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特許7562880生体サンプル用容器の自動化された衛生化のためのシステムおよびその使用プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】生体サンプル用容器の自動化された衛生化のためのシステムおよびその使用プロセス
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/24 20060101AFI20240930BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20240930BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
A61L2/24
A61L2/26
G01N1/00 101
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023563031
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2021071715
(87)【国際公開番号】W WO2022218558
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】102021000009296
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523387725
【氏名又は名称】ロボサン・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(74)【代理人】
【識別番号】100224627
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 稔
(72)【発明者】
【氏名】トリファリ,ヴィットリオ
(72)【発明者】
【氏名】コルチョーネ,サルヴァトーレ
(72)【発明者】
【氏名】クザーティ,ヴィンチェンツォ
(72)【発明者】
【氏名】チリベルティ,ダニーロ
(72)【発明者】
【氏名】ルオッコ,マヌエラ
(72)【発明者】
【氏名】グラツィオーゾ,スタニズラオ
(72)【発明者】
【氏名】テッラッチャーノ,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】カポラーゾ,テオドリコ
(72)【発明者】
【氏名】パナリエッロ,ダリオ
(72)【発明者】
【氏名】ディ ジローニモ,ジュゼッペ
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0159917(US,A1)
【文献】特開平6-300673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00
A61L 2/24-2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体サンプル用容器の自動化された衛生化のためのシステム(1)であって、
生体サンプル用容器のための収容手段(2)と、
入口開口(4)および出口開口(5)を有する衛生化経路(3)と、
前記生体サンプル用容器を前記衛生化経路(3)に沿って搬送することに適した前記収容手段のハンドリング手段(6)と、
衛生化チャンバ(7)と、
生体サンプル用容器を乾燥する乾燥手段(9)と
を備え、
前記衛生化チャンバ(7)は、殺菌性流体を吐出する吐出手段(8)を備え
前記システム(1)は、生体サンプル用容器を包装する包装手段(17)を有する包装ゾーン(16)を備え、前記包装手段(17)は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器に生体サンプル用容器を包装することに適しており、
前記システム(1)は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための殺菌チャンバ(20)を備え、前記殺菌チャンバ(20)は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の表面の衛生化に適した、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための殺菌手段(19)を備える、システム(1)。
【請求項2】
殺菌性流体を吐出する前記吐出手段(8)は、前記衛生化経路(3)に沿って、生体サンプル用容器を乾燥する前記乾燥手段(9)の上流に配置されている、請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
殺菌性流体を吐出する前記吐出手段(8)は、複数の噴霧ノズルである、請求項1または2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
生体サンプル用容器を乾燥する前記乾燥手段(9)は、気体流を吐出することに適しており、前記気体は、常温の圧縮空気であり、前記乾燥手段(9)は、0度から120度までの間の噴射開口角度を有する乾燥ノズルである、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
記包装手段(17)は、生体サンプル用容器の輸送のための前記二次容器を密封することに適している、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための前記殺菌手段(19)は、紫外線ランプである、請求項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
生体サンプル用容器のための前記収容手段(2)は、生体サンプル用容器の受け入れに適した貫通穴(22)を有するドリル加工されたプレート(21)を備え、
前記貫通穴(22)は、単一の生体サンプル用容器を受け入れるような寸法を有しており、前記貫通穴(22)は、鼻腔用、唾液用、もしくは鼻腔-中咽頭用綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血サンプル、または血液サンプリング、または尿サンプルを含む生体サンプルの保存または輸送に適した生体サンプル用容器を受け入れることに適している、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項8】
前記ドリル加工されたプレートは、縦長形状を有しており、前記貫通穴(22)は、前記ドリル加工されたプレート(21)の長さに沿って長手方向に整列している、請求項に記載のシステム(1)。
【請求項9】
前記ドリル加工されたプレート(21)は、前記縦長形状の水平対象軸により画定される分離線(21c)に沿って互いに分離され得る2つの部分(21a;21b)を有する、請求項に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記衛生化経路(3)の前記入口開口(4)の近くに配置された装填ゾーン(24)を備え、前記装填ゾーン(24)は、生体サンプル用容器を前記収容手段(2)に配置する前に一時的に収容することを可能にすることに適している、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項11】
生体サンプル用容器を前記装填ゾーン(24)から前記収容手段(2)に輸送することに適した生体サンプル用容器を輸送する輸送手段(28)を備える、請求項10に記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記生体サンプル用容器上に存在するラベルまたはタグを読み取ることに適した走査手段を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の前記システム(1)を用いて実行される、生体サンプル用容器の自動化された衛生化のためのプロセスであって、以下のステップ:
生体サンプル用容器を収容手段(2)に装填するステップと、
前記収容手段(2)のハンドリング手段(6)を用いて衛生化経路(3)に沿って装填された前記収容手段(2)を搬送し、衛生化チャンバ(7)内に配置された殺菌性流体を吐出する吐出手段(8)を使用し、殺菌性流体を、生体サンプル用容器上に塗布するステップと、
生体サンプル用容器を乾燥させ、それにより衛生化および乾燥された生体サンプル用容器を提供するステップと、
生化および乾燥された生体サンプル用容器を生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内に輸送するステップと
を備える、プロセス。
【請求項14】
前記殺菌性流体は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液であり、前記殺菌性流体は、溶液の全重量に対して0.2重量%から0.6重量%までの間の濃度を有する次亜塩素酸ナトリウム水溶液である、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記衛生化経路に沿って処理された前記生体サンプル用容器を追跡する追加のステップを備え、前記追跡するステップは、前記生体サンプル用容器上に存在するラベルまたはタグを読み取ることに適した所定の走査手段によって実行される、請求項13または14に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体サンプル用容器、例えば、生体サンプルが予め導入され閉じられた試験管の自動化された衛生化に適した、機械的および電気的構成要素を備える、システムに関する。
【0002】
特に、システムは、例えば次亜塩素酸ナトリウム水溶液などの殺菌性流体を吐出する手段を備える。
【0003】
さらに、本発明は、システムを用いた生体サンプル用容器の衛生化のプロセスに関する。
【背景技術】
【0004】
