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特許7563021通信装置、通信システム、通信方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、通信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/22 20060101AFI20241001BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04L12/22
H04L12/28 100A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020127729
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024898
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】飯吉 建彰
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0242864(US,A1)
【文献】特開2017-083297(JP,A)
【文献】特開2017-153082(JP,A)
【文献】特開2010-147921(JP,A)
【文献】特開2008-060809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
当該通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行い、
前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化する暗号化手段と、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行う送信処理手段と、
他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う中継処理手段と、
を有し、
前記中継処理手段は、前記第2の暗号化情報を前記他の通信装置に中継するための処理を行うときに、前記第1の航空機の識別情報を、前記第2の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加し、
前記中継処理手段は、他の航空機である第3の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第3の暗号化情報を受信した場合であって、当該第3の暗号化情報の全ての宛先の航空機の識別情報が、当該第3の暗号化情報のヘッダ情報に示された当該第3の暗号化情報を中継した通信装置に対応する航空機の識別情報に含まれる場合に、当該第3の暗号化情報の中継処理を行わないと判定する、
通信装置。
【請求項2】
暗号化された情報を復号する復号手段、
をさらに有し、
前記第1の航空機が前記第2の暗号化情報の閲覧を許可されている場合に、前記復号手段は、前記第2の暗号化情報を復号し、
前記第1の航空機が前記第2の暗号化情報の閲覧を許可されていない場合に、前記復号手段は、前記第2の暗号化情報を復号せず、当該通信装置は、前記第2の暗号化情報に対しては、前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置への中継を行うノードとして機能する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の航空機の周囲の前記他の航空機の位置を特定するための処理を行う位置特定手段
をさらに有し、
前記送信処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた少なくとも1つの前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた全ての前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記位置特定手段によって前記他の航空機の位置が特定されたときに、当該他の航空機の識別情報を取得する識別情報取得手段、
をさらに有し、
前記送信処理手段は、前記識別情報を用いて、位置を特定できた前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
請求項3又は4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1の航空機の周囲の前記他の航空機の位置を特定するための処理を行う位置特定手段、
をさらに有し、
前記中継処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた少なくとも1つの前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第2の暗号化情報を中継するための処理を行う、
請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記送信処理手段は、前記他の通信装置に、暗号化されていない第1の非暗号化情報を送信するための処理を行い、
前記中継処理手段は、前記第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から暗号化されていない第2の非暗号化情報を受信した場合に、前記第2の非暗号化情報を、前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う、
請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
複数の航空機にそれぞれ搭載された複数の通信装置を有し、
前記複数の通信装置のそれぞれは、当該通信装置を搭載した前記航空機の飛翔中に、当該航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の前記通信装置と相互に無線通信を行い、
前記複数の通信装置それぞれは、
情報を暗号化する暗号化手段と、
他の前記通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である暗号化情報を送信するための処理を行う送信処理手段と、
他の前記通信装置から前記暗号化情報を受信した場合に、前記暗号化情報を中継するための処理を行う中継処理手段と、
を有し、
前記複数の通信装置のうちの第1の通信装置の前記暗号化手段は、前記第1の通信装置を搭載した第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の前記通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化し、
前記第1の通信装置の前記送信処理手段は、前記第1の航空機とは異なる少なくとも1つの第2の航空機に搭載された第2の通信装置に、少なくとも、第1の暗号化情報を送信するための処理を行い、
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の通信装置から前記第1の暗号化情報を受信した場合に、前記第1の暗号化情報を、地上局又は前記第2の航空機とは異なる少なくとも1つの第3の航空機に搭載された第3の通信装置に中継するための処理を行
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の暗号化情報を前記第3の通信装置に中継するための処理を行うときに、前記第2の航空機の識別情報を、前記第1の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加し、
前記第3の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の暗号化情報の全ての宛先の航空機の識別情報が、前記ヘッダ情報に示された当該第1の暗号化情報を中継した通信装置に対応する航空機の識別情報に含まれる場合に、前記第1の暗号化情報の中継処理を行わないと判定する、
通信システム。
【請求項9】
通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行い、
前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化し、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行い、
他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行
前記第2の暗号化情報を前記他の通信装置に中継するための処理を行うときに、前記第1の航空機の識別情報を、前記第2の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加し、
他の航空機である第3の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第3の暗号化情報を受信した場合であって、当該第3の暗号化情報の全ての宛先の航空機の識別情報が、当該第3の暗号化情報のヘッダ情報に示された当該第3の暗号化情報を中継した通信装置に対応する航空機の識別情報に含まれる場合に、当該第3の暗号化情報の中継処理を行わないと判定する、
通信方法。
【請求項10】
通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行う前記通信装置のコンピュータに、
前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化するステップと、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行うステップと、
他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行うステップと、
