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特許7562844車両の走行支援装置、車両の走行支援システム及び車両の走行支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】車両の走行支援装置、車両の走行支援システム及び車両の走行支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
G08G1/00 X
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023515406
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(86)【国際出願番号】 IB2021000301
(87)【国際公開番号】W WO2022224004
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠秀
(72)【発明者】
【氏名】御厨 裕
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 真樹
(72)【発明者】
【氏名】明李 成博
(72)【発明者】
【氏名】費 霄霄
(72)【発明者】
【氏名】千葉 光太郎
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-218057(JP,A)
【文献】特開2017-182137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが乗降するとともに予め立案された運行計画にしたがって走行する車両の走行支援装置であって、
少なくとも前記ユーザの固有識別子及び降車地を含む予約情報を記憶する記憶部と、
少なくとも前記車両の停車地と、前記車両に乗降する前記ユーザの固有識別子とを検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記車両の停車地と、前記センサにより検出された当該停車地において降車した前記ユーザの固有識別子と、前記記憶部に記憶された予約情報に含まれる前記ユーザの固有識別子及び降車地とに基づいて、前記予約情報に含まれる降車地以外の前記停車地で降車した予定外ユーザを特定する特定部と、
前記予定外ユーザに前記車両に再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する前記予定外ユーザからの入力に基づいて前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定する判定部と、
前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定した場合には、前記停車地から前記車両を発進させる発進許可情報を出力する出力部と、を備える車両の走行支援装置。
【請求項2】
前記車両は、自律走行制御を実行する走行制御部を有し、
前記出力部は、前記発進許可情報を前記走行制御部に出力する請求項1に記載の車両の走行支援装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記確認通知を、前記車両又は前記予定外ユーザが所有する端末装置に出力する請求項1又は2に記載の車両の走行支援装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記確認通知を、前記車両と前記予定外ユーザとの距離が第1所定値以上に離れた場合に、出力する請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の走行支援装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記確認通知に対して前記予定外ユーザから前記車両に再乗車しないとの入力があった場合、前記確認通知に対して所定時間以内に前記予定外ユーザからの入力がない場合又は前記車両と前記予定外ユーザとの距離が前記第1所定値より大きい第2所定値以上に離れた場合には、前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定する請求項に記載の車両の走行支援装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記確認通知に対して所定時間以内に前記予定外ユーザからの入力がない場合、又は前記車両と前記予定外ユーザとの距離が前記第1所定値より大きい第2所定値以上に離れた場合には、前記車両に再乗車しないと判定して前記車両を発進させる旨の通知を、前記予定外ユーザに出力する請求項4又は5に記載の車両の走行支援装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記予定外ユーザが前記車両に再乗車するまでに前記停車地で待機できる待機可能時間を設定し、当該待機可能時間を前記予定外ユーザに通知する請求項1~6のいずれか一項に記載の車両の走行支援装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記予定外ユーザからの入力に基づいて、前記待機可能時間を演算する請求項7に記載の車両の走行支援装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記車両に乗車する全てのユーザの出発意思を確認した場合には、前記車両を発進させる発進許可情報を出力する請求項1~8のいずれか一項に記載の車両の走行支援装置。
【請求項10】
前記車両に再乗車しないと判定された前記予定外ユーザの降車地を前記車両の運行計画から削除し、新たな運行計画を立案して更新する運行計画更新部をさらに備える請求項1~9のいずれか一項に記載の車両の走行支援装置。
【請求項11】
前記運行計画更新部は、前記運行計画を更新した場合に、前記車両に乗車中のユーザの降車地への到着予定時間が、所定値以上遅くなるか又は早くなるときは、当該ユーザに対して更新された到着予定時間を通知する請求項10に記載の車両の走行支援装置。
【請求項12】
複数のユーザが乗降するとともに予め立案された運行計画にしたがって走行する車両と、前記車両の走行支援装置と、前記ユーザが所有する端末装置と、を含む車両の走行支援システムであって、
前記車両の走行支援装置は、
少なくとも前記ユーザの固有識別子及び降車地を含む予約情報を記憶する記憶部と、
少なくとも前記車両の停車地と、前記車両に乗降する前記ユーザの固有識別子とを検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記車両の停車地と、前記センサにより検出された当該停車地において降車した前記ユーザの固有識別子と、前記記憶部に記憶された予約情報に含まれる前記ユーザの固有識別子及び降車地とに基づいて、前記予約情報に含まれる降車地以外の前記停車地で降車した予定外ユーザを特定する特定部と、
前記予定外ユーザに前記車両に再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する前記予定外ユーザからの入力に基づいて前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定する判定部と、
前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定した場合には、前記停車地から前記車両を発進させる発進許可情報を前記車両に出力する出力部と、を備える車両の走行支援システム。
【請求項13】
複数のユーザが乗降するとともに予め立案された運行計画にしたがって走行する車両の走行支援方法であって、
少なくとも前記ユーザの固有識別子及び降車地を含む予約情報を記憶し、
少なくとも前記車両の停車地と、前記車両に乗降する前記ユーザの固有識別子とを検出し、
検出された前記車両の停車地と、当該停車地において降車した前記ユーザの固有識別子と、記憶された前記予約情報に含まれる前記ユーザの固有識別子及び降車地とに基づいて、前記予約情報に含まれる降車地以外の前記停車地で降車した予定外ユーザを特定し、
前記予定外ユーザに前記車両に再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する前記予定外ユーザからの入力に基づいて前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定し、
