(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】垂直共振型面発光レーザ
(51)【国際特許分類】
H01S 5/183 20060101AFI20241001BHJP
H01S 5/323 20060101ALI20241001BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H01S5/183
H01S5/323
H01S5/343
(21)【出願番号】P 2021002687
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】青木 健志
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-040953(JP,A)
【文献】特開2008-060322(JP,A)
【文献】特開2020-017573(JP,A)
【文献】特開2005-191343(JP,A)
【文献】特開2015-015386(JP,A)
【文献】特開2012-190869(JP,A)
【文献】米国特許第06044100(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0059854(KR,A)
【文献】国際公開第2020/261687(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直共振型面発光レーザであって、
第1エリアと、前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む主面を有する基板と、
前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、前記主面の縁まで延在する第1下部分布ブラッグ反射器と、
前記第1下部分布ブラッグ反射器上に設けられたIII-V族化合物半導体層と、
III-V族化合物半導体層上に設けられた第2下部分布ブラッグ反射器と、
前記第2下部分布ブラッグ反射器上に設けられた活性層と、
前記活性層上に設けられた上部分布ブラッグ反射器と、
を備え、
前記III-V族化合物半導体層は、前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、
前記第2下部分布ブラッグ反射器は、前記第1エリア上に設けられ、
前記第1下部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第1層及び第2層を備え、
前記第1層は、前記第2層の屈折率よりも低い屈折率を有し、
前記第1層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、
前記上部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第3層及び第4層を備え、
前記第3層は、前記第4層の屈折率よりも低い屈折率を有し、
前記第3層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、
前記III-V族化合物半導体層は、アルミニウムを含まないか、又は、前記第3層のアルミニウム組成よりも小さいアルミニウム組成を有し、
前記第1層は、前記第3層のアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成を有し、
前記III-V族化合物半導体層は、前記第2層の厚さよりも大きい厚さを有
し、
Tが前記III-V族化合物半導体層の厚さ、Nが前記III-V族化合物半導体層の屈折率、λが前記垂直共振型面発光レーザの発振波長、mが1以上の整数である場合に、T=(m×λ/2+λ/4)/Nが満たされる、垂直共振型面発光レーザ。
【請求項2】
第1エリアと、前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む主面を有する基板と、
前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、前記主面の縁まで延在する第1下部分布ブラッグ反射器と、
前記第1下部分布ブラッグ反射器上に設けられたIII-V族化合物半導体層と、
III-V族化合物半導体層上に設けられた第2下部分布ブラッグ反射器と、
前記第2下部分布ブラッグ反射器上に設けられた活性層と、
前記活性層上に設けられた上部分布ブラッグ反射器と、
前記活性層と前記第2下部分布ブラッグ反射器との間に設けられた第3下部分布ブラッグ反射器と、
前記第2下部分布ブラッグ反射器と前記第3下部分布ブラッグ反射器との間に設けられたコンタクト層と、
を備え、
前記III-V族化合物半導体層は、前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、
前記第2下部分布ブラッグ反射器は、前記第1エリア上に設けられ、
前記第1下部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第1層及び第2層を備え、
前記第1層は、前記第2層の屈折率よりも低い屈折率を有し、
前記第1層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、
前記上部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第3層及び第4層を備え、