前記第2の暗号化情報を前記他の通信装置に中継するための処理を行うときに、前記第1の航空機の識別情報を、前記第2の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加するステップと、
他の航空機である第3の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第3の暗号化情報を受信した場合であって、当該第3の暗号化情報の全ての宛先の航空機の識別情報が、当該第3の暗号化情報のヘッダ情報に示された当該第3の暗号化情報を中継した通信装置に対応する航空機の識別情報に含まれる場合に、当該第3の暗号化情報の中継処理を行わないと判定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、航路上に存在する複数の航空機間で通信回線を確立し、地上ゲートウェイ局と通信回線を確立している航空機を通じて地上通信網と接続する航空機通信システムを開示する。特許文献2は、飛行中に第1航空機と少なくとも1機の第2航空機の間でデータを送信するステップを含み、送信されるデータが、第1航空機に搭載された少なくとも1つのブラックボックスに保管されたデータである、データ送信方法を開示する。特許文献2において、送信されるデータは、暗号化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-147921号公報
【文献】特表2013-546264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛翔中の航空機が、その航空機からの情報の閲覧を許可された航空機(例えば同じ航空会社の航空機)が周囲に存在しない場合に他の航空機と通信を行うと、情報の閲覧が許可されていない航空機においてその情報を閲覧されてしまうおそれがある。したがって、特許文献にかかる技術では、飛翔中の航空機は、周囲に情報の閲覧が許可されている航空機が存在しない場合に、地上通信網と通信を行うことができないおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、情報の閲覧を許可されている航空機が周囲に存在しない場合であっても、情報の閲覧を許可されている航空機又は地上局に情報を伝送することが可能な通信装置、通信システム、通信方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる通信装置は、当該通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行い、前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化する暗号化手段と、飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行う送信処理手段と、他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う中継処理手段と、を有する。
【0007】
また、本開示にかかる通信システムは、複数の航空機にそれぞれ搭載された複数の通信装置を有し、前記複数の通信装置のそれぞれは、当該通信装置を搭載した前記航空機の飛翔中に、当該航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の前記通信装置と相互に無線通信を行い、前記複数の通信装置それぞれは、情報を暗号化する暗号化手段と、他の前記通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である暗号化情報を送信するための処理を行う送信処理手段と、他の前記通信装置から前記暗号化情報を受信した場合に、前記暗号化情報を中継するための処理を行う中継処理手段と、を有し、前記複数の通信装置のうちの第1の通信装置の前記暗号化手段は、前記第1の通信装置を搭載した第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の前記通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化し、前記第1の通信装置の前記送信処理手段は、前記第1の航空機とは異なる少なくとも1つの第2の航空機に搭載された第2の通信装置に、少なくとも、第1の暗号化情報を送信するための処理を行い、前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の通信装置から前記第1の暗号化情報を受信した場合に、前記第1の暗号化情報を、地上局又は前記第2の航空機とは異なる少なくとも1つの第3の航空機に搭載された第3の通信装置に中継するための処理を行う。
【0008】
また、本開示にかかる通信方法は、通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行い、前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化し、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行い、他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う。
【0009】
また、本開示にかかるプログラムは、通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行う前記通信装置のコンピュータに、前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化するステップと、飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行うステップと、他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行うステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、情報の閲覧を許可されている航空機が周囲に存在しない場合であっても、情報の閲覧を許可されている航空機又は地上局に情報を伝送することが可能な通信装置、通信システム、通信方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態にかかる通信装置の概要を示す図である。
図2】実施の形態1にかかる通信システムを示す図である。
図3】実施の形態1にかかる通信装置の構成を示す図である。
図4】実施の形態1にかかる通信システムで行われる通信方法を示すシーケンス図である。
図5】実施の形態1にかかる中継処理を示すフローチャートである。
図6】送信対象情報を例示する図である。
図7】実施の形態2にかかる通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示にかかる実施の形態の概要)
本開示の実施形態の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態の概要について説明する。図1は、本開示の実施の形態にかかる通信装置1の概要を示す図である。通信装置1は、例えば、コンピュータで構成されてもよい。
【0013】
通信装置1は、航空機10(第1の航空機)に搭載されている。通信装置1は、航空機10の飛翔中に、航空機10とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機20(20A,20B)に搭載された他の通信装置22と相互に無線通信を行う。なお、他の通信装置22は、通信装置1と実質的に同様の機能を有し得る。通信装置1と通信装置22との無線通信は、例えば、P2P(Peer to Peer)通信によって行われ得る。また、航空機10,20は、飛翔可能な任意の飛行体を含む。例えば、航空機10,20は、旅客機、貨物機、ヘリコプター、軍用機、気球、又は飛行船を含む。
【0014】
また、航空機10,20は、互いに同じグループに属している必要はない。ここで、「同じグループ」とは、ある情報の閲覧(解読)が許可されたグループ(組織)である。グループ(組織)は、例えば、航空会社である。「情報の閲覧が許可されたグループ(組織)」とは、そのグループ(組織)に属している航空機(及び通信装置)において情報の閲覧を行うことが許可されていることを意味する。例えば、航空機10と航空機20とが同じグループに属していれば、航空機10からの情報を航空機20で閲覧することを許可されている。また、航空機10と航空機20が同じグループに属していなければ、航空機10からの情報を航空機20で閲覧することを禁止されている。本実施の形態では、通信装置1は、航空機10からの情報の閲覧が他の航空機20において許可されているか否かに関わらず、通信装置22(22A,22B)と互いに通信を行う。なお、このグループは、情報に応じて適宜変化してもよい。例えば、航空機10から送信された情報Aは、航空機20Aにおいて閲覧が許可され、航空機Bにおいて閲覧が禁止されているが、航空機10から送信された別の情報Bは、航空機20A,20Bにおいて閲覧が禁止されていてもよい。
【0015】
通信装置1(第1の通信装置)は、暗号化部2と、送信処理部4と、中継処理部6とを有する。暗号化部2は、暗号化手段としての機能を有する。送信処理部4は、送信処理手段としての機能を有する。中継処理部6は、中継処理手段としての機能を有する。
【0016】
暗号化部2は、航空機10からの情報の閲覧(解読)が許可されたノードのみで復号可能であるように、情報を暗号化する。ここで、ノードとは、互いに通信を行う対象のことである。ノードは、航空機、通信装置、地上局を含む。暗号化部2は、航空機10からの情報の閲覧(解読)が許可された地上局の通信装置及び航空機10からの情報の閲覧が許可された他の航空機20に搭載された他の通信装置22のみで復号可能であるように、情報を暗号化する。送信処理部4は、飛翔中の他の航空機20(第2の航空機)に搭載された他の通信装置22(第2の通信装置)に、少なくとも、暗号化部2によって暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行う。これにより、第1の暗号化情報は、通信装置22A,22Bに送信される。ここで、上述したように、送信処理部4は、航空機10からの情報の閲覧が他の航空機20において許可されているか否かに関わらず、通信装置22(22A,22B)に第1の暗号化情報を送信する。
