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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241001BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G03G15/08 349
H04N1/00 519
G03G15/08 322C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021039505
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022139221
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽田 智久
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109326(JP,A)
【文献】特開2011-081289(JP,A)
【文献】特開2018-076930(JP,A)
【文献】特開2021-113878(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0050131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/18
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体にトナーを供給する現像装置と、
前記現像装置に補給される前記トナーを収容する第1コンテナ及び第2コンテナと、
前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーを前記現像装置に補給するトナー補給装置と、
を備え、
前記トナー補給装置は、
前記現像装置に接続され、前記トナーが前記現像装置内に流入する単一の補給管と、
前記第1コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第1コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される第1搬送管と、
前記第2コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第2コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される第2搬送管と、
前記第1搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第1コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する第1搬送部材と、
前記第2搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第2コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する第2搬送部材と、
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材の一方を選択的に回転させる搬送駆動部と、
を備え、
前記第1搬送部材の回転軸と、前記第2搬送部材の回転軸とは、所定の軸角を設けて配置され、
前記搬送駆動部は、
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材を回転させるためのモーターと、
前記モーターの出力軸に固定された第1ギアと、
前記第2搬送部材の前記回転軸の同軸上に固定された第2ギアと、
前記第2ギアに対して離隔し、且つ平行に配置された第3ギアと、
前記第1ギアと噛み合うとともに、前記第1ギアの外周上を揺動することで、前記第2ギア及び前記第3ギアの一方と選択的に噛み合う揺動ギアと、
前記第3ギアと噛み合うアイドルギアと、
入力軸と出力軸との間に前記軸角を有し、前記第1搬送部材の前記回転軸の同軸上に固定されて前記アイドルギアと噛み合う第4ギアと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第4ギアは、歯先面及び歯底面が円錐面上に位置するコニカルギアであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2ギア、前記第3ギア、前記アイドルギア、及び前記第4ギアのそれぞれの回転軸線は、前記第1搬送部材の回転軸線と、前記第2搬送部材の回転軸線とを含む平面上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記揺動ギアは、前記第2ギア及び前記第3ギアより下方に位置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2ギア、前記第3ギア、前記アイドルギア、及び前記第4ギアは、歯数が同じであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2ギア及び前記第3ギアの回転を検知する単一の光学センサーを有する回転検知部と、
前記光学センサーからの出力信号に基づいて前記第2ギア及び前記第3ギアの回転数を計数し、当該回転数に基づいて前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーの残量を検出する残量検出部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの表面に形成した静電潜像を現像剤で現像し、後に用紙に転写されるトナー像を形成する装置が広く利用されている。このような従来の画像形成装置一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1で開示された従来の画像形成装置は、1つの現像装置に対して補給されるトナーを収容する第1トナーコンテナ及び第2トナーコンテナを備える。この画像形成装置は、一方のトナーコンテナが空になった場合に、他方のトナーコンテナから現像装置にトナーを補給することが可能である。