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特許7563113印刷制御装置、印刷装置、印刷システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】印刷制御装置、印刷装置、印刷システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241001BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241001BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241001BHJP
   B41J 5/30 20060101ALN20241001BHJP
【FI】
G06F3/12 330
G06F3/12 308
G06F3/12 329
B41J29/38 202
H04N1/00 127Z
B41J5/30 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020182204
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072647
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 和宏
(72)【発明者】
【氏名】福島 光宏
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-190295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
B41J 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する記憶部と、
前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信するプロセッサと、
を備えた印刷制御装置。
【請求項2】
前記リソース識別情報は、新たに前記リソースが生成された際に、新たに生成される第1の識別子と、前記リソースが更新された際に変更される第2の識別子とを含む、
請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記第1の識別子は、リソースの名称であり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が共通するリソースの更新前のリソースと更新後のリソースとを識別可能な情報である、
請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記印刷装置が複数存在する場合、前記新たなリソース識別情報を、前記印刷装置の状況に応じて前記複数の印刷装置の全部又は一部に送信する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記印刷装置の状況は、更新前のリソースを使用して印刷中の状況を含む、
請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
印刷指示に従って印刷する際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を記憶する記憶部と、
前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記リソース識別情報を外部に送信することで前記リソースが更新されたことを前記外部に通知し、前記外部から更新後の前記リソースと更新前の前記リソースとを識別可能な新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記記憶部に記憶するプロセッサと、
を備えた印刷装置。
【請求項7】
前記リソース識別情報は、新たに前記リソースが生成された際に、新たに生成される第1の識別子と、前記リソースが更新された際に変更される第2の識別子とを含む、
請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1の識別子は、リソースの名称であり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が共通するリソースの更新前のリソースと更新後のリソースとを識別可能な情報である、
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、リソースが更新された場合、更新されたリソースに対応して前記記憶部に記憶されている前記リソース識別情報の前記第2の識別子を意味を持たない情報に変更した後、前記新たなリソース識別情報を取得した場合、前記新たなリソース識別情報の前記第1の識別子と同じ識別子を有して前記記憶部に記憶されているリソース識別情報の前記意味を持たない情報を新たなリソース識別情報の第2の識別子で上書きする、
請求項7又は8に記載の印刷装置。
【請求項10】
印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する第1の記憶部と、第1のプロセッサとを有する印刷制御装置と、
印刷指示に従って印刷する際に使用するリソースを識別するリソース識別情報を記憶する第2の記憶部と、第2のプロセッサとを有する印刷装置とを備え、
前記第1のプロセッサは、前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記第1の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記第1の記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信し、
前記第2のプロセッサは、前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記第2の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報を前記印刷制御装置に送信することで前記リソースが更新されたことを前記印刷制御装置に通知し、前記印刷制御装置から前記新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記第2の記憶部に記憶する、
