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特許7562867電子デバイスの動き検知を管理するためのシステムおよび方法、ならびに関連する電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】電子デバイスの動き検知を管理するためのシステムおよび方法、ならびに関連する電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240930BHJP
   G06F 1/3231 20190101ALI20240930BHJP
【FI】
G06F3/01 570
G06F1/3231
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023541628
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022011407
(87)【国際公開番号】W WO2022150455
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-12-01
(31)【優先権主張番号】17/145,134
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/145,007
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルヒ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】フィントアイゼン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジンジエ
(72)【発明者】
【氏名】アレクザンダー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】シー,シャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジョウ
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-086334(JP,A)
【文献】米国特許第09063574(US,B1)
【文献】特開2013-115649(JP,A)
【文献】特開2022-002033(JP,A)
【文献】特開2005-242759(JP,A)
【文献】特開2014-137762(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0050425(US,A1)
【文献】米国特許第09354709(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 1/3231
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス上の動き検知機能を管理する、コンピュータで実行される方法であって、前記コンピュータで実行される方法は、
プロセッサが、前記電子デバイスのセンサからセンサデータのセットを取得するステップと、
前記センサデータのセットの取得に応答して、前記プロセッサによって実行される初期の動き認識アルゴリズムによって、前記センサデータのセットの分析に基づいて、前記電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知するステップと、
前記動きの変化の検知に応答して、前記センサデータのセットを前記電子デバイスのメモリにキャッシュして、前記プロセッサが、補助の動き認識アルゴリズムを開始するステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムの開始に応答して、前記メモリから、前記センサデータのセットを取得するステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記メモリから取得された前記センサデータのセットを分析するステップと、
前記メモリから取得された前記センサデータのセットの分析に応答して、前記補助の動き認識アルゴリズムによって前記動きの変化を確認するステップと、
前記動きの変化の確認に応答して、前記プロセッサが、前記電子デバイスの追加センサからセンサデータの追加セットを取得するステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記センサデータの追加セットを分析するステップとを含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項2】
前記メモリにキャッシュされた前記センサデータのセットの少なくとも一部分を除去するステップをさらに含み、前記センサデータの少なくとも一部分は、動きを示さない、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項3】
前記メモリにキャッシュされた前記センサデータのセットを分析するステップは、
前記プロセッサが開始した前記補助の動き認識アルゴリズムによって、少なくとも前記一部分が除去された前記センサデータのセットを分析するステップを含む、請求項2に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項4】
前記補助の動き認識アルゴリズムが、前記センサデータの追加セットの分析に基づいて動きのさらに他の変化を検知し損なうステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップとをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項5】
電子デバイスであって、
第1センサおよび第2センサと、
メモリと、
前記第1センサ、前記第2センサおよび前記メモリにインターフェイスされたプロセッサとを備え、前記プロセッサは、
前記第1センサからセンサデータのセットを取得し、
前記センサデータのセットの取得に応答して、初期の動き認識アルゴリズムによって、前記センサデータのセットの分析に基づいて、前記電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知し、
前記動きの変化の検知に応答して、前記メモリに前記センサデータのセットをキャッシュさせて補助の動き認識アルゴリズムを開始し、前記補助の動き認識アルゴリズムの開始に応答して、前記メモリから、キャッシュされた前記センサデータのセットを取得し、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記メモリから取得された前記センサデータのセットを分析し、
前記メモリから取得された前記センサデータのセットの分析に応答して、前記補助の動き認識アルゴリズムによって前記動きの変化を確認し、
前記動きの変化の確認に応答して、前記第2センサからセンサデータの追加セットを取得し、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記センサデータの追加セットを分析するように構成されている、電子デバイス。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記メモリにキャッシュされた前記センサデータのセットの少なくとも一部分を除去するようにさらに構成されており、前記センサデータのセットの一部分は、動きを示さない、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記補助の動き認識アルゴリズムによって、少なくとも前記一部分が除去された前記センサデータのセットを分析する、請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記センサデータの追加セットの分析に基づいて、動きの追加の変化の検知を失敗し、
前記補助の動き認識アルゴリズムを終了するようにさらに構成されている、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項9】
電子デバイス上の動き検知機能を管理するコンピュータで実行される方法であって、前記コンピュータで実行される方法は、
プロセッサが、第1の感度モードで動作している前記電子デバイスのセンサから第1のモードのセンサデータの第1のセットを取得するステップと、
前記第1のモードのセンサデータの第1のセットの取得に応答して、前記プロセッサによって実行される初期の動き認識アルゴリズムによって、前記第1のモードのセンサデータの第1のセットの分析に基づいて、前記電子デバイスに対するターゲットの動きの第1の変化を検知するステップと、
前記動きの第1の変化を検知することに応答して、
前記プロセッサが、第2の感度モードで動作している前記センサから第2のモードのセンサデータのセットを取得するステップと、
前記第2のモードのセンサデータのセットを前記電子デバイスのメモリにキャッシュするステップと、
前記プロセッサが、前記第1の感度モードで動作している前記センサから第1のモードのセンサデータの第2のセットを取得するステップと、
前記プロセッサが、補助の動き認識アルゴリズムを開始するステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムの開始に応答して、前記メモリから、前記第2のモードのセンサデータを取得するステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記メモリから取得された前記第2のモードのセンサデータのセットを分析するステップと、
前記メモリから取得された前記第2のモードのセンサデータのセットの分析に応答して、前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記電子デバイスに対する前記ターゲットの動きの第2の変化を検知するステップと、
前記動きの第2の変化の検知に応答して、前記プロセッサが、前記第2の感度モードで動作している前記センサから、第2モードのセンサデータの第2のセットを取得するステップと、
前記補助の動き認識アルゴリズムによって、前記第2モードのセンサデータの第2のセットを分析するステップと
前記初期の動き認識アルゴリズムによって、前記第1のモードのセンサデータの第2のセットを分析するステップとを含む、コンピュータで実行される方法。
【請求項10】
前記メモリにキャッシュされた前記第2のモードのセンサデータのセットの少なくとも一部分を除去するステップをさらに含み、前記第2のモードのセンサデータのセットの少なくとも一部分は、動きを示さず、前記方法はさらに、
前記プロセッサが開始した前記補助の動き認識アルゴリズムによって、少なくとも一部分が除去された第2のモードのセンサデータを分析するステップを含む、請求項9に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップをさらに含む、請求項9に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項12】
前記補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップは、
前記メモリにキャッシュされた前記第2のモードのセンサデータのセットの前記補助の動き認識アルゴリズムによる分析に基づいて、前記電子デバイスに対する動きの変化の検知に失敗することと、
前記補助の動き認識アルゴリズムを終了することとを含む、請求項11に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項13】
前記センサは、レーダーセンサである、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項14】
前記追加センサは、超音波センサである、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項15】
前記センサデータの追加のセットの分析に基づいて、前記ターゲットにより行なわれるジェスチャを検知するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項16】
前記第1センサは、レーダーセンサである、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記第2センサは、超音波センサである、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記センサデータの追加のセットの分析に基づいて、前記ターゲットにより行なわれるジェスチャを検知することをさらに備える、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記センサは、レーダーセンサである、請求項9に記載のコンピュータで実行される方法。
【請求項20】
請求項1~4,9~15および19のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月8日出願の米国特許出願第17/145,007号および2021年1月8日出願の米国特許出願第17/145,134号の利益を主張するものであり、これらの全体が参照によってここで本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、電子デバイス上のセンサの動作を管理することに関し、より詳細には、各種センサの動作を管理することと、対応するセンサデータを処理するアルゴリズムとに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
本明細書で提供される、発明の背景の説明は、本開示の状況を全体的に提示するためのものである。この発明の背景の節に記述されている範囲における本発明者の成果、ならびに出願時点において従来技術として適格ではない記述の態様は、明示的にも暗示的にも本開示に対する従来技術とは認められない。
【0004】