【0017】
中継処理部6は、他の通信装置22から情報を受信した場合に、この情報を中継するための処理を行う。中継処理部6は、他の航空機である航空機20A(第1の他の航空機)に搭載された他の通信装置22Aから、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信する。中継処理部6は、この場合に、第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの航空機20B(第2の他の航空機)に搭載された他の通信装置22Bに中継するための処理を行う。ここで、中継処理部6は、他の航空機20A,20Bが航空機10と同じグループに属しているか否かに関わらず、航空機20Aと航空機20Bとの間における情報(第2の暗号化情報)の中継を行う。
【0018】
なお、通信装置1(第1の通信装置)から航空機20(第2の航空機)に搭載された通信装置22(第2の通信装置)に暗号化情報(第1の暗号化情報)が送信されたとする。この場合、通信装置22の中継処理部6は、暗号化情報(第1の暗号化情報)を、地上局又は航空機20とは異なる少なくとも1つの他の航空機20(第3の航空機)に搭載された他の通信装置22(第3の通信装置)に中継するための処理を行う。
【0019】
洋上を飛翔中の航空機については、無線通信を行うことが可能な程度の距離内に地上局がないことがある。この場合、洋上を飛翔中の航空機が、出発地や目的地の空港にある自社(同じグループ)との連絡や周囲を飛行する自社の航空機との連絡を行うためには、衛星通信を使用する必要があり得る。この場合、衛星通信を行うための装置を搭載していない航空機は、洋上では自社のノードとの通信を行うことができない。したがって、この場合、他の航空機を介して、自社のノードと通信を行うことが考えられる。一方、飛翔中の航空機が、その航空機からの情報の閲覧を許可された航空機(例えば同じ航空会社の航空機)が周囲に存在しない場合に他の航空機と通信を行うと、情報の閲覧が許可されていない航空機においてその情報を閲覧されてしまうおそれがある。
【0020】
ここで、上述したように、本実施の形態にかかる通信装置1は、閲覧が許可されていないグループにおいて情報の閲覧が禁止されているように暗号化を行って、情報(暗号化情報)を他の航空機20に送信するように構成されている。ここで、情報を送信された他の航空機20(通信装置22)では、中継処理部6と同様の機能により、その航空機20とは別の航空機20に、その情報(暗号化情報)を中継する。そして、中継を行う他の航空機20においてその情報の閲覧が許可されていない場合は、中継を行う他の航空機20では、情報の復号が行われない。このようにして、本実施の形態では、情報を暗号化した航空機と別のグループに属しており、その情報の閲覧が許可されていない(禁止されている)航空機では、P2Pのノードとして中継のみが行われ、情報の閲覧(復号)がなされない。これにより、飛翔中の航空機は、情報の閲覧が許可されている航空機が周囲に存在しない場合であっても、情報の閲覧が許可されていない航空機を介して、情報の閲覧が許可されている航空機又は地上局の通信装置に対して情報を伝送することが可能となる。
【0021】
なお、複数の通信装置1(通信装置22)を有する通信システムを用いても、飛翔中の航空機が、情報の閲覧が許可されていない航空機を介して、情報の閲覧が許可されている航空機又は地上局の通信装置に対して情報を伝達することが可能となる。また、通信装置1で実行される通信方法及び通信方法を実現するプログラムを用いても、飛翔中の航空機が、情報の閲覧が許可されていない航空機を介して、情報の閲覧が許可されている航空機又は地上局の通信装置に対して情報を伝達することが可能となる。また、通信システムで実行される通信方法を用いても、飛翔中の航空機が、情報の閲覧が許可されていない航空機を介して、情報の閲覧が許可されている航空機又は地上局の通信装置に対して情報を伝達することが可能となる。
【0022】
なお、上述した特許文献2では、送信されるデータが暗号化されることは開示されているが、データの閲覧を許可されていない航空機が、暗号化されたままのデータを中継することについて、開示されていない。つまり、特許文献2は、航空機間のP2P通信において、閲覧が許可された航空機では暗号化されたデータが復号され、閲覧が許可されていない航空機では、暗号化されたデータの中継のみが行われる、ということを開示していない。よって、特許文献2では、情報の閲覧が許可されている航空機が周囲に存在しない場合に、情報の閲覧が許可されていない航空機を介して、情報の閲覧が許可されている地上局又は航空機の通信装置に対して情報を伝達する、ということは実現され得ない。
【0023】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0024】
図2は、実施の形態1にかかる通信システム50を示す図である。通信システム50は、複数の通信装置100及び通信装置80有する。通信装置100は、航空機60に搭載されている。図2の例では、通信装置100Aは、航空機60Aに搭載されている。通信装置100Bは、航空機60Bに搭載されている。通信装置100Cは、航空機60Cに搭載されている。ここで、航空機60は飛翔中であるとする。また、通信装置80は、地上局70に搭載されている。通信装置80は、後述する通信装置100の構成要素を有してもよい。また、通信システム50に参加している各通信装置100(各航空機60)には、予め、識別情報が一意に割り当てられている。そして、識別情報と、無線通信を行うためのアドレス(例えばIPアドレス)とが、対応付けられている。各通信装置100は、この対応付けを記憶している。なお、アドレス自体を、識別情報としてもよい。
【0025】
図2の例において、通信装置100A-1(通信装置A-1)は、航空機60A-1(航空機A-1)に搭載されている。通信装置100A-2(通信装置A-2)は、航空機60A-2(航空機A-2)に搭載されている。通信装置80A-11(通信装置A-11)は、地上局70に搭載されている。また、通信装置100B-1(通信装置B-1)は、航空機60B-1(航空機B-1)に搭載されている。通信装置100B-2(通信装置B-2)は、航空機60B-2(航空機B-2)に搭載されている。通信装置80B-11(通信装置B-11)は、地上局70に搭載されている。通信装置100C-1(通信装置C-1)は、航空機60C-1(航空機C-1)に搭載されている。通信装置80C-11(通信装置C-11)は、地上局70に搭載されている。
【0026】
ここで、航空機60A(60A-1,60A-2)及びその通信装置100A(100A-1,100A-2)、及び地上局70の通信装置80A(80A-11)は、組織A(航空会社A)に属している。また、航空機60B(60B-1,60B-2)及びその通信装置100B(100B-1,100B-2)、及び地上局70の通信装置80B(80B-11)は、組織B(航空会社B)に属している。また、航空機60C(60C-1)及びその通信装置100C(100C-1)、及び地上局70の通信装置80C(80C-11)は、組織C(航空会社C)に属している。そして、同じ組織内では、情報の閲覧が許可されている。一方、異なる組織間では、情報の閲覧が禁止されている。例えば、組織Aに属する航空機60Aの通信装置100Aから送信された情報は、同じ組織Aに属する他の航空機60A及び地上局70の通信装置80A(80A-11)で、閲覧が許可されている。一方、組織Aに属する航空機60Aの通信装置100Aから送信された情報は、別の組織Bに属する航空機60B及び地上局70の通信装置80B(80B-11)で、閲覧が許可禁止されている。
【0027】
また、図2の例において、航空機60A-1と、航空機60B-1及び航空機60C-1との間の距離は、互いに無線通信が可能な程度な距離である。したがって、通信装置100A-1は、通信装置100B-1及び通信装置100C-1と、相互に無線通信を行っている。また、航空機60B-1と地上局70との間の距離は、互いに無線通信が可能な程度な距離である。したがって、通信装置100B-1は、地上局70の通信装置80と、相互に無線通信を行っている。また、航空機60C-1と、航空機60B-2及び航空機60A-2との間の距離は、互いに無線通信が可能な程度な距離である。したがって、通信装置100C-1は、通信装置100B-2及び通信装置100A-2と、相互に無線通信を行っている。ここで、航空機60は、飛翔中であるので、他の航空機60及び地上局70との間の距離は、変化する。したがって、通信装置100が通信可能な相手は、都度、変化する。
【0028】
図3は、実施の形態1にかかる通信装置100の構成を示す図である。通信装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0029】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
【0030】
通信部106は、他の通信装置100と通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、システム管理者によるデータの入力の操作を受け付け、システム管理者に対して情報を出力する。また、通信部106は、フェーズドアレイアンテナ等の、指向性を制御できるアンテナを有してもよい。
【0031】