印刷システム。
【請求項11】
印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する記憶部を有するコンピュータに、
前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信させるためのプログラム。
【請求項12】
印刷指示に従って印刷する際に使用するリソースを識別するリソース識別情報を記憶する記憶部を有するコンピュータに、
前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記リソース識別情報を外部に送信することで前記リソースが更新されたことを前記外部に通知し、前記外部から更新後の前記リソースと更新前の前記リソースとを識別可能な新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記記憶部に記憶させるためのプログラム。
【請求項13】
印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する第1の記憶部を有する第1のコンピュータに、
前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記第1の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記第1の記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信させ、
印刷指示に従って印刷する際に使用するリソースを識別するリソース識別情報を記憶する第2の記憶部を有する第2のコンピュータに、
前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記第2の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報を前記第1のコンピュータに送信することで前記リソースが更新されたことを前記第1のコンピュータに通知し、前記第1のコンピュータから前記新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記第2の記憶部に記憶させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷装置、印刷システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷制御装置から指示された印刷ジョブに含まれるフォントと、印刷装置が保持しているフォントが異なる場合でも、印刷を依頼した依頼元の意図とは異なる印刷物ができてしまうことを避けるようにした画像処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された画像処理システムは、種類の異なる複数の画像形成装置を一括して管理する装置であって、印刷データに含まれるフォントを使用してRIP処理を実行する管理装置と、印刷データに管理装置で処理不可能なフォントが含まれていた場合、指定されているフォントが搭載されているRIP処理部でRIP処理を実行し、実行結果を管理装置に返送する画像形成装置とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-033473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷業界では、印刷物の依頼元ごとにリソースが存在し、同じ依頼元でも複数のリソースが存在し、それらを印刷ジョブごとに使い分けて使用しており、頻繁にリソースの更新されることが多いのが実情である。このため、依頼元とは別に印刷制御装置又は印刷装置の使用者が同じ名称のリソースを更新すると、意図しない出力結果が発生することがある。
【0006】
本発明の課題は、印刷の際に使用されるリソースが更新された場合でも、印刷制御装置が保持するリソース識別情報と印刷装置が保持するリソース識別情報とを整合させることができる印刷制御装置、印刷装置、印刷システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する記憶部と、
前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信するプロセッサと、を備えた印刷制御装置。
[2]前記リソース識別情報は、新たに前記リソースが生成された際に、新たに生成される第1の識別子と、前記リソースが更新された際に変更される第2の識別子とを含む、前記[1]に記載の印刷制御装置。
[3]前記第1の識別子は、リソースの名称であり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が共通するリソースの更新前のリソースと更新後のリソースとを識別可能な情報である、前記[2]に記載の印刷制御装置。
[4]前記プロセッサは、前記印刷装置が複数存在する場合、前記新たなリソース識別情報を、前記印刷装置の状況に応じて前記複数の印刷装置の全部又は一部に送信する、前記[1]から[3]のいずれか1つに記載の印刷制御装置。
[5]前記印刷装置の状況は、更新前のリソースを使用して印刷中の状況を含む、前記[4]に記載の印刷制御装置。
[6]印刷指示に従って印刷する際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を記憶する記憶部と、
前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記リソース識別情報を外部に送信することで前記リソースが更新されたことを前記外部に通知し、前記外部から更新後の前記リソースと更新前の前記リソースとを識別可能な新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記記憶部に記憶するプロセッサと、を備えた印刷装置。
