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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】シート給送装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/26 20060101AFI20241001BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20241001BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B65H1/26 314C
B65H3/52 330D
G03G15/00 405
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020155401
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049278
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健史
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-071495(JP,A)
【文献】特開2015-006940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収容し、本体部に対して前記シートの給送方向の上流側から所定の装着位置に装着されるシートカセットと、
前記本体部内に設けられ、前記シートカセット内の前記シートの上面に接触して前記シートを前記給送方向へ送出する送出部材と、
前記送出部材により送出された前記シートを前記本体部内の搬送路へ向けて給送する給送部材と、
前記給送部材に対して下方から対向して配置され、前記給送部材とともに前記シートを1枚ずつ分離して給送する分離部材と、
前記分離部材を支持するホルダーと、
前記シートカセットに設けられ、前記ホルダーを上下方向に移動可能に支持するホルダー支持部と、
前記本体部に設けられ、前記シートカセットが前記本体部へ装着される際に、前記シートカセットの装着方向への移動に応じて、前記ホルダーを、前記分離部材が前記給送部材から離隔し、かつ、前記送出部材の下方を通過可能な初期位置から前記分離部材を前記給送部材に押圧する作動位置へ移動させる移動機構と、を備え、
前記移動機構は、前記シートカセットが前記本体部へ装着される際に、前記分離部材が前記送出部材の下方を通過した後に前記ホルダーを前記初期位置から前記作動位置へ移動させ、前記シートカセットが前記本体部の前記装着位置から引き出される際に、前記分離部材が前記送出部材の位置へ到達する前に前記ホルダーを前記作動位置から前記初期位置へ移動させ
前記ホルダー支持部は、前記シートカセットにおける前記装着方向の先端に設けられ、前記シートカセットが前記本体部から引き出されるときに自重によって下降する前記ホルダーを前記作動位置から前記初期位置へ案内し、
前記ホルダーは、前記ホルダー支持部に対して上方から着脱可能に載置されている、シート給送装置。
【請求項2】
前記ホルダーは、前記装着方向に交差する方向に沿って両側へ突出した複数の突出部を有し、
前記ホルダー支持部は、前記複数の突出部をそれぞれ上下方向へ案内する複数の支持溝を有し、
前記移動機構は、前記装着方向へ向かって上方へ傾斜し、前記複数の突起部を案内する複数の案内面を有し、
前記シートカセットが前記本体部へ装着されるときに前記複数の突出部が前記複数の案内面に沿って移動することにより、前記ホルダーが前記初期位置から前記作動位置へ向けて移動する、請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置により給送されるシートに画像を形成するプリント部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートカセットと前記シートカセットからシートを送り出す機構とを含むシート給送装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、シート給送装置を備える。前記シート給送装置は、本体部に対して引き出し可能に装着されたシートカセットと、前記シートカセット内のシートを前記本体部内の搬送路へ送り出すシート送出機構とを備える。
【0003】
前記シート送出機構は、ピックアップローラー、給送ローラーおよび分離部材を備える。前記給送ローラーおよび前記分離部材は、前記ピックアップローラーの後段において相互に接する状態で配置されている。
【0004】
前記ピックアップローラーは、前記シートカセットに収容された前記複数のシートにおける最上位の1枚の上面に接して回転する。これにより、前記ピックアップローラーは、前記複数のシートのうちの最上位の1枚を前記シートカセットから後段へ送り出す。
【0005】