実施の形態1にかかる通信装置100は、構成要素として、情報生成部112と、暗号化部114と、鍵格納部116と、送信動作部120と、受信動作部130と、復号部140とを有する。また、送信動作部120は、位置特定部122と、位置情報取得部124と、識別情報取得部126と、送信処理部128とを有する。また、受信動作部130は、受信処理部132と、中継処理部134とを有する。
【0032】
情報生成部112は、情報生成手段としての機能を有する。暗号化部114は、図1に示した暗号化部2に対応する。暗号化部114は、暗号化手段としての機能を有する。鍵格納部116は、鍵格納手段としての機能を有する。送信動作部120は、送信動作手段としての機能を有する。受信動作部130は、受信動作手段としての機能を有する。復号部140は、復号手段としての機能を有する。
【0033】
位置特定部122は、位置特定手段としての機能を有する。位置情報取得部124は、位置情報取得手段としての機能を有する。識別情報取得部126は、識別情報取得手段としての機能を有する。送信処理部128は、図1に示した送信処理部4に対応する。送信処理部128は、送信処理手段としての機能を有する。受信処理部132は、受信処理手段としての機能を有する。中継処理部134は、図1に示した中継処理部6に対応する。中継処理部134は、中継処理手段としての機能を有する。
【0034】
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。
【0035】
情報生成部112は、送信対象の情報(送信対象情報)を生成する。送信対象情報は、暗号化される情報(暗号化対象情報)と、暗号化されない情報(非暗号化情報)とを含む。暗号化対象情報は、例えば、通信装置100を搭載した航空機60(以下、「対応する航空機60」と称する)の到着予定時刻及び連絡事項(機内で発生した出来事の連絡等)を示す。また、非暗号化情報は、例えば、テレメトリ情報である。テレメトリ情報は、対応する航空機60の位置、高度、速度、機体の状態、及びエンジンの状態等を示す。ここで、暗号化対象情報は、対応する航空機60が属する組織内のみで閲覧可能とする情報である。一方、非暗号化情報は、対応する航空機60が属する組織以外の組織でも閲覧可能とする情報である。
【0036】
鍵格納部116は、対応する航空機60が属する組織で使用される暗号鍵及び復号鍵を格納する。なお、復号鍵は、暗号鍵と同じであってもよい。鍵格納部116で格納される暗号鍵及び復号鍵は、同じ組織内で共有され得る。暗号鍵は、同じ組織に属する(つまり閲覧が許可された)航空機60においてのみ復号できるように、暗号化対象情報を暗号化する。復号鍵は、同じ組織に属する航空機60によって暗号化された暗号化情報のみ、復号できる。
【0037】
暗号化部114は、鍵格納部116に格納された暗号鍵を用いて、暗号化対象情報を暗号化する。具体的には、暗号化部114は、対応する航空機60と同じ組織に属する航空機60に搭載された通信装置100及び地上局70の対応する航空機60と同じ組織に属する通信装置80のみで復号可能であるように、情報を暗号化する。さらに具体的には、暗号化部114は、鍵格納部116に格納された暗号鍵を用いて、暗号化対象情報を暗号化する。言い換えると、暗号化部114は、情報の閲覧が許可された他の通信装置100及び通信装置80に格納された復号鍵(暗号鍵)に対応する暗号鍵を用いて、暗号化対象情報を暗号化する。暗号化された暗号化対象情報を、暗号化情報と称する。このようにして、暗号化情報は、閲覧が許可されたノードにおいてのみ、復号可能となる。
【0038】
送信動作部120は、情報を他のノードに対して送信する際に機能する。送信動作部120は、送信対象情報を、対応する航空機60以外の航空機60(以下、「他の航空機60」と称する)又は地上局70に送信するために必要な動作を行う。
【0039】
位置特定部122は、送信対象情報の送信相手となる、対応する航空機60の周囲の他の航空機60の位置を特定するための処理(位置特定処理)を行う。具体的には、位置特定部122は、通信部106を制御して、対応する航空機60の周囲の航空機60を探索する。さらに具体的には、位置特定部122は、通信部106を制御して、対応する航空機60の周囲に、航空機60の位置を特定するための信号(位置特定信号)を送信する。なお、位置特定信号は、対応する航空機60の位置情報(緯度、経度、高度)及び対応する航空機60の識別情報を含んでもよい。
【0040】
このとき、周囲に他の航空機60が存在すれば、他の航空機60は、位置特定信号に対する応答を、対応する航空機60に向けて出力する。そして、位置特定部122は、位置特定信号に応答して他の航空機60から送信された信号(応答信号)を用いて、他の航空機60の位置を特定する。あるいは、通信装置100が他の航空機60から送信されるテレメトリ情報を受信できた場合は、位置特定部122は、そのテレメトリ情報を用いて、周囲の他の航空機60の位置を特定してもよい。あるいは、位置特定部122は、対応する航空機60に搭載されたレーダシステムを用いて、他の航空機60を探索することによって、他の航空機60の位置を特定してもよい。
【0041】
位置情報取得部124は、対応する航空機60の周囲の他の航空機60の位置を示す位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部124は、位置特定信号に対する応答信号に含まれている、他の航空機60の位置情報を抽出する。あるいは、位置情報取得部124は、他の航空機60から送信されたテレメトリ情報から、他の航空機60の位置情報を抽出してもよい。あるいは、位置情報取得部124は、レーダによって放射された電波が他の航空機60で反射することで生じる反射波を用いて、他の航空機60の位置情報を取得してもよい。なお、位置情報は、他の航空機60の緯度、経度及び高度を示し得る。
【0042】
識別情報取得部126は、他の航空機60の識別情報を取得する。具体的には、識別情報取得部126は、位置特定部122によって周囲の他の航空機60の位置が特定されたときに、他の航空機60の識別情報を取得する。さらに具体的には、識別情報取得部126は、位置特定信号に対する応答信号に含まれている、他の航空機60の識別情報を抽出する。あるいは、識別情報取得部126は、他の航空機60から送信されたテレメトリ情報から、他の航空機60の識別情報を抽出してもよい。
【0043】
送信処理部128は、位置特定部122によって位置を特定できた他の航空機60に対して、暗号化情報(及びテレメトリ情報)を含む送信対象情報を送信するための処理を行う。つまり、送信処理部128は、位置特定部122によって位置を特定できた他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、少なくとも暗号化情報を送信するための処理を行う。さらに、送信処理部128は、位置特定部122によって位置を特定できた全ての他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、少なくとも暗号化情報を送信するための処理を行う。なお、送信処理部128は、暗号化情報及びテレメトリ情報を、別個に送信するようにしてもよい。
【0044】
送信処理部128は、通信部106を制御して、他の通信装置100に対して送信対象情報を送信する。ここで、送信処理部128は、アンテナ(フェーズドアレイアンテナ)の指向性を制御して、取得された他の航空機60の位置情報に対応する方向に向けて、ビームフォーミングを行うように処理を行う。
【0045】
また、送信処理部128は、周囲の他の航空機60の識別情報に対応するアドレスを用いて、他の航空機60の通信装置100と、接続を確立するための処理を行ってもよい。これにより、通信装置100は、他の航空機60に搭載された通信装置100と、確実に情報を送受信することができる。また、送信処理部128は、対応する航空機60から無線通信を行うことが可能な程度の距離内に地上局70が存在する場合には、地上局70に搭載された通信装置80との間で、上記のような処理を行う。
【0046】
受信動作部130は、他のノードから情報を受信する際に機能する。受信動作部130は、他の航空機60から送信された送信対象情報を受信するために必要な動作を行う。そして、受信動作部130は、他の航空機60から送信された送信対象情報をさらに他の航空機60に中継するための処理を行う。ここで、他の航空機60に搭載された通信装置100の送信動作部120が、上述したような処理を行って、対応する航空機60に送信対象情報を送信したとする。
【0047】
受信処理部132は、他の航空機60から送信された送信対象情報を受信するために必要な動作を行う。具体的には、受信処理部132は、対応する航空機60の周囲の他の航空機60の通信装置100から送信された位置特定信号を受信する。この場合、受信処理部132は、位置特定信号を送信した他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、レスポンスとして、応答信号を送信する。応答信号は、対応する航空機60の位置情報(緯度、経度及び高度)及び識別情報を含み得る。応答信号は、テレメトリ情報を含んでもよい。
【0048】
また、受信処理部132は、対応する航空機60の周囲の他の航空機60に搭載された通信装置100から、暗号化情報を含む送信対象情報を受信する。また、受信処理部132は、周囲の他の航空機60の識別情報に対応するアドレスを用いて、他の航空機60の通信装置100と、接続を確立するための処理を行ってもよい。これにより、通信装置100は、他の航空機60に搭載された通信装置100と、確実に情報を送受信することができる。また、受信処理部132は、対応する航空機60から無線通信を行うことが可能な程度の距離内に地上局70が存在する場合には、地上局70に搭載された通信装置80との間で、上記のような処理を行う。
【0049】
