(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】車両のドアハンドル構造
(51)【国際特許分類】
E05B 85/16 20140101AFI20241001BHJP
E05B 81/06 20140101ALI20241001BHJP
E05B 81/16 20140101ALI20241001BHJP
E05B 79/22 20140101ALI20241001BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
E05B85/16 D
E05B81/06
E05B81/16
E05B79/22 A
B60J5/04 H
(21)【出願番号】P 2021015642
(22)【出願日】2021-02-03
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】守山 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】倉本 英介
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0102773(US,A1)
【文献】特開2019-157424(JP,A)
【文献】特開2020-037846(JP,A)
【文献】特開2020-094455(JP,A)
【文献】特開2015-206259(JP,A)
【文献】特開2018-115544(JP,A)
【文献】特表2013-534286(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0019261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 - 85/28
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネルから出没可能なレバーを有するヒンジアームと、
上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、
上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、
上記駆動装置により上記レバーの格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、
上記把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、
上記レバーが上記格納位置にある時、上記レバーの一端を押圧することで、上記レバーの少なくとも一部がドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに揺動可能に固定され
、
上記レバーを収容し上記ドアパネルに固定されるブラケットを備え、
上記ヒンジアームは上記レバーの内部に配置されるレバー支持部を備え、
上記レバーは、上記ブラケットと当接して当該レバーの揺動時に支点となる突出部を備えた
車両のドアハンドル構造。
【請求項2】
ドアパネルから出没可能なレバーを有するヒンジアームと、
上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、
上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、
上記駆動装置により上記レバーの格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、
上記把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、
上記レバーが上記格納位置にある時、上記レバーの一端を押圧することで、上記レバーの少なくとも一部がドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに揺動可能に固定され
、
上記ヒンジアームは上記レバーの内部に配置されるレバー支持部を備え、
上記レバーを上記レバー支持部に対して、当該レバーの長手方向に直交する方向に延びる支軸で揺動可能とし、
上記レバーは上記支軸の端部を覆うカバー部を備えた
車両のドアハンドル構造。
【請求項3】
上記ヒンジアームは、一端に上記レバーを有し、該レバーが上記ドアパネルから突出するように回転させる回転支軸を備えるとともに、
上記ヒンジアームは、上記回転支軸を枢支する枢支部と、上記枢支部からスワンネック形状のネック部を介して車両後方に延びるレバー支持部と、上記枢支部から車両前方に延びる延出部と、を一体的に備え、
上記ヒンジアームの上記延出部に対して上記駆動装置により動力を伝達してレバーをドアパネルから突出させる
請求項1または請求項2に記載の車両のドアハンドル構造。
【請求項4】
上記ヒンジアームは全体が金属製である
請求項1~3の何れか一項に記載の車両のドアハンドル構造。
【請求項5】
上記レバー支持部は、上記レバーの当該レバー支持部に対する揺動方向に抵抗を生じる付勢手段を備えた
請求項1~
