(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20241001BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241001BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B41J29/38 201
G06F3/12 303
G06F3/12 341
G06F3/12 356
H04N1/00 Z
(21)【出願番号】P 2020103208
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ヴィンセント・マラニョン
(72)【発明者】
【氏名】ディネル・カビレス
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-025961(JP,A)
【文献】特開2003-345186(JP,A)
【文献】特開2007-058384(JP,A)
【文献】特開2004-258830(JP,A)
【文献】特開2006-195606(JP,A)
【文献】特開2004-126859(JP,A)
【文献】特開2009-301376(JP,A)
【文献】特開2004-341603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置を備える画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置は、印刷要求と印刷データとを含む印刷ジョブを受け付ける第1画像形成装置と、当該第1画像形成装置から送信された印刷ジョブを実行する少なくとも1つ以上の第2画像形成装置とを含み、
前記第1画像形成装置は、受け付けた印刷ジョブにかかる印刷要求に含まれる印刷条件が示す印刷頁数及び印刷部数と、当該印刷ジョブにかかる印刷データのデータサイズを取得する取得部と、
予め定められた基準頁数、予め定められた基準部数、及び、予め定められた基準データサイズをそれぞれ記憶する記憶部と、
前記印刷頁数が前記基準頁数を超える第1条件、前記印刷部数が前記基準部数を超える第2条件、及び、前記データサイズが前記基準データサイズを超える第3条件のうちの少なくとも1つが成立するか、全てが不成立であるかを判定する判定部と、
前記判定部が前記少なくとも1つが成立すると判定すると、前記印刷ジョブを分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する生成部と、
前記判定部が当該成立と判定すると、前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行し、前記判定部が前記不成立と判定すると、前記印刷ジョブによる印刷を実行する第1印刷部と、
前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブを前記第2画像形成装置に送信する第1通信部と、を備え、
前記第2画像形成装置は、
前記第1通信部から送信された前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブを受信する第2通信部と、
前記第2通信部が受信した前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する第2印刷部と、を備え
、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との合計数である装置数を特定する特定部を、更に備え、
前記判定部は、前記少なくとも1つが成立すると判定すると、前記印刷部数を前記装置数で割った第1値が自然数であるか否かを判定すると共に、前記印刷頁数を前記装置数で割った第2値が自然数であるか否かを判定し、
前記生成部は、前記第1条件、前記第2条件、及び前記第3条件の何れが成立したかに関わらず、(i)前記判定部にて前記第1値のみが自然数であると判定された場合、前記印刷ジョブの前記印刷部数を前記装置数で分割して前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成し、(ii)前記判定部にて前記第2値のみが自然数であると判定された場合、前記印刷ジョブの前記印刷頁数を前記装置数で分割して前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成し、(iii)前記判定部にて前記第1値及び前記第2値の何れもが自然数でないと判定された場合、前記印刷ジョブの前記印刷部数又は前記印刷頁数の予め定められた一方を前記装置数で割った商と余りとからなる前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、前記印刷ジョブの当該予め定められた一方を前記装置数で割った商からなる前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成し、(iv)前記判定部にて前記第1値及び前記第2値の何れもが自然数であると判定された場合、前記印刷ジョブの前記印刷部数又は前記印刷頁数の予め定められた一方を前記装置数で分割して前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する、画像形成システム。
【請求項2】
前記第1画像形成装置は、表示部と、
ユーザーにより操作される操作部と、
制御部と、を更に備え、
前記制御部は、ユーザーにより前記操作部に対して分散印刷指示があった場合、前記判定部が当該成立と判定すると、前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する旨と、前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する旨とを、前記表示部に表示させる、請求項
1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第2画像形成装置の前記第2通信部は、前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を示すステータス情報を前記第1画像形成装置に送信し、
前記第1画像形成装置の前記第1通信部は、前記第2画像形成装置からのステータス情報を受信し、
前記制御部は、前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷状況を示すステータス情報に基づいて、前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を、前記表示部に表示させると共に、前記第1通信部が受信した前記第2画像形成装置からのステータス情報に基づいて、前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を、前記表示部に表示させる、請求項
2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザーにより前記操作部に対して分散印刷指示があった場合、前記判定部が前記不成立と判定すると、当該分散印刷を実行しない旨と、前記印刷ジョブによる印刷を実行する旨とを、前記表示部に表示させる、請求項
2又は請求項
3に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置を備える画像形成システムに関し、特に、複数の画像形成装置に分散して印刷処理を行わせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、複合機、プリンターなどの画像形成装置において、大量の文書等が印刷されることがある。大量の文書等を印刷する場合、印刷を終了するまでに多大な時間を要してしまう。そこで、印刷時間を短縮するため、複数の画像形成装置に分散して印刷処理を行わせることがある。
【0003】
