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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/00 20180101AFI20241001BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241001BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B05B12/00 Z
B08B3/02 G
B26F3/00 N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021004709
(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公開番号】P2022109418
(43)【公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】関野 博一
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 毅
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 祐司
(72)【発明者】
【氏名】小島 英揮
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-095449(JP,A)
【文献】特開2019-013897(JP,A)
【文献】特表2021-516151(JP,A)
【文献】特開平09-071916(JP,A)
【文献】特開2021-121412(JP,A)
【文献】特表2001-522296(JP,A)
【文献】特表2009-513316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 12/00
B08B 3/02
B26F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路から送られる液体の連続流を噴射するノズルと、
前記ノズルを有する本体部と、
前記ノズルと前記液体が噴射される対象物との間の第1距離を検出するための距離検出
部と、
前記流路を流れる前記液体の流量、前記液体の種類、および前記ノズルの種類の組み合
わせにより決まる基準液滴化距離を前記第1距離と比較し、前記比較に基づく前記基準液
滴化距離と前記第1距離との差を含む距離情報を導出する制御部と、
前記距離情報を使用者に知らせる通知部と、
を備え
前記基準液滴化距離は、前記ノズルから噴射された前記液体の連続流が液滴に分裂する
距離であることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記通知部は前記本体部に設けられている、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体噴射装置において、
前記通知部は視認可能な表示部であり、
前記制御部は前記距離情報に応じて前記表示部の表示を変える、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体噴射装置において、
前記制御部は前記距離情報に応じて前記表示部の色を変える、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の液体噴射装置において、
前記表示部は複数の発光部が異なる位置に配置されており、
前記複数の発光部は異なる色を発光する、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
請求項2に記載の液体噴射装置において、
前記通知部は前記ノズルから噴射される液体の噴射位置に向けて複数の色のレーザー光
を照射可能なレーザー照射部であり、
前記制御部は前記距離情報に応じて前記レーザー光の色を変える、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記制御部は前記第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内に入った場合に前記液
体を噴射する、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記制御部は、前記距離検出部によって検出される前記第1距離との前記比較によって
前記距離情報を導出する際に使われる前記基準液滴化距離の情報のテーブルが記憶される
記憶部を備える、
ことを特徴とする液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に向かって液体を高圧で噴射して衝突させ、前記対象物の洗浄、バリ取り、剥離、削り等を行う液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の液体噴射装置の一例として、特許文献1に記載のものがある。この文献には、噴射される高圧水の連続流を液滴化し、その液滴を対象物に衝突させることで対象物の切断や洗浄を行う超音波ウォータージェット装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2007-523751公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のウォータージェット装置では、噴射対象物に対して洗浄や破砕の用途で汚れの落ちや壊れ具合を見ながら液体の流量を調整することになる。この流量の調整を行うと、液滴による洗浄や破砕の効果が出やすい距離も変わる。また、噴射する液体の種類を変更した場合も同様に前記距離が変わる。
