(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
A63B69/36 541W
(21)【出願番号】P 2023516085
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 KR2021012412
(87)【国際公開番号】W WO2022055318
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0117586
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】315019182
【氏名又は名称】ゴルフゾン カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】735, YEONGDONG-DAERO, GANGNAM-GU, SEOUL, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オー、クン ス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ スン
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512660(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0087748(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0122369(KR,A)
【文献】特開2013-220209(JP,A)
【文献】特開2013-052079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブでゴルフボールを打撃するゴルフスイングに対するセンシング装置として、
互いに異なる位置で、前記ゴルフスイングするゴルフクラブとゴルフボールを含む視野角で映像を取得しステレオスコピック方式で連動される第1カメラ及び第2カメラと、
前記第1カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第1位置情報を算出し、前記第2カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第2位置情報を算出し、前記第1位置情報と前記第2位置情報を利用してゴルフスイング時にクラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出するセンシング処理部と
、を含
み、
前記センシング処理部は、
前記第1カメラが取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第1ボールの位置を探し、前記第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第1クラブ軌跡を算出し、前記第2カメラが取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第2ボールの位置を探し、前記第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第2クラブ軌跡を算出する映像処理部と、
前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出し、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出して、前記第1位置情報と前記第2位置情報によって特定されるインパクト位置を算出する位置算出部を含み、
前記位置算出部は、
前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第2クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、
クラブフェイス上の基準位置から前記第1ボール距離に該当する位置を第1位置とし、前記第2ボール距離に該当する位置を第2位置として、前記第1位置と前記第2位置によって特定されるインパクト位置を算出する、
ゴルフスイングに対するセンシング装置。
【請求項2】
ゴルフクラブでゴルフボールを打撃するゴルフスイングに対するセンシング装置として、
互いに異なる位置で、前記ゴルフスイングするゴルフクラブとゴルフボールを含む視野角で映像を取得しステレオスコピック方式で連動される第1カメラ及び第2カメラと、
前記第1カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第1位置情報を算出し、前記第2カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第2位置情報を算出し、前記第1位置情報と前記第2位置情報を利用してゴルフスイング時にクラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出するセンシング処理部と、を含み、
前記センシング処理部は、
前記第1カメラが取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第1ボールの位置を探し、前記第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第1クラブ軌跡を算出し、前記第2カメラが取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第2ボールの位置を探し、前記第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第2クラブ軌跡を算出する映像処理部と、
前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出し、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出して、前記第1位置情報と前記第2位置情報によって特定されるインパクト位置を算出する位置算出部を含み、
前記映像処理部は、
前記第1クラブ軌跡は、前記第1映像上で検出されるゴルフクラブヘッドのトー側の端部が光軸と接する点が移動する軌跡として算出し、
前記第2クラブ軌跡は前記第2映像上で検出されるゴルフクラブヘッドのトー側の端部が光軸と接する点が移動する軌跡として算出し、
前記位置算出部は、
前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、
