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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】削孔を作製する削孔装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/28 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
E02D7/28
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023519306
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 EP2021076712
(87)【国際公開番号】W WO2022069499
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】102020125629.9
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522025156
【氏名又は名称】ヘレンクネヒト・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ユング・ボリス
(72)【発明者】
【氏名】カイザー・マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】ライヒ・トールステン
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-052087(JP,A)
【文献】特開平05-059879(JP,A)
【文献】特開平07-026867(JP,A)
【文献】実開昭57-031392(JP,U)
【文献】特公昭47-020145(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00-13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に削孔を作製する削孔装置であって、
前記削孔装置は、本体(11)を備え、本体(11)の端部に配置されている削孔工具を備え、削孔工具のための本体に設けられた駆動装置を備え、締付装置を備えていて、
前記締付装置は、円筒状の中空体(20)内に削孔装置(10)を締付けるために設計されていて、
前記削孔装置は、少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも1つの締付面(31、32)を備え、
前記締付要素の第1の端部は、本体(11)に配置されていて、かつその第2の端部に締付体を備え、
その際、締付要素の少なくとも1つの締付体は、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置へ移動可能である、
当該削孔装置において、
締付体が、少なくとも1つの対向支持面(51、52)を介して、本体と中空体とを形状的に接続することを特徴とする、削孔装置。
【請求項2】
中空体は、建物の基礎になる杭、ケーシング、又はライナであることを特徴とする請求項1に記載の削孔装置。
【請求項3】
本体は、中空体から取り外し可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の削孔装置。
【請求項4】
地盤に削孔を作製する削孔装置であって、
前記削孔装置は、本体(11)を備え、本体(11)の端部に配置されている削孔工具を備え、削孔工具のための本体に設けられた駆動装置を備え、締付装置を備えていて、
前記締付装置は、円筒状の中空体内に削孔装置(10)を締付けるために設計されていて、
前記削孔装置は、少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも1つの締付面を備え、
前記締付要素の第1の端部は、本体に配置されていて、かつその第2の端部に締付体を備え、
その際、締付要素の少なくとも1つの締付体は、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置へ移動可能である、
当該削孔装置において、
中空体が削孔装置のハウジング(機械パイプ)であり、かつ締付体が、本体と中空体と形状的に接続するハウジングの内壁において、少なくとも1つの対向支持面(51、52)を介して提供することを特徴とする、削孔装置。
【請求項5】
本体は、ハウジングから取り外し可能であることを特徴とする請求項4に記載の削孔装置。
【請求項6】
少なくとも1つの対向支持面(51、52)との形状的に続するための少なくとも1つの可動クランプ面を有する少なくとも1つのクランプ要素が、締付要素のうちの少なくとも1つに設けられていて、かつ少なくとも1つのクランプ面が、駆動装置でもって第1の位置から第2の位置に移動可能であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項7】