しかしながら、従来のウォータージェット装置では、これら液体の流量の変化や液体の種類の変更に伴う「液体の衝突の効果が出やすい距離」の変化を使用者が認識できない。そのため、液滴による洗浄や破砕の効果が低下するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る液体噴射装置は、流路を送られる液体を噴射するノズルと、前記ノズルを有する本体部と、前記ノズルと前記液体が噴射される対象物との間の第1距離を検出するための距離検出部と、前記流路を流れる前記液体の流量情報、前記液体の種類情報、および前記ノズルの種類情報の組み合わせにより決まる基準液滴化距離を前記第1距離と比較し、前記比較に基づく前記基準液滴化距離と前記第1距離との差を含む距離情報を導出する制御部と、前記距離情報を使用者に知らせる通知部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の要部概略構成図。
図2】同実施形態1の制御回路の概略構成図。
図3】同実施形態1の通知部の3通りの表示方式を示す図。
図4】同実施形態1の基準液滴化距離差と衝撃圧との関係を示す図。
図5】本発明の実施形態2に係り通知部がレーザー光による場合の概略構成図。
図6】本発明の実施形態3の制御回路の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について先ず概略的に説明する。
上記課題を解決するため、本発明に係る液体噴射装置の第1の態様は、流路を送られる液体を噴射するノズルと、前記ノズルを有する本体部と、前記ノズルと前記液体が噴射される対象物との間の第1距離を検出するための距離検出部と、前記流路を流れる前記液体の流量情報、前記液体の種類情報、および前記ノズルの種類情報の組み合わせにより決まる基準液滴化距離を前記第1距離と比較し、前記比較に基づく前記基準液滴化距離と前記第1距離との差を含む距離情報を導出する制御部と、前記距離情報を使用者に知らせる通知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、「液体の流量情報」とは、流路内を流れる流体の流量に対応する情報のことであり、前記液体が前記流路内を単位時間当たりに流れる量の他に、前記ノズルから単位時間当たりに噴射される量、噴射された液体が対象物に当たるときの衝撃圧で表すこともできる。
また、「液体の種類情報」とは、流路内を流れる流体の種類に関する情報のことであり、粘度や比重等の特性による違いで分けられた種類や、洗浄用等の用途によって分けられた種類等が挙げられる。
また、「ノズルの種類情報」とは、液体を噴射するノズルの口径や形状等のノズル構造の違いで分けられた種類に関する情報のことである。
また、「基準液滴化距離」とは、前記ノズルから噴射された液体の連続流が液滴に分裂する距離を意味し、液体の流量、液体の種類、ノズル構造の組み合わせに対応して決まる距離である。
また、「距離情報」とは、現時点の第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内にあるか、前記基準液滴化距離とされる範囲より大きいか、前記基準液滴化距離とされる範囲より小さいかを使用者に認識させる情報を意味する。
【0009】
本態様によれば、使用者は、前記ノズルから液体を対象物に向けて噴射する際に、前記通知部によって前記距離情報を知ることができる。即ち、使用者は、前記通知部から報知される「距離情報」によって、前記ノズルと前記液体が噴射される対象物との間の実測距離である現時点の第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内にあるか、前記基準液滴化距離とされる範囲より大きいか、前記基準液滴化距離とされる範囲より小さいかを認識することができる。
これにより、使用者が現時点の第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内にないと認識した場合は、前記本体部を移動させて前記第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内にある状態に前記ノズルを位置させることが可能となる。以って、液体噴射による対象物の洗浄や破砕の効果が低下することを抑制することができる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る液体噴射装置は、第1の態様において、前記通知部は前記本体部に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記通知部は前記本体部に設けられているので、使用者は、前記ノズルから液体を対象物に向けて噴射する際に、対象物の近くに位置する、言い換えると使用者の視界の範囲に位置する前記通知部から前記距離情報を得ることになる。