生体サンプルを採取し、ハンドリングし、連続的に分析研究所に送るための方法を提供する非常に時事的な必要性がある。当該方法は、関係する医療従事者の健康を危険にさらすことなく、同時に、採取され、分析研究所に送られる生体サンプルの汚染および変質のリスクを最小にするべきである。
【0005】
具体的には、新型コロナウイルスSars-COV-2(以下、Covid-19と称する)によるパンデミックの状況において、鼻腔用、唾液用、もしくは鼻腔-中咽頭用綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血または血液サンプリングなどの生体サンプルのハンドリングを、関連する医療従事者の健康に可能な限りリスクのない方法で確実に行う緊急の必要性がある。
【0006】
特に、生体サンプル、通常は、鼻腔用、唾液用、または鼻腔-中咽頭用綿棒を現場で、すなわち生体分析のその後のステップにそれ自体が指定された施設の外で、採取することが現在一般的であり、したがって、通常、内部に生体サンプルが配置されたケーシングまたは容器の外面を、分析研究所に送る前にまたは到着した時点で、消毒または衛生化する必要がある。
【0007】
いくつかの病原体は、数時間から数日の間、様々な表面上で抵抗することが知られている。ヒトコロナウイルスは、例えば、常温で最大9日間、表面上で抵抗することができる。
【0008】
例えば、以下の文献を参照されたい:Van Doremalen N.,Bushmaker T,Morris D.H.他,「Aerosol and surface stability of SARS-CoV-2 as compared with SARS-CoV-1」, The New England Journal of Medicine,2020年3月17日,382(16):1564-1567 (doi:10.1056/NEJMc2004973)およびKampf G.他,「Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and its inactivation with biocidal agents」, Journal of Hospital Infection,2020年3月,104(3): 246-251。
【0009】
これらの病原体の表面での持続性により、職場における生物学的リスクが高く、特に、分析研究所のオペレータは汚染された表面に触れることで感染する可能性がある。
【0010】
適切な装置がない場合、衛生化操作は、生体サンプルが収容された容器を消毒液および/または石鹸で単に手洗いすることで行われることが多い。
【0011】
当該操作は、通常、研究所での分析ステップの直前に実行されるが、サンプルが採取されたときの上流での衛生化を保証しないため、サンプル採取と実行される手洗いとの間の中間ステップおよびハンドリングの間に汚染の伝播のリスクを引き起こす。
【0012】
しかし、生体サンプルを収容する容器の衛生化を手作業で行うと、いくつかの欠点が生じる。
【0013】
第一に、医療従事者の汚染および感染の可能性のリスクが依然として重大である。さらに、例えば、多量の洗浄液または消毒液の使用、並びにエチルアルコール溶液または過酸化水素溶液などの不適切な洗浄液の使用を伴う衛生化および消毒の方法は、生体サンプル容器に貼り付けられたラベルの剥離または変色をもたらすことがあり、これにより、結果として生じる患者の個人情報の喪失または生体サンプルと患者の識別との不一致が引き起こされることがある。
【0014】
最後に、生体サンプルの手作業での衛生化は、高い効率が確保されないだけでなく、特に緊急な状況またはこの特定の操作に指定された医療従事者の怠慢により、効果的な方法で実行されないことがある。
【0015】
さらに、生体サンプルを収容する容器の手作業での衛生化は、生体サンプルの処理操作に大幅な遅延をもたらす。一方で、この状況は、処理および分析が非常に迅速に行われる必要があるパンデミックなどの危機的な状況において、深刻な欠点である。
【0016】
当該技術分野では、試験管または類似の容器の洗浄および/または自動化された消毒のためのシステムがある。
【0017】
中国特許出願公開第110319672号明細書は、試験管を洗浄し、衛生化し、続いて自動的に乾燥し、UVランプを使用して空の試験管を滅菌することを可能にする、装置を開示している。乾燥は、代わりに熱風により行われる。
【0018】
中国実用新案第203803537号明細書は、空の研究所用試験管を整理し、衛生化する装置を開示している。試験管は、所定のラックに配置され、ラックから洗浄ゾーンに搬送される。試験管は、その後赤外線ランプを使用して乾燥され、最終的にUV照射を使用して滅菌される。
【0019】
したがって、上述の装置は、空の試験管を洗浄し、衛生化し、乾燥させることに適しているが、生体サンプルを収容しているケーシングまたは容器の外面上の当該操作を実行することには適していない。
【0020】
実際、生体サンプル用容器がプラスチック製であろうとガラス製であろうと、生体サンプル用容器は、通常、紫外線放射をフィルタリングできず、容器内に配置された生体サンプルの変質を引き起こす可能性があり、いずれにせよ遺伝物質を破壊する可能性がある。
【0021】
結論として、当該技術分野には、目的に適しており、前述の先行技術に関して以前に報告した解決策の欠点を克服する、特に、生体サンプルの損傷のない保存を同時に伴う衛生化技術の自動化に関する問題を解決する、生体サンプルを収容する容器の自動化された衛生化のためのシステムを提供する緊急の必要性が依然として存在する。
【0022】
本発明の根底にある技術的課題は、医療従事者に対する汚染リスクを最小化し、それにより収容された生体サンプルの適切な保存を確実にすることができる、生体サンプルを収容する容器の自動化された衛生化のためのシステムを提供することである。
【発明の概要】
【0023】
本発明によれば、当該課題は、生体サンプル用容器の自動化された衛生化のためのシステムであって、生体サンプル用容器のための収容手段と、入口開口および出口開口を有する衛生化経路と、生体サンプル用容器を衛生化経路に沿って搬送することに適した前記収容手段のハンドリング手段と、殺菌性流体を吐出する吐出手段を有する衛生化チャンバと、生体サンプル用容器の乾燥手段とを備えるシステムによって解決される。
【0024】
本発明によれば、「生体サンプル用容器」という表現は、鼻腔用、唾液用、もしくは鼻腔-中咽頭用綿棒、例えば、Covid-19診断用の綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血サンプル、血液サンプリング、または尿サンプルなどの生体サンプルの保存および輸送に適した容器を意味している。容器は、プラスチック材料製またはガラス製であり、例えば、試験管の形式である。試験管は、典型的には、2つの先端を有する細長い管を有している。第1の先端は、閉じており、他方よりも下方に配置され、任意にはテーパしており、生体サンプル用容器の輸送に適した二次容器に収容することに適している。第2の先端は、開いており、第1の先端よりも高い位置に配置されているが、密封キャップにより閉じることが可能であり、例えば、キャップがねじ込まれるネジ付きのリムを有している。
【0025】
本発明によれば、生体サンプル用容器は、典型的には、生体サンプルを収容する容器であり、すなわち、管の内側には、場合によっては生理学的溶液および/または細胞培養液中に適切に希釈および/または保存された生体液体および/または組織のサンプルが収容されており、管はキャップによって密封されている。
【0026】
本発明によれば、殺菌性流体は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、特に、溶液の全重量に対して0.2重量%から0.6重量%までの間、さらに特に、0.5重量%の濃度の次亜塩素酸ナトリウムを有する水溶液である。
【0027】
本発明によれば、衛生化経路に沿って生体サンプル用容器を搬送するための収容手段の上述のハンドリング手段は、これらの収容手段のハンドリングに適しており、任意には、リニアハンドリングのための手段である。
【0028】
有利には、いくつかの好ましい実施形態に関連して以下で明らかになるように、本発明に係るシステムは、上述の生体サンプル用容器を自動化された方法で衛生化することを可能にし、それにより、衛生化されていない生体サンプル用容器を直接ハンドリングする操作をできるだけ少なくしなければならない医療従事者の汚染リスクを最小化し、同時に、収容されている生体サンプルの無傷性を保持することを可能にする。
【0029】
したがって、本発明に係るシステムは、これらの生体サンプル用容器の外部表面上に最終的に存在する全てのウイルス、バクテリア、菌類および/または他の有機体をほぼ完全に死滅させることで、上述の生体サンプル用容器を自動化された方法で衛生化することを可能にする。
【0030】
特に、本発明に係るシステムは、これらの生体サンプル用容器の外部表面上に最終的に存在するウイルス、特にコロナウイルスSars-COV-2を死滅させることで、上述の生体サンプル用容器を自動化された方法で衛生化することを可能にする。
【0031】
好ましくは、衛生化チャンバは、生体サンプル用容器を乾燥するための乾燥手段を備えてもよい。
【0032】
より好ましくは、殺菌性流体を吐出する吐出手段は、上述の衛生化経路に沿って、生体サンプル用容器を乾燥する乾燥手段の上流に配置されている。
【0033】
代替的には、生体サンプル用容器の自動化された衛生化のための上述のシステムは、好ましくは、生体サンプル用容器を乾燥する乾燥手段が配置された乾燥チャンバを備えてもよい。
【0034】
正確には、本発明に係るシステムが乾燥チャンバを備えている場合、衛生化チャンバは、衛生化経路に沿って、乾燥チャンバの上流に配置される。
【0035】
一般的に、衛生化チャンバと乾燥チャンバは、存在する場合、実際に衛生化経路に沿って配置されている。
【0036】
