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特許7562810プログラム、ゲーム装置及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム装置及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240930BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240930BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240930BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/53
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023186920
(22)【出願日】2023-10-31
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 理志
(72)【発明者】
【氏名】松高 里奈
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】中川 太志
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-193157(JP,A)
【文献】特開2017-176522(JP,A)
【文献】特開2023-149629(JP,A)
【文献】特許第5335969(JP,B1)
【文献】特開2020-028704(JP,A)
【文献】特開2020-203073(JP,A)
【文献】特開2020-014809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦ゲームを実行するコンピュータに、
プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得処理と、
抽選ゲーム処理と、
前記抽選ゲーム処理の完了を条件として、前記プレイヤに特典を付与する付与処理と、
前記抽選ゲーム処理及び前記付与処理の少なくともいずれかを制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記抽選ゲーム処理は、前記対戦ゲームの実行中に実行され、
前記抽選ゲーム処理は、複数の抽選対象項目のいずれかを当選結果として選択するよう構成され、
前記付与処理は、当選結果の抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素を付与し、
前記プログラムは、前記プレイヤ情報に基づいて、対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされない抽選対象項目が前記複数の抽選対象項目に存在するか否かを判断する判断処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記プレイヤ情報は、前記プレイヤの保有するゲーム要素を示す保有情報を含み、
抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素の各々には、前記プレイヤが保有可能な保有上限数が定められており、
前記判断処理は、前記複数の抽選対象項目の各々について、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の前記プレイヤの保有数が保有上限数である場合に付与条件が満たされないと判断し、
前記制御処理は、前記判断処理において前記付与条件が満たされない抽選対象項目が存在すると判断された場合に、前記プレイヤに付与される特典を調整するプログラム。
【請求項2】
前記複数の抽選対象項目は、各々異なる当選確率が設定された等賞であり、
前記制御処理における調整は、前記プレイヤの保有数が保有上限数であるゲーム要素が対応付けられた等賞の当選確率を0にし、前記付与条件が満たされる他の等賞の当選確率を上昇させることを含む請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プレイヤ情報は、前記対戦ゲームの実行に応じて変化する第1情報であって、前記保有情報を含む第1情報と、前記対戦ゲームの実行に応じて変化しない第2情報とを含み、
前記プログラムは、前記対戦ゲームの実行に応じて前記プレイヤ情報のうちの前記第1情報を更新する更新処理を、前記コンピュータにさらに実行させる
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1情報は、前記保有情報に加え、前記付与処理による前記プレイヤへの特典の付与履歴を示す付与履歴情報、前記プレイヤに対応付けられた前記対戦ゲームに関する評価情報、及び前記プレイヤの前記対戦ゲームの利用履歴に関する情報の少なくともいずれかを含む請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2情報は、前記プレイヤの名称、及び前記プレイヤが該当する分類の少なくともいずれかを含む請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
抽選対象項目に特定として対応付けられたゲーム要素の各々には、特典として付与可能な付与上限数が定められており、
前記判断処理はさらに、前記複数の抽選対象項目の各々について、当該抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素が前記プレイヤに付与された回数が付与上限数である場合に付与条件が満たされないと判断する請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記複数の抽選対象項目の各々には、当選可能な評価範囲、プレイ回数、及び利用期間の少なくともいずれかが定められており、
前記判断処理はさらに、前記複数の抽選対象項目の各々について、前記評価情報が当該抽選対象項目に当選可能な評価範囲に含まれないこと、前記利用履歴が当該抽選対象項目に当選可能なプレイ回数に満たないこと、及び前記利用履歴が当該抽選対象項目に当選可能な利用期間に満たないことの少なくともいずれかに該当する場合に、付与条件が満たされないと判断する請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記複数の抽選対象項目は、序列が設けられた等賞であり、
各等賞に特典として対応付けられるゲーム要素は、当該等賞の序列が高いほど前記対戦ゲームの進行を有利にせしめる度合いが高い
請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記抽選ゲーム処理において、各等賞に対して異なる当選確率が設定されている請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記制御処理による前記調整は、前記抽選ゲーム処理における少なくとも一部の等賞の当選確率を、前記判断処理における判断結果に基づいて変更することを含む請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記制御処理における前記調整は、前記付与条件が満たされない等賞の当選確率を低下させ、前記付与条件が満たされる等賞の当選確率を上昇させることを含む請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記抽選ゲーム処理は、1回の前記対戦ゲームの実行中に複数回実行され、
前記制御処理は、所定の等賞よりも序列が高い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に1回のみ当選するように当選確率を制御する
請求項10に記載のプログラム。
【請求項13】
前記制御処理は、前記所定の等賞よりも序列が低い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に複数回当選可能なように当選確率を制御する請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記制御処理における前記調整は、前記抽選ゲーム処理における少なくとも一部の等賞に特典として対応付けられたゲーム要素を、前記判断処理における判断結果に基づいて他のゲーム要素に変更することを含む請求項8に記載のプログラム。