クランプ面は、実質的に垂直又は水平に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の削孔装置。
【請求項8】
少なくとも1つの対向支持面(51、52)は、内壁から垂直に延在するように設けられていることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の削孔装置。
【請求項9】
少なくとも1つのクランプ面及び少なくとも1つの駆動部を介して、少なくとも1つの対向支持面(51、52)に、削孔方向に対して実質的に垂直であるか、又は削孔方向に対向して、形状嵌合を提供するために、クランプ力が付勢可能であることを特徴とする請求項6~のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項10】
実質的に垂直に設けられ、反対方向に整列された少なくとも2つのクランプ要素は、それぞれ、実質的に垂直に配置された少なくとも1つのクランプ面が設けられていることを特徴とする請求項6~のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項11】
少なくとも2つのクランプ要素は、それぞれ、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置に水平方向に移動可能であることを特徴とする請求項10に記載の削孔装置。
【請求項12】
少なくとも1つの駆動装置は、少なくとも1つの油圧シリンダであることを特徴とする請求項6~11のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項13】
それぞれ少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも2つの締付面が、上下に配置されて設けられていることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項14】
少なくとも1つの本質的には垂直なクランプ面を有する少なくとも1つのクランプ要素が、下方の締付面の少なくとも1つの締付要素に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の削孔装置。
【請求項15】
締付体は、中空体又はハウジングの内壁に接触していることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項16】
前記本体の下方の前記端部に削孔ヘッドが設けられていて前記削孔ヘッドが少なくとも1つの駆動装置を用いて、駆動装置に対して、削孔方向にかつ削孔方向とは反対方向に移動可能であることを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項17】
駆動装置は少なくとも1つの油圧シリンダであり、かつ地盤上の削孔ヘッドの当接圧力が、油圧シリンダによって決定可能であることを特徴とする請求項16に記載の削孔装置。
【請求項18】
削孔穴は、実質的に垂直な削孔であることを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項19】
削孔は、水中で、又は液体で満たされた削孔穴でもって行われることを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の削孔装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の削孔装置と中空体とを用いて、地盤に削孔を製造するためのシステム。
【請求項21】
中空体は、建物の基礎になる杭、ケーシング、ライナ、又は削孔装置のハウジング(機械パイプ)であることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
中空体は、中空体と本体との形状的に接続して製造するために、少なくとも1つの対向支持面(51、52)を中空体の内壁に備えることを特徴とする請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
少なくとも1つの対向支持面(51、52)は、中空体の内壁から垂直に延在するように設けられていることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に削孔を作製する削孔装置に関するものであって、
前記削孔装置は、本体を備え、本体の端部に配置されている削孔工具を備え、削孔工具のための本体に設けられた駆動装置を備え、締付装置を備えていて、
前記締付装置は、円筒状の中空体内に削孔装置を締付するために設計されていて、
前記削孔装置は、少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも1つの締付面を備え、
前記締付要素の第1の端部は、本体に配置されていて、かつその第2の端部に締付体を備え、
