(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ワークの製造装置
(51)【国際特許分類】
B21D 22/02 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
B21D22/02 C
(21)【出願番号】P 2020111689
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平田 和之
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-117880(JP,A)
【文献】国際公開第2014/196277(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 22/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の板材からワークを製造するワークの製造装置であって、
固定型本体と、前記板材を成形する成形面が設けられたダイと、を有する固定型と、
前記固定型に対して近接及び離間可能に設けられた可動型本体と、前記ダイの前記成形面との協働により前記板材を成形する成形面が設けられた成形パンチと、前記成形パンチの外周側において前記可動型本体に固定され、前記ダイとの協働により前記板材から前記ワークを打ち抜く打抜パンチと、を有する可動型と、を備え、
前記可動型は、前記可動型本体に固定される基端、及び前記成形パンチにおける前記成形面とは反対側の基端面に固定される先端を有する第1押圧部材と、前記可動型本体に固定される基端、及び前記成形パンチの前記基端面との間に隙間を有して設けられる先端を有し、前記第1押圧部材よりも
ヤング率の大きい材料により形成される第2押圧部材と、を備え、
前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材は、前記可動型の移動方向に沿って延びる柱状であり、
前記第1押圧部材は、前記移動方向に沿って延びる貫通孔を有しており、
前記第2押圧部材は、前記貫通孔に挿入されており、
前記固定型に対して前記可動型を近接させることで、前記板材の予備成形、前記板材からの前記ワークの打ち抜き、前記第1押圧部材の圧縮変形に伴い前記第2押圧部材の前記先端が前記成形パンチを押圧することによる前記ワークの本成形を順に行うように構成されている、
ワークの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、溝付き板材の製造方法が記載されている。この製造方法では、波形形状の型面を有する第1金型で金属板を予備成形することにより波形形状の板材とする。続いて、形成目標の溝部と同一形状の型面を有する第2金型で上記板材を本成形することにより、表面が平坦な面になっている複数の溝部を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の製造方法においては、予備成形を行うための第1金型と、本成形を行うための第2金型とが必要となる。また、第1金型から第2金型に板材を載せ替える工程が必要となる。こうしたことから、ワークの製造工程が複雑化するといった不都合が生じる。
【0005】
本発明の目的は、製造工程を簡略化することのできるワークの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのワークの製造装置は、金属製の板材からワークを製造するワークの製造装置であって、固定型本体と、前記板材を成形する成形面が設けられたダイと、を有する固定型と、前記固定型に対して近接及び離間可能に設けられた可動型本体と、前記ダイの前記成形面との協働により前記板材を成形する成形面が設けられた成形パンチと、前記成形パンチの外周側において前記可動型本体に固定され、前記ダイとの協働により前記板材から前記ワークを打ち抜く打抜パンチと、を有する可動型と、を備える。前記可動型は、前記可動型本体に固定される基端、及び前記成形パンチにおける前記成形面とは反対側の基端面に固定される先端を有する第1押圧部材と、前記可動型本体に固定される基端、及び前記成形パンチの前記基端面との間に隙間を有して設けられる先端を有し、前記第1押圧部材よりも高剛性の第2押圧部材と、を備えている。前記固定型に対して前記可動型を近接させることで、前記板材の予備成形、前記板材からの前記ワークの打ち抜き、前記第1押圧部材の圧縮変形に伴い前記第2押圧部材の前記先端が前記成形パンチを押圧することによる前記ワークの本成形を順に行うように構成されている。