【請求項15】
前記制御処理における前記調整は、前記付与条件が満たされない等賞に対応付けられた特典である第1ゲーム要素を、前記第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素に変更することを含む請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素と同種のゲーム要素である請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素よりも前記対戦ゲームの進行を有利にせしめるゲーム要素である請求項15に記載のプログラム。
【請求項18】
前記抽選ゲーム処理は、1回の前記対戦ゲームの実行中に複数回実行され、
前記制御処理は、所定の等賞よりも序列が高い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に1回のみ前記第1ゲーム要素を付与させるように制御する
請求項15に記載のプログラム。
【請求項19】
前記制御処理は、前記所定の等賞よりも序列が低い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に前記第1ゲーム要素を複数回付与可能なように制御する請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素が対応付けられた等賞よりも序列が低い等賞に対応付けられたゲーム要素である請求項18に記載のプログラム。
【請求項21】
前記対戦ゲームに関する表示を表示装置に表示させる表示制御処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記表示制御処理は、前記複数の抽選対象項目の各々に対応付けられた特典のゲーム要素を、前記表示装置にさらに表示させる請求項に記載のプログラム。
【請求項22】
前記表示制御処理は、前記付与条件が満たされない抽選対象項目について、当該抽選対象項目に対応付けられた特典のゲーム要素が付与されないことを、前記表示装置にさらに表示させる請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記表示制御処理は、前記抽選ゲーム処理の実行中、前記対戦ゲームに関する演出を前記表示装置に表示させない請求項21に記載のプログラム。
【請求項24】
前記表示装置は、第1画面と第2画面とを含み、
前記表示制御処理は、前記抽選ゲーム処理の演出を前記第1画面に表示させ、前記抽選ゲーム処理の当選結果を前記第2画面に表示させる請求項21に記載のプログラム。
【請求項25】
対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得手段と、
抽選ゲームを実行する実行手段と、
前記抽選ゲームの完了を条件として、前記プレイヤに特典を付与する付与手段と、
前記実行手段及び前記付与手段の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
を備え、
前記実行手段は、前記対戦ゲームの実行中に前記抽選ゲームを実行し、
前記抽選ゲームは、複数の抽選対象項目のいずれかを当選結果として選択するよう構成され、
前記付与手段は、当選結果の抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素を付与し、
前記ゲーム装置は、前記プレイヤ情報に基づいて、対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされない抽選対象項目が前記複数の抽選対象項目に存在するか否かを判断する判断手段を、さらに備え、
前記プレイヤ情報は、前記プレイヤの保有するゲーム要素を示す保有情報を含み、
抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素の各々には、前記プレイヤが保有可能な保有上限数が定められており、
前記判断手段は、前記複数の抽選対象項目の各々について、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の前記プレイヤの保有数が保有上限数である場合に付与条件が満たされないと判断し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記付与条件が満たされない抽選対象項目が存在すると判断された場合に、前記プレイヤに付与される特典を調整するゲーム装置。
【請求項26】
第1画面及び第2画面を有する表示装置と、
前記対戦ゲームに関する表示を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
をさらに備え、
前記第1画面は、前記対戦ゲームに使用するゲーム媒体を載置可能に構成され、
前記取得手段は、前記第1画面に載置されたゲーム媒体に対応付けられた前記プレイヤ情報を取得する
請求項25に記載のゲーム装置。
【請求項27】
対戦ゲームを実行するゲーム装置と、前記対戦ゲームに使用するゲーム媒体とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
第1画面及び第2画面を有する表示装置と、
前記対戦ゲームに関する表示を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得手段と、
抽選ゲームを実行する実行手段と、
前記抽選ゲームの完了を条件として、前記プレイヤに特典を付与する付与手段と、
前記実行手段及び前記付与手段の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
を備え、
前記第1画面は、前記対戦ゲームに使用するゲーム媒体を載置可能に構成され、
前記取得手段は、前記第1画面に載置されたゲーム媒体に対応付けられた前記プレイヤ情報を取得し、
前記実行手段は、前記対戦ゲームの実行中に前記抽選ゲームを実行し、
前記抽選ゲームは、複数の抽選対象項目のいずれかを当選結果として選択するよう構成され、
前記付与手段は、当選結果の抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素を付与し、
前記ゲーム装置は、前記プレイヤ情報に基づいて、対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされない抽選対象項目が前記複数の抽選対象項目に存在するか否かを判断する判断手段を、さらに備え、
前記プレイヤ情報は、前記プレイヤの保有するゲーム要素を示す保有情報を含み、
抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素の各々には、前記プレイヤが保有可能な保有上限数が定められており、
前記判断手段は、前記複数の抽選対象項目の各々について、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の前記プレイヤの保有数が保有上限数である場合に付与条件が満たされないと判断し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記付与条件が満たされない抽選対象項目が存在すると判断された場合に、前記プレイヤに付与される特典を調整するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、ゲーム装置及びゲームシステムに関し、特にゲーム媒体を操作することで進行する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
キャンペーン期間等において、ゲーム装置を利用したプレイヤに対して特典を提供する電子ゲームがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7204966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲーム装置では、期間中の所定回数までの利用時には、予め定められたゲーム要素が順に提供され、それ以降の利用時には既に提供されたゲーム要素のうちから抽選で選択されたゲーム要素が提供される。しかしながら、特許文献1のような提供方式では、例えば利用回数が多いプレイヤが同様のゲーム要素を繰り返し受け取ることになる等、特にゲームへの関心が高いプレイヤに対して、興趣要素の提供が好適に作用しない可能性があった。