これにより、使用者は、前記対象物に対して液体を噴射する作業を継続しながら、即ちその作業に意識を集中させた状態で、前記対象物を見る視界の範囲に位置する通知部から前記ノズルと対象物との距離の状態を容易に認識することが可能になる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る液体噴射装置は、第2の態様において、前記通知部は視認可能な表示部であり、前記制御部は前記距離情報に応じて前記表示部の表示を変える、ことを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記通知部は視認可能な表示部であるので、使用者は前記対象物が視界に入った状態で視覚を介して前記表示部から前記距離情報を得ることができる。これにより、使用者は正確性及び安全性の高い作業を続けることができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る液体噴射装置は、第3の態様において、前記制御部は前記距離情報に応じて前記表示部の色を変える、ことを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記制御部は前記距離情報に応じて前記表示部の色を変えるので、使用者は、前記距離情報を前記表示部の色の変化によって認識することが可能になる。これにより、使い勝手が良い液体噴射装置を実現することができる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る液体噴射装置は、第3の態様又は第4の態様において、前記表示部は複数の発光部が異なる位置に配置されており、前記複数の発光部は異なる色を発光する、ことを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、異なる位置に配置される前記複数の発光部が異なる色を発光するので、色の変化に加えて光る位置も変わることになる。これにより、使用者は、前記距離情報を一層容易に認識し易くなる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る液体噴射装置は、第2の態様において、前記通知部は前記ノズルから噴射される液体の噴射位置に向けて複数の色のレーザー光を照射可能なレーザー照射部であり、前記制御部は前記距離情報に応じて前記レーザー光の色を変える、ことを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、前記通知部を成す前記レーザー照射部は前記ノズルから噴射される液体の噴射位置に向けて複数の色のレーザー光を照射可能である。更に、前記制御部は前記距離情報に応じて前記レーザー光の色を変える。これにより、使用者は、前記ノズルから液体を対象物に向けて噴射する際に、前記液体の噴射位置を視認した状態で、視線を移動することなく、前記距離情報を得ることができる。
【0020】
本発明の第7の態様に係る液体噴射装置は、第1の態様から第6の態様のいずれか一つの態様において、前記制御部は前記第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内に入った場合に前記液体を噴射する、ことを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、前記第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内に入っていない場合は前記液体は噴射されず、前記第1距離が前記基準液滴化距離とされる範囲内に入っている場合に前記液体は噴射される。これにより、液体を無駄に噴射しないで有効な噴射を行える。以って、無駄に噴射されてできる液溜まりによる衝撃作用の低下、浮遊ミストによる作業エリアの視認性の低下を抑制することができる。
【0022】
本発明の第8の態様に係る液体噴射装置は、第1の態様から第7の態様のいずれか一つの態様において、前記制御部は、前記距離検出部によって検出される前記第1距離との前記比較によって前記距離情報を導出する際に使われる前記基準液滴化距離の情報のテーブルが記憶される記憶部を備える、ことを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、前記第1距離との比較によって前記距離情報を導出する際に使われる前記基準液滴化距離の情報がテーブル化されて前記記憶部に記憶されているので、前記距離情報の導出を容易に行える効果が得られる。
【0024】
[実施形態1]
以下に、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置について、図1から図4に基づいて詳細に説明する。
図1に示したように、本実施形態に係る液体噴射装置1は、流路2を送られる液体4を噴射するノズル3と、ノズル3を有する本体部5と、ノズル3と液体4が噴射される対象物7との間の第1距離L1を検出するための距離検出部9とを備える。更に、流路2を流れる液体の流量情報11、液体の種類情報13、およびノズルの種類情報15の組み合わせにより決まる基準液滴化距離BDを第1距離L1と比較し、前記比較に基づく基準液滴化距離BDと第1距離L1との差Dを含む距離情報19を導出する制御部21と、距離情報19を使用者に知らせる通知部23と、を備える。
