(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20241001BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20241001BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20241001BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/0484
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2020097399
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】坂口 勝俊
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特許第6206858(JP,B1)
【文献】特開2017-21490(JP,A)
【文献】特開2004-234426(JP,A)
【文献】米国特許第7444599(US,B1)
【文献】特表2015-527626(JP,A)
【文献】特開2014-71641(JP,A)
【文献】特開2006-163948(JP,A)
【文献】特開2013-77211(JP,A)
【文献】特許第5802830(JP,B2)
【文献】特開2020-42730(JP,A)
【文献】特許第5678913(JP,B2)
【文献】特許第6053332(JP,B2)
【文献】特許第6390213(JP,B2)
【文献】特開2018-45421(JP,A)
【文献】特開2018-31950(JP,A)
【文献】特開2020-13371(JP,A)
【文献】特開2020-80040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、複数項目からなる一覧情報
及び当該一覧情報の端部の領域に配されユーザの操作を受け付ける受付ボタンをユーザ操作に基づいて上下方向又は左右方向に移動させて、当該一覧情報
及び当該受付ボタンにおける一部の
領域を表示領域上に第1画像として表示するスクロール表示を行い、
前記表示領域のスクロール方向の端部に、
表示されていなかった第2画像
が表示されることにより、前記第1画像の少なくとも一部が視認不可能に
なる場合、前記第1画像のスクロール範囲の前記第2画像が表示される側に、前記第2画像のスクロール方向における幅分の領域を追加することにより、前記第1画像のスクロール範囲を変更する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2画像は、前記第2画像に対するユーザの操作により消すことができない画像である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2画像は、自装置または他装置で発生したエラーを解消することで消すことができる画像である請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1画像とともに、前記表示領域に表示されている前記第1画像の前記スクロール範囲中における位置を示すスクロールバーを表示し、
前記第2画像を前記第1画像に重畳して表示する際に、前記スクロールバーの表示位置を変更する請求項1から
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記表示領域に表示されている前記第1画像の前記スクロール範囲中における割合を、前記スクロールバーの大きさにより表し、
前記第2画像を前記第1画像に重畳して表示する際に、前記スクロールバーの大きさ
を変更する請求項
4記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数項目からなる一覧情報
及び当該一覧情報の端部の領域に配されユーザの操作を受け付ける受付ボタンをユーザ操作に基づいて上下方向又は左右方向に移動させて、当該一覧情報
及び当該受付ボタンにおける一部の
領域を表示領域上に第1画像として表示するスクロール表示を行うステップと、
前記表示領域のスクロール方向の端部に、
表示されていなかった第2画像
が表示されることにより、前記第1画像の少なくとも一部が視認不可能に
なる場合、前記第1画像のスクロール範囲の前記第2画像が表示される側に、前記第2画像のスクロール方向における幅分の領域を追加することにより、前記第1画像のスクロール範囲を変更するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アイコン等の第1の画像上の少なくとも一部にバナー等の第2の画像が重なる重畳状態の場合に、第1の画像および第2の画像の少なくとも一方の表示位置を変更することにより、ユーザが第2の画像を選択しようとして誤って第1の画像を選択してしまうことを抑制するようにした画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、選択可能な第1画像が表示されている表示領域に第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、複数項目からなる一覧情報及び当該一覧情報の端部の領域に配されユーザの