前記予定外ユーザは前記車両に再乗車しないと判定した場合には、前記停車地から前記車両を発進させる発進許可情報を出力する車両の走行支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザが乗降する車両の走行支援装置、車両の走行支援システム及び車両の走行支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドライバレス輸送サービスを提供する自動運転車両を発進させる際、ユーザの利用者認証が成立し、かつユーザの出発意思が確認されると、車両の発進を許可する自動運転車両が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-36228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の自動運転車両では、ユーザの利用者認証に加えてユーザの出発意思の確認を発進許可条件にしているため、予約した降車地以外で降車したユーザがいると、そのユーザの出発意思の確認ができるまで車両を発進できず、車両の燃料その他のエネルギーが浪費されるという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、予約した降車地以外で降車したユーザがいても、車両のエネルギーの浪費を抑制することができる車両の走行支援装置、車両の走行支援システム及び車両の走行支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、予約情報に含まれる降車地以外の停車地で降車した予定外ユーザを特定した場合に、当該予定外ユーザに、車両に再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する予定外ユーザからの入力に基づいて予定外ユーザは車両に再乗車しないと判定し、予定外ユーザは車両に再乗車しないと判定した場合には、停車地から車両を発進させる発進許可情報を出力することで上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予約した降車地以外で降車したユーザがいても、車両のエネルギーの浪費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の車両の走行支援システムにおいて、ユーザが車両を利用するシーンの一例を示す説明図である。
図2】本発明に係る車両の走行支援装置及び方法を用いた車両の走行支援システムを示すブロック図である。
図3図1において車両を利用するユーザが、停車地において車両から降車するシーンの一例を示す説明図である。
図4A】ユーザが所持する端末装置の表示画面の一例を示す図である。
図4B】車両の車載制御装置の表示画面の一例を示す図である。
図5】ユーザが所持する端末装置の表示画面の他の例を示す図である。
図6A】ユーザが所持する端末装置の表示画面のさらに他の例を示す図(その1)である。
図6B】ユーザが所持する端末装置の表示画面のさらに他の例を示す図(その2)である。
図7】ユーザが所持する端末装置の表示画面のさらに他の例を示す図である。
図8図1において停車した車両が、停車地から発進するシーンの一例を示す説明図である。
図9図2の走行支援装置にて実行される制御処理例を示すフローチャートである。
図10図9のステップS4で実行される、サブルーチンの一例を示すフローチャートである。
図11図10のステップS47で実行される、サブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る車両の走行支援装置及び方法は、ユーザの固有識別及び降車地を含む予約情報を記憶し、車両の停車地と当該停車地において降車したユーザの固有識別子を検出し、ユーザの予約情報に含まれるユーザの固有識別子及び降車地とに基づいて、予約した降車地以外の停車地で降車した予定外ユーザがいたら当該予定外ユーザを特定する。そして、特定した予定外ユーザに対して車両に再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する予定外ユーザからの入力に基づいて予定外ユーザは車両に再乗車しないと判定し、予定外ユーザは車両に再乗車しないと判定した場合には、停車地から車両を発進させるものである。
【0010】
以下、本発明に係る車両の走行支援装置及び方法を用いた車両の走行支援システムSを例に本発明を説明する。本実施形態の車両の走行支援システムSは、複数のユーザから車両の利用予約を受け付けし、ユーザの利用予約情報に含まれる乗車地、乗車時刻、降車地、降車時刻に応じて車両の走行経路を含む運行計画を設定する。この運行計画に基づいて、順次ユーザを相乗りさせていき、ユーザを乗車地から降車地まで輸送するシステムであり、たとえば無人タクシー、有人タクシー、自律走行機能を備えた営業用車両といった車両を利用するものである。以下においては、無人タクシーによる輸送サービスに適用した例で本例のシステムを説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の車両の走行支援システムSにおいて、ユーザが車両V(無人タクシー)を利用するシーンの一例を示す説明図である。本実施形態の車両の走行支援システムSでは、複数のユーザU(U1,U2,U3を総称する)が、ユーザUが所持する端末装置2のアプリケーションソフトウェアを操作し、ユーザUが希望する乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地、降車時刻などの予約情報を入力すると、これを受け付けた走行支援装置1は、複数用意された車両の中から当該ユーザUの要求に対応可能な車両Vを抽出するとともに運行計画を設定し、その車両Vに対して、最初に乗車するユーザUが設定した乗車時刻に乗車地へ向かうように指令する。車両Vは、運行計画に基づいてユーザUが設定した乗車地で各ユーザUを乗車させたのち、それぞれのユーザUが設定した降車地へ走行制御し、当該降車地で各ユーザUを降車させる。
【0012】
たとえば、図1に示すシーンは、3人のユーザU1,U2,U3が、1台の車両Vに相乗りして乗車する場合を示すものである。一のユーザU1が、乗車地P2(乗車時刻t2)から降車地P3(降車時刻t3)まで輸送する要求を走行支援装置1へ出力し、走行支援装置1がこのユーザU1からの利用要求を受け付ける。同様に、他のユーザU2が、乗車地P4(乗車時刻t4)から降車地P5(降車時刻t5)まで輸送する要求を出力し、さらに他のユーザU3が乗車地P6(乗車時刻t6)から降車地P7(降車時刻t7)まで輸送する要求を出力し、走行支援装置1でこれらユーザU2,U3の利用要求を受け付けたとする。なお、3人のユーザU1,U2,U3の乗車地P2,P4,P6及び降車地P3,P5,P7は重ならず、待機ステーションP1にて待機中の1台の車両Vにより、3人のユーザU1,U2,U3の利用要求に対応するものとする。
【0013】
このようなシーンにおいて、走行支援装置1は、ユーザU1,U2,U3が予約情報として設定した乗車地P2,P4,P6及び降車地P3,P5,P7を経由する走行経路R1→R2→R3→R4→R5(点線参照)を演算する。次に、演算した走行経路に基づいて、車両Vの運行計画を立案する。車両Vは、乗車時刻t2に乗車地P2でユーザU1を乗車させ、走行経路R1を走行して乗車時刻t4までに乗車地P4へ行き、ユーザU2を乗車させたのち、走行経路R2を走行して乗車時刻t6までに乗車地P6へ行きユーザU3を乗車させる。続いて、走行経路R3を走行して降車時刻t3までに降車地P3へ行き、ユーザU1を降車させ、走行経路R4を走行して降車時刻t5までに降車地P5へ行きユーザU2を降車させたのち、走行経路R5を走行して降車時刻t7までに降車地P7へ行きユーザU3を降車させる。このように、運行計画が設定されると、走行支援装置1は、利用予約が受け付けられたユーザU1,U2,U3の端末装置2へ乗車地、乗車時刻、降車地、降車時刻といった車両Vの利用情報を送信する。これにより、ユーザU1,U2,U3は、各々が予約情報として設定した乗車地から車両Vに乗車し、予約情報として設定した降車地で車両Vから降車することができる。
【0014】
