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特許7562841バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20240930BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240930BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20240930BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/342 201
H01M50/367
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023513238
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 KR2022008410
(87)【国際公開番号】W WO2022265360
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078997
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュ-ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】テ-グン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ファ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-スク・イ
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/123573(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/225609(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/007534(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/073439(WO,A1)
【文献】特開2015-133266(JP,A)
【文献】特開2018-073561(JP,A)
【文献】特表2018-527704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/35
H01M 50/211
H01M 50/249
H01M 50/342
H01M 50/367
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って少なくとも一側に電極リードが備えられた複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを内部に収容する収容空間を有し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスを外部へ排出するように構成され、前記複数のバッテリーセルの前記電極リードが形成された少なくとも一側に位置した空間と連通する排出口を備えたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの少なくとも一側をカバーするように構成され、前記排出口から排出されたガスが移動する通路が内部に形成されたガス抜き部材と、を含み、
前記ガス抜き部材は、
前記排出口から排出されたガスが流入するガスインレットと、
前記ガスインレットに流入したガスが移動する前記通路が複数形成されたガスチャンネルと、
前記ガスチャンネルと連通し、前記ガスチャンネルの前記ガスの移動方向の末端に形成され、ガスが外部へ排出されるように開口されて形成されたガスアウトレットと、を備え、
前記ガスチャンネルに形成された複数の前記通路は、前記ガスが前記複数のバッテリーセルの長手方向に沿って前記ガスインレットから前記ガスアウトレットへ移動するように、前記長手方向へ延びた複数の隔板によって区切られていることを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記複数のバッテリーセルは、一方向へ積層されてバッテリーセル群を形成し
記排出口は、前記バッテリーセル群の前記電極リードが位置した少なくとも一側に位置した空間と連通するように形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
少なくとも一側に電極リードが備えられた複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを内部に収容する収容空間を有し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスを外部へ排出するように構成され、前記複数のバッテリーセルの前記電極リードが形成された少なくとも一側に位置した空間と連通する排出口を備えたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの少なくとも一側をカバーするように構成され、前記排出口から排出されたガスが移動する通路が内部に形成されたガス抜き部材と、を含み、
前記複数のバッテリーセルは、一方向へ積層されてバッテリーセル群を形成し、
前記ガス抜き部材は、
前記排出口から排出されたガスが流入するガスインレットと、
前記ガスインレットに流入したガスが移動する前記通路が複数形成されたガスチャンネルと、
前記ガスチャンネルと連通し、前記ガスチャンネルの前記ガスの移動方向の末端に形成され、ガスが外部へ排出されるように開口されて形成されたガスアウトレットと、を備え、
前記排出口は、前記バッテリーセル群の前記電極リードが位置した少なくとも一側に位置した空間と連通するように形成され、
前記ガス抜き部材は、
前記ガスチャンネルが少なくとも二つ以上形成され、
少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネルは、流入したガスの移動方向が相違に構成されたことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項4】
少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネルのうちいずれか一つ以上の前記ガスチャンネルは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間の空間と対面する位置から、一つのバッテリーセル群に関して前記バッテリーセル群の間の空間と反対側の空間と対面する位置に向かって延び、他の一つ以上の前記ガスチャンネルは、一つのバッテリーセル群に関して前記バッテリーセル群の間の空間と反対側の空間と対面する位置から前記バッテリーセル群の間の空間と対面する位置に向かって延びたことを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記ガス抜き部材は、前記ガスアウトレットを少なくとも二つ以上備え、
前記少なくとも二つ以上のガスアウトレットのうちいずれか一つのガスアウトレットは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間の空間に対向する方向の前記ガス抜き部材の端部に形成され、他のガスアウトレットは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間の空間と対面する位置に形成されたことを特徴とする、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
少なくとも一側に電極リードが備えられた複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを内部に収容する収容空間を有し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスを外部へ排出するように構成され、前記複数のバッテリーセルの前記電極リードが形成された少なくとも一側に位置した空間と連通する排出口を備えたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの少なくとも一側をカバーするように構成され、前記排出口から排出されたガスが移動する通路が内部に形成されたガス抜き部材と、を含み、
前記複数のバッテリーセルは、一方向へ積層されてバッテリーセル群を形成し、
前記ガス抜き部材は、
