(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-27
(45)【発行日】2024-10-07
(54)【発明の名称】安否確認システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240930BHJP
G08B 27/00 20060101ALN20240930BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08B27/00 Z
(21)【出願番号】P 2024088309
(22)【出願日】2024-05-30
【審査請求日】2024-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500287710
【氏名又は名称】セコムトラストシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越尾 俊明
(72)【発明者】
【氏名】川上 貴志
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-083880(JP,A)
【文献】特開2020-091570(JP,A)
【文献】特開2020-047034(JP,A)
【文献】特開2024-099225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G08B 23/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象地震に関する地震情報を取得する取得部と、
前記取得された地震情報に関する前記対象地震が、既に安否確認通知が送信された先行地震と一連の地震ではない場合には、前記対象地震に応じた安否確認の対象の利用者端末に安否確認通知を送信し、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震である場合には、前記先行地震に応じて既に前記安否確認通知が送信された利用者端末に前記安否確認通知を送信しない送信部と
を備える安否確認システム。
【請求項2】
前記取得された地震情報を用いて、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震であるか否かを判定条件に従って判定する判定部をさらに備え、
前記判定条件は、前記先行地震の被災地が前記対象地震の被災地の隣接地域内であるという条件を含む
請求項1に記載の安否確認システム。
【請求項3】
前記対象地震が前記先行地震と一連の地震ではない場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象への前記安否確認通知の送信に関する操作に用いられる操作画像を含む画面を、前記操作画像を強調する表示形式で表示する表示部をさらに備え、
前記送信部は、前記操作画像を用いて前記操作が行われた場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象の前記利用者端末に前記安否確認通知を送信する
請求項1に記載の安否確認システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震であり、前記対象地震の震度が前記先行地震の震度から上昇した場合、または前記対象地震の被災地が前記先行地震の被災地から拡大した場合には、前記先行地震と前記対象地震との前記安否確認の対象の差分に前記安否確認通知を送信する
請求項1に記載の安否確認システム。
【請求項5】
前記対象地震が前記先行地震と一連の地震であり、前記対象地震の震度が前記先行地震の震度から上昇した場合、または前記対象地震の被災地が前記先行地震の被災地から拡大した場合には、前記差分への前記安否確認通知の送信に関する操作に用いられる操作画像を含む画面を、前記操作画像を強調する表示形式で表示する表示部をさらに備え、
前記送信部は、前記操作画像を用いて前記操作が行われた場合には、前記差分に前記安否確認通知を送信する
請求項4に記載の安否確認システム。
【請求項6】
前記送信部は、前記対象地震が余震の判定条件を満たす場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象の管理者端末に余震通知を送信する
請求項1に記載の安否確認システム。
【請求項7】
前記対象地震が前記余震の判定条件を満たす場合には、前記余震通知の送信に関する操作に用いられる操作画像を含む画面を、前記操作画像を強調する表示形式で表示する表示部をさらに備え、
前記送信部は、前記操作画像を用いて前記操作が行われた場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象の前記管理者端末に前記余震通知を送信する
請求項6に記載の安否確認システム。
【請求項8】
前記送信部は、前記取得された地震情報が前記先行地震に関する続報である場合には、前記先行地震に応じて既に前記安否確認通知が送信された前記利用者端末に前記安否確認通知を送信しない
請求項1に記載の安否確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害が発生した際に、会社等の顧客組織に属する人物の現状態を確認する安否確認システムに関する。特に、顧客組織と協働しつつ、事業者が顧客組織を代行して安否確認を行う安否確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震等の災害の発生時に、センター装置から安否確認通知を顧客組織の利用者に送信し、安否を確認する安否確認システムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大きな地震後の地震活動においては、同一震源地や隣接地域にて断続的に複数回の地震が発生する場合がある。このような一連の地震が発生する度に安否確認が行われると、利用者は何度も安否確認の応答を行わなくてはならず、煩わしい。
【0005】
本発明は、先行地震と一連の地震が発生した場合にも、安否確認が繰り返し行われることによる利用者の煩わしさを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、対象地震に関する地震情報を取得する取得部と、前記取得された地震情報に関する前記対象地震が、既に安否確認通知が送信された先行地震と一連の地震ではない場合には、前記対象地震に応じた安否確認の対象の利用者端末に安否確認通知を送信し、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震である場合には、前記先行地震に応じて既に前記安否確認通知が送信された利用者端末に前記安否確認通知を送信しない送信部とを備える安否確認システムを提供する。
【0007】
前記安否確認システムは、前記取得された地震情報を用いて、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震であるか否かを判定条件に従って判定する判定部をさらに備え、前記判定条件は、前記先行地震の被災地が前記対象地震の被災地の隣接地域内であるという条件を含んでもよい。
【0008】
前記安否確認システムは、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震ではない場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象への前記安否確認通知の送信に関する操作に用いられる操作画像を含む画面を、前記操作画像を強調する表示形式で表示する表示部をさらに備え、前記送信部は、前記操作画像を用いて前記操作が行われた場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象の前記利用者端末に前記安否確認通知を送信してもよい。
【0009】
前記送信部は、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震であり、前記対象地震の震度が前記先行地震の震度から上昇した場合、または前記対象地震の被災地が前記先行地震の被災地から拡大した場合には、前記先行地震と前記対象地震との前記安否確認の対象の差分に前記安否確認通知を送信してもよい。
【0010】
前記安否確認システムは、前記対象地震が前記先行地震と一連の地震であり、前記対象地震の震度が前記先行地震の震度から上昇した場合、または前記対象地震の被災地が前記先行地震の被災地から拡大した場合には、前記差分への前記安否確認通知の送信に関する操作に用いられる操作画像を含む画面を、前記操作画像を強調する表示形式で表示する表示部をさらに備え、前記送信部は、前記操作画像を用いて前記操作が行われた場合には、前記差分に前記安否確認通知を送信してもよい。
【0011】
前記送信部は、前記対象地震が余震の判定条件を満たす場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象の管理者端末に余震通知を送信してもよい。
【0012】
前記安否確認システムは、前記対象地震が前記余震の判定条件を満たす場合には、前記余震通知の送信に関する操作に用いられる操作画像を含む画面を、前記操作画像を強調する表示形式で表示する表示部をさらに備え、前記送信部は、前記操作画像を用いて前記操作が行われた場合には、前記対象地震に応じた前記安否確認の対象の前記管理者端末に前記余震通知を送信してもよい。
【0013】
前記送信部は、前記取得された地震情報が前記先行地震に関する続報である場合には、前記先行地震に応じて既に前記安否確認通知が送信された前記利用者端末に前記安否確認通知を送信しなくてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、先行地震と一連の地震が発生した場合にも、安否確認が繰り返し行われることによる利用者の煩わしさを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る安否確認システムの構成例を示す図。
【
図11】センター装置の動作例を示すフローチャート。
【
図12】オペレーター画面(災害通知)の表示例を示す図。
【
図16】オペレーター画面(震度変更)の表示例を示す図。
【
図18】オペレーター画面(余震通知)の表示例を示す図。
【
図20】安否状況の集計画面および一覧画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.構成
図1は、実施形態に係る安否確認システム1の構成例を示す図である。安否確認システム1は、災害の発生時に利用者に安否確認通知を送信し、利用者の安否を確認するためのシステムである。
【0017】
安否確認システム1は、サーバー装置10と、複数の管理者端末20と、複数の利用者端末30と、センター装置40とを備える。サーバー装置10とセンター装置40とは、通信回線50を介して接続されている。通信回線50は、例えば専用回線である。センター装置40と各管理者端末20と各利用者端末30とは、通信回線60を介して接続されている。通信回線60には、例えばインターネットと移動体通信網とが含まれる。なお、
