(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】光測距装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20241001BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G01S7/497
G01C3/06 120Q
(21)【出願番号】P 2020139972
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2019161004
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植野 晶文
(72)【発明者】
【氏名】柏田 真司
(72)【発明者】
【氏名】水野 文明
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/123722(WO,A1)
【文献】特開2012-073216(JP,A)
【文献】特開2010-203820(JP,A)
【文献】特開2007-225342(JP,A)
【文献】特開2011-089986(JP,A)
【文献】特開2014-020963(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0272841(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
G01B 11/00-11/30
G02B 26/10-26/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光測距装置(200,200b,200c,200d,200e)であって、
レーザ光(DL)を射出する発光部(40)と、
前記発光部から射出された前記レーザ光を走査する走査部(50)と、
入射光を受光する受光部(60)と、
前記走査部の回転角度を検出する回転角度センサ(54)と、
前記回転角度を取得し、前記発光部に駆動信号を出力する制御装置(100,100b,100c,100d,100e)であって、少なくとも前記回転角度の取得時点から前記レーザ光の出射時点までの出射遅延期間と、前記回転角度センサ
が検出する前記回転角度と前記回転角度センサの検出誤差との対応関係と、を用いて決定される補正値を用いて、前記レーザ光の出射タイミングの補正、または、前記レーザ光を受光した前記受光部から出力される受光信号を用いて生成される距離データの検出角度の補正、のいずれかの補正制御を実行する制御装置と、を備
え、
前記制御装置は、前記回転角度ごとの前記走査部の回転速度に対応する前記補正値を算出する、
光測距装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光測距装置であって、
前記制御装置は、取得した一の前記回転角度に対して複数のレーザ光を出射する場合には、さらに、最初のレーザ光の出射タイミングから最後のレーザ光の出射タイミングまでの期間の半分の期間を用いて前記補正値を決定する、
光測距装置。
【請求項3】
請求項
1または請求項2に記載の光測距装置であって、
前記制御装置は、
前記回転角度を用いて区分される複数の領域(RA1,RA2,RA3)ごとに前記走査部の回転速度を設定し、
設定した前記複数の領域ごとの前記走査部の回転速度を用いて前記補正値を算出する、
光測距装置。
【請求項4】
請求項
1または請求項2に記載の光測距装置であって、
前記制御装置は、
予め定められた前記回転角度ごとに前記走査部の回転速度を算出し、
算出した前記走査部の回転速度を用いて前記回転角度ごとに前記補正値を算出する、
光測距装置。
【請求項5】
請求項
1から請求項
4までのいずれか一項に記載の光測距装置であって、
前記制御装置は、前記回転角度と、前記補正値との対応関係を表す対応マップ(TM)を用いる、
光測距装置。
【請求項6】
光測距装置(200,200b,200c,200d,200e)であって、
レーザ光(DL)を射出する発光部(40)と、
前記発光部から射出された前記レーザ光を走査する走査部(50)と、
入射光を受光する受光部(60)と、
前記走査部の回転角度を検出する回転角度センサ(54)と、
前記回転角度を取得し、前記発光部に駆動信号を出力する制御装置(100,100b,100c,100d,100e)であって、少なくとも前記回転角度の取得時点から前記レーザ光の出射時点までの出射遅延期間と、前記回転角度センサが検出する前記回転角度と前記回転角度センサの検出誤差との対応関係と、を用いて決定される補正値を用いて、前記レーザ光の出射タイミングの補正、または、前記レーザ光を受光した前記受光部から出力される受光信号を用いて生成される距離データの検出角度の補正、のいずれかの補正制御を実行する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、走査範囲内での前記走査部の回転速度の最大値と最小値との中間値を用いて前記補正値を算出する、
