(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】エレベーターの乗場操作装置
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
B66B3/00 F
B66B3/00 G
B66B3/00 T
(21)【出願番号】P 2020207408
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 英之
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-124916(JP,A)
【文献】特開2015-229571(JP,A)
【文献】特開2014-148418(JP,A)
【文献】特開2014-148417(JP,A)
【文献】特開平07-206298(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001638(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/120725(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの乗場に設けられた筐体と、
前記筐体に設けられた乗場呼びボタンと、
前記筐体に設けられ、前記エレベーターのかごにおいてかご通話ボタンが操作された際に前記かごのかご通話装置からの着信を報知し、前記かご通話装置からの着信がある状態において前記乗場呼びボタンが操作された際に前記かご通話装置との間において通話が可能な状態となる乗場通話装置と、
を備えたエレベーターの乗場操作装置。
【請求項2】
前記筐体に設けられ、前記かご通話ボタンが操作された際に、前記乗場通話装置を前記かご通話装置との間において通話が可能な状態にさせるための前記乗場呼びボタンの操作方法を示す情報を表示する表示装置、
を備えた請求項1に記載のエレベーターの乗場操作装置。
【請求項3】
前記表示装置は、前記かご通話ボタンが操作された際に、前記かごの内部に設けられた撮影装置の映像を表示する請求項2に記載のエレベーターの乗場操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本開示は、エレベーターの乗場操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの乗場通話装置を開示する。当該乗場通話装置によれば、かご通話ボタンが操作された際にかご通話装置との間において通話が可能な状態となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の乗場通話装置は、乗場の他の装置と別に設けられる。このため、かご通話装置との間において通話が可能な状態にさせる操作を容易に行うことができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、かご通話装置との間において通話が可能な状態にさせる操作を容易に行うことができるエレベーターの乗場操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの乗場操作装置は、エレベーターの乗場に設けられた筐体と、前記筐体に設けられた乗場呼びボタンと、前記筐体に設けられ、前記エレベーターのかごにおいてかご通話ボタンが操作された際に前記かごのかご通話装置からの着信を報知し、前記かご通話装置からの着信がある状態において前記乗場呼びボタンが操作された際に前記かご通話装置との間において通話が可能な状態となる乗場通話装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、乗場呼びボタンと乗場通話装置とは、筐体に設けられる。このため、乗場通話装置をかご通話装置との間において通話が可能な状態にさせる操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターの乗場操作装置が適用されるエレベーターの構成図である。
【
図2】実施の形態1におけるエレベーターの乗場操作装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの乗場操作装置が適用されるエレベーターの構成図である。
【0011】
図1のエレベーターにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3は、建築物の複数の階にそれぞれ設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0012】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0013】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に支持される。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に支持される。
【0014】
複数の乗場操作装置8は、複数の乗場3にそれぞれ設けられる。かご操作装置9は、かご6の内部に設けられる。かご通話装置10は、かご操作装置9に設けられる。かご通話ボタン11は、かご操作装置9に設けられる。撮影装置12は、かご6の内部に設けられる。
【0015】
