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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】炭化炉
(51)【国際特許分類】
   C10B 49/02 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
C10B49/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023204473
(22)【出願日】2023-12-04
【審査請求日】2023-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康一
(72)【発明者】
【氏名】下村 智彦
(72)【発明者】
【氏名】冨永 幸洋
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-253772(JP,A)
【文献】特開平03-122191(JP,A)
【文献】特開2018-021173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 1/00ー57/18
F27B 1/00ー21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器を複数備え、
複数の前記容器は、
外容器、及び
内容器
を有し、
各容器は、独立して前記被炭化物を処理するものであり、
前記外容器の内側に前記内容器を収容できるように構成されている
炭化炉。
【請求項2】
各前記容器は、外部から着火用のバーナが挿入される挿入開口を有している
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項3】
床と、
床支持部と、
を備え、
各前記容器は、
底、及び
底の周縁から上方に向かって立設した周壁
を有し、
前記床は、
前記被炭化物が堆積するものであり、
前記床支持部は、
前記床の縁が固定されるものであり、
各前記容器が有する前記底よりも上方において、各前記容器の前記周壁の内周面に設けられている
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項4】
容器支持部と、
緩衝部材と、
を備え、
前記容器支持部は、前記外容器の内側面、又は前記内容器の外側面に設けられ、
前記緩衝部材は、前記容器支持部と前記内容器の外面との間、又は前記容器支持部と前記外容器の内面との間に設けられている
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項5】
各前記容器は、
底、及び
底の周縁から上方に向かって立設した周壁
を有し、
前記周壁は、上下方向に伸縮するように構成されている
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項6】
前記周壁は、
前記底と接続された基礎周壁、及び
前記基礎周壁に対して前記上下方向にスライド可能に設けられたスライド周壁
を有している
請求項5に記載の炭化炉。
【請求項7】
前記周壁は、
前記底と接続された基礎周壁、及び
前記基礎周壁の上端に対して、水平方向に沿った軸線回りに回転可能に設けられた回転周壁
を有している
請求項5に記載の炭化炉。
【請求項8】
補強部材を備え、
各前記容器は、
底、及び
底の周縁から上方に向かって立設した周壁
を有し、
前記補強部材は、前記周壁の外周面及び/又は前記の外面に設けられている
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項9】
複数の煙突を備え、
各前記煙突は、
内部に排気用の排気流路が形成され、
各前記容器に少なくとも1つずつ設けられ、
前記炉空間と前記排気流路とは、互いに連通している
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項10】
少なくとも1つの煙突と、
接続配管と、
を備え、
前記煙突は、
内部に排気用の排気流路が形成され、
前記外容器にのみ設けられ、
前記接続配管は、
内部に排気用の接続流路が形成され、
前記外容器の外部に配置された前記内容器と前記煙突とを接続し、
前記外容器の前記炉空間と前記排気流路とは、互いに連通し、
前記内容器の前記炉空間と前記煙突の前記排気流路とは、前記接続流路を介して互いに連通している
請求項1に記載の炭化炉。
【請求項11】
前記床は、折り畳むことができる
請求項3に記載の炭化炉。
【請求項12】
前記容器は、車載時に車両との接続に使用される接続部を有している
請求項1に記載の炭化炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に積載可能な移動式の炭化炉(及び/又は反応炉)に関する。
【背景技術】
【0002】
