(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/611 20230101AFI20240930BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240930BHJP
H04N 23/65 20230101ALI20240930BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240930BHJP
G06F 1/3231 20190101ALI20240930BHJP
G06F 1/3234 20190101ALI20240930BHJP
【FI】
H04N23/611
H04N23/60 500
H04N23/65 100
G06T7/00 660A
G06F1/3231
G06F1/3234
(21)【出願番号】P 2023148450
(22)【出願日】2023-09-13
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 匡史
(72)【発明者】
【氏名】小杉 和宏
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-60504(JP,A)
【文献】特開2001-350549(JP,A)
【文献】特開2013-109430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222
H04N 5/253- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G06T 7/00
G06F 1/3231
G06F 1/3234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
撮像部により撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データに基づく処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリに記憶された画像データを処理することにより、前記撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理と、
前記顔検出処理により検出された前記顔の向きに基づいて、前記表示部の画面輝度を低減させる輝度低減処理と、
前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が複数の場合、複数の前記顔領域の距離の関係に基づいて、前記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記輝度低減制御処理において、前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が複数の場合、複数の前記顔領域のうち最も大きい第1顔領域と2番目に大きい第2顔領域との距離の関係に基づいて、前記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する、
請求項1に情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記輝度低減制御処理において、前記第1顔領域と前記第2顔領域との大きさの差が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、前記第1顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が最も近い第1人物とし、前記第2顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が2番目に近い第2人物とし、
前記輝度低減制御処理において、前記第1人物と前記第2人物との前記撮像部からの距離の差が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記輝度低減制御処理において、前記撮像画像上での前記第1顔領域と前記第2顔領域との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、前記第1顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が最も近い第1人物とし、前記第2顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が2番目に近い第2人物とし、
前記輝度低減制御処理において、前記撮像画像上での前記第1人物と前記第2人物との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記輝度低減制御処理において、前記第1顔領域と前記第2顔領域との大きさの差が所定の閾値未満であって且つ前記撮像画像上での前記第1顔領域と前記第2顔領域との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記顔検出処理において、前記第1顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が最も近い第1人物とし、前記第2顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が2番目に近い第2人物とし、
前記輝度低減制御処理において、前記第1人物と前記第2人物との前記撮像部からの距離の差が所定の閾値未満であって且つ前記撮像画像上での前記第1人物と前記第2人物との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記輝度低減制御処理において、前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が1つの場合、前記輝度低減処理を有効にする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
表示部と、撮像部により撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づく処理を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理を行うステップと、
前記顔検出処理により検出された前記顔の向きに基づいて、前記表示部の画面輝度を低減させる輝度低減処理を行うステップと、
前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が複数の場合、複数の前記顔領域の距離の関係に基づいて、前記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理を行うステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物が近づくと使用可能な状態に遷移し、人物が離れると一部の機能を除いて停止した待機状態に遷移する機器がある。例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて、人物が近づいてきたか否か、或いは人物が遠ざかったか否かを検出している。
【0003】