中継処理部134は、他の航空機60から送信対象情報が受信された場合に、送信対象情報を、対応する航空機60の周囲の他の航空機60の通信装置100及び地上局70に搭載された通信装置80に中継するための処理を行う。具体的には、中継処理部134は、他の航空機60の通信装置100から受信された送信対象情報(中継対象情報)に対して、対応する航空機60によって中継されたことを示す情報を付加する。そして、中継処理部134は、周囲の他の航空機60に対して中継対象情報が中継(送信)されるように、送信動作部120を制御する。これにより、送信動作部120は、対応する航空機60に搭載された通信装置100によって生成された送信対象情報を送信する場合と同様にして、中継対象情報を、周囲の他の航空機60に搭載された通信装置100に対して送信する。なお、中継処理部134が、送信動作部120と同様の動作を行うことによって、周囲の他の航空機60に対して中継対象情報を中継するようにしてもよい。また、中継処理部134は、中継対象情報を送信した他の航空機60に搭載された通信装置100には、その中継対象情報を送信しないようにしてもよい。
【0050】
復号部140は、受信された暗号化情報を復号する。具体的には、復号部140は、対応する航空機60において閲覧が許可された暗号化情報を復号する。さらに具体的には、復号部140は、鍵格納部116に格納された復号鍵(暗号鍵)を用いて、暗号化情報を復号する。言い換えると、復号部140は、暗号化情報が生成されたときに使用された暗号鍵に対応する復号鍵(暗号鍵)を用いて、暗号化情報を復号する。
【0051】
ここで、復号部140は、同じ組織に属する他の航空機60によって生成された暗号化情報に対してのみ、復号を試みてもよい。あるいは、復号部140は、受信された全ての暗号化情報の復号を試みてもよい。この場合、他の組織に属する航空機60によって生成された暗号化情報については、対応する航空機60での閲覧が許可されていないので、復号部140は、その暗号化情報を復号できない。したがって、通信装置100は、他の組織に属する航空機60によって生成された暗号化情報については、中継処理を行うのみである。言い換えると、対応する航空機60が受信された暗号化情報(第2の暗号化情報)の閲覧を許可されていない場合に、復号部140は、その暗号化情報を復号しない。そして、通信装置100は、その暗号化情報に対しては、他の航空機60に搭載された通信装置100への中継を行うノードとして機能する。
【0052】
図4は、実施の形態1にかかる通信システム50で行われる通信方法を示すシーケンス図である。図4に示したシーケンス図は、図2に示した通信装置100A-1で生成された暗号化情報が、通信装置100B-1を介して、地上局70の通信装置80A-11に伝送されるケースを示している。なお、図4において、中継先のノードが地上局70となっているが、航空機60であっても同様である。
【0053】
航空機60A-1に搭載された通信装置100A-1は、情報を生成する(ステップS100)。そして、通信装置100A-1は、生成された情報を暗号化する(ステップS102)。具体的には、通信装置100A-1の情報生成部112は、上述したように、送信対象の情報を生成する。通信装置100A-1の暗号化部114は、上述したように、暗号化対象情報を暗号化する。
【0054】
通信装置100A-1は、位置特定処理を行う(ステップS104)。具体的には、通信装置100A-1の位置特定部122は、航空機60A-1の周囲の全ての航空機60に対して、位置特定信号を送信する。図4の例では、航空機60B-1に搭載された通信装置100B-1に位置特定信号が送信されるように示されている。しかしながら、通信装置100A-1は、航空機60A-1の周囲の他の航空機60に搭載された通信装置100にも、位置特定信号を送信する。図2の例では、通信装置100A-1は、通信装置100B-1と、航空機60C-1に搭載された通信装置100C-1とに、位置特定信号を送信する。以後、図4に示すように、通信装置100A-1から通信装置100B-1に情報が送信される例について説明するが、通信装置100A-1から通信装置100C-1に情報が送信される場合も、同様の処理が行われる。
【0055】
通信装置100B-1は、位置特定信号に応じて応答信号を送信する(ステップS106)。具体的には、上述したように、通信装置100B-1の受信処理部132は、位置特定信号を受信すると、通信装置100A-1に対して、航空機60B-1の位置情報及び識別情報を含む応答信号を送信する。これにより、通信装置100A-1は、航空機60B-1の位置及び識別情報を把握できる。そして、通信装置100A-1と通信装置100B-1との間で、通信回線(接続)が確立される(ステップS108)。
【0056】
通信装置100A-1は、通信装置100B-1に対して、送信対象情報を送信する(ステップS110)。具体的には、上述したように、通信装置100A-1の送信処理部128は、位置が特定された航空機60B-1に向かってビームフォーミングを行うように処理を行うことによって、通信装置100B-1に対して送信対象情報を送信する。送信された送信対象情報は、少なくとも暗号化情報を含むが、テレメトリ情報を含んでもよい。
【0057】
通信装置100B-1は、通信装置80A-11との間で、中継処理を行う(ステップS120)。具体的には、通信装置100B-1の中継処理部134は、後述するように、中継処理を行う。これにより、通信装置100A-1で生成された送信対象情報(暗号化情報)が、地上局70の、組織Aに対応する通信装置80A-11に伝送される。
【0058】
そして、地上局70の組織Aに対応する通信装置80A-11は、通信装置100A-1で生成された暗号化情報の平文(暗号化対象情報)の閲覧を許可されている。したがって、図4に示すように、通信装置80A-11(復号部140)は、暗号化情報を復号する(ステップS130)。これにより、通信装置80A-11において、平文(暗号化対象情報)の閲覧が可能となる。一方、航空機60B-1では、通信装置100A-1で生成された暗号化情報の平文の閲覧を許可されていない。したがって、図4に示すように、通信装置100B-1では、暗号化情報は復号されない。したがって、通信装置100B-1は、通信装置100A-1で生成された暗号化情報について、中継処理を行うが、復号処理は行わない。
【0059】
同様に、図2の例において、航空機60A-2に搭載された通信装置100A-2の復号部140は、暗号化情報を復号する。一方、航空機60C-1に搭載された通信装置100C-1の復号部140は、暗号化情報を復号しない。また、航空機60B-2に搭載された通信装置100B-2の復号部140は、暗号化情報を復号しない。
【0060】
図5は、実施の形態1にかかる中継処理を示すフローチャートである。また、図6は、送信対象情報を例示する図である。通信装置100B-1の受信処理部132は、送信対象情報を受信する(ステップS122)。図6に例示するように、送信対象情報は、ヘッダ情報と、暗号化情報とを含む。なお、送信対象情報は、非暗号化情報を含んでもよい。ヘッダ情報は、送信元IDと、宛先IDと、中継IDとを有する。また、送信対象情報は、送信対象情報が生成された時刻を含んでもよい。
【0061】
送信元IDは、送信対象情報に含まれる暗号化情報を生成した通信装置100を搭載した航空機60の識別情報を示す。図4の例では、送信元IDは、航空機60A-1の識別情報を示す。宛先IDは、送信対象情報(暗号化情報)を伝送する宛先のノード(航空機60及び地上局70の少なくとも1つ)の識別情報を示す。図6の例では、宛先IDは、航空機60A-1が属する組織Aの全てのノードの識別情報(又は組織Aの識別情報)を示す。中継IDは、中継処理を行った通信装置100を搭載した航空機60の識別情報を示す。中継IDには、各通信装置100によって中継処理が行われるたびに、対応する航空機60の識別情報が追加されていく。なお、中継IDに対応付けて、その中継IDに関する航空機60で中継が行われた時刻が付加されてもよい。なお、図4の例では、通信装置100B-1が送信対象情報を受信した段階(S122)では、中継IDには、識別情報が追加されていない。
【0062】
中継処理部134は、ヘッダ情報に、自ノードの識別情報を追加する(ステップS124)。具体的には、中継処理部134は、ヘッダ情報の中継IDに航空機60B-1の識別情報を付加する。そして、中継処理部134は、送信対象情報(中継対象情報)について送信処理を行う(ステップS126)。具体的には、上述したように、中継処理部134は、周囲の他の航空機60に搭載された通信装置100に対して中継対象情報が中継(送信)されるように、送信動作部120を制御する。そして、中継対象情報について、S104~S110の処理が行われる。なお、中継処理部134は、S104~S108の一部の処理を行わなくてもよい。
【0063】
なお、中継処理部134は、ヘッダ情報を確認して、送信対象情報(中継対象情報)について中継処理を行うか否かを判定してもよい。具体的には、中継処理部134は、宛先IDが1つの識別情報を示す場合、宛先IDが自ノードの識別情報であるか否かを判定する。そして、宛先IDが自ノードの識別情報である場合に、中継処理部134は、中継処理を行わないと判定してもよい。この場合、S126の処理は行われない。これにより、無駄な中継処理が行われることが抑制される。あるいは、中継処理部134は、中継IDを用いて、宛先IDに示された全ての識別情報に対応するノードに送信対象情報が送信されているか否かを判定してもよい。具体的には、中継処理部134は、宛先IDに示された全ての識別情報が中継IDに含まれるか否かを判定する。そして、宛先IDに示された全ての識別情報が中継IDに含まれる場合、宛先IDに示された全ての識別情報に対応するノードに送信対象情報が伝送されている。したがって、この場合、中継処理部134は、中継処理を行わないと判定してもよい。この場合、S126の処理は行われない。これにより、無駄な中継処理が行われることが抑制される。
【0064】
