IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

特許7562779開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット
<>
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図1
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図2
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図3
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図4
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図5
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図6
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図7
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図8
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図9
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図10
  • 特許-開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/12 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
A47K13/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023118390
(22)【出願日】2023-07-20
(62)【分割の表示】P 2019064163の分割
【原出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2023126626
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】石水 昭夫
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-125487(JP,A)
【文献】特開2008-237331(JP,A)
【文献】特開2000-51122(JP,A)
【文献】特開2006-62508(JP,A)
【文献】特開2003-202069(JP,A)
【文献】特開2014-84923(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0055258(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
F16H 57/00-57/12
F16H 1/00- 1/26
H02K 7/00- 7/20
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ本体と、前記モータ本体から突出する回転軸と、を備えるモータと、
前記モータに電力を供給する配線と、
開閉部材が接続される出力軸と、
前記モータの駆動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、
前記モータおよび前記伝達機構を収容するケースと、を有し、
前記回転軸は、前記出力軸と直交する方向に延びており、
前記出力軸の軸線に沿った軸線方向から見た場合に、前記回転軸は、前記ケースの長手方向に対して傾斜し、
前記伝達機構は、歯車輪列を備え、
前記軸線方向から見た場合に、前記出力軸と前記モータ本体とが重なることを特徴とする開閉部材駆動装置。
【請求項2】
前記歯車輪列は、前記出力軸に同軸に固定された出力歯車を備え、
前記軸線方向から見た場合に、前記出力軸および前記出力歯車は、前記モータ本体と重なることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項3】
前記配線は、前記モータ本体と前記ケースの内壁面との間を経由する引き回し部を備えることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項4】
互いに直交する3方向を第1方向、第2方向、および第3方向とし、前記軸線方向を前記第1方向、前記ケースの前記長手方向に沿った方向を前記第2方向、前記ケースの短手方向に沿った方向を前記第3方向としたときに、
前記ケースは、前記モータ本体の前記第1方向の一方側に位置する底壁部と、前記底壁部の前記第3方向の両側の端縁から前記第1方向の他方側に立ちあがって前記第2方向に平行に延びる第1側壁部および第2側壁部と、を備え、
前記第1側壁部および前記第2側壁部は、前記ケースにおける前記第3方向の両端に位置し、
前記モータは、前記第2方向の一方側に前記回転軸が位置し、他方側に前記モータ本体が位置し、
前記モータ本体は、前記底壁部に載せられて、前記第2方向の一方側における前記第1側壁部の側の端が当該第1側壁部に接触し、前記第2方向の他方側における前記第1側壁部の側の端が当該第1側壁部から離間し、
前記回転軸は、前記第2方向の他方側から一方側に向かって前記第1側壁部に接近し、
前記引き回し部は、前記モータ本体と前記第1側壁部との間、または、前記モータ本体と前記第2側壁部との間に位置することを特徴とする請求項3に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項5】
前記ケースは、前記底壁部から前記第1方向の他方側に立ち上がり前記第2方向および前記第3方向と交差する方向に延びる第1モータ固定壁を有し、
前記モータ本体は、前記回転軸が突出する出力側部分が前記第1モータ固定壁に当接することを特徴とする請求項4に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項6】
前記ケースは、前記底壁部から前記第1方向の他方側に立ち上がり前記第1モータ固定壁と直交する方向に延びる第2モータ固定壁を有し、
前記モータ本体は、前記第1方向から見た場合に前記回転軸と平行な一対の側面を備え、
