(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20241001BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20241001BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20241001BHJP
F16C 11/06 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H05K5/03 C
G06F1/16 312G
G06F1/16 312U
F16C11/04 F
F16C11/06 F
(21)【出願番号】P 2020149929
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】勝田 孝
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-006993(JP,A)
【文献】特開2000-049470(JP,A)
【文献】特開平09-091058(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0018337(US,A1)
【文献】国際公開第2007/032059(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00 - 5/06
G06F 1/16 - 1/18
F16C 11/00 - 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ケースと下ケースとをヒンジ機構で連結して開閉可能となる折りたたみ式の電子機器において、
前記上ケースと連結され、前記ヒンジ機構の回動軸上で回動する回動部と、
前記下ケースを上下方向にスライド移動させるスライド溝を形成したガイド部と、
前記下ケースに連結され、前記回動部の回動で前記下ケースに対する前記上ケースの展開角度が大きくなるに連れて前記ガイド部の前記スライド溝に沿って上方にスライド移動するスライド部と、
を備え
、
前記スライド部が前記ガイド部の前記スライド溝に沿って上方にスライド移動したときに、前記ヒンジ機構の少なくとも一部が前記下ケースよりも下方に突出する電子機器。
【請求項2】
前記ガイド部は前記ヒンジ機構の回動軸上に固定され、前記スライド溝は、前記回動部
の回動面に平行に前記下ケースを上下方向にスライド移動させるように形成されている、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記回動部が前記スライド部と当接し続けるよう前記スライド部の位置を制限する制限部をさらに備える、請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記制限部は、前記スライド部に形成した第2のスライド溝に沿って移動する、前記回動部に形成した突出部を含む、請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記制限部は、前記回動部および前記ガイド部の少なくとも一方と前記スライド部とを当接し続ける弾性部材を含む、請求項3記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子辞書などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書や電子手帳、ノート型のパーソナルコンピュータなど、上ケースと下ケースとをヒンジ機構で連結して開閉可能となる折りたたみ式の電子機器が広く一般に普及している。この種の電子機器において、ヒンジ機構部に例えば電池などの電子部品を収納するようにした構成を有するものが提案されている(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に折りたたみ式の電子機器では、閉じた状態での携帯性を考慮して、上ケース、下ケースともに平板状の構成を採るものが多い。そのため、下ケースの上面に備えられるキーボードの角度も、使用時には机上などの設置場所の平面と平行となり、タイピングする際の操作性の点で不具合を生じていた。
【0005】
本発明は前記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、折りたたみ式の電子機器において、展開時のキーボードの操作性を向上させることが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上ケースと下ケースとをヒンジ機構で連結して開閉可能となる折りたたみ式の電子機器において、前記上ケースと連結され、前記ヒンジ機構の回動軸上で回動する回動部と、前記下ケースを上下方向にスライド移動させるスライド溝を形成したガイド部と、前記下ケースに連結され、前記回動部の回動で前記下ケースに対する前記上ケースの展開角度が大きくなるに連れて前記ガイド部の前記スライド溝に沿って上方にスライド移動するスライド部と、を備え、前記スライド部が前記ガイド部の前記スライド溝に沿って上方にスライド移動したときに、前記ヒンジ機構の少なくとも一部が前記下ケースよりも下方に突出する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折りたたみ式の電子機器において、展開時のキーボードの操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子辞書の展開時の外観構成を示す斜視図。