【0007】
同構成によれば、固定型に対して可動型が近接されることで、まずは、第1押圧部材によって押圧される成形パンチの成形面とダイの成形面との協働によって板材がプレスされることにより、板材の予備成形が行われる。固定型に対して可動型が更に近接されると、打ち抜きパンチとダイとの協働により板材からワークが打ち抜かれる。またこのとき、第1押圧部材が可動型の移動方向において圧縮変形されることで、第2押圧部材の先端と成形パンチの基端面との間の間隔が徐々に小さくなる。そして、第2押圧部材の先端が成形パンチの基端面に接触すると、第1押圧部材に加えて第2押圧部材によって押圧される成形パンチとダイとによってワークがプレスされることにより、ワークの本成形が行われる。
【0008】
ここで、本成形の後に板材からワークを打ち抜く構成にあっては、打ち抜きによってワークが縮むおそれがある。
この点、上記構成によれば、板材からワークが打ち抜かれた後に、ワークの本成形が行われることでワークの縮みが戻される。
【0009】
このように、上記構成によれば、予備成形、打ち抜き、及び本成形を、可動型を固定型に対して近接させる一連の動作によって行うことができる。したがって、ワークの製造工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ワークの製造装置の一実施形態について、可動型及び固定型を分離して示す断面図。
【
図2】同実施形態について、板材を固定型及び可動型により拘束した状態を示す断面図。
【
図3】同実施形態のワークの製造装置による予備成形工程を示す断面図。
【
図4】同実施形態のワークの製造装置による打ち抜き工程を示す断面図。
【
図5】同実施形態のワークの製造装置による本成形工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1~
図5を参照して、ワークの製造装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態のワーク100は、燃料電池用のセパレータである。
図1~
図5に示すように、製造装置は、金属製の板材50からワーク100を製造する装置であり、固定型10と、可動型20とを有している。
【0012】
<固定型10>
図1に示すように、固定型10は、固定型本体10aと、板材50を成形する成形面11aが設けられた直方体状のダイ11とを有している。
【0013】
図5に示すように、成形面11aは、ダイ11の上面に設けられ、板材50に複数の流路101を形成する複数の溝部を有している。
図1に示すように、固定型本体10aは、固定側ダイセット16、固定側ダイバッキングプレート15、ダイプレート14、ベーシックプレート13、及び固定側ストリッパ12を備えている。
【0014】
固定側ダイセット16の上面には、図示しないボルトを介して、固定側ダイバッキングプレート15が固定されている。
固定側ダイバッキングプレート15の上面には、ダイ11、ダイプレート14、及びベーシックプレート13が固定されている。
【0015】
ダイプレート14は、四角枠状であり、ダイ11の外周側に設けられている。
ベーシックプレート13は、直方体状であり、ダイプレート14とダイ11とによって挟持されている。
【0016】
ベーシックプレート13の上面には、四角枠状の固定側ストリッパ12が固定されている。固定側ストリッパ12の内周面とダイ11の外周面との間には、全周にわたって隙間S1が設けられている。
【0017】
固定側ストリッパ12における上側内周縁12aは、全周にわたって断面円弧状に面取りされている(
図2参照)。
<可動型20>
図1に示すように、可動型20は、固定型10の上方において昇降可能に設けられた可動型本体20aと、ダイ11の成形面11aとの協働により板材50を成形する成形面21aが設けられた直方体状の成形パンチ21とを有している。すなわち、可動型本体20aは、固定型10に対して近接及び離間可能に設けられている。
【0018】
図5に示すように、成形面21aは、成形パンチ21の下面に設けられている。成形面21aは、板材50に複数の流路101を形成する複数の溝部を有している。成形面21aの上面には、基端面21bが設けられている。すなわち、成形パンチ21は、成形面21aとは反対側に基端面21bを有している。
【0019】
図1及び
図2に示すように、可動型20は、成形パンチ21の外周側において可動型本体20aに固定され、ダイ11との協働により板材50からワーク100を打ち抜く打ち抜きパンチ22を有している。
【0020】