木質バイオマス等の被炭化物を原料として炭化物を得る炭化炉であって、トラックに積載可能な炭化炉が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3230754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動式の炭化炉においては、これを積載する車両のスペースが必然的に限られている。そのため、炭化炉のサイズには制約が課せられるので、結果として、製品としてのバイオ炭(及び/又はバイオ燃料)の生産量が制約を受けるという課題があった。
【0005】
1台の炭化炉は、通常、1種類の原料を処理するものであるが、車両が移動した先(生産現場)において複数種類の原料(複数の樹種)を処理しなければならない場合、原料毎に炭化処理に要する時間等の処理条件が異なることから、炭化炉を積載した車両を複数台生産現場に差遣する必要が生じる。そして、これが設備コストや運用コストを押し上げる要因となっていた。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、大量の被炭化物を処理することができる、及び/又は、複数種類の原料を同時に処理することができる炭化炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の炭化炉は、以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る炭化炉は、原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間を内部に形成する容器を複数備え、複数の前記容器は、外容器、及び内容器を有し、前記外容器の内側に前記内容器を収容できるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、大量の被炭化物を処理することができる、及び/又は、複数種類の原料を同時に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る炭化炉が積載された車両の側面図である。
図2】本開示の一実施形態に係る炭化炉の側面図である。
図3図2に示す切断線III-IIIにおける横断面図である。
図4図3に示す炭化炉において床の着脱を示した横断面図である。
図5】1つのパッケージとしてまとめられた複数の容器の横断面図である。
図6】それぞれ独立した複数の容器の横断面図である。
図7】外容器の隅部及び内容器の隅部を部分的に拡大した図である。
図8】外容器の隅部及び内容器の隅部を部分的に拡大した図である(他の例)。
図9】本開示の一実施形態に係る炭化炉の高さが変化する様子を示した横断面図である(実施例1)。
図10】本開示の一実施形態に係る炭化炉の高さが変化する様子を示した横断面図である(実施例2)。
図11】補強部材が取り付けられた容器の斜視図である。
図12】1つのパッケージとしてまとめられた複数の容器の横断面図である(各容器に煙突を設けた場合)。
図13】1つのパッケージとしてまとめられた複数の容器の横断面図である(外容器にのみ煙突を設けた場合)。
図14図13の場合において、それぞれ独立した複数の容器の横断面図である。
図15】折畳み式の床を示した図である。
図16】折畳み式の床を内容器に収容した様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態に係る炭化炉について、図面を参照して説明する。
【0011】
<炭化炉の基本的な構造について>
本開示の一実施形態に係る炭化炉100は、木質バイオマス等の被炭化物Wを原料するバイオ炭を製造する炉やバイオ燃料を製造する炉である。
【0012】
図1に示すように、炭化炉100は、トラック等の車両10に積載可能な移動式の炉である。
【0013】
図2及び図3に示すように、炭化炉100は、容器120と、蓋130と、床140と、煙突150と、を備えている。
【0014】
容器120は、内部に炉空間S0が形成されるとともに上面が開口した直方体形状の金属製の部材である。
なお、容器120の形状は、直方体形状に限定されない。
容器120には、車両10との接続・固定に使用される接続部(図示せず)が設けられている。
【0015】
容器120は、底121及び周壁122を有している。
底121は、水平面内(図2及び図3の場合、前後方向及び幅方向)に拡がる略四角形状の板状部分である。
周壁122は、底121の全周縁から上方に向かって立設した壁である。
容器120は、これらの底121及び周壁122が一体となって構成されている。
【0016】
周壁122は、少なくとも1つの吸気開口122aが形成されている。
吸気開口122aは、上部空間S1と容器120の外部とを連通する開口(貫通穴)であり、吸気開口122aを介して容器120の外部から上部空間S1へ燃焼用空気(容器120の外部にある空気)を取り込むことができる。
図2の場合、吸気開口122aは、前後方向に延びた矩形状の開口とされ、周壁122の幅方向に向かい合った2つの壁の上部に形成されている。
【0017】
周壁122は、少なくとも1つの挿入開口122bが形成されている。
挿入開口122bは、下部空間S2と容器120の外部とを連通する開口(貫通穴)であり、挿入開口122bを介して容器120の外部から下部空間S2へ着火用のバーナ183を挿入することができる。
図2の場合、挿入開口122bは、円形状の開口とされ、周壁122の幅方向に向かい合った2つの壁の下部に形成されている。
