(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】記録材搬送装置および画像読取装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/22 20060101AFI20241001BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20241001BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B65H5/22 C
B65H5/06 J
B65H5/02 C
(21)【出願番号】P 2020121345
(22)【出願日】2020-07-15
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】中家 勝彦
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038204(JP,A)
【文献】特開平06-183591(JP,A)
【文献】特開2015-067454(JP,A)
【文献】特開平06-144670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68,5/02,5/06,5/22,
29/12-29/24,29/32
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、画像を読み取る読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該搬送ベルトを回転駆動する駆動ロールと
、
無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、前記読取部よりも搬送方向の下流側で画像を読み取る他の読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する他の搬送ベルトと、
前記他の搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該他の搬送ベルトを回転駆動する他の駆動ロールと
を備え
、
前記他の搬送ベルトの内周面の摩擦係数が、前記搬送ベルトの内周面の摩擦係数と比べて大きい記録材搬送装置。
【請求項2】
前記搬送ベルトは、外周面が前記読取部に間隙を介して対向し、
前記搬送ベルトの外周から内周に向かう気流を生成し、当該搬送ベルトにおける前記読取部に対向する外周面に記録材を密着させる気流生成部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項3】
前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の上流側に設けられ、当該搬送ベルトに向けて記録材を搬送する搬送部をさらに備え、
前記搬送部が記録材を搬送する力に比べて、前記搬送ベルトの外周面の摩擦係数と前記気流生成部による当該搬送ベルトへの記録材の密着力とにより記録材に生じる力が小さいことを特徴とする請求項2に記載の記録材搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトの内周面に接触し、前記駆動ロールにより回転駆動される当該搬送ベルトに従動して回転する従動ロールをさらに備え、
前記駆動ロールは、前記従動ロールと比べて記録材の搬送方向の下流側で前記搬送ベルトの内周面に接触することを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項5】
前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の上流側に設けられ、当該搬送ベルトに向けて記録材を搬送する搬送部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項6】
前記搬送部は、回転駆動され記録材を前記搬送ベルトに向けて搬送する搬送ロールと、記録材を挟んで当該搬送ロールと対向する対向ロールとを有し、当該搬送ベルトの前記外周面の摩擦係数は、当該搬送ロールの摩擦係数より小さいことを特徴とする請求項5に記載の記録材搬送装置。
【請求項7】
前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の下流側に設けられ、当該搬送ベルトにより搬送された記録材をさらに搬送する他の搬送部をさらに備え、
前記搬送部は、回転駆動され記録材を前記搬送ベルトに向けて搬送する搬送ロールと、記録材を挟んで当該搬送ロールと対向する対向ロールと、当該搬送部と前記他の搬送部とにより記録材が搬送される場合に、当該搬送ロールの駆動を解除する駆動制御部を備えることを特徴とする請求項5に記載の記録材搬送装置。
【請求項8】
前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の下流側に設けられ、当該搬送ベルトにより搬送された記録材をさらに搬送する他の搬送部をさらに備え、
前記他の搬送部は、回転駆動され記録材を搬送する他の搬送ロールと、記録材を挟んで当該他の搬送ロールと対向する他の対向ロールと、前記搬送部と当該他の搬送部とにより記録材が搬送される場合に、当該他の搬送ロールの駆動を解除する他の駆動制御部とを備えることを特徴とする請求項5に記載の記録材搬送装置。
【請求項9】
前記搬送ベルトと前記他の搬送ベルトとは、記録材の互いに異なる面に接触して記録材を搬送することを特徴とする
