(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20240930BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240930BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240930BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
B41J29/42 F
G06F3/0481
G06F3/0488
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2024007815
(22)【出願日】2024-01-23
(62)【分割の表示】P 2020157893の分割
【原出願日】2020-09-18
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】千葉 慎一
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-040927(JP,A)
【文献】特開2011-210009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
G06F 3/0481
G06F 3/0488
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段を用いる第1の機能を実行するための画面を表示する第1のアイテムを含み、前記第1の機能とは異なり前記読取手段を用いる第2の機能を実行するための画面を表示する第2のアイテムを含まない第1のモードのホーム画面または、前記第1のモードのホーム画面とは異なる第2の
モードのホーム画面を表示する表示手段と、を有し、
前記表示手段は、
前記第1のモードのホーム画面が表示されているときに、前記読取手段により原稿を読み取るためのユーザ操作が行われた場合に、前記第1のアイテムと前記第2のアイテムを含む画面を表示し、
前記第2のモードのホーム画面が表示されているときに、前記読取手段により原稿を読み取るためのユーザ操作が行われたとしても、前記ユーザ操作に基づいて前記第2のモードのホーム画面の表示を変化させないことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1の機能はコピー機能であることを特徴とする請求項
1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第2の機能はユーザの装置に前記読取手段で読み取った原稿のデータを送信する機能またはファックス機能であることを特徴とする請求項
1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1のモードのホーム画面には前記第2のモードのホーム画面に切り替えるためのボタンが含まれ、前記第2のモードのホーム画面には前記第1のモードのホーム画面に切り替えるためのボタンが含まれることを特徴とする請求項1から
3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2のモードのホーム画面に表示される複数のアイテムは、ユーザによりカスタマイズ可能であることを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記原稿の有無を検知するセンサ、前記原稿を配置する原稿台のカバー開閉を検知するセンサの少なくとも一方を更に有することを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記表示手段は、ユーザの設定に基づき前記第1のモードのホーム画面または前記第2のモードのホーム画面を表示することを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記印刷装置のデフォルト設定に基づき前記第1のモードのホーム画面または前記第2のモードのホーム画面を表示することを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記表示手段は、認証画面を用いたユーザの認証が成功した場合に、前記第1のモードのホーム画面または前記第2のモードのホーム画面を表示することを特徴とする請求項1から
8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は、ユーザが装置にログインした後に装置が有するコピー・スキャンなどの機能を実行できるボタンをユーザに提示するためのメニュー画面を操作部に表示することが可能なものがある。ユーザはメニュー画面上で上記ボタンを押下することで機能の設定や実行を指示することができる。例えば特許文献1には、画像処理装置にユーザがログインした際のホーム画面において、コピーモードを選択するためのボタン、送信系のモードを包括的に選択するためのボタン、メールやFAXなどの送信系のモードを個別に選択するためのボタン、など多数のボタンを表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のようにホーム画面に多数のボタンが配置されると、ユーザは所望のボタンを見つけづらい。そこで、画像処理装置のステータスに応じて、メニュー画面上のボタンの表示方法を変更する構成が考えられる。ボタンの表示方法とは、ボタンの表示順序を変更する方法やボタンを表示非表示にする方法、あるいは網掛け表示にする方法等を含む。また、画像処理装置のステータスとは、印刷ジョブの有無や、原稿台における原稿の有無等を指す。例えば、原稿台に原稿がある場合には、コピー機能あるいはスキャン機能に対応するボタンをホーム画面において優先して表示させる構成が考えられる。その構成を採用することによって、ユーザーがこれから使用するであろうと予測されるボタンがホーム画面上に優先的に表示され、利便性が向上する。