【0018】
炭化炉100の運転時には、容器120の上面の開口に蓋130が取り付けられる。
蓋130は、水平面内に拡がる略四角形状の板状部材である。
容器120の上部に取り付けられた蓋130が容器120の上面の開口を閉塞することで、容器120に形成された炉空間S0が閉空間となる。
【0019】
容器120の内部には、床140が取り付けられている。
床140は、例えば容器120の底121から数十cmの高さ位置に設けられた、水平面内に拡がる略四角形状の板状部材である。
床140は、炉空間S0を上下方向に仕切っている。
床140で仕切られた炉空間S0のうち上方にある空間を上部空間S1、下方にある空間を下部空間S2とする。
上部空間S1は、被炭化物Wを貯留するための空間である。
下部空間S2は、燃焼排ガスを含む気体が流通する空間(流路)である。
【0020】
床140には、連通部141が形成されている。
連通部141は、上部空間S1と下部空間S2とを連通する部分である。
連通部141としては、床140に形成された多数の穴(貫通穴)が例示される。
連通部141を設ける目的は、上部空間S1に貯留された被炭化物Wや炭化物を下部空間S2に落下させることなく、燃焼排ガスを含む気体を上部空間S1から下部空間S2に導くことである。そのため、当該目的が達成できるのであれば、連通部141の具体的な形状や数は特に限定されない。
【0021】
容器120の側面(幅方向の側面)の前部及び後部には、それぞれ煙突150が設けられている。
煙突150は、容器120の側面に沿って上下方向に延在しており、例えば最上部の開口(後述する排気流路P1の出口)が蓋130よりも高い位置にある。
なお、煙突150を設ける位置や煙突150の数は、任意に変更できる。
【0022】
煙突150の内部には、排気流路P1が形成されている。
排気流路P1は、下部が炉空間S0の下部空間S2と繋がり上部が容器120の外部と繋がっている。つまり、排気流路P1は、炉空間S0の下部空間S2と容器120の外部とを連通する流路であり、上部空間S1から下部空間S2に導かれた燃焼排ガスを容器120の外部に排出するための流路でもある。
【0023】
図4に示すように、以上のように構成された炭化炉100において、床140は、容器120に対して着脱可能に構成されている。
以下、床140の着脱を可能にする構造の実施例について説明する。
【0024】
容器120の周壁122には、床支持部145が取り付けられている。
床支持部145は、容器120の内部に向かって突出した部分を有する部材である。
床支持部145は、底121よりも上方において、周壁122の幅方向に向かい合った2つの壁の内周面に取り付けられている。
なお、床支持部145は、周壁122の前後方向に向かい合った2つの壁の内周面に取り付けられてもよいし、全ての壁の内周面に取り付けられてもよい。
【0025】
床140は、床140の縁部分が床支持部145の突出部分に掛かることで床支持部145に対して支持され、容器120に対して取り付けられる。また、床140を持ち上げることで、床140は容器120から取り外される。
これによって、炭化炉100を使用しない際には、容器120から床140を簡便に取り外し、それぞれの部分を分離して置くことができる。また、炭化炉100を使用する際には、容器120に床140を簡便に取り付けることができる。
【0026】
床140の着脱は、例えば、図示しないクレーン等によって床140を吊下げることで行われる。
【0027】
<複数の容器について>
図5に示すように、炭化炉100は、複数の容器120を備えている。
複数の容器120のサイズは1種類ではなく、大小様々なサイズの容器120が用意されている。図5の場合、複数の容器120には、大きい方から順に、容器120A、容器120B、容器120C及び容器120Dが含まれている。
容器120の大小関係に関して、2つの容器120を比較したときに、大きな容器120を「外容器」と言い、小さな容器120を「内容器」と言うこととする。
具体的には、容器120Aと容器120Bとの関係においては、容器120Aは外容器であり、容器120Bは内容器である。また、容器120Bと容器120Cとの関係においては、容器120Bは外容器であり、容器120Cは内容器である。また、容器120Cと容器120Dとの関係においては、容器120Cは外容器であり、容器120Dは内容器である。なお、複数の容器120のうち、最も大きな容器120(ここでは容器120A)は内容器になり得ず、最も小さな容器120(ここでは容器120D)は外容器になり得ない。
【0028】
以上のように容器120A、容器120B、容器120C及び容器120Dを構成することで、外容器の内側(炉空間S0)に内容器を収容することができる。
具体的には、容器120Aの内側に容器120Bを収容し、容器120Aに収容された容器120Bの内側に容器120Cを収容し、容器120Bに収容された容器120Cの内側に容器120Dを収容することができる。
これによって、車載時には、複数の容器120を1つのパッケージとしてまとめることができる。そのため、複数の容器120を効率的に車両10で輸送することができる。
【0029】