これにより、トナーコンテナの交換に伴って画像形成動作が停止する頻度や時間を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-109326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の画像形成装置は、現像装置へのトナーの落下口を容易に配置するために、第1トナーコンテナからトナーを搬送する第1搬送スクリューと、第2トナーコンテナからトナーを搬送する第2搬送スクリューとをV字形状に配置している。V字形状に配置した2本のスクリューのうち一方を、単一のモーターによって選択的に駆動させる場合、駆動機構が複雑化し、部品点数が増加する虞があることに課題があった。これにより、画像形成装置の高コスト化、大型化が懸念された。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、2つのコンテナから1つの現像装置にトナーを効率良く補給可能な構成を有し、低コスト化、小型化が実現可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、現像装置と、第1コンテナと、第2コンテナと、トナー補給装置と、を備える。前記現像装置は、像担持体にトナーを供給する。前記第1コンテナ及び前記第2コンテナは、前記現像装置に補給される前記トナーを収容する。前記トナー補給装置は、前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーを前記現像装置に補給する。前記トナー補給装置は、補給管と、第1搬送管と、第2搬送管と、第1搬送部材と、第2搬送部材と、搬送駆動部と、を備える。前記補給管は、単一であり、前記現像装置に接続され、前記トナーが前記現像装置内に流入する。前記第1搬送管は、前記第1コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第1コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される。前記第2搬送管は、前記第2コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第2コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される。前記第1搬送部材は、前記第1搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第1コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する。前記第2搬送部材は、前記第2搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第2コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する。前記搬送駆動部は、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材の一方を選択的に回転させる。前記第1搬送部材の回転軸と、前記第2搬送部材の回転軸とは、所定の軸角を設けて配置される。前記搬送駆動部は、モーターと、第1ギアと、第2ギアと、第3ギアと、揺動ギアと、アイドルギアと、第4ギアと、を備える。前記モーターは、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材を回転させる。前記第1ギアは、前記モーターの出力軸に固定される。前記第2ギアは、前記第2搬送部材の前記回転軸の同軸上に固定される。前記第3ギアは、前記第2ギアに対して離隔し、且つ平行に配置される。前記揺動ギアは、前記第1ギアと噛み合うとともに、前記第1ギアの外周上を揺動することで、前記第2ギア及び前記第3ギアの一方と選択的に噛み合う。前記アイドルギアは、前記第3ギアと噛み合う。前記第4ギアは、入力軸と出力軸との間に前記軸角を有し、前記第1搬送部材の前記回転軸の同軸上に固定されて前記アイドルギアと噛み合う。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、第1搬送部材と第2搬送部材とが所定の軸角を設けて配置されるので、単一の補給管に向けてトナーを効率良く搬送することができる。また、搬送駆動部は、6個のギアを組み合わせた最小の構成によって、第1搬送部材及び第2搬送部材の一方を選択的に駆動させることができる。したがって、画像形成装置は、2つのコンテナから1つの現像装置にトナーを効率良く補給可能な構成を有し、低コスト化、小型化が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の概略断面正面図である。
図2図1の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図3図1の画像形成装置の画像形成部周辺の概略断面正面図である。
図4図1の画像形成装置のトナー補給装置周辺の斜視図である。
図5図4のトナー補給装置周辺の正面図である。
図6図4のトナー補給装置周辺の側面図である。
図7図4のトナー補給装置の斜視図である。
図8図4のトナー補給装置の平面図である。
図9図7のトナー補給装置の第1搬送管、第2搬送管及び搬送駆動部の斜視図である。
図10図7のトナー補給装置の第1搬送管、第2搬送管及び搬送駆動部の側面図である。
図11図9のトナー補給装置の第1搬送部材、第2搬送部材及び搬送駆動部の斜視図である。
図12図10のトナー補給装置の搬送駆動部周辺の断面背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0011】
図1は、実施形態の画像形成装置1の概略断面正面図である。図2は、図1の画像形成装置1の概略構成を示すブロック図である。図3は、図1の画像形成装置1の画像形成部20周辺を示す断面図である。本実施形態の画像形成装置1の一例としては、中間転写ベルト31を用いてトナー像を用紙Sに転写するタンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置1は、例えば印刷、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送信等の機能を備えたいわゆる複合機であって良い。