前記排出口から排出されたガスが流入するガスインレットと、
前記ガスインレットに流入したガスが移動する前記通路が複数形成されたガスチャンネルと、
前記ガスチャンネルと連通し、前記ガスチャンネルの前記ガスの移動方向の末端に形成され、ガスが外部へ排出されるように開口されて形成されたガスアウトレットと、を備え、
前記排出口は、前記バッテリーセル群の前記電極リードが位置した少なくとも一側に位置した空間と連通するように形成され、
前記モジュールハウジングの内部空間に搭載され、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間に位置し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスの前記排出口への移動をガイドし、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群の間を仕切るように構成された隔壁部を備えた補強ビームをさらに含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項7】
前記補強ビームは、
少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群へ空気が移動可能に構成された連通口が形成され、
前記複数のバッテリーセルからガスが排出される場合、前記連通口を密閉するように構成された開閉部材をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
少なくとも一側に電極リードが備えられた複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを内部に収容する収容空間を有し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスを外部へ排出するように構成され、前記複数のバッテリーセルの前記電極リードが形成された少なくとも一側に位置した空間と連通する排出口を備えたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの少なくとも一側をカバーするように構成され、前記排出口から排出されたガスが移動する通路が内部に形成されたガス抜き部材と、を含み、
前記複数のバッテリーセルは、一方向へ積層されてバッテリーセル群を形成し、
前記ガス抜き部材は、
前記排出口から排出されたガスが流入するガスインレットと、
前記ガスインレットに流入したガスが移動する前記通路が複数形成されたガスチャンネルと、
前記ガスチャンネルと連通し、前記ガスチャンネルの前記ガスの移動方向の末端に形成され、ガスが外部へ排出されるように開口されて形成されたガスアウトレットと、を備え、
前記排出口は、前記バッテリーセル群の前記電極リードが位置した少なくとも一側に位置した空間と連通するように形成され、
前記ガスチャンネルは、
内部に移動するガスと干渉を起こすように構成された複数の突起が所定の間隔で離隔して形成されたことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、より詳しくは、火事やガス爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年6月17日出願の韓国特許出願第10-2021-0078997号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が盛んに行われている。
【0004】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材を各々正極活物質と負極活物質に用いる。また、リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質が各々塗布された正極板と負極板とがセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液と共に封止収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0006】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型二次電池に分けられる。
【0007】
一方、最近、電気自動車などに適用される大容量のバッテリーモジュールの需要が増加しつつある。このような大容量のバッテリーパックは、二次電池セルを備えたバッテリーモジュールを複数個含む。このように自動車に搭載された大容量のバッテリーパックは、複数のバッテリーモジュールの電気充放電中に、一部のバッテリーモジュールでガス爆発が発生し得る。この際、バッテリーモジュールから外部へ排出された高温のガス、火炎、スパークが、隣接する他のバッテリーモジュールへ移動し、他のバッテリーモジュールの熱暴走や、または二次ガス爆発を誘発する原因となった。これによって、初期に発生したガス爆発が、連鎖爆発につながるなど、事故の規模と危険がより大きくなる問題が発生した。
【0008】
したがって、複数のバッテリーモジュールのうち、一部のバッテリーモジュールでガス爆発が発生しても、隣接する他のバッテリーモジュールへのガスの移動を最小化する方案が必要である。
【0009】
また、大容量のバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルが内部に収容されていることから、一部のバッテリーセルのガス爆発または熱暴走の発生時、内部の他のバッテリーセルへ、高温のガス、スパーク(粒子)及び火炎が伝達され、熱暴走または火事が伝播されるという問題があった。
【0010】
そこで、一つのバッテリーモジュール内に収納されたバッテリーセル間の熱暴走や、火事の伝播を最小化できる方案が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、火事やガス爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、
少なくとも一側に電極リードが備えられた複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを内部に収容する収容空間を有し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスを外部へ排出するように構成され、前記複数のバッテリーセルの前記電極リードが形成された少なくとも一側に位置した排出口を備えたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの少なくとも一側をカバーするように構成され、前記排出口から排出されたガスが移動する通路が内部に形成されたガス抜き部材と、を含む。
【0014】
また、前記複数のバッテリーセルは、一方向へ積層されてバッテリーセル群を形成し、
前記ガス抜き部材は、
前記排出口から排出されたガスが流入するガスインレットと、
前記ガスインレットに流入したガスが移動する前記通路が複数形成されたガスチャンネルと、
前記ガスチャンネルと連通し、前記ガスチャンネルの前記ガスの移動方向の末端に形成され、ガスが外部へ排出されるように開口されて形成されたガスアウトレットと、を備え、
前記排出口は、前記バッテリーセル群の前記電極リードが位置した少なくとも一側に形成され得る。
【0015】
そして、前記ガス抜き部材は、
前記ガスチャンネルが少なくとも二つ以上形成され、
少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネルは、流入したガスの移動方向が相違に構成され得る。
【0016】
また、少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネルのうちいずれか一つ以上の前記ガスチャンネルは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間の空間から前記バッテリーセル群の間の空間と対向する方向へ延び、他の一つ以上の前記ガスチャンネルは、前記バッテリーセル群の間の空間と対向する一側から前記バッテリーセル群の間の空間に向かって延び得る。
【0017】
さらに、前記ガス抜き部材は、前記ガスアウトレットを少なくとも二つ以上備え、
前記少なくとも二つ以上のガスアウトレットのうちいずれか一つのガスアウトレットは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間の空間に対向する方向の前記ガス抜き部材の端部に形成され、他のガスアウトレットは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間の空間と対面する位置に形成され得る。