【0005】
本発明は、興趣性の高いプレイ体験を提供するプログラム、ゲーム装置及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のプログラムは、対戦ゲームを実行するコンピュータに、プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得処理と、抽選ゲーム処理と、抽選ゲーム処理の完了を条件として、プレイヤに特典を付与する付与処理と、抽選ゲーム処理及び付与処理の少なくともいずれかを制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、抽選ゲーム処理は、対戦ゲームの実行中に実行され、制御処理は、プレイヤに付与される特典をプレイヤ情報に基づいて調整する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高いプレイ体験を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100のハードウェア構成を例示したブロック図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観を例示した図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲーム及び抽選ゲームにおいて参照されるプレイヤ情報のデータ構成例を示した図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る特典付与の調整を説明するための図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る特典付与の調整に係りプレイヤに提示される表示を例示した図
図6】本発明の実施形態1に係るゲーム装置100において実行される付与処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、プレイヤの利用中に抽選ゲームを実行して当該プレイヤに対する特典を付与するゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、プレイヤに対する特典の付与機会を含んだ対戦ゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置のハードウェア構成》
図1は、本実施形態に係るゲーム装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0012】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、ゲーム装置100が備える各ハードウェアの動作制御、及びゲームのプレイ体験の提供機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0013】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100を動作させるためのオペレーティングシステムやプレイ体験を提供するゲームに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、プレイ体験を提供するゲームに係る各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0014】
GPU104は、ゲームのプレイ体験の提供中に提示されるゲーム画面やその他の画面・画像の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えばゲーム装置100が具備する提示装置110が含む表示装置に表示されることで、プレイヤに提示される。
【0015】
提示装置110は、ゲーム装置100が備える情報提示機能を備えた装置である。1つの態様では、提示装置110は、GPU104により生成された画面を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置を含む。またゲーム装置100における情報提示の手段は、表示装置や照明装置のような視覚的な情報提示を実現するものに限られるものではなく、聴覚的な情報提示を実現するスピーカ等の音声出力装置、触覚的な情報提示を実現する力覚提示装置等、他の種類の情報提示手段を含むものであってよい。その場合、提示する情報は、例えば記憶装置102から読み出されたデータや、制御部101が随時構成したデータであってよい。
【0016】
操作I/F105は、ゲーム装置100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば決定入力用のボタンや選択入力用のボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また提示装置110がタッチ入力を検出可能な表示装置を含む態様では、操作I/F105は、当該表示装置に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0017】
通信I/F106は、ゲーム装置100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよく、後者の場合、例えば近距離無線通信や近接無線通信も含み得る。
【0018】
支払装置120は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いを受け付ける装置である。代価は、例えば不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理が完了したこと等により支払われたものとして扱うことができる。支払装置120は、代価の支払いがなされたことを検出すると、その旨を示す制御信号を制御部101に出力する。以下の説明では特に断りのない限り、ゲーム装置100は、いずれのプレイヤにも利用されていない状態(スタンバイ状態)において代価の支払いが検出された場合に、その状態を、ゲームのプレイ体験を提供可能な状態に切り替え、プレイヤへのサービス提供を開始するものとする。
【0019】
リーダ130は、ゲーム装置100が備える実物品からの情報取得を行う装置である。リーダ130の情報取得方式は、例えば撮像装置により実物品の外観に付されたコードを読み取る方式を用いることができる。別の態様では、リーダ130の情報取得方式は、例えば実物品に内蔵された所定のチップから情報を読み出す方式や、ゲーム装置100に実物品を装着した際の装着部における所定のスイッチの入力態様や接続端子の導通態様等を監視する方式等、任意の情報取得方式を採用することもできる。リーダ130により取得された情報は、制御部101に伝送され、例えばゲームの進行やサービス提供内容を制御するために用いられる。
【0020】
提供装置140は、予め収容した実物品を提供する機能を具備した装置である。本実施形態のゲーム装置100は、例えばサービス提供の開始時等の所定の条件が満たされた場合に、制御部101による制御を受けて提供装置140が規定数の実物品を提供するよう構成される。1つの態様において、提供装置140は、内蔵するストッカに収容された実物品を、その収容順に提供することができる。また別の態様では、提供装置140は、収容された実物品に対して、所定の加工を施した上で提供することもできる。提供装置140により提供される実物品は、1つの態様では、リーダ130によって取得可能な情報が付された物品とすることもできる。
【0021】
本実施形態では、ゲーム装置100の筐体にこれらのハードウェア構成が内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、提示装置110、支払装置120、リーダ130及び提供装置140の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の筐体外部に設けられ、ゲーム装置100と接続されることにより利用可能に構成されるものであってもよい。
【0022】
〈提示装置の詳細〉
本実施形態の提示装置110は、図2に示されるように、第1表示部111と第2表示部112とを含んで構成される。
【0023】