スマートフォンおよび他の装置のような電子デバイスは、絶えず技術的に改善されている。一般に、電子デバイスは、電子デバイスに関連する様々な機能性、モード、およびアプリケーションを助長するために、より多くのセンサおよび/または改善されたセンサを組み込む。デバイス能力の向上と併せて、センサが追加され、かつ/または改善される状況で、デバイスのリソース管理がより困難になる。詳細には、追加のセンサを使用すると、増加したリソース使用のうち特に、より多くの電力を消費し、中央処理装置(CPU)のより大きな帯域幅を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子デバイスは、この向上した能力およびCPUの要求に適応するために、一般的には十分なCPU能力およびメモリ能力を用いて設計される。しかしながら、こうすると、電子デバイスの製造に関連したハードウェアコストが増加する可能性がある。加えて、センサが最高の信号対雑音比(SNR)モードで活発に動作すると、他のデバイスの環境においてノイズが増加する。なおまた、大抵の場合、デバイスは最悪ケースの動作条件を補償するために十分な放熱性を伴って設計されているので、結果として、大抵の場合デバイスが必要以上に大きくなって、物理設計の制約になり得、ユーザの期待が大きくなり、市場が縮小する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
実装形態によれば、電子デバイスは、たとえばレーダセンサおよび/または超音波センサといった1つまたは複数のセンサからのデータを処理する複数のアルゴリズムを管理する可能性がある。センサ(複数可)がセンサデータのセットを継続的に生成し得、これを初期の動き認識アルゴリズムが分析して、分析に基づき、電子デバイスの近隣におけるターゲットの動きの変化を検知し得る。動きの変化が検知されると、電子デバイスは、メモリの中のセンサデータのセットをキャッシュして、センサからのデータを処理する補足の動き認識アルゴリズムを開始し得る。電子デバイスは「クラッタ除去」を促進してもよく、これにおいて、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットから、動きを示さない一部分が除去され得る。
【0007】
補助の動き認識アルゴリズムは、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットを分析して、この分析に基づいて、初期の動き認識アルゴリズムによって最初に検知された動きにおける変化を確認し得る。補助の動き認識アルゴリズムが動きの変化を確認しなければ、初期の動き認識アルゴリズムによって最初に検知された動きの変化はフォールスポジティブとみなされ得る。
【0008】
フォールスポジティブが検知された状況では、電子デバイスは補助の動き認識アルゴリズムを停止し得る。したがって、電子デバイスは、初期の動き認識アルゴリズムのみの実行に戻ればよく、計算リソース、メモリリソース、電力リソース、および/または熱リソースを節約する。
【0009】
動きの変化が確認された状況では、補助の動き認識アルゴリズムは、センサによって生成された追加のセンサデータを処理して、様々な機能性を促進し得る。たとえば、補助の動き認識アルゴリズムは、電子デバイスの近隣で実行されたユーザジェスチャを検知し得るジェスチャ認識アルゴリズムであり得る。
【0010】
他の実装形態では、センサが第1のモードで動作して、第1のモードのセンサデータの対応する第1のセットを生成し得る。初期のアルゴリズムは、第1のモードのセンサデータの第1のセットを分析して、電子デバイスの近隣におけるターゲットの動きの変化を検知し得る。応答して、センサは、さらに第2のモードで動作して、メモリにキャッシュされ得る第2のモードのセンサデータの対応するセットを生成し得る。
【0011】
電子デバイスは、キャッシュされたセンサデータを取得して分析する補助のアルゴリズムを開始し得る。電子デバイスは、キャッシュされたセンサデータにおいて検知された何らかの動きに基づき、補助のアルゴリズムの動作を継続してよく、または終結し得る。
【0012】
追加の実装形態では、センサが低感度モードで動作して、低感度センサデータの対応するセットを生成し得る。初期のアルゴリズムは、低感度センサデータのセットを分析して、電子デバイスの近隣におけるターゲットの動きの変化を検知し得る。
【0013】
電子デバイスは、タイムアウトウィンドウを開始して、タイムアウトウィンドウの間に、同一のセンサまたは別のセンサは、高感度モードで動作して、高感度センサデータの対応するセットを生成し得る。電子デバイスは、高感度センサデータのセットを処理する補助のアルゴリズムをさらに開始して、もともと検知された動きの変化を確認し得る。
【0014】
加えて、初期のアルゴリズムは、タイムアウトウィンドウの間に生成された低感度の追加セットを分析して、タイムアウトウィンドウの間にさらに他の動きは検知されなかったと判定し得る。結果として、電子デバイスは、高感度センサデータのセットによって最初に確認された動きの変化が実際にはフォールスポジティブであったと判定し得る。
【0015】
開示された主題のいくつかの実施形態では、電子デバイス上の動き検知機能を管理するコンピュータで実行される方法が提供される。コンピュータで実行される方法は、プロセッサによって、電子デバイスのセンサからセンサデータのセットを取得するステップと、プロセッサによるセンサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知するステップと、センサデータのセットを電子デバイスのメモリにキャッシュするステップと、動きの変化を検知することに基づき、プロセッサによって、補助の動き認識アルゴリズムを開始するステップと、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットを、プロセッサが開始した補助の動き認識アルゴリズムによって分析するステップと、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットの分析に基づいて、補助の動き認識アルゴリズムによって動きの変化を確認するステップとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットの、少なくとも、動きを示さない一部分を除去するステップをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットを分析するステップは、少なくとも、動きを示さない一部分が除去されたセンサデータのセットを、プロセッサが開始した補助の動き認識アルゴリズムによって分析するステップを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、プロセッサによって電子デバイスのセンサからセンサデータの追加セットを取得して、センサデータの追加セットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析するステップをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、補助の動き認識アルゴリズムによるセンサデータの追加セットの分析に基づいて動きのさらに他の変化を検知することを試みて検知がないステップと、補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップとをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、プロセッサによって電子デバイスの追加センサからセンサデータの追加セットを取得して、センサデータの追加セットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析するステップをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、動きの変化を検知するステップは、プロセッサによって実行される初期の動き認識アルゴリズムによるセンサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知するステップを含む。
【0022】
開示された主題のいくつかの実施形態では、電子デバイスが提供される。電子デバイスは、センサと、メモリと、センサおよびメモリにインターフェイスされたプロセッサとを備え、プロセッサは、センサからセンサデータのセットを取得し、センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知し、メモリによってセンサデータのセットをキャッシュし、動きの変化を検知することに基づき、補助の動き認識アルゴリズムを開始し、メモリから、キャッシュされたセンサデータのセットを取得し、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析して、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットの分析に基づいて、補助の動き認識アルゴリズムによって動きの変化を確認するように構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、メモリにキャッシュされたセンサデータのセットの少なくとも一部分を除去するようにさらに構成されており、当該センサデータのセットの少なくとも一部分は、動きを示さない。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、少なくとも動きを示さない一部分が除去されたセンサデータのセットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析する。
【0025】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、センサから、センサデータの追加セットを取得して、センサデータの追加セットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析するようにさらに構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、補助の動き認識アルゴリズムによるセンサデータの追加セットの分析に基づいて、動きのさらに他の変化の検知に失敗し、補助の動き認識アルゴリズムを終了するようにさらに構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、電子デバイスが追加センサをさらに備え、プロセッサは、追加センサから、センサデータの追加セットを取得して、センサデータの追加セットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析するようにさらに構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、初期の動き認識アルゴリズムによってセンサデータのセットを分析して、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知する。
【0029】
開示された主題のいくつかの実施形態では、電子デバイス上の動き検知機能を管理するコンピュータで実行される方法が提供される。コンピュータで実行される方法は、プロセッサによって、第1の感度モードで動作している電子デバイスのセンサから第1のモードのセンサデータの第1のセットを取得するステップと、初期の動き認識アルゴリズムによって、第1のモードのセンサデータの第1のセットの分析に基づいて、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知するステップと、動きの変化を検知することに基づき、プロセッサによって、第2の感度モードで動作しているセンサから第2のモードのセンサデータのセットを取得するステップと、第2のモードのセンサデータのセットを電子デバイスのメモリにキャッシュするステップと、プロセッサによって、第1の感度モードで動作しているセンサから第1のモードのセンサデータの第2のセットを取得するステップと、プロセッサによって、補助の動き認識アルゴリズムを開始するステップと、メモリにキャッシュされた第2のモードのセンサデータのセットを、プロセッサが開始した補助の動き認識アルゴリズムによって分析するステップとを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、初期の動き認識アルゴリズムよって、第1のモードのセンサデータの第2のセットを分析するステップをさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、プロセッサによって、第2の感度モードで動作しているセンサから第2のモードのセンサデータの追加セットを取得するステップと、補助の動き認識アルゴリズムによって、第2のモードのセンサデータの追加セットを分析するステップとをさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、メモリにキャッシュされた第2のモードのセンサデータのセットのうち少なくとも一部分を除去するステップをさらに含み、第2のモードのセンサデータのセットのうち少なくとも一部分は動きを示しておらず、メモリにキャッシュされた第2のモードのセンサデータのセットは、プロセッサが開始した補助の動き認識アルゴリズムによって、少なくとも一部分が除去された第2のモードのセンサデータのセットを分析することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、プロセッサによって補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップをさらに含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップは、メモリにキャッシュされた第2のモードのセンサデータのセットの、補助の動き認識アルゴリズムによる分析に基づいて電子デバイスに対する動きの変化を検知することを試みて検知がないステップと、補助の動き認識アルゴリズムを終了するステップとを含む。