光測距装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光測距装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光部から出射されるレーザ光をミラーで反射させる光測距装置において、ミラーの回転角度を回転角度センサで取得し、予め定められた回転角度ごとに発光部に駆動信号を出力する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、ミラーの回転角度を取得する時点からレーザ光が出射される時点までの遅延期間が考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
本開示の一形態によれば、光測距装置(200,200b,200c,200d,200e)が提供される。この光測距装置は、レーザ光(DL)を射出する発光部(40)と、前記発光部から射出された前記レーザ光を走査する走査部(50)と、入射光を受光する受光部(60)と、前記走査部の回転角度を検出する回転角度センサ(54)と、前記回転角度を取得し、前記発光部に駆動信号を出力する制御装置(100,100b,100c,100d,100e)であって、少なくとも前記回転角度の取得時点から前記レーザ光の出射時点までの出射遅延期間と、前記回転角度センサが検出する前記回転角度と前記回転角度センサの検出誤差との対応関係と、を用いて決定される補正値を用いて、前記レーザ光の出射タイミングの補正、または、前記レーザ光を受光した前記受光部から出力される受光信号を用いて生成される距離データの検出角度の補正、のいずれかの補正制御を実行する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記回転角度ごとの前記走査部の回転速度に対応する前記補正値を算出する。
【0007】
この形態の光測距装置によれば、制御装置は、少なくとも出射遅延期間を用いて決定される補正値を用いて、レーザ光の出射タイミングの補正、または対象物の検出角度の補正を実行する。したがって、出射遅延期間が生じる光測距装置において、発光部からレーザ光が出射されるタイミングでの走査部の回転角度と、予め設定されるレーザ光を出射するタイミングでの走査部の設定回転角度とのずれを低減させた距離データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の光測距装置の構成を表す説明図。
【
図2】制御装置によるレーザ光の出射タイミング調整制御の概要を表す説明図。
【
図3】駆動信号の出力タイミングとレーザ光の出射タイミングとを回転部の回転角度を用いて平面視で表す説明図。
【
図4】第2実施形態の光測距装置の構成を表す説明図。
【
図5】第2実施形態におけるレーザ光の出射タイミング調整制御の概要を表す説明図。
【
図6】第2実施形態における駆動信号の生成開始タイミングを回転角度で概念的に表す説明図。
【
図7】第3実施形態の光測距装置の構成を表す説明図。
【
図8】第4実施形態の光測距装置の構成を表す説明図。
【
図9】回転角度と駆動信号の生成開始タイミングとの対応マップを表す説明図。
【
図10】第5実施形態の光測距装置の構成を表す説明図。
【
図11】補正値演算部が演算する補正値を概念的に表す説明図。
【
図12】回転角度センサが検出する回転角度に対する検出角度の誤差を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1に示すように、本開示における第1実施形態としての光測距装置200は、筐体80と、発光部40と、走査部50と、受光部60と、制御装置100と、を備える。発光部40と、走査部50と、受光部60とは、窓部82を備える筐体80の内部に配置されている。窓部82は、レーザ光を透過する例えばガラスなどで構成される。光測距装置200は、例えば、車両に搭載され、障害物の検出や障害物までの距離を測定するために使用される。
【0010】
発光部40は、光源としてのレーザダイオードを備え、測距用のレーザ光DLを射出する。レーザダイオードは、レーザ光を発生させる活性層を内部に有する半導体層を備える。後述する駆動パルス生成部140から駆動信号が出力され、発光部40に到達すると、半導体層に流れる電流により活性層で発光が起こり、発生した光は誘導放出によりレーザ光DLとして出射される。駆動信号が発光部40に出力される時点から、レーザ光DLが発光部40から出射される時点までの期間を、第二遅延期間とも呼ぶ。発光部40の光源はレーザダイオードのほか、固体レーザといった他の光源を用いてもよい。
【0011】
