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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/18 20060101AFI20241001BHJP
   H02K 3/28 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H02K3/18 P
H02K3/28 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021039547
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022139256
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】秋津 佳紀
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/026491(WO,A1)
【文献】特開2018-113836(JP,A)
【文献】特開2018-207640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/18
H02K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ(40)とステータ(50)とを有し、
前記ステータは、ステータコア(55)を有すると共に、前記ステータコアに、少なくとも2系統の3相コイル(50a,50b)が装着されており、
系統毎における相毎の各コイルは、それぞれ自身に属する単位コイルを複数個ずつ有する一連コイル(Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wb)であって、
全ての前記単位コイル(Ua1,Ua2,Va1,Va2,Wa1,Wa2,Ub1,Ub2,Vb1,Vb2,Wb1,Wb2)が、前記ロータの回転方向である周方向に並んでいる、回転電機(31,32)において、
前記2系統を、A系統及びB系統とし、
各前記3相コイルの3相を、U相、V相、W相とし、
U相にとってのV相及びW相と、V相にとってのU相及びW相と、W相にとってのU相及びV相とを、それぞれ他相とし、
各2つの前記一連コイルについて、一方の前記一連コイルの前記単位コイルの隣に配される、他方の前記一連コイルの前記単位コイルの数の合計を、当該一方の一連コイルに対する当該他方の一連コイルの所定隣接コイル数として、
各前記一連コイルに対する前記他相の各前記一連コイルの前記所定隣接コイル数が、互いに同数となり、かつ、前記A系統の前記単位コイルが4つ連続して前記周方向に並ぶ区間と、前記B系統の前記単位コイルが4つ連続して前記周方向に並ぶ区間とが存在するように、全ての前記単位コイルが前記周方向に並んでいる、回転電機。
【請求項2】
A系統の前記3相コイルを、当該3相コイルに対する外部回路(20a)に電気的に接続する、A系統の3本の接続配線(Lua,Lva,Lwa)と、B系統の前記3相コイルを、当該3相コイルに対する外部回路(20b)に電気的に接続する、B系統の3本の接続配線(Lub,Lvb,Lwb)と、が設けられ、
A系統の3本の各前記接続配線における前記ステータ側の端を、A系統の3つの各接続点(Pva,Pua,Pwa)とし、B系統の3本の各前記接続配線における前記ステータ側の端を、B系統の3つの各接続点(Pvb,Pub,Pwb)として、
A系統及びB系統の計6つの前記接続点が前記周方向に並んでおり、
A系統の3つの前記接続点は、当該A系統の接続点どうしの間にB系統のいずれの前記接続点も配されることなく、前記周方向に3つ連続して並んでおり、
B系統の3つの前記接続点は、当該B系統の接続点どうしの間にA系統のいずれの前記接続点も配されることなく、前記周方向に3つ連続して並んでいる、
請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記少なくとも2系統が、2系統であることにより、前記一連コイルの数が6であり、
「N」を正の整数として、6つの各前記一連コイルが、自身に属する前記単位コイルを「2×N」個ずつ有することにより、計「12×N」個の前記単位コイルが存在し、
各前記一連コイルに対する前記他相の各前記一連コイルの前記所定隣接コイル数が、互いに同数で「N」である、請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記ロータは、「8×N」個の界磁磁石(47)を有する「8×N」極のロータである、請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記少なくとも2系統が、2系統であることにより、前記一連コイルの数が6であり、
6つの各前記一連コイルが、自身に属する前記単位コイルを2つずつ有することにより、計12個の前記単位コイルが存在し、
