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特許7562853光学モジュール、バックライト制御方法、およびディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】光学モジュール、バックライト制御方法、およびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20240930BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240930BHJP
   G02F 1/13 20060101ALN20240930BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALN20240930BHJP
【FI】
G02F1/1335 510
G02F1/13357
G02F1/13 505
G02F1/1347
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023524139
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2021107649
(87)【国際公開番号】W WO2022083194
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202011125198.8
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ユィウエン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,チェンシアン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,カン チュン
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0301126(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0247617(US,A1)
【文献】特開2018-054679(JP,A)
【文献】特開2020-134949(JP,A)
【文献】特表2016-519327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13-1/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学モジュールであって、
偏光フィルムであり、
入射光を、第1偏光状態を有する第1偏光および第2偏光状態を有する第2偏光へと変換する、
ように構成されている、偏光フィルムと、
位相遅延層であり、
前記位相遅延層は、制御層を含み、
前記制御層は、1つ以上の制御素子を含み、かつ、
前記1つ以上の制御素子は、前記位相遅延層を制御して、前記第1偏光および前記第2偏光を、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光へと変換する、ように構成されている、
位相遅延層と、
を含み、
前記偏光フィルムは、交互に配置されている、少なくとも1つの第1領域および少なくとも1つの第2領域を含み、
前記少なくとも1つの第1領域において、前記入射光は、第1出射角を有する前記第1偏光および第2出射角を有する前記第2偏光へと変換され、かつ、
前記少なくとも1つの第2領域において、前記入射光は、前記第2出射角を有する前記第1偏光および前記第1出射角を有する前記第2偏光へと変換され、
前記位相遅延層は、交互に配置さている、少なくとも1つの第3領域および少なくとも1つの第4領域を含み、
前記第1偏光および前記第2偏光が、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光へと変換されることは、
前記少なくとも1つの第1領域において変換された前記第1出射角を有する前記第1偏光、および、前記少なくとも1つの第2領域において変換された前記第2出射角を有する前記第1偏光が、少なくとも1つの第3領域に入射し、前記第1偏光が、前記少なくとも1つの第3領域において、前記第3偏光へと変換され、かつ、
前記少なくとも1つの第1領域において変換された前記第2出射角を有する前記第2偏光、および、前記少なくとも1つの第2領域において変換された前記第1出射角を有する前記第2偏光が、少なくとも1つの第4領域に入射し、前記第2偏光が、前記少なくとも1つの第4領域において、前記第4偏光へと変換され、
前記第1偏光状態は、前記第2偏光状態とは異なっており、
前記位相遅延層は、前記偏光フィルムから出射された前記第1偏光および前記第2偏光が、前記位相遅延層に対して最大限に入射できる距離だけ、前記偏光フィルムの出射側から離れて配置されている、
モジュール。
【請求項2】
前記第1偏光状態が左回り偏光状態であり、かつ、前記第2偏光状態が右回り偏光状態であり、もしくは、
前記第1偏光状態が右回り偏光状態であり、かつ、前記第2偏光状態が左回り偏光状態である、
請求項1記載のモジュール。
【請求項3】
前記第3偏光状態は、直線偏光状態または楕円偏光状態を含み、
前記第4偏光状態は、前記直線偏光状態または前記楕円偏光状態を含む、
請求項1または2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第3領域は、合計でM個の第3ピクセルを含み、
前記少なくとも1つの第4領域は、合計でN個の第4ピクセルを含み、
Mは、前記少なくとも1つの第1領域の数以上であり、かつ、Nは、前記少なくとも1つの第2領域の数以上である、
請求項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記位相遅延層は、さらに、液晶層を含み、
前記液晶層は、1つ以上の液晶分子を含み、
前記M個の第3ピクセルそれぞれは、前記1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含み、かつ、
前記N個の第4ピクセルそれぞれは、前記1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含む、
請求項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記位相遅延層は、さらに、上部基板および下部基板を含み、かつ、
前記液晶層は、前記上部基板と前記下部基板との間に配置されている、
請求項に記載のモジュール。
【請求項7】
バックライト制御方法であって、
偏光フィルムへの入射光が、第1偏光状態を有する第1偏光および第2偏光状態を有する第2偏光を獲得することを可能にするステップと、
位相遅延層に入射する前記第1偏光および前記第2偏光が、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光を獲得することを可能にするステップと、を含み、
前記第1偏光状態は、第2偏光状態とは異なっており、
前記位相遅延層は、制御層を含み、かつ、前記制御層は、1つ以上の制御素子を含み、
前記1つ以上の制御素子は、前記位相遅延層を制御して、前記第1偏光および前記第2偏光を、前記第3偏光および前記第4偏光へと変換する、ように構成されており、
前記偏光フィルムは、交互に配置されている、少なくとも1つの第1領域および少なくとも1つの第2領域を含み、
前記少なくとも1つの第1領域において、前記入射光は、第1出射角を有する前記第1偏光および第2出射角を有する前記第2偏光へと変換され、かつ、
前記少なくとも1つの第2領域において、前記入射光は、前記第2出射角を有する前記第1偏光および前記第1出射角を有する前記第2偏光へと変換され、
前記位相遅延層は、交互に配置さている、少なくとも1つの第3領域および少なくとも1つの第4領域を含み、
前記第1偏光および前記第2偏光が、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光へと変換されることは、
前記少なくとも1つの第1領域において変換された前記第1出射角を有する前記第1偏光、および、前記少なくとも1つの第2領域において変換された前記第2出射角を有する前記第1偏光が、少なくとも1つの第3領域に入射し、前記第1偏光が、前記少なくとも1つの第3領域において、前記第3偏光へと変換され、かつ、
前記少なくとも1つの第1領域において変換された前記第2出射角を有する前記第2偏光、および、前記少なくとも1つの第2領域において変換された前記第1出射角を有する前記第2偏光が、少なくとも1つの第4領域に入射し、前記第2偏光が、前記少なくとも1つの第4領域において、前記第4偏光へと変換され、