ここでは、液体噴射装置1は、歯科治療装置であるとして説明するが、歯科治療装置に限定されないことは勿論でする。
【0025】
以下、液体噴射装置の各構成要素について説明する。
<ノズル、本体部>
歯科治療装置としての液体噴射装置1は、手に持つハンドピース部6と、液体タンク8からハンドピース6に流路2を介して液体4を送る送液ポンプ10と、送液ポンプ10とハンドピース6の駆動部(図示せず)の動作を制御する制御部21を備えている。
ハンドピース6は、図1に示したように、本体部5とノズル3を備える。本体部5は、流路2に繋がる。ノズル3は、ハンドピース6の先端部に設けられるノズル本体28と、ノズル本体28の先端部に位置する噴射口16を備える。ノズル本体28は、本実施形態では、その内部に液体が通る一様の径の通路(図示を省く)がある。ノズル3は、ノズル本体28が流路2を介して液体4を送る送液ポンプ10と繋がっている。
制御部21の制御信号によって送液ポンプ10が駆動し、液体タンク8内の液体4が流路2を通って高圧でハンドピース部6に送られ、液体は所定の高圧でノズル3から対象物7である歯に対して噴射される。
【0026】
ノズル3は、噴射口16におけるノズル径の違いで分けられる種類があり、本実施形態では、前記ノズル径が異なる3種類(ノズルA、ノズルB、ノズルC)が使い分け可能に用意されている。ノズル3は、送液できる液体の流量範囲が前記ノズル径によって変わる。
液体4は、粘度や比重等の特性による違いで分けられる種類や、洗浄用等の用途によって分けられる種類があり、本実施形態では液体Aと液体Bの2種類が使い分け可能に用意されている。
本実施形態では、ノズル3から噴射される液体の流量(ml/min)、即ち流路2内を単位時間当たりに流れる量(ml/min)は、増減可能に構成されている。具体的には、10ml/min、20ml/min、30ml/min、…、と10ml/min間隔で、増減できるように構成されている。尚、液体4の流量は、10ml/min間隔での増減に限定されないことは勿論である。尚、液体の流量(ml/min)を以下の説明において、単に「流量(ml/min)」或いは「送液流量(ml/min)」という場合がある。
【0027】
<距離検出部>
距離検出部9は、ノズル3と液体4が噴射される対象物7との間の距離である第1距離L1を検出するためのものである。距離検出部9は、本実施形態ではノズル3の噴射口16の近くに配置されている。第1距離L1は、図1に示したように、ノズル3の噴射口16と対象物7との距離である。
距離検出部9は、超音波センサー、光電センサー、接触センサー等、距離を検出できるものは採用可能であるが、歯科治療装置のように口腔内における使用を考慮すると、対象物7である歯、歯垢等の形状、汚れ、水膜等の影響を受けにくい超音波センサーを用いることが望ましい。特に、反射型の超音波センサーは、1つの振動子が発信と受信を交互に行える小型の素子であるので、ハンドピース6の本体部5への搭載が容易である。
【0028】
<基準液滴化距離>
基準液滴化距離BDは、ノズル3の噴射口16から噴射された液体4の連続流が液滴に分裂する距離のことであり、液体の流量、液体の種類、ノズル構造の組み合わせに対応して決まる距離である。
液体4をノズル3から高圧で噴射すると、ノズル3から噴射直後の液体4は連続流であるが、やがて表面張力によって高速の液滴群に分裂する。噴射された液体4が完全に液滴に分裂した直後の液滴流が最も衝撃圧が大きく、大きな破壊作用が得られる。即ち、液体4をノズル3から噴射して基準液滴化距離BDで対象物7に当てるようにすれば、最も大きな衝撃圧を対象物7に作用させることができることになる。本実施形態の液体噴射装置1は、この連続流から液滴流へ変化することで衝撃圧が大きくなることを利用して、対象物7の洗浄、バリ取り、剥離、削り等を行うものである。
【0029】
表1は、液体の流量、液体の種類、ノズル構造の組み合わせに対する基準液滴化距離BDの関係のテーブルの一例である。この表1では、液体の流量は10ml/minから80ml/minまでについて10ml/min間隔で8種類に分けられている。ノズル構造は上記した前記ノズル径が異なる3種類のノズルA、ノズルB、ノズルCに分けられている。液体の種類は上記した2種類の液体Aと液体Bに分けられている。
例えば、ノズルAが使われ、液体の流量が10ml/minで液体Aが使われる場合は、基準液滴化距離BDは42mmである。ノズルBが使われ、液体の流量が10ml/minで液体Bが使われる場合は、基準液滴化距離BDは40mmである。ノズルCが使われ、液体の流量が20ml/minで液体Aが使われる場合は、基準液滴化距離BDは72mmである。尚、液体の流量、液体の種類、ノズル構造の種類の分け方は、表1の分け方に限定されないことは勿論である。
表1のテーブルは、液体の流量、液体の種類、ノズル構造の種類の各組み合せに対して基準液滴化距離BDが予め実測により求められて作られる。
【0030】
【表1】
【0031】