請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項10】
記録材に形成された画像を読み取る読取部と、
無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、前記読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該搬送ベルトを回転駆動する駆動ロールと
、
前記読取部よりも搬送方向の下流側で画像を読み取る他の読取部と、
無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、前記他の読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する他の搬送ベルトと、
前記他の搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該他の搬送ベルトを回転駆動する他の駆動ロールと
を備え
、
前記他の搬送ベルトの内周面の摩擦係数が、前記搬送ベルトの内周面の摩擦係数と比べて大きい画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材搬送装置および画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1には、無端状の搬送ベルトを用いてシートを搬送するシート搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録材に形成された画像を読み取る読取部に向けて搬送ベルトにより記録材を搬送する場合に、搬送ベルトの内周面と比べて外周面の摩擦係数が大きい場合と比較して、読取部に対する記録材の搬送方向と交差する方向への位置ずれを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、画像を読み取る読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該搬送ベルトを回転駆動する駆動ロールと、無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、前記読取部よりも搬送方向の下流側で画像を読み取る他の読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する他の搬送ベルトと、前記他の搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該他の搬送ベルトを回転駆動する他の駆動ロールとを備え、前記他の搬送ベルトの内周面の摩擦係数が、前記搬送ベルトの内周面の摩擦係数と比べて大きい記録材搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、前記搬送ベルトは、外周面が前記読取部に間隙を介して対向し、前記搬送ベルトの外周から内周に向かう気流を生成し、当該搬送ベルトにおける前記読取部に対向する外周面に記録材を密着させる気流生成部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の上流側に設けられ、当該搬送ベルトに向けて記録材を搬送する搬送部をさらに備え、前記搬送部が記録材を搬送する力に比べて、前記搬送ベルトの外周面の摩擦係数と前記気流生成部による当該搬送ベルトへの記録材の密着力とにより記録材に生じる力が小さいことを特徴とする請求項2に記載の記録材搬送装置である。
請求項4に記載の発明は、前記搬送ベルトの内周面に接触し、前記駆動ロールにより回転駆動される当該搬送ベルトに従動して回転する従動ロールをさらに備え、前記駆動ロールは、前記従動ロールと比べて記録材の搬送方向の下流側で前記搬送ベルトの内周面に接触することを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の上流側に設けられ、当該搬送ベルトに向けて記録材を搬送する搬送部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、前記搬送部は、回転駆動され記録材を前記搬送ベルトに向けて搬送する搬送ロールと、記録材を挟んで当該搬送ロールと対向する対向ロールとを有し、当該搬送ベルトの前記外周面の摩擦係数は、当該搬送ロールの摩擦係数より小さいことを特徴とする請求項5に記載の記録材搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の下流側に設けられ、当該搬送ベルトにより搬送された記録材をさらに搬送する他の搬送部をさらに備え、前記搬送部は、回転駆動され記録材を前記搬送ベルトに向けて搬送する搬送ロールと、記録材を挟んで当該搬送ロールと対向する対向ロールと、当該搬送部と前記他の搬送部とにより記録材が搬送される場合に、当該搬送ロールの駆動を解除する駆動制御部を備えることを特徴とする請求項5に記載の記録材搬送装置である。
請求項8に記載の発明は、前記搬送ベルトに対し記録材の搬送方向の下流側に設けられ、当該搬送ベルトにより搬送された記録材をさらに搬送する他の搬送部をさらに備え、前記他の搬送部は、回転駆動され記録材を搬送する他の搬送ロールと、記録材を挟んで当該他の搬送ロールと対向する他の対向ロールと、前記搬送部と当該他の搬送部とにより記録材が搬送される場合に、当該他の搬送ロールの駆動を解除する他の駆動制御部とを備えることを特徴とする請求項5に記載の記録材搬送装置である。