【0012】
画像形成装置1は、図1図2及び図3に示すように、その本体2に設けられた、給紙部3、用紙搬送部4、露光部5、画像形成部20、転写部30、定着部6、用紙排出部7及び制御部8を有する。
【0013】
給紙部3は、複数枚の用紙Sを収容し、印刷時に用紙Sを1枚ずつ分離して送り出す。用紙搬送部4は、給紙部3から送り出された用紙Sを二次転写部33及び定着部6へと搬送し、さらに定着後の用紙Sを用紙排出口4aから用紙排出部7に排出する。両面印刷が行われる場合、用紙搬送部4は、第一面の定着後の用紙Sを分岐部4bによって反転搬送部4cに振り分け、用紙Sを再度、二次転写部33及び定着部6へと搬送する。露光部5は、画像データに基づき制御されたレーザー光を画像形成部20に向かって照射する。
【0014】
画像形成部20は、中間転写ベルト31の下方に配置される。画像形成部20は、イエロー用の画像形成部20Yと、シアン用の画像形成部20Cと、マゼンタ用の画像形成部20Mと、ブラック用の画像形成部20Bと、を含む。これらの4つの画像形成部20は、基本的な構成が同じである。これにより、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、各色を表す「Y」、「C」、「M」、「B」の識別記号は省略することがある。
【0015】
画像形成部20は、図3に示すように、所定の方向(図3における時計回り)に回転可能に支持された感光体ドラム(像担持体)21を備える。画像形成部20は、さらに感光体ドラム21の周囲に、その回転方向に沿って配置された帯電部22と、現像装置40と、ドラムクリーニング部23と、を備える。なお、現像装置40とドラムクリーニング部23との間に一次転写部32が配置される。
【0016】
感光体ドラム21は、外周面に感光層を有する。帯電部22は、感光体ドラム21の外周面を所定電位に帯電させる。露光部5は、帯電部22によって帯電された感光体ドラム21の外周面を露光し、感光体ドラム21の外周面に原稿画像の静電潜像を形成する。現像装置40は、この静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー像を形成する。4つの画像形成部20それぞれは、異なる色のトナー像を形成する。ドラムクリーニング部23は、トナー像が中間転写ベルト31の外周面に一次転写された後に、感光体ドラム21の外周面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。このようにして、画像形成部20は、用紙Sへの画像形成を行う。
【0017】
転写部30は、図1に示すように、中間転写ベルト31、一次転写部32Y、32C、32M、32B、二次転写部33、及びベルトクリーニング部34を備える。中間転写ベルト31は、4つの画像形成部20の上方に配置される。中間転写ベルト31は、所定の方向(図1における反時計回り)に回転可能に支持され、4つの画像形成部20それぞれで形成されたトナー像が順次重ねて一次転写される中間転写体である。4つの画像形成部20は、中間転写ベルト31の回転方向上流側から下流側に向けて一列に並んだいわゆるタンデム方式にして配置される。
【0018】
一次転写部32Y、32C、32M、32Bは、中間転写ベルト31を挟んで、各色の画像形成部20Y、20C、20M、20Bの上方に配置される。二次転写部33は、用紙搬送部4の、定着部6よりも用紙搬送方向上流側であって、転写部30の、各色の画像形成部20Y、20C、20M、20Bよりも中間転写ベルト31の回転方向下流側に配置される。ベルトクリーニング部34は、各色の画像形成部20Y、20C、20M、20Bよりも中間転写ベルト31の回転方向上流側に配置される。
【0019】
トナー像は、各色の一次転写部32Y、32C、32M、32Bで中間転写ベルト31の外周面に一次転写される。そして、中間転写ベルト31の回転とともに所定のタイミングで4つの画像形成部20のトナー像が連続して重ねて中間転写ベルト31に転写されることにより、中間転写ベルト31の外周面にはイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
【0020】
中間転写ベルト31の外周面のカラートナー像は、用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた用紙Sに、二次転写部33に形成される二次転写ニップ部で転写される。ベルトクリーニング部34は、二次転写後に中間転写ベルト31の外周面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。
【0021】
定着部6は、二次転写部33の上方に配置される。定着部6は、トナー像が転写された用紙Sを加熱、加圧してトナー像を用紙Sに定着させる。
【0022】
用紙排出部7は、転写部30の上方に配置される。トナー像が定着されて印刷が完了した用紙Sは、用紙排出部7に搬送される。
【0023】
制御部8は、CPU、画像処理部、記憶部、並びにその他の電子回路及び電子部品を含む(いずれも不図示)。CPUは、記憶部に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、画像形成装置1に設けられた各構成要素の動作を制御して画像形成装置1の機能に係る処理を行う。給紙部3、用紙搬送部4、露光部5、画像形成部20、転写部30及び定着部6のそれぞれは、制御部8から個別に指令を受け、連動して用紙Sへの印刷を行う。記憶部は、例えばプログラムROM(Read Only Memory)、データROMなどといった不揮発性の記憶装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性の記憶装置との組み合わせで構成される。
【0024】