好ましくは、殺菌性流体を吐出する上述の吐出手段は、複数の噴霧ノズルである。
【0037】
より好ましくは、噴霧ノズルは、殺菌性流体の噴射のための殺菌性流体吐出穴を有する。
【0038】
さらにより好ましくは、殺菌性流体の噴射のための吐出穴は、殺菌性流体の翼型噴射の吐出の提供に適した液状を有する。
【0039】
好ましくは、殺菌性流体の噴射のための吐出穴は、流体粒子の平均サイズが25ミクロンから45ミクロンまでの間、より好ましくは30ミクロンである殺菌性流体の噴射の吐出に適している。
【0040】
有利には、上述の特定の値に等しい流体粒子の平均サイズを有する殺菌性流体の噴射を提供することにより、衛生化される生体サンプル用容器の壁へ殺菌性流体の粒子が適切に付着することを可能にする。
【0041】
さらにより好ましくは、衛生化チャンバは、噴霧ノズルが配置される互いに対向する2つの壁を有する。
【0042】
より好ましくは、噴霧ノズルは少なくとも2つであり、少なくとも2つの噴霧ノズルのそれぞれは、衛生化チャンバの互いに対向する2つの壁にそれぞれ配置されてる。
【0043】
好ましくは、この最後の実施形態によれば、収容手段が衛生化チャンバ内にある場合に、少なくとも2つのノズルは、殺菌性流体の翼型噴射を吐出することに適している。
【0044】
有利には、この方法で、少なくとも2つのノズルは、殺菌性流体の翼型噴射と生体サンプル用容器の対向する表面との間で衝突を引き起こす。
【0045】
より好ましくは、上述の噴霧ノズルは、60度から90度までの間、さらにより好ましくは65度から85度までの間の噴射開口角度を有する殺菌性流体の噴射の吐出を可能にする。
【0046】
好ましくは、本発明に係るシステムは、殺菌性流体の収容に適したリザーバを有する。
【0047】
より好ましくは、リザーバは、殺菌性流体を収容し、殺菌性流体は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液であり、特に、溶液の全重量に対して0.2重量%から0.6重量%までの間、さらに特に、0.5重量%の濃度の次亜塩素酸ナトリウムを有する水溶液である。
【0048】
好ましくは、生体サンプル用容器を乾燥する乾燥手段は、気体流、より好ましくは常温の気体、最も好ましくは圧縮空気、例えば医療用空気を吐出することに適している。
【0049】
より好ましくは、気体流を吐出することに適した乾燥手段は、複数の乾燥ノズルである。
【0050】
さらにより好ましくは、上述の乾燥ノズルは、0度から120度までの間、最も好ましくは120度の噴射開口角度を有する気体流の噴射を吐出することを可能にする。
【0051】
一貫して、本発明に係るシステムは、圧縮空気、例えば医療用空気用のリザーバを有してもよい。
【0052】
好ましくは、衛生化経路は、全体として、上述の入口開口と出口開口との間に構成されてもよい。
【0053】
好ましい実施形態の1つによれば、本発明のシステムは、生体サンプル用容器の包装のための包装手段を有する包装ゾーンを備える。
【0054】
特に、包装手段は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器に生体サンプル用容器を包装し、場合によれば装填することに適している。
【0055】
好ましくは、包装手段は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器を密封、任意には気密密封することに適している。
【0056】
有利には、完全に自動化された方法で、上述の生体サンプル用容器が生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内に入れられると、本発明に係るシステムは、その後の輸送操作の間に、既に衛生化された生体サンプル用容器の汚染を防止するように、二次容器を密封、任意には気密密封することができる。
【0057】
本発明によれば、「生体サンプル用容器の輸送のための二次容器」という表現は、(吸収性材料で個別に包装されている限り)1または複数の一次容器の収容および保護に適しており、耐性材料製であり、不浸透性で気密な容器で構成される二次容器を意味する。吸収性材料の外側には、内容、送信者、および受信者を識別および説明するデータを有するカードが付されている必要がある(イタリアにおいて保健省の回覧番号16および最近の2023年5月8日の回覧番号3により規定されている)。
【0058】
特に、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器は、支持ベースとリッドとを備える。
【0059】
特に、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器は、通常、ガスケットおよび/または二次容器のベースおよび/またはリッドに作られた好適な安全フックにより気密密封されている。
【0060】
上述の支持ベースの内側に、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器は、生体サンプル用容器の適切な保存および輸送を確実にするように、生体サンプルを収容する容器を垂直に保持することができる、グリッド形状の(任意には吸収性材料製の)容器ホルダを更に備えてもよい。
【0061】
具体的には、(任意には吸収性材料製の)グリッド形状の容器ホルダは、試験管などの生体サンプル用容器が配置され得る所定の受け入れウェルを備える。
【0062】
より具体的には、グリッド形状の容器ホルダは、鼻腔用、唾液用、あるいは鼻腔-中咽頭用綿棒、例えばCovid-19診断用綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血サンプル、血液サンプリング、または尿サンプルなどの生体サンプルの保存および輸送に適しており、プラスチック材料製またはガラス製であり、典型的には試験管である生体サンプル用容器を受け入れることに適している。
【0063】
本発明によれば、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器は、本発明に係るシステムに含まれないことを理解されたい。
【0064】
好ましくは、本発明に係るシステムは、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための衛生化チャンバを備えており、衛生化チャンバは、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための衛生化手段を有しており、衛生化手段は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の表面を衛生化することに適している。
【0065】
より好ましくは、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための衛生化手段は、紫外線ランプである。
【0066】
さらにより好ましくは、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための衛生化チャンバは、少なく1つの入口開口を有する。
【0067】
特に、衛生化チャンバは、オペレータが生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の支持ベースを衛生化チャンバ内に挿入することを可能にすることに適した第1入口開口と、オペレータが生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のリッドを衛生化チャンバ内に挿入することを可能にすることに適した第2入口開口とを有する。
【0068】
好ましくは、本発明に係るシステムは、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための輸送手段を備え、輸送手段は、自動化された方法で、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器を、衛生化チャンバから包装ゾーンまで、および/または衛生化された容器を取り出すために包装ゾーンから衛生化経路の上述の出口開口に向けて搬送することができる。
【0069】
より好ましくは、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための輸送手段は、自動化された方法で、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のベースおよび/またはリッドを、衛生化チャンバから包装ゾーンまで、および/または包装ゾーンから衛生化経路の出口開口に向けて搬送することができる。
【0070】
好ましい実施形態によれば、本発明に係るシステムは、衛生化経路に沿って衛生化チャンバの下流かつ包装ゾーンの上流に配置された分離要素を備えてもよく、分離要素は、殺菌性流体のためのバリアとして機能する。
【0071】
最も好ましくは、分離要素は、プラスチックまたは金属の硬質材料製または軟質材料製、例えばPVCなどの軟質プラスチック材料製であってもよい。
【0072】
分離要素がプラスチックまたは金属の硬質材料製である場合、小型ドアは、ハッチであってもよい。
【0073】
より好ましくは、ハッチは、スライド式ハッチであってもよく、ヒンジ式ハッチ、例えば二重リーフヒンジ式ハッチであってもよい。
【0074】
好ましくは、分離要素は、上述の衛生化チャンバと包装ゾーンとの間に配置されており、より好ましくは、存在する場合、上述の乾燥チャンバと包装ゾーンとの間に配置される。
【0075】
有利には、分離要素は、衛生化チャンバからの殺菌性液体の小滴の漏れ、すなわち、衛生化経路に沿って衛生化チャンバの下流に位置する本発明に係るシステムの領域における殺菌性液体の小滴の分散を抑制する。
【0076】
他の好ましい実施形態によれば、生体サンプル用容器のための収容手段は、生体サンプル用容器の受け入れに適した貫通穴を有するドリル加工されたプレートを備える。