【0035】
開示された主題のいくつかの実施形態では、電子デバイスにおけるセンサ活動を管理するコンピュータで実行される方法が提供される。コンピュータで実行される方法は、低感度モードで動作している、電子デバイスの少なくとも1つのセンサから、プロセッサによって低感度センサデータのセットを取得するステップと、プロセッサによる低感度センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知するステップと、動きの変化を検知することに基づき、設定された時間の間に、高感度モードで動作している少なくとも1つのセンサから、プロセッサによって高感度センサデータのセットを取得するステップと、低感度モードで動作している少なくとも1つのセンサから、プロセッサによって低感度センサデータの追加セットを取得するステップと、プロセッサによって、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析するステップと、高感度センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きの変化を確認するステップと、設定された時間が経過した後に、低感度センサデータの追加セットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きのさらに他の変化は検知されなかったと判定して、高感度センサデータのセットの分析に基づく動きの変化の確認をフォールスポジティブと見なすステップとを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、低感度センサデータのセットを取得するステップは、低感度モードで動作している少なくとも1つのセンサのうち第1のセンサから、プロセッサによって低感度センサデータのセットを取得するステップを含み、高感度センサデータのセットを取得するステップは、高感度モードで動作している少なくとも1つのセンサのうち第2のセンサから、プロセッサによって高感度センサデータのセットを取得するステップを含み、低感度センサデータの追加セットを取得するステップは、低感度モードで動作している第1のセンサから、プロセッサによって低感度センサデータの追加セットを取得するステップを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、電子デバイスに対する動きの変化を確認するステップは、高感度センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きの、後の変化を検知するステップを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、動きの変化を検知することに基づき、設定された時間の間に、プロセッサによって、高感度モードで動作している少なくとも1つのセンサから取得された高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムを開始するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムは、時間帯に基づいて開始されるまではインアクティブである。いくつかの実施形態では、コンピュータで実行される方法は、高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムを終了して、少なくとも1つのセンサに、高感度センサデータのセットの生成を中止するように要求するステップをさらに含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析するステップは、プロセッサによって、初期のアルゴリズムを使用して、低感度センサデータの追加セットを分析するステップと、プロセッサによって、後続のアルゴリズムを使用して、高感度センサデータのセットを分析するステップとを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、高感度センサデータのセットを取得するステップは、プロセッサによって、少なくとも1つのセンサに、高感度センサデータのセットを生成するように要求するステップと、プロセッサによって、少なくとも1つのセンサから、高感度センサデータのセットを受け取るステップとを含む。
【0041】
開示された主題のいくつかの実施形態では、電子デバイスが提供される。電子デバイスは、低感度モードで動作するように構成された第1のセンサと、高感度モードで動作するように構成された第2のセンサと、第1のセンサおよび第2のセンサにインターフェイスされたプロセッサとを備え、プロセッサは、第1のセンサから低感度センサデータのセットを取得し、低感度センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知して、動きの変化を検知したことに基づき、タイムアウトウィンドウを開始して、タイムアウトウィンドウがアクティブである間に、第2のセンサから高感度センサデータのセットを取得し、第1のセンサから低感度センサデータの追加セットを取得し、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析して、高感度センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きのさらに他の変化を検知し、タイムアウトウィンドウが経過した後に、低感度センサデータの追加セットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きは検知されなかったと判定して、高感度センサデータのセットの分析に基づく動きのさらに他の変化の検知をフォールスポジティブと見なすように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1のセンサはレーダセンサであり、第2のセンサは超音波センサである。
【0043】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、第2のセンサから取得された高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムを開始するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサが高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムは、時間帯に基づいて開始されるまではインアクティブである。いくつかの実施形態では、プロセッサは、高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムを終了して、第2のセンサに、高感度センサデータのセットの生成を中止するよう要求するようにさらに構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析するために、プロセッサは、初期のアルゴリズムを使用して低感度センサデータの追加セットを分析し、後続のアルゴリズムを使用して高感度センサデータのセットを分析するように、さらに構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、高感度センサデータのセットを取得するために、プロセッサは、第2のセンサに、高感度センサデータのセットを生成するよう要求して、第2のセンサから高感度センサデータのセットを取得するようにさらに構成される。
【0046】
開示された主題のいくつかの実施形態では、命令を記憶している非一時的コンピュータ可読メモリが提供され、電子デバイスの1つまたは複数のプロセッサは、これらの命令を実行することにより、低感度モードで動作している、電子デバイスの少なくとも1つのセンサから、低感度センサデータのセットを取得し、低感度センサデータのセットを分析して、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を検知し、動きの変化を検知することに基づき、設定された時間の間に、高感度モードで動作している少なくとも1つのセンサから、高感度センサデータのセットを取得し、低感度モードで動作している少なくとも1つのセンサから、低感度センサデータの追加セットを取得し、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析して、高感度センサデータのセットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きのさらに他の変化を検知し、設定された時間が経過した後に、低感度センサデータの追加セットの分析に基づいて、低感度センサデータの追加セットには、電子デバイスに対する動きのさらに他の変化は指示されていないと判定して、高感度センサデータのセットの分析に基づく動きのさらに他の変化の検知をフォールスポジティブと見なす。
【0047】
いくつかの実施形態では、低感度センサデータのセットを取得するために、1つまたは複数のプロセッサは、命令によって、低感度モードで動作している少なくとも1つのセンサのうち第1のセンサから、低感度センサデータのセットを取得し、高感度センサデータのセットを取得するために、1つまたは複数のプロセッサは、命令によって、高感度モードで動作している少なくとも1つのセンサのうち第2のセンサから、高感度センサデータのセットを取得し、低感度センサデータの追加セットを取得するために、1つまたは複数のプロセッサは、命令によって、低感度モードで動作している第1のセンサから、低感度センサデータの追加セットを取得する。
【0048】
いくつかの実施形態では、動きの変化を検知することに基づき、設定された時間の間に、1つまたは複数のプロセッサは、命令によって、高感度モードで動作している少なくとも1つのセンサから取得された高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムをさらに開始する。
【0049】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、命令によって、さらに、高感度センサデータのセットを消費するアルゴリズムを終了して、少なくとも1つのセンサに、高感度センサデータのセットの生成を中止するよう要求する。
【0050】
いくつかの実施形態では、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析するために、1つまたは複数のプロセッサは、命令によって、初期のアルゴリズムを使用して、低感度センサデータの追加セットを分析し、後続のアルゴリズムを使用して、高感度センサデータのセットを分析する。
【0051】
添付図では、個別の図を通じて、類似の参照数字は、同一であるかまたは機能的に類似の要素を指し、添付図は、以下の詳細な説明とともに、本明細書に組み込まれてその一部を形成し、また、特許請求される実施形態を含む概念の実施形態を図示して、それらの実施形態の様々な原理および利益をさらに説明するように働くものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】いくつかの実施形態による、説明された機能を助長し得る例示の電子デバイスを示す図である。
図2】いくつかの実施形態による、メモリキャッシュを使用してセンサの動作を管理するための技術に関連した例示の図である。
図3】いくつかの実施形態による、メモリキャッシュを使用してセンサの動作を管理するための別の技術に関連した例示の図である。
図4】いくつかの実施形態による、1つまたは複数のセンサの動作の管理に関連した例示の図である。
図5A】いくつかの実施形態による、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す図である。
図5B】いくつかの実施形態による、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す図である。
図5C】いくつかの実施形態による、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す図である。
図5D】いくつかの実施形態による、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す図である。
図5E】いくつかの実施形態による、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す図である。
図5F】いくつかの実施形態による、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す図である。
図6】いくつかの実施形態による、電子デバイスが動き検知機能を管理するための方法のフローチャートである。
図7】いくつかの実施形態による、電子デバイスが動き検知機能を管理するための別の方法のフローチャートである。
図8】いくつかの実施形態による、電子デバイスがセンサ活動を管理するための方法のフローチャートである。
図9】いくつかの実施形態による電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
詳細な説明
電子デバイスにおける動き検知機能を管理するためのシステムおよび方法が説明される。ある特定の態様によれば、電子デバイスは、レーダセンサ(複数可)、超音波センサ(複数可)、および/または他のセンサなどの1つまたは複数のセンサを用いて構成され得る。センサ(複数可)は、様々な状況および命令に応じて、種々のモードで動作し得る。同様に、電子デバイスは、種々のモードで動作しているセンサ(複数可)からのセンサデータを処理する種々のアルゴリズムおよびアプリケーションを実行し得る。一般に、種々のセンサモードおよび種々のアルゴリズムは、種々の量の装置リソースを消費する。したがって、説明される態様は、センサ(複数可)の動作およびデバイスのアルゴリズムを管理して、リソース消費の効率を低下/向上させるように構成される。
【0054】