操作を受け付ける受付ボタンをユーザ操作に基づいて上下方向又は左右方向に移動させて、当該一覧情報及び当該受付ボタンにおける一部の領域を表示領域上に第1画像として表示するスクロール表示を行い、前記表示領域のスクロール方向の端部に、表示されていなかった第2画像が表示されることにより、前記第1画像の少なくとも一部が視認不可能になる場合、前記第1画像のスクロール範囲の前記第2画像が表示される側に、前記第2画像のスクロール方向における幅分の領域を追加することにより、前記第1画像のスクロール範囲を変更する情報処理装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第2画像が、前記第2画像に対するユーザの操作により消すことができない画像である請求項1記載の情報処理装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記第2画像が、自装置または他装置で発生したエラーを解消することで消すことができる画像である請求項2記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項4に係る本発明は、前記プロセッサが、前記第1画像とともに、前記表示領域に表示されている前記第1画像の前記スクロール範囲中における位置を示すスクロールバーを表示し、
前記第2画像を前記第1画像に重畳して表示する際に、前記スクロールバーの表示位置を変更する請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項5に係る本発明は、前記プロセッサが、前記表示領域に表示されている前記第1画像の前記スクロール範囲中における割合を、前記スクロールバーの大きさにより表し、
前記第2画像を前記第1画像に重畳して表示する際に、前記スクロールバーの大きさを変更する請求項4記載の情報処理装置である。
【0014】
[プログラム]
請求項6に係る本発明は、複数項目からなる一覧情報及び当該一覧情報の端部の領域に配されユーザの操作を受け付ける受付ボタンをユーザ操作に基づいて上下方向又は左右方向に移動させて、当該一覧情報及び当該受付ボタンにおける一部の領域を表示領域上に第1画像として表示するスクロール表示を行うステップと、
前記表示領域のスクロール方向の端部に、表示されていなかった第2画像が表示されることにより、前記第1画像の少なくとも一部が視認不可能になる場合、前記第1画像のスクロール範囲の前記第2画像が表示される側に、前記第2画像のスクロール方向における幅分の領域を追加することにより、前記第1画像のスクロール範囲を変更するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、選択可能な第1画像が表示されている表示領域に第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、複数項目からなる一覧情報をスクロール表示する第1画像の表示領域の端部に、第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、複数項目からなる一覧情報をスクロール表示する第1画像の表示領域の端部に、第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、複数項目からなる一覧情報をスクロール表示する第1画像の表示領域の端部に受付ボタンが配置されていて、この第1画像の表示領域の端部に第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像に配置されている受付ボタンを視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によれば、選択可能な第1画像が表示されている表示領域に、ユーザの操作により消すことができない第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によれば、選択可能な第1画像が表示されている表示領域に、発生したエラーが解消されるまで消すことができない第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
【0022】
請求項4に係る本発明によれば、第1画像の表示領域の端部に第2画像が重畳して表示
されている場合に、ユーザは、第1画像の端部の領域を第2画像と重畳しないような位置
までスクロール操作を行うことが可能であることを知ることが可能となる。
【0023】
請求項5に係る本発明によれば、第1画像の表示領域の端部に第2画像が重畳して表示
されている場合に、ユーザは、第1画像の端部の領域を第2画像と重畳しないような位置
までスクロール操作を行うことが可能であることを知ることが可能となる。
【0024】
請求項6に係る本発明によれば、選択可能な第1画像が表示されている表示領域に第2
画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、
選択するための操作が可能なプログラムを提供することができる。
また、請求項6に係る本発明によれば、複数項目からなる一覧情報をスクロール表示す
る第1画像の表示領域の端部に、第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像