前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第2クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、
クラブフェイスのトー側の端部に接する前記第1カメラの光軸に垂直方向に前記第1ボール距離に該当する第1位置と、前記クラブフェイスのトー側の端部に接する前記第2カメラの光軸に垂直方向に前記第2ボール距離に該当する第2位置が互いに出会う地点を前記インパクト位置として算出する
、
ゴルフスイングに対するセンシング装置。
【請求項3】
ゴルフクラブでゴルフボールを打撃するゴルフスイングに対するセンシング装置として、
互いに異なる位置で、前記ゴルフスイングするゴルフクラブとゴルフボールを含む視野角で映像を取得しステレオスコピック方式で連動される第1カメラ及び第2カメラと、
前記第1カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第1位置情報を算出し、前記第2カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第2位置情報を算出し、前記第1位置情報と前記第2位置情報を利用してゴルフスイング時にクラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出するセンシング処理部と、を含み、
前記センシング処理部は、
前記第1カメラが取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第1ボールの位置を探し、前記第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第1クラブ軌跡を算出し、前記第2カメラが取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第2ボールの位置を探し、前記第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第2クラブ軌跡を算出する映像処理部と、
前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出し、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出して、前記第1位置情報と前記第2位置情報によって特定されるインパクト位置を算出する位置算出部を含み、
前記映像処理部は、
前記第1クラブ軌跡は前記第1映像上で検出されるゴルフクラブのホゼルに該当する点が移動する軌跡として算出し、
前記第2クラブ軌跡は前記第2映像上で検出されるゴルフクラブのホゼルに該当する点が移動する軌跡として算出し、
前記位置算出部は、
前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、
前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第2クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、
予め用意されたまたは映像から検出されたクラブフェイスのホゼルの位置を通る前記第1カメラの光軸に垂直方向に前記第1ボール距離に該当する第1位置と、前記クラブフェイスのホゼルの位置を通過する前記第2カメラの光軸に垂直方向に前記第2ボール距離に該当する第2位置が互いに出会う地点を前記インパクト位置として算出する
、
ゴルフスイングに対するセンシング装置。
【請求項4】
互いに異なる位置でゴルフスイングするゴルフクラブとゴルフボールを含む視野角で映像を取得しステレオスコピック方式で連動される第1カメラ及び第2カメラを含めゴルフクラブにゴルフボールを打撃するゴルフスイングに対するセンシング装置のクラブヘッドのインパクト位置センシング方法として、
前記第1カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第1位置情報を算出する段階と、
前記第2カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第2位置情報を算出する段階と、
前記第1位置情報と前記第2位置情報を利用してゴルフスイング時に前記クラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出する段階と
、を含
み、
前記第1位置情報を算出する段階は、
前記第1カメラが取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第1ボールを検出する段階と、前記第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第1クラブ軌跡を算出する段階と、前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出する段階を含み、
前記第2位置情報を算出する段階は、
前記第2カメラが取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第2ボールを検出する段階と、前記第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第2クラブ軌跡を算出する段階と、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出する段階を含み、
前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出する段階は、
前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、予め用意されたまたは映像から検出されたクラブフェイスのトー側の端部に接する前記第1カメラの光軸に垂直方向に前記第1ボール距離に該当する第1位置を算出する段階を含み、
前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出する段階は、
前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、前記クラブフェイスのトー側の端部に接する前記第2カメラの光軸に垂直方向に前記第2ボール距離に該当する第2位置を算出する段階を含み、
前記第1位置と前記第2位置が互いに出会う地点を前記インパクト位置として算出する、