第1表示部111は、リーダ130を兼ねて構成された表示装置であり、ゲーム用の実物品(以下、ゲーム媒体として言及する場合がある)を載置可能な載置部としても構成される。第1表示部111は、例えば背面投影方式で表示画面が提示される表示装置であり、載置面(表示面)に載置されたゲーム媒体を背面から間欠的に撮像することにより、当該ゲーム媒体の識別、当該ゲーム媒体の載置位置の検出、及び当該ゲーム媒体に付された情報の取得が行われる。第1表示部111が有する載置面は、ゲーム媒体からの情報取得に利用されるだけでなく、当該載置面上におけるゲーム媒体の移動操作によって、ゲームの操作入力を行うことが可能に構成される。以下、第1表示部111が有する載置面を、単に載置部と言及する場合がある。
【0024】
リーダ130は、載置部に載置されたゲーム媒体に付された情報取得を行うことができる。本実施形態のゲーム装置100で利用可能なゲーム媒体は、カード体で構成され、対戦ゲームに関連するキャラクターが1体対応付けられたキャラクターカードと、プレイヤに関する情報を有するプレイヤカードとが含まれる。
【0025】
リーダ130は、載置部に載置されたキャラクターカードから、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターを一意に特定するための情報(キャラクターID)を取得する。記憶装置102には、ゲーム装置100において実行される対戦ゲームに登場するキャラクターについての種々の情報(キャラクター情報)を管理するキャラクターDBが含まれており、取得されたキャラクターIDに基づいて、キャラクターカードに対応するキャラクター情報をキャラクターDBから取得し、対戦ゲームの処理に用いることができる。即ち、プレイヤは、対戦ゲームのプレイにあたり、キャラクターカードを載置部に載置することで、当該キャラクターカードに対応付けられた1体のキャラクターを、プレイヤが使用するキャラクターとして対戦ゲームに登場させることができる。
【0026】
またリーダ130は、載置部に載置されたプレイヤカードから、当該プレイヤカードに付されたプレイヤを一意に特定する情報(プレイヤID)を取得する。当該プレイヤIDに基づいて、制御部101はプレイヤに関する各種の情報を含んだプレイヤ情報を取得することができる。プレイヤ情報は、例えば不図示のネットワークを介してゲーム装置100が通信接続可能な外部サーバ等において管理され、いずれのゲーム装置100をプレイヤが利用したとしても当該ゲーム装置100においてプレイヤ情報を取得可能に構成される。なお、本実施形態では、載置部にプレイヤカードが載置されたことに応じて、当該プレイヤカードから取得されたプレイヤIDに基づいてプレイヤ情報を取得するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものでなく、プレイヤカードから直接プレイヤ情報を取得可能に構成されるものであってもよい。
【0027】
またプレイヤカードは、プレイヤIDを取得のためのゲーム媒体としてだけでなく、プレイヤによりカスタマイズ可能なプレイヤ固有のキャラクターが対応付けられたキャラクターカードとして利用可能であってもよい。このような態様では、プレイヤ情報には当該プレイヤ固有のキャラクターに関する対戦ゲーム上のパラメータ等の情報が含まれる。
【0028】
このように、本実施形態のゲーム装置100では、載置部である第1表示部111にキャラクターカードを載置することで、当該キャラクターカードに対応付けられたキャラクターをプレイする対戦ゲームに登場させることが可能に構成される。またリーダ130は、載置部に載置されているゲーム媒体(キャラクターカード及びプレイヤカード)について、その載置部上の位置も取得する。リーダ130により取得された各ゲーム媒体の位置の情報は、その移動遷移に応じて対戦ゲーム中のプレイヤの操作として検出される。即ち、プレイヤは、対戦ゲームの実行中に載置部上でキャラクターカードを移動させる操作を行うことで、例えば対戦ゲームにおけるキャラクターの位置の変更や役割の変更、特定のコマンドを指定する操作入力を行うことができる。
【0029】
対して、第1表示部111の上方に設けられた第2表示部112は、LCD等の表示装置である。第2表示部112は、ゲーム用実物品を載置不可能な傾斜態様となっており、情報提示にのみ用いられる。
【0030】
《対戦ゲームの概要》
以下、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供される対戦ゲームについて説明する。
【0031】
ゲーム装置100においてプレイ体験が提供される対戦ゲームは、同時期に他のゲーム装置100を利用する他のプレイヤとの間、あるいはNPC(Non-Player Character)との間で、各プレイヤの使用するキャラクター同士を対戦させる対戦ゲームである。各プレイヤの使用するキャラクターは、当該プレイヤが第1表示部111の載置面に載置したゲーム媒体に基づいて登録される。各プレイヤについて登録されたキャラクター群はチームとして管理され、対戦ゲームはプレイヤ側のチームと対戦相手側のチームとの間で行われる。
【0032】
対戦ゲームは、代価の支払いがなされたことを支払装置120が検出したことを契機として開始される。対戦ゲームは、プレイヤに対して対戦相手がマッチングされる「マッチング段階」と、当該対戦ゲームに係るプレイ体験が提供される(対戦ゲームについて設けられた遊戯の体験を可能ならしめる)「実行段階」とを含む。マッチング段階では、プレイヤは、同時期にゲーム装置100を利用する他のプレイヤと対戦するか、NPCと対戦するかを選択することができる。前者は、代価の支払い後に、プレイヤがマッチング要求に係る操作(メニュー選択等)を行ったことに応じて選択され、後者は、マッチング要求を行わなかった、あるいはマッチング要求を行ったが対戦相手となるプレイヤとマッチングしなかった場合に選択される。
【0033】
プレイヤは、プレイヤカードを使用したゲーム装置100の利用において、当該プレイヤに対応付けられたプレイヤ情報を反映したプレイ体験の提供を受けることができる。プレイヤ情報は、当該プレイヤによる過去のゲーム装置100の利用履歴やプレイヤについて利用が解放されている要素の情報を含み、当該プレイヤ情報を反映することで、対戦ゲームに係る継続的な興趣要素を伴ったゲーム装置100の利用が可能となる。
【0034】
本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供される対戦ゲームは、プレイヤ情報を取得して行われる1回の実行段階のゲームプレイにつき、少なくとも1つのゲーム要素がプレイヤに提供されるよう構成される。即ち、プレイヤが識別されて実行される対戦ゲームでは、その実行中に生じた実行段階のそれぞれについて、プレイヤに対してゲーム要素が提供される。ここで、本実施形態における対戦ゲームに係る処理は、プレイヤの1回のゲーム装置100の利用に係り提供される一連の処理を指すものとし、対戦ゲームに係る処理の実行中において、マッチング段階と実行段階のセットが少なくとも1回生じることになる。対戦ゲーム中にプレイヤに提供されるゲーム要素は、電子データとして構成され、当該プレイヤに係るプレイヤ情報に関連付けられ、次回以降のゲームプレイ時に利用することが可能になる。換言すれば、プレイヤ情報は、プレイヤに対して提供され、当該プレイヤが保有しているゲーム要素の情報も含む。
【0035】
ところで、ゲーム装置100の利用促進の観点では、このような恒常的なゲーム要素の提供に加え、追加的なゲーム要素の提供機会を設けることが好ましい。本実施形態のゲーム装置100は、対戦ゲームの実行中に抽選ゲームを実行可能に構成され、当該抽選ゲームの完了を条件としてプレイヤにゲーム要素を特典の態様で付与するよう構成される。抽選ゲーム処理は、例えばゲーム装置100の利用や実行段階の発生に応じてプレイヤに付与されるゲーム要素の一態様である「福引券」の消費を条件に実行されるよう構成されるものであってよい。福引券は、各プレイヤについて複数枚保有可能に構成され、プレイヤは、例えば対戦ゲーム中の「マッチング段階」にある期間等の所定のタイミングで福引券を消費して抽選ゲーム処理の実行開始に係る操作入力を行うことができる。従って、対戦ゲームの実行中には、複数回の抽選ゲームが実行され得る。
【0036】