例えば、下記の特許文献1に記載された画像形成装置は、ユーザーによる分散印刷指示があった場合に、印刷データを複数に分割した各分割印刷データを複数の画像形成装置に出力し、複数の画像形成装置にて分割印刷データによる印刷処理を行っている。また、この画像形成装置は、ユーザーによる分散印刷指示がなかった場合であっても、印刷データのデータサイズが画像形成装置の制限値を越えていると判定されると、印刷データを複数に分割した各分割印刷データを複数の画像形成装置に出力し、複数の画像形成装置にて分割印刷データによる印刷処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の画像形成装置では、ユーザーによる分散印刷指示があれば、データサイズが小さい印刷データについても分散印刷が行われるので、印刷時間よりも、ユーザーが複数の画像形成装置に出向いて各印刷物を収集する時間の方が長くなることがあり、不必要な分散印刷が実行されるという問題がある。また、カラーの印刷データは、モノクロの印刷データよりもデータサイズが大きい。上記の画像形成装置では、印刷データのデータサイズのみで、分散印刷の実行の有無を判定しているので、印刷頁数又は印刷部数が多いモノクロの印刷データの場合にそのデータサイズが制限値以下であれば、分散印刷が実行されない。すなわち、上記の画像形成装置では、分散印刷を的確に実行することができない。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、分散印刷を的確に実行することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成システムは、ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置を備える画像形成システムであって、前記複数の画像形成装置は、印刷要求と印刷データとを含む印刷ジョブを受け付ける第1画像形成装置と、当該第1画像形成装置から送信された印刷ジョブを実行する少なくとも1つ以上の第2画像形成装置とを含み、前記第1画像形成装置は、受け付けた印刷ジョブにかかる印刷要求に含まれる印刷条件が示す印刷頁数及び印刷部数と、当該印刷ジョブにかかる印刷データのデータサイズを取得する取得部と、予め定められた基準頁数、予め定められた基準部数、及び、予め定められた基準データサイズをそれぞれ記憶する記憶部と、前記印刷頁数が前記基準頁数を超える第1条件、前記印刷部数が前記基準部数を超える第2条件、及び、前記データサイズが前記基準データサイズを超える第3条件のうちの少なくとも1つが成立するか、全てが不成立であるかを判定する判定部と、前記判定部が前記少なくとも1つが成立すると判定すると、前記印刷ジョブを分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する生成部と、前記判定部が当該成立と判定すると、前記第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行し、前記判定部が前記不成立と判定すると、前記印刷ジョブによる印刷を実行する第1印刷部と、前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブを前記第2画像形成装置に送信する第1通信部と、を備え、前記第2画像形成装置は、前記第1通信部から送信された前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブを受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信した前記第2画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する第2印刷部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分散印刷を的確に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態にかかる画像形成システムを示す図である。
【
図2】実施形態にかかる画像形成システムにおける分散印刷処理の概要を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る第1画像形成装置の斜視図である。
【
図4】実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】(A)は第1画像形成装置のデータ記憶部に記憶されている基準データテーブルの一例を示す図、(B)は第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【
図6】第1画像形成装置における分散印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1画像形成装置における分割印刷ジョブ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2画像形成装置における分散印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1画像形成装置が複数の印刷ジョブ毎にジョブ分割の可否を判定することを説明するための図である。
【
図10】第1画像形成装置が複数の印刷ジョブ毎に頁数又は部数の何れでジョブ分割するのかを判定することを説明するための図である。
【
図11】第1画像形成装置が複数の印刷ジョブ毎に判定したジョブ分割の一例を示す図である。
【
図12】(A)及び(B)はそれぞれ、第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【
図13】(A)及び(B)はそれぞれ、第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【
図14】第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【
図15】(A)及び(B)はそれぞれ、第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成システムについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる画像形成システムを示す図である。実施形態の画像形成システム100は、
図1に示すように、ネットワークNを介して接続された複数(例えば4台)の画像形成装置1を備えている。
【0011】
図2は、実施形態にかかる画像形成システムにおける分散印刷処理の概要を示す図である。画像形成システム100は、
図2に示すように、ネットワークNを介して接続された複数(例えば4台)の画像形成装置1において、分散印刷が可能に構成されている。
【0012】
具体的には、
図2に示すように、4台の画像形成装置1のうちの1台は、第1画像形成装置1Aであり、他の3台は、第2画像形成装置1Bである。第1画像形成装置1Aは、印刷ジョブ(
図2では、例えば100頁を80部コピーするという印刷ジョブ)を受け付け、分散印刷モードにおいて当該印刷ジョブを4台分に分割した各分割印刷ジョブ(
図2では、例えば100頁を20部コピーするという分割印刷ジョブ)を生成し、そのうちの1つの分割印刷ジョブ(100頁を20部コピーするという分割印刷ジョブ)を実行する。一方、他の3台の第2画像形成装置1Bはそれぞれ、第1画像形成装置1Aからの分割印刷ジョブ(100頁を20部コピーするという分割印刷ジョブ)を受信して実行する。第1画像形成装置1A及び第2画像形成装置1Bには、分散印刷を可能とする分散印刷アプリケーションが予め記憶されている。
【0013】
なお、実施形態の画像形成システム100では、4台の画像形成装置1としているが、1台の第1画像形成装置1Aと1台以上の第2画像形成装置1Bとを備えていればよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る第1画像形成装置1Aは、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機(MFP)である。ここで第1画像形成装置1Aについて
図3、
図4を用いて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る第1画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図4は、実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0015】