クラブヘッドのインパクト位置センシング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用者がゴルフクラブを持ってゴルフスイングをしてゴルフボールを打撃する時、ゴルフクラブ及びゴルフボールに対するイメージを取得して分析することによってゴルフボールとゴルフクラブの運動に対するセンシングデータを算出して分析装置に伝達し、ゴルフボールの軌跡に関する情報及びゴルフクラブによるゴルフショット情報をゴルフ練習システムやスクリーンゴルフシステムの分析装置で分析して使用者に提供する、ゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運動するオブジェクトを撮影したイメージを分析してそのオブジェクトの位置情報を算出する技術は、主に野球、サッカー、バスケットボール、そしてゴルフなどの人気スポーツ競技を室内や特定の場所でシミュレーションを通じてインターアクティブスポーツシミュレーション(Interactive Sports Simulation)の形で楽しめるようにする様々なシミュレーター及びそのための装置でセンシング装置の形で利用されている。
【0003】
運動するオブジェクト、例えば使用者がゴルフクラブにゴルフスイングをしてゴルフボールを打撃する時、動くゴルフクラブとゴルフボールが撮影される毎フレームごとにどのような位置にあるかを算出することができれば、毎フレームごとに算出される位置情報を利用してゴルフクラブとゴルフボールの軌跡、速度、方向角、高さ角などの多様な運動力学的情報を算出することができ、これを利用して使用者のゴルフスイングに対する分析情報を算出したり、いわゆるスクリーンゴルフのような仮想ゴルフシミュレーションシステムで映像を通じてゴルフボールが飛行するシミュレーション映像を具現することもできる。
【0004】
ところが、ゴルフを楽しむゴルファーたちはゴルフスイングを練習しながらゴルフスイングによってゴルフボールを打撃する時、クラブヘッドのペース上にゴルフボールがスイートスポット(Sweet spot)に当たったのか、ヘッドフェイスのどの位置にゴルフボールが当たったのかについて最も大きな関心を持っている。
【0005】
ゴルフボールのインパクト時にゴルフクラブのヘッドフェイス上のどの位置にゴルフボールがインパクトされたのかを正確に感知するためには、ゴルフスイングによってゴルフクラブのヘッドが向かう方向、即ちインパクト時にゴルフボールが飛ぶ方向にカメラセンサーなどを設置し、インパクト時の映像を分析してゴルフボールがヘッドフェイス上のどの位置にインパクトされたのかを監視する方法が考えられる。
【0006】
しかし、前述したような方法はゴルフクラブやゴルフボールによってセンサーが破損する危険が大きすぎるという点で現実的に採用しにくい方式であるだけでなく、カメラが眺める観点でゴルフクラブのヘッドとゴルフボールの位置が異なるため、映像上にゴルフボールの大きさよりはるかに大きく現れるため、正確なインパクト位置の算出が難しい問題がある。
【0007】
したがって、ゴルフスイング時のゴルフボールとゴルフクラブに対するセンシングをする仮想ゴルフシミュレーションシステムやLaunch Monitor、打球の正確な分析のためのレーダーセンサーなど通常的にゴルフに対するセンシングをする大部分の装置はゴルフスイングによるインパクト時、ゴルフクラブのヘッドフェイスにゴルフボールがインパクトされる位置を直接的にはセンシングできない。
【0008】
前述したような大部分のセンシング装置はゴルフクラブのクラブヘッドの軌跡と打撃されたゴルフボールが飛んでいく打球の方向、打球されたゴルフボールの球質などに対するデータを利用してゴルフボール打撃時のインパクト位置を単に予測するだけなので、インパクト位置に対する正確な情報の算出が難しい問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国特許出願第10-2012-0155233号
【文献】韓国特許出願第10-2019-7030847号
【文献】韓国特許出願第10-2011-0075029号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はゴルフスイングによるゴルフクラブの動きとゴルフボールの動きをセンシングするセンシング装置で、互いにステレオ方式で連動されて駆動される二台のカメラを利用してそれぞれのカメラが取得する映像の分析を通じて、ゴルフスイングによってゴルフボールがゴルフクラブのヘッドフェイスにインパクトされる時、ヘッドフェイスにゴルフボールがインパクトされる位置を正確に算出できる、ゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例によるゴルフクラブでゴルフボールを打撃するゴルフスイングに対するセンシング装置として、互いに異なる位置で、前記ゴルフスイングするゴルフクラブとゴルフボールを含む視野角で映像を取得しステレオスコピック方式で連動される第1カメラ及び第2カメラと、前記第1カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第1位置情報を算出し、前記第2カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第2位置情報を算出し、前記第1位置と前記第2位置を利用してゴルフスイング時にクラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出するセンシング処理部を含む。
【0012】
好ましくは、前記センシング処理部は、前記第1カメラが取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第1ボールの位置を探し、前記第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第1クラブ軌跡を算出し、前記第2カメラが取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第2ボールの位置を探し、前記第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第2クラブ軌跡を算出する映像処理部と、前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出し、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出して、前記第1位置と前記第2位置によって特定されるインパクト位置を算出する位置算出部を含む。
【0013】
また、好ましくは、 前記位置算出部は、前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第2クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、クラブフェイス上の基準位置から前記第1ボール距離に該当する位置を前記第1位置とし、前記第2ボール距離に該当する位置を前記第2位置として、前記第1位置と前記第2位置によって特定されるインパクト位置を算出するように構成される。
