(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240930BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20240930BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240930BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20240930BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/20 A
A63F13/58
A63F13/428
(21)【出願番号】P 2023186919
(22)【出願日】2023-10-31
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 理志
(72)【発明者】
【氏名】松高 里奈
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】中川 太志
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-149629(JP,A)
【文献】特開2004-337504(JP,A)
【文献】特開2016-220875(JP,A)
【文献】国際公開第2021/100517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクターが対応付けられたゲーム媒体を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置されている1以上の前記ゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段と、
前記載置部に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられたキャラクターが登場するゲームの進行を、前記検出手段により検出された前記ゲーム媒体に対する操作に基づいて制御する制御手段と、
キャラクターに対して特典を付与する付与手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ゲーム媒体に対する所定の操作が検出された場合に、当該ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、当該ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させ、
前記付与手段は、
前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターが対応付けられた前記ゲーム媒体が前記載置部に載置されていることを条件として、前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターの少なくともいずれかに対して第1特典を付与するゲーム装置。
【請求項2】
前記載置部は、第1領域と第2領域を含み、
前記付与手段は、
前記第1領域に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターの少なくともいずれかに対して、前記第1特典とは異なる第2特典を付与し、
前記第2領域に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターに対して前記第2特典を付与しない
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記付与手段は、前記ゲームの1回のプレイに対し、前記第1特典を1回のみ付与する一方で、前記第2特典を複数回付与する請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記付与手段は、前記第1特典を付与する時期と前記第2特典を付与する時期を異ならせる請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームは、対戦ゲームであり、
前記付与手段は、前記第1特典を前記ゲームの対戦開始時に付与する一方で、前記第2特典を前記ゲームの対戦中に付与する
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第1特典は、対戦相手に影響を与えるパラメータを有利な状態にせしめる特典であり、
前記第2特典は、対戦相手に影響を与えないパラメータを有利な状態にせしめる特典である
請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記第2特典は、前記第1特典よりも前記ゲームの進行を有利にせしめる特典である請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記ゲーム媒体が載置されている領域によらず、前記所定の操作が検出された場合に当該ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記ゲーム媒体に対する前記所定の操作が検出されたことを条件として、当該ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更予約を行う請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記変更予約を行った後の前記ゲームの進行に応じて、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記変更予約を行ってから所定時間の経過後に、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記変更予約を行った後、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターが所定の状態であることを条件として、当該第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記所定の状態は、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターが、前記ゲームにおいて操作可能な状態であり、かつ、所定の行動を発動可能な状態である請求項12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記制御手段は、いずれかの前記ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更がなされていない場合に、前記変更予約の解除を受け付ける請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記制御手段は、複数の前記ゲーム媒体について前記所定の操作が検出された場合に、直近の前記所定の操作が検出された前記ゲーム媒体についての前記変更予約を解除する請求項14に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記制御手段は、いずれかの前記ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更を行った後は、前記所定の操作が検出されたとしても当該所定の操作がなされた前記ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更を行わないよう制御する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記所定の操作は、前記載置部上において前記ゲーム媒体を直線的に移動させる操作である請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項18】