しかしながら、これらのユーザUが、予約情報として設定した通りの降車地で降車すれば何ら問題はないが、自分が予約した降車地へ向かうまでの間、他のユーザUが設定した降車地を経由した際に、予約した降車地以外の停車地で降車したいと考える場合も少なくない。たとえば、急用ができ、予約した降車地より手前の停車地で降車する必要が生じたり、他のユーザUが設定した降車地の付近にある施設へ立ち寄りたくなったりすることがある。
【0015】
このような場合に、予約情報と異なる降車地で降車したユーザUが、降車したまま車両Vに戻らなかったとすると、車両Vは、当該ユーザUの出発意思の確認ができるまで待機状態となったり、当該ユーザUの降車地を経由する必要がなくなったにもかかわらず、当初の運行計画に基づいて遠回りで走行したりすることになる。そのため、本実施形態の走行支援装置1では、予約した降車地以外の停車地で降車した予定外ユーザUIを特定し、当該予定外ユーザUIに、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する予定外ユーザUIからの入力に基づいて予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定し、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定した場合には、停車地から車両Vを発進させる。以上のことを前提に、本実施形態の車両の走行支援システムSを説明する。
【0016】
図2は、本実施形態に係る車両の走行支援システムSを示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の車両の走行支援システムSは、走行支援装置1と、複数のユーザUがそれぞれ所持する端末装置2と、複数のユーザUに利用される複数の車両Vがそれぞれ有する車載制御装置3と、を備える。図2において、一つの端末装置2と一つの車載制御装置3のみを示すが、本実施形態の車両の走行支援システムSを構成する端末装置2及び車載制御装置3のそれぞれの台数は、特に限定されない。
【0017】
走行支援装置1は、通信部13を備え、端末装置2は通信部22を備え、車載制御装置3は通信部32を備え、インターネットなどの電気通信回線網NWを介して相互に情報の送受信が可能とされている。なお、通信経路は有線であっても無線であってもよい。
【0018】
端末装置2は、車両の予約プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、各機能を実行させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。また、端末装置2は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型端末又はPDA(Personal Digital Assistant)その他の可搬型の端末装置であってもよい。
【0019】
また、端末装置2は、ユーザUによる車両Vの利用の制御処理を実行する制御部21と、走行支援装置1又は車載制御装置3などの外部装置と通信を行う通信部22と、ユーザUが車両Vの利用を求める利用要求などの情報を入力する入力部23と、ユーザUに情報を通知するための表示部24と、端末装置2の位置を検出する位置検出部25と、を備える。
【0020】
制御部21は、ユーザUが車両Vを利用するための機能を有する。具体的には、制御部21は、ユーザUが車両Vの利用を求める利用要求などの入力情報を受け付けし、通信部22を介して走行支援装置1に送信する。このような利用要求には、ユーザUの固有識別子(以下、ID情報という)、ユーザUの現在の位置情報、ユーザUが設定した乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地及び降車時刻などの情報が含まれる。
【0021】
たとえば、図1に示すユーザU1が、入力部23を操作し、乗車時刻t2に乗車地P2で車両Vに乗車し、降車時刻t3に降車地P3で車両Vを降車するといった予約処理を行った場合に、制御部21は、乗車地P2の位置情報(緯度及び経度)、乗車時刻t2、降車地P3の位置情報(緯度及び経度)、降車時刻t3を利用要求に含めて、通信部22を介して走行支援装置1に送信する。これにより、走行支援装置1において、ユーザU1が希望する車両Vを利用するための予約処理が開始される。なお、車両Vの予約処理については後述する。
【0022】
また、制御部21は、ユーザUが車両Vに乗車して利用を開始する際や、車両Vから降車して利用を終了する際に、近距離無線通信等により通信部22を介して走行支援装置1及び車載制御装置3と通信し、ユーザUの認証処理を実行する。認証処理は、制御部21から出力されるユーザUのID情報等を用いて、認証操作を行った端末装置2が、利用要求を送信した端末装置2であるか否かを判定する。
【0023】
入力部23は、たとえば、ユーザUの手入力操作が可能なディスプレイ画面上に配置されるタッチパネル又はジョイスティックや、ユーザUの音声入力が可能なマイクロフォン及び音声認識装置などを用いることができる。表示部24としては、ディスプレイなどが挙げられ、タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、入力部23と兼用することができる。ユーザUは、入力部23を介して、ユーザUのID情報、乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地、降車時刻などの情報を走行支援装置1に送信することができる。
【0024】
位置検出部25は、いわゆるGPS(Global Positioning System)受信機などの位置検出装置であり、端末装置2を操作するユーザUの現在の位置情報を取得し、取得した位置情報を、通信部22を介して走行支援装置1に送信する。ユーザUの位置情報は、走行支援装置1において運行計画を立案する際や、後述するユーザUの降車確認処理に利用される。
【0025】
車載制御装置3は、ユーザUによる車両Vの利用の制御処理を実行する制御部31と、走行支援装置1や端末装置2などの外部装置と通信を行う通信部32と、ユーザUが情報を入力するための入力部33と、ユーザUに情報を通知するための表示部34と、GPS受信機などから構成される位置検出部35と、車両Vの走行制御処理を実行する走行制御部36と、を備える。
【0026】
制御部31は、位置検出部35を用いて取得した車両Vの現在の位置情報を、通信部32を介して、走行支援装置1に送信する。さらに、制御部31は、ディスプレイなどの表示部34を用いて走行支援装置1から送信された情報を、乗車中のユーザUに通知する。入力部33は、ユーザUの手動操作による入力が可能なボタンスイッチ、ディスプレイ上のタッチパネル、ユーザUの音声による入力が可能なマイクロフォンなどを用いることができ、タッチパネル・ディスプレイを用いて表示部34と兼用してもよい。
【0027】
制御部31は、走行支援装置1で立案される運行計画を、通信部32を介して受信すると、この運行計画に基づいて走行制御部36を制御し、車両Vを走行させる。本実施形態の走行制御部36は、自律走行制御機能を備える。自律走行制御機能は、走行制御部36が自車両の走行をドライバーの操作に依ることなく自律制御するための機能である。走行制御部36の自律走行制御機能は、自車両の走行速度を自律制御する自律速度制御機能と、自車両の操舵を自律制御する自律操舵制御機能とを含む。ドライバーの操作に依ることなく自律制御することには、一部の操作をドライバーにより行うことも含まれる。なお、走行制御部36の自律走行制御機能は、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて全ての操作をドライバーにより行ってもよい。
【0028】
また、制御部31は、ユーザUが車両Vを利用する際に、端末装置2により認証操作を行った場合には、通信部32を介して走行支援装置1及び端末装置2と通信し、ユーザUの認証処理を実行する。制御部31は、認証操作を行った端末装置2が、利用要求を送信した端末装置2であると判定した場合には、ユーザUを車両Vに乗車させる。認証操作を行った端末装置2が、利用要求を送信した端末装置2でないと判定した場合には、表示部34などを用いて、当該車両VはユーザUが利用予約した車両ではないことを通知する。ユーザUが車両Vを降車する際も同様に、ユーザUが端末装置2により認証操作を行うと、制御部31は、ユーザUの認証処理を実行する。