続いて、現像装置40とその周辺の構成について、図3を用いて説明する。なお、各色の現像装置40は基本的な構成が同じであるので、構成要素について各色を表す識別記号の記載と、説明とを省略する。
【0025】
現像装置40は、感光体ドラム21の外周面にトナーを供給する。現像装置40は、現像容器41と、第1攪拌搬送部材42と、第2攪拌搬送部材43と、現像ローラー44と、規制部材45と、を備える。
【0026】
現像容器41は、感光体ドラム21の軸線方向(図3の紙面奥行き方向)に沿って延びる細長い形状であって、その長手方向を水平にして配置される。現像容器41は、現像剤として、例えば磁性トナーを含む磁性一成分現像剤を収容する。現像剤は、例えば非磁性一成分現像剤や、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤であっても良い。現像容器41は、仕切り部411と、第1搬送室412と、第2搬送室413と、を有する。
【0027】
仕切り部411は、現像容器41の内部の下部に設けられる。仕切り部411は、現像容器41の下部の、軸線方向と交差する方向(図3の左右方向)の略中央部に設けられ、軸線方向及び上下方向に延びる。仕切り部411は、現像容器41の内部を、軸線方向と交差する方向(図3の左右方向)において区分する。現像容器41は、仕切り部411の軸線方向(図3の紙面奥行き方向)の両端側それぞれに、第1搬送室412と第2搬送室413との連通部(不図示)を備える。
【0028】
第1搬送室412及び第2搬送室413は、現像容器41の内部に設けられる。第1搬送室412及び第2搬送室413は、現像容器41の内部が仕切り部411によって区分されることで形成され、互いに並置される。第2搬送室413は、現像容器41の内部の、現像ローラー44の配置領域の下方に隣接して配置される。第1搬送室412は、現像容器41の内部の、第2搬送室413よりも現像ローラー44から離隔した領域に配置される。第1搬送室412は、図3に示す補給管接続部412aを介してトナーの補給を受ける。
【0029】
第1攪拌搬送部材42は、第1搬送室412の内部に配置される。第2攪拌搬送部材43は、第2搬送室413の内部に配置される。第2攪拌搬送部材43は、現像ローラー44に近接して平行に延びる。第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43は、感光体ドラム21と平行に延びる軸線回りに回転可能にして現像容器41に支持される。第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43は、それらの軸線回りに回転することで、当該回転の軸線方向に沿って互いに反対方向に現像剤を攪拌しながら搬送する。
【0030】
第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43の回転により、現像剤は、仕切り部411の軸線方向の両端部それぞれに配置された連通部を通って、第1搬送室412と、第2搬送室413との間を循環する。第1搬送室412及び第2搬送室413において、外部から補給されたトナーが攪拌され、帯電される。
【0031】
現像ローラー44は、現像容器41の内部の、第2攪拌搬送部材43の上方に配置される。現像ローラー44は、感光体ドラム21の軸線と平行に延びる軸線回りに回転可能にして現像容器41に支持される。現像ローラー44は、例えば図3において反時計回りに回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された現像ローラー側磁極とを有する(いずれも不図示)。
【0032】
現像ローラー44は、その外周面の一部が現像容器41から露出し、感光体ドラム21と対向し、近接する。現像ローラー44は、感光体ドラム21との対向領域において感光体ドラム21の外周面に供給するトナーを、その外周面に担持する。現像ローラー44は、第2搬送室413内のトナーを感光体ドラム21の外周面の静電潜像に付着させ、トナー像を形成する。
【0033】
規制部材45は、現像ローラー44と感光体ドラム21との対向領域の、現像ローラー44の回転方向上流側に配置される。規制部材45は、現像ローラー44に近接して対向し、その先端と現像ローラー44の外周面との間に所定の間隔を設けて配置される。規制部材45は、現像ローラー44の軸線方向(図3の紙面奥行き方向)の全域にわたって延びる。規制部材45は、現像ローラー44の外周面に担持される現像剤(トナー)の層厚を規制する。
【0034】
現像容器41内のトナーは、第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43において攪拌、循環されて帯電され、第2攪拌搬送部材43によって現像ローラー44の外周面に渡される。トナーは、規制部材45によって層厚が規制された後、現像ローラー44の回転によって現像ローラー44と感光体ドラム21との対向領域に搬送される。現像ローラー44に所定の現像電圧が印加されると、感光体ドラム21の外周面の電位との間の電位差により、現像ローラー44の外周面に担持されたトナーが現像空間において感光体ドラム21の外周面に飛翔し、感光体ドラム21の外周面の静電潜像が現像される。
【0035】
現像装置40へのトナーの補給に関し、画像形成装置1は、第1コンテナ51と、第2コンテナ52と、トナー補給装置60と、を備える(図4参照)。第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、現像装置40の上方に配置される。第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色それぞれに対応して1つずつ設けられる。
【0036】
続いて、トナー補給装置60周辺の構成について、図4から図12を用いて説明する。図4は、図1の画像形成装置1のトナー補給装置60周辺の斜視図である。図5及び図6は、図4のトナー補給装置60周辺の正面図及び側面図である。図7及び図8は、図4のトナー補給装置60の斜視図及び平面図である。図9及び図10は、図7のトナー補給装置60の第1搬送管66及び第2搬送管67の斜視図及び側面図である。図11は、図9のトナー補給装置60の第1搬送部材68及び第2搬送部材69の斜視図である。図12は、図10のトナー補給装置60の搬送駆動部70周辺の断面背面図である。