また、炭化炉100としての運転時には、図6に示すように、外容器から内容器を取り出して複数の容器120を独立させることで、1つの容器120を使用した場合と比較して一度に大量の被炭化物Wを処理することができ、また、複数種類の原料を同時に処理することもできる。
【0030】
なお、炭化炉100としての運転時には、各容器120に別個の蓋130及び床140を取り付ける、場合によっては更に煙突150を取り付ける。煙突150の取付けのバリエーションについては後述する。
【0031】
なお、図5の容器120A(外容器)に例示したように、床支持部145は、容器120B(内容器)と干渉しないようなサイズに設計されている。
【0032】
<内容器の支持について>
図7に示すように、外容器としての容器120Aと内容器としての容器120Bとの間には、容器支持部161及び緩衝部材162が設けられている。
【0033】
容器支持部161は、容器120Aと同等以上の剛性を持つ金属製の部材であり、容器120Aの内側の隅部に設けられている。
具体的には、容器支持部161は、容器120Aの隅部の内側面(詳細には、底121の上面及び周壁122の内周面)に固定されている。固定は、例えば、溶接や締結によって行われる。
【0034】
緩衝部材162は、容器120よりも十分に低い剛性を持つ部材であり、クッション性のある素材(例えばウレタン)から形成されることが好ましい。
緩衝部材162は、容器120Aに固定された容器支持部161と容器120Bとの間に設けられている。容器120Bを容器120Aに収容したときに、容器120Bが容器120Aに固定された容器支持部161と直接的に接触しないようにするためである。
緩衝部材162は、容器120Bに固定されてもよいし、容器支持部161と容器120Bとの間に介装されているだけでもよい。
【0035】
これによって、内容器としての容器120Bの重量を容器支持部161で支持しつつ、容器支持部161と容器120Bとの直接的な接触による容器支持部161及び/又は容器120Bの損傷を緩衝部材162で防ぐことができる。
また、容器120Bの荷重を受ける容器120Aの箇所を容器支持部161に集約しておくことで、強度を確保すべき容器120Aの箇所を予め把握しやすくなる。
【0036】
なお、容器支持部161を固定する位置は、容器120A(外容器)の内側の隅部に限定されず、内容器のサイズに応じて適宜変更できる。
【0037】
また、図8に示すように、容器支持部161は、容器120B(内容器)の外側の隅部に固定されていてもよい。
この場合、緩衝部材162は、容器120Bに固定された容器支持部161と容器120Aとの間に設けられる。
なお、容器支持部161を固定する位置は、容器120B(内容器)の外側の隅部に限定されず、外容器のサイズに応じて適宜変更できる。
【0038】
<容器の上下方向の伸縮について>
容器120は、上下方向に伸縮するように構成されている。また、容器120の伸縮に対応するように、煙突150も、上下方向に伸縮するように構成されている。
これによって、容器120を車両10に積載して移動させる際には、容器120の高さ寸法を規制(例えば道路交通法)に違反しない範囲に設定でき、容器120を炭化炉100として運転する際には、より多くの被炭化物Wを貯留することができるようになる。
【0039】
以下、容器120を上下方向に伸縮させる構造の実施例1及び実施例2について説明する。
【0040】
<<伸縮に関する実施例1>>
図9に示すように、容器120は、基礎周壁としての周壁122に加えて、スライド周壁123を有している。
スライド周壁123は、例えば周壁122の内周面に嵌まるように構成された、上下方向に延びた壁である。
スライド周壁123は、周壁122に対して上下方向にスライド可能に構成されている。
スライド周壁123が下方に位置しているとき、容器120の高さが低い状態となり、上部空間S1の容積が小さくなる。一方、スライド周壁123が上方に位置しているとき、容器120の高さが高い状態となり、上部空間S1の容積が大きくなる。
【0041】
スライド周壁123は、少なくとも1つの吸気開口123aを有している。
図9の場合、吸気開口123aは、前後方向に延びた矩形状の開口とされ、スライド周壁123の幅方向に向かい合った2つの壁の上部に形成されている。
スライド周壁123が下方に位置しているとき、スライド周壁123の吸気開口123aの位置は、周壁122の吸気開口122aの位置と一致している。つまり、スライド周壁123が下方に位置していても、上部空間S1は、吸気開口123a及び吸気開口122aを介して容器120の外部と連通した状態となり得る。
一方、スライド周壁123が上方に位置しているときは、上部空間S1に貯留された被炭化物Wが周壁122の吸気開口122aからこぼれ落ちないように、吸気開口122aには蓋をしておく。図9の場合、スライド周壁123の下部を蓋として使用しているが、別部品で蓋を準備してもよい。
【0042】
また、スライド周壁123のスライドに合わせて、煙突150の高さを変更してもよい。
【0043】
<<伸縮に関する実施例2>>
図10に示すように、容器120は、基礎周壁としての周壁122に加えて、回転周壁124を有している。