走査部50は、いわゆる一次元スキャナによって構成される。走査部50は、ミラー51と、回転部52と、回転角度センサ54とを備える。発光部40から出射されたレーザ光DLは、ミラー51によって反射され、窓部82を透過して筐体80の外部に出射される。回転部52は、後述する回転角制御部130からの制御信号を受けて、中心軸AXを回転軸とする正転および逆転を行う。回転部52に固定されたミラー51の揺動により、レーザ光DLは走査範囲RA内を走査される。
【0012】
回転角度センサ54には、本実施形態において光学式のロータリエンコーダが採用されている。回転角度センサ54は、A相およびB相と、回転部52の基準位置を検出するためのZ相との各パルス信号を発生させる。
【0013】
受光部60は、二次元配列される複数の画素を有する。各画素は、複数の受光素子で構成されている。画素は一つの受光素子で構成されてもよい。各受光素子は、レーザ光DLが走査範囲RA内の対象物、例えば物体OBによって反射された反射光RLの入射強度に応じた信号を出力する。本実施形態において、受光素子には、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD)が用いられる。受光素子にはPINフォトダイオードが用いられてもよい。各SPADは、光(フォトン)を入力すると、光の入射を示すパルス状の出力信号を出力する。受光部60の受光素子は、反射光RLを受光すると、入射光の受光状態に応じたパルス信号を制御装置100に出力する。
【0014】
制御装置100は、周知のマイクロプロセッサやメモリを備える。予め用意されたプログラムをマイクロプロセッサが実行することで、回転角取得部110と、出射タイミング調整部120と、回転角制御部130と、駆動パルス生成部140と、測距部150との各部の制御が実行される。
【0015】
測距部150は、いわゆるTOF(time of flight)を利用して、走査範囲RA内に存在する対象物までの距離の測定を行う。より具体的には、測距部150は、受光部60の各SPADが出力する受光信号を加算してヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムから反射光RLに対応する信号のピークの位置(時間)を検出する。発光部40にレーザ光DLを複数回発光させて、測距部150が各SPADの出力の加算結果を複数回取得し、加算結果を足し合わせてヒストグラムを生成してもよい。測距部150は、発光部40がレーザ光DLを出射した時点から受光部60の受光素子が反射光RLを受け取るまでの時間を用いて、対象物としての物体OBまでの距離を演算する。測距部150が生成する距離データは、走査範囲RA内の検出角度ごとに、受光部60が有する受光素子のそれぞれまたは複数の受光素子で構成される画素のそれぞれに対して取得され、走査範囲RAの一回の走査ごとの点群データとして生成される。
【0016】
回転角制御部130は、回転部52に制御信号を出力して、回転部52を回転させる。本実施形態において、回転角制御部130は、回転部52を予め定められた一定の速度で正転および逆転させる。
【0017】
回転角取得部110は、回転角度センサ54から出力されるA相およびB相のパルス信号のパルスエッジを検出する。回転角取得部110は、A相およびB相のパルス信号の計数により、回転部52の回転角度を取得する。回転部52の回転角度の取得結果は、出射タイミング調整部120に出力される。駆動パルス生成部140は、出射タイミング調整部120からの指令信号を受けてレーザダイオードを発光させるための駆動信号を生成して発光部40に出力する。回転角取得部110がパルスエッジを検出する時点から駆動パルス生成部140が駆動信号を出力するまでの期間を第一遅延期間とも呼ぶ。
【0018】
出射タイミング調整部120は、出射タイミング調整制御を実行する。出射タイミング調整制御とは、予め設定される回転部52の回転角度でレーザ光DLを出射するように、回転部52の回転速度と、出射遅延期間を用いて決定される補正値を用いて、駆動パルス生成部140によって駆動信号の生成を開始することによってレーザ光DLの出射タイミングを調整する制御のことを表す。出射遅延期間とは、本実施形態において、第一遅延期間と第二遅延期間との総和のことを表す。出射遅延期間は、第一遅延期間と第二遅延期間とのいずれか一方の期間で設定されてもよく、任意の固定値で設定されてもよい。本実施形態において、出射タイミング調整部120は、駆動信号の生成開始タイミングとして、メモリに予め記憶された補正値としての補正角度DTを用いる。補正角度DTは、例えば、出射遅延期間に回転部52の回転速度を乗じることによって算出することができる。本実施形態において、補正角度DTは、試験などにより蓄積されたデータ等に基づく固定値で設定されている。出射タイミング調整部120は、回転角取得部110から回転部52の回転角度を取得し、回転角度ごとに異なる補正値を用いて、回転角度ごとに異なる補正角度DTを用いてもよい。測距部150が各SPADの出力の加算結果を足し合わせてヒストグラムを生成するために発光部40がレーザ光DLを複数回発光する場合、補正角度DTは、一つのヒストグラム生成における複数回のレーザ光DLの発光のうち1回目のレーザ光DLを発光させるための駆動信号の生成開始タイミングに用いられてよい。一つのヒストグラム生成における2回目以降のレーザ光DLの駆動信号の生成開始タイミングは、補正角度DTのほか、1回目のレーザ光DLを発光させるための駆動信号の生成開始時点から、回転部52の回転速度、ヒストグラムを生成する期間などから予め定められる期間ごとに実行されてよい。