各前記一連コイルに対する前記他相の各前記一連コイルの前記所定隣接コイル数が、互いに同数で1である、請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項6】
前記ロータは、8つの界磁磁石(47)を有する8極のロータである、請求項5に記載の回転電機。
【請求項7】
前記A系統の前記一連コイルは、デルタ結線され、
前記B系統の前記一連コイルは、デルタ結線されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項8】
各前記一連コイルに対する前記他相の各前記一連コイルの前記所定隣接コイル数が、互いに同数となり、かつ、前記A系統の前記単位コイルが4つのみ連続して前記周方向に並ぶ区間と、前記B系統の前記単位コイルが4つのみ連続して前記周方向に並ぶ区間とが存在するように、全ての前記単位コイルが前記周方向に並んでいる、請求項1~7のいずれか1項に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータとステータとを有する回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機の中には、冗長性の向上等のために、ステータコアに2系統の3相コイルが装着されているものがある。それら2つの系統毎における3つの相毎の計6つの各コイルは、それぞれ自身に属する単位コイルを2つずつ有する一連コイルである。そして、計12個の全ての単位コイルが、ロータの回転方向である周方向に並んでいる。このような技術を示す文献としては、次の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-207640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下では、上記の2系統を、「A系統」及び「B系統」とし、それら2つの各系統の3相を、「U相」「V相」「W相」とする。そして、U相にとってのV相及びW相と、V相にとってのU相及びW相と、W相にとってのU相及びV相とを、それぞれ「他相」とする。
【0005】
本発明者は、上記の回転電機において次の課題があることに着目した。上記の特許文献1では、A系統の単位コイルとB系統の単位コイルとがそれぞれ2つずつ交互に並ぶように、12個の各単位コイルが配置されている。そのため、A系統の3相コイルに対する配線を一か所にまとめ難くなると共に、B系統の3相コイルに対する配線を一か所にまとめ難くなってしまう。
【0006】
他方、上記の問題を解決すべく単純に、A系統の単位コイルが6つ連続し且つB系統の単位コイルが6つ連続するように、12個の各単位コイルを配置した場合には、次に示す問題が発生し得る。すなわち、各単位コイルは、互いのインダクタンスにより、それぞれ周方向に隣り合う単位コイルと最も強く磁気的に結合する。その関係上、このようにA系統とB系統とがそれぞれ6つずつ連続するように、12個の各単位コイルを配置した場合には、各一連コイルに対して、磁気的に強く結合する他相の一連コイルと、磁気的に弱く結合する他相の一連コイルとが存在してしまう。その磁気的結合強度のアンバランスにより、回転電機の制御性が悪化してしまう懸念がある。
【0007】
なお、以上では、ステータコアに3相コイルが2系統装着され、各一連コイルが2つずつの単位コイルを有する場合を例に説明したが、ステータコアに3相コイルが3系統以上巻かれている場合や、各一連コイルがそれぞれ3つ以上ずつの単位コイルを有する場合においても、同様の課題は発生し得る。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各一連コイルに対する他相の各一連コイルの磁気的結合強度のアンバランスを抑えつつも、A系統の3相コイルに対する配線及びB系統の3相コイルに対する配線をそれぞれまとめ易くすることを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の回転電機は、ロータとステータとを有する。前記ステータは、ステータコアを有すると共に、前記ステータコアに、少なくとも2系統の3相コイルが装着されている。系統毎における相毎の各コイルは、それぞれ自身に属する単位コイルを複数個ずつ有する一連コイルである。そして、全ての前記単位コイルが、前記ロータの回転方向である周方向に並んでいる。
【0010】
以下では、前記2系統を、「A系統」及び「B系統」とし、各前記3相コイルの3相を、「U相」「V相」「W相」とし、U相にとってのV相及びW相と、V相にとってのU相及びW相と、W相にとってのU相及びV相とを、それぞれ「他相」とする。そして、各2つの前記一連コイルについて、一方の前記一連コイルの前記単位コイルの隣に配される、他方の前記一連コイルの前記単位コイルの数を、当該一方の一連コイルに対する当該他方の一連コイルの「隣接コイル数」とする。
【0011】