第1画像形成装置1Aは、制御ユニット11Aと、表示部12Aと、操作部14と、タッチパネル15Aと、通信部16Aと、画像読取部17A、画像形成部18Aと、データ記憶部19Aとを備える。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0016】
画像読取部17Aは、例えば、原稿を光学的に読み取るスキャナーとしてのCCD(Charge Coupled Device)であり、この原稿の画像を示す画像データを生成する。画像読取部17Aは、自動原稿送り装置により搬送される原稿やフラットベッド上に載置された原稿を読み取る一般的な読取機構である。
【0017】
画像形成部18Aは、感光体ドラムの表面を均一帯電させ、感光体ドラムの表面を露光して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光体ドラムの表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラムの表面のトナー像(画像)を記録紙に転写して定着させる。例えば、画像形成部18Aは、画像読取部17Aによる原稿の読取で得られた原稿画像を記録紙に印刷(画像形成)したり、印刷ジョブにかかる印刷データが示す画像を記録紙に印刷(画像形成)したりする。なお、第1画像形成装置1Aの画像形成部18Aは、特許請求の範囲における第1印刷部の一例である。
【0018】
操作部14はユーザーにより操作されるハードキーを有し、表示部12Aとタッチパネル15Aとを備える。表示部12Aは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどの表示装置である。
【0019】
タッチパネル15Aは、表示部12Aの表示画面前面に配置されている。タッチパネル15Aは、表示部12Aの表示画面に表示されるボタンやキーに対するユーザーのタッチ操作を検出し、この検出信号を後述する制御部21Aに出力する。このため、ユーザーは、表示部12Aに触れて第1画像形成装置1Aを操作することができる。
【0020】
通信部16Aは、通信モジュールを備える通信インターフェイスであり、LAN(Local Area Network)や公衆回線などからなるネットワークNを通じて、各第2画像形成装置1Bとの間でデータ送受信を行う。また、通信部16Aは、図示しない情報処理装置(例えば、パーソナルコンピューター、サーバー、携帯情報端末など)との間でデータ送受信を行うことが可能であり、図示しない情報処理装置から送信されてきた印刷ジョブを受信する。なお、通信部16Aは、特許請求の範囲における第1通信部の一例である。
【0021】
データ記憶部19Aは、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。データ記憶部19Aは、図示しない情報処理装置から送信されてきて通信部16Aが受信した印刷ジョブを記憶する。
【0022】
制御ユニット11Aは、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU、ASICである。この制御ユニット11Aは、データ記憶部19Aに記憶された第1制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部21A、取得部22、特定部23、判定部24、及び生成部25として機能する。なお、制御ユニット11Aの上記制御部21A、取得部22、特定部23、判定部24、及び生成部25は、上記第1制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0023】
制御部21Aは、第1画像形成装置1Aの全体的な動作制御を司る。
【0024】
制御部21Aは、図示しない情報処理装置から送信されてきた印刷ジョブを通信部16Aが受信すると、通常の印刷の場合には、画像形成部18Aに、印刷ジョブにかかる印刷データが示す画像を記録紙に画像形成させ、後述する分散印刷の場合には、画像形成部18Aに、印刷ジョブを分割した分割印刷ジョブにかかる分割印刷データが示す画像を記録紙に画像形成させる。
【0025】
取得部22は、通信部16Aが受信してデータ記憶部19Aに記憶された印刷ジョブ、すなわち、受け付けた印刷ジョブにかかる印刷要求に含まれる印刷条件が示す印刷頁数NP及び印刷部数NCと、当該印刷ジョブにかかる印刷データのデータサイズPSを取得する。印刷ジョブは、出力先情報、出力形態情報などの印刷条件を含む印刷要求と、印刷データで構成されている。出力先情報は、出力先の装置のIPアドレス、名称などを示す情報である。出力形態情報は、例えば、印刷頁数NP、印刷部数NC、カラー・モノクロなどの出力形態を特定するための情報である。
【0026】
特定部23は、第1画像形成装置1Aと第2画像形成装置1Bとの合計数である装置数NDを特定する。例えば、特定部23は、複数の第2画像形成装置1Bからの応答信号に基づいて、第1画像形成装置1Aと第2画像形成装置1Bとのうちで利用可能な装置数NDを特定する。応答信号は、利用可能又は利用不可能を示す信号である。具体的には、特定部23は、2台の第2画像形成装置1Bからの応答信号の1つが利用可能を示す信号であり、他の1つが利用不可能を示す信号であり、他の1台の第2画像形成装置1Bからの応答信号がない場合、第1画像形成装置1Aの1台と、第2画像形成装置1Bの1台とを合わせた合計2台を、利用可能な装置数NDとして特定する。
【0027】
データ記憶部19Aは、予め定められた基準頁数CP、予め定められた基準部数CC、及び、予め定められた基準データサイズCPSをそれぞれ記憶している。
図5(A)は、第1画像形成装置のデータ記憶部に記憶されている基準データテーブルの一例を示す図である。例えば、データ記憶部19Aは、
図5(A)に示すように、予め定められた基準頁数CPが「500頁」、予め定められた基準部数CCが「10部」、及び、予め定められた基準データサイズCPSが「8MB」であることが記憶された基準データテーブルTB1を予め記憶している。
【0028】
判定部24は、取得部22が取得した印刷頁数NPが基準頁数CPを超えるという第1条件、取得部22が取得した印刷部数NCが基準部数CCを超えるという第2条件、及び、取得部22が取得したデータサイズPSが基準データサイズCPSを超えるという第3条件のうちの少なくとも1つが成立するか、全てが不成立であるかを判定する。なお、第1~第3条件は、データ記憶部19Aに予め記憶されている。
【0029】
更に、判定部24は、前記第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定すると、取得部22が取得した印刷部数NCを装置数NDで割った第1値TH1が自然数であるか否かを判定すると共に、取得部22が取得した印刷頁数NPを装置数NDで割った第2値TH2が自然数であるか否かを判定する。
【0030】
生成部25は、判定部24が前記第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定すると、印刷ジョブを分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。
【0031】
具体的には、生成部25は、(i)判定部24にて第1値TH1のみが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NCを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。
【0032】
また、生成部25は、(ii)判定部24にて第2値TH2のみが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷頁数NPを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。
【0033】