その際、締付要素の少なくとも1つの締付体は、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置へ移動可能である。
さらに、本発明は、円筒状の中空体に関連する前述の削孔装置でもって地盤に削孔を作製するシステムに関する。
【0002】
例えば、水中にある地盤中又は地盤上の構造物の基礎を支持する構造物の建設では、これらの基礎が様々な方法で作製され、その際、いわゆるモノパイル、すなわち個別の杭を使用する一体型の基礎を用いることが定着している。これに代わるものは、いわゆるジャケットであり、これは、ピラミッド構造、又は三脚であり、その各々は、複数の基礎点を備える。そのような構造物は、例えば、風力タービン又はブリッジ構造物である。
【0003】
従来技術によれば、モノパイルでは、例えば、いわゆるジャッキアップリグが組み立て場所に設けられていて、そのジャッキアップリグの作業面に旋回機構が設けられている。杭は、この旋回機構に締付けされ、水平から垂直に方向転換され、かつクランプを開くことによって海底まで降ろされる。次いで、杭は、ランミング機構を用いて地盤に打ち込まれる。
【0004】
特許文献1では、作業プラットフォームから出発して、垂直に設置された基礎杭内に降ろされる削孔装置が知られている。削孔装置はアームを備え、そのアームの端部に削孔ローラが配置され、削孔杭の中又は下に位置する地盤が削孔ローラによって除去され、次いで、削孔杭が空洞内に降ろされる。
【0005】
同様に、特許文献2、及び特許文献3でも削孔装置が知られていて、上述したものと類似している。削孔装置は、油圧シリンダを用いて相互に変位可能である2つの部分からなる本体を備える。アームは下側本体に配置されていて、そのアームの端部には削孔ヘッドがある。これにより、杭の中又は杭の下にある岩石/地盤が緩められ、除去される。ハウジングは、基礎杭に対して締付けられる。この目的のために、回動可能なアームが設けられていて、そのアームの端部にクランプ要素が設けられている。削孔装置を杭に締付けるために、アームは、クランプ要素が杭と係合するまで、油圧シリンダを介して外側に旋回される。締付装置は、削孔装置の外側ハウジング部の上方の端部及び下方の端部にそれぞれ配置されている。一方、締付装置が改善を必要とすることが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2010/139380号
【文献】国際公開第2013/081455号
【文献】国際公開第2015/131984号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、削孔装置の基礎杭又はハウジング/機械パイプなどの中空体間の接続を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
削孔装置に関して、本発明による課題は、第1の解決策によれば、締付体は、少なくとも1つの要素を介して、中空体の内壁において、中空体との本体の形状嵌合を提供することによって解決される。
【0009】
これによって、取り外し可能であるが、安定した、特に正確な接続を簡単な方法で達成することができる。
【0010】
本発明のさらなる教示は、中空体が、構物の基礎になる杭、ケーシング又はライナであることを企図する。
【0011】
この場合、本体は中空体から取り外し可能であることが有利である。これによって、中空体を地盤に掘削することが可能である一方、削孔装置が回収可能である。
【0012】
削孔装置に関して、本発明の課題はさらに、第2の解決策によれば、中空体が削孔装置のハウジング(機械パイプ)であり、かつ締付体が、ハウジングの内壁において、少なくとも1つの要素を介して、ハウジングとの本体の形状嵌合を提供することによって解決される。
【0013】
これによって、本体とハウジングとの間で取り外し可能であるが、安定した、特に正確な接続を、簡単な方法で達成することができる。
【0014】
この場合、本体をハウジングから取り外し可能であることが有利である。これによって、必要であれば、削孔装置の本体から離れたハウジングを地盤に残すことが可能である。
【0015】
本発明のさらなる教示は、少なくとも1つの要素との形状嵌合を提供するための少なくとも1つの可動クランプ面を有する少なくとも1つのクランプ要素が、締付要素のうちの少なくとも1つに設けられていて、かつ少なくとも1つのクランプ面が、駆動装置でもって第1の位置から第2の位置に移動可能であることを企図する。これによって、形状嵌合が特に簡単な方法で提供できることが明らかになった。
【0016】
この場合、クランプ面は、実質的に垂直又は水平に設けられていることが有利である。クランプ面が水平に設けられている場合、削孔装置の本体とライザ/ハウジングとの間の形状嵌合接続が削孔方向に、かつ削孔方向にかつ削孔方向に反して効果的に達成することが、簡単な方法で可能である。クランプ面が垂直に設けられている場合、削孔装置の本体とライザ/ハウジングとの間の形状嵌合接続がライザ/ハウジングの周方向で効果的に達成することは、簡単な方法で可能である。