図1では管理者端末20が複数示されているが、管理者端末20の数は複数に限定されず、1台でもよい。
【0018】
サーバー装置10は、気象庁により運営、管理される。サーバー装置10は、災害が発生すると、気象庁により発表された災害情報に応じた電文をセンター装置40に配信する。この実施形態では、災害が地震であるものとする。地震の場合、電文には地震情報が含まれる。地震情報は、地震の発生から約5分後に発表される確定報である。
【0019】
管理者端末20は、顧客の管理者がセンター装置40から提供される安否確認に関する各種情報を閲覧するのに用いられる。顧客は、安否確認サービスを契約している企業などの組織である。管理者は、例えば企業などの組織において災害の発生時に従業員の管理を担当する人である。管理者端末20は、例えば電子メール機能を有し、センター装置40から安否確認に関する各種通知を電子メールで受信する。また、管理者端末20は、例えばウェブブラウザ機能を有し、センター装置40から提供される安否確認に関するウェブ画面をウェブブラウザで表示する。管理者端末20には、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンが含まれる。管理者端末20は表示部21を備える。表示部21には、例えば液晶ディスプレイが含まれる。
【0020】
利用者端末30は、顧客の利用者がセンター装置40から送信された安否確認通知を閲覧し、安否情報を回答するのに用いられる。利用者は、例えば企業などの組織の従業員である。利用者端末30は、例えば電子メール機能を有し、センター装置40から安否確認通知を電子メールで受信する。また、利用者端末30は、例えばウェブブラウザ機能を有し、ウェブブラウザを通じてセンター装置40に安否情報を入力する。利用者端末30には、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンが含まれる。利用者端末30は表示部31を備える。表示部31には、例えば液晶ディスプレイが含まれる。
【0021】
図2は、センター装置40の構成例を示す図である。センター装置40は、安否確認サービスを提供する代行送信事業者により運営、管理される。センター装置40は、サーバー装置10から配信された地震情報に基づいて、顧客に安否確認に関する各種通知を提供する。センター装置40は、例えば電子メール機能を有し、安否確認に関する各種通知を電子メールで管理者端末20および利用者端末30に送信する。また、センター装置40は、例えばウェブサーバー機能を有し、安否確認に関する各種ウェブ画面を管理者端末20および利用者端末30に提供する。センター装置40は、例えばクラウドサーバである。ただし、センター装置40はクラウドサーバに限定されず、オンプレミスサーバでもよい。なお、センター装置40がオンプレミスサーバである場合、管理者が一人(管理者端末20が1台)であることも考えられる。センター装置40は、制御部41と、第1通信部42と、第2通信部43と、記憶部44と、入力部45と、表示部46とを備える。制御部41は、第1通信部42、第2通信部43、記憶部44、入力部45、および表示部46とバスを介して接続されている。
【0022】
制御部41は、センター装置40の各部を制御して安否確認サービスを提供するための処理を行う。制御部41には、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとが含まれる。メモリには、センター装置40の機能を実現するためのプログラムが記憶される。第1通信部42は、通信回線50に接続される通信インターフェースである。第1通信部42は、通信回線50を介してサーバー装置10とデータ通信を行う。第1通信部42には、例えばネットワークアダプタが含まれる。第2通信部43は、通信回線60に接続される通信インターフェースである。第2通信部43は、通信回線60を介して管理者端末20および利用者端末30とデータ通信を行う。第2通信部43には、例えばネットワークアダプタが含まれる。記憶部44は、災害管理テーブル441、災害情報テーブル442、条件管理テーブル443、顧客情報テーブル444、隣接地域テーブル445などの、制御部41により用いられる各種情報を記憶する。記憶部44には、例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)が含まれる。入力部45は、センター装置40への情報の入力に用いられる。入力部45には、例えばマウス、キーボードが含まれる。表示部46は、各種情報を表示する。表示部46には、例えば液晶ディスプレイが含まれる。表示部46は、代行送信事業者のオペレーターが操作するオペレーター端末の表示部でもよい。
【0023】
制御部41は、取得部411と、対象判定部412と、特定部413と、送信部414と、表示制御部415と、記憶部更新部416として機能する。これらの機能は、メモリに記憶されたプログラムと、このプログラムを実行するプロセッサとの協働により、プロセッサが演算を行いまたは他のハードウェア要素の動作を制御することにより実現される。
【0024】
取得部411は、地震が発生すると、この地震に関する地震情報をサーバー装置10から受信して取得する。
図3は、気象庁から受信する地震情報を例示する図である。地震情報には、情報名称と、識別情報と、情報番号と、スキーマの運用種別情報と、見出し文と、防災気象情報要素名と、対象地域・地点名称と、地震発生時刻と、震央地名とが含まれる。情報名称は電文のタイトルである。識別情報は地震を一意に識別するイベントIDである。1つの地震につき1つのイベントIDが付与される。情報番号は同一の地震に関する地震情報以降の電文の配信順序を示すシリアルナンバーである。シリアルナンバーは同一の地震に関する最初の地震情報以降の電文に連番で付与される。スキーマの運用種別情報は電文が地震情報か否かを示すものである。見出し文は電文の概要を示す情報である。防災気象情報要素名は震度を表す。対象地域・地点名称は災害が発生した地域・地点(被災地)を表す。1つの震度に対して複数地域・地点が列挙されることがある。地震発生時刻は地震が発生した時刻である。震央地名は発生した地震の震央地を表す。
【0025】
対象判定部412は、地震情報に震度5弱以上の防災気象情報要素名が含まれるかどうかにより処理対象とするかを判定する。震度5弱以上の防災気象情報要素名が含まれない場合、対象判定部412は地震情報を処理対象外とする。震度5弱以上の防災気象情報要素名が含まれる場合、対象判定部412は地震情報を処理対象として地震情報の内容を記憶部更新部416を通じて災害管理テーブル441に登録する。なお、この実施形態では震度5弱以上を安否確認の対象としているため対象判定部412は地震情報により示される震度が5弱以上であるかどうかを判定しているが、例えば震度4以上を安否確認の対象とするシステムの場合、対象判定部412は地震情報により示される震度が4以上であるかどうかを判定する。
【0026】
図4は、災害管理テーブル441を例示する図である。災害管理テーブル441は取得部411が取得した地震情報の内容を格納する。災害管理テーブル441には、電文管理番号と、イベントIDと、シリアルナンバーと、電文種別と、震度と、震央地名と、発生日時と、処理ステータスと、災害名と、発生場所と、災害詳細と、エリアと、震度と、隣接フラグとが格納される。
【0027】
電文管理番号は、電文を一意に識別する情報である。電文管理番号は、受信された電文を災害管理テーブル441へ登録する際にセンター装置40で採番される。イベントIDは、1つの災害(地震であれば揺れ)を表す。イベントIDには、地震情報から取得された識別情報がセットされる。シリアルナンバーは、1つのイベントIDに対する地震情報の連番である。シリアルナンバーには、地震情報から取得された情報番号がセットされる。電文種別は、様々ある災害情報の電文のうち何の電文であるかを表す。電文種別には、地震情報から取得されたスキーマの運用種別情報がセットされる。震度はその地震情報のなかでの最大震度である。震度には、地震情報から取得された防災気象情報要素名のうち最大震度のものがセットされる。震央地名は地震が発生した場所を表す。震央地名には、地震情報から取得された震央地名がセットされる。発生日時は地震が発生した日時である。発生日時には、地震情報に含まれる地震発生時刻がセットされる。なお、発生日時の日付と時刻の表記は、地震情報で用いられる日付と時刻の表記から変更されてもよい。
【0028】
処理ステータスは当該レコードの処理状況を表す。処理ステータスには、まず「未処理」が登録され、後続処理にて「処理済み」または「処理対象外」に更新される。災害名は災害を識別する名称であり、被災地の地域と上述した震度により表される。本実施形態では、被災地の地域は、地震情報から取得された防災気象情報要素名と対象地域・地点名称を基に震度5弱以上の都道府県が属する地域により表される。発生場所は災害の発生した地域を表す。発生場所は地震情報から取得された防災気象情報要素名と対象地域・地点名称を基に上述した被災地の地域と震度により表される。災害詳細は災害の詳細を記載したものである。災害詳細は、地震情報に含まれるスキーマの運用種別情報、情報名称、見出し文等を組み合わせて作成される。エリアは災害が発生した地域(被災地)を表す。エリアには、地震情報から取得された対象地域・地点名称を安否確認システム1で管理する単位に変換した被災地名がセットされる。またエリアには被災地名に加えて被災地の隣接地域名もセットされる。震度は当該エリアにおける地震の揺れの強弱の程度である。震度には、地震情報から取得された防災気象情報要素名がセットされる。隣接フラグは、エリアが隣接地域名であるか否かを示す情報である。エリアのうち隣接地域名の隣接フラグには「1」がセットされ、被災地名の隣接フラグには「0」がセットされる。
【0029】
特定部413は、対象判定部412により処理対象として判定された地震情報が、顧客への通知の対象であるか否かを判定する。また特定部413は、顧客への通知の対象である地震情報について対象となる地震が新規の災害であるか、既に安否確認通知が送信された先行地震と一連の地震であるかを判定する。なお、以下の説明では、取得部411により取得された地震情報の対象となる地震を「対象地震」ともいう。特定部413は、本発明に係る判定部の一例である。ここでいう「一連の地震」とは、先行地震と合わせて安否確認が行われるべき地震をいう。より具体的には、一連の地震は、先行地震より後に先行地震の震源地の近くで発生した地震であり、先行地震より規模の小さい地震であってもよい。例えば先行地震が本震である場合、一連の地震はその余震である。このように、一連の地震には余震が含まれる。ただし、先行地震より後に先行地震の震源地の近くで発生した地震であっても、先行地震とは別に安否確認が行われるべき地震については、先行地震と一連の地震と判定されない。
【0030】