【0077】
具体的には、ドリル加工されたプレートの各貫通穴は、好都合には、単一の生体サンプル用容器を収容するような寸法を有している。
【0078】
好ましくは、貫通穴は、鼻腔用、唾液用、もしくは鼻腔-中咽頭用綿棒、迅速血清学的検査用の毛細管血サンプル、血液サンプリング、または尿サンプルなどの生体サンプルの保存および輸送に適した、プラスチック材料製またはガラス製の生体サンプル用容器、より好ましくは試験管を受け入れることに適している。
【0079】
本発明によれば、上述の貫通穴は、生体サンプル用容器を垂直に受け入れることに適している。
【0080】
有利には、生体サンプル用容器を垂直に保持することができるという事実により、本システムが、鼻腔用、唾液用、鼻腔-中咽頭用綿棒、例えばCovid-19診断用綿棒の容器の衛生化および処理に非常に適したものになる。
【0081】
好ましくは、ドリル加工されたプレートは、縦長形状を有しており、特に、縦長で平坦な幾何学的形状の形式であり、より好ましくは、長方形状を有している。
【0082】
同じ好ましい方法で、貫通穴は、ドリル加工されたプレートの長さに沿って、すなわち縦長で平坦な幾何学的形状の水平対称軸に沿って長手方向に整列されている。
【0083】
本発明によれば、ドリル加工されたプレートは、アルミニウムなどの金属材料製またはプラスチック材料製、より好ましくはPMMAまたはABS/PLA製である。
【0084】
特に、ドリル加工されたプレートは、3Dプリンティングまたはレーザ切断技術により得られてもよい。
【0085】
好ましくは、ドリル加工されたプレートは、縦長形状、より好ましくは長方形状の水平対称軸により画定された分離線に沿って、互いに分離することができる2つの部分を有している。
【0086】
代替的には、ドリル加工されたプレートは、縦長形状、より好ましくは長方形状に沿って水平に画定された2つの分離線に沿って互いに分離することができる3つの部分を有している。
【0087】
言い換えれば、互いに分離することができる3つの部分を有する後者の実施形態によれば、2つの分離線は、縦長形状、より好ましくは長方形状に沿った長手方向に設けられる。
【0088】
より好ましくは、生体サンプル用容器のための上述の収容手段は、支持フレームを備え、支持フレームは、ドリル加工されたプレートの分離することができる2つの部分を支持することに適しており、支持フレーム内で、分離することできる2つの部分は、水平方向に沿ってスライドすることができる。
【0089】
特に、分離することができる2つの部分が、接近するときまたは互いに離れるとき、収容されている生体サンプル用容器は、それぞれ保持または解放され得る。
【0090】
実際、分離線は、2つの部分が分離して、離れて移動するとき、貫通穴の開放を可能にするように、ドリル加工されたプレートの貫通穴を通過している。
【0091】
有利には、縦長で平坦な幾何学的形状の水平対称軸により画定された分離線に沿って互いに分離することができる2つの部分を有するドリル加工されたプレートは、ドリル加工されたプレートの貫通穴に収容された生体サンプル用容器をしっかり保持し、容易かつ直ちに解放することを可能にする。
【0092】
特に、完全に自動化された方法で、上述の生体サンプル用容器は、ドリル加工されたプレートから生体サンプル用容器の輸送のための上述の二次容器内、すなわち支持ベースのグリッド形状の容器ホルダの受け入れウェル内に解放されてもよい。
【0093】
さらに、ドリル加工されたプレートにより確実に行われる解放のおかげで、生体サンプル用容器は、この操作の間においても垂直に保持されることができ、これにより、本システムは、鼻腔用、唾液用、鼻腔-中咽頭用綿棒、例えばCovid-19診断用綿棒のための容器の衛生化および処理に非常に適したものになる。
【0094】
事実、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の支持ベースが上述の包装ゾーンに配置されると、ドリル加工されたプレートの分離することができる少なくとも2つの部分を分離し、互いに離れるように移動させることで、重力により生体サンプル用容器は、受け入れウェル内に直接滑り込み、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内に適切に配置されることがある。
【0095】
言い換えれば、ドリル加工されたプレートの形式の生体サンプル用容器のための収容手段は、自動化された解放および生体サンプル用容器の生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内への自動化された配置を可能にする。
【0096】
包装手段により、本発明に係るシステムは、先に説明したように、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器をその後密封、特に気密密封することができる。
【0097】
本システムの好ましい実施形態によれば、収容手段の上述のハンドリング手段は、収容手段の上述の支持フレームが衛生化経路に沿って入口開口から搬送されることを可能にするガイドである。
【0098】
好ましい実施形態の1つによれば、本発明に係るシステムは、衛生化経路の上述の入口開口の近くに配置された装填ゾーンを備え、装填ゾーンは、生体サンプル用容器を上述の収容手段内に配置する前に、生体サンプル用容器を一時的に収容することを可能にすることに適している。
【0099】
好ましくは、装填ゾーンは、生体サンプル用容器を一時的に収容する装填手段を備える。
【0100】
より好ましくは、装填手段は、静止端およびエンドストローク端を有するスリットと、生体サンプル用容器を一時的に収容することに適した装填要素とを備える装填グリッドであり、各装填要素は、好都合には、単一の生体サンプル用容器を収容するような寸法を有しており、静止端からエンドストローク端へのスリット内でスライドすることができる。
【0101】
同時に、装填手段は、静止端からエンドストローク端へ、および/またはエンドストローク端から静止端へ装填要素をハンドリングすることに適したベルトまたは搬送ベルトを備えてもよい。
【0102】
好ましい実施形態によれば、装填要素は、スリット内を自由にスライドすることができ、すなわち、生体サンプル用容器が装填されると、装填要素は、静止端からエンドストローク端へ受動的にスライドすることができる。
【0103】
事実、生体サンプル用容器が装填要素に装填されると、装填要素が重力により静止端からエンドストローク端へ受動的にスライドすることを可能にするように、装填スリットは、適切な傾斜を有してもよい。
【0104】
さらに、本発明によれば、装填要素は、生体サンプル用容器を垂直に保持することに適している。
【0105】
有利には、生体サンプル用容器を垂直に保持することができるという事実により、本システムは、鼻腔用、唾液用、または鼻腔-中咽頭用綿棒、例えばCovid-19診断用綿棒用の容器の衛生化および処理に非常に適したものになる。
【0106】
完全に一般的な態様において、エンドストローク端は、好都合には、上述の入口開口の近くに配置される。一貫して、静止端は、エンドストローク端および上述の入口開口の反対側の位置にある。
【0107】
好ましくは、本発明に係るシステムは、生体サンプル用容器を、好都合にはエンドストローク端に到達し、すなわちエンドストローク位置にある装填要素から、生体サンプル用容器のための上述の収容要素に輸送する輸送手段を備えてもよい。
【0108】
好ましくは、生体サンプル用容器を輸送する輸送手段は、把持モジュール、より好ましくはグリッパである。
【0109】
より好ましくは、グリッパは、柔軟な把持フィンガを有するグリッパ、すなわちソフトフィンガを有するソフトグリッパ、クローグリッパ、真空グリッパ、または磁気グリッパであってもよい。
【0110】
されにより好ましくは、グリッパは、柔軟な把持フィンガを有するグリッパであり、最も好ましくは、圧縮空気を使用して膨張可能な能動的な柔軟な把持フィンガを有するグリッパ、またはグリッパ内に配置された電気モータにより開閉が駆動される受動的な柔軟な把持フィンガを有するグリッパである。
【0111】
特に、上述の把持モジュールは、空間において3自由度に従って、すなわち互いに直行する3つの方向に沿った3つの所定のハンドリング経路に従って移動することができる。第1方向および第2方向は、生体サンプル用容器をドリル加工されたプレートのそれぞれの貫通穴の上方に適切に輸送し、位置決めすることを可能にする一方で、第1方向および第2方向により画定されたハンドリング平面に直行する第3方向は、各生体サンプル用容器をドリル加工されたプレートの対応する貫通穴に挿入し適切に収容することを可能にする。
【0112】
有利には、本発明のシステムの後者の実施形態によれば、オペレータは、生体サンプル用容器を1つずつ装填ゾーン内に装填することができる。システムは、各単一の装填要素を、装填要素に生体サンプル用容器が装填されると、静止端からエンドストローク端に自動的にハンドリングすることができ、オペレータが次の生体サンプル用容器を装填している間に、エンドストローク位置にある装填要素を、生体サンプル用容器のための収容要素に自動的に続けて輸送することができる。これにより、装填ゾーンにおける大幅な時間の短縮および完全な自動化が提供される。
【0113】
代替的には、本システムのさらなる実施形態では、ドリル加工されたプレートを有する上述の収容要素は、上述の生体サンプル用容器を把持し輸送することに適している。
【0114】
したがって、上述のドリル加工されたプレートは、衛生化経路に沿って衛生化経路の上述の入口開口を通って生体サンプル用容器を輸送するように、例えば、同時に8つの試験管をピックアップし輸送することにより、生体サンプル用容器をピックアップおよび輸送することができる。
【0115】