4の何れか一項に記載の車両のドアハンドル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアハンドルレバーの格納時に当該ドアハンドルレバーとドアアウタパネルとが面一になるような車両のドアハンドル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、フラッシュサーフェイス(flush surface)構造のドアハンドルレバー(ドアアウタハンドルと同意)を、ブラケットに設けられる回転軸で電動回転させるシーソ式と成したものが知られている。
【0003】
上記シーソ式の構造においては、回転軸の一端側のみが回動するため、ドアハンドルレバーの把持位置への回動時に、ユーザの手指がかけられる領域が狭く、ドアハンドルレバー(いわゆるレバー)の操作性が悪いといった問題点がある。
【0004】
一方、特許文献2に開示されているように、ドアハンドルレバーの操作性を改善するために、当該ドアハンドルレバーの全体をドアアウタパネル外方へ突出する構造も知られている。
しかしながら、特許文献2に開示された従来構造においては、ドアハンドルレバーを駆動するモータの故障時に、当該ドアハンドルレバーを引出すための凹溝をドアアウタパネルに設ける必要があり、見映えが悪化するという新たな問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-94455号公報
【文献】米国特許出願公開第2003/0019261号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、レバーがドアパネルから突出し、レバーの操作性がよく、万一駆動装置が故障しても、レバーの一端を押圧することで当該レバーの一部をドアパネルから突出させて把持でき、ドアパネルに凹溝を形成することなくドアハンドルを操作することができる車両のドアハンドル構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車両のドアハンドル構造は、ドアパネルから出没可能なレバーを有するヒンジアームと、上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、上記駆動装置により上記レバーの格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、上記把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、上記レバーが上記格納位置にある時、上記レバーの一端を押圧することで、上記レバーの少なくとも一部がドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに揺動可能に固定され、上記ヒンジアームは上記レバーの内部に配置されるレバー支持部を備え、上記レバーは、上記レバーを収容し上記ドアパネルに固定されるブラケットと当接して当該レバーの揺動時に支点となる突出部を備えた、あるいは上記レバーを上記レバー支持部に対して当該レバーの長手方向に直交する方向に延びる支軸で揺動可能として、上記レバーは上記支軸の端部を覆うカバー部を備えたものである。後者の場合、上述の支軸はレバー支持部に対して一体であっても、別体であってもよい。
【0008】
上記構成によれば、レバーが格納位置にあっても、当該レバーの一端を押圧することで、該レバーの少なくとも一部がドアパネルから突出するので、レバーの操作性がよく、駆動装置が万一故障しても、レバーがヒンジアームに対して揺動するので、当該レバーの把持が可能となる。
また、ドアパネルに凹溝を形成する必要がなく、ドアハンドルを操作可能と成すことができ、フラッシュサーフェイス構造を達成することができる。
【0009】
さらに、上記レバーの格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネルから突出してユーザが把持できるので、レバーの把持位置への回動時に、ユーザの手指をかけられる領域を広くでき、レバーの操作がよい。
【0010】
レバーがヒンジアームのレバー支持部に対して揺動する構成であり、レバーに揺動時の支点となる突出部を備えた場合には、レバーの支軸を必要とせず揺動できるので、レバーがドアパネルから突出してもデザイン性を損なうことがなく、レバーを支軸で揺動可能にするとともに支軸の端部を覆うカバー部を備えた場合には、レバーがドアパネルから突出しても当該レバーの支軸は外側から見えないので、デザイン性を損なうことがない。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記ヒンジアームは、一端に上記レバーを有し、該レバーが上記ドアパネルから突出するように回転させる回転支軸を備えるとともに、上記ヒンジアームは、上記回転支軸を枢支する枢支部と、上記枢支部からスワンネック形状のネック部を介して車両後方に延びるレバー支持部と、上記枢支部から車両前方に延びる延出部と、を一体的に備え、上記ヒンジアームの上記延出部に対して上記駆動装置により動力を伝達してレバーをドアパネルから突出させるものである。
【0012】
上記構成によれば、ヒンジアームの他端側に設けた駆動装置を駆動することで、ヒンジアームは回転支軸を中心として回動し、ヒンジアーム一端のレバーをドアパネルから突出させる。このように、簡単な構造で上記レバーの意匠面全体をドアパネルから突出させることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記ヒンジアームは全体が金属製である。