回転周壁124は、上下方向に延びた壁であり、一端が周壁122の上端とヒンジで接続されている。ヒンジの回転軸(図10において黒点で図示)は、水平方向(例えば容器120の前後方向)に沿っている。
回転周壁124が下がっているとき、容器120の高さが低い状態となり、上部空間S1の容積が小さくなる。一方、回転周壁124が上がっているとき、容器120の高さが高い状態となり、上部空間S1の容積が大きくなる。
ここで、「回転周壁124が下がっている」とはヒンジが設けられていない方の回転周壁124の端部が下方を向いている状態であり(図10の左図)、「回転周壁124が上がっている」とはヒンジが設けられていない方の回転周壁124の端部が上方を向いている状態である(図10の右図)。
【0044】
回転周壁124は、少なくとも1つの吸気開口124aを有している。
図10の場合、吸気開口124aは、前後方向に延びた矩形状の開口とされ、回転周壁124の幅方向に向かい合った2つの壁の上部に形成されている。
回転周壁124が下がっているとき、回転周壁124の吸気開口124aの位置は、周壁122の吸気開口122aの位置と一致している。つまり、回転周壁124が下がっていても、上部空間S1は、吸気開口123a及び吸気開口122aを介して容器120の外部と連通した状態となり得る。
一方、回転周壁124が上がっているときは、上部空間S1に貯留された被炭化物Wが周壁122の吸気開口122aからこぼれ落ちないように、吸気開口122aには蓋をしておく。
【0045】
また、回転周壁124の位置に合わせて、煙突150の高さを変更してもよい。
【0046】
<補強部材について>
図11に示すように、容器120の周壁122の外周面には、補強部材163が取り付けられてもよい。
補強部材163は、例えば複数の鋼材(I形鋼、H形鋼、山形鋼等)とされている。
補強部材163は、周壁122の各面において、上下方向に延在した複数の鋼材と、それらの鋼材と略直交する方向に延在した複数の鋼材を含んでいる。
【0047】
これによって、周壁122の強度を向上させることができ、自身の重量、及び内側に収容された容器120の重量又は貯留された被炭化物Wの重量を支えるための強度を確保することができる。
【0048】
補強部材163は、容器120の周壁122の外周面に加えて、底121の外面に取り付けられてもよい。
【0049】
ただし、周壁122の外周面にのみ補強部材163を取り付けることで、底121の外面をフラットな面としておくことができる(底121の外面に補強部材163を取り付けると、底121がフラットな面ではなくなる)。
これによって、容器120を車両10に積載しやすくなる。
【0050】
<煙突について>
<<煙突に関する実施例1>>
図12に示すように、煙突150は、各容器120(容器120A、容器120B及び容器120C)に少なくとも1本ずつ設けられている。
【0051】
これによって、各容器120を含んだそれぞれの炭化炉100を完全に独立させた状態で運転することができる。
【0052】
<<煙突に関する実施例2>>
<<煙突に関する実施例1>>の場合、煙突150を含んだ内容器を外容器に収容しなければならないので、内容器のサイズが自ずと小さくなる。また、1つのパッケージとしてまとめることができる容器120の数が少なくなる。
【0053】
そこで、図13に示すように、少なくとも1本の煙突150を最も大きな外容器(本実施例の場合は容器120A)にのみ設けることとした。
そして、図14に示すように、運転時には、容器120Aに取り付けられた少なくとも1本の煙突150に他の各容器120(容器120B、容器120C及び容器120D)を接続することとした。具体的には、容器120B、容器120C及び容器120Dのそれぞれと煙突150とを接続配管170で接続することとした。接続配管170の内部には、排気用の接続流路が形成されている。その接続流路は、容器120B、容器120C及び容器120Dのそれぞれの炉空間S0(詳細には下部空間S2)と煙突150の排気流路P1とを連通している。
【0054】
これによって、容器120Aに設けられた煙突150を容器120B、容器120C及び容器120Dと共有することができる。言い換えれば、容器120B、容器120C及び容器120Dに煙突150を設ける必要がなくなる。
そのため、容器120B、容器120C及び容器120Dのサイズを大きくすることができる。また、1つのパッケージとしてまとめることができる容器120の数を増やすことができる。
【0055】
なお、十分な流路面積を確保するという観点から、全ての容器120からの燃焼排ガスが導かれる煙突150(以下、「共有の煙突150」という。)のサイズは、実施例1のように容器120Aを単体で使用する場合の煙突150(以下、「個別の煙突150」という。)のサイズよりも大きくなる。
そのため、車両10の積載スペースが同一であるという前提では、共有の煙突150を有した容器120Aのサイズは、個別の煙突150を有した容器120Aよりも小さくなることがある。
しかしながら、容器120Aに収容される各容器120のサイズや容器120の数を考慮すれば、結果として、全ての容器120に貯留される被炭化物Wの合計量は、実施例1よりも実施例2の方が多くなる。
したがって、被炭化物Wの量、接続配管170を設けるための手間、各容器120を生産現場でどのように配置するか等の事情を考慮して、実施例1又は実施例2を選択してもよい。