【0014】
また、好ましくは、 前記映像処理部は、前記第1クラブ軌跡は、前記第1映像上で検出されるゴルフクラブヘッドのトー側の端部が光軸と接する点が移動する軌跡として算出し、前記第2クラブ軌跡は前記第2映像上で検出されるゴルフクラブヘッドのトー側の端部が光軸と接する点が移動する軌跡として算出するように構成される。
【0015】
また、好ましくは、 前記位置算出部は、前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第2クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、クラブフェイスのトー側の端部に接する前記第1カメラの光軸に垂直方向に前記第1ボール距離に該当する前記第1位置と、前記クラブフェイスのトー側の端部に接する前記第2カメラの光軸に垂直方向に前記第2ボール距離に該当する前記第2位置が互いに出会う地点を前記インパクト位置として算出するように構成される。
【0016】
また、好ましくは、 前記映像処理部は、前記第1クラブ軌跡は前記第1映像上で検出されるゴルフクラブのホゼルに該当する点が移動する軌跡として算出し、前記第2クラブ軌跡は前記第2映像上で検出されるゴルフクラブのホゼルに該当する点が移動する軌跡として算出するように構成される。
【0017】
また、好ましくは、 前記位置算出部は、前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第2クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、予め用意されたまたは映像から検出されたクラブフェイスのホゼルの位置を通る前記第1カメラの光軸に垂直方向に前記第1ボール距離に該当する前記第1位置と、前記クラブフェイスのホゼルの位置を通過する前記第2カメラの光軸に垂直方向に前記第2ボール距離に該当する前記第2位置が互いに出会う地点を前記インパクト位置として算出するように構成される。
【0018】
本発明の一実施例によるクラブヘッドのインパクト位置センシング方法は、互いに異なる位置で前記ゴルフスイングするゴルフクラとブゴルフボールを含む視野角で映像を取得しステレオスコピック方式で連動される第1カメラ及び第2カメラを含めゴルフクラブにゴルフボールを打撃するゴルフスイングに対するセンシング装置のクラブヘッドのインパクト位置センシング方法として、前記第1カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第1位置情報を算出する段階と、前記第2カメラが取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡から第2位置情報を算出する段階と、前記第1位置情報と前記第2位置情報を利用してゴルフスイング時にクラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出する段階を含む。
【0019】
また、好ましくは、前記第1位置情報を算出する段階は、前記第1カメラが取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第1ボールを検出する段階と、前記第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第1クラブ軌跡を算出する段階と、前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出する段階を含み、前記第2位置情報を算出する段階は、前記第2カメラが取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分である第2ボールを検出する段階と、前記第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して映像上のゴルフクラブの軌跡である第2クラブ軌跡を算出する段階と、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出する段階を含む。
【0020】
また、好ましくは、前記第1ボールの位置と前記第1クラブ軌跡を利用して前記第1位置情報を算出する段階は、前記第1映像上で前記第1ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第1ボール距離として算出し、予め用意されたまたは映像から検出されたクラブフェイスのトー側の端部に接する前記第1カメラの光軸に垂直方向に前記第1ボール距離に該当する前記第1位置情報を算出する段階を含み、前記第2ボールの位置と前記第2クラブ軌跡を利用して前記第2位置情報を算出する段階は、前記第2映像上で前記第2ボールの中心点から前記第1クラブ軌跡までの垂直距離を第2ボール距離として算出し、前記クラブフェイスのトー側の端部に接する前記第2カメラの光軸に垂直方向に前記第2ボール距離に該当する前記第2位置情報を算出する段階を含み、前記第1位置と前記第2位置が互いに出会う地点を前記インパクト位置として算出する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法は、ゴルフスイングによるゴルフクラブの動きとゴルフボールの動きをセンシングするセンシング装置として、互いにステレオ方式で連動されて駆動される二台のカメラを利用してそれぞれのカメラが取得する映像の分析を通じて、ゴルフスイングによってゴルフボールがゴルフクラブのヘッドフェイスにインパクトされる時、ヘッドフェイスにゴルフボールがインパクトされる位置を正確に算出できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例によるセンシング装置を備えるスクリーンゴルフシステムに関して示した図面である。
【
図2】
図1に示すセンシング装置等の構成に対するブロック図である。
【
図3】本発明の一実施例によるセンシング装置を利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法を示したフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施例によるセンシング装置の第1カメラによって取得された第1映像と、第2カメラによって取得された第2映像をそれぞれ示した図面である。
【
図5】
図4に示した第1映像で第1ボールと第1クラブ軌跡をそれぞれ検出した結果と、第2映像で第2ボールと第2クラブ軌跡をそれぞれ検出した結果を示した図面である。
【
図6】