【0037】
第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、イエロー用の第1コンテナ51Y、第2コンテナ52Y及びトナー補給装置60Yと、シアン用の第1コンテナ51C、第2コンテナ52C及びトナー補給装置60Cと、マゼンタ用の第1コンテナ51M、第2コンテナ52M及びトナー補給装置60Mと、ブラック用の第1コンテナ51B、第2コンテナ52B及びトナー補給装置60Bと、を含む。これらの色毎の第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、基本的な構成が同じである。これにより、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、各色を表す「Y」、「C」、「M」、「B」の識別記号は省略することがある。
【0038】
第1コンテナ51は、第2コンテナ52よりも上方に配置される。第2コンテナ52は、第1コンテナ51よりも下方に配置される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、正面から見て、画像形成部20及びトナー補給装置60の配列方向にずれて配置される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、本体2に対して着脱可能であり、現像装置40に補給されるトナーを収容する。
【0039】
第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、感光体ドラム21の軸線方向Dxに沿って延びる細長い円筒形状であって、その長手方向を水平にして配置される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52の周壁には、径方向内側に向かって突出し、長手方向に延びる螺旋状の突出部51s、52sが形成される。
【0040】
第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、軸線方向Dxの一端側(前側)が閉塞され、他端側(後側)に開口部(不図示)を有する。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、開口側である後側においてトナー補給装置60の第1コンテナ接続部61及び第2コンテナ接続部62に接続される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、感光体ドラム21の軸線方向Dxと平行に延びる軸線回りに回転可能にトナー補給装置60に支持される。
【0041】
第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、駆動部(不図示)によって、感光体ドラム21の軸線方向Dxと平行に延びる軸線回りに回転される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52が回転すると、内部のトナーは、螺旋状の突出部51s、52sによって、開口側である後側に向かって送られる。これにより、第1コンテナ51及び第2コンテナ52それぞれの内部のトナーは、開口部からトナー補給装置60内に流入する。
【0042】
トナー補給装置60は、第1コンテナ51及び第2コンテナ52の後側に配置される。4つのトナー補給装置60は、4つの画像形成部20と同じ順番で一列に並置される。トナー補給装置60は、第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーを現像装置40に補給する。
【0043】
トナー補給装置60は、第1コンテナ接続部61と、第2コンテナ接続部62と、補給管63と、第1垂直管64と、第2垂直管65と、第1搬送管66と、第2搬送管67と、第1搬送部材68と、第2搬送部材69と、搬送駆動部70と、回転検知部80と、を備える。
【0044】
第1コンテナ接続部61は、トナー補給装置60の上部であって、第2コンテナ接続部62よりも上方に配置される。第1コンテナ接続部61は、内部にトナー流通路(不図示)を有する。第1コンテナ接続部61は、第1コンテナ51の開口部側が接続され、第1コンテナ51を回転可能に支持する。第1コンテナ接続部61のトナー流通方向下流端は、第1垂直管64に接続される。第1コンテナ51内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第1コンテナ51から第1コンテナ接続部61内に流入し、第1コンテナ接続部61内を通って第1垂直管64に向かって流出する。
【0045】
第2コンテナ接続部62は、トナー補給装置60の上部であって、第1コンテナ接続部61よりも下方に配置される。第2コンテナ接続部62は、内部にトナー流通路(不図示)を有する。第2コンテナ接続部62は、第2コンテナ52の開口部側が接続され、第2コンテナ52を回転可能に支持する。第2コンテナ接続部62のトナー流通方向下流端は、第2垂直管65に接続される。第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第2コンテナ52から第2コンテナ接続部62内に流入し、第2コンテナ接続部62内を通って第2垂直管65に向かって流出する。
【0046】
補給管63は、トナー補給装置60の下部に配置される。トナー補給装置60は、単一の補給管63を備える。補給管63は、上下方向に延びる筒形状に形成される。補給管63の上端は、第1搬送管66と第2搬送管67との合流部60aに接続される。補給管63の下端は、現像装置40の補給管接続部412aに接続される。第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、合流部60aから補給管63内に流入し、補給管63内を通って現像装置40内に流入する。
【0047】