【0005】
しかし、ユーザがこれから使用するボタン以外のボタンが優先的に表示されてしまい、利便性が下がる。
【0006】
本発明は、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
印刷装置であって、
原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段を用いる第1の機能を実行するための画面を表示する第1のアイテムを含み、前記第1の機能とは異なり前記読取手段を用いる第2の機能を実行するための画面を表示する第2のアイテムを含まない第1のモードのホーム画面または、前記第1のモードのホーム画面とは異なる第2のモードのホーム画面を表示する表示手段と、を有し、
前記表示手段は、
前記第1のモードのホーム画面が表示されているときに、前記読取手段により原稿を読み取るためのユーザ操作が行われた場合に、前記第1のアイテムと前記第2のアイテムを含む画面を表示し、
前記第2のモードのホーム画面が表示されているときに、前記読取手段により原稿を読み取るためのユーザ操作が行われたとしても、前記ユーザ操作に基づいて前記第2のモードのホーム画面の表示を変化させないことを特徴とする印刷装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置1の構成を説明するブロック図
【
図2】画像処理装置1の機能の一例を示すブロック図
【
図3】起動後、ログインユーザに画面を表示するまでの一例を示すフロー図
【
図5】初期画面を表示するための一例を示すフロー図
【
図7】スマートホーム画面を表示するための一例を示すフロー図
【
図8】スマートホーム画面に係る画面フローの一例を示したフロー図
【
図9】本発明の実施形態に係る原稿の置き忘れ状態移行の一例を示すフロー図
【
図10】実施形態2における、スマートホーム画面を表示するための一例を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
[第一の実施形態]
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
<画像処理装置>
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置1の構成を説明するブロック図である。画像処理装置1は、制御部10と、操作部12と、画像処理部13から構成される。
【0013】
制御部10は、画像処理装置1の各ユニットの動作制御を行う。制御部10は、CPU100と、LAN(Local Area Network)11と、通信ユニット101と、RAM102と、HDD103と、ROM104、タイマ105、FAXユニット106、スキャナ107を備えている。CPU100は、制御部10全体を制御している。LAN11は、外部装置との間でデータのやり取りを行うためのネットワークを示し、このLAN11を介して画像処理装置1はインターネットに接続されている。通信ユニット101は、LAN11を通してデータの送受信を行う。RAM102は、CPU100が動作するためのシステムワークメモリを提供している。HDD103はハードディスクドライブで、例えば磁気ディスクや光学メディアやフラッシュメモリ等の記憶媒体であってもよい。HDD103は、文書データや設定データ等を格納することができる。またHDD103は、画像処理装置1内に存在してなくてもよい。通信ユニット101を介して、外部のサーバやPC等をデータの保存装置として利用しても良い。ROM104はブートROMであり、システムのブートプログラムを格納している。CPU100は、ROM104のブートROMにより、HDD103にインストールされているプログラムをRAM102に展開し、そのプログラムに基づいて各種制御を行う。タイマ105は、CPU100の指示に従って時間の経時を行い、指示された時間が経過すると割り込みなどによりCPU100に通知する。FAXユニット106は、電話回線14を通して、ファクスデータの送受信を行う。
【0014】
スキャナ107は、原稿の読み取りを行う。なおスキャナ107には、原稿を自動的に搬送するADF(Auto Document Feeder)や、ユーザが手動で原稿を配置及び除去する原稿台などの種類がある。スキャナ107には原稿の有無を検知するセンサや、原稿台の開閉センサなどが備えられており、CPU100は各センサの検知結果(センサの状態及び状態変化)に応じて、例えば原稿台に原稿が置き忘れられている状態であると判断することも可能である。なお本実施例における「原稿の置き忘れ状態」とは、一度使用した原稿が、原稿台に置き忘れられている状態であることを示す。なぜなら、本実施例におけるADFでは、原稿検知位置に載置された原稿を、原稿読み取り位置とは異なる原稿排紙位置まで自動的に搬送するため、誤って再度その原稿を読み取ってしまうという課題が発生しないためである。また本実施例において、原稿有無の検知は、ADF、原稿台それぞれで判断してもよいし、ADFと原稿台の状態を複合的に判断してもよい。