前記ゲーム装置は、利用時のプレイヤの位置が定められており、
前記所定の操作は、前記載置部上において前記ゲーム媒体を、前記プレイヤから当該載置部を見て左右方向に移動させる操作である
請求項17に記載のゲーム装置。
【請求項19】
前記所定の操作は、所定の期間において前記移動させる操作が所定回数以上繰り返しなされたことを条件に検出される請求項17に記載のゲーム装置。
【請求項20】
前記ゲームの進行を表示手段に表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記所定の操作の操作方法を前記表示手段にさらに表示させる
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項21】
前記制御手段は、前記ゲームの進行が所定の段階に至ったことを条件として、前記載置部に載置されている1以上の前記ゲーム媒体に対する前記所定の操作を受け付け、
前記表示制御手段は、前記ゲームの進行が前記所定の段階に至ったことを条件として、前記所定の操作の操作方法を前記表示手段に表示させる
請求項20に記載のゲーム装置。
【請求項22】
コンピュータを、請求項1乃至21のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項23】
キャラクターが対応付けられたゲーム媒体とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム媒体を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置されている1以上の前記ゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段と、
前記載置部に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられたキャラクターが登場するゲームの進行を、前記検出手段により検出された前記ゲーム媒体に対する操作に基づいて制御する制御手段と、
キャラクターに対して特典を付与する付与手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ゲーム媒体に対する所定の操作が検出された場合に、当該ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、当該ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させ、
前記付与手段は、
前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターが対応付けられた前記ゲーム媒体が前記載置部に載置されていることを条件として、前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターの少なくともいずれかに対して第1特典を付与するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及びゲームシステムに関し、特にゲーム媒体を操作することで進行する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
物品に対応したキャラクターを登場させた電子ゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置が存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような電子ゲームは、一般に、使用可能な物品の数に上限数が設けられる。あるいは、物品毎にコストが定められる態様では、1回のゲームプレイに使用可能な物品の総コストに上限が設けられる。従って、特許文献1のような電子ゲームは、1回のゲームプレイに登場させることが可能なキャラクターの数が制限されるものであり、プレイヤに対して提供される興趣体験が限定的になる可能性があった。
【0005】
本発明は、興趣体験を向上させたプレイ体験を提供するゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のゲーム装置は、キャラクターが対応付けられたゲーム媒体を載置可能に構成された載置部と、載置部に載置されている1以上のゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段と、載置部に載置されているゲーム媒体に対応付けられたキャラクターが登場するゲームの進行を、検出手段により検出されたゲーム媒体に対する操作に基づいて制御する制御手段と、キャラクターに対して特典を付与する付与手段と、を備え、制御手段は、ゲーム媒体に対する所定の操作が検出された場合に、当該ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、当該ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターに変更してゲームに登場させ、付与手段は、第1キャラクター及び第2キャラクターの少なくともいずれかに対して第1特典を付与する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣体験を向上させたプレイ体験を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100のハードウェア構成を例示したブロック図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観を例示した図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲームで用いられるゲームフィールドを例示した図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るSW操作を説明するための図
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るSW操作の操作方法を示す表示を例示した図
【
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100において実行される対戦ゲーム処理を例示したフローチャート
【
図7】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100において実行されるラウンド処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、キャラクターが対応付けられたキャラクターカードを用いた操作で進行する対戦ゲームを実行可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、キャラクターが対応付けられたゲーム媒体に対する操作で進行するゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。即ち、本発明の実施は対戦ゲームに限られるものではない。
【0011】
《ゲーム装置のハードウェア構成》