具体的には、ドリル加工されたプレートの分離することができる上述の2つの部分を接近させ、離すことで、この場合、(場合によっては上述の装填手段から)生体サンプル用容器をピックアップすることを可能にし、加えて、続けて生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内へ生体サンプル用容器を輸送し解放することを可能にする。
【0116】
有利には、後者の実施形態は、生体サンプル用容器のための生体サンプル用容器の単一の輸送に本質的に指定された手段、例えばグリッパを含まないため、非常に単純かつ便利である。
【0117】
さらに、後者の実施形態によれば、上述の装填スリットと、既に説明した生体サンプル用容器をハンドリングするための上述の搬送ベルトとを有する装填手段を提供する必要がない。
【0118】
代替的には、上述の装填ゾーンは、ランダムに組織された生体サンプル用容器を処理することに適している。
【0119】
好ましくは、装填ゾーンは、オペレータがアクセス可能な、例えば引き出しの形式の保存コンパートメントを備える。
【0120】
より好ましくは、装填ゾーンは、生体サンプル用容器を保存コンパートメントから一度に1つピックアップし、衛生化経路の入口開口に向けて搬送することに適したピックアップ手段を備える。
【0121】
さらにより好ましくは、上述のピックアップ手段は、上述の保存コンパートメントから生体サンプル用容器を1つずつ取り出すことに適した昇降機構を備える。
【0122】
最も好ましくは、保存コンパートメントは、適切な傾斜を有するベースフロアと、ベースフロアに垂直な底壁とを有し、上述の昇降機構は、ベースフロアと上述の底壁との間の接合ゾーンの近くに配置されている。
【0123】
有利には、実際、保存コンパートメントのベースフロアの傾斜は、生体サンプル用容器を底壁に向けて搬送することを可能にする。
【0124】
最も好ましくは、上述の装填ゾーンは、昇降機構により取り出された生体サンプル用容器を1つずつ受け入れることに適したランプをさらに備え、ランプは、昇降機構と連通した第1端と、上述の衛生化経路の開口の近くに配置された第2端とを備える。
【0125】
特に、上述のランプは、生体サンプル用容器または試験管を、重力によりハンドリングすることを可能にすることができるランプであり、または、代替的には、生体サンプル用容器または試験管と接触する2つの作動ベルトを備えるシステムであってもよく、これにより、生体サンプル用容器または試験管をランプの上述の第2端に向かってハンドリングすることが可能になる。
【0126】
好ましくは、この実施形態によれば、本システムは、生体サンプル用容器を装填ゾーンから、特に上述のランプの第2端から上述の収容手段へ輸送することに適した生体サンプル用容器を輸送する輸送手段を備えてもよい。
【0127】
より好ましくは、生体サンプル用容器を輸送する輸送手段は、把持モジュール、より好ましくはグリッパである。
【0128】
好ましくは、後者の実施形態によれば、ランダムに組織された生体サンプル用容器を処理することに適した上述の装填ゾーンは、適切な傾斜な傾斜が設けられたベースフロアおよびベースフロアに垂直な底壁を有する追加の保管コンパートメントと、ベースフロアと上述の底壁との間の接合ゾーンの近くに配置された選択開口とを備え、選択開口は、好都合には、一度に単一の生体サンプル用容器の通過を可能にするような寸法を有している。
【0129】
有利には、実際、追加の保存コンパートメントのベースフロアの傾斜は、生体サンプル用容器を底壁に向けて搬送することを可能にする。
【0130】
特に、上述の選択開口は、上述の保存コンパートメントに連通している。
【0131】
したがって、生体サンプル用容器は、追加の保管コンパートメントの底壁に向けて到着すると、選択開口内に1つずつ落ち、したがって、1つずつ秩序のある態様で、上述したピックアップ手段が配置され作動する上述した保管コンパートメント内に搬送されることができる。
【0132】
有利には、一般的に、ランダムに組織された生体サンプル用容器を処理することに適した装填ゾーンを有する本発明に係るシステムの説明した実施形態は、異なる分析研究所の間、またはサンプルが採取される場所と分析研究所との間の物流分野で非常に有用である。
【0133】
特に、後者の実施形態は、生体サンプルを採取し、その後生体サンプル用容器内に配置するステップと、生体サンプルの分析との両方が実行される大規模な分析研究所にとって非常に有用であり、これにより生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内に生体サンプル用容器を包装することを不要にする。
【0134】
後者の実施形態は、サンプルを分析研究所に送る前に採取するセンターにとっても非常に有用である。
【0135】
代替的には、異なる実施形態によれば、本発明のシステムでは、上述の装填ゾーンは、生体サンプル用容器のためのラックを収容することに適した収容コンパートメントを備える。
【0136】
特に、生体サンプル用容器のためのラックは、生体サンプル用容器を垂直に保持することを可能にし、好都合には、オペレータにより上述の収容コンパートメント内に配置される前に満たされる。
【0137】
有利には、本システムのこの代替的な実施形態によれば、オペレータは、単一の操作によって、すなわち生体サンプル用容器のための上述のラックを収容コンパートメント内に配置することによって、多数の、例えば40個の上述の生体サンプル用容器を装填ゾーン内に割り当ててもよく、その後、生体サンプル用容器を輸送する輸送手段は、生体サンプル用容器を装填ゾーンから上述の収容手段に輸送してもよい。
【0138】
明らかに、この実施形態によれば、生体サンプル用容器を装填ゾーンから輸送することに適した生体サンプル用容器を輸送する上述の輸送手段は、これらの容器生体サンプル用容器のための上述のラックから上述の収容手段に輸送することに適している。
【0139】
好ましくは、本発明に係るシステムは、上述の生体サンプル用容器上に存在するラベルまたはタグを読み取ることに適した所定の走査手段を備えてもよい。
【0140】
より好ましくは、走査手段は、光学走査装置、レーザ走査装置、または特に画像に基づき、したがって所定のビデオカメラを有する走査システムである。
【0141】
さらにより好ましくは、走査手段は、衛生化経路の入口開口の上流に配置されており、および/または走査手段は、生体サンプル用容器の装填のための装填ゾーンと衛生化経路の入口開口との間に配置されている。
【0142】
特に、走査手段は、固定されており、すなわち本発明に係るシステムの構造要素にしっかりと固定されている。
【0143】
有利には、本発明に係る処理された生体サンプル用容器の衛生化経路に沿った追跡を可能にする。
【0144】
より有利には、走査手段は、本発明に係る処理された生体サンプル用容器のトレーサビリティを可能にする。
【0145】
さらに、走査手段を使用することにより、各生体サンプル用容器の情報、したがってその中の各生体サンプルの情報を所得し、本発明に係るシステムのデータ記憶ユニットに記憶することが可能になり、これにより最終的に包装されるまで、本発明に係るシステム内での全作業サイクルの間、同じ生体サンプル用容器を追跡することができる。
【0146】
走査手段により取得され、データ記憶ユニットに記憶された情報は、例えば、生体サンプルのシリアル識別ナンバー、種類、採取日、および実行される分析の種類に関する。
【0147】
したがって、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器には、その中の一次容器に関する情報を読み出すための固有の識別コードが付されている。
【0148】
本発明によれば、本発明に係るシステムは、生体サンプル用容器のための収容手段、収容手段のハンドリング手段、殺菌性流体を吐出する吐出手段、および生体サンプル用容器のための乾燥手段、並びに本発明の好ましい実施形態に含まれる上述の包装手段、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための上述の輸送手段、上述の生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための上述の衛生化手段、上述の装填要素、および生体サンプル用容器を輸送する輸送手段を含む本システムの上述の構成要素の作動のために指定された電気モータ、場合によっては複数の電気モータと、特定のアクチュエータとを備えてもよい。
【0149】
特に、システムは、複数のセンサ、例えばフォトセル、距離センサ、および近接センサ、チャンバ、並びにエンドオブストロークのような従来の自動化要素を有してもよい。
【0150】
さらに好ましい実施形態によれば、本発明に係るシステムは生体サンプル用容器のための収容手段、収容手段のハンドリング手段、殺菌性流体を吐出する吐出手段、および生体サンプル用容器のための乾燥手段、並びに本発明の好ましい実施形態に含まれる上述の包装手段、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための上述の輸送手段、上述の生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための上述の衛生化手段、上述の装填要素、および生体サンプル用容器を輸送する輸送手段を含む上述の本システムの構成要素の作動コマンドを生成することができる少なくとも1つの制御カード有する、中央制御ユニットを備えてもよい。
【0151】
本発明に係るシステムの好ましい実施形態によれば、中央制御ユニットは、システム自体の機能の動作プログラム、例えば本システムの上述の構成要素の適切な移動時間および停止時間が提供されるプログラムを記憶することに適したデータ記憶ユニットを備えてもよい。
【0152】
好ましくは、データ記憶ユニットは、走査手段により取得された各生体サンプル用容器の情報、およびその中に収容された各生体サンプルの情報を保存および記憶することに適している。
【0153】
本発明によれば、本システムは、オペレータとのインタラクションのためのインターフェースを有する端末を備えてもよい。