近年、コンピュータビジョンなどの発展により、画像から顔を検出する際の検出精度が高くなってきている。そのため、赤外線センサによる人物の検出に代えて、顔検出による人物の検出も行われている。顔検出による人物の検出では、単に人物を検出するだけでなく顔の向きを検出することも可能であるため、顔の向き(正面を向いているか、横を向いているか等)に応じた制御を行うことも可能である。例えば、顔の向きが正面(機器の方向)を向いていないときには表示部の画面輝度を低減して省電力化することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数人で画面を見ながら議論(ディスカッション)している場合、常に画面の方を見ているだけでなく互いに顔を見ながら話す時間もある。このとき、顔の向きが正面を向いていないと認識され、画面輝度が下がってしまうことがある。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、顔の向きに応じて画面輝度を低減する輝度低減処理をより適切に行う情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、表示部と、撮像部により撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づく処理を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された画像データを処理することにより、前記撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理と、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きに基づいて、前記表示部の画面輝度を低減させる輝度低減処理と、前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が複数の場合、複数の前記顔領域の距離の関係に基づいて、前記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理と、を行う。
【0008】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度低減制御処理において、前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が複数の場合、複数の前記顔領域のうち最も大きい第1顔領域と2番目に大きい第2顔領域との距離の関係に基づいて、前記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御してもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度低減制御処理において、前記第1顔領域と前記第2顔領域との大きさの差が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、前記第1顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が最も近い第1人物とし、前記第2顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が2番目に近い第2人物とし、前記輝度低減制御処理において、前記第1人物と前記第2人物との前記撮像部からの距離の差が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度低減制御処理において、前記撮像画像上での前記第1顔領域と前記第2顔領域との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、前記第1顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が最も近い第1人物とし、前記第2顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が2番目に近い第2人物とし、前記輝度低減制御処理において、前記撮像画像上での前記第1人物と前記第2人物との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度低減制御処理において、前記第1顔領域と前記第2顔領域との大きさの差が所定の閾値未満であって且つ前記撮像画像上での前記第1顔領域と前記第2顔領域との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記顔検出処理において、前記第1顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が最も近い第1人物とし、前記第2顔領域に対応する人物を前記撮像部からの距離が2番目に近い第2人物とし、前記輝度低減制御処理において、前記第1人物と前記第2人物との前記撮像部からの距離の差が所定の閾値未満であって且つ前記撮像画像上での前記第1人物と前記第2人物との間の距離が所定の閾値未満である場合、前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記輝度低減制御処理において、前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が1つの場合、前記輝度低減処理を有効にしてもよい。
【0016】
また、本発明の第2態様に係る、表示部と、撮像部により撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づく処理を行うプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と前記顔の向きとを検出する顔検出処理を行うステップと、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きに基づいて、前記表示部の画面輝度を低減させる輝度低減処理を行うステップと、前記顔検出処理により検出された前記顔領域の数が複数の場合、複数の前記顔領域の距離の関係に基づいて、前記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理を行うステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、顔の向きに応じて画面輝度を低減する輝度低減処理をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の外観の構成例を示す斜視図。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の人物の検出範囲の一例を示す図。
【
図3】実施形態に係る顔の向きに応じた画面輝度の制御を説明する模式図。
【
図4】実施形態に係るユーザが2人のときの顔検出の一例を示す模式図。
【
図5】実施形態に係る情報処理装置からの人物の距離と輝度低減処理の制御の一例を示す模式図。
【
図6】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図7】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図8】実施形態に係る輝度低減処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】実施形態に係る輝度低減制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[概要]
まず、本実施形態に係る情報処理装置の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0020】
情報処理装置1は、例えば、ノート型(クラムシェル型)のPC(Personal Computer)である。情報処理装置1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0021】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0022】
図1に示す情報処理装置1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが情報処理装置1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0023】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120が設けられている。例えば、撮像部120は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側に配置されている。なお、撮像部120が配置される位置は一例であって、表示部110の表示画面に対面する方向を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。
