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特許7562967行方不明者捜索システム、サーバ、行方不明者捜索方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】行方不明者捜索システム、サーバ、行方不明者捜索方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241001BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020046009
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021149237
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】開田 英正
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特許第6573346(JP,B1)
【文献】特開2017-167957(JP,A)
【文献】特開2006-301995(JP,A)
【文献】特開2011-180893(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012439(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方不明者の捜索依頼を受け付けるサーバと、前記行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続された行方不明者捜索システムであって、
前記第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、
前記サーバは、
前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付ける捜索依頼受付手段と、
前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する検索手段と、
検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する検索結果送信手段と、を備え、
前記捜索依頼者端末は、
前記サーバに対して前記行方不明者の画像を含む情報を送信するとともに捜索を依頼する依頼手段と、
前記サーバから送信された前記行方不明者の居場所の候補を受信し、出力する検索結果取得手段と、
を備えることを特徴とする行方不明者捜索システム。
【請求項2】
第2の画像ストレージがネットワークを介して通信接続されており、
前記第2の画像ストレージには、複数のユーザのユーザ端末からアップロードされた画像が記憶されており、
前記検索手段は、前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第2の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索し、
前記検索結果送信手段は、検索された画像の付帯情報から取得された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の行方不明者捜索システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像の持ち主である前記ユーザに対し画像の提供を依頼する画像提供依頼手段を備え、前記画像提供依頼手段により画像提供が許可された画像について、前記捜索依頼者端末において閲覧可能とする
ことを特徴とする請求項2に記載の行方不明者捜索システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記画像提供依頼手段により画像提供が許可された画像について、前記行方不明者以外の部分を加工した画像を生成し、前記捜索依頼者端末において閲覧可能とする
ことを特徴とする請求項3に記載の行方不明者捜索システム。
【請求項5】
前記検索手段は、顔認識処理を行うことにより前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を前記第1の画像ストレージから検索することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の行方不明者捜索システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記行方不明者が行方不明になった時の服装及び持ち物の情報を入力する物品入力手段を更に備え、
前記検索手段は、前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像が検索されなかった場合、前記物品入力手段により入力された服装及び持ち物の特徴から該当する物品が映り込んだ画像を検索する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の行方不明者捜索システム。
【請求項7】
前記捜索依頼者端末の前記依頼手段は、前記サーバに対して前記行方不明者の住所または行方不明になった場所の情報を送信し、
前記サーバの前記捜索依頼受付手段は、前記捜索依頼者端末から記行方不明者の住所または行方不明になった場所の情報を受信し、
前記検索結果送信手段は、前記行方不明者の住所または行方不明になった場所に近い地域順に並べ替えた前記居場所の候補を含む検索結果画面を生成し、前記捜索依頼者端末に送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の行方不明者捜索システム。
【請求項8】
前記サーバは、各地域の連絡先を含む連絡先情報を記憶しており、
前記検索結果送信手段は、前記行方不明者の居場所の候補と、該居場所の候補の地域に対応する前記連絡先の情報を含む検索結果画面を生成し、前記捜索依頼者端末に送信することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の行方不明者捜索システム。
【請求項9】
行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続されたサーバであって、
前記第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、
前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付ける捜索依頼受付手段と、
前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する検索手段と、