【0154】
有利には、端末を使用することで、オペレータは、上述の中央制御ユニットに、コマンドを送信することができ、例えば、システム自体の機能の動作プログラムを選択するようなコマンドおよび/または本システムの上述の構成要素の起動および直接制御のコマンドを送信することができる。
【0155】
好ましくは、インターフェースは、例えばタッチ-スクリーンディスプレイによって、情報をオーディオビジュアル表示することに適している。
【0156】
最も好ましくは、したがって、本発明に係るシステムは、試験管形式の生体サンプル用容器、具体的には、鼻腔用、唾液用、鼻腔-中咽頭用綿棒、例えばCovid-19診断用綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血サンプル、血液サンプリング、または尿サンプル用の容器の衛生化、より一般的には処理に特に適している。
【0157】
しかしながら、本発明によれば、本システムは、並びに本システムに含まれる上述の構成要素の全てと同じように、生体サンプル用容器、例えば、尿容器またはバッグ、例えば、血液および血液成分などの血液液体を採取するためのバッグの衛生化、より一般的には処理に適していることを排除するものではない。
【0158】
本発明によれば、上述の技術的課題は、本発明のシステムの任意の実施形態を使用して実行される生体サンプル用容器の自動的な衛生化のためのプロセスによって解決される。
【0159】
本発明のプロセスは、以下のステップ:
生体サンプル用容器を収容手段に装填するステップと、
収容手段のハンドリング手段を用いて衛生化経路に沿って装填された収容手段を搬送し、衛生化チャンバ内に配置された殺菌性流体のための吐出手段を使用し、殺菌性流体、好ましくは殺菌性流体の噴射を、生体サンプル用容器上に塗布するステップと、
生体サンプル用容器を乾燥させ、それにより生体サンプル用容器を衛生化および乾燥された生体サンプル用容器を提供するステップと、
任意で、衛生化および乾燥された生体サンプル用容器を生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内に輸送するステップと
を備える。
【0160】
好ましくは、殺菌性流体は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液である。
【0161】
より好ましくは、殺菌性流体は、溶液の全重量に対して0.2重量%から0.6重量%までの間、より好ましくは0.5重量%の濃度を有する次亜塩素酸ナトリウム水溶液である。
【0162】
有利には、上述の種類の殺菌性流体による衛生化のステップを提供することで、本発明に係るプロセスは、保管された生体サンプルを変化させたり損傷させたりすることなく、上述の生体サンプル用容器の外表面の効率的かつ迅速な衛生化をもたらす。
【0163】
さらに、正確には次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用することにより、本プロセスは、上述の生体サンプル用容器の外表面上に存在するラベルまたはタグのいかなる変色も引き起こさない。
【0164】
また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用することにより、本プロセスは、本発明に係るシステムが製造される金属の構成要素、例えば、金属製のドリル加工されたプレートとして製造され得る上述の収容手段の腐食現象を引き起こさない。
【0165】
同様に好ましい態様では、殺菌性流体を塗布するステップにおいて、殺菌性流体の噴射が塗布され、殺菌性流体を吐出する吐出手段は、複数の噴霧ノズルである。
【0166】
より好ましくは、殺菌性流体は、翼型噴射として噴霧ノズルにより吐出される。
【0167】
好ましくは、殺菌性流体の噴射の流体粒子の平均サイズは、25ミクロンから45ミクロンまでの間、より好ましくは30ミクロンである。
【0168】
有利には、特定された値と等しい流体粒子の平均サイズを有する殺菌性流体の噴射の提供は、衛生化される生体サンプル用容器の壁への殺菌性流体粒子の適切な付着を可能にする。
【0169】
本プロセスの特定の実施形態によれば、殺菌性流体の噴射を塗布するステップにおいて、殺菌性流体は、60度から90度までの間、好ましくは65度から85度までの間の噴射開口角度を有する噴射として噴霧ノズルにより吐出される。
【0170】
本プロセスの最も好ましい実施形態によれば、殺菌性流体の噴射を塗布するステップにおいて、生体サンプル用容器は、ハンドリング手段の段階的な移動に従って、生体サンプル用容器が殺菌性流体の噴射に高さにわたって徐々に全体的に当たるように、衛生化経路に沿って搬送される。
【0171】
有利には、本プロセスの後者の実施形態によれば、生体サンプル用容器の外表面のほぼ完全な衛生化、すなわち、試験管の場合、下端からキャップが配置された上端までの衛生化が確実にされる。
【0172】
好ましくは、殺菌性流体を塗布するステップの後、かつ後続の乾燥ステップの前、殺菌性流体は、30秒から2分までの間の時間、より好ましくは1分間、作用する。
【0173】
好ましくは、乾燥ステップは、圧縮空気、より好ましくは医療用空気を吐出することにより実行される。
【0174】
より好ましくは、乾燥ステップは、常温の圧縮空気を吐出することにより実行される。
【0175】
本発明によれば、「常温」という表現は、5度から25度までの間、より正確には約20度の温度を意味する。
【0176】
さらにより好ましくは、乾燥ステップは、0度から120度までの間、より好ましくは120度の噴射開口角度を有する空気流の噴射の吐出を可能にする乾燥ノズルにより圧縮空気を吐出することにより実行される。
【0177】
有利には、常温の圧縮空気を吐出することにより実行される乾燥ステップを提供することにより、本発明に係るプロセスは、保管された生体サンプルを変化させたり損傷させたりすることなく、上述の生体サンプル用容器の外表面の効率的かつ迅速な乾燥をもたらす。
【0178】
さらにより好ましくは、殺菌性流体を塗布するステップにおいて、場合によっては上述の噴霧ノズルの内側で殺菌性流体との混合により、および/または乾燥ステップにおいて、圧縮空気は0.5バールから2バールまでの間の圧力で吐出される。
【0179】
特に、殺菌製流体を塗布するステップのみに関連して、殺菌性流体と混合された圧縮空気の吐出の圧力は、上述の値に等しい流体粒子の平均サイズを有する殺菌性流体の噴射を得るために機能してもよい。
【0180】
同様に好ましい態様では、乾燥ステップにおいて、圧縮空気が、15秒から2分までの間の時間、より好ましくは30秒の間吐出される。
【0181】
さらに、本発明のために説明されたプロセスによれば、収容手段を装填し、生体サンプル用容器を搬送、衛生化、乾燥、および輸送するステップは、生体サンプル用容器の輸送のための上述の二次容器が生体サンプル用容器で完全に満たされるまで、繰り返されてもよい。
【0182】
好ましくは、生体サンプル用容器を生体サンプル用容器の輸送のための二次容器内に輸送するステップの後、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器を気密密封するステップが実行される。
【0183】
特に、生体サンプル用容器の輸送のための上述の二次容器を気密密封するステップは、二次容器が生体サンプル用容器で完全に満たされたときに実行されてもよい。
【0184】
好ましくは、生体サンプル用容器の自動的な衛生化のためのプロセスは、生体サンプル用容器の輸送のための上述の二次容器が紫外線照射により予め衛生化されていることを提供する。
【0185】
本プロセスの特定の実施形態によれば、本プロセスは、衛生化経路に沿って処理された生体サンプル用容器を追跡する追加のステップを備え、好ましくは、追跡ステップは、生体サンプル用容器上に存在するラベルまたはタグを読み取ることに適した所定の走査手段により実行される。
【0186】
特定の好ましい実施形態によれば、本発明に係るプロセスは、生体サンプル用容器の自動的な衛生化のために実行され、生体サンプル用容器は、鼻腔用、唾液用、鼻腔-中咽頭用綿棒、例えばCovid-19診断用綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血サンプル、または血液サンプリングのための容器である。
【0187】
本発明に係る生体サンプル用容器の自動化された衛生化のためのシステムの特徴および利点は、以下の添付の図面を参照して非限定的な例として与えられる詳細な説明およびそのいくつかの実施形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0188】
図1図1は、本発明に係るシステムの好ましい実施形態を模式的に図示する。
図2図2は、図1に図示された本発明に係るシステムの好ましい実施形態の詳細な斜視図を模式的に図示する。
図3図3は、図2に図示された本発明に係るシステムの衛生化経路の詳細な断面図を模式的に図示する。
図4図2に図示された本発明に係るシステムの衛生化経路、特に包装ゾーンにおける拡大した斜視図を模式的に図示する。
図5図5は、図2に図示された本発明に係るシステムの衛生化経路の詳細な斜視図を模式的に図示する。
図6図6は、図2に図示された本発明に係るシステムの装填ゾーンの拡大した斜視図を模式的に図示する。
図7図7は、図6の拡大図に対する拡大図の装填ゾーンの詳細な上面図を模式的に図示する。
図8図8は、生体サンプル用容器を収容するための引き出しを有し、生体サンプル用容器を装填するための代替的な機構を模式的に図示する。
図9図9は、生体サンプル用容器のための1または複数のラックを収容することに適した収容コンパートメントを有する生体サンプル用容器を装填するための代替的な機構を模式的に図示する。