図1は、本実施形態に係るゲーム装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0012】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、ゲーム装置100が備える各ハードウェアの動作制御、及びゲームのプレイ体験の提供機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0013】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100を動作させるためのオペレーティングシステムやプレイ体験を提供するゲームに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、プレイ体験を提供するゲームに係る各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0014】
GPU104は、ゲームのプレイ体験の提供中に提示されるゲーム画面やその他の画面・画像の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えばゲーム装置100が具備する提示装置110が含む表示装置に表示されることで、プレイヤに提示される。
【0015】
提示装置110は、ゲーム装置100が備える情報提示機能を備えた装置である。1つの態様では、提示装置110は、GPU104により生成された画面を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置を含む。またゲーム装置100における情報提示の手段は、表示装置や照明装置のような視覚的な情報提示を実現するものに限られるものではなく、聴覚的な情報提示を実現するスピーカ等の音声出力装置、触覚的な情報提示を実現する力覚提示装置等、他の種類の情報提示手段を含むものであってよい。その場合、提示する情報は、例えば記憶装置102から読み出されたデータや、制御部101が随時構成したデータであってよい。
【0016】
操作I/F105は、ゲーム装置100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば決定入力用のボタンや選択入力用のボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また提示装置110がタッチ入力を検出可能な表示装置を含む態様では、操作I/F105は、当該表示装置に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0017】
通信I/F106は、ゲーム装置100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよく、後者の場合、例えば近距離無線通信や近接無線通信も含み得る。
【0018】
支払装置120は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いを受け付ける装置である。代価は、例えば不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理が完了したこと等により支払われたものとして扱うことができる。支払装置120は、代価の支払いがなされたことを検出すると、その旨を示す制御信号を制御部101に出力する。以下の説明では特に断りのない限り、ゲーム装置100は、いずれのプレイヤにも利用されていない状態(スタンバイ状態)において代価の支払いが検出された場合に、その状態を、ゲームのプレイ体験を提供可能な状態に切り替え、プレイヤへのサービス提供を開始するものとする。
【0019】
リーダ130は、ゲーム装置100が備える実物品からの情報取得を行う装置である。リーダ130の情報取得方式は、例えば撮像装置により実物品の外観に付されたコードを読み取る方式を用いることができる。別の態様では、リーダ130の情報取得方式は、例えば実物品に内蔵された所定のチップから情報を読み出す方式や、ゲーム装置100に実物品を装着した際の装着部における所定のスイッチの入力態様や接続端子の導通態様等を監視する方式等、任意の情報取得方式を採用することもできる。リーダ130により取得された情報は、制御部101に伝送され、例えばゲームの進行やサービス提供内容を制御するために用いられる。
【0020】
提供装置140は、予め収容した実物品を提供する機能を具備した装置である。本実施形態のゲーム装置100は、例えばサービス提供の開始時等の所定の条件が満たされた場合に、制御部101による制御を受けて提供装置140が規定数の実物品を提供するよう構成される。1つの態様において、提供装置140は、内蔵するストッカに収容された実物品を、その収容順に提供することができる。また別の態様では、提供装置140は、収容された実物品に対して、所定の加工を施した上で提供することもできる。提供装置140により提供される実物品は、1つの態様では、リーダ130によって取得可能な情報が付された物品とすることもできる。
【0021】
本実施形態では、ゲーム装置100の筐体にこれらのハードウェア構成が内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、提示装置110、支払装置120、リーダ130及び提供装置140の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の筐体外部に設けられ、ゲーム装置100と接続されることにより利用可能に構成されるものであってもよい。
【0022】
〈提示装置の詳細〉
本実施形態の提示装置110は、
図2に示されるように、第1表示部111と第2表示部112とを含んで構成される。
【0023】
第1表示部111は、リーダ130を兼ねて構成された表示装置であり、ゲーム用の実物品(以下、ゲーム媒体として言及する場合がある)を載置可能な載置部としても構成される。第1表示部111は、例えば背面投影方式で表示画面が提示される表示装置であり、載置面(表示面)に載置されたゲーム媒体を背面から間欠的に撮像することにより、当該ゲーム媒体の識別、当該ゲーム媒体の載置位置の検出、及び当該ゲーム媒体に付された情報の取得が行われる。第1表示部111が有する載置面は、ゲーム媒体からの情報取得に利用されるだけでなく、当該載置面上におけるゲーム媒体の移動操作によって、ゲームの操作入力を行うことが可能に構成される。以下、第1表示部111が有する載置面を、単に載置部と言及する場合がある。
【0024】
リーダ130は、載置部に載置されたゲーム媒体に付された情報取得を行うことができる。本実施形態のゲーム装置100で利用可能なゲーム媒体は、カード体で構成され、対戦ゲームに関連するキャラクターが1体対応付けられたキャラクターカードと、プレイヤに関する情報を有するプレイヤカードとが含まれる。
【0025】
リーダ130は、載置部に載置されたキャラクターカードから、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターを一意に特定するための情報(キャラクターID)を取得する。記憶装置102には、ゲーム装置100において実行される対戦ゲームに登場するキャラクターについての種々の情報(キャラクター情報)を管理するキャラクターDBが含まれており、取得されたキャラクターIDに基づいて、キャラクターカードに対応するキャラクター情報をキャラクターDBから取得し、対戦ゲームの処理に用いることができる。即ち、プレイヤは、対戦ゲームのプレイにあたり、キャラクターカードを載置部に載置することで、当該キャラクターカードに対応付けられた1体のキャラクターを、プレイヤが使用するキャラクターとして対戦ゲームに登場させることができる。
【0026】