検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する検索結果送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項10】
行方不明者の捜索依頼を受け付けるサーバと、前記行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続された行方不明者捜索システムにおける行方不明者捜索方法であって、
前記第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、
前記捜索依頼者端末が、前記サーバに対して前記行方不明者の画像を含む情報を送信するとともに捜索を依頼するステップと、
前記サーバが、前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付けるステップと、
前記サーバが、受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索するステップと、
前記サーバが、検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信するステップと、
前記捜索依頼者端末が、前記サーバから送信された前記行方不明者の居場所の候補を受信し、出力するステップと、
を含むことを特徴とする行方不明者捜索方法。
【請求項11】
行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されている第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続されたコンピュータを、
前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付ける捜索依頼受付手段、
前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する検索手段と、
検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する検索結果送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行方不明者捜索システム、サーバ、行方不明者捜索方法、及びプログラムに関し、詳細には画像から行方不明者の捜索を行う行方不明者捜索システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
認知症の高齢者等が家族の知らない間に外出してしまい、外出先で帰り道を忘れ、行方不明になることがある。行方不明となった認知症高齢者等は身元不明者として各市町村で保護され、家族からの捜索を待つことになる。各自治体では、こうした身元不明の方の情報をホームページ上で公開し、心当たりのある人からの問い合わせへの対応を行っている(非特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、上半身用の被服部に、着用者識別情報表示部と通報先等情報表示部とを備えた着用者識別用被服や、この被服を着用した着用者を支援する支援センターを含む支援システムについて記載されている。上記支援センターは、少なくとも着用者識別用被服の複数の着用者に関するユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶部と、通報装置(ユーザ登録情報記憶部を検索するコンピュータ及び電話等の通信機器)とを備える。特許文献1の着用者識別用被服を着用した状態であれば、万が一、認知症高齢者等が行方不明になっても、保護した人が着用者識別用被服に表示された通報先に通報することで、着用者の身元が割り出される。
【0004】
また、特許文献2には、ID情報が記憶された記憶媒体と、複数の記憶媒体から個別にID情報を読み込むと共に、それら記憶媒体の所持者の写真を撮影し、この写真情報とID情報とを所持者毎に関連付け、この関連付けられた情報を同グループ毎に関連付けた登録情報を通信網を介してデータベース手段に登録し、また、通信網を介してID情報を受信した際に、この受信ID情報に基づいて写真情報を検索し、通信網へ送信するサーバ装置と、記憶媒体からID情報を読み込み、このID情報を通信網を介してサーバ装置へ送信すると共に、サーバ装置からの写真情報を受信する端末機とを備えた迷子探索システムについて記載されている。特許文献2の迷子探索システムによれば、予めデータベースに写真情報及びID情報を登録した記憶媒体を親子等のグループで所持していれば、子が迷子になった時に親がそのID情報を係員に提示すれば、ID情報に基づいてデータベースから迷子の写真情報を検索することができる。
【0005】
また、特許文献3には、各所で保護される身元不明者に関する情報を登録する身元不明者データベースと、ユーザ端末からネットワークを介して送信される行方不明者の捜索依頼を受信したことに応答して、該捜索依頼された行方不明者に関する情報と、身元不明者データベースに登録されている身元不明者に関する情報と、に基づいて、該捜索依頼された行方不明者の候補を、該身元不明者データベースに登録されている該身元不明者のうちから検出し、検出した行方不明者の候補を、ネットワークを介してユーザ端末に通知する制御部と、を備える行方不明者捜索装置について記載されている。また、特許文献3には、身元不明者の顔写真と行方不明者の顔写真とを照合することで、身元不明者のデータベースから行方不明者の候補を検出すること等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6349482号公報
【文献】特開2005-266996号公報
【文献】国際公開第2018/012439号
【非特許文献】
【0007】