[7]前記リソース識別情報は、新たに前記リソースが生成された際に、新たに生成される第1の識別子と、前記リソースが更新された際に変更される第2の識別子とを含む、前記[6]に記載の印刷装置。
[8]前記第1の識別子は、リソースの名称であり、
前記第2の識別子は、前記第1の識別子が共通するリソースの更新前のリソースと更新後のリソースとを識別可能な情報である、前記[7]に記載の印刷装置。
[9]前記プロセッサは、リソースが更新された場合、更新されたリソースに対応して前記記憶部に記憶されている前記リソース識別情報の前記第2の識別子を意味を持たない情報に変更した後、前記新たなリソース識別情報を取得した場合、前記新たなリソース識別情報の前記第1の識別子と同じ識別子を有して前記記憶部に記憶されているリソース識別情報の前記意味を持たない情報を新たなリソース識別情報の第2の識別子で上書きする、前記[7]又は[8]に記載の印刷装置。
[10]印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する第1の記憶部と、第1のプロセッサとを有する印刷制御装置と、
印刷指示に従って印刷する際に使用するリソースを識別するリソース識別情報を記憶する第2の記憶部と、第2のプロセッサとを有する印刷装置とを備え、
前記第1のプロセッサは、前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記第1の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記第1の記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信し、
前記第2のプロセッサは、前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記第2の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報を前記印刷制御装置に送信することで前記リソースが更新されたことを前記印刷制御装置に通知し、前記印刷制御装置から前記新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記第2の記憶部に記憶する、印刷システム。
[11]印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する記憶部を有するコンピュータに、
前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信させるためのプログラム。
[12]印刷指示に従って印刷する際に使用するリソースを識別するリソース識別情報を記憶する記憶部を有するコンピュータに、
前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記リソース識別情報を外部に送信することで前記リソースが更新されたことを前記外部に通知し、前記外部から更新後の前記リソースと更新前の前記リソースとを識別可能な新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記記憶部に記憶させるためのプログラム。
[13]印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を前記印刷装置に対応して記憶する第1の記憶部を有する第1のコンピュータに、
前記印刷装置から送信された前記リソース識別情報と前記第1の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報との比較に基づき、前記印刷装置側で前記リソースが更新されたと判断した場合、更新後の前記リソースに対応して更新前の前記リソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して前記第1の記憶部に記憶するとともに、前記新たなリソース識別情報を前記印刷装置に送信させ、
印刷指示に従って印刷する際に使用するリソースを識別するリソース識別情報を記憶する第2の記憶部を有する第2のコンピュータに、
前記印刷指示を受信して前記リソースを使用して印刷を実行するとともに、前記リソースが更新された場合、前記第2の記憶部に記憶されている前記リソース識別情報を前記第1のコンピュータに送信することで前記リソースが更新されたことを前記第1のコンピュータに通知し、前記第1のコンピュータから前記新たなリソース識別情報を取得し、取得した前記新たなリソース識別情報を前記第2の記憶部に記憶させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、6、10-13に係る発明によれば、印刷の際に使用されるリソースが更新された場合でも、印刷制御装置が保持するリソース識別情報と印刷装置が保持するリソース識別情報とを整合させることができる。
請求項2、7に係る発明によれば、第1の識別子で新たにリソースが生成されたかどうかが分かり、第2の識別子でリソースが更新されたかどうかが分かる。
請求項3、8に係る発明によれば、第1の識別子が共通することで更新の前後のリソースを特定することができる。
請求項4に係る発明によれば、通信経路の状況や印刷装置自体の状況に応じて新たなリソース識別情報を送信することができる。
請求項5に係る発明によれば、印刷中の印刷装置は印刷を継続することができる。
請求項9に係る発明によれば、更新前のリソース識別情報を更新後のリソース識別情報で上書きすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、印刷制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3(a)は、印刷装置管理情報テーブルの一例を示す図、図3(b)は、リソース管理情報テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、リソース管理情報テーブルの一例を示す図である。
図6A図6Aは、印刷制御装置によるジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
図6B図6Bは、印刷制御装置によるリソース管理処理の一例を示すフローチャートである。