一般に、電子デバイスは、初期のアルゴリズムを実行して、所与のセンサによって生成されたセンサデータに基づいて、動きまたは電子デバイスの近隣における他のイベントを検知し得る。電子デバイスは、検知された動きに基づいて後続のアルゴリズムを開始して、元のセンサデータおよび/または追加のセンサデータを処理し得る。代わりに、またはそれに加えて、電子デバイスは、追加のセンサを活性化して、追加のセンサによって生成された結果のデータを処理し得る。電子デバイスは、メモリキャッシュを利用して、後続のアルゴリズムの実行を継続するべきかどうかを、より効率的かつ効果的に判定し得る。電子デバイスは、後続のアルゴリズムが不要であると判定したら、後続のアルゴリズムを終了し得る。
【0055】
センサの動作、センサモード、およびセンサデータを処理するアルゴリズムを管理することにより、電子デバイスのリソース消費は、より効率的かつ効果的に管理され得る。したがって、電子デバイスにおいて、より手頃なハードウェア構成要素が使用され得、必要なハードウェア構成要素がより少なくなり得るので、そのような電子デバイスの製造のコストが低下する。加えて、電子デバイスのバッテリー寿命や電子デバイスの寿命がより長くなり得る。なおまた、そのような電子デバイスの環境におけるセンサノイズが減少され得る。さらに他の利益が構想されることを理解されたい。
【0056】
図1に示される例示の電子デバイス100において、説明された実施形態が組み込まれ得、かつ/または説明された実施形態が助長または実施され得る。電子デバイス100は、モバイルデバイス(たとえばスマートフォン)、ディスプレイ補助デバイス、デスクトップコンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット、ファブレット、GPS(全地球測位システム)もしくはGPS対応デバイス、腕時計、眼鏡、ブレスレット、他の着用可能な電子デバイス、PDA(個人用デジタル情報処理端末)、ページャ、および/または同類のものなどの任意のタイプの電子デバイスであり得る。
【0057】
電子デバイス100は、タッチスクリーン、またはビジュアルコンテンツを表示もしくは提示し得る他のタイプのディスプレイとして具現され得る、ユーザインターフェイス101を含み得る。ユーザインターフェイス101がタッチスクリーンである実施形態では、ユーザインターフェイス101には、ユーザによる選択または電子デバイス100とのインターフェイスを可能にする、タッチセンシティブ入力パネルのセットが組み込まれ得る。電子デバイス100は、様々な構成要素(ユーザインターフェイス101を含む)が組み込まれるかまたは含まれ得る筐体102をさらに含み得る。加えて、電子デバイス100は、電子デバイス100およびその構成要素に給電するように構成された交流(AC)電力構成要素116を含み得、AC電力構成要素116は、電力を供給し得、または電源から電力を受け取り得る。たとえば1つまたは複数のバッテリーあるいは他の電源といった、追加のまたは代替の電源が構想されることを理解されたい。
【0058】
実施形態によれば、電子デバイス100は、様々なセンサ、ユーザインターフェイス構成要素、および/または同類のものを含み得る。詳細には、図1に表されるように、電子デバイス100は、一対の赤外線イメージセンサ103、109ならびにイメージセンサ104を含み得る。加えて、電子デバイス100は、音声を出力するように構成され得るスピーカ106を含み得る。さらに、電子デバイス100は、ドットプロジェクタ108およびフラッド照明器110を含み得る。実施形態によれば、一対の赤外線イメージセンサ103、109、ドットプロジェクタ108、およびフラッド照明器110は、電子デバイス100によって、いくつかある機能性のうち特に、電子デバイス100の様々な機能をロック解除する(たとえばユーザインターフェイス101をロック解除する)ために、単独で、または組み合わせて使用され得る。なおまた、電子デバイス100は、様々な近接検知機能をサポートし得る周囲光センサ(ALS)105を含み得る。代替のセンサや追加のセンサが構想されることを理解されたい。たとえば、センサのうち1つは、超音波を放射するように構成された超音波センサであり得る。加えて、センサおよび構成要素は種々の配置および組合せにおいて配設され得ることを理解されたい。
【0059】
電子デバイス100は、レーダチップ107をさらに含み得る。一般に、レーダチップ107は、遠隔の対象物および/または直近の対象物と電波との相互作用に基づき、対象物の特性を検知し得、また測定し得る。レーダチップ107は、電波を放射する送信器構成要素のセットを含み得、放射された電波は、その経路内の対象物によって散乱されるかまたは方向転換され、エネルギーのいくらかの一部は、受信器構成要素のセットによって反射されて戻ったり、阻止されたりする。レーダチップ107は両指向性であり得、信号を2つ以上の方向に(たとえば電子デバイス100の前後に)放射するように構成され得、または指向性であり得、一方向に(たとえば電子デバイス100の前方に)信号を放射するように構成され得る。プロセッサ115またはコントローラは、受信した波形を検査または分析して、対象物の存在を検知し得、また、これらの対象物のいくつかある特性のうち特に距離やサイズなども推定し得る。
【0060】
従来のレーダ設計は、種々の対象物を分解してその空間的構造を識別するために、ターゲットサイズに対する精細な空間分解能に頼る。そのような空間分解能は、一般的には広い伝送帯域幅、狭いアンテナビーム幅、および大きいアンテナアレイを必要とする。実施形態によれば、レーダチップ107は、空間的構造ではなく動きに基づき得る感知パラダイムを採用することにより、電子デバイス100の頂部(または電子デバイス100の別の位置もしくは別の一部分)に組み込まれることが可能になる。したがって、電子デバイス100は、たとえば光学的撮像センサとは対照的に、ターゲットの空間的構造の明確に定義された画像を形成する必要がないアルゴリズム、アプリケーションなど(一般に「アルゴリズム」)をサポートし得る。したがって、このアルゴリズムは、存在検知および/またはジェスチャ検知などのある特定の目的ためにターゲットの識別可能な画像を生成する必要はなく、使用する必要もない。
【0061】
プロセッサ115は、微細な動きを検知して分解するためなど、受信されたレーダ信号における時間的変化を処理するために、様々な信号処理の機能や機能性を実施し得る。動作において、レーダチップ107は、ある特定の周波数または周波数範囲(たとえば50~70GHz、または他の周波数もしくは周波数範囲)で周波数変調された信号を送信して、近くの対象物(複数可)または人(複数可)(一般に「ターゲット」)からの反射の重ね合わせを受信する。プロセッサ115は、1つの送信から次の送信までに、受信された信号における識別可能なタイミングシフトを誘発し得る、ターゲットの位置のサブミリメートルスケールの変位を検知し得る。これらのシフトは、複数の送信のウィンドウにわたって、ターゲットの速度に比例するドップラー周波数として現れ得る。信号処理機能は、種々のドップラー周波数を分解することにより、種々の動きパターンで動く種々のターゲットを識別し得る。実施形態によれば、信号処理機能には、根底にある信号対雑音比(SNR)を高め、望ましくない干渉を減衰し、ターゲットからの反射をノイズやクラッタから区別し得る、カスタムフィルタとコヒーレントな積分手段との組合せが含まれ得る。レーダチップ107は、これらの信号処理機能により、電子デバイス100の制約条件の範囲内の低電力で動作することができる。
【0062】
電子デバイス100は、レーダチップ107および/または本明細書で説明されたような他のセンサからのデータを処理する様々なモードまたはアルゴリズムをサポートし得る。一般に、1つのモードは、第1の周波数(または周波数範囲)を有する信号を処理して分析し得、別のモードは、第1の周波数と異なる第2の周波数(または周波数範囲)を有する信号を処理して分析し得る。たとえば、モードのうち1つは、電子デバイス100の近隣のターゲット(たとえば人)の存在を検知するように構成され得る「存在モード」であり得る。この例では、電子デバイス100が存在する空間にターゲットが入ると、ターゲットの存在が検知され得る。別のモードには、(たとえばユーザインターフェイス101の前の)電子デバイス100の近隣の人によって実行されたジェスチャを検知して認識するように構成され得る「ジェスチャモード」があり得る。この例では、ジェスチャには、「マクロ」ジェスチャ(たとえばアクティブアプリケーションを切り換える手の運動)または「マイクロ」ジェスチャ(たとえば人差し指および親指を使用するダイヤルの回転のシミュレーション)があり得る。一般に、プロセッサ115は様々な機械学習技術を使用して様々なアルゴリズムを実行し得る。
【0063】
各モードは、それぞれに動作し得、したがって、計算、メモリ、電力、および/または熱のような、リソース消費の変化する程度のように、異なる精度を有し得る。たとえば、ジェスチャモードは、レーダチップ107から放射された短距離電波を処理し得、存在モードは、レーダチップ107から放射された長距離電波を処理し得る。加えて、短距離電波はより高いSNRを有し、より正確であり得、長距離電波はSNRがより低く、それほど正確ではない。しかしながら、短距離電波を処理するジェスチャモードはリソース消費がより大きくなり得、長距離電波を処理する存在モードはリソース消費がより小さくなり得る。
【0064】
レーダチップ107は、複数のモードで同時に動作し得(すなわち、ある期間にわたって短距離電波と長距離電波との両方を放射し得)、同様に、電子デバイス100のプロセッサ115は、放射された短距離電波と長距離電波とから生じる受信された波形を処理する各アルゴリズムを同時に実行し得る。実施形態によれば、長距離のレーダ感知は、第1の周波数から第2の周波数までのゆっくりした周波数掃引を使用して、周波数変調持続波(FMCW)レーダによって達成され得る。対照的に、短距離のレーダモードは、第1の周波数から第2の周波数までの、より高速の周波数掃引を使用し得る。リソース使用を節約するために、プロセッサ115が実行するアルゴリズムの量およびタイプを制限するのが有利であり得る。たとえば、人が、電子デバイス100の近隣において実際にジェスチャを実行しているわけではない場合には、様々なリソースを節約するために、プロセッサ115を非活性化すること、またはジェスチャモードを実行しないことなどが有利である。
【0065】
実施形態によれば、異なる状況に基づいて、異なるセンサモードおよびデバイスアルゴリズムが動作し得る。詳細には、センサモードおよび/またはアルゴリズムは、時間帯、曜日/月日/通日、月日、最後の動き検知からの時間、および/または他の状況に基づいて、無効または有効にされ得る。たとえば、午前1時~午前5時はジェスチャモードが非活性化され得る。さらに他の例として、午前9時~午後9時は眠り感知モードが非活性化され得る。追加の例として、最後の動き検知から時間が10分以上経過したら、高感度のセンサモードが無効にされ得る。したがって、これらのモードやアルゴリズムを選択的に無効にすることに基づき、リソースが節約され得る。これらの状況は、いくつかある要因または条件のうち特に、静的であり得、または電子デバイス100の用法に応じて調節され得、あるいはユーザによって明確に活性化または非活性化され得ることを理解されたい。
【0066】
さらに、実施形態によれば、ある特定のセンサまたはセンサによる検知は、他のある特定のセンサモードおよびデバイスアルゴリズムの活性化または開始を起動し得る。一般に、所与のセンサに関するリソース使用の小さい低感度モードは、電子デバイス100の近隣の動きを検知し得て、リソース使用の大きい高感度モードを開始し得、高感度モードは、その所与のセンサまたは別のセンサにおいて動作し得る。電子デバイス100は、高感度センサデータを処理するアルゴリズムも開始し得る。さらに、高感度モードの結果として生成されたセンサデータは、最初に検知された動きを確認する(または確認しない)ように使用され得る。高感度のデータにおいてさらに他の動きが指示される場合には、電子デバイス100は、開始されたアルゴリズムの動作を継続し、それに応じて動作および機能性を助長し得る。
【0067】
電子デバイス100はメモリ120を含み得、プロセッサ115がこれにインターフェイスし得る。メモリ120は、メインメモリ部分、ならびにプロセッサ115がアクセスし得るある特定のデータを一時的に記憶するためのキャッシュ部分を含み得る。実施形態によれば、プロセッサ115は、ある特定の検知された動作または動きを確認することができるように、ある特定のセンサデータ(たとえばレーダチップ107からのセンサデータ)をキャッシュ部分に記憶し得る。加えて、またはその代わりに、プロセッサ115は、キャッシュ部分に記憶されたデータにアクセスして分析する、ある特定のアルゴリズムを開始して、動きまたは動作のより正確な検知または認識を可能にし得る。機械学習アルゴリズムは、ターゲットおよび動きを正確に検知する前にある特定の時間を必要とするので、ターゲットがゾーンに到着する前および/またはターゲットがそのゾーンにおいてある特定の動きもしくはジェスチャを実行する前に、メモリ120のキャッシュ部分によって、アルゴリズムが必要なデータにアクセスすることが可能になる。
【0068】
図2は、システムおよび方法の様々な実施形態に関連する信号図200である。信号図200は、メモリ220(図1を参照しながら説明されたメモリ120など)と、プロセッサ215(図1を参照しながら説明されたプロセッサ115など)と、1つまたは複数のセンサ225(図1を参照しながら論じられた様々なセンサのうちの1つまたは複数など)とを含む。実施形態では、センサ225(複数可)は、単一のセンサ(たとえば単一のレーダセンサ)または複数のセンサ(たとえばレーダセンサおよび超音波センサ)を含み得る。さらに、メモリ220、プロセッサ215、およびセンサ225(複数可)は、単一の電子デバイスで具現され得、または単一の電子デバイスに組み込まれ得る。加えて、メモリ220は、プロセッサ215が高速アクセスするデータをキャッシュするように構成された、プロセッサ215がアクセス可能なハードウェアキャッシュであり得る。信号図200に示される様々な機能性は、他の機能性に関連して、様々な時刻または順序において現れ得ることを理解されたい。