図10図10は、生体サンプル用容器を装填するための代替的な機構を模式的に図示しており、ここで、収容手段は、ドリル加工されたプレートを有し、生体サンプル用容器を把持し輸送することに適しており、ドリル加工されたプレートは、グリッパの機能を果たすが、これは必須ではない。
【発明を実施するための形態】
【0189】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る生体サンプル用容器の自動衛生化のためのシステム1を示す。
【0190】
システム1は、図2において、空間における構成要素の構成という観点からより詳細に示されている。
【0191】
まず、システム1は、生体サンプル用容器のための収容手段2と、入口開口4および出口開口5を有する衛生化経路3と、生体サンプル用容器を衛生化経路3に沿って搬送することに適した収容手段2を直線的に取り扱うハンドリング手段6と、殺菌性流体を吐出する吐出手段8を有する衛生化チャンバ7とを備える。
【0192】
次図により良く描かれるように、本発明に係るシステム1は、衛生化、より一般的には、試験管の形式の生体サンプル用容器を処理することに適している。
【0193】
本発明に係るシステム1は、好都合には、乾燥チャンバ10内に配置された乾燥ノズルの形式である、生体サンプル用容器を乾燥するための乾燥手段を有する。乾燥チャンバ10は、図1に示されるシステム1の実施形態に含まれる。
【0194】
より好ましくは、乾燥チャンバ10は、互いに対向する2つの壁を有し、2つの壁のそれぞれには、3つの乾燥ノズルが設けられ、合計6つの乾燥ノズルが設けられる。
【0195】
図1から明らかなように、衛生化チャンバ7は、衛生化経路3に沿って乾燥チャンバ10の上流に配置されている。
【0196】
一貫して、殺菌性流体の吐出手段8は、衛生化経路3に沿って乾燥手段9の上流に配置されている。
【0197】
衛生化経路3に沿った乾燥手段9に対する殺菌性流体の吐出手段8の相互の位置は、図3によく示されている。
【0198】
発明の概要を参照すると、システム1は、したがって、生体サンプル用容器の自動衛生化のためのプロセスを確実にするために必要なものを満たすように具体的に構成されている。
【0199】
図2に示す例に示されているように、システム1は、特に、コンパクトであり、使用し易い。
【0200】
さらに、システム1の全体の寸法は、非常に小さく、これにより混雑した場所での使用だけでなく、保持、洗浄、および/または消毒も容易である。
【0201】
特に、本発明に係るシステム1は、必要とされる場所、具体的には、生体サンプルの採取のための場所に、適切な車輪32を使用して容易に運ばれてもよい。
【0202】
オペレータの安全性を向上させるために、車輪32には、システム1を固定位置に維持するための適切なブレーキが設けられている。
【0203】
図3に示されるように、衛生化チャンバ7と、乾燥チャンバ10と、包装ゾーン16とは、垂直に配置されており、それぞれZ軸に沿って下へ配置されている。
【0204】
特に、衛生化経路3は、上方に配置された衛生化チャンバ7から始まり、その下にある乾燥チャンバ10内に延び、乾燥チャンバ10の真下に位置する包装ゾーン16で終わる。
【0205】
図面から明らかでないとしても、システム1の殺菌性流体を吐出する吐出手段は、殺菌性流体の噴射のための吐出穴(図示せず)を有する2つの噴霧ノズルであり、吐出穴は、殺菌性流体の翼型噴射の吐出の提供に適した形状を有している。
【0206】
殺菌性流体の噴射のための吐出穴は、30ミクロンの流体粒子の平均サイズを有する殺菌性流体の噴射を吐出することにさらに適している。
【0207】
図1および図3に示されるシステム1の噴霧ノズル8は、衛生化チャンバ7の対向する壁7a,7bに配置されている。
【0208】
図から明らかでないとしても、噴霧ノズル8は、好都合には、80度の噴射開口角度を有する殺菌性流体の噴射の吐出を可能にする。
【0209】
本発明に係るシステム1は、殺菌性流体を収容することに適したリザーバ11をさらに備える。
【0210】
特に、リザーバ11は、20リットルの容量を有しており、約4時間の殺菌性流体の吐出を可能にする。
【0211】
図1では明らかでないとしても、乾燥手段9は、常温の圧縮空気の流れを吐出することに適している。
【0212】
一貫して、システム1は、圧縮空気のためのリザーバ12および圧縮機13を備え、圧縮機13は、適切な供給パイプ14により、リザーバ12を圧縮空気で満たすことができる。
【0213】
具体的には、噴霧ノズル8には、殺菌性流体と圧縮空気とが供給され、その内部で、この例では0.5重量%の濃度を有する次亜塩素酸ナトリウム水溶液である殺菌性流体と、圧縮空気とが混合される。
【0214】
圧縮空気は、図示しない供給ダクトにより供給され、供給ダクトはシステム1に含まれており、包装ゾーン16(図2参照)の下にあるコンパートメント13aに配置された圧縮機13に接続されている。
【0215】
圧縮機は、例えば、コンセントから給電されてもよい。
【0216】
圧縮機13は、したがって、噴霧ノズル8および乾燥ノズル9の両方に有用である圧縮空気を生産できる。
【0217】
有利には、圧縮空気のリザーバ12を提供することで、圧縮空気が必要な全ての運転の間圧縮機が運転することを抑制でき、これにより、システム1で生じる全ノイズを低減することができる。具体的には、システム1は、25リットルの容量を有する圧縮空気のリザーバ12を有している。これにより、好都合には、生体サンプルの輸送のための二次容器を完全に満たすために必要かつ十分な数の完全な衛生化サイクルを実行することを可能にする。二次容器は、40個のウェルを有しており、収容手段2は、1サイクル毎に8つの生体サンプル用容器の衛生化を可能にする。
【0218】
さらに、圧縮機13は、環境から取り込まれた空気をろ過するためのHEPAフィルタを有しており、HEPAフィルタは、暴露の危険性が高く、環境中の汚染物質、例えば、ウイルスおよび/またはバクテリアの濃度が高い条件下でも1リットル当たり0.1ミクロンのサイズの粒子の約0.5%を通過させることができる・。
【0219】
システム1は、包装ゾーン16を有する。
【0220】
図4および図5に示されるように、包装ゾーン16は、順に、二次容器を包装する包装手段17を有する。
【0221】
図4に示されるように、包装手段17は、吸引カップを有する真空グリッパの形式である。
【0222】
包装ゾーン16内では、生体サンプル用容器は、収容手段2により解放され、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器に配置される。
【0223】
具体的には、包装手段17は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器を密封することに適している。
【0224】
図4に示されるように、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器は、支持ベースとリッドとを有する。
【0225】
特に、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器が、生体サンプル用容器で満たされると、この例では、合計40個の生体サンプル用容器を作るための5回の衛生化サイクルの後、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器は、リッドを二次容器のベース上に適用することで包装手段17により気密密閉される。
【0226】
システム1は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための輸送手段18をさらに備える。輸送手段18は、二次容器を包装ゾーン16から衛生化経路3の出口開口5に向けて自動的に搬送することに適しており、これにより、二次容器内で衛生化および包装された生体サンプル用容器を取り出すことができる。。
【0227】
図4および図5に示されるように、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための輸送手段18は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の衛生化のチャンバから、包装ゾーン16に向けて、二次容器のベースを自動搬送することに適している。
【0228】
実際、システム1は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の衛生化のための衛生化チャンバ20を備え、衛生化チャンバ20は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための衛生化手段19を備える。衛生化手段19は、二次容器の表面の衛生化に適している。
【0229】
図4に示すように、衛生化手段19は、紫外線ランプである。
【0230】
生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための衛生化チャンバ20は、少なくとも1つの入口開口を有する。
【0231】
特に、衛生化チャンバ20は、オペレータが生体サンプル用容器の輸送のための二次容器の支持ベースを衛生化チャンバ20内に挿入することを可能にすることに適した第1入口開口20aと、オペレータが二次容器のリッドを衛生化チャンバ20内に挿入することを可能にすることに適した第2入口開口20bとを有する。
【0232】
特に、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のための輸送手段18は、特に、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器を包装ゾーン16から衛生化経路3の出口開口5に向けて自動的に搬送し、二次容器のベースを衛生化ゾーン20から包装ゾーン16に向けて自動的に搬送することに適したリニアハンドリング手段である。
【0233】