は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能なプログラムを提供する
ことができる。
また、請求項6に係る本発明によれば、複数項目からなる一覧情報をスクロール表示する第1画像の表示領域の端部に、第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像を視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
また、請求項6に係る本発明によれば、複数項目からなる一覧情報をスクロール表示する第1画像の表示領域の端部に受付ボタンが配置されていて、この第1画像の表示領域の端部に第2画像を重畳して表示する場合であっても、第2画像は表示させたまま第1画像に配置されている受付ボタンを視認し、選択するための操作が可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態における携帯端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における携帯端末10の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】携帯端末10の表示画面上に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図5】
図4に示した操作画面上にバナー画像52が表示された場合の一例を示す図である。
【
図6】バナー画像52が操作ボタン51を覆うように表示されている状態において、ユーザが操作画面上の一部をタップしてスクロール操作を行う様子を示す図である。
【
図7】バナー画像52が操作ボタン51を覆うように表示されている状態において、ユーザが操作画面上の一部をタップしてスクロール操作を行う様子を示す図である。
【
図8】ユーザの操作により、操作ボタン51がバナー画像52とは重ならない位置にまで移動した際の様子を示す図である。
【
図10】スクロール表示が行われる際のスクロール範囲と表示領域との関係を説明するための図である。
【
図11】スクロール表示が行われる操作画面上にバナー画像62が表示された場合の一例を示す図である。
【
図12】スクロールする操作画面上にバナー画像62を重畳して表示する際の制御部34の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】バナー画像62が重畳されていない状態のスクロール範囲を示す図である。
【
図14】バナー画像62が重畳されている状態のスクロール範囲を示す図である。
【
図15】スクロール範囲が変更された携帯端末10における操作画面例を示す図である。
【
図16】ユーザが操作画面をタッチして下方向にスクロール操作を行うことにより操作画面がさらに移動する様子を示す図である。
【
図17】操作ボタン61がバナー画像62とは重ならない位置にまで移動した際の様子を示す図である。
【
図18】ホールド状態によりスクロール操作が可能となる場合の操作例を説明するための図である。
【
図19】ホールド状態によりスクロール操作が可能となる場合の操作例を説明するための図である。
【
図20】表示要素間に依存関係がある場合の操作画面例を示す図である。
【
図21】バナー画像83が表示されて変更ボタン81が隠れてしまった状態を示す図である。
【
図22】変更ボタン81を移動するようなスクロール操作を行ったことによりプリセットボタン82が表示領域外となってしまい表示されなくなる様子を示す図である。
【
図23】操作画面の各表示要素を縮小した場合の操作画面例を示す図である。
【
図24】プリセットボタン82の表示位置を変更した場合の操作画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【0028】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、
図1に示されるように、携帯端末10が無線LANターミナル30、インターネット40経由で、各種のサービスを提供しているサーバ装置20と接続された構成となっている。なお、本実施形態における携帯端末10は、例えばスマートフォン等の情報処理装置である。
【0029】
次に、本実施形態の情報処理システムにおける携帯端末10のハードウェア構成を
図2に示す。
【0030】
携帯端末10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、フラッシュメモリ等の記憶装置13、公衆移動電話ネットワークやインターネット40を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル等のユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0031】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、携帯端末10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムを外部の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0032】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される携帯端末10の機能構成を示すブロック図である。