本実施形態では、表1に例示したようなテーブルが、後述する制御部21のメモリーである記憶部18に記憶されている。そして、距離検出部9で実測された第1距離L1との比較によって基準液滴化距離BDと第1距離L1との差Dを含む距離情報19を求めることができるように構成されている。
尚、表1に例示したようなテーブルを、制御部21の記憶部18に記憶せず、回線を介して外部記憶部とやり取りしてそのテーブルの情報を得るようにしてもよい。
【0032】
<制御部>
図1及び図2に示したように、本実施形態に係る制御部21は、記憶部18、処理回路20、送液ポンプ駆動回路22、距離情報処理回路24を備える。液体噴射装置1は、図示を省く制御パネルを備え、この制御パネルにおいて使用者が液体の流量情報11、液体の種類情報13、およびノズルの種類情報15を設定すると、制御部21はそれらを受け付ける。
また、制御部21は、距離検出部9が検出した第1距離L1の検出信号26を信号線30を介して受け付ける。
【0033】
ここで、ノズルの種類情報15は、ノズル3が装着されるハンドピース6から信号線30を介して制御部21に送られるように構成してもよい。そうすれば、ノズルの種類情報15については自動設定が可能になる。即ち、使用者がノズルの種類情報15の設定を行わなくても、自動設定されるので使用者の手間を省くことができる。
また、ノズル3は、送液できる液体の流量範囲が前記ノズル径によって変わる。そこで、本実施形態では、制御部21の前記制御パネルの表示窓32に設定可能流量範囲34が表示されるように構成されている。
尚、表1に記されているノズルA、ノズルB、ノズルCは、いずれも液体の流量範囲は10ml/minから80ml/minまで増減変更できるノズルである。
【0034】
制御部21の処理回路20は、前記設定された液体の流量情報11、液体の種類情報13、およびノズルの種類情報15に対応する基準液滴化距離BDを記憶部18の前記テーブルから読み出す。本実施形態では、前記読み出された基準液滴化距離BDが制御部21の前記制御パネルの表示窓32に表示されるように構成されている
更に処理回路20は、前記読み出された基準液滴化距離BDと第1距離L1とを比較し、基準液滴化距離BDと第1距離L1との差Dを含む距離情報19を導出する。この距離情報10は、第1距離L1と基準液滴化距離BDとのずれ量、即ち「近い」のか、「遠い」のか、「適切な距離」なのかに関する情報である。
距離情報19は、使用者に知らせるための後述する通知部23に送られる。ハンドピース6を手にする使用者は、通知部23から距離情報19を得ることで、ノズル3と対象物7との距離の適否状態を容易に認識することができる。
【0035】
本実施形態では、図2に示したように、送液ポンプ10は、ON/OFF制御のON信号を制御部21が受けることで、送液ポンプ駆動回路22によって設定された液量で送液駆動が開始され、ノズル3から液体4が高圧で噴射される。OFF信号を制御部21が受けることで、送液ポンプ10は駆動を停止する。
ON/OFF制御の信号は、ハンドピース6を持っている使用者の操作によって制御部21に送られる。
【0036】
<通知部>
通知部23は、既述の通り距離情報19を使用者に知らせるためのもので、本実施形態では、図1に示したように、ハンドピース6の本体部5に設けられている。更に、通知部23は、本体部5に視認可能な表示部25として設けられている。具体的には、使用者がハンドピース6を手に持った状態で、手に隠れずに視認可能な位置であって、ノズル3に近い部位に通知部23である表示部25が配置されている。
制御部21は、距離情報19に応じて表示部25の表示を変えて、ノズル3が対象物7から「近い」のか、「遠い」のか、「適切な距離」なのかに関する情報を使用者が得られるように制御する。
【0037】
本実施形態では、前記表示を変えるやり方として、制御部21は距離情報19に応じて表示部25の色を変えるように構成されている。具体的には、前記「近い」、「遠い」、「適切な距離」に対応して色が青色、赤色、緑色等に変わる。
前記表示を変えるやり方は、前記色を変えるやり方に限定されないことは勿論であり、例えば矢印や文字で行ってもよい。
【0038】
更に、本実施形態では、図3の上位の図(A)に示したように、表示部25は複数の発光部27,29,31が表示部25内の異なる位置、即ちノズル3側から送液ポンプ10側に向かう方向線上の別の位置に互いに離れて配置されている。そして、複数の発光部27,29,31は異なる色を発光するように構成されている。例えば、発光部27は青色B、発光部29は緑色G、発光部31は赤色Rを発光する。
図3の上位の図(A)では、第1距離L1が基準液滴化距離BDより大きい、即ち「遠い」場合には発光部31が赤色Rを発光し、第1距離L1が基準液滴化距離BDより小さい、即ち「近い」場合には発光部27が青色Bを発光し、第1距離L1が基準液滴化距離BDとみなせる、即ち「適切な距離」である場合には発光部29が緑色Gを発光するように構成されている。
【0039】