各前記一連コイルに対する他相の各前記一連コイルの隣接コイル数が、互いに同数となり、かつ、前記A系統の前記単位コイルが4つ連続して前記周方向に並ぶ区間と、前記B系統の前記単位コイルが4つ連続して前記周方向に並ぶ区間とが存在するように、全ての前記単位コイルが前記周方向に並んでいる。
【0012】
本発明によれば、A系統の単位コイルが4つ連続して周方向に並ぶ区間が存在する。そのため、A系統の配線を、その4つ連続する区間及びその付近を含むエリアにまとめ易くなる。また、B系統の単位コイルが4つ連続して周方向に並ぶ区間が存在する。そのため、B系統の配線を、その4つ連続する区間及びその付近を含むエリアにまとめ易くなる。
【0013】
しかも、各一連コイルに対する他相の各一連コイルの隣接コイル数が、互いに同数となる。そのため、各一連コイルに対して、他相の各一連コイルが磁気的に均等に結合し易くなる。
【0014】
以上、本発明によれば、各一連コイルに対する他相の各一連コイルの磁気的結合強度のアンバランスを抑えつつも、A系統の配線及びB系統の配線をそれぞれまとめ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の回転電機を示す正面断面図
図2】回転電機及びその周辺を示す回路図
図3】回転電機を示す平面断面図
図4】比較例1の回転電機を示す平面断面図
図5】比較例2の回転電機を示す平面断面図
図6】比較例2における電流の推移を示すグラフ
図7】本実施形態の回転電機を示す平面断面図
図8】本実施形態における電流の推移を示すグラフ
図9】第2実施形態の2系統の3相コイルを示す回路図
図10】回転電機を示す平面断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できる。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の回転電機31を示す正面断面図である。回転電機31は、ロータ40とステータ50とを有する。ロータ40は、回転軸41とロータコア44と複数の界磁磁石47とを有する。
【0018】
以下では、回転軸41の中心線を「軸線」といい、軸線の長さ方向を「軸線方向」といい、軸線を中心とする周方向を単に「周方向」という。また、軸線方向に直交する方向であって、軸線に向かう方向を「径方向内方」といい、その反対方向を「径方向外方」という。
【0019】
回転軸41は、筐体(図示略)内において、周方向に回転可能に取り付けられている。ロータコア44は、円筒状の部材で合って、回転軸41に相対回転不能に外嵌されている。界磁磁石47は、ロータコア44の外周部に取り付けられている。以上の構成により、回転軸41とロータコア44と複数の界磁磁石47とは一体で回転する。
【0020】
ステータ50は、ステータコア55と、ステータコア55に装着されている2系統の3相コイル50a,50bとを有する。回転軸41の軸線方向一方の端には、ロータ40の回転角を検出するための回転角センサ60が設けられている。その回転角センサ60は、被検出用の磁石64と、検出部65とを有する。被検出用の磁石64は、回転軸41の軸線方向一方の端に固定されており、回転軸41と共に回転する。検出部65は、その被検出用の磁石64の磁束を検出することによりロータ40の回転角を検出する。
【0021】
図2は、本実施形態の回転電機31及びその周辺を示す回路図である。以下では「電気的に接続」されていることを、単に接続されているという。直流電源10の正極には、正極側配線21が接続され、直流電源10の負極には、負極側配線29が接続されている。正極側配線21と負極側配線29とは、平滑コンデンサ26を介して接続されている。
【0022】
2系統の3相コイル50a,50bは、A系統の3相コイル50aとB系統の3相コイル50bとからなる。A系統の3相コイル50aは、A系統のインバータ20aを介して、正極側配線21及び負極側配線29に接続され、B系統の3相コイル50bは、B系統のインバータ20bを介して、正極側配線21及び負極側配線29に接続されている。2系統の各3相コイル50a,50bは、それぞれU相とV相とW相とを有する。
【0023】
まず、A系統について説明する。A系統の3相コイル50aは、A系統U相の一連コイルUaと、A系統V相の一連コイルVaと、A系統W相の一連コイルWaとを有する。A系統U相の一連コイルUaは、A系統U相第1の単位コイルUa1と、A系統U相第2の単位コイルUa2との直列接続体である。A系統V相の一連コイルVaは、A系統V相第1の単位コイルVa1と、A系統V相第2の単位コイルVa2との直列接続体である。A系統W相の一連コイルWaは、A系統W相第1の単位コイルWa1と、A系統W相第2の単位コイルWa2との直列接続体である。
【0024】