【0015】
操作部12は、制御部10によって制御され、表示部120と入力部121を備えている。表示部120は、ユーザに対して画像処理装置の情報を表示するためのディスプレイである。入力部121は、例えばタッチパネル、マウス、カメラ、音声入力、キーボード等のインターフェースを通してユーザからの操作入力等を受け付ける。
【0016】
画像処理部13は制御部10によって制御され、画像解析部130と、画像生成部131と、画像出力部132とが含まれる。画像解析部130は、原稿画像の構造を解析し、解析結果から必要な情報を抽出する。画像生成部131は、原稿を読み取ることで(例えば、スキャン)、その原稿の画像をデジタル化して画像データを生成してHDD103に格納する。また画像生成部131は、画像解析部130が解析した情報を用いて、別のフォーマットの原稿画像データを生成することもできる。画像出力部132は、HDD103等に格納されている画像データを出力する。この出力方法としては、例えば原稿の画像データを用紙に印刷したり、通信ユニット101を介して、ネットワーク接続されている外部デバイス、サーバ、ファクシミリ装置などに送信したり、画像処理装置1に接続されている記憶媒体に保存することが挙げられる。
【0017】
図2は、
図1に示す画像処理装置1の機能の一例を示すブロック図である。画像処理装置1はその機能として認証処理部201、ユーザ情報管理部202、ジョブ処理部203、操作処理部204、装置情報管理部205を有している。これらの各機能部は、CPU100がROM104のブートROMにより、HDD103にインストールされているプログラムをRAM102に展開し、そのプログラムに基づいて実現する機能である。
【0018】
認証処理部201はユーザからログイン/ログアウトの要求を受け取り、入力されたユーザー情報を認証し、画像処理装置1を使用するユーザを特定する処理を行う。ユーザ情報管理部202は認証処理部201で特定したユーザの情報を管理する。例えば、ユーザ毎に使用する使用言語(例えば英語・日本語など)を管理しており、ログインしたユーザに応じて使用言語を切り替えることができる。また、通信ユニット101を介して外部装置から受信した印刷ジョブを、ジョブを投入したユーザごとに管理することができる。
【0019】
ジョブ処理部203は画像処理装置1で実行する各種ジョブの処理を行う。具体的には、画像生成部131を制御してスキャン機能を用いてスキャンジョブを実行したり、画像出力部132を制御して印刷ジョブを実行したり、通信ユニット101を制御してジョブを送信する。
【0020】
操作処理部204は表示部120を制御してユーザに対して各種情報を表示する。さらに、入力部121から入力されたユーザからの操作指示を受け取って処理する。装置情報管理部205は画像処理装置1全体に関する情報を管理する。具体的な例としては、画像処理装置1に割り当てられているIPアドレスや、画像処理装置1を利用する全ユーザ共通の設定値などが挙げられる。なお、ユーザ情報管理部202で管理している情報と同種の情報を、装置情報管理部205でも管理することも可能である。例えば、装置情報管理部205においては使用言語の共通設定が英語と設定されている場合、使用言語を設定していないユーザが装置を利用する場合は英語のメッセージをユーザに提示する。しかし、あるユーザが使用言語を日本語にしていた場合は、このユーザに対しては日本語のメッセージを提示することも可能である。
【0021】
次に、
図3のフロー図を用いて、画像処理装置1を起動してログインユーザの画面を表示するまでの処理について説明を行う。
図3のフロー図は認証処理部201、ユーザ情報管理部202、ジョブ処理部203、操作処理部204、装置情報管理部205によって実現される。
【0022】
S301で認証処理部201は表示部120にログイン画面を表示する。認証処理部201はログイン要求があるか否かを判断する。具体的には、表示部120にログイン画面(
図4)を表示し、ユーザが入力部121を介してユーザIDとパスワードを入力する。ログインキー403を選択することによって、認証処理部201にログイン要求が送信される。
図4は表示部120に表示するログイン画面の例である。ユーザは、ユーザID入力欄401にログインユーザID、パスワード入力欄402にパスワードをそれぞれ入力する。
【0023】
S302で認証処理部201はログイン要求として、ユーザIDとパスワードを受け付ける。なお、画像処理装置1の入力部121に接続されたICカード読取装置や指紋認証等の生体認証装置からの入力によってログイン要求が行われるようにしても良い。S303で認証処理部201はログイン要求を受けると、HDD103に保存されているユーザID及びパスワードと、S302で受け付けたユーザID及びパスワードとが一致するかの比較を行う。
【0024】
S304にて認証処理部201が「入力されたユーザ名とパスワードが一致しない」と判断すると、S305にて操作処理部204を介し表示部120に一定時間エラーメッセージを表示する。そして、認証処理部201は操作処理部204を介し表示部120にログイン画面(
図4)を表示する(S301)。S304にて認証処理部201が入力されたユーザ名とパスワードが一致すると判断すると、S306にてユーザ情報管理部202はHDD103に保存されたユーザに紐づく情報を呼び出す。
【0025】