【
図2】同実施形態に係る回動部の構成を例示する図。
【
図3】同実施形態に係るスライド部の構成を示す図。
【
図5】同実施形態に係る電子辞書を閉じた状態でのヒンジ部端における回動部、スライド部およびガイド部の状態を示す図。
【
図6】同実施形態に係る電子辞書を展開する過程での各部の構成の変化を説明する図。
【
図7】同実施形態に係る電子辞書を展開する過程での各部の構成の変化を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を電子辞書に適用した場合の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
図1は、本実施形態に係る電子辞書10の展開時の外観構成を示す斜視図である。電子辞書10は、平板状の上ケース11と、同じく平板状の下ケース12とが、円筒状のヒンジ部13を介して連結されて一体に構成される。上ケース11と下ケース12はヒンジ部13により開閉可能な折りたたみ式となっており、同図は略135°程度に展開して、例えば机上等に設置した使用時の状態を例示している。
【0010】
ヒンジ部13は、両端が詳細な構成を後述するヒンジ機構を有するとともに、下ケース12の下面側から開閉可能な蓋部(図示せず)を設け、電源として例えば単三形の乾電池または二次電池が直列に2本収納可能な構造を有する。
【0011】
上ケース11の内面側には、タッチパネル式のカラー液晶パネルによる表示部14が備えられる。一方の下ケース12には、内面側(展開した状態で上面側)に複数のキーを配列したキーボード15が備えられる。
【0012】
また、ヒンジ部13は、上ケース11および下ケース12を閉じた携帯時には、下ケース12の下面側の平面から突出しない一方で、
図1に示した如く上ケース11および下ケース12を開いた状態では、上ケース11の下面側の平面より下方に突出するように相対的に移動する。このようにヒンジ部13が下ケース12に対して下方に突出することで、電子辞書10の設置場所においては下ケース12の奥側が相対的に上昇し、下ケース12上面のキーボード15が電子辞書10のユーザに向けて傾斜した状態となるため、キーボード15の操作性が向上する。
【0013】
図2は、ヒンジ部13の両端で上ケース11と連結される1対の回動部21の一方の構成を示す図である。同図では、上ケース11の表示部14に向かって左側に位置する回動部21を例にとって説明する。
図2(A)は正面図、
図2(B)は側面図、
図2(C)は平面図である。
【0014】
図示するように回動部21は、半円板状の大径部21Aと、同軸上の半円板状の小径部21Bと、同じく同軸上の円板状の小径部21Cと、突起部21Dとが一体に構成される。
【0015】
大径部21Aと小径部21Bは、互いの直径面が同一面として形成され、大径部21Aの直径面の一方で下ケース12側となる端部に、突起部21Dが突出形成される。半円板状の小径部21Bと円板状の小径部21Cは同径となる。
【0016】
突起部21Dは、大径部21Aの直径面端部から垂直に突出し、後述するスライド部22のガイドプレート22Dの板厚分だけ離れた突出した位置で、大径部21Aの軸中心とは反対側に90°屈曲して延在し、さらに先端が左右に延長した係止部21Eとなる。この係止部21Eは、後述するスライド部22のガイドプレート22Dに形成されたスライド溝22Eの範囲内に突起部21Dが位置する場合に、突起部21Dがスライド溝22Eから離脱するのを防止する。
【0017】
図3は、ヒンジ部13の両端位置で回動部21に対してスライド移動する、下ケース12と連結される1対のスライド部21の一方の構成を示す図である。同図では、上ケース11の表示部14に向かって左側に位置するスライド部22を例にとって説明する。
図3(A)はヒンジ部13側から見た左側面図、
図3(B)は正面図、
図3(C)は下ケース12側から見た右側面図、
図3(D)は上方から見た平面図である。
【0018】
スライド部22は、スライドプレート22A、固定プレート22B、支持プレート22Cおよびガイドプレート22Dから構成される。
【0019】
スライドプレート22Aおよび固定プレート22Bは、支持プレート22Cを介して平行に設けられて、
図3(D)に示すように、3枚のプレート22A~22Cで断面コ字状の構成となる。
【0020】
スライドプレート22Aの幅(支持プレート22Cからの垂直方向の突出長)は固定プレート22Bの同長より少なく、このスライドプレート22Aが、後述するガイド部23のスライド溝23B内でスライド移動する。固定プレート22Bは、下ケース12のヒンジ部13側端面に連結、固定される。
【0021】