【文献】厚生労働省、”行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ”、[online]、[令和2年3月3日検索]、インターネット〈URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000052978.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の支援システムは、行方不明者が着用者識別用被服を着用していなければ利用することができない。また、特許文献2の迷子探索システムは、迷子になる前にID情報や写真情報を予め登録しておく必要があり、不意に行方不明になってしまうような状況には対応できない。また、ID情報を記録した記憶媒体を親子が互いに所持する必要がある。特許文献3は、行方不明者の捜索依頼に応じて身元不明者データベースから行方不明者の候補を検出するものであるが、行方不明者が身元不明者データベースに登録されるには時間がかかり、その間、家族等は心配する時間が継続することとなる。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、行方不明者を簡易に捜索することが可能な行方不明者捜索システム、サーバ、行方不明者捜索方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するための第1の発明は、行方不明者の捜索依頼を受け付けるサーバと、前記行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続された行方不明者捜索システムであって、前記第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、前記サーバは、前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付ける捜索依頼受付手段と、前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する検索手段と、検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する検索結果送信手段と、を備え、前記捜索依頼者端末は、前記サーバに対して前記行方不明者の画像を含む情報を送信するとともに捜索を依頼する依頼手段と、前記サーバから送信された前記行方不明者の居場所の候補を受信し、出力する検索結果取得手段と、を備えることを特徴とする行方不明者捜索システムである。
【0011】
第1の発明の行方不明者捜索システムによれば、行方不明者の捜索依頼を受け付けるサーバと、行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続されている。第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されている。捜索依頼者が捜索依頼者端末から行方不明者の画像を含む情報をネットワークを介してサーバに送信すると、サーバは捜索依頼を受け付け、捜索対象とする第1の画像ストレージ内に記憶された画像から行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索し、検索された画像を撮影した写真撮影装置の号機情報から割り出された撮影場所に基づいて行方不明者の居場所の候補を求め、捜索依頼者端末に送信する。捜索依頼者端末は、サーバから送信された行方不明者の居場所の候補を受信し、出力する。これにより、捜索依頼者は、簡易に行方不明者の捜索を依頼し、画像を用いた捜索を行うことが可能となる。
【0012】
第1の発明の行方不明者捜索システムにおいて、第2の画像ストレージがネットワークを介して通信接続されており、前記第2の画像ストレージは、複数のユーザ端末からアップロードされた画像が記憶されており、前記検索手段は、前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第2の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索し、前記検索結果送信手段は、検索された画像の付帯情報から取得された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信するようにしてもよい。
【0013】
また、前記サーバは、前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像の持ち主である前記ユーザに対し画像の提供を依頼する画像提供依頼手段を備え、前記画像提供依頼手段により画像提供が許可された画像について、前記捜索依頼者端末において閲覧可能とするようにしてもよい。また、前記サーバは、前記画像提供依頼手段により画像提供が許可された画像について、前記行方不明者以外の部分を加工した画像を生成し、前記捜索依頼者端末において閲覧可能とするようにしてもよい。
【0014】
また、前記検索手段は、顔認識処理を行うことにより前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を前記第1の画像ストレージから検索する。また、前記検索手段は、前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像が検索されなかった場合、前記物品入力手段により入力された服装及び持ち物の特徴から該当する物品が映り込んだ画像を検索することが望ましい。これにより、顔認識を用いた画像検索や物品検索を行って、行方不明者と類似度の高い画像を検索することができる。
【0016】
また、前記捜索依頼者端末の前記依頼手段は、前記サーバに対して前記行方不明者の住所または行方不明になった場所の情報を送信し、前記サーバの前記捜索依頼受付手段は、前記捜索依頼者端末から記行方不明者の住所または行方不明になった場所の情報を受信し、前記検索結果送信手段は、前記行方不明者の住所または行方不明になった場所に近い地域順に並べ替えた前記居場所の候補を含む検索結果画面を生成し、前記捜索依頼者端末に送信するようにしてもよい。また、前記サーバは、各地域の連絡先を含む連絡先情報を記憶しており、前記検索結果送信手段は、前記行方不明者の居場所の候補と、該居場所の候補の地域に対応する前記連絡先の情報を含む検索結果画面を生成し、前記捜索依頼者端末に送信することが望ましい。これにより、行方不明者の居場所の候補行方不明者の居場所の連絡先を捜索依頼者に提示できるため、捜索依頼者が次にとる行動(提示された連絡先への連絡等)を提案できる。
【0018】
第2の発明は、行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続されたサーバであって、前記第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付ける捜索依頼受付手段と、前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する検索手段と、検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する検索結果送信手段と、を備えることを特徴とするサーバである。
【0019】
第2の発明により、第1の発明の行方不明者捜索システムにおけるサーバを提供できる。
【0022】