続いて、S307にてS304で認証が成功したユーザのユーザ名を現在ログイン中のユーザとして、HDD103に保存する。その後、S308にて操作処理部204は呼び出したログインユーザの情報を反映した初期画面を表示部120に表示する。本実施形態における初期画面とは、画像処理装置1にログインした直後にユーザに提示する画面である。初期画面の例としては、コピー機能の設定実行が可能なコピーアプリケーションをはじめとした各種アプリ画面や、各種アプリケーションを実行可能なボタンが並んだメニュー画面(以後ホーム画面と称する)などが挙げられる。いずれの初期画面を表示させるかは、ユーザもしくは画像処理装置1の管理者が予め設定することができるものとする。今回は説明の都合上、初期画面としてホーム画面が表示されるものとする。
【0026】
次に、
図5のフロー図を用いて、S308の初期画面を表示する際の処理の詳細について説明を行う。
図5のフロー図は認証処理部201、ユーザ情報管理部202、ジョブ処理部203、操作処理部204、装置情報管理部205によって実現される。
【0027】
S501で、操作処理部204はユーザ情報管理部202及び装置情報管理部205から、ログインユーザに提示すべき初期画面に関する設定情報を取得する。具体的には、ユーザ情報管理部202にログインユーザ特有の初期画面の設定情報が予め設定されていればこの設定情報を用い、そうでなければ装置情報管理部205にデフォルト情報として格納されている初期画面の設定情報を用いる。
【0028】
続いて、S502にて操作処理部204は、S501で取得した初期画面の設定情報に基づき、表示すべき初期画面の種別を判定する。S502で判定した初期画面の種別がコピーアプリ(
図6(a))など各種アプリ画面であった場合、操作処理部204はアプリ画面を初期画面として操作部12に表示し(S520)、処理を終了する。
図6(a)は各種アプリ画面の一例として、コピーアプリ画面の例を示したものである。コピーアプリは、カラー選択ボタン611などを介して、コピーを行う際の実行条件をユーザから受け付ける。また、コピーアプリ画面に表示された設定内容でコピーを開始するための指示を受け付けるスタートボタン612が配置されており、このボタンの押下を検知すると、操作処理部204は設定内容に基づいてジョブの実行指示をジョブ処理部203に対して行う。
【0029】
S502で判別した初期画面の種別がホーム画面であった場合、S503にて操作処理部204は初期画面に関する設定情報に基づき、ホーム画面のモードを判別する。モードに応じて、ホーム画面に表示されるボタンの数や種類、態様が異なってくる。S503において、ホーム画面のモードが静的モードであった場合には、S510にて操作処理部204は静的モードのホーム画面(
図6(b))を操作部12に表示し、処理を終了する。
図6(b)は静的モードのホーム画面の一例である。静的モードのホーム画面にはユーザが利用可能なアプリがボタンとして表示されるボタン領域621、ユーザがこれまで実行したジョブ設定の履歴を表示する履歴表示領域622などが配置される。履歴表示領域622に表示される履歴は、画像処理装置1にログイン中のユーザーに応じて異なる。また、後述するスマートモードのホーム画面(以後スマートホーム画面とする)に切り替えるためのスマートモード切り替えボタン623も配置されている。
【0030】
S503において、ホーム画面のモードがスマートモードであった場合には、S504にて操作処理部204はスマートホーム画面(
図6(c))を表示部120に表示し、処理を終了する。
図6(c)はスマートホーム画面の一例である。スマートホーム画面は静的モードのホーム画面とは異なり、画像処理装置1の状態に応じて表示するボタンを動的に変更して表示する。画像処理装置1の状態とは、印刷ジョブやFAXジョブの受信状況、スキャナ107の原稿台やADFに原稿がセットされているか、画像処理装置の各種機能が使用可能な状態にあるか、などである。本実施例では、表示されるボタンの数がスマートホーム画面の場合は3つであり、静的モードのホーム画面の場合よりも表示されるボタンの数が少ないが、各モードのボタンの数はこれに限定されない。
【0031】
スマートホーム画面に表示されるボタンをスマートボタン(631~633)と呼ぶ。スマートボタン631~633には、コピーアプリ画面などのアプリ画面に遷移するためのスマートボタン631、633に加え、押下するだけでアプリ画面を表示することなく、所定の設定でジョブ実行を開始するスマートボタン632(以下、即実行ボタン)が配置されていても良い。例えば、即実行ボタン632は、原稿のスキャンを行い、ログインしたユーザに予め関連付けられているメールアドレスなどの送信先に対し、スキャン画像を送信する処理を、スキャンアプリ画面を表示することなく実行可能である。
【0032】
本実施形態において即実行ボタンには、ジョブが即実行されることを示す即実行アイコン634が配置され、他のアプリボタンと外観上区別されるものとする。また、スマートホーム画面にはメニューボタン635が配置され、押下されることにより、各種設定の表示・変更が可能なメニュー画面(
図6(d))が表示される。メニュー画面には、ホーム画面のモードを設定するためのモード設定メニュー637を含む各種メニュー項目が表示される。モード設定メニュー637で設定された情報は、S503において参照される情報である。
【0033】
スマートホーム画面には他にも状態通知領域638(