【0029】
走行支援装置1は、無人タクシーなどの車両の走行支援システムSのサーバとして機能し、車両Vの周辺情報を検出するセンサ11と、通信部により受信した情報、登録されたユーザUに関する情報、利用予約に関する情報、車両Vの情報、車両Vが走行する地域(輸送サービスの範囲)の地図データ、車両Vの運行計画などを記憶する記憶部12と、端末装置2及び車載制御装置3と相互に通信可能な通信部13と、システムを管理運営するための制御処理を実行する制御部14と、を備える。
【0030】
センサ11は、車両Vが停車する停車地と、当該停車地で乗降するユーザUを検出する。たとえば、センサ11は自車両の前方、左右の側方、後方をそれぞれ撮像するカメラ、自車両の車内を撮像する車内カメラ、自車両から乗降する人物を検出するセンサなどであり、実際には車両Vに備えられる。センサ11は、主として前方カメラなどにより検出した情報と、通信部13を介して車載制御装置3から受信した、車両Vの現在の位置情報とから、車両Vが現在停車している停車地を特定し、特定部142に出力する。
【0031】
また、センサ11は、車内カメラやセンサなどにより検出した情報と、通信部13を介して端末装置2から受信した、ユーザUの現在の位置情報とから、車両Vが現在停車している停車地において降車したユーザUを検出する。センサ11は、検出したユーザUのID情報を特定して、特定部142に出力する。たとえば、ユーザUが車両Vから降車する際、端末装置2により認証操作が行われた場合には、センサ11は、通信部13を介して認証操作を行ったユーザUのID情報を取得し、これにより当該ユーザUのID情報を特定する。
【0032】
記憶部12は、車両情報と、ユーザUから受け付けた利用予約情報と、車両Vの運行計画とを少なくとも記憶する。ここで、車両情報とは、各車両Vに関する情報であり、車両VのID情報、車種、搭乗可能人数、電力残容量、故障情報などが含まれる。また、利用予約情報とは、各ユーザが車両Vを利用するために端末装置2から送信された情報であり、ユーザUのID情報、ユーザUが設定した乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地及び降車時刻などを示す情報が含まれる。車両Vの運行計画は、後述する運行計画部141により立案され、車両Vが輸送サービスを行って走行する地域の道路や建築物などを含む、地図データとともに記憶される。
【0033】
制御部14は、車両Vによる輸送サービスを管理支援する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、走行支援装置1として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備える。制御部14の運行計画部141、特定部142、判定部143、発進判断部144、出力部145及び運行計画更新部146は、ROMに格納されたプログラムを実行することで、走行支援装置1としての運行計画機能、降車処理機能、発進判断機能、通知機能といった各種機能を実現する。
【0034】
運行計画部141は、通信部13を介して、車両Vの利用要求を端末装置2から受信する。上述したように、車両Vの利用要求には、ユーザUのID情報、ユーザUが設定した乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地及び降車時刻などの情報が含まれる。運行計画部141は、端末装置2から送信された利用要求に応じて、ユーザUが設定した乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地及び降車時刻の予約処理を行う。
【0035】
たとえば、運行計画部141は、複数のユーザUが希望する乗車地、乗車時刻、乗車人数、降車地及び降車時刻に対応できる利用可能な車両Vを検索する。利用可能な車両Vがある場合には、この車両Vを確保すべく、利用予約が確定した旨を、各ユーザUから受け付けた利用要求情報とともに記憶部12に登録する。このとき、運行計画部141は、各ユーザUの希望を満足する車両Vの走行経路を演算し、各ユーザUの利用要求に対応する乗車地、乗車時刻、降車地及び降車時刻の設定を含む運行計画を立案する。運行計画部141は、立案した車両Vの運行計画を記憶部12に記憶する。
【0036】
運行計画部141により、ユーザUの利用予約が確定し、車両Vの運行計画が設定されると、これを受けて出力部145は、通信部13を介して車載制御装置3へ車両Vの運行計画を送信する。また、出力部145は、通信部13を介して車両Vの利用情報を各ユーザUの端末装置2へ送信する。図1に示すユーザU1の例でいうと、出力部145からユーザU1の端末装置2に送信される車両Vの利用情報には、ユーザU1の車両Vの利用予約が確定した旨、ユーザU1の乗車地P2、乗車時刻t2、乗車人数、降車地P3及び降車時刻t3などが含まれる。
【0037】
車両Vの運行計画を受信した車載制御装置3は、制御部31及び走行制御部36からの指令により車両Vを制御して、最初に乗車するユーザU1が設定した乗車時刻t2に間に合うように乗車地P2への走行を開始させる。車載制御装置3は、位置検出部35により車両Vの現在の位置情報を走行支援装置1へ送信しながら、運行計画に基づいて車両Vを制御し、乗車地P2でユーザU1を、乗車地P4でユーザU2を、乗車地P6でユーザU3を乗車させ、各ユーザUが設定した降車地まで輸送する。
【0038】
ユーザUの設定した降車地で車両Vが停車し、ユーザUの降車が確認されると、特定部142及び判定部143は、当該停車地で車両Vから降車したユーザUに対して降車確認処理を行う。まず、特定部142は、センサ11から受信した、降車したユーザUのID情報に基づいて記憶部12に記憶された利用予約情報を検索し、当該ユーザUが設定した降車地を特定する。次に、センサ11から受信した、車両Vの停車地と、特定したユーザUの降車地を照合し、当該ユーザUが利用要求通りに降車したか否かを判定する。そして、車両Vの停車地において降車したユーザUが、利用要求通りに降車していない場合には、当該ユーザを予定外ユーザUIとして特定する。予定外ユーザUIとは、すなわち利用要求で設定した降車地以外の停車地で降車したユーザUである。予定外の行動をしたという意味で予定外ユーザUIと称する。
【0039】
図3は、図1に示すユーザU1が設定した降車地P3において、車両Vが停車したシーンである。たとえば、図3で示すシーンでいうと、特定部142は、センサ11により検出した車両Vの停車地(降車地P3)の情報と、降車地P3で降車したユーザU1,U2のID情報を取得する。特定部142は、降車したユーザU1,U2のID情報から、ユーザU1,U2が利用要求で設定した降車地を特定する。ここで、ユーザU1については、車両Vの停車地(降車地P3)と、ユーザU1が設定した降車地P3が一致するので、特定部142は、ユーザU1が利用要求通りに降車したと判定し、ユーザU1を車両Vから降車させる。これに対して、ユーザU2については、車両Vの停車地(降車地P3)と、ユーザU2が設定した降車地P5が一致しないので、特定部142は、ユーザU2が利用要求通りに降車していないと判定する。そして、利用要求通りに降車していないユーザU2を、予定外ユーザUIとして特定する。特定部142は、予定外ユーザUIを特定すると、当該予定外ユーザUIのID情報及び利用要求情報を、判定部143に送信する。なお、図3に示す予定外ユーザUIaは、予定外ユーザUIとして特定されたユーザU2が所定値D1の位置から所定値D2の位置まで移動したシーンを示している。所定値D1,D2については後述する。
【0040】
特定部142により、予定外ユーザUIが特定されると、判定部143は、当該予定外ユーザUIに対して、車両Vに再乗車するか否かを確認するための制御を実行する。たとえば、判定部143は、出力部145及び通信部13を介して、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を、予定外ユーザUIの端末装置2に送信する。なお、本実施形態では、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を、メッセージ形式で端末装置2又は車載制御装置3に送信し、予定外ユーザUIから返信される例を適用して説明するが、確認通知の出力及び予定外ユーザUIからの入力の形態は、車両などに設けたスピーカを用いて音声出力したり、ディスプレイに文字を表示したりするなど、端末装置2などの通信手段を媒介しない形態としてもよい。