【0069】
信号図200は、センサ225(複数可)がセンサデータを生成すること(230)から始まり得る。たとえば、センサ225がレーダセンサであれば、レーダセンサは、電波を放射して、結果として生じる波形を検知し得る。実施形態によれば、センサ225(複数可)は、センサデータを生成する際に、第1の動作モードで動作し得る。たとえば、センサ225は、レーダセンサであるなら、電子デバイスの近隣におけるターゲットの存在を検知するためなど、長距離の周波数を有する電波を放射し得る。プロセッサ215は、センサ225(複数可)から、生成されたセンサデータを取得し得る(232)。センサ225(複数可)がセンサデータを連続的に生成して、プロセッサ215がこれを連続的に取得し得ることを理解されたい。
【0070】
プロセッサ215は、取得したセンサデータを分析して、動きが検知されたかどうかを判定し得る(234)。詳細には、プロセッサ215は、センサデータ(たとえば受信された波形)を分析して、センサデータに動きが指示されているかどうかを判定し得る。センサデータを分析する際、プロセッサ215は、第1の動作モードで動作しているセンサ225(複数可)から生じるセンサデータを処理するように構成された動き検知アルゴリズムなどの初期のアルゴリズムを実行し得る。プロセッサ215が動きを検知しなければ(「NO」)、処理は、(230/232)に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。そうでなければ、プロセッサ215は、動きを検知すると(「YES」)、メモリ220にセンサデータを供給し得る(236)。メモリ220は、センサデータを受け取った後に、プロセッサ215による後のアクセスのためにセンサデータを記憶し得る(キャッシュし得る)(240)。センサ225(複数可)が追加のセンサデータを生成するとき、メモリ220がローリング方式でセンサデータをキャッシュし得、プロセッサ215が追加のセンサデータを取得することを理解されたい。
【0071】
プロセッサ215は、動きを検知した後に、補助の動き認識アルゴリズムも開始し得る(238)。実施形態によれば、補助の動き認識アルゴリズムは、プロセッサ215が動きを検知する際に(234)で実行する初期のアルゴリズムとは異なり得る。たとえば、プロセッサ215は、存在モードで動作している間に、(234)において動きを検知し得、補助の動き認識アルゴリズムはジェスチャモードに関連し得る。一般に、補助の動き認識アルゴリズムは、初期のアルゴリズムよりも多くのリソース(たとえば計算、メモリ、電気、および/または熱)を消費する可能性がある。
【0072】
プロセッサ215は、メモリ220にキャッシュされたセンサデータも取得し得る(242)。ある特定の実施形態では、プロセッサ215は、メモリ220から取得されたセンサデータに対して「クラッタ除去」または背景差分技術を実行し得る(244)。プロセッサ215は、クラッタ除去を実行する際に、取得されたセンサデータを分析して、取得されたセンサデータから、動きを示さないデータの一部分を除去し得る。したがって、残りのデータは、動きを指示する(または指示する可能性がある)データを含み得る。
【0073】
プロセッサ215は、補助の動き認識アルゴリズムを実行する際、背景データ(すなわち動きが検知されないデータ)を除去して、または除去しないで、キャッシュされたセンサデータを分析し得る(246)。プロセッサ215は、補助の動き認識アルゴリズムによる、キャッシュされたセンサデータの分析に関連して、(234)において検知された動きが確認されたかどうかを判定し得る。補助の動き認識アルゴリズムは、キャッシュされたセンサデータを分析することにより、(234)における、初期のアルゴリズムによる動き検知がフォールスポジティブであったかどうかを判定し得る。補助の動き認識アルゴリズムが、検知された動きを確認しなければ(「NO」、すなわち初期のアルゴリズムによる動き検知がフォールスポジティブであった場合には)、処理は、(230/232)に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。
【0074】
補助の動き認識アルゴリズムが、検知された動きを確認したら(「YES」、すなわち初期のアルゴリズムによる動き検知がフォールスポジティブではなかった場合には)、プロセッサは、補助の動き認識アルゴリズムの動作を継続し得る。詳細には、プロセッサ215は、センサ225(複数可)に、追加のセンサデータを生成して供給するように要求し得る(249)。センサ225(複数可)は、要求を受け取った後に追加のセンサデータを生成し得る(250)。実施形態によれば、センサ225(複数可)は、(230)においてセンサデータを生成したときの動作モードとは異なるモードで動作しながら追加のセンサデータを生成し得る。たとえば、(230)において生成される初期のセンサデータは、長距離電波を生成する、存在モードで動作しているセンサ225(複数可)から生じ得、(250)において生成される追加のセンサデータは、短距離電波を生成する、ジェスチャモードで動作しているセンサ225(複数可)から生じ得る。センサ225(複数可)は、プロセッサ215に追加のセンサデータを供給し得る(251)。
【0075】
(230)においてセンサデータを生成したセンサとは別の追加のセンサは、追加のセンサデータを生成し得ることを理解されたい。したがって、この実装形態では、プロセッサ215は、追加のセンサに、追加のセンサデータを生成するように要求し(249)、追加のセンサは、追加のセンサデータを生成して(250)プロセッサ215に供給し得る(251)。
【0076】
プロセッサ215によって実行される補助の動き認識アルゴリズムは、追加のセンサデータを受け取った後にこれを分析し得る(252)。補助の動き認識アルゴリズムは、追加のセンサデータを分析する際に様々な機能性を助長し得る。たとえば、補助の動き認識アルゴリズムは、ジェスチャモードに関連する場合には、特定のジェスチャ(たとえばダイヤルを時計方向へ回すジェスチャ)を検知して、特定のジェスチャに基づいてある特定のアクションを助長し得る(たとえば音楽再生アプリケーションのボリュームを大きくし得る)。
【0077】
補助の動き認識アルゴリズムが、追加のセンサデータから動きのさらに他の変化を検知することを試みて検知がなければ、プロセッサ215は、補助の動き認識アルゴリズムを終了し得る。したがって、プロセッサ215は、電子デバイスの様々なリソースを節約するためなど、初期のアルゴリズムを実行することに復帰し得る。プロセッサ215は、信号図200の全体にわたって初期のアルゴリズムを継続的に実行してよく、または(248)において補助の動き認識アルゴリズムが動き検知を確認するのに応答して初期のアルゴリズムを終了してもよいことを理解されたい。
【0078】
図3は、システムおよび方法の様々な実施形態に関連する信号図300である。信号図300は、メモリ320(図1を参照しながら説明されたメモリ120など)と、プロセッサ315(図1を参照しながら説明されたプロセッサ115など)と、1つまたは複数のセンサ325(図1を参照しながら論じられた様々なセンサのうち1つまたは複数など)とを含む。実施形態では、センサ325(複数可)は、単一のセンサ(たとえば単一のレーダセンサ)または複数のセンサ(たとえばレーダセンサおよび超音波センサ)を含み得る。さらに、メモリ320、プロセッサ315、およびセンサ325(複数可)は、単一の電子デバイスで具現され得、または単一の電子デバイスに組み込まれ得る。加えて、メモリ320は、プロセッサ315が高速アクセスするデータをキャッシュするように構成された、プロセッサ315がアクセス可能なハードウェアキャッシュであり得る。信号図300に示される様々な機能性は、他の機能性に関連して、様々な時刻または順序において現れ得ることを理解されたい。
【0079】
信号図300は、センサ325(複数可)が第1のモードのセンサデータを生成すること(330)から始まり得る。たとえば、センサ325がレーダセンサであれば、レーダセンサは、電波を放射して、結果として生じる波形を検知し得る。実施形態によれば、センサ325(複数可)は、第1のモードのセンサデータを生成するときには、第1の感度を有する第1の動作モードで動作し得る。たとえば、センサ325は、レーダセンサであるなら、電子デバイスの近隣におけるターゲットの存在を検知するためなど、長距離の周波数を有する電波を放射し得る。プロセッサ315は、センサ325(複数可)から、生成された第1のモードのセンサデータを取得し得る(332)。センサ325(複数可)が第1のモードのセンサデータを連続的に生成して、プロセッサ315は、これを連続的に取得し得ることを理解されたい。
【0080】
プロセッサ315は、取得した第1のモードのセンサデータを分析して、動きが検知されたかどうかを判定し得る(334)。詳細には、プロセッサ315は、第1のモードのセンサデータ(たとえば受信された波形)を分析して、第1のモードのセンサデータに動きが指示されているかどうかを判定し得る。第1のモードのセンサデータを分析する際、プロセッサ315は、第1の動作モードで動作しているセンサ325(複数可)から生じる第1のモードのセンサデータを処理するように構成された初期の動き認識アルゴリズムを実行し得る。プロセッサ315が動きを検知しなければ(「NO」)、処理は、(330/332)に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。
【0081】
そうでなければ、プロセッサ315は、動きを検知すると(「YES」)、センサ325(複数可)に、第2のモードのセンサデータを生成して供給するように要求し得る(336)。センサ325(複数可)は、要求を受け取った後に第2のモードのセンサデータを生成し得る(338)。実施形態によれば、センサ325(複数可)は、(330)において第1のモードのセンサデータを生成したときの第1の動作モードとは異なる第2のモードで動作しながら第2のモードのセンサデータを生成し得る。たとえば、(330)において生成される第1のモードのセンサデータは、長距離電波を生成する、存在モードで動作しているセンサ325(複数可)から生じ得、(338)において生成される第2のモードのセンサデータは、短距離電波を生成する、ジェスチャモードで動作しているセンサ325(複数可)から生じ得る。センサ325(複数可)は、プロセッサ315に第2のモードのセンサデータを供給し得る(340)。
【0082】
いくつかのシナリオでは、(334)における判定は、プロセッサ315が、第1のモードのセンサデータがある特定の速度を超える動きを含むかどうかを判定することに基づき得、この速度は、ジェスチャを含み得る動きの最低速度を表し得る。プロセッサ315が、第1のモードのセンサデータがある特定の速度を超える動きを含む(「YES」)と判定すれば、処理は継続し得る(336)。プロセッサ315が、第1のモードのセンサデータがある特定の速度を超える動きを含まない(「NO」)と判定すれば、処理は、(330/332)に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。
【0083】
(330)においてセンサデータを生成したセンサとは別の追加のセンサは、第2のモードのセンサデータを生成し得ることを理解されたい。したがって、この実装形態では、プロセッサ315は、追加のセンサに、第2のモードのセンサデータを生成するように要求し(336)、追加のセンサは、第2のモードのセンサデータを生成して(338)プロセッサ315に供給し得る(340)。
【0084】
加えて、プロセッサ315は、メモリ320に第2のモードのセンサデータを供給し得る(342)。メモリ320は、第2のモードのセンサデータを受け取った後に、プロセッサ315による後のアクセスのために第2のモードのセンサデータを記憶し得る(キャッシュし得る)(348)。センサ325(複数可)が第2のモードのセンサデータを生成するとき、メモリ320がローリング方式で第2のモードのセンサデータをキャッシュし得、プロセッサ315が第2のモードのセンサデータを取得することを理解されたい。
【0085】
プロセッサ315は、第1の動作モードで動作しているセンサ325(複数可)によって生成された追加の第1のモードのセンサデータを取得し得る(344)。加えて、プロセッサ315は、補助の動き認識アルゴリズムを開始し得る(346)。実施形態によれば、補助の動き認識アルゴリズムは、プロセッサ315が動きを検知する際に(334)で実行する初期の動き認識アルゴリズムとは異なり得る。たとえば、プロセッサ315は、存在モードで動作している間に、(334)において動きを検知し得、補助の動き認識アルゴリズムはジェスチャモードに関連し得る。一般に、補助の動き認識アルゴリズムは、初期の動き認識アルゴリズムよりも多くのリソース(たとえば計算、メモリ、電気、および/または熱)を消費する可能性がある。
【0086】
プロセッサ315は、メモリ320にキャッシュされた第2のモードのセンサデータも取得し得る(350)。ある特定の実施形態では、プロセッサ315は、メモリ320から取得された第2のモードのセンサデータに対して「クラッタ除去」または背景差分技術を実行し得る(352)。プロセッサ315は、クラッタ除去を実行する際に、取得された第2のモードのセンサデータを分析して、取得された第2のモードのセンサデータから、動きを示さないデータの一部分を除去し得る。したがって、残りのデータは、動きを指示する(または指示する可能性がある)データを含み得る。
【0087】
補助の動き認識アルゴリズムを実行するプロセッサ315は、背景データ(すなわち動きが検知されないデータ)を除去して、または除去しないで、キャッシュされた第2のモードのセンサデータを分析し得る(354)。実施形態では、このステップにより、補助の動き認識アルゴリズムは、ターゲットが補助の動き認識アルゴリズムに適合されたゾーンに入る前に、最初に検知された動きデータにアクセスすることが可能になり、補助の動き認識アルゴリズムの動き検知機能および認識機能を改善し得る。加えて、プロセッサ315は、初期の動き認識アルゴリズムを実行する際に、追加の第1のモードのセンサデータを分析し得る(356)。したがって、プロセッサ315は、初期の動き認識アルゴリズムと補助の動き認識アルゴリズムとを同時に実行し得る。