本実施形態のゲーム装置100では、抽選ゲームには複数の抽選対象項目が設けられており、抽選ゲーム処理の結果、それらのいずれかが当選結果として選択される。抽選対象項目の各々には、当選時に付与される特典としてゲーム要素が対応付けられており、プレイヤには当選結果として選択された抽選対象項目に対応するゲーム要素が特典として付与される。換言すれば、抽選ゲーム処理は、当選結果の確定を条件として完了し、当選した抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素が特典としてプレイヤに付与され、当該プレイヤの保有状態となる。保有状態となったゲーム要素は、恒常的に付与されるゲーム要素と同様に、その後のプレイヤの対戦ゲームのゲームプレイ時に利用することが可能になる。
【0037】
一方で、抽選ゲーム処理によるゲーム要素の入手機会を設ける場合、プレイヤによっては当該入手機会に係る利益を享受できず、好適なサービス提供が担保されない可能性がある。例えば、当選した抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素を、プレイヤが保有上限数まで保有している場合、当該ゲーム要素が抽選ゲームによる特典として付与されても、プレイヤの保有数を増加させることができず、結果として当該ゲーム要素をプレイヤが入手できない可能性がある。
【0038】
このため、本実施形態のゲーム装置100では、抽選ゲーム処理の実行にあたりプレイヤ情報が参照され、プレイヤに対する好適な特典付与が実現されるよう、その処理内容が制御される。より詳しくは、制御部101は、プレイヤ情報に基づいて各抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされるか否かをチェックし、付与条件が満たされない抽選対象項目が存在するのであれば、抽選ゲーム処理によってプレイヤに付与される特典を調整する制御を行う。
【0039】
〈プレイヤ情報〉
ここで、本実施形態のゲーム装置100において、対戦ゲーム及び抽選ゲームにて参照されるプレイヤ情報のデータ構成を、図3を参照して説明する。
【0040】
図示されるように、プレイヤ情報は、大きく分けて、対戦ゲームの実行によって変動しない、本発明に係る第2情報としての固定パラメータ300と、対戦ゲームの実行によって変動する、本発明に係る第1情報としての変動パラメータ310とを含む。なお、本実施形態では前者のパラメータを、対戦ゲームの実行によって変動しないことから「固定」との文言を用いて説明するが、当該パラメータを変更する術がプレイヤに与えられないことを意図するものではない。
【0041】
固定パラメータ300は、図の例では、プレイヤの名称やニックネーム等を示す名称情報301と、プレイヤの性別や年齢層等のプレイヤの分類(属性)を示す分類情報302とを含んで構成される。これらの情報は、いずれも一度設定された後は、基本的には対戦ゲームの実行によって変更されずに用いられる。
【0042】
変動パラメータ310は、プレイヤ情報を取得した状態で対戦ゲームに係る処理が実行されたことに応じて更新される。例えば、変動パラメータ310は、対戦ゲームに係る処理の実行終了時、即ち、ゲーム装置100の利用の終了時に、今回の利用における実行段階の結果等に基づいてプレイヤ情報を変更し、プレイヤ情報を管理する外部サーバに更新要求と共に当該変更後のプレイヤ情報を送信することで、外部サーバにて管理されるプレイヤ情報を更新することができる。
【0043】
図の例では変動パラメータ310は、プレイヤの保有するゲーム要素を示す保有情報311、抽選ゲームによってプレイヤに付与された特典の履歴を示す付与履歴情報312、プレイヤの対戦ゲームに関する評価を示す評価情報313、及び対戦ゲームの利用履歴に関する利用履歴情報314を含んでいる。
【0044】
ここで、付与履歴情報312は、抽選ゲーム処理において当選した抽選対象項目を識別する情報、及びその当選回数を管理するものであってもよいし、抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素ごとのプレイヤへの付与回数を管理するものであってもよいし、これらの両方を管理するものであってもよい。また評価情報313は、実行された対戦ゲームのプレイ内容やプレイヤの戦績、あるいは対戦ゲームのプレイ回数に応じて蓄積されるポイントの累積数等に基づいてプレイヤを評価したパラメータを含むことができる。一態様において、評価情報313は、対戦ゲームにおけるプレイヤランク、プレイヤのレート、プレイヤの技能レベル、勝利数、勝率等を含むことができる。また利用履歴情報314は、プレイヤが対戦ゲームをプレイした回数、及び利用期間(プレイ時間)の少なくともいずれかを含むことができる。
【0045】
〈付与条件チェック〉
本実施形態のゲーム装置100では、各抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされるか否かのチェックは、プレイヤ情報のうちの変動パラメータ310を参照して行われる。より詳しくは、変動パラメータ310のうちの少なくともいずれかのパラメータが示す値が所定の値範囲に収まるか否かに基づいて、付与条件のチェックが行われる。
【0046】
制御部101は、例えば、抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素について、既にプレイヤの保有数が保有上限数にあるのであれば、付与されたとしてもそれ以上保有することができないため、付与条件が満たされないと判断する。また制御部101は例えば、抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素の当選による付与回数が、抽選ゲームについて定められた付与上限数に至っているのであれば、付与条件が満たされないと判断する。制御部101は、これらのいずれかのみを付与条件の判断基準として用いてもよいし、両方を付与条件の判断基準として用いることもできる。
【0047】
以下に説明する本実施形態の対戦ゲームでは、各抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素について、保有上限数及び付与上限数が定められており、これらに基づいて付与条件のチェックが行われるものとして説明する。即ち、抽選ゲームの完了を条件としてプレイヤに付与されるゲーム要素について、制御部101は、(1)プレイヤがそもそも当該要素を保有上限数まで保有しているか否かを判断し、保有上限数まで保有していない場合に、さらに(2)当該ゲーム要素を特典として付与する抽選対象項目について抽選ゲームで予め定められている付与上限数(当選の上限回数)に至っているか否かを判断することで、当該ゲーム要素の付与条件が満たされるか否かを判断する。
【0048】
付与上限数は、例えばキャンペーン期間等の所定の期間中のゲーム装置100の利用に対して定められるものと、1回のゲーム装置100の利用(1回の対戦ゲームの実行(1回のゲームプレイ))に対して定められるものとを含むことができる。前者の付与上限数は、特にキャンペーンの目玉となるようなゲーム要素(例えば期間限定アイテム等)を付与する抽選対象項目に用いられ、後者の付与上限数は、恒常的に提供され得るゲーム要素を付与する抽選対象項目に用いられる。本実施形態では発明の理解を容易にすべく、複数の抽選対象項目に係る特典の付与上限数は、いずれも1回の対戦ゲームの実行中の付与上限数のみを定めるものとして説明する。
【0049】
〈等賞と当選確率〉
また本実施形態の抽選ゲームでは、複数の抽選対象項目は、図4(a)に示されるように序列が設けられた等賞として定められ、序列が高い等賞(例えば最高位は特等賞)ほどレアリティの高いゲーム要素が特典として付与されるよう構成される。レアリティの高さは、一態様では、当該ゲーム要素を対戦ゲームにおいて使用した場合に、対戦ゲームの進行を有利にせしめる度合いが高いものほど高く設定されるものとする。
【0050】
プレイヤの興趣体験を高める、あるいはプレイヤの関心を長期化させるべく、各等賞には抽選ゲーム処理において異なる当選確率が設定される。一般には、序列の低い等賞ほど当選確率が高く設定されるが、例えばプレイヤに広く使用されることが好ましいゲーム要素を特典として付与する等賞について、当選確率を高く設定する等の設定も可能である。
【0051】
図示されるように、本実施形態の抽選ゲームでは、末等賞よりも序列が高い等賞については1回のゲーム装置100の利用中(1回の対戦ゲームの実行中)に1回のみ当選可能に構成される一方で、末等賞については1回のゲーム装置100の利用中に複数回当選可能に構成される。即ち、1回のゲーム装置100の利用中に複数回の抽選ゲームが行われる場合、末等賞よりも序列が高い等賞が一度当選した後は、当該等賞に対応付けられたゲーム要素がプレイヤに付与されることのないよう、付与上限数が設定されている。