請求項9に記載の発明は、前記搬送ベルトと前記他の搬送ベルトとは、記録材の互いに異なる面に接触して記録材を搬送することを特徴とする請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項10に記載の発明は、記録材に形成された画像を読み取る読取部と、無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、前記読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該搬送ベルトを回転駆動する駆動ロールと、前記読取部よりも搬送方向の下流側で画像を読み取る他の読取部と、無端形状を有し、内周面と比べて外周面の摩擦係数が小さく、前記他の読取部に向けて、外周面により記録材を搬送する他の搬送ベルトと、前記他の搬送ベルトの内周面に接触して回転し、当該他の搬送ベルトを回転駆動する他の駆動ロールとを備え、前記他の搬送ベルトの内周面の摩擦係数が、前記搬送ベルトの内周面の摩擦係数と比べて大きい画像読取装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、記録材に形成された画像を読み取る読取部に向けて搬送ベルトにより記録材を搬送する場合に、搬送ベルトの内周面と比べて外周面の摩擦係数が大きい場合と比較して、読取部に対する記録材の搬送方向と交差する方向への位置ずれを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、気流生成部を備えない場合と比較して、読取部と記録材との距離の変動が抑制される。
請求項3の発明によれば、搬送部が記録材を搬送する力に比べて、搬送ベルトの外周面の摩擦係数と気流生成部による搬送ベルトへの記録材の密着力とにより記録材に生じる力が大きい場合と比較して、読取部に対する記録材の搬送方向と交差する方向への位置ずれをより抑制することができる。
請求項4の発明によれば、駆動ロールが従動ロールと比べて記録材の搬送方向の上流側で搬送ベルトの内周面に接触する場合と比較して、搬送ベルトのたるみを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、搬送ベルトの内周面と比べて外周面の摩擦係数が大きい場合と比較して、搬送部により搬送ベルトに搬送された記録材の読取部に対する位置ずれを抑制することができる。
請求項6の発明によれば、搬送ベルトの外周面の摩擦係数が搬送ロールの摩擦係数より大きい場合と比較して、読取部に対する記録材の搬送方向と交差する方向への位置ずれをより抑制することができる。
請求項7の発明によれば、駆動制御部を備えない場合と比較して、記録材のたるみを抑制することができる。
請求項8の発明によれば、他の駆動制御部を備えない場合と比較して、記録材のたるみを抑制することができる。
請求項9の発明によれば、記録材に形成された画像を読み取る読取部に向けて搬送ベルトにより記録材を搬送する場合に、搬送ベルトの内周面と比べて外周面の摩擦係数が大きい場合と比較して、読取部に対する記録材の搬送方向と交差する方向への位置ずれを抑制することができる。
請求項10の発明によれば、記録材に形成された画像を読み取る読取部に向けて搬送ベルトにより記録材を搬送する場合に、搬送ベルトの内周面と比べて外周面の摩擦係数が大きい場合と比較して、読取部に対する記録材の搬送方向と交差する方向への位置ずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用される画像検査装置を示した概略構成図である。
【
図2】第2搬送ユニットの構成を説明する図であって、
図1におけるII部の拡大図である。
【
図4】本実施の形態が適用される搬送ベルトの概略構成を示した図である。
【
図5】第2搬送ユニット、第2搬送ロール対および第3搬送ロール対の第1の変形例を示した図である。
【
図6】第2搬送ユニット、第2搬送ロール対および第3搬送ロール対の第2の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(画像検査装置の全体構成)
図1は、本実施の形態が適用される画像検査装置1を示した概略構成図である。
画像検査装置1は、画像読取装置の一例であって、不図示の画像形成装置によって用紙P上に形成された画像を読み取り、この画像を検査するために用いられる。
【0009】
画像検査装置1には、画像形成装置から排出された記録材の一例としての用紙Pが搬送される搬送経路Rが設けられている。この例では、後述する第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3B等により、用紙Pが
図1の左側から右側に向かって搬送経路Rを搬送される。以下の説明では、搬送経路Rにおいて用紙Pが搬送される方向(
図1の左側から右側に向かう方向)を用紙Pの搬送方向と表記する場合がある。また、用紙Pの搬送方向と交差する方向(
図1の奥行き方向)を、用紙Pの幅方向と表記する場合がある。
画像検査装置1は、搬送経路Rを搬送される用紙Pの一方の面(
図1に示す用紙Pの下側の面)に形成された画像を読み取る第1読取ユニット2Aと、搬送経路Rを搬送される用紙Pの他方の面(
図1に示す用紙Pの上側の面)に形成された画像を読み取る第2読取ユニット2Bとを有している。本実施の形態の画像検査装置1では、第1読取ユニット2Aと、第2読取ユニット2Bとは、搬送経路Rにおける用紙Pの搬送方向に並んで設けられている。また、本実施の形態では、第1読取ユニット2Aおよび第2読取ユニット2Bが、画像を読み取る読取部の一例である。
【0010】