実施の形態1にかかる通信システム50では、航空機60A-1の近傍に組織Aに属する航空機60Aが飛行していなくても、地上局70及び組織Aに属する他の航空機60Aに、送信対象情報を伝送することができる。したがって、飛翔中の航空機60の近傍にこの航空機60からの情報の閲覧が許可されている航空機60が存在しない場合であっても、情報の閲覧が許可されている航空機60及び地上局70に情報を伝送することが可能となる。
【0065】
また、上述したように、送信処理部128は、位置特定部122によって位置を特定できた他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、少なくとも暗号化情報(第1の暗号化情報)を送信するための処理を行う。また、中継処理部134は、位置特定部122によって位置を特定できた他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、少なくとも暗号化情報(第2の暗号化情報)を中継するための処理を行う。これにより、ビームフォーミング等によって、確実に、暗号化情報を他の航空機60に向けて送信することが可能となる。
【0066】
また、上述したように、送信処理部128は、位置特定部122によって位置を特定できた全ての他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、少なくとも暗号化情報(第1の暗号化情報)を送信するための処理を行う。また、中継処理部134は、位置特定部122によって位置を特定できた全ての他の航空機60に搭載された通信装置100に対して、少なくとも暗号化情報(第2の暗号化情報)を中継するための処理を行う。暗号化情報(送信対象情報)を送信する相手先の通信装置100が多ければ、その相手先の通信装置100によって、暗号化情報(送信対象情報)が多くの通信装置100に中継される可能性が高くなる。したがって、位置を特定できた全ての他の航空機60に搭載された通信装置100に対して情報を送信することで、より確実に、情報の宛先にその情報が伝送され得る。
【0067】
また、上述したように、識別情報取得部126は、他の航空機60の位置が特定されたときに、当該他の航空機60の識別情報を取得する。そして、送信処理部128は、識別情報を用いて、位置を特定できた他の航空機60に搭載された他の通信装置100に、少なくとも暗号化情報(第1の暗号化情報)を送信するための処理を行う。また、中継処理部134は、識別情報を用いて、位置を特定できた他の航空機60に搭載された他の通信装置100に、少なくとも暗号化情報(第2の暗号化情報)を送信するための処理を行う。これにより、通信回線の確率が容易となるので、より確実に無線通信を行うことが可能となる。
【0068】
また、上述したように、送信処理部128は、他の航空機60に搭載された他の通信装置100に、テレメトリ情報等の非暗号化情報(第1の非暗号化情報)を送信するための処理を行う。また、中継処理部134は、他の航空機60に搭載された他の通信装置から非暗号化情報(第2の非暗号化情報)を受信した場合に、第2の非暗号化情報を、他の航空機60に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う。これにより、周囲の航空機60間で、非暗号化情報を共有することができる。したがって、この情報を、事故の事前予測やフライトレコーダーの代替手段として活用することが可能となる。
【0069】
また、上述したように、中継処理部134は、第2の暗号化情報を、他の通信装置100に中継するための処理を行うときに、対応する航空機60の識別情報を、第2の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加する。これにより、第2の暗号化情報を受信したノード(航空機60又は地上局70)で、第2の暗号化情報がどの航空機60(中継ノード)を経由して伝送されたかを、把握することが可能となる。つまり、情報を受信したノードで、受信した情報がどのような中継を経たものであるのかに関する中継の履歴を閲覧することが可能となる。
【0070】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。なお、実施の形態2にかかる通信装置100のハードウェア構成及びソフトウェア構成については、図3に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
【0071】
図7は、実施の形態2にかかる通信システム52を示す図である。通信システム52は、通信装置100A-1~100A-3、通信装置100B-1~100B-2、通信装置100C-1~100C-2、通信装置80A-11~80C-11、通信装置80A-12~80C-12を有する。通信装置100A-1~100A-3は、それぞれ、航空機60A-1~60A-3に搭載されている。通信装置100B-1~100B-2は、それぞれ、航空機60B-1~60B-2に搭載されている。通信装置100C-1~100C-2は、それぞれ、航空機60C-1~60C-2に搭載されている。通信装置80A-11~80C-11は、地上局70-1に搭載されている。通信装置80A-12~80C-12は、地上局70-2に搭載されている。また、各航空機60は、飛翔中であるとする。
【0072】
また、実施の形態1と同様に、航空機60A(60A-1~60A-3)及びそれらの通信装置100A(100A-1~100A-3)、及び地上局70の通信装置80A(80A-11,80A-12)は、組織A(航空会社A)に属している。また、航空機60B(60B-1,60B-2)及びそれらの通信装置100B(100B-1,100B-2)、及び地上局70の通信装置80B(80B-11,80B-12)は、組織B(航空会社B)に属している。また、航空機60C(60C-1,60C-2)及びそれらの通信装置100C(100C-1,100C-2)、及び地上局70の通信装置80C(80C-11,80C-12)は、組織C(航空会社C)に属している。
【0073】
図7の例において、組織Aに属する航空機60A-1で暗号化対象情報Aが暗号化されて暗号化情報Aが生成され、この暗号化情報Aを、同じ組織Aに属する航空機60A及び地上局70の通信装置80Aに伝送することを考える。そして、航空機60A-1の近傍を飛行している、組織Aに属する航空機60A(通信装置100A)における中継のみでは、地上局70の通信装置80Aには暗号化情報Aが伝送されない。したがって、以下に説明するように、他の組織B,Cに属する航空機60B,60C(通信装置100B,100C)を中継ノードとして、暗号化情報Aの伝送を行う。
【0074】
まず、航空機60A-1の通信装置100A-1は、図4のS100~S102の処理を行って、暗号化情報Aを生成する。そして、航空機60A-1の近傍には、航空機60A-2,60B-1,60B-2が飛行している。この場合、通信装置100A-1は、図4のS104~S106の処理を行って、航空機60A-2,60B-1,60B-2にそれぞれ搭載された通信装置100A-2,100B-1,100B-2から、応答信号を受信する。そして、通信装置100A-1は、図4のS108~S110の処理を行って、矢印A1に示すように、通信装置100A-2(航空機60A-2)に対して、暗号化情報Aを含む送信対象情報Aを送信する。同様に、通信装置100A-1は、図4のS108~S110の処理を行って、矢印A2に示すように、通信装置100B-1(航空機60B-1)に対して、暗号化情報Aを含む送信対象情報Aを送信する。また、通信装置100A-1は、図4のS108~S110の処理を行って、矢印A3に示すように、通信装置100B-2(航空機60B-2)に対して、暗号化情報Aを含む送信対象情報Aを送信する。
【0075】
通信装置100A-2は、通信装置100A-1(航空機60A-1)から送信対象情報Aを受信すると、中継処理を試みる(図4のS120)。しかしながら、航空機60A-2の近傍を飛行する他の航空機60は存在せず、航空機60A-2の近傍に地上局70もない。したがって、通信装置100A-2は、送信対象情報Aの中継を行わない。なお、航空機60A-2(通信装置100A-2)において暗号化対象情報Aの閲覧が許可されているので、通信装置100A-2は、暗号化情報Aの復号を行う(図4のS130)。
【0076】
通信装置100B-1は、通信装置100A-1(航空機60A-1)から送信対象情報Aを受信すると、中継処理を試みる(図4のS120)。通信装置100B-1は、中継処理において、地上局70-1から応答信号を受信する(図5のS126、図4のS104~S106)。したがって、通信装置100B-1は、矢印B1に示すように、地上局70-1に対して、送信対象情報Aを中継する(図5のS126、図4のS110)。なお、通信装置100B-1は、送信対象情報Aのヘッダ情報に、対応する航空機60B-1の識別情報を付加する(図5のS124)。なお、航空機60B-1(通信装置100B-1)において暗号化対象情報Aの閲覧が許可されていないので、通信装置100B-1は、暗号化情報Aの復号を行わない。これにより、通信装置100B-1(航空機60B-1)は、暗号化情報Aに対しては、暗号化情報Aを中継する中継ノードとしてのみ機能する。
【0077】
通信装置100B-1から地上局70-1に対して送信対象情報Aが送信されると、通信装置80A-11~80C-11のそれぞれが、送信対象情報Aを受信する。そして、通信装置80A-11は、暗号化対象情報Aの閲覧が許可されているので、暗号化情報Aの復号を行う(図4のS130)。一方、通信装置80B-11~80C-11は、暗号化対象情報Aの閲覧が許可されていないので、暗号化情報Aの復号を行わない。このようにして、通信装置100A-1(航空機60A-1)から送信された送信対象情報Aは、通信装置100B-1(航空機60B-1)で中継されて、地上局70-1に伝送される。そして、送信対象情報Aに含まれる暗号化情報Aは、地上局70-1の、組織Aに属する通信装置80A-11によって、復号される。