またリーダ130は、載置部に載置されたプレイヤカードから、当該プレイヤカードに付されたプレイヤを一意に特定する情報(プレイヤID)を取得する。当該プレイヤIDに基づいて、制御部101はプレイヤに関する各種の情報を含んだプレイヤ情報を取得することができる。プレイヤ情報は、例えば不図示のネットワークを介してゲーム装置100が通信接続可能な外部サーバ等において管理され、いずれのゲーム装置100をプレイヤが利用したとしても当該ゲーム装置100においてプレイヤ情報を取得可能に構成される。なお、本実施形態では、載置部にプレイヤカードが載置されたことに応じて、当該プレイヤカードから取得されたプレイヤIDに基づいてプレイヤ情報を取得するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものでなく、プレイヤカードから直接プレイヤ情報を取得可能に構成されるものであってもよい。
【0027】
またプレイヤカードは、プレイヤIDを取得のためのゲーム媒体としてだけでなく、プレイヤによりカスタマイズ可能なプレイヤ固有のキャラクターが対応付けられたキャラクターカードとして利用可能であってもよい。このような態様では、プレイヤ情報には当該プレイヤ固有のキャラクターに関する対戦ゲーム上のパラメータ等の情報が含まれる。
【0028】
このように、本実施形態のゲーム装置100では、載置部である第1表示部111にキャラクターカードを載置することで、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターをプレイする対戦ゲームに登場させることが可能に構成される。またリーダ130は、載置部に載置されているゲーム媒体(キャラクターカード及びプレイヤカード)について、その載置部上の位置も取得する。リーダ130により取得された各ゲーム媒体の位置の情報は、その移動遷移に応じて対戦ゲーム中のプレイヤの操作として検出される。即ち、プレイヤは、対戦ゲームの実行中に載置部上でキャラクターカードを移動させる操作を行うことで、例えば対戦ゲームにおけるキャラクターの位置の変更や役割の変更、特定のコマンドを指定する操作入力を行うことができる。
【0029】
対して、第1表示部111の上方に設けられた第2表示部112は、LCD等の表示装置である。第2表示部112は、ゲーム用実物品を載置不可能な傾斜態様となっており、情報提示にのみ用いられる。
【0030】
《対戦ゲームの概要》
以下、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供される対戦ゲームについて説明する。
【0031】
ゲーム装置100においてプレイ体験が提供される対戦ゲームは、同時期に他のゲーム装置100を利用する他のプレイヤとの間、あるいはNPC(Non-Player Character)との間で、各プレイヤの使用するキャラクター同士を対戦させる対戦ゲームである。各プレイヤの使用するキャラクターは、当該プレイヤが第1表示部111の載置面に載置したゲーム媒体に基づいて登録される。各プレイヤについて登録されたキャラクター群はチームとして管理され、対戦ゲームはプレイヤ側のチームと対戦相手側のチームとの間で行われる。
【0032】
対戦ゲームは、代価の支払いがなされたことを支払装置120が検出したことを契機として開始される。対戦ゲームは、プレイヤに対して対戦相手がマッチングされる「マッチング段階」と、当該対戦ゲームに係るプレイ体験が提供される(対戦ゲームについて設けられた遊戯の体験を可能ならしめる)「実行段階」とを含む。マッチング段階では、プレイヤは、同時期にゲーム装置100を利用する他のプレイヤと対戦するか、NPCと対戦するかを選択することができる。前者は、代価の支払い後に、プレイヤがマッチング要求に係る操作(メニュー選択等)を行ったことに応じて選択され、後者は、マッチング要求を行わなかった、あるいはマッチング要求を行ったが対戦相手となるプレイヤとマッチングしなかった場合に選択される。
【0033】
対戦ゲームは、複数回のラウンドを経て進行するラウンド制となっており、プレイヤはラウンドごとに対戦ゲームに係る操作入力を行う。各ラウンドは、プレイヤ側のチームのキャラクターの当該ラウンドにおける行動を指定する操作を行う作戦フェーズと、作戦フェーズにおいてプレイヤと対戦相手が各々のチームについて指定した行動を解決してチームのステータスを変更する行動フェーズとで構成される。
【0034】
対戦ゲーム中、プレイヤにキャラクターカードの操作を要求する状況において、基本的には
図3に示されるようなキャラクターカードの配置目安となるゲームフィールド300が第1表示部111に表示される。作戦フェーズにおいて、プレイヤはキャラクターカードを、本発明に係る第1領域としてのアタックエリア301に配置することで、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターに対戦相手のチームへの攻撃行動を行わせることを指定できる。またプレイヤはキャラクターカードを、本発明に係る第2領域としてのサポートエリア302に配置することで、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターを対戦相手のチームへの攻撃行動には参加させず、回復行動を行わせることを指定できる。
【0035】
本実施形態の対戦ゲームでは、キャラクターの各々について、攻撃行動を行うためのパラメータである「気力」が管理される。気力は、消費することで、当該キャラクターに攻撃行動を行わせることができる。ここで、キャラクターの1回の攻撃行動による、対戦相手のチームに対して及ぼす影響の程度(例えば攻撃行動によるダメージ量)は、消費する気力の量に応じて変化する。攻撃行動について気力をどの程度消費するかは、対応付けられたキャラクターカードをアタックエリア301中のいずれの位置に配置するかによって指定することができる。
【0036】
図3に示されるようにアタックエリア301は、3つの領域(301a、301b、301c)に分けられている。ここで、
図3のゲームフィールド300は、ゲーム装置100を利用するプレイヤの位置(
図2の側面図において左方向)から見た第1表示部111の表示を示しており、手前からサポートエリア302、領域301c、領域301b、領域301aの順に奥行方向に各領域が並ぶ。アタックエリア301中の領域は、各々攻撃行動を行う際に消費する気力の量が異なって設定されており、プレイヤから遠離した領域ほどその量が多く設定される。即ち、プレイヤは、アタックエリア301中のプレイヤから遠離した領域にキャラクターカードを配置するほど、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターに対戦相手のチームに対して及ぼす影響が大きい攻撃行動をとらせるよう指定することができる。
【0037】
一方で、相対的に強い(能力の高い)キャラクターが毎ラウンドで強力な攻撃行動をとり続けることができてしまうと、当該キャラクターが対応付けられたキャラクターカードを所有しているプレイヤが有利になり、プレイヤ間の公平性が担保されない。故に、気力が少ない状態のキャラクターは、対戦相手のキャラクターの攻撃行動によってダメージを被った場合に行動不能な状態になりやすいよう、対戦ゲームは設計される。各キャラクターの気力は、基本的にはラウンドにおいて当該キャラクターに回復行動をとらせることで回復可能であり、プレイヤはキャラクターの気力を回復させたい/貯めたい場合には、当該キャラクターが対応付けられたキャラクターカードを作戦フェーズにおいてサポートエリア302に配置すればよい。
【0038】
このため、各プレイヤは、自分のチームのキャラクターについて、どの程度の気力消費量で攻撃行動を行わせるのか、あるいはサポートエリア302に配置して気力を回復させるかを、対戦ゲームの進行に応じて適宜判断して、毎ラウンドの戦略を構築する必要がある。