また、生成部25は、(iii)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数でないと判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方を装置数NDで割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、印刷ジョブの当該予め定められた一方を装置数NDで割った商からなる第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。
【0034】
また、生成部25は、(iv)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方を装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。
【0035】
画像形成部18Aは、判定部24が当該成立と判定すると、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行し、判定部24が前記不成立と判定すると、分散印刷ではなく、印刷ジョブによる印刷を実行する。
【0036】
通信部16Aは、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブを第2画像形成装置1Bに送信する。また、通信部16Aは、第2画像形成装置1Bからの後述するステータス情報を受信する。
【0037】
制御部21Aは、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷状況を示すステータス情報に基づいて、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を、表示部12Aに表示させると共に、通信部16Aが受信した第2画像形成装置1Bからのステータス情報に基づいて、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を、表示部12Aに表示させる。
【0038】
ここで、
図4に示す第2画像形成装置1Bの構成について説明する。第2画像形成装置1Bは、第1画像形成装置1Aにおける取得部22、特定部23、判定部24、及び生成部25を備えていない点が、第1画像形成装置1Aとは異なっており、それ以外は第1画像形成装置1Aと同じ構成である。すなわち、第2画像形成装置1Bは、表示部12Bと、タッチパネル15Bと、通信部16Bと、画像読取部17Bと、画像形成部18Bとを備えるが、これらは第1画像形成装置1Aの構成と同じであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0039】
第2画像形成装置1Bの制御ユニット11Bは、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU、ASICである。この制御ユニット11Bは、データ記憶部19Bに記憶された第2制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部21Bとして機能する。なお、制御ユニット11Bの上記制御部21Bは、上記第2制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0040】
制御部21Bは、第2画像形成装置1Bの全体的な動作制御を司る。
【0041】
通信部16Bは、第1画像形成装置1Aの通信部16Aから送信された第2画像形成装置用の分割印刷ジョブを受信する。また、通信部16Bは、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を示すステータス情報を第1画像形成装置1Aに送信する。なお、第2画像形成装置1Bの通信部16Bは、特許請求の範囲における第2通信部の一例である。
【0042】
第2画像形成装置1Bの画像形成部18Bは、通信部16Bが受信した第2画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する。なお、第2画像形成装置1Bの画像形成部18Bは、特許請求の範囲における第2印刷部の一例である。
【0043】
ここで、画像形成システム100における分散印刷処理について説明する。
図5(B)は、第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
図6は、第1画像形成装置における分散印刷処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、第1画像形成装置における分割印刷ジョブ生成処理の一例を示すフローチャートである。
図8は、第2画像形成装置における分散印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
第1画像形成装置1Aの制御部21Aは、表示部12Aに
図5(B)に示す表示画面が表示された状態において、分散印刷ボタンを示すキーK1の押下があると、
図6に示す分散印刷処理を開始する。具体的には、ユーザーがキーK1を押下すると、タッチパネル15AがキーK1の押下を受け付け、分散印刷処理の開始信号を制御部21Aに出力する。制御部21Aは、タッチパネル15Aからの分散印刷処理の開始信号に基づいて分散印刷処理を開始させる。
【0045】
第1画像形成装置1Aの制御部21Aは、当該第1画像形成装置1Aを分散印刷モードに設定すると共に、
図6に示すように、分散印刷モードを示す分散印刷モード信号を、通信部16Aから各第2画像形成装置1Bに送信させる(S11)。
【0046】
ところで、
図8に示すように、第2画像形成装置1Bの制御部21Bは、第1画像形成装置1Aから分散印刷モード信号を、通信部16Bが受信したか否かを判定する(S31)。制御部21Bは、通信部16Bが分散印刷モード信号を受信すると(S31でYES)、第2画像形成装置1Bを分散印刷モードに設定すると共に、第2画像形成装置1Bが利用可能な状態であれば、利用可能を示す応答信号を、通信部16Bから第1画像形成装置1Aに送信させ(S32)、第2画像形成装置1Bが利用不可能な状態(例えば、用紙切れ、トナー切れ、ジャムの発生などにより印刷不可能な場合)であれば、利用不可能を示す応答信号を、通信部16Bから第1画像形成装置1Aに送信させる(S32)。なお、第2画像形成装置1Bにおける
図8に示すS33~S36については後述する。
【0047】
図6に戻って、第1画像形成装置1Aの制御部21Aは、印刷ジョブの受信の有無を判定する(S12)。例えば、制御部21Aは、図示しない情報処理装置から送信されてきた印刷ジョブを通信部16Aが受信すると(S12でYES)、S13の処理に進み、受信していない場合(S12でNO)、S12の処理に戻り、印刷ジョブを受信するまで待機する。
【0048】
なおここでは、
図9に示すように、複数(7つ)の印刷ジョブのうち最初の1つの印刷ジョブ、つまり、ジョブIDが「1」である印刷ジョブを受け付けたとする。
図9は、第1画像形成装置が複数の印刷ジョブ毎にジョブ分割の可否を判定することを説明するための図である。なお、残りの6つの印刷ジョブ、すなわち、ジョブIDが「2」~「7」の各印刷ジョブについては後述する。
【0049】
取得部22は、ジョブIDが「1」である印刷ジョブにかかる印刷要求に含まれる印刷条件が示す印刷頁数NP及び印刷部数NCと、当該印刷ジョブにかかる印刷データのデータサイズPSを取得する(S13)。取得部22は、
図9に示すように、ジョブIDが「1」である印刷ジョブから、印刷頁数NPが「1000頁」、印刷部数NCが「3部」、データサイズPSが「40MB」であることを取得する。
【0050】
判定部24は、取得部22が取得した印刷頁数NPが基準頁数CPを超えるという第1条件、取得部22が取得した印刷部数NCが基準部数CCを超えるという第2条件、及び、取得部22が取得したデータサイズPSが基準データサイズCPSを超えるという第3条件のうちの少なくとも1つが成立するか、全てが不成立であるかを判定する(S14)。
【0051】
図9に示すように、ジョブIDが「1」である印刷ジョブの場合には、判定部24は、印刷頁数NPである「1000頁」が基準頁数CPである「500頁」を超えるという第1条件が成立し、印刷部数NCである「3部」が基準部数CCである「10部」未満であるので、第2条件が不成立であり、データサイズPSである「40MB」が基準データサイズCPSである「8MB」を超えるという第3条件が成立すると判定する(S14で「1つ以上が成立」)。すなわち、