【0018】
そして、前記モジュールハウジングの内部空間に搭載され、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群の間に位置し、前記複数のバッテリーセルから排出されたガスの前記排出口への移動をガイドし、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群の間を仕切るように構成された隔壁部を備えた補強ビームをさらに含み得る。
【0019】
さらに、前記補強ビームは、
少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群へ空気が移動可能に構成された連通口が形成され、
前記複数のバッテリーセルからガスが排出される場合、前記連通口を密閉するように構成された開閉部材をさらに含み得る。
【0020】
また、前記ガスチャンネルは、
移動するガスと干渉を起こすように構成された複数の突起が所定の間隔で離隔して内部に形成され得る。
【0021】
なお、上記の課題を達成するための本発明のバッテリーパックは、前記バッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む。
【0022】
さらに、上記の課題を達成するための本発明による本発明の自動車は、前記バッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一面によれば、本発明のバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルから排出されたガスを外部へ排出させるように構成され、複数のバッテリーセルの少なくとも一側に位置した少なくとも一つ以上の排出口を備えたモジュールハウジングと、排出口から排出されたガスを移動させるように構成されたガス抜き部材と、を含むことで、隣接する他のバッテリーモジュールの位置から遠く離れた箇所(即ち、意図された位置)へガスや高温のスパークを排出させることができるので、バッテリーパック内部の複数のバッテリーモジュールが搭載された場合、隣接する他のバッテリーモジュールへ高温のガスが移動することを効果的に防止することができる。
【0024】
また、本発明の一面によれば、本発明のバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルのうち一部に異常挙動が発生して、複数のバッテリーセルの電極リードが形成された少なくとも一側からガスが排出される場合、複数のバッテリーセルの電極リードが形成された少なくとも一側に位置した排出口から最短距離でガスをモジュールハウジングの外部へ排出可能であるので、正常に作動する他のバッテリーセルへ高温のガスが移動して熱暴走または連鎖ガス爆発を起こすことを最小化できる。これによって、本発明は、バッテリーセルの熱暴走や連鎖ガス爆発に対して安全性を向上させることができる。
【0025】
さらに、本発明は、ガス抜き部材がモジュールハウジングの少なくとも一側をカバーするように構成されることで、モジュールハウジングの機械的剛性を高めることができるので、バッテリーモジュールに外部衝撃が発生する場合、モジュールハウジングに収納された複数のバッテリーセルを外部衝撃から安全に保護できる。
【0026】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールのガス抜き部材を概略的に示した底面斜視図である。
図5図2のA領域によるガス抜き部材を概略的に示した部分切開斜視図である。
図6】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
図7】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールのモジュールハウジングの内部を概略的に示した斜視図である。
図8図6のB領域を拡大して概略的に示した部分拡大図である。
図9】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
図10】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
図11】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールのガスチャンネルの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
図12】本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部を概略的に示した斜視図である。
図13】本発明の一実施例によるバッテリーパックのバッテリーモジュールとサイドフレームの一部を概略的に示した分解斜視図である。
図14】本発明の一実施例によるバッテリーパックの内部を概略的に示した部分断面図である。
図15】本発明の一実施例による自動車を概略的に示した斜視である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。図2及び図3は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。そして、図4は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールのガス抜き部材を概略的に示した底面斜視図である。参考までに、図1に示したX軸方向は右側方向であり、Y軸方向は後側方向であり、Z軸方向は上側方向である。
【0031】
図1図4を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル110、モジュールハウジング120及びガス抜き部材130を含む。ここで、前記バッテリーセル110は、例えば、エネルギー密度が高くて積層が容易なパウチ型のバッテリーセル110が適用され得る。前記パウチ型のバッテリーセル110は、図2のように、上下方向(Z軸方向)へ立てられ、前後方向(Y軸方向)へ積層されるようにバッテリーセル群G1を形成し得る。前記バッテリーセル110は、左右方向の両端部に各々位置した電極リード111を備え得る。しかし、本実施例とは異なり、本発明のバッテリーセル110はパウチ型に限定されず、直方体の角形バッテリーセル110や円筒型バッテリーセル110が使用され得る。
【0032】
また、図示していないが、前記バッテリーセル群G1は、電気伝導性の金属を含むバスバーによって電気的に接続され得る。前記バスバーは、金属の棒状またはプレート状であり得る。前記バスバーは、複数のバッテリーセル110を電気的に接続するように構成された公知の接続部材が適用され得る。したがって、本発明では、これについての具体的な説明は省略する。
【0033】
また、前記モジュールハウジング120は、複数のバッテリーセル110を収納するための構成要素として前記複数のバッテリーセル110を外部の物理的、化学的要素から保護できるように機械的剛性の高い素材で密閉された構造に形成され得る。例えば、図2に示したように、前記モジュールハウジング120は、上部ハウジング122及び下部ハウジング121を備え得る。前記下部ハウジング121は、バッテリーセル110の下部をカバーするように構成され得る。前記上部ハウジング122は、前記バッテリーセル110の上部をカバーするように構成され得る。前記上部ハウジング122及び下部ハウジング121は、ほぼU字形のプレート状で設けられ得る。前記上部ハウジング122の下端と前記下部ハウジング121の上端の各々の周縁部がボルト締め及び/または溶接によって相互に結合し得る。
【0034】
さらに、前記モジュールハウジング120は、複数のバッテリーセル110を収納するための構成要素であって、前記複数のバッテリーセル110を外部の物理的、化学的要素から保護できるように機械的剛性の高い素材で密閉されるように形成され得る。前記モジュールハウジング120は、前記複数のバッテリーセル110を内部に収容するように構成され得る。前記モジュールハウジング120は、内部が空いている収容空間を有し得る。前記モジュールハウジング120は、前記複数のバッテリーセル110から排出されたガスを外部へ排出する少なくとも一つ以上の排出口123が備えられ得る。前記排出口123は、前記複数のバッテリーセル110を基準にして少なくとも一側に形成され得る。即ち、前記排出口123は、前記複数のバッテリーセル110の電極リード111が形成された少なくとも一側に位置し得る。言い換えれば、前記排出口123は、前記複数のバッテリーセル110の一側に形成された空間と連通するように構成され得る。