前記給送ローラーは、前記ピックアップローラーによって送り出される前記シートの上面に接して回転する。これにより、前記給送ローラーは、前記ピックアップローラーから前記シートの送出を引き継ぐとともに前記シートを本体部内の搬送路へ送り出す。
【0006】
前記分離部材は、前記給送ローラーによって送り出される前記シートの下面に接する。前記ピックアップローラーが複数枚の前記シートを前記シートカセットから送り出してしまった場合、前記分離部材は、上から2枚目以降の前記シートを堰き止める。前記分離部材は、リタードローラー、または、分離パッドなどである。
【0007】
例えば、前記ピックアップローラー、前記給送ローラーおよび前記リタードローラーを含む給送ユニットが、前記本体部に配置されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-80047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前記分離部材は、前記シートに擦れる頻度が高いため劣化しやすい。そのため、前記分離部材をユーザーでも容易に交換できることが望まれる。
【0010】
一方、前記分離部材の交換のために開閉可能なカバーを前記本体部に設けることは、前記画像形成装置の部品点数および組み立て工数の増大につながるため好ましくない。
【0011】
本発明の目的は、シートカセットからシートを送り出す機構における分離部材の交換が容易な構造を有するシート給送装置およびそれを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の局面に係るシート給送装置は、シートカセットと、送出部材と、給送部材と、分離部材と、ホルダーと、ホルダー支持部と、移動機構と、を備える。前記シートカセットは、シートを収容し、本体部に対して前記シートの給送方向の上流側から所定の装着位置に装着される。前記送出部材は、前記本体部内に設けられ、前記シートカセット内の前記シートの上面に接触して前記シートを前記給送方向へ送出する。前記給送部材は、前記送出部材により送出された前記シートを前記本体部内の搬送路へ向けて給送する。前記分離部材は、前記給送部材に対して下方から対向して配置され、前記給送部材とともに前記シートを1枚ずつ分離して給送する。前記ホルダーは、前記分離部材を支持する。前記ホルダー支持部は、前記シートカセットに設けられ、前記ホルダーを上下方向に移動可能に支持する。前記移動機構は、前記本体部に設けられ、前記シートカセットが前記本体部へ装着される際に、前記シートカセットの装着方向への移動に応じて、前記ホルダーを、前記分離部材が前記給送部材から離隔し、かつ、前記送出部材の下方を通過可能な初期位置から前記分離部材を前記給送部材に押圧する作動位置へ移動させる。前記移動機構は、前記シートカセットが前記本体部へ装着される際に、前記分離部材が前記送出部材の下方を通過した後に前記ホルダーを前記初期位置から前記作動位置へ移動させ、前記シートカセットが前記本体部の前記装着位置から引き出される際に、前記分離部材が前記送出部材の位置へ到達する前に前記ホルダーを前記作動位置から前記初期位置へ移動させる。
【0013】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記シート給送装置と、前記シート給送装置により給送されるシートに画像を形成するプリント部と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シートカセットからシートを送り出す機構における分離部材の交換が容易な構造を有するシート給送装置およびそれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置における分離ユニットが装着されたシートカセットの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置における分離ユニットが装着されたホルダー支持部の斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置における分離ユニットおよびシートカセットの斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置におけるカセット対向部の斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る画像形成装置におけるシートカセットが装着されているときのシート送出機構の断面図である。
図7図7は、実施形態に係る画像形成装置におけるシートカセットが引き出されているときのシート送出機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、シートカセット1、シート送出機構2、シート搬送機構3およびプリント部4を備える。
【0018】
シート搬送機構3およびプリント部4は、本体部100に内包されている。本体部100は、画像形成装置10の筐体である。