図9に示すチェック結果が得られる。この場合、制御部21Aは、判定部24が「1つ以上が成立」と判定するので(S14で「1つ以上が成立」)、分割印刷ジョブ生成処理を実行する(S15)。また、制御部21Aは、
図9に示すジョブIDが「1」である印刷ジョブの場合、
図9に示すチェック結果において第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定部24において判定されているため、ジョブ分割が可能と判定し、最終結果が「OK」であると判定する。
【0052】
なおここで、他の印刷ジョブの場合についてジョブ分割の可否について、説明する。制御部21Aは、
図9に示すジョブIDが「2」~「4」及び「7」である印刷ジョブの場合、
図9に示すチェック結果において第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定部24において判定されているため、ジョブ分割が可能と判定し、最終結果が「OK」であると判定する。また、制御部21Aは、
図9に示すジョブIDが「6」である印刷ジョブの場合、
図9に示すチェック結果において第1~第3条件の全てが不成立であると判定部24において判定されているため(S14で「全てが不成立」)、ジョブ分割が不可能と判定し、最終結果が「NG」であると判定する。また、制御部21Aは、
図9に示すジョブIDが「5」である印刷ジョブの場合、
図9に示すチェック結果において第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定部24において判定されているが、装置数NDが「1」であるので、ジョブ分割が不可能と判定し、最終結果が「NG」であると判定する。
【0053】
図7は、第1画像形成装置における分割印刷ジョブ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
通信部16Aは、3台の第2画像形成装置1Bからの応答信号を受信する(S51)。ここでは、3台の第2画像形成装置1Bからの応答信号のうちの1つが利用可能を示す信号であり、他の2つが利用不可能を示す信号であったとする。
【0055】
特定部23は、3台の第2画像形成装置1Bからの応答信号に基づいて、利用可能な装置数NDを特定する(S52)。
図9に示すジョブIDが「1」である印刷ジョブの場合には、特定部23は、第1画像形成装置1Aの1台と、第2画像形成装置1Bの1台とを合わせた合計2台を、利用可能な装置数NDとして特定する。
【0056】
制御部21Aは、装置数NDが「1以下」であるか否かを判定する(S53)。ここでは、装置数NDが「2」であるため、制御部21Aは、装置数NDが「1以下」でないと判定し(S53でNO)、S54の処理に進む。一方、
図9に示す後述するジョブIDが「5」である印刷ジョブの場合には、装置数NDが「1」であるため、制御部21Aは、装置数NDが「1以下」であると判定し(S53でYES)、
図6に示すS19の処理に進む。
【0057】
更に、判定部24は、前記第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定すると(S14で「1つ以上が成立」)、取得部22が取得した印刷部数NCを装置数NDで割った第1値TH1を算出すると共に、取得部22が取得した印刷頁数NPを装置数NDで割った第2値TH2を算出し(S54)、第1値TH1が自然数であるか否かを判定すると共に、第2値TH2が自然数であるか否かを判定する(S55)。
【0058】
図10は、第1画像形成装置が複数の印刷ジョブ毎に頁数又は部数の何れでジョブ分割するのかを判定することを説明するための図である。
図10に示すジョブIDが「1」である印刷ジョブの場合には、上記のS14において、判定部24は、第1条件の成立を示す「YES」、第2条件の不成立を示す「NO」、第3条件の成立を示す「YES」と判定している。そして、判定部24は、ジョブIDが「1」である印刷ジョブの場合に、印刷部数NCである「3部」を装置数NDである「2」で割った第1値TH1が「1.5」となり、第1値TH1が自然数でない(つまり、
図10に示す「NO」)と判定すると共に、印刷頁数NPである「1000頁」を装置数NDである「2」で割った第2値TH2が「500」となり、第2値TH2が自然数である(つまり、
図10に示す「YES」)と判定する。
【0059】
生成部25は、(ii)判定部24にて第2値TH2のみが自然数であると判定された場合(S55で「第2値のみ自然数」)、印刷ジョブの印刷頁数NPを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する(S57)。
【0060】
図11は、第1画像形成装置が複数の印刷ジョブ毎に判定したジョブ分割の一例を示す図である。
図11に示すように、生成部25は、ジョブIDが「1」である印刷ジョブ(1000頁を3部コピーするという印刷ジョブ)の印刷頁数NPである「1000頁」を装置数NDである「2」で分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(500頁を3部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(500頁を3部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。
【0061】
ところで、
図10に示すジョブIDが「2」である印刷ジョブの場合には、上記のS14において、印刷頁数NPである「301頁」が基準頁数CPである「500頁」を超えないので、第1条件が不成立であり、印刷部数NCである「30部」が基準部数CCである「10部」を超えるという第2条件が成立すると判定し、データサイズPSである「8MB」が基準データサイズCPSである「8MB」を超えないので、第3条件が不成立であると判定する(S14で「1つ以上が成立」)。つまり、判定部24は、第1条件の不成立を示す「NO」、第2条件の成立を示す「YES」、第3条件の不成立を示す「NO」と判定される。そして、判定部24は、ジョブIDが「2」である印刷ジョブの場合に、印刷部数NCである「30部」を装置数NDである「2」で割った第1値TH1が「15」となり、第1値TH1が自然数である(つまり、
図10に示す「YES」)と判定すると共に、印刷頁数NPである「301頁」を装置数NDである「2」で割った第2値TH2が「150.5」となり、第2値TH2が自然数でない(つまり、
図10に示す「NO」)と判定する。
【0062】
生成部25は、(i)判定部24にて第1値TH1のみが自然数であると判定された場合(S55で「第1値のみ自然数」)、印刷ジョブの印刷部数を装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する(S56)。
【0063】
図11に示すように、生成部25は、ジョブIDが「2」である印刷ジョブ(301頁を30部コピーするという印刷ジョブ)の印刷部数である「30部」を装置数NDである「2」で分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。
【0064】
ところで、
図10に示すジョブIDが「7」である印刷ジョブの場合には、上記のS14において、印刷頁数NPである「1000頁」が基準頁数CPである「500頁」を超えるという第1条件が成立すると判定し、印刷部数NCである「2部」が基準部数CCである「10部」を超えないので、第2条件が不成立であると判定し、データサイズPSである「5MB」が基準データサイズCPSである「8MB」を超えないので、第3条件が不成立であると判定する(S14で「1つ以上が成立」)。つまり、判定部24は、第1条件の成立を示す「YES」、第2条件の不成立を示す「NO」、第3条件の不成立を示す「NO」と判定される。そして、判定部24は、ジョブIDが「7」である印刷ジョブの場合に、印刷部数NCである「2部」を装置数NDである「2」で割った第1値TH1が「1」となり、第1値TH1が自然数である(つまり、