図6(c))があり、ここでユーザに対して原稿の置き忘れやトナー等の消耗品の不足など、画像処理装置1の状態を通知する。加えて、スマートホーム画面には、
図6(b)で例示した静的モードのホーム画面に遷移するための静的モード切替ボタン636が配置される。
【0034】
図6(b)で示した静的モードのホーム画面と、
図6(c)で示したスマートホーム画面はどちらもアプリ画面を呼び出したり所定の設定でジョブを実行したりするための画面である。しかし、これら2つのモードのホーム画面は備えている機能が異なる。
【0035】
静的モードのホーム画面は、基本的には全ユーザに対して同じ画面を提供した上で、ボタンの並び順などをユーザ自身がカスタマイズすることが可能である。言い換えると、ユーザ自身がカスタマイズをしない限りは、他のユーザと同じホーム画面を利用することになる。
【0036】
これに対して、スマートホーム画面は、画像処理装置1の状態に応じてユーザに提示されるスマートボタンの内容や並び順が変更される。そのため、静的モードのホーム画面と異なり、ユーザ自身が能動的にカスタマイズを行わなくてもよいという特徴がある。
【0037】
次に、
図7のフロー図を用いて、S504のスマートホーム画面を表示する際の処理の詳細について説明を行う。
図7のフロー図は認証処理部201、ユーザ情報管理部202、ジョブ処理部203、操作処理部204、装置情報管理部205によって実現される。
【0038】
本実施形態では、画像処理装置1の状態が「FAXユニット106が利用不可能」であることを例として、ボタンの表示状態が変更される例を示す。また本実施例では、画像処理装置1の状態を、スキャナ107に原稿があるかどうか、ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されているかどうか、原稿が置き忘れ状態であるかどうかを判断基準として、ボタン並び順を決定する例を示す。また、以下で説明する処理により決定されたボタンの並び順は、スマートホーム画面において適用されるものとする。
【0039】
S701で、操作処理部204はログインユーザに対応したボタンリストの初期値を装置情報管理部205及びユーザ情報管理部202から取得する。ボタンリスト(表1)とはホーム画面に表示する各種ボタンに関する情報をまとめたリストである。ボタンリストを取得する際、全ての情報を装置情報管理部205もしくはユーザ情報管理部202のどちらか一方から取得する構成としても良いし、装置情報管理部205とユーザ情報管理部202の内容を両方参照して取得しても良い。表1にS701において取得されたボタンリストの一例を示す。
【0040】
【0041】
各行は個々のスマートボタンに対応し、各列は各種ボタンの属性を表している。識別子C101はボタンに割り当てられる一意な数値である。ボタン名称(C102)はスマートホーム画面に表示するボタンの名称である。表示可(C103)はボタンが現在の状況でログインユーザに対して使用させることができるかどうかを表し、ログインユーザーに応じて異なるものとする。
【0042】
即実行(C104)は、ボタン押下によりジョブが即時実行されるボタンか否かを表し、「○」が即実行ボタンであることを示す。画像出力関連(C105)は、ボタンが画像出力機能と関連しているかどうかを表す。例えば、ボタン名称が「コピー」のボタンは読み込んだデータを紙に出力しているので、C105の列が「〇」となる。画像生成関連(C106)は、ボタンが画像生成機能と関連しているかどうかを表す。例えばボタン名称が「スキャンして送信」ボタンは原稿をスキャナ107で読み込み、原稿画像のデータを生成しているためC106の列が「〇」となる。FAX受信関連(C107)は、ボタンがFAX受信機能と関連しているかどうかを表す。使用アプリ(C108)は、ボタンを選択された際に、実際に動作するアプリケーションの名称である。
【0043】
本実施形態においては、ボタンリストは順序付きのリストとして管理され、リストの先頭のボタンが並び順の最も上位のボタンであるものとする。つまり、表1に示すボタンリストにおいては、識別子001のボタンが最も表示優先度の高いボタンで、ホーム画面の一番左に表示されるものとする。スマートホーム画面では3つのボタンしか表示されないため、ここでは識別子001~003のボタンが左から順に配置されるが、ホーム画面の2ページ目以降に、識別子004以降のボタンがリストの順に従って左から並べられていく。なお、ボタンリストに含まれる要素は上述したものに限らず、他の要素が含まれていても良い。以降のフローでは、操作処理部204はこのボタンリストに対し並び順の変更等の処理を行った上で、スマートホーム画面を表示する。
【0044】
続いて、S702からS704において、操作処理部204はS701のフロー終了後のボタンリストに対して、ボタン表示状態の変更ルールを適用する。ボタン表示状態の変更ルールとは、表1に対し、所定の規則に従ってボタンリスト中の各ボタンの使用可(C103)の内容を変更するソフトウェアモジュールである。本実施形態では、ボタン表示状態の変更ルールは操作処理部204内にあらかじめ内包されるものとするが、画像処理装置1の外部から供給されるなど他の様態で管理されてもよい。ボタン表示状態の変更ルールの一例として、画像処理装置1の状態を表示可(C103)に反映することが考えられる。具体的には、管理者設定等によってFAXユニット106が利用不可能である場合、使用アプリ(C108)が「ファクス」であるボタンの「表示可(C103)」を「×」にする。同様に、FAX以外にも何らかの事象を契機としてボタンの表示状態を変更したい場合には、各々のボタン表示状態の変更ルールを設定し適用する。表2は、表1のボタンリストに対し、上記で例示したFAXに関するボタン表示状態の変更ルールを適用した後(S704のフロー終了後)のボタンリストの一例を示す。識別子(C101)が004のボタンの表示可(C103)が「×」に変更され、該当のボタンはホーム画面上で非表示、またはグレーアウト表示される。