第1垂直管64は、第1コンテナ接続部61と第1搬送管66との間に配置される。第1垂直管64は、上下方向に延びる筒形状に形成される。第1垂直管64の上端は、第1コンテナ接続部61に接続される。第1垂直管64の下端は、第1搬送管66に接続される。第1コンテナ51内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第1コンテナ接続部61から第1垂直管64内に流入し、第1垂直管64内を通って第1搬送管66に向かって流出する。
【0048】
第2垂直管65は、第2コンテナ接続部62と第2搬送管67との間に配置される。第2垂直管65は、上下方向に延びる筒形状に形成される。第2垂直管65の上端は、第2コンテナ接続部62に接続される。第2垂直管65の下端は、第2搬送管67に接続される。第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第2コンテナ接続部62から第2垂直管65内に流入し、第2垂直管65内を通って第2搬送管67に向かって流出する。
【0049】
第1コンテナ51及び第1コンテナ接続部61が第2コンテナ52及び第2コンテナ接続部62よりも上方に配置されることにより、第1垂直管64は、第2垂直管65よりも上下方向に長い。第2コンテナ52及び第2コンテナ接続部62が第1コンテナ51及び第1コンテナ接続部61よりも下方に配置されることにより、第2垂直管65は、第1垂直管64よりも上下方向に短い。第1垂直管64及び第2垂直管65は、感光体ドラム21の軸線方向Dxにおいて同じ位置に配置される。言い換えれば、第1垂直管64及び第2垂直管65は、軸線方向Dxと直交する直線上に並置される。
【0050】
第1搬送管66は、上下方向において第1垂直管64と補給管63との間に配置される。第1搬送管66は、水平方向に延びる筒形状に形成される。第1搬送管66の延伸方向の一端側には、第1垂直管64が接続される。第1搬送管66の延伸方向の他端部は、合流部60aに接続される。第1コンテナ51内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第1垂直管64から第1搬送管66内に流入し、第1搬送管66内を通って合流部60aに向かって流出する。言い換えれば、第1搬送管66は、第1コンテナ51と補給管63との間に接続され、トナーが第1コンテナ51側から補給管63側に向かって搬送される。
【0051】
第2搬送管67は、上下方向において第2垂直管65と補給管63との間に配置される。第2搬送管67は、水平方向に延びる筒形状に形成される。第2搬送管67の延伸方向の一端側には、第2垂直管65が接続される。第2搬送管67の延伸方向の他端部は、合流部60aに接続される。第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第2垂直管65から第2搬送管67内に流入し、第2搬送管67内を通って合流部60aに向かって流出する。言い換えれば、第2搬送管67は、第2コンテナ52と補給管63との間に接続され、トナーが第2コンテナ52側から補給管63側に向かって搬送される。
【0052】
第1搬送管66及び第2搬送管67は、互いの延伸方向の合流部60a側において、延長線が交差するように配置される。言い換えれば、第1搬送管66及び第2搬送管67は、互いの延伸方向の間の角度が水平方向において鋭角であり、上下方向から見てV字形状に配置される。
【0053】
第1搬送部材68は、第1搬送管66内に配置される。第1搬送部材68は、筒形状の第1搬送管66の軸線方向の両端間に設けられた回転軸681と、回転軸681の外周面に形成された軸線方向に沿って螺旋状に延びる第1搬送羽根682と、を有する。第1搬送部材68は、水平方向に延びる軸線回りに回転可能に第1搬送管66内に支持される。なお、第1搬送部材68の軸線方向の一端部は、合流部60a内に位置する。
【0054】
第1搬送部材68は、その軸線回りに回転することで、第1搬送管66内のトナーを回転軸線と平行なトナー搬送方向f1(図8図9及び図10参照)に沿って攪拌しながら搬送する。第1搬送部材68は、第1搬送管66内のトナーを、第1垂直管64側から合流部60a側に向けて搬送する。言い換えれば、第1搬送部材68は、トナーを第1コンテナ51側から補給管63側に向けて搬送する。
【0055】
第2搬送部材69は、第2搬送管67内に配置される。第2搬送部材69は、筒形状の第2搬送管67の軸線方向の両端間に設けられた回転軸691と、回転軸691の外周面に形成された軸線方向に沿って螺旋状に延びる第2搬送羽根692と、を有する。第2搬送部材69は、水平方向に延びる軸線回りに回転可能に第2搬送管67内に支持される。なお、第2搬送部材69の軸線方向の一端部は、合流部60a内に位置する。
【0056】
第2搬送部材69は、その軸線回りに回転することで、第2搬送管67内のトナーを回転軸線と平行なトナー搬送方向f2(図8図9及び図10参照)に沿って攪拌しながら搬送する。第2搬送部材69は、第2搬送管67内のトナーを、第2垂直管65側から合流部60a側に向けて搬送する。言い換えれば、第2搬送部材69は、トナーを第2コンテナ52側から補給管63側に向けて搬送する。
【0057】
第1搬送管66及び第2搬送管67は、前述のように、上下方向から見てV字形状に配置される。すなわち、第1搬送部材68の回転軸681と、第2搬送部材69の回転軸691とは、所定の軸角αを設けて配置される。
【0058】
搬送駆動部70は、トナー補給装置60の後部であって、第1搬送管66及び第2搬送管67のトナー搬送方向上流側に配置される。搬送駆動部70は、モーター71と、第1ギア72と、第2ギア73と、第3ギア74と、揺動ギア75と、アイドルギア76と、第4ギア77と、を備える。
【0059】
モーター71は、第1搬送部材68及び第2搬送部材69を回転させる駆動力を生む。モーター71は、制御部8によって制御される。モーター71には、出力軸711が連結される。出力軸711は、第2搬送部材69の下方に配置され、第2搬送部材69の回転軸691と平行に延びる。
【0060】