の発明は、行方不明者の捜索依頼を受け付けるサーバと、前記行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続された行方不明者捜索システムにおける行方不明者捜索方法であって、前記第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、前記捜索依頼者端末が、前記サーバに対して前記行方不明者の画像を含む情報を送信するとともに捜索を依頼するステップと、前記サーバが、前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付けるステップと、前記サーバが、受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索するステップと、前記サーバが、検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信するステップと、前記捜索依頼者端末が、前記サーバから送信された前記行方不明者の居場所の候補を受信し、出力するステップと、を含むことを特徴とする行方不明者捜索方法である。
【0023】
の発明によれば、行方不明者の捜索依頼を受け付けるサーバと、行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続されており、第1の画像ストレージには、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と、各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されており、捜索依頼者が捜索依頼者端末から行方不明者の画像を含む情報をネットワークを介してサーバに送信すると、サーバは捜索依頼を受け付け、捜索対象とする第1の画像ストレージ内に記憶された画像から行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索し、検索された画像を撮影した写真撮影装置の号機情報から割り出された撮影場所に基づいて行方不明者の居場所の候補を求め、捜索依頼者端末に送信する。捜索依頼者端末は、サーバから送信された行方不明者の居場所の候補を受信し、出力する。これにより、捜索依頼者は、簡易に行方不明者の捜索を依頼し、画像を用いた捜索を行うことが可能となる。
【0024】
の発明は、行方不明者の捜索を依頼する捜索依頼者が使用する端末である捜索依頼者端末と、屋外又は屋内に設置された証明写真を撮影する各写真撮影装置からアップロードされた画像と各写真撮影装置の設置場所を含む号機情報が記憶されている第1の画像ストレージとがネットワークを介して通信接続されたコンピュータを、前記捜索依頼者端末から前記行方不明者の画像を含む情報を受信するとともに捜索依頼を受け付ける捜索依頼受付手段、前記捜索依頼受付手段において受信した前記行方不明者の画像に基づいて、前記第1の画像ストレージ内に記憶された画像から前記行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する検索手段と、検索された画像を撮影した前記写真撮影装置の前記号機情報から割り出された撮影場所に基づいて前記行方不明者の居場所の候補を求め、前記捜索依頼者端末に送信する検索結果送信手段、として機能させるためのプログラムである。
【0025】
の発明により、コンピュータを第1及び第2の発明のサーバとして機能させることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、行方不明者を簡易に捜索することが可能な行方不明者捜索システム、サーバ、行方不明者捜索方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】行方不明者捜索システム1の全体構成を示す図
図2】サーバ2のハードウェア構成を示す図
図3】サーバ2の記憶部22に記憶されるデータの例を示す図
図4】捜索依頼データ221のデータ構成を示す図
図5】依頼者情報222のデータ構成を示す図
図6】利用者情報223のデータ構成を示す図
図7】利用者登録画面55の例を示す図
図8】連絡先情報224のデータ構成を示す図
図9】捜索依頼者端末3、画像ストレージ4A、4Bのユーザのユーザ端末6として利用されるコンピュータのハードウェア構成を示す図
図10】画像ストレージ4A、4B、4Cのハードウェア構成を示す図
図11】画像ストレージ4A、4Bの記憶部42に記憶されるデータの例を示す図
図12】画像データ421のデータ構成を示す図
図13】ユーザアカウント情報422のデータ構成を示す図
図14】写真撮影装置5の画像ストレージ4Cの記憶部42Cに記憶されるデータの例を示す図
図15】顔認証用データ424のデータ構成を示す図
図16】号機情報425のデータ構成を示す図
図17】行方不明者捜索システム1の機能構成を示す図
図18】行方不明者捜索システム1が実行する処理の流れを示すフローチャート
図19】捜索受付画面51の例を示す図
図20】検索結果画面53の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の実施形態に係る行方不明者捜索システム1を示す図である。図1に示すように、本発明に係る行方不明者捜索システム1は、サーバ2、捜索依頼者端末3、画像ストレージ4A、4B、4C、及び画像ストレージ4A、4B、4Cのユーザが利用するユーザ端末6、6、…がネットワーク7を介してサーバ2に通信接続される。
【0032】
サーバ2は、行方不明者の捜索を受け付けるコンピュータである。図2は、サーバ2の構成を示す図である。図に示すように、サーバ2は、例えば制御部21、記憶部22、通信部23等をバス24等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。但しこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0033】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。CPUは、記憶部22、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス24を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。制御部21は、上記プログラムを読み出して実行することにより、サーバ2の各手段として機能する。
【0034】
記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部22には制御部21が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、オペレーティングシステム等が格納されている。これらのプログラムコードは、制御部21により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。また、記憶部22には、図3に示すように、捜索依頼データ221、依頼者情報222、利用者情報223、連絡先情報224等が記憶される。これらのデータの詳細については後述する。