前記第3層は、前記第4層の屈折率よりも低い屈折率を有し、
前記第3層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、
前記III-V族化合物半導体層は、アルミニウムを含まないか、又は、前記第3層のアルミニウム組成よりも小さいアルミニウム組成を有し、
前記第1層は、前記第3層のアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成を有し、
前記III-V族化合物半導体層は、前記第2層の厚さよりも大きい厚さを有する、垂直共振型面発光レーザ。
【請求項3】
Tが前記III-V族化合物半導体層の厚さ、Nが前記III-V族化合物半導体層の屈折率、λが前記垂直共振型面発光レーザの発振波長、mが1以上の整数である場合に、T=(m×λ/2+λ/4)/Nが満たされる、請求項2に記載の垂直共振型面発光レーザ。
【請求項4】
前記上部分布ブラッグ反射器は、電流狭窄構造を含み、
前記電流狭窄構造は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む電流アパーチャー部分と、絶縁体部分とを備え、
前記絶縁体部分は、前記電流アパーチャー部分を取り囲み、
前記第1層は、前記電流アパーチャー部分のアルミニウム組成以上のアルミニウム組成を有する、請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載の垂直共振型面発光レーザ。
【請求項5】
前記第2層は、アルミニウムを含まないか、又は、前記III-V族化合物半導体層のアルミニウム組成よりも小さいアルミニウム組成を有する、請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載の垂直共振型面発光レーザ。
【請求項6】
前記第1層がAlAsを含み、前記第2層がGaAsを含む、請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の垂直共振型面発光レーザ。
【請求項7】
前記第2下部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第5層及び第6層を備え、
前記第5層は、前記第6層の屈折率よりも低い屈折率を有し、
前記第5層及び前記第6層から構成されるペアの数が8以上25以下である、請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の垂直共振型面発光レーザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、垂直共振型面発光レーザに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、GaAs基板上に設けられ、交互に配列されたAlAs層及びGaAs層を含む下部分布ブラッグ反射器を備える垂直共振型面発光レーザを開示する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】M. Gbski, P.-S. Wong, M. Riaziat, and J. A. Lott, “30 GHz bandwidthtemperature stable 980 nm vertical-cavity surface-emitting lasers withAlAs/GaAs bottom distributed Bragg reflectors for optical data communication,”J. Phys. Photonics, vol. 2, no. 3, p. 035008, Jul. 2020, doi:10.1088/2515-7647/ab9420.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AlAs層は、大きいアルミニウム組成に起因して酸化され易い。上記垂直共振型面発光レーザでは、製造中にAlAs層の端面が露出するので、AlAs層が端面付近において自然酸化されることがある。
【0005】
本開示は、比較的大きいアルミニウム組成を有する層が酸化され難い垂直共振型面発光レーザを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る垂直共振型面発光レーザは、第1エリアと、前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む主面を有する基板と、前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、前記主面の縁まで延在する第1下部分布ブラッグ反射器と、前記第1下部分布ブラッグ反射器上に設けられたIII-V族化合物半導体層と、III-V族化合物半導体層上に設けられた第2下部分布ブラッグ反射器と、前記第2下部分布ブラッグ反射器上に設けられた活性層と、前記活性層上に設けられた上部分布ブラッグ反射器と、を備え、前記III-V族化合物半導体層は、前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、前記第2下部分布ブラッグ反射器は、前記第1エリア上に設けられ、前記第1下部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