図10に示す「YES」)と判定すると共に、印刷頁数NPである「1000頁」を装置数NDである「2」で割った第2値TH2が「500」となり、第2値TH2が自然数である(つまり、
図10に示す「YES」)と判定する。
【0065】
生成部25は、(iv)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数であると判定された場合(S55で「何れも自然数」)、印刷ジョブの印刷頁数NPを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する(S56)。
【0066】
図11に示すように、生成部25は、ジョブIDが「7」である印刷ジョブ(1000頁を2部コピーするという印刷ジョブ)の印刷頁数NPである「1000頁」を装置数NDである「2」で分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(500頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(500頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。
【0067】
ところで、
図10に示すジョブIDが「3」である印刷ジョブの場合には、上記のS14において、印刷頁数NPである「200頁」が基準頁数CPである「500頁」を超えないので、第1条件が不成立であると判定し、印刷部数NCである「2部」が基準部数CCである「10部」を超えないので、第2条件が不成立であると判定し、データサイズPSである「80MB」が基準データサイズCPSである「8MB」を超えるという第3条件が成立すると判定する(S14で「1つ以上が成立」)。つまり、判定部24は、第1条件の不成立を示す「NO」、第2条件の不成立を示す「NO」、第3条件の成立を示す「YES」と判定される。そして、判定部24は、ジョブIDが「3」である印刷ジョブの場合に、印刷部数NCである「2部」を装置数NDである「3」で割った第1値TH1が「0.66…」となり、第1値TH1が自然数でない(つまり、
図10に示す「NO」)と判定すると共に、印刷頁数NPである「200頁」を装置数NDである「3」で割った第2値TH2が「66.6…」となり、第2値TH2が自然数でない(つまり、
図10に示す「NO」)と判定する。
【0068】
生成部25は、(iii)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数でないと判定された場合(S55で「何れも自然数でない」)、印刷ジョブの印刷頁数NPを装置数NDで割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、印刷ジョブの印刷頁数NPを装置数NDで割った商からなる第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する(S58)。
【0069】
図11に示すように、生成部25は、ジョブIDが「3」である印刷ジョブ(200頁を2部コピーするという印刷ジョブ)の印刷頁数NPである「200頁」を装置数NDである「3」で割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(68頁(=商である「66頁」+余りである「2頁」)を2部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(商である66頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。
【0070】
なお、
図10に示すジョブIDが「4」である印刷ジョブの場合のように、部数で分割してもよい。具体的には、
図10に示すジョブIDが「4」である印刷ジョブの場合には、上記のS14において、印刷頁数NPである「501頁」が基準頁数CPである「500頁」を超えるという第1条件が成立すると判定し、印刷部数NCである「25部」が基準部数CCである「10部」を超えるという第2条件が成立すると判定し、データサイズPSである「6MB」が基準データサイズCPSである「8MB」を超えないので、第3条件が不成立であると判定する(S14で「1つ以上が成立」)。つまり、判定部24は、第1条件の成立を示す「YES」、第2条件の成立を示す「YES」、第3条件の不成立を示す「NO」と判定される。そして、判定部24は、ジョブIDが「4」である印刷ジョブの場合に、印刷部数NCである「25部」を装置数NDである「2」で割った第1値TH1が「12.5」となり、第1値TH1が自然数でない(つまり、
図10に示す「NO」)と判定すると共に、印刷頁数NPである「501頁」を装置数NDである「2」で割った第2値TH2が「250.5」となり、第2値TH2が自然数でない(つまり、
図10に示す「NO」)と判定する。
【0071】
生成部25は、(iii)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数でないと判定された場合(S55で「何れも自然数でない」)、印刷ジョブの印刷部数NCを装置数NDで割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、印刷ジョブの印刷部数NCを装置数NDで割った商からなる第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する(S58)。
【0072】
図11に示すように、生成部25は、ジョブIDが「4」である印刷ジョブ(501頁を25部コピーするという印刷ジョブ)の印刷部数NCである「25部」を装置数NDである「2」で割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(501頁を13部(=商である「12部」+余りである「1部」)コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(501頁を、商である「12部」コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。
【0073】
図7に戻って、制御部21Aは、S56の処理のあと、S57の処理のあと、又は、S58の処理のあと、本処理を終了させ、
図6に示すS16に進む。
【0074】
制御部21Aは、
図12(A)に示すように、ジョブ分割解析結果を示す表示画面を表示部12Aに表示させる。
【0075】
図9に示すジョブIDが「2」である印刷ジョブの場合には、
図12(A)に示すように、利用可能装置数NDを示す欄D1に「2」が、印刷ジョブにかかる取得部22が取得した印刷頁数NPを示す欄D2に「301」が、印刷部数NCを示す欄D3に「30」が、データサイズPSを示す欄D4に「8MB」が、ジョブ分割の可否を示す欄D5に「可能」がそれぞれ表示されている。
【0076】
また、上記のS56において、生成部25は、ジョブIDが「2」である印刷ジョブ(301頁を30部コピーするという印刷ジョブ)の印刷部数NCである「30部」を装置数NDである「2」で分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15に部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。このため、制御部21Aは、
図12(A)に示す表示画面に、本装置用(つまり、第1画像形成装置1A)の分割部数を示す欄D6に「15」を、他装置用(つまり、第2画像形成装置1B)の分割部数を示す欄D7に「15」をそれぞれ表示させ、更に、部数で分割することを示すチェックマークCKを、印刷部数NCを示す欄D3の横に表示させている。
【0077】
制御部21Aは、表示部12Aに
図12(A)に示す表示画面が表示された状態において、分散印刷実行ボタンを示すキーK2のユーザーによる押下があると、
図12(B)に示す分散印刷を実行する旨の表示を表示部12Aに表示させ(S16)、分割印刷ジョブの送信及び実行を行う(S17)。
図12(B)に示す表示画面には、「本装置と他装置とにより、分散印刷を実行します。」というメッセージM1が表示されている。