【0019】
シートカセット1は、シートを収容し、本体部100に対して第1方向D1に沿って引き出し可能に装着されている。前記シートは、紙または合成樹脂のシートなどの画像形成媒体である。
【0020】
第1方向D1は、画像形成装置10の奥行方向である。以下の説明において、第1方向D1に直交する水平な方向のことを第2方向D2と称する。第2方向D2は、画像形成装置10の幅方向である。
【0021】
図1,6,7において、装着方向D11は、シートカセット1が第1方向D1に沿って本体部100に装着される方向である。また、引出し方向D12は、シートカセット1が第1方向D1に沿って本体部100から引き出される方向である。装着方向D11は、画像形成装置10の前面から背面へ向かう方向である。
【0022】
シート送出機構2は、シートカセット1内の前記シートを本体部100内に形成された搬送路30へ送り出す。シートカセット1およびシート送出機構2は、前記シートを搬送路30へ給送するシート給送装置を構成している。シートカセット1は、本体部100に対して前記シート給送装置による前記シートの給送方向の上流側から所定の装着位置に装着される。図6は、シートカセット1が前記装着位置に装着された状態を示す。
【0023】
シート搬送機構3は、前記シートを搬送路30に沿って搬送し、さらに前記シートを搬送路30から排出トレイ101上へ排出する。
【0024】
プリント部4は、搬送路30に沿って搬送される前記シートに画像を形成するプリント処理を実行する装置である。即ち、プリント部4は、前記シート給送装置によって給送される前記シートに画像を形成する。
【0025】
図1に示される例では、プリント部4は、電子写真方式で前記プリント処理を実行する。なお、プリント部4が、インクジェット方式など他の方式で前記プリント処理を実行する装置であってもよい。
【0026】
シート送出機構2は、ピックアップローラー21、給送ローラー22およびリタードローラー23を備える。給送ローラー22およびリタードローラー23は、ピックアップローラー21の後段において相互に接する状態で配置されている。
【0027】
即ち、給送ローラー22は、ピックアップローラー21に対して装着方向D11側の上方に配置されている。換言すれば、ピックアップローラー21は、給送ローラー22に対して引出し方向D12側の下方に配置されている。
【0028】
ピックアップローラー21は、シートカセット1に収容された複数の前記シートにおける最上位の1枚の上面に接して回転する。これにより、ピックアップローラー21は、複数の前記シートのうちの最上位の1枚をシートカセット1から給送ローラー22とリタードローラー23との間へ送り出す。ピックアップローラー21は、シートカセット1内の前記シートの上面に接触して前記シートを前記給送方向へ送出する送出部材の一例である。
【0029】
給送ローラー22は、ピックアップローラー21によって送り出される前記シートの上面に接して回転する。これにより、給送ローラー22は、ピックアップローラー21から前記シートの送出を引き継ぐとともに前記シートを本体部100内の搬送路30へ送り出す。なお、給送ローラー22は、ピックアップローラー21により送出された前記シートを本体部100内の搬送路30へ向けて給送する給送部材の一例である。
【0030】
リタードローラー23は、給送ローラー22に対して下方から対向して配置されている。リタードローラー23は、給送ローラー22によって送り出される前記シートの下面に接する。ピックアップローラー21が複数枚の前記シートをシートカセット1から送り出してしまった場合、リタードローラー23は、上から2枚目以降の前記シートを堰き止める。
【0031】
リタードローラー23は、複数の前記シートのうち最上位の1枚とその他とを分離する分離部材の一例である。リタードローラー23は、給送ローラー22とともに前記シートを1枚ずつ分離して搬送路30へ給送する。
【0032】
例えば、リタードローラー23は、前記シートをシートカセット1側へ戻す方向へ回転する。また、トルクリミッタが、リタードローラー23とリタードローラー23の回転軸との間に介在する場合もある。また、分離パッドが、リタードローラー23の代わりに前記分離部材として採用される場合もある。
【0033】
ところで、リタードローラー23は、前記シートに擦れる頻度が高いため劣化しやすい。そのため、リタードローラー23をユーザーでも容易に交換できることが望まれる。なお、前記分離パッドもリタードローラー23と同様に、ユーザーでも容易に交換できることが望まれる。
【0034】
一方、リタードローラー23の交換のために開閉可能なカバーを本体部100に設けることは、画像形成装置10の部品点数および組み立て工数の増大につながるため好ましくない。
【0035】
画像形成装置10は、シート送出機構2におけるリタードローラー23の交換が容易な構造を有する。以下、その構造について説明する。
【0036】