【0039】
〈アビリティ〉
本実施形態の対戦ゲームでは、各キャラクターには固有のアビリティが少なくとも1つ設定される。アビリティごとに、その発動条件や発動した際に生じるゲーム中の効果は異なっており、各プレイヤはキャラクターに設定されているアビリティも加味しながら、チームとして登録すべきキャラクターを考える必要がある。
【0040】
一方で、例えば対戦ゲームのサービス提供が長期化してくると、有利なステータスやアビリティを有するキャラクターが対応付けられたキャラクターカードの情報が共有される等して、各プレイヤが対戦ゲームに使用するキャラクターカードが限定的になる可能性がある。また上述した課題も相まって、対戦ゲームに登場するキャラクターが限定的となり、プレイヤに対して提供される興趣体験が限定的となり得る。換言すれば、このような興趣体験が限定された状況が続くことにより、プレイヤの対戦ゲームに対する関心が薄れ、結果プレイヤのゲーム離れを引き起こす可能性もある。
【0041】
このため本実施形態の対戦ゲームでは、キャラクターカードに対して2体のキャラクターを対応付け、対戦ゲームの実行中に、これらのキャラクターのうちの対戦ゲームに登場するキャラクターを切り替えるスイッチアビリティ(以下、SWアビリティとして言及)を導入する。即ち、プレイヤは、SWアビリティが設定されたキャラクターカード(以下、SWカードとして言及)を使用することで、当該カードに対応付けられた2体のキャラクターのうちの一方(初期キャラクター)をチームに登録した状態で対戦ゲームを開始することができ、その後、対戦ゲームの実行中にSWアビリティが発動したことを契機として当該キャラクターから他方のキャラクター(交代キャラクター)に切り替えることができる。
【0042】
SWアビリティは、対戦ゲーム中に、SWカードに対するキャラクター切り替えに係る所定の操作(以下、SW操作として言及)がなされることで発動するよう制御される。即ち、制御部101は、対戦ゲーム中にSW操作が検出された場合に、その操作対象であったSWカードに対応付けられた初期キャラクターをチームから離脱させ、代わりに交代キャラクターをチームに登録して対戦ゲームに登場させる制御を行う。
【0043】
本実施形態の対戦ゲームでは、SWアビリティは、対戦ゲームの進行が所定の段階に至ったことを条件として発動可能に制御される。ここで、所定の段階は、例えば固定のラウンド数以降と定められるものであってもよいし、実行されている対戦ゲームにおけるプレイヤのチームのステータスに関連して定められる(例えばチームの総体力が開始時の総体力の50%を切る等)ものであってもよい。SWアビリティが発動可能になると、制御部101は、例えばその旨を示す通知を対戦ゲームの画面に含めて提示装置110に表示させ、該当のSWカードについてSW操作を検出させるようリーダ130を制御する。
【0044】
本実施形態ではSW操作は、載置部においてSWカードを、
図4に示されるようにゲーム装置100を正面から(ゲーム装置100の利用時のプレイヤの位置から)見て左右方向に直線的に移動させる操作が繰り返し行われることにより受け付けられる。またSW操作の操作方法をプレイヤに適切に伝達すべく、SWアビリティが発動可能になった旨を示す通知は、例えば
図5に示されるようにSW操作の操作方法を具体的に説明する表示も含む。
図5の例ではSW操作の操作方法に係る表示が静止画像である態様を示しているが、例えば実際に行うべきSWカードの一連の動きを動画像で示してもよい。
【0045】
なお、本実施形態ではSW操作を、載置部において該当のSWカードを左右方向に直線的に移動させる操作として受け付けるものとして説明するが、他の操作を採用してもよいことは言うまでもない。例えば、直線的に移動させる操作としては、載置部において該当のSWカードを奥行方向に繰り返し移動させる操作を採用することもできる。
【0046】
またSW操作は、操作対象のSWカードが配置されているゲームフィールド300中の位置が、アタックエリア301及びサポートエリア302のいずれであっても受け付けられるよう制御される。このとき、対戦ゲームの進行と整合するよう、SW操作の受け付け及びSWアビリティの発動は、該当のSWカードに対応付けられた初期キャラクターが、例えば行動不能状態に至っていない等、対戦ゲームにおいて操作可能な状態であることを条件として実行可能なように制御される。
【0047】
なお、プレイヤが対戦ゲームにおいて使用可能なキャラクター数を増大するとの観点では、1回の対戦ゲームにプレイヤが使用するキャラクターカード群に、SWカードを複数含めることが可能に構成されてもよい。一方で、チームに属するキャラクターの編成が変化することで、対戦相手の組み立てた戦略が好適に作用しなくなり得ることを踏まえ、SWアビリティの発動は1ラウンドに1体のキャラクター(1枚のSWカード)に限定されるものとする。
【0048】
〈特典付与〉
このようなSWカードの利用を促進し、プレイヤに興趣性の高いプレイ体験を提供すべく、本実施形態の対戦ゲームではゲームプレイにSWカードを利用した場合に、対戦ゲームの進行を有利にせしめる特典を付与するよう制御される。特典は、SWカードに対応付けられたキャラクター(初期キャラクター及び交代キャラクター)の少なくともいずれかに対して付与される。特典は、対戦ゲーム中において特定の効果を適用するもので、各々付与の時期が異なる以下の2種類を含む。
【0049】
SWカードに係る1つ目の特典(第1特典)は、対戦ゲームの開始時(最初のラウンド開始時)に付与される。第1特典は、対戦ゲームが実行されている期間、継続的に効果を適用するものであり、1回の対戦ゲームにおいて1度のみ付与されるよう制御される。第1特典に係る効果は、本実施形態ではSWカードに対応付けられた初期キャラクター及び交代キャラクターの両方に適用され、SWアビリティの発動によって交代キャラクターが登場した際には当該効果が適用された状態になる。
【0050】
対して、SWカードに係る2つ目の特典(第2特典)は、対戦ゲームの各ラウンドの行動フェーズの開始時に付与される。即ち、第2特典は、対戦ゲームの毎ラウンドに付与され得、1回の対戦ゲームの全体を通して複数回付与され得る特典である。本実施形態の対戦ゲームでは、第2特典は、その付与タイミングにおいてSWカードが配置されているゲームフィールド300中の領域に応じて、付与されるか否かが制御される。より詳しくは、第2特典は、その付与タイミングにおいてSWカードがアタックエリア301に配置されている場合に、当該SWカードに対応付けられたキャラクターに対して付与される。一方、付与タイミングにおいてSWカードがサポートエリア302に配置されている場合には、当該SWカードに対応付けられたキャラクターに対して第2特典は付与されないよう制御される。
【0051】
ここで、第1特典により適用される効果(開始時効果)と第2特典により適用される効果(毎ラウンド効果)は、次のように異なる。開始時効果は、SWカードに対応付けられた初期キャラクター及び交代キャラクターについて、攻撃力やダメージアップ、防御力アップ、会心率アップ等の、対戦相手のチームに直接的に影響を与えるパラメータを有利な状態にせしめる(対戦相手への作用があるパラメータについて、その作用量を大きくする)。他方、毎ラウンド効果は、SWカードに対応付けられた初期キャラクター及び交代キャラクターのうちの対戦ゲームに登場しているキャラクターについて、気力回復等、対戦相手のチームに直接的には影響を与えないパラメータを有利な状態にせしめる(対戦相手への直接的な作用がないパラメータを有利な値にする)。1つの側面では、気力回復効果の方が、プレイヤの各ラウンドでの行動や戦略の幅の拡大を可能ならしめるものであるため、第1特典よりも第2特典の方が対戦ゲームの進行を有利にせしめる特典である。
