(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241001BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20241001BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241001BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241001BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V7/00 100
F21V7/00 530
G02F1/13357
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020083012
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】伊東 達也
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/147274(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0175956(US,A1)
【文献】特開2012-174372(JP,A)
【文献】特開2015-176780(JP,A)
【文献】特開2012-142098(JP,A)
【文献】特開2019-129066(JP,A)
【文献】特開2019-145205(JP,A)
【文献】特開2018-006259(JP,A)
【文献】特開2020-009661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に並べて配列されている複数の
矩形形状の光源と、
前記複数の光源に対向するように配置されるとともに、前記複数の光源から照射された光を透過するための複数の貫通孔からなる透過部と前記複数の光源から照射された光を反射する反射部とを含む輝度を均一化するための光学シートと、
前記光学シートに対向するとともに前記複数の光源とは反対側に配置され、前記透過部を透過した光を拡散するための拡散板と、を備え、
前記光学シートは、
前記複数の光源が並ぶ方向と平行および直交する方向に前記複数の貫通孔が直線状に設けられることにより、光源の位置を中心とし、前記矩形形状の光源の矩形と同心となる複数の同心矩形に沿って前記複数の貫通孔は配置され、光源から
複数の同心矩形までの距離に応じて
同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔の孔径の大きさが設定されているとともに、
同一の同心矩形に沿って配置される前記複数の貫通孔のうちの
矩形の4辺のうちの全ての辺ではなく一部の辺に配置される一部の貫通孔の孔径は、光源から
複数の同心矩形までの距離に応じて設定された
同心矩形に沿って配置される貫通孔の孔径と異なる大きさに設定され、
前記光学シートの厚み方向から見て、前記貫通孔は、前記光源と重なる位置に配置されている、面光源装置。
【請求項2】
前記光学シートは、前記複数の貫通孔が前記光学シート上における前記複数の光源の位置をそれぞれ中心とした領域内において、全体的に孔径が前記複数の光源から離れるほど大きくなるように前記複数の貫通孔が設けられているとともに、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられるか、または、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように前記複数の貫通孔が設けられている、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記光学シートは、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように光源からの距離に応じて設定された貫通孔の孔径と異なる大きさに設定されている、請求項1または2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記光学シートの外縁部に沿って設けられた前記複数の貫通孔は、前記光学シートに設けられた前記複数の貫通孔のうち最大の孔径を有している、請求項1~3のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記光学シートは
、前記複数の貫通孔のうちの一部が前記複数の貫通孔が直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記光学シートは、前記光源の直上の領域における単位面積当たりの前記複数の貫通孔の割合が、前記光源の直上の領域以外の他の領域における単位面積当たりの前記複数の貫通孔の割合よりも小さくなるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項7】
前記光学シートは、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が一段階または数段階異なる貫通孔の孔径と互いに入れ替えられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項8】
格子状に並べて配列されている複数の
矩形形状の光源と、
前記複数の光源に対向するように配置されるとともに、前記複数の光源から照射された光を透過するための複数の貫通孔からなる透過部と前記複数の光源から照射された光を反射する反射部とを含む輝度を均一化するための光学シートと、
前記光学シートに対向するとともに前記複数の光源とは反対側に配置され、前記透過部を透過した光を拡散するための拡散板と、
前記拡散板に対向するとともに、前記光学シートとは反対側に配置された表示部とを備え、
前記光学シートは、
前記複数の光源が並ぶ方向と平行および直交する方向に前記複数の貫通孔が直線状に設けられることにより、光源の位置を中心とし、前記矩形形状の光源の矩形と同心となる複数の同心矩形に沿って前記複数の貫通孔は配置され、光源から
複数の同心矩形までの距離に応じて
同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔の孔径の大きさが設定されているとともに、
同一の同心矩形に沿って配置される前記複数の貫通孔のうちの
矩形の4辺のうちの全ての辺ではなく一部の辺に配置される一部の貫通孔の孔径は、光源から
複数の同心矩形までの距離に応じて設定された
同心矩形に沿って配置される貫通孔の孔径と異なる大きさに設定され、
前記光学シートの厚み方向から見て、前記貫通孔は、前記光源と重なる位置に配置されている、表示装置。
【請求項9】