【0017】
さらに、少なくとも1つの要素は、少なくとも1つのクランプ要素による形状嵌合のための少なくとも1つの対向支持面であることが有利である。これによって、クランプ要素を、それぞれが必要な方向に作用するように、特に簡単な方法で配置することができる。この場合、さらに、少なくとも1つの対向面は、内壁から垂直に延在するように設けられていることが有利である。これによって、形状嵌合するのためのクランプ要素に必要な対向支持部を簡単な方法で準備することができる。
【0018】
本発明のさらなる教示は、少なくとも1つのクランプ面及び少なくとも1つの駆動部を介して、少なくとも1つの要素に、削孔方向に対して実質的に垂直であるか、又は削孔方向に対向して、形状嵌合を提供するために、クランプ力が付勢可能であることを企図する。
【0019】
本発明のさらなる教示は、実質的に垂直に設けられ、反対方向に整列された少なくとも2つのクランプ要素は、それぞれ、実質的に垂直に配置された少なくとも1つのクランプ面が設けられていることを企図する。これによって、特に正確な位置決めを簡単かつ効率的な方法で達成することができる。さらに、形状嵌合接続は、簡単な方法で提供される。
【0020】
この場合、少なくとも2つのクランプ要素は、それぞれ、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置に水平方向に移動可能であることが有利である。
【0021】
本発明のさらなる教示は、少なくとも1つの駆動装置は、少なくとも1つの油圧シリンダであることを企図する。
【0022】
本発明のさらなる教示は、それぞれ少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも2つの締付面が、上下に配置されて設けられていることを企図する。それによって、形状嵌合接続は、簡単な方法で、特に効率的かつ確実に提供される。
【0023】
この場合、少なくとも1つの本質的には垂直なクランプ面を有する少なくとも1つのクランプ要素が、下方の締付面の少なくとも1つの締付要素に配置されていることが有利である。
【0024】
本発明のさらなる教示は、締付体は、中空体又はハウジングの内壁に接触していることを企図する。
【0025】
本発明のさらなる教示は、削孔ヘッドは、少なくとも1つの駆動装置を用いて、駆動装置に対して、削孔方向にかつ削孔方向に反して移動可能であることを企図する。
【0026】
この場合、駆動装置は少なくとも1つの油圧シリンダであり、かつ地盤上の削孔ヘッドの当接圧力が、油圧シリンダによって決定可能であることが有利である。これによって、簡単な方法で負荷制御を削孔ヘッドに提供することができる。
【0027】
本発明のさらなる教示は、削孔部は、実質的に垂直な削孔であることを企図する。
【0028】
本発明のさらなる教示は、削孔は、水中で、又は液体で満たされた削孔穴でもって行われることを企図する。
【0029】
更に、本発明による課題は、上述の削孔装置及び中空体を用いて地盤に削孔を作製するためのシステムによって解決される。
【0030】
好ましくは、中空体は、建物の基礎になる杭、ケーシング、ライナ、又は削孔装置のハウジング(機械パイプ)である。
【0031】
この場合、さらに、中空体は、中空体と本体の形状嵌合接続を製造するための少なくとも1つの要素を中空体の内壁に備えることが有利である。
【0032】
好ましくは、少なくとも1つの要素は、対向支持面を備える。
【0033】
特に好ましくは、対向支持面が、中空体の内壁から垂直に延在するように設けられている。
【0034】
本発明を、図面と共に好ましい実施例に基づいて、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】締付装置が繰り出された状態の本発明による削孔装置の立体側面図を示す。
図2】部分断面図においてライザ/ハウジング内に配置されている、本発明による削孔装置の立体側面図を示す。
図3】ライザ/ハウジングの内壁の、本発明による対向支持要素の側面図を示す。
図4図3の側面図であって、図1の断面Zに従った、組み立てられた本発明による締付装置の側面図を示す。
図5図4の拡大断面図Xを示す。
図6図4の断面Yの断面平面図を示す。
図7】本発明による削孔装置の削孔ツールの立体図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1及び図2は、本体11を備える削孔装置10を示す。図2では、これを、ライザ/ハウジング20に挿入した部分的な断面図で描画されている。
【0037】
駆動部(図示せず)に接続されている削孔ヘッド12は、本体11の下方の端部13に設けられている。さらに、吸引口14が削孔ヘッド12(図7参照)に設けられていて、この吸引口14は本体に接続された吸引ライン(図示せず)に接続され、この吸引ラインは、吸引装置(図示せず)に接続されている。さらに、削孔ヘッドには、削孔工具15及びガイドプレート16が設けられている。さらに、図2に描画されているように、ライザ/ハウジング20の下でアンダーカットが達成される矢印方向Aの半径方向に出入り可能な削孔工具17が設けられている。