図1に示すように、可動型本体20aは、可動側ダイセット28、可動側ダイバッキングプレート27、パンチバッキングプレート26、パンチプレート25、パンチホルダ24、及び可動側ストリッパ23を備えている。
【0021】
可動側ダイセット28は、図示しない駆動装置により昇降可能に構成されている。
可動側ダイセット28の下面には、図示しないボルトを介して可動側ダイバッキングプレート27が固定されている。
【0022】
可動側ダイバッキングプレート27の下面には、上下方向に沿って延在する中心孔26aを有するパンチバッキングプレート26が固定されている。
パンチバッキングプレート26の下面には、パンチホルダ24、パンチプレート25、及び打ち抜きパンチ22が固定されている。
【0023】
パンチホルダ24は、上下方向に沿って延在する中心孔24aを有している。パンチホルダ24は、パンチバッキングプレート26の下面の内周側部分に固定されている。
パンチプレート25は、四角枠状であり、パンチホルダ24の外周側に設けられている。
【0024】
打ち抜きパンチ22は、四角枠状であり、パンチホルダ24とパンチプレート25とによって挟持されている。
打ち抜きパンチ22は、パンチプレート25の内周面に対向する基部22aと、基部22aから下方に突出する突部22bとを有している。突部22bの外周面は、基部22aの外周面よりも内周側に位置している。一方、突部22bの内周面は、基部22aの内周面と同一平面上に位置している。
【0025】
成形パンチ21は、打ち抜きパンチ22の内部において、打ち抜きパンチ22に対して上下方向において相対変位可能に設けられている。
突部22bの先端外周面には、枠状の可動側ストリッパ23が固定されている。
【0026】
可動側ストリッパ23は、固定側ストリッパ12と共に板材50を挟持する。
<押圧部材30,40>
図1に示すように、成形パンチ21は、パンチバッキングプレート26の中心孔26a及びパンチホルダ24の中心孔24aに挿通された第1押圧部材30を介して、可動側ダイバッキングプレート27に固定されている。
【0027】
第1押圧部材30は、上下方向、すなわち可動型20の移動方向に沿って延びる四角柱状である。第1押圧部材30は、上下方向に沿って延びる貫通孔30aを有している。貫通孔30aは、例えば断面円形状である。
【0028】
第1押圧部材30の基端31は、図示しないボルトを介して、可動側ダイバッキングプレート27の下面に固定されている。
第1押圧部材30の先端32は、図示しないボルトを介して、成形パンチ21の基端面21bに固定されている。
【0029】
貫通孔30aの上端部(基端部)は、同上端部よりも下方の部分よりも拡径されている。このことにより、貫通孔30aの内周面には、段差部33が設けられている。
第1押圧部材30の貫通孔30a内には、第1押圧部材30よりも高剛性の第2押圧部材40が挿入されている。
【0030】
第2押圧部材40は、上下方向、すなわち可動型20の移動方向に沿って延びる円柱状である。なお、以降において、第2押圧部材40の軸線方向に直交する方向である径方向(
図1の左右方向)を単に径方向と称することがある。
【0031】
第2押圧部材40の基端部43は、基端部43よりも先端側の部分44よりも拡径されている。基端部43の下面は、貫通孔30aの段差部33に係止されている。第2押圧部材40の基端41は、可動側ダイバッキングプレート27の下面に当接している。これにより、基端41は、可動側ダイバッキングプレート27、すなわち可動型本体20aに固定されている。第2押圧部材40の先端42と、成形パンチ21の基端面21bとの間には、所定の隙間S3が設けられている。
【0032】
第1押圧部材30の外周面とパンチバッキングプレート26の内周面との間には、所定の隙間S2が上下方向の全体にわたって設けられている。
第1押圧部材30の外周面とパンチホルダ24の内周面との間には、図示しない所定の隙間が上下方向の全体にわたって設けられている。
【0033】
これらの隙間は、第1押圧部材30が上下方向に圧縮変形するとともに径方向に膨張変形する際に、パンチバッキングプレート26及びパンチホルダ24に対する第1押圧部材30の相対変位を許容する大きさに設定されている。
【0034】
第1押圧部材30の内周面と第2押圧部材40の外周面との間には、図示しない隙間が設けられている。この隙間は、第1押圧部材30が上下方向に圧縮変形するとともに径方向に膨張変形する際に、第1押圧部材30と第2押圧部材40との相対変位を許容する大きさに設定されている。
【0035】