前記光学シートは、前記複数の貫通孔が前記光学シート上における前記複数の光源の位置をそれぞれ中心とした領域内において、全体的に孔径が前記複数の光源から離れるほど大きくなるように前記複数の貫通孔が設けられているとともに、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられ、または、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように前記複数の貫通孔が設けられている、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記光学シートは、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するために光源からの距離に応じて設定された貫通孔の孔径と異なる大きさに設定されている、請求項8または9に記載の表示装置。
【請求項11】
格子状に並べて配列されている複数の矩形形状の光源から照射された光を透過する
前記複数の光源が並ぶ方向と平行および直交する方向に直線状に設けられるとともに、光源の位置を中心とし、前記矩形形状の光源の矩形と同心となる複数の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔からなる透過部と前記光源から照射された光を反射する反射部とを含む輝度を均一化するための光学シートの製造方法であって、
前記光学シートの
同一の同心矩形に沿って配置される前記複数の貫通孔が設けられる領域のうち一部分に、前記光源が配置される位置から
複数の同心矩形までの距離に応じて設定される孔径を有する複数の第1の貫通孔を工具により設ける工程と、
前記光学シートの
同一の同心矩形に沿って配置される前記複数の貫通孔が設けられる領域のうち残りの部分に、
同一の同心矩形に沿って配置される前記複数の貫通孔のうちの矩形の4辺のうちの全ての辺ではなく一部の辺に配置されるように、前記光源が配置される位置から
複数の同心矩形までの距離に応じて設定された孔径と大きさが異なる孔径を有する第2の貫通孔を工具により設ける工程とを備え、
前記複数の第1の貫通孔を工具により設ける工程は、前記光学シートの厚み方向から見て、前記複数の第1の貫通孔を前記光源と重なる位置に配置することを含む、光学シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法に関し、特に、光源と光学シートとを備える面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と光学シートとを備える面光源装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、LED素子と、透過部を有する透過反射板とを備えているLEDバックライトが開示されている。特許文献1では、透過部には、輝度を均一にするために光源から離れるにつれて孔径が漸増するとともに、数が増加するように貫通孔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているように、輝度を均一にするために光源から離れるにつれて貫通孔の孔径を漸増させた場合、同じ孔径の部分が同じ輝度となることに起因して光源を中心とした同心円状の輝度むらが発生するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による面光源装置は、格子状に並べて配列されている複数の矩形形状の光源と、複数の光源に対向するように配置されるとともに、複数の光源から照射された光を透過するための複数の貫通孔からなる透過部と複数の光源から照射された光を反射する反射部とを含む輝度を均一化するための光学シートと、光学シートに対向するとともに複数の光源とは反対側に配置され、透過部を透過した光を拡散するための拡散板と、を備え、光学シートは、複数の光源が並ぶ方向と平行および直交する方向に複数の貫通孔が直線状に設けられることにより、光源の位置を中心とし、矩形形状の光源の矩形と同心となる複数の同心矩形に沿って複数の貫通孔は配置され、光源から複数の同心矩形までの距離に応じて同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔の孔径の大きさが設定されているとともに、同一の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔のうちの矩形の4辺のうちの全ての辺ではなく一部の辺に配置される一部の貫通孔の孔径は、光源から複数の同心矩形までの距離に応じて設定された同心矩形に沿って配置される貫通孔の孔径と異なる大きさに設定され、光学シートの厚み方向から見て、貫通孔は、光源と重なる位置に配置されている。
【0008】
この発明の第1の局面による面光源装置では、上記のように、光学シートは、光源からの距離に応じて複数の貫通孔の孔径の大きさが設定されている。これにより、透過部に到達する光量に応じて透過部を透過する光量を調整できるため、輝度を均一にすることができる。また、光学シートの一部の貫通孔の孔径が光源からの距離に応じて設定された貫通孔の孔径と異なる大きさに設定されていることにより、光源からの距離が一定の領域の一部において部分的に貫通孔を透過する光の量を変更することができるため、同心円状の輝度むらが認識されにくくなる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な面光源装置とすることができる。
【0009】
上記第1の局面による面光源装置において、好ましくは、光学シートは、複数の貫通孔が光学シート上における複数の光源の位置をそれぞれ中心とした領域内において、全体的に孔径が複数の光源から離れるほど大きくなるように複数の貫通孔が設けられているとともに、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられるか、または、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように複数の貫通孔が設けられている。このように構成すれば、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられるか、または、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように複数の貫通孔が設けられていることにより、透過部を透過する光のうち一部の光の輝度が大きくなるかまたは小さくなるため、輝度むらの発生をより抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による面光源装置において、好ましくは、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように光源からの距離に応じて設定された貫通孔の孔径と異なる大きさに設定されている。このように構成すれば、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように設けられているため、輝度むらの発生をより一層抑制することができる。