【0078】
なお、地上局70-1の通信装置80A-11によって受信された送信対象情報Aのヘッダ情報には、中継IDとして、航空機60B-1の識別情報が記録されている。したがって、地上局70-1において、受信された送信対象情報Aが、航空機60B-1を経由して伝送されたことを、把握することができる。
【0079】
通信装置100B-2は、通信装置100A-1(航空機60A-1)から送信対象情報Aを受信すると、中継処理を試みる(図4のS120)。航空機60B-2の近傍には、航空機60C-1が飛行している。この場合、通信装置100B-2は、中継処理において、航空機60C-1(通信装置100C-1)から応答信号を受信する(図5のS126、図4のS104~S106)。したがって、通信装置100B-2は、矢印B2に示すように、航空機60C-1(通信装置100C-1)に対して、送信対象情報Aを中継する(図5のS126、図4のS110)。なお、通信装置100B-2は、送信対象情報Aのヘッダ情報に、対応する航空機60B-2の識別情報を付加する(図5のS124)。なお、航空機60B-2(通信装置100B-2)において暗号化対象情報Aの閲覧が許可されていないので、通信装置100B-2は、暗号化情報Aの復号を行わない。これにより、通信装置100B-2(航空機60B-2)は、暗号化情報Aに対しては、暗号化情報Aを中継する中継ノードとしてのみ機能する。
【0080】
通信装置100C-1は、通信装置100B-2(航空機60B-2)から送信対象情報Aを受信すると、中継処理を試みる(図4のS120)。航空機60C-1の近傍には、航空機60A-3,60C-2が飛行している。この場合、通信装置100C-1は、中継処理において、航空機60A-3(通信装置100A-3)及び航空機60C-2(通信装置100C-2)から応答信号を受信する(図5のS126、図4のS104~S106)。したがって、通信装置100C-1は、矢印C1に示すように、航空機60A-3(通信装置100A-3)に対して、送信対象情報Aを中継する(図5のS126、図4のS110)。同様に、通信装置100C-1は、矢印C2に示すように、航空機60C-2(通信装置100C-2)に対して、送信対象情報Aを中継する(図5のS126、図4のS110)。なお、通信装置100C-1は、送信対象情報Aのヘッダ情報に、対応する航空機60C-1の識別情報を付加する(図5のS124)。なお、航空機60C-1(通信装置100C-1)において暗号化対象情報Aの閲覧が許可されていないので、通信装置100C-1は、暗号化情報Aの復号を行わない。これにより、通信装置100C-1(航空機60C-1)は、暗号化情報Aに対しては、暗号化情報Aを中継する中継ノードとしてのみ機能する。
【0081】
通信装置100A-3は、通信装置100C-1(航空機60C-1)から送信対象情報Aを受信すると、中継処理を試みる(図4のS120)。しかしながら、航空機60A-3の近傍を飛行する他の航空機60は存在せず、航空機60A-3の近傍に地上局70もない。したがって、通信装置100A-3は、送信対象情報Aの中継を行わない。なお、航空機60A-3(通信装置100A-3)において暗号化対象情報Aの閲覧が許可されているので、通信装置100A-3は、暗号化情報Aの復号を行う(図4のS130)。
【0082】
通信装置100C-2は、通信装置100C-1(航空機60C-1)から送信対象情報Aを受信すると、中継処理を試みる(図4のS120)。通信装置100C-2は、中継処理において、地上局70-2から応答信号を受信する(図5のS126、図4のS104~S106)。したがって、通信装置100C-2は、矢印D1に示すように、地上局70-2に対して、送信対象情報Aを中継する(図5のS126、図4のS110)。なお、通信装置100C-2は、送信対象情報Aのヘッダ情報に、対応する航空機60C-2の識別情報を付加する(図5のS124)。なお、航空機60C-2(通信装置100C-2)において暗号化対象情報Aの閲覧が許可されていないので、通信装置100C-2は、暗号化情報Aの復号を行わない。これにより、通信装置100C-2(航空機60C-2)は、暗号化情報Aに対しては、暗号化情報Aを中継する中継ノードとしてのみ機能する。
【0083】
通信装置100C-2から地上局70-2に対して送信対象情報Aが送信されると、通信装置80A-12~80C-12のそれぞれが、送信対象情報Aを受信する。そして、通信装置80A-12は、暗号化対象情報Aの閲覧が許可されているので、暗号化情報Aの復号を行う(図4のS130)。一方、通信装置80B-12~80C-12は、暗号化対象情報Aの閲覧が許可されていないので、暗号化情報Aの復号を行わない。このようにして、通信装置100A-1(航空機60A-1)から送信された送信対象情報Aは、通信装置100B-2,100C-1,100C-2(航空機60B-2,60C-1,60C-2)で中継されて、地上局70-2に伝送される。そして、送信対象情報Aに含まれる暗号化情報Aは、地上局70-2の、組織Aに属する通信装置80A-12によって、復号される。
【0084】
なお、地上局70-2の通信装置80A-12によって受信された送信対象情報Aのヘッダ情報には、中継IDとして、航空機60B-2,60C-1,60C-2の識別情報が記録されている。したがって、地上局70-1において、受信された送信対象情報Aが、航空機60B-2,60C-1,60C-2を経由して伝送されたことを、把握することができる。
【0085】
実施の形態2にかかる通信システム52では、航空機60A-1の近傍に組織Aに属する航空機60Aが飛行していなくても、地上局70及び組織Aに属する他の航空機60Aに、送信対象情報Aを伝送することができる。したがって、飛翔中の航空機60の近傍にこの航空機60からの情報の閲覧が許可されている航空機60が存在しない場合であっても、情報の閲覧が許可されている航空機60及び地上局70に情報を伝送することが可能となる。
【0086】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したシーケンス図及びフローチャートにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。
【0087】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0088】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
通信装置であって、
当該通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行い、
前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化する暗号化手段と、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行う送信処理手段と、
他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う中継処理手段と、
を有する通信装置。
(付記2)
暗号化された情報を復号する復号手段、
をさらに有し、
前記第1の航空機が前記第2の暗号化情報の閲覧を許可されている場合に、前記復号手段は、前記第2の暗号化情報を復号し、
前記第1の航空機が前記第2の暗号化情報の閲覧を許可されていない場合に、前記復号手段は、前記第2の暗号化情報を復号せず、当該通信装置は、前記第2の暗号化情報に対しては、前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置への中継を行うノードとして機能する、
付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記第1の航空機の周囲の前記他の航空機の位置を特定するための処理を行う位置特定手段
をさらに有し、
前記送信処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた少なくとも1つの前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
付記1又は2に記載の通信装置。
(付記4)
前記送信処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた全ての前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
付記3に記載の通信装置。
(付記5)
前記位置特定手段によって前記他の航空機の位置が特定されたときに、当該他の航空機の識別情報を取得する識別情報取得手段、
をさらに有し、
前記送信処理手段は、前記識別情報を用いて、位置を特定できた前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
付記3又は4に記載の通信装置。
(付記6)
前記第1の航空機の周囲の前記他の航空機の位置を特定するための処理を行う位置特定手段、
をさらに有し、
前記中継処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた少なくとも1つの前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第2の暗号化情報を中継するための処理を行う、
付記1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記7)
前記中継処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた全ての前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第2の暗号化情報を中継するための処理を行う、
付記6に記載の通信装置。
(付記8)
前記位置特定手段によって前記他の航空機の位置が特定されたときに、当該他の航空機の識別情報を取得する識別情報取得手段、