【0035】
例えば、図2に示したように、前記複数のバッテリーセル110が前後方向へ積層され、バッテリーセル群G1を形成し得る。前記モジュールハウジング120に形成された排出口123は、前記バッテリーセル群G1の左側及び右側に各々位置した空間と連通するように形成され得る。例えば、図2に示したように、前記排出口123は、第1排出口123a、第2排出口123b、第3排出口123c及び第4排出口123dを備え得る。前記バッテリーモジュール100が左右方向へ離隔して配置された二つのバッテリーセル群G1を含む場合、前記モジュールハウジング120は、前記バッテリーセル群G1の一側及び他側のいずれか一つ以上に排出口123が形成され得る。例えば、図2に示したように、4個の排出口123a、123b、123c、123dが前記バッテリーセル群G1、G2の各々の一側及び他側に位置し得る。即ち、第1排出口123a及び第2排出口123bは、前記モジュールハウジング120の上面の左右方向の中心に形成され得る。第3排出口123cは、前記モジュールハウジング120の上面の左側端に形成され、第4排出口123dは、前記モジュールハウジング120の上面の右側端に形成され得る。言い換えれば、前記第1排出口123aは、前記バッテリーセル群G1の電極リードが形成された右側に位置し、前記第2排出口123bは、前記バッテリーセル群G2の電極リードが形成された左側に位置し、前記第3排出口123cは、前記バッテリーセル群G1の電極リードが形成された右側に位置し、前記第4排出口123dは、前記バッテリーセル群G2の電極リードが形成された左側に位置し得る。
【0036】
そして、前記ガス抜き部材130は、前記モジュールハウジング120の少なくとも一側をカバーするように構成され得る。例えば、前記ガス抜き部材130は、機械的剛性が優秀な金属素材を含み得る。例えば、図1に示したように、前記ガス抜き部材130は、前記モジュールハウジング120の上部に位置し得る。前記ガス抜き部材130は、前記モジュールハウジング120の上面と対応する大きさを有し得る。即ち、前記ガス抜き部材130は、前記モジュールハウジング120の一面をカバーできる平面サイズを有し得る。
【0037】
さらに、前記ガス抜き部材130は、前記モジュールハウジング120の排出口123から排出されたガスが意図された方向へ排出されるように誘導し得る。また、前記ガス抜き部材130は、前記排出口123から排出されたガスが移動する通路(図示せず)が内部に形成され得る。即ち、前記ガス抜き部材130は、発生したガスを、内部通路によって、ガスによる被害を最小化できる箇所へ移動させ得る。
【0038】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明のバッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル110ののうち一部に異常挙動が発生して、前記複数のバッテリーセル110の電極リード111が形成された少なくとも一側からガスが排出される場合、前記複数のバッテリーセル110の前記電極リード111が形成された少なくとも一側に位置した排出口123から最短距離でガスをモジュールハウジング120の外部へ排出可能であるので、正常に作動する他のバッテリーセル110へ高温のガスが移動して熱暴走または連鎖ガス爆発が発生することを最小化できる。これによって、本発明は、バッテリーセル110の熱暴走や連鎖ガス爆発に対する安全性を向上させることができる。
【0039】
さらに、本発明は、ガス抜き部材130が前記モジュールハウジング120の少なくとも一面をカバーするように構成されることで、モジュールハウジング120の機械的剛性を高めることができるので、バッテリーモジュール100に外部衝撃が発生する場合、モジュールハウジング120に収納された複数のバッテリーセル110を外部衝撃から安全に保護できる。
【0040】
図5は、図2のA領域によるガス抜き部材を概略的に示した部分切開斜視図である。
【0041】
図1図5をさらに参照すると、前記ガス抜き部材130は、ガスインレット132、ガスチャンネル131及びガスアウトレット133を備え得る。具体的には、前記ガスインレット132は、前記排出口123から排出されたガスが流入するように前記ガス抜き部材130の一部が開口されて形成され得る。前記ガスインレット132は、前記モジュールハウジング120の排出口123と連通するように構成され得る。即ち、前記ガスインレット132は、前記排出口123と対面する位置に形成され得る。例えば、図4に示したように、前記ガスインレット132は、前記排出口123が前記モジュールハウジング120の上面に形成される場合、前記排出口123と対面する位置である前記ガス抜き部材130の下面に形成され得る。前記ガス抜き部材130は、第1ガスインレット132a、第2ガスインレット132b、第3ガスインレット132c及び第4ガスインレット132dを備え得る。前記第1ガスインレット132a及び前記第2ガスインレット132bは、前記ガス抜き部材130の下面の左右方向の中心に位置し得る。前記第3ガスインレット132cは、前記ガス抜き部材130の下面の左側端に形成され得る。前記第4ガスインレット132dは、前記ガス抜き部材130の下面の右側端に形成され得る。
【0042】
前記ガスインレット132は、前後方向へ長く延びた開口を有し得る。そして、前記ガスインレット132は、前記ガス抜き部材130の下面の前端から前後方向の中心まで延び得る。または、前記ガスインレット132は、前記ガス抜き部材130の下面の後端から前後方向の中心まで延び得る。例えば、図4のように、前記第1ガスインレット132a及び前記第2ガスインレット132bは、前記ガス抜き部材130の下面の前端から前後方向の中心まで延びた開口を有し得る。前記第3ガスインレット132c及び前記第4ガスインレット132dは、前記ガス抜き部材130の下面の後端から前後方向の中心まで延びた開口を有し得る。
【0043】
そして、前記ガスチャンネル131は、前記ガスインレット132へ流入したガスが移動する通路が形成された部分であり得る。前記ガスチャンネル131は、複数の中空構造を有し得る。前記ガスチャンネル131は、長さと幅が上部ハウジング122の上面の長さと幅に対応する大きさであり得る。前記ガスチャンネル131は、内部が空いていることで、ガスが流動するように通路137が設けられ得る。また、前記ガスチャンネル131の内部には、幅方向へ相互に離隔し、長手方向へ長く延びた複数の隔板134が備えられることで、内部空間が区切られ得る。このようなガスチャンネル131は、前記ガスインレット132から流入した高温のガス、スパーク、火炎などが狭い通路137を移動しながら、エネルギーが分散し、熱が低くなるか、または火炎の規模が小さくなる効果を奏し得る。図2及び図3のように、前記ガス抜き部材130は、第1ガスチャンネル131a及び第2ガスチャンネル131bを備え得る。
【0044】
図5に示したように、前記ガスチャンネル131の内部は、隔板134によって区切られ、前記隔板134の間ごとに狭い通路137が形成されている。このような複数の狭い通路137は、ガスの移動速度を増加させるのに効果的に作用する。また、前記狭い通路137は、高温のスパークまたは火炎の移動を制限するのに効果的に作用できる。また、前記狭い通路137やガスインレット132に金属メッシュ網(図示せず)を介在して高温のスパークまたは火炎の移動をさらに制限することも可能である。
【0045】
さらに、前記ガスアウトレット133は、前記ガスチャンネル131と連通するように構成され得る。前記ガスアウトレット133は、前記ガスチャンネル131の狭い通路の末端に形成され得る。前記ガスアウトレット133は、前記ガス抜き部材130の一部が開口されることで形成され得る。即ち、前記ガスアウトレット133は、前記ガスチャンネル131の末端部分に形成された開口であり得る。例えば、前記ガスアウトレット133は、前記バッテリーセル群G1の一側に位置し得る。例えば、図2に示したように、前記ガス抜き部材130は、第1ガスアウトレット133a、第2ガスアウトレット133b、第3ガスアウトレット133c及び第4ガスアウトレット133dを備え得る。前記第1ガスアウトレット133aは、前記ガス抜き部材130の上面の左側端に形成され得る。前記第2ガスアウトレット133bは、前記ガス抜き部材130の上面の右側端に形成され得る。前記第3ガスアウトレット133c及び前記第4ガスアウトレット133dは、前記ガス抜き部材130の上面の左右方向の中央部分に位置し得る。前記第3ガスアウトレット133c及び前記第4ガスアウトレット133dは、互いに左右方向の所定の距離で離隔して位置し得る。