【0052】
〈特典付与の調整〉
このように各等賞の当選確率や対応付けられた特典の(1回の対戦ゲームの実行中の)付与上限数が設定される本実施形態の抽選ゲーム処理では、特典として対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされないと判断した等賞が存在する場合に、プレイヤへの特典付与の調整が、各等賞について定められる当選確率を変更することにより実現される。
【0053】
より詳しくは、制御部101は、1回の対戦ゲームの実行中において、抽選ゲーム処理を実行して末等賞以外の等賞が当選した場合には、その後に実行する抽選ゲーム処理について、当該等賞の当選確率を0%に減少させることで、当該等賞に複数回当選することを回避する。一方で、当該等賞の当選確率を低下させたことで、抽選ゲームにおける全等賞の当選確率の総和が100%にならなくなるため、制御部101は、低下させた当選確率分、特典の付与条件が満たされている他の等賞の当選確率を上昇させる制御を行う。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤ間の公平性を担保すべく、当選確率の総和を100%にするための調整は、末等賞の当選確率を上昇させることにより行うものとする。例えば、1回の対戦ゲームの実行中に、1回目の抽選ゲーム処理を実行して2等賞が当選した場合、2回目の抽選ゲーム処理では図4(b)に示されるように当選確率の変更がなされて特典付与の調整がなされる。
【0054】
このような特典付与の調整が行われることは、プレイヤが誤認することのないよう、例えば第1表示部111または第2表示部112における表示を介してプレイヤに通知されるものとする。一態様では、抽選ゲームについて設けられた等賞と、各等賞に当選した場合に特典として付与されるゲーム要素とを示す一覧表示が第2表示部112に表示され、プレイヤは当該一覧表示を確認した上で福引券の使用有無を決定することができる。このとき、特典の付与条件が満たされない等賞が存在する場合、制御部101は、図5に示されるように当該一覧表示中に、当該等賞に特典として対応付けられたゲーム要素が付与されない旨の通知が含められて提示されるよう制御する。
【0055】
なお、当選により付与されたゲーム要素をプレイヤが確実に確認できるよう、制御部101は抽選ゲーム処理の実行中、少なくとも対戦ゲームに関する演出を表示させないよう提示装置110の動作を制御するものとする。一態様において、対戦ゲームに係るマッチング段階において、あるいは対戦ゲームの実行中における複数回の実行段階の合間において、制御部101は、抽選ゲーム処理を実行し、当該抽選ゲーム処理の期間について提示装置110の表示制御を行う。
【0056】
《付与処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において抽選ゲームに係る特典を付与する付与処理について、図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0057】
なお、本付与処理は、例えば対戦ゲームの実行中において福引券の消費を伴う抽選ゲームの実行に係る操作入力が検出された際に開始されるものとして説明する。また本付与処理の説明において、特に言及しない限り、GPU104は所定の間隔で第1表示部111及び第2表示部112に表示させる画面を生成する処理を実行し、制御部101は当該生成された画面を第1表示部111または第2表示部112に表示させる制御を行うものとする。また本付与処理の実行に先立って、プレイヤに関するプレイヤ情報がメモリ103に格納されているものとする。
【0058】
S601で、制御部101は、プレイヤ情報に基づいて、抽選ゲームについて設けられた複数の等賞に、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされない等賞が存在するか否かを判断する。制御部101は、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされない等賞が存在すると判断した場合は処理をS602に移し、存在しないと判断した場合は処理をS604に移す。
【0059】
S602で、制御部101は、抽選ゲームについて予め定められた複数の等賞の当選確率を変更する。本ステップにおける変更は、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされない等賞の当選確率を低下させ(0に設定し)、代わりに末等賞の当選確率を上昇させるものである。
【0060】
S603で、制御部101は、S602において変更した当選確率に基づいて抽選ゲーム処理を実行する。そして制御部101は、当該抽選ゲーム処理の実行結果として、当選結果である等賞の情報を得る。
【0061】
一方、S601において特典であるゲーム要素の付与条件が満たされない等賞が存在しないと判断した場合、制御部101はS604で、予め定められた当選確率に基づいて抽選ゲーム処理を実行する。そして制御部101は、当該抽選ゲーム処理の実行結果として当選結果である等賞の情報を得る。
【0062】
S605で、制御部101は、当選結果である等賞に対応付けられたゲーム要素を特典としてプレイヤに付与する。プレイヤへの特典の付与は、プレイヤ情報の変動パラメータ310の保有情報311及び付与履歴情報312の情報を更新することにより、情報反映がなされる。また制御部101は、当選結果である等賞の情報、及びプレイヤに付与されたゲーム要素の情報を提示装置110に提示させるよう制御する。特典の付与に係る各種処理が完了すると、制御部101は本付与処理を完了する。
【0063】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、興趣性の高いプレイ体験を提供することができる。
【0064】
なお、本実施形態では付与処理の実行にあたり、プレイヤが保有する福引券の消費が要件付けられるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。付与処理は、他のゲーム要素の消費を要件として実行されるものであってもよいし、ゲーム要素の消費を要件とせずに、例えば実行段階の終了後に実行されるものであってもよいことは言うまでもない。
【0065】
また本実施形態では、プレイヤ情報に含まれる変動パラメータ310が図3に示したような各種情報を含むものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。変動パラメータ310は、図3に示した各種情報の少なくともいずれかを含むよう構成されるものであってもよい。同様に、固定パラメータ300も、図3に示した各種情報の少なくともいずれかを含むよう構成されるものであってよい。
【0066】
[変形例1]
上述した実施形態では、1回の対戦ゲームの実行中に、抽選ゲーム処理において末等賞のみ複数回当選可能に構成されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、抽選ゲーム処理は、所定の等賞より序列が低い等賞が複数回当選可能で、所定の等賞より序列の高い等賞が1回のみ当選するよう構成されるものであってもよい。
【0067】
なお、各等賞の当選回数の制御はこれに限られるものではなく、興趣性を担保するとの観点で、例えば所定の等賞より序列の高い等賞が、所定の等賞より序列の低い等賞よりも当選可能な回数が少なくなるよう構成されるものであってもよい。
【0068】
[変形例2]
上述した実施形態では、1回の対戦ゲームの実行中に行われる抽選ゲーム処理について、末等賞以外の等賞が当選した後は、当該等賞の当選確率を0%に低下させ、末等賞の当選確率をその分上昇させるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。低下分の当選確率を上昇させる等賞は、末等賞に限られるものではなく、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされている他の等賞を含むことができる。好ましくは、当選した等賞よりも序列が低い等賞のうちの特典のゲーム要素の付与条件が満たされている他の等賞を、当選確率を上昇させる対象として決定する。このとき、当選確率を上昇させる等賞として、複数の等賞を含めてもよい。
【0069】
[実施形態2]