【0014】
上記構成によれば、高剛性に構成できるので、レバーを把持位置から開放位置へ操作する際に、大きい操作力が付加されても、これら各要素の破損を防止することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記レバー支持部は、上記レバーの当該レバー支持部に対する揺動方向に抵抗を生じる付勢手段を備えたものである。
上述の付勢手段としては、板ばねやコイルスプリングを用いることができる。
【0016】
上記構成によれば、レバーがレバー支持部に対して揺動可能に構成されても、通常使用時においてレバーががたつくことなく、レバーの操作性を維持することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、レバーがドアパネルから突出し、レバーの操作性がよく、万一駆動装置が故障しても、レバーの一端を押圧することで当該レバーの一部をドアパネルから突出させて把持でき、ドアパネルに凹溝を形成することなくドアハンドルを操作することができる効果がある。そして、レバーがドアパネルから突出してもデザイン性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の車両のドアハンドル構造を備えた車両の側面図。
【
図3】レインフォースメントの配置構造を示す内側面図。
【
図4】レバーの格納状態を示す
図1のA-A線矢視断面図。
【
図6】
図5からレバーを取り除いた状態で示す斜視図。
【
図8】レバーのインナカバーとヒンジアームを示す外側面図。
【
図15】緊急時におけるレバー前端押圧位置を仮想線で示す平面図。
【
図16】車両のドアハンドル構造の他の実施例を示す分解斜視図。
【
図17】レバーにおけるアウタカバーを車幅方向内側から見た状態で示す斜視図。
【
図18】
図16のドアハンドル構造のアウタカバーを取外して示す外側面図。
【
図19】車両のドアハンドル構造のさらに他の実施例を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
レバーがドアパネルから突出し、レバーの操作性がよく、万一駆動装置が故障しても、レバーの一端を押圧することで当該レバーの一部をドアパネルから突出させて把持でき、ドアパネルに凹溝を形成することなくドアハンドルを操作するという目的を、ドアパネルから出没可能なレバーを有するヒンジアームと、上記レバーが上記ドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに動力を伝達する駆動装置と、を備え、上記レバーは、上記ドアパネルと面一になる格納位置と、上記駆動装置により上記レバーの格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネルから突出してユーザが把持できる把持位置と、上記把持位置よりもさらに突出する開放位置と、の間で回動可能に構成され、上記レバーが上記格納位置にある時、上記レバーの一端を押圧することで、上記レバーの少なくとも一部がドアパネルから突出するように上記ヒンジアームに揺動可能に固定されるという構成にて実現した。
【実施例1】
【0020】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のドアハンドル構造を示し、
図1は当該ドアハンドル構造を備えた車両の側面図、
図2は
図1の要部拡大側面図、
図3はレインフォースメントの配置構造を示す内側面図である。
【0021】
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。また本発明の車両のドアハンドル構造は、4ドアタイプの車両のフロントドア、リヤドアやリフトゲート等にも適用できるが、以下の実施例においては2ドアタイプの車両のドアに適用した構造について述べる。
【0022】
図1に示すように、車室前方部において上下方向に延びるヒンジピラー1と、車両下部において車両前後方向に延びるサイドシル2と、ヒンジピラー1の上端から後方かつ上方に向けて斜め方向に延びるフロントピラー3と、フロントピラー3の後端に連続して車両後方に延びるルーフサイドレール4と、ルーフサイドレール4とサイドシル2とを略上下方向に連結する後部ピラー5と、を備えている。
【0023】
上述のヒンジピラー1、サイドシル2、フロントピラー3、ルーフサイドレール4および後部ピラー5で囲繞されたドア開口部6を形成している。
上述のヒンジピラー1に上下一対のドアヒンジ7,7を介して開閉可能に取付けたサイドドア8により、上記ドア開口部6を開閉すべく構成している。
【0024】
図1、
図2に示すように、サイドドア8はドア本体9とドアウインド部材としてのドアウインドガラス10とを有しており、
図2、
図3に示すように、ドア本体9はドアアウタパネル11と、図示しないドアインナパネルと、ドアアウタパネル11の車幅方向内側かつ後部側に設けられたレインフォースメント12と、を備えている。
【0025】