第1読取ユニット2Aおよび第2読取ユニット2Bは、搬送経路Rを搬送される用紙Pに対する向きを除いて、同様の構造を有している。
第1読取ユニット2Aおよび第2読取ユニット2Bは、所謂縮小光学系により構成される。具体的には、第1読取ユニット2Aおよび第2読取ユニット2Bは、用紙Pに光を照射する光源21と、用紙Pからの反射光を反射するミラー22と、ミラー22からの光を光学的に縮小して結像する結像用レンズ23と、結像用レンズ23によって結像された光学画像を電気信号に変換するイメージセンサ24とを有している。以下の説明では、光源21により光が照射され、用紙Pから光が反射される領域(すなわち、用紙Pに形成された画像が読み取られる領域)を、読取領域20(
図2参照)と表記する場合がある。
なお、第1読取ユニット2Aおよび第2読取ユニット2Bは、用紙Pに形成された画像を読み取ることができれば、特に限定されず、上述した縮小光学系の他、例えばCIS(Contact Image Sensor)を用いた所謂密着光学系を採用してもよい。
【0011】
また、画像検査装置1は、第1読取ユニット2Aの読取領域20に対向して配置され、読取領域20に向けて用紙Pを搬送する第1搬送ユニット3Aと、第2読取ユニット2Bの読取領域20に対向して配置され、読取領域20に向けて用紙Pを搬送する第2搬送ユニット3Bとを有している。
なお、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bの構成については、後段にて詳細に説明する。
【0012】
さらに、画像検査装置1は、画像形成装置から排出された用紙を第1搬送ユニット3Aに向けて搬送する第1搬送ロール対4と、第1搬送ユニット3Aを搬送された用紙Pを第2搬送ユニット3Bに向けて搬送する第2搬送ロール対5と、第2搬送ユニット3Bを搬送された用紙Pをさらに下流に向けて搬送する第3搬送ロール対6とを有している。
本実施の形態では、第1搬送ロール対4が第1搬送ユニット3Aに向けて用紙Pを搬送する搬送部の一例であり、第2搬送ロール対5が第2搬送ユニット3Bに向けて用紙Pを搬送する搬送部の他の一例である。また、本実施の形態では、第1搬送ロール対4、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ロール対5が、記録材搬送装置の一例である。また、第2搬送ロール対5、第2搬送ユニット3Bおよび第3搬送ロール対6が、記録材搬送装置の他の一例である。
【0013】
第1搬送ロール対4は、不図示のモータにより予め定められた方向(
図1における反時計方向)に回転駆動され、用紙Pを搬送する搬送ロール41と、用紙Pを挟んで搬送ロール41に対向し、搬送ロール41に従動して回転する対向ロール42とを有している。
同様に、第2搬送ロール対5は、不図示のモータにより予め定められた方向(
図1における反時計方向)に回転駆動され、用紙Pを搬送する搬送ロール51と、用紙Pを挟んで搬送ロール51に対向し、搬送ロール51に従動して回転する対向ロール52とを有している。
さらに、第3搬送ロール対6は、不図示のモータにより予め定められた方向(
図1における反時計方向)に回転駆動され、用紙Pを搬送する搬送ロール61と、用紙Pを挟んで搬送ロール61に対向し、搬送ロール61に従動して回転する対向ロール62とを有している。
【0014】
さらにまた、画像検査装置1は、画像検査装置1の各部の制御を行う制御部7を有している。
制御部7は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有している。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部(不図示)から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、以下に述べる、制御部7の機能が実現される。
【0015】
制御部7には、画像形成装置から画像データが入力される。また、制御部7には、第1読取ユニット2Aおよび第2読取ユニット2Bにより取得された読取データが入力される。
そして、制御部7は、画像データおよび読取データのそれぞれを予め定められた複数の領域に分割するとともに、それぞれの領域ごとにパターンマッチング処理を行う。これにより、用紙P上に形成された画像に不良が発生しているか否かを検査する。
【0016】
(第1搬送ユニットおよび第2搬送ユニットの構成)
続いて、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bの構成について説明する。
図2は、第2搬送ユニット3Bの構成を説明する図であって、
図1におけるII部の拡大図である。また、
図3は、
図2をIII方向から見た図である。
図3においては、光源21を省略している。
第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bは、搬送経路Rを搬送される用紙Pに対する向きを除いて、同様の構造を有している。ここでは、第2搬送ユニット3Bを例に挙げて説明する。なお、以下の説明において、第1搬送ユニット3Aのうち第2搬送ユニット3Bと同様の構成については、第2搬送ユニット3Bに用いたのと同じ符号を用いて説明する場合がある。
【0017】