【0011】
上記第1の局面による面光源装置において、好ましくは、光学シートの外縁部に沿って設けられた複数の貫通孔は、光学シートに設けられた複数の貫通孔のうち最大の孔径を有している。このように構成すれば、光源からの距離が大きく、他の領域に比べて輝度が小さくなりやすい光学シートの外縁部に設ける貫通孔の孔径を最大にすることができるため、光源から照射された光が透過しやすくなり、外縁部の輝度を大きくすることができる。その結果、輝度をより均一にすることができる。
【0012】
上記第1の局面による面光源装置において、好ましくは、光学シートは、複数の貫通孔のうちの一部が複数の貫通孔が直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられている。このように構成すれば、複数の貫通孔が複数の光源が並ぶ方向と平行または直交する方向に直線状に設けられていることにより、光源から照射される光を広範囲で均一に透過させることができる。また、複数の貫通孔のうちの一部が複数の貫通孔が直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられていることにより、光学シート上における貫通孔間の間隔が変わる部分が生じるため、間隔が狭い部分は明るく、間隔が広い場所は暗くなる。これにより、部分的に輝度が変化することにより、輝度むらが視認されにくくなるため、貫通孔を等間隔に設ける場合と比べて輝度むらの発生を抑制することができる。
【0013】
上記第1の局面による面光源装置において、好ましくは、光学シートは、光源の直上の領域における単位面積当たりの複数の貫通孔の割合が、光源の直上の領域以外の他の領域における単位面積当たりの複数の貫通孔の割合よりも小さくなるように構成されている。ここで、光源の直上の領域は、他の領域と比べて到達する光量が大きく輝度が大きいことに起因して、貫通孔の孔径が小さく設計されることから、単位面積当たりの貫通孔の割合を小さくすることにより、光源の直上の領域の透過率(光の透過率)を小さくすることができる。その結果、光源の直上の領域の透過率を小さくすることにより、他の領域と比べて輝度が大きくなることを抑制することができるため、輝度をより均一にすることができる。
【0014】
上記第1の局面による面光源装置において、好ましくは、光学シートは、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が一段階または数段階異なる貫通孔の孔径と互いに入れ替えられている。このように構成すれば、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が一段階または数段階異なる貫通孔の孔径と互いに入れ替えられることにより、部分的に貫通孔を透過する光の量を変更することができるため、輝度むらの発生を抑制することができる。
【0015】
この発明の第2の局面による表示装置は、格子状に並べて配列されている複数の矩形形状の光源と、複数の光源に対向するように配置されるとともに、複数の光源から照射された光を透過するための複数の貫通孔からなる透過部と複数の光源から照射された光を反射する反射部とを含む輝度を均一化するための光学シートと、光学シートに対向するとともに複数の光源とは反対側に配置され、透過部を透過した光を拡散するための拡散板と、拡散板に対向するとともに、光学シートとは反対側に配置された表示部とを備え、光学シートは、複数の光源が並ぶ方向と平行および直交する方向に複数の貫通孔が直線状に設けられることにより、光源の位置を中心とし、矩形形状の光源の矩形と同心となる複数の同心矩形に沿って複数の貫通孔は配置され、光源から複数の同心矩形までの距離に応じて同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔の孔径の大きさが設定されているとともに、同一の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔のうちの矩形の4辺のうちの全ての辺ではなく一部の辺に配置される一部の貫通孔の孔径は、光源から複数の同心矩形までの距離に応じて設定された同心矩形に沿って配置される貫通孔の孔径と異なる大きさに設定され、光学シートの厚み方向から見て、貫通孔は、光源と重なる位置に配置されている。
【0016】
この発明の第2の局面による表示装置では、上記のように、光学シートは、光源からの距離に応じて複数の貫通孔の孔径の大きさが設定されている。これにより、透過部に到達する光量に応じて透過部を透過する光量を調整できるため、輝度を均一にすることができる。また、光学シートの一部の貫通孔の孔径が光源からの距離に応じて設定された貫通孔の孔径と異なる大きさに設定されていることにより、光源からの距離が一定の領域の一部において部分的に貫通孔を透過する光の量を変更することができるため、同心円状の輝度むらが視認しにくくなる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な表示装置とすることができる。
【0017】
この発明の第2の局面による表示装置において、好ましくは、光学シートは、複数の貫通孔が光学シート上における複数の光源の位置をそれぞれ中心とした領域内において、全体的に孔径が複数の光源から離れるほど大きくなるように複数の貫通孔が設けられているとともに、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられるか、または、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように複数の貫通孔が設けられている。このように構成すれば、全体的に孔径が複数の光源から離れるほど大きくなるように複数の貫通孔が設けられているとともに、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられ、または、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように複数の貫通孔が設けられていることにより、光学シートの一部分だけ輝度が大きくなるかまたは小さくなるため、輝度むらの発生をより抑制することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による表示装置において、好ましくは、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように光源からの距離に応じて設定された貫通孔の孔径と異なる大きさに設定されている。このように構成すれば、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように設けられているため、輝度むらを確実に抑制することができる。