前記位相遅延層は、前記偏光フィルムから出射された前記第1偏光および前記第2偏光が、前記位相遅延層に対して最大限に入射できる距離だけ、前記偏光フィルムの出射側から離れて配置されている、
方法。
【請求項8】
前記第1偏光状態が左回り偏光状態であり、かつ、前記第2偏光状態が右回り偏光状態であり、もしくは、
前記第1偏光状態が右回り偏光状態であり、かつ、前記第2偏光状態が左回り偏光状態である、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
ディスプレイパネルと、
請求項1乃至いずれか一項に記載のモジュールと、
を備える、ディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項に記載のディスプレイ装置を含む、
車両。
【請求項11】
コンピュータ読取可能記憶媒体であって、
コンピュータプログラムを保管しており、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項7または8に記載の方法を実施させる、
コンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサを備える、電子デバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、メモリに結合されており、
前記メモリは、コンピュータプログラムを保管しており、
前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するように構成されており、請求項7または8に記載の方法を実施させる、
電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの分野に関する。そして、特には、光学モジュール、バックライト制御方法、およびディスプレイ装置に関する。
【0002】
この出願は、2020年10月20日に中国国家知識産権局に出願された、タイトルが“OPTICAL MODULE,BACKLIGHT CONTROL METHOD,AND DISPLAY APPARATUS”である中国特許出願第202011125198.8号について優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ装置では、液晶パネル内の液晶層を使用することにより透過光の偏向(deflection)を制御するために、バックライトシステムによって発生した自然光は、変調を通じて偏光(polarized light)へと変換される必要がある。たいてい、液晶パネルとバックライトユニットとの間には偏光板(polarizer)が配置されており、その結果、バックライトユニットの自然光は偏光へと変調され、そして、次いで、偏光は液晶パネルに入射する。しかしながら、偏光板は異なる方向の偏光を吸収するので、バックライトシステムによって放射される光の少なくとも50%が失われる。このことは、バックライトユニットの効率を低下させる。
【0004】
バックライト光源の利用効率を改善するために、業界では、いくつかの新しい光学フィルム材料、例えば、多層フィルム積層(multi-layer film stacking)設計のフィルム材料が開発されている。この光学フィルム材料を通して、システムと同じ偏光方向における光は、透過を実施することができ、そして、システムの偏光方向とは異なる偏光方向における光は、反射してバックライトシステムに戻される。複数回の光の屈折および反射の後で、バックライトシステムの全体的な効率を改善することができる。一般的に、この光学フィルム材料によってもたらされるシステム効率改善は、システムアーキテクチャによって影響を受ける。加えて、バックライトシステムの有効偏光の効率利得範囲(efficiency gain range)は、バックライト光学フィルム材料の積層アーキテクチャ、並びに、反射基板の材料吸収率および効率の影響に基づいて、20%と45%との間である。多層フィルム積層設計に係る前述のフィルム材料に加えて、ワイヤグリッド偏光板WGP(Wire Grid Polarizer)も、また、偏光の使用を改善するために使用される。しかしながら、ワイヤグリッド偏光板の構造の製造方法は複雑であり、ワイヤグリッド偏光板の技術を使用するパネルは、表示効果が乏しく、そして、現在では、産業において商業的に利用可能な大量生産能力および方法は存在していない。加えて、この技術の大量生産の問題が克服されたとしても、多層フィルム積層設計に係る前述のフィルム材料の問題と同様の問題が依然として存在する。すなわち、本構造を使用することにより再利用された光は、バックライトシステムに戻る必要がある。この場合、効率は、バックライトシステムの設計に影響され、そして、効率改善が制限される。
【0005】
現在では、バックライトユニットの効率を向上させ、かつ、液晶パネルの表示効果を向上させるための、光学モジュール、バックライト制御方法、およびディスプレイ装置が、緊急に必要とされていることが分かる。
【発明の概要】
【0006】
この出願の実施形態は、バックライトユニットの有効な偏光の効率を改善し、液晶ディスプレイパネルのローカルディミング(Local Dimming)を実施し、かつ、表示効果を改善するように、光学モジュール、バックライト制御方法、およびディスプレイ装置を提供する。
【0007】
第1態様に従って、この出願の実施形態は、光学モジュールを提供する。本光学モジュールは、
偏光フィルムであり、入射光を、第1偏光状態を有する第1偏光および第2偏光状態を有する第2偏光へと変換するように構成されている、偏光フィルム、および、
位相遅延層であり、前記位相遅延層は制御層を含み、前記制御層は1つ以上の制御素子を含み、かつ、前記1つ以上の制御素子は、前記位相遅延層を制御して、前記第1偏光および前記第2偏光を、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光へと変換するように構成されている、位相遅延層と、を含む。
【0008】
前記第1偏光状態は、前記第2偏光状態とは異なっている。
【0009】
この出願のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、位相遅延層は、光学モジュールにおける偏光をアクティブに制御し、その結果、バックライトユニットの有効偏光の効率を改善することができ、液晶パネルの表示効果を改善することができる。さらに、バックライトユニットの有効偏光の効率が改善されるので、ディスプレイ装置の消費電力が低減される。
【0010】
第2態様に従って、この出願の実施形態は、バックライト制御方法を提供する。本方法は、
偏光フィルムに入射する光が、第1偏光状態を有する第1偏光および第2偏光状態を有する第2偏光を獲得することを可能にするステップと、
位相遅延層に入射する前記第1偏光および前記第2偏光が、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光を獲得することを可能にするステップと、を含む。
【0011】
前記第1偏光状態は、第2偏光状態とは異なっている。
【0012】
前記位相遅延層は、制御層を含み、かつ、前記制御層は、1つ以上の制御素子を含む。前記1つ以上の制御素子は、前記位相遅延層を制御して、前記第1偏光および前記第2偏光を、前記第3偏光および前記第4偏光へと変換する、ように構成されている。
【0013】
この出願のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、位相遅延層は、偏光をアクティブに制御し、その結果、バックライトユニットの有効偏光の使用を改善することができ、液晶ディスプレイパネルのローカルディミングを実施することができ、そして、表示効果が改善される。
【0014】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記偏光フィルムは、交互に配置されている、少なくとも1つの第1領域、および、少なくとも1つの第2領域を含んでいる。
【0015】
前記少なくとも1つの第1領域において、前記入射光は、第1出射角を有する第1偏光および第2出射角を有する第2偏光へと変換される。
【0016】
前記少なくとも1つの第2領域において、前記入射光は、第2出射角を有する第1偏光および第1出射角を有する第2偏光へと変換される。
【0017】