第2搬送ユニット3Bは、用紙Pを吸着しながら搬送する無端状の搬送ベルト31と、搬送ベルト31の内周面31Bに接触し、不図示のモータにより回転して搬送ベルト31を周回移動させる駆動ロール32と、駆動ロール32よりも用紙Pの搬送方向の上流側に配置され、搬送ベルト31の内周面31Bに接触して搬送ベルト31を支持し、搬送ベルト31に従動して回転する従動ロール33とを備えている。また、第2搬送ユニット3Bは、搬送ベルト31の内周面31Bに接触し、駆動ロール32および従動ロール33とともに搬送ベルト31を支持する支持ロール34、35を備えている。さらに、第2搬送ユニット3Bは、空気を吸引し搬送ベルト31の外周から内周へ向かう気流を生成する気流生成部の一例としてのファン36と、ファン36を収容するとともに、搬送ベルト31の内周面31Bに接触して搬送ベルト31を支持する支持部材37とを備えている。
【0018】
図4は、本実施の形態が適用される搬送ベルト31の概略構成を示した図である。搬送ベルト31は、搬送ベルト31の外周側と内周側との間で気流が通過できるような通気性を有するシート状の材料からなる。この例では、
図4に示すように、搬送ベルト31は、通気性を有するメッシュ状の形態を有している。より具体的には、搬送ベルト31は、ポリアミド等の樹脂からなる繊維を編んだ織物により構成されている。
なお、搬送ベルト31は、通気性を有するものであれば、メッシュ状に限られるものではない。例えば、搬送ベルト31は、外周側と内周側とを通じさせる複数の貫通孔が設けられたシート状の形態であってもよい。
【0019】
本実施の形態の搬送ベルト31は、用紙Pを吸着して搬送する外周面31Aの摩擦係数が、内周面31Bの摩擦係数と比べて小さくなっている。
搬送ベルト31において、外周面31Aの摩擦係数を内周面31Bの摩擦係数と比べて小さくする方法としては、特に限定されないが、例えば、外周面31Aと内周面31Bとで異なる塗膜を形成したり、外周面31Aと内周面31Bとで異なる表面加工を施したしたりすることが挙げられる。
なお、搬送ベルト31において、外周面31Aの摩擦係数を内周面31Bの摩擦係数と比べて小さくすることによる作用については、後段にて説明する。
【0020】
図2に戻り、駆動ロール32は、幅方向に沿って伸びるシャフト321と、シャフト321の外周面に形成される弾性層322とを有する。そして、駆動ロール32は、不図示のモータによりシャフト321が予め定めた方向(この例では時計方向)に回転駆動されることで、回転する。
ここで、本実施の形態では、搬送ベルト31の内周面31Bに対し搬送方向の最も下流側に接触する駆動ロール32により搬送ベルト31を駆動している。付言すると、駆動ロール32は、駆動ロール32とともに搬送ベルト31を支持する従動ロール33、支持ロール34、35よりも搬送方向の下流側で、搬送ベルト31の内周面31Bに接触している。これにより、従動ロール33と駆動ロール32との間に位置する読取領域20の周囲において、搬送ベルト31がたるむことが抑制される。
【0021】
ファン36は、空気を吸引することにより搬送ベルト31の外周から内周へ向かう気流を生成する。ファン36は、空気を吸引することができれば、その構造は特に限定されず、例えば、シロッコファンやプロペラファン等を用いることができる。
ファン36は、搬送ベルト31を介して読取領域20に対向するように、搬送ベルト31の内周に配置される。本実施の形態の第2搬送ユニット3Bでは、ファン36により搬送ベルト31の外周から内周へ向かう気流が生成されることで、搬送ベルト31上に搬送された用紙Pが搬送ベルト31の外周面31Aに吸着される。
【0022】
支持部材37は、用紙Pの搬送方向に交差する幅方向に沿って延びる長尺上の形状を有している。支持部材37は、搬送ベルト31の内周面31Bに接触し、搬送ベルト31の移動を案内する案内面371を有している。案内面371は、用紙Pの搬送方向に沿って延びる平坦な面により構成されている。また、案内面371は、搬送ベルト31を介して第2読取ユニット2B(
図1参照)に対向するように設けられている。付言すると、案内面371は、第2読取ユニット2Bに対し予め定められた距離を介して対向するように設けられている。なお、案内面371と第2読取ユニット2Bとの距離は、第2読取ユニット2Bの光源21による光の照射距離や結像用レンズ23の焦点距離等に応じて定められる。
さらに、案内面371には、搬送ベルト31に接触する側からファン36に対向する側に貫通する複数の貫通孔が形成されている。これにより、ファン36が回転した場合に、空気が搬送ベルト31および案内面371を通過してファン36に吸引されるようになっている。
【0023】
また、本実施の形態の第2搬送ユニット3Bでは、支持部材37の案内面371の高さと、駆動ロール32および従動ロール33の最上部の高さとが、互いに等しくなっている。付言すると、第2搬送ユニット3Bでは、従動ロール33から支持部材37の案内面371を通って、駆動ロール32に到達するまでの間、搬送ベルト31は、搬送方向に対して水平な状態を保ちながら周回移動する。これにより、用紙Pが搬送ベルト31の外周面31Aから浮きにくくなり、第2読取ユニット2Bと用紙Pの一方の面との距離の変動が抑制される。
【0024】
(画像検査装置の動作)
続いて、本実施の形態の画像検査装置1の動作について説明する。画像検査装置1において用紙Pに形成された画像を検査する場合、第1搬送ロール対4、第2搬送ロール対5、第3搬送ロール対6、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bの駆動を行う。具体的には、第1搬送ロール対4の搬送ロール41、第2搬送ロール対5の搬送ロール51および第3搬送ロール対6の搬送ロール61を駆動するモータ(不図示)に対して電力が供給される。これにより、第1搬送ロール対4の搬送ロール41、第2搬送ロール対5の搬送ロール51および第3搬送ロール対6の搬送ロール61が予め定められた方向に回転する。