【0019】
この発明の第3の局面による光学シートの製造方法は、格子状に並べて配列されている複数の矩形形状の光源から照射された光を透過する複数の光源が並ぶ方向と平行および直交する方向に直線状に設けられるとともに、光源の位置を中心とし、矩形形状の光源の矩形と同心となる複数の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔からなる透過部と光源から照射された光を反射する反射部とを含む輝度を均一化するための光学シートの製造方法であって、光学シートの同一の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔が設けられる領域のうち一部分に、光源が配置される位置から複数の同心矩形までの距離に応じて設定された孔径を有する複数の第1の貫通孔を工具により設ける工程と、光学シートの同一の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔が設けられる領域のうち残りの部分に、同一の同心矩形に沿って配置される複数の貫通孔のうちの矩形の4辺のうちの全ての辺ではなく一部の辺に配置されるように、光源が配置される位置から複数の同心矩形までの距離に応じて設定された孔径と大きさが異なる孔径を有する第2の貫通孔を工具により設ける工程とを備え、複数の第1の貫通孔を工具により設ける工程は、光学シートの厚み方向から見て、複数の第1の貫通孔を光源と重なる位置に配置することを含む。
【0020】
この発明の第3の局面による光学シートの製造方法では、上記のように、光源が配置される位置からの距離に応じて設定された孔径を有する複数の第1の貫通孔を工具により設ける工程を備える。これにより、光学シートの透過部に到達する光量に応じて孔径が調整された第1の貫通孔を光学シートに設けることができるため、輝度が均一化された光学シートを製造することができる。また、光源が配置される位置からの距離に応じて設定された孔径と大きさが異なる孔径を有する第2の貫通孔を工具により設ける工程とを備えることにより、光源からの距離が一定の領域の一部だけ周囲の輝度と異なる輝度を有する貫通孔を設けることができるため、同心円状の輝度むらが発生しにくい光学シートを製造することができる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な光学シートを製造することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、輝度を均一にすること可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図6】第1実施形態による貫通孔の配置を示す図である。
【
図7】貫通孔の配置の方法について説明するための図である。
【
図8】第2実施形態による貫通孔の配置を説明するための図である。
【
図9】第3実施形態による貫通孔の配置を示す図である。
【
図10】第4実施形態による貫通孔の配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
(表示装置の構成)
図1~
図6を参照して、本発明の第1実施形態による表示装置100の構成について説明する。
【0025】
図1および
図2に示すように、第1実施形態による表示装置100は、車両用のメーターパネルに使用される。表示装置100は、面光源装置10と、表示部20とを備える。
図2は、
図1をX方向に沿って切断した断面図である。
【0026】
面光源装置10は、光源1と、光学シート2と、拡散板3とを含む。また、第1実施形態では、面光源装置10は、さらに、反射シート4と、プリズムシート5と、偏光シート6と、ルーバーシート7と、フレーム8とを備える。面光源装置10はフレーム8の内側に、光源1と、反射シート4と、光学シート2と、拡散板3と、プリズムシート5と、偏光シート6と、ルーバーシート7とがこの順番で重ねられて配置されている。
【0027】
図2および
図3に示すように、複数の光源1は、基板11に設けられている。光源1は、発光素子を含んでいる。光源1は、通電されることにより、発光するように構成されている。光源1は、LED(Light Emitting Diode)を含む。複数の光源1は、X方向およびY方向において格子状に並べて配置されている。また、矢印で示すように光源1は、光を放射状に照射する。
【0028】
図2に示すように、光学シート2は、拡散板3と光源1との間に配置されている。光学シート2は、光源1から照射される光を透過させる透過部21と、光源1から照射される光を反射させる反射部22とを含み、輝度を均一化するために用いられる。光学シート2の形状は、フレーム8の形状に合わせて設計される。第1実施形態では、光学シート2は、矩形状である。なお、光学シート2の面積は、フレーム8の内側の底面8aおよび反射シート4よりも大きく、フレーム8の内面に設けられた突出部8bに配置される。
【0029】
図4に示すように、光学シート2は、光を反射する性質を有する樹脂により形成されている。光学シート2は、たとえば、微細発泡ポリエチレンテレフタラートにより形成されている。光学シート2に、ドリルなどの工具で貫通孔21aを設けることにより、透過部21が設けられる。光学シート2は、複数の貫通孔21aが複数の光源1が並ぶ方向(X方向およびY方向)と平行または直交する方向(X方向およびY方向)に直線状に設けられている。複数の貫通孔21aは一定の間隔を開けて設けられている。
【0030】
図2および
図4に示すように、光学シート2の透過部21は、光学シート2を厚み方向(Z方向)に貫通する貫通孔21aからなる。また、透過部21を形成する貫通孔21aは、複数設けられている。貫通孔21aは、光源1からの距離に応じて孔径d1の大きさが設定されている。また、光学シート2の反射部22は、貫通孔21aが設けられている以外の部分である。光源1からの光は放射状に拡散して照射されるため、光源1からの光の一部は透過部21を透過するとともに一部は反射部22で反射される。なお、本願明細書において「貫通孔(21a~21f)の孔径d1」と記載した場合は、貫通孔(21a~21f)の直径のことを指すものとする。また、孔径d1の大きさは、たとえば、0.35mm以上0.80mm以下の範囲内で設定される。
【0031】
図2に示すように、拡散板3は、光学シート2の透過部21を透過した光を放射状に散乱させる。そのため、透過部21を透過した光量に差がある場合でも、拡散板3で光が散乱されるため輝度を均一化することができる。拡散板3は、樹脂により形成されている。拡散板3は、たとえば、ポリカーボネートに拡散材をコンパウンドさせて(混ぜて練り合わせて)形成されている。拡散板3は、矩形状である。拡散板3の短手方向(Y方向)および長手方向(X方向)の長さは、光学シート2と同じである。
【0032】