【0019】
図2と
図3とを用いて、出射タイミング調整制御の詳細について説明する。
図2に示すように、回転角度センサ54は、A相とB相との2つの矩形波のパルス信号を生成する。A相のパルス信号およびB相のパルス信号は、A相のパルス信号の位相とB相のパルス信号の位相とが互いに4分の1ピッチずれた状態で出力される。
図2において、A相とB相とのパルス信号よりも下側には、回転角取得部110によるパルスエッジの検出タイミングと、駆動信号の入力により発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングとが概念的に示されている。本実施形態では、一つのヒストグラム生成のために複数回のレーザ光DLが発光される場合、レーザ光DLが出射されるタイミングとは、1回目のレーザ光DLが出射されるタイミングのことを表す。
図2に示すパルスエッジの検出タイミングとは、後述するように、狙いの回転角度でレーザ光DLを出射するための駆動信号の生成を開始する指令信号を駆動パルス生成部140に出力するタイミングを意味する。回転角取得部110によるパルスエッジの検出タイミングは、A相およびB相の各パルスにおける矩形波の4分の1ピッチを最小単位として制御される。
【0020】
図3には、回転角取得部110がパルスエッジTM1を検出するタイミングでの回転部52の回転角度が破線で概念的に示されている。
図3に示される実線の矢印は、駆動信号の入力により発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度を示す。
図3には、いわゆるレーザ光DLを出射する狙いの回転角度として本実施形態の光測距装置200に予め設定される設定回転角度LD1が示されている。
【0021】
回転部52が回転すると、上述した出射遅延期間により、回転角取得部110がパルスエッジを検出するタイミングでの回転部52の回転角度と、発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度との間に誤差が生じる。回転角度の誤差は、上述したように、回転部52の回転速度と、上述した出射遅延期間とを掛け合わせることによって算出される。
【0022】
図2および
図3に示すように、本実施形態では、補正角度DTの一例としての補正角度DT1が設定される。補正角度DT1は、回転角取得部110がパルスエッジを検出するタイミングでの回転角度と、レーザ光DLを出射するタイミングでの回転角度との回転角度の差に相当する。換言すれば、回転角取得部110がパルスエッジを検出するタイミングから補正角度DT1だけ回転されるタイミングでレーザ光DLが出射される。回転部52がミラー51を補正角度DT1だけ回転させる期間には、駆動パルス生成部140が駆動信号を生成してから発光部40に出力するまでの第一遅延期間と、駆動信号が発光部40に出力されてから発光部40がレーザ光DLを出射するまでの第二遅延期間とが含まれる。本実施形態において、補正角度DT1は、回転角制御部130によって予め定められた一定の速度で回転される回転部52の回転速度と、予め設定される設定値としての出射遅延期間とを掛け合わせて算出される。補正角度DT1は、例えば、
図2に示すように、A相のパルス信号の4分の1ピッチである。
【0023】
図3に示すように、本実施形態の光測距装置200では、発光部40から出射されるレーザ光DLが、予め設定される設定回転角度LD1よりも補正角度DT1だけ早期となるタイミングのパルスエッジを検出した時点で駆動信号の生成を開始する。上述したように、本実施形態において、回転部52の回転速度は一定の速度なので、走査範囲RA内の各回転角度において、補正角度DT1だけ早期に駆動信号の生成を開始する。これにより、本実施形態の光測距装置200では、発光部40からレーザ光DLが出射される時点での回転部52の回転角度と、設定回転角度LD1とが互いに一致する。
【0024】
以上説明したように、本実施形態の光測距装置200によれば、制御装置100は、出射遅延期間を用いて決定される補正値としての補正角度DT1分だけ早期となるタイミングで駆動信号の生成を開始するように駆動パルス生成部140を制御する。したがって、出射遅延期間が生じる光測距装置200において、発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度と、予め設定されるレーザ光DLを出射するタイミングでの回転部52の設定回転角度LD1とのずれを低減させることができる。
【0025】