この出願のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、バックライトユニットの有効偏光の効率を改善することができ、その結果、全ての入射非偏光が理論的には偏光へと変換され、そして、出射光の偏光方向および出射角度が分離される。
【0018】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記第1偏光状態が左回り偏光状態であり、かつ、前記第2偏光状態が右回り偏光状態であり、もしくは、前記第1偏光状態が右回り偏光状態であり、かつ、前記第2偏光状態が左回り偏光状態である。
【0019】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記位相遅延層は、交互に配置されている、少なくとも1つの第3領域および少なくとも1つの第4領域を含む。第1偏光は、前記少なくとも1つの第3領域において第3偏光へと変換され、そして、第2偏光は、前記少なくとも1つの第4領域において第4偏光へと変換される。
【0020】
この出願のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、位相遅延層は、光学モジュールにおける入射偏光をアクティブに制御し、その結果、バックライトユニットの有効偏光の使用を改善することができ、ディスプレイ装置の電力消費が低減され、そして、液晶パネルの表示効果を改善することができる。
【0021】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記第3偏光状態は、直線偏光状態または楕円偏光状態を含み、かつ、前記第4偏光状態は、直線偏光状態または楕円偏光状態を含む。
【0022】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記少なくとも1つの第3領域は、合計でM個の第3ピクセルを含み、前記少なくとも1つの第4領域は、合計でN個の第4ピクセルを含む。Mは、前記少なくとも1つの第1領域の数以上であり、かつ、Nは、前記少なくとも1つの第2領域の数以上である。MおよびNの両方は、1以上の正の整数であることが、理解されるだろう。
【0023】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記位相遅延層は、さらに、液晶層を含み、前記液晶層は、1つ以上の液晶分子を含む。前記M個の第3ピクセルそれぞれは、前記1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含み、かつ、前記N個の第4ピクセルそれぞれは、前記1つ以上の液晶分子のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記1つ以上の制御素子は、前記1つ以上の液晶分子の偏向を制御するように構成されており、その結果、前記第3偏光および前記第4偏光は、それぞれに、前記第3偏光状態および前記第4偏光状態を含んでいる。
【0025】
この出願のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、前記位相遅延層は、前記位相遅延層の能動制御素子によって前記光学モジュールにおける入射偏光をアクティブに制御し、その結果、バックライトユニットの有効偏光の使用を改善することができ、ディスプレイ装置の電力消費が低減され、ローカルディミング機能を実施することができ、そして、液晶パネルの表示効果を改善することができる。
【0026】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、位相遅延層は、さらに、上部基板および下部基板を含み、そして、前記液晶層は、上部基板と下部基板との間に配置されている。
【0027】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記1つ以上の制御素子は、薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)であり、前記TFTは、α-Si-TFT、LTPS-TFT、およびOxide-TFTのうち少なくとも1つを含む。α-Si-TFTは、アモルファスシリコン(Amorphous Silicon)薄膜トランジスタであり、LTPS-TFTは、低温多結晶シリコン(Low Temperature Polycrystalline Silicon)薄膜トランジスタであり、そして、Oxide-TFTは、酸化物(Oxide)薄膜トランジスタである。
【0028】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記位相遅延層は、偏光フィルムの出射側に近接して配置されており、前記位相遅延層の入射側と前記偏光フィルムの出射側との間の距離dは、第1出射角または第2出射角に関連付けられている。
【0029】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記光学モジュールは、ディスプレイ装置に適用され、そして、前記光学モジュールは、ディスプレイ装置においてディスプレイパネル(Display Panel)とバックライトユニットBLU(Backlight Unit)との間に配置されている。
【0030】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネルは、さらに、カラーフィルタCF(Color Filter)、上部偏光板(Upper Polarizer)、および、下部偏光板(Lower Polarizer)のうち1つ以上を含み得る。
【0031】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネルにおいてカラーフィルタCFは、上部偏光板と下部偏光板との間に配置されている。
【0032】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイLCD(Liquid Crystal Display)パネルであってよい。
【0033】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネルは、さらに、前面ガラス基板(Glass Substrate)、背面ガラス基板、および、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に配置された液晶層を含み得る。
【0034】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネル上のカラーフィルタCFは、前記前面ガラス基板の側面であり、かつ、前記液晶層に近い側に配置されている。
【0035】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネル上の上部偏光板は、前記前面ガラス基板の側面であり、かつ、前記液晶層から離れた側に配置されており、かつ、下部偏光板は、前記背面ガラス基板の側面であり、かつ、前記液晶層から離れた側に配置されている。
【0036】
ディスプレイパネルを透過した光は、下部偏光板から入射し、かつ、上部偏光板から出射され、そして、下部偏光板または上部偏光板は、ディスプレイパネルにおける上部偏光板または下部偏光板の相対位置を単に示すだけであり、上部偏光板または下部偏光板の構造を限定するものではないことが理解されるだろう。
【0037】
第3態様に従って、この出願の一つの実施形態は、ディスプレイパネル、および、第1態様または可能な実装形態に従った光学モジュールを含む、ディスプレイ装置を提供する。
【0038】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイ装置は、さらに、バックライトユニットを含み、そして、前記光学モジュールは、前記ディスプレイパネルと前記バックライトユニットとの間に配置されている。
【0039】
前述の態様または可能な実装のうちいずれか1つに関連して、前記ディスプレイパネルは、さらに、上部偏光板、下部偏光板、カラーフィルタCF、前面ガラス基板、および、背面ガラス基板のうち1つ以上数を含み得る。任意的に、カラーフィルタCFは、上部偏光板と下部偏光板との間に配置されている。
【0040】
第4態様に従って、この出願の一つの実施形態は、車両を提供する。前記車両は、第3態様または可能な実装形態に従った、ディスプレイ装置を含んでいる。
【0041】
第5態様に従って、この出願の一つの実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを保管している。前記コンピュータプログラムが、プロセッサによって実行されるとき、第2態様または可能な実装形態に従った、バックライト制御方法が実施される。