反射シート4は、光学シート2の反射部22で反射された光を光学シート2側に反射する。また、反射シート4は、光学シート2とフレーム8の内側の底面8aとに囲まれたフレーム8の側面に設けられるため、光源1からフレーム8の側面に向かって照射された光を光学シート2側に反射する。反射シート4は、光学シート2よりも小さい。反射シート4は、樹脂により形成されている。反射シート4は、たとえば、微細発泡樹脂により形成されている。反射シート4は、たとえば、微細発泡ポリエチレンテレフタラートにより形成されている。反射シート4は、矩形状である。反射シート4の短手方向(Y方向)および長手方向(X方向)の長さは、光学シート2よりも小さい。
【0033】
プリズムシート5は、拡散板3で散乱した光を一定方向に屈折させて集光させる。プリズムシート5は、三角形状のプリズムが水平方向に連なった形状をしている。プリズムシート5は、たとえば、アクリル樹脂により形成される。プリズムシート5の短手方向(Y方向)および長手方向(X方向)の長さは、光学シート2と同じである。
【0034】
偏光シート6は、プリズムシート5で集光した光のうち、所定の向きを有する光を透過し、それ以外の光を反射する。具体的には、偏光シート6は、表示部20において吸収される向きを有する光を反射し、吸収されない向きを有する光を透過する。偏光シート6は、矩形状である。偏光シート6の短手方向(Y方向)および長手方向(X方向)の長さは、光学シート2と同じである。
【0035】
ルーバーシート7は、偏光シート6を透過した光のうち、ルーバーシート7に対して斜めに入射する光を遮光する。これにより、表示装置100を車両に用いた場合に、たとえばフロントガラスなどの表示部20以外に画像が表示されることを抑制する。ルーバーシート7は、矩形状である。ルーバーシート7の短手方向(Y方向)および長手方向(X方向)の長さは、光学シート2と同じである。
【0036】
フレーム8は、上方が開口した直方体形状をしている。フレーム8の内側の底面8aには、光源1が配置されている。フレーム8には、上面と底面8aとの間に内部に突出する突出部8bが形成されている。突出部8bに光学シート2が配置されるため、光学シート2とフレーム8の底面8aに設けられる光源1および反射シート4との間に光源1からの光が十分拡散することが可能な空間が形成される。なお、突出部8bを設ける位置は、光源1からの光が十分拡散できるように設定される。また、
図2ではフレーム8のZ方向の長さが誇張して記載されている。フレーム8のZ方向の長さは、たとえば、10mm以下である。
【0037】
表示部20は、複数の画素を含み、複数の画素の各々により、光源1から照射される光の透過率を変化させて映像を表示させる。また、表示部20は、映像信号に基づいて駆動される。表示部20は、偏光板と液晶セルとを含む。液晶セルに電圧をかけることにより液晶分子の向きが変わるとともに、液晶分子の向きと偏光板とを組み合わせて光の透過率を変化させて輝度を調整する。偏光板は、特定の方向の光を吸収する性質があるため、偏光シート6は偏光板に合わせて吸収されない方向の光を透過するように選択される。
【0038】
(光学シートの構造)
図4に基づいて、光学シート2の構成について詳しく説明する。光学シート2は、光源1からの距離に応じて複数の貫通孔21aの孔径d1の大きさが設定されている。複数の貫通孔21aの孔径d1の大きさは、全体的に光学シート2上の光源1に近い位置から遠い位置(外縁部21b)にかけて孔径d1の大きさが段階的に大きくなるように構成されている。孔径d1の大きさは、使用する工具の孔径による。孔径d1の大きさは、たとえば、18段階(18ランク)に分けられる。
【0039】
複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1は、光源1からの距離に応じて設定された貫通孔21aの孔径d1と異なる大きさに設定されている。具体的には、複数の貫通孔21aが光学シート2上における複数の光源1の位置をそれぞれ中心とした領域23内において、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が隣接する光源1側の貫通孔21aの孔径d1よりも小さくなるように設けられるか、または、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が隣接する外縁部21b側の貫通孔21aの孔径d1よりも大きくなるように複数の貫通孔21aが設けられている。光源1を中心とした領域23は、たとえば、光学シート2を光源1の数で等分した面積を有する領域である。光源1を中心とした領域23は、光源1に合わせて複数設けられる。
図4では、光源1を中心とした領域23が一点鎖線の長方形で示されている。
【0040】
図4にハッチングで示したように、光学シート2の外縁部21bに沿って設けられた複数の貫通孔21aは、光学シート2に設けられた複数の貫通孔21aのうち最大の孔径d1を有している。孔径d1の大きさが18段階ある場合は、最大の18段階に設定される。なお、外縁部21bに設けられた貫通孔21aは、孔径d1の大きさが変更されない。
【0041】
貫通孔21aの孔径d1の大きさの変更は、光源1からの距離に応じて設定された孔径d1が同じである複数の貫通孔21aからなる領域ごとに行われる。具体的には、領域内に含まれる貫通孔21aの合計面積を変更するために貫通孔21aの孔径d1が変更される。領域内に含まれる貫通孔21aの合計面積に応じて透過率が大きくなるため、所望の合計面積になるように貫通孔21aの孔径d1を調整することにより輝度が調整される。
【0042】
図5および
図6に基づいて輝度を調整する方法について説明する。
図5に示すように、従来の光学シート24は、光源1からの距離応じて貫通孔21cの孔径d1が漸増している。たとえば、従来の光学シート24のうちハッチングで示した同じ孔径d1を有する貫通孔からなる領域の輝度を3%大きくする場合について説明する。3%輝度を大きくする場合は、貫通孔21aの合計面積が3%大きくなるように、貫通孔21aの孔径d1を変更する。この場合、
図6に示すように、第1実施形態における光学シート2は、複数の貫通孔21aのうち3つの貫通孔21aの面積が、それぞれの同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して1%大きくなるように孔径d1を変更してもよく、1つの貫通孔21aの面積がそれぞれの同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して3%大きくなるように孔径d1を変更してもよく、1つの貫通孔21aの面積が同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して1%大きくなるように孔径d1を変更するとともに別の1つの貫通孔21aの面積が同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して2%大きくなるように孔径d1を変更してもよい。また、孔径d1を小さくする場合に、孔径d1を大きくしすぎないように、たとえば、1段階以上3段階以下の範囲で大きい孔径d1に変更される。