図5に示すようなボールの位置とクラブ軌跡を利用してインパクト位置を算出する方法を示した図面である。
【
図7】
図6とともにインパクト位置を算出する方法を示した図面である。
【
図8】本発明の一実施例によるセンシング装置により、
図4の映像を利用してクラブ軌跡を求める他の一例について説明するための図面である。
【
図9】
図8に示すようなボールの位置とクラブ軌跡を利用してインパクト位置を算出する方法を示した図面である。
【
図10】
図9とともにインパクト位置を算出する方法を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明によるゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法に対する具体的な内容を以下の図面を参照して説明する。
【0024】
まず、
図1及び2を参照して、本発明の一実施例によるセンシング装置が適用された仮想ゴルフシミュレーション装置が設置されたスクリーンゴルフシステムの一例について説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例によるセンシング装置を備えるスクリーンゴルフシステムに関して示した図面であり、
図2は
図1に示したセンシング装置などの構成に対するブロック図である。
【0026】
図1に示すように、スクリーンゴルフのための空間を設けるブースBT内で、使用者Pの前方にスクリーン12が設置され、映像出力装置400がクライアントSMから映像情報を伝達され、ゴルフコースに対する映像SIをスクリーン12に出力するように構成されることができる。
【0027】
ブースの底B1に打席が設けられ、その打席にゴルフボール1が置かれ、ゴルフクラブCLによるゴルフスイングが行われるように打撃マット13が設けられる。 ブースBTの一方の壁にはクライアントが設置されることができる。
【0028】
本発明の一実施例によるセンシング装置は、第1カメラ100と第2カメラ200を含むが、第1カメラ100と第2カメラ200は互いにステレオ方式(stereoscopic)で連動されており、互いに異なる位置に設置される。 そして、それぞれのカメラの画角は互いに重なって第1カメラ100の映像と第2カメラ200の映像上の同じ被写体に対して第1カメラ映像上の座標と第2カメラ映像上の座標を利用して三次元空間上の座標情報を得ることができる。
【0029】
前述したようにステレオ方式で連動された二台のカメラは、互いに異なる位置に設置され、互いに重なる画角領域を持つように構成されることが望ましい。
図1に示すように、第1カメラ100は、ブースBTの天井、例えば使用者Pの頭上に設置され、予め設定された画角で打撃マット13を含む領域を撮影し、第2カメラ200はブースの壁側、例えばクライアントSMに設置され、予め設定された画角で打撃マット13を含む領域を側面から撮影するように構成することができる。
【0030】
第1カメラ100を使用者の頭上、即ち天井位置に設置し、第2カメラ200を使用者の側面、即ち壁側位置に設置し、第1カメラ100と第2カメラ200がそれぞれゴルフボール1の置かれている打撃マット13を共通に含む所定領域を撮影するように構成することができる。
【0031】
前述したように、第1カメラ100と第2カメラ200が打撃されたゴルフボール1をそれぞれ撮影してクライアントに伝送し、シミュレーターはそれぞれのカメラが取得した映像を分析してゴルフボール1に対する三次元空間上での位置情報を算出する。 クライアントは、その算出された位置情報に基づいてゴルフボール1の運動による運動パラメータを算出することができ、その算出されたゴルフボールの運動パラメータに基づくボールの軌跡に対するシミュレーション映像が仮想のゴルフコースの映像上で行われるようにすることができる。
【0032】
この時、第1カメラの取得映像上でゴルフボールとゴルフクラブに対応する部分を抽出して座標情報を算出し、第2カメラの取得イメージ上でゴルフボールとゴルフクラブに対応する部分を抽出して座標情報を算出し、各算出された座標情報からゴルフボールとゴルフクラブに対する三次元位置情報を算出する機能を遂行する構成要素がセンシング処理部300である。
【0033】
図2に示すように、本発明の一実施例によるセンシング装置は、第1カメラ100、第2カメラ200及びこれらと連結されて各カメラからデータを伝送されて処理するセンシング処理部300を含み、センシング処理部300は映像処理部310と位置算出部320を含むように構成することができる。
【0034】
前述したセンシング処理部300は、第1カメラ100が取得する映像を分析し、映像上のクラブ軌跡からインパクト位置算出のための第1位置情報を算出する。 第1カメラは所定の速度で多数フレームの映像を取得するが、第1カメラが取得する多数フレームの映像を「第1映像」と定義するようにする。 第2カメラ200が取得する映像を分析して映像上のクラブ軌跡からインパクト位置算出のためのもう一つの情報として第2位置情報を算出する。 第2カメラは所定の速度で多数フレームの映像を取得するが、第2カメラが取得する多数フレームの映像を「第2映像」と定義するようにする。
【0035】
そして、センシング処理部300は、前述したように第1カメラの映像、即ち第1映像から算出した第1位置と、第2カメラの映像、即ち第2映像から算出した第2位置を利用して、ゴルフスイング時にクラブヘッドがゴルフボールを打撃するインパクト位置を算出するように構成される。
【0036】
映像処理部310は、第1カメラ100が取得する映像である第1映像を分析して映像上のゴルフボール部分の位置を探す。 ここで、第1映像上で検出されるゴルフボールに該当する部分を「第1ボール」とすることとする。 そして、第1映像上でゴルフクラブの動きを分析して第1映像上のゴルフクラブの軌跡を算出する。ここで、第1映像上で検出されるゴルフクラブヘッドの軌跡を「第1クラブ軌跡」とすることとする。
【0037】
また、映像処理部310は、第2カメラ200が取得する映像である第2映像を分析して映像上のゴルフボール部分の位置を探す。ここで、第2映像上で検出されるゴルフボールに該当する部分を「第2ボール」とすることとする。 そして、第2映像上でゴルフクラブの動きを分析して第2映像上のゴルフクラブの軌跡を算出する。 ここで、第2映像上で検出されるゴルフクラブヘッドの軌跡を「第2クラブ軌跡」とすることとする。
【0038】
位置算出部320は、前述の映像処理部310によって算出された第1ボールの位置情報と第1クラブ軌跡の情報、そして第2ボールの位置情報と第2クラブ軌跡の情報をそれぞれ利用して、予め用意されたゴルフクラブのヘッドフェイスの情報または映像分析によって感知されたヘッドフェイス上でのインパクト位置情報を算出する。