【0035】
通信部23は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク7等との通信を制御する。ネットワーク7は、LAN(Local Area Network)や、より広域に通信接続されたWAN(Wide
Area Network)、またはインターネット等の公衆の通信回線、基地局等を含む。ネットワーク7は有線、無線を問わない。
バス24は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0036】
次に、図4図8を参照して、サーバ2の記憶部22に記憶される各データについて説明する。
図4に示すように、捜索依頼データ221には、捜索依頼の識別情報である依頼No.221a、行方不明者情報221b、依頼者情報221c等が格納される。依頼No.221aは、捜索依頼者からの捜索依頼をサーバ2が受信した際に、依頼毎にサーバ2が発行する識別情報である。行方不明者情報221bは、行方不明者に関する情報であり、捜索依頼者端末3において入力されサーバ2に送信された情報が格納される。行方不明者情報221bには、例えば、行方不明者の氏名221d、年齢221e、性別221f等の行方不明者本人に関する情報や、行方不明になった場所及び日時の情報221g、行方不明者の顔写真等の画像221h、行方不明時の服装や持ち物221i、行方不明者の住所221j、連絡先(電話番号やメールアドレス等)221k等が格納される。依頼者情報221cは、捜索依頼者に関する情報であり、捜索依頼者端末3において入力されサーバ2に送信された情報が格納される。例えば、捜索依頼者の依頼者IDや氏名、メールアドレス等が格納される。捜索依頼者の依頼者IDは当該行方不明者捜索システム1を利用する際に行われる登録処理によりサーバ2にて捜索依頼者毎に発行した識別情報であり、図5の依頼者情報222の依頼者ID222aである。メールアドレスは図5の依頼者情報222のメールアドレス222cである。
【0037】
依頼者情報222は、上述の登録処理によりサーバ2に登録される捜索依頼者に関する詳細情報である。図5に示すように、依頼者情報222には、依頼者ID222a、捜索依頼者の氏名222b、メールアドレス222c、住所222d、電話番号222e等の情報が登録される。
【0038】
利用者情報223は、行方不明者捜索システム1の利用者(行方不明時に捜索対象となる人物)に関する情報である。家族等が認知症高齢者等を予め利用者として事前登録しておくことで、行方不明になった際に、捜索依頼の入力作業が簡易化される。利用者情報223は、図6に示すように、利用者のユーザID223a、氏名223b、年齢223c、性別223d、住所223e、利用者の顔写真等の画像223f、マイナンバー223g、連絡先223h等が格納される。
【0039】
図7は、利用者登録を行う際にサーバ2が提供する利用者登録画面55の例を示す図である。図に示すように、利用者登録画面55には、利用者の写真登録欄552、参照ボタン553、利用者の氏名入力欄554、年齢入力欄555、性別入力欄556、住所入力欄557、電話番号入力欄558、マイナンバー入力欄559が設けられる。また、キャンセルボタン560、登録ボタン561等が設けられる。
【0040】
連絡先情報224は、行方不明者の問い合わせ先の連絡先の一覧情報であり、図8に示すように、各地域224aの連絡先(連絡先名称)224b、電話番号224c等の情報を含む。検索の結果、行方不明者の居場所の候補が判明した場合、該当地域の連絡先情報224がサーバ2から捜索依頼者端末3へ通知される。
【0041】
図1の説明に戻る。
捜索依頼者端末3は、行方不明者の捜索を依頼する者(以下、捜索依頼者という)が利用する情報端末であり、タブレットやスマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。捜索依頼者端末3は、本発明に係る行方不明者捜索システム1を利用するための専用のアプリケーションプログラム(以下、捜索依頼アプリという)、またはWEBサイトを閲覧可能なブラウザを搭載しているものとする。
【0042】
図9は、捜索依頼者端末3として利用するコンピュータの構成を示す図である。図に示すように、捜索依頼者端末3は、例えば制御部11、記憶部12、通信部13、表示部14、入力部15、周辺機器I/F部16等をバス17等により接続して構成したコンピュータ等により実現できる。但しこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。制御部11、記憶部12、通信部13の構成は、サーバ2の制御部21、記憶部22、通信部23の構成と同様である。
【0043】
表示部14は、例えば液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部11の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。なお、入力部15及び表示部14は、表示画面にタッチパネル等の入力装置を一体的に設けたタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0044】
入力部15は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、入力されたデータを制御部11へ出力する。
【0045】
周辺機器I/F(インタフェース)部16は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部16を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部16は、USB等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
【0046】
なお、捜索依頼者端末3の記憶部12には後述する処理(図18)を実行するためのアプリケーションプログラムが格納されており、このアプリケーションプログラムに従って後述する処理を捜索依頼者端末3の制御部11が実行する。
【0047】
図1の説明に戻る。