図7A図7Aは、印刷装置による印刷処理の一例を示すフローチャートである。
図7B図7Bは、印刷装置によるリソース管理処理の一例を示すフローチャートである。
図8A図8Aは、印刷制御装置及び各印刷装置が保持するリソース管理情報テーブルの変化の一例を示す図である。
図8B図8Bは、印刷制御装置及び各印刷装置が保持するリソース管理情報テーブルの変化の一例を示す図である。
図8C図8Cは、印刷制御装置及び各印刷装置が保持するリソース管理情報テーブルの変化の一例を示す図である。
図8D図8Dは、印刷制御装置及び各印刷装置が保持するリソース管理情報テーブルの変化の一例を示す図である。
図8E図8Eは、印刷制御装置及び各印刷装置が保持するリソース管理情報テーブルの変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[実施の形態の要約]
本実施の形態に係る印刷制御装置は、印刷装置による印刷の際に使用されるリソースを識別するリソース識別情報を記憶する記憶部と、リソースが更新された場合、更新後のリソースに対応して更新前のリソースと識別できるように新たなリソース識別情報を生成して記憶部に記憶するとともに、新たなリソース識別情報を印刷装置に送信するプロセッサとを備える。
【0012】
リソースとは、画像形成処理や出力処理のために用いられる資源であり、例えば、画像形成に関するリソースと、出力に関するリソースとに分類することができる。画像形成に関するリソースの種類には、フォント、オーバーレイ、フォーム、イメージ位置、色の調整に関する情報(色合わせ情報ともいう。)等があり、出力に関するリソースの種類には、用紙設定、面付情報等がある。フォントとは、同じ書体デザイン、同じサイズの一揃いの活字をいう。リソースの更新とは、リソースの内容を変更することをいい、例えば、同じ明朝体やゴシック体等のフォントに対してMS明朝、游明朝体、MSゴシック、游ゴシック等の書体の追加、書体の変更や、外字(予め用意されたフォントの中に含まれていない文字)をユーザが独自で作成して追加したり変更したりすること等が該当する。
【0013】
リソース識別情報は、新たにリソースが生成された際に、生成されたリソースと、他のリソースを識別可能な情報である。例えば、リソース識別情報を、新たに生成される第1の識別子と、リソースが更新された際に変更される第2の識別子の2種類の識別子を組み合わせて表現したものであってもよい。このような実施の形態の場合、第1の識別子は、リソース同士を識別可能な情報であって、例えば、リソースがフォントの場合であれば、同一種類のフォントは第1の識別子が同じであり、他の種類のフォントであれば、異なる第1の識別子が設定される。第2の識別子は、あるリソースに対して更新が行われた場合の、いずれの更新であるかを識別可能な情報である。つまり、例えば、リソースがフォントの場合であれば、同一種類のフォントの古いバージョンのフォントと、更新後の新しいバージョンのフォントとでは、第1の識別子は同じであって、それぞれに異なる第2の識別子が割り当てられることで、第1の識別子及び第2の識別子を組み合わせて表現されるリソース識別情報が、更新の前後で異なるものとして表現されることになる。
【0014】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの概略構成の一例を示すブロック図である。この印刷システム1は、プリントサーバ等の機能を有する印刷制御装置2と、印刷制御装置2にネットワーク3を介して接続された印刷処理を行う複数(例えば、3つ)の印刷装置4A、4B、4C(これらを総称するときは、以下「印刷装置4」ともいう。)とを備える。なお、印刷装置4の数は、1つでも4つ以上でもよい。
【0015】
印刷制御装置2は、依頼元からインターネット等を介して印刷対象の文書データと、印刷の際に参照されるリソースと、印刷部数等の出力に関する情報とを含む依頼情報を受け取り、印刷ジョブを生成して印刷装置4に送信する。また、印刷制御装置2は、リソースにリソース識別情報を紐づけて管理し、印刷制御装置2が保持するリソース識別情報と印刷装置4が保持するリソース識別情報とが同期するように印刷装置4を制御する。
【0016】
ネットワーク3は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、インターネット等であり、有線でも無線でもよい。
【0017】
印刷装置4は、印刷制御装置2から送信された印刷ジョブを実行するとともに、リソースを保持し、リソースに紐づけられたリソース識別情報を印刷制御装置2と同期するように管理する。各印刷装置4A、4B、4Cは、同一の機能を有するものでも、異なる機能を有するものでもよい。
【0018】
(印刷制御装置の構成)
図2は、印刷制御装置2の構成の一例を示すブロック図である。印刷制御装置2は、制御部20と、記憶部21と、キーボード、マウス等で実現される入力部22と、液晶ディスプレイ等で実現される表示部23と、通信部24とを備える。記憶部21は、第1の記憶部の一例である。
【0019】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、インターフェース等から構成されている。制御部20は、記憶部21に記憶されたプログラム210を実行することにより、依頼元から受け付けた文書データ等を含む依頼情報に基づいて印刷ジョブを生成し、印刷装置4に印刷させるとともに、リソース識別情報を管理する。制御部20を構成するプロセッサは、第1のプロセッサの一例である。
【0020】
印刷ジョブは、印刷ジョブに付与されたジョブ名、リソース識別情報、印刷の際に参照されるリソース、印刷部数等の出力に関する情報を含む印刷制御データと、印刷データとを含む。
【0021】
ジョブ名として、印刷制御装置2内で印刷ジョブを一意に特定するための識別情報を管理するようにしている。例えば、印刷制御装置2と印刷装置4とで同じジョブに対して、それぞれ異なる識別情報で管理してもよく、その場合、印刷制御装置2内で一意にジョブを識別するためのジョブ識別情報(例えば、印刷制御装置2のジョブ名)と、印刷装置4が自装置で処理を行うジョブをそれぞれ一意に識別できるジョブ識別情報(例えば、印刷制御装置2のジョブ名とは異なるジョブID)とを異なる識別情報でそれぞれが管理するようにしてもよい。その場合、ジョブ名(印刷制御装置2でジョブを識別可能な情報)とジョブID(印刷装置4でジョブを識別可能な情報)との対応関係を、印刷制御装置2と印刷装置4とで対応付けて管理するようにしてもよい。