【0039】
即ち、位置算出部320は、第1ボールの位置と第1クラブ軌跡を利用して第1位置情報を算出し、第2ボールの位置と第2クラブ軌跡を利用して第2位置情報を算出して、前述した第1位置と第2位置によって特定されるインパクト位置を算出することができる。
【0040】
前述したそれぞれのカメラとセンシング処理部によるインパクト位置の算出に関して、より具体的な内容は以下で説明する。
【0041】
一方、
図3に示したフローチャートを参照して、本発明の一実施例によるセンシング装置を利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法について説明する。
【0042】
本発明の一実施例によるセンシング装置は、前述したようにステレオ方式で連動される第1カメラと第2カメラを含むが、それぞれのカメラはその画角で捕捉される被写体に対する映像を取得する。
【0043】
即ち、第1カメラによる映像、即ち第1映像が取得され(S110)、第2カメラによる映像、即ち第2映像が取得される(S210)。
【0044】
第1映像で第1ボールを検出し(S120)、第2映像でも第2ボールを検出する(S220)。
【0045】
センシング処理部は、第1映像上の第1ボールまたは第2映像上の第2ボールを持続的に感知しながら、ゴルフクラブによってゴルフボールが打撃されるか、即ちゴルフボールがインパクトされるかを判断する(S130)。
【0046】
ゴルフボールに対するインパクトが感知されれば、センシング処理部は第1カメラによって取得された第1映像の多数フレームの映像のうち、インパクト時点以前の予め設定された個数の映像及びインパクト時点以後の予め設定された個数の映像をそれぞれ抽出して映像処理する(S140)。
【0047】
即ち、センシング処理部は前述した第1映像からゴルフクラブを検出してその動きを分析することで、第1映像上での第1クラブ軌跡を算出する(S150)。
【0048】
例えば、第1映像上でゴルフクラブの特定位置を多数フレームの映像からそれぞれ検出し、その検出された各フレーム映像上の点を連結することで、前述した第1クラブ軌跡を算出することができる。 ここで、前述したゴルフクラブの特定位置は、例えばゴルフクラブのクラブヘッドのトー側の端部に位置する点またはゴルフクラブのシャフトとヘッドの境界に該当するホゼル(Hosel)に位置する点の位置でありうる。
【0049】
そして、第1映像から検出された第1ボールの中心点で前述したように算出された第1クラブ軌跡までの垂直距離を算出する(S160)。 この時、第1ボールはゴルフボールが停止した状態にある時に検出されたゴルフボールに該当するオブジェクトであることが望ましい。 前述した第1ボールの中心点から第1クラブ軌跡までの垂直距離を「第1ボール距離」とすることとする。
【0050】
一方、ゴルフボールに対するインパクトが感知されれば、前述したように第1映像に対する分析結果を導き出すとともに、第2映像に対する分析結果を導き出すためのプロセスが進行される。
【0051】
センシング処理部は、第2カメラによって取得された第2映像の多数フレームの映像のうち、インパクト時点以前の予め設定された個数の映像及びインパクト時点以後の予め設定された個数の映像を抽出してそれぞれの映像を処理する(S240)。
【0052】
即ち、センシング処理部は前述した第2映像からゴルフクラブを検出してその動きを分析することで、第2映像上での第2クラブ軌跡を算出する(S250)。
【0053】
例えば、第2映像上でゴルフクラブの特定位置を多数フレームの映像からそれぞれ検出し、その検出された各フレーム映像上の点を連結することで、前述した第2クラブ軌跡を算出することができる。 ここで、前述したゴルフクラブの特定位置は、例えばゴルフクラブのクラブヘッドのトー側の端部に位置する点またはゴルフクラブのシャフトとヘッドの境界に該当するホゼル(Hosel)に位置する点の位置でありうる。
【0054】
ここで、前述の第2映像上での第2クラブ軌跡の基準点となるゴルフクラブのクラブヘッドのトー側の端部に位置する点は、前述の第1映像上での第1クラブ軌跡の基準点となるクラブヘッドのトー側の端部に位置する点と同一の点ではない。
【0055】
前述した第1映像上での第1クラブ軌跡の基準点となるクラブヘッドのトー側の端部に位置する点を第1基準点といい、前述した第2映像上での第2クラブ軌跡の基準点となるゴルフクラブのクラブヘッドのトー側の端部に位置する点を第2基準点とする場合、前述した第1基準点と第2基準点は実際のクラブヘッド上の同一点であることもあり、互いに異なる位置の点であることもありうる。
【0056】
しかし、前述した第1基準点と第2基準点がそれぞれホゼルに位置している点である場合には、実際のゴルフクラブ上の同じ点になりうる。
【0057】
第2映像から検出された第2ボールの中心点で前述したように算出された第2クラブ軌跡までの垂直距離を算出する(S260)。 この時、第2ボールはゴルフボールが停止した状態にある時に検出されたゴルフボールに該当するオブジェクトであることが望ましい。 前述の第2ボールの中心点から第2クラブ軌跡までの垂直距離を「第2ボール距離」とすることとする。
【0058】
前述したように第1ボール距離と第2ボール距離がそれぞれ算出された場合、ゴルフクラブのクラブフェイス上の基準位置から第1ボール距離上の位置を「第1位置」とし、基準位置から第2ボール距離上の位置を「第2位置」とすれば、センシング処理部は前述の第1位置と第2位置により特定されるインパクト位置を算出することができる(S270)。
【0059】
前述したようなインパクト位置の算出の一例を
図4から
図7を参照して説明する。
【0060】
図4の(a)は本発明の一実施例によるセンシング装置の第1カメラによって取得された第1映像を示し、
図4の(b)は第2カメラによって取得された第2映像を示す。
【0061】
図4の(a)に示した第1映像110では天井から垂直下方に眺める時に捕捉される第1ボール112とクラブヘッド114が示されており、
図4の(b)に示した第2映像210ではゴルフマットの側面側から斜めに下に眺める時に捕捉される第2ボール212とクラブヘッド214が示されている。
【0062】
図4の(a)及び(b)にそれぞれボールとクラブヘッドは人が見る観点からは識別できるが、コンピュータが見る観点からはどれがボールなのか、どれがクラブヘッドなのか直観的に分からない。 したがって、映像からゴルフボールを検出するアルゴリズムによってボールを検出し、ゴルフクラブを検出するアルゴリズムによってゴルフクラブを検出することができる。
【0063】
図5の(a)では、
図4の(a)に示した第1映像110で第1ボール112と第1クラブ軌跡122をそれぞれ検出した結果を示し、