図6では、ハッチングで示した同じ孔径d1を有する貫通孔21aのうち、2つの貫通孔21cの大きさが変更された例を示している。
【0043】
また、たとえば、輝度を3%小さくする場合は、貫通孔21aの合計面積が3%小さくなるように、貫通孔21aの孔径d1を変更する。この場合、大きくする場合と同様に、孔径d1の大きさを変更する貫通孔21aの数、および変更の割合は特に限定されない。この場合、複数の貫通孔21aのうち3つの貫通孔21aの面積が、それぞれの同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して1%小さくなるように孔径d1を変更してもよく、1つの貫通孔21aの面積が同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して3%小さくなるように孔径d1を変更してもよく、1つの貫通孔21aの面積が同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して1%小さくなるように孔径d1を変更するとともに別の1つの貫通孔21aの面積が同じ孔径d1を有する貫通孔21aからなる領域に含まれる貫通孔21aの面積の総合計に対して2%小さくなるように孔径d1を変更してもよい。また、孔径d1を小さくする場合に、孔径d1を小さくしすぎないように、たとえば、1段階だけ小さな孔径d1に変更される。なお、
図6では、光源1を中心とした領域23のうち1つの領域を示しているが、他の領域において同様に貫通孔21aが配置される。
【0044】
図7に基づいて、光学シート2の製造方法について説明する。なお、
図7では、複数の光源1を中心とした領域23のうちの1つの領域について説明しているが、他の領域も同様である。まず、破線で囲まれた光源1からの距離に応じて1段階目の大きさの貫通孔21dを設ける領域Aと、一点鎖線と実線との間に位置する光源1からの距離に応じて3段階目の孔径d1の大きさの貫通孔21fを設ける領域Cとに1段階目の孔径d1の大きさを有する貫通孔21dを設ける。次に、ドリル径を変えて、破線と一点鎖線との間の光源1からの距離に応じて2段階目の孔径d1の大きさを有する領域Bに、2段階目の孔径d1の大きさを有する貫通孔21eが配置される。そして、ドリル径を変えて、領域Bと領域Cとに3段階目の孔径d1の大きさを有する貫通孔21fが設けられる。ここで、領域Aに設けられた貫通孔21dと、領域Bに設けられた貫通孔21eと、領域Cに設けられた貫通孔21fとは、特許請求の範囲に記載した「第1の貫通孔」の一例である。また、領域Bに設けられた貫通孔21fと、領域Cに設けられた貫通孔21dとは、特許請求の範囲に記載した「第2の貫通孔」の一例である。
【0045】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、光学シート2は、光源1からの距離に応じて複数の貫通孔21aの孔径の大きさが設定されている。これにより、透過部21に到達する光量に応じて透過部21を透過する光量を調整できるため、輝度を均一にすることができる。また、光学シート2の一部の貫通孔21aの孔径d1が光源1からの距離に応じて設定された貫通孔21aの孔径d1と異なる大きさに設定されていることにより、光源1からの距離が一定の領域の一部において部分的に貫通孔21aを透過する光の量を変更することができるため、同心円状の輝度むらが認識されにくくなる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な表示装置100とすることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、光学シート2は、複数の貫通孔21aが光学シート2上における複数の光源1の位置をそれぞれ中心とした領域23内において、全体的に孔径d1が複数の光源1から離れるほど大きくなるように複数の貫通孔21aが設けられているとともに、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が隣接する光源1側の貫通孔21aの孔径d1よりも小さくなるように設けられるか、または、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が隣接する外縁部21b側の貫通孔21aよりも大きくなるように複数の貫通孔21aが設けられている。これにより、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が隣接する光源1側の貫通孔21aの孔径d1よりも小さくなるように設けられるか、または、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が隣接する外縁部21b側の貫通孔21aよりも大きくなるように複数の貫通孔21aが設けられていることにより、透過部21を透過する光のうち一部の光の輝度が大きくなるかまたは小さくなるため、輝度むらの発生をより抑制することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように光源1からの距離に応じて設定された貫通孔21aの孔径d1と異なる大きさに設定されている。これにより、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が部分的に輝度を変化させて輝度むらを抑制するように設けられているため、輝度むらの発生をより一層抑制することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、光学シート2の外縁部21bに沿って設けられた複数の貫通孔21aは、光学シート2に設けられた複数の貫通孔21aのうち最大の孔径d1を有している。これにより、光源1からの距離が大きく、他の領域に比べて輝度が小さくなりやすい光学シート2の外縁部21bに設ける貫通孔21aの孔径d1を最大にすることができるため、光源1から照射された光が透過しやすくなり、外縁部21bの輝度を大きくすることができる。その結果、輝度をより均一にすることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、光源1が配置される位置からの距離に応じて設定された孔径d1を有する複数の第1の貫通孔を工具により設ける工程を備える。これにより、光学シート2の透過部21に到達する光量に応じて孔径d1が調整された第1の貫通孔を光学シート2に設けることができるため、輝度が均一化された光学シート2を製造することができる。また、光源1が配置される位置からの距離に応じて設定された孔径d1と大きさが異なる孔径d1を有する第2の貫通孔を工具により設ける工程とを備えることにより、光源1からの距離が一定の領域の一部だけ周囲の輝度と異なる輝度を有する貫通孔21aを設けることができるため、同心円状の輝度むらが発生しにくい光学シート2を製造することができる。その結果、輝度を均一にすることができるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な光学シート2を製造することができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、