【0022】
リソース識別情報は、リソース名と管理番号とからなる。印刷データは、例えば、文書データがページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されている。印刷制御データは、例えば、プリンタジョブ言語(PJL:Printer Job Language)で記述されている。リソース名は、リソースの名称であり、第1の識別子の一例である。管理番号は、第2の識別子の一例である。
【0023】
記憶部21は、ROM(Read Only Memory)、RAM、(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム210、印刷装置管理情報テーブル211(図3(a)参照)、リソース管理情報テーブル212(図3(b)参照)等の各種の情報を記憶する。
【0024】
通信部24は、ネットワーク3を介して印刷装置4と通信する。
【0025】
図3(a)は、印刷制御装置2の記憶部21に記憶された印刷装置管理情報テーブル211の一例を示す図である。印刷装置管理情報テーブル211は、「装置ID」、「装置名」、「機種」、「バージョン」、「機能情報」、「状況」等の複数の項目を有する。これらの項目からなる印刷装置管理情報は、制御部20によって記録される。
【0026】
「装置ID」には、印刷装置4を識別する装置識別情報の一例としての装置IDが記録される。「装置名」には、印刷装置4の名称が記録される。「機種」には、印刷装置4の機種名が記録される。「バージョン」には、印刷装置4にインストールされているプログラムのバージョンを示すバージョン番号が記録される。「機能情報」には、印刷装置4が有する両面印刷、後処理等の機能名が記録される。「状況」には、印刷中、待機中等の印刷装置4自体の状況や、通信不良等の通信経路の状況が記録される。印刷装置4の状況は、印刷制御装置2が定期的に印刷装置4と通信することで把握される。
【0027】
図3(b)は、印刷制御装置2の記憶部21に記憶されたリソース管理情報テーブル212の一例を示す図である。リソース管理情報テーブル212は、「リソース名」及び「管理番号」からなる「リソース識別情報」、「リソース実体」、「装置ID」等の複数の項目を有する。これらの項目からなるリソース管理情報は、制御部20によって記録される。
【0028】
「リソース名」には、リソースを他のリソースと区別するためのリソース名が記録される。リソース名は、新たにリソースが生成された際に、新たに生成されるものである。「管理番号」には、同じリソース名のリソースであっても更新された場合のバージョン同士を区別するための情報が記録される。管理番号は、リソースが更新された際に変更されるものである。管理番号は、例えば、新たに生成されたときを1、更新する度に番号を1つ増やして2、3・・・のシリアル番号を用いてもよく、他のリソース名の管理番号と重複しないようにシリアル番号を用いてもよい。なお、管理番号の代わりに、バージョン番号や更新日時等の時系列を示す情報を用いてもよい。このようにすることで、本実施の形態の場合であれば、リソース識別情報として、リソースの第1の識別子に該当する「リソース名」によって、同一種類のリソースを他のリソースと識別可能として、「管理番号」によって同じ「リソース名」のリソースであってもその更新のバージョンを区別することが可能となる。
【0029】
「リソース実体」には、リソースの実体として、例えば、リソースがファイルで構成される場合にはそのファイル自体であったり、そのファイルの格納先や保存先の場所を示す情報であったり、ネットワーク上のアドレスと格納先のフォルダへのパスなどが記録される。「装置ID」には、リソース識別情報に対応するリソースを保持している装置を識別する情報が記録されるものであって、本実施の形態の場合では、印刷装置4の装置IDが記録される。
【0030】
印刷制御装置2の制御部20は、依頼元から依頼情報として、印刷対象の文書データ、印刷の際に参照されるリソース、印刷部数等の出力に関する情報、及び過去にリソースに紐づけられていればリソース識別情報を受け取る。依頼情報にジョブ名を付与して、印刷ジョブを生成し、印刷装置4に送信して印刷ジョブを実行させる。なお、印刷制御装置2は、依頼情報にリソース識別情報が含まれていない場合、新たにリソース識別情報を生成して当該リソースに紐づけて印刷ジョブを生成する。
【0031】
(印刷装置の構成)
図4は、印刷装置4の構成の一例を示すブロック図である。印刷装置4は、印刷装置4の各部を制御する制御部40を有し、この制御部40に、記憶部41、操作表示部42、画像処理部43、後処理部44、ネットワーク3を介して印刷制御装置2と通信する通信部45が接続されている。記憶部41は、第2の記憶部の一例である。
【0032】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、インターフェース等から構成されている。制御部40は、記憶部41に記憶されたプログラム410を実行することにより、印刷ジョブの実行、リソース識別情報、リソースの管理等を行う。制御部40を構成するプロセッサは、第2のプロセッサの一例である。
【0033】
記憶部41は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム410、リソース管理情報テーブル411(図5参照)等の各種の情報を記憶する。
【0034】
操作表示部42は、情報の入力及び表示を行うものである。操作表示部22は、例えば、タッチパネルディスプレイであり、液晶ディスプレイ等のディスプレイにタッチパネルを重合配置した構成を有する。
【0035】
画像処理部43は、印刷ジョブに含まれるPDLを解釈し、リソース管理情報テーブル411のリソースを使用してPDLからなる印刷データをラスターデータからなる画像データに変換するRIP(Raster Image Processing)処理を行う。