【0078】
例えば、
図9に示すジョブIDが「2」である印刷ジョブの場合には、制御部21Aは、生成部25が生成した第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)の実行を開始すると共に、生成部25が生成した第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)を、通信部16Aから第2画像形成装置1Bに送信させる(S17)。
【0079】
ところで、
図8に示すように、第2画像形成装置1Bの制御部21Bは、S32の処理のあと、分割印刷ジョブの受信の有無を判定し(S33)、分割印刷ジョブの受信がない場合には、S33に戻り、分割印刷ジョブの受信があるまで待機する。ここでは、制御部21Bは、通信部16Bが第1画像形成装置1Aからの分割印刷ジョブを受信し(S33でYES)、画像形成部18Bに、分割印刷ジョブにかかる分割印刷データが示す画像を記録紙に印刷(画像形成)させ(S34)、ステータス情報を通信部16Bから第1画像形成装置1Aに送信させる(S35)。そして、制御部21Bは、S35のあと、分割印刷ジョブにかかる印刷が終了であるか否かを判定し(S36)、終了でなければ(S36でNO)、S35に戻り、終了であれば(S36でYES)、
図8に示す処理を終了させる。
【0080】
図6に戻って、制御部21Aは、S17の処理のあと、分散印刷の進捗状況を表示部12Aに表示させる(S18)。例えば、制御部21Aは、
図12(B)に示す表示画面における「分散印刷のステータス表示」を示すキーK3のユーザーによる押下があると、
図13(A)に示すように、分散印刷の進捗状況を、表示部12Aに表示させる。
【0081】
図13(A)及び
図13(B)はそれぞれ、第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
図13(A)では、
図9に示すジョブIDが「2」である印刷ジョブの場合における分散印刷、すなわち、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)が実行中であり、その進捗部数が「1/15」であり、ステータスが「プリント中」と表示され、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)が実行中であり、その進捗部数が「1/15」であり、ステータスが「プリント中」と表示されている。
【0082】
図13(B)は、
図9に示すジョブIDが「2」である印刷ジョブの場合における分散印刷が終了したときの表示画面である。
図13(B)に示すように、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)が完了し、その進捗部数が「15/15」であり、ステータスが「完了」と表示され、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(301頁を15部コピーするという分割印刷ジョブ)が完了し、その進捗部数が「15/15」であり、ステータスが「完了」と表示されている。
【0083】
ところで、
図9に示すジョブIDが「3」である印刷ジョブの場合には、
図14に示すように、利用可能装置数NDを示す欄D1に「3」が、印刷ジョブにかかる取得部22が取得した印刷頁数NPを示す欄D2に「200」が、印刷部数NCを示す欄D3に「2」が、データサイズPSを示す欄D4に「80MB」が、ジョブ分割の可否を示す欄D5に「可能」がそれぞれ表示されている。
【0084】
また、上記のS56において、生成部25は、ジョブIDが「3」である印刷ジョブ(200頁を2部コピーするという印刷ジョブ)の印刷頁数NPである「200頁」を装置数NDである「3」で割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(68頁(=商である「66頁」+余りである「2頁」)を2部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(商である66頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。このため、制御部21Aは、
図14に示す表示画面に、本装置用(つまり、第1画像形成装置1A)の分割頁数を示す欄D8に「68」を、他装置用(つまり、第2画像形成装置1B)の分割頁数を示す欄D7に「66」をそれぞれ表示させ、更に、頁数で分割することを示すチェックマークCKを、印刷頁数NPを示す欄D2の横に表示させている。
【0085】
図15(A)及び
図15(B)はそれぞれ、第1画像形成装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
図15(A)では、
図9に示すジョブIDが「3」である印刷ジョブの場合における分散印刷、すなわち、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(68頁(=商である「66頁」+余りである「2頁」)を2部コピーするという分割印刷ジョブ)が実行中であり、その頁数が「1-68」であり、その進捗部数が「1/2」であり、ステータスが「プリント中」と表示され、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(商である66頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)が実行中であり、その頁数が「69-134」であり、その進捗部数が「1/2」であり、ステータスが「プリント中」と表示され、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(商である66頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)が実行中であり、その頁数が「135-200」であり、その進捗部数が「1/2」であり、ステータスが「プリント中」と表示されている。
【0086】
図15(B)は、
図9に示すジョブIDが「3」である印刷ジョブの場合における分散印刷が終了したときの表示画面である。
図15(B)に示すように、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(68頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)が完了し、その頁数が「1-68」であり、その進捗部数が「2/2」であり、ステータスが「完了」と表示され、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(66頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)が完了し、その頁数が「69-134」であり、その進捗部数が「2/2」であり、ステータスが「完了」と表示され、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(66頁を2部コピーするという分割印刷ジョブ)が完了し、その頁数が「135-200」であり、その進捗部数が「2/2」であり、ステータスが「完了」と表示されている。
【0087】
図6に戻って、S14において、第1画像形成装置1Aの制御部21Aは、
図9に示すジョブIDが「6」である印刷ジョブの場合、第1~第3条件の全てが不成立であると判定部24において判定され(S14で「全てが不成立」)、分散印刷ではなく、通常の印刷を実行する旨を表示部12Aに表示させ(S19)、通常の印刷を実行させる(S20)。
図9に示すジョブIDが「6」である印刷ジョブの場合、通信部16Aが受信してデータ記憶部19Aに記憶された印刷ジョブ(320頁を3部コピーするという印刷ジョブ)にかかる印刷データが示す画像を記録紙に印刷(画像形成)させる(S20)。
【0088】
制御部21Aは、S18の処理のあと、又は、S20の処理のあと、本処理を終了させる。
【0089】