【0046】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記複数のバッテリーセル110から排出されたガスを外部へ排出するように構成され、前記複数のバッテリーセル110の少なくとも一側に位置した少なくとも一つ以上の排出口123を備えたモジュールハウジング120と、前記排出口123から排出されたガスを移動させるように構成されたガス抜き部材130と、を含むことで、隣接する他のバッテリーモジュール100の位置から遠く離れた箇所(即ち、意図された位置)へガスや高温のスパークを排出可能であるので、バッテリーパック1000の内部に複数のバッテリーモジュール100が搭載された場合、隣接する他のバッテリーモジュール100への高温ガスの移動を効果的に減少させることができる。
【0047】
図6は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
【0048】
図6と共に図2及び図3をさらに参照すると、本発明のバッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル110が一方向(前後方向)へ積層されてバッテリーセル群G1を形成し得る。例えば、前記複数のバッテリーセル110は、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群G1、G2を形成し得る。例えば、前記図2に示したように、本発明のバッテリーモジュール100は、左右方向へ並んで配置されたバッテリーセル群G1、G2を備え得る。
【0049】
また、前記少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2は、互いに離隔して配置され得る。例えば、図2に示したように、二つのバッテリーセル群G1、G2は、左右方向の所定の距離で離隔して配置され得る。例えば、前記バッテリーセル群G1は、構成された複数のバッテリーセル110の各々の電極リード111が左端部及び右端部の各々に位置し得る。また、複数のバッテリーセル110からガスが排出される場合、前方及び後方に比べて電極リード111が形成された左側及び右側のいずれか一側以上へガスが排出される可能性が高い。
【0050】
または、前記バッテリーセル群G1、G2は、一部のバッテリーセル110からガスが噴出する場合、前記ガスは前記電極リード111が位置した方向へ移動する可能性が高い。即ち、前記バッテリーセル群G1、G2は、前記複数のバッテリーセル110が前記電極リード111が形成されていない部分を互いに対向するように積層されていることで、相対的に前記複数のバッテリーセル110が密集していない前記バッテリーセル群G2の一側または他側へガスが移動しやすい。
【0051】
さらに、前記排出口123は、前記バッテリーセル群G1の前記電極リード111が位置した少なくとも一側に形成され得る。即ち、前記排出口123は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面して位置し得る。即ち、前記排出口123は、前記バッテリーセル群G1において相対的にガス排出が起こる確率の高い箇所と隣接して形成され得る。例えば、前記バッテリーセル群G1は、スウェリング現象や熱暴走が発生する場合、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1へガスが排出されるように構成され得る。
【0052】
例えば、前記バッテリーセル群G1は、パウチ型のバッテリーセル110を備える場合、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間からガスが排出されるように構成され得る。例えば、前記バッテリーセル110がパウチ型のバッテリーセル110である場合、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面するバッテリーセル110のシーリング部は、相対的に他の部分のシーリング部よりもシーリング力が弱く形成され得る。
【0053】
そして、前記ガスインレット132は、前記排出口123と連通するように位置し得る。即ち、前記ガスインレット132は、バッテリーセル群G1の一側から排出されたガスの移動動線を最小化するように、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間と対面して位置し得る。
【0054】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明のバッテリーモジュール100は、前記排出口123が、前記バッテリーセル群G1の前記電極リード111が位置した少なくとも一側に形成されることで、複数のバッテリーセル110のうち、一部のバッテリーセル110からガスが前記バッテリーセル群G1の少なくとも一側へ排出されるとしても、前記バッテリーセル群G1の一側に形成された排出口123によって最短距離でガスを前記モジュールハウジング120の外部へ排出できるため、正常に作動する他のバッテリーセル110または他のバッテリーセル群G1へ高温のガスが移動して熱暴走や連鎖爆発が発生することを最小化することができる。
【0055】
一方、図2図5を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール100のガス抜き部材130は、前記ガスチャンネル131が少なくとも二つ以上形成され得る。例えば、図2及び図4のように、第1ガスチャンネル131aは、前記第1ガスインレット132aから流入したガスを前記ガス抜き部材130の左端部に形成された第1ガスアウトレット133aへ移動させるように構成され得る。即ち、前記第1ガスチャンネル131aは、前記ガスを前記ガス抜き部材130の左右方向の中心から左側方向へ移動させるように左側方向へ延びた通路(図示せず)が形成され得る。第2ガスチャンネル131bは、前記第2ガスインレット132bから流入したガスを前記ガス抜き部材130の右端部に形成された第2ガスアウトレット133bへ移動させるように構成され得る。即ち、前記第2ガスチャンネル131bは、前記ガスを前記ガス抜き部材130の左右方向の中心から右側方向へ移動させるように右側方向へ延びた通路が形成され得る。
【0056】
例えば、図3のように、第3ガスチャンネル131cは、前記第3ガスインレット132cから流入したガスを前記ガス抜き部材130の左右方向の中心に形成された第3ガスアウトレット133cへ移動させるように構成され得る。即ち、前記第3ガスチャンネル131cは、前記ガスを前記ガス抜き部材130の左側端から左右方向の中心へ移動させるように右側方向へ延びた通路が形成され得る。第4ガスチャンネル131dは、第4ガスインレット132dから流入したガスを前記ガス抜き部材130の左右方向の中心に形成された第4ガスアウトレット133dへ移動させるように構成され得る。即ち、前記第4ガスチャンネル131dは、前記ガスを前記ガス抜き部材130の右側端から左右方向の中心へ移動させるように左側方向へ延びた通路が形成され得る。
【0057】
また、本発明の少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネル131は、流入したガスの移動方向が相違に構成され得る。前記ガス抜き部材130の前後方向の中心を基準にして前方に形成されたガスチャンネル131aと、後方に形成されたガスチャンネル131cは、ガス移動方向が互いに反対に設定され得る。例えば、前記第1ガスチャンネル131aは、ガスの移動方向が左側方向であり、前記第3ガスチャンネル131cは、ガスの移動方向が右側方向であり得る。また、例えば、前記バッテリーセル群G2の上部に位置した前記第2ガスチャンネル131b及び前記第4ガスチャンネル131dは、ガスの移動方向が互いに反対であり得る。例えば、前記第2ガスチャンネル131bは、ガスの移動方向が右側方向あり、前記第4ガスチャンネル131dは、ガスの移動方向が左側方向であり得る。
【0058】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記ガスチャンネル131が少なくとも二つ以上形成され、少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネル131は、流入したガスの移動方向が相違に構成されることで、一つのバッテリーセル群G1でガスが発生する場合、他のバッテリーセル群G1への高温ガスの影響を最小化すると共に、前記ガス抜き部材130のガスチャンネル131のガス移動経路を最大に長く設定可能である。即ち、前記バッテリーセル群G1でガスが発生する場合、隣接する前記ガスインレット132へガスが流入し、流入したガスは相異なるガス移動方向が設定されたガスチャンネルによって最大限に長い移動経路を移動するようになり、高温のガス、スパーク、火炎などのエネルギーを分散させることができる。このような本発明のバッテリーモジュール100は、バッテリーモジュール100の外部へ排出される高温のガス、スパーク、火炎の規模を縮小または消滅させることができるので、排出されたガス、スパーク及び火炎などによる二次被害を最小化することができる。