【0045】
【0046】
次に、S705からS707において、操作処理部204はS704のフロー終了後のボタンリスト(表2)に対して、操作処理部204がボタン並び順の変更ルールを適用する。ボタン並び順の変更ルールとは、ボタンリストに対し、ボタンリスト中のボタンの順序を変更するソフトウェアモジュールである。本実施形態では、ボタン並び順変更ルールは操作処理部204内にあらかじめ内包されるものとするが、画像処理装置1の外部から供給されるなど、他の様態で管理されてもよい。本実施形態では、画像処理装置1の状態が「スキャナ107に原稿がある」「ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されている」「原稿の置き忘れ状態」の3つの事象が存在するものとする。事象毎にボタン並び順変更ルールが適用されるため、本実施例の場合はS705からS707の処理ループが3回実施される。事象が1つ減る、例えば「ログインユーザに紐づく印刷ジョブが蓄積されていない」場合は、ボタン並び順変更ルールで対象とする事象は2つになり、S705からS707の処理ループ回数も2回になる。
【0047】
1つ目の事象は「スキャナ107に原稿がある」である。画像処理装置1の物理的な状態(スキャナ107における原稿の有無)によりボタンリスト(表2)の順序を変更する。画像処理装置1のスキャナ107に原稿があらかじめ載置されていることにより、CPU100は原稿の読み取りが可能であると判断する。それを契機にして、画像生成関連(C106)が「〇」となっているボタンがボタンリストの上位になるようにボタンリストの順序を変更する。
【0048】
ボタンリスト(表2)に対し、1つ目の事象に基づくボタン順変更ルールを適用した後のボタンリストを表3に示す。画像生成関連(C106)が「〇」となっているボタン「コピー」「自分へ送信」「ファクス」「スキャンして送信」の並び順が上位になり、それに伴い画像生成関連(C106)が×のボタンの並び順が下がっている。
【0049】
【0050】
2つ目の事象は「ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されている」である。画像処理装置1に蓄積された印刷ジョブの有無によりボタンリスト(表3)の順序を変更する。あらかじめユーザが外部装置を介して印刷ジョブを画像処理装置1に送信することにより、画像処理装置1に印刷ジョブが蓄積される。そして、印刷ジョブを実行できるアプリが上位になるようにボタンリスト(表3)の順序が変更される。本実施例では、使用アプリ(C108)が「プリント」であるボタンが、ボタンリストの上位にくるように変更される。なお、画像処理装置1にログイン中のユーザと外部装置から印刷ジョブを送信したユーザはユーザ情報管理部202等で紐付けられており、画像処理装置1にログイン中のユーザに紐付いた印刷ジョブの有無のみが、ボタンリストを変更する際に参照される。つまり、画像処理装置1に印刷ジョブが蓄積されていても、ログイン中のユーザーの印刷ジョブがそれに含まれていなければ、それらの印刷ジョブの存在がボタンリストの順序に影響することはない。
【0051】
表3のボタンリストに対して上記のボタン順変更ルールを適用した後のボタンリストを表4に示す。使用アプリ(C108)が「プリント」であるプリントボタンの並び順が上位になるように変更されている。2つ目の事象に基づいてボタン順変更ルールを適用した結果1つ目の事象の際には、画像生成関連(C106)が「×」であるがためにボタンリストの下位に存在したスマートボタン「プリント」が、ボタンリストの最上位に繰り上がったことがわかる。
【0052】
【0053】
3つ目の事象は「原稿の置き忘れ状態」である。CPU100は、原稿が原稿台に置き忘れられた状態(以下、原稿の置き忘れ状態)であると判断したことを契機に、画像生成関連(C106)が「〇」となっているボタンがボタンリストの下位になるようにボタンリスト(表4)の順序を変更する。原稿台に原稿が置き忘れられている事象は、ログイン中のユーザーに関係のない事象と判断されるため、原稿台を使用するアプリのボタン(画像生成関連のボタン)はボタンリストの下位に配置される。
【0054】
ここで、原稿の置き忘れ状態であると判断するためのフローを
図9に示す。原稿台に原稿をセットし、原稿を使用したジョブが実行されると(S901)、画像処理装置1は原稿の置き忘れ状態に移行する(S902)。原稿の置き忘れ状態であるかどうかはフラグのON/OFFによって管理するようにしてもよい。原稿の置き忘れ状態は、原稿台が開かれたことをCPU100が検知するまで継続する(S903)。原稿台が開かれたことを検知すると、画像処理装置1の原稿置き忘れ状態は解除される(S904)。
【0055】