【0024】
撮像部120は、開状態において、表示部110の表示画面に対面する方向(即ち、情報処理装置1の前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、情報処理装置1の前方(正面側)に存在する人物(ユーザ)を含む画像を撮像することができる。
【0025】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオンまたはオフ、待機状態から通常動作状態への遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能なシステムの動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。
【0026】
待機状態とは、システム処理の少なくとも一部が制限されている状態であって、通常動作状態よりも消費電力が低い状態である。例えば、待機状態は、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。また、待機状態には、少なくとも表示部の表示がOFF(画面OFF)となる状態、または画面ロックとなる状態が含まれてもよい。画面ロックとは、処理中の内容が視認できないように予め設定された画像(例えば、画面ロック用の画像)が表示部に表示され、ロックを解除(例えば、ユーザ認証)するまで、使用できない状態である。
【0027】
また、第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示画面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0028】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、及び撮像部120と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0029】
情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、情報処理装置1の前方に存在する人物を検出するHPD(Human Presence Detection)処理を実行する。
【0030】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、情報処理装置1の前方の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。
【0031】
例えば、情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在するか否かを判定する。検出範囲FoVは、情報処理装置1が撮像する撮像画角に相当する。情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出された場合、人物(ユーザ)が存在すると判定する。一方、情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出されなかった場合、人物(ユーザ)が存在しないと判定する。
【0032】
情報処理装置1は、HPD処理により人物(ユーザ)の存在の有無に応じて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在する場合には通常動作状態に制御し、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在しない場合には待機状態に制御する。
【0033】
また、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在する場合には、その人物(ユーザ)の顔の向きを検出する。例えば、情報処理装置1は、人物(ユーザ)の顔の向きが、情報処理装置1の方向(表示部110及び撮像部120の方向)を向いているか否かを判定する。ここでの顔の向きとは、顔の左右方向への回転角度に対応する向きである。以下では、情報処理装置1の方向(表示部110及び撮像部120の方向)を顔が向いている状態を、顔の向きが正面を向いている状態とする。また、顔の向きが正面に対して右方向または左方向を向いている状態を、顔の向きが横向きの状態とする。
【0034】
図3は、本実施形態に係る顔の向きに応じた画面輝度の制御を説明する模式図である。この図に示すように、情報処理装置1は、人物(ユーザ)の顔の向きに応じて表示部110の画面輝度を低減させる輝度低減処理を実行する。具体的には、情報処理装置1は、
図3の(A)に示すように顔の向きが正面を向いているときに対して
図3の(B)に示すように顔の向きが正面を向いていないとき(例えば、横を向いたとき)には、表示部110の画面輝度を低減させることで省電力化を図る。また、情報処理装置1は、再び顔の向きが正面を向いたときには、低減させる前の元の画面輝度に戻す。
【0035】
以下では、低減していない元の画面輝度のことを「標準輝度」と称する。また、顔の向きが正面を向いていないとき(例えば、横を向いたとき)に標準輝度から低減した画面輝度のことを「低輝度」と称する。低輝度は、少なくとも標準輝度よりも低い輝度であるが、より低い輝度にするほど省電力化の効果が上がる。例えば、低輝度は、標準輝度の0~10%程度の輝度としてもよい。0%の輝度は、表示オフに相当する。なお、顔の向きが正面を向いていないときには、顔が上、下、または後ろを向いたとき等も含まれる。
【0036】
ここで、複数人で情報処理装置1の画面を見ながら議論(ディスカッション)している場合には、常に画面の方を見ているだけでなく互いに顔を見ながら話す時間もある。このとき、ユーザが情報処理装置1の方向を一時的に向いていない状態となるが、顔の向きが正面を向いていないことによって画面輝度を低減させてしまうのは好ましくない。そこで、本実施形態に係る情報処理装置1は、顔の向きが正面を向いていない状態であっても、複数のユーザが議論(ディスカッション)している状態と判定できる場合には、画面輝度を低減させないように輝度低減処理を無効(Disable)に制御する。
【0037】
例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方の検出範囲FoVに検出された人数が複数であり且つ情報処理装置1に最も近い人物と2番目に近い人物との距離が近い場合には、少なくともその2人はユーザであると判定して、輝度低減処理を無効にする。まず、情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像から顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前方の検出範囲FoVに検出された人数が複数であるか否かを判定する。
【0038】
複数の人数が検出された場合には、少なくとも最も近い人物と2番目に近い人物との距離が近ければ、少なくともその2人はユーザである可能性が高く、仮に横を向いたとしてもユーザが議論している状態であると推定できる。一方で、3人以上の人物が検出された場合、2番目に近い人物と3番目に近い人物との距離が仮に近くとも、両者と最も近い人物との距離が遠ければ、最も近い人物のみがユーザであると推定できる。
【0039】
そこで、情報処理装置1は、複数の人数が検出された場合には、情報処理装置1に最も近い人物と2番目に近い人物との距離の関係に基づいて、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する。以下では、情報処理装置1に最も近い人物のことを「人物A」、2番目に近い人物のことを「人物B」と称する。例えば、情報処理装置1は、人物Aと人物Bの距離の関係として、撮像部120により顔検出用として撮像された撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離と、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差とを用いる。まず、