図3に示すように、ドアパネルとしてのドアアウタパネル11の後部上側には、後述するレバー20を収容する開口部13と、当該開口部13の縁部を全周にわたるバーリング加工により折曲げ形成したフランジ部14と、を備えている。
【0026】
また、
図3に示すように、レインフォースメント12の上部および下部には上部開口12a、下部開口12bがそれぞれ形成されると共に、これら上下の各開口12a,12b間には、後述するブラケット50を取付けるための開口部12cが形成されている。
【0027】
図4はレバーの格納状態を示す
図1のA-A線矢視断面図、
図5はレバーおよびヒンジアームの斜視図、
図6は
図5からレバーを取り除いた状態で示す斜視図、
図7はレバーを含むブラケットの外側面図、
図8はレバーのインナカバーとヒンジアームを示す外側面図、
図9はインナカバーの外側面図、
図10は
図7のB-B線矢視図である。
【0028】
また、
図11は駆動装置を示す平面図、
図12はレバーの把持位置を示す平面図、
図13はレバーの開放位置を示す平面図、
図14はスイッチ押圧位置を仮想線で示す平面図、
図15は緊急時におけるレバー前端押圧位置を仮想線で示す平面図である。
【0029】
図4に示すように、ドアハンドル構造は、ドアパネルとしてのドアアウタパネル11の開口部13から出没可能なレバー20(詳しくはドアハンドルレバー)と、該レバー20を有するスワンネック(swan-neck)構造のヒンジアーム30と、レバー20がドアアウタパネル11から突出するようにヒンジアーム30に動力を伝達する駆動装置40と、を備えている。また、レバー20を収容しドアパネルとしてのレインフォースメント12に固定されるブラケット50を備えている。
【0030】
上述のレバー20は、
図4、
図5に示すアウタカバー21と、
図4、
図9に示すインナカバー22との周縁部を凹凸嵌合および接合固定したもので、該レバー20およびドアアウタパネル11の開口部13は側面視で車両前後方向に長い長円形状に形成されている。
【0031】
図9に示すように、上述のインナカバー22の前側には、組付け時にヒンジアーム30を挿通させる開口23が形成されている。当該開口23の前部口縁には、
図4、
図9に示す前側壁部24が形成されている。
【0032】
また
図9に示すように、インナカバー22の底壁22a中央には、当該インナカバー22の長手方向に延びるセンタリブ25が形成されている。また該センタリブ25の上下にはインナカバー22の長手方向に延びる上下のサイドリブ26,26が形成されている。さらに、これら上下の各サイドリブ26,26の後端を上下方向に連結する後側壁部27が設けられている。ここで、上述の各リブ25,26および後側壁部27はインナカバー22の底壁22aから外方に突出するものである。
【0033】
図5、
図10に示すように、上述のインナカバー22外側におけるヒンジアーム30が挿通する開口23(
図9参照)の前部には、ブラケット50の対向壁51と当接して前記レバー20の揺動時に支点となる舌片形状の突出部28が形成されている。
【0034】
また、
図5に示すように、上述の開口23(
図9参照)の車幅方向内側には、ヒンジアーム30を離間して囲繞する筒部29が形成されている。
上述のヒンジアーム30は、
図4に示すように、一端(この実施例では後端)に上述のレバー20を有し、該レバー20がドアアウタパネル11から突出するように回転させる回転支軸としてのヒンジピン31を備えている。このヒンジピン31は上述のブラケット50に固定され上下方向に指向している。
【0035】
また、上述のヒンジアーム30は、
図4に示すように、ヒンジピン31を枢支する枢支部32と、この枢支部32からスワンネック形状のネック部33を介して後方に延びるレバー支持部34と、枢支部32から上記ネック部33とは反対側の前方に延びる延出部35と、を一体的に備えている。上述のレバー支持部34は、アウタカバー21とインナカバー22とから成るレバー20の内部に配置されている。
【0036】
図4に示すように、ヒンジアーム30の延出部35には、駆動装置40をアセンブリするモータベース41が取付けられている。
また、
図4に示すように、上述のヒンジピン31と同軸上には、クランクプレート60が設けられている。このクランクプレート60の後側かつ車幅方向外側には、レバー20およびヒンジアーム30が把持位置(
図12参照)に回動した時、ヒンジアーム30のネック部33と当接係止される縦壁61が一体形成されている。
【0037】
さらに、上述のクランクプレート60の車幅方向内端部には、ドアラッチ(図示せず)を解除するレリーズワイヤ62が固定されている。このクランクプレート60はバネ力が大きいコイルスプリング(図示せず)により常時反レリーズ方向にバネ付勢されている。
【0038】
一方、上述のヒンジピン31にはトーションスプリング36が巻回されており、このトーションスプリング36の一端36aが
図4に示すクランクプレート60に係止され、トーションスプリング36の他端36bが
図5に示すように、ヒンジアーム30の延出部35に係止されている。これにより、該トーションスプリング36によりレバー20を常時格納方向にバネ付勢している。
このトーションスプリング36のバネ力は、クランクプレート60を反レリーズ方向に付勢するコイルスプリング(図示せず)に対して、小さく設定されている。
【0039】