制御装置13は、機械室2に設けられる。制御装置13は、巻上機4と乗場3の機器とかご6の機器とに電気的に接続される。制御装置13は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0016】
次に、
図2を用いて、乗場操作装置8を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの乗場操作装置の正面図である。
【0017】
図2に示されるように、乗場操作装置8は、筐体14と上昇用乗場呼びボタン15と下降用乗場呼びボタン16と表示装置17と乗場通話装置18とを備える。
【0018】
筐体14は、乗場操作装置8の外郭をなす。例えば、箱状に形成される。筐体14は、乗場3に設けられる。例えば、筐体14は、乗場3の出入口の一側において壁面に埋め込まれる。
【0019】
上昇用乗場呼びボタン15と下降用乗場呼びボタン16は、筐体14の前面の下部に設けられる。
【0020】
表示装置17は、筐体14の前面の上部に設けられる。
【0021】
乗場通話装置18は、筐体14の前面の中央部に設けられる。例えば、乗場通話装置18は、スピーカとマイクとを備える。
【0022】
例えば、通常時において、表示装置17の上部17aは、現時点におけるかご6の移動方向とかご6の存在階とを示す情報を表示する。表示装置17の下部17bは、予め設定された映像を表示する。
【0023】
通常時において、乗場3の利用者が上昇用乗場呼びボタン15または下降用乗場呼びボタン16を操作すると、当該階における上昇方向または下降方向の乗場呼びが登録される。当該階における上昇方向または下降方向の乗場呼びが登録されると、制御装置13は、当該乗場呼びにかご6を応答させる。
【0024】
非常時において、制御装置13は、エレベーターの運転モードを非常モードに切り替える。例えば、制御装置13は、かご6を緊急停止させる。この際、表示装置17の上部17aは、非常モードを示す情報を表示する。例えば、表示装置17の上部17aは、かご6が緊急停止したことを示す情報を表示する。
【0025】
この状態においてかご6の内部の利用者がかご通話ボタン11を操作すると、表示装置17の上部17aは、乗場通話装置18をかご通話装置10との間において通話が可能な状態にさせるための上昇用乗場呼びボタン15または下降用乗場呼びボタン16の操作方法を示す情報を表示する。表示装置17の下部17bは、撮影装置12の映像を表示する。具体的には、表示装置17の下部17bは、かご6の内部の映像を表示する。
【0026】
この際、乗場通話装置18は、呼び出しモードとなる。具体的には、乗場通話装置18は、かご通話装置10からの着信を音で報知する。
【0027】
この状態において乗場3の利用者が上昇用乗場呼びボタン15または下降用乗場呼びボタン16を操作すると、乗場通話装置18は、通話モードとなる。具体的には、乗場通話装置18は、かご通話装置10との間において通話が可能な状態となる。
【0028】
乗場通話装置18とかご通話装置10との間において通話が可能な状態において、乗場3の利用者は、かご6の内部の利用者と通話する。
【0029】
以上で説明した実施の形態1によれば、上昇用乗場呼びボタン15と下降用乗場呼びボタン16と乗場通話装置18とは、筐体14にまとめて設けられる。このため、乗場通話装置18をかご通話装置10との間において通話が可能な状態にさせる操作を容易に行うことができる。
【0030】
また、乗場通話装置18を単体で設ける必要がない。このため、乗場の機器の数を減らすことができる。
【0031】
また、表示装置17は、乗場通話装置18をかご通話装置10との間において通話が可能な状態にさせるための上昇用乗場呼びボタン15または下降用乗場呼びボタン16の操作方法を示す情報を表示する。このため、乗場通話装置18での通話に不慣れな利用者でも、乗場通話装置18をかご通話装置10との間において通話が可能な状態にさせる操作を容易に行うことができる。
【0032】
また、表示装置17は、かご6の内部の映像を表示する。このため、乗場3においてかご6の内部の状況を見ながら、かご6の内部の利用者と通話することができる。また、かご6の内部の利用者と通話することができなくても、乗場3においてかご6の内部の状況を把握することができる。
【0033】
なお、最上階の乗場3において、上昇用乗場呼びボタン15は存在しない。このため、最上階の乗場3においては、下降用乗場呼びボタン16が操作された際に、乗場通話装置18が通話モードとなればよい。
【0034】
また、最下階の乗場3において、下降用乗場呼びボタン16は存在しない。このため、最上階の乗場3においては、上昇用乗場呼びボタン15が操作された際に、乗場通話装置18が通話モードとなればよい。
【0035】
なお、機械室2なくて巻上機4と制御装置13とが昇降路1の下部または上部に設けられているエレベーターに実施の形態1の乗場操作装置8を適用してもよい。この場合も、乗場通話装置18をかご通話装置10との間において通話が可能な状態にさせる操作を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 乗場操作装置、 9 かご操作装置、 10 かご通話装置、 11 かご通話ボタン、 12 撮影装置、 13 制御装置、 14 筐体、 15 上昇用乗場呼びボタン、 16 下降用乗場呼びボタン、 17 表示装置、 18 乗場通話装置