図4を参照して、撮像部120により顔検出用として撮像された撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離について説明する。
【0040】
図4は、本実施形態に係るユーザが2人のときの顔検出の一例を示す模式図である。図示する例では、情報処理装置1が撮像部120により撮像された撮像画像から顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前方の検出範囲FoVに互いの方を見て議論している人物Aと人物Bの顔領域(いずれも横顔)が検出されている。バウンディングボックスB1は、人物Aの顔領域を示している。また、バウンディングボックスB2は、人物Bの顔領域を示している。
【0041】
例えば、情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの距離の関係として、この撮像画像上でのバウンディングボックスB1(人物Aの顔領域)の中心とバウンディングボックスB2(人物Bの顔領域)の中心との間の距離DUが所定の閾値未満であるか否かを判定する。この所定の閾値は、人物Aと人物Bとの両方がユーザとであると判定できる距離の閾値として予め設定されている。一例として、所定の閾値は、検出範囲FoVの両端(例えば、水平方向の両端)の距離DFの3分の1として設定されている。なお、この所定の閾値は、撮像部120の仕様(例えば画角)、検出範囲FoVの大きさ等によって適宜任意の値に設定することができる。
【0042】
なお、
図4に示すように人物Aと人物Bとの間の距離DUが水平方向(検出範囲FoVにおける左右方向)の距離または水平方向の距離に近い場合には、検出範囲FoVの水平方向の両端の距離DFを基準として所定の閾値が設定される。一方、人物Aと人物Bとの間の距離DUが垂直方向(検出範囲FoVにおける上下方向)の距離または垂直方向の距離に近い場合には、検出範囲FoVの垂直方向の両端の距離を基準として所定の閾値が設定されてもよい。
【0043】
ここで、撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離DUのみでは、情報処理装置1からの奥行き方向(遠近)における人物Aと人物Bとの距離が不明である。たとえ人物Aと人物Bとの間の距離DUが近いとしても(近く見えたとしても)人物Aに対して人物Bの奥行き方向の距離が大きく異なれば、人物Bは人物Aの近くに存在しないためユーザではない可能性が高い。そこで、情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの距離の関係として、さらに人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差も用いる。次に、
図5を参照して、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差について説明する。
【0044】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置1からの人物の距離と輝度低減処理の制御の一例を示す模式図である。図示する例は、情報処理装置1の前方の検出範囲FoVに検出された人物Aおよび人物Bの位置の例をも指摘に示している。ここでは、情報処理装置1(撮像部120)から人物Aまでの距離を距離LAとし、情報処理装置1(撮像部120)から人物Bまでの距離を距離LBとしている。
【0045】
例えば、情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの距離の関係として、情報処理装置1(撮像部120)から人物Aまでの距離LAと情報処理装置1(撮像部120)から人物Bまでの距離LBとの差が所定の閾値未満であるか否かを判定する。この所定の閾値は、人物Aと人物Bとの両方がユーザとであると判定できる距離の差の閾値として予め設定されている。一例として、所定の閾値は、情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差20%として設定されている。距離の差20%とは、距離LAに対する距離LBの差の絶対値または距離LBに対する距離LAの差の絶対値として示す閾値である。なお、この所定の閾値は、撮像部120の仕様(例えば画角)、検出範囲FoVの大きさ等によって適宜任意の値に設定することができる。
【0046】
ここで、情報処理装置1は、情報処理装置1(撮像部120)から人物までの距離を、例えば撮像画像から検出された顔領域の大きさに基づいて検出する。そのため、人物Aまでの距離LAと人物Bまでの距離LBとの差は、例えば人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差に対応する。即ち、情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの距離の関係として、例えば人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差が所定の閾値未満であるか否かを判定する。つまり、所定の閾値は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差の閾値(例えば、20%)として設定されてもよい。
【0047】
図5の(A)に示す例は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差(即ち、距離LAと距離LBとの差)が所定の閾値(例えば、20%)未満である場合の人物Aおよび人物Bの位置の例を示している。情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの間の距離DUが所定の閾値(例えば、距離DFの3分の1)未満であって且つ人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差(即ち、距離LAと距離LBとの差)が所定の閾値(例えば、20%)未満である場合、輝度低減処理を無効にする。
【0048】
一方、
図5の(B)に示す例は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差(即ち、距離LAと距離LBとの差)が所定の閾値(例えば、20%)以上である場合の人物Aおよび人物Bの位置の例を示している。情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの間の距離DUが所定の閾値(例えば、距離DFの3分の1)未満であっても、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差(即ち、距離LAと距離LBとの差)が所定の閾値(例えば、20%)以上である場合には、輝度低減処理を有効にする。なお、情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの間の距離DUが所定の閾値(例えば、距離DFの3分の1)以上である場合には、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差(即ち、距離LAと距離LBとの差)にかかわらず、輝度低減処理を有効にする。
【0049】
以下、本実施形態に係る情報処理装置1の構成について詳しく説明する。
[情報処理装置のハードウェア構成]
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。この
図6において、
図1の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置1は、表示部110、撮像部120、電源ボタン140、入力デバイス150、通信部160、記憶部170、EC(Embedded Controller)200、顔検出部210、メイン処理部300、及び電源部400を含んで構成される。
【0050】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0051】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲(画角)内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300及び顔検出部210へ出力する。例えば、撮像部120は、可視光を用いて撮像する可視光カメラ(RGBカメラ)と赤外線を用いて撮像する赤外線カメラ(IRカメラ)とを備えている。