これら3本の各一連コイルUa,Va,Waは、デルタ結線されている。以下では、一連コイルWaと一連コイルUaとの接続点、具体的には単位コイルWa2と単位コイルUa1との接続点を、「接続点Pua」という。そして、一連コイルUaと一連コイルVaとの接続点、具体的には単位コイルUa2と単位コイルVa1との接続点を「接続点Pva」という。そして、一連コイルVaと一連コイルWaとの接続点、具体的には単位コイルVa2と単位コイルWa1との接続点を、「接続点Pwa」という。接続点Puaには接続配線Luaが接続され、接続点Pvaには接続配線Lvaが接続され、接続点Pwaには接続配線Lwaが接続されている。
【0025】
A系統のインバータ20aは、3つの上スイッチ22と3つの下スイッチ28とを有する。そして、3本の各接続配線Lua,Lva,Lwaは、それぞれ別々の上スイッチ22を介して正極側配線21に接続されると共に、それぞれ別々の下スイッチ28を介して負極側配線29に接続されている。上スイッチ22及び下スイッチ28の各スイッチ22,28は、いずれもIGBTやMOSFET等の半導体スイッチであり、各スイッチ22,28に対しては、ダイオード(符号略)が逆並列に接続又は内蔵されている。インバータ20a,20bについては、公知のものでよいため、これ以上の詳細な説明については省略する。
【0026】
以上に示したA系統についての説明は、B系統の場合においても、「A」を「B」に読み替えると共に、「a」を「b」に読み替えて同様である。
【0027】
以下では、計2つの3相コイル50a,50bが3つずつ有する計6つの一連コイルUa,Va,Wa,Ub,Vb,Wbを、「一連コイルUa~Wb」という。そして、それら計6つの各一連コイルUa~Wbが2つずつ有する計12個の単位コイルUa1,Ua2,Va1,Va2,Wa1,Wa2,Ub1,Ub2,Vb1,Vb2,Wb1,Wb2を、「単位コイルUa1~Wb2」という。
【0028】
図3は、図1のIII-III線の断面図である。なお、この図3では、視認性のため、A系統の各単位コイルを黒塗りで示し、B系統の各単位コイルを白抜きで示している。そして、A系統の部材を示す符号に下線を引いている。これらのことは、以下で参照する図4図5図7図10においても同様である。
【0029】
ロータ40は、8個の界磁磁石47を有する8極のロータである。8個の界磁磁石47は、周方向に等間隔に並んでいる。よって、界磁磁石47は、45度毎に設置されている。それら8個の界磁磁石47は、N極が径方向外方を向くものとN極が径方向内方を向くものとが交互になるように、周方向に並んでいる。
【0030】
ステータコア55は、円筒状のバックヨーク56と、バックヨーク56の内周面から径方向内方に突出する12本のティースt1~t12とを有する。それらの12本のティースは、右回りにティースt1~t12の順に等間隔に並んでいる。よって、ティースt1~t12は、30度毎に設置されている。それら計12本の各ティースt1~t12に、当該ティースに対応する単位コイルがそれぞれ巻回されている。
【0031】
具体的には、ティースt1には単位コイルUa1が、ティースt2には単位コイルWa2が、ティースt3には単位コイルVa2が、ティースt4には単位コイルUb2が、ティースt5には単位コイルWa1が、ティースt6には単位コイルVb1が、それぞれ巻回されている。そして、ティースt7には単位コイルUb1が、ティースt8には単位コイルWb2が、ティースt9には単位コイルVb2が、ティースt10には単位コイルUa2が、ティースt11には単位コイルWb1が、ティースt12には単位コイルVa1が、それぞれ巻回されている。
【0032】
以上により、12個の単位コイルUa1~Wb2が、右回りにUa1(t1)→Wa2(t2)→Va2(t3)→Ub2(t4)→Wa1(t5)→Vb1(t6)→Ub1(t7)→Wb2(t8)→Vb2(t9)→Ua2(t10)→Wb1(t11)→Va1(t12)の順に並んでいる。よって、U相、W相、V相の繰り返しで、各単位コイルが30度ずつの間隔で並んでいる。そして、A系統の単位コイルVa1,Ua1,Wa2,Va2が4つ連続して並ぶ区間(t12~t3)と、B系統の単位コイルVb1,Ub1,Wb2,Vb2が4つ連続して並ぶ区間(t6~t9)とが存在する。
【0033】
図4は、比較例1の回転電機を示す平面断面図である。この比較例1では、12個の単位コイルUa1~Wb2が、右回りにUa1(t1)→Wa2(t2)→Vb1(t3)→Ub2(t4)→Wa1(t5)→Va2(t6)→Ub1(t7)→Wb2(t8)→Va1(t9)→Ua2(t10)→Wb1(t11)→Vb2(t12)の順に並んでいる。つまり、この比較例1では、右回りに「U相」「W相」「V相」の繰り返しの順、且つ「第1」「第2」の繰り返しの順に並んでいる。そして、A系統の単位コイルとB系統の単位コイルとが2つずつ交互に並んでいる。
【0034】
次に、この比較例1のA系統の各接続点Pua,Pva,Pwaについて説明する。接続点Puaは、単位コイルUa1(t1)と単位コイルWa2(t2)と、に接続されていることから、ティースt1,t2間に配されている。また、接続点Pwaは、単位コイルWa1(t5)と単位コイルVa2(t6)とに接続されていることから、ティースt5,t6間に配されている。また、接続点Pvaは、単位コイルVa1(t9)と単位コイルUa2(t10)とに接続されていることから、ティースt9,t10間に配されている。