【0041】
判定部143は、図3に示すシーンように、予定外ユーザUIが車両Vから所定値D1以上離れた場合に、車両Vに再乗車するか否かの再乗車確認通知を送信する。所定値D1は、特に限定されないが、たとえば車両Vから1.5メートルなど、ある程度の距離を有することが望ましい。予定外ユーザUIとして特定されたユーザU2が、他のユーザU(ここではユーザU1)を降車させるため席を譲る場合や、車外に落ちた落下物を拾う場合など、一時的に降車したときにまで逐次、再乗車確認通知が送信されると、予定外ユーザUIが煩わしく感じることがあるからである。
【0042】
図4Aは、再乗車確認通知を、予定外ユーザUIの端末装置2に表示した表示画面の一例を示す図である。図4Aに示す表示例は、図3に示すシーンにおいて、予定外ユーザUIと特定された、ユーザU2が所持する端末装置2のディスプレイに表示する画像を示すものである。表示画像の形態は、特に限定されないが、たとえば、「再度乗車しますか」などの質問文24aと、それに対するユーザU2の意思を確認する「はい/いいえ」などの回答ボタン部24bが表示される。この表示情報を、端末装置2に送信することで、予定外ユーザUIが車両Vに再度乗車するか否かの意思を確認することができる。すなわち、予定外ユーザUIは、「はい/いいえ」の回答ボタン部24bのいずれかを選択することで、車両Vに再度乗車するか否かの意思を示す。予定外ユーザUIが「はい/いいえ」のいずれかの回答ボタン部24bを選択すると、予定外ユーザUIからの入力情報は、通信部13を介して判定部143に受信される。
【0043】
判定部143は、再乗車確認通知を、車両Vの車載制御装置3に送信してもよい。図4Bは、再乗車確認通知を、車両Vの車載制御装置3に表示した表示画面の一例を示す図である。図4Bに示す表示例は、図3に示すシーンにおいて、降車地P3に停車する車両Vの、たとえばドア付近等に設けられたディスプレイ34に表示する画像を示すものである。判定部143は、予定外ユーザUIとして特定したユーザU2が、車両Vから降車する際に、再乗車確認通知を表示させる。予定外ユーザUIが車両Vから離れる前に、再乗車確認通知が表示されると、誤って利用要求と異なる降車地で降車しようとする予定外ユーザUIに、注意喚起することができる。
【0044】
ディスプレイ34に表示する表示画像の形態は、特に限定されないが、予定外ユーザUIが所持する端末装置2の表示情報と同様に、たとえば「再度乗車しますか」などの質問文34aと、それに対するユーザU2の意思を確認する「はい/いいえ」などの回答ボタン部34bが表示される。予定外ユーザUIは、「はい/いいえ」の回答ボタン部34bのいずれかを選択することで、車両Vに再度乗車するか否かの意思を示し、予定外ユーザUIが「はい/いいえ」のいずれかの回答ボタン部34bを選択すると、予定外ユーザUIからの入力情報は、通信部13を介して判定部143に受信される。
【0045】
なお、再乗車確認通知は、ユーザUが所持する端末装置2又は車両Vの車載制御装置3のいずれか一方に表示されてもよいし、端末装置2と車載制御装置3の双方に表示されてもよい。また、一のユーザUの利用要求に対して複数人で利用予約している場合など、必要に応じて複数の端末装置2に表示されてもよい。これにより、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を予定外ユーザUIに対して適切に表示することができる。
【0046】
また、車両Vに再乗車するか否かを確認する表示画面の形態は、「再度乗車します/再度乗車しません」などの予定外ユーザUIの意思を確認する回答ボタン部等のみで構成されてもよく、「再度乗車する場合は画面をタップしてください」などの予定外ユーザUIに特定の行動を促す内容等で構成されてもよい。予定外ユーザUIの意思を確認する方法としては、ディスプレイに表示されたアイコンなどを押下する構成としてもよく、マイクロフォンなどを用いて音声入力により応答する構成としてもよい。
【0047】
判定部143は、再乗車確認通知に対して、予め定めた所定時間、予定外ユーザUIからの入力情報を受信しない場合には、車両Vに再乗車する意思がないものとして、当該予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定してもよい。所定時間は、特に限定されないが、たとえば3分など、少なくとも予定外ユーザUIが、車両Vから降車を完了するまでの時間である。これにより、予定外ユーザUIに対して実行する降車処理の時間を短縮することができる。
【0048】
再乗車確認通知に対して、予定外ユーザUIからの入力情報を受信しない、すなわち予定外ユーザUIから何ら返信を得られない場合もあるので、表示画面の形態として、再乗車確認通知とともに、返信がない場合の制御情報を表示してもよい。たとえば、図5に示すように、「再度乗車しますか」などの質問文24aと、ユーザU2の意思を確認する「はい/いいえ」などの回答ボタン部24bとともに、「3分以内に応答がない場合は降車地予約をキャンセルします。車両は待機せず発進します」などの注意を促す内容24cを表示する。
【0049】
また、判定部143は、車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れた場合には、車両Vに再乗車する意思がないものとして、当該予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定してもよい。予め定めた所定時間内であっても、予定外ユーザUIが車両Vから相当距離、離れた場合には車両Vまで戻らない可能性があるからである。所定値D2は、特に限定されないが、図3に示すシーンのように所定値D1より大きく、たとえば車両Vから30メートルなど、一時的な降車でないと判別がつく、ある程度の距離を有することが望ましい。車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れたので、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定した場合には、図6Bに示す、「再度乗車しますか」という質問文24aに対して、予定外ユーザUIが「いいえ」の回答ボタン部24bを選択したシーンと同様に、「車両は待機せず発進します」などの注意を促す内容24fの表示とともに、「降車地予約をキャンセルします」などの予約解消表示24gを表示する。
【0050】
これらの表示情報により、再乗車確認通知に対して、予定外ユーザUIから返信がある場合にも、明確な返信がない場合にも、判定部143は、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車するか否かを判定することができる。さらに、再乗車確認通知に対して所定時間以内に予定外ユーザUIから返信がない場合や、車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れた場合に、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定して車両を発進させる旨を表示することにより、予定外ユーザUIに注意を促すことができる。予定外ユーザUIが車両Vに再乗車するか否かの判定結果は、発進判断部144に出力される。
【0051】
判定部143は、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車すると判定した場合には、車両Vの待機可能時間を演算する。待機可能時間とは、停車地で車両Vを待機させることができる時間であり、具体的には予定外ユーザUIが車両Vに再乗車すると判定されてから、実際に車両Vに再度乗車するまでの時間である。待機可能時間は、特に限定されないが、たとえば3分など、予め定めた所定時間に設定してもよい。また、車両Vと予定外ユーザUIとの距離を検出し、当該距離と予定外ユーザUIの歩行速度とから、予定外ユーザUIが現在いる位置から車両Vまで戻ることができる程度の時間を演算し、待機可能時間を更新してもよい。判定部143は、予定外ユーザUIが車両Vに再度乗車すると判定した判定結果とともに、この待機可能時間の情報を、発進判断部144に出力する。