画像形成装置10のシート送出機構2において、ピックアップローラー21および給送ローラー22は本体部100内に設けられている。一方、リタードローラー23を含む分離ユニット230は、シートカセット1に支持されている。
【0037】
シートカセット1は、前記シートを収容するカセット本体11と、シートカセット1における装着方向D11の先端に設けられたホルダー支持部12とを有する。分離ユニット230は、ホルダー支持部12によって上下方向に移動可能に支持されている。
【0038】
分離ユニット230は、リタードローラー23およびホルダー231を有する(図3,4,6,7参照)。ホルダー231は、リタードローラー23を回転可能に支持する。ホルダー231は、装着方向D11に交差する方向に沿って両側へ突出した複数の突出部232を有する(図3,4,6,7参照)。複数の突出部232は、第2方向D2に沿って形成されている。
【0039】
本実施形態において、ホルダー231は、ホルダー支持部12に対して上方から着脱可能に載置されている。そのため、分離ユニット230は、ホルダー支持部12から持ち上げられるだけでシートカセット11から外れる。
【0040】
本実施形態において、複数の突出部232は、同軸上に左右両側へ突出した一対の第1突出部2321と、同軸上に左右両側へ突出した一対の第2突出部2322とを含む。一対の第2突出部2322は、一対の第1突出部2321に対し装着方向D11側の下方に形成されている。
【0041】
一方、シートカセット1のホルダー支持部12は、複数の突出部232をそれぞれ上下方向へ案内する複数のユニット案内部13を有する。複数のユニット案内部13は、一対の第1突出部2321を上下方向に案内する一対の第1ユニット案内部131と、一対の第2突出部2322を上下方向に案内する一対の第2ユニット案内部132とを含む。
【0042】
複数のユニット案内部13は、ホルダー231の上方の縁から下方へ切れ込んで凹状に形成されている。なお、複数のユニット案内部13は、複数の支持溝の一例である。
【0043】
また、本体部100は、シートカセット1の先端部に対して引出し方向D12へ向かって対向するカセット対向部102を有する(図1,5参照)。カセット対向部102は、複数のユニット規制部24および給送シートガイド25を有する。
【0044】
給送シートガイド25は、給送ローラー22によって送り出された前記シートを搬送路30へ案内する。
【0045】
複数のユニット規制部24は、シートカセット1が本体部100へ装着されるときに分離ユニット230の複数の突出部232と接触し、シートカセット1の装着方向D11への移動に応じて分離ユニット230を初期位置から作動位置へ移動させるとともに前記作動位置に保持する(図6参照)。なお、本実施形態において、前記初期位置および前記作動位置は、ホルダー231の位置である。
【0046】
図6は、分離ユニット230が複数のユニット規制部24によって前記作動位置に保持されている状態を示す。また、図7は、分離ユニット230が前記初期位置に存在する状態を示す。
【0047】
分離ユニット230が前記初期位置に存在する状況下で、リタードローラー23は給送ローラー22に対して下方に離隔している(図7参照)。分離ユニット230が前記作動位置に存在する状況下で、リタードローラー23は給送ローラー22に接している(図6参照)。ホルダー231は、前記作動位置においてリタードローラー23を給送ローラー22に押圧する。
【0048】
分離ユニット230は、シートカセット1が本体部100から引き出されるときに複数のユニット規制部24による保持が解除されることにより前記作動位置から前記初期位置へ移動する(図7参照)。分離ユニット230が前記初期位置に存在するときに、リタードローラー23はピックアップローラー21よりも低い位置に存在する(図7参照)。
【0049】
従って、分離ユニット23は、前記初期位置に存在するときに、リタードローラー23が給送ローラー22から離隔し、かつ、ピックアップローラー21の下方を通過可能である。
【0050】
本実施形態において、分離ユニット230は、シートカセット1が本体部100から引き出されるときに自重によって前記作動位置から前記初期位置へ移動する。そのため、分離ユニット230を前記作動位置から前記初期位置へ移動させるためのバネまたはリンク機構などの特別な機構は不要である。
【0051】
ホルダー支持部12の複数のユニット案内部13は、シートカセット1が本体部100から引き出されるときに自重によって下降するホルダー231を前記作動位置から前記初期位置へ案内する。同様に、複数のユニット案内部13は、シートカセット1が本体部100へ装着されるときにユニット規制部24によって持ち上げられるホルダー231を前記初期位置から前記作動位置へ案内する。
【0052】
複数のユニット規制部24は、一対の第1突出部2321と接触する一対の第1ユニット規制部241と、一対の第2突出部2322と接触する一対の第2ユニット規制部242とを含む。
【0053】