【0059】
さらに図2と共に図6を参照すると、少なくとも二つ以上の前記排出口123のいずれか一つ以上は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面する位置に形成され得る。残りの他の一つ以上の排出口123は、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する前記バッテリーセル群G1の一側に形成された空間S2と対面する位置に形成され得る。例えば、図2に示したように、第1排出口123a及び第2排出口123bは、二つのバッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面する位置に形成され得る。第3排出口123cは、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する方向の前記バッテリーセル群G1の左側に形成された空間(図示せず)と対面する位置に形成され得る。そして、第4排出口123dは、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する方向の前記バッテリーセル群G2の右側に形成された空間S2と対面する位置に形成され得る。即ち、前記バッテリーセル群G1の左側または右側には電極リード111が位置し、前記電極リード111が位置した前記バッテリーセル群G1の左側または右側には、ガスが移動可能な所定の空間が形成され得る。
【0060】
一方、図2図4及び図6を参照すると、少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネル131のうちいずれか一つ以上の前記ガスチャンネル131は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対応する位置で前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する方向(外側)へ延び得る。残りの他の一つ以上の前記ガスチャンネル131は、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する一側(外側)から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に向かって(内側に向かって)延び得る。例えば、図2図3及び図6のように、前記バッテリーセル群G1の上部には、第1ガスチャンネル131a及び第3ガスチャンネル131cが位置し得る。前記第1ガスチャンネル131aは、二つのバッテリーセル群G1、G2の間の空間S1から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する方向(左側方向)へ延び得る。前記第3ガスチャンネル131cは、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する一側(左側)から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に向かって延び得る。
【0061】
例えば、図2図3及び図6のように、前記バッテリーセル群G2の上部には、第2ガスチャンネル131b及び第4ガスチャンネル131dが位置し得る。前記第2ガスチャンネル131bは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する方向(右側方向)へ延び得る。前記第4ガスチャンネル131dは、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する一側(右側)から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に向かって延び得る。
【0062】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、少なくとも二つ以上の前記ガスチャンネル131のうちいずれか一つ以上の前記ガスチャンネル131が、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する方向へ延び、他の一つ以上の前記ガスチャンネル131は、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する一側から前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に向かって延びることで、一つのバッテリーセル群G1でガスが発生する場合、他のバッテリーセル群G1への高温ガスの影響を最小化すると共に、前記ガス抜き部材130のガスチャンネルのガス移動経路を最大限に長く設定し得る。即ち、一つのバッテリーセル群G1でガスが発生する場合、隣接する前記ガスインレット132へガスが流入し、流入したガスは前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に向かって移動するか、または、逆に前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1の対向方向(外側)へ移動できるので、前記高温のガス、スパーク、火炎などがガスチャンネルによって最大限に長い移動経路で移動可能である。これによって、本発明は、発生した高温のガス、スパーク、火炎などのエネルギーを前記ガスチャンネルを移動しながら分散させることができるので、前記バッテリーモジュール100の外部へ排出される高温のガス、スパーク、火炎の規模を縮小または消滅させることができる。究極的には、本発明のバッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル110の異常挙動によって発生した高温のガス、スパーク及び火炎などによる二次被害を最小化することができる。
【0063】
図2を参照すると、本発明のガス抜き部材130は、前記ガスアウトレット133を少なくとも二つ以上備え得る。前記少なくとも二つ以上のガスアウトレット133のうちいずれか一つのガスアウトレット133は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に対向する方向の前記ガス抜き部材130の端部に形成され得る。残りの他のガスアウトレット133は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面する前記ガス抜き部材130の中央に形成され得る。
【0064】
例えば、図2及び図6に示したように、前記ガス抜き部材130は、第1ガスアウトレット133a、第2ガスアウトレット133b、第3ガスアウトレット133c及び第4ガスアウトレット133dを備え得る。前記第1ガスアウトレット133a及び前記第2ガスアウトレット133bは、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に対向する方向(左右方向)の前記ガス抜き部材130の両端部に形成され得る。前記第3ガスアウトレット133c及び前記第4ガスアウトレット133dは、二つのバッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面する位置に形成され得る。
【0065】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、少なくとも二つ以上のガスアウトレット133のうちいずれか一つのガスアウトレット133は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に対向する方向の前記ガス抜き部材130の端部に形成され、他のガスアウトレット133は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面する位置に形成されることで、一つのバッテリーセル群G1でガスが発生する場合、他のバッテリーセル群G1への高温ガスの影響を最小化すると共に、前記ガス抜き部材130のガスチャンネル131のガス移動経路を最大限に長く設定できる。
【0066】