上述した実施形態では、1回の対戦ゲームの実行中に実行される抽選ゲーム処理について、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされない等賞が存在する場合に、当該等賞の当選確率を変更することで当該特典の付与がなされないよう調整する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。特定の等賞に対応付けられた特典を付与させないようにする調整は、例えば抽選ゲームにおいて当該等賞が当選結果として選択されたとしても、当該等賞に特典として対応付けられたゲーム要素に代えて、末等賞に特典として対応付けられたゲーム要素を付与するよう構成しても、同様の調整を実現することができる。
【0070】
なお、上述した変形例1及び2と同様に、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされていない等賞が当選結果として選択された場合に、代わりに付与されるゲーム要素は、末等賞に対応付けられたゲーム要素である必要はない。代わりに付与されるゲーム要素は、例えば、特典の付与条件が満たされている、他の等賞に対応付けられたゲーム要素とすることもできる。好ましくは、代わりに付与されるゲーム要素は、当選結果として選択された等賞よりも序列が低い等賞のうちの、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされている他の等賞に対応付けられたゲーム要素から決定される。
【0071】
[変形例3]
上述した実施形態2では、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされない等賞が当選結果として選択された場合に、当該等賞とは異なる等賞に特典として対応付けられたゲーム要素をプレイヤに付与するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。代わりに付与されるゲーム要素は、他の等賞に対応付けられたゲーム要素には基づかない、他のゲーム要素であってもよい。このようなゲーム要素は、付与されたプレイヤがその関連性を把握しやすいよう、当選結果として選択された等賞に対応付けられたゲーム要素と同種のゲーム要素のうちから選択することもできる。
【0072】
一態様において、ある等賞に特典として対応付けられたゲーム要素は、対戦ゲーム中に特定の効果を発動させるゲーム要素であり、これに代わり付与されるゲーム要素は、同一の効果を発動させるゲーム要素であるが、その効果により対戦ゲームの進行を有利にせしめる度合いが高く設定されたゲーム要素とすることができる。例えば、等賞に特典として対応付けられたゲーム要素が、対戦ゲームにおいてプレイヤの使用するキャラクターに所定の効果を発動させるゲームスキルである態様において、代わりに付与されるゲーム要素は、同種のゲームスキルであって、その効果の程度が当初の特典として設定されるものよりも大きく設定されたゲームスキルとすることができる。
【0073】
[変形例4]
上述した実施形態及び変形例では、プレイヤ情報の変動パラメータ310に含まれる保有情報311及び付与履歴情報312に基づいて、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされるか否かを判断するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、別の観点では、特典であるゲーム要素の付与条件が満たされるか否かの判断は、例えば、変動パラメータ310の評価情報313や利用履歴情報314等、プレイヤのゲーム装置100の利用状況に基づいて行うこともできる。
【0074】
当該態様では、例えば、抽選対象項目の各々について当選可能なプレイヤの評価の範囲、プレイ回数、及び利用期間の少なくともいずれかの条件が定められるものとする。例えば、プレイヤの評価情報(例えばゲームランクC)が、抽選対象項目に当選可能な評価範囲(ゲームランクA以上)に含まれないのであれば、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされないと判断される。また例えば、プレイヤのプレイ回数が、抽選対象項目に当選可能なプレイ回数に満たないのであれば、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされないと判断される。また例えば、プレイヤのゲーム装置100の利用期間(例えば1シーズン)が、抽選対象項目に当選可能な利用期間(3シーズン以上)に満たないのであれば、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされないと判断される。制御部101は、これらのいずれかを付与条件の判断基準として用いてもよいし、このうちの複数を付与条件の判断基準として用いることもできる。
【0075】
当該態様によれば、例えばプレイ期間の長いプレイヤを優遇したり、ゲームランクが基準に満たないプレイヤに対して、ゲームバランスを考慮してゲームの進行を極端に有利にせしめる高レアリティのゲーム要素を付与されにくくしたりする等の、プレイヤのプレイ状況に応じた特典の付与制御を行うことができる。
【0076】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のプログラム、ゲーム装置及びゲームシステムを少なくとも開示する。
【0077】
(1) 対戦ゲームを実行するコンピュータに、
プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得処理と、
抽選ゲーム処理と、
前記抽選ゲーム処理の完了を条件として、前記プレイヤに特典を付与する付与処理と、
前記抽選ゲーム処理及び前記付与処理の少なくともいずれかを制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記抽選ゲーム処理は、前記対戦ゲームの実行中に実行され、
前記制御処理は、前記プレイヤに付与される特典を前記プレイヤ情報に基づいて調整するプログラム。
【0078】
(2) 前記抽選ゲーム処理は、複数の抽選対象項目のいずれかを当選結果として選択するよう構成され、
前記付与処理は、当選結果の抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素を付与し、
前記プログラムは、前記プレイヤ情報に基づいて、対応付けられたゲーム要素の付与条件が満たされない抽選対象項目が前記複数の抽選対象項目に存在するか否かを判断する判断処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記制御処理は、前記判断処理において前記付与条件が満たされない抽選対象項目が存在すると判断された場合に、前記プレイヤに付与される特典を調整する、(1)に記載のプログラム。
【0079】
(3) 前記プレイヤ情報は、前記対戦ゲームの実行に応じて変化する第1情報と、前記対戦ゲームの実行に応じて変化しない第2情報とを含み、
前記プログラムは、前記対戦ゲームの実行に応じて前記プレイヤ情報のうちの前記第1情報を更新する更新処理を、前記コンピュータにさらに実行させる、(2)に記載のプログラム。
【0080】
(4) 前記第1情報は、前記プレイヤの保有するゲーム要素、前記付与処理による前記プレイヤへの特典の付与履歴、前記プレイヤに対応付けられた前記対戦ゲームに関する評価情報、及び前記プレイヤの前記対戦ゲームの利用履歴に関する情報の少なくともいずれかを含む(3)に記載のプログラム。
【0081】
(5) 前記第2情報は、前記プレイヤの名称、及び前記プレイヤが該当する分類の少なくともいずれかを含む(4)に記載のプログラム。
【0082】
(6) 前記判断処理は、前記複数の抽選対象項目の各々について、当該抽選対象項目に対応付けられたゲーム要素の前記プレイヤの保有数が保有上限数であること、及び当該抽選対象項目に特典として対応付けられたゲーム要素が前記プレイヤに付与された回数が付与上限数であること、の少なくともいずれかに該当する場合に、付与条件が満たされないと判断する(4)または(5)に記載のプログラム。
【0083】
(7) 前記複数の抽選対象項目の各々には、当選可能な評価範囲、プレイ回数、及び利用期間の少なくともいずれかが定められており、