【0038】
本体11は、削孔装置10がライザ/ハウジング20内に締付けられる、締付装置30を備える。この場合、締付装置30は、少なくとも1つの締付面31、32を備える。図1図7には、好ましい実施形態が描画されていて、この実施形態では、締付装置30は、2つの締付面31、32と、即ち下方の締付面31と上方の締付面32とを備える。この場合、上方の締付面32は、好ましくは4つの締付要素33を備え、下方の締付面31は、好ましくは4つの締付要素34を備える。同じく、削孔装置10又はライザ/ハウジング20の長さ又は地質条件に応じて、締付要素33、34と締付面31、32の代替的な数も可能である。
【0039】
締付要素33、34は、本体11に固定して配置されている。旋回可能な実施例も可能である。
【0040】
締付要素33、34の外側端部には、締付体35、36が設けられている。これらは、それぞれの駆動装置37、ここでは好ましくはそれぞれの油圧シリンダを介して移動可能であり、矢印方向Bに出入り可能に配置されている。図1、2では、締付体35、36が繰り出されて描画されている。
【0041】
締付体35、36には、それぞれクランプ要素38、39が設けられている。この場合、クランプ要素38、39は、少なくとも1つの駆動装置42、43、好ましくは油圧シリンダを用いて第1の位置から第2の位置に移動可能であるクランプ面40、41を備える。
【0042】
締付体36を有する下方の締付面31は、好ましくは、締付体36毎にそれぞれ4つの締付要素39を備え、この締付体36はそれぞれクランプ面40を有し、このクランプ面40は、駆動装置42としての油圧シリンダを用いて、締付体36に対して矢印方向Cに出入り可能に配置されている(図4図5図6参照)。この場合、クランプ要素39は水平に設けられ、クランプ面40は垂直に配置されている。さらに、締付体36は、ここでは、好ましくは、4つの水平なクランプ要素39を備え、そのうちの2つは、好ましくは、一方向に配向され、他の2つは、反対方向に配向される。クランプ要素40の作用方向は、ライザ/ハウジング20の周方向に設けられている。これにより、削孔の負荷、特にトルクを除去させることができる。さらに、ライザ/ハウジングの周方向における、削孔装置10の本体11とライザ/ハウジング20との間の形状嵌合接続は効果的に達成することが簡単な方法で可能である。
【0043】
ここでは好ましくは、締付体35を有する上方の締付面32が、締付体35毎にそれぞれ1つのクランプ要素38を備え、このクランプ要素はクロスビーム44を備え、このクロスビーム44は駆動部43を介して、ここでは好ましくはそれぞれ2つの油圧シリンダを介して締付体35の下側で締付体35に接続されている。クロスビーム44は、その外側端部47にそれぞれクランプ面41を備え、このクランプ面はクロスビーム44の、締付体35に面する側面46に設けられている。クロスビームは、駆動部43を介して締付体から離れ、かつ矢印方向Dに向かって移動可能である(図4参照)。ここでは好ましくは、クランプ面4は水平に配置されていて、クランプ面41の移動は、ここでは駆動装置43によって、好ましくは垂直に、生じる。しかしながら、クランプ要素41の作用方向は、削孔方向に設けられている。これにより、削孔荷重を除去することができる。さらに、削孔装置10の本体11とライザ/ハウジング20との間の形状嵌合接続を、削孔方向にかつ削孔方向に反して効果的に、簡単な方法で実現することが可能である。
【0044】
ライザ/ハウジング20の内壁21は、ここでは好ましくは上方の対向支持面51と下方の対向支持面52とを有する対向支持領域50を備える。これを図3及び図4に示す。
【0045】
上方の対向支持面51は、上方の端部に傾斜部53が設けられている垂直ガイドプレート54を備える。ガイドプレート54の下方の端部には、ガイドプレート54に対して直角に設けられている水平対向支持部55が設けられている。対向支持部55には、例えばカムのように実施された補強材56が設けられている。水平な対向支持部55は、クランプ面41に対応して実施されている。クランプ面は、対向支持部55に対して締付けされる。
【0046】
下方の対向支持面52は、上方の端部に傾斜部57が設けられている垂直の対向支持部58を備える。対向支持部58の下方の端部には、対向支持部58に対して直角に設けられている水平の支持部59が設けられている。対向支持部58及び支持部59には、例えばカムのように実施されている補強材60、61が設けられている。
【0047】
対向支持部58の間の中間空間23には、締付体36が、下方の駆動部37を繰り出すことによって、装入される。ガイド板54の間の中間空間22には、締付体35が、上方の駆動部37を繰り出すことによって装入される。好ましくは、この場合、クランプ要素38のクロスビーム44の駆動部43が繰り出され、その結果、クランプ面41を対向支持部55の下に配置することができる。クランプ面40は、これらクランプ面の駆動部42によって、好ましくは、格納される。