一連の地震の判定条件は予め定められている。この実施形態では、一連の地震の判定条件には、先行地震の発生日時から対象地震の発生日時までの時間、先行地震の被災地と対象地震の被災地との関係が含まれる。例えば先行地震の発生日時から対象地震の発生日時までの時間が6時間などの所定時間以内であり、先行地震の被災地が対象地震の被災地の隣接地域内である場合、特定部413は、対象地震を先行地震と一連の地震であると判定する。一方、一連の地震の判定条件の少なくとも一部を満たさない場合、特定部413は、対象地震を先行地震と一連の地震ではない新規の災害と判定する。なお、一連の地震の判定条件にはさらに対象地震の震度が先行地震の震度以下であるという条件が含まれてもよい。
【0031】
ここでいう「隣接地域」とは、先行地震と一連の地震が発生した場合に被災地となり得る地域をいう。より具体的には、隣接地域は、近隣関係にある地域である。例えば隣接地域は、地理的に隣り合う地域である。ただし、隣接地域は、必ずしも被災地に接している必要はなく、例えば海や他の地域を介して被災地と隣り合ってもよい。また、地理的に隣り合う地域でも、先行地震と一連の地震が発生した場合に被災地となる可能性が低い地域については、隣接地域に含まれなくてもよい。特定部413は、記憶部44に記憶された隣接地域テーブル445を用いて、先行地震の被災地が対象地震の被災地の隣接地域内であるか否かを判定する。
【0032】
図6は、隣接地域テーブル445を例示する図である。隣接地域テーブル445には、被災地名と、隣接地域名とが関連付けて格納される。被災地名は、基準となる被災地であり、例えば地震災害が発生した地名である。なお、被災地の単位は、例えば都道府県であるが、これに限定されず、区市町村でもよいし、都道府県または区市町村を北部、南部、東部、西部、諸島部のようにさらに分割したものでもよい。隣接地域名は、被災地名に隣接するとみなす地名である。隣接地域は、例えば代行送信事業者により予め定められる。地震災害において、対象地震の被災地名と隣接地域名に、対応中の先行地震の被災地名が1つでも含まれる場合には、先行地震と対象地震とは同一の災害と判定される。
【0033】
図6に示される例では、被災地名「東京都」には、隣接地域名「神奈川県」、「山梨県」、「埼玉県」、および「千葉県」が関連付けられている。これは、「東京都」の隣接地域が「神奈川県」、「山梨県」、「埼玉県」、および「千葉県」であることを示す。なお、
図6において被災地名「千葉県」に関連付けられた隣接地域名のうちハッチングにより示された「神奈川県」のように、地理的に千葉県と接していない地域が隣接地域に含まれてもよい。隣接地域テーブル445は、例えば代行送信事業者により予め作成され、記憶部44に記憶される。
【0034】
余震の判定条件には、一連の地震の判定条件に加えて、所定震度以上の新たな被災地の有無、先行地震と重複する被災地の震度が含まれる。例えば一連の地震の判定条件を満たし、さらに震度が5弱以上となる被災地が先行地震の被災地から増加しておらず、先行地震の被災地と重複する対象地震の被災地の震度が先行地震の震度から上昇していない場合、特定部413は、対象地震を先行地震の余震であると判定する。一方、余震の判定条件の少なくとも一部を満たさない場合、特定部413は、対象地震を先行地震の余震ではないと判定する。余震の判定条件は予め定められている。
【0035】
表示制御部415は、センター装置40の表示部46、管理者端末20の表示部21、または利用者端末30の表示部31に各種の画面を表示させる。例えば表示制御部415は、取得部411により取得された地震情報に応じてオペレーター画面を表示させる。オペレーター画面は、オペレーターによる地震情報の確認および安否確認に関する各種操作に用いられる。
【0036】
オペレーター画面には、安否確認に関する操作に用いられる複数の操作画像が含まれる。表示制御部415は、対象地震が先行地震と一連の地震であるか否かの判定結果に応じてオペレーターの推奨作業に用いられる操作画像を強調する形式で表示させる。ここでいう「強調する表示形式」とは、オペレーターが着目するような表示形式をいう。より具体的には、強調する表示形式は、操作画像を他の操作画像より目立つように表示する表示形式である。例えば強調する表示形式は、操作画像の背景色を他の操作画像の背景色とは異なる色に変更して表示することである。ただし、強調する表示形式は、操作画像の背景色の変更に限定されず、操作画像の背景領域の枠の色を他の操作画像の背景領域の枠とは異なる色に変更して表示してもよいし、操作画像自体の色、形、大きさを他の操作画像とは異なるものに変更して表示してもよいし、操作画像を点滅させて表示してもよいし、操作画像に付加画像を付加して表示してもよい。また、強調する表示形式は、他の操作画像を目立たないように表示することにより、対象の操作画像を相対的に目立たせてもよい。なお、以下の説明では、強調する表示形式で表示することを「強調表示」ともいう。
【0037】
送信部414は、特定部413により対象地震が先行地震と一連の地震ではないと判定された場合には、オペレーター画面におけるオペレーターの操作を条件として、通知対象として特定された顧客の利用者端末30に安否確認通知を送信する。取得部411により取得された地震情報は、まず対象判定部412、特定部413で顧客への通知の対象かどうか判定される。顧客への通知の対象と判定された災害(地震)について、送信部414において送信条件を満たす顧客の利用者端末30に安否確認通知を、管理者端末20に代行送信通知および災害通知をそれぞれ送信する。この送信条件は条件管理テーブル443に格納されている。安否確認通知は、利用者の安否を確認するための情報である。代行送信通知は、代行送信事業者により安否確認通知が代行送信されたことを管理者に知らせる情報である。災害通知は、災害が発生した(地震情報を受信した)ことを管理者に知らせる情報である。安否確認通知、災害通知、および代行送信通知は、例えば電子メールを利用して送信される。ただし、安否確認通知、災害通知、および代行送信通知は、その他の手段を利用して送信されてもよい。
【0038】
一方、送信部414は、特定部413により対象地震が先行地震と一連の地震であると判定された場合には、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末30には安否確認通知を送信しない。ただし、送信部414は、対象地震の震度が先行地震の震度から上昇した場合、または対象地震の被災地が先行地震の被災地から拡大した場合には、オペレーター画面におけるオペレーターの操作を条件として、先行地震に応じた安否確認の対象と対象地震に応じた安否確認の対象との差分に安否確認通知を送信する。対象地震の震度が先行地震の震度から上昇した場合、または対象地震の被災地が先行地震の被災地から拡大した場合、対象地震に応じた安否確認の対象は、先行地震に応じた安否確認の対象を包含する。したがって、先行地震に応じた安否確認の対象に該当しないが、対象地震に応じた安否確認の対象に該当する利用者端末30が安否確認の対象の差分となる。この差分は、対象地震に応じた安否確認の対象の利用者端末30から先行地震の地震情報に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末30を除くことにより得られる。
【0039】
また、送信部414は、特定部413により対象地震が先行地震の余震であると判定された場合には、オペレーター画面におけるオペレーターの操作を条件として、通知対象として特定された顧客の管理者端末20に余震通知を送信する。余震通知は、余震が発生したことを管理者に知らせる情報である。
【0040】
図5は、災害情報テーブル442を例示する図である。安否確認通知の送信は災害情報テーブル442を基にして行われる。災害情報テーブル442には、顧客識別コードと、災害コードと、災害名と、発生年月日と、発生時刻と、発生場所と、詳細とが格納される。顧客識別コードは顧客を一意に識別する情報である。災害コードは災害を一意に識別する情報である。災害コードは、レコードを災害情報テーブル442へ登録する際にセンター装置40で採番される。災害名、発生年月日、発生時刻、発生場所、詳細には、画面から入力された値がセットされる。災害情報テーブル442に登録されたレコードは、地震の発生日時から6時間などの所定時間が経過すると削除される。すなわち、災害情報テーブル442には、所定時間以内に発生した地震に関する地震情報しか格納されない。
【0041】
図7は、条件管理テーブル443を例示する図である。条件管理テーブル443は、顧客毎に、安否確認通知を送信する条件(被災地名、震度)を保持するテーブルである。条件管理テーブル443は、特定部413にて地震情報(災害)が顧客への通知の対象と判定された後、送信部414において通知の対象の顧客を特定するために使用される。条件管理テーブル443には、顧客識別コードと、安否確認通知の送信条件とが関連付けて格納される。顧客識別コードは、顧客を一意に識別する情報である。送信条件は、予め顧客により設定された安否確認通知を送信する条件である。送信条件には、安否確認システム1で管理する単位の被災地名と、震度とが含まれる。なお、この実施形態では、安否確認システム1が震度5以上を管理対象としているため、送信条件には4以下の震度は設定できないようになっているが、震度4以下の震度を設定できるようにしてもよい。
図7に示される例では、顧客識別コード「顧客A」と、被災地名「東京都」および震度「5弱」と、被災地名「千葉県」および震度「5弱」とが関連付けられている。これは、東京都および千葉県のうち少なくともいずれかで震度5弱以上の地震が発生したときに顧客Aに安否確認通知が送信されることを示す。条件管理テーブル443は、予め作成され記憶部44に記憶される。
【0042】
図8は、顧客情報テーブル444を例示する図である。顧客情報テーブル444は、顧客に紐づく管理者および利用者を管理するテーブルである。顧客ごとに管理者、利用者はそれぞれ1名のケースもあれば複数名のケースもある。顧客情報テーブル444には、顧客識別コードと、ユーザーコードの組み合わせに、氏名と、エリアと、端末識別と、通信アドレスとが関連付けて格納される。顧客識別コードは、顧客を一意に識別するコードである。ユーザーコードは、ユーザーを一意に識別するコードである。氏名は、ユーザーコードに紐づく管理者または利用者の氏名である。エリアは、管理者または利用者が所在するエリアであり、例えば勤務地または居住地である。エリアは、安否確認通知の送信条件として用いられる。管理者または利用者について登録されたエリアと災害が発生したエリアとが一致する場合に、通知対象となる。端末識別は、管理者端末20か利用者端末30かを識別する情報である。一の顧客に1または複数の管理者端末20が登録されている。複数の管理者端末20が登録されている場合、これらの管理者端末20に対して同等の処理が行われてもよいし、被災地毎に分けて管理者端末20が登録されてもよい。通信アドレスは、ユーザーコードに紐づく管理者端末20または利用者端末30の通信アドレスであり、ここではメールアドレスが登録される。顧客情報テーブル444は、予め作成され記憶部44に記憶される。
【0043】
この実施形態では、条件管理テーブル443で顧客としては安否確認通知の送信条件を満たしても顧客情報テーブル444において利用者として安否確認通知の送信条件を満たさなければ安否確認通知は送信されない。また、後述する震度変更処理において被災地が拡大しまたは震度が上昇し顧客としても利用者としても安否確認通知の送信条件を満たしていれば安否確認の対象の差分に安否確認通知が送信される。