本実施例では、原稿を使用したジョブが実行されると置き忘れの状態に移行するが、該当の状態に移行するまでに所定の時間がかかるようにしてもよい。または、原稿台に原稿が配置された状態でユーザーがログアウトしたことをきっかけに置き忘れの状態に移行するようにしてもよい。または、ジョブの実行に応じて置き忘れの状態に移行する方法ではなく、原稿台に原稿があるかどうかの検知結果、およびその状態が検知されてから経過した時間等を総合して、原稿が置き忘れられていることを判断するようにしてもよい。
【0056】
表4のボタンリストに対してボタン順変更ルールを適用した後のボタンリストを表5に示す。画像生成関連(C106)が「〇」であるボタン「コピー」「自分へ送信」「ファクス」「スキャンして送信」のボタンの並び順が下がっている。
【0057】
【0058】
ユーザーがログインしたときの画像処理装置1の状態が4つの事象「FAXユニット106が利用不可能」「スキャナ107に原稿がある」「ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されている」「原稿の置き忘れ状態」である場合に表5に示すようなボタンリストが得られる。なお、本実施例では、「FAXユニット106が利用不可能」であることを前提に説明したが、FAXユニット106が利用可能である場合には、スマートボタン「ファクス」の表示可(C103)が「〇」となり、スマートボタン「自分へ送信」と「スキャンして送信」との間にスマートボタン「ファクス」が表示されることになる。
【0059】
続いて、S708にて操作処理部204は、決定されたボタンリストの内容に応じてスマートホーム画面を描画する。本実施形態においては、
図6(c)に示したようにホーム画面の1画面に配置されるボタンが3つとしているため、表5に示したボタンリストの上位3つのスマートボタン「プリント」、「受信文書のプリント」、「コピー」が、ユーザーログイン直後に表示部120に表示される。2画面目以降には、スマートボタン「自分へ送信」以降の下位のスマートボタンが配置される。スマートボタン「自分へ送信」の即実行(C104)は「〇」となっているため、即実行アイコン634がスマートボタン上に付与される。
【0060】
図8は、本実施形態におけるスマートホーム画面の画面遷移図である。これらの遷移画面は、画像処理装置1の表示部120に表示される。
【0061】
ログイン画面810は、画像処理装置1にログインするためのログイン画面であり、前述の
図4と同様の画面である。ログイン画面810により認証が成功した後は、ログインした際の画像処理装置1の状態に応じて後述のスマートホーム画面のいずれかが表示される。
【0062】
各スマートホーム画面は、ログアウトするためのログアウトボタン821を共通して具備している。ログアウトした場合は、ログイン画面810に遷移する。第一の実施形態で説明したように、装置の状態やユーザの利用状況に応じてスマートホーム画面に表示される内容が変化する。
【0063】
具体的には、ログイン時に、画像生成部131が原稿を検知しておらず、ユーザ情報管理部202内にログインユーザの印刷ジョブが存在しない場合には、スマートホーム画面820に遷移する。また、ログイン時に、画像生成部131が原稿を検知し、ユーザ情報管理部202内にログインユーザの印刷ジョブが存在しない場合には、スマートホーム画面830に遷移する。また、ログイン時に、画像生成部131が原稿を検知しておらず、ユーザ情報管理部202内にログインユーザの印刷ジョブが存在する場合には、スマートホーム画面840に遷移する。また、ログイン時に、画像生成部131が原稿を検知し、ユーザ情報管理部202内にログインユーザの印刷ジョブが存在する場合には、スマートホーム画面850に遷移する。
【0064】
スマートホーム画面820が表示されている状態でユーザが原稿を載置して、画像生成部131が原稿を検知した場合には、スマートホーム画面830に遷移する。
【0065】
スマートホーム画面830が表示されている状態でユーザが原稿をスキャナ部から外したり、原稿に対する処理を実行することで原稿がスキャナ部からなくなった場合は、画像生成部131が原稿を検知しなくなり、スマートホーム画面820に遷移する。
【0066】
スマートホーム画面840が表示されている状態で、画像生成部131が原稿を検知した場合は、スマートホーム画面850に遷移する。また、スマートホーム画面840が表示されている状態でユーザがジョブを実行する等の処理を行い、ユーザ情報管理部202内にログインユーザの印刷ジョブが存在しなくなった場合は、スマートホーム画面820に遷移する。
【0067】
スマートホーム画面850が表示されている状態で画像生成部131が原稿を検知しなくなった場合は、スマートホーム画面840に遷移する。また、スマートホーム画面850が表示されている状態でユーザ情報管理部202内にログインユーザの印刷ジョブが存在しなくなった場合は、スマートホーム画面830に遷移する。
【0068】
第二の実施形態のような場合、ボタン並び順変更ルールを適用する順番に関して、後に検知した事象に関するルールを後に適用するようにしても良い。例えばユーザがログインして当該ユーザに紐付く印刷ジョブが存在することを検知してから、ユーザがスキャナ部に原稿を載置した場合、「ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されている」事象に関するボタン並び順変更ルールを適用してから、「スキャナ部に原稿が載置してある」事象に関するボタン並び順変更ルールを適用する。この場合、画像処理装置1は事象が検知された時間を記憶しておくようにする。
【0069】