【0048】
さらに、締付体35、36は、それらが内壁21に接触するまで繰り出すことができる。
【0049】
必要に応じて、締付体35、36を内壁に対して締付けることさえも可能である。これは好ましいが、企図されていない。
【0050】
必要に応じて、下方の締付体36が支持体59上に設置される。
【0051】
ライザ/ハウジング20と本体11との間の形状嵌合接続を作製するために、締付体35、36を配置した後、クランプ面40は、対向支持部58に対して水平に繰り出される。クランプ面41は、対向支持部55に対して移動される。これは、本体11とライザ/ハウジング20との間に形状嵌合接続をもたらす。
【0052】
本発明による削孔装置での削孔は、削孔装置10の本体がライザ/ハウジング20に装入され、ライザ/ハウジング20が削孔位置に運搬された後に行われる。削孔は、水平から垂直に実施することができる。これは、促進ユニットによって、又はライザ/ハウジング20を有する削孔装置10の重量によって行われる。
【0053】
削孔が完了した後、形状嵌合接続が上述の説明とは逆の順序で解放され、繰り出された削孔工具17が矢印方向Aに入坑した後に、ベース本体11がライザ/ハウジング20から取り外されるか、又はハウジングは本体11とともに開いたままの状態で削孔穴(図示せず)から取り外される。
【0054】
ユニットが設けられた本体11とともに様々なライザ/ケーシング径を使用することも可能であり、これに合わせて削孔ヘッド径を使い分けることも可能である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
地盤に削孔を作製する削孔装置であって、
前記削孔装置は、本体(11)を備え、本体(11)の端部に配置されている削孔工具を備え、削孔工具のための本体に設けられた駆動装置を備え、締付装置を備えていて、
前記締付装置は、円筒状の中空体(20)内に削孔装置(10)を締付けるために設計されていて、
前記削孔装置は、少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも1つの締付面(31、32)を備え、
前記締付要素の第1の端部は、本体(11)に配置されていて、かつその第2の端部に締付体を備え、
その際、締付要素の少なくとも1つの締付体は、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置へ移動可能である、
当該削孔装置において、
締付体が、本体と中空体との形状嵌合接続を中空体の内壁において、少なくとも1つの要素を介して提供することを特徴とする、削孔装置。
2.
中空体は、建物の基礎になる杭、ケーシング、又はライナであることを特徴とする上記1に記載の削孔装置。
3.
本体は、中空体から取り外し可能であることを特徴とする上記1又は2に記載の削孔装置。
4.
地盤に削孔を作製する削孔装置であって、
前記削孔装置は、本体(11)を備え、本体(11)の端部に配置されている削孔工具を備え、削孔工具のための本体に設けられた駆動装置を備え、締付装置を備えていて、
前記締付装置は、円筒状の中空体内に削孔装置(10)を締付けるために設計されていて、
前記削孔装置は、少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも1つの締付面を備え、
前記締付要素の第1の端部は、本体に配置されていて、かつその第2の端部に締付体を備え、
その際、締付要素の少なくとも1つの締付体は、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置へ移動可能である、
当該削孔装置において、
中空体が削孔装置のハウジング(機械パイプ)であり、かつ締付体が、本体と中空体との形状嵌合接続をハウジングの内壁において、少なくとも1つの要素を介して提供することを特徴とする、削孔装置。
5.
本体は、ハウジングから取り外し可能であることを特徴とする上記4に記載の削孔装置。
6.
少なくとも1つの要素との形状嵌合接続を提供するための少なくとも1つの可動クランプ面を有する少なくとも1つのクランプ要素が、締付要素のうちの少なくとも1つに設けられていて、かつ少なくとも1つのクランプ面が、駆動装置でもって第1の位置から第2の位置に移動可能であることを特徴とする上記1~5のいずれか1つに記載の削孔装置。
7.
クランプ面は、実質的に垂直又は水平に設けられていることを特徴とする上記6に記載の削孔装置。
8.
少なくとも1つの要素は、少なくとも1つのクランプ要素による形状嵌合のための少なくとも1つの対向支持面であることを特徴とする上記6又は7に記載の削孔装置。
9.
少なくとも1つの対向支持面は、内壁から垂直に延在するように設けられていることを特徴とする上記8に記載の削孔装置。
10.