【0044】
記憶部更新部416は、記憶部44に記憶された各テーブルにレコードを登録・更新する処理を担う。
【0045】
2.動作
図11は、センター装置40の動作例を示すフローチャートである。この動作は、地震が発生し、サーバー装置10から地震情報が配信された場合に行われる。
【0046】
ステップS31において、取得部411はサーバー装置10より地震情報を受信する。地震情報を受信していなければステップS31の判定がNOとなり、処理が終了する。一方、
図3に示される東京都23区、東京都多摩東部で震度5強の地震情報が受信されるとステップS31の判定がYESとなり後続のステップS32へ進む。
【0047】
ステップS32において、地震情報が受信された場合、対象判定部412はこの地震情報の内容より最大震度が5弱以上であるかを判定する。最大震度が5弱以上であるか否かの判定は、地震情報に含まれる防災気象情報要素名により行われる。最大震度が5弱以上でなければステップS32の判定がNOとなり処理が終了する。一方、
図3に示される地震情報が受信された場合には最大震度が震度5強であるため、ステップS32の判定がYESとなり後続のステップS33へ進む。
【0048】
ステップS33において、最大震度が5弱以上であれば受信された地震情報の内容が記憶部更新部416により災害管理テーブル441に登録される。
図3に示される地震情報が受信された場合にはこの地震情報の内容が
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに登録される。ただし、登録された時点では、処理ステータスは「未処理」となる。
【0049】
ステップS34において、特定部413は受信された地震情報が顧客への通知の対象外か否かを判定する。例えば1つの地震について識別情報(イベントID)が同一の複数の地震情報が受信される場合を想定する。この場合において、システムの不具合等により、後に配信された情報番号(シリアルナンバー)が2の地震情報が先に受信され処理された後に、先に配信された情報番号(シリアルナンバー)が1の地震情報が受信される場合が考えられる。情報番号が2の地震情報は情報番号が1の地震情報を訂正した内容となっているため、情報番号が2の地震情報を処理後に訂正前の情報番号が1の地震情報を処理する必要は無い。したがって、情報番号が2の地震情報の処理後に情報番号が1の地震情報が受信された場合、この情報番号が1の地震情報についてはステップS34の判定がYESとなり、ステップS49へ進み記憶部更新部416を通じて災害管理テーブル441に新たに登録されたレコードの処理ステータスが「処理対象外」に更新され処理が終了する。一方、この場合において情報番号が2の地震情報についてはステップS34の判定がNOとなり後続のステップS35へ進む。
【0050】
ステップS35において、特定部413は受信された地震情報の通知種類を判定する。この判定結果によりオペレーター画面に表示する内容が変化する。「災害通知」と判定された場合にはステップS36へ進みオペレーター画面(災害通知)が表示される。「震度変更通知」と判定された場合にはステップS40へ進みオペレーター画面(震度変更)が表示される。「余震通知」と判定された場合にはステップS44へ進みオペレーター画面(余震通知)が表示される。
【0051】
図9は、ステップS35の通知種類判定の詳細を例示する図である。
図9に示される処理は、
図11に示されるステップS34から処理が遷移して開始される。ステップS11において、特定部413は災害情報テーブル442を基に対応中の先行地震が存在するかチェックして判定する。ここでいう「対応中の先行地震」とは、既に安否確認通知が送信され、かつ発生日時からの経過時間が所定時間以内である過去の地震をいう。例えば災害情報テーブル442に登録されているレコードが存在しない場合には対応中の先行地震が存在しないため、ステップS11の判定がNOになりステップS14へ進む。この場合、一連の地震の判定条件が満たされないため、特定部413は受信された地震情報の対象となる対象地震を先行地震と一連の地震ではない新規の災害であると判定する。新規の災害の場合、安否確認通知を送信する必要がある。したがって、ステップS14において、特定部413は受信された地震情報の通知種類を「災害通知」と判定する。一方、災害情報テーブル442にレコードが登録されている場合には対応中の先行地震が存在するため、ステップS11の判定がYESとなり後続のステップS12に進む。
【0052】
ステップS12において、特定部413は受信された地震情報の対象となる対象地震の隣接地域内に、先行地震の被災地が含まれているかチェックして判定する。ここでいう「隣接地域内」とは、被災地と隣接地域とを合わせた範囲内をいう。対象地震の被災地は、災害管理テーブル441において対象地震の地震情報が登録されたレコードのエリアのうち被災地名により示される。隣接地域は、隣接地域テーブル445において対象地震の被災地名と関連付けられた隣接地域名により示される。先行地震の被災地は、災害管理テーブル441において先行地震の地震情報が登録されたレコードのエリアのうち被災地名により示される。
【0053】
先行地震の被災地が対象地震の被災地の隣接地域外である場合、ステップS12の判定がNOになり上述したステップS14に進む。この場合、一連の地震の判定条件が満たされないため、特定部413は対象地震を先行地震と一連の地震ではない新規の災害であると判定する。新規の災害である場合、安否確認通知を送信する必要がある。したがって、ステップS14において、特定部413は受信された地震情報の通知種類を「災害通知」と判定する。一方、先行地震の被災地が対象地震の被災地の隣接地域内である場合、ステップS12の判定がYESとなり後続のステップS13に進む。この場合、一連の地震の判定条件が満たされるため、特定部413は対象地震を先行地震と一連の地震であると判定する。
【0054】
ステップS13において、特定部413は先行地震の被災地と対象地震の被災地とを比較し、震度5弱以上の被災地が増加しているか否かを判定する。先行地震の被災地は、災害管理テーブル441において先行地震の地震情報が登録されたレコードのエリアのうち被災地名により示される。対象地震の被災地は、災害管理テーブル441において対象地震の地震情報が登録されたレコードのエリアのうち被災地名により示される。
【0055】
また、特定部413は、先行地震の被災地と対象地震の被災地とが同一である場合、先行地震の震度と対象地震の震度とを比較し、震度が上昇しているか否かを判定する。先行地震の震度は、災害管理テーブル441において先行地震の地震情報が登録されたレコードの震度により示される。対象地震の震度は、災害管理テーブル441において対象地震の地震情報が登録されたレコードの震度により示される。
【0056】
例えば震度5弱以上の被災地が増加している場合または同一の被災地について震度が上昇している場合、ステップS13の判定がYESとなりステップS16に進む。この場合、被災地の増加または震度の上昇により、先行地震に応じた安否確認の対象と対象地震に応じた安否確認の対象との間に差分が生じ得るため、この差分に安否確認通知を送信する必要がある。したがって、ステップS16において、特定部413は受信された地震情報の通知種類を「震度変更通知」と判定する。
【0057】
一方、震度5弱以上の被災地が増加しておらず、同一の被災地について震度が上昇していない場合、ステップS13の判定がNOとなりステップS15に進む。この場合、余震の判定条件が満たされるため、特定部413は対象地震を余震とみなし、安否確認通知を不要とする。したがって、ステップS15において、特定部413は受信された地震情報の通知種類を「余震通知」と判定する。ステップS14、S15、またはS16の処理が完了すると、
図11に示される地震情報処理フローに戻る。
【0058】
図10は、通知種類判定の一例を説明する図である。この例では、まず
図10(a)に示されるように対応中の先行地震が存在しない状況において東京都で震度5強の1回目の地震が発生したものとする。この場合、この地震の地震情報が受信され、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに登録される。この地震情報の受信時には災害情報テーブル442に登録されているレコードが存在しないため、先行地震は存在しない。この場合、一連の地震の判定条件が満たされないため、1回目の地震は先行地震と一連の地震ではないと判定される。したがって、上述した通知種類判定ではこの地震情報の通知種類が「災害通知」と判定される。1回目の地震は新規の災害であるため、1回目の地震には災害Xという新たな災害コードが割り当てられる。
【0059】
続いて
図10(b)に示されるように、1回目の地震の対応中に東京都で震度5強、千葉県で震度5弱の2回目の地震が発生したものとする。この場合、この地震の地震情報が受信され、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードに登録される。この地震情報の受信時には災害情報テーブル442に1回目の地震の地震情報が登録されたレコードが存在する。したがって、1回目の地震が先行地震となる。また2回目の地震の被災地は東京都と千葉県であり、東京都と千葉県の隣接地域は
図6に示されるように神奈川県、山梨県、埼玉県、茨城県である。1回目の地震の被災地である東京都は、2回目の地震の被災地である東京都と千葉県の隣接地域内に含まれる。この場合、一連の地震の判定条件が満たされるため、2回目の地震は1回目の先行地震と一連の地震であると判定される。さらに1回目の地震は東京都で震度5強であるのに対し、2回目の地震は東京都で震度5強、千葉県で震度5弱であるため、震度5弱以上の被災地として千葉県が追加されている。したがって、上述した通知種類判定では2回目の地震の地震情報の通知種類が「震度変更通知」と判定される。2回目の地震は1回目の地震と一連の地震であるため、2回目の地震の災害コードは1回目の地震と同じ災害Xになる。
【0060】
続いて
図10(c)に示されるように、1回目および2回目の地震の対応中に東京都で震度5弱、千葉県で震度5弱の3回目の地震が発生したものとする。この場合、この地震の地震情報が受信され、
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードに登録される。この地震情報の受信時には災害情報テーブル442に1回目および2回目の地震に関する地震情報が登録されたレコードが存在する。したがって、1回目および2回目の地震が先行地震となる。また3回目の地震の被災地は東京都と千葉県であり、東京都と千葉県の隣接地域は