【0036】
後処理部44は、生成された印刷物に裁断、製本、ホチキス止等を含む後処理を行う。
【0037】
通信部45は、ネットワーク3を介して印刷制御装置2と通信する。
【0038】
図5は、印刷装置4の記憶部41に記憶されたリソース管理情報テーブル411の一例を示す図である。リソース管理情報テーブル411は、図3(b)に示すリソース管理情報テーブル212と同様の「リソース名」及び「管理番号」からなる「リソース識別情報」の他に、「リソース実体」、「更新」等の複数の項目を有する。これらの項目からなるリソース管理情報は、制御部40によって記録される。
【0039】
「リソース名」には、図3(b)と同様に、リソース名が記録される。「管理番号」には、新たにリソースが生成された直後やリソースが更新された直後はNULLが記録され、印刷制御装置2から管理情報を含むリソース識別情報が通知された場合には、管理番号が記録される。なお、「管理番号」には、デフォルトとしてNULLが記録されていてもよい。「リソース実体」には、リソースの実体が記録される。なお、「リソース実体」には、リソースの実体の格納先を示す格納先情報を記録してもよい。「更新」には、更新前はデフォルトで「無し」が記録されており、更新後は「有り」が記録される。2回目以降の更新に対しては「有り」が記録されたままとなる。NULLは、意味を持たない情報の一例である。意味を持たない情報として、NULLに限られず、予め定められたデフォルト値でもよい。
【0040】
(印刷システムの動作)
次に、印刷システム1の動作の一例を、図6A図6B図7A図7B図8Aから図8Eを参照して説明する。
【0041】
(1)印刷制御装置2によるジョブ処理
印刷制御装置2によるジョブ処理の一例を、図6Aのフローチャートに従って説明する。図6Aは、印刷制御装置2によるジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
印刷制御装置2の制御部20は、依頼元から依頼情報を受け取ると、ジョブ処理を開始する。依頼情報には、文書データ、リソース、出力に関する情報、さらに過去に使用したことがあれば、リソース名及び管理番号からなるリソース識別情報が含まれている。
【0043】
制御部20は、印刷装置管理情報テーブル211を参照して、依頼情報を実行できる依頼先の印刷装置4を選択する(S1)。
【0044】
リソースとリソース識別情報とを紐づけし、印刷ジョブを生成する(S2)。具体的には、ジョブ名、リソース識別情報、リソース、印刷部数等の出力に関する情報を含む印刷制御データと、印刷データとを含む印刷ジョブを生成する。依頼情報にリソース識別情報が含まれていれば、当該リソース識別情報を当該リソースに紐づけて印刷ジョブを生成する。依頼情報にリソース識別情報が含まれていなければ、新たにリソース識別情報を生成して当該リソースに紐づけて印刷ジョブを生成する。新たに生成したリソース識別情報は、依頼先の印刷装置4の装置IDとともにリソース管理情報テーブル212に記録する。
【0045】
制御部20は、印刷ジョブを上記ステップS1で選択した印刷装置4に送信する(S3)。
【0046】
制御部20は、印刷ジョブを送信した印刷装置4から装置IDとともにリソース識別情報を含むリソースの送信要求を受け付けたか否かを判断する(S4)。リソースの送信要求は、印刷ジョブに含まれるリソース識別情報を印刷装置4が保持していない場合に行われる。
【0047】
リソースの送信要求を受け付けた場合(S4:Yes)、リソース識別情報に対応するリソースの実体をリソース管理情報テーブル212から取得してリソース管理情報を当該印刷装置4に送信し(S5)、ジョブ処理を終了する。リソースの送信要求を受け付けていない場合(S4:No)、ジョブ処理を終了する。
【0048】
(2)印刷制御装置2によるリソース管理処理
印刷制御装置2によるリソース管理処理の一例を、図6Bのフローチャートに従って説明する。図6Bは、印刷制御装置2によるリソース管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
印刷装置4からリソース管理情報が送信されると、印刷制御装置2の制御部20は、リソース管理処理を開始する。リソース管理情報には、リソース名、リソースの実体、装置IDが含まれている。
【0050】
新たにリソースが生成されたか否かを判断する(S11)。具体的には、印刷装置4から送信されたリソース管理情報に含まれているリソース名が、印刷制御装置2が保持しているリソース管理情報テーブル212に記録されていなければ、新たにリソースが生成されたと判断する。
【0051】
新たにリソースが生成されたと判断すると(S11:Yes)、制御部20は、リソース識別情報を生成して自装置2が保持するリソース管理情報テーブル212に記録し、リソース識別情報を印刷装置4に返送する(S12)。具体的には、リソース名に対応して管理番号を生成し、リソース管理情報テーブル212の「リソース識別情報」にリソース名及び管理番号を記録し、「リソース実体」にリソースの実体を記録し、「装置ID」にリソース管理情報の送信先の印刷装置4の装置IDを記録し、リソース名及び管理番号からなるリソース識別情報を当該印刷装置4に送信する。
【0052】
他の印刷装置4の状況がリソース管理情報を送信できる状況であるか否かを判断する(S13)。リソース管理情報を送信できる状況である場合(S13:Yes)、リソース管理情報テーブル212を更新し、他の印刷装置4にリソース管理情報を送信する(S14)。リソース管理情報には、リソース識別情報及びリソースの実体が含まれている。リソース管理情報テーブル212の更新では、「リソース識別情報」の項目にリソース名及び管理番号を記録し、「装置ID」の項目に当該他の印刷装置4の装置IDを記録する。
【0053】
上記ステップS13、S14、S15を当該印刷ジョブを実行可能な全ての印刷装置4に対して行い、全ての印刷装置4に対して上記ステップS13~S15が終了すると(S15:Yes)、リソース管理処理を終了する。
【0054】