【0042】
第6態様に従って、この出願の一つの実施形態は、1つ以上のプロセッサを含む、電子デバイスを提供する。1つ以上のプロセッサは、メモリに結合されており、前記メモリは、コンピュータプログラムを保管している。前記1つ以上のプロセッサは、メモリに保管されたコンピュータプログラムを実行して、第2態様または可能な実装形態に従った、光学モジュール制御方法を実施するように構成されている。
【0043】
この出願の実施形態において提供される光学モジュール、バックライト制御方法、および、ディスプレイ装置に従って、バックライトユニットの有効偏光の使用を改善することができ、液晶ディスプレイパネルのローカルディミングを実施することができ、そして、表示効果が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、本発明の一つの実施形態に従った、光学モジュールの構造に係る概略図である。
図2図2は、この出願の一つの実施形態に従った、偏光フィルムの構造に係る概略図である。
図3図3は、本発明の一つの実施形態に従った、位相遅延層(phase delay layer)の構造に係る概略図である。
図4図4は、この出願の実施形態に従った、バックライト制御方法に係る概略フローチャートである。
図5図5は、本発明の一つの実施形態に従った、ディスプレイ装置の構造に係る概略図である。
図6図6は、本発明の一つの実施形態に従った、電子デバイスの構造に係る概略図である。
図7図7は、この出願の一つの実施形態に従った、車両の構造に係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、添付の図面および実施形態を参照して、この出願をさらに詳細に説明する。ここにおいて説明される特定の実装形態は、単にこの出願を説明するために使用されるだけのものであり、この出願を限定するように意図されたものではないことを理解されたい。
【0046】
図1は、本発明の一つの実施形態に従った、光学モジュールの構造に係る概略図である。以下では、光学モジュール100の構造について説明する。
【0047】
光学モジュール100は、偏光フィルム101を備える。
【0048】
この出願のこの実施形態では、偏光フィルム101が偏光格子PG(Polarization Grating)構造を有している一つの例が、説明のために使用される。偏光フィルム101のタイプは、PG構造に限定されるものではない、そして、代替的に、入射する自然光に対して、左回り及び右回り偏光分離、および、出射角度分離を実施することができる、別の構造であってよいことが理解されるだろう。このことは、この出願において限定されるものではない。
【0049】
具体的に、偏光フィルム101は、バックライトユニットの出射側(out-light side)に配置されており、その結果、バックライトユニットの出射光は、偏光フィルム101の入射側に入射し得る。そして、偏光フィルム101を通過した後で、第1偏光および第2偏光へと変換される。
【0050】
前述の特定の実装形態に係る特定の例において、第1偏光は第1偏光状態を有し、第2偏光は第2偏光状態を有し、そして、第1偏光状態は第2偏光状態とは異なっている。例えば、第1偏光および第2偏光は、共に円偏光(circular polarized light)であり、第1偏光状態は、左回り(left-handed)偏光状態であり、そして、第2偏光状態は、右回り(right-handed)偏光状態である。代替的に、第1偏光および第2偏光は、両方とも円偏光であり、第1偏光状態は、右回り偏光状態であり、そして、第2偏光状態は、左回り偏光状態である。第1偏光状態が第2偏光状態と異なるときに、第1偏光状態または第2偏光状態の具体的なタイプは、この出願のこの実施形態において限定されるものではないことが理解されるだろう。この出願では、第1偏光および第2偏光が、それぞれに、左回り偏光状態または右回り偏光状態を有する円偏光である例が、説明のために使用されている。
【0051】
前述の特定の実装形態に係る別の特定の例において、偏光フィルム101の入射光は非偏光である。例えば、入射光は、バックライトユニットからの自然光であってよく、そして、自然光は、直交する円偏光(Circular Polarized)光の2つのビームの重ね合わせとして考えられてよい。適切なPB(Pancharatnam-Berry)位相を有する偏光フィルムに対して左回り偏光状態を有する光線が入射した後では、θの偏向角を有し、かつ、右回り偏光状態の出射光が獲得され得ることが理解されるだろう。逆に、適切なPB位相を有する偏光フィルムに対して右回り偏光状態を有する光ビームが入射した後では、-θの偏向角を有し、かつ、左回り偏光状態を有する出射光が獲得され得る。さらに、上記の特定のPB位相を有する偏光フィルムに対して自然光を入射させた後では、角度θで出射される右回り偏光、および、角度-θで出射される左回り偏光を獲得することができ、その結果、出射光の偏光状態と出射角度との分離が実施される。入射光が非偏光であるときに、偏光フィルム101の入射光は、バックライトユニットまたは別のバックライト光源からのものであり得ることが理解されるだろう。入射光の具体的な光源は、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0052】
前述の特定の実装形態に係る別の特定の例において、偏光フィルム101は、少なくとも1つの第1領域、および、少なくとも1つの第2領域を含んでいる。この出願のこの実施形態では、少なくとも1つの第1領域または少なくとも1つの第1領域の意味は、以下を示している。すなわち、偏光フィルム101の特定領域において同じPB位相および同じ偏光状態を有する入射光、例えば、バックライトユニットからの自然光が、特定領域を通過した後で、出射光は、同じ偏光状態分離状態、および、出射角度分離状態を有している。偏光フィルム101における第1領域および第2領域の構造の説明については、この出願の図2に対応する実施形態における具体的な内容を参照すること。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0053】
前述の特定の実装に係る別の特定の例において、偏光フィルム101内の少なくとも1つの第1領域、および、少なくとも1つの第2領域は、交互に配置されている。例えば、偏光フィルム101内の少なくとも1つの第1領域それぞれ、および、少なくとも1つの第2領域それぞれは、「…ABABAB…」方式で配置されている。ここで、Aは第1領域を表し、Bは第2領域を表し、そして、AおよびBは繰り返される交互配置を形成している。代替的に、少なくとも1つの第1領域、および、少なくとも1つの第2領域は、1次元/線形交互構造(alternating structure)、または、2次元/平面交互構造を形成するように、別の方式で交互に配置され得ることが理解されるだろう。このことは、この出願において限定されるものではない。この出願のこの実施形態において、「第1領域」および「第2領域」は、それぞれに、「少なくとも1つの第1領域それぞれ」および「少なくとも1つの第2領域それぞれ」と同じ意味を有している。
【0054】
さらに、反対のPB位相を有する、少なくとも1つの第1領域、および、少なくとも1つの第2領域が、交互に配置されている条件の下で、左回り偏光状態を有し、かつ、角度θで第1領域から出射される第1偏光、および、左回り偏光状態を有し、かつ、角度-θで偏光フィルム101に隣接する第2領域から出射される第1偏光は、偏光フィルム101の出射側から特定の距離dだけ離れた位置において集光(converged)される。
【0055】
上記の具体的な実施に係る特定の例において、第1偏光または第2偏光は、偏光フィルム101における第1領域および第2領域から±θの角度で放射され、かつ、交差して、異なる交差度(degrees of intersection)を有する平面を形成する。交差度は、交差面と、偏光フィルムの出射面との間の距離dにより変化することが分かるだろう。例えば、互いに隣接する第1領域および第2領域から出射された第1偏光は、偏光フィルム101の出射側から離れて、距離dmaxの位置で最大の交差度に到達し、そして、次いで、交差度は減少する。同様に、互いに隣接する第1領域および第2領域から出射された第2偏光の交差度は、同じ変化ルールを有している。すなわち、交差度は、偏光フィルム101の出射側から離れて、距離dmaxの位置で最大値に到達し、そして、次いで、減少する。