図6に示されるように神奈川県、山梨県、埼玉県、茨城県である。1回目の地震の被災地である東京都、2回目の地震の被災地である東京都と千葉県は、3回目の地震の被災地である東京都と千葉県の隣接地域内に含まれる。この場合、一連の地震の判定条件が満たされるため、3回目の地震は1回目および2回目の先行地震と一連の地震であると判定される。さらに1回目の地震は東京都で震度5強、2回目の地震は東京都で震度5強、千葉県で震度5弱であるのに対し、3回目の地震は東京都で震度5弱、千葉県で震度5弱であるため、震度5弱以上の被災地が増加しておらず、同一の被災地である東京都と千葉県において震度の上昇もない。したがって、上述した通知種類判定では3回目の地震の地震情報の通知種類が「余震通知」と判定される。3回目の地震は1回目および2回目の地震と一連の地震であるため、3回目の地震の災害コードは1回目および2回目の地震と同じ災害Xになる。
【0061】
続いて
図10(d)に示されるように、1回目~3回目の地震の対応中に静岡県で震度5弱の地震が発生したものとする。この場合、この地震の地震情報が受信され
図4に示される災害管理テーブル441の最上行のレコードに登録される。この地震情報の受信時には災害情報テーブル442に1回目~3回目の地震に関する地震情報が登録されたレコードが存在する。したがって、1回目~3回目の地震が先行地震となる。しかし4回目の地震の被災地は静岡県であり、静岡県の隣接地域は
図6に示されるように神奈川県、山梨県、長野県、愛知県である。1回目の地震の被災地である東京都、2回目および3回目の地震の被災地である東京都と千葉県は、4回目の地震の被災地である静岡県の隣接地域内に含まれない。この場合、一連の地震の判定条件が満たされないため、4回目の地震は1回目~3回目の地震と一連の地震ではない新規の災害である。そのため、上述した通知種類判定では4回目の地震の地震情報の通知種類が「災害通知」と判定される。4回目の地震は1回目~3回目の地震と一連の地震ではないため、4回目の地震の災害コードは1回目~3回目の地震の災害コードとは異なる災害Yとなる。
【0062】
図9に示される通知種類判定においてステップS14に進み「災害通知」と判定された場合には、
図11に示されるステップS36に進む。以下のステップS36~S39の災害通知処理の説明では、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに登録された地震情報が処理対象であるものとする。
【0063】
ステップS36において、「災害通知」と判定された場合、表示部46にオペレーター画面(災害通知)が表示される。
図12は、オペレーター画面(災害通知)の表示例を示す図である。オペレーター画面(災害通知)には、災害一覧画面460Aと災害通知画面465Aとが含まれる。表示部46にはまず災害一覧画面460Aが表示される。災害一覧画面460Aには、現在発生している災害の一覧が含まれる。災害一覧には、災害管理テーブル441に登録された対象地震の地震情報のレコードに含まれる災害名、発生日時、処理ステータスが含まれる。
【0064】
また、災害一覧画面460Aには、災害通知の作成ボタン461と、震度変更の作成ボタン462と、余震通知の作成ボタン463と、変更ボタン464とが含まれる。災害通知の作成ボタン461は、災害通知画面465Aを表示するための操作に用いられる。災害通知画面465Aは安否確認の対象への安否確認通知の送信に関する操作に用いられるため、災害通知の作成ボタン461は本発明に係る安否確認の対象への安否確認通知の送信に関する操作に用いられる操作画像の一例である。震度変更の作成ボタン462は、震度変更画面465Bを表示するための操作に用いられる。震度変更画面465Bは安否確認の対象の差分への安否確認通知の送信に関する操作に用いられるため、震度変更の作成ボタン462は本発明に係る安否確認の対象の差分への安否確認通知の送信に関する操作に用いられる操作画像の一例である。余震通知の作成ボタン463は、余震通知画面465Cを表示するための操作に用いられる。余震通知画面465Cは余震通知の送信に関する操作に用いられるため、余震通知の作成ボタン463は本発明に係る余震通知の送信に関する操作に用いられる操作画像の一例である。変更ボタン464は、地震情報を処理対象外にするための操作に用いられる。
【0065】
「災害通知」と判定された場合には、災害通知の作成ボタン461が強調表示(背景色を他と変えて目立たせる等)される。
図12に示される例では、「関東地域 震度5強」という災害について災害通知の作成ボタン461が背景色をピンク色などの目立つ色に変更することにより強調表示される。この強調表示により、オペレーターは、災害通知処理における推奨操作が災害通知の作成ボタン461の押下であることが分かる。
【0066】
なお、災害一覧画面460Aにおいて震度変更の作成ボタン462または余震通知の作成ボタン463が押下された場合には、災害通知処理における推奨操作ではないため、本当にこの操作を実行してもよいかを問い合わせる警告情報が表示される。これにより、災害通知処理において推奨されない操作をオペレーターが行うのを抑制できる。
【0067】
ステップS37において、オペレーターが災害通知の作成ボタン461を押下すると災害通知画面465Aが表示部46に表示される。
図12に示される例においてオペレーターが「関東地域 震度5強」という災害について災害通知の作成ボタン461を押下すると、災害管理テーブル441に登録された対象地震の地震情報の内容に基づき値をセットした状態で災害通知画面465Aが表示される。
図12に示される例では、災害通知画面465Aにおいて、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに含まれるエリアの被災地名である「東京都」がオペレーターの操作を介さずに安否確認通知の送信対象エリアとして設定される。また、災害通知画面465Aにおいて、このレコードの災害詳細が安否確認通知の本文として設定されてもよい。さらに、災害通知画面465Aには、災害の発生年月日、発生時刻、発生場所を入力するための入力領域が含まれてもよい。さらに、災害通知画面465Aには、送信ボタン466Aが含まれる。送信ボタン466Aは、災害通知を作成し安否確認通知を送信するための操作に用いられる。
【0068】
本実施形態では、安否確認通知を代行送信する際に、オペレーターが安否確認通知を送信すべきか否かを判断し、操作を行うようになっている。このように、オペレーターの判断結果を受け取るようにしたのは、地震情報が誤報の可能性があるため、安否確認通知を送信するか否かを最終的にオペレーターが判断できるようにするためである。オペレーターの判断を介入させることにより、安否確認通知の誤報を減らすことができる。
【0069】
災害通知画面465Aには上述した通り災害管理テーブル441に登録された地震情報の内容に基づき初期値がセットされるため、そのままあるいは適宜修正し、オペレーターが送信ボタン466Aを押下すると、ステップS37の判定がYESとなり後続のステップS38にて災害情報テーブル442にレコードが登録される。一方、オペレーターが災害通知の作成ボタン461を押下せず、災害一覧画面460Aにおいて「関東地域 震度5強」という災害の処理ステータスを「処理対象外」にして変更ボタン464を押下すると、ステップS37の判定がNOとなりステップS49に進み記憶部更新部416により災害管理テーブル441に新たに登録されたレコードの処理ステータスが「処理対象外」に更新され処理が終了する。
【0070】
ステップS38において、災害通知を作成する操作が行われると記憶部更新部416により災害情報テーブル442にレコードが登録される。
図5に示される例では、災害情報テーブル442の最上行に顧客識別コードが共通のレコードが登録される。このレコードの災害名、発生年月日、発生時刻、発生場所、詳細には、上述した災害通知画面465Aにおいて予め設定された情報またはオペレーターの操作により入力された情報がセットされる。
【0071】
ステップS39において、送信部414は条件管理テーブル443より顧客ごとの送信条件を取得し、この送信条件を満たす顧客について災害情報テーブル442に登録する。送信部414は、受信された地震情報により示される震度5弱以上の被災地名と、条件管理テーブル443に含まれる被災地名、震度とを比較する。
図7に示される例では、顧客Aは被災地名「東京都」、「千葉県」についてそれぞれ震度5弱を設定しているところ、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードのエリアと震度に「東京都」と「震度5強」との組合せが含まれているため、送信条件を満たしており顧客Aは通知対象となる。一方、顧客Bは「埼玉県」、「茨城県」についてそれぞれ震度5弱を設定しているが、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードのエリアと震度に「埼玉県」と「震度5弱」以上の震度の組合せも「茨城県」と「震度5弱」以上の震度の組合せも含まれていないため、送信条件を満たしておらず顧客Bは通知対象と判定されない。同様に顧客Cも通知対象と判定されない。
【0072】
この場合、対象地震に応じた安否確認の対象は顧客Aであるため、
図5に示されるように災害情報テーブル442の上から2行目に顧客識別コードが顧客Aのレコードが登録される。このとき、顧客Aのレコードの災害コード、災害名、発生年月日、発生時刻、発生場所、詳細には、災害情報テーブル442の最上行の顧客識別コードが共通のレコードと同じ値がセットされる。
【0073】
送信部414は、災害情報テーブル442を基に顧客情報テーブル444より利用者の通信アドレスを取得し利用者端末30に安否確認通知を送信する。
図5に示される例では、災害情報テーブル442に顧客識別コードが顧客Aのレコードが登録されるため、通知対象と判定された顧客Aについて、送信部414は顧客情報テーブル444より利用者端末30の通信アドレスを取得し、第2通信部43を介して利用者端末30に安否確認通知を送信する。
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに含まれるエリアの被災地名は東京都であるため、顧客Aの利用者のうちエリアが東京都の利用者が通知対象となる。したがって、送信部414は、
図8に示される顧客情報テーブル444から顧客識別コードが「顧客A」、端末種別が「利用者」、エリアが「東京都」のレコードに含まれる3つの通信アドレスを取得し、これらの通信アドレス宛に安否確認通知を送信する。
【0074】
また送信部414は通知対象と判定された顧客Aについて管理者端末20の通信アドレスを取得し、第2通信部43を介して管理者端末20に代行送信通知および災害通知を送信する。例えば送信部414は、
図8に示される顧客情報テーブル444から顧客識別コードが「顧客A」、端末種別が「管理者」のレコードに含まれる1つの通信アドレスを取得し、この通信アドレス宛に代行送信通知および災害通知を送信する。
【0075】
図13は、安否確認通知を例示する図である。安否確認通知は、利用者の安否を確認するための通知である。安否確認通知は災害情報テーブル442に基づいて作成される。例えば顧客Aに送信される安否確認通知には、