【0052】
なお、撮像部120は、可視光カメラと赤外線カメラとのいずれか一方を含んで構成されてもよいし、両方を含んで構成されてもよい。
【0053】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0054】
通信部160は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部160は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0055】
記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部170は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0056】
電源部400は、情報処理装置1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0057】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0058】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0059】
顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを処理するプロセッサを含んで構成されている。顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを取得し、取得した画像データをメモリに一時的に保存する。画像データを保存するメモリは、システムメモリ304であってもよいし、顔検出部210内の不図示のメモリであってもよい。
【0060】
例えば、顔検出部210は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔領域の検出、及び検出された顔領域の顔画像の顔の向きの検出などを行う顔検出処理を行う。顔の検出方法としては、顔の特徴情報を基に顔を検出する顔検出アルゴリズムや、顔の特徴情報を基に機械学習された学習データ(学習済みモデル)や顔検出ライブラリなどを用いた顔検出など、任意の検出方法を適用することができる。
【0061】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0062】
CPU301は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行するプロセッサである。例えば、CPU301は、システムを待機状態から起動させて通常動作状態に遷移させる起動処理、通常動作状態から待機状態へ遷移させるスリープ処理などを実行する。また、CPU301は、上述した顔検出部210による顔検出処理の結果などに基づいて、表示部110の画面輝度を制御する画面輝度制御処理を実行する。
【0063】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0064】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部170などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部160、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、顔検出部210から取得する顔検出処理による検出結果などを取得してCPU301へ出力する。
【0065】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0066】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。
【0067】
[情報処理装置の機能構成]
次に、輝度低減処理に関する情報処理装置1の機能構成について詳しく説明する。
【0068】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理装置1は、顔検出部210と、システム処理部310とを備えている。顔検出部210は、
図6の顔検出部210に対応し、顔検出処理を行う機能構成として、顔領域検出部211と、顔方向検出部212と、検出結果出力部213とを備えている。
【0069】
顔領域検出部211は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔が撮像されている顔領域(顔画像の領域)を検出する。例えば、顔領域検出部211は、検出した顔領域の位置およびサイズ(大きさ)を示す情報を顔領域検出結果として出力する。顔領域の位置およびサイズ(大きさ)は、
図4に示すバウンディングボックスB1、B2の中心の位置(座標)およびサイズ(大きさ)に相当する。
【0070】
顔方向検出部212は、顔領域検出部211により撮像画像から検出された顔領域に撮像されている顔の向きを検出する。例えば、顔方向検出部212は、顔領域内の顔の輪郭や、目、鼻、口などの位置などに基づいて、顔の向きを検出し、顔の向きが正面を向いているか否かを示す情報を顔方向検出結果として出力する。
【0071】
検出結果出力部213は、顔領域検出部211から出力された顔領域検出結果および顔方向検出部212から出力された顔方向検出結果を取得し、取得した顔領域検出結果および顔方向検出結果に基づいて顔検出処理による顔検出結果を出力する。例えば、検出結果出力部213は、顔領域検出部211から出力された顔領域検出結果に基づいて、検出された一または複数の顔領域ごとの顔領域の位置(座標)およびサイズ(大きさ)を示す情報をシステム処理部310へ出力する。
【0072】
また、検出結果出力部213は、情報処理装置1(撮像部120)から最も近い人物の顔の向きに基づいて、「Attention」情報または「No Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。「Attention」情報は、ユーザが情報処理装置1を見ている状態(注目している状態)であることを示す情報である。一方、「No Attention」情報は、ユーザが情報処理装置1を見ていない状態(注目していない状態)であることを示す情報である。
【0073】
例えば、検出結果出力部213は、検出された顔領域が1つの場合、その顔領域の顔の向き(即ち、最も近い人物の顔の向き)が正面を向いている(正面を向いた)場合には「Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。一方、検出結果出力部213は、その顔領域の顔の向き(即ち、最も近い人物の顔の向き)が正面を向いていない場合には「No Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。
【0074】
また、検出結果出力部213は、検出された顔領域が複数の場合、検出された顔領域のうち最も大きい顔領域の顔の向き(即ち、最も近い人物の顔の向き)が正面を向いている(正面を向いた)場合、「Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。一方、検出結果出力部213は、検出された顔領域のうち最も大きい顔領域の顔の向き(即ち、最も近い人物の顔の向き)が正面を向いていない場合、「No Attention」情報をシステム処理部310へ出力する。
【0075】
システム処理部310は、CPU301またはチップセット303がシステムのプログラムまたはHPD処理用のプログラムを実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、輝度低減処理部311と、輝度低減制御部312とを備えている。
【0076】