図5の(b)では、
図4の(b)に示した第2映像210で第2ボール212と第2クラブ軌跡222をそれぞれ検出した結果を示す。
【0064】
図5の(a)に示す第1クラブ軌跡122は、第1映像110上でのゴルフクラブのクラブヘッド114のトー側の端部の点を第1基準点115として検出された結果を示しており、
図5の(b)に示す第2クラブ軌跡222は、第2映像210上でのゴルフクラブヘッド214のトー側の端部の点を第2基準点215として検出された結果を示している。
【0065】
ここで前述した第1基準点115と第2基準点215は、図面上に示すように互いに異なる位置の点であり得る。
【0066】
前述した第1基準点115は、第1カメラが眺める画角の光軸がクラブヘッドのトー側の端部と出会う点であり、前述した第2基準点215は、第2カメラが眺める画角の光軸がクラブヘッドのトー側の端部と出会う点と見ることができる。
【0067】
例えば、第1映像110に対してハフ変換(Hough Transform)処理をすれば、映像でゴルフクラブのシャフト113部分が直線変換され、その直線変換された終点が光軸と出会う点を第1基準点115として検出することができる。 第1映像の多数のフレームに対してそれぞれ前述したように、第1基準点を得てこれを連結すれば、
図5の(a)に示したような第1クラブ軌跡122を得ることができる。
【0068】
また、第2映像210に対してハフ変換(Hough Transform)処理をすれば、映像上のゴルフクラブのシャフト213部分が直線変換され、その直線変換された終点が光軸と出会う点を第2基準点215として検出することができる。 第2映像の多数のフレームに対してそれぞれ前述したように、第2基準点を得てこれを連結すれば、
図5の(b)に示したような第2クラブ軌跡222を得ることができる。
【0069】
前述したように、第1映像110から第1ボール112と第1クラブ軌跡122を得て、第2映像210から第2ボール212と第2クラブ軌跡222を得た後、これらを利用してインパクト位置を算出することができるが、これについては
図6及び
図7を参照して説明する。
【0070】
図6の(a)は
図5の(a)に示したオブジェクト間の関係をより単純化して表したもので、
図6の(b)は
図5の(b)に示したオブジェクト間の関係をより単純化して表したものである。
【0071】
図6の(a)に示すように、第1ボール112の中心点C1から第1クラブ軌跡122への垂直距離を算出することができるが、これを第1ボール距離131とする。
【0072】
第1クラブ軌跡122は円弧の形で、第1ボールの中心点C1と円弧である第1クラブ軌跡122との間の最短距離を算出すれば、第1ボールの中心点C1から第1クラブ軌跡122までの垂直距離、即ち第1ボール距離131を算出することができる。
【0073】
一方、
図6の(b)でも同様に、第2ボール212の中心点C2から第2クラブ軌跡222への垂直距離を算出することができるが、これを第2ボール距離231とすることにする。
【0074】
第2クラブ軌跡222は円弧の形で、第2ボールの中心点C2と円弧である第2クラブ軌跡222との間の最短距離を算出すれば、第2ボールの中心点C2から第2クラブ軌跡222までの垂直距離、即ち第2ボール距離231を算出することができる。
【0075】
前述した第1ボール距離131と第2ボール距離231を利用すればインパクト位置を算出することができる。
【0076】
図7は、前述した第1ボール距離131と第2ボール距離231を利用してクラブフェイス上のインパクト位置を算出することを説明するための図面である。
【0077】
図7に示すクラブフェイス304は、センシング処理部が第1映像及び/または第2映像を通じて検出したヘッドフェイスに対する大きさと形状によって用意したものでもあり、予め保存されたゴルフクラブの種類別特徴に対するデータと第1カメラ及び第2カメラのキャリブレーション情報などによって決定された内容を利用して用意したものでもありうる。
【0078】
例えば、ゴルフクラブのクラブヘッドのフェイス部分は光に対する反射度がかなり大きいため、第1映像と第2映像でヘッドフェイス部分を特定して検出することが容易であり、そのように検出された結果から大きさと形状などを算出して
図7に示したようなヘッドフェイス304が用意される。
【0079】
また、ドライバー、ウッド、各種アイアンなどのようにゴルフクラブの種類別にヘッドフェイスの大きさ、形状などに対する情報をあらかじめ保存し、使用者がゴルフショットをする時に使用するゴルフクラブの種類を別途のセンサーを利用して認識することによって、その認識されたゴルフクラブに対するヘッドフェイスの大きさ、形状などの情報を抽出することによって、
図7に示すようなヘッドフェイス304を用意することができる。
【0080】
本発明はゴルフクラブのヘッドフェイスを検出する方法に焦点を合わせたものではなく、従来の方式や今後開発される多様な方式によってヘッドフェイスの大きさなどを求めることができるという前提で、そのように検出したヘッドフェイス上でインパクト位置を正確に検出する方法に焦点を合わせたものである。
【0081】
したがって、ヘッドフェイスを検出する具体的な方法に関する説明は省略するようにする。
【0082】
図5及び
図6を通じて前述したように、第1カメラの光軸と第2カメラの光軸がそれぞれゴルフクラブヘッドのトー側の端部と出会う点がクラブ軌跡を算出する基準点になるということについて説明したことがある。
【0083】
図7に示すように、クラブヘッド上の第1基準点115を通る第1カメラの光軸をLa1とし、クラブヘッド上の第2基準点215を通る第2カメラの光軸をLa2とする。 ここでLa1を第1光軸といい、La2を第2光軸とすることにする。
【0084】
図6で前述したように、第1映像で第1ボールの中心点から第1クラブ軌跡(第1基準点が基準となる)までの垂直距離として第1ボール距離131を算出し、第2映像で第2ボールの中心点から第2クラブ軌跡(第2基準点が基準となる)までの垂直距離として第2ボール距離231を算出したことがある。
【0085】
図7において、第1ボール距離131は第1光軸La1からの距離であり、第2ボール距離231は第2光軸La2からの距離である。
【0086】
ここで第1ボール距離の方向は第1クラブ軌跡から第1ボールに向かう方向であり、第2ボール距離の方向は第2クラブ軌跡から第2ボールに向かう方向だ。
【0087】
インパクト位置を算出するための第1位置は、第1光軸La1から第1ボール距離131上に位置し、第2位置は第2光軸La2から第2ボール距離231上に位置する。
【0088】