即ち、一つのバッテリーセル群G1でガスが発生する場合、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面する位置に形成されたガスインレット132へガスが流入し、このように流入したガスは、前記ガスチャンネル131を通して前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に対向する方向の一側に形成されたガスアウトレット133からガスを外部へ排出し得る。逆に、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対向する位置に形成されたガスインレット132からガスが流入する場合、流入したガスは前記ガスチャンネル131を通して前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1に向かって移動し、前記バッテリーセル群G1、G2の間の空間S1と対面して位置した前記ガスアウトレット133から外部へ排出され得る。
【0067】
究極的には、本発明のバッテリーモジュール100は、発生した高温のガス、スパーク、火炎などが前記ガス抜き部材130のガスチャンネル131を通して最大限に長い移動経路で移動できる。これによって、発生した高温のガス、スパーク、火炎などのエネルギーを前記ガス抜き部材130によって分散させることができるので、前記バッテリーモジュール100の外部へ排出される高温のガス、スパーク、火炎の規模を縮小または消滅させることができる。究極的には、本発明のバッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル110の異常挙動によって発生した高温のガス、スパーク及び火炎などによる二次被害を最小化できる。
【0068】
図7は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールのモジュールハウジングの内部を概略的に示した斜視図である。そして、図8は、図6のB領域を拡大して概略的に示した部分拡大図である。
【0069】
図7及び図8と共に図2及び図6をさらに参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール100は、補強ビーム150をさらに含み得る。前記補強ビーム150は、前記モジュールハウジング120の内部空間に搭載され得る。前記補強ビーム150は、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間に位置し得る。例えば、図7に示したように、前記モジュールハウジング120の内部空間の中央に前記補強ビーム150が位置し得る。そして、前記補強ビーム150は、左右方向に配置されたバッテリーセル群G1、G2の間に配置され得る。
【0070】
また、前記補強ビーム150は、前記複数バッテリーセル110から排出されたガスの前記排出口123への移動をガイドするように構成され得る。前記補強ビーム150は、前記複数のバッテリーセル110から排出されたガスの前記排出口123への移動をガイドし、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群G1、G2の間を区切るように構成された隔壁部150aを備え得る。例えば、図7に示したように、前記補強ビーム150は、前記排出口123が位置した上部に向かって延びた隔壁部150aを備え得る。前記補強ビーム150は、下部が前記下部ハウジング121と結合するように構成され得る。
【0071】
さらに、前記隔壁部150aは、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2が搭載される収容空間を二つの空間に区切り得る。前記隔壁部150aは、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群G1、G2のいずれか一つG2から排出された高温のガスが残りの他のバッテリーセル群G1へ移動することを遮断するように構成され得る。
【0072】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記複数のバッテリーセル110から排出されたガスの前記排出口123への移動をガイドし、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群G1、G2の間を区切るように構成された隔壁部150aを備えた補強ビーム150をさらに含むことで、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群G1、G2で発生した高温ガスの前記排出口123への移動をガイドできる。さらに、前記補強ビーム150の隔壁部150aによって、少なくとも二つ以上のバッテリーセル群G1、G2のいずれか一つG2へ排出された高温のガスAが残りの他のバッテリーセル群G1へ移動することを遮断できるので、他のバッテリーセル群G1への熱暴走やガス爆発の伝播を防止することができる。
【0073】
図9及び図10は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
【0074】
図9及び図10を参照すると、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュール100の補強ビーム150は、図8の補強ビーム150と比較する場合、空気が移動可能に構成された連通口Hが形成され、開閉部材151をさらに備え得る。その他の残りの構成は、図1に示したバッテリーモジュール100の構成と同一であり得る。
【0075】
具体的には、図9の前記補強ビーム150には、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2へ空気が移動可能に構成された連通口Hが形成され得る。前記連通口Hは、前記補強ビーム150の一部が開口されて形成され得る。または、図9のように、前記連通口Hは、前記補強ビーム150の上端が下部に凹んで形成された溝状であり得る。
【0076】
また、前記補強ビーム150は、図10のように、前記複数のバッテリーセル110からガスが排出される場合、前記連通口Hを密閉するように構成された開閉部材151をさらに含み得る。前記開閉部材151は、所定の温度以上に上昇する場合、体積が膨脹する熱膨張素材であり得る。前記開閉部材151の熱膨張素材は、例えば、サンゴバン(Saint-Gobain)社のFS1000製品の素材であり得る。または、前記熱膨張素材は、所定の温度で体積膨脹する片状黒鉛(Graphite Flake)を備え得る。前記開閉部材151は、前記連通口Hに備えられ得る。前記開閉部材151は、前記バッテリーセル110から高温のガスが排出される場合、前記熱膨脹素材が昇温して前記連通口Hを密閉するように構成され得る。
【0077】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明は、前記補強ビーム150に少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2へ空気が移動可能に構成された連通口Hが形成され、前記複数のバッテリーセル110からガスが排出される場合、前記連通口Hを密閉するように構成された開閉部材151をさらに含むことで、バッテリーモジュール100が正常作動時には少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の間の空気移動を円滑にして、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2の熱平衡がよく行われるようにし得る。そして、少なくとも二つ以上の前記バッテリーセル群G1、G2のいずれか一群にガス爆発が発生する場合、前記開閉部材151によって前記補強ビーム150に形成された連通口Hを密閉できるので、残りの反対側の正常に作動するバッテリーセル群G1へ高温のガスが流入することを防止することができる。これによって、本発明は、一部のバッテリーセル110のガス爆発による他のバッテリーセル群G1の二次ガス爆発の誘発を防止することができ、被害を最小化することができる。
【0078】
図11は、本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールのガスチャンネルの内部を概略的に示した部分垂直断面図である。
【0079】