前記モータは、前記第2モータ固定壁の前記第2側壁部の側に配置されて、一対の前記側面のうちの一方の側面が前記第2モータ固定壁に接触し、
前記引き回し部は、前記第2モータ固定壁と前記第1側壁部との間に位置することを特徴とする請求項5に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項7】
前記ケースは、前記底壁部から前記第1方向の他方側に立ち上がるとともに前記第2側壁部から前記第1側壁部の側に向かって延びるリブを備え、
前記モータ本体は、前記第2モータ固定壁と前記リブとの間に挟まれて固定されていることを特徴とする請求項6に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項8】
前記伝達機構は、前記出力軸に同軸に固定された出力歯車を含む前記歯車輪列と、前記出力軸に接続された前記開閉部材が閉方向に回転する際に当該出力軸を前記軸線回りで前記閉方向とは反対の開方向に回転させる付勢力を蓄えるコイルバネと、を有し、
前記コイルバネは、前記出力軸と同軸であり、前記モータ本体の前記第1方向の他方側に配置され、
前記コイルバネは、一方端が前記軸線方向の一方側に延びて前記リブに設けられたバネ係止部に係止され、他方端が前記軸線方向の他方側に延びて前記出力歯車に設けられた係止部に挿入されていることを特徴とする請求項7に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項9】
前記回転軸の先端を回転可能に支持する軸受部材を備え、
前記軸受部材は、前記第1側壁部に接触していることを特徴とする請求項4から8のうちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項10】
前記歯車輪列は、前記回転軸の外周側に固定されたウォームと、前記回転軸と前記第2側壁部との間に位置して前記ウォームと噛合する第1歯車と、を備えることを特徴とする請求項4から9のうちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置。
【請求項11】
請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置を有し、
前記開閉部材は、便蓋であることを特徴とする便蓋開閉ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉部材を駆動する開閉部材駆動装置および開閉部材としてトイレユニットの便蓋を開閉する便蓋開閉ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
便蓋などの開閉部材を開閉する開閉部材駆動装置は特許文献1に記載されている。同文献の開閉部材駆動機構は、モータと、開閉部材が接続される出力軸と、モータの駆動力を出力軸に伝達する伝達機構と、モータおよび伝達機構を収容するケースと、を備える。モータは、その回転軸を出力軸の軸線に沿った軸線方向に向けて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-77396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開閉部材駆動装置を出力軸と直交する方向で小型化するために、モータの回転軸を出力軸と直交する方向に向けて配置することが考えられる。また、この場合には、モータをケースの側壁に接近させるなどして、ケースを出力軸と直交する方向でコンパクトに構成することが考えられる。しかし、モータをケースの側壁に接近させて配置した場合には、モータの近傍に、モータに電力を供給する配線の引き回しスペースを確保することが困難となる場合がある。
【0005】
本発明の課題は、かかる点に鑑みて、配線のためのスペースを確保しながら小型化が容易な開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の開閉部材駆動装置は、モータ本体と、前記モータ本体から突出する回転軸と、を備えるモータと、前記モータに電力を供給する配線と、開閉部材が接続される出力軸と、前記モータの駆動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、前記モータおよび前記伝達機構を収容するケースと、を有し、前記回転軸は、前記出力軸と直交する方向に延びており、前記出力軸の軸線に沿った軸線方向から見た場合に、前記回転軸は、前記ケースの長手方向に対して傾斜し、前記伝達機構は、歯車輪列を備え、
前記軸線方向から見た場合に、前記出力軸と前記モータ本体とが重なることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、モータの回転軸を出力軸の出力軸と直交する方向に向けて配置するので、開閉部材駆動装置を軸線方向と直交する方向で小型化できる。また、モータは、回転軸がケースの長手方向に対して傾斜するように配置される。従って、ケースを出力軸と直交する方向でコンパクトにするためにモータをケースの側壁に接近させた場合でも、モータ本体部とケースの側壁との間に隙間を形成することができる。従って、ケース内で配線を引き回す際に、配線に、モータ本体とケースの内壁面との間を経由する引き回し部を備えることができる。
【0008】
本発明において、前記歯車輪列は、前記出力軸に同軸に固定された出力歯車を備え、前記軸線方向から見た場合に、前記出力軸および前記出力歯車は、前記モータ本体と重なるものとすることができる。
【0009】
本発明において、前記配線は、前記モータ本体と前記ケースの内壁面との間を経由する引き回し部を備えるものとすることができる。
【0010】
本発明において、互いに直交する3方向を第1方向、第2方向、および第3方向とし、前記軸線方向を前記第1方向、前記ケースの前記長手方向に沿った方向を前記第2方向、前記ケースの短手方向に沿った方向を前記第3方向としたときに、前記ケースは、前記モータ本体の前記第1方向の一方側に位置する底壁部と、前記底壁部の前記第3方向の両側の端縁から前記第1方向の他方側に立ちあがって前記第2方向に平行に延びる第1側壁部および第2側壁部と、を備え、前記第1側壁部および前記第2側壁部は、前記ケースにおける前記第3方向の両端に位置し、前記モータは、前記第2方向の一方側に前記回転軸が位置し、他方側に前記モータ本体が位置し、前記モータ本体は、前記底壁部に載せられて、前記第2方向の一方側における前記第1側壁部の側の端が当該第1側壁部に接触し、前記第2方向の他方側における前記第1側壁部の側の端が当該第1側壁部から離間し、前記回転軸は、前記第2方向の他方側から一方側に向かって前記第1側壁部に接近し、前記引き回し部は、前記モータ本体と前記第1側壁部との間、または、前記モータ本体と前記第2側壁部との間に位置するものとすることができる。このようにすれば、モータ本体がケースの第1側壁部に接触するので、ケースを第3方向でコンパクトにすることが容易である。また、ケースを第3方向でコンパクトに構成した場合でも、第1側壁とモータ本体との間にスペースが設けられる。従って、配線に、モータ本体とケースの内壁面との間を経由する引き回し部を備えることができる。