【0052】
発進判断部144は、判定部143により、待機可能時間の情報を受信すると、出力部145及び通信部13を介して、予定外ユーザUIが所持する端末装置2に、待機可能時間情報を送信する。
【0053】
図6Aは、図4Aの表示情報に対して、予定外ユーザUIから情報が入力された場合の表示画面の一例を示す図である。図6Aの左図は、「再度乗車しますか」という質問文24aに対して、予定外ユーザUIが「はい」の回答ボタン部24bを選択したシーンである。たとえば、図6Aの右図に示すように、車両Vが現在の停車地から発車する発車予定時刻24dの表示とともに、「待機可能時間 残り5分」などの時間情報24eを、端末装置2に表示させる。これにより、予定外ユーザUIは、車両Vに再乗車するまでの時間情報を確認することができる。
【0054】
また、発進判断部144は、出力部145及び通信部13を介して、待機可能時間の情報を車載制御装置3に送信する。これを受信した車載制御装置3は、制御部31及び走行制御部36からの指令信号により車両Vを制御して、設定された待機可能時間が経過するまで停車地で車両Vを停車させる。
【0055】
これに対して、判定部143は、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車しないと判定した場合には、当該予定外ユーザUIが利用要求で設定した降車地及び降車時刻の情報を、運行計画更新部146に出力する。これを受信した運行計画更新部146は、車両Vの運行計画から、車両Vに再度乗車しない予定外ユーザUIの降車地及び降車時刻の情報を削除し、車両Vの新たな運行計画を演算する。予定外ユーザUIが車両Vに再乗車しない場合とは、具体的には、再乗車確認通知に対して予定外ユーザUIから「再乗車しない」との返信を受信した場合、再乗車確認通知に対して所定時間以内に予定外ユーザUIからの返信がない場合及び車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れた場合である。このように、予定外ユーザUIの実際の動向に基づいて再乗車するか否かを判断することにより、車両に再乗車しない場合を適切に判定することができる。
【0056】
図3に示すシーンでいうと、予定外ユーザUIと特定されたユーザU2が車両Vに再度乗車しない場合には、ユーザU2が利用要求で設定した降車地P5及び降車時刻t5の情報を運行計画から削除する。このとき、図1に示すように、降車地P5を経由する走行経路R4,R5を削除して、ユーザU1の降車地P3からユーザU3の降車地P7にいたる新たな走行経路R6を設定するとともに、降車時刻t7への到着時刻を演算する。これを当初立案した車両Vの運行計画に反映して更新する。これにより、車両Vに再度乗車しない予定外ユーザUIがいても、当該予定外ユーザUIの降車地を経由した場合の走行エネルギー相当を低減することができる。運行計画更新部146は、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車しないと判定した判定結果とともに、この更新された新たな運行計画を発進判断部144に出力する。
【0057】
なお、運行計画更新部146による新たな運行計画の設定は、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて省略してもよい。たとえば、予定外ユーザUIとして特定されたユーザU2の降車地P5及び降車時刻t5の利用要求の設定のみを解除し、走行経路R4,R5を走行する当初立案した運行計画をそのまま用いてもよい。この場合には、運行計画を演算する演算負荷を軽減することができる。
【0058】
発進判断部144は、出力部145及び通信部13を介して、新たな運行計画を車載制御装置3に送信する。これを受信した車載制御装置3は、制御部31及び走行制御部36からの指令信号により、車両Vを自律走行制御して、更新された運行計画に基づいて車両Vを走行させる。
【0059】
また、発進判断部144は、運行計画から削除された予定外ユーザUIの降車地及び降車時刻の情報を受信すると、出力部145及び通信部13を介して、予定外ユーザUIが所持する端末装置2に、利用要求で設定した降車地及び降車時刻の予約を解除する旨の通知を送信する。
【0060】
図6Bの左図は、図4Aで示す「再度乗車しますか」という質問文24aに対して、予定外ユーザUIが「いいえ」の回答ボタン部24bを選択したシーンである。たとえば、図6Bの右図に示すように、「車両は待機せず発進します」などの注意を促す内容24fの表示とともに、「降車地予約をキャンセルします」などの予約解消表示24gを表示させる。
【0061】
なお、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車しないと判定した場合には、車両Vに再乗車すると判定した場合の待機可能時間より短い時間、たとえば2分の待機可能時間を設定し、当該待機可能時間の経過後に、運行計画から予定外ユーザUIの降車地及び降車時刻の情報を削除して、予約解消表示24gを表示させてもよい。また、車両Vの待機可能時間を設けずに、直ちに運行計画から予定外ユーザUIの降車地及び降車時刻の情報を削除して、予約解消表示24gを表示してもよい。これにより、車両Vに再乗車するか否かの確認通知に対する、予定外ユーザUIの返信内容に応じた適切な待機可能時間を設定することができる。
【0062】
また、発進判断部144は、新たな運行計画が設定されたことにより、利用要求で設定した降車時刻の予約が所定時間以上、変更となるユーザUに対して利用情報更新の通知を行う。所定時間は、特に限定されないが、たとえば5分などある程度まとまった時間であることが好ましい。1分,2分といった僅かな時間の通知は、ユーザUにとって必ずしも必要ではないからである。必要に応じて、利用情報更新の通知は省略されてもよい。発進判断部144は、出力部145及び通信部13を介して、更新された降車地への到着予定時刻を、当該ユーザUの端末装置2に送信する。
【0063】
図7に示す表示例は、図1に示すシーンにおいて、新たな運行計画(走行経路R6)の設定により降車時刻t7が変更された、ユーザU3が所持する端末装置2のディスプレイに表示する画像を示すものである。表示画像の形態は、特に限定されないが、たとえば、「降車地への到着予定時刻が更新されました」などの更新情報24hとともに、車両Vが降車地P7へ到着する到着予定時刻の表示24iを、端末装置2に表示させる。これにより、新たな運行計画が設定されたことで、降車時刻が更新されたユーザが、利用情報の変更状況を確認することができる。
【0064】
予定外ユーザUIが車両Vに再乗車するか否かの判定結果を受信すると、発進判断部144は、当該判定結果に応じて、車両Vを再度発進させるための制御を実行する。たとえば、発進判断部144は、出力部145及び通信部13を介して、車載制御装置3にユーザUの出発意思を確認する通知を送信する。より具体的には、判定部143により、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車すると判定され、車両Vの待機可能時間が設定された場合には、発進判断部144は、待機可能時間が経過すると、予定外ユーザUIと、車両Vに引き続き乗車する他のユーザUに対して出発意思確認処理を実行する。一方、判定部143により、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車しないと判定され、新たな運行計画が設定された場合には、発進判断部144は、引き続き乗車するユーザUに対して出発意思確認処理を実行する。
【0065】
図8は、ユーザUの出発意思を確認する出発意思確認通知を、車両Vの車載制御装置3に表示した表示画面の一例を示す図である。図8に示す表示例は、図3に示すシーンにおいて停車地(降車地P3)から発進しようとする車両Vの、たとえば座席付近に設けられたディスプレイ34に表示する画像を示すものである。
【0066】
ディスプレイ34に表示する表示画像の形態は、特に限定されないが、たとえば出発意思を示すアイコン34cが表示される。車両Vに乗車するユーザU2,U3は、アイコン34cを押下することで、車両Vの発進を許可する意思を示す。車両Vに乗車するユーザU2,U3が出発意思を示すアイコン34cを押下すると、ユーザU2,U3からの入力情報は、通信部13を介して発進判断部144に出力される。図8に示すシーンでは、予定外ユーザUIとして特定されたユーザU2は、アイコン34cを押下せず出発意思を示していない。これに対して、車両Vに継続して乗車するユーザU3は、アイコン34cを押下して出発意思を示している。