少なくとも1つのクランプ面及び少なくとも1つの駆動部を介して、少なくとも1つの要素に、削孔方向に対して実質的に垂直であるか、又は削孔方向に対向して、形状嵌合を提供するために、クランプ力が付勢可能であることを特徴とする上記6~9のいずれか1つに記載の削孔装置。
11.
実質的に垂直に設けられ、反対方向に整列された少なくとも2つのクランプ要素は、それぞれ、実質的に垂直に配置された少なくとも1つのクランプ面が設けられていることを特徴とする上記6~10のいずれか1つに記載の削孔装置。
12.
少なくとも2つのクランプ要素は、それぞれ、少なくとも1つの駆動装置を用いて第1の位置から第2の位置に水平方向に移動可能であることを特徴とする上記11に記載の削孔装置。
13.
少なくとも1つの駆動装置は、少なくとも1つの油圧シリンダであることを特徴とする上記6~12のいずれか1つに記載の削孔装置。
14.
それぞれ少なくとも2つの締付要素を有する少なくとも2つの締付面が、上下に配置されて設けられていることを特徴とする上記1~13のいずれか1つに記載の削孔装置。
15.
少なくとも1つの本質的には垂直なクランプ面を有する少なくとも1つのクランプ要素が、下方の締付面の少なくとも1つの締付要素に配置されていることを特徴とする上記14に記載の削孔装置。
16.
締付体は、中空体又はハウジングの内壁に接触していることを特徴とする上記1~15のいずれか1つに記載の削孔装置。
17.
削孔ヘッドは、少なくとも1つの駆動装置を用いて、駆動装置に対して、削孔方向にかつ削孔方向に反して移動可能であることを特徴とする上記1~16のいずれか1つに記載の削孔装置。
18.
駆動装置は少なくとも1つの油圧シリンダであり、かつ地盤上の削孔ヘッドの当接圧力が、油圧シリンダによって決定可能であることを特徴とする上記17に記載の削孔装置。
19.
削孔穴は、実質的に垂直な削孔であることを特徴とする上記1~18のいずれか1つに記載の削孔装置。
20.
削孔は、水中で、又は液体で満たされた削孔穴でもって行われることを特徴とする上記1~18のいずれか1つに記載の削孔装置。
21.
上記1~20のいずれか1つに記載の削孔装置と中空体とを用いて、地盤に削孔を製造するためのシステム。
22.
中空体は、建物の基礎になる杭、ケーシング、ライナ、又は削孔装置のハウジング(機械パイプ)であることを特徴とする上記21に記載のシステム。
23.
中空体は、中空体と本体との形状嵌合接続を製造するために、少なくとも1つの要素を中空体の内壁に備えることを特徴とする上記21又は22に記載のシステム。
24.
少なくとも1つの要素は、対向支持面を備えることを特徴とする上記23に記載のシステム。
25.
少なくとも1つの対向支持面は、中空体の内壁から垂直に延在するように設けられていることを特徴とする上記24に記載のシステム。
【符号の説明】
【0055】
10 削孔装置
11 本体
12 削孔ヘッド
13 下方の端部
14 吸引口
15 削孔工具
16 ガイドプレート
17 削孔工具
20 ライザ/ハウジング
21 内壁
22 中間空間
23 中間空間
30 締付装置
31 締付面
32 締付面
33 締付要素
34 締付要素
35 締付体
36 締付体
37 駆動装置/油圧シリンダ
38 クランプ要素
39 クランプ要素
40 クランプ面
41 クランプ面
42 駆動装置/油圧シリンダ
43 駆動装置/油圧シリンダ
44 クロスビーム
45 端部
46 側面
50 対向支持領域
51 上方の対向支持面
52 下方の対向支持面
53 傾斜部
54 ガイドプレート
55 対向支持部
56 補強材
57 傾斜部
58 対向支持部
59 支持体
60 補強材
61 補強材
A 矢印方向
B 矢印方向
C 矢印方向
D 矢印方向
X 部分図
Y 平面断面
Z 平面断面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7