【0035】
以上に示したA系統の各接続点Pua,Pva,Pwaについての説明は、B系統の場合においても、「a」を「b」に読み替えると共に、「t1」「t2」「t5」「t6」「t9」「t10」をそれぞれ「t7」「t8」「t11」「t12」「t3」「t4」に読み替えて同様である。
【0036】
以上より、この比較例1のA系統及びB系統の計6つの接続点は、右回りにPua→Pvb→Pwa→Pub→Pva→Pwbの順に並んでいる。つまり、A系統の接続点Pua,Pwa,Pvaと、B系統の接続点Pub,Pwb,Pvbとが、交互に並んでいる。
【0037】
そのため、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lua,Lwa,Lvaを一か所にまとめ難くなると共に、B系統の3相コイル50bに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbを一か所にまとめ難くなっている。
【0038】
図5は、比較例2の回転電機を示す平面断面図である。この比較例2では、12個の単位コイルUa1~Wb2が、右回りにUa1(t1)→Wa2(t2)→Va1(t3)→Ua2(t4)→Wa1(t5)→Va2(t6)→Ub1(t7)→Wb2(t8)→Vb1(t9)→Ub2(t10)→Wb1(t11)→Vb2(t12)の順に並んでいる。つまり、この比較例2でも、比較例1と同様に、右回りに「U相」「W相」「V相」の繰り返し且つ「第1」「第2」の繰り返しの順に、12個の各単位コイルUa1~Wb2が並んでいる。しかし、A系統の単位コイルが周方向に6つ連続する区間(t1~t6)と、B系統の単位コイルが周方向に6つ連続する区間(t7~t12)とが存在している点で、比較例1と相違している。
【0039】
この比較例2の場合、A系統及びB系統の計6つの接続点は、右回りにPua→Pva→Pwa→Pub→Pvb→Pwbの順に並んでいる。つまり、A系統の3つの接続点Pua,Pva,Pwaは、それらA系統の接続点Pua,Pva,Pwaどうしの間にB系統のいずれの接続点Pub,Pvb,Pwbも配されることなく、周方向に3つ連続して並んでいる。そして、B系統の3つの接続点Pub,Pvb,Pwbは、それらB系統の接続点Pub,Pvb,Pwbどうしの間にA系統のいずれの接続点Pua,Pva,Pwaも配されることなく、周方向に3つ連続して並んでいる。
【0040】
そのため、この比較例2では、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lua,Lva,Lwaを一か所にまとめ易くなると共に、B系統の3相コイル50bに対する接続配線Lub,Lvb,Lwbを一か所にまとめ易くなっている。しかしながら、次に示す問題が発生する。
【0041】
以下では、各2つの一連コイルについて、一方の一連コイルの単位コイルの隣に配される、他方の一連コイルの単位コイルの数を、当該一方の一連コイルに対する当該他方の一連コイルの「隣接コイル数」という。また以下では、U相にとってのV相及びW相と、V相にとってのU相及びW相と、W相にとってのU相及びV相とを、それぞれ「他相」という。
【0042】
まず、一連コイルUaについて考える。この比較例2の場合、単位コイルUa1(t1)には、単位コイルVb2(t12)と単位コイルWa2(t2)とが隣り合い、単位コイルUa2(t4)には、単位コイルVa1(t3)と単位コイルWa1(t5)とが隣り合う。よって、一連コイルUaに対しては、単位コイルVb2,Wa2,Va1,Wa1が隣り合う。
【0043】
つまり、一連コイルUaに対しては、一連コイルVaの1つの単位コイルVa1が隣り合い、一連コイルVbの1つの単位コイルVb2が隣り合い、一連コイルWaの2つの単位コイルWa1,Wa2が隣り合い、一連コイルWbのいずれの単位コイルも隣り合わない。よって、一連コイルUaに対しては、一連コイルVaの隣接コイル数は「1」であり、一連コイルVbの隣接コイル数は「1」であり、一連コイルWaの隣接コイル数は「2」であり、一連コイルWbの隣接コイル数は「0」である。
【0044】
そのため、一連コイルUaは、これら他相の4つの一連コイルVa,Vb,Wa,Wbの中では、隣接コイル数が2である一連コイルWaとの磁気的結合が最も強くなる。そして、隣接コイル数が1である一連コイルVa,Vbとの磁気的結合が次に強くなり、隣接コイル数が0である一連コイルWbとの磁気的結合が最も弱くなる。そのため、例えば図6に示すように、一連コイルUaにのみ能動的に正弦波の電流を流した場合には、一連コイルWaに最も多くの誘導電流が流れ、一連コイルVa,Vbに次に多くの誘導電流が流れ、一連コイルWbに最も弱く誘導電流が流れる。
【0045】