【0056】
この出願のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、バックライトユニットから放出された非偏光が光学モジュールの偏光フィルムに入射した後で、理論的には、全ての非偏光が、左回り偏光状態および右回り偏光状態を有する、出射偏光へと変換され得る。このことは、バックライトユニットの有効偏光の使用を改善し、ディスプレイ装置の電力消費を低減し、そして、液晶ディスプレイパネルの表示効果を改善する。
【0057】
光学モジュール100は、さらに、位相遅延(phase delay)層102を含んでいる。
【0058】
具体的には、位相遅延層102は、第1偏光状態を有する第1偏光および第2偏光状態を有する第2偏光を、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光へと変換するように構成されている。例えば、第1偏光および第2偏光は、それぞれに、左回り偏光状態または右回り偏光状態を有する円偏光であり、第3偏光および第4偏光は、直線(linear)偏光または楕円偏光を含んでいる。
【0059】
前述の具体的な実装に係る特定の例において、位相遅延層102は、偏光フィルム101の出射側に配置されており、そして、バックライトユニットの非偏光状態における入射光が、偏光フィルム101を使用することによって、左回り偏光状態を有する第1偏光、および、右回り偏光状態を有する第2偏光へと変換された後で、入射光は、位相遅延層102に入射し、そして、さらに、第3偏光および第4偏光へと変換される。前記第3偏光および前記第4偏光は、互いに異なる偏光状態を有する直線偏光を含み得る。代替的に、第3偏光および第4偏光は、互いに異なる偏光状態を有する楕円偏光を含み得る。第3偏光状態および第4偏光状態の特定の偏光状態は、液晶ディスプレイパネルの表示状態の制御要件に基づいて調整されてよく、そして、同じか、または、異なる偏光状態であり得ることが理解されるだろう。このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0060】
さらに、位相遅延層102は、少なくとも1つの第3領域、および、少なくとも1つの第4領域を含んでいる。少なくとも1つの第3領域、または、少なくとも1つの第4領域のそれぞれにおいて、位相遅延層102に入射した第1偏光または第2偏光は、それぞれに、第3偏光または第4偏光へと変換され得る。位相遅延層102における第3領域および第4領域の具体的な構造の説明については、この出願の図3に対応する実施形態における具体的な内容を参照すること。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0061】
上記の具体的な実施に係る特定の例において、位相遅延層102は、偏光フィルム101から出射された第1偏光および第2偏光が、位相遅延層102に対して最大限に入射できるように、偏光フィルム101の出射側から距離dmaxだけ離れて配置されてよい。システム設計要求およびディスプレイパネルの機能制御要求が満たされる場合には、位相遅延層102の位置も、また、調整され得ることが理解されるだろう。位相遅延層102に対する偏光フィルム101の相対位置は、この出願のこの実施形態において特に限定されない。
【0062】
本発明のこの実施形態における技術的ソリューションに従って、位相遅延層102は、入射した第1偏光および第2偏光を最大限に変換することができ、その結果、バックライトユニットの有効偏光の使用が改善され、ディスプレイ装置の電力消費が低減され、そして、液晶パネルの表示効果が改善される。
【0063】
上記の具体的な実施に係る別の特定の例において、位相遅延層102の出射光は、液晶ディスプレイパネルの下(lower)偏光板に入射し、そして、第3偏光および第4偏光の偏光状態が調整されて、その結果、液晶ディスプレイパネルの表示効果が制御され得る。例えば、第3偏光および第4偏光は、直線偏光であってよい。少なくとも1つの第3ピクセルによって透過される第3偏光の方向、少なくとも1つの第4ピクセルによって透過される第4偏光の方向、および下部偏光板の光透過軸を調整することによって、バックライトユニットの効率および液晶パネルの表示効果を制御することができる。
【0064】
前述の実施形態に係る一つの実装では、表示される画像がホワイトフィールド(white field)にあるとき、少なくとも1つの第3ピクセルによって透過される第3偏光の偏光方向は、偏光方向が下部偏光板の光透過軸の方向に平行になるように調整される。この場合、より多くの偏光を透過させることができ、より高いホワイトフィールド輝度を獲得することができる。
【0065】
前述の実施形態に係る別の実装では、表示される画像が暗視野(dark field)にあるとき、第3偏光及び/又は第4偏光の偏光方向は、暗視野効果を強化するように、下部偏光板の光透過軸の方向に垂直であるように調整される。
【0066】
前述の実施形態に係るに別の実装において、偏光フィルムは、パネルのグレースケール性能値を増加させるように、偏光された光の偏光方向と下部偏光板との間に非直交夾角(non-orthogonal included angle)を生成するために、領域内でアクティブに制御され得る。これにより、透過光量が調整される。
【0067】
この出願のこの実施形態における光学モジュールに従って、偏光フィルムを使用することによって、入射光は、異なる偏光状態および出射角度を有する偏光に変換することができる。理論的な変換効率は100%に近く、バックライトユニットの有効偏光の使用を大幅に改善し、そして、ディスプレイ装置の電力消費を低減することができる。光学モジュールにおける位相遅延層は、交互に配置された位相遅延領域(例えば、第3領域および第4領域)を含んでいる。ピクセルレベルのアクティブ制御が、異なる偏光状態を有する入射偏光に対して実行され、そして、ローカルディミング(Local Dimming)が、ディスプレイパネルの表示要件に基づいて実行され、その結果、高ダイナミックレンジHDR(high dynamic range)画像が取得され得る。このことは、パネルの表示効果が向上させる。
【0068】
図2は、この出願の一つの実施形態に従った、偏光フィルムの構造に係る概略図である。以下は、偏光フィルム200の構造について具体的に説明している(すなわち、図1の偏光フィルム101であり、この出願のこの実施形態では、別段の指定がない限り、偏光フィルム101および偏光フィルム200は同じ意味を有している)。偏光フィルム200は、第1領域210および第2領域220を含んでいる。第1領域210および第2領域220とは、互いに逆のPB位相を有している。偏光フィルム200は、代替的に、複数の第1領域210および複数の第2領域220を含んでよく、そして、複数の第1領域210および複数の第2領域220は、交互に配置されることが理解されるだろう。
【0069】
具体的には、偏光フィルムの第1領域210に入射した入射光は、第1出射角を有する第1偏光、および、第2出射角を有する第2偏光へと変換され、そして、偏光フィルムの第2領域220に入射した入射光は、第2出射角を有する第1偏光、および、第1出射角を有する第2偏光へと変換される。
【0070】
上記の具体的な実施に係る特定の例において、非偏光(non-polarization)状態の入射光は、第1領域210において、第1出射角θを有する左回り偏光および第2出射角-θを有する右回り偏光へと変換され、そして、第2領域220において、第2出射角-θを有する左回り偏光および第1出射角θを有する右回り偏光へと変換される。偏光格子PG構造を有する偏光フィルム200に対して、第1領域210または第2領域220のPB位相は、特定領域の偏光格子PG構造と関連付けられることが理解さるだろう。例えば、少なくとも1つの第1領域210は、同じ第1PG構造を有しており、そして、少なくとも1つの第2領域220も、また、同じ第2PG構造を有している。第1出射角および第2出射角は、入射光の波長、および、第1領域と第2領域のピッチに関連付けられる。第1出射角および第2出射角の具体的な範囲は、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0071】
この出願の実施形態における技術的ソリューションに従って、全ての入射非偏光が理論的に偏光へと変換され、そして、出射光の偏光方向および出射角度の分離が実施されて、その結果、バックライトユニットの有効偏光の使用を改善することができ、かつ、ディスプレイ装置の電力消費が低減される。
【0072】