【0011】
本発明において、前記ケースは、前記底壁部から前記第1方向の他方側に立ち上がり前記第2方向および前記第3方向と交差する方向に延びる第1モータ固定壁を有し、前記モータ本体は、前記回転軸が突出する出力側部分が前記第1モータ固定壁に当接するものとすることができる。このようにすれば、モータ本体を第1モータ固定壁に当接させることにより、モータを、ケースの長手方向に対して傾斜させることができる。
【0012】
本発明において、前記ケースは、前記底壁部から前記第1方向の他方側に立ち上がり前記第1モータ固定壁と直交する方向に延びる第2モータ固定壁を有し、前記モータ本体は、前記第1方向から見た場合に前記回転軸と平行な一対の側面を備え、前記モータは、前記第2モータ固定壁の前記第2側壁部の側に配置されて、一対の前記側面のうちの一方の側面が前記第2モータ固定壁に接触し、前記引き回し部は、前記第2モータ固定壁と前記第1側壁部との間に位置するものとすることができる。このようにすれば、第2モータ固定壁によって、モータ本体を位置決めできる。また、配線の引き回し部を、第2モータ固定壁と第1側壁部との間に配置できる。
【0013】
本発明において、前記ケースは、前記底壁部から前記第1方向の他方側に立ち上がるとともに前記第2側壁部から前記第1側壁部の側に向かって延びるリブを備え、前記モータ本体は、前記第2モータ固定壁と前記リブとの間に挟まれて固定されているものとすることができる。このようにすれば、モータをケースに固定することが容易である。
【0014】
本発明において、前記伝達機構は、前記出力軸に同軸に固定された出力歯車を含む前記歯車輪列と、前記出力軸に接続された前記開閉部材が閉方向に回転する際に当該出力軸を前記軸線回りで前記閉方向とは反対の開方向に回転させる付勢力を蓄えるコイルバネと、を有し、前記コイルバネは、前記出力軸と同軸であり、前記モータ本体の前記第1方向の他方側に配置され、前記コイルバネは、一方端が前記軸線方向の一方側に延びて前記リブに設けられたバネ係止部に係止され、他方端が前記軸線方向の他方側に延びて前記出力歯車に設けられた係止部に挿入されているものとすることができる。このようにすれば、コイルバネが蓄積する付勢力によって開閉部材を開方向に回転させることが容易となる。ま
た、コイルバネの一方端がケースの第2側壁部とモータ本体との間に位置するリブに設けられたバネ係止部に係止されているので、モータ本体と第2側壁部との間のスペースを有効に活用できる。
【0015】
本発明において、前記回転軸の先端を回転可能に支持する軸受部材を備え、前記軸受部材は、前記第1側壁部に接触しているのとすることができる。このようにすれば、回転軸の先端を第1側壁部に接近させることができるので、回転軸と第2側壁部との間に、スペースを確保することが容易となる。
【0016】
本発明において、前記歯車輪列は、前記回転軸の外周側に固定されたウォームと、前記回転軸と前記第2側壁部との間に位置して前記ウォームと噛合する第1歯車と、を備えるものとすることができる。すなわち、回転軸がケースの長手方向に対して傾斜しているので、回転軸と第2側壁部との間には、回転軸と第1側壁部との間と比較して大きなスペースが形成されている。従って、このようにすれば、第1歯車として、比較的、大きな外径寸法を備える歯車を配置することができる。
【0017】
次に、本発明の便蓋開閉ユニットは、上記の開閉部材駆動装置を有し、前記開閉部材は、便蓋であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、モータの回転軸を出力軸の出力軸と直交する方向に向けて配置するので、開閉部材駆動装置を軸線方向と直交する方向で小型化できる。また、モータは、回転軸がケースの長手方向に対して傾斜するように配置される。従って、ケースを出力軸と直交する方向でコンパクトにするためにモータをケースの側壁に接触させた場合でも、モータ本体部とケースの側壁との間に隙間を形成することができる。従って、ケース内で配線を引き回す際に、配線に、モータ本体とケースの内壁面との間を経由する引き回し部を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】開閉部材駆動装置の外観斜視図である。
図2】便蓋開閉ユニットの説明図である。
図3】開閉部材駆動装置の断面図である。
図4】開閉部材駆動装置の分解斜視図である。
図5】モータ、伝達機構、出力軸を第1方向の他方側から見た場合の斜視図である。
図6】モータ、伝達機構、出力軸を第1方向の一方側から見た場合の斜視図である。
図7】出力軸、出力歯車、第1コイルバネおよび第2コイルバネを第1方向の他方側から見た場合の分解斜視図である。
図8】出力軸、出力歯車、第1コイルバネおよび第2コイルバネを第1方向の一方側から見た場合の分解斜視図である。
図9】中間ケースを第1方向の一方側から見た場合の斜視図である。
図10】モータ、ウォーム、軸受部材、第1歯車を収容した第1ケースを第1方向の他方側から見た場合の平面図である。
図11】モータ、ウォーム、軸受部材、第1ケースの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の便蓋開閉ユニットの実施の形態を説明する。
【0021】
(全体構成)
図1は、開閉部材駆動装置の外観斜視図である。図2は、便蓋開閉ユニットの説明図である。図3は、開閉部材駆動装置の断面図である。図4は、開閉部材駆動装置の分解斜視
図である。図5は、モータ、伝達機構および出力軸を軸線方向の他方側から見た場合の斜視図である。図6は、モータ、伝達機構および出力軸を軸線方向の一方側から見た場合の斜視図である。図7は、出力軸、出力歯車、第1コイルバネおよび第2コイルバネを軸線方向の他方側から見た場合の分解斜視図である。図8は、出力軸、出力歯車、第1コイルバネおよび第2コイルバネを軸線方向の一方側から見た場合の分解斜視図である。図9は、中間ケースを軸線方向の一方側から見た場合の斜視図である。