B.第2実施形態:
第2実施形態の光測距装置200bは、走査範囲RA内で回転角度を用いて区分される複数の領域ごとに回転部52の回転速度を設定し、領域ごとの回転速度に対応するタイミングで駆動信号を出力する。
図4に示すように、第2実施形態の光測距装置200bは、制御装置100に代えて制御装置100bを備える点で第1実施形態の光測距装置200と相違し、その他の点は、第1実施形態の光測距装置200と同様である。制御装置100bは、タイミング決定部160を更に備える点で、制御装置100と相違する。
【0026】
本実施形態において、回転角制御部130は、回転部52をいわゆる単振動によって正転および逆転させる。すなわち、回転部52の回転速度は、走査範囲RA内で可変であり、走査範囲RAの中央において回転部52の回転速度は最も早く、走査範囲RAの端部に向かうにつれて回転部52の回転速度は段階的に遅くなる。
【0027】
図5と
図6とを用いて、制御装置100bが実行する出射タイミング調整制御について説明する。本実施形態において、制御装置100bは、回転角取得部110によって、回転部52の回転角度を逐次に取得し、回転部52の回転角度ごとに対応する補正値としての補正角度DTで駆動信号を出力する。
【0028】
図5に示すように、本実施形態では、補正角度DTとして、補正角度DT21と、補正角度DT22と、補正角度DT23とがメモリ内に予め記憶されている。本実施形態において、補正角度DT21から補正角度DT23は、走査範囲RA内で区分する領域ごとに設定される。走査範囲RAは、回転部52の回転速度に対応する3つの領域RA1から領域RA3に区分される。領域RA1から領域RA3の設定は、回転部52の回転速度の変化点ごとに区分されることが好ましい。説明の便宜のため、
図5および
図6に領域RA1から領域RA3を概念的に示す。回転部52の回転速度は、領域RA1内で最も遅く、領域RA3内で最も速くなる。走査範囲RAは、3つの領域に限らず5つや10など、回転部52の回転速度の変化に対応する任意の数の領域に区分してよい。
【0029】
補正角度DT21から補正角度DT23は、領域RA1から領域RA3でのそれぞれ領域内での回転部52の回転速度の平均値と、出射遅延期間とを用いて設定される。補正角度DT21は、例えば、A相のパルス信号の4分の1ピッチである。補正角度DT22は、例えば、A相のパルス信号の2分の1ピッチである。補正角度DT23は、例えば、A相のパルス信号の4分の3ピッチである。補正角度DT21から補正角度DT23は、領域RA1から領域RA3のそれぞれの領域内での回転部52の回転速度の最大値と、出射遅延期間とを用いて設定されてもよい。
【0030】
図6には、回転角取得部110がパルスエッジTM2を検出するタイミングでの回転部52の回転角度が破線で概念的に示されている。
図6に示される実線の矢印は、駆動信号の入力により発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度を示す。
図6には、レーザ光DLを出射する狙いの回転角度として本実施形態の光測距装置200bに予め設定される設定回転角度LD2が示されている。
【0031】
出射タイミング調整部120は、回転角取得部110から回転角度を取得し、取得した回転角度から領域RA1から領域RA3のいずれであるかを判定する。出射タイミング調整部120は、判定した各領域に対応する補正角度DT21から補正角度DT23のいずれかを読み出す。出射タイミング調整部120は、読み出した補正角度DT21から補正角度DT23のいずれかの補正角度だけ早期となるタイミングのパルスエッジを検出した時点で駆動信号の生成を開始する。本実施形態の光測距装置200bによれば、回転速度の異なる領域RA1から領域RA3に対応する補正値としての補正角度DT21から補正角度DT23を用いることにより、発光部40からレーザ光DLが出射される時点での回転部52の回転角度と、領域RA1から領域RA3ごとの設定回転角度LD2とのずれが低減される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の光測距装置200bによれば、制御装置100bは、回転部52の回転角度を取得し、回転角度ごとの回転速度に対応するタイミングで駆動信号の生成を開始する。したがって、回転部52の回転速度が変化する光測距装置200bであっても、発光部40からレーザ光DLが出射される時点での回転部52の回転角度と、設定回転角度LD2とのずれを低減させることができる。
【0033】
本実施形態の光測距装置200bによれば、回転角度を用いて区分される複数の領域である領域RA1から領域RA3ごとに回転部52の回転速度を設定し、領域ごとの回転速度に対応するタイミングで駆動信号の生成を開始する。回転部52の回転速度の演算を簡略化した簡易な方法により、発光部40からレーザ光DLが出射される時点での回転部52の回転角度と、設定回転角度LD2とのずれを低減させることができる。