第1層及び第2層を備え、前記第1層は、前記第2層の屈折率よりも低い屈折率を有し、前記第1層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、前記上部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第3層及び第4層を備え、前記第3層は、前記第4層の屈折率よりも低い屈折率を有し、前記第3層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、前記III-V族化合物半導体層は、アルミニウムを含まないか、又は、前記第3層のアルミニウム組成よりも小さいアルミニウム組成を有し、前記第1層は、前記第3層のアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成を有し、前記III-V族化合物半導体層は、前記第2層の厚さよりも大きい厚さを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、比較的大きいアルミニウム組成を有する層が酸化され難い垂直共振型面発光レーザが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る垂直共振型面発光レーザを模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る垂直共振型面発光レーザの製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る垂直共振型面発光レーザの製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実験例の垂直共振型面発光レーザを構成する各部材の材料及びドーパント濃度を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実験例及び第2実験例の垂直共振型面発光レーザの特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図7】
図7は、垂直共振型面発光レーザの一例を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示される垂直共振型面発光レーザの製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9は、
図7に示される垂直共振型面発光レーザの製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
一実施形態に係る垂直共振型面発光レーザは、第1エリアと、前記第1エリアを取り囲む第2エリアとを含む主面を有する基板と、前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、前記主面の縁まで延在する第1下部分布ブラッグ反射器と、前記第1下部分布ブラッグ反射器上に設けられたIII-V族化合物半導体層と、III-V族化合物半導体層上に設けられた第2下部分布ブラッグ反射器と、前記第2下部分布ブラッグ反射器上に設けられた活性層と、前記活性層上に設けられた上部分布ブラッグ反射器と、を備え、前記III-V族化合物半導体層は、前記第1エリア及び前記第2エリア上に設けられ、前記第2下部分布ブラッグ反射器は、前記第1エリア上に設けられ、前記第1下部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第1層及び第2層を備え、前記第1層は、前記第2層の屈折率よりも低い屈折率を有し、前記第1層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、前記上部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第3層及び第4層を備え、前記第3層は、前記第4層の屈折率よりも低い屈折率を有し、前記第3層は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含み、前記III-V族化合物半導体層は、アルミニウムを含まないか、又は、前記第3層のアルミニウム組成よりも小さいアルミニウム組成を有し、前記第1層は、前記第3層のアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成を有し、前記III-V族化合物半導体層は、前記第2層の厚さよりも大きい厚さを有する。
【0010】
上記垂直共振型面発光レーザによれば、第1下部分布ブラッグ反射器が基板の主面の縁まで延在しており、III-V族化合物半導体層が第1下部分布ブラッグ反射器上に設けられている。そのため、第1下部分布ブラッグ反射器に比較的大きいアルミニウム組成を有する第1層が含まれていても、第1層が酸化され難い。
【0011】
前記上部分布ブラッグ反射器は、電流狭窄構造を含み、前記電流狭窄構造は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む電流アパーチャー部分と、絶縁体部分とを備え、前記絶縁体部分は、前記電流アパーチャー部分を取り囲み、前記第1層は、前記電流アパーチャー部分のアルミニウム組成以上のアルミニウム組成を有してもよい。この場合、第1層のアルミニウム組成が大きくなる。そのような場合であっても、上記垂直共振型面発光レーザによれば、第1層が酸化され難い。