図3の中位の図(B)は、第1距離L1が基準液滴化距離BDより大きい場合と小さい場合を更に細かく2段階に分けた場合を示している。即ち「かなり遠い」場合には発光部41が赤色Rを発光し、「少し遠い」場合には発光部39がオレンジ色Oを発光する。「かなり近い」場合には発光部33が青色Bを発光し、「少し近い」場合には発光部35が黄色Yを発光する。第1距離L1が基準液滴化距離BDとみなせる、即ち「適切な距離」である場合には発光部37が緑色Gを発光する。
【0040】
図3の下位の図(C)では、上位の図(A)における発光部31を複数の4個に分割したものに相当する発光部47が設けられ、上位の図(A)における発光部27を複数の4個に分割したものに相当する発光部43が設けられている。第1距離L1が基準液滴化距離BDとみなせる、即ち「適切な距離」である場合には発光部45が緑色Gを発光する。
発光部47は、赤色Rを発光すると共に、ハンドピース6を対象物7に近づけるに連れて発光位置が緑色Gの発光部45に向かって移動するように構成されている。発光部43も青色Bを発光すると共に、ハンドピース6を対象物7から離すに連れて発光位置が緑色Gの発光部45に向かって移動するように構成されている。
このように発光位置を移動させることで、使用者がノズル3と対象物7との距離を修正する際に、ハンドピース6を移動させる方向を直感的に認識することができ、無駄な動作を削減して前記ずれの修正を行うことができる。
【0041】
<通知部が色等の表示を変える閾値>
表2は、通知部23で表示する色等の表示の切り換えの閾値の例示であり、送液流量(ml/min)に対して決まった基準液滴化距離(mm)に対して「固定距離」で定める閾値と「比率距離」で定める閾値が示されている。
「固定距離」で定める閾値は、基準液滴化距離(mm)を基準値として、それに対して固定値で設定されたものである。ここでは、前記固定値を10mmとして±10mmで2つの閾値が決められている。この2つの閾値は図3の上位の図(A)に対応する。
「比率距離」で定める閾値は、基準液滴化距離(mm)を基準値として、一定の比率で設定されたものである。前記比率が±10%で決められた2つの閾値と、前記比率が±30%で決められた2つの閾値を追加した全部で4つの閾値が決められている。この場合の2つの閾値は図3の上位の図(A)のパターンに対応し、4つの閾値は図3の中位の図(B)のパターンに対応する。
【0042】
【表2】
【0043】
[実施形態1の変形例]
ノズル3から噴射された液体は基準液滴化距離BDで連続流から液滴に分裂するが、その液滴が発生する衝撃圧は、基準液滴化距離BDの付近で最大となる。衝撃圧と基準液滴化距離BDからの第1距離L1のずれ量との関係を示すテーブルを表1や表2に倣って作れば、衝撃作用に合わせて第1距離L1の調整を行うための距離情報19を得ることが可能である。
図4は、第1距離L1の基準液滴化距離BDからのずれ量である基準液滴化距離差と衝撃圧と関係を示す図である。横軸は基準液滴化距離差であり、縦軸は衝撃圧であるが基準液滴化距離BDでの衝撃圧を基準値として規格化されている。
図4の上位の図(A)は、衝撃圧0.9を閾値とした場合である。図4の下位の図(B)は、衝撃圧0.9と衝撃圧0.8を閾値とした場合である。この場合、図4の上位の図(A)の閾値は図3の上位の図(A)のパターンに対応し、図4の下位の図(B)の閾値は図3の中位の図(B)のパターンに対応する。
【0044】
<実施形態1の作用の説明>
次に、図1から図4に基づいて、実施形態1の液体噴射装置1である歯科治療装置を用いて対象物7である歯の処置を行う場合を説明する。
先ず、使用者は、制御部21の前記制御パネルにおいて液体の流量情報11、液体の種類情報13、およびノズルの種類情報15を設定する。制御部21の処理回路20は、前記設定された液体の流量情報11、液体の種類情報13、およびノズルの種類情報15に対応する基準液滴化距離BDを記憶部18の前記テーブルから読み出す。本実施形態では、前記読み出された基準液滴化距離BDが前記制御パネルの表示窓36に表示される。
【0045】
使用者は、本体部5を有するハンドピース6を手に持って対象物7である歯にノズル3の噴射口16を接近させる。その際、使用者は、前記制御パネルの表示窓36を確認すれば基準液滴化距離BDが解る。
使用者は、ノズル3の噴射口16と歯との距離である第1距離L1が、前記確認した基準液滴化距離BDになるように意識してハンドピース6を移動する。
【0046】
そして、送液ポンプ10を駆動させる。液体タンク8内の液体4は、流路2を通ってハンドピース6に送られ、ノズル3の噴射口16から液体4が歯に向かって噴射される。
距離検出部9は、その状態における第1距離L1を実測する。その実測された第1距離L1は制御部21に送られる。制御部21の処理回路20は、前記実測された第1距離L1と前記読み出された基準液滴化距離BDとを比較し、基準液滴化距離BDと第1距離L1との差Dを含む距離情報19を導出する。ハンドピース6にある通知部23は、前記導出された距離情報19を視認可能な表示部25に表示する。
【0047】
これにより、使用者は距離情報19を容易に知ることができる。使用者は、距離情報19に基づいて第1距離L1が基準液滴化距離BDからずれていることが判った場合には、そのずれを解消する方向にハンドピース6を移動する。本実施形態では、表示部25の表示の変化、具体的には色の変化によってハンドピース6の移動方向を決めて移動する。第1距離L1が基準液滴化距離BDであると言える状態にまで移動すると、表示部25の色が変化し、その変化によってその位置にハンドピース6をキープして良いことを認識する。