以上に示したように、画像処理装置1の状態に応じて、ホーム画面に表示するボタンの並び順の変更処理を行う。このようにユーザが行う可能性が高いと推測されるスマートボタンを優先的に表示させることで、画像処理装置1を利用する際のユーザの操作性を向上させることが可能である。
【0070】
本実施形態では、ボタンリストを決定するに際して、「スキャナ107に原稿が載置してある」と「原稿の置き忘れ状態である」の事象順でボタン並び順変更ルールを適用している。しかしルールを適用させる順序はこれに限らない。また、最初に「原稿の置き忘れ状態である」事象を確認し、該当の事象が確認された場合、それ以降の事象の確認をしないようにするなど、事象間に優先関係を持たせてもよい。また予め後に適用するルールを決めておいても良いし、ルールを適用させる順番は変更可能にして、ユーザが適用するルールの順番を設定できるようにしても良い。このほかにもルールを複数適用した際に、ルールが適用される回数が多いボタンの並び順を上げるようにしても良い。また上記以外の事象を契機としてボタンの並び順序を変更したい場合にも、同様にボタン並び順変更のルールを設定し、ソフトウェアモジュール化することにより、ボタン並び順変更を実現することができる。加えて、ボタン並び順変更ルールを適用する順序を適切に管理することにより、並び順に影響する事象が多数存在する場合にも、ユーザの意図を汲み取ったボタン配置を実現することができる。
【0071】
本実施形態では、ボタンリストを変更させる事象が複数検知された場合にボタン並べ替えを行う例を示した。しかしボタン並び順を変更させる事象が一つしか検知できなかった場合も同様に、該当の事象に応じたボタン並び順変更ルールを適応することでボタン並べ替えを行うようにしてもよい。
【0072】
[第二の実施形態]
第一の実施形態では、原稿台に原稿を配置した状態でジョブを実行すると「原稿の置き忘れ状態」に移行し、原稿台が開かれるまでは画像生成関連のボタンが優先的に表示されることはない。原稿台に原稿を配置したユーザーとログイン中のユーザーが同一人物であれば、ジョブを実行済みである原稿を使って、再度ジョブを実行する場合も考えられる。
【0073】
第二の実施形態では原稿の置き忘れ状態であっても、画像生成関連(C106)が「〇」となっているボタンの表示位置を上位にするような構成を示す。なお、本実施形態は第一の実施形態と基本の構成は同じであるため、差分のみ示す。
【0074】
S708以降に実行される処理を、
図10を用いて説明する。
【0075】
S708でホーム画面が表示された後に、ボタン並び順が変更される事象が発生すると、操作処理部204に事象の発生を通知するように各部に依頼する。具体的には、ユーザ情報管理部202に対し、ログインユーザに関連する印刷ジョブの状態が変更された場合に操作処理部204に通知を行うように依頼する。加えて、ジョブ処理部203に対し、画像生成部131において原稿読み取りが可能かどうかの状態が変更された場合に、操作処理部204に通知を行うように依頼する。
【0076】
ボタン並び順が変更される事象の発生を通知する依頼を行った後、ユーザ情報管理部202及びジョブ処理部203等の各部から通知を受けた場合には、
図10の処理が実行される。なお、上記の事象の発生の検知は、スマートホーム画面の表示中のみ行い、別の画面に遷移した場合は通知の依頼を解除するものとする。
【0077】
図7のS708でホーム画面が表示された後、S1001において認証処理部201はログアウト処理が実行されたかを判定する。ログアウト処理が実行されていないと判定されるとS1002に進む。ログアウト処理が実行されたと判定されると処理を終了し、再度ユーザがログインすると
図7の処理が実行される。
【0078】
S1002において、ユーザ情報管理部202はログイン中のユーザに関連づくジョブが存在するかを判定する。関連づくジョブが存在する場合にはS1004に進み、関連づくジョブが存在しない場合にはS1005に進む。S1004において、「原稿の置き忘れ状態」の事象を除く事象に対しボタン並び順変更ルールを適用する。つまり、「スキャナ107に原稿がある」および「ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されている」の事象に対しボタン並び順変更ルールが適用され、画像生成関連のボタンが優先的に表示される。
【0079】
S1003において、「ログインユーザに紐付く印刷ジョブが蓄積されている」の事象および「原稿の置き忘れ状態」の事象を除く事象に対しボタン並び順変更ルールを適用する。つまり、「スキャナ107に原稿がある」の事象に対しボタン並び順変更ルールが適用され、画像処理関連ボタンが優先的に表示されることになる。
【0080】
S1005およびS1006では、S1003またはS1004において決定されたボタンの並び順に従って操作処理部204はボタンを表示部120に表示する。以上が
図10の説明である。
【0081】
以上示したように、原稿台に原稿を配置したユーザーとログイン中のユーザーが同一人物であれば、原稿の置き忘れ状態を見なすことなく画像生成関連のボタンが優先的に表示される。
【0082】
(その他の実施形態)
本発明の目的は以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0083】
1 画像処理装置
100 CPU
101 通信ユニット
102 RAM
103 HDD
104 ROM
105 タイマ
106 FAXユニット
107 スキャナ
120 表示部
121 入力部