【0012】
前記第2層は、アルミニウムを含まないか、又は、前記III-V族化合物半導体層のアルミニウム組成よりも小さいアルミニウム組成を有してもよい。この場合、第2層のアルミニウム組成が小さくなる。
【0013】
前記第1層がAlAsを含み、前記第2層がGaAsを含んでもよい。この場合、第1層及び第2層のそれぞれが3元系III-V族化合物半導体を含む場合に比べて、垂直共振型面発光レーザの熱抵抗を低減できる。
【0014】
Tが前記III-V族化合物半導体層の厚さ、Nが前記III-V族化合物半導体層の屈折率、λが前記垂直共振型面発光レーザの発振波長、mが1以上の整数である場合に、T=(m×λ/2+λ/4)/Nが満たされてもよい。この場合、第1下部分布ブラッグ反射器及び第2下部分布ブラッグ反射器における周期性の低下を抑制できる。また、上記式中のλ/4により、III-V族化合物半導体層内への光の閉じ込めを抑制できる。
【0015】
前記第2下部分布ブラッグ反射器は、交互に配列された第5層及び第6層を備え、前記第5層は、前記第6層の屈折率よりも低い屈折率を有し、前記第5層及び前記第6層から構成されるペアの数が8以上25以下であってもよい。この場合、第1下部分布ブラッグ反射器を活性層から適切な距離だけ離すことができる。
【0016】
上記垂直共振型面発光レーザは、前記活性層と前記第2下部分布ブラッグ反射器との間に設けられた第3下部分布ブラッグ反射器と、前記第2下部分布ブラッグ反射器と前記第3下部分布ブラッグ反射器との間に設けられたコンタクト層とを更に備えてもよい。この場合、コンタクト層及び第3下部分布ブラッグ反射器を通じて活性層に電流を注入できる。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0018】
図1は、一実施形態に係る垂直共振型面発光レーザを模式的に示す平面図である。
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。
図1及び
図2に示される垂直共振型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)10は、例えば通信用レーザである。垂直共振型面発光レーザ10は、軸Axに沿ってレーザ光Lを出射する。レーザ光Lの発振波長は例えば840nm以上860nm以下である。
図2に示されるように、垂直共振型面発光レーザ10は、基板12と、第1下部DBR(DBR:Distributed Bragg Reflector)部14(第1下部分布ブラッグ反射器)と、キャップ層16(III-V族化合物半導体層)と、第2下部DBR部18(第2下部分布ブラッグ反射器)と、活性層20と、上部DBR部22(上部分布ブラッグ反射器)とを備える。垂直共振型面発光レーザ10は、第3下部DBR部24(第3下部分布ブラッグ反射器)と、コンタクト層28と、コンタクト層29とを更に備えてもよい。
【0019】
基板12は、半絶縁性基板であってもよい。基板12は、軸Axに交差する主面12aを有する。主面12aは、第1エリア12a1と、第1エリア12a1を取り囲む第2エリア12a2とを含む。第2エリア12a2は、主面12aの縁12aeに位置する。第2エリア12a2は、主面12aの縁12aeに沿って延在する環状エリアであってもよい。基板12のキャリア濃度は例えば1×1015cm-3以下である。基板12は、例えばGaAs等のIII-V族化合物半導体基板であってもよい。
【0020】
第1下部DBR部14は、第1エリア12a1及び第2エリア12a2上に設けられる。第1下部DBR部14は、基板12の主面12aの縁12aeまで延在する。第1下部DBR部14は、基板12の主面12aの全体を覆ってもよい。第1下部DBR部14は、軸Axに沿って交互に配列された第1層14a及び第2層14bを備える。第1層14a及び第2層14bから構成されるペアの数は20以上40以下であってもよい。第1層14aは、第2層14bの屈折率よりも低い屈折率を有する。第1層14aは、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む。第1層14aは、アルミニウム組成xを有する。第1層14aはAlAs又はAlxGa1-xAsを含んでもよい。xは、0.9よりも大きくてもよいし、0.98以上であってもよいし、1であってもよい。アルミニウム組成が大きくなるに連れて屈折率が小さくなる。一実施例において、第1層14aはAlAs層である。第2層14bは、III-V族化合物半導体を含む。第2層14bは、アルミニウムを含まないか、又は、小さいアルミニウム組成を有してもよい。第2層14bはGaAs又はAlx1Ga1-x1Asを含んでもよい。x1は、xより小さくてもよいし、0.3以下であってもよいし、0であってもよい。一実施例において、第2層14bはGaAs層である。第1下部DBR部14は、アンドープ又は第1導電型(例えばp型)であってもよい。p型ドーパントの例は炭素を含む。アンドープの第1下部DBR部14は、意図的ではなくドープされた第1下部DBR部14を含む。第1層14aの厚さは50nm以上100nm以下であってもよい。第2層14bの厚さT1は50nm以上100nm以下であってもよい。
【0021】