図4、
図6に示すように、上述のレバー支持部34は、レバー20の当該レバー支持部34に対する揺動方向に抵抗を生じる付勢手段としての板バネ37を備えている。
すなわち、上述のレバー支持部34のアウタカバー21と対向する側に、板バネ37を係止する前後一対の係止凹部34a,34aを凹設形成し、これら一対の係止凹部34a,34a間に上記板バネ37を、車幅方向外方に突出して湾曲するように配置している。この板バネ37の車幅方向外端部は、上述のアウタカバー21に当接している。
【0040】
これにより、レバー20がレバー支持部34に対して揺動可能に構成されても、通常使用時においてレバー20ががたつくことなく、レバー20の操作性を維持するように構成している。
【0041】
次に、
図11を参照してヒンジアーム30の他端側(延出部35参照)に動力を伝達する駆動装置40の構成について説明する。
図4、
図12~
図15では便宜上、図示省略したが、この駆動装置40はヒンジピン31と同軸上に固定したセクタギヤG1を備えている。このセクタギヤG1はヒンジピン31に嵌合されると共に、上述のブラケット50に取付けられていて、位置不変に形成されている。
【0042】
上述のモータベース41にはモータ42が取付けられている。モータ42の回転軸43には出力ギヤG2が嵌合されている。モータベース41に設けられた軸44にはピニオンギヤG3を備えたアイドルギヤG4が設けられている。また、モータベース41に設けられた別の軸45には、ピニオンギヤG5を備えた従動ギヤG6が設けられている。
【0043】
図11に示すように、出力ギヤG2はアイドルギヤG4と噛合している。ピニオンギヤG3は従動ギヤG6と噛合している。ピニオンギヤG5はセクタギヤG1と噛合している。これにより、モータ42を駆動して、その回転軸43および出力ギヤG2を、
図11の反時計方向に回転させると、各ギヤG2,G4,G3,G6をこの順に介してピニオンギヤG5が
図11の反時計方向に回転する。
【0044】
ピニオンギヤG5が
図11の反時計方向に回転すると、セクタギヤG1は位置不変であるから、各要素G2~G6から成る歯車列46(gear train)と、モータ42と、モータベース41とは、セクタギヤG1の扇形状に沿ってレバー20突出方向に移動し、ヒンジアーム30を介してレバー20を突出させる。
【0045】
上述のレバー20は、そのアウタカバー21がドアアウタパネル11と面一になる格納位置(
図4参照)と、駆動装置40によりレバー20の格納位置において面一になる意匠面全体がドアアウタパネル11から突出してユーザが把持できる把持位置(
図12参照)と、この把持位置よりもさらに突出する開放位置(
図13参照)と、の間で回動可能に構成されている。
【0046】
図4に示す格納位置から
図12に示す把持位置までの間は、駆動装置40によりレバー20を回動することができる。また、ヒンジアーム30が
図4に示す格納位置から
図12に示す把持位置に達するまでの間においては、クランクプレート60は動くことなく、バネ力の強いコイルスプリング(図示せず)により反レリーズ方向に付勢されている。
【0047】
図12に示す把持位置においては、レバー20がドアアウタパネル11から外方に突出してユーザが当該レバー20を把持できるので、
図12に示す把持位置から
図13に示す開放位置へはユーザによりレバー20を開放することができる。
【0048】
図12に示すようにヒンジアーム30が把持位置に達すると、当該ヒンジアーム30のネック部33がクランクプレート60の縦壁61に当接するので、図示しないコイルスプリングのバネ力に抗してレバー20が開放方向に回動操作されると、クランクプレート60がレリーズ方向に回動し、レリーズワイヤ62を介してドアラッチを解除する。
【0049】
ところで、上述のブラケット50は、
図4に示すように、開口部13と連通するレバー20の格納空間52と、ヒンジアーム30の挿通孔53とを備えている。
また、上述のブラケット50は、
図7に示すように、前側取付け部54と、上側取付け部55と、下側取付け部56と、後側取付け部57と、を備えている。
【0050】
図7、
図3に示すように、ブラケット50の前側取付け部54はレインフォースメント12の開口部12c周縁の前側取付け座12dに締結固定される。同様に上側、下側の各取付け部55,56はレインフォースメント12の開口部12c周縁の上側取付け座12e、下側取付け座12fにそれぞれ締結固定される。
【0051】
図3、
図4に示すように、レインフォースメント12の開口部12cにおける後側周縁には、車幅方向外方に延びる切起こし部12gが一体形成されており、
図7に示すブラケット50の後側取付け部57は、上記切起こし部12gに締結固定される。
【0052】
一方、
図4に示すように、レバー20の後端部、詳しくはインナカバー22の後端部と対向するブラケット50の後端側の車幅方向内側にはスイッチ70が配置されている。
このスイッチ70は押圧操作時にONとなり、モータ42への通電を行なうものである。
【0053】
また、上記スイッチ70の前側近傍におけるブラケット50にはキーシリンダ15が配置されている。
さらに、
図4に示すように、レバー20の格納位置において、ヒンジアーム30のネック部33とキーシリンダ15との間のブラケット50の所定位置には、ヒンジアーム30を