それに対して、本実施形態では、図7に示すように12個の単位コイルUa1~Wb2が、右回りにUa1(t1)→Wa2(t2)→Va2(t3)→Ub2(t4)→Wa1(t5)→Vb1(t6)→Ub1(t7)→Wb2(t8)→Vb2(t9)→Ua2(t10)→Wb1(t11)→Va1(t12)の順に並んでいる。
【0046】
まず、一連コイルUaについて考える。本実施形態の場合、単位コイルUa1(t1)には、単位コイルVa1(t12)と単位コイルWa2(t2)とが隣り合い、単位コイルUa2(t10)には、単位コイルVb2(t9)と単位コイルWb1(t11)とが隣り合う。よって、一連コイルUaに対しては、単位コイルVa1,Wa2,Vb2,Wb1が隣り合う。
【0047】
つまり、一連コイルUaに対しては、一連コイルVaの1つの単位コイルVa1が隣り合い、一連コイルVbの1つの単位コイルVb2が隣り合い、一連コイルWaの1つの単位コイルWa2が隣り合い、一連コイルWbの1つの単位コイルWb1が隣り合う。よって、一連コイルUaに対しては、一連コイルVaの隣接コイル数は「1」であり、一連コイルVbの隣接コイル数は「1」であり、一連コイルWaの隣接コイル数は「1」であり、一連コイルWbの隣接コイル数は「1」である。つまり、一連コイルUaに対する、他相の4つの各一連コイルVa,Wa,Vb,Wbの隣接コイル数は1つずつになる。
【0048】
そのため、一連コイルUaに対する他相の4つの各一連コイルVa,Vb,Wa,Wbの磁気的結合強度が、互いに略等しくなる。そのため、例えば図8に示すように、一連コイルUaにのみ能動的に正弦波の電流を流した場合には、他相の4つの各一連コイルVa,Wa,Vb,Wbに、略等しく誘導電流が流れる。
【0049】
以上に示した図7に示す一連コイルUaについての説明は、他の一連コイルVa,Wa,Ub,Vb,Wbの場合においても、各一連コイルの符号及び各単位コイルの符号をそれぞれ該当するものに読み替えて同様である。つまり、これら他の各一連コイルVa,Wa,Ub,Vb,Wbにおいても、それに対する他相の4つの各一連コイルの隣接コイル数は1つずつになる。そのため、各一連コイルUa~Wbに対する他相の4つずつの各一連コイルの磁気的結合強度が、互いに略等しくなる。
【0050】
しかも、本実施形態では、比較例1の場合と同様に、A系統の3相コイル30aに対する接続配線Lua,Lwa,Lvaが一か所にまとめられると共に、B系統の3相コイル30bに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbが一か所にまとめられている。そのことについて、以下に説明する。
【0051】
まず、A系統の各接続点Pua,Pva,Pwaについて説明する。接続点Puaは、単位コイルUa1(t1)と単位コイルWa2(t2)とに接続されていることから、ティースt1,t2間に配されている。また、接続点Pvaは、単位コイルVa1(t12)と単位コイルUa2(t10)とに接続されていることから、ティースt12,t10間に配されている。具体的にはティースt12,t10間におけるティースt12寄りに配されている。また、接続点Pwaは、単位コイルVa2(t3)と単位コイルWa1(t5)とのに接続されていることから、ティースt3,t5間に配されている。具体的には、ティースt3,t5間におけるティースt3寄りに配されている。よって、A系統の各接続点Pua,Pva,Pwaは、A系統の単位コイルVa1,Ua1,Wa2,Va2が4つ連続して並ぶ区間(t12~t3)及びその付近を含むエリアにまとめて配置されている。
【0052】
以上に示したA系統の各接続点Pua,Pva,Pwaについての説明は、B系統の場合においても、「a」を「b」に読み替えると共に、「t1」「t2」「t3」「t5」「t10」「t12」をそれぞれ「t7」「t8」「t9」「t11」「t4」「t6」に読み替えて同様である。
【0053】
以上より、A系統及びB系統の計6つの接続点は、右回りにPva→Pua→Pwa→Pvb→Pub→Pwbの順に並んでいる。つまり、A系統の3つの接続点Pva,Pua,Pwaは、それらA系統の接続点Pva,Pua,Pwaどうしの間にB系統のいずれの接続点Pvb,Pub,Pwbも配されることなく、周方向に3つ連続して並んでいる。そして、B系統の3つの接続点Pvb,Pub,Pwbは、それらB系統の接続点Pvb,Pub,Pwbどうしの間にA系統のいずれの接続点Pva,Pua,Pwaも配されることなく、周方向に3つ連続して並んでいる。
【0054】
そのため、前述の通り、本実施形態では、比較例1の場合と同様に、A系統の3相コイル30aに対する接続配線Lua,Lwa,Lvaが一か所にまとめられると共に、B系統の3相コイル30bに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbが一か所にまとめられている。
【0055】