【0034】
C.第3実施形態:
第3実施形態の光測距装置200cでは、予め定められた回転部52の回転角度ごとに回転速度を算出し、算出した回転速度と、出射遅延期間とを用いて、駆動信号の生成を開始するタイミングを回転角度ごとに算出する。
図7に示すように、第3実施形態の光測距装置200cは、制御装置100に代えて制御装置100cを備える点で第1実施形態の光測距装置200と相違し、その他の点は、第1実施形態の光測距装置200と同様である。制御装置100cは、タイミング決定部160と、回転速度算出部170とを更に備える点で、制御装置100と相違する。
【0035】
本実施形態において、回転角制御部130は、第2実施形態と同様、回転部52をいわゆる単振動によって正転および逆転させる。回転速度算出部170は、予め定められた単位時間ごとに回転角取得部110から回転部52の回転角度を取得し、単位時間ごとの回転角度の変化から回転部52の回転速度を算出する。回転速度算出部170による回転部52の回転速度の算出結果はタイミング決定部160に出力される。
【0036】
タイミング決定部160は、回転部52の回転速度の算出結果と、出射遅延期間とを用いて回転角度ごとの補正値としての補正角度を算出する。より具体的には、回転部52の回転速度と、出射遅延期間とを掛け合わせて算出された補正角度を出射タイミング調整部120に回転角度ごとに出力する。出射タイミング調整部120は、回転部52の回転角度ごとに算出される補正角度だけ早期となるタイミングのパルスエッジを検出した時点で駆動信号の生成を開始する。
【0037】
本実施形態の光測距装置200cによれば、予め定められた回転部52の回転角度ごとに回転部52の回転速度を算出する。算出した回転部52の回転速度と、出射遅延期間とを用いて回転部52の回転角度ごとの補正角度を算出し、算出した補正角度だけ早期となるタイミングで駆動信号の生成を開始する。回転部52の回転速度に追従する補正角度を用いることにより、発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度と、設定回転角度とのずれをより低減させることができる。
【0038】
D.第4実施形態:
第4実施形態の光測距装置200dは、タイミングマップTMを用いて出射タイミング調整制御を行う。
図8に示すように、第4実施形態の光測距装置200dは、制御装置100に代えて制御装置100dを備える点で第1実施形態の光測距装置200と相違し、その他の点は、第1実施形態の光測距装置200と同様である。制御装置100dは、補正角度DTに代えてタイミングマップTMがメモリ内に予め記憶されている点で、制御装置100と相違する。
【0039】
タイミングマップTMは、回転部52の回転角度と、補正値としての補正角度との対応関係を表す対応マップである。
図9に示すように、タイミングマップTMには、補正角度DDが走査範囲RAの回転角度ごとに設定されている。補正角度DDは、例えば、予め試験などによって取得される回転部52の回転角度ごとの回転速度の実測値や、予め試験などによって取得される出射遅延期間の実測値などを用いて予め設定される。光測距装置200dの使用等により蓄積される回転速度や出射遅延期間の実績値などを用いて設定されてもよい。
【0040】
出射タイミング調整部120は、回転角取得部110から回転部52の回転角度を入力されると、タイミングマップTMを用いて、入力された回転角度に対応する補正角度DDを決定する。出射タイミング調整部120は、決定した補正角度DDだけ早期となるタイミングのパルスエッジを検出した時点で駆動信号の生成を開始するように駆動パルス生成部140を制御する。
【0041】
本実施形態の光測距装置200dによれば、制御装置100dが、回転部52の回転角度と、補正値としての補正角度DDとの対応関係を表すタイミングマップTMを備える。出射タイミング調整部120は、タイミングマップTMを用いて、回転角取得部110から逐次に取得した回転部52の回転速度から補正角度DDを決定する。したがって、制御装置100dに複雑な演算をさせることなく、簡易な方法により、発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度と、設定回転角度とのずれを低減させることができる。
【0042】
E.第5実施形態:
図10から
図12を参照して、第5実施形態の光測距装置200eの構成について説明する。第5実施形態の光測距装置200eは、出射遅延期間等を用いて算出した補正値を用いて、測距部150が演算した距離データを補正する。
図10に示すように、光測距装置200eは、第1実施形態の光測距装置200とは、制御装置100に代えて制御装置100eを備える点で相違し、その他の点は同様である。制御装置100eは、出射タイミング調整部120に代えて、回転速度演算部115と、レーザ光中心演算部180と、補正値演算部190と、距離データ補正部155とを備える点で制御装置100と相違する。