前記判断処理は、前記複数の抽選対象項目の各々について、前記評価情報が当該抽選対象項目に当選可能な評価範囲に含まれないこと、前記利用履歴が当該抽選対象項目に当選可能なプレイ回数に満たないこと、及び前記利用履歴が当該抽選対象項目に当選可能な利用期間に満たないことの少なくともいずれかに該当する場合に、付与条件が満たされないと判断する(4)乃至(5)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0084】
(8) 前記複数の抽選対象項目は、序列が設けられた等賞であり、
各等賞に特典として対応付けられるゲーム要素は、当該等賞の序列が高いほど前記対戦ゲームの進行を有利にせしめる度合いが高い、(2)乃至(7)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0085】
(9) 前記抽選ゲーム処理において、各等賞に対して異なる当選確率が設定されている(8)に記載のプログラム。
【0086】
(10) 前記制御処理による前記調整は、前記抽選ゲーム処理における少なくとも一部の等賞の当選確率を、前記判断処理における判断結果に基づいて変更することを含む(8)または(9)に記載のプログラム。
【0087】
(11) 前記制御処理における前記調整は、前記付与条件が満たされない等賞の当選確率を低下させ、前記付与条件が満たされる等賞の当選確率を上昇させることを含む(10)に記載のプログラム。
【0088】
(12) 前記抽選ゲーム処理は、1回の前記対戦ゲームの実行中に複数回実行され、
前記制御処理は、所定の等賞よりも序列が高い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に1回のみ当選するように当選確率を制御する、(10)または(11)に記載のプログラム。
【0089】
(13) 前記制御処理は、前記所定の等賞よりも序列が低い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に複数回当選可能なように当選確率を制御する(12)に記載のプログラム。
【0090】
(14) 前記制御処理における前記調整は、前記抽選ゲーム処理における少なくとも一部の等賞に特典として対応付けられたゲーム要素を、前記判断処理における判断結果に基づいて他のゲーム要素に変更することを含む(8)または(9)に記載のプログラム。
【0091】
(15) 前記制御処理における前記調整は、前記付与条件が満たされない等賞に対応付けられた特典である第1ゲーム要素を、前記第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素に変更することを含む(14)に記載のプログラム。
【0092】
(16) 前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素と同種のゲーム要素である(15)に記載のプログラム。
【0093】
(17) 前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素よりも前記対戦ゲームの進行を有利にせしめるゲーム要素である(15)または(16)に記載のプログラム。
【0094】
(18) 前記抽選ゲーム処理は、1回の前記対戦ゲームの実行中に複数回実行され、
前記制御処理は、所定の等賞よりも序列が高い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に1回のみ前記第1ゲーム要素を付与させるように制御する、(15)に記載のプログラム。
【0095】
(19) 前記制御処理は、前記所定の等賞よりも序列が低い等賞について、1回の前記対戦ゲームの実行中に前記第1ゲーム要素を複数回付与可能なように制御する(18)に記載のプログラム。
【0096】
(20) 前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素が対応付けられた等賞よりも序列が低い等賞に対応付けられたゲーム要素である(18)または(19)に記載のプログラム。
【0097】
(21) 前記対戦ゲームに関する表示を表示装置に表示させる表示制御処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記表示制御処理は、前記複数の抽選対象項目の各々に対応付けられた特典のゲーム要素を、前記表示装置にさらに表示させる(2)乃至(20)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0098】
(22) 前記表示制御処理は、前記付与条件が満たされない抽選対象項目について、当該抽選対象項目に対応付けられた特典のゲーム要素が付与されないことを、前記表示装置にさらに表示させる(21)に記載のプログラム。
【0099】
(23) 前記表示制御処理は、前記抽選ゲーム処理の実行中、前記対戦ゲームに関する演出を前記表示装置に表示させない(21)または(22)に記載のプログラム。
【0100】
(24) 前記表示装置は、第1画面と第2画面とを含み、
前記表示制御処理は、前記抽選ゲーム処理の演出を前記第1画面に表示させ、前記抽選ゲーム処理の当選結果を前記第2画面に表示させる(21)乃至(23)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0101】
(25) 対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得手段と、
抽選ゲームを実行する実行手段と、
前記抽選ゲームの完了を条件として、前記プレイヤに特典を付与する付与手段と、
前記実行手段及び前記付与手段の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
を備え、
前記実行手段は、前記対戦ゲームの実行中に前記抽選ゲームを実行し、
前記制御手段は、前記プレイヤに付与される特典を前記プレイヤ情報に基づいて調整するゲーム装置。
【0102】
(26) 第1画面及び第2画面を有する表示装置と、
前記対戦ゲームに関する表示を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
をさらに備え、
前記第1画面は、前記対戦ゲームに使用するゲーム媒体を載置可能に構成され、
前記取得手段は、前記第1画面に載置されたゲーム媒体に対応付けられた前記プレイヤ情報を取得する、(25)に記載のゲーム装置。
【0103】
(27) 対戦ゲームを実行するゲーム装置と、前記対戦ゲームに使用するゲーム媒体とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
第1画面及び第2画面を有する表示装置と、
前記対戦ゲームに関する表示を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得手段と、
抽選ゲームを実行する実行手段と、
前記抽選ゲームの完了を条件として、前記プレイヤに特典を付与する付与手段と、
前記実行手段及び前記付与手段の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
を備え、
前記第1画面は、前記対戦ゲームに使用するゲーム媒体を載置可能に構成され、
前記取得手段は、前記第1画面に載置されたゲーム媒体に対応付けられた前記プレイヤ情報を取得し、
前記実行手段は、前記対戦ゲームの実行中に前記抽選ゲームを実行し、
前記制御手段は、前記プレイヤに付与される特典を前記プレイヤ情報に基づいて調整するゲームシステム。
【0104】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、110:提示装置、105:操作I/F、106:通信I/F、120:支払装置、130:リーダ、140:提供装置
【要約】
【課題】興趣性の高いプレイ体験を提供する。
【解決手段】プログラムは、対戦ゲームを実行するコンピュータに、プレイヤに関するプレイヤ情報を取得する取得処理と、抽選ゲーム処理と、抽選ゲーム処理の完了を条件として、プレイヤに特典を付与する付与処理と、抽選ゲーム処理及び付与処理の少なくともいずれかを制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、抽選ゲーム処理は、対戦ゲームの実行中に実行され、制御処理は、プレイヤに付与される特典をプレイヤ情報に基づいて調整する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6