【0022】
図1に示す開閉部材駆動装置1は、蓋や扉などの開閉部材を回動させて開閉する。便蓋開閉ユニット3は、開閉部材駆動装置1に、開閉部材としてトイレユニット200の便蓋201が接続されたものである。より具体的には、図2に示すように、トイレユニット200は、トイレユニット本体202、便座203、便蓋201、およびタンク204を有する。便蓋201は、タンク204の側の端部分が開閉部材駆動装置1の出力軸7に連結される。便蓋201は、出力軸7の回転により、平伏してトイレユニット本体202に被さる閉位置と、トイレユニット本体202から立ち上がる開位置と、の間を移動する。なお、トイレユニット200に第2の開閉部材駆動装置1を設け、第2の開閉部材駆動装置1の出力軸7に、開閉部材として、便座203を連結することもできる。
【0023】
開閉部材駆動装置1は、図3に示すように、モータ6と、便蓋201が接続される出力軸7と、モータ6の駆動力を出力軸7に伝達する伝達機構8と、モータ6および伝達機構8を収容するケース9と、を有する。
【0024】
出力軸7は、ケース9のケース開口部10から突出する突出部分11と、ケース9に収容された基部12と、を備える。出力軸7の突出部分11には、便蓋201の端部が接続される。従って、開閉部材駆動装置1は、片持ち状態で便蓋201を開閉する。図1に示すように、ケース9は、出力軸7の軸線Lに沿った方向から見た場合に、一方向に細長い形状を備える。出力軸7は、ケース9における長手方向の端部分からケース9の外側に突出する。
【0025】
ここで、以下の説明では、互いに直交する3方向を、第1方向Z、第2方向Yおよび第3方向Xとする。第1方向Zは、出力軸7の軸線Lに沿った軸線方向であり、第2方向Yはケース9の長手方向であり、第3方向Xは、ケース9の短手方向である。また、第1方向Zにおいて、ケース9が位置する側を第1方向Zの一方側Z1、出力軸7が突出している側を第1方向Zの他方側Z2とする。
【0026】
ケース9は樹脂製である。図1に示すように、ケース9は、第2方向Yに平行に延びる第1側壁13および第2側壁14を備える。また、ケース9は、第3方向Xに延びて第2側壁14の一方側の端を接続する第3側壁15を備える。さらに、ケース9は、第2方向Yの他方側の端を接続する第4側壁16を備える。第4側壁16は、第1側壁13と第2側壁14との間が第2方向Yの他方側に突出する形状を備える。
【0027】
また、ケース9は、図1図3に示すように、第1方向Zに沿って配列された第1ケース21、中間ケース22および第2ケース23を備える。第1ケース21は中間ケース22の第1方向Zの一方側Z1に位置し、第2ケース23は中間ケース22の第1方向Zの他方側Z2に位置する。
【0028】
図4に示すように、第1ケース21は、底壁部25と、底壁部25の外周縁から第1方向Zの他方側Z2に延びる枠部26とを備える。枠部26は、ケース9の第1側壁13、第2側壁14、第3側壁15、および第4側壁16の第1方向Zの端側部分を構成する。第1ケース21にはモータ6が固定されている。モータ6は、モータ本体28と、モータ本体28から突出する回転軸27と、モータ本体28から回転軸27とは反対側に突出す
る一対のモータ端子29を備える。出力軸7は、モータ本体28の第1方向Zの他方側Z2に位置する。回転軸27は、出力軸7の軸線Lと交差する方向を向く。本例では、回転軸27は、出力軸7の軸線Lと直交する方向を向く。また、回転軸27は、第1方向Zから見た場合に、第2方向Y(ケース9の長手方向)に対して傾斜している。回転軸27の先端は、軸受部材30によって回転可能に支持されている。
【0029】
中間ケース22は、中間底部31と、中間底部31の外周縁から第1方向Zの他方側Z2に延びる中間枠部32とを備える。中間枠部32は、ケース9の第1側壁13、第2側壁14、第3側壁15、および第4側壁16の第1方向Zの中間部分を構成する。中間ケース22には、伝達機構8を構成する複数の歯車のうちの一部の歯車が収容されている。また、中間ケース22には、出力軸7の基部12が収容されている。
【0030】
中間ケース22における第2ケース23の側の端部分には、板状の補強部材35が固定されている。補強部材35は、ケース9よりも剛性が高い。本例において、補強部材35は、金属製である。補強部材35には、補強部材側開口部36が設けられている。補強部材側開口部36からは、出力軸7が第1方向Zの他方側Z2に突出する。また、補強部材35には、ポテンショメータ37が取り付けらえている。ポテンショメータ37は、第2方向Yにおいて、出力軸7とは反対側の端部分に位置する。
【0031】
第2ケース23は、板状であり、第1方向Zの他方側Z2から補強部材35に被せられて、中間ケース22に固定される。第2ケース23は、ケース9の第1側壁13、第2側壁14、第3側壁15、および第4側壁16の第1方向Zの他方側Z2の端部分を構成する。また、第2ケース23は、ケース9の第1方向Zの他方側Z2の端面を構成する。第2ケース23は、第1方向Zの他方側Z2から補強部材35を被う。出力軸7は、第2ケース23に設けられたケース開口部10から第1方向Zの他方側Z2に突出する。
【0032】
ここで、図5図6に示すように、伝達機構8は、モータ6から出力軸7に至る駆動力伝達経路の上流側から下流側に向かって、ウォーム38、第1歯車39、第2歯車40、第3歯車41、第4歯車42、および出力歯車43を備える。ウォーム38は、回転軸27の外周側に固定されている。ウォーム38および第1歯車39は第1ケース21内に位置する。第2歯車40、第3歯車41、第4歯車42、および出力歯車43は中間ケース22内に位置する。ウォーム38、第1歯車39、第2歯車40、第3歯車41、第4歯車42、および出力歯車43は、モータ6の駆動力を出力軸7に伝達する伝達経路を構成する。
【0033】
第1歯車39は、モータ6の回転軸27の第3方向Xの他方側X2に位置する。第1歯車39は、ウォーム38に噛合する第1大径歯車39aと、第1大径歯車39aと同軸で第1大径歯車39aよりも外径寸法が小さい第1小径歯車39bと、を備える。第1大径歯車39aは、第1小径歯車39bの第1方向Zの一方側Z1に位置する。第1歯車39は、第1方向Zに延びる第1支軸45に回転可能に支持されている。第1支軸45は、一方の端部分が第1ケース21の底壁部25に保持され、他方の端部分が中間ケース22の中間底部31に保持されている。図3に示すように、第1歯車39は、第1大径歯車39aと第1小径歯車39bとの間に駆動力の伝達を継断するトルクリミッタ46を備える。