をさらに有し、
前記中継処理手段は、前記識別情報を用いて、位置を特定できた前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも前記第2の暗号化情報を中継するための処理を行う、
付記6又は7に記載の通信装置。
(付記9)
前記送信処理手段は、前記他の通信装置に、暗号化されていない第1の非暗号化情報を送信するための処理を行い、
前記中継処理手段は、前記第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から暗号化されていない第2の非暗号化情報を受信した場合に、前記第2の非暗号化情報を、前記第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う、
付記1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記10)
前記中継処理手段は、前記第2の暗号化情報を、前記他の通信装置に中継するための処理を行うときに、前記第1の航空機の識別情報を、前記第2の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加する、
付記1から9のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記11)
複数の航空機にそれぞれ搭載された複数の通信装置を有し、
前記複数の通信装置のそれぞれは、当該通信装置を搭載した前記航空機の飛翔中に、当該航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の前記通信装置と相互に無線通信を行い、
前記複数の通信装置それぞれは、
情報を暗号化する暗号化手段と、
他の前記通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である暗号化情報を送信するための処理を行う送信処理手段と、
他の前記通信装置から前記暗号化情報を受信した場合に、前記暗号化情報を中継するための処理を行う中継処理手段と、
を有し、
前記複数の通信装置のうちの第1の通信装置の前記暗号化手段は、前記第1の通信装置を搭載した第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の前記通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化し、
前記第1の通信装置の前記送信処理手段は、前記第1の航空機とは異なる少なくとも1つの第2の航空機に搭載された第2の通信装置に、少なくとも、第1の暗号化情報を送信するための処理を行い、
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の通信装置から前記第1の暗号化情報を受信した場合に、前記第1の暗号化情報を、地上局又は前記第2の航空機とは異なる少なくとも1つの第3の航空機に搭載された第3の通信装置に中継するための処理を行う、
通信システム。
(付記12)
前記複数の通信装置それぞれは、
暗号化された情報を復号する復号手段、
をさらに有し、
前記第2の航空機が前記第1の暗号化情報の閲覧を許可されている場合に、前記第2の通信装置の前記復号手段は、前記第1の暗号化情報を復号し、
前記第2の航空機が前記第1の暗号化情報の閲覧を許可されていない場合に、前記第2の通信装置の前記復号手段は、前記第1の暗号化情報を復号せず、前記第2の通信装置は、前記第1の暗号化情報に対しては、他の前記通信装置への中継を行うノードとして機能する、
付記11に記載の通信システム。
(付記13)
前記複数の通信装置それぞれは、
当該通信装置を搭載した前記航空機の周囲の他の前記航空機の位置を特定するための処理を行う位置特定手段、
をさらに有し、
前記第1の通信装置の前記送信処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた少なくとも1つの前記第2の航空機に搭載された前記第2の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
付記11又は12に記載の通信システム。
(付記14)
前記第1の通信装置の前記送信処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた全ての前記第2の航空機に搭載された前記第2の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
付記13に記載の通信システム。
(付記15)
前記複数の通信装置それぞれは、
前記位置特定手段によって他の前記航空機の位置が特定されたときに、当該他の航空機の識別情報を取得する識別情報取得手段、
をさらに有し、
前記第1の通信装置の前記送信処理手段は、前記識別情報を用いて、位置を特定できた少なくとも1つの前記第2の航空機に搭載された前記第2の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を送信するための処理を行う、
付記13又は14に記載の通信システム。
(付記16)
前記複数の通信装置それぞれは、
前記第1の航空機の周囲の前記他の航空機の位置を特定するための処理を行う位置特定手段、
をさらに有し、
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた前記第3の航空機に搭載された前記第3の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を中継するための処理を行う、
付記11から15のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記17)
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記位置特定手段によって位置を特定できた全ての前記第3の航空機に搭載された前記第3の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を中継するための処理を行う、
付記16に記載の通信システム。
(付記18)
前記複数の通信装置それぞれは、
前記位置特定手段によって他の前記航空機の位置が特定されたときに、当該他の航空機の識別情報を取得する識別情報取得手段、
をさらに有し、
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記識別情報を用いて、位置を特定できた前記第3の航空機に搭載された前記第3の通信装置に、少なくとも前記第1の暗号化情報を中継するための処理を行う、
付記16又は17に記載の通信システム。
(付記19)
前記送信処理手段は、前記他の通信装置に、暗号化されていない第1の非暗号化情報を送信するための処理を行い、
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の通信装置から前記第1の非暗号化情報を受信した場合に、前記第1の非暗号化情報を、前記第3の航空機に搭載された前記第3の通信装置に中継するための処理を行う、
付記11から18のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記20)
前記第2の通信装置の前記中継処理手段は、前記第1の暗号化情報を、前記第3の通信装置に中継するための処理を行うときに、前記第2の航空機の識別情報を、前記第1の暗号化情報に対応するヘッダ情報に付加する、
付記11から19のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記21)
通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行い、
前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化し、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行い、
他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行う、
通信方法。
(付記22)
通信装置を搭載した第1の航空機の飛翔中に、前記第1の航空機とは異なる、周囲を飛翔中の少なくとも1つの他の航空機に搭載された他の通信装置と相互に無線通信を行う前記通信装置のコンピュータに、
前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている地上局の通信装置及び前記第1の航空機からの情報の閲覧が許可されている、前記第1の航空機とは異なる他の航空機に搭載された他の通信装置のみで復号可能であるように、情報を暗号化するステップと、
飛翔中の前記他の航空機に搭載された他の通信装置に、少なくとも、前記暗号化された情報である第1の暗号化情報を送信するための処理を行うステップと、
他の航空機である第1の他の航空機に搭載された他の通信装置から、暗号化された情報である第2の暗号化情報を受信した場合に、前記第2の暗号化情報を、地上局又は他の航空機である少なくとも1つの第2の他の航空機に搭載された他の通信装置に中継するための処理を行うステップと、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0089】
1 通信装置
2 暗号化部
4 送信処理部
6 中継処理部
10,20 航空機
22 通信装置
50,52 通信システム
60 航空機
70 地上局
80 通信装置
100 通信装置
112 情報生成部
114 暗号化部
116 鍵格納部
120 送信動作部
122 位置特定部
124 位置情報取得部
126 識別情報取得部
128 送信処理部
130 受信動作部
132 受信処理部
134 中継処理部
140 復号部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7