【0052】
《対戦ゲーム処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において対戦ゲームに係り実行される対戦ゲーム処理について、
図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0053】
なお、本対戦ゲーム処理は、例えば対戦ゲームに係るマッチングが成立した際に開始されるものとして説明する。また本対戦ゲーム処理の説明において、特に言及しない限り、GPU104は所定の間隔で第1表示部111及び第2表示部112に表示させる画面を生成する処理を実行し、制御部101は当該生成された画面を第1表示部111または第2表示部112に表示させる制御を行うものとする。また本対戦ゲーム処理の実行に先立って、プレイヤは載置部にキャラクターカードを載置し、対戦ゲームに使用するチームのキャラクターの登録が完了しているものとする。
【0054】
S601で、制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカード群にSWカードが含まれるか否かを判断する。制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカード群にSWカードが含まれると判断した場合は処理をS602に移し、含まれないと判断した場合は処理をS603に移す。
【0055】
S602で、制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカードに含まれるSWカードに対応付けられた初期キャラクター及び交代キャラクターに第1特典を付与し、当該第1特典に係る開始時効果を発動させる。
【0056】
S603で、制御部101は、現在のラウンドに係るラウンド処理を実行する。
【0057】
〈ラウンド処理〉
ここで、本ステップで実行されるラウンド処理について、
図7のフローチャートを参照して詳細を説明する。
【0058】
S701で、制御部101は、現在のラウンドの作戦フェーズに係る処理を開始する。
【0059】
S702で、制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカードにSWアビリティの発動条件が満たされたキャラクターが対応付けられたSWカードが含まれるか否かを判断する。制御部101は、SWアビリティの発動条件が満たされたSWカードが含まれると判断した場合は処理をS703に移し、含まれていないと判断した場合は処理をS706に移す。
【0060】
S703で、制御部101は、SWアビリティの発動条件が満たされた旨の通知を提示装置110に提示させる。この際、制御部101はSW操作の操作方法の表示も提示装置110に表示させるよう制御する。
【0061】
S704で、制御部101は、SWアビリティの発動条件が満たされたSWカードに対するSW操作が検出されたか否かを判断する。制御部101は、該当のSWカードに対するSW操作が検出されたと判断した場合は処理をS705に移し、検出されていないと判断した場合は処理をS706に移す。
【0062】
S705で、制御部101は、S704においてSW操作が検出されたSWカードに対応付けられた初期キャラクターをプレイヤのチームから離脱させ、当該初期キャラクターに代えて同SWカードに対応付けられた交代キャラクターをプレイヤのチームに登録する。
【0063】
S706で、制御部101は、作戦フェーズの終了条件が満たされたか否かを判断する。作戦フェーズの終了条件は、例えばS701において作戦フェーズに係る処理が開始してからの経過時間について定められ、経過時間が所定の時間に到達したことをもって満たされるものとすることができる。制御部101は、作戦フェーズの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS707に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS702に戻す。
【0064】
S707で、制御部101は、プレイヤの使用する各キャラクターカードの載置部における載置位置に基づいて、プレイヤのチームの各キャラクターの現在のラウンドの行動を決定する。
【0065】
S708で、制御部101は、現在のラウンドの行動フェーズに係る処理を開始する。
【0066】
S709で、制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカード群にSWカードが含まれるか否かを判断する。制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカード群にSWカードが含まれると判断した場合は処理をS710に移し、含まれないと判断した場合は処理をS712に移す。
【0067】
S710で、制御部101は、プレイヤの使用するSWカードの載置部上の配置位置がアタックエリア301に含まれるか否かを判断する。制御部101は、SWカードの配置位置がアタックエリア301に含まれると判断した場合は処理をS711に移し、含まれないと判断した場合は処理をS712に移す。
【0068】
S711で、制御部101は、プレイヤの使用するSWカードについて、当該SWカードに対応付けられたキャラクターに第2特典を付与し、当該第2特典に係る毎ラウンド効果を発動させる。
【0069】
S712で、制御部101は、現在のラウンドに係る行動結果を提示する処理を実行する。本ステップの処理は、S707において決定したプレイヤのチームの各キャラクターの行動の情報を不図示の外部サーバに送信し、本情報と同じく送信された対戦相手のチームの各キャラクターの行動の情報とに基づいて当該外部サーバが実行する、行動解決に係る処理の処理結果の情報を順次受信し、当該処理結果の情報に基づいて制御部101が情報提示制御を行うことを含む。また本ステップの過程において、プレイヤにより受け付けられた操作入力が外部サーバに送信され、外部サーバにおいて実行される行動解決に係る処理に、当該操作入力が反映されてもよい。制御部101は、現在のラウンドに係る行動結果の提示が完了すると、本ラウンド処理を終了する。
【0070】
ラウンド処理が完了すると、制御部101は対戦ゲーム処理のS604で、対戦ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。対戦ゲームの終了条件は、例えばいずれか一方のチームの総体力が0に至ったことにより満たされるものであってよい。制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS606に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS605に移す。
【0071】
S605で、制御部101は、現在のラウンドを終了し、ラウンド数を次に進めて処理をS603に戻す。
【0072】
一方、S604において対戦ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合、制御部101はS606で、対戦ゲームの結果を提示する等の対戦ゲームの終了処理を実行して本対戦ゲーム処理を完了する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、興趣体験を向上させたプレイ体験を提供することができる。
【0074】