第1ギア72は、モーター71の出力軸711に固定される。第1ギア72は、第2ギア73、第3ギア74、及び揺動ギア75より下方に位置する。第1ギア72は、モーター71によって回転される。第1ギア72は、揺動ギア75と噛み合うとともに、揺動ギア75にモーター71の駆動力を伝達する。
【0061】
第2ギア73は、揺動ギア75より上方に位置する。第2ギア73は、第2搬送部材69の回転軸691の同軸上に固定される。第2ギア73は、揺動ギア75からモーター71の駆動力を得て、第2搬送部材69とともに回転する。
【0062】
第3ギア74は、揺動ギア75より上方に位置する。第3ギア74は、第2ギア73に対して離隔し、且つ平行に配置される。第3ギア74は、第2ギア73よりも第1搬送部材68側に位置する。第3ギア74は、揺動ギア75からモーター71の駆動力を得て、回転する。
【0063】
揺動ギア75は、第1ギア72の上方、且つ第2ギア73及び第3ギア74の下方に位置する。揺動ギア75は、第1ギア72と常時噛み合う。揺動ギア75の回転軸751は、弧状ガイド78内に回転可能に支持される。弧状ガイド78は、第1ギア72の周方向に沿って延びる弧状に形成される。これにより、揺動ギア75は、第1ギア72と噛み合うとともに、第1ギア72の外周上を揺動する。そして、揺動ギア75は、揺動することで、第2ギア73及び第3ギア74の一方と選択的に噛み合う。揺動ギア75は、第1ギア72を介して得たモーター71の駆動力を、第2ギア73と、第3ギア74とのいずれか一方に伝達する。
【0064】
アイドルギア76は、第3ギア74と、第4ギア77との間に配置される。アイドルギア76は、第3ギア74及び第4ギア77の双方と噛み合う。アイドルギア76は、第3ギア74を介して得たモーター71の駆動力を、第4ギア77に伝達する。
【0065】
第4ギア77は、第1搬送部材68の回転軸681の同軸上に固定される。第4ギア77は、アイドルギア76と噛み合う。なお、アイドルギア76の回転軸761は、第2ギア73の回転軸(第2搬送部材69の回転軸691)と平行である。すなわち、第4ギア77は、入力軸(アイドルギア76の回転軸761)と出力軸(第1搬送部材68の回転軸681)との間に軸角αを有するギアである。
【0066】
モーター71を駆動し、第1ギア72を図12において時計回りに回転させると、揺動ギア75は、第1ギア72から駆動力を得て回転するとともに、弧状ガイド78に沿って、第1ギア72の外周上を図12において時計回りに移動する。これにより、揺動ギア75は、第3ギア74と噛み合い、第3ギア74にモーター71の駆動力を伝達する。第3ギア74に伝達されたモーター71の駆動力は、アイドルギア76を介して第4ギア77に伝達される。そして、第1搬送部材68は、第4ギア77を介して搬送駆動部70によって回転され、トナー搬送方向f1に沿ってトナーを搬送する。一方、第2搬送部材69は回転を停止する。
【0067】
モーター71を駆動し、第1ギア72を図12において反時計回りに回転させると、揺動ギア75は、第1ギア72から駆動力を得て回転するとともに、弧状ガイド78に沿って、第1ギア72の外周上を図12において反時計回りに移動する。これにより、揺動ギア75は、第2ギア73と噛み合い、第2ギア73にモーター71の駆動力を伝達する。そして、第2搬送部材69は、第2ギア73を介して搬送駆動部70によって回転され、トナー搬送方向f2に沿ってトナーを搬送する。一方、第1搬送部材68は回転を停止する。
【0068】
このようにして、搬送駆動部70は、第1搬送部材68及び第2搬送部材69の一方を選択的に回転させる。
【0069】
上記の構成によれば、第1搬送部材68と第2搬送部材69とが所定の軸角αを設けて配置されるので、単一の補給管63に向けてトナーを効率良く搬送することができる。また、搬送駆動部70は、6個のギアを組み合わせた最小の構成によって、第1搬送部材68及び第2搬送部材69の一方を選択的に駆動させることができる。したがって、画像形成装置1は、2つのコンテナから1つの現像装置40にトナーを効率良く補給可能な構成を有し、低コスト化、小型化が実現可能である。
【0070】
例えば、第4ギア77は、歯先面及び歯底面が円錐面上に位置するコニカルギアである。なお、この円錐面の母線と、第1搬送部材68の回転軸線とのなす角は、軸角αに等しい。この構成によれば、第1搬送部材68の回転軸681と、第2搬送部材69の回転軸691とが軸角αを有する場合でも、平歯車であるアイドルギア76に、第4ギア77を噛み合わせることができる。これにより、第3ギア74から第4ギア77までのギア列におけるギア数を削減でき、複雑なギア構成となることを回避することが可能になる。
【0071】
また、図12に示すように、第2ギア73、第3ギア74、アイドルギア76、及び第4ギア77のそれぞれの回転軸線は、第1搬送部材68の回転軸線と、第2搬送部材69の回転軸線とを含む平面P上に位置する。この構成によれば、揺動ギア75から第2ギア73及び第3ギア74に伝達されるモーター71の駆動力を、第1搬送部材68及び第2搬送部材69に均等に伝達することができる。これにより、第1搬送部材68によるトナー搬送性能と、第2搬送部材69によるトナー搬送性能とを等しく安定させることが可能になる。
【0072】
また、図12に示すように、揺動ギア75は、第2ギア73及び第3ギア74より下方に位置する。この構成によれば、第1ギア72の外周上を揺動する揺動ギア75を、第2ギア73及び第3ギア74のそれぞれに対して噛み合い易くすることができる。これにより、第1搬送部材68及び第2搬送部材69に対し、駆動力の伝達の切り替えを円滑に行うことができる。したがって、現像装置40へのトナー補給を効率良く行うことが可能である。
【0073】
また、第2ギア73、第3ギア74、アイドルギア76、及び第4ギア77は、歯数が同じである。この構成によれば、第1搬送部材68及び第2搬送部材69のそれぞれの回転数を容易に合わせることができる。そして、第1搬送部材68及び第2搬送部材69のそれぞれのトナーの搬送力を容易に合わせることができる。
【0074】
回転検知部80は、トナー補給装置60の後部であって、搬送駆動部70に対して第2搬送管67のトナー搬送方向上流側に配置される。回転検知部80は、第1検知軸81と、第2検知軸82と、光学センサー83と、を備える。