本実施形態によれば、以上の通り、A系統の単位コイルが4つ連続して周方向に並ぶ区間(t12~t3)が存在する。そのため、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lua,Lwa,Lvaを、この区間(t12~t3)及びその付近を含むエリアにまとめ易くなる。また、B系統の単位コイルが4つ連続して周方向に並ぶ区間(t6~t9)が存在する。そのため、B系統3相コイルに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbを、の区間(t6~t9)及びその付近を含むエリアにまとめ易くなる。
【0056】
そして実際に、3つのA系統の接続点Pva,Pua,Pwaが、それらの間にB系統のいずれの接続点Pvb,Pub,Pwbも配されることなく、周方向に3つ連続して並んでいる。そのため、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lua,Lwa,Lvaが一か所にまとめられている。また実際に、3つのB系統の接続点Pvb,Pub,Pwbが、それらの間にA系統のいずれの接続点Pvb,Pub,Pwbも配されることなく、周方向に3つ連続して並んでいる。そのため、B系統の3相コイル50bに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbが一か所にまとめられている。そのため実際に、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lua,Lwa,Lvaが一か所にまとめられると共に、B系統の3相コイル50bに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbが一か所にまとめられている。
【0057】
しかも、本実施形態によれば、各1つの一連コイルUa~Wbに対する他相の4つの各一連コイルの隣接コイル数が、1ずつになる。そのため、各1つの一連コイルUa~Wbに対して、他相の4つの各一連コイルが均等に磁気的に結合し易くなる。そのため、各1つの一連コイルUa~Wbに対する、他相の4つの各一連コイルの磁気的結合強度のアンバランスを抑えて、回転電機31の制御性を向上させることができる。
【0058】
以上、本実施形態によれば、各一連コイルに対する他相の各一連コイルの磁気的結合強度のアンバランスを抑えつつも、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lua,Lwa,Lva及びB系統の3相コイル50bに対する接続配線Lub,Lwb,Lvbを、それぞれ一か所にまとめることができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。以下の実施形態では、それ以前の実施形態のものと同一の又は対応する部材等について同一の符号を付する。ただし、回転電機自体については、実施形態毎に異なる符号を付する。本実施形態については、第1実施形態をベースにこれと異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同一又は類似の部分については、適宜説明を省略する。
【0060】
図9は、本実施形態の回転電機32における2系統の各3相コイル50a,50bを示す回路図である。まずA系統について説明する。一連コイルUaは、4つの単位コイルUa1,Ua2,Ua3,Ua4の直列接続体である。一連コイルVaは、4つの単位コイルVa1,Va2,Va3,Va4の直列接続体である。一連コイルWaは、4つの単位コイルWa1,Wa2,Wa3,Wa4の直列接続体である。以上に示したA系統についての説明は、B系統の場合においても、「a」を「b」に読み替えて同様である。
【0061】
図10は、回転電機32を示す断面図である。ロータ40は、16個の界磁磁石47を有する16極のロータである。16個の界磁磁石47は、周方向に等間隔に並んでいる。よって、界磁磁石47は、22.5度毎に設置されている。それら16個の界磁磁石47は、N極が径方向外方を向くものとN極が径方向内方を向くものとが交互になるように並んでいる。
【0062】
ステータ50は、24本のティースt1~t24を有する。それらの24本のティースは、右回りにティースt1~t24の順に並んでいる。それらの24本のティースt1~t24は、周方向に等間隔に並んでいる。よって、ティースt1~t24は、15度毎に設置されている。
【0063】
各ティースt1~t24には、当該ティースに対応する単位コイルがそれぞれ巻回されている。それにより、24個の単位コイルが、右回りにUa1(t1)→Wa4(t2)→Va4(t3)→Ub2(t4)→Wa1(t5)→Vb1(t6)→Ub1(t7)→Wb4(t8)→Vb4(t9)→Ua2(t10)→Wb1(t11)→Va1(t12)→Ua3(t13)→Wa2(t14)→Va2(t15)→Ub4(t16)→Wa3(t17)→Vb3(t18)→Ub3(t19)→Wb2(t20)→Vb2(t21)→Ua4(t22)→Wb3(t23)→Va3(t24)の順に並んでいる。