キャップ層16は、第1下部DBR部14上に設けられる。キャップ層16は、第1エリア12a1及び第2エリア12a2上に設けられる。キャップ層16は、基板12の主面12aの縁12aeまで延在してもよい。キャップ層16は、第1下部DBR部14の上面の全体を覆ってもよい。キャップ層16は、III-V族化合物半導体を含む。キャップ層16は、アルミニウムを含まないか、又は、小さいアルミニウム組成yを有する。キャップ層16は、AlyGa1-yAs又はGaAsを含んでもよい。yは、0.3以下であってもよいし、0.2以下であってもよいし、0であってもよい。一実施例において、キャップ層16はAlyGa1-yAs(y=0.12)層である。キャップ層16は、アンドープ又は第2導電型(例えばn型)であってもよい。n型ドーパントの例はシリコンを含む。アンドープのキャップ層16は、意図的ではなくドープされたキャップ層16を含む。
【0022】
キャップ層16の厚さTは、第2層14bの厚さT1より大きい厚さTを有する。キャップ層16は、第1層14aの厚さより大きくてもよい。厚さTは、100nm以上であってもよいし、200nm以上であってもよい。厚さTは、400nm以下であってもよい。一実施例において、厚さTは240nmである。Tがキャップ層16の厚さ、Nがキャップ層16の屈折率、λが垂直共振型面発光レーザ10の発振波長、mが1以上の整数である場合に、下記式(1)が満たされてもよい。
T=(m×λ/2+λ/4)/N … (1)
【0023】
一例として、λが853.7nmである場合、GaAsの屈折率は3.663であり、AlyGa1-yAs(y=0.12)の屈折率は3.522であり、AlyGa1-yAs(y=0.2)の屈折率は3.452である。アルミニウム組成yが増加するに連れてAlyGa1-yAsの屈折率は単調減少する。
【0024】
第2下部DBR部18は、キャップ層16上に設けられる。第2下部DBR部18は、第1エリア12a1上に設けられ、第2エリア12a2上に設けられない。第2下部DBR部18は、軸Axに沿って交互に配列された第5層18a及び第6層18bを備える。第5層18a及び第6層18bから構成されるペアの数は8以上25以下であってもよい。第2下部DBR部18の厚さは0.5μm以上であってもよい。第5層18aは、第6層18bの屈折率よりも低い屈折率を有する。第5層18a及び第6層18bのそれぞれは、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む。第5層18aは、第6層18bのアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成を有する。第5層18a及び第6層18bのそれぞれは、AlGaAsを含んでもよい。第2下部DBR部18は、第2導電型(例えばn型)であってもよい。
【0025】
活性層20は、第2下部DBR部18上に設けられる。活性層20は、量子井戸構造20aと、上部スペーサ20bと、下部スペーサ20cとを備える。下部スペーサ20cは第2下部DBR部18上に設けられる。量子井戸構造20aは下部スペーサ20c上に設けられる。上部スペーサ20bは、量子井戸構造20a上に設けられる。量子井戸構造20aは、軸Axに沿って交互に配列されたInGaAs層及びAlGaAs層を含んでもよい。上部スペーサ20b及び下部スペーサ20cのそれぞれは、AlGaAs層であってもよい。
【0026】
上部DBR部22は、活性層20上に設けられる。上部DBR部22は、軸Axに沿って交互に配列された第3層22a及び第4層22bを備える。第3層22a及び第4層22bから構成されるペアの数は20以上30以下であってもよい。第3層22aは、第4層22bの屈折率よりも低い屈折率を有する。第3層22a及び第4層22bのそれぞれは、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む。第3層22aは、第4層22bのアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成zを有する。第3層22aは、AlzGa1-zAsを含んでもよい。zは、0.7以上であってもよいし、0.9以上だってもよい。一実施例において、zは0.9である。第1下部DBR部14の第1層14aのアルミニウム組成xは、第3層22aのアルミニウム組成zよりも大きい。キャップ層16のアルミニウム組成yは、第3層22aのアルミニウム組成zよりも小さい。第4層22bは、Alz1Ga1-z1Asを含んでもよい。z1は、0.3以下であってもよい。上部DBR部22は、第1導電型(例えばp型)であってもよい。
【0027】
上部DBR部22は、電流狭窄構造26を含んでもよい。電流狭窄構造26は、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む電流アパーチャー部分26aと、絶縁体部分26bとを備える。絶縁体部分26bは、電流アパーチャー部分26aを取り囲む。軸Axは電流アパーチャー部分26aを通る。電流アパーチャー部分26aは例えば円柱状である。電流アパーチャー部分26aは、アルミニウム組成sを有する。電流アパーチャー部分26aは、AlsGa1-sAsを含んでもよい。sは、0.95以上であってもよいし、0.98以上であってもよい。一実施例において、sは0.98である。第1下部DBR部14の第1層14aのアルミニウム組成xは、電流アパーチャー部分26aのアルミニウム組成s以上であってもよい。電流アパーチャー部分26aは、第1導電型(例えばp型)であってもよい。絶縁体部分26bは、アルミニウム酸化物を含んでもよい。