なお、本実施形態では対戦ゲームの開始時にSWカードに対応付けられた初期キャラクター及び交代キャラクターに第1特典が付与されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない第1特典の付与対象は、初期キャラクターと交代キャラクターのいずれかとするものであってもよい。
【0075】
また、本実施形態では対戦ゲームの進行が固定のラウンド数に至った場合に、SWアビリティの発動条件が満たされるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。SWアビリティの発動条件は、対戦ゲームのその他の進行に応じて定められるものであってもよいし、例えばSWカードに対応付けられた初期キャラクターの状態に応じて定められるものであってもよい。
【0076】
[実施形態2]
上述した実施形態では、SWアビリティの発動条件が満たされた後の作戦フェーズにおいて、SW操作がなされたことを条件としてSWアビリティが発動するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、SWアビリティの発動条件は行動フェーズにおいて満たされるものであってもよく、当該満たされたタイミングでプレイヤにSW操作を要求し、発動するものとしてもよい。
【0077】
一方で、このような態様では、SWアビリティの発動条件が満たされたタイミングを逃さずにプレイヤがSW操作を行うことが必要になり、対戦ゲームのプレイ難度が上昇する虞がある。このため本実施形態の対戦ゲームでは、プレイヤによるSW操作によってSWアビリティの発動予約を可能ならしめる。そして、当該発動予約がなされた後の対戦ゲームの進行に応じて、SWアビリティの発動がなされるよう構成される。
【0078】
例えば、制御部101は、所定のラウンドの作戦フェーズにおいてSWアビリティの発動予約が可能である通知を提示装置110に提示させ、SWカードに対するSW操作を受け付ける。即ち、SWカードについて、初期キャラクターから交代キャラクターへの変更(交代)予約を受け付ける。そして制御部101は、SW操作が検出されるとSWアビリティの発動予約の情報を例えばメモリ103等に格納し、その後対戦ゲームの進行について定められたSWアビリティの発動条件が満たされたことに応じて、SWアビリティの発動に係る処理を実行するよう制御すればよい。
【0079】
[変形例1]
上述した実施形態2ではSWアビリティの発動予約後、対戦ゲームの進行に応じてSWアビリティを発動させるよう制御するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。発動予約後のSWアビリティの発動は、例えば発動予約がなされてから所定時間の経過後に実施されるものであってもよい。
【0080】
[変形例2]
ところで、上述したようにSWアビリティの発動予約を行った後に、対戦ゲームの進行がプレイヤの想定しない展開となったような場合、そのまま予約したSWアビリティが発動することで好適なゲーム展開とならない可能性がある。このような状況において、1度発動予約をしたSWアビリティを解除できないことは、プレイヤにとって酷となり得るものである。故に、1度なされた発動予約について、当該発動予約に係るSWアビリティの発動がなされていないことを条件として、発動予約の解除を可能に構成してもよい。
【0081】
一態様において、SWアビリティの発動予約の解除は、当該発動予約がなされたSWカードとは別のSWカードについて、SW操作がなされたことを条件として行われるものとしてもよい。この場合、制御部101は、直近にSW操作が検出されたSWカードについてのSWアビリティの発動予約を解除し、最後にSW操作がなされたSWカードについてSWアビリティの発動予約がなされたものとして制御する。
【0082】
[変形例3]
上述した実施形態及び変形例では、プレイヤの使用するキャラクターカード群にSWカードを複数枚含めることができ、1ラウンド中に1枚のSWカードのみについてSWアビリティを発動可能とする態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームの戦略性をより高めるべく、1回の対戦ゲームについて、SWアビリティの発動回数は1回に制限してもよい。
【0083】
即ち、制御部101は、対戦ゲーム中に1度SWアビリティが発動した後は、他のSWカードについてSW操作がなされたとしてもSWアビリティが発動しないよう制御する。即ち、制御部101は、プレイヤの使用するキャラクターカード群のうちのいずれかのSWカードに対応付けられたキャラクターを、初期キャラクターから交代キャラクターに変更した後は、他のSWカードに対応付けられたキャラクターについて、初期キャラクターから交代キャラクターへの変更を行わないよう制御する。
【0084】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを少なくとも開示する。
【0085】
(1) キャラクターが対応付けられたゲーム媒体を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置されている1以上の前記ゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段と、
前記載置部に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられたキャラクターが登場するゲームの進行を、前記検出手段により検出された前記ゲーム媒体に対する操作に基づいて制御する制御手段と、
キャラクターに対して特典を付与する付与手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ゲーム媒体に対する所定の操作が検出された場合に、当該ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、当該ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させ、
前記付与手段は、前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターの少なくともいずれかに対して第1特典を付与するゲーム装置。
【0086】
(2) 前記載置部は、第1領域と第2領域を含み、
前記付与手段は、
前記第1領域に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターの少なくともいずれかに対して、前記第1特典とは異なる第2特典を付与し、
前記第2領域に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターに対して前記第2特典を付与しない、(1)に記載のゲーム装置。
【0087】
(3) 前記付与手段は、前記ゲームの1回のプレイに対し、前記第1特典を1回のみ付与する一方で、前記第2特典を複数回付与する(2)に記載のゲーム装置。
【0088】
(4) 前記付与手段は、前記第1特典を付与する時期と前記第2特典を付与する時期を異ならせる(2)または(3)に記載のゲーム装置。
【0089】
(5) 前記ゲームは、対戦ゲームであり、
前記付与手段は、前記第1特典を前記ゲームの対戦開始時に付与する一方で、前記第2特典を前記ゲームの対戦中に付与する、(2)乃至(4)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0090】
(6) 前記第1特典は、対戦相手に影響を与えるパラメータを有利な状態にせしめる特典であり、
前記第2特典は、対戦相手に影響を与えないパラメータを有利な状態にせしめる特典である、(5)に記載のゲーム装置。