図1~
図4および
図8を参照して、第2実施形態による表示装置200の光学シート12の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、光学シート12は、複数の貫通孔21aの一部が位置をずらして設けられている。
【0052】
図8の一点鎖線で囲まれた領域Dに示すように、光学シート12は、複数の貫通孔21aが複数の光源1が並ぶ方向と平行または直交する方向に直線状に設けられている。また、一点鎖線で囲まれた領域Eに示すように、複数の貫通孔21aのうちの一部が複数の貫通孔21aが直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられている。貫通孔21aの位置のずらし方は、隣接する貫通孔21aとの間隔を一定以上保つように設定されている。たとえば、隣接する貫通孔21a同士が最も接近する位置における隣接する貫通孔21a間の間隔d2の大きさが0.2mm以上に設定されている。たとえば、隣接する貫通孔21aのうち一方の貫通孔21aの半径の大きさが0.3mmであるとともに、他方の貫通孔21aの半径の大きさが0.4mmであるとすると、間隔d2の大きさを0.2mm以上確保するために間隔d3の大きさは0.9mm以上に設定される。位置がずらされた貫通孔21aの孔径d1は、大きさが変更されてもよい。また、位置がずらして配置される貫通孔21aの位置および数は適宜選択される。なお、
図8では、光源1を中心とした領域23のうち1つの領域を示しているが、他の領域において同様に貫通孔21aが配置される。
【0053】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、光学シート12は、光源1からの距離に応じて複数の貫通孔21aの孔径の大きさが設定されている。これにより、透過部21に到達する光量に応じて透過部21を透過する光量を調整できるため、輝度を均一にすることができる。また、光学シート12の一部の貫通孔21aの孔径d1が光源1からの距離に応じて設定された貫通孔21aの孔径d1と異なる大きさに設定されていることにより、光源1からの距離が一定の領域の一部において部分的に貫通孔21aを透過する光の量を変更することができるため、同心円状の輝度むらが認識されにくくなる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な表示装置200とすることができる。
【0055】
また、第2実施形態では、上記のように、複数の光源1は、格子状に並べて配置されており、光学シート12は、複数の貫通孔21aが複数の光源1が並ぶ方向と平行または直交する方向に直線状に設けられているとともに、複数の貫通孔21aのうちの一部が複数の貫通孔21aが直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられている。これにより、複数の貫通孔21aが複数の光源1が並ぶ方向と平行または直交する方向に直線状に設けられていることにより、光源1から照射される光を広範囲で均一に透過させることができる。また、複数の貫通孔21aのうちの一部が複数の貫通孔21aが直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられていることにより、光学シート12上における貫通孔21a間の間隔が変わる部分が生じるため、間隔が狭い部分は明るく、間隔が広い場所は暗くなる。これにより、部分的に輝度が変化することにより、輝度むらが視認されにくくなるため、貫通孔21aを等間隔に設ける場合と比べて輝度むらの発生を抑制することができる。
【0056】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0057】
[第3実施形態]
次に、
図1~
図4および
図9を参照して、第3実施形態による表示装置300の光学シート32の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、光学シート32は、光源1の直上の領域における単位面積当たりの複数の貫通孔21aの割合が、光源1の直上の領域以外の他の領域における単位面積当たりの複数の貫通孔21aの割合よりも小さくなるように構成されている。
【0058】
図9に示すように、第3実施形態では、一点鎖線で囲んだ光源1の直上の領域Fにおける単位面積当たりの複数の貫通孔21aの割合が、光源1の直上の領域以外の他の領域Gにおける単位面積当たりの複数の貫通孔21aの割合よりも小さくなるように構成されている。たとえば、光源1の直上の領域Fでは、単位面積当たり2個の貫通孔21aが設けられるのに対し、光源1の直上以外の領域Gでは4つの貫通孔21aが設けられる。
図9では、光源1を中心とした領域23のうち1つの領域について説明しているが、他の領域において同様に貫通孔21aが配置される。なお、光源1の直上の領域Fでは、貫通孔21aの孔径d1が、他の貫通孔21aよりも小さく設計される。たとえば、孔径d1が18段階ある場合は、1段階以上3段階以下に設定される。
【0059】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、光学シート32は、光源1からの距離に応じて複数の貫通孔21aの孔径の大きさが設定されている。これにより、透過部21に到達する光量に応じて透過部21を透過する光量を調整できるため、輝度を均一にすることができる。また、光学シート2の一部の貫通孔21aの孔径d1が光源1からの距離に応じて設定された貫通孔21aの孔径d1と異なる大きさに設定されていることにより、光源1からの距離が一定の領域の一部において部分的に貫通孔21aを透過する光の量を変更することができるため、同心円状の輝度むらが認識されにくくなる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な表示装置300とすることができる。
【0061】