【0028】
第3下部DBR部24は、活性層20と第2下部DBR部18との間に設けられる。第3下部DBR部24は、軸Axに沿って交互に配列された第7層24a及び第8層24bを備える。第7層24a及び第8層24bから構成されるペアの数は8以上25以下であってもよい。第7層24aは、第8層24bの屈折率よりも低い屈折率を有する。第7層24a及び第8層24bのそれぞれは、アルミニウムを含むIII-V族化合物半導体を含む。第7層24aは、第8層24bのアルミニウム組成よりも大きいアルミニウム組成を有する。第7層24a及び第8層24bのそれぞれは、AlGaAsを含んでもよい。第3下部DBR部24は、第2導電型(例えばn型)であってもよい。
【0029】
コンタクト層28は、第2下部DBR部18と第3下部DBR部24との間に設けられる。コンタクト層28は、第2導電型(例えばn型)であってもよい。コンタクト層28は、例えばAlGaAs等のIII-V族化合物半導体を含む。コンタクト層28のドーパント濃度は、第2下部DBR部18のドーパント濃度よりも高い。第2下部DBR部18のドーパント濃度は、キャップ層16のドーパント濃度よりも高い。
【0030】
コンタクト層29は、上部DBR部22上に設けられる。コンタクト層29は、第1導電型(例えばp型)であってもよい。コンタクト層29は、例えばAlGaAs等のIII-V族化合物半導体を含む。コンタクト層29のドーパント濃度は、上部DBR部22のドーパント濃度よりも高い。
【0031】
基板12の主面12aの第1エリア12a1は、第1領域12a11と、第1領域12a11を取り囲む環状の第2領域12a12と、第2領域12a12を取り囲む第3領域12a13とを含んでもよい。軸Axは第1領域12a11を通る。第1領域12a11は、例えば軸Axを中心とする円形を有する。第1領域12a11上には、第3下部DBR部24、活性層20、上部DBR部22及びコンタクト層29を含むポストPSが設けられる。第2領域12a12上には、ポストPSを取り囲むトレンチTRが設けられる。トレンチTRの底はコンタクト層28まで到達している。第3領域12a13上には、ポストPSと同じ層構造を有するメサMSが設けられる。主面12aの第2エリア12a2上には、凹部RSが設けられる。凹部RSは切り欠き部である。凹部RSの底はキャップ層16まで到達している。
【0032】
ポストPS、トレンチTR、メサMS及び凹部RS上には、絶縁層50が設けられる。絶縁層50は保護膜として用いられる。絶縁層50は、ポストPSの上面に設けられた第1開口50aと、トレンチTRの底に設けられた第2開口50bとを有する。第1開口50a内には、コンタクト層29に接続される第1電極30が設けられる。第1電極30は、軸Axを取り囲む環状電極であってもよい。第1電極30は、例えばアノード電極である。第1電極30は、配線導体32によりパッド電極34に接続される。第2開口50b内には、コンタクト層28に接続される第2電極40が設けられる。第2電極40は、例えばカソード電極である。第2電極40は、配線導体42によりパッド電極44に接続される。
【0033】
本実施形態の垂直共振型面発光レーザ10によれば、第1下部DBR部14が基板12の主面12aの縁12aeまで延在しており、キャップ層16が第1下部DBR部14上に設けられている。そのため、第1下部DBR部14に比較的大きいアルミニウム組成を有する第1層14aが含まれていても、第1層14aが酸化され難い。また、絶縁層50のバリア性が低い場合であっても、第1下部DBR部14がキャップ層16によって覆われているので、第1層14aは酸化され難い。よって、III-V族化合物半導体を含む部分と酸化物を含む部分との間の密度差又は熱膨張係数差に起因する歪みを抑制できる。したがって、垂直共振型面発光レーザ10は、長期間使用後においても高い信頼性を有する。
【0034】
第1層14aが電流アパーチャー部分26aのアルミニウム組成s以上のアルミニウム組成xを有する場合、第1層14aのアルミニウム組成xは大きくなる。そのような場合であっても、垂直共振型面発光レーザ10によれば、第1層14aが酸化され難い。
【0035】
第1層14aがAlAsを含み、第2層14bがGaAsを含む場合、第1層14a及び第2層14bのそれぞれが3元系III-V族化合物半導体を含む場合に比べて、垂直共振型面発光レーザ10の熱抵抗を低減できる。これにより、垂直共振型面発光レーザ10に注入される電流を増加させても自己発熱の上昇を抑制できる。よって、垂直共振型面発光レーザ10の所望の光出力を維持しながら、垂直共振型面発光レーザ10の変調帯域を広げることができる。
【0036】
上記式(1)が満たされる場合、第1下部DBR部14及び第2下部DBR部18における周期性の低下を抑制できる。また、上記式(1)中のλ/4により、寄生キャビティが形成され難くなるので、キャップ層16内への光の閉じ込めを抑制できる。
【0037】
第5層18a及び第6層18bから構成されるペアの数が8以上25以下である場合、第1下部DBR部14を活性層20から適切な距離だけ離すことができる。よって、第1下部DBR部14による光吸収を抑制できる。
【0038】
図3及び