【0025】
また、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bでは、駆動ロール32を駆動するモータ(不図示)に対して電力が供給され、駆動ロール32が予め定められた方向に回転する。これにより、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bでは、搬送ベルト31が周回移動する。さらに、第1搬送ユニット3Aおよび第2搬送ユニット3Bでは、ファン36に電力が供給されることで、ファン36が回転し、空気が吸引される。
【0026】
次いで、画像検査装置1には、不図示の画像形成装置等で画像が形成された用紙Pが送り込まれる。画像検査装置1に送り込まれた用紙Pは、第1搬送ロール対4により搬送方向の下流側へ搬送される。そして、用紙Pの先端が第1搬送ユニット3Aの搬送ベルト31に到達すると、用紙Pは、ファン36により生成される気流によって、搬送ベルト31の外周面31Aに吸着される。そして、用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aに吸着された状態で、搬送ベルト31が周回移動するのに伴ってさらに搬送方向の下流側へ搬送される。
【0027】
そして、用紙Pが第1読取ユニット2Aによる読取領域20に到達すると、第1読取ユニット2Aにより、用紙Pの第1読取ユニット2Aに対向する一方の面(
図1における下側の面)に形成された画像が読み取られる。具体的には、第1読取ユニット2Aの光源21により用紙Pに対し光が照射され、反射光がミラー22および結像用レンズ23を介してイメージセンサ24に入力される。イメージセンサ24に入力され取得された読取データは、制御部7により画像形成装置から入力された画像データとの間でパターンマッチング処理が行われ、用紙Pの一方の面に形成された画像に不良が発生しているか否かが検査される。
【0028】
ここで、本実施の形態の第1搬送ユニット3Aでは、用紙Pは、第1読取ユニット2Aの読取領域20を通過する際に、ファン36により生成される気流によって搬送ベルト31の外周面31Aに吸着されている。これにより、搬送ベルト31の外周面31Aから用紙Pが浮きにくくなり、用紙Pが搬送ベルト31の外周面31Aに吸着されない場合と比べて、第1読取ユニット2Aと用紙Pの一方の面との距離の変動が抑制される。この結果、第1読取ユニット2Aによる画像の読取精度の低下が抑制される。
【0029】
次いで、第1搬送ユニット3Aを通過した用紙Pは、第2搬送ロール対5によりさらに搬送方向の下流側に搬送される。そして、用紙Pの先端が第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31に到達すると、用紙Pは、ファン36により生成される気流によって、搬送ベルト31の外周面31Aに吸着される。そして、用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aに吸着された状態で、搬送ベルト31が周回移動するのに伴ってさらに下流側へ搬送される。
【0030】
そして、用紙Pが第2読取ユニット2Bによる読取領域20に到達すると、第2読取ユニット2Bにより、用紙Pの第2読取ユニット2Bに対向する他方の面(
図1における上側の面)に形成された画像が読み取られる。具体的には、第2読取ユニット2Bの光源21により用紙Pに対し光が照射され、反射光がミラー22および結像用レンズ23を介してイメージセンサ24に入力される。イメージセンサ24に入力され取得された読取データは、制御部7により画像形成装置から入力された画像データとの間でパターンマッチング処理が行われ、用紙Pの他方の面に形成された画像に不良が発生しているか否かが検査される。
【0031】
ここで、本実施の形態の第2搬送ユニット3Bでは、第1搬送ユニット3Aと同様に、用紙Pは、第2読取ユニット2Bの読取領域20を通過する際に、ファン36により生成される気流によって搬送ベルト31の外周面31Aに吸着されている。これにより、搬送ベルト31の外周面31Aから用紙Pが浮きにくくなり、用紙Pが搬送ベルト31の外周面31Aに吸着されない場合と比べて、第2読取ユニット2Bと用紙Pの他方の面との距離の変動が抑制される。この結果、第2読取ユニット2Bによる画像の読取精度の低下が抑制される。
【0032】
その後、第2搬送ユニット3Bを通過した用紙Pは、第3搬送ロール対6によりさらに搬送方向の下流側に搬送され、画像検査装置1から排出される。以上により、画像検査装置1での一連の処理が終了する。
【0033】
(第1搬送ユニットおよび第2搬送ユニットの作用)
ところで、上述したように動作する画像検査装置1では、第1搬送ユニット3Aまたは第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31が用紙Pを搬送する方向が、この搬送ベルト31に用紙Pを搬送する第1搬送ロール対4または第2搬送ロール対5が用紙Pを搬送する方向に対してずれる場合がある。
例えば、第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31が用紙Pを搬送する方向が、第2搬送ロール対5が用紙Pを搬送する方向に対してずれていると、
図3において破線で示すように、第2搬送ロール対5から搬送ベルト31に進入した用紙Pが幅方向にずれて蛇行しながら搬送される場合がある。この結果、読取領域20に対する用紙Pの位置が幅方向にずれて、第2読取ユニット2Bによる用紙Pの読取精度が低下し、画像の検査を正確に行うことができない場合がある。