【0033】
本実施形態の携帯端末10は、
図3に示されるように、操作入力部31と、表示部32と、データ送受信部33と、制御部34と、データ格納部35とを備えている。
【0034】
操作入力部31は、ユーザにより行われた各種操作情報を入力する。表示部32は、制御部34により制御され、ユーザに各種情報を表示する。なお、この操作入力部31と表示部32とによりタッチパネルが構成されている。
【0035】
データ送受信部34は、サーバ装置20等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。制御部34は、携帯端末10の動作全体を制御している。データ記憶部35は、制御部34が各種処理を実行する際の各種データを記憶する。
【0036】
そして、制御部34は、各種処理を実行する際に、表示部32を制御して、ユーザに様々な操作画面を表示して、ユーザからの各種操作を受け付けている。このような操作画面には、メニュー画面や各種設定画面のように操作に関する入力を受け付ける入力受け付け用の表示要素の他に、機能を説明するガイド表示や機能設定時の禁則といったユーザ操作を補助するためのメッセージが表示要素として表示される場合がある。そして、このようなメッセージをユーザに通知するために、ユーザ操作を受け付けるための表示要素上に、バナー画像を重畳して表示する場合がある。
【0037】
しかし、このバナー画像を操作画面上において表示する場所は、例えば上端や下端のように予め設定されている場合が多い。そのため、操作画面上に選択ボタン等の入力受け付け用の表示要素が表示されている場所にバナー画像が重畳して表示された場合、この入力受け付け用の表示要素を操作して各種入力を行うことができなくなってしまう。
【0038】
特に、何等かのエラー通知等をバナー画像によりユーザに通知する際に、ユーザの操作によりこのバナー画像を消すことができない場合、ユーザはエラーが解消されるまで各種入力操作を行うことができなくなってしまう。
【0039】
このように制御部34が表示部32上にバナー画像を表示する際の具体例について
図4、
図5を参照して説明する。
【0040】
例えば、
図4に示すような操作画面が携帯端末10の表示画面上に表示されているものとして説明する。
図4に示した例では、ユーザを目的地まで誘導するためのナビゲーションアプリケーションプログラムを起動した際の操作画面例が示されている。そして、この操作画面には目的地検索等の操作ボタン51が表示されている。
【0041】
このような操作画面上にバナー画像52が表示された場合の一例を
図5に示す。
図5に示した操作画面例では、操作画面の上端部分にGPS信号が受信できないことをユーザに通知するためのバナー画像52が表示された場合が示されている。
【0042】
このようにバナー画像52が操作画面上に表示されると、操作画面上に表示されていた操作ボタン51がバナー画像52によって覆われてしまい、ユーザは操作ボタン51を操作できなくなってしまう。
【0043】
ここで、バナー画像52、バナー画像52に対するユーザの操作により消すことができない画像である。例えば、バナー画像52、自装置または他装置で発生したエラーを解消することで消すことができる画像である。なお、本実施形態においては、バナー画像52は、GPS信号を受信することができないというエラーをユーザに通知するためのものであり、GPS信号を受信することができるようになると自動的に消えるようになっている。
【0044】
そして、このバナー画像52が、GPS信号を受信できるようになるまで表示され続けるような場合、ユーザはGPS信号を受信できるような状態になるまで操作ボタン51を操作することができなくなってしまう。
【0045】
そのため、本実施形態の携帯端末10では、下記のような制御を行うことにより、選択可能な操作ボタン51等の画像が表示されている表示領域にバナー画像52を重畳して表示する場合であっても、バナー画像52は表示させたま操作ボタン51等の画像を視認し、選択するための操作が可能となるようにしている。
【0046】
具体的には、制御部34は、選択可能な操作ボタン51等の画像を操作画面上に表示させ、操作ボタン51等の画像が表示された領域を含む領域に、バナー画像52を操作ボタン51等の画像の少なくとも一部が視認不可能になるように重畳させて表示させる際に、下記のような制御を行う。
【0047】
制御部34は、バナー画像52が操作ボタン51等の画像の少なくとも一部が視認不可能になるように重畳して表示されている場合には、バナー画像52をその領域に表示させたまま、操作ボタン51等の画像を、視認可能にし、選択可能にするための操作を受け付けるよう制御する。
【0048】
具体的には、制御部34は、バナー画像52が、操作ボタン51等の画像の少なくとも一部が視認不可能になるように重畳して表示されている場合には、操作ボタン51等の画像を、バナー画像52と重畳しなくなるように移動させるような操作を受け付けるよう制御する。つまり、本来であれば操作ボタン51等の画像はユーザの操作により表示位置が移動するようには構成されていないにもかかわらず、バナー画像52が操作ボタン51等の画像上に重畳して表示されたことにより、ユーザの操作により表示位置が移動するような制御が行われる。