画像ストレージ4A、4Bは、複数ユーザが利用可能な画像ストレージであり、クラウドストレージやクラウドフォトストレージサービス等と呼ばれるものである。画像ストレージ4A、4Bには、各画像ストレージ4A、4Bのユーザアカウントを有するユーザがアップロードした画像がユーザアカウント毎に記憶される。本発明の行方不明者捜索システム1では、画像ストレージ4A、4Bに記憶されている多数のユーザ(画像の所持者)によりアップロードされた画像が、行方不明者の検索範囲(捜索対象)となる。また、本発明において、検索範囲(捜索対象)とする画像ストレージは、画像ストレージ4Cのように、屋外/屋内に設置された証明写真や記念写真等を撮影する写真撮影装置により撮影された画像を記憶する画像ストレージを含むものとしてもよい。
【0048】
図10は、画像ストレージ4A、4B、4Cの構成を示す図である。図に示すように、画像ストレージ4A、4B、4Cは、例えば制御部41、記憶部42、通信部43等をバス44等により接続して構成したコンピュータ等により実現できる。但しこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。制御部41、記憶部42、通信部43の構成は、サーバ2の制御部21、記憶部22、通信部23の構成と同様である。
【0049】
図11は、画像ストレージ4A、4Bの記憶部42に記憶されるデータの例である。図に示すように、記憶部42には画像データ421やユーザアカウント情報422が記憶されている。
【0050】
画像データ421は、図12に示すように、ユーザアカウント登録されたユーザのユーザ端末6からアップロードされた複数の画像ファイル421bがユーザアカウント421a毎に記憶される。
ユーザアカウント情報422は、図13に示すように、ユーザアカウント(画像ストレージ4A、4Bのユーザの識別情報)422aと紐づけて、ユーザの氏名422b、メールアドレス422c、認証情報422d等が記憶される。
【0051】
図14は、写真撮影装置5の画像ストレージ4Cの記憶部42Cに記憶されるデータの例である。図に示すように、記憶部42Cには写真撮影装置5からアップロードされた画像データ421や、顔認証用データ424、号機情報425等が記憶されている。
【0052】
顔認証用データ424は、図15に示すように、写真撮影装置5の利用者(ユーザアカウント424a)の顔認証用データ424bを写真撮影装置5の設置場所(または号機ID)424eと紐づけて記憶している。顔認証用データ424bは、顔画像424dまたは顔の特徴量424cが記憶される。顔の特徴量424cとは、写真撮影装置5で撮影された画像に含まれる人物の顔画像424dから特徴を示す量を抽出したデータであり、顔認証処理において人物の顔を判別するために利用される。写真撮影装置5の利用者には、個人情報の保護のために自分の画像を画像ストレージ4Cへ保存することを好まない利用者もいる。そのため、顔画像424dそのものではなく、顔画像424dから顔の特徴量424cだけを抽出して記憶することで顔画像424dがなくても顔認証処理を実施できる。
【0053】
号機情報425は、図16に示すように、各写真撮影装置5を識別する情報である号機ID425aと設置場所425bとを紐づけて記憶している。
【0054】
次に、図17を参照して行方不明者捜索システム1の機能構成について説明する。図に示すように、行方不明者捜索システム1において、サーバ2は、上述の記憶部22の他、捜索依頼受付部25、検索部26、検索結果送信部27を備える。捜索依頼者端末3は、上述の表示部14、入力部15の他、依頼部38及び検索結果取得部39を備える。
【0055】
捜索依頼者端末3の依頼部38は、サーバ2に対して行方不明者の情報を送信するとともに行方不明者の捜索を依頼する。行方不明者の情報は、例えば、図19に示す捜索受付画面51に対して、捜索依頼者端末3の入力部15を介して捜索依頼者により入力される。
行方不明者の情報は、行方不明者の氏名、年齢、性別、行方不明になった場所、日時、行方不明者の画像、行方不明時の服装、持ち物、住所、連絡先等の情報を含む。
【0056】
サーバ2の捜索依頼受付部25は、捜索依頼者端末3から行方不明者の情報を受信し、受信した行方不明者の情報を捜索依頼データ221として記憶部22に記憶するとともに、捜索依頼を受け付ける。
【0057】
検索部26は、捜索依頼受付部25において受信した情報に基づいて、捜索対象とする所定の画像ストレージ4A、4B、4C内に記憶された画像データ421または顔認証用データ424から行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する。検索部26による検索範囲(捜索対象)は、上述したように画像ストレージ4A、4B、4C内であるが、捜索依頼者及び該捜索依頼者の家族のユーザアカウントについては、検索範囲(捜索対象)から除外してもよい。捜索依頼者やその家族のユーザアカウントのストレージに保存されている行方不明者の画像は、捜索にあまり役立たないためである。
【0058】
検索部26は、捜索依頼受付部25において受信した情報に含まれる行方不明者の画像に基づいて画像ストレージ4A、4B、4C内を画像検索する。画像検索では、検索部26は、顔認識処理を行うことにより行方不明者に一致または類似する人物を含む画像を検索する。検索結果として、複数の類似する画像が検索された場合は、検索結果である画像に対し、類似度に応じたスコア(類似スコア)を付与する。
【0059】
また、捜索依頼において、行方不明時の服装及び持ち物の情報を取得している場合は、検索部26は、物品検索を実行し、服装及び持ち物の特徴から該当する物品が映り込んだ画像を検索結果に反映する。すなわち、検索部26は、画像検索による類似スコアに物品検索による類似スコアを加算することで、類似スコアの高い検索結果を上位(行方不明者との類似度が高い)とする。また、画像検索により類似する人物が検索されなかった場合も、物品検索により行方不明時の服装及び持ち物に類似する物品を所持する者を検索することができる。
【0060】
なお、検索時間の短縮やサーバ2の処理負荷軽減のため、上述の検索において、撮影場所が行方不明者の住所(捜索依頼データ221の住所221j)または行方不明になった場所(捜索依頼データ221の行方不明になった場所及び日時の情報221g)に近いものに絞り込むようにしてもよい。近いとは、例えば、所定の距離範囲にあること、或いは、行方不明者の住所や行方不明になった場所と同じ市区町村内や県内等であることをいう。また、撮影時刻が行方不明時以降の画像に絞り込んで検索を行ってもよい。
【0061】
検索結果送信部27は、検索部26による検索結果に基づいて行方不明者の居場所の候補を求め、捜索依頼者端末3に送信する。具体的には、検索結果送信部27は、検索部26による画像検索及び物品検索を行って類似スコアの高い人物及び物品を含む画像を検索し、それらの画像の付帯情報から撮影場所や撮影時刻の情報を取得する。類似スコアの高い画像が写真撮影装置5の画像ストレージ4Cから検索されたものであれば、その画像を撮影した写真撮影装置5の号機ID(号機情報425)から撮影場所を割り出す。