【0034】
図5図6に示すように、第2歯車40は、第1小径歯車39bに噛合する第2大径歯車40aと、第2大径歯車40aと同軸で第2大径歯車40aよりも外径寸法が小さい第2小径歯車40bを備える。第2大径歯車40aは、第2小径歯車40bの第1方向Zの一方側Z1に位置する。第2大径歯車40aは、中間ケース22の中間底部31に設けられた中間ケース開口部33を介して第1小径歯車39bに噛合する(図3参照)。第2歯車40は、第1方向Zに延びる第2支軸48に回転可能に支持される。第2支軸48は、
一方の端部分が中間ケース22の中間底部31に保持され、他方の端部分が補強部材35に保持されている。
【0035】
第3歯車41は、第2小径歯車40bに噛合する第3大径歯車41aと、第3大径歯車41aと同軸で第3大径歯車41aよりも外径寸法が小さい第3小径歯車41bを備える。第3大径歯車41aは、第3小径歯車41bの第1方向Zの一方側Z1に位置する。第3歯車41は、第1方向Zに延びる第3支軸49に回転可能に支持される。第3支軸49は、一方の端部分が中間ケース22の中間底部31に保持され、他方の端部分が第2ケース23に保持されている。第3支軸49は、補強部材35を貫通している。
【0036】
第4歯車42は、第3小径歯車41bおよび出力歯車43に噛合する平歯車である。第4歯車42と出力歯車43とは第2方向Yに配列されている。第4歯車42は、第2歯車40と同軸に配置されて、第2支軸48に回転可能に支持されている。図3に示すように、第2支軸48は、一方の端部分が中間ケース22に保持され、他方の端部分が補強部材35に保持されている。すなわち、中間ケース22の中間底部31は、第2歯車40および第4歯車42を支持する第2支軸48を保持する軸保持部34を備える。補強部材35は、第2歯車40および第4歯車42を支持する第2支軸48を保持する軸保持部47を備える(図9参照)。
【0037】
出力歯車43は、金属製である。出力歯車43には、出力軸7が同軸に固定されている。すなわち、図7図8に示すように、出力歯車43は、環状であり、その中心穴に出力軸7の基部12が挿入されている。出力歯車43の内周面には周方向に複数の凹部51が設けられており、出力軸7の基部12の外周面には、出力歯車43の内周面の凹部51に嵌る複数の凸部52が設けられている。これにより、出力歯車43と出力軸7とは、軸線L回りに相対回転不能な状態で、連結されている。
【0038】
ここで、伝達機構8は、第1コイルバネ53および第2コイルバネ54を備える。第1コイルバネ53は、出力歯車43の第1方向Zの一方側Z1に位置する。第1コイルバネ53は、中間ケース22の中間底部31に載せられている。第1コイルバネ53の第1方向Zの一方側Z1の端部分53aは、第1方向Zの一方側Z1に延びている。第1コイルバネ53の第1方向Zの一方側Z1の端部分53aは、中間ケース22の中間底部31に設けられた貫通穴55から第1方向Zの一方側Z1に突出し、第1ケース21に設けられた第1コイルバネ第1係止部56(バネ係止部)に係止されている。第1コイルバネ53の第1方向Zの他方側Z2の端部分53bは、第1方向Zの他方側Z2に延びており、出力歯車43の外周面に設けられた第1コイルバネ第2係止部57に係止可能に挿入される。第1コイルバネ第2係止部57は、出力歯車43の歯部に設けた切欠き部である。第1コイルバネ53の第1方向Zの他方側Z2の端部分53bは、出力歯車43に対して、周方向から可能である。第1コイルバネ53の断面は、矩形である。
【0039】
第2コイルバネ54は、第1コイルバネ53の内周側に位置する。第2コイルバネ54は、中間ケース22の中間底部31に載せられている。第2コイルバネ54は、出力軸7の第1方向Zの一方側Z1に位置する。第2コイルバネ54の第1方向Zの一方側Z1の端部分54aは、当該第2コイルバネ54の内周側に向かって延びており、中間ケース22の中板部に設けられた第2コイルバネ第1係止部58に係止されている(図9参照)。第2コイルバネ54の第1方向Zの他方側Z2の端部分54bは、第1方向Zの他方側Z2に延びており、出力軸7の第1方向Zの他方の端面に設けられた第2コイルバネ第2係止部59に係止されている(図8参照)。
【0040】
図3図9に示すように、出力軸7および出力歯車43は、中間ケース22の中間底部31から第1方向Zの他方側Z2に突出する支持部61によって回転可能に支持されてい
る。図3に示すように、支持部61は、第1コイルバネ53および第2コイルバネ54の内周側に位置し、第1コイルバネ53および第2コイルバネ54よりも第1方向Zの他方側Z2に突出する。ここで、出力軸7は、第1方向Zの一方側Z1の端面に第1方向Zの他方側Z2に窪む円形凹部62を備えており、支持部61は、その先端部分が円形凹部62に挿入されている。支持部61の先端は、円形凹部62の底面(円形凹部62の第1方向Zの他方側Z2の円形内壁面)に接触する。
【0041】
また、出力歯車43は、補強部材35によって、回転可能に支持されている。すなわち、出力歯車43は、第1方向Zの他方側Z2の端部分に外周面に歯部を有さない環状部43aを備える。一方、補強部材35は、図3図4に示すように、補強部材側開口部36の外周縁部分に、出力歯車43の環状部43aを外周側から回転可能に支持する出力歯車受部65を備える。出力歯車受部65は、補強部材35における補強部材側開口部36の第1方向Zの他方側Z2に屈曲して延びる筒部である。出力歯車受部65は、例えば、バーリング加工により設けられる。ここで、図3に示すように、支持部61の第1方向Zの他方側Z2の端は、補強部材35の第1方向Zの一方側Z1の端面35aよりも第1方向Zの他方側Z2に位置する。
【0042】
さらに、出力軸7は、第2ケース23によって、回転可能に支持されている。すなわち、出力軸7は、ケース9の内側に位置する基部12における出力歯車43よりも第1方向Zの他方側Z2に円形外周面を有する被支持部68を備える。第2ケース23(ケース部分)は、ケース開口部10の外周縁部分に、出力軸7の支持部61を外周側から回転可能に支持する出力軸受部69を備える。出力歯車受部65は、第2ケース23におけるケース開口部10の第1方向Zの他方側Z2に屈曲して延びる筒部である。また、出力軸7は、被支持部68の第1方向Zの途中に環状溝70を備える。環状溝70には、Oリング71が取り付けられている。Oリング71は、径方向に圧縮された状態で、第2ケース23の出力軸受部69と出力軸7との間を封止する。