治療を継続して、通知部23が現時点の第1距離L1が基準液滴化距離BDからずれていることを知らせる情報に変わったときは、前記動作と同様にして前記ずれを解消する方向にハンドピース6を移動する。
【0048】
<実施形態1の効果の説明>
(1)本実施形態によれば、使用者は、ノズル3から液体4を対象物7に向けて噴射する際に、通知部23によって距離情報19を知ることができる。即ち、使用者は、通知部23から報知される距離情報19によって、ノズル3と液体4が噴射される対象物7との間の実測距離である現時点の第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内にあるか、基準液滴化距離BDとされる範囲より大きいか、基準液滴化距離BDとされる範囲より小さいかを認識することができる。
これにより、使用者が現時点の第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内にないと認識した場合は、本体部5を移動させて第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内にある状態にノズル3を位置させることが可能となる。以って、液体噴射による対象物7の洗浄や破砕の効果が低下することを抑制することができる。
【0049】
(2)また、本実施形態によれば、通知部23は本体部5に設けられているので、使用者は、ノズル3から液体4を対象物7に向けて噴射する際に、対象物7の近くに位置する、言い換えると使用者の視界の範囲に位置する通知部23から距離情報19を得ることになる。これにより、使用者は、対象物7に対して液体4を噴射する作業を継続しながら、即ちその作業に意識を集中させた状態で、対象物7を見る視界の範囲に位置する通知部23からノズル3と対象物7との距離の状態を容易に認識することが可能になる。
【0050】
また、本実施形態によれば、通知部23は視認可能な表示部25であるので、使用者は対象物7が視界に入った状態で視覚を介して表示部25から距離情報19を得ることができる。これにより、使用者は正確性及び安全性の高い作業を続けることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、制御部21は距離情報19に応じて表示部25の色を変えるので、使用者は、距離情報19を表示部25の色の変化によって認識することが可能になる。これにより、使い勝手が良い液体噴射装置1を実現することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、異なる位置に配置される前記複数の発光部27,29,31等が異なる色、例えば青色B、緑色G,赤色R等を発光する。これにより、色の変化に加えて光る位置も変わることになるので、使用者は、距離情報19を一層容易に認識し易くなる。
【0053】
また、本実施形態によれば、第1距離L1との比較によって距離情報19を導出する際に使われる基準液滴化距離BDの情報がテーブル化されて記憶部18に記憶されている。これにより、距離情報19の導出を容易に行うことができる。
また、ノズル3から噴射された液体は基準液滴化距離BDで連続流から液滴に分裂するが、その液滴が発生する衝撃圧は、基準液滴化距離BDの付近で最大となる。そこで、前記テーブルとして、前記衝撃圧と基準液滴化距離BDからの第1距離L1のずれ量との関係を示すもの、即ち図4に対応するものにすれば、衝撃作用に合わせて第1距離L1の調整を行うための距離情報19を得ることが可能である。これにより、液体噴射による対象物7の洗浄機能や破砕機能を効果的に作用させることができる。
【0054】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る液体噴射装置1について、図5に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の液体噴射装置1では、通知部23はノズル3の噴射口16から噴射される液体4の噴射位置に向けて複数の色、ここでは赤色R、緑色G、青色Bの3種類のレーザー光49を照射可能なレーザー照射部51で構成される。図5の上位の図(A)は、赤色Rのレーザー光49を発光していることを示し、図3(A)の赤色Rを発光している場合に相当する。図5の中位の図(B)は緑色Gのレーザー光49を発光していることを示し、図3(A)の緑色Gを発光している場合に相当する。図5の下位の図(C)は青色Bのレーザー光49を発光していることを示し、図3(A)の青色Bを発光している場合に相当する。
制御部21は、距離情報19に応じてレーザー照射部51から発光されるレーザー光49の赤色R、緑色G、青色Bを切り換える。図5において、符号38はレーザー導光管を示す。
その他の構成は、実施形態1と同様であるので、同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用及び効果についてもその説明は省略する。
【0055】
<実施形態2の効果の説明>