図4に示されるように、吸引カップを有する真空グリッパの形式である包装手段17は、生体サンプル用容器の輸送のための二次容器のリッドを、衛生化チャンバ20から包装ゾーン16に向けて自動的に搬送することに適している。
【0234】
図3に模式的に示されるように、システム1は、衛生化経路3に沿って衛生化チャンバ7の下流かつ包装ゾーン16の上流に配置された分離要素40を有してもよい。
【0235】
図3に模式的に示されるように、システム1は、走査手段41、特に光学走査装置を備えてもよい。
【0236】
さらに、図5から図7、特に図7に示されるように、生体サンプル用容器のための収容手段2は、生体サンプル用容器の受け入れに適した貫通穴22を有するドリル加工されたプレート21を備える。
【0237】
ドリル加工されたプレート21の各貫通穴22は、好都合には、単一の生体サンプル用容器を収容するような寸法を有している。
【0238】
本実施形態では、貫通穴22は、鼻腔用、唾液用、もしくは鼻腔-中咽頭用綿棒、迅速な血清学的検査用の毛細管血サンプル、具体的には試験管などの生体サンプルの貯蔵または輸送に適した生体サンプル用容器を受け入れることに適している。
【0239】
貫通穴22は、生体サンプル用容器を、実質的に垂直に収容することに適している。
【0240】
さらに、図示されていないとしても、貫通穴22の縁は、面取りされており、試験管の壁との境界ゾーンにおいてゴムで覆われている。このようにして、貫通穴22の縁と、試験管の壁との間の摩擦を増大させることができ、必然的に衛生化が困難であるこれらの要素間の接触ゾーンを最小化する。
【0241】
より具体的には、ドリル加工されたプレート21は、概ね矩形状を有している。
【0242】
図7において明らかなように、貫通穴22は、ドリル加工されたプレート21の長さに沿って、すなわち、図に示されるように、y軸と同じ方向を有する水平対称軸に沿って、長手方向に整列している。
【0243】
ドリル加工されたプレート21は、アルミニウムなどの金属製、またはプラスチック材料製、より好ましくはPMMAまたはABS/PLA製である。
【0244】
図7に示されるように、ドリル加工されたプレート21は、水平対称軸によって画定された分離線21cに沿って互いに分離することができる2つの部分21a,21bを備える。
【0245】
図5から図7に示されるように、生体サンプル用容器のための収容手段2は、ドリル加工されたプレート21の分離可能な2つの部分21a,21bを支持することに適した支持フレーム23を有し、支持フレーム23内で、分離可能な2つの部分21a,21bは、水平方向に沿って、すなわち、図7で定義されるx軸に沿ってスライドすることができる。
【0246】
この特定の実施形態によれば、分離可能な2つの部分21a,21bは、独立してスライドすることができ、これらのスライド移動は、図示しない循環ボールねじまたはリニアガイドなどのリニアハンドリング機構により可能となる。
【0247】
収容手段2は、特にフレーム23を参照すると、適切なリニアハンドリング手段6により、衛生化経路3に沿って、特に、入口開口4および衛生化チャンバ7から、乾燥チャンバ10を通過して、包装ゾーン16に、すなわち、図で定義されたz軸に沿った垂直移動により、スライドしてもよい。
【0248】
具体的には、本実施形態では、リニアハンドリング手段6は、リニアガイド、循環ボールねじガイド、Vベルト、またはベルトを有するハンドリングシステムであってもよい。
【0249】
ガイドにより、リニアハンドリング手段6を、衛生化経路3に沿って段階的な移動にしたがってスライドすることが可能になり、したがって、予め設定された時間にしたがって、衛生化チャンバ7で停止し、続いて乾燥チャンバ10で停止することができる。
【0250】
示された本発明のシステムは、衛生化経路3の入口開口4の近くに配置された装填ゾーン24を備える。装填ゾーン24は、生体サンプル用容器を、収容手段2に適切に配置する前に、一時的に収容することを可能にすることに適している。
【0251】
図6および図7に示されるように、装填ゾーン24は、生体サンプル用容器を一時的に収容することに適した装填手段25を有する。装填手段25は、静止端26aおよびエンドストローク端26bを有するスリット26と、生体サンプル用容器を一時的に収容することに適した装填要素27とを有する。各装填要素27は、好都合には、単一の生体サンプル用容器を収容するような寸法であり、スリット26内を静止端26aからエンドストローク端26bまでスライドすることができる。
【0252】
図6において明らかであるように、装填要素27は、生体サンプル用容器を垂直に保持することに適している。
【0253】
さらに、装填手段25は、静止端26aからエンドストローク端26bまで、および/またはエンドストローク端26bから静止端26aまで、装填要素をハンドリングすることに適した、図示しない搬送ベルトまたはリニアガイドシステムを有している。
【0254】
通常、エンドストローク端26bは、好都合には、衛生化経路3の入口開口4の近くに配置されている。
【0255】
図7で明らかなように、静止端26aは、入口開口4に対してエンドストローク端26bの反対側に位置している。
【0256】
図示された本発明に係るシステム1の実施形態は、生体サンプル用容器を輸送するための輸送手段28を備える。輸送手段28は、生体サンプル用容器をエンドストローク端26bに到達した装填要素27からピックアップし、生体サンプル用容器を生体サンプル用容器のための収容手段2内、すなわちドリル加工されたプレート21の貫通穴22内に配置することができる
【0257】
具体的には、生体サンプル用容器を輸送する輸送手段28は、柔軟な把持フィンガを有するグリッパである。
【0258】
本発明に係るシステム1は、システム1の上述した構成要素の全ての作動させるために所定の複数の電気モータと特定のアクチュエータ(図示せず)とを備える。
【0259】
図1を再度考慮すると、システム1は、電気モータ、アクチュエータ、およびシステム1の上述した構成要素の全ての作動コマンドを生成することができる少なくとも1つの制御カード30を有する中央制御ユニット29を備える。
【0260】
中央制御ユニット29を起点とする破線は、図示された実施形態に係るシステム1に存在する配線の一部を模式的に示しており、配線により、生成された作動コマンドがシステム1の上述した構成要素およびそれらの作動のために適切なアクチュエータ(図示せず)に到達することができる。
【0261】
中央制御ユニット29は、システム1の機能の動作プログラムの記憶に適したデータ記憶ユニット31を備える。
【0262】
最後に、システム1は、オペレータとのインタラクションのためのインターフェースを有する端末(図示せず)を備える。
【0263】
図8は、本発明に係るシステム1の実施形態を示す。この実施形態は、例えば引き出しの形式で、オペレータがアクセス可能な保存コンパートメント40を有する、ランダムに編成された生体サンプル用容器を処理することに適した装填ゾーン24を備える。
【0264】
装填ゾーン24は、保存コンパートメント40から生体サンプル用容器を同時にピックアップし、衛生化経路の入口開口4に向けて搬送することに適したピックアップ手段41を備える。
【0265】
ピックアップ手段41は、生体サンプル用容器を保存コンパートメント40から1つずつ取り出すことに適した昇降機構42を備える。
【0266】
保存コンパートメント40は、適当な傾斜が設けられたベースフロア40aと、ベースフロアに垂直な底壁40bとを備える。昇降機構42は、ベースフロア40aと底壁40bとの間の接合ゾーンの近くに配置されている。
【0267】
装填ゾーンは、昇降機構42により取り出された生体サンプル用容器を1つずつ受け入れることに適したランプ43を備える。ランプ43は、昇降機構42に連通する第1端43aと、衛生化経路3の入口開口4の近くに配置された第2端43bとを備える。
【0268】
ランプは、代替的には、図に示された2つのセクションバーの壁に配置された2つの作動ベルトによって形成されたシステムであってもよく、2つの作動ベルトは、試験管の壁と接触して、試験管を正面方向にハンドリングすることができる。
【0269】
図8には、生体サンプル用容器を装填ゾーン24、特に第2端43bから、収容手段2に輸送することに適した、生体サンプル用容器を輸送する輸送手段28が模式的に示されている。
【0270】
矢印は、生体サンプル用容器の装填経路を示す。
【0271】
図9は、本発明に係るシステム1の実施形態の装填ゾーン24を示している。この装填ゾーン24は、生体サンプル用容器のための1または複数のラック、例えば3つのラックを収容することに適している収容コンパートメント24aを備える。
【0272】
特に、生体サンプル用容器のためのラックは、生体サンプル用容器を垂直に保持することを可能にし、好都合には、オペレータにより収容コンパートメント24a内に配置される前に充填される。
【0273】
明らかに、この実施形態によれば、生体サンプル用容器を装填ゾーン24から輸送することに適した生体サンプル用容器を輸送する輸送手段は、生体サンプル用容器のための上述のラックから生体サンプル用容器を収容手段2に輸送することに適している。
【0274】
図10は、本発明に係るシステム1の単純化された実施形態を示している。上述の収容手段2は、ドリル加工されたプレート21を備えており、生体サンプル用容器の把持および輸送に適している。
【0275】
したがって、ドリル加工されたプレート21は、生体サンプル用容器をピックアップし輸送することができる。例えば、図示されたように、同時に8つの試験管をピックアップし輸送することにより、衛生化経路の入口開口4を通って、衛生化経路に沿って輸送する。
【0276】
具体的には、上述したドリル加工されたプレート21の分離可能な2つの部分21a,21bを近接させて離すことにより、この場合、生体サンプル用容器をピックアップすることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10