図5に示される災害情報テーブル442の上から2行目の顧客識別コードが顧客Aのレコードに含まれる災害名、発生年月日、発生時刻が含まれる。また、安否確認通知には、安否情報を回答するための情報が含まれる。利用者端末30は、センター装置40から受信した安否確認通知を表示部31に表示する。利用者は、表示部31に表示された安否確認通知に従って安否情報を回答(安否報告)する。この安否情報の回答は、ウェブ画面、電子メール、電話などのいずれの手段を利用して行われてもよい。
【0076】
図14は、災害通知を例示する図である。災害通知は、災害が発生した(地震情報を受信した)ことを管理者宛に通知するものである。災害通知は災害情報テーブル442に基づいて作成される。例えば顧客Aに送信される安否確認通知には、
図5に示される災害情報テーブル442において上から2行目の顧客識別コードが顧客Aのレコードに含まれる災害名、発生年月日、発生時刻が含まれる。災害通知により管理者は災害が発生したことが分かる。
【0077】
図15は、代行送信通知を例示する図である。代行送信通知は、代行送信事業者により安否確認通知の代行送信が実施されたことを管理者宛に通知するものである。代行送信通知は災害情報テーブル442および条件管理テーブル443に基づいて作成される。例えば顧客Aに送信される代行送信通知には、
図5に示される災害情報テーブル442において上から2行目の顧客識別コードが顧客Aのレコードに含まれる災害名、発生年月日、発生時刻と、
図7に示される条件管理テーブル443において顧客識別コードが顧客Aのレコードに含まれる該当する安否確認通知の送信条件が含まれる。代行送信通知により管理者は代行送信事業者により安否確認通知が代行送信されたことが分かる。
【0078】
なお
図4に示される災害管理テーブル441の最上行のレコードに登録された地震情報が処理対象である場合にも、地震情報の通知種類が「災害通知」と判定されるため、上述と同様の処理が行われる。
【0079】
図9に示される通知種類判定においてステップS16に進み「震度変更通知」と判定された場合には、
図11に示されるステップS40に進む。以下のステップS40~S43の震度変更処理の説明では、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードに登録された地震情報が処理対象であるものとする。
【0080】
ステップS40において、「震度変更通知」と判定された場合、表示部46にオペレーター画面(震度変更)が表示される。
図16は、オペレーター画面(震度変更)の表示例を示す図である。オペレーター画面(震度変更)には、災害一覧画面460Bと震度変更画面465Bとが含まれる。災害一覧画面460Bは、基本的にはオペレーター画面(災害通知)に含まれる災害一覧画面460Aと同様である。ただし、「震度変更通知」と判定された場合には、災害通知の作成ボタン461でなく、震度変更の作成ボタン462が強調表示(背景色を他と変えて目立たせる等)される。
図16に示される例では、「関東地域 震度5強」という災害について震度変更の作成ボタン462が背景色をピンク色などの目立つ色に変更することにより強調表示される。この強調表示により、オペレーターは、震度変更処理における推奨操作が震度変更の作成ボタン462の押下であることが分かる。
【0081】
なお、災害一覧画面460Bにおいて災害通知の作成ボタン461または余震通知の作成ボタン463が押下された場合には、震度変更処理における推奨操作ではないため、本当にこの操作を実行してもよいかを問い合わせる警告情報が表示される。これにより、震度変更処理において推奨されない操作をオペレーターが行うのを抑制できる。
【0082】
ステップS41において、オペレーターが震度変更の作成ボタン462を押下すると表示部46に震度変更画面465Bが表示される。
図16に示される例においてオペレーターが「関東地域 震度5強」という災害について震度変更の作成ボタン462を押下すると、災害管理テーブル441に登録された対象地震の地震情報および先行地震の地震情報の内容に基づき値をセットした状態で震度変更画面465Bが表示される。
図16に示される例では、震度変更画面465Bにおいて、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに含まれる先行地震のエリアの被災地名と上から3行目のレコードに含まれる対象地震のエリアの被災地名とを統合した「東京都」と「千葉県」とがオペレーターの操作を介さずに安否確認通知の送信対象エリアとして設定される。また震度変更画面465Bにおいて、災害通知画面465Aと同様にその他の情報が設定されてもよい。さらに、震度変更画面465Bには、送信ボタン466Bが含まれる。送信ボタン466Bは、震度変更を作成し先行地震と対象地震との安否確認の対象の差分への安否確認通知の送信に関する操作に用いられる。
【0083】
震度変更画面465Bには上述した通り災害管理テーブル441に登録された先行地震の地震情報と対象地震の地震情報とをまとめた内容に基づき初期値がセットされるため、そのままあるいは適宜修正し、オペレーターが送信ボタン466Bを押下すると、ステップS41の判定がYESとなり後続のステップS42にて災害情報テーブル442にレコードが登録される。一方、オペレーターが震度変更の作成ボタン462を押下せず、災害一覧画面460Bにおいて「関東地域 震度5強」という災害について処理ステータスを「処理対象外」にして変更ボタン464を押下すると、ステップS41の判定がNOとなり、ステップS49に進み記憶部更新部416により災害管理テーブル441に新たに登録されたレコードの処理ステータスが「処理対象外」に更新され処理が終了する。
【0084】
ステップS42において、震度変更通知を作成する操作が行われると記憶部更新部416により災害情報テーブル442に登録済みのレコードが更新される。
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードに登録された地震情報は、上から4行目のレコードに登録された地震情報に対応する先行地震と一連の地震に関するものである。したがって、災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに含まれる先行地震の地震情報と上から3行目のレコードに含まれる対象地震の地震情報とを統合した内容を基に、
図5に示される災害情報テーブル442の最上行の顧客識別コードが共通のレコードが更新される。
【0085】
ステップS43において、送信部414は上述したステップS39と同様に、条件管理テーブル443より顧客ごとの送信条件を取得し、この送信条件を満たす顧客について災害情報テーブル442に登録・更新する。
図7に示される例では、顧客Aは被災地名「東京都」、「千葉県」についてそれぞれ震度5弱を設定しているところ、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードのエリアと震度に「東京都」と「震度5強」、「千葉県」と「震度5弱」との組合せが含まれているため、送信条件を満たしており顧客Aは通知対象となる。また
図7に示される例では、顧客Cは被災地名「千葉県」、「神奈川県」、「埼玉県」、「山梨県」についてそれぞれ震度5弱、「静岡県」、「長野県」、「栃木県」についてそれぞれ震度5強を設定しているところ、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードのエリアと震度に「千葉県」と「震度5弱」との組合せが含まれているため、送信条件を満たしており顧客Cも通知対象となる。一方、顧客Bは「埼玉県」、「茨城県」についてそれぞれ震度5弱を設定しているが、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードのエリアと震度に「埼玉県」と「震度5弱」以上の震度の組合せも「茨城県」と「震度5弱」以上の震度の組合せも含まれていないため、送信条件を満たしておらず顧客Bは通知対象と判定されない。
【0086】
この場合、対象地震に応じた安否確認の対象は顧客AとCである。
図5に示される災害情報テーブル442では、顧客Aのレコードは
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに登録された地震情報の受信時に登録済みなので、ステップS42で更新された顧客識別コードが共通の最上行のレコードの内容で更新される。一方、顧客Cのレコードは災害情報テーブル442に未登録につき、
図5に示されるように災害情報テーブル442の上から3行目に顧客識別コードが顧客Cのレコードが登録される。このとき、顧客Cのレコードの災害コード、災害名、発生年月日、発生時刻、発生場所、詳細には、ステップS42で更新された顧客識別コードが共通の最上行のレコードと同じ値がセットされる。
【0087】
送信部414は、災害情報テーブル442を基に顧客情報テーブル444より安否確認の対象の差分の通信アドレスを取得し利用者端末30に安否確認通知を送信する。
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに含まれる先行地震のエリアの被災地名と、上から3行目のレコードに含まれる対象地震のエリアの被災地名とを比較すると、対象地震のエリアの被災地名には「千葉県」が追加されている。そのため、顧客Aの利用者のうちエリアが千葉県の利用者、および新たに通知対象となった顧客Cの利用者のうちエリアが千葉県の利用者が安否確認の対象の差分となる。したがって、送信部414は、
図8に示される顧客情報テーブル444から顧客識別コードが「顧客A」、端末種別が「利用者」、エリアが「千葉県」のレコードに含まれる1つの通信アドレス、および顧客識別コードが「顧客C」、端末種別が「利用者」、エリアが「千葉県」のレコードに含まれる1つの通信アドレスを取得し、これらの通信アドレス宛に安否確認通知を送信する。
【0088】
なお、送信部414は、震度変更処理では
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに登録された先行地震の地震情報に応じて既に安否確認通知が送信された顧客Aの利用者のうちエリアが東京都の利用者の利用者端末30には安否確認通知を送信しない。
【0089】
また送信部414は通知対象となる顧客AおよびCについて管理者端末20の通信アドレスを取得し、第2通信部43を介して管理者端末20に代行送信通知および震度変更通知を送信する。例えば送信部414は、
図8に示される顧客情報テーブル444から顧客識別コードが「顧客A」、端末種別が「管理者」のレコードに含まれる1つの通信アドレス、および顧客識別コードが「顧客C」、端末種別が「管理者」のレコードに含まれる1つの通信アドレスを取得し、これらの通信アドレス宛に代行送信通知および震度変更通知を送信する。
【0090】
図17は、震度変更通知を例示する図である。震度変更通知は、震度変更が発生したことを管理者宛てに通知するものである。震度変更通知は災害管理テーブル441および災害情報テーブル442に基づいて作成される。例えば震度変更通知には、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目のレコードに含まれる災害名、発生日時が含まれる。震度変更通知により管理者は震度変更が発生したことが分かる。
【0091】