ガイドプレート22Dは、主として支持プレート22Cの上側に垂直に、面が略水平(下ケース12の平面と平行)となるように設置、固定され、スライドプレート22A側でスライドプレート22Aより前方(ヒンジ部13側)に突出する。ガイドプレート22Dのヒンジ部13側の端部は、回動部21の回動中心位置と一致する。
【0022】
ガイドプレート22Dには、ヒンジ部13側が開放端となるスライド溝22Eが形成され、上ケース11を下ケース12に対して開閉させる際に、前述したように回動部21の突起部21Dがこのスライド溝22Eに沿ってスライド移動する。スライド溝22Eによって回動部21の突起部21Dがスライド移動する範囲が制限され、且つ、後述する弾性体(図示せず)によりスライド部22が常に回動部21およびガイド部23と当接し続けるように、スライド部22全体を下方に付勢して動作を制限する、制限部とも呼称すべき構成を有する。当該制限部は、スライド部22のスライド溝22E、スライド溝22E内をスライド移動する回動部21の突起部21D、および前述した弾性体(図示せず)を含む。
【0023】
図4は、ヒンジ部13の両端位置に固定され、回動部21、スライド部22と相対向する、1対のガイド部23の一方の構成を示す図である。同図では、上ケース11の表示部14に向かって左側に位置するガイド部23を例にとって説明する。
図4(A)は正面図、
図4(B)は下ケース12側から見た右側面図、
図4(C)は上方から見た平面図である。
【0024】
ガイド部23は、円柱状体の底部となる端面に、軸穴23Aと、底面直径と平行し、上下方向に延在して下端側が開放端となるスライド溝23Bとを形成している。軸穴23Aは、回動部21の小径部21Cを嵌合して回動部21を回動させるために形成される。スライド溝23Bは、回動部21の回動に応じてスライド部22を上下に移動させるべく、スライド部22のスライドプレート22Aをスライド自在に嵌合するために形成される。
【0025】
[動作]
以下、本実施形態の動作について説明する。
図5は、電子辞書10を閉じた状態、すなわち下ケース12に対する上ケース11の展開角度が0°の場合の、ヒンジ部13の端部における回動部21、スライド部22およびガイド部23の状態を示す図である。
【0026】
ガイド部23の軸穴23Aに対して回動部21の小径部21Cが嵌合した状態で、回動部21の大径部21Aの直径面で図中の右側が、スライド部22のガイドプレート22Dの下面と当接した状態となる。回動部21の突起部21Dは、スライド部22のガイドプレート22Dのスライド溝22Eの最奥部に位置した状態となる。
【0027】
この状態で、スライド部22のスライドプレート22Aは、ガイド部23のスライド溝23Bの最下端側に位置し、下端側の一部がスライド溝23Bの開放端より外部に露出した状態となる。そのため、スライド部22の下端面、ガイド部23の最下端、および図示しない下ケース12の下面が同一面上に位置することになる。
【0028】
次に前述した制限部の動作について説明する。ヒンジ部13の両端部内では、スライド部22が常に回動部21およびガイド部23と当接し続けるように、スライド部22全体を下方に付勢して動作を制限するような弾性力を発生する弾性体(図示せず)、例えば金属バネを制限部の一部として内装する。当該弾性体の圧縮力または伸長力によりスライド部22が常に回動部21およびガイド部23と当接し続け、且つスライド部22のスライド溝22E内を回動部21の突起部21Dがスライド移動することで、不要な動きが制限され、がたつき等の発生を回避している。
【0029】
このようにスライド部22を下方に当接し続ける弾性力を付与することで、ヒンジ部13と回動部21およびガイド部23に対して、スライド部22および下ケース12がスライド移動するような構成を採りながら、不要ながたつき等が生じるのを回避し、電子辞書10のユーザに対して電子辞書10の開閉時にスムーズで安定した操作感を提供できる。
【0030】
次に
図6および
図7により、電子辞書10を閉じた状態から展開する過程での各部の構成の変化を説明する。
図6(A)は、
図5と同じく、電子辞書10を閉じた状態、すなわち下ケース12に対する上ケース11の展開角度が0°の場合の、ヒンジ部13の端部における回動部21、スライド部22およびガイド部23状態を上ケース11、下ケース12とともに示す図である。
【0031】
スライド部22に対する回動部21、ガイド部23の状態は
図5に示した通りであり、ガイド部23の最下端がスライド部22、下ケース12の各下端面と同一面上に位置する。
【0032】
図6(B)は、下ケース12に対して上ケース11を30°程度展開した状態の各構成を示す。回動部21の大径部21Aの直径面端部で突起部21Dを設けた側と、大径部21Aの周面とが交差する角部が、上ケース11に連動した回動部21全体の回動により、スライド部22のガイドプレート22Dを下面側から押し上げる。
【0033】
そのため、ガイド部23のスライド溝23Bに沿って移動するスライドプレート22Aにより、スライド部22全体が上方にスライド移動し、相対的に、ガイド部23およびヒンジ部13の下端側が、スライド部22および下ケース12の下面より下方に突出する。
【0034】