図7に示すように、第1光軸La1から第1ボール距離131上の点を連結した線をLp1といい、第2光軸La2から第2ボール距離231上の点を連結した線をLp2とする時、第1位置が存在するLp1線と第2位置が存在するLp2線が互いに交差する点が第1位置と第2位置が互いに出会う「インパクト位置(Pim)」となる。
【0089】
前述したように、第1映像から第1ボールと、第1クラブ軌跡と、それから算出される第1ボール距離を算出し、第2映像から第2ボールと、第2クラブ軌跡と、それから算出される第2ボール距離を算出すると、
図7に示すような方式で第1ボール距離に該当する第1位置と第2ボール距離に該当する第2位置が互いに出会うインパクト位置を算出することができる。
【0090】
図4から
図7において、クラブヘッドのトー側の端部の点をクラブ軌跡の基準となる基準点とした場合にインパクト位置を算出する方法の例を示した。 その他にも前述したようにゴルフクラブ上のホゼルの位置を特定し、その点を基準点としてクラブ軌跡を算出し、それからインパクト位置を算出する方法もあるが、これについては
図8から
図10を参照して説明する。
【0091】
図8の(a)では、
図4の(a)に示す第1映像110で第1ボール112と、ゴルフクラブのホゼル位置116を基準に算出された第1クラブ軌跡124をそれぞれ検出した結果を示し、
図8の(b)では、
図4の(b)に示す第2映像210で第2ボール212と、ホゼル位置216を基準に算出された第2クラブ軌跡224をそれぞれ検出した結果を示す。
【0092】
図8の(a)に示す第1クラブ軌跡124は、第1映像110上でのゴルフクラブのホゼル位置上の点を第1基準点116として算出し、
図8の(b)に示す第2クラブ軌跡224は、第2映像210上でのゴルフクラブのホゼル位置上の点を第2基準点216として算出したものである。
【0093】
ゴルフクラブに関する映像の分析を通じてホゼルの位置を検出する方法はすでに公示された技術であり、本出願人によって特許出願され登録された韓国登録特許公報第10-1862145号で詳細に説明されている。
【0094】
前述したように、第1映像110から第1ボール112と第1クラブ軌跡124を得て、第2映像210から第2ボール212と第2クラブ軌跡224を得た後、これらを利用してインパクト位置を算出することができるが、これについては
図9及び
図10を参照して説明する。
【0095】
図9の(a)は
図8の(a)に示したオブジェクト間の関係をより単純化して表したもので、
図9(b)は
図8の(b)に示したオブジェクト間の関係をより単純化して表したものである。
【0096】
図9の(a)に示すように、第1ボール112の中心点C1から第1クラブ軌跡124への垂直距離を算出することができるが、これを第1ボール距離132とすることにする。
【0097】
第1クラブ軌跡124は円弧の形で、第1ボールの中心点C1と円弧である第1クラブ軌跡124との間の最短距離を算出すれば、第1ボールの中心点C1から第1クラブ軌跡122までの垂直距離、即ち第1ボール距離132を算出することができる。
【0098】
一方、
図9(b)に示すように、第2ボール212の中心点C2から第2クラブ軌跡224への垂直距離を算出することができるが、これを第2ボール距離232とすることにする。
【0099】
第2クラブ軌跡224は円弧の形で、第2ボールの中心点C2と円弧である第2クラブ軌跡224との間の最短距離を算出すれば、第2ボールの中心点C2から第2クラブ軌跡224までの垂直距離、すなわち第2ボール距離232を算出することができる。
【0100】
前述した第1ボール距離132と第2ボール距離232を利用すればインパクト位置を算出することができる。
【0101】
図10は前述した第1ボール距離132と第2ボール距離232を利用してゴルフクラブのヘッドフェイス上でインパクト位置を算出することを示した図面だ。
【0102】
図10に示すヘッドフェイス304については、
図7を通じて既に説明したとおりであるため、その説明は省略する。
【0103】
図10に示すように、クラブヘッド上の第1基準点116を通る第1カメラの光軸をLa1とし、クラブヘッド上の第2基準点216を通る第2カメラの光軸をLa2とする。 ここでLa1を第1光軸といい、La2を第2光軸とすることにする。
【0104】
図9を通じて前述したように、第1映像で第1ボールの中心点から第1クラブ軌跡までの垂直距離として第1ボール距離132を算出し、第2映像で第2ボールの中心点から第2クラブ軌跡までの垂直距離として第2ボール距離232を算出することができる。
【0105】
図10において、第1ボール距離132は第1光軸La1からの距離であり、第2ボール距離232は第2光軸La2からの距離である。
【0106】
ここで第1ボール距離の方向は第1クラブ軌跡から第1ボールに向かう方向であり、第2ボール距離の方向は第2クラブ軌跡から第2ボールに向かう方向だ。
【0107】
インパクト位置を算出するための第1位置は、第1光軸La1から第1ボール距離132上に位置し、第2位置は第2光軸La2から第2ボール距離232上に位置する。
【0108】
図10に示すように、第1光軸La1から第1ボール距離132上の点を連結した線をLp1といい、第2光軸La2から第2ボール距離232上の点を連結した線をLp2とする時、第1位置が存在するLp1線と第2位置が存在するLp2線が互いに交差する地点が第1位置と第2位置が互いに出会う「インパクト位置(Pim)」となる。
【0109】
前述したように、第1映像から第1ボールと、第1クラブ軌跡と、それから算出される第1ボール距離を算出し、第2映像から第2ボールと、第2クラブ軌跡と、それから算出される第2ボール距離を算出すれば、
図10に示すような方式で第1ボール距離に該当する第1位置と、第2ボール距離に該当する第2位置が互いに出会うインパクト位置を算出することができる。
【0110】
以上のように本発明によるゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法は、ゴルフスイングによるゴルフクラブの動きとゴルフボールの動きをセンシングするセンシング装置として、互いにステレオ方式で連動されて駆動される二台のカメラを利用してそれぞれのカメラが取得する映像の分析を通じてゴルフスイングによるインパクト時、ゴルフクラブのヘッドフェイスにゴルフボールがインパクトされる位置を正確に算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によるゴルフスイングに対するセンシング装置及びこれを利用したクラブヘッドのインパクト位置センシング方法は、ゴルフスイング時のゴルフクラブの動きに対する分析を基盤とするゴルフ分析に関する分野や仮想ゴルフシミュレーションシステムに関する分野で利用可能である。