図示は省略するが、第1搬送ユニット3Aと第1搬送ロール対4との間でも、同様の問題が生じる場合がある。
【0034】
これに対し、本実施の形態の第2搬送ユニット3Bは、上述したように、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数が、内周面31Bの摩擦係数と比べて小さい。これにより、例えば、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数が内周面31Bの摩擦係数より大きい場合と比べて、搬送ベルト31上で吸着される用紙Pの外周面31Aに対する拘束力が小さくなっている。言い換えると、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数が内周面31Bの摩擦係数と比べて小さいことで、用紙Pが搬送ベルト31の外周面31A上で幅方向に滑りやすくなっている。
この結果、第2搬送ロール対5から搬送ベルト31に進入した用紙Pは、第2搬送ロール対5が用紙Pを搬送する方向と搬送ベルト31とが用紙Pを搬送する方向とがずれている場合には、搬送ベルト31の外周面31Aにおいて第2搬送ロール対5が用紙Pを搬送する方向に従って搬送される。そして、読取領域20に対して用紙Pが幅方向にずれて搬送されることが抑制され、第2読取ユニット2Bによる読取精度の低下が抑制される。
【0035】
なお、図示は省略するが、第1搬送ユニット3Aにおいても、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数が内周面31Bの摩擦係数と比べて小さいことで、第1搬送ロール対4から搬送ベルト31に進入した用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aにおいて第1搬送ロール対4が用紙Pを搬送する方向に従って搬送される。これにより、読取領域20に対して用紙Pが幅方向にずれて搬送されることが抑制され、第1読取ユニット2Aによる読取精度の低下が抑制される。
【0036】
ここで、本実施の形態では、第1搬送ユニット3Aにおける搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数が、第1搬送ロール対4の搬送ロール41の外周面の摩擦係数よりも小さいことが好ましい。これにより、用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aにおいて、第1搬送ロール対4により用紙Pが搬送される方向に従って搬送されやすくなり、読取領域20に対して用紙Pが幅方向にずれて搬送されることがより抑制される。
同様に、第2搬送ユニット3Bにおける搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数が、第2搬送ロール対5の搬送ロール51の外周面の摩擦係数よりも小さいことが好ましい。これにより、用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aにおいて、第2搬送ロール対5により用紙Pが搬送される方向に従って搬送されやすくなり、読取領域20に対して用紙Pが幅方向にずれて搬送されることがより抑制される。
【0037】
また、本実施の形態では、第1搬送ロール対4が用紙Pを搬送する力に比べて、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数と、ファン36により吸着される用紙Pの搬送ベルト31への密着力とにより用紙Pに生じる力が小さいことが好ましい。言い換えると、第1搬送ロール対4の搬送ロール41と対向ロール42との間に発生する力と、搬送ロール41の外周面の摩擦係数とにより用紙Pに生じる力に比べて、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数と、ファン36による吸引力とにより用紙Pに生じる力が小さいことが好ましい。
これにより、用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aにおいて、第1搬送ロール対4により用紙Pが搬送される方向に従って搬送されやすくなり、読取領域20に対して用紙Pが幅方向にずれて搬送されることがより抑制される。
【0038】
同様に、第2搬送ロール対5が用紙Pを搬送する力に比べて、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数と、ファン36により吸着される用紙Pの搬送ベルト31への密着力とにより用紙Pに生じる力が小さいことが好ましい。言い換えると、第2搬送ロール対5の搬送ロール51と対向ロール52との間に発生する力と、搬送ロール51の外周面の摩擦係数とにより用紙Pに生じる力に比べて、搬送ベルト31の外周面31Aの摩擦係数と、ファン36による吸引力とにより用紙Pに生じる力が小さいことが好ましい。
これにより、用紙Pは、搬送ベルト31の外周面31Aにおいて、第2搬送ロール対5により用紙Pが搬送される方向に従って搬送されやすくなり、読取領域20に対して用紙Pが幅方向にずれて搬送されることがより抑制される。
【0039】