【0043】
ここで、補強部材35は、第2方向Yにおける出力歯車受部65と軸保持部47との間で中間ケース22に固定されている。すなわち、図9に示すように、中間ケース22は、中間枠部32において、第2方向Yに平行に延びる第1枠部分32aおよび第2枠部分32bに、それぞれ内周側に突出する第1突部73および第2突部74を備える。第1枠部分32aは、ケース9の第1側壁13の一部を構成する部分である。第2枠部分32bは、ケースの第2側壁14の一部を構成する部分である。第1突部73と第2突部74とは、第3方向Xで対向する。第1突部73および第2突部74のそれぞれにはねじ穴が設けられている。図4に示すように、補強部材35は、当該補強部材35の第3方向Xの一方側X1の端縁部分を第1方向Zに貫通して、第1突部73のねじ穴に捩じ込まれるねじ75により、中間ケース22に固定される。また、補強部材35は、当該補強部材35の第3方向Xの他方側X2の端縁部分を第1方向Zに貫通して、第2突部74のねじ75穴に捩じ込まれるねじ75により、中間ケース22に固定される。補強部材35が中間ケース22に固定された状態で、補強部材35と第1枠部分32aとの間には、部分的に隙間76が設けられ、補強部材35と第2枠部分32bとの間には、部分的に隙間77が設けられている。すなわち、補強部材35がケース9に固定された状態で、補強部材35と第1側壁13との間には、互いに接触していない部分(隙間76)が設けられ、補強部材35と第2側壁14との間には、互いに接触しない部分(隙間77)が設けられている。
【0044】
次に、ポテンショメータ37は、図5に示すように、伝達機構8を構成する複数の歯車のうちのいずれかの歯車に噛合するポテンショ歯車81を備える。また、ポテンショメータ37は、図4に示すように、ポテンショ歯車81の回転角度位置を検出する検出部82を備える。ポテンショ歯車81は、補強部材35の第1方向Zの一方側Z1に位置して、第3歯車41の第3小径歯車41bに噛合する。検出部82は、検出部82は、基板83
を介して補強部材35に固定される。ここで、基板83と一対のモータ端子29との間には、モータ6に電力を供給するための配線85(図10参照)が接続されている。基板83には配線85、およびポテンショメータ37に接続された複数の端子ピン86が固定されている。中間ケース22は、中間枠部32の第2方向Yの一方側Y1の端に、端子ピン保持部87を備える。
【0045】
(動作)
端子ピン86を介した電力の供給によってモータ6が正方向、或は、逆方向に、駆動されると、モータ6の駆動力が伝達機構8を介して出力軸7に伝達される。従って、出力軸7に固定された便蓋201は、図2に示すように、閉位置に向かう閉方向A、或は、開位置に向かう開方向Bに回転する。便蓋201が回転すると、ポテンショメータ37からは、便蓋201の回転角度位置に対応する信号が出力される。
【0046】
また、出力軸7に接続された便蓋201が閉方向Aに回転すると、第1コイルバネ53および第2コイルバネ54は、出力軸7を軸線L回りで開方向Bに回転させる付勢力を蓄える。従って、第1コイルバネ53および第2コイルバネ54は、便蓋201を開方向Bに回転する際に、開方向Bに駆動される出力軸7を開方向Bに付勢するアシストバネして機能する。さらに、伝達機構8は、第1歯車39にトルクリミッタ46を備える。従って、便蓋201から出力軸7を介して伝達機構8に過大な負荷が加わった場合には、トルクリミッタ46が機能して、伝達機構8による駆動力の伝達を遮断する。これにより、外部からの過大な負荷に起因して、伝達機構8が破損することを防止する。
【0047】
(モータの配置および配線の引き回し)
次に、ケース9内におけるモータ6の配置を詳細に説明する。図10は、モータ6および第1歯車39を収容した状態の第1ケース21の平面図である。図11は、モータ6、軸受部材30、および第1ケース21の分解斜視図である。
【0048】
図10に示すように、モータ6が収容された第1ケース21は、底壁部25と、側板の外周縁から第1方向Zの他方側Z2に延びる枠部26とを備える。枠部26は、ケース9の第1側壁13を部分的に構成する第1側壁部91、第2側壁14を部分的に構成する第2側壁部92、第3側壁15を部分的に構成する第3側壁部93、並びに、第4側壁16を部分的に構成する第4側壁部94および第5側壁部95を備える。第1側壁部91と第2側壁部92とは、第2方向Yに平行に延びる。第1側壁部91および第2側壁部92は、ケース9における第3方向Xの両端に位置する。第3側壁部93は第3方向Xに延びる。第4側壁部94は、第1側壁部91の第2方向Yの他方側Y2の端から、第3方向Xの他方側X2に向かって第2方向Yの他方側Y2に傾斜する。第5側壁部95は、第4側壁部94の第2方向Yの他方側Y2の端と、第2側壁部92の第2方向Yの他方側Y2の端とを接続する。第5側壁部95は、第4側壁部94と第2側壁部92との間が第2方向Yの他方側Y2に突出する湾曲形状を備える。
【0049】
モータ6は、回転軸27が、第2方向Yに対して傾斜する。回転軸27には、ウォーム38が取り付けられている。モータ本体28は、第1方向Zから見た場合の形状が長方形であり、第1方向Zから見た場合に回転軸27と平行な一対の側面28a、28bを備える。また、モータ本体28は、回転軸27が突出する出力側に、回転軸27と垂直な面を有する出力側部分28cを備える。また、モータ6は、モータ本体28の反出力側の端面28dから突出する2本のモータ端子29を備える。モータ本体28は、底壁部25に載せられている。モータ本体28は、第2方向Yの一方側Y1における第3方向Xの一方側X1の端28eが第1側壁部91に接触し、第2方向Yの他方側Y2における第3方向Xの一方側X1の端28fが第1側壁部91から離間する。回転軸27は、第2方向Yの他方側Y2から一方側Y1に向かって第1側壁部91に接近する。2本のモータ端子29は
、凸形状に湾曲する第5側壁部95の内側に配置されている。
【0050】