図4のそれぞれは、一実施形態に係る垂直共振型面発光レーザの製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。上述の垂直共振型面発光レーザ10は、以下のように製造されてもよい。
【0039】
(半導体積層体の形成)
まず、
図3(a)に示されるように、基板12の主面12a上に半導体積層体SLを形成する。具体的には、第1下部DBR部14、キャップ層16、第2下部DBR部18、コンタクト層28、第3下部DBR部24となるべき半導体積層体124、活性層20、上部DBR部22となるべき半導体積層体122、及びコンタクト層29を順に主面12a上に形成する。半導体積層体122は、第3層22a及び第4層22bにそれぞれなるべき半導体層122a及び半導体層122bと、電流狭窄構造26になるべき半導体層126と、を含む。半導体積層体124は、第7層24a及び第8層24bにそれぞれなるべき半導体層124a及び半導体層124bを含む。半導体積層体SLを構成する各層は、例えば有機金属気相成長又は分子線エピタキシーにより形成される。
【0040】
(トレンチの形成)
次に、
図3(b)に示されるように、主面12aの第1エリア12a1における第2領域12a12上において、半導体積層体SLにトレンチTRを形成する。これにより、トレンチTRによって取り囲まれたポストPSが形成される。トレンチTRは、例えばドライエッチングにより形成される。
【0041】
(酸化)
次に、
図3(c)に示されるように、例えば水蒸気等の酸素含有ガスにポストPSを晒すことによって、ポストPSの周囲を酸化する。これにより、上部DBR部22及び第3下部DBR部24が形成される。
【0042】
(凹部の形成)
次に、
図4(a)に示されるように、主面12aの第2エリア12a2上に凹部RSを形成する。これにより、凹部RSとトレンチTRとの間にメサMSが形成される。凹部RSは、例えばドライエッチングにより形成される。凹部RSは、隣り合う素子同士を電気的に分離するために形成される。凹部RSは、主面12aに沿って延在する格子状の溝部であってもよい。凹部RSが形成された後、第2下部DBR部18の第5層18aにおいて、凹部RSの側壁に露出した部分は自然酸化され得る。一方、第1下部DBR部14の第1層14aは、キャップ層16によって覆われているので、自然酸化されない。
【0043】
(絶縁層の形成)
次に、
図4(b)に示されるように、ポストPS、トレンチTR、メサMS及び凹部RS上に絶縁層50を形成する。
【0044】
(電極の形成)
次に、
図4(c)に示されるように、絶縁層50に第1開口50a及び第2開口50bを形成する。次に、第1開口50a内に第1電極30を形成し、第2開口50b内に第2電極40を形成する。
【0045】
(切断)
次に、凹部RSの底において基板12、第1下部DBR部14及びキャップ層16を切断する。切断は、例えばへき開又はダイシングにより行われる。これにより、
図1及び
図2に示される垂直共振型面発光レーザ10が製造される。
【0046】
図5は、第1実験例の垂直共振型面発光レーザを構成する各部材の材料及びドーパント濃度を示す図である。第1実験例の垂直共振型面発光レーザは、
図2の垂直共振型面発光レーザ10の一例である。第1実験例の垂直共振型面発光レーザの発振波長は850nmである。
【0047】
実験例2の垂直共振型面発光レーザは、第1下部DBR部14を25ペアのAl0.12Ga0.88As/Al0.9Ga0.1Asに置き換えたこと以外は第1実験例の垂直共振型面発光レーザと同じ構成を備える。
【0048】
実験例1及び実験例2の垂直共振型面発光レーザの特性についてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を以下に示す。実験例1の垂直共振型面発光レーザの閾値電流Ithは0.7009mAであった。実験例2の垂直共振型面発光レーザの閾値電流Ithは0.7062mAであった。実験例1の垂直共振型面発光レーザのスロープ効率は0.7215W/Aであった。実験例2の垂直共振型面発光レーザのスロープ効率は0.7256W/Aであった。実験例1の垂直共振型面発光レーザの熱抵抗Rthは2.08K/mWであった。実験例2の垂直共振型面発光レーザの熱抵抗Rthは2.38K/mWであった。実験例1の垂直共振型面発光レーザは、実験例2の垂直共振型面発光レーザと同等の閾値電流Ith及びスロープ効率を有し、実験例2の垂直共振型面発光レーザよりも2割程度小さい熱抵抗Rthを有していた。
【0049】
図6は、第1実験例及び第2実験例の垂直共振型面発光レーザの特性のシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、各垂直共振型面発光レーザに注入される電流I(mA)から閾値電流I
th(mA)を引いた値の平方根を示す。縦軸は、緩和振動周波数f
r(GHz)を示す。緩和振動周波数f
rは、光応答の変調帯域の性能の指標である。
【0050】
図6から、電流Iが比較的大きい場合に、実験例1の垂直共振型面発光レーザが、実験例2の垂直共振型面発光レーザに比べて例えば1GHz程度大きい緩和振動周波数f
rを有することが分かる。実験例1の垂直共振型面発光レーザでは、実験例2の垂直共振型面発光レーザに比べて熱抵抗が低減されるので、変調帯域を拡大できる。
【0051】
図7は、垂直共振型面発光レーザの一例を模式的に示す平面図である。