【0088】
プロセッサ315は、第2のモードで動作しているセンサ325(複数可)から、センサ325(複数可)が生成した追加の第2のモードのセンサデータを取得し得る(358)。プロセッサ315は、補助の動き認識アルゴリズムも実行して、追加の第2のモードのセンサデータを分析し、分析に基づき、動きが検知されたかどうかを判定し得る(360)。実施形態によれば、プロセッサ315が追加の第2のモードのセンサデータに基づいて動きを検知する場合、ターゲットは、補助の動き認識アルゴリズムに適合されたゾーンに存在し得る。たとえば、補助の動き認識アルゴリズムはジェスチャモードに関連付けられてよく、検知される動きは、ターゲットが実行するジェスチャに関連し得る。初期の(キャッシュされた)の第2のモードのセンサデータと追加の第2のモードのセンサデータとの両方を分析することにより、補助の動き認識アルゴリズムの、動きの検知および認識の精度が改善され得る。いくつかのシナリオでは、たとえば、第1の動きアルゴリズムは、ジェスチャを含み得る最低速度の動きを表し得るある特定の速度を超える動きを検知したら、第2のアルゴリズムを開始し得る。加えて、第2のアルゴリズムは、一旦活性化されると、キャッシュされたデータを検索/分析して、キャッシュされたデータがジェスチャを含むかどうかを判定し得る。
【0089】
プロセッサ315は、動きを検知したら(「YES」)、追加の第2のモードのセンサデータを取得して分析することを継続し得る。プロセッサ315は、動きを検知しなければ(「NO」)、補助の動き認識アルゴリズムを終了し得る(362)。したがって、補助の動き認識アルゴリズムが通常は処理する動きを第2のモードのセンサデータが示さないときには、補助の動き認識アルゴリズムを実行しないことによって、電子デバイスのリソース節約が改善される。したがって、プロセッサ315は、電子デバイスの様々なリソースを節約するためなど、初期の動き認識アルゴリズムを単に実行することに復帰し得る。
【0090】
図4は、システムおよび方法の様々な実施形態に関連する信号図400である。信号図400は、プロセッサ415(図1を参照しながら説明されたプロセッサ115など)と、1つまたは複数のセンサ425(図1を参照しながら論じられた様々なセンサのうち1つまたは複数など)とを含む。実施形態では、プロセッサ415およびセンサ425(複数可)は、単一の電子デバイスで具現され得、または単一の電子デバイスに組み込まれ得る。信号図400に示される様々な機能性は、他の機能性に関連して、様々な時刻または順序において現れ得ることを理解されたい。
【0091】
第1の実装形態では、センサ425(複数可)は2つの個別のセンサであり得る。たとえば、センサ425は、総体の動きを検知するように構成されたレーダセンサと、呼吸数を検知するように構成された超音波センサとを含み得る。この実装形態では、センサ425(複数可)の第1のセンサは低感度のセンサでよく、相応して、フォールスポジティブ率が低い低感度センサデータを生成し得、センサ425(複数可)の第2のセンサは高感度のセンサでよく、相応して、フォールスポジティブ率が高い高感度センサデータを生成し得る。さらに、この実装形態では、第1のセンサは両指向性であり、したがって、2つ以上の方向に(たとえば電子デバイスの前後に)信号を放射するように構成され得、第2のセンサは指向性であり、したがって、一方向に(たとえば電子デバイスの前方へ)信号を放射するように構成され得る。両方のセンサは両指向性でも指向性でもよいことを理解されたい。
【0092】
第2の実装形態では、センサ425(複数可)は単一のセンサ(たとえばレーダセンサ)であり得る。この実装形態では、単一のセンサは、フォールスポジティブ率が低い低感度のデータを生成する第1のモード(たとえば長距離レーダ構成)およびフォールスポジティブ率が高い高感度のデータを生成する第2のモード(たとえば短距離レーダ構成)といった複数のモードで動作し得る。したがって、図4では、単一のセンサがプロセッサ415とインターフェイスして、低感度センサデータと高感度センサデータとの両方を生成するように示されているが、複数のセンサがプロセッサ415とインターフェイスしてそれぞれのセンサデータを生成してもよいことを理解されたい。
【0093】
信号図400は、センサ425(複数可)が低感度センサデータのセットを生成すること(430)から始まり得る。たとえば、センサ425がレーダセンサであれば、レーダセンサは、電波を放射して、結果として生じる波形を検知し得る。実施形態によれば、センサ425(複数可)は、センサデータを生成するとき第1の動作モードで動作し得る。たとえば、センサ425は、レーダセンサであるなら、電子デバイスの近隣におけるターゲットの存在を検知するためなど、長距離の周波数を有する電波を放射し得る。プロセッサ415は、センサ425(複数可)から、生成された低感度センサデータを取得し得る(432)。センサ425(複数可)が低感度センサデータを連続的に生成して、プロセッサ415は、これを連続的に取得し得ることを理解されたい。
【0094】
プロセッサ415は、取得した低感度センサデータを分析して、動きが検知されたかどうかを判定し得る(434)。詳細には、プロセッサ415は、低感度センサデータ(たとえば受信された波形)を分析して、低感度センサデータに動きが指示されているかどうかを判定し得る。低感度センサデータを分析する際、プロセッサ415は、第1の動作モードで動作しているセンサ425(複数可)から生じる低感度センサデータを処理するように構成された動き検知アルゴリズムなどの初期のアルゴリズムを実行し得る。プロセッサ415が動きを検知しなければ(「NO」)、処理は、(430/432)に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。
【0095】
そうでなければ、プロセッサ415は、動きを検知したら(「YES」)、タイムアウトウィンドウを開始し得(435)、タイムアウトウィンドウは様々な長さ(たとえば10秒、20秒、または他の時間長)であり得る。加えて、プロセッサ415は、センサ425(複数可)に、高感度センサデータを生成して供給するように要求し得る(436)。センサ425(複数可)は、要求を受け取った後に高感度センサデータを生成し得る(438)。
【0096】
実施形態によれば、センサ425(複数可)は、(430)において低感度センサデータを生成したときの第1の動作モードとは異なる後続のモードで動作しながら高感度センサデータを生成し得る。たとえば、(430)において生成される低感度センサデータは、長距離電波を生成する、存在モードで動作しているセンサ425(複数可)から生じ得、(438)において生成される高感度センサデータは、短距離電波を生成する、ジェスチャモードで動作しているセンサ425(複数可)から生じ得る。低感度センサデータと高感度センサデータとは、別々のセンサから生成され得ることを理解されたい。
【0097】
センサ425(複数可)は、プロセッサ415に高感度センサデータを供給し得る(442)。加えて、プロセッサ425は、センサ425(複数可)から、追加の低感度センサデータを取得し得る(444)。実施形態によれば、センサ425(複数可)が第1の動作モードの動作を継続して低感度センサデータを連続的に生成し、プロセッサ415がこれを取得し得る。
【0098】
プロセッサ415は、追加の低感度センサデータおよび高感度センサデータを分析し得る(446)。追加の低感度センサデータを分析する際、プロセッサ415は、第1の動作モードで動作しているセンサ425(複数可)から生じる低感度センサデータを処理するように構成された初期のアルゴリズムを実行し得る。さらに、高感度センサデータを分析する際、プロセッサ415は、後続の動作モードで動作しているセンサ425(複数可)から生じる高感度センサデータを処理するように構成された後続のアルゴリズムを実行し得る。プロセッサ415は、高感度センサデータを分析して、プロセッサ415が(434)において検知した動きの変化を確認し得る(447)。実施形態によれば、プロセッサ415は、高感度センサデータの中に指示された、(434)において検知された動きの続きまたはこれに関連した動きであり得る、動きにおける個別の変化または後の変化を検知することにより、動きの変化を確認し得る。
【0099】
(448)において、プロセッサ415は、(435)において開始されたタイムアウトウィンドウが満了したかどうかを判定し得る。たとえば、タイムアウトウィンドウが10秒であれば、タイムアウトウィンドウは10秒が経過した後に満了する。タイムアウトウィンドウが満了していなければ(「NO」)、処理は(442)に戻り、ここで、追加の低感度センサデータおよび高感度センサデータが取得されて分析され得る。実施形態によれば、センサ425(複数可)が高感度センサデータおよび低感度センサデータの生成を継続し、プロセッサ415がその分析を継続し得る。
【0100】
タイムアウトウィンドウが満了したら(「YES」)、プロセッサ415は、さらに他の動きが検知されたかどうかを判定し得る(450)。実施形態によれば、プロセッサ415は、さらに他の動きが検知されたかどうかを判定する際に、低感度センサデータの追加セットを分析し得る。すなわち、プロセッサ415は、タイムアウトウィンドウが開始された後に(444)において取得された追加の低感度センサデータからさらに他の動きが検知されたかどうかを判定し得る。プロセッサ415がさらに他の動きを検知したら(「YES」)、処理は、終了してよく、繰り返してよく、または他の機能性に進み得る。一実施形態では、プロセッサ415は、後続の動作モードで動作しているセンサ425(複数可)が生成した高感度センサデータの取得および分析を継続し得、したがって機能性を助長する。加えて、プロセッサ415は、さらに他の動きが検知されたかどうかを継続的に判定して、検知されていなければ(452)へ進み得る。
【0101】
プロセッサ415は、さらに他の動きが検知されなければ(「NO」)、(447)からの動きの変化の確認をフォールスポジティブと見なし得る(452)。言い換えれば、プロセッサ415は、追加の低感度センサデータからさらに他の動きが検知されないことにより、高感度センサデータから確認された動きをフォールスポジティブであると見なし得る。プロセッサ415は、さらに、高感度センサデータを処理する後続のアルゴリズムを終了し得る(454)。加えて、プロセッサ415は、センサ225(複数可)に、高感度センサデータの生成を停止するように要求し得る(456)。次いで、処理は、終了してよく、繰り返してよく、または他の機能性に進み得る。
【0102】
図5A図5Fは、電子デバイスとユーザとの間の相互作用の例示の表現、ならびに相互作用に基づく様々なセンサの動作の例示の表現を示す。図5A図5Fの各々において、ユーザ503は、デバイス502から一定の相対距離に示されており、距離目盛504は、一般に、ユーザ503のデバイス502からの距離がどの程度か(たとえば短距離、中距離、長距離、範囲外、またはこれらの間のどこか)を示す。加えて、図5A図5Fの各々は、レーダセンサが放射する電波の周波数(複数可)ならびに超音波センサによって放射される超音波の振幅を表す。図5A図5Fの表現は、ユーザ503が、デバイス502の範囲外からデバイス502の短距離の範囲内まで順次に移動するものと解釈され得る。図5A図5Fに表された表現は単なる例であり、追加または代替の表現が構想されることを理解されたい。
【0103】
図5Aは、デバイス502から範囲外にいるユーザ503の表現500を示すものである。この構成では、レーダセンサが放射する(501)長距離電波は、一般にSNRが低く(すなわちそれほど正確ではなく)、デバイス502から遠くにある対象物の検知が可能なものである。加えて、超音波センサはオフであり得る(505)。
【0104】
図5Bは、デバイス502から長距離にいるユーザ503の表現506を示すものである。この構成では、ユーザ503がデバイス502からまだ長距離にいるので、レーダセンサは引き続き長距離電波を放射する(507)。加えて、超音波センサはオフのままであり得る(508)。
【0105】
図5Cは、デバイス502からの中距離に近づくユーザ503の表現510を示すものである。この構成では、レーダセンサは、長距離電波と中距離電波との両方を放射する(511)。実施形態によれば、レーダセンサは、伝送ウィンドウの範囲内の長距離電波および中距離電波を、交番方式または順次方式などで放射し得る。ユーザ503がデバイス502からの中距離に来る前にレーダセンサが中距離電波を放射することにより、デバイス502は、結果として生じる感知データを、中距離電波を処理するアルゴリズム(たとえばジェスチャモード)に関連して分析し始め得る。加えて、デバイス502は、大振幅の超音波を放射することができる超音波センサを活性化し得る(512)。
【0106】
図5Dは、デバイス502から中距離にいるユーザ503の表現515を示すものである。この構成では、レーダセンサは、長距離電波、中距離電波、および短距離電波を放射する(516)。実施形態によれば、レーダセンサは、伝送ウィンドウの範囲内の長距離電波、中距離電波、および短距離電波を、交番方式または順次方式などで放射し得る。レーダセンサが短距離電波と中距離電波との両方を放射することにより、デバイス502は、結果として生じる感知データの、中距離電波および/または短距離電波を処理するアルゴリズム(複数可)(たとえば「グロス」ジェスチャモードおよび/または「ミクロ」ジェスチャモード)に関連した分析を始め得る。加えて、超音波センサは大振幅の超音波を放射し得る(517)。
【0107】