【0049】
このような制御が行われる様子を
図6~
図8を参照して説明する。
【0050】
図6では、バナー画像52が操作ボタン51を覆うように表示されている状態において、ユーザが操作画面上の一部をタップしてスクロール操作を行う様子が示されている。
【0051】
そして、ユーザがこのようなスクロール操作を行うことにより、本来はスクロール表示を行うようには構成されていなかった操作画面全体が
図7に示すように移動する。その結果、
図8に示すように、操作ボタン51は、バナー画像52とは重ならない位置にまで移動する。そのため、ユーザは、バナー画像52が表示されたままの状態において、操作ボタン51を視認することが可能となるとともに、この操作ボタン51を操作することができるようになる。
【0052】
ここで、操作ボタン51は、ユーザが操作ボタン51の少なくとも一部または全部を視認することが可能な状態までスクロール操作をした後、スクロール操作を止めた場合であっても、操作ボタン51は視認することが可能な状態のまま、操作画面に表示が維持される。また、操作ボタン51は、操作画面上の任意の位置まで、例えば、
図8における操作ボタン51の位置よりも下方へスクロールすることが可能であってもよいし、スクロールを止めた位置に、視認可能な状態で表示が維持されてもよい。また、操作ボタン51を視認可能な状態を視認不可能な状態にするための操作を受け付ける操作ボタン等の画像を、操作ボタン51のスクロール後に表示してもよい。当該画像は、操作ボタン51を含む領域の画像53に重畳して表示してもよいし、操作画面上の任意の位置に表示しても良い。
【0053】
[スクロールする操作画面を用いた実施形態]
上記の実施形態においては、本来はスクロールしない操作画面上にバナー画像を表示する場合について説明した。次に、以下の説明では、スクロールする操作画面上にバナー画像を表示する場合について説明する。
【0054】
本実施形態においては、制御部34は、複数項目からなる一覧情報をユーザ操作に基づいて上下方向又は左右方向に移動させて、この一覧情報における一部の項目を表示領域上に操作画面の画像として表示するスクロール表示を行う。
【0055】
このように制御部34が、スクロールする操作画面上にバナー画像を表示する際の具体例について
図9~
図11を参照して説明する。
【0056】
例えば、
図9に示すような操作画面が携帯端末10の表示画面上に表示されているものとして説明する。
図9はスクロールする操作画面の一例を示す図である。
図9に示した例では、電子メール送受信アプリケーションプログラムを起動して、受信した電子メールを一覧表示する操作画面例が示されている。そして、この操作画面には、複数の受信メールの一覧情報とともに、検索ボタン、並び替えボタン等の操作ボタン61が表示されている。また、操作画面の右側の端部には、スクロールバー70が表示されている。このスクロールバー70は、表示領域に表示されている操作画面の画像のスクロール範囲中における位置と割合を示している。
【0057】
次に、このようなスクロール表示が行われる際のスクロール範囲と表示領域との関係について
図10を参照して説明する。
【0058】
図10を参照すると、表示すべき情報が表示画面上において割り当てられている表示領域よりも広い場合に、この表示すべき情報の全体をスクロール範囲として、スクロール表示が行われる様子が示されている。そして、このスクロール表示が行われる場合、スクロール操作に伴って表示領域が移動することにより、スクロール範囲のうちの表示領域に含まれる一部の情報が操作画面として表示される。
【0059】
このようなスクロール表示が行われる操作画面上にバナー画像62が表示された場合の一例を
図11に示す。
図11に示した操作画面例では、操作画面の上端部分に広告情報をユーザに通知するためのバナー画像62が表示された場合が示されている。なお、本実施形態では、スクロール方向が上下方向で操作画面の上端部分にバナー画像を重畳して表示する場合を用いて説明するが、下端部にバナー画像を重畳して表示する場合でも本発明は同様に適用可能である。さらに、スクロール方向が左右方向の場合には、操作画面の左端部分や右端部分にバナー画像を重畳して表示する場合でも同様に本発明を適用可能である。
【0060】
このようにバナー画像62が操作画面上に表示されると、操作画面上に表示されていた操作ボタン61がバナー画像62によって覆われてしまい、ユーザは操作ボタン61を操作できなくなってしまう。
【0061】
なお、スクロール表示が行われる場合、ユーザのスクロール操作により表示内容は移動するが、バナー画像62が操作画面の上端に表示された場合、スクロール範囲の上端に配置されている操作ボタン61については、ユーザがどれだけ下方向にスクロール操作を行ったとしてもバナー画像62と重なってしまう。
【0062】
そのため、本実施形態においては、制御部34は、このようなスクロール表示を行う際に、表示領域のスクロール方向の端部にバナー画像を重畳して表示する場合、操作画面の画像をスクロールして表示領域がスクロール範囲の端部まで移動した場合であっても、その端部における領域がバナー画像により隠されずに表示されるように操作画面の画像のスクロール範囲を変更する。
【0063】