上記実施形態の画像形成システム100によれば、判定部24が、印刷頁数NPが基準頁数CPを超える第1条件、印刷部数NCが基準部数CCを超える第2条件、及び、データサイズPSが基準データサイズCPSを超える第3条件の全てが不成立であると判定した場合、画像形成部18Aは、印刷ジョブによる印刷を実行する。すなわち、印刷頁数NP、印刷部数NCが少なく、かつ、データサイズPSが小さい印刷ジョブの場合、分散印刷を実行させないようにすることができる。すなわち、不必要な分散印刷の実行を防止することができる。また、印刷頁数NPが基準頁数CPを超える第1条件、印刷部数NCが基準部数CCを超える第2条件、及び、データサイズPSが基準データサイズCPSを超える第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると、分散印刷が実行されるので、印刷データのデータサイズPSのみで、分散印刷の実行の有無を判定する構成に比べて、より的確に分散印刷を実行することができる。例えば、モノクロの印刷データの場合にそのデータサイズPSが小さい場合であっても、その印刷頁数NP又は印刷部数NCが多い場合には、分散印刷が実行される。これにより、分散印刷を的確に実行することができる。
【0090】
また、特定部23は、第1画像形成装置1Aと第2画像形成装置1Bとの合計数である装置数NDを特定する。判定部24は、第1~第3条件のうちの少なくとも1つが成立すると判定すると、印刷部数NCを装置数NDで割った第1値TH1が自然数であるか否かを判定すると共に、印刷頁数NPを装置数NDで割った第2値TH2が自然数であるか否かを判定する。生成部25は、(i)判定部24にて第1値TH1のみが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NCを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成し、(ii)判定部24にて第2値TH2のみが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷頁数NPを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成し、(iii)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数でないと判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方を装置数NDで割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、印刷ジョブの当該予め定められた一方を装置数NDで割った商からなる第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成し、(iv)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方を装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。これにより、第1画像形成装置1A及び第2画像形成装置1Bにおいて、分散印刷を均等又はほぼ均等の処理量で実行することができる。
【0091】
また、制御部21Aは、ユーザーによりタッチパネル15A(操作部)に対して分散印刷指示があった場合、判定部24が当該成立と判定すると、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する旨と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷を実行する旨とを含む
図12(B)に示す表示画面を表示部12Aに表示させる。これにより、第1画像形成装置及び第2画像形成装置において分散印刷が実行されることを報知できる。
【0092】
また、制御部21Aは、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブによる印刷状況を示すステータス情報に基づいて、第1画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態を、表示部12Aに表示させると共に、通信部16Aが受信した第2画像形成装置1Bからのステータス情報に基づいて、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブの状態(
図13(A)、
図15(A)参照)を、表示部12Aに表示させる。これにより、第1画像形成装置1A及び第2画像形成装置1Bにおける分散印刷の状態をユーザーに報知することができる。
【0093】
また、制御部21Aは、ユーザーによりタッチパネル15A(操作部)に対して分散印刷指示があった場合、判定部24が不成立と判定すると、当該分散印刷を実行しない旨と、印刷ジョブによる印刷を実行する旨とを、表示部に表示させる。これにより、分散印刷が実行されずに、第1画像形成装置1Aにおいて通常の印刷が実行されることをユーザーに報知することができる。
【0094】
なお、生成部25は、(iii)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数でないと判定された場合(S55で「何れも自然数でない」)、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方を、ユーザーによる選択指示に従って決定し、当該一方を装置数NDで割った商と余りとからなる第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、印刷ジョブの前記予め定められた一方を装置数NDで割った商からなる第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成してもよい。
【0095】
上記の実施形態では、生成部25は、(iv)判定部24にて第1値TH1及び第2値TH2の何れもが自然数であると判定された場合、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方である印刷頁数NPを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成しているが、印刷部数NCを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成してもよい。この場合には、
図11に示すように、生成部25は、ジョブIDが「7」である印刷ジョブ(1000頁を2部コピーするという印刷ジョブ)の印刷部数NCである「2部」を装置数NDである「2」で分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブ(1000頁を1部コピーするという分割印刷ジョブ)と、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブ(1000頁を1部コピーするという分割印刷ジョブ)とを生成する。また、生成部25は、印刷ジョブの印刷部数NC又は印刷頁数NPの予め定められた一方を、ユーザーによる選択指示に従って決定するとしてもよい。すなわち、ユーザーが印刷部数NCを選択すれば、生成部25は、印刷部数NCを装置数NDで分割して第1画像形成装置用の分割印刷ジョブと、第2画像形成装置用の分割印刷ジョブとを生成する。
【0096】
なお、
図5に示す基準データテーブルTB1の基準頁数CP、基準部数CC、及び、基準データサイズCPSは、ユーザーが任意の値に変更可能としてもよい。また、機械学習により設定された値としてもよい。
【0097】
なお、
図1乃至
図15を用いて上記実施形態に示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の構成及び処理はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成装置
1A 第1画像形成装置
1B 第2画像形成装置
12A 表示部(操作部)
15A タッチパネル(操作部)
16A 通信部(第1通信部)
16B 通信部(第2通信部)
17A 画像読取部(第1印刷部)
17B 画像読取部(第2印刷部)
21A 制御部
22 取得部
23 特定部
24 判定部
25 生成部