また、第3実施形態では、上記のように、光学シート32は、光源1の直上の領域Fにおける単位面積当たりの複数の貫通孔21aの割合が、光源1の直上の領域以外の他の領域Gにおける単位面積当たりの複数の貫通孔21aの割合よりも小さくなるように構成されている。光源1の直上の領域Fは、他の領域Gと比べて到達する光量が大きく輝度が大きいことに起因して、貫通孔21aの孔径d1が小さく設計されることから、単位面積当たりの貫通孔21aの割合を小さくすることにより、光源1の直上の領域Fの透過率(光の透過率)を小さくすることができる。その結果、光源1の直上の領域Fに到達する光量が小さくすることにより、他の領域Gと比べて輝度が大きくなることを抑制することができるため、輝度をより均一にすることができる。
【0062】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0063】
[第4実施形態]
次に、
図1~
図4および
図10を参照して、第4実施形態による表示装置400の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、段複数の貫通孔21aのうちの一部の孔径d1が一段階または数段階異なる貫通孔21aの孔径d1と互いに入れ替えられている。
【0064】
図10に示すように、第4実施形態では、複数の貫通孔21aの大きさが調整された光学シート42のうち一部の貫通孔21aの位置が入れ替えられる。
図10では、一部の貫通孔21aの位置が入れ替えられた光学シート42を変更前で表すとともに、隣接する貫通孔21gの位置と貫通孔21hの位置とが入れ替えられた光学シート42を変更後として示している。入れ替えられる貫通孔21aは、光源1からの距離または調整したい光量の割合に応じて適宜選択される。
【0065】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、光学シート42は、光源1からの距離に応じて複数の貫通孔21aの孔径の大きさが設定されている。これにより、透過部21に到達する光量に応じて透過部21を透過する光量を調整できるため、輝度を均一にすることができる。また、光学シート2の一部の貫通孔21aの孔径d1が光源1からの距離に応じて設定された貫通孔21aの孔径d1と異なる大きさに設定されていることにより、光源1からの距離が一定の領域の一部において部分的に貫通孔21aを透過する光の量を変更することができるため、同心円状の輝度むらが認識されにくくなる。その結果、輝度を均一にすることが可能であるとともに輝度むらの発生を抑制することが可能な表示装置400とすることができる。
【0067】
また、第4実施形態では、上記のように、光学シート42は、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が一段階または数段階異なる貫通孔の孔径と互いに入れ替えられている。これにより、複数の貫通孔21aのうちの一部の貫通孔21aの孔径d1が一段階または数段階異なる貫通孔21aの孔径d1と互いに入れ替えられることにより、部分的に貫通孔21aを透過する光の量を変更することができるため、輝度むらの発生を抑制することができる。
【0068】
また、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0069】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0070】
たとえば、上記第1~第4実施形態では、本発明の表示装置として、車両用のメーターパネルに使用される例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明を、液晶テレビジョン装置、PC(Personal Computer)用の表示装置などの一般的な表示装置に本発明を適用してもよい。
【0071】
また、上記第1~第4実施形態では、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径よりも小さくなるように設けられ、または、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する外縁部側の貫通孔よりも大きくなるように複数の貫通孔が設けられている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔の孔径が隣接する光源側の貫通孔の孔径と同じ大きさに設けられていてもよい。
【0072】
また、上記第1~第4実施形態では、光学シートの外縁部に沿って設けられた複数の貫通孔は、孔径が18段階ある場合に18段階目の大きさで設けられる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、外縁部に沿って貫通孔が16段階目の大きさで設けられて、それ以外の部分が15段階目以下の大きさで貫通孔が設けられていてもよい。
【0073】
また、上記第1~第4実施形態では、プリズムシートと、偏光シートと、ルーバーシートとを設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、これらの部材は設けられなくてもよい。
【0074】
また、上記第1~第4実施形態では、フレームが直方体形状であるとともに、光学シートと反射シートと偏光シートとルーバーシートとが矩形状である例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、フレームが円柱状であるとともに、光学シートと反射シートと偏光シートとルーバーシートとが円環状であってもよい。さらに、フレームが半円状であるとともに、光学シートと反射シートと偏光シートとルーバーシートとが半円状であってもよい。
【0075】
また、上記第2実施形態では、複数の光源は、格子状に並べて配置されており、光学シートは、複数の貫通孔のうちの一部が複数の貫通孔が直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられている例を示したがこれに限らない。たとえば、複数の光源が直線状に配置された状態から曲線状またはVの字状になるように位置をずらして設けられるとともに、光学シートは、複数の貫通孔のうちの一部が複数の貫通孔が直線状に配置されていてもよい。
【0076】
また、上記第3実施形態では、光学シートは、光源の直上の領域における単位面積当たりの複数の貫通孔の割合が、光源の直上の領域以外の他の領域における単位面積当たりの複数の貫通孔の割合よりも小さくなるように構成されている例を示したがこれに限らない。たとえば、光源の直上の領域に貫通孔が設けられていなくともよい。
【0077】
また、上記第4実施形態では、光学シートは、隣接する貫通孔を入れ替える例を示したがこれに限らない。たとえば、隣接していない孔径の異なる貫通孔と入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 光源
2、12、31、42 光学シート
3 拡散板
10 面光源装置
20 表示部
21 透過部
21a 貫通孔
21b 外縁部
21c 第1の貫通孔
21d 第2の貫通孔
100、200、300、400 表示装置