【0056】
<床の折畳みについて>
図15に示すように、床140は、幅方向の中央付近に設けられたヒンジによって、折り畳むことができる。ヒンジの回転軸(図15において黒点で図示)は、水平方向(例えば容器120の前後方向)に沿っている。
【0057】
これによって、図16に示すように、複数の容器120(容器120A及び容器120B)を1つのパッケージとしてまとめた場合において、最も内側に収容された内容器(図16では容器120B)に全ての容器120(容器120A及び容器120B)のための床140を折り畳んで収容することができる。
【0058】
なお、床140は、図15に示すような2つ折りであってもよいし、3つ折り以上であってもよい。
【0059】
<本実施形態の効果>
被炭化物Wの燃焼及び炭化が行われる炉空間S0を内部に形成する容器120を複数備え、複数の容器120は、外容器、及び内容器を有し、炭化炉100は、外容器の内側に内容器を収容できるように構成されているので、車載時には、内容器を外容器に収容することで複数の容器120を1つのパッケージとしてまとめることができる。これによって、複数の容器120を効率的に車両10で輸送することができる。
また、炭化炉100としての運転時には、外容器から内容器を取り出して複数の容器120を独立させることで、1つの容器120を使用した場合と比較して一度に大量の被炭化物Wを処理することができ、また、複数種類の原料を同時に処理することもできる。
【0060】
床140は、被炭化物Wが堆積するものであり、床支持部145は、床140の縁が固定されるものであり、各容器120が有する底121よりも上方において、各容器120の周壁122の内周面に設けられているので、容器120から床140を簡便に取り外すことができる。また、外容器から内容器を取り出して複数の容器120を独立させた場合において、各容器120に堆積床としての床140を簡便に取り付けることができる。
【0061】
容器支持部161と、緩衝部材162と、を備え、容器支持部161は、外容器の内側面に設けられ、緩衝部材162は、容器支持部161と内容器の外面との間に設けられているので、内容器の重量を容器支持部161で支持しつつ、容器支持部161と内容器との直接的な接触による容器支持部161及び/又は内容器の損傷を緩衝部材162で防ぐことができる。
また、内容器の荷重を受ける外容器の箇所を容器支持部161に集約しておくことで、強度を確保すべき外容器の箇所を予め把握しやすくなる。
【0062】
また、周壁122は、上下方向に伸縮するように構成されているので、各容器120の容積を変更することができる。
例えば、車載時には容器120の背を低くしておくことで、輸送しやすい形態としておき、炭化炉100としての運転時には容器の背を高くすることで容積を大きくしておきより多くの被炭化物Wを収容する。
【0063】
また、補強部材163は、周壁122の外周面及び/又は底121の外面に設けられているので、周壁122及び/又は底121の強度を向上させることができ、自身の重量、及び内側に収容された容器120の重量又は貯留された被炭化物Wの重量を支えるための強度を確保することができる。
【0064】
また、各煙突150が各容器120に少なくとも1つずつ設けられている場合、各容器120を含んだそれぞれの炭化炉100を完全に独立させた状態で運転することができる。
【0065】
また、煙突150が外容器(容器120A)にのみ設けられ、接続配管170が外容器の外部に配置された内容器(120B、120C及び120D)と煙突150とを接続している場合、外容器に設けられた煙突150を内容器と共有することができる。言い換えれば、内容器には煙突150を設ける必要がない。これによって、外容器に収容される内容器のサイズを大きくすることができる。また、1つのパッケージとしてまとめることができる容器120の数を増やすことができる。
【0066】
また、床140は、折り畳むことができるので、内容器を外容器に収容することで複数の容器120を1つのパッケージとしてまとめる場合において、最も内側に収容された内容器に全ての容器120のための床140を折り畳んで収容することができる。
【0067】
以上の通り説明した本実施形態に係る炭化炉は、例えば、以下のように把握される。
本開示の第1態様に係る炭化炉(100)は、原料としての被炭化物(W)の燃焼及び炭化が行われる炉空間(S0)を内部に形成する容器(120)を複数備え、複数の前記容器(120)は、外容器、及び内容器を有し、前記外容器の内側に前記内容器を収容できるように構成されている。
【0068】
本態様に係る炭化炉(100)は、被炭化物(W)の燃焼及び炭化が行われる炉空間(S0)を内部に形成する容器(120)を複数備え、複数の容器(120)は、外容器、及び内容器を有し、炭化炉(100)は、外容器の内側に内容器を収容できるように構成されているので、車載時には、内容器を外容器に収容することで複数の容器(120)を1つのパッケージとしてまとめることができる。これによって、複数の容器(120)を効率的に車両で輸送することができる。