【0091】
(7) 前記第2特典は、前記第1特典よりも前記ゲームの進行を有利にせしめる特典である(2)乃至(5)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0092】
(8) 前記制御手段は、前記ゲーム媒体が載置されている領域によらず、前記所定の操作が検出された場合に当該ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる(2)乃至(7)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0093】
(9) 前記制御手段は、前記ゲーム媒体に対する前記所定の操作が検出されたことを条件として、当該ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更予約を行う(1)乃至(8)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0094】
(10) 前記制御手段は、前記変更予約を行った後の前記ゲームの進行に応じて、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる(9)に記載のゲーム装置。
【0095】
(11) 前記制御手段は、前記変更予約を行ってから所定時間の経過後に、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる(9)に記載のゲーム装置。
【0096】
(12) 前記制御手段は、前記変更予約を行った後、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターが所定の状態であることを条件として、当該第1キャラクターを前記第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させる(9)乃至(11)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0097】
(13) 前記所定の状態は、該当の前記ゲーム媒体に対応付けられた前記第1キャラクターが、前記ゲームにおいて操作可能な状態であり、かつ、所定の行動を発動可能な状態である(12)に記載のゲーム装置。
【0098】
(14) 前記制御手段は、いずれかの前記ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更がなされていない場合に、前記変更予約の解除を受け付ける(9)乃至(13)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0099】
(15) 前記制御手段は、複数の前記ゲーム媒体について前記所定の操作が検出された場合に、直近の前記所定の操作が検出された前記ゲーム媒体についての前記変更予約を解除する(14)に記載のゲーム装置。
【0100】
(16) 前記制御手段は、いずれかの前記ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更を行った後は、前記所定の操作が検出されたとしても当該所定の操作がなされた前記ゲーム媒体について前記第1キャラクターから前記第2キャラクターへの変更を行わないよう制御する(1)乃至(15)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0101】
(17) 前記所定の操作は、前記載置部上において前記ゲーム媒体を直線的に移動させる操作である(1)乃至(16)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0102】
(18) 前記ゲーム装置は、利用時のプレイヤの位置が定められており、
前記所定の操作は、前記載置部上において前記ゲーム媒体を、前記プレイヤから当該載置部を見て左右方向に移動させる操作である、(17)に記載のゲーム装置。
【0103】
(19) 前記所定の操作は、所定の期間において前記移動させる操作が所定回数以上繰り返しなされたことを条件に検出される(17)または(18)に記載のゲーム装置。
【0104】
(20) 前記ゲームの進行を表示手段に表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記所定の操作の操作方法を前記表示手段にさらに表示させる、(1)乃至(19)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0105】
(21) 前記制御手段は、前記ゲームの進行が所定の段階に至ったことを条件として、前記載置部に載置されている1以上の前記ゲーム媒体に対する前記所定の操作を受け付け、
前記表示制御手段は、前記ゲームの進行が前記所定の段階に至ったことを条件として、前記所定の操作の操作方法を前記表示手段に表示させる、(20)に記載のゲーム装置。
【0106】
(22) コンピュータを、(1)乃至(21)のいずれか1つに記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【0107】
(23) キャラクターが対応付けられたゲーム媒体とゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム媒体を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置されている1以上の前記ゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段と、
前記載置部に載置されている前記ゲーム媒体に対応付けられたキャラクターが登場するゲームの進行を、前記検出手段により検出された前記ゲーム媒体に対する操作に基づいて制御する制御手段と、
キャラクターに対して特典を付与する付与手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ゲーム媒体に対する所定の操作が検出された場合に、当該ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、当該ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターに変更して前記ゲームに登場させ、
前記付与手段は、前記第1キャラクター及び前記第2キャラクターの少なくともいずれかに対して第1特典を付与するゲームシステム。
【0108】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、110:提示装置、105:操作I/F、106:通信I/F、120:支払装置、130:リーダ、140:提供装置
【要約】
【課題】興趣体験を向上させたプレイ体験を提供する。
【解決手段】ゲーム装置は、キャラクターが対応付けられたゲーム媒体を載置可能に構成された載置部と、載置部に載置されている1以上のゲーム媒体に対する操作を検出する検出手段と、載置部に載置されているゲーム媒体に対応付けられたキャラクターが登場するゲームの進行を、検出手段により検出されたゲーム媒体に対する操作に基づいて制御する制御手段と、キャラクターに対して特典を付与する付与手段と、を備え、制御手段は、ゲーム媒体に対する所定の操作が検出された場合に、当該ゲーム媒体に対応付けられた第1キャラクターを、当該ゲーム媒体に対応付けられた第2キャラクターに変更してゲームに登場させ、付与手段は、第1キャラクター及び第2キャラクターの少なくともいずれかに対して第1特典を付与する。
【選択図】
図7