図9に示される通知種類判定においてステップS15に進み「余震通知」と判定された場合には、
図11に示されるステップS44に進む。以下のステップS44~S47の余震通知処理の説明では、
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードに登録された地震情報が処理対象であるものとする。
【0092】
ステップS44において、「余震通知」と判定された場合、表示部46にオペレーター画面(余震通知)が表示される。
図18は、オペレーター画面(余震通知)の表示例を示す図である。オペレーター画面(余震通知)には、災害一覧画面460Cと余震通知画面465Cとが含まれる。災害一覧画面460Cは、基本的にはオペレーター画面(災害通知)に含まれる災害一覧画面460Aと同様である。ただし、「余震通知」と判定された場合には、災害通知の作成ボタン461ではなく、余震通知の作成ボタン463が強調表示(背景色を他と変えて目立たせる等)される。
図18に示される例では、「関東地域 震度5弱」という災害について余震通知の作成ボタン463が背景色をピンク色などの目立つ色に変更することにより強調表示される。この強調表示により、オペレーターは、余震通知処理における推奨操作が余震通知の作成ボタン463の押下であることが分かる。
【0093】
なお、災害一覧画面460Cにおいて災害通知の作成ボタン461または震度変更の作成ボタン462が押下された場合には、余震通知処理における推奨操作ではないため、本当にこの操作を実行してもよいかを問い合わせる警告情報が表示される。これにより、震度変更処理において推奨されない操作をオペレーターが行うのを抑制できる。
【0094】
ステップS45において、オペレーターが余震通知の作成ボタン463を押下すると表示部46に余震通知画面465Cが表示される。
図18に示される例においてオペレーターが「関東地域 震度5弱」という災害について余震通知の作成ボタン463を押下すると、災害管理テーブル441に登録された対象地震の地震情報および先行地震の地震情報の内容に基づき値をセットした状態で余震通知画面465Cが表示される。
図18に示される例では、余震通知画面465Cにおいて、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目および4行目のレコードに含まれる先行地震のエリアの被災地名と上から2行目のレコードに含まれる対象地震のエリアの被災地名とを統合した「東京都」と「千葉県」とがオペレーターの操作を介さずに安否確認通知の送信対象エリアとして設定される。また余震通知画面465Cにおいて、災害通知画面465Aと同様にその他の情報が設定されてもよい。さらに、余震通知画面465Cには、送信ボタン466Cが含まれる。送信ボタン466Cは、余震通知を作成し送信するための操作に用いられる。
【0095】
余震通知画面465Cには上述した通り災害管理テーブル441に登録された先行地震の地震情報と対象地震の地震情報とをまとめた内容に基づき初期値がセットされるため、そのままあるいは適宜修正し、オペレーターが送信ボタン466Cを押下すると、ステップS45の判定がYESとなり後続のステップS46にて災害情報テーブル442にレコードが登録される。一方、オペレーターが余震通知の作成ボタン463を押下せず、災害一覧画面460Cにおいて「関東地域 震度5弱」という災害について処理ステータスを「処理対象外」にして変更ボタン464を押下すると、ステップS45の判定がNOとなり、ステップS49に進み記憶部更新部416により災害管理テーブル441に新たに登録されたレコードの処理ステータスが「処理対象外」に更新され処理が終了する。
【0096】
ステップS46において、余震通知を作成する操作が行われると記憶部更新部416により災害情報テーブル442に登録済みのレコードが更新される。
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードに登録された地震情報は、上から3行目および4行目のレコードに登録された地震情報により示される先行地震と一連の地震に関するものである。したがって、
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目および4行目のレコードに含まれる先行地震の地震情報と上から2行目のレコードに含まれる対象地震の地震情報とを統合した内容を基に、
図5に示される災害情報テーブル442の最上行の顧客識別コードが共通のレコードが更新される。
【0097】
ステップS47において、送信部414は上述したステップS39と同様に、条件管理テーブル443より顧客ごとの送信条件を取得し、この送信条件を満たす顧客について災害情報テーブル442に登録・更新する。
図7に示される例では、顧客Aは被災地名「東京都」、「千葉県」についてそれぞれ震度5弱を設定しているところ、
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードのエリアと震度に「東京都」と「震度5弱」、「千葉県」と「震度5弱」との組合せが含まれているため、送信条件を満たしており顧客Aは通知対象となる。また
図7に示される例では、顧客Cは被災地名「千葉県」、「神奈川県」、「埼玉県」、「山梨県」についてそれぞれ震度5弱、「静岡県」、「長野県」、「栃木県」についてそれぞれ震度5強を設定しているところ、
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードのエリアと震度に「千葉県」と「震度5弱」との組合せが含まれているため、送信条件を満たしており顧客Cも通知対象となる。一方、顧客Bは「埼玉県」、「茨城県」についてそれぞれ震度5弱を設定しているが、
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードのエリアと震度に「埼玉県」と「震度5弱」以上の震度の組合せも「茨城県」と「震度5弱」以上の震度の組合せも含まれていないため、送信条件を満たしておらず顧客Bは通知対象と判定されない。
【0098】
この場合、対象地震に応じた通知対象は顧客AとCであるが、
図5に示される災害情報テーブル442では、顧客AおよびCのレコードは
図4に示される災害管理テーブル441の上から3行目および4行目のレコードに登録された地震情報の受信時に災害情報テーブル442に登録済みなので、ステップS46で更新された顧客識別コードが共通の最上行のレコードの内容で更新される。
【0099】
送信部414は、災害情報テーブル442を基に顧客情報テーブル444より通知対象となる顧客AおよびCの管理者の通信アドレスを取得し、第2通信部43を介して管理者端末20に余震通知を送信する。例えば送信部414は、
図8に示される顧客情報テーブル444から顧客識別コードが「顧客A」、端末種別が「管理者」のレコードに含まれる1つの通信アドレス、および顧客識別コードが「顧客C」、端末種別が「管理者」のレコードに含まれる1つの通信アドレスを取得し、これらの通信アドレス宛に余震通知を送信する。なお、余震通知処理では、送信部414は安否確認通知を送信しない。これは対象地震が余震である場合、先行地震に応じた安否確認の対象と対象地震に応じた安否確認の対象との間に基本的には差分が生じないためである。
【0100】
図19は、余震通知を例示する図である。余震通知は、余震が発生したことを管理者宛に通知するものである。余震通知は災害管理テーブル441および災害情報テーブル442に基づいて作成される。例えば余震通知には、
図4に示される災害管理テーブル441の上から2行目のレコードに含まれる災害名、発生日時が含まれる。余震通知により管理者は余震が発生したことが分かる。
【0101】
ステップS48において、ステップS33で災害管理テーブル441に新たに登録されたレコードの処理ステータスが記憶部更新部416により「処理済み」に更新される。
【0102】
なお、ステップS49に進んだ場合には、上述したように記憶部更新部416によりステップS33で災害管理テーブル441に新たに登録されたレコードの処理ステータスが「処理対象外」に更新され処理が終了する。この場合、受信された地震情報について安否確認通知、代行送信通知、災害通知、震度変更通知、および余震通知の送信は行われない。
【0103】
センター装置40は、利用者から回答された安否情報を記憶部44に記憶する。管理者は、この安否情報に基づいてセンター装置40から提供された集計画面および一覧画面を表示部21に表示させることにより、利用者の安否情報を閲覧することができる。
図20は、安否状況の集計画面および一覧画面を例示する図である。管理者は、送信部414が送信した安否確認通知に対する利用者の応答状況(安否状況)を集計画面、一覧画面で確認することができる。また管理者は、必要により未確認、応答有の利用者に安否確認通知の再送を行うことも可能である。
【0104】
集計画面には、安否状況の集計結果が含まれる。この集計結果には、利用者数と、対象者数と、応答数と、未確認数と、安全者数と、軽傷者数と、重傷者数と、応答有数と、応答率とが含まれる。利用者数は、安否確認システム1に登録されている対象の顧客の利用者総数(ユーザーコード数)を表すものである。対象者数は、安否確認の送信対象者数を表すものである。応答数は、対象者が安否確認通知に応答した数を表すものである。未確認数は、安否状況の未確認数を表すものである。管理者が未確認の再送ボタンを押下すると安否状況が未確認の利用者に安否確認通知が再送される。安全者数は、「安全」と報告された数を集計したものである。軽傷者数は、「軽傷」と報告された数を集計したものである。重傷者数は、「重傷」と報告された数を集計したものである。応答有数は、電子メールの返信による安否報告において、応答区分に該当しない内容で返信をした数や、安否報告を実施するとき、センター装置40にアクセスしただけで各応答項目に対する報告が正しくできていない利用者の数を集計したものである。管理者が応答有の再送ボタンを押下すると応答有の利用者に再度報告を行うよう安否確認通知が再送される。応答率は、応答数÷対象者数×100により得られる値を%で表したものである。
【0105】
一覧画面には、ユーザーID/利用者名、エリア、本人の安否、出社可否、家族の安否、家屋の状態、返答日時、応答区分、コメント、登録者が含まれる。なお、
図20に示される例は、電文により示される災害の種類が「震災」の場合の表示項目であり、災害の種類により表示内容は異なる。ユーザーID/利用者名は、安否確認通知の送信先の利用者のユーザーコードおよび氏名を表すものである。エリアは、利用者または管理者の所在するエリア(居住地、勤務地等)を表す。エリアは顧客情報テーブル444に設定されている。本人の安否は、利用者より応答された安全、軽傷、重傷のいずれかを表す。正しく応答できていない場合は応答有となる。出社可否は、利用者より応答された不可、概ね1時間以内、概ね3時間以内、出社済、その他のいずれかを表すものである。家族の安否は、利用者より応答された不明、全員無事、負傷者有り、不明者有り、重大事故有りのいずれかを表すものである。家屋の状態は、利用者より応答された不明、無事、半壊、全壊のいずれかを表すものである。返答日時は、利用者より応答された日時を表すものである。応答区分は、利用者の応答がどのような手段で実施されたかを表すものである。例えば応答区分にはウェブ画面(PC)、スマートフォンのアプリケーション、電子メールなどがある。コメントは、利用者より応答された管理者へのメッセージを表すものである。登録者は、利用者本人が応答した場合には本人、管理者が代行登録した場合には管理者の氏名を表すものである。管理者が安否代行の登録ボタンを押下すると、管理者が利用者を代行して安否報告することが可能である。