【0062】
検索結果送信部27は、類似度の高い画像の撮影場所に基づいて行方不明者がいたと推測される地域の候補(行方不明者の居場所の候補)を求める。また、検索結果送信部27は、行方不明者の居場所の候補となる地域の連絡先(管轄警察署の名称や施設名)をサーバ2の記憶部22の連絡先情報224から読み出して、検索結果画面53(図20)を生成する。地域は、例えば管轄警察署等を基準とすればよい。更に、検索結果送信部27は、検索結果(類似スコアの高い画像)を行方不明になった時刻(捜索依頼データ221の行方不明になった時刻221g)に近い順に並べ替えるようにしてもよい。検索結果送信部27は、行方不明者の居場所の候補を含む情報(検索結果画面53、または検索結果画面53のURLを示したメール等)を検索結果として捜索依頼者端末3に送信する。
【0063】
捜索依頼者端末3の検索結果取得部39は、サーバ2から送信された行方不明者の居場所の候補を含む情報(検索結果画面53、または検索結果画面53のURLを示したメール等)を受信し、表示部14に表示するなどの出力処理を行う。
【0064】
次に、図18を参照して行方不明者捜索システム1が実行する処理の手順を説明する。本実施形態では、捜索依頼者端末3がWEBサイトを介してサーバ2にアクセスし、行方不明者の捜索を依頼する場合を例として説明するが、捜索依頼者端末3の捜索依頼アプリで処理を実行する場合もほぼ同様の流れとなる。
【0065】
まず、捜索依頼者端末3は行方不明者捜索システム1のWEBサイトからサーバ2にアクセスする(ステップS101)。サーバ2は、捜索受付画面51の画面データを捜索依頼者端末3に送信する(ステップS102)。捜索依頼者端末3は、サーバ2から捜索受付画面51の画面データを受信すると(ステップS103)、捜索受付画面51を表示部14に表示する(ステップS104)。
【0066】
図19は、捜索受付画面51の例を示す図である。図に示すように、捜索受付画面51には、「下記の情報を入力してください」といったメッセージ510とともに、行方不明者のマイナンバー入力欄511、行方不明者のユーザID入力欄512が設けられる。マイナンバー入力欄511(または行方不明者のユーザID入力欄512)に値が入力された場合は、サーバ2は、記憶部22に記憶されている利用者情報223から該当するマイナンバー223g(またはユーザID223a)に紐づけられている情報(画像223f、氏名223b、年齢223c、性別223d、住所223e、連絡先223h、ユーザID223a(またはマイナンバー223g)等)を読み出して、捜索受付画面51の行方不明者の写真登録欄513、行方不明者の氏名入力欄517、年齢入力欄518、性別入力欄519、住所入力欄520、電話番号入力欄521、ユーザID入力欄512(マイナンバー入力欄511)等に対して該当する情報を反映する。なお、マイナンバー223gが入力された場合は、行方不明者の写真として、マイナンバーカード申請時に利用した画像を用いるものとしてもよい。マイナンバー入力欄511及びユーザID入力欄512に値が入力されない場合は、捜索受付画面51の行方不明者の写真の登録欄513、行方不明者の氏名入力欄517、年齢入力欄518、性別入力欄519、住所入力欄520、電話番号入力欄521、マイナンバー入力欄511に対して捜索依頼者が情報を入力する。また、捜索受付画面51には、行方不明になった場所の入力欄514、行方不明になった時刻の入力欄515、行方不明時の服装、持ち物の情報入力欄516(物品入力手段)が設けられる。
【0067】
更に、捜索受付画面51には、捜索依頼者の情報入力欄として、依頼者ID入力欄522、捜索依頼者の氏名入力欄523、メールアドレス入力欄524、行方不明者との関係入力欄525が設けられる。捜索依頼者が初めて行方不明者捜索システム1を利用する場合は、依頼者IDはまだ発行されていないため、依頼者ID入力欄522への入力は不要とし、捜索依頼者の氏名入力欄523、メールアドレス入力欄524、行方不明者との関係入力欄525に対して捜索依頼者が情報を入力する。また、捜索受付画面51には、キャンセルボタン526や「捜索を依頼する」ボタン527等が配置されている。
【0068】
捜索受付画面51の各入力欄に対して、捜索依頼者により、行方不明者の画像、行方不明者に関する情報、捜索依頼者に関する情報等が入力され(ステップS105)、「捜索を依頼する」ボタン527が操作されると、各入力欄に入力された画像や情報が捜索依頼とともにサーバ2に送信される(ステップS106)。
【0069】
サーバ2は、行方不明者の画像、行方不明者に関する情報、捜索依頼者に関する情報等を受信すると(ステップS107)、依頼No.221aを発行し、受信した情報や画像とともに記憶部22の捜索依頼データ221に記憶する。また、サーバ2は、捜索依頼者に対しては依頼者ID222aを発行し、捜索依頼者に関する情報(氏名、メールアドレス、住所、電話番号等)を依頼者ID222aとともに依頼者情報222として記憶部22に記憶する(ステップS108)。
【0070】
なお、2回目以降の捜索依頼の場合は、依頼者ID222aが既に付与されている。その場合は、捜索依頼者が依頼者ID入力欄522に依頼者ID222aを入力すれば、サーバ2は、記憶部22に記憶されている依頼者情報222から該当する依頼者ID222aに紐づけられている情報(氏名222a、メールアドレス222c等)を読み出して、捜索依頼者の氏名入力欄523、メールアドレス入力欄524に反映する。
【0071】
次に、サーバ2は、捜索依頼とともに受信した情報に従って画像ストレージ4A、4B、4Cを検索する(ステップS109)。具体的には、サーバ2は、ステップS107で受信した行方不明者の画像と一致または類似する画像を、捜索対象とする所定の画像ストレージ4A、4B、4C内に記憶された画像から検索する(画像検索)。検索の際、サーバ2は、行方不明者の画像(顔画像)から顔の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて画像ストレージ4A、4B、4C内に記憶された画像に含まれる人物の顔認証処理を実行する。この顔認証処理により、行方不明者に類似する人物を含む画像が検索されると、サーバ2は類似度に応じて検索結果(類似する画像)に類似スコアを付与する。サーバ2による検索範囲(捜索対象)は、上述したように、画像ストレージ4A、4B、4C内の画像であるが、捜索依頼者及び該捜索依頼者の家族のユーザアカウントの画像については、検索範囲から除外する。