上記ステップS11において、新たにリソースが生成されたと判断しなかった場合(S11:No)、リソースが更新されたと判断する。具体的には、印刷装置4から送信されたリソース管理情報に含まれているリソース名が印刷制御装置2が保持しているリソース管理情報テーブル212に記録され、リソースが更新されたと判断する。
【0055】
リソースが更新されたと判断すると、制御部20は、リソース識別情報を生成し、自装置2が保持するリソース管理情報テーブル212にリソース識別情報及びリソースの実体を記録し、リソース識別情報を印刷装置4に返送する(S16)。具体的には、リソース名に対応する管理番号を更新し、更新後の管理番号をリソース管理情報テーブル212の対応する「管理番号」に記録し、「リソース実体」にリソースの実体を記録し、リソース名及び更新後の管理番号からなるリソース識別情報を印刷装置4に送信する。管理番号の更新は、他の管理番号と重複しないようにユニークな番号を用いる。なお、管理番号の更新は、更新前の管理番号を1つカウントアップしてもよい。
【0056】
他の印刷装置4の状況は、リソース管理情報を送信できる状況であるか否かを判断する(S17)。リソース管理情報を送信できる状況である場合(S17:Yes)、リソース管理情報テーブル212を更新し、リソース管理情報を他の印刷装置4に送信する(S18)。具体的には、リソース管理情報テーブル212に行を1つ追加し、当該行の「リソース名」にリソース名を記録し、「管理番号」に更新後の管理番号を記録し、「リソース実体」にリソースの実体を記録し、「装置ID」に送信先の印刷装置4の装置IDを記録する。他の印刷装置4に送信するリソース管理情報には、リソース名、更新後の管理番号、更新後のリソースの実体が含まれている。
【0057】
上記ステップS17、S18、S19を当該印刷ジョブを実行可能な全ての印刷装置4に対して実行し、全ての印刷装置4に対して上記ステップS17~S19が終了すると(S19:Yes)、リソース管理処理を終了する。
【0058】
(3)印刷装置4による印刷処理
印刷装置4による印刷処理の一例を、図7Aのフローチャートに従って説明する。図7Aは、印刷装置4による印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
印刷装置4の制御部40は、印刷制御装置2から印刷ジョブを受け取ると、印刷処理を開始する。
【0060】
制御部40は、印刷ジョブが要求するリソース識別情報を自装置4が保持しているか否かを判断する(S21)。すなわち、印刷ジョブが要求するリソース識別情報が自装置4の記憶部41に記憶されているリソース管理情報テーブル411に記録されているか否かを判断する。
【0061】
当該リソース識別情報がリソース管理情報テーブル411に記録されている場合(S21:Yes)、制御部40は、印刷ジョブを実行し、出力処理を行う(S22)。
【0062】
当該リソース識別情報がリソース管理情報テーブル411に記録されていない場合(S21:No)、制御部40は、当該リソース識別情報に対応するリソースの送信要求を印刷制御装置2に送信する(S23)。制御部40は、印刷制御装置2から送信されたリソース識別情報及びリソースの実体を含むリソース管理情報を受信し(S24)。リソース識別情報及びリソースの実体をリソース管理情報テーブル411に記録する。
【0063】
(4)印刷装置4によるリソース管理処理
印刷装置4によるリソース管理処理の一例を、図7Bのフローチャートに従って説明する。図7Bは、印刷装置4によるリソース管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
印刷装置4の制御部40は、リソース管理情報テーブル411への記録内容の変化からリソースに関して変化を検出すると、リソース管理処理を開始する。
【0065】
制御部40は、新たにリソースが生成されたか否かを判断する(S31)。すなわち、新たにリソースを生成された場合は、リソース管理情報テーブル411の「リソース実体」にリソースの実体が記録され、「リソース名」にリソース名が記録されているが、「管理番号」はNULL、「更新」は無しになっている。
【0066】
新たにリソースが生成された場合(S31:Yes)、制御部40は、リソース管理情報テーブル411から対応するリソース管理情報を読み出し、印刷制御装置2に送信する(S32)。リソース管理情報には、リソース名、リソースの実体及び自己の装置IDが含まれている。
【0067】
リソース管理情報の送信の応答として印刷制御装置2から送信されたリソース識別情報を受信する(S33)。リソース識別情報には、リソース名及び管理番号が含まれている。
【0068】
制御部40は、リソース識別情報に含まれている管理番号をリソース管理情報テーブル411の「管理番号」の項目に記録する記録処理を行い(S34)、リソース管理処理を終了する。
【0069】
上記ステップS31において、新にリソースが生成されていない場合(S31:No)、リソースが更新されたか否かを判断する(S35)。具体的には、リソース管理情報テーブル411の「更新」が有りに書き換えられているリソース管理情報が存在するか否かを判断する。
【0070】
リソースが更新された場合(S35:Yes)、前述したように、リソース管理情報の送信(S32)、リソース識別情報の受信(S33)、記録処理(S34)が行われ、リソース管理処理が終了する。
【0071】
上記ステップS35において、リソースが更新されていない場合(S35:No)、印刷制御装置2からリソース管理情報が送信されたか否かを判断する(S36)。
【0072】
リソース管理情報が送信された場合(S36:Yes)、送信されたリソース管理情報をリソース管理情報テーブル411に記録する記録処理を行い(S34)、リソース管理処理を終了する。
【0073】
リソース管理情報が送信されていない場合(S36:No)、リソース管理処理を終了する。
【0074】
(5)具体的事例
具体的事例について、図8Aから図8Eを参照して説明する。なお、図8Aから図8Eでは、「リソース実体」の項目の図示を省略する。
【0075】