【0106】
本実施形態では、
図4に示される災害管理テーブル441の上から4行目のレコードに登録された地震情報の対象となる1回目の地震、および上から3行目のレコードに登録された地震情報の対象となる2回目の地震を一連の地震とみなし「災害X」という1つの災害として管理しているため、2回目の地震の発生時に行われた震度変更処理により安否確認の対象に追加された利用者(ここではユーザーIDがユーザー005の利用者)の安否状況も、1回目の地震の発生時に安否確認通知が送信された利用者(ここではユーザーIDがユーザー002~004の利用者)の安否状況と一緒に確認することができる。このように、先行地震と一連の地震を1つの災害として管理できるため、煩わしさがない。
【0107】
上述した実施形態によれば、先行地震の後に対象地震が発生した場合に、対象地震が先行地震と一連の地震であるか否かをオペレーターの判断を介さずに判定し、その判定結果に応じた処理を行うことができる。これにより、オペレーターの負担を軽減することができる。また、一連の地震の判定条件には、先行地震の被災地が対象地震の被災地の隣接地域内であるという条件が含まれるため、先行地震と一連の地震を判定する精度が向上する。さらに、例えば第1地震の発生から所定時間以内に一連の地震の判定条件を満たす第2地震が発生し、第2地震の発生から所定時間以内に一連の地震の判定条件を満たす第3地震が発生した場合には、第2地震および第3地震はいずれも第1地震と一連の地震として判定されるというように、先行地震と一連の地震が連鎖的に判定されるため、一連の地震を判定する精度が向上する。
【0108】
さらに、対象地震が先行地震と一連の地震である場合には、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された通知対象の利用者端末30には対象地震に応じて安否確認通知が送信されないため、一連の地震において安否確認が繰り返し行われることによる利用者の煩わしさを軽減することができる。これにより、利用者への不要な安否確認通知の送信を防止することができ、安否確認サービスの利便性が向上するとともに、通信量を減らすことができる。さらに、対象地震が先行地震と一連の地震である場合には、先行地震と対象地震との安否確認の対象の差分となる利用者端末30に安否確認通知が送信されるため、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末30に対して、対象地震に応じて再び安否確認通知が送信されるのを防止することができる。さらに、対象地震が先行地震の余震である場合には、対象地震に応じて安否確認の対象となる顧客の管理者端末20に余震通知が送信され、利用者端末30に安否確認通知が送信されないため、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末30に対して、余震に応じて再び安否確認通知が送信されるのを防止することができる。
【0109】
さらに、オペレーター画面(災害通知)では災害通知の作成ボタン461が強調表示されるため、オペレーターが災害通知処理における推奨操作を容易に行うことができる。さらに、震度変更処理に係るオペレーター画面では震度変更の作成ボタン462が強調表示されるため、オペレーターが震度変更処理における推奨操作を容易に行うことができる。さらに、オペレーター画面(余震通知)では余震通知の作成ボタン463が強調表示されるため、オペレーターが余震通知処理における推奨操作を容易に行うことができる。
【0110】
3.変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態は一例であり、以下のように変形して実施されてもよいし、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施されてもよい。
【0111】
3-1.変形例1
上述した実施形態において、安否確認通知等はオペレーターの操作を介さずに送信されてもよい。この変形例では、上述したオペレーターによる災害通知の作成ボタン461、震度変更の作成ボタン462、余震通知の作成ボタン463、および送信ボタン466A~466Cの押下は行われない。災害通知処理では、送信部414は地震情報の受信後、対象判定部412、特定部413によって顧客への通知の対象と判定したものについて、オペレーターの操作を介さずに、安否確認通知の送信条件を満たす顧客の利用者端末30に安否確認通知を送信する。変更通知処理では、送信部414は地震情報の受信後、対象判定部412、特定部413によって顧客への通知の対象と判定したものについて、オペレーターの操作を介さずに、先行地震と対象地震との安否確認の対象の差分に安否確認通知を送信する。余震通知処理では、送信部414は地震情報の受信後、対象判定部412、特定部413によって顧客への通知の対象と判定したものについて、オペレーターの操作を介さずに、安否確認通知の送信条件を満たす顧客の管理者端末20に余震通知を送信する。この変形例によれば、オペレーターが操作を行わなくても、安否確認通知等を自動的に送信することができる。
【0112】
3-2.変形例2
上述した実施形態において、一連の地震の判定条件に含まれる所定時間は変更されてもよい。地震の規模が大きい場合には一連の地震がある程度の時間を空けて発生する場合がある。そこで、例えば地震の震度が7などの基準震度より大きい場合には、所定時間が基準の6時間から10時間に変更されてもよい。この場合、災害情報テーブル442に格納された地震情報が削除される所定時間も同様に基準の6時間から10時間に変更される。この所定時間の変更は、オペレーターの操作により行われてもよし、オペレーターの操作を介さずにセンター装置40により自動的に行われてもよい。これにより、地震の規模が大きい場合に一連の地震がある程度の時間を空けて発生しても、この地震を一連の地震と判定することができる。
【0113】
3-3.変形例3
上述した実施形態において、一連の地震の判定条件および余震の判定条件は、機械学習などのAI(Artificial Intelligence)を利用して生成または更新されてもよい。これにより、一連の地震および余震を判定する精度が向上する。
【0114】
3-4.変形例4
上述した実施形態で説明した安否確認システム1、サーバー装置10、管理者端末20、利用者端末30、センター装置40の構成、機能、動作は例示であり、これに限定されない。サーバー装置10、管理者端末20、利用者端末30、センター装置40は、上述した装置または部位を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置または部位を含まずに構成されてもよい。サーバー装置10、管理者端末20、利用者端末30、センター装置40の機能の少なくとも一部を他の装置が有してもよい。また、安否確認システム1、サーバー装置10、管理者端末20、利用者端末30、センター装置40の動作手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよいし、一部の動作手順が省略されてもよい。
【0115】
3-5.変形例5
本発明の別の形態は、安否確認システム1、サーバー装置10、管理者端末20、利用者端末30、およびセンター装置40のうち少なくともいずれかにおいて行われる動作のステップを有する方法を提供してもよい。また、本発明のさらに別の形態は、サーバー装置10、管理者端末20、利用者端末30、またはセンター装置40において実行されるプログラムを提供してもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等を介したダウンロードによって提供されてもよい。
【0116】
3-6.変形例6
上述した実施形態において、取得部411により取得された地震情報が先行地震に関する続報である場合にも、送信部414は上述した震度変更処理と同様に、先行地震と対象地震との安否確認の対象の差分に安否確認通知を送信し、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末30には安否確認通知を送信しなくてもよい。地震情報が先行地震に関する続報であるか否かの判定は、その地震情報のイベントID(識別情報)およびシリアルナンバー(情報番号)により行われる。例えば災害管理テーブル441に格納された先行地震のイベントIDが対象地震のイベントIDと同一である場合、対象地震は先行地震と同一の地震であることを意味する。対象地震と先行地震とが同一の地震である場合において、災害管理テーブル441に格納された対象地震のシリアルナンバーが、先行地震のシリアルナンバーより後の数字である場合には、対象地震の地震情報が先行地震の続報であることを示す。この変形例によれば、対象地震が先行地震と一連の地震である場合には、先行地震と対象地震との安否確認の対象の差分となる顧客の利用者端末30に安否確認通知が送信されるため、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末30に対して、対象地震に応じて再び安否確認通知が送信されるのを防止することができる。
【0117】
3-7.変形例7
上述した実施形態において、一連の地震の判定条件には先行地震の被災地が対象地震の被災地の隣接地域内であるという条件が含まれているが、この条件は対象地震の被災地が先行地震の被災地の隣接地域内であるという条件でもよい。すなわち、この条件は先行地震の被災地および対象地震の被災地のうち一方の被災地が他方の被災地の隣接地域内であるという条件であればよい。この変形例に係る構成でも先行地震と一連の地震を判定する精度が向上する。
【符号の説明】
【0118】
1:安否確認システム、10:サーバー装置、20:管理者端末、21:表示部、30:利用者端末、31:表示部、40:センター装置、41:制御部、42:第1通信部、43:第2通信部、44:記憶部、45:入力部、46:表示部、411:取得部、412:対象判定部、413:特定部、414:送信部、415:表示制御部、416:記憶部更新部
【要約】
【課題】先行地震と一連の地震が発生した場合にも、安否確認が繰り返し行われることによる利用者の煩わしさを軽減する。
【解決手段】安否確認システムは、対象地震に関する地震情報を取得する取得部411と、取得された地震情報に関する対象地震が、既に安否確認通知が送信された先行地震と一連の地震ではない場合には、対象地震に応じた安否確認の対象の利用者端末に安否確認通知を送信し、対象地震が先行地震と一連の地震である場合には、先行地震に応じて既に安否確認通知が送信された利用者端末に安否確認通知を送信しない送信部414とを備える。
【選択図】
図2