第1押圧部材30の材料のヤング率は、70~80GPaであることが好ましい。こうした材料としては、アルミニウム合金の一種である超ジュラルミンや超々ジュラルミンが好ましい。本実施形態の第1押圧部材30は、超ジュラルミンにより形成されている。
【0036】
第2押圧部材40の材料のヤング率は、500~600GPaであることが好ましい。こうした材料としては、超硬合金が好ましい。本実施形態の第2押圧部材40は、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金により形成されている。
【0037】
本実施形態では、固定型10に対して可動型20を近接させることで、板材50の予備成形、板材からのワーク100の打ち抜き、第1押圧部材30の圧縮変形に伴い第2押圧部材40の先端42が成形パンチ21を押圧することによるワーク100の本成形を順に行うように構成されている。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、固定型10に対して可動型20が近接されると、固定側ストリッパ12と可動側ストリッパ23とによって板材50が挟持される。これにより、板材50が固定型10と可動型20との間で拘束される。
【0039】
図3に示すように、固定型10に対して可動型20が更に近接されると、第1押圧部材30によって押圧される成形パンチ21の成形面21aとダイ11の成形面11aとの協働によって板材50がプレスされる(以上、予備成形工程)。
【0040】
図4に示すように、固定型10に対して可動型20が更に近接され、打ち抜きパンチ22の突部22bの先端がダイ11の成形面11aよりも下方まで移動すると、打ち抜きパンチ22とダイ11との協働により板材50からワーク100が打ち抜かれる(以上、打ち抜き工程)。
【0041】
またこのとき、第1押圧部材30が上下方向、すなわち可動型20の移動方向において圧縮変形されることで、第2押圧部材40の先端42と成形パンチ21の基端面21bとの間の間隔が徐々に小さくなる。
【0042】
そして、第2押圧部材40の先端42が成形パンチ21の基端面21bに接触すると、第1押圧部材30に加えて第2押圧部材40によって成形パンチ21が押圧されるようになる。このため、
図5に示すように、成形パンチ21とダイ11とによってワーク100がプレスされる。また、このとき、打ち抜きパンチ22の突部22bと、固定側ストリッパ12の上側内周縁12aとによって、ワーク100の打ち抜かれた板材50がプレスされる(以上、本成形工程)。
【0043】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)可動型20は、可動型本体20aに固定される基端31、及び成形パンチ21の基端面21bに固定される先端32を有する第1押圧部材30と、可動型本体20aに固定される基端41、及び成形パンチ21の基端面21bとの間に隙間S3を有して設けられる先端42を有し、第1押圧部材30よりも高剛性の第2押圧部材40とを備えている。固定型10に対して可動型20を近接させることで、板材50の予備成形、板材からのワーク100の打ち抜き、第1押圧部材30の圧縮変形に伴い第2押圧部材40の先端42が成形パンチ21を押圧することによるワーク100の本成形を順に行うように構成されている。
【0044】
こうした構成によれば、上述した作用を奏する。
ここで、本成形の後に板材50からワーク100を打ち抜く構成にあっては、打ち抜きによってワーク100が縮むおそれがある。
【0045】
この点、上記構成によれば、板材50からワーク100が打ち抜かれた後に、ワーク100の本成形が行われることでワーク100の縮みが戻される。
このように、上記構成によれば、予備成形、打ち抜き、及び本成形を、可動型20を固定型10に対して近接させる一連の動作によって行うことができる。したがって、ワーク100の製造工程を簡略化することができる。
【0046】
(2)第2押圧部材40は、第1押圧部材30よりもヤング率の大きい材料により形成されている。第1押圧部材30は、可動型20の移動方向に沿って延びる柱状である。
例えば第1押圧部材30としてコイルスプリングを用いる場合、剛性の高い板材50を成形するべく第1押圧部材30の剛性を高める必要がある。そのため、第1押圧部材30の体格を大きくする必要があり、製造装置の体格が大きくなるといった不都合が生じる。
【0047】
この点、上記構成によれば、第1押圧部材30の体格を大きくしなくとも第1押圧部材30の剛性を容易に高めることができる。したがって、製造装置の体格の増大を抑制できる。
【0048】
(3)第2押圧部材40は、可動型20の移動方向に沿って延びる柱状である。