輝度低減処理部311は、顔検出部210により検出された顔の向きに基づいて、表示部110の画面輝度を低減させる輝度低減処理を実行する。例えば、輝度低減処理部311は、通常動作状態において、顔検出部210から「No Attention」情報を取得した場合、画面輝度を低輝度に制御する。即ち、輝度低減処理部311は、顔検出部210により検出された顔領域のうち最も大きい顔領域の顔の向き(即ち、情報処理装置1(撮像部120)から最も近い人物の顔の向き)が正面を向いている状態から正面を向いていない状態に変化した(例えば、横を向いた)場合に、画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる。
【0077】
また、輝度低減処理部311は、画面輝度を低輝度に制御した状態で、顔検出部210から「Attention」情報を取得した場合、画面輝度を標準輝度に戻す。即ち、輝度低減処理部311は、画面輝度を低減させた後に、顔検出部210により検出された顔領域のうち最も大きい顔領域の顔の向き(即ち、情報処理装置1(撮像部120)から最も近い人物の顔の向き)が正面を向いていると判定した場合、画面輝度を低減させる前の標準輝度に戻す。
【0078】
また、輝度低減処理部311は、時間を計測するタイマを備えており、通常動作状態において顔検出部210から「No Attention」情報を取得してから画面輝度を低輝度に制御するまでの待機時間を計時する。例えば、輝度低減処理部311は、「No Attention」情報を取得しても所定の待機時間が経過するまでに「Attention」情報を取得した場合には、画面輝度を低輝度に制御しないで標準輝度のままとする。一方、輝度低減処理部311は、「No Attention」情報を取得した後、所定の待機時間が経過するまでに「Attention」情報を取得しない場合には、画面輝度を低輝度に制御する。これにより、ユーザが情報処理装置1を使用している最中に、一瞬よそ見をしただけで画面輝度が低輝度になってしまわないようにすることができる。所定の待機時間は、例えば10秒などに予め設定されている。なお、この所定の待機時間は、ユーザが設定可能な構成としてもよい。
【0079】
輝度低減制御部312は、顔検出部210により検出された顔領域の数が複数の場合(即ち、複数の人物が検出された場合)、複数の顔領域の距離の関係に基づいて、輝度低減処理部311による輝度低減処理を有効(Enable)または無効(Disable)に制御する。例えば、輝度低減制御部312は、顔検出部210により検出された複数の顔領域のうち最も大きい顔領域と2番目に大きい顔領域との距離の関係に基づいて、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する。即ち、輝度低減制御部312は、顔検出部210により検出された複数の人物のうち情報処理装置1(撮像部120)から最も近い人物A(
図4、5参照)と情報処理装置1(撮像部120)から2番目に近い人物B(
図4、5参照)との距離の関係に基づいて、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する。
【0080】
一例として、輝度低減制御部312は、撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離と、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差とに基づいて、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する。
【0081】
具体的には、例えば
図4を参照して説明したように、輝度低減制御部312は、撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離DUが所定の閾値(例えば、検出範囲FoVの両端の距離DFの3分の1)未満であることを、輝度低減処理を無効にする第1の条件とする。例えば、輝度低減制御部312は、撮像画像上での人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との間の距離DUが所定の閾値(例えば、検出範囲FoVの両端の距離DFの3分の1)未満であることを、輝度低減処理を無効にする第1の条件とする。
【0082】
また、例えば
図5を参照して説明したように、輝度低減制御部312は、情報処理装置1(撮像部120)から人物Aまでの距離LAと情報処理装置1(撮像部120)から人物Bまでの距離LBとの差が所定の閾値(例えば、20%)未満であることを、輝度低減処理を無効にする第2の条件とする。例えば、輝度低減制御部312は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差が所定の閾値(例えば、20%)未満であることを、輝度低減処理を無効にする第2の条件とする。
【0083】
そして、輝度低減制御部312は、上述した撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離に基づく第1の条件と、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差に基づく第2の条件との両方が満たされた場合、輝度低減処理を無効に制御する。一方、輝度低減制御部312は、上記第1の条件と第2の条件のいずれか一方または両方が満たされない場合、輝度低減処理を有効に制御する。
【0084】
なお、輝度低減制御部312は、顔検出部210により検出された顔領域の数が1つの場合(即ち、検出された人物が1人の場合)、輝度低減処理を有効に制御する。
【0085】
[処理の動作]
次に
図8を参照して、輝度低減処理部311が実行する輝度低減処理の動作について説明する。
図8は、本実施形態に係る輝度低減処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1が通常動作状態で画面輝度が標準輝度に設定されているものとする。
【0086】
(ステップS101)輝度低減処理部311は、顔検出部210から「No Attention」情報を取得したか否かを判定する。輝度低減処理部311は、「No Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、再びステップS101の処理を行う。一方、輝度低減処理部311は、「No Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、タイマを用いて待機時間の計時を開始する(ステップS103)。そして、ステップS105の処理へ進む。
【0087】
(ステップS105)輝度低減処理部311は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。輝度低減処理部311は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、ステップS107の処理へ進む。
【0088】
(ステップS107)輝度低減処理部311は、タイマの値に基づいて待機時間(例えば、10秒)が経過したか否か(即ち、タイマが終了したか否か)を判定する。輝度低減処理部311は、待機時間(例えば、10秒)が経過していない(即ち、タイマが終了していない)と判定した場合(ステップS107:NO)、ステップS105の処理へ戻る。輝度低減処理部311は、待機時間(例えば、10秒)が経過する前に、「Attention」情報を取得したと判定した場合(ステップS105:YES)、ステップS101の処理に戻る。この時、タイマはリセットされる。
【0089】
一方、輝度低減処理部311は、ステップS107で待機時間(例えば、10秒)が経過したと判定した場合(ステップS107:YES)、ステップS109の処理へ進む。
【0090】
(ステップS109)輝度低減処理部311は、画面輝度を標準輝度から低輝度に変更する。そして、ステップS111の処理へ進む。
【0091】