【0067】
出発意思確認通知に対して、車両Vに乗車するユーザU2,U3の何れもが、出発意思を示した場合には、発進判断部144は、車両Vの発進を許可する指令を、出力部145及び通信部13を介して車載制御装置3に送信する。そして、これを受信した車載制御装置3は、制御部31及び走行制御部36からの指令信号により、車両Vを自律走行制御して停車地(降車地P3)から発進させる。これにより、車両Vに乗車するユーザUの出発意思を確認し、安全に配慮して車両Vを発進させることができる。
【0068】
ユーザUに対する出発意思確認処理は、車両Vに乗車するユーザUの出発意思を確認できればよいので、出発意思確認通知を端末装置2に表示させてもよく、当該通知に代えて、車両Vの車内に設けたボタンスイッチを押下するものや、車両Vにおけるシートベルトの使用状況、ドアロック状態などを検出して判定するものでもよい。
【0069】
また、ユーザUに対する出発意思確認処理は、車両Vに乗車するすべてのユーザUに出発意思を確認してもよいし、予定外ユーザUIのみを対象としてもよい。たとえば、図8に示すシーンにおいて、発進判断部144は、予定外ユーザUIとして特定したユーザU2に対して出発意思確認処理を実行する。車両Vを降車していないユーザU3に対して、逐次、出発意思を確認したとすると、ユーザU3が煩わしさを感じることがあるからである。この場合には、発進判断部144は、たとえば、ユーザU2が車両Vに再度乗車した際の認証処理操作をもって出発意思の入力とすることができる。
【0070】
なお、ユーザUに対する出発意思確認処理は、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて省略してもよい。たとえば、判定部143により、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車しないと判定した場合や、車両Vの待機可能時間を経過しても予定外ユーザUIが車両Vに戻らなかった場合には、発進判断部144は、車両Vの発進を許可する指令を車載制御装置3に送信する。これにより、車両Vの待機時間を短縮することができ、車両のエネルギーの浪費を抑制するとともに、車両Vに継続して乗車するユーザUの輸送サービスを円滑に行うことができる。
【0071】
次に、図1に示すシーンを例に、走行支援装置1にて実行される輸送サービスの制御処理について説明する。図9図11は、走行支援装置1にて実行される走行支援制御処理の一例を示すフローチャートである。図9は、基本的な制御処理を示し、図10は、図9のステップS4のサブルーチンを示し、図11は、図10のステップS47のサブルーチンを示す。
【0072】
以下に説明する制御処理は、走行支援装置1により所定時間間隔で実行される。また、以下において車両Vは、車載制御装置3の自律走行制御機能により、自律走行制御が実行されているものとする。
【0073】
図9のステップS1において、走行支援装置1は、複数のユーザU1,U2,U3から車両の利用予約を受け付けする。ユーザUの利用予約情報には、少なくともユーザUのID情報、ユーザUが設定した乗車地、乗車時刻、降車地の情報が含まれる。利用予約が確定した場合は、ステップS2へ進む。
【0074】
ステップS2にて、運行計画部141は、各ユーザUの希望を満足する車両Vを抽出し、車両Vの走行経路、ユーザUの乗車地、乗車時刻、降車地及び降車時刻を含む運行計画を立案する。車両Vは、この運行計画に基づいて自律走行制御され、ユーザU1,U2,U3が設定した乗車時刻に乗車地へ向かう。
【0075】
ステップS3にて、走行支援装置1は、ユーザUの乗車確認を実行する。ユーザU1について説明すると、ユーザU1が設定した乗車地P2に車両Vが到着すると、ユーザU1の所持する端末装置2を用いてユーザU1の認証処理を実行する。認証処理が完了すると、車両VにユーザU1を乗車させる。続くステップS4にて、走行支援装置1は、後述するユーザUの降車確認処理を実行する。
【0076】
図9のステップS4では、ユーザUの降車確認の実行処理として、図10に示す処理が実行される。図1図3及び図8を参照して、ユーザUの降車確認処理を説明する。まず、ステップS41において、センサ11は、図3に示す降車地P3を車両Vの停車地として検出する。続くステップS42にて、センサ11は、当該停車地(降車地P3)で車両Vから降車したユーザU1,U2を検出し、当該ユーザU1,U2のID情報を特定する。
【0077】
ステップS43にて、特定部142は、降車地P3で車両Vから降車したユーザU1,U2のID情報を用いて、記憶部12に記憶された利用予約情報を検索し、ユーザU1,U2が設定した降車地を特定して、ステップS44へ進む。
【0078】
ステップS44にて、特定部142は、降車地P3で降車したユーザU1,U2が利用要求通りに降車したか否かを判定する。ユーザU1については、車両Vの停車地(降車地P3)と、ユーザU1が設定した降車地P3は一致するので、利用要求通りに降車したと判定し、ステップS45へ進む。これに対して、ユーザU2については、車両Vの停車地(降車地P3)と、ユーザU2が設定した降車地P5は一致しない。このため、特定部142は、ユーザU2が利用要求通りに降車していないと判定し、ユーザU2を予定外ユーザUIとして特定し、ステップS47へ進む。ステップS47では、後述する予定外ユーザUIの降車処理制御を実行する。
【0079】
ステップS44の判定の結果、ユーザUが利用要求通りに車両Vから降車したと判定した場合、ステップS47にて予定外ユーザUの降車処理を実行した場合には、発進判断部144は、ステップS45にて、車両Vに乗車するユーザUの出発意思を確認する。図8に示すシーンは、ステップS47にて後述する予定外ユーザUIの降車処理を実行し、図11に示すステップS471~ステップS475の処理を実行した場合における、ステップS45の処理である。発進判断部144は、車両Vに再乗車するユーザU2,車両Vに引き続き乗車するU3に対し、出発意思確認通知を送信する。ユーザU2,U3の何れもが、出発意思を示した場合には、ステップS46へ進み、車両Vを停車地(降車地P3)から発進させる。ユーザU2,U3の何れかが、出発意思を示していない場合には、すべてのユーザU2,U3の出発意思を確認するまで、所定時間、ステップS45を繰り返す。
【0080】
図10のステップS47では、予定外ユーザUIの降車確認の実行処理、図11に示す処理が実行される。まず、ステップS471にて、判定部143は、図3に示す、予定外ユーザUIとして特定されたユーザU2が車両Vから所定値D1以上離れると、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を送信する。続くステップS472にて、当該再乗車確認通知に対して予定外ユーザUIから返信があったか否かを判定する。再乗車確認通知に対して返信があった場合には、ステップS473へ進む。これに対して、返信がなかった場合には、ステップS476へ進む。
【0081】
ステップS472の判定の結果、再乗車確認通知に対して予定外ユーザUIから返信がないと判定した場合には、判定部143は、ステップS476にて所定時間、たとえば予め定めた3分などを経過したか否かを判定する。所定時間を経過した場合には、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車する意思がないものとして、車両Vに再乗車しないと判定し、ステップS477へ進む。これに対して、所定時間を経過していない場合には、ステップS479へ進み、車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れたか否かを判定する。車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れた場合には、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車する意思がないものとして、車両Vに再乗車しないと判定し、ステップS477へ進む。車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れていない場合には、ステップS476へ戻り、これ以降の処理を繰り返す。