ここで、第1ケース21は、底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に立ち上がり第2方向Yおよび第3方向Xと交差する方向に延びる第1モータ固定壁97を有する。モータ本体28は、第1モータ固定壁97に出力側部分28cが当接した状態で、底壁部25に位置決めされる。また、第1ケース21は、底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に立ち上がり第1モータ固定壁97と直交する方向に延びる第2モータ固定壁98を有する。モータ本体28は、回転軸27と平行な一対の側面28a、28bのうち、第1側壁部91に位置する側の側面28aが第2モータ固定壁98に接触して位置決めされる。更に、ケース9は、底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に立ち上がるとともに第2側壁部92から第3方向Xの一方側X1に向かって延びるリブ99を備える。モータ本体28は、第3方向Xで第2モータ固定壁98とリブ99との間に挟まれて、固定される。本例では、モータ本体28は、第2モータ固定壁98とリブ99との間に圧入されている。
【0051】
ここで、リブ99には、第1コイルバネ53の第1方向Zの一方側Z1の端部分53aが係止される第1コイルバネ第1係止部56が設けられている。第1コイルバネ第1係止部56は、第1方向Zの一方側Z1に窪む凹部である。
【0052】
モータ端子29には、電力供給用の配線85が接続される。図9図10において、配線85は、鎖線で示す。ケース9内において、配線85は、2本のモータ端子29と基板83との間を、中間ケース22の中間底部31に設けた配線用貫通穴101を経由して引き回される。より詳細には、配線85は、図10に示すように、モータ端子29から引き出されてモータ本体28とケース9の第1側壁13(第1側壁部91)との間を経由する第1引き回し部85aと、図9に示すように、第1引き回し部85aから第1方向Zの他方側Z2に折り曲げられて配線用貫通穴101を通過する第2引き回し部85bと、中間ケース22の内部を引き回される第3引き回し部85cを備える。第3引き回し部85cの先端は基板83に接続される。
【0053】
次に、図10図11に示すように、回転軸27の先端を支持する軸受部材30は、第1側壁部91に隣接する軸受部材保持部105に固定されている。軸受部材30は、第1側壁部91に接触した状態で第1ケース21に固定される。
【0054】
軸受部材30は、全体として、第1方向Zに長い四角柱形状である。図6に示すように、軸受部材30の第1方向Zの一方側Z1の端面30aには、矩形の突部106が設けられている。また、図10に示すように、軸受部材30は、第1方向Zから見た場合に、第1側壁部91に当接して当該第1側壁部91に沿って延びる第1側面30bと、第1側面30bの第2方向Yの他方側Y2から第3方向Xの他方側X2に向かって第2方向Yの一方側Y1に傾斜する第2側面30cと、第1側面30bの第2方向Yの一方端から第2側面30cと平行に延びる第3側面30dと、第2側面30cの第3方向Xの他方側X2の端と第3側面30dの第3方向Xの他方側X2の端とを接続する第4側面30eとを備える。図11に示すように、第2側面30cには、回転軸27の先端が回転可能に挿入される凹部30fが設けられている。第4側面30eには、第1方向Zに延びるガイド溝107が設けられている。
【0055】
軸受部材保持部105は、第1ケース21の底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に突出して第1側壁部91と間に軸受部材30を挟む第1軸受部材固定壁109を備える。底壁部25において第1側壁部91と第1軸受部材固定壁109との間に位置する部分には、矩形の穴部110が設けられている。第1軸受部材固定壁109は、第3方向Xの一方側X1に向かって突出して、第1方向Zに延びる突起111を備える。
【0056】
また、軸受部材保持部105は、第1側壁部91から第3方向Xの他方側X2に向かって第2方向Yの一方側Y1に傾斜する第2軸受部材固定壁112を備える。第2軸受部材固定壁112は、第1軸受部材固定壁109の第2方向Yの一方側Y1の端部分に接続されている。
【0057】
軸受部材30は、第1方向Zの他方側Z2から第1側壁部91と第1軸受部材固定壁109との間に挿入されて、軸受部材保持部105に固定される。軸受部材30が第1側壁部91と第1軸受部材固定壁109挿入される際には、第1軸受部材固定壁109の突起111は、第1方向Zから軸受部材30のガイド溝107に挿入される。また、軸受部材30が第1側壁部91と第1軸受部材固定壁109との間に挿入されると、軸受部材30の第3側面30dが第2軸受部材固定壁112に当接する。さらに、軸受部材30の突部106が、第1ケース21の穴部110に嵌る。ここで、ケース9を構成するために、第1ケース21に中間ケース22を積層すると、軸受部材30は、第1ケース21の底壁部25部と、中間ケース22の中間底部31によって第1方向Zの両側から挟まれた状態となる。
【0058】
(作用効果)
本例によれば、モータ6の回転軸27を出力軸7と直交する方向に向けて配置するので、開閉部材駆動装置1を出力軸7と直交する方向で小型化できる。また、モータ6は、回転軸27がケース9の長手方向(第2方向Y)に対して傾斜するように配置される。従って、ケース9を出力軸7と直交する方向でコンパクトにするためにモータ6をケース9の第1側壁13(第1側壁部91)に接近させた場合でも、モータ本体28と第1側壁13(第1側壁部91)との間に隙間を形成することができる。従って、ケース9内で配線85を引き回す際に、配線85に、モータ本体28とケース9の内壁面との間を経由する第1引き回し部85aを備えることができる。
【0059】
また、モータ6を収容する第1ケース21は、モータ本体28の第1方向Zの一方側Z1に位置する底壁部25と、底壁部25の第3方向の両側の端縁から第1方向の他方側に立ちあがって第2方向に平行に延びる第1側壁部91および第2側壁部92と、を備え、第1側壁部91および第2側壁部92は、ケース9における第3方向の両端に位置する。モータ6は、第2方向Yの一方側Y1に回転軸27が位置し、第2方向Yの他方側Y2にモータ本体28が位置し、モータ本体28は、底壁部25に載せられて、第2方向Yの一方側Y1における第1側壁部91の側の端28eが当該第1側壁部91に接触し、第2方向Yの他方側Y2における第1側壁部91の側の端28fが当該第1側壁部91から離間する。回転軸27は、第2方向Yの他方側Y2から一方側に向かって第1側壁部91に接近する。第1引き回し部85aは、モータ本体28と第1側壁部91との間に位置する。従って、ケース9を第3方向Xでコンパクトにすることができる。また、ケース9を第3方向Xでコンパクトに構成した場合でも、第1側壁13(第1側壁部91)とモータ本体28との間にスペースが設けられる。従って、配線85に、モータ本体28とケース9の第1側壁13との間を経由する引き回し部85aを備えることができる。