(ステップS111)輝度低減処理部311は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。輝度低減処理部311は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、再びステップS111の処理を行う。一方、輝度低減処理部311は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、画面輝度を標準輝度に戻す(ステップS113)。
【0092】
次に
図9を参照して、輝度低減制御部312が実行する輝度低減制御処理の動作について説明する。
図9は、本実施形態に係る輝度低減制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0093】
(ステップS201)輝度低減制御部312は、顔検出部210から顔検出処理による顔検出結果を取得する。そして、ステップS203の処理へ進む。
【0094】
(ステップS203)輝度低減制御部312は、顔検出部210から取得した顔検出結果に基づいて、検出された人数(顔領域の数)を判定する。輝度低減制御部312は、検出された人数(顔領域の数)が1の場合、ステップS209の処理へ進む。一方、輝度低減制御部312は、検出された人数(顔領域の数)が2位所の場合、ステップS205の処理へ進む。
【0095】
(ステップS205)輝度低減制御部312は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差が所定の閾値(例えば、20%)未満であるか否かを判定する。輝度低減制御部312は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差が所定の閾値以上であると判定した場合(NO)、ステップS209の処理へ進む。一方、輝度低減制御部312は、人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との大きさの差が所定の閾値未満であると判定した場合(YES)、ステップS207の処理へ進む。
【0096】
(ステップS207)輝度低減制御部312は、撮像画像上での人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との間の距離DUが所定の閾値(例えば、検出範囲FoVの両端の距離DFの3分の1)未満であるか否かを判定する。輝度低減制御部312は、撮像画像上での人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との間の距離DUが所定の閾値以上であると判定した場合(NO)、ステップS209の処理へ進む。一方、輝度低減制御部312は、撮像画像上での人物Aの顔領域と人物Bの顔領域との間の距離DUが所定の閾値未満であると判定した場合(YES)、ステップS211の処理へ進む。
【0097】
(ステップS209)輝度低減制御部312は、情報処理装置1の前方にはユーザが1人しかいない(複数の人物が存在していてもユーザは1人)と判定し、輝度低減処理を有効にする。
【0098】
(ステップS211)輝度低減制御部312は、情報処理装置1の前方に複数のユーザが存在している(例えば複数のユーザが情報処理装置1の表示部110を見ながらディスカッションしている状態)と判定し、輝度低減処理を無効にする。
【0099】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、表示部110と、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、上記メモリに記憶された画像データに基づく処理を行うプロセッサ(顔検出部210、CPU301およびチップセット303などのメイン処理部300など)を備えている。情報処理装置1は、上記メモリに記憶された撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と顔の向きとを検出する顔検出処理を実行する。また、情報処理装置1は、顔検出処理により検出された顔の向きに基づいて、表示部110の画面輝度を低減させる輝度低減処理を実行する。また、情報処理装置1は、顔検出処理により検出された顔領域の数が複数の場合、複数の顔領域の距離の関係に基づいて、上記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理を実行する。
【0100】
これにより、情報処理装置1は、複数のユーザによって使用されているか否かによって顔の向きに応じて画面輝度を低減する輝度低減処理を有効または無効にするため、より適切に輝度低減処理を行うことができる。例えば、複数人で画面を見ながら議論(ディスカッション)している場合、常に画面の方を見ているだけでなく互いに顔を見ながら話す時間もあるが、輝度低減処理を無効にすることでユーザが使用している状態であるにもかかわらず画面輝度が下がってしまうことを防止できる。
【0101】
具体的には、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、顔検出処理により検出された顔領域の数が複数の場合、複数の顔領域のうち最も大きい顔領域(第1顔領域)と2番目に大きい顔領域(第2顔領域)との距離の関係に基づいて、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する。
【0102】
これにより、情報処理装置1は、複数の人物が検出された場合に、最も近い人物と2番目に近い人物との距離の関係に基づいて複数のユーザによって使用されているか否かを正しく判断して、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを適切に制御することができる。
【0103】
例えば、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、複数の顔領域のうち最も大きい顔領域(第1顔領域)と2番目に大きい顔領域(第2顔領域)との大きさの差が所定の閾値未満であって且つ撮像画像上での第1顔領域と第2顔領域との間の距離が所定の閾値未満である場合、輝度低減処理を無効にする。
【0104】
これにより、情報処理装置1は、最も近い人物と2番目に近い人物との距離が近い場合に複数のユーザによって使用されていると判断して輝度低減処理を無効にするため、輝度低減処理を適切に行うことができる。
【0105】
また、情報処理装置1は、顔検出処理において、複数の顔領域のうち最も大きい顔領域(第1顔領域)に対応する人物を情報処理装置1(撮像部120)からの距離が最も近い人物A(第1人物)とし、2番目に大きい顔領域(第2顔領域)に対応する人物を情報処理装置1(撮像部120)からの距離が2番目に近い人物B(第2人物)とする。そして、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差が所定の閾値未満であって且つ撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離が所定の閾値未満である場合、輝度低減処理を無効にする。
【0106】
これにより、情報処理装置1は、最も近い人物と2番目に近い人物との距離が近い場合に複数のユーザによって使用されていると判断して輝度低減処理を無効にするため、輝度低減処理を適切に行うことができる。
【0107】
また、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、顔検出処理により検出された顔領域の数が1つの場合、輝度低減処理を有効にする。
【0108】
これにより、情報処理装置1は、一人のユーザによって使用されているときには、そのユーザの顔の向きが正面を向いていないときには画面輝度を低減して省電力化することができる。
【0109】
また、本実施形態に係る情報処理装置1における制御方法は、情報処理装置1が、記メモリに記憶された撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と顔の向きとを検出する顔検出処理を行うステップと、顔検出処理により検出された顔の向きに基づいて、表示部110の画面輝度を低減させる輝度低減処理を行うステップと、顔検出処理により検出された顔領域の数が複数の場合、複数の顔領域の距離の関係に基づいて、上記輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理を行うステップと、を含む。