例えば第2押圧部材40としてコイルスプリングを用いる場合、剛性の高い板材50を成形するべく第2押圧部材40の剛性を高める必要がある。そのため、第2押圧部材40の体格を大きくする必要があり、製造装置の体格が大きくなるといった不都合が生じる。
【0049】
この点、上記構成によれば、第2押圧部材40の体格を大きくしなくとも剛性を容易に高めることができる。したがって、製造装置の体格の増大を抑制できる。
(4)第1押圧部材30は、可動型20の移動方向に沿って延びる貫通孔30aを有している。第2押圧部材40は、貫通孔30aに挿入されている。
【0050】
こうした構成によれば、第1押圧部材30に対する第2押圧部材40の位置決めを容易に行うことができる。
(5)固定側ストリッパ12における上側内周縁12aは、全周にわたって断面円弧状に面取りされている。
【0051】
こうした構成によれば、打ち抜きパンチ22の突部22bと、固定側ストリッパ12の上側内周縁12aとによって、ワーク100の打ち抜かれた板材50がプレスされることで、板材50の内周縁が外周側に移動するようになる。したがって、ワーク100に干渉せずに板材50を取り除くことができる。
【0052】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0053】
・第2押圧部材40の数は、本実施形態で例示した数に限定されず、2つ以上設けてもよい。この場合、第2押圧部材40の数に合わせて貫通孔30aの数を適宜変更すればよい。
【0054】
・第1押圧部材30及び第2押圧部材40の配置は、本実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更することができる。例えば、第1押圧部材30と第2押圧部材40の配置を入れ替えてもよい。すなわち、第2押圧部材40に貫通孔を設け、当該貫通孔に第1押圧部材30を挿通して設けるようにしてもよい。また、第1押圧部材30の外部に第2押圧部材40を設けるようにしてもよい。この場合、第1押圧部材30の貫通孔30aを省略できる。
【0055】
・第1押圧部材30の形状及び第2押圧部材40の形状は、本実施形態で例示した形状に限定されず、例えば、第1押圧部材30を円柱状にしたり、第2押圧部材40を角柱状にしたりすることもできる。
【0056】
・第2押圧部材40の材料は、本実施形態で例示したタングステンカーバイドを主成分とする超硬合金に限定されず、例えば他の硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる他の合金であってもよい。
【0057】
・第2押圧部材40を例えばコイルスプリングによって構成してもよい。この場合であっても、第2押圧部材40が、第1押圧部材30よりも高剛性であればよい。
・第1押圧部材30の材料は、本実施形態で例示した超ジェラルミンや超々ジュラルミンに限定されず、例えば他のアルミニウム合金であってもよい。
【0058】
・第1押圧部材30を例えばコイルスプリングによって構成してもよい。この場合であっても、第1押圧部材30が、第2押圧部材40よりも低剛性、すなわち高弾性であればよい。
【0059】
・第2押圧部材40の先端42が成形パンチ21を押圧することによるワーク100の本成形によってワーク100に対して鍛造加工を施すようにしてもよい。
・固定型本体10a及び可動型本体20aの構成は、本実施形態で例示した構成に限定されず、適宜変更することができる。
【0060】
・本発明に係るワークの製造装置は、燃料電池用のセパレータを製造するものに限定されず、金属製の板材から製造されるものであれば、任意のワークを製造する製造装置に対して適用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
S1…隙間
S2…隙間
S3…隙間
10…固定型
10a…固定型本体
11…ダイ
11a…成形面
12…固定側ストリッパ
12a…上側内周縁
13…ベーシックプレート
14…ダイプレート
15…固定側ダイバッキングプレート
16…固定側ダイセット
20…可動型
20a…可動型本体
21…成形パンチ
21a…成形面
21b…基端面
22…打ち抜きパンチ
22a…基部
22b…突部
23…ストリッパ
24…パンチホルダ
24a…中心孔
25…パンチプレート
26…パンチバッキングプレート
26a…中心孔
27…可動側ダイバッキングプレート
28…可動側ダイセット
30…第1押圧部材
30a…貫通孔
31…基端
32…先端
33…段差部
40…第2押圧部材
41…基端
42…先端
43…基端部
44…部分
50…板材
100…ワーク
101…流路