図7(A)は、下ケース12に対して上ケース11を85°程度展開した状態の各構成を示す。回動部21の大径部21Aの直径面端部で突起部21Dを設けた側と、大径部21Aの周面とが交差する角部が、上ケース11に連動した回動部21全体の回動により、スライド部22のガイドプレート22Dを下面側からさらに押し上げる。
【0035】
ガイド部23のスライド溝23Bに沿って移動するスライドプレート22Aにより、スライド部22全体がさらに上方にスライド移動し、相対的に、ガイド部23およびヒンジ部13の下端側が、スライド部22および下ケース12の下面より大きく下方に突出する。このガイド部23およびヒンジ部13の下端側の突出量は、下ケース12に対して上ケース11を90°展開する状態となるまで増加する。
【0036】
図7(B)は、下ケース12に対して上ケース11を135°程度展開した状態の各構成を示す。回動部21の大径部21Aの周面が、上ケース11に連動した回動部21全体の回動により、スライド部22のガイドプレート22Dを下面側から押し上げる。
【0037】
ガイド部23のスライド溝23Bに沿って移動するスライドプレート22Aにより、スライド部22全体が最上部までスライド移動し、相対的に、ガイド部23およびヒンジ部13の下端側が、スライド部22および下ケース12の下面より下方に突出する。このガイド部23およびヒンジ部13の下端側の突出量は、回動部21の大径部21Aの半径に相当し、下ケース12に対して上ケース11を90°展開した状態から一定となる。
【0038】
このように電子辞書10を展開した状態から、下ケース12に対して上ケース11を閉じるように操作する場合、展開角度が90°以下となった状態で、展開角度が小さくなるに連れて、ガイド部23およびヒンジ部13の下端側の突出量も随時小さくなる。そして、展開角度が0°となる電子辞書10を完全に閉じた状態で、
図6(A)で示したように突出量が0となる。
【0039】
前述したようにスライド部22が常に回動部21およびガイド部23と当接し続けるよう、スライド部22全体を下方に付勢して動作を制限している。電子辞書10を閉じる過程で、
図7(A)で示した如く展開角度が85°近傍となった時点で回動部21の突起部21Dが、スライド部22のガイドプレート22Dに形成されたスライド溝22Eの開口端に位置し、以後はスライド溝22Eに沿ってその奥まで移動する。
【0040】
この突起部21Dとスライド溝22Eの係合関係により、ヒンジ部13でがたつき等を生じず、確実且つスムーズに回動動作させることができる。
【0041】
[実施形態の効果]
以上詳述した如く本実施形態によれば、折りたたみ式の電子機器において、展開時のキーボードの操作性を向上させることが可能となる。
【0042】
なお、本実施形態は、電子辞書に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、上ケースと下ケースとをヒンジ機構で連結して開閉可能となる折りたたみ式の電子機器であれば、同様に適用可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、上ケースと下ケースとの展開角度が大きくなるにつれてガイド部スライド溝に沿って下ケースのヒンジ機構側が上方にスライド移動する場合について説明したが、上ケースと下ケースとの位置関係が逆となる構造を採るものとしても良い。
【0044】
その他、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0045】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
上ケースと下ケースとをヒンジ機構で連結して開閉可能となる折りたたみ式の電子機器において、
前記上ケースと連結され、前記ヒンジ機構の回動軸上で回動する回動部と、
前記ヒンジ機構の回動軸上に固定され、前記回動部と相対向する面に前記下ケースを上下方向にスライド移動させるスライド溝を形成したガイド部と、
前記下ケースに連結され、前記回動部の回動で前記下ケースに対する前記上ケースの展開角度が大きくなるに連れて前記ガイド部の前記スライド溝に沿って上方にスライド移動するスライド部と、
を備える電子機器。
[請求項2]
前記回動部が前記スライド部と当接し続けるよう前記スライド部の位置を制限する制限部をさらに備える、請求項1記載の電子機器。
[請求項3]
前記制限部は、前記スライド部に形成した第2のスライド溝に沿って移動する、前記回動部に形成した突出部を含む、請求項2記載の電子機器。
[請求項4]
前記制限部は、前記回動部および前記ガイド部の少なくとも一方と前記スライド部とを当接し続ける弾性部材を含む、請求項2記載の電子機器。
【符号の説明】
【0046】
10…電子辞書
11…上ケース
12…下ケース
13…ヒンジ部
14…表示部
15…キーボード
21…回動部
21A…大径部
21B…小径部
21C…小径部
21D…突起部
21E…係止部
22…スライド部
22A…スライドプレート
22B…固定プレート
22C…支持プレート
22D…ガイドプレート
22E…スライド溝
23…ガイド部
23A…軸穴
23B…スライド溝