tは、モータ接続端子31a3と接合部51とを例えばZ軸に沿って上方から下方に移動しながらはんだを溶融させ、モータ接続端子31a3と接合部51とをはんだにより接合する(
図10参照)。
図11に示すように、モータ接続端子31a3と接合部51とは、固化したはんだSOにより接合された状態となる。
【0067】
ステップS104で、インバータ装置40を製造する作業者は、スルーホール41b1,41b2,41b3と連結部52とをはんだ又は溶接により接合させる。ここで、スルーホール41b1,41b2,41b3のそれぞれと連結部52をはんだにより接合する例について、
図11および
図12を参照して説明する。
図11は、
図3に示す接続部50近傍をY軸に沿ってみた部分拡大図である。
図12は、
図3に示す接続部50近傍を上方からみた平面図であり、工具Tの位置を示す図である。
【0068】
なお、作業者は、工具Tを制御する制御装置(図示略)に対して、予め、スルーホール41b1,41b2,41b3と連結部52を接合する位置を設定しておくことにより、スルーホール41b1,41b2,41b3と連結部52のはんだ付けを工具Tに実行させることができる。
【0069】
ステップS104において、インバータ装置40を製造する作業者は、工具Tを制御する制御装置(図示略)を動作させる。制御装置は、スルーホール41b1と連結部52とをはんだ付けし、その後にスルーホール41b2と連結部52とをはんだ付けし、最後にスルーホール41b3と連結部52とをはんだ付けするように予め設定されている。
【0070】
ステップS104において、工具Tは、スルーホール41b1の位置へ移動し、スルーホール41b1においてはんだを溶融させ、スルーホール41b1と第2腕部52bの端部を接合する。その後、工具Tは、スルーホール41b2の位置へ移動し、スルーホール41b2においてはんだを溶融させ、スルーホール41b2と第2腕部52bの端部を接合する。
【0071】
最後に、工具Tは、スルーホール41b3の位置へ移動し、スルーホール41b3においてはんだを溶融させ、スルーホール41b3と第2腕部52bの端部を接合する。
図11に示すように、スルーホール41b1,41b2,41b3と連結部52とは、固化したはんだSOにより接合された状態となる。以上のようにして、モータ接続端子31a1,31a2,31a3とスルーホール41b1,41b2,41b3とが、接続部50を介して電気的に接合された状態となる。
【0072】
図12に示すように、制御基板41bを平面視した場合に、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が制御基板41bに隠れた位置とならないため、はんだ又は溶接を行う工具Tを移動させる際に制御基板41bとの接触を避けるために迂回する動作が不要となる。また、制御基板41bを平面視した場合に3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が視認可能であるため、例えばカメラ等でモータ接続端子31a1,31a2,31a3を撮像しながら工具Tによりはんだ又は溶接を行うことができる。
【0073】
以上においては、モータ接続端子31a1,31a2,31a3と接続部50との接合、スルーホール41b1,41b2,41b3と接続部50との接合をはんだ付けにより行う例を説明したが、溶接についても同様である。例えば、アーク溶接により接合を行う場合の工具Tは、はんだを溶融させるのに変えて、モータ接続端子31a1,31a2,31a3の一部および溶接棒(図示略)を溶融させるものとなる。また、工具Tは、はんだを溶融させるのに変えて、スルーホール41b1,41b2,41b3の一部および溶接棒(図示略)を溶融させるものとなる。
【0074】
以上説明した本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100によれば、電動モータ30が有する少なくとも3つの軸状のモータ接続端子31a1,31a2,31a3と、制御基板41bが有する3つのスルーホール41b1,41b2,41b3とが、金属製の接続部50により電気的に接続される。接続部50は接合部51と連結部52を有し、接合部51ははんだ又は溶接によりモータ接続端子31a1,31a2,31a3に接合され、連結部52ははんだ又は溶接によりスルーホール41b1,41b2,41b3に接合される。
【0075】
そして、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3が制御基板41bにおいて同一直線上に配置されているため、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3をはんだ又は溶接により接合する際に、はんだ又は溶接を行う工具Tの移動量が最小となりかつ移動方向を変える必要がない。そのため、電動モータ30が有する3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3と制御基板41bが有する少なくとも3つのスルーホール41b1,41b2,41b3とを電気的に接続する際に必要な作業の作業性を向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100によれば、第1締結位置P1および第2締結位置P2が確実に金属製ベースプレート41aに対して固定されている。そのため、第1締結位置P1および第2締結位置P2を結ぶ第2直線L2上の一対の締結位置に挟まれた領域に配置されるスルーホール41b1,41b2,41b3は、他の位置に配置される場合に比べて金属製ベースプレート41aに対する変位が少なく、圧縮機20および電動モータ30の振動等による応力を受けにくい。
【0077】
また、本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100によれば、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が同一直線上に配置されているため、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3をはんだ又は溶接により接合する際に、はんだ又は溶接を行う工具Tの移動量が最小となりかつ移動方向を変える必要がない。
【0078】
また、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が配置される第1直線L1と、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3が配置される第2直線L2が平行であるため、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3をはんだ又は溶接により接合した後に、3つのスルーホール41b1,41b2,41b3をはんだ又は溶接により接合するために工具Tを移動させる場合、工具Tの移動量を少なくすることができる。
【0079】
また、本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100によれば、制御基板41bを平面視した場合に、制御基板41bの端部41b4から離間した位置に3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が配置される構成となる。制御基板41bを平面視した場合に、3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が制御基板41bに隠れた位置とならないため、はんだ又は溶接を行う工具Tを移動させる際に制御基板41bとの接触を避けるために迂回する動作が不要となる。また、制御基板41bを平面視した場合に3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3が視認可能であるため、例えばカメラ等でモータ接続端子31a1,31a2,31a3を撮像しながら工具Tによりはんだ又は溶接を行うことができる。
【0080】
また、本実施形態のインバータ一体型電動圧縮機100によれば、板状の接合部51がモータ接続端子31a1,31a2,31a3に比べて面積および熱容量が大きいため、はんだ又は溶接等による接合部51とモータ接続端子31a1,31a2,31a3の接合が容易であり、かつ十分な接合強度を得ることができる。
【0081】
〔他の実施形態〕
以上の説明において、電動モータ30は3つのモータ接続端子31a1,31a2,31a3を有し、制御基板41bは3つのスルーホール41b1,41b2,41b3を有するものであったが、他の態様であってもよい。例えば、電動モータ30が4つ以上のモータ接続端子を有し、制御基板41bがそれに対応する4つ以上のスルーホールを有していてもよい。すなわち、電動モータ30は少なくとも3つのモータ接続端子を有し、制御基板は少なくとも3つのスルーホールを有していてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 ハウジング(筐体)
11 圧縮機ハウジング
12 モータハウジング
12A 開口部
20 圧縮機(圧縮部)
30 電動モータ
31 絶縁端子部
31a1,31a2,31a3 モータ接続端子(第1接続端子)
40 インバータ装置
41 インバータモジュール
41a 金属製ベースプレート(基部)
41b 制御基板
41b1,41b2,41b3 スルーホール(第2接続端子)
41b4 端部
41c スペーサ
41d 締結ボルト(締結具)
50 接続部
51 接合部
51a 接合面
52 連結部
100 インバータ一体型電動圧縮機(電動モータ制御装置)
IS 内部空間
L1 第1直線
L2 第2直線
OS 外部空間
P1 第1締結位置
P2 第2締結位置
SO はんだ
T 工具