図12に示す把持位置で仮保持する仮保持機構80が配置されている。
【0054】
図14に示すように、上記レバー20はヒンジアーム30のレバー支持部34に対して揺動可能に設けられているので、格納位置にあるレバー20の後端部を外方から押圧すると、
図14に仮想線αで示すように、レバー20の後端部が車幅方向内側に揺動変位して、スイッチ70をONにするスイッチ押圧位置となる。
【0055】
図15に示すように、上記レバー20が格納位置にある時、当該レバー20の前端を押圧することで、レバー20の少なくとも一部(この実施例ではレバー20の後側)が同図に仮想線βで示す如く、ドアアウタパネル11から突出するように、該レバー20はヒンジアーム30のレバー支持部34に揺動可能に固定されている。
【0056】
上述のレバー20を
図15に実線で示す格納位置から同図に仮想線βで示す前端押圧位置に揺動させる場合、
図10で示した突出部28がブラケット50の対向壁51に当接し、該突出部28を支点としてレバー20を揺動させることができる。このため、レバー20がレバー支持部34に対して安定して揺動し、レバー20の後端を把持可能にドアアウタパネル11から突出させることができ、特に、駆動装置40の故障時に有利となる。
【0057】
上述のレバー20の前端押圧時には、当該レバー20の突出部28が支点となるのみならず、
図15に示すインナカバー22の前側壁部24および後側壁部27がレバー支持部34の前後端に当接してガイドとなるので、レバー20はレバー支持部34に対して安定して揺動するものである。
【0058】
なお、
図6において、38はレバー20のインナカバー22とブラケット50との間をシールする部材であり、このシール部材38は
図6のみに図示し、他図においては便宜上、その図示を省略している。
【0059】
このように、
図1~
図15で示した実施例1の車両のドアハンドル構造は、ドアパネル(ドアアウタパネル11)から出没可能なレバー20を有するヒンジアーム30と、上記レバー20が上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出するように上記ヒンジアーム30に動力を伝達する駆動装置40と、を備え、上記レバー20は、上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)と面一になる格納位置(
図4参照)と、上記駆動装置40により上記レバー20の格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出してユーザが把持できる把持位置(
図12参照)と、上記把持位置よりもさらに突出する開放位置(
図13参照)と、の間で回動可能に構成され、上記レバー20が上記格納位置にある時、上記レバー20の一端(この実施例では前端)を押圧することで、上記レバー20の少なくとも一部がドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出するように上記ヒンジアーム30に揺動可能に固定されたものである(
図4、
図12、
図13、
図15参照)。
【0060】
この構成によれば、レバー20が格納位置にあっても、当該レバー20の一端を押圧することで、該レバー20の少なくとも一部がドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出するので、レバー20の操作性がよく、駆動装置40が万一故障しても、レバー20がヒンジアーム30に対して
図15に仮想線βで示すように、揺動するので、当該レバー20の把持が可能となる。
【0061】
また、ドアパネル(ドアアウタパネル11)に凹溝(特許文献2参照)を形成する必要がなく、ドアハンドルを操作可能と成すことができ、フラッシュサーフェイス構造を達成することができる。
【0062】
さらに、上記レバー20の格納位置において面一になる意匠面全体が上記ドアパネルから突出してユーザが把持できるので、レバー20の把持位置への回動時に、ユーザの手指をかけられる領域を広くでき、レバー20の操作がよい。
【0063】
また、この発明の一実施形態においては、上記ヒンジアーム30は、一端(この実施例では後端)に上記レバー20を有し、該レバー20が上記ドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出するように回転させる回転支軸(ヒンジピン31)を備え、上記駆動装置40は、上記ヒンジアーム30の他端側(この実施例では前端側)に動力を伝達するものである(
図4参照)。
【0064】
この構成によれば、ヒンジアーム30の他端側に設けた駆動装置40を駆動することで、ヒンジアーム30は回転支軸(ヒンジピン31)を中心として回動し、ヒンジアーム30一端のレバー20をドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出させる。このように、簡単な構造で上記レバー20の意匠面全体をドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出させることができる。