また、炭化炉(100)としての運転時には、外容器から内容器を取り出して複数の容器(120)を独立させることで、1つの容器(120)を使用した場合と比較して一度に大量の被炭化物(W)を処理することができ、また、複数種類の原料を同時に処理することもできる。
【0069】
本開示の第2態様に係る炭化炉(100)は、第1態様において、各前記容器(120)は、外部から着火用のバーナ(183)が挿入される挿入開口(122b)を有している。
【0070】
本態様に係る炭化炉(100)は、各容器(120)は、外部から着火用のバーナ(183)が挿入される挿入開口(122b)を有しているので、各容器(120)に貯留された被炭化物(W)に着火することができる。
【0071】
本開示の第3態様に係る炭化炉(100)は、第1態様又は第2態様において、床(140)と、床支持部(145)と、を備え、各前記容器(120)は、底(121)、及び底(121)の周縁から上方に向かって立設した周壁(122)を有し、前記床(140)は、前記被炭化物(W)が堆積するものであり、前記床支持部(145)は、前記床(140)の縁が固定されるものであり、各前記容器(120)が有する前記底(121)よりも上方において、各前記容器(120)の前記周壁(122)の内周面に設けられている。
【0072】
本態様に係る炭化炉(100)は、床(140)と、床支持部(145)と、を備え、各容器(120)は、底(121)、及び底(121)の周縁から上方に向かって立設した周壁(122)を有し、床(140)は、被炭化物(W)が堆積するものであり、床支持部(145)は、床(140)の縁が固定されるものであり、各容器(120)が有する底(121)よりも上方において、各容器(120)の周壁(122)の内周面に設けられているので、容器(120)から床(140)を簡便に取り外すことができる。また、外容器から内容器を取り出して複数の容器(120)を独立させた場合において、各容器(120)に堆積床(140)としての床(140)を簡便に取り付けることができる。
【0073】
本開示の第4態様に係る炭化炉(100)は、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、容器支持部(161)と、緩衝部材(162)と、を備え、前記容器支持部(161)は、前記外容器の内側面、又は前記内容器の外側面に設けられ、に設けられ、前記緩衝部材(162)は、前記容器支持部(161)と前記内容器の外面との間、又は前記容器支持部(161)と前記外容器の内面との間に設けられている。
【0074】
本態様に係る炭化炉(100)は、容器支持部(161)と、緩衝部材(162)と、を備え、容器支持部(161)は、外容器の内側面に設けられ、緩衝部材(162)は、容器支持部(161)と内容器の外面との間に設けられているので、内容器の重量を容器支持部(161)で支持しつつ、容器支持部(161)と内容器との直接的な接触による容器支持部(161)材及び/又は内容器の損傷を緩衝部材(162)で防ぐことができる。
また、内容器の荷重を受ける外容器の箇所を容器支持部(161)に集約しておくことで、強度を確保すべき外容器の箇所を予め把握しやすくなる。
【0075】
本開示の第5態様に係る炭化炉(100)は、第1態様から第4態様のいずれかにおいて、各前記容器(120)は、底(121)、及び底(121)の周縁から上方に向かって立設した周壁(122)を有し、前記周壁(122)は、上下方向に伸縮するように構成されている。
【0076】
本態様に係る炭化炉(100)は、各容器(120)は、底(121)、及び底(121)の周縁から上方に向かって立設した周壁(122)を有し、周壁(122)は、上下方向に伸縮するように構成されているので、各容器(120)の容積を変更することができる。例えば、車載時には容器(120)の背を低くしておくことで、輸送しやすい形態としておき、炭化炉(100)としての運転時には容器(120)の背を高くすることで容積を大きくしておきより多くの被炭化物(W)を収容する。
【0077】
本開示の第6態様に係る炭化炉(100)は、第5態様において、前記周壁(122)は、前記底(121)と接続された基礎周壁(122)、及び前記基礎周壁(122)に対して前記上下方向にスライド可能に設けられたスライド周壁(123)を有している。
【0078】
本態様に係る炭化炉(100)は、周壁(122)は、底(121)と接続された基礎周壁(122)、及び基礎周壁(122)に対して上下方向にスライド可能に設けられたスライド周壁(123)を有しているので、スライド周壁(123)のスライドによって周壁(122)が上下方向に伸縮するように構成することができる。
【0079】
本開示の第7態様に係る炭化炉(100)は、第5態様において、前記周壁(122)は、前記底(121)と接続された基礎周壁(122)、及び前記基礎周壁(122)の上端に対して、水平方向に沿った軸線回りに回転可能に設けられた回転周壁(124)を有している。
【0080】
本態様に係る炭化炉(100)は、周壁(122)は、底(121)と接続された基礎周壁(122)、及び基礎周壁(122)の上端に対して、水平方向に沿った軸線回りに回転可能に設けられた回転周壁(124)を有しているので、回転周壁(124)の回転によって周壁(122)が上下方向に伸縮するように構成することができる。