図8Aは、印刷装置4Aの使用者によってリソース名がRscAのリソースと、リソース名がRscBのリソースが生成された段階を示す。印刷装置Aの制御部40は、図8Aに示すように、リソース管理情報テーブル411の「リソース名」にRscA、RscBを記録し、「管理番号」にNULLを記録し、「リソース実体」にRscAのリソースの実体、RscBのリソースの実体を記録し、「更新」に無しを記録する。
【0076】
印刷装置Aの制御部40は、生成したリソースについて、リソース名、リソースの実体、装置IDを含むリソース管理情報を印刷制御装置2に送信する。
【0077】
図8Bは、印刷制御装置2の制御部20がリソース名のRscA、RscBに対して管理番号の1、2を生成し、リソース名及び管理番号からなるリソース識別情報を印刷装置Aに送信し、リソース名、管理番号、リソースの実体を含むリソース管理情報を印刷装置B、印刷装置Cに送信する段階を示す。印刷装置Aでは、リソース識別情報がリソース管理情報テーブル411の対応する箇所(ハッチングを施した箇所)に記録される。
【0078】
印刷装置B及び印刷装置Cでは、リソース管理情報がリソース管理情報テーブル411の対応する箇所(ハッチングを施した箇所)に記録される。このようにしてリソースが印刷装置Aで生成された場合、印刷制御装置2が保持するリソース識別情報と各印刷装置4が保持するリソース識別情報との同期が図られる。
【0079】
図8Cは、印刷装置Aにおいて、リソース名RscAのリソースが更新された段階を示す。印刷装置Aの制御部40は、リソース管理情報テーブル411のリソース名RscAに対応して、「リソース実体」に更新後のRscA(実体)を記録し、「管理番号」をNULLに書き換え、「更新」に有りを記録する。印刷装置Aは、リソース名、更新後のリソースの実体、装置IDを含むリソース管理情報を印刷制御装置2に送信する。
【0080】
図8Dは、印刷制御装置2からリソース名及び管理番号からなるリソース識別情報を印刷装置Aに送信し、リソース名、管理番号、更新後のリソースの実体を含むリソース管理情報を印刷装置Bに送信した段階を示す。印刷制御装置2は、リソース管理情報テーブル211の更新されたリソース名RscAに対して行を1つ追加し、管理番号の3を生成し、リソース名(RscA)、管理番号(3)及び送信先の装置ID(01,02)を対応する箇所(ハッチングを施した箇所)に記録する。印刷装置Cは現在印刷中であるために、印刷制御装置2は、リソース管理情報を印刷装置Cに送信してない。
【0081】
リソース識別情報を受け取った印刷装置Aは、リソース管理情報テーブル411のリソース名のRscAの管理番号に3を記録する。リソース管理情報を受け取った印刷装置Bは、リソース管理情報テーブル411のリソース名のRscAの「管理番号」に3を記録し、「リソース実体」にリソースの実体を記録する。このようにしてリソースが印刷装置Aで更新された場合、印刷制御装置2が保持するリソース識別情報と各印刷装置4(この時点での印刷装置Cを除く)が保持するリソース識別情報との同期が図られる。
【0082】
図8Eは、印刷装置Bでリソース名RscBのリソースが更新された段階を示す。図8Cと同様に、印刷装置Bの制御部40は、リソース管理情報テーブル411のリソース名RscBに対応して、「リソース実体」に更新後のRscB(実体)を記録し、「管理番号」をNULLに書き換え、「更新」に有りを記録する。印刷装置Bは、リソース名、更新後のリソースの実体、装置IDを含むリソース管理情報を印刷制御装置2に送信する。以後の処理は、前述したのと同様であるので、説明を省略する。
【0083】
(変形例1)
上記実施の形態では、リソースの生成、更新を印刷装置4で行ったが、印刷制御装置2で行ってもよく、印刷装置4及び印刷制御装置2以外の外部の装置で行ってもよい。この場合も管理番号を含むリソース識別情報の生成は、印刷制御装置2で行うため、印刷装置4で管理番号がNULLになることはない。
【0084】
(変形例2)
上記実施の形態では、印刷装置Aで生成されたリソースを印刷制御装置2によって印刷装置B、印刷装置Cに送信したが、印刷装置Aが印刷装置B、印刷装置Cに送信してもよい。また、印刷装置4及び印刷制御装置2以外の外部の装置から印刷装置B、印刷装置Cに送信してもよい。
【0085】
(変形例3)
上記実施の形態では、印刷制御装置2から印刷ジョブを印刷装置4に送信したが、印刷ジョブの実体である印刷データを印刷装置4及び印刷制御装置2以外の外部の装置に存在してもよい。この場合、印刷装置4が外部の装置から印刷データを取得する。
【0086】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形、実施が可能である。
【0087】
プロセッサの各手段は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエア回路によって構成してもよい。
【0088】
上記実施の形態において、プロセッサは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0089】
また、上記実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0090】
また、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更してもよい。また、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等を行ってもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができ、クラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することもできる。
【符号の説明】
【0091】
1…印刷システム、2…印刷制御装置、3…ネットワーク、
4、4A、4B、4C…印刷装置、20…制御部、21…記憶部、22…入力部、
23…表示部、24…通信部、40…制御部、41…記憶部、42…操作表示部、
43…画像処理部、44…後処理部、45…通信部、210…プログラム、
211…印刷装置管理情報テーブル、212…リソース管理情報テーブル、
410…プログラム、411…リソース管理情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E