さらに、本実施の形態では、第1搬送ユニット3Aと第2搬送ユニット3Bとを比べると、搬送方向の下流側に位置する第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31の内周面31Bの摩擦係数が、第1搬送ユニット3Aの搬送ベルト31と比べて大きいことが好ましい。なお、この場合、搬送方向の下流側に位置する第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31が他の搬送ベルトの一例であり、第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31を駆動する駆動ロール32が他の駆動ロールの一例である。
このような構成を採用することで、第2搬送ユニット3Bの搬送ベルト31により用紙Pを搬送する力が、第1搬送ユニット3Aの搬送ベルト31により用紙Pを搬送する力よりも大きくなる。この結果、例えば、用紙Pが第1搬送ユニット3Aと第2搬送ユニット3Bとにまたがって搬送される場合に、用紙Pが搬送方向の下流側の第2搬送ユニット3Bに引っ張られやすくなる。この結果、第1搬送ユニット3Aと第2搬送ユニット3Bとの間で用紙Pがたるむことが抑制される。
【0040】
(変形例)
続いて、本実施の形態の変形例について説明する。なお、以下の説明では、
図1~
図4に示したのと同様の構成については同様の符号を用い、ここでは詳細な説明は省略する。
図5は、第2搬送ユニット3B、第2搬送ロール対5および第3搬送ロール対6の第1の変形例を示した図である。
【0041】
図5に示す第1の変形例の第2搬送ロール対5には、搬送ロール51と搬送ロール51を回転駆動するモータ(不図示)との間に駆動制御部の一例としての1ウェイクラッチ510が設けられている。また、第1の変形例では、第2搬送ロール対5の搬送ロール51と比べて、第3搬送ロール対6の搬送ロール61のほうが、回転速度が速く設定されている。なお、第1の変形例では、第2搬送ロール対5が搬送部の一例であり、第3搬送ロール対6が他の搬送部の一例であり、第2搬送ロール対5の搬送ロール51が搬送ロールの一例であり、第3搬送ロール対6の搬送ロール61が他の搬送ロールの一例である。
【0042】
そして、
図5に示す第1の変形例では、第2搬送ロール対5により搬送される用紙Pの先端が第3搬送ロール対6へ進入し、用紙Pが第3搬送ロール対6により搬送方向へ引っ張られると、1ウェイクラッチ510の作用により第2搬送ロール対5の搬送ロール51の駆動が解除されて搬送ロール51が空回りすることで、用紙Pの後端が第2搬送ロール対5から引き抜かれる。
これにより、用紙Pが第2搬送ロール対5と第3搬送ロール対6とにまたがって搬送される場合には、用紙Pは、第3搬送ロール対6による駆動力によって搬送される状態となる。この結果、第2搬送ロール対5と第3搬送ロール対6との間に位置する搬送ベルト31上で用紙Pがたるむことが抑制され、第2読取ユニット2Bと用紙Pの他方の面との距離の変動が抑制される。
【0043】
図6は、第2搬送ユニット3B、第2搬送ロール対5および第3搬送ロール対6の第2の変形例を示した図である。
図6に示す第2の変形例の第3搬送ロール対6には、搬送ロール61と搬送ロール61を回転駆動するモータ(不図示)との間に他の駆動制御部の一例としてのトルクリミッタ610が設けられている。また、第2の変形例では、第1の変形例と同様に、第2搬送ロール対5の搬送ロール51と比べて、第3搬送ロール対6の搬送ロール61のほうが、回転速度が速く設定されている。なお、第2の変形例では、第2搬送ロール対5が搬送部の一例であり、第3搬送ロール対6が他の搬送部の一例であり、第2搬送ロール対5の搬送ロール51が搬送ロールの一例であり、第3搬送ロール対6の搬送ロール61が他の搬送ロールの一例である。
【0044】
そして、
図6に示す第2の変形例では、回転速度が遅い第2搬送ロール対5により用紙Pが搬送されている間は、用紙Pの先端が第3搬送ロール対6へ進入した場合であっても、トルクリミッタ610により搬送ロール61への駆動力の伝達が解除され、搬送ロール61が空回りする。言い換えると、用紙Pが第2搬送ロール対5と第3搬送ロール対6とにまたがって搬送される場合には、用紙Pは、第2搬送ロール対5による駆動力によって搬送される状態となる。
その後、用紙Pの後端が第2搬送ロール対5から排出されると、トルクリミッタ610により駆動力が搬送ロール61へ伝達される状態へ切り替えられる。これにより、用紙Pが第3搬送ロール対6による駆動力によって搬送される状態となる。付言すると、回転速度が速い第3搬送ロール対6により用紙Pが搬送されることで、搬送方向の下流側へ用紙Pが引っ張られるようになる。
これにより、第2搬送ロール対5と第3搬送ロール対6との間に位置する搬送ベルト31上で用紙Pがたるむことが抑制され、第2読取ユニット2Bと用紙Pの他方の面との距離の変動が抑制される。
【0045】
なお、
図5および
図6では、第2搬送ユニット3B、第2搬送ロール対5および第3搬送ロール対6を例示して説明したが、第1搬送ユニット3A、第1搬送ロール対4および第2搬送ロール対5においても、同様の構成を採用することができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、本発明の目的を損なわない限り、上記の実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…画像検査装置、2A…第1読取ユニット、2B…第2読取ユニット、3A…第1搬送ユニット、3B…第2搬送ユニット、4…第1搬送ロール対、5…第2搬送ロール対、6…第3搬送ロール対、7…制御部、20…読取領域、21…光源、22…ミラー、23…結像用レンズ、24…イメージセンサ、31…搬送ベルト、31A…外周面、31B…内周面、32…駆動ロール、33…従動ロール、34、35…支持ロール、36…ファン、37…支持部材