図5Eは、デバイス502からの短距離に近づくユーザ503の表現520を示すものである。この構成では、レーダセンサは、長距離電波、中距離電波、および短距離電波を放射する(521)。図5Eの放射(521)は、図5Dの放射(516)と比較して、より多くの短距離電波(ならびに/あるいは、より少ない長距離電波および/または中距離電波)を含み得る。実施形態によれば、レーダセンサは、伝送ウィンドウの範囲内の長距離電波、中距離電波、および短距離電波を、交番方式または順次方式などで放射し得る。レーダセンサが短距離電波と中距離電波との両方を放射することにより、デバイス502は、結果として生じる感知データの、中距離電波および/または短距離電波を処理するアルゴリズム(複数可)(たとえば「グロス」ジェスチャモードおよび/または「ミクロ」ジェスチャモード)に関連した分析を始め得る。加えて、超音波センサは中振幅の超音波を放射し得る(522)。
【0108】
図5Fは、デバイス502から短距離にいるユーザ503の表現525を示すものである。この構成では、レーダセンサは、長距離電波および短距離電波を放射する(526)。図5Fの放射(526)は、図5Dの放射(516)および図5Eの放射(521)と比較して、より多くの短距離電波(ならびに/あるいは、より少ないかまたは皆無の長距離電波および/または中距離電波)を含み得る。実施形態によれば、レーダセンサは、伝送ウィンドウの範囲内の長距離電波および短距離電波を、交番方式または順次方式などで放射し得る。レーダセンサが短距離電波を放射することにより、デバイス502は、結果として生じる感知データの、短距離電波を処理するアルゴリズム(複数可)(たとえば「ミクロ」ジェスチャモード)に関連した分析を始め得る。加えて、ユーザ503がデバイス502から後退する場合には、レーダセンサが長距離電波を放射することにより、デバイス502は、追加対象を検知するように構成された存在モードの動作ならびにセンサデータの消費を継続し得る。なおまた、超音波センサは小振幅の超音波を放射し得る(527)。
【0109】
図6は、電子デバイスが動き検知機能を管理するための方法600のフローチャートである。方法600は、電子デバイスが、当該電子デバイスのセンサからセンサデータのセットを取得するステップ(ブロック605)から始まる。実施形態によれば、センサは、レーダセンサ、超音波センサ、または別のタイプのセンサであり得る。電子デバイスは、センサデータのセットを分析して、動きが検知されたかどうか(すなわち、センサデータのセットが、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を指示するかどうか)を判定し得る(ブロック610)。電子デバイスは、センサデータのセットを分析する際、一般にリソース消費がより少ない初期の動き認識アルゴリズムを実行し得る。
【0110】
電子デバイスが動きを検知しなければ(「NO」)、処理は、ブロック605に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。電子デバイスは、動きを検知したら(「YES」)、センサデータのセットをメモリにキャッシュし得る(ブロック615)。一般に、センサがセンサデータのセットを生成するとき、電子デバイスは、センサデータのセットをローリング方式で取得してキャッシュし得る。加えて、電子デバイスは、キャッシュされたセンサデータのセットの少なくとも一部分を、たとえば背景差分またはクラッタ除去の技術を使用して除去し得る(ブロック620)。除去されるセンサデータは、動きを示さないセンサデータであり得る。
【0111】
電子デバイスは補助の動き認識アルゴリズムを開始し得る(ブロック625)。実施形態によれば、補助の動き認識アルゴリズムは、一般に、初期の動き認識アルゴリズムよりも多くのリソースを消費し得る。電子デバイスは、キャッシュされてから、少なくとも、動きを示さない一部分を除去された、センサデータのセットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析し得る(ブロック630)。
【0112】
電子デバイスは、ブロック630の分析に基づいて、ブロック610で検知された動きの変化が確認されたかどうかを(すなわち、ブロック610で検知された動きの変化がフォールスポジティブではないことを)判定し得る(ブロック635)。電子デバイスが、動きの変化は確認されなかった(「NO」)と判定したら、処理は、ブロック605に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。加えて、電子デバイスは補助の動き認識アルゴリズムを終了し得る。
【0113】
電子デバイスは、動きの変化が確認された(「YES」)と判定したら、センサからセンサデータの追加セットを取得し得る(ブロック640)。別の実装形態では、電子デバイスは、追加の(すなわち別の)センサからセンサデータの追加セットを取得し得る。電子デバイスは、補助の動き認識アルゴリズムによって、センサデータの追加セットを分析し(ブロック645)、それに応じて電子デバイスの様々な機能性を促進し得る。
【0114】
電子デバイスは、ブロック645の分析に基づいて、動きのさらに他の変化が検知されたかどうかを判定し得る(ブロック650)。実施形態によれば、動きのさらに他の変化は、実行されたジェスチャまたは電子デバイスの近隣で実行された他のユーザ動作を指示する可能性がある。電子デバイスが動きのさらに他の変化を検知したら(「YES」)、処理は、ブロック640に戻ることができ、または他の機能性に進み得る。電子デバイスが動きのさらに他の変化を検知しなければ(「NO」)、処理は、終了してよく、繰り返してよく、または他の機能性に進み得る。加えて、電子デバイスは、動きのさらに他の変化を検知しなければ、補助の動き認識アルゴリズムを終了し得る。
【0115】
図7は、電子デバイスが動き検知機能を管理するための別の方法700のフローチャートである。方法700は、第1の感度モードで動作している、電子デバイスのセンサから、電子デバイスが第1のモードのセンサデータの第1のセットを取得するステップ(ブロック705)から始まる。実施形態によれば、センサは、レーダセンサ、超音波センサ、または別のタイプのセンサであり得る。電子デバイスは、第1のモードのセンサデータの第1のセットを分析して、動きが検知されたかどうか(すなわち、第1のモードのセンサデータの第1のセットが、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を指示するかどうか)を判定し得る(ブロック710)。電子デバイスは、第1のモードのセンサデータの第1のセットを分析する際、一般にリソース消費がより少ない初期の動き認識アルゴリズムを実行し得る。
【0116】
電子デバイスが動きを検知しなければ(「NO」)、処理は、ブロック705に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。電子デバイスは、動きを検知したら(「YES」)、第2の感度モードで動作しているセンサから第2のモードのセンサデータのセットを取得し得る(ブロック715)。加えて、電子デバイスは、第2のモードのセンサデータのセットをメモリにキャッシュし得る(ブロック720)。さらに、電子デバイスは、キャッシュされた第2のモードのセンサデータのセットの少なくとも一部分を、たとえば背景差分またはクラッタ除去の技術を使用して除去し得る(ブロック725)。除去されるセンサデータは、動きを示さないセンサデータであり得る。
【0117】
電子デバイスは、第1の感度モードで動作しているセンサから、第1のモードのセンサデータの第2のセットを取得し得る(ブロック730)。さらに、電子デバイスは、初期の動き認識アルゴリズムによって、第1のモードのセンサデータの第2のセットを分析し得る。したがって、センサは、第1の感度モードでの動作を継続し得、初期の動き認識アルゴリズムは、結果として生じるセンサデータの分析を継続し得る。
【0118】
電子デバイスは補助の動き認識アルゴリズムも開始し得る(ブロック735)。実施形態によれば、補助の動き認識アルゴリズムは、一般に、初期の動き認識アルゴリズムよりも多くのリソースを消費し得る。電子デバイスは、キャッシュされてから、少なくとも、動きを示さない一部分を除去された、第2のモードのセンサデータのセットを、補助の動き認識アルゴリズムによって分析し得る(ブロック740)。さらに、電子デバイスは、第2の感度モードで動作しているセンサから、第2のモードのセンサデータの追加セットを取得し(ブロック745)、補助の動き認識アルゴリズムを使用して第2のモードのセンサデータの追加セットを分析する。
【0119】
電子デバイスは、この分析に基づいて、さらに他の動きが検知されたかどうか(すなわち、第2のモードのセンサデータの追加セットが動きを指示するかどうか)を判定し得る(ブロック750)。電子デバイスが、さらに他の動きが検知された(「YES」)と判定したら、処理は、ブロック745に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。電子デバイスは、さらに他の動きは検知されていない(「NO」)と判定したら、補助の動き認識アルゴリズムを終了し得る(ブロック755)。
【0120】
図8は、電子デバイスがセンサ活動を管理するための方法800のフローチャートである。方法800は、低感度モードで動作している、電子デバイスのセンサから、電子デバイスが低感度センサデータのセットを取得するステップ(ブロック805)から始まる。実施形態によれば、センサは、レーダセンサ、超音波センサ、または別のタイプのセンサであり得る。電子デバイスは、低感度センサデータのセットを分析して、動きが検知されたかどうか(すなわち、低感度センサデータのセットが、電子デバイスに対するターゲットの動きの変化を指示するかどうか)を判定し得る(ブロック810)。電子デバイスは、低感度センサデータのセットを分析する際、一般にリソース消費がより少ない初期のアルゴリズムを実行し得る。
【0121】
電子デバイスが動きを検知しなければ(「NO」)、処理は、ブロック805に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。電子デバイスは、動きを検知したら(「YES」)、可変長の(たとえば10秒、1分などの)タイムアウトウィンドウを開始し得る(815)。さらに、電子デバイスは、高感度モードで動作しているセンサから高感度センサデータのセットを取得し得る(ブロック820)。実施形態によれば、電子デバイスは、センサに、高感度センサデータのセットを生成するように要求して、一般に初期のアルゴリズムよりも多くのリソースを消費する可能性がある、高感度センサデータのセットを処理する後続のアルゴリズムを開始し得る。加えて、センサは低感度モードでの動作を継続し得、電子デバイスは、低感度モードで動作しているセンサから、低感度センサデータの追加セットを取得し得る(ブロック825)。
【0122】
電子デバイスは、高感度センサデータのセットおよび低感度センサデータの追加セットを分析し得る(ブロック830)。詳細には、電子デバイスは、後続のアルゴリズムを使用して高感度センサデータのセットを分析し得、初期のアルゴリズムを使用して低感度センサデータの追加セットを分析し得る。電子デバイスは、高感度センサデータのセットの分析に基づいて、ブロック810で検知された動きの変化を確認し得る(ブロック835)。電子デバイスは、動きの変化を確認する際に、電子デバイスに対する後続の動きの変化を検知することがあり得、この変化は、ブロック810において検知された動きの変化の継続であるか、またはこれとは別のものである可能性があり、同一のターゲットまたは異なるターゲットに関連付けられ得る。いくつかの状況では、電子デバイスは、高感度センサデータのセットの分析の結果として動きの変化を確認しないことがある。
【0123】
ブロック840において、電子デバイスは、タイムアウトウィンドウが満了したかどうかを判定し得る。タイムアウトウィンドウが満了していなければ(「NO」)、処理は、ブロック820に戻ることができ、終了してもよく、または他の機能性に進み得る。タイムアウトウィンドウが満了していれば(「YES」)、処理はブロック845に進んでよく、ここにおいて、電子デバイスは、低感度センサデータの追加セットの分析に基づいて、電子デバイスに対する動きのさらに他の変化が検知されたかどうかを判定し得る。電子デバイスが動きのさらに他の変化を検知したら(「YES」)、処理は、終了してよく、繰り返してよく、または他の機能性に進み得る。
【0124】
電子デバイスは、動きのさらに他の変化が検知されなければ(「NO」)、ブロック835からの動きの変化の確認をフォールスポジティブと見なし得る(ブロック850)。加えて、電子デバイスは、高感度センサデータを処理する後続のアルゴリズムを終了し得る(ブロック855)。さらに、実施形態では、電子デバイスは、センサに、高感度センサデータのセットの生成を中止するように要求し得る。
【0125】
方法800は、図8では単一のセンサを使用して動作すると説明されているが、複数のセンサを使用して動作し得ることを理解されたい。詳細には、第1のセンサが低感度モードで動作して低感度センサデータを生成し得、第2の別のセンサが高感度モードで動作して高感度センサデータを生成し得る。
【0126】
図9は、本明細書で論じられた機能性が実施され得る例示の電子デバイス945を示す。電子デバイス945は、プロセッサ981または他の類似のタイプのコントローラモジュールもしくはマイクロコントローラ、ならびにメモリ978を含み得る。電子デバイス945は、電子デバイス945およびその構成要素に電力を配給または供給するように構成された、AC電力構成要素963または他のタイプの電源(たとえば1つまたは複数のバッテリー)をさらに含み得る。
【0127】
メモリ978は、本明細書で論じられた機能性を助長することができるオペレーティングシステム979、ならびに様々なセンサデータおよび/または他のデータを記憶する/キャッシュするように構成されたキャッシュ980を記憶し得る。プロセッサ981は、メモリ978とインターフェイスして、オペレーティングシステム979を実行し、キャッシュ980からデータを取得するとともに、1つまたは複数の動き検知アプリケーション972などのアプリケーションのセット971(メモリ978はこれも記憶することができる)を実行する。たとえば、動き検知アプリケーション972は、様々なタイプのセンサデータを分析するように構成された複数の動き検知アルゴリズムを含み得る。メモリ978は、読出し専用メモリ(ROM)、電子的プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能な電子的プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、および/または他のハードディスク、フラッシュメモリ、MicroSDカードなどの、1つまたは複数の形式の、揮発性および/または不揮発性の固定記憶装置および/または取外し可能記憶装置を含み得る。