【0043】
回転速度演算部115は、回転角取得部110から取得した回転角度を用いて、回転部52の回転速度を演算する。レーザ光中心演算部180は、一のパルス検出タイミングに対して複数のレーザ光DLを出射する場合に、当該複数のレーザ光DLの中心位置を演算し、レーザ光中心補正値Z3として補正値演算部190に出力する。補正値演算部190は、距離データの検出角度を補正するための補正値を演算する。本実施形態において、補正値演算部190は、回転角度センサ補正値Z1と、CPU処理補正値Z2と、レーザ光中心補正値Z3と、出射遅延期間Z4とを用いて補正値を算出する。距離データ補正部155は、補正値演算部190から入力された補正値を用いて、測距部150から取得した点群データのそれぞれの検出角度を補正する。
【0044】
図11および
図12を参照して、補正値演算部190が演算する補正値について説明する。
図11には、回転角取得部110が検出した一例としてのパルスエッジTM11と、パルスエッジTM11の検出に基づいて生成される駆動パルスの出力タイミングTM13と、出力タイミングTM13の駆動パルスにより出射された複数のレーザ光の出射タイミングLD51~LD55とが概念的に示されている。
図11に示すパルスエッジTM12は、パルスエッジTM11の次のレーザ光の出力するための回転角度に相当する。
【0045】
回転速度演算部115は、例えば、回転角取得部110から取得したパルスエッジTM11からパルスエッジTM12までの回転角度と、パルスエッジTM11の検出時点からパルスエッジTM12の検出時点までの期間とを用いて、パルスエッジTM12の検出時点での回転部52の回転速度を演算する。回転速度演算部115によるパルスエッジごとの回転部52の回転速度の演算結果は、補正値演算部190に出力される。
【0046】
図11には、回転角度センサ補正値Z1と、CPU処理補正値Z2と、レーザ光中心補正値Z3と、出射遅延期間Z4とが概念的に示されている。出射遅延期間Z4は、予め設定される固定値として制御装置100eのメモリ内に格納されている。
【0047】
回転角度センサ補正値Z1は、回転角度センサ54におけるパルス信号の出力タイミングの機械的な誤差を補正するための補正値である。回転角度センサ54は、例えば、回転角度センサ54内の円盤のスリット間隔の製造ばらつきや、回転角度センサ54の筐体80内への取り付け時の配置位置のばらつき等の影響を受けて、検出角度の誤差を発生させることがある。
図12には、回転角度センサ54が検出する回転角度と、検出角度の誤差量との対応関係の一例が示されている。
図12に示すように、回転角度センサ54の検出角度の誤差は、回転角度ごとに異なっている。
図12に示すように、回転角度と、回転角度センサ54の検出角度の誤差との対応関係は、例えば、光測距装置200eに回転角度センサ54を設置した状態において、回転角度センサ54の走査範囲RA内での検出結果と、回転部52の回転角度とを対比する試験を行うによって取得することができる。回転角度センサ補正値Z1は、
図12に示す回転角度センサ54の検出角度の誤差分に相当し、制御装置100eのメモリ内に対応マップとして格納されている。
【0048】
CPU処理補正値Z2は、制御装置100eのマイクロプロセッサによる処理期間の誤差を補正するための補正値である。CPU処理補正値Z2は、マイクロプロセッサの処理能力によって異なる。マイクロプロセッサは、レーザ光の出力タイミングとなる回転角度を検出してから駆動パルスの生成を完了するまでに、例えば、他の制御を実行すること等の理由により、処理期間のばらつきが生じることがある。制御装置100eのマイクロプロセッサは、回転角度の検出から駆動パルス生成完了までの期間を内部クロックを用いて取得し、補正値演算部190に出力する。補正値演算部190は、マイクロプロセッサから取得した処理期間と、予め定められたマイクロプロセッサの基準の処理期間との差分を算出し、当該差分を補正するCPU処理補正値Z2を演算する。
【0049】
レーザ光中心補正値Z3は、パルスエッジTM11に対して複数のレーザ光DLを出射する場合において、レーザ光DLの出射タイミングを複数のレーザ光DLの出射期間における中央値を、レーザ光DLの出射タイミングとして設定するための補正値を意味する。中央値とは、すべてのレーザ光DLの出射が完了するまでの期間の中央値を意味する。本実施形態において、中央値は、最初のレーザ光DLの出射タイミングLD51から最後のレーザ光の出射タイミングLD55までに経過した期間の半分の期間に相当する。本実施形態では、中央値は、3番目のレーザ光DLの出射タイミングLD53と一致する。一つのパルスエッジTM11に対して複数のレーザ光DLが出射される場合、回転部52によって走査されながら複数のレーザ光DLが出射される。そのため、複数のレーザ光DLに基づいて一の点群データを生成する場合に、複数のレーザ光DLは、中央値から両側に向かってレーザ光DLの出射回数に対応する幅を有する一のレーザ光DLとして扱うことができる。レーザ光中心演算部180は、回転速度演算部115から取得する回転速度と、駆動パルス生成部140から取得するレーザ光DLの出射回数とを用いて、例えば、以下の式(1)を用いてレーザ光中心補正値Z3を算出する。