【0060】
さらに、ケース9は、底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に立ち上がり第2方向Yおよび第3方向Xと交差する方向に延びる第1モータ固定壁97を有し、モータ本体28は、回転軸27が突出する出力側部分28cが第1モータ固定壁97に当接する。従って、モータ本体28を第1モータ固定壁97に当接させることにより、モータ6を、第2方向Y(ケース9の長手方向)に対して傾斜させることができる。
【0061】
また、本例は、ケース9は、底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に立ち上がり第1モータ固定壁97と直交する方向に延びる第2モータ固定壁98を有する。モータ6は、第2モータ固定壁98の第2側壁部92の側に配置されて、第3方向Xの一方側X1の側
の側面28aが第2モータ固定壁98に接触する。そして、第1引き回し部85aは、第2モータ固定壁98と第1側壁部91との間に位置する。従って、第2モータ固定壁98によって、モータ本体28を位置決めできる。また、配線85の第1引き回し部85aを、第2モータ固定壁98と第1側壁部91との間に配置できる。
【0062】
さらに、本例では、ケース9は、底壁部25から第1方向Zの他方側Z2に立ち上がるとともに第2側壁部92から第1側壁部91の側に向かって延びるリブ99を備える。モータ本体28は、第2モータ固定壁98とリブ99との間に挟まれて固定されている。従って、モータ6をケース9に固定することが容易である。
【0063】
また、伝達機構8は、出力軸7に同軸に固定された出力歯車43と、出力軸7に接続された便蓋201が閉方向Aに回転する際に当該出力軸7を軸線回りで閉方向Aとは反対の開方向Bに回転させる付勢力を蓄える第1コイルバネ53および第2コイルバネ54を有する。第1コイルバネ53および第2コイルバネ54は、出力軸7と同軸であり、モータ本体28の第1方向Zの他方側Z2に配置される。従って、第1コイルバネ53および第2コイルバネ54が蓄積する付勢力によって、便蓋201を開方向Bに回転させることが容易となる。ここで、第1コイルバネ53は、第1方向Zの一方側Z1の端部分53aが第1方向Zの一方側Z1に延びてリブ99に設けられた第1コイルバネ第1係止部56に係止されているので、第1ケース21において、モータ本体28と第2側壁部92との間のスペースを有効に活用できる。
【0064】
また、本例では、回転軸27の先端を回転可能に支持する軸受部材30は、第1側壁部91に接触している。これにより、回転軸27の先端を第1側壁部91に接近させることができる。よって、回転軸27と第2側壁部92との間にスペースを確保できる。
【0065】
さらに、伝達機構8は、回転軸27の外周側に固定されたウォーム38と、回転軸27と第2側壁部92との間に位置してウォーム38と噛合する第1歯車39と、を備える。ここで、回転軸27は第2方向Yに対して傾斜しているので、回転軸27と第2側壁部92との間には、回転軸27と第1側壁部91との間と比較して大きなスペースが形成されている。従って、このようにすれば、第1歯車39として、比較的、大きな外径寸法を備える歯車を配置できる。
【0066】
また、便蓋開閉ユニット3は、開閉部材駆動装置1のケース9がコンパクトに構成されているので、小型である。
【符号の説明】
【0067】
1…開閉部材駆動装置、3…便蓋開閉ユニット、6…モータ、7…出力軸、8…伝達機構、9…ケース、10…ケース開口部、11…突出部分、12…基部、13…第1側壁、14…第2側壁、15…第3側壁、16…第4側壁、21…第1ケース、22…中間ケース、23…第2ケース、25…底壁部、26…枠部、27…回転軸、28…モータ本体、28a,28b…側面、28c…出力側部分、28d…反出力側の端面、28e,28f…モータ本体の端、29…モータ端子、30…軸受部材、30a…端面、30b…第1側面、30c…第2側面、30d…第3側面、30e…第4面、30f…凹部、31…中間底部、32…中間枠部、32a…第1枠部分、32b…第2枠部分、33…中間ケース開口部、34…軸保持部、35…補強部材、35a…端面、36…補強部材側開口部、37…ポテンショメータ、38…ウォーム、39…第1歯車、39a…第1大径歯車、39b…第1小径歯車、40…第2歯車、40a…第2大径歯車、40b…第2小径歯車、41…第3歯車、41a…第3大径歯車、41b…第3小径歯車、42…第4歯車、43…出力歯車、43a…環状部、45…第1支軸、46…トルクリミッタ、47…軸保持部、48…第2支軸、49…第3支軸、51…凹部、52…凸部、53…第1コイルバネ、53
a,53b…端部分、54…第2コイルバネ、54a,54b…端部分、55…貫通穴、56…第1コイルバネ第1係止部、57…第1コイルバネ第2係止部、58…第2コイルバネ第1係止部、59…第2コイルバネ第2係止部、61…支持部、62…円形凹部、65…出力歯車受部、68…被支持部、69…出力軸受部、70…環状溝、71…Oリング、73…第1突部、74…第2突部、76…隙間、77…隙間、81…ポテンショ歯車、82…検出部、83…基板、85…配線、85a…第1引き回し部、85b…第2引き回し部、85c…第3引き回し部、86…端子ピン、87…端子ピン保持部、91…第1側壁部、92…第2側壁部、93…第3側壁部、94…第4側壁部、95…第5側壁部、97…第1モータ固定壁、98…第2モータ固定壁、99…リブ、101…配線用貫通穴、105…軸受部材保持部、106…突部、107…ガイド溝、109…第1軸受部材固定壁、110…穴部、111…突起、112…第2軸受部材固定壁、200…トイレユニット、201…便蓋、201…接続された便蓋、202…トイレユニット本体、203…便座、204…タンク、X…第3方向(ケースの短手方向)、Y…第2方向(ケースの長手方向)、Z…第1方向(軸線方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11