【0128】
電子デバイス945は、1つまたは複数のネットワーク950を介してデータを通信するための1つまたは複数の外部ポート973とインターフェイスするように構成された通信モジュール975をさらに含み得る。たとえば、通信モジュール975は、Wi-Fi直接接続を通じて電子デバイス945を他の電子デバイスに接続するTCP接続を確立するために、外部ポート973を利用し得る。いくつかの実施形態によれば、通信モジュール975は、IEEE規格、3GPP(登録商標)規格、または他の規格による1つまたは複数のトランシーバ機能を含み得、1つまたは複数の外部ポート973を介してデータを送受信するように構成される。より詳細には、通信モジュール975は、電子デバイス945を追加のデバイスまたは構成要素に対して通信可能に接続するための1つまたは複数のセルサイトまたは基地局を含む広域ネットワークと通信するように構成された1つまたは複数のWWANトランシーバを含み得る。さらに、通信モジュール945は、電子デバイス945をローカルエリアネットワークおよび/またはBluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワークに接続するように構成された1つまたは複数のWLANトランシーバおよび/またはWPANトランシーバを含み得る。
【0129】
電子デバイス945は、センサのセット964をさらに含み得る。詳細には、センサのセット964は、1つまたは複数のレーダセンサ965、1つまたは複数の超音波センサ966、1つまたは複数の近接センサ967、1つまたは複数の画像センサ969、および/または1つまたは複数の他のセンサ969(たとえば加速度計、タッチセンサ、NFC素子など)を含み得る。電子デバイス945は、音声を出力するためのスピーカ985、および音声を検知するかまたは受け取るためのマイクロフォン986などのハードウェア構成要素を含む音声モジュール977を含み得る。電子デバイス945は、ユーザに情報を提示し、かつ/またはユーザから入力を受け取るためのユーザインターフェイス974をさらに含み得る。図9に示されるように、ユーザインターフェイス974は、表示画面987およびI/O構成要素988(たとえば容量性または抵抗性のタッチセンシティブ入力パネル、キー、ボタン、光、LED、カーソル制御デバイス、触覚デバイスなど)を含む。ユーザインターフェイス974は、スピーカ985およびマイクロフォン986も含み得る。実施形態では、表示画面987は、単一の表示技術または表示技術の組合せを使用するタッチスクリーンであり、ユーザにとって可視の表示部分の上に重ね合わされた薄い透明なタッチセンサ構成要素を含み得る。たとえば、そのようなディスプレイは、容量性ディスプレイ、抵抗性ディスプレイ、表面弾性波(SAW)ディスプレイ、光学的画像ディスプレイなどを含む。
【0130】
一般に、一実施形態によるコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータが使用可能な記憶媒体(たとえば標準的なランダムアクセスメモリ(RAM)、光ディスク、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、または同種のもの)を含み、コンピュータ可読プログラムコードは、本明細書で説明された機能を助長するために、(たとえばオペレーティングシステム979に関連して作動する)プロセッサ981によって実行されるように適合される。この点に関して、プログラムコードは任意の所望の言語で実施され得、マシンコード、アセンブラコード、バイトコード、インタープリタ言語のソースコードまたは同種のもの(たとえばC、C++、Java、Actionscript、Objective-C、Javascript、CSS、XML、および/または他のもの)として実施され得る。
【0131】
本明細書の全体にわたって、複数のインスタンスは、単一のインスタンスとして説明された構成要素、動作、または構造を実施し得る。1つまたは複数の方法の個々の動作は、個別の動作として示され説明されているが、個々の動作のうち1つまたは複数が同時に実行されてよく、示された順序で動作を実行する必要はない。例示の構成において個別の構成要素として提示された構造および機能性は、組み合わせた構造または構成要素として実施され得る。同様に、単一の構成要素として提示された構造および機能性は、個別の構成要素として実施され得る。これらおよび他の変更、修正、追加、および改善は、本開示の主題の範囲に含まれる。
【0132】
加えて、本明細書では、ある特定の実施形態が、論理または複数の構成要素、モジュール、もしくは機構を含むものとして説明されている。モジュールは、ソフトウェアモジュール(たとえば機械可読媒体に記憶されたコード)またはハードウェアモジュールのいずれかを構成し得る。ハードウェアモジュールは、ある特定の動作を実行することができる有体のユニットであり、ある特定のやり方で構成または配置され得る。例示の実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム(たとえばスタンドアロンのコンピュータシステム、クライアントのコンピュータシステム、またはサーバコンピュータシステム)あるいはコンピュータシステムの1つまたは複数のハードウェアモジュール(たとえばプロセッサまたはプロセッサのグループ)が、ソフトウェア(たとえばアプリケーションまたはアプリケーション部分)によって、本明細書で説明されたある特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして構成され得る。
【0133】
様々な実施形態において、ハードウェアモジュールは機械的または電子的に実施され得る。たとえば、ハードウェアモジュールは、(たとえばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの特別な目的のプロセッサとして)ある特定の動作を実行するための専用回路または恒久的に構成された論理を備え得る。ハードウェアモジュールは、ある特定の動作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブル論理または回路(たとえば汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサの範囲に包含される)も含み得る。ハードウェアモジュールを、恒久的に構成される専用回路で機械的に実施するのか、それとも一時的に構成される(たとえばソフトウェアによって構成される)回路で実施するのかということは、コストや時間を検討して判断されることが理解されよう。
【0134】
したがって、ハードウェアという用語は、ある特定のやり方で動作するように、または本明細書で説明されたある特定の動作を実行するように、恒久的に構成された(たとえば配線された)、物理的に構成された、または一時的に構成された(たとえばプログラムされた)有体のエンティティを包含するものと理解されたい。本明細書で使用される「ハードウェア実施モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(たとえばプログラムされる)実施形態を考えると、ハードウェアモジュールの各々は、何らかのインスタンスにおいて同時に構成されたりインスタンス化されたりする必要はない。たとえば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを使用して構成される汎用プロセッサを含む場合には、汎用プロセッサは、別々の時間において、それぞれ別々のハードウェアモジュールとして構成され得る。したがって、プロセッサは、たとえば、あるときのインスタンスでは特定のハードウェアモジュールを構成し、別のときのインスタンスでは別のハードウェアモジュールを構成するように、ソフトウェアによって構成され得る。
【0135】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアと情報をやり取りすることができる。したがって、説明された各ハードウェアモジュールは通信可能に結合されていると見なされ得る。そのようなハードウェアモジュールのうち複数が同時に存在する場合には、通信は、ハードウェアモジュールを接続する信号伝送によって(たとえば適切な回路およびバスを通じて)実現され得る。複数のハードウェアモジュールが別々の時間に構成されるかまたはインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、たとえば複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造における情報の記憶と回復とによって実現され得る。たとえば、1つのハードウェアモジュールは、動作を実行して、通信可能に結合されたメモリデバイスにその動作の出力を記憶させてよい。次いで、さらに他のハードウェアモジュールは、後に、メモリデバイスにアクセスして、記憶された出力を回復して処理し得る。ハードウェアモジュールはまた、入力デバイスまたは出力デバイスとの通信を開始して、リソース上で動作する(たとえば情報を収集する)ことができる。
【0136】
方法600,700,800は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(たとえば、本明細書で説明されたサーバ装置、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、腕時計、モバイルコンピュータデバイス、または他のクライアントコンピュータ装置)のプロセッサを使用して実行される、明瞭なコンピュータ実行命令の形態で、1つまたは複数の関数ブロック、モジュール、個々の機能またはルーチンを含み得る。方法600,700,800は、たとえば、例示の環境の任意のバックエンドサーバ、クライアントコンピュータ装置モジュールの一部として、またはそのような環境の外部にあるモジュールの一部として含まれ得る。図は、説明の容易さのために、他の図を参照しながら説明されることもあるが、方法600,700,800は、他の対象物およびユーザインターフェイスを用いて利用され得る。その上、上記の説明は、方法600,700,800の、特定のデバイスによって実行されるステップを説明しているが、これは解説のみを目的としたものである。方法600,700,800のブロックは、1つまたは複数のデバイスまたは環境の他の部分によって実行され得る。
【0137】
本明細書で説明された例示の方法の様々な動作は、関連動作を実行するように、(たとえばソフトウェアによって)一時的に構成された、または恒久的に構成された、1つまたは複数のプロセッサによって少なくとも部分的に実行され得る。そのようなプロセッサは、一時的な構成であろうと恒久的な構成であろうと、1つまたは複数の動作または機能を実行するように動作するプロセッサ実施モジュールを構成し得る。本明細書で参照されたモジュールは、いくつかの例示の実施形態ではプロセッサ実施モジュールを含み得る。
【0138】
同様に、本明細書で説明された方法またはルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサで実施され得る。たとえば、方法の動作のうち少なくともいくつかは、1つまたは複数のプロセッサあるいはプロセッサを実装されたハードウェアモジュールによって実行され得る。ある特定の動作の性能は、単一のマシンの内部に存在するものばかりでなく、複数のマシンにわたって配備された1つまたは複数のプロセッサに分散され得る。プロセッサ(複数可)は、いくつかの例示の実施形態では単一の場所に(たとえば家庭環境の内部に、オフィス環境の内部に、またはサーバファームとして)あってよく、他の実施形態では複数の場所に分散されてもよい。
【0139】
1つまたは複数のプロセッサはまた、「クラウドコンピューティング」環境における関連する動作の性能をサポートするように、またはSaaS(サービス型ソフトウェア)として、動作し得る。たとえば、上記で指示された動作のうち少なくともいくつかは、(プロセッサを含むマシンの例としての)コンピュータのグループによって実行され得、これらの動作は、ネットワーク(たとえばインターネット)を介して、また1つまたは複数の適切なインターフェイス(たとえばAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス))を介して、アクセス可能である。
【0140】
またさらに、図は、解説のみを目的として、例示の環境のいくつかの実施形態を表す。当業者なら、以下の説明から、本明細書で示された構造および方法の代替の実施形態が、本明細書で説明された原理から逸脱することなく採用され得ることを容易に認識するであろう。
【0141】
当業者なら、本開示を読み取れば、本明細書で開示された原理を通じて、センサの動作を管理するための、さらに付加的な代替の構造や機能の設計を認識するであろう。したがって、特定の実施形態および用途が示されかつ説明されてきたが、開示された実施形態は、本明細書で開示された明確な構造および構成要素に限定されないことを理解されたい。本明細書で開示された方法および装置の機構、動作および詳細において、当業者には明らかなはずの様々な修正形態、変更形態および変形形態が、添付の特許請求の範囲で定義される精神および範囲から逸脱することなく作成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
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図7
図8
図9