【0065】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記レバー20を収容し上記ドアパネル(レインフォースメント12)に固定されるブラケット50を備え、上記ヒンジアーム30は上記レバー20の内部に配置されるレバー支持部34を備え、上記レバー20は、上記ブラケット50と当接して当該レバー20の揺動時に支点となる突出部28を備えたものである(
図10参照)。
【0066】
この構成によれば、レバー20の一端(この実施例では前端)にドアパネル(ドアアウタパネル11)に直交する方向の押圧力が入力されると、レバー20はブラケット50と当接する突出部28を支点として揺動するので、当該レバー20がレバー支持部34に対して揺動し、レバー20の他端(この実施例では後端)を把持可能にドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出させることができる。このため、駆動装置40の故障時に特に有利となる。
また、レバー20の支軸を必要とせず揺動できるので、レバー20がドアパネルから突出してもデザイン性を損うことがない。
【0067】
さらにまた、この発明の一実施形態においては、上記レバー支持部34は、上記レバー20の当該レバー支持部34に対する揺動方向に抵抗を生じる付勢手段(板バネ37参照)を備えたものである(
図4、
図6参照)。
【0068】
この構成によれば、レバー20がレバー支持部34に対して揺動可能に構成されても、上記付勢手段のバネ力により、通常使用時においてレバー20ががたつくことなく、レバー20の操作性を維持することができる。
【実施例2】
【0069】
次に、
図16、
図17、
図18を参照して車両のドアハンドル構造の実施例2について説明する。
図16はドアハンドル構造を示す分解斜視図、
図17はレバーにおけるアウタカバーを車幅方向内側から見た状態で示す斜視図、
図18は
図16のドアハンドル構造のアウタカバーを取外して示す外側面図である。
【0070】
図16~
図18で示すこの実施例2においても、ヒンジレバー30はレバー20の内部に配置されるレバー支持部34を備えている。
上述のレバー支持部34の長手方向中間部には、当該レバー支持部34から外方(この実施例では上下方向)に突出する支軸39を一体に備えている。この支軸39はレバー20の長手方向に直交する方向(つまり、上下方向)に延びている。
【0071】
図17に示すように、アウタカバー21には、上記支軸39のレバー支持部34から突出した部位を受ける半割り構造かつ一対の軸受部21A,21Aを一体形成している。
同様に、
図16、
図18に示すように、インナカバー22には、上記支軸39のレバー支持部34から突出した部位を、上記軸受部21A,21Aと協働して受ける半割り構造かつ一対の軸受部22A,22Aを一体形成している。
【0072】
そして、アウタカバー21とインナカバー22とを凹凸嵌合した時、一対の半割り構造の軸受部21A,22Aにて支軸39を軸支するように構成している。これにより、上記レバー20をレバー支持部34に対して、当該レバー20の長手方向に直交する方向(つまり、上下方向)に延びる支軸39で揺動可能に構成したものである。
【0073】
さらに、上述のレバー20を構成するアウタカバー21およびインナカバー22には上記支軸39の端部を覆うカバー部21B,22Bが備えられている。
これらの各カバー部21B,22Bは、特別なカバー部を別途形成することなく、アウタカバー21、インナカバー22の支軸39端部と対向する部位を上記カバー部21B,22Bと成したものである。
【0074】
このように、
図16~
図18で示した実施例2においては、上記ヒンジアーム30は上記レバー20の内部に配置されるレバー支持部34を備え、上記レバー20を上記レバー支持部34に対して、当該レバー20の長手方向に直交する方向に延びる支軸39で揺動可能とし、上記レバー20は上記支軸39の端部を覆うカバー部21B,22Bを備えたものである(
図16~
図18参照)。
【0075】
この構成によれば、上述の支軸39により、レバー20がレバー支持部34に対して揺動可能となり、また、レバー20は支軸39の端部を覆うカバー部21B,22Bを備えているので、レバー20がドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出しても当該レバー20の支軸39は外側から見えないので、デザイン性を損なうことがない。
【0076】
図16~
図18で示したこの実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1とほぼ同様であるから、
図16~
図18において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例3】
【0077】
次に、
図19、
図20を参照して車両のドアハンドル構造の実施例3について説明する。
図19は車両のドアハンドル構造の実施例3を示す分解斜視図、
図20は
図19で示したドアハンドル構造の断面図である。
【0078】
この実施例3においてはヒンジアーム30の全体を金属製と成している。また、該ヒンジアーム30はレバー20の内部に配置されるレバー支持部を有するが、このレバー支持部は、ヒンジアーム30の先端に一体形成された固定支持部34Aと、この固定支持部34Aに対して揺動可能に構成された可動支持部34Bとに2分割している。