図3は、本発明の一つの実施形態に従った、位相遅延層の構造に係る概略図である。以下は、位相遅延層300の構造について具体的に説明している(すなわち、図1の位相遅延層102であり、この出願のこの実施形態では、別段の指定がない限り、位相遅延層300および位相遅延層102は同じ意味を有している)。位相遅延層300は、第3領域310および第4領域320を含み、そして、第3領域310および第4領域320は交互に配列されている。任意的に、位相遅延層300は、複数の第3領域310および複数の第4領域320を含んでよく、そして、複数の第3領域310および複数の第4領域320は、交互に配列されている。第3領域310および第4領域320の交互配置実装は、線形/1次元交互配置であってよく、または、平面/2次元交互配置であってもよいことが理解されるだろう。このことは、この出願において限定されるものではない。
【0073】
この出願のこの実施形態において、「第3領域(“third region”)」および「第4領域(“fourth region”)」は、それぞれ「少なくとも1つの第3領域それぞれ(“each of the at least one third region”)」および「少なくとも1つの第4領域それぞれ(“each of the at least one fourth region”)」と同じ意味を有する。第3領域310または第4領域320の意味は、位相遅延層における特定の領域内の入射光は、少なくとも同じ偏光状態を有することを示している。例えば、第1偏光は、位相遅延層300の第3領域310に入射し、そして、第2偏光は、位相遅延層300の第4領域320に入射する。第3領域310および第4領域320は、位相遅延層102における第1偏光および第2偏光の入射領域のみを示しており、そして、入射光について第3領域310および第4領域320によって生成される位相遅延状態は、ディスプレイパネルの制御要件に基づいて調整され得ることが理解されるだろう。このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0074】
前述の特定の実装に係る別の特定の例において、位相遅延層300の構造は、下部基板350、上部基板330、液晶層340、および制御層360を含んでいる。下部基板350は、位相遅延層300の光入射側に配置されており、そして、上部基板330は、位相遅延層300の光出射側に配置されている。さらに、液晶層340は、下部基板350と上部基板330との間に配置されており、そして、制御層360は、液晶層340と下部基板350との間に配置されている。任意的に、制御層360は、下部基板350であり、かつ、液晶層340に近い側の表面上に配置されており、そして、一体化構造を形成している。上部基板330および下部基板350は、上部基板330および下部基板350の相対的な位置を示すに過ぎず、上部基板330および下部基板350のうち1つは、光学モジュールおよびディスプレイパネルの設計要件に基づいて、光入射側または光出射側として、選択され得ることが理解されるだろう。このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0075】
前述の実施形態の一つの実装において、下部基板350および上部基板330の材料は、ガラス、ポリマー材料、または有機-無機複合材料から選択されてよい。例えば、下部基板350および上部基板330は、液晶ガラス基板(glass substrate)、特には、無アルカリ(alkari-free)ガラス基板を含み得る。代替的に、下部基板350および上部基板330の両方は、良好な光透過性および機械的特性を有するポリマーフィルム材料を含んでいる。例えば、ポリイミドPI(polyimide)フィルム、ポリカーボネート(polycarbonate)フィルム、ポリプロピレンPP(polypropylene)フィルム、およびポリエチレンPE(polyethylene)フィルムのうちの少なくとも1つである。代替的に、上部基板330および下部基板350は、異なる物質を含んでいる。例えば、下部基板350はガラス基板を含み、そして、上部基板330は透明ポリマー材料を含んでいる。もしくは、下部基板350は透明ポリマー材料を含み、そして、上部基板330はガラス基板を含んでいる。さらに、厚さ、重量、等についてディスプレイ装置の要求を満たすために、下部基板350及び/又は上部基板330の厚さを制御する必要がある。例えば、上部基板330または下部基板350は、1ミリメートル(mm)未満である。例えば、下部基板350および上部基板330の合計の厚さは、1mmを超えない。例えば、下部基板および上部基板の合計厚さは、0.5mmを超えない。
【0076】
前述の実施形態に係るさらに別の実装において、下部基板350と上部基板330との間の液晶層340は、入射する第1偏光及び/又は第2偏光を出射する第3偏光及び/又は第4偏光に変換するように構成されている複数の液晶分子(liquid crystal molecules)を含んでいる。例えば、第1偏光は左回り偏光であり、そして、第2偏光は右回り偏光である。液晶層340が、第1偏光が1/4λ位相遅延を生成することを可能にし、かつ、右回り偏光が3/4λ位相遅延を生成することを可能にした後で、出射される第3偏光及び/又は出射される第4偏光は、同じ直線偏光方向を有している。円偏光について、左回り偏光が(1/4+k)λ位相遅延を発生させ、かつ、右回り偏光が(3/4+k)λ位相遅延を発生させた後で、もしくは、左回り偏光が(3/4+k)λ位相遅延を発生させ、かつ、右回り偏光が(1/4+k)λ位相遅延を発生させた後で(kは整数)、同じ偏光状態を有している直線偏光が獲得されることが理解できる。左回り偏光または右回り偏光は、(1/4+k)λから(3/4+k)λまでの位相遅延範囲内で楕円偏光状態を有する出射光へと変換される。第3偏光及び/又は第4偏光の偏光状態は、別の偏光状態であり得ることが理解されるだろ。このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0077】
前述の特定の実施態様に係る特定の例では、位相遅延層300において、少なくとも1つの第3領域310は、合計でM個の第3ピクセルを含み、そして、少なくとも1つの第4領域320は、合計でN個の第4ピクセルを含んでおり、そして、MおよびNは、両方とも1つ以上の正の整数である。Mは、第3領域310の数以上であり、そして、Nは、第4領域320の数以上である。さらに、前記位相遅延層300は、液晶層340を含み、そして、前記液晶層340は、1つ以上の液晶分子を含んでいる。M個の第3ピクセルそれぞれは、1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含み、そして、N個の第4ピクセルそれぞれは、1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含んでいる。さらに、この出願のこの実施形態において、M個の第3ピクセルまたはN個の第4ピクセルそれぞれは、制御素子(control element)を使用することによって、位相遅延層300において独立して制御することができる、最小繰り返し単位として見なされ得る。特定の偏光状態を有する出射光を獲得するために、各ピクセル内の少なくとも1つの液晶分子の偏向状態(deflection state)が、独立して、かつ、アクティブに制御され得る。
【0078】
前述の特定の実装形態に係る別の特定の例において、第3領域310は、第3ピクセル310aおよび第3ピクセル310bを含み、そして、第4領域320は、第4ピクセル320aおよび第4ピクセル320bを含んでいる。第3ピクセル310aの数および第3ピクセル310bの数は、Mであり、そして、第4ピクセル320aの数および第4ピクセル320bの数は、Nである。第3領域310または第4領域320に含まれるピクセルの数は、同じであってよく、または、異なってもよいことが理解されるだろう。特定の領域におけるピクセルの数は、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0079】
前述の特定の実施態様に係る別の特定の例において、第3ピクセル310a、第3ピクセル310b、第4ピクセル320a、および第4ピクセル320bのそれぞれは、制御素子を使用することによって独立に制御されてよく、その結果、ピクセルに含まれる1つ以上の液晶分子が特定の偏向を生成し、そして、ピクセルに入射する第1偏光または第2偏光が特定の位相遅延を生成して、第3偏光状態を有する第3偏光または第4偏光状態を有する第4偏光を獲得する。