具体的には、制御部34は、操作画面の画像のスクロール方向の端部にバナー画像62を重畳して表示する場合、操作画面の画像のスクロール範囲のバナー画像62が重畳して表示される側に、バナー画像62の幅分の領域を追加することにより、操作画面の画像をスクロールして表示領域がスクロール範囲の端部まで移動した場合であっても、その端部における領域がバナー画像62により隠されずに表示されるようにする。
【0064】
つまり、操作画面の画像のスクロール範囲の端部の領域に、ユーザの操作を受け付ける受付ボタンが含まれている場合であっても、制御部34は、操作画面の画像をスクロールして表示領域がスクロール範囲の端部まで移動した場合であっても、受付ボタンがバナー画像62により隠されずに表示されるようにする。
【0065】
なお、制御部34は、操作画面の画像とともに、表示領域に表示されている操作画面の画像のスクロール範囲中における位置を示すスクロールバーを表示する。そのため、制御部34は、バナー画像62を操作画面の画像に重畳して表示する際に、このスクロールバーの表示位置を変更する。
【0066】
さらに、制御部34は、表示領域に表示されている操作画面の画像のスクロール範囲中における割合を、スクロールバーの大きさにより表している。そのため、制御部34は、バナー画像62を操作画面の画像に重畳して表示する際に、このスクロールバーの大きさ変更する。
【0067】
次に、スクロールする操作画面上にバナー画像62を重畳して表示する際の制御部34の動作を
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
まず、制御部34は、ステップS101において、スクロール表示する操作画面上にバナー画像62を重畳して表示する。
【0069】
すると、制御部34は、ステップS102において、スクロール範囲にバナー画像62の高さ、つまり縦幅を加算する。
【0070】
例えば、
図9において示した操作画面例におけるスクロール範囲が
図13に示すような範囲であった場合、バナー画像62が重畳されている状態のスクロール範囲は
図14に示すような範囲となる。
【0071】
つまり、バナー画像62が重畳されている状態のスクロール範囲は、
図13に示したスクロール範囲に、バナー画像62の縦幅分が加算されたものとなっているのが分かる。
【0072】
そして、制御部34は、ステップS103において、バナー画像62の縦幅分が加算された後のスクロール範囲が、表示領域よりも大きいか否かを判定する。
【0073】
ここで、スクロール範囲が表示領域よりも小さい場合には、そもそもスクロール表示を行うことなくスクロール範囲の全ての表示内容を表示することが可能であるため、スクロールバー70を表示する必要が無い。
【0074】
そのため、制御部34は、スクロール範囲が、表示領域と同じか小さい場合には、処理をそのまま終了し、表示領域よりも大きい場合には、ステップS104において、スクロールバー70の表示を更新する。
【0075】
なお、スクロール範囲にバナー画像62の縦幅分を加算する前からスクロール範囲が表示領域よりも大きい場合でも、スクロール範囲が大きくなったことによりスクロールバー70の大きさを変化させ、また現在の表示位置が変化することによりスクロールバー70の表示位置を変更する必要性が発生する。
【0076】
そのため、スクロール範囲にバナー画像62の縦幅分を加算する前からスクロール範囲が表示領域よりも大きい場合でも、スクロールバー70の表示を更新する必要がある。
【0077】
このようにスクロール範囲が変更された携帯端末10における操作画面例を
図15に示す。
図15に示した操作画面では、
図11に示した操作画面に対して、スクロールバー70の大きさは小さくなるとともに、表示位置が下に移動している。
【0078】
ここで、スクロールバー70の大きさが小さくなっているのは、スクロールバー70の大きさがスクロール範囲全体に対する表示領域の割合を示しているため、スクロール範囲全体の大きさがバナー画像62の縦幅分だけ大きくなり、表示領域自体の大きさは変更がないためである。
【0079】
なお、スクロールバー70の表示とスクロール可能範囲はかならずしも一致している必要はなく、スクロールバー70の大きさ及び位置が、表示領域のスクロール範囲における割合や位置とずれていても良い。つまり、スクロールバー70が最上部にある場合でも、バナー画像62が重畳表示された状態であれば、バナー画像62の縦幅分だけさらに下方向にスクロール操作可能となっていても良い。
【0080】
そして、スクロール範囲が変更されたことにより、
図15に示すように、ユーザが操作画面をタッチして下方向にスクロール操作を行うと、操作画面が
図16に示すようにさらに移動する。その結果、
図17に示すように、操作ボタン61は、バナー画像62とは重ならない位置にまで移動する。そのため、ユーザは、バナー画像62が表示されたままの状態において、操作ボタン61を視認することが可能となるとともに、この操作ボタン61を操作することができるようになる。
【0081】
なお、
図15~
図17では、フリック操作と呼ばれる通常のスクロール操作により操作画面がさらに下方にスクロールする場合について説明したが、スクロール範囲が変更されて通常よりも広い範囲でスクロール操作を可能とする場合には、通常の操作とは異なる操作によりスクロール表示を行うようにしても良い。
【0082】