本実施形態によれば、通知部23を成すレーザー照射部51は、ノズル3から噴射される液体4の噴射位置に向けて複数の色、即ち赤色R、緑色G、青色Bのレーザー光49を照射可能である。更に、制御部23は距離情報19に応じてレーザー光49の色、即ち赤色R、緑色G、青色Bを変える。これにより、使用者は、ノズル3から液体4を対象物7に向けて噴射する際に、液体4の噴射位置を視認した状態で、視線を移動することなく、距離情報19を得ることができる。
【0056】
[実施形態3]
次に、本発明の実施形態3に係る液体噴射装置1について、図6に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の液体噴射装置1では、制御部23は第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内に入った場合に液体4を噴射し、その範囲内に入っていない場合は液体4を噴射しないように構成されている。
【0057】
具体的には図6に示したように、距離情報処理回路24は、現時点の第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内に入った場合に「第1距離L1適正」として、ON信号を送液ポンプ駆動回路22に送る。これにより送液ポンプ10が駆動を開始し、ノズル3から液体4が対象物7に向かって噴射される。
一方、現時点の第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲外になった場合には「第1距離L1不適」として、OFF信号を送液ポンプ駆動回路22に送る。これにより送液ポンプ10は駆動を停止され、液体4の噴射も停止する。
その他の構成は、実施形態1と同様であるので、同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。また、実施形態1と同様の作用及び効果についてもその説明は省略する。
【0058】
<実施形態3の効果の説明>
本実施形態によれば、第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内に入っていない場合は液体4はノズル3から噴射されず、第1距離L1が基準液滴化距離BDとされる範囲内に入っている場合に液体4は噴射される。これにより、液体4を無駄に噴射しないで有効な噴射を行える。以って、無駄に噴射されてできる液溜まりによる衝撃作用の低下、浮遊ミストによる作業エリアの視認性の低下を抑制することができる。
【0059】
〔他の実施形態〕
本発明の実施形態に係る液体噴射装置1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことは勿論可能である。
【0060】
(1)上記実施形態の説明では、第1距離L1を基準液滴化距離BDとされる範囲に位置させるようにハンドピース6を移動させる観点から説明したが、本実施形態の液体噴射装置の構成によれば、以下のような使い方も可能である。
第1距離L1が基準液滴化距離BDから大きく外れている場合は、噴射された液体4の衝撃圧が低い。そのため、対象物7を破壊、損傷させることがないだけでなく、対象物7より強度の弱い箇所に液体4が照射されても、これらを傷つけることがない。この特性を利用し、意図的に、通知部23が赤色又は青色に点灯する状態で使用する、又は赤色レーザー又は青色レーザーが発光されている状態で使用することにより、対象物表面の破砕屑や汚れのみを洗い流すことができる。
このように、通知部23から確認される情報を下に、ハンドピース6の手元操作でもって、衝撃圧の強弱を容易に制御することができるため、「破壊・洗浄」と「照射対象物温存、表面洗い流し」の両作用を自在に選択しながらの作業が可能となる。
【0061】
(2)上記実施形態では、通知部23は、距離情報19を視認可能な形で表示部25に表示することによって使用者に距離情報19を知らせる場合を説明した。使用者に距離情報19を知らせるやり方としては、視認可能な表示部25によるやり方に限定されない。例えば、使用者が聴覚で認識できる形のやり方でもよい。使用者がイヤホンを付けて、そのイヤホンに距離情報19を送る、或いは外部スピーカーを介して距離情報19を使用者に知らせる等の形にしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 液体噴射装置、2 流路、3 ノズル、4 液体、5 本体部、
6 ハンドピース、7 対象物、8 液体タンク、9 距離検出部、10 送液ポンプ、
11 液体の流量、13 液体の種類情報、15 ノズルの種類情報、
16 噴射口、18 記憶部、19 距離情報、20 処理回路、21 制御部、
22 送液ポンプ駆動回路、23 通知部、24 距離情報処理回路、25 表示部、
26 第1距離の検出信号、27 発光部、28 ノズル本体、29 発光部、
30 信号線、31 発光部、32 表示窓、33 発光部、34 設定可能流量範囲、35 発光部、36 表示窓、37 発光部、39 発光部、41 発光部、
43発光部、45 発光部、47 発光部、49 レーザー光、
51 レーザー照射部、BD 基準液滴化距離、D 差、L1 第1距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6