一対の第1ユニット規制部241は、装着方向D11へ向かって上方へ傾斜した一対の第1案内支面241aと、一対の第1案内支面241aに対して装着方向D11側に連なる一対の第1保持面241bとを有する(図5~7参照)。
【0054】
一対の第2ユニット規制部242は、装着方向D11へ向かって上方へ傾斜した一対の第2案内支面242aと、一対の第2案内支面242aに対して装着方向D11側に連なる一対の第2保持面242bとを有する(図5~7参照)。
【0055】
即ち、一対の第1保持面241bおよび一対の第2保持面242bからなる4つの保持面は、4つの案内支面241a,242aに対し装着方向D11側に連なっている。なお、本実施形態において、4つの保持面241b,242bは平面である。しかしながら、4つの保持面241b,242bが、凹状の湾曲面であってもよい。
【0056】
シートカセット1が本体部100へ装着されるときに、4つの突出部232が一対の第1案内支面241aおよび一対の第2案内支面242aを摺動する。これにより、分離ユニット230は前記初期位置から前記作動位置へ向けて移動する。
【0057】
換言すれば、一対の第1案内支面241aおよび一対の第2案内支面242aは、シートカセット1が本体部100へ装着されるときに、分離ユニット230が前記初期位置から前記作動位置へ移動するように4つの突出部232を案内する。
【0058】
そして、4つの突出部232が一対の第1案内支面241aおよび一対の第2案内支面242aに沿って移動することにより、ホルダー231が前記初期位置から前記作動位置へ向けて移動する。なお、一対の第1案内支面241aおよび一対の第2案内支面242aは、複数の案内面の一例である。
【0059】
そして、4つの突出部232が一対の第1保持面241bおよび一対の第2保持面242bに支持されることにより分離ユニット230が前記作動位置に保持される(図7参照)。
【0060】
シートカセット1が本体部100に装着された状態において、リタードローラー23が、給送ローラー22に当接することによって分離ユニット230の上方への移動を制限し、一対の第1保持面241bおよび一対の第2保持面242bが、4つの突出部232を支えることによって分離ユニット230の下方への移動を制限する。
【0061】
また、4つのユニット案内部13は、4つの突出部232の第1方向D1の移動を制限することによって分離ユニット230の第1方向D1の移動を制限する。
【0062】
画像形成装置10において、シートカセット1が本体部100から取り外されることにより、分離ユニット230を容易に交換することが可能である。
【0063】
また、シートカセット1が本体部100に着脱される過程において、4つの突出部232が4つのユニット規制部24に接触しない状態では、分離ユニット230は自重により前記初期位置に保持される。シートカセット1が本体部100に対して着脱される過程において、分離ユニット230は、前記初期位置に存在するときに本体部100および本体部100に設けられた部材と接触しない。
【0064】
即ち、ユニット規制部24は、シートカセット1が本体部100へ装着される際に、シートカセット1の装着方向D11への移動に応じて、ホルダー231を、前記初期位置から前記作動位置へ移動させる。ユニット規制部24は、シートカセット1が本体部100へ装着される際に、リタードローラー23がピックアップローラー21の下方を通過した後にホルダー231を前記初期位置から前記作動位置へ移動させる。
【0065】
さらに、ユニット規制部24は、シートカセット1が本体部100の前記装着位置から引き出される際に、リタードローラー23がピックアップローラー21の位置へ到達する前にホルダー231を前記作動位置から前記初期位置へ移動させる。なお、ユニット規制部24は、移動機構の一例である。
【0066】
従って、シートカセット1が本体部100に着脱されるときに、分離ユニット230または本体部100に設けられた部品が接触によって破損することはない。
【符号の説明】
【0067】
1 :シートカセット
2 :シート送出機構
3 :シート搬送機構
4 :プリント部
10 :画像形成装置
11 :カセット本体
12 :ホルダー支持部
13 :ユニット案内部
21 :ピックアップローラー
22 :給送ローラー
23 :リタードローラー
24 :ユニット規制部
25 :給送シートガイド
30 :搬送路
100 :本体部
101 :排出トレイ
102 :カセット対向部
131 :第1ユニット案内部
132 :第2ユニット案内部
230 :分離ユニット
231 :ホルダー
232 :突出部
241 :第1ユニット規制部
241a :第1案内支面
241b :第1保持面
242 :第2ユニット規制部
242a :第2案内支面
242b :第2保持面
2321 :第1突出部
2322 :第2突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7