【0080】
前述の特定の実装形態に係る別の特定の例において、制御層360は、1つ以上の制御素子を含んでいる(図3に示されていない)を含む。1つ以上の制御素子は、液晶層340における1つ以上の液晶分子の偏向を制御するように構成されており、その結果、位相遅延層300に入射する第1偏光および第2偏光それぞれは、対応する位相遅延を生成し、第3偏光状態を有する第3偏光および第4偏光状態を有する第4偏光を獲得する。任意的に、1つ以上の制御素子は、薄膜トランジスタTFTであってよい。例えば、薄膜トランジスタTFTは、アモルファスシリコンα-Si-TFT、低温多結晶シリコンLTPS-TFT、または酸化物Oxide-TFTのうち少なくとも1つであってよい。この出願のこの実施形態において、薄膜トランジスタのタイプは限定されるものではない。
【0081】
図4は、この出願の一つの実施形態に従った、バックライト制御方法に係る概略フローチャートである。以下は、具体的に本方法を説明している。
【0082】
ステップ410:光が偏光フィルムに入射するのを可能にして、第1偏光状態を有する第1偏光および第2偏光状態を有する第2偏光を獲得する。ここで、第1偏光状態は、第2偏光状態とは異なっている。
【0083】
具体的に、偏光フィルムは、交互に配置された少なくとも1つの第1領域および少なくとも1つの第2領域を含んでいる。入射光は、少なくとも1つの第1領域において、第1出射角を有する第1偏光および第2出射角を有する第2偏光へと変換される。入射光は、少なくとも1つの第2領域において、第2出射角を有する第1偏光および第1出射角を有する第2偏光へと変換される。
【0084】
前述の特定の実装に係る別の特定の例において、第1偏光状態は、左回り偏光状態であり、そして、第2偏光状態は、右回り偏光状態である。代替的に、第1偏光状態は、右回り偏光状態であり、そして、第2偏光状態は、左回り偏光状態である。
【0085】
説明を容易かつ簡潔にするために、この実施形態における具体的な説明については、図1に対応する実施形態における説明を参照すること。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0086】
ステップ420:第1偏光および第2偏光が位相遅延層に入射するのを可能にして、第3偏光状態を有する第3偏光、および、第4偏光状態を有する第4偏光を獲得する。
【0087】
具体的に、位相遅延層は制御層を含み、そして、制御層は1つ以上の制御素子を含んでいる。1つ以上の制御素子は、第1偏光および第2偏光を第3偏光および第4偏光へと変換するために、位相遅延層を制御するように構成されている。
【0088】
具体的に、位相遅延層は、交互に配置された少なくとも1つの第3領域および少なくとも1つの第4領域を含んでいる。第1偏光は、少なくとも1つの第3領域において第3偏光に変換され、第2偏光は、少なくとも1つの第4領域において第4偏光に変換され、第3偏光状態は、直線偏光状態または楕円偏光状態を含み、第4偏光状態は、線形偏光状態または楕円偏光状態を含むことができる。
【0089】
前述の特定の実装に係る特定の例において、位相遅延層は、偏光フィルムの出射側に近接して配置されており、そして、位相遅延層の入射側と偏光フィルムの出射側との間の距離dは、第1出射角または第2出射角に関連付けられている。少なくとも1つの第3領域は、合計M個の第3ピクセルを含み、少なくとも1つの第4領域は、合計N個の第4ピクセルを含み、Mは、少なくとも1つの第1領域の数以上であり、そして、Nは、少なくとも1つの第2領域の数以上である。
【0090】
具体的に、位相遅延層は、液晶層を含み、そして、液晶層は、1つ以上の液晶分子を含んでいる。M個の第3ピクセルそれぞれは、1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含み、そして、N個の第4ピクセルそれぞれは、1つ以上の液晶分子のうち少なくとも1つを含んでいる。1つ以上の制御素子は、第3偏光および第4偏光がそれぞれ第3偏光状態および第4偏光状態を有するように、1つ以上の液晶分子の偏向を制御するように構成されている。
【0091】
説明を容易かつ簡潔にするために、この実施形態における具体的な説明については、図1に対応する実施形態における説明を参照すること。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0092】
この出願のこの実施形態におけるバックライト制御方法に従って、一方で、偏光フィルムを使用することによって、入射光は、異なる偏光状態および出射角度を有する偏光へと変換される。従来の偏光変換方法と比較して、この方法は、バックライトユニットの有効偏光の使用を著しく改善し、そして、ディスプレイ装置の電力消費をさらに低減することができる。一方で、光学モジュールにおける位相遅延層は、入射偏光をアクティブに制御し、それによって、パネルの表示効果を改善している。
【0093】
図5は、この出願の一つの実施形態に従った、ディスプレイ装置に係る概略図である。ディスプレイ装置500は、ディスプレイパネル501、光学モジュール502(すなわち、図1における光学モジュール100)、および、バックライトユニット503を含んでいる。ディスプレイ装置500は、さらに、別の構造および構成要素を含み得ることが理解されるだろう。このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0094】
具体的に、ディスプレイパネル501は、上部偏光板501a、下部偏光板501b、カラーフィルタ501c、液晶層501d、および制御層501eのうち1つ以上を含んでいる。上部偏光板501aおよび下部偏光板501bは、それぞれに、ディスプレイパネル501の出射側および入射側に配置されている。ディスプレイパネル501は、さらに、別の構成要素および構造を含み得ることが理解されるだろう。このことは、この出願において限定されるものではない。
【0095】
前述の特定の実装形態に係る特定の例において、上部偏光板501aは、ディスプレイパネル501に入射する光を偏光された光に制御するように構成され得る。下部偏光板501bは、液晶層501dを透過した出射偏光の発光量を制御し、そして、カラーフィルタ501cと協働して、ディスプレイパネルの色および輝度を制御するように構成され得る。例えば、カラーフィルタ501cは、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のサブピクセルが交互に配列された構造を含んでよく、そして、各サブピクセルの発光量を制御することによって、異なる色を表示することができる。カラーフィルタ501cは、別のタイプのサブピクセルおよび別のタイプの配置方式を含み得ることが理解されるだろう。このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0096】
前述の特定の実装形態に係る別の特定の例において、カラーフィルタ501cは、上部偏光板501aと下部偏光板501bとの間に配置されている。さらに、カラーフィルタ501cは、液晶層501dの出射側に配置されており、その結果、カラーフィルタ501cに入射する偏光の偏光状態を制御することができ、そして、液晶パネルの表示効果を制御することができる。
【0097】
ディスプレイ装置500における光学モジュール502は、ディスプレイパネル501とバックライトユニット503との間に配置されており、その結果、バックライトユニット503の出射光を偏光へと変換することができる。光学モジュール502の説明については、この出願の図2に対応する実施形態における具体的な内容を参照すること。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0098】
バックライトユニット503は、光源、拡散フィルム、輝度向上フィルム、および導光板(light guide plate)のうち1つ以上を含み得る。バックライトユニット503のタイプおよび構造は、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0099】
図6は、この出願の一つの実施形態に従った、電子デバイス600の構造に係る概略図である。
【0100】
プロセッサ610は、この出願の図4に示される実施形態において提供されるバックライト制御方法を実施するために、メモリ620に保管されたコンピュータプログラムを実行するように構成されている。任意的に、メモリ620は、プロセッサ610に結合されている。
【0101】