【0072】
また、捜索依頼とともに、行方不明時の服装及び持ち物の情報を受信している場合は、サーバ2は、物品検索を実行する。具体的には、上述の画像検索(顔認証処理)により検索された画像について、更に、サーバ2は、行方不明時の服装及び持ち物との類似度を求め、検索結果に反映する。すなわち、画像検索(顔認証処理)による類似スコアに加え、物品検索による類似スコアを加算する。そして、類似スコアの高い検索結果を上位とする。また、顔認証による画像検索の結果、類似する画像が見つからなかった場合は、物品検索のみを行うようにしてもよい。以上のようにして、サーバ2は行方不明者に類似する人物を含む画像または行方不明時の服装や持ち物に類似する物品を含む画像を検索する。
【0073】
ステップS109における画像検索(顔認証処理)及び物品検索の結果、サーバ2は、類似度の高い人物や物品を含む画像を取得するとともに、それらの画像の撮影場所や撮影時刻の情報を該画像の付帯情報から取得する(ステップS110)。類似度の高い画像が写真撮影装置5の画像ストレージ4Cから検索されたものであれば、サーバ2は、その画像を撮影した写真撮影装置5の号機ID(号機情報425)から撮影場所を割り出す。そしてサーバ2は、類似度の高い画像の撮影場所を取得し、行方不明者の居場所の候補とし、所定の条件で並べ替える(ステップS111)。具体的には、サーバ2は、検索結果(類似度の高い画像)を類似スコア順、行方不明者の住所(または行方不明になった場所)に近い地域順、撮影時刻順等のように所定の順序に並べ替える。更に、サーバ2は、行方不明者の居場所の候補の連絡先(管轄警察署の名称や施設名)を記憶部22の連絡先情報224から読み出して、行方不明者の居場所の候補とともに並べた検索結果画面53を生成する。
【0074】
次にサーバ2は、類似度が高い画像について画像提供が可能であるか否かを画像の所持者に問い合わせる。実際には、画像ストレージ4A、4B、4Cのサービス事業者に、画像提供が可能か否かを画像の所持者(ユーザアカウント)に問い合わせてもらうよう依頼する(ステップS112)。すると、画像ストレージ4A、4B、4Cのサービス事業者から画像の所持者のユーザ端末6に対して問合せが送信される。ユーザ端末6は、画像提供が可能か否かの問い合わせを受信すると(ステップS113)、画像提供の可/不可をサービス事業者に返信する(ステップS114)。サーバ2は、ユーザ端末6からの返信をサービス事業者から受けとると、画像提供の状況を「可」、「不可」、または「問い合わせ中」のように検索結果画面53に反映する。そして、サーバ2は、検索結果画面53の画面データまたは検索結果画面53のURLを記載したメールを捜索依頼者端末3に送信する(ステップS115)。
【0075】
捜索依頼者端末3は、サーバ2から検索結果画面53を受信する(ステップS116)と、表示部14に表示する(ステップS117)。或いは、検索結果画面53のURLを記載したメールを受信した場合は、捜索依頼者がそのURLにアクセスすることで、検索結果画面53を受信し、捜索依頼者端末3の表示部14に表示できる。
【0076】
図20は、検索結果画面53の例を示す図である。図に示すように、検索結果画面53には、行方不明者の画像や服装、持ち物等に基づいて検索された類似度の高い画像の撮影時刻532や撮影された地域533(行方不明者の居場所の候補)の情報が、所定の順序(類似度が高い順、または撮影時刻順)で表示される。また検索結果画面53には、画像が撮影された地域533(行方不明者の居場所の候補)の連絡先534、電話番号535、写真確認(画像提供)の状況536が表示される。写真確認(画像提供)が「可」の場合は、該当画像の保存先を検索結果画面53内に記載し、閲覧できるようにしてもよい。なお、写真確認が画像の所有者から許可されたものであっても、サーバ2により行方不明者以外の部分をぼかしたり、塗りつぶしたりする等の画像加工を行った後に閲覧可能な状態にすることが望ましい。
【0077】
検索結果画面53において、「戻る」ボタン537が操作された場合は、捜索依頼者端末3は検索結果画面53を閉じ、捜索受付画面51に戻る。また、「確認」ボタン538が操作された場合は、捜索依頼者端末3は検索結果画面53を閉じ、処理を終了する。
【0078】
以上説明したように、行方不明者捜索システム1において、サーバ2は、捜索依頼者端末3から行方不明者に関する情報(画像を含む)を受信するとともに捜索依頼を受け付け、所定の画像ストレージ4A、4B、4C内に記憶された画像から行方不明者に一致または類似する人物を含む画像や、行方不明時の服装や持ち物に類似する物品を含む画像を検索する。サーバ2は、検索結果として得た画像の撮影場所等から行方不明者の居場所(地域)の候補を求め、捜索依頼者端末3に送信する。これにより、行方不明者を簡易に捜索して、捜索依頼者に通知することが可能となる。特に、検索対象を不特定多数の人により撮影された画像が記憶された画像ストレージ4A、4B、4Cとすることで、様々な地域で撮影された画像を検索するため、監視カメラの画像と同様に行方不明者の捜索に利用できる。
【0079】
なお、上述の実施形態において、捜索受付画面51や検索結果画面53、入力する情報の内容や表示内容等は一例であり、本発明はこれに限定されない。
【0080】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0081】
1・・・・・・・・・・行方不明者捜索システム
2・・・・・・・・・・サーバ
3・・・・・・・・・・捜索依頼者端末
4A、4B、4C・・・画像ストレージ
5・・・・・・・・・・写真撮影装置
6・・・・・・・・・・ユーザ端末
7・・・・・・・・・・ネットワーク
11、21、41・・・制御部
12、22、42・・・記憶部
13、23、43・・・通信部
14・・・・・・・・・表示部
15・・・・・・・・・入力部
16・・・・・・・・・周辺機器I/F部
25・・・・・・・・・捜索依頼受付部
26・・・・・・・・・検索部
27・・・・・・・・・検索結果送信部
38・・・・・・・・・依頼部
39・・・・・・・・・検索結果取得部
51・・・・・・・・・捜索受付画面
53・・・・・・・・・検索結果画面
55・・・・・・・・・利用者登録画面
221・・・・・・・・捜索依頼データ
222・・・・・・・・依頼者情報
223・・・・・・・・利用者情報
224・・・・・・・・連絡リスト
421・・・・・・・・画像データ
422・・・・・・・・ユーザアカウント情報
424・・・・・・・・顔認証用データ
425・・・・・・・・号機情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20