【0110】
これにより、情報処理装置1は、複数のユーザによって使用されているか否かによって顔の向きに応じて画面輝度を低減する輝度低減処理を有効または無効にするため、より適切に輝度低減処理を行うことができる。例えば、複数人で画面を見ながら議論(ディスカッション)している場合、常に画面の方を見ているだけでなく互いに顔を見ながら話す時間もあるが、輝度低減処理を無効にすることでユーザが使用している状態であるにもかかわらず画面輝度が下がってしまうことを防止できる。
【0111】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0112】
なお、上記実施形態では、撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離に基づく第1の条件(
図4参照)と、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差に基づく第2の条件(
図5参照)との両方が満たされた場合、輝度低減処理を無効に制御する態様を説明したが、これに限られるものではない。例えば、情報処理装置1は、上記第1の条件と第2の条件のいずれか一方が満たされた場合に、輝度低減処理を無効に制御してもよい。
【0113】
例えば、撮像部120の仕様などによって撮像画角が狭い場合には検出範囲FoVの範囲(上下左右の幅)も狭くなる。この場合、検出範囲FoVから複数の顔領域が検出されると、検出された複数の顔領域間の撮像画像上での距離は必然的に近くなる。そのため、情報処理装置1は、人物Aと人物Bとの情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差に基づく第2の条件(
図5参照)のみが満たされることを条件として、輝度低減処理を無効に制御してもよい。
【0114】
具体的には、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、複数の顔領域のうち最も大きい顔領域(第1顔領域)と2番目に大きい顔領域(第2顔領域)との大きさの差が所定の閾値未満である場合、輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0115】
即ち、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、情報処理装置1(撮像部120)からの距離が最も近い人物A(第1人物)と2番目に近い人物B(第2人物)との情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差が所定の閾値未満である場合、輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0116】
これにより、情報処理装置1は、最も近い人物と2番目に近い人物との距離が近い場合に複数のユーザによって使用されていると判断して輝度低減処理を無効にするため、輝度低減処理を適切に行うことができる。
【0117】
また、撮像部120の仕様などによって検出範囲FoVの奥行き方向の距離が短い場合、検出範囲FoVから複数の顔領域が検出されると、検出された複数の顔領域の情報処理装置1(撮像部120)からの距離の差は必然的に小さくなる。そのため、情報処理装置1は、撮像画像上での人物Aと人物Bとの間の距離に基づく条件(
図4参照)のみが満たされることを条件として、輝度低減処理を無効に制御してもよい。
【0118】
具体的には、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、複数の顔領域のうち最も大きい顔領域(第1顔領域)と2番目に大きい顔領域(第2顔領域)との間の撮像画像上での距離が所定の閾値未満である場合、輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0119】
即ち、情報処理装置1は、輝度低減制御処理において、情報処理装置1(撮像部120)からの距離が最も近い人物A(第1人物)と2番目に近い人物B(第2人物)との間の撮像画像上での距離が所定の閾値未満である場合、輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0120】
これにより、情報処理装置1は、最も近い人物と2番目に近い人物との距離が近い場合に複数のユーザによって使用されていると判断して輝度低減処理を無効にするため、輝度低減処理を適切に行うことができる。
【0121】
また、CPU301とチップセット303とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、顔検出部210がCPU301およびチップセット303とは別に備えられている例を示したが、顔検出部210の一部または全部は、チップセット303に備えられてもよいし、CPU301またはチップセット303と一体化されたプロセッサに備えられてもよい。例えば、CPU301とチップセット303と顔検出部210とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。また、顔検出部210の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。また、システム処理部310の一部は、EC200に備えられてもよい。
【0123】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)に相当する。なお、待機状態のうちスタンバイ状態、スリープ状態、ハイバネーション状態、パワーオフ状態などは、通常動作状態よりも電力の消費量が低い状態(電力の消費を抑えた状態)である。
【0124】
なお、上述した情報処理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0125】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0126】
また、上述した実施形態における情報処理装置1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0127】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、ノートブック型のPCに限られるものではなく、例えば、デスクトップ型PCなどであってもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 情報処理装置、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 通信部、170 記憶部、200 EC、210 顔検出部、211 顔領域検出部、212 顔方向検出部、213 検出結果出力部、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 システム処理部、311 輝度低減処理部、312 輝度低減制御部、400 電源部
【要約】
【課題】顔の向きに応じて画面輝度を低減する輝度低減処理をより適切に行うこと。
【解決手段】情報処理装置は、表示部と、撮像部により撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、メモリに記憶された画像データに基づく処理を行うプロセッサと、を備え、プロセッサは、メモリに記憶された画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域と顔の向きとを検出する顔検出処理と、顔検出処理により検出された顔の向きに基づいて、表示部の画面輝度を低減させる輝度低減処理と、顔検出処理により検出された顔領域の数が複数の場合、複数の顔領域の距離の関係に基づいて、輝度低減処理を有効にするか無効にするかを制御する輝度低減制御処理と、を行う。
【選択図】
図5