【0081】
本開示の第8態様に係る炭化炉(100)は、第1態様から第7態様のいずれかにおいて、補強部材(163)を備え、各前記容器(120)は、底(121)、及び底(121)の周縁から上方に向かって立設した周壁(122)を有し、前記補強部材(163)は、前記周壁(122)の外周面及び/又は前記床(140)の外面に設けられている。
【0082】
本態様に係る炭化炉(100)は、補強部材(163)を備え、各容器(120)は、底(121)、及び底(121)の周縁から上方に向かって立設した周壁(122)を有し、補強部材(163)は、周壁(122)の外周面及び/又は床(140)の外面に設けられているので、周壁(122)及び/又は床(140)の強度を向上させることができ、自身の重量、及び内側に収容された容器(120)の重量又は貯留された被炭化物(W)の重量を支えるための強度を確保することができる。
【0083】
本開示の第9態様に係る炭化炉(100)(100)は、第1態様から第8態様のいずれかにおいて、複数の煙突(150)を備え、各前記煙突(150)は、内部に排気用の排気流路(P1)が形成され、各前記容器(120)に少なくとも1つずつ設けられ、前記炉空間(S0)と前記排気流路(P1)とは、互いに連通している。
【0084】
本態様に係る炭化炉(100)は、複数の煙突(150)を備え、各煙突(150)は、内部に排気用の排気流路(P1)が形成され、各容器(120)に少なくとも1つずつ設けられ、炉空間(S0)と排気流路(P1)とは、互いに連通しているので、各容器(120)を含んだそれぞれの炭化炉(100)を完全に独立させた状態で運転することができる。
【0085】
本開示の第10態様に係る炭化炉(100)は、第1態様から第8態様のいずれかにおいて、少なくとも1つの煙突(150)と、接続配管(170)と、を備え、前記煙突(150)は、内部に排気用の排気流路(P1)が形成され、前記外容器にのみ設けられ、前記接続配管(170)は、内部に排気用の接続流路が形成され、前記外容器の外部に配置された前記内容器と前記煙突(150)とを接続し、前記外容器の前記炉空間(S0)と前記排気流路(P1)とは、互いに連通し、前記内容器の前記炉空間(S0)と前記煙突(150)の前記排気流路(P1)とは、前記接続流路を介して互いに連通している。
【0086】
本態様に係る炭化炉(100)は、少なくとも1つの煙突(150)と、接続配管(170)と、を備え、煙突(150)は、内部に排気用の排気流路(P1)が形成され、外容器にのみ設けられ、接続配管(170)は、内部に排気用の接続流路が形成され、外容器の外部に配置された内容器と煙突(150)とを接続し、外容器の炉空間(S0)と排気流路(P1)とは、互いに連通し、内容器の炉空間(S0)と煙突(150)の排気流路(P1)とは、接続流路を介して互いに連通しているので、外容器に設けられた煙突(150)を内容器と共有することができる。言い換えれば、内容器には煙突(150)を設ける必要がない。これによって、外容器に収容される内容器のサイズを大きくすることができる。仮に内容器に煙突(150)が設けられている場合、煙突(150)を含んだ内容器を外容器の内側に収容することになり、内容器自体のサイズを小さくしなければならない。
また、1つのパッケージとしてまとめることができる容器(120)の数を増やすことができる。
【0087】
本開示の第11態様に係る炭化炉(100)は、第3態様において、前記床(140)は、折り畳むことができる。
【0088】
本態様に係る炭化炉(100)は、床(140)は、折り畳むことができるので、内容器を外容器に収容することで複数の容器(120)を1つのパッケージとしてまとめる場合において、最も内側に収容された内容器に全ての容器(120)のための床(140)を折り畳んで収容することができる。
【0089】
本開示の第12態様に係る炭化炉(100)は、第1態様から第11態様のいずれかにおいて、前記容器(120)は、車載時に車両(10)との接続に使用される接続部を有している。
【符号の説明】
【0090】
10 車両
100 炭化炉
120 容器
121 底
122 周壁
122a 吸気開口
122b 挿入開口
123 スライド周壁
123a 吸気開口
124 回転周壁
124a 吸気開口
120A~120D 容器
130 蓋
140 床
141 連通部
145 床支持部
150 煙突
161 容器支持部
162 緩衝部材
163 補強部材
170 接続配管
183 バーナ
P1 排気流路
S0 炉空間
S1 上部空間
S2 下部空間
W 被炭化物
【要約】
【課題】大量の被炭化物を処理することができる、及び/又は、複数種類の原料を同時に処理することができる炭化炉を提供する。
【解決手段】原料としての被炭化物の燃焼及び炭化が行われる炉空間S0を内部に形成する容器120を複数備え、複数の容器120は、容器120A、及び容器120Bを有し、容器120Aの内側に容器120Bを収容できるように構成されている。また、各容器120は、外部から着火用のバーナが挿入される挿入開口を有している。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16