【0075】
第1検知軸81は、第3ギア74の回転軸741の同軸上に延長して接続される。第1検知軸81は、第3ギア74、アイドルギア76、及び第4ギア77を介して第1搬送部材68に連結され、第1搬送部材68とともに回転する。第1検知軸81は、第1搬送部材68と同じ方向に、同じ回転速度で回転する。第1検知軸81は、本実施形態において、第2検知軸82に隣接し、第2検知軸82と平行に延びる。
【0076】
第1検知軸81は、例えば2つの第1遮光板811を有する。2つの第1遮光板811は、第1検知軸81の径方向外側に向かって延び、周方向に180度の角度間隔で配列される。第1検知軸81が回転することで、第1遮光板811は、光学センサー83の光路上に対して進入、退避する。
【0077】
第2検知軸82は、第2ギア73の回転軸の同軸上に延長して接続される。なお、第2ギア73は、第2搬送部材69の回転軸691の同軸上に固定される。すなわち、第2検知軸82は、第2搬送部材69に連結され、第2搬送部材69とともに回転する。第2検知軸82は、第2搬送部材69と同じ方向に、同じ回転速度で回転する。
【0078】
第2検知軸82は、例えば2つの第2遮光板821を有する。2つの第2遮光板821は、第2検知軸82の径方向外側に向かって延び、周方向に180度の角度間隔で配列される。第2検知軸82が回転することで、第2遮光板821は、光学センサー83の光路上に対して進入、退避する。
【0079】
光学センサー83は、第1検知軸81と第2検知軸82との間の、上方に配置される。回転検知部80は、単一の光学センサー83を備える。光学センサー83は、例えば光透過型のセンサーであって、発光部及び受光部(ともに不図示)を備え、発光部から受光部に向かう光路を有する。光学センサー83は、光路の遮蔽(遮光)及び遮蔽解除(透光)を検知する。
【0080】
光学センサー83の光路上には、第1検知軸81の第1遮光板811及び第2検知軸82の第2遮光板821が進入、退避する。これにより、光学センサー83は、第1検知軸81及び第2検知軸82の回転を検知する。すなわち、光学センサー83は、第2ギア73及び第3ギア74の回転を検知する。光学センサー83は、第2ギア73及び第3ギア74の回転の検知に係る信号を制御部8に対して出力する。
【0081】
制御部8は、光学センサー83の出力信号を受信する。制御部8は、図2に示す残量検出部8aを有する。なお、残量検出部8aは、記憶部に記憶されたプログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に機能が実現される。また、残量検出部8aは、電気的なハードウェア回路により形成されても良い。
【0082】
残量検出部8aは、光学センサー83の出力信号に基づき、第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーの残量を検出する。詳細に言えば、残量検出部8aは、光学センサー83からの出力信号に基づいて第2ギア73及び第3ギア74の回転数を計数し、当該回転数に基づいて第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーの残量を検出する。
【0083】
残量検出部8aは、光学センサー83からの出力信号に基づいて第3ギア74(第1搬送部材68)の回転数を計数し、当該回転数に基づいて第1コンテナ51内のトナーが空になったことを検出する。制御部8は、モーター71を制御して第1搬送部材68の回転を停止させ、第1コンテナ51から現像装置40へのトナーの補給を停止する。続いて、制御部8は、モーター71を逆回転させて第2ギア73(第2搬送部材69)を回転させ、第2コンテナ52から現像装置40へのトナーの補給を開始する。
【0084】
同様に、残量検出部8aは、第2ギア73(第2搬送部材69)の回転数に基づいて第2コンテナ52内のトナーが空になったことを検出する。続いて、制御部8は、モーター71を制御して第3ギア74(第1搬送部材68)を回転させ、第1コンテナ51から現像装置40へのトナーの補給を開始する。
【0085】
上記の構成によれば、単一の光学センサー83によって、第2ギア73(第2搬送部材69)及び第3ギア74(第1搬送部材68)のそれぞれの回転を個別に検知することができる。これにより、低コスト化、小型化が図られた構成で、1つの現像装置40にトナーを補給する2つのコンテナ(第1コンテナ51及び第2コンテナ52)内それぞれのトナーの残量を精度良く検出することが可能になる。
【0086】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0087】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置1は、複数色の画像を順次重ねて形成するいわゆるタンデム型のカラー印刷用の画像形成装置であることとしたが、このような機種に限定されるわけではない。画像形成装置は、タンデム型ではないカラー印刷用の画像形成装置やモノクロ印刷用の画像形成装置であって良い。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、画像形成装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
8 制御部
8a 残量検出部
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
40 現像装置
51 第1コンテナ
52 第2コンテナ
60 トナー補給装置
63 補給管
66 第1搬送管
67 第2搬送管
68 第1搬送部材
69 第2搬送部材
70 搬送駆動部
71 モーター
72 第1ギア
73 第2ギア
74 第3ギア
75 揺動ギア
76 アイドルギア
77 第4ギア
80 回転検知部
83 光学センサー
681 回転軸
691 回転軸
P 平面
α 軸角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12