プロセッサ610は、1つ以上のプロセッサであり得る。そして、このことは、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。
【0102】
任意的に、電子デバイス600は、さらに、メモリ620を含み得る。そして、メモリ620は、コンピュータプログラムを保管する。
【0103】
加えて、この出願の一つの実施形態は、さらに、装置を提供する。本装置は、この出願の図4に示される実施形態において提供されるバックライト制御方法を実施するための機能モジュールを含んでいる。機能モジュールは、プロセッサによって実装されてよく、または、プロセッサおよびメモリによって共同で実装されてもよい。
【0104】
図7は、この出願の一つの実施形態に従った、車両の構造に係る概略図である。車両700は、ディスプレイ装置710を含んでいる。ディスプレイ装置710は、この出願の図5に示される実施形態において提供されるディスプレイ装置500であることが理解されるだろう。
【0105】
この出願の実施形態における「車両(“vehicle”)」または別の同様の用語は、一般的なモータービークルを含むことが理解されるだろう。例えば、自動車、SUV、MPV、バス、トラック、および、別の貨物または乗用車、様々な船およびボートを含む船舶、航空機、等であり、ハイブリッド車両、電気自動車、燃料車両、プラグインハイブリッド電気自動車、燃料電池車両、および、別の代替燃料車両を含んでいる。ハイブリッド動力車両は、2つ以上の動力源を有する車両である。電気自動車には、純電気自動車、長距離電気自動車、などを含む。車両のタイプは、この出願のこの実施形態において、特には、限定されるものではない。
【0106】
この出願の一つの実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを保管している。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、この出願の図4に示される実施形態において提供される方法が提供される。
【0107】
この出願の実施形態の特定の実装形態において使用される用語は、単に、この出願の特定の実装形態を説明するために使用されるだけのものであり、この出願を限定するように意図されたものではない。
【0108】
この出願の実施形態における技術的ソリューションを明確に説明するために、「第1(“first”)」および「第2(“second”)」といった用語は、この出願の実施形態において、基本的に同じ機能および目的を有する同じ項目または類似の項目を区別するために使用されていることが留意されるべきである。例えば、第1領域および第2領域は、異なる偏光領域のタイプを区別するためだけに使用されており、別段の明確な指定および限定がない限り、領域の順序は限定されるものではなく、そして、指示または暗示として理解されることはできない。当業者は、「第1」および「第2」といった用語は、数または実行順序を限定するものではないことを理解するだろう。
【0109】
当業者は、ここにおいて開示および説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップを参照して説明される機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、それらの任意の組合せによって実装され得ることを正しく理解することができる。ソフトウェアによって実装される場合、例示的な論理ブロック、モジュール、およびステップを参照して説明された機能は、1つ以上の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体において保管され、または、送信されてよく、そして、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、データストレージ媒体といった有形媒体に対応する、コンピュータ可読記憶媒体を含んでよく、または、(例えば、通信プロトコルに従って)ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの送信を促進する任意の通信媒体を含んでもよい。このようにして、コンピュータ可読媒体は、一般的に、(1)非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体、または、(2)信号またはキャリアといった通信媒体、に対応し得る。データストローク媒体は、この出願で説明される技術の実装のための命令、コード、及び/又は、データ構造を取り出すために、1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のプロセッサによってアクセスすることができる、任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0110】
例示として、かつ、限定ではなく、そうしたコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは別の光ディスク記憶装置、磁気ディスクストレージ装置または別の磁気ストレージ装置、フラッシュメモリ、もしくは、命令またはデータ構造の形態で必要とされるプログラムコードを保管することができ、かつ、コンピュータによってアクセスすることができる、任意の他の媒体を含み得る。加えて、任意の接続は、コンピュータ可読媒体として適切に参照される。例えば、命令が、ウェブサイト、サーバ、または、別のリモートソースから、同軸ケーブル、光ファイバ、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、もしくは、マイクロ波といった無線技術を介して、送信される場合に、同軸ケーブル、光ファイバ、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、もしくは、マイクロ波といった無線技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ可読記憶媒体およびデータ記憶媒体は、接続、キャリア、信号、または、他の一時的媒体を含まないが、実際には、非一時的有形記憶媒体を意味することが理解されるべきである。この明細書において使用されるディスクは、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、および、ブルーレイ(登録商標)ディスクを含んでいる。ディスクは、たいてい、磁気的にデータを再生するが、一方で、ディスクは、レーザを使用することにより光学的にデータを再生する。上記の組合せも、また、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0111】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは、別の同等の集積回路またはディスクリート論理回路といった、1つ以上のプロセッサによって実行され得る。従って、この明細書において使用される「プロセッサ(“processor”)」という用語は、前述の構造、または、この明細書において説明される技術の実装に適用され得る任意の他の構造を参照し得る。加えて、いくつかの態様において、本技術は、1つ以上の回路または論理素子において完全に実装され得る。
【0112】
この出願における技術は、車載デバイス、集積回路(IC)、または、ICのセット(例えば、チップセット)を含む、様々な装置またはデバイスにおいて実装され得る。様々な構成要素、モジュール、またはユニットが、開示される技法を実行するように構成された装置の機能的な態様を強調するために、この出願において説明されているが、必ずしも異なるハードウェアによる実現を要求するものではない。実際には、上述のように、様々なモジュールは、適切なソフトウェアな及び/又はファームウェアと組み合わせてハードウェアに組み合わされてよく、または、(上述の1つ以上のプロセッサを含む)相互運用可能なハードウェアによって提供され得る。
【0113】
前述の実施形態において、各実施形態の説明は、それぞれの焦点を有している。一つの実施形態において詳細には説明されていない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照すること。
【0114】
前述の説明は、単に、この出願の特定の実装形態に過ぎず、そして、この出願において開示される範囲内で当業者によって容易に考え出される変形または置換は、この出願の保護範囲内に入るものとする。この出願の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7