図7に示される垂直共振型面発光レーザ210は、第1下部DBR部14、キャップ層16及び第2下部DBR部18に代えて、下部DBR部214を備えること以外は垂直共振型面発光レーザ10と同じ構成を有する。下部DBR部214は、軸Axに沿って交互に配列された第9層214a及び第10層214bを備える。第9層214a及び第10層214bから構成されるペアの数は例えば33である。第9層214aは、半導体部分214a1と、半導体部分214a1を取り囲む絶縁体部分214a2とを備える。半導体部分214a1は、例えばAlAs層である。絶縁体部分214a2はアルミニウム酸化物を含む。第10層214bは、例えばGaAs層である。
【0052】
基板12の主面12aの第2エリア12a2上には、凹部RSに代えて凹部RS1が設けられる。凹部RS1の底は基板12の主面12aまで到達している。
【0053】
図8及び
図9のそれぞれは、
図7に示される垂直共振型面発光レーザの製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。
図7の垂直共振型面発光レーザ210は、以下のように製造されてもよい。
【0054】
(半導体積層体の形成)
まず、
図8(a)に示されるように、基板12の主面12a上に半導体積層体SL1を形成する。具体的には、下部DBR部214となるべき半導体積層体314、コンタクト層28、第3下部DBR部24となるべき半導体積層体124、活性層20、上部DBR部22となるべき半導体積層体122及びコンタクト層29を順に主面12a上に形成する。半導体積層体314は、第9層214a及び第10層214bにそれぞれなるべき半導体層314a及び半導体層314bを含む。
【0055】
(トレンチの形成)
次に、
図8(b)に示されるように、主面12aの第1エリア12a1における第2領域12a12上において、半導体積層体SL1にトレンチTRを形成する。これにより、トレンチTRによって取り囲まれたポストPSが形成される。
【0056】
(酸化)
次に、
図8(c)に示されるように、例えば水蒸気等の酸素含有ガスにポストPSを晒すことによって、ポストPSの周囲を酸化する。これにより、上部DBR部22及び第3下部DBR部24が形成される。
【0057】
(凹部の形成)
次に、
図9(a)に示されるように、主面12aの第2エリア12a2上に凹部RS1を形成する。これにより、凹部RS1とトレンチTRとの間にメサMSが形成される。凹部RS1は、隣り合う素子同士を電気的に分離するために形成される。凹部RS1が形成された後、半導体層314aの端面は、凹部RS1の側壁に露出するので自然酸化される。その結果、第9層214aが形成される。また、半導体層314bから第10層214bが形成される。
【0058】
(絶縁層の形成)
次に、
図9(b)に示されるように、ポストPS、トレンチTR、メサMS及び凹部RS1上に絶縁層50を形成する。
【0059】
(電極の形成)
次に、
図9(c)に示されるように、絶縁層50に第1開口50a及び第2開口50bを形成する。その後、第1開口50a内に第1電極30を形成し、第2開口50b内に第2電極40を形成する。
【0060】
(切断)
次に、凹部RS1の底において基板12を切断する。このようにして、垂直共振型面発光レーザ210が製造される。
【0061】
以上、本開示の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本開示は上記実施形態に限定されない。
【0062】
例えば、垂直共振型面発光レーザ10は、コンタクト層28を備えなくてもよい。この場合、第2電極40が第2下部DBR部18に接触する。
【0063】
例えば、DBR部に含まれる第1層から第8層のそれぞれは、隣接する層に向かってAl組成が変化する組成傾斜層を有していてもよい。組成傾斜層の厚さは例えば10から30nmである。組成傾斜層においては、隣接する層のAl組成に近づくようにAl組成が線形に変化する。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
10…垂直共振型面発光レーザ
12…基板
12a…主面
12a1…第1エリア
12a2…第2エリア
12a11…第1領域
12a12…第2領域
12a13…第3領域
12ae…縁
14…第1下部DBR部
14a…第1層
14b…第2層
16…キャップ層
18…第2下部DBR部
18a…第5層
18b…第6層
20…活性層
20a…量子井戸構造
20b…上部スペーサ
20c…下部スペーサ
22…上部DBR部
22a…第3層
22b…第4層
24…第3下部DBR部
24a…第7層
24b…第8層
26…電流狭窄構造
26a…電流アパーチャー部分
26b…絶縁体部分
28…コンタクト層
29…コンタクト層
30…第1電極
32…配線導体
34…パッド電極
40…第2電極
42…配線導体
44…パッド電極
50…絶縁層
50a…第1開口
50b…第2開口
122…半導体積層体
122a…半導体層
122b…半導体層
124…半導体積層体
124a…半導体層
124b…半導体層
126…半導体層
210…垂直共振型面発光レーザ
214…下部DBR部
214a…第9層
214a1…半導体部分
214a2…絶縁体部分
214b…第10層
314…半導体積層体
314a…半導体層
314b…半導体層
Ax…軸
L…レーザ光
MS…メサ
PS…ポスト
RS…凹部
RS1…凹部
SL…半導体積層体
SL1…半導体積層体
TR…トレンチ