例えば、ユーザが操作画面上にタッチして、数秒間以上その状態を継続してホールド状態になった場合に、スクロール操作を可能とするようなことも可能である。
【0083】
このようにホールド状態によりスクロール操作が可能となる場合の操作例を
図18、
図19に示す。
【0084】
図18に示す操作画面では、フリック操作と呼ばれる通常のスクロール操作では画面のスクロールが行われないが、ユーザがタップ状態を一定期間以上継続して、
図19に示すようにホールド状態に移行した場合にスクロール操作が可能となっている。
【0085】
なお、上記で説明した実施形態では、バナー画像62が操作画面上に表示されたことにより、通常のスクロール範囲を拡張してバナー画像62に重畳した表示要素をバナー画像62と重ならない位置まで移動できるようにしている。
【0086】
しかし、操作画面上に表示される複数の表示要素間に依存関係がある場合、このように通常のスクロール範囲を変更すると、問題が発生する場合がある。
【0087】
ここで、複数の表示要素間に依存関係があるとは、ある表示要素と他の表示要素とを連携して操作する必要がある場合を意味する。つまり、ある表示要素を選択してから、他の表示要素を操作することにより、特定の処理が実行されるような関係が存在することを意味している。
【0088】
このような表示要素間に依存関係がある場合の具体例について
図20~
図24を参照して説明する。
【0089】
図20に示した操作画面例では、変更ボタン81とプリセットボタン82との間に依存関係があるものとして説明する。具体的には、プリセットボタン82を選択してから変更ボタン81を押下することにより入力処理が開始するというように、変更ボタン81とプリセットボタン82とを連携して操作することによりある特定の処理が実行されるものとして説明する。
【0090】
このような操作画面上においてバナー画像83が表示されて変更ボタン81が隠れてしまった状態を
図21に示す。
図21に示した操作画面では、変更ボタン81上にバナー画像83が重畳された状態となっていて、変更ボタン81を操作することができなくなっている。
【0091】
ここで、上記で説明したような方法によってスクロール範囲をバナー画像83の縦幅分だけ拡張した場合の操作画面例を
図22に示す。
図22に示す操作画面例では、操作画面をさらに下方にスクロールさせて変更ボタン81をバナー画像83に隠されない位置まで移動することが可能である。しかし、変更ボタン81を移動するようなスクロール操作を行ったことによりプリセットボタン82が表示領域外となってしまい表示されなくなってしまっている。
【0092】
このように依存関係にある2つの表示要素、つまり変更ボタン81とプリセットボタン82が常に同時に表示されるように表示領域の大きさや変更ボタン81及びプリセットボタン82の配置位置を設定されているにもかかわらず、スクロール範囲が変化したことにより変更ボタン81とプリセットボタン82が同時に表示されないような状態となってしまう可能性がある。
【0093】
そして、このように依存関係にある2つの表示要素が同時に表示されなくなると、ユーザ操作の視覚性が低下し、操作性が悪化してしまうことになる。
【0094】
そこで、複数の表示要素間に依存関係がある場合には、スクロール範囲を変更することにより複数の表示要素が同時に表示されないような可能性がある場合には、表示要素を縮小して表示するようにする。具体的には、
図23に示すように、操作画面の各表示要素を縮小して、バナー画像83と重畳しないような位置まで変更ボタン81を移動させた場合でも、プリセットボタン82が表示領域内に残るようにする。
【0095】
または、表示要素を並び替えて表示することにより、複数の表示要素が同時に表示されなくなるのを防ぐようにしても良い。具体的には、スクロール範囲を変更することにより複数の表示要素が同時に表示されないような可能性がある場合に、
図24に示すようにプリセットボタン82の表示位置を変更して、バナー画像83と重畳しないような位置まで変更ボタン81を移動させた場合でも、プリセットボタン82が表示領域内に残るようにする。
【0096】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0097】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0098】
[変形例]
上記実施形態では、スマートフォン等の携帯端末の操作画面上にバナー画像を表示する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成装置、パーソナルコンピュータ等の各種情報処理装置の操作画面上にバナー画像のような通知画像を重畳して表示するような場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0099】
10 携帯端末
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
20 サーバ装置
30 無線LANターミナル
31 操作入力部
32 表示部
33 データ送受信部
34 制御部
35 データ格納部
40 インターネット
51 操作ボタン
52 バナー画像
53 画像
61 操作ボタン
62 バナー画像
70 スクロールバー
81 変更ボタン
82 プリセットボタン
83 バナー画像