上述の可動支持部34Bは金属製の補強部材にて構成されている。
【0079】
上述の可動支持部34Bは、外壁34bと、この外壁34bの上下両端から車幅方向内方に延びる一対の側壁34c,34cと、外壁34bの前端部に形成されたガイド孔34dと、外壁34bの後端部に対して車幅方向内側に段下げ形成された舌片34eと、この舌片34eに形成されたガイド孔34fと、を備えている。
また、可動支持部34Bの一対の側壁34c,34cには、後述する支軸90を貫通配置する孔部34gが開口形成されている。
【0080】
一方、固定支持部34Aには、支軸90を挿通する挿通孔34hが形成されると共に、この固定支持部34Aの先端側(この実施例では後端側)には凹部34iが一体形成されている。また、該凹部34iの凹底部から車幅方向外方に延びるガイドピン34jが一体形成されている。ここで、上記支軸90は可動支持部34Bの長手方向に直交する方向(つまり上下方向)に延びている。
【0081】
レバー20におけるインナカバー22の底壁22aには、その前側および後側の両部位において、スペーサ22b,22bを介してガイドピン22c,22cが突出形成されている。
【0082】
図19、
図20に示すように、固定支持部34Aに可動支持部34Bの前側を被せ、可動支持部34B側の孔部34gと固定支持部34A側の挿通孔34hとを一致させ、これらの孔部34gと挿通孔34hとに金属製の支軸90を挿通配置している。
また
図20に示すように、インナカバー22側のガイドピン22cを、可動支持部34Bのガイド孔34d,34fに貫通させている。
【0083】
さらに、固定支持部34Aの凹部34iと、可動支持部34Bの外壁34bとの間には、ガイドピン34jで案内されるコイルスプリング91を張架して、可動支持部34Bの後方側を前方側に付勢している。
【0084】
つまり、この実施例3においては、固定支持部34Aに対して可動支持部34Bを、支軸90を支点として揺動可能に構成したもので、レバー20はヒンジアーム30に対して上記可動支持部34Bを介して揺動可能に構成されている。
【0085】
さらに、この実施例3においては、固定支持部34Aを有するヒンジアーム30と、可動支持部34Bと、支軸90とを、何れも金属製で高剛性の部材にて形成することにより、レバー20を把持位置から開放位置へ操作する際に、大きい操作力(例えば、約50kg程度の操作力)が付加されても、これら各要素30,34A,34B,90の破損を防止することができる。
【0086】
このように、
図19、
図20で示した実施例3においても、上記ヒンジアーム30は上記レバー20の内部に配置されるレバー支持部(固定支持部34A、可動支持部34B)を備え、上記レバー20を上記レバー支持部(特に、固定支持部34A参照)に対して、当該レバー20の長手方向に直交する方向に延びる支軸90で揺動可能とし、上記レバー20は上記支軸90の端部を覆うカバー部21B,22Bを備えたものである。
【0087】
この構成によれば、上述の支軸90により、レバー20がレバー支持部(固定支持部34A)に対して揺動可能となり、また、レバー20は支軸90の端部を覆うカバー部21B,22Bを備えているので、レバー20がドアパネル(ドアアウタパネル11)から突出しても当該レバー20の支軸90は外側から見えないので、デザイン性を損なうことがない。
【0088】
図19、
図20で示したこの実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1、2とほぼ同様であるから、
図19、
図20において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0089】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のドアパネルは、実施例のレインフォースメント12を含むドアアウタパネル11に対応し、
以下同様に、
回転支軸は、ヒンジピン31に対応し、
レバー支持部は、レバー支持部34、または、固定支持部34Aと可動支持部34Bとから成るレバー支持部に対応し、
付勢手段は、板バネ37に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0090】
例えば、上記実施例においては、車両のドアハンドル構造を2ドアタイプの車両のドアに適用した構造を例示したが、この発明は4ドアタイプの車両のフロントドア、リヤドアやリフトゲート等にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上説明したように、本発明は、ドアハンドルレバーの格納時に、ドアハンドルレバーとドアアウタパネルとが面一になるような車両のドアハンドル構造について有用である。
【符号の説明】
【0092】
11…ドアアウタパネル(ドアパネル)
20…レバー
21B,22B…カバー部
28…突出部
30…ヒンジアーム
31…ヒンジピン(回転支軸)
34…レバー支持部
34A…固定支持部(レバー支持部)
34B…可動支持部(レバー支持部)
37…板バネ(付勢手段)
39,90…支軸
40…駆動装置
50…ブラケット