図8のように図11を参照すると、前記ガスチャンネル131の内部に高温のガス、スパーク、火炎などと干渉を起こすように構成された複数の突起Kが所定の間隔で離隔して形成され得る。このような複数の突起Kは、狭い通路137の内面から内側方向へ突出した形状を有し得る。また、前記複数の突起Kは、ガスAの移動方向へ傾いた形状を有し得る。即ち、このような複数の突起Kは、意図された移動方向へガスAの移動を許容しながら、ガスAの移動速度を減少させ得る。また、このような複数の突起Kは、ガスが逆方向(意図された方向の反対方向)へ移動してさらにモジュールハウジング120の内部へ流入することを抑制し得る。
【0080】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明のバッテリーモジュール100は、前記ガス抜き部材130の前記ガスチャンネル131の内部に、移動するガスAと干渉を起こすように構成された複数の突起Kが所定の間隔で離隔して形成されることで、前記ガスチャンネル131を移動するガスAの移動速度とガス圧力を効果的に減少させ得る。さらに、前記複数の突起Kは、前記ガスチャンネル131の意図したガスAの移動方向ではなく逆方向へ移動(逆流)することを抑制できるので、前記ガスチャンネル131を移動するガスAがさらにモジュールハウジング120の内部へ流入することを防止することができる。これによって、本発明のバッテリーモジュール100は、高温のガスAがモジュールハウジング120の内部へ逆流することによる複数のバッテリーセル110の昇温を防止することができる。
【0081】
図12は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの一部を概略的に示した斜視図である。
【0082】
図1と共に図12を参照すると、本発明の他の一実施例によるバッテリーパック1000は、少なくとも一つ以上の前記バッテリーモジュール100と、複数の前記バッテリーモジュール100を収容するパックケース200と、を備え得る。前記パックケース200は、バッテリーモジュール100を収納するための構成品であって、左サイドフレーム230と、右サイドフレーム240と、前記左サイドフレーム230及び前記右サイドフレーム240の各々の下部と結合するベースプレート210と、前記左サイドフレーム230及び前記右サイドフレーム240の各々の上部と結合する上部プレート220と、前記パックケース200の前面壁体を形成する前方カバー250と、後面壁体を形成する後方カバー260と、を含み得る。
【0083】
また、前記バッテリーモジュール100は、図示していないが、例えば、複数の前後方向へ配列され得る。また、前記バッテリーパック1000の前面部には、前記バッテリーモジュール100のガス抜き部材130のガスアウトレット133と連通する吐出口Oが形成され得る。例えば、前記ガス抜き部材130は、前記左サイドフレーム230及び前記右サイドフレーム240に各々備えられたガス排出流路(図示せず)と連通し得る。そして、前記ガス排出流路の末端は、前記吐出口Oと連結され得る。例えば、前記ガス排出流路は、前記左サイドフレーム230の延長方向に沿って長く延びたガス通路であり得る。
【0084】
図13は、本発明の一実施例によるバッテリーパックのバッテリーモジュールとサイドフレームの一部を概略的に示した分解斜視図である。そして、図14は、本発明の一実施例によるバッテリーパックの内部を概略的に示した部分断面図である。
【0085】
図1と共に図13及び図14を参照すると、前記右サイドフレーム240は、バッテリーモジュール100の高さ方向へ延びた垂直フレーム部241と、前記垂直フレーム部241から水平方向(左側方向)へ延び、前記ガス抜き部材130と連結されるように設けられたモジュール連結フレーム部242と、を含み得る。前記モジュール連結フレーム部242は、中空構造に形成されることで内部にガス移動通路FPを備える。
【0086】
また、前記バッテリーパック1000が複数のバッテリーモジュール100を備える場合、前記モジュール連結フレーム部242は、長手方向(Y軸方向)に沿って所定の間隔毎に形成される複数の吸引口244と、前方カバー250側の一端部に一つの吐出口Oを備え得る。例えば、図14のように、各前記吸引口244は、各バッテリーモジュール100のガス抜き部材130のガスアウトレット133bと対面するように位置し得る。各前記吸引口244とガスアウトレット133bの接触界面には、シーリングと滑り止めのためにガスケットが適用され得る。また、高温のスパークまたは火炎の外部流出防止のために、金属メッシュ網が各前記吸引口244に適用され得る。
【0087】
さらに、本実施例の右サイドフレーム240のモジュール連結フレーム部242は、前記ガス抜き部材130の上部に配置される。言い換えれば、モジュール連結フレーム部242は、その一端部がガスチャンネル131の上面の右側エッジの上に載置され、吸引口244が第2ガスアウトレット133bに垂直にマッチされることで、ガス抜き部材130と連通した構造をなす。
【0088】
即ち、バッテリーセル群G2で発生したガスは、第2排出口(図2の123b)からガス抜き部材130へ流入し、ガスチャンネル131bに沿って右側方向へ水平に移動し、第2ガスアウトレット133bから上昇して右サイドフレーム240の吸引口244によって前記右サイドフレーム240の内部へ流入し得る。そして、移動したガスは、さらに右サイドフレーム240のガス移動通路FPに沿ってパックケース200の前方カバー250側へ移動し、モジュール連結フレーム部242の吐出口Oからパックケース200の外部へ排出され得る。
【0089】
したがって、本発明は、バッテリーセル群G2で発生した高温のスパークまたは火炎の場合、第2排出口123bと第2ガスインレット132bの垂直連結構造によって一次で移動経路の方向が転換され、ガスチャンネル131の内部の複数の狭い通路構造によって二次でスパークまたは火炎が分散し、第2ガスアウトレット133bと吸引口244の垂直連結構造によって三次でスパークまたは火炎の移動方向が転換され得る。これによって、高温のスパークや火炎の移動方向が数回転換されて分散する過程によって高温のスパークや火炎が消失することで、スパークと火炎がパックケース200の外部へ排出されないように防止することができる。窮極的には、本発明のバッテリーパック1000は、バッテリーパック1000の外部周辺の火事危険を大幅低下させることができる。
【0090】
また、図示していないが、左サイドフレーム230は、右サイドフレーム240と同様に、前記ガス抜き部材130の第1ガスアウトレット133aと連通する吸引口を備え得る。前記左サイドフレーム230は、バッテリーモジュール100の高さ方向へ延びた垂直フレーム部と、前記垂直フレーム部から水平方向(右側方向)へ延び、前記ガス抜き部材130と連結される設けられたモジュール連結フレーム部と、を含み得る。前記モジュール連結フレーム部は、中空構造に形成されることで内部にガス移動通路を備える。また、前記モジュール連結フレーム部242は、前方カバー250側の一端部に一つの吐出口Oを備える。前記左サイドフレーム230の前記吸引口は、各バッテリーモジュール100のガス抜き部材130のガスアウトレット133と対面するように位置し得る。
【0091】
図15は、本発明の一実施例による自動車を概略的に示した斜視図である。
【0092】
図1と共に図15を参照すると、本発明の一実施例による自動車10は、少なくとも一つ以上の前記バッテリーモジュール(図示せず)を含み得る。前記自動車は、例えば、少なくとも一つ以上の前記バッテリーモジュールを搭載したバッテリーパック1000を収容する収容空間を有する車体を含み得る。例えば、前記自動車は、電気自動車、電気スクーター、電動車椅子または電気バイクなどであり得る。
【0093】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0094】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0095】
100 バッテリーモジュール
110 バッテリーセル
111 電極リード
120 モジュールハウジング
121 下部ハウジング
122 上部ハウジング
123 排出口
130 ガス抜き部材
131 ガスチャンネル
132 ガスインレット
133 ガスアウトレット
134 隔板
137 通路
150 補強ビーム
151 開閉部材
200 パックケース
210 ベースプレート
220 上部プレート
230 左サイドフレーム
240 右サイドフレーム
241 垂直フレーム部
242 モジュール連結フレーム部
244 吸引口
250 前方カバー
260 後方カバー
1000 バッテリーパック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15