【0082】
ステップS472の判定の結果、再乗車確認通知に対して予定外ユーザUIから返信があったと判定した場合には、ステップS473にて、判定部143は、当該予定外ユーザUIが車両Vに再度乗車するか否かを判定する。予定外ユーザUIが車両Vに再度乗車すると判定した場合には、ステップS474へ進む。これに対して、予定外ユーザUIが車両Vに再度乗車しないと判定した場合には、ステップS477へ進む。
【0083】
ステップS473の判定の結果、予定外ユーザUIが車両Vに再度乗車すると判定した場合には、発進判断部144は、ステップS474にて、車両Vの待機可能時間を演算し、予定外ユーザUIへ通知する。続くステップS475にて、待機可能時間を経過したか否かを判定し、待機可能時間を経過した場合には、ステップS45へ進む。待機可能時間を経過するまではステップS475を繰り返す。
【0084】
これに対して、ステップS476で所定時間を経過し、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定した場合、ステップS479で車両Vと予定外ユーザUIとの距離が所定値D2以上離れたので、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定した場合及びステップS473の判定の結果、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定された場合には、ステップS477にて、車両Vの運行計画から、当該予定外ユーザUIの降車地及び降車時刻の情報を削除する。続くステップS478にて、運行計画更新部146は、車両Vの新たな運行計画を演算し、ステップS45へ進む。発進判断部144は、新たな運行計画により、降車予定時刻が所定時間以上、変更となるユーザUに利用情報の更新を通知する。車両Vの新たな運行計画が設定された場合には、車両Vは、この新たな運行計画に基づいて自律走行制御される。
【0085】
以上の通り、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、少なくともユーザUのID情報及び降車地を含む予約情報を記憶し、少なくとも車両Vの停車地と、車両Vに乗降するユーザUの固有識別子(ID情報)とを検出し、検出された車両Vの停車地と、当該停車地において降車したユーザUの固有識別子(ID情報)と、記憶された予約情報に含まれるユーザUの固有識別子(ID情報)及び降車地とに基づいて、予約情報に含まれる降車地以外の停車地で降車した予定外ユーザUIを特定する。そして、当該予定外ユーザUIに、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を出力し、当該出力された確認通知に対する予定外ユーザUIからの入力に基づいて予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定し、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定した場合には、停車地から車両Vを発進させる発進許可情報を出力する。これにより、予約した降車地以外で降車したユーザがいても、当該ユーザが車両に再乗車しない場合には、車両を発進させるので、エネルギーの浪費を抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、車両Vは、自律走行制御を実行する走行制御部36を有し、出力部145は、発進許可情報を走行制御部36に出力するので、車両Vを自律走行により円滑に制御することができる。
【0087】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、判定部143は、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を、車両V又は予定外ユーザUIが所有する端末装置2に出力するので、当該確認通知を予定外ユーザUIに対して適切に表示することができる。
【0088】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、判定部143は、車両Vに再乗車するか否かの確認通知を、車両Vと予定外ユーザUIとの距離が第1所定値以上に離れた場合に出力するので、ユーザが車両から一時的に降車した場合にまで当該確認通知が送信されることを抑制することができる。
【0089】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、判定部143は、確認通知に対して予定外ユーザUIから車両Vに再乗車しないとの入力があった場合、又は確認通知に対して所定時間以内に予定外ユーザUIからの入力がない場合又は車両Vと予定外ユーザUIとの距離が第1所定値より大きい第2所定値以上に離れた場合には、予定外ユーザUIは車両Vに再乗車しないと判定する。これにより、予定外ユーザUIの実際の動向に基づいて、車両に再乗車しない場合を適切に判定することができる。
【0090】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、判定部143は、確認通知に対して所定時間以内に予定外ユーザUIからの入力がない場合、又は車両Vと予定外ユーザUIとの距離が第1所定値より大きい第2所定値以上に離れた場合には、車両Vに再乗車しないと判定して車両Vを発進させる旨の通知を、予定外ユーザUIに出力するので、予定外ユーザUIに注意を促すことができる。
【0091】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、判定部143は、予定外ユーザUIが車両Vに再乗車するまでに停車地で待機できる待機可能時間を設定し、当該待機可能時間を予定外ユーザUIに通知するので、予定外ユーザは、車両に再乗車するまでの時間情報を確認することができる。
【0092】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、判定部143は、予定外ユーザUIからの入力に基づいて、待機可能時間を演算するので、予定外ユーザの返信内容に応じた適切な待機可能時間を設定することができる。
【0093】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、出力部145は、車両Vに乗車する全てのユーザUの出発意思を確認した場合には、車両Vを発進させる発進許可情報を出力するので、車両に乗車するユーザの出発意思を確認し、安全に配慮して車両を発進させることができる。
【0094】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、車両Vに再乗車しないと判定された予定外ユーザUIの降車地を車両Vの運行計画から削除し、新たな運行計画を立案して更新する運行計画更新部146をさらに備えるので、車両に再度乗車しない予定外ユーザがいても、当該予定外ユーザの降車地を経由した場合の走行エネルギー相当を低減することができる。
【0095】
また、本実施形態の車両の走行支援装置1、走行支援システム及び走行支援方法によれば、運行計画更新部146は、運行計画を更新した場合に、車両Vに乗車中のユーザUの降車地への到着予定時間が、所定値以上遅くなるか又は早くなるときは、当該ユーザUに対して更新された到着予定時間を通知する。これにより、新たな運行計画が設定されたことで、降車時刻が更新されたユーザが、利用情報の変更状況を確認することができる。
【0096】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0097】
S…車両の走行支援システム
1…走行支援装置
11…センサ
12…記憶部
13…通信部
14…制御部
2…端末装置
21…制御部
22…通信部
23…入力部
24…表示部
25…位置検出部
3…車載制御装置
31…制御部
32…通信部
33…入力部
34…表示部
35…位置検出部
36…走行制御部
V…車両
U,U1,U2,U3…ユーザ
UI…予定外ユーザ
NW…電気通信回線網
図1
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