Z3=V1・T1・(N1-1)/2 ・・・式(1)
V1:回転部52の回転速度
T1:最初のレーザ光DLの出射タイミングLD51から最後のレーザ光の出射タイミングLD55までの期間
N1:レーザ光DLの出射回数
最初のレーザ光DLの出射タイミングLD51から最後のレーザ光の出射タイミングLD55までの期間T1は、理論値であってもよく、駆動パルス生成部140から各レーザ光DLの出力タイミングを足し合わせることによって算出されてもよい。
【0050】
補正値演算部190は、回転角度センサ補正値Z1、CPU処理補正値Z2、レーザ光中心補正値Z3、ならびに出射遅延期間Z4を足し合わせた合計の期間に、回転速度演算部115から取得した回転部52の回転速度を乗じることによって得られた期間を補正値として距離データ補正部155に出力する。距離データ補正部155は、補正値演算部190から得られた当該補正値を用いて、パルスエッジTM11に対応する点群データの検出角度を補正する。
【0051】
本実施形態の光測距装置200eによれば、制御装置100eは、出射遅延期間Z4等を用いて決定される補正値を用いて、測距部150が生成する点群データの検出角度の補正を実行する。発光部40を制御することなく、簡易な構成により距離データにおける検出角度のずれ量を低減した距離データを得ることができる。
【0052】
本実施形態の光測距装置200eによれば、制御装置100eは、さらに、回転角度センサ54による回転角度の検出誤差を用いて補正値を決定する。回転角度センサ54による回転角度の検出誤差を除去することにより、距離データにおける検出角度のずれ量をより低減することができる。
【0053】
本実施形態の光測距装置200eによれば、制御装置100は、検出したパルスエッジTM11に対して複数のレーザ光DLを出射する場合に、最初のレーザ光DLの出射タイミングLD51から最後のレーザ光DLの出射タイミングLD55までの中央値を用いて決定する。したがって、複数のレーザ光DLに基づいて一の点群データを生成する場合の距離データにおける検出角度をより適正な値に補正することができる。
【0054】
F.他の実施形態:
(F1)上記第1実施形態において、一定の速度で回転される回転部52の回転速度と、出射遅延期間とを用いて算出される一の補正角度DTが設定される。これに対して、単振動によって正転および逆転される回転部52のように、回転速度が変化する回転部52に対して一の補正角度DTが設定されてもよい。この形態の光測距装置であっても、発光部40からレーザ光DLが出射される時点での回転部52の回転角度と、設定回転角度LD1とのずれを低減させることができる。また、補正角度DTは、回転部52の走査範囲RA内での回転部52の回転速度の最大値と最小値との中間値を用いて算出されてもよい。これにより、制御装置100に複雑な演算をさせることなく、簡易な方法により、発光部40からレーザ光DLが出射されるタイミングでの回転部52の回転角度と、設定回転角度とのずれを低減させることができる。補正角度DTは、出射遅延期間と、回転部52の走査範囲RA内での回転部52の回転速度の平均値とを用いて算出されてもよい。
【0055】
(F2)上記各実施形態では、回転角度センサ54は、光学式に代えて磁気式を採用してもよく、インクリメンタル型に代えてアブソリュート型を採用してもよい。回転角度センサ54に代えてクロック信号を発生する回路を採用してもよい。
【0056】
(F3)上記各実施形態では、光測距装置に制御装置が備えられる例を示したが、制御装置は、光測距装置を備える車両に備えられてもよい。例えば、距離データ補正部155と、補正値演算部190とが車両に備えられるなど、制御装置の機能の一部が車両に備えられてもよい。このように構成することにより、光測距装置を軽量化することができる。
【0057】
(F4)上記第5実施形態では、制御装置100eが出射タイミング調整部120を備えない例を示したが、制御装置100eは、出射タイミング調整部120を備えてもよい。この場合において、出射タイミング調整部120は、補正値演算部190から得られた補正値分だけ早期となるタイミングで駆動信号の生成を開始するように駆動パルス生成部140を制御してよい。
【0058】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0059】
本開示は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
40…発光部、50…走査部、54…回転角度センサ、60…受光部、100,100b,100c,100d,100e…制御装置、200,200b,200c,200d,200e…光測距装置、DL…レーザ光