【0064】
まず、一連コイルUaについて説明する。単位コイルUa1(t1)には、単位コイルVa3(t24),Wa4(t2)が隣り合う。単位コイルUa2(t10)には、単位コイルVb4(t9),Wb1(t11)が隣り合う。単位コイルUa3(t13)には、単位コイルVa1(t12),Wa2(t14)が隣り合う。単位コイルUa4(t22)には、単位コイルVb2(t21),Wb3(t23)が隣り合う。よって、一連コイルUaには、単位コイルVa3,Wa4,Vb4,Wb1,Va1,Wa2,Vb2,Wb3が隣り合う。
【0065】
つまり、一連コイルUaに対しては、一連コイルVaの2つの単位コイルVa1,Va3が隣り合い、一連コイルVbの2つの単位コイルVb2,Vb4が隣り合い、一連コイルWaの2つの単位コイルWa2,Wa4が隣り合い、一連コイルWbの2つの単位コイルWb1,Wb3が隣り合う。よって、一連コイルUaに対しては、一連コイルVaの隣接コイル数は「2」であり、一連コイルVbの隣接コイル数は「2」であり、一連コイルWaの隣接コイル数は「2」であり、一連コイルWbの隣接コイル数は「2」である。つまり、一連コイルUaに対する、他相の4つの各一連コイルVa,Wa,Vb,Wbの隣接コイル数は「2」ずつとなる。そのため、一連コイルUaに対する、他相の4つの各一連コイルVa,Vb,Wa,Wbの磁気的結合強度が、互いに略等しくなる。
【0066】
以上に示した一連コイルUaについての説明は、他の各一連コイルVa,Wa,Ub,Vb,Wbの場合においても、各一連コイルの符号及び各単位コイルの符号をそれぞれ該当するものに読み替えて同様である。つまり、それらの他の各一連コイルVa,Wa,Ub,Vb,Wbにおいても、それに対する他相の4つの各一連コイルの隣接コイル数は「2」ずつとなる。そのため、各一連コイルUa~Wbに対する他相の4つの各一連コイルの磁気的結合強度が、互いに略等しくなる。
【0067】
しかも、第1実施形態の場合と同様に、A系統の単位コイルが4つ連続して並ぶ区間(t24~t3,t12~t15)と、B系統の単位コイルが4つ連続して並ぶ区間(t6~t9,t18~t21)とが存在する。そのため、A系統の3相コイルに対する接続配線Lva,Lua,Lwaを一か所にまとめ易くなると共に、B系統の3相コイルに対する接続配線Lvb,Lub,Lwbを一か所にまとめ易くなっている。そして、実際に、A系統の3相コイルに対する接続配線Lva,Lua,Lwaは、ティースt24~t3及びその付近を含むエリアにまとめられ、B系統の3相コイルに対する接続配線Lvb,Lub,Lwbは、ティースt6~t9及びその付近を含むエリアにまとめられている。
【0068】
以上、本実施形態によっても、各一連コイルに対する他相の各一連コイルの磁気的結合強度のアンバランスを抑えつつも、A系統の3相コイル50aに対する接続配線Lva,Lua,Lwa及びB系統の3相コイル50bに対する接続配線Lvb,Lub,Lwbを、それぞれ一か所にまとめることができる。つまり、本実施形態によれば、ティースt1~t24が24本で、U相とW相とV相とが15度間隔で配置されている場合において、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
以上に示した各実施形態は、例えば次のように変更して実施できる。
【0070】
第1,第2実施形態では、図2に示すように、2系統の3相コイル50a,50bが、それぞれインバータ20a,20bに接続されているが、これらのインバータ20a,20b、すなわちフルブリッジ回路を、ダイオードブリッジ回路に変更してもよい。この場合であっても、回転電機31,32を専ら発電機として使用することはできる。
【0071】
第1,第2実施形態では、ステータコア55に3相コイル50a,50bが2系統、装着されているが、これに代えて、3系統以上装着してもよい。また、第1,第2実施形態では、各一連コイルUa~Wbは、自身に属する単位コイルの直列接続体であるが、これに代えて、それらの単位コイルの並列接続体にしてもよい。
【0072】
第1実施形態では、図2に示すように、6つの各一連コイルUa~Wbが、自身に属する単位コイルを2つずつ有し、第2実施形態では、図9に示すように、6つの各一連コイルUa~Wbが、自身に属する単位コイルを4つずつ有する。これに代えて、Nを正の整数として、6つの各一連コイルUa~Wbが、自身に属する単位コイルを、2つずつや4つずつ以外の「2×N」個ずつ有するようにしてもよい。なお、このように、6つの各一連コイルUa~Wbが単位コイルを「2×N」個ずつ有する場合、単位コイルの数は「12×N」となる。そして、各一連コイルUa~Wbに対する、他相の各一連コイルの隣接コイル数が「N」ずつになる。
【0073】
第1,第2実施形態では、図3等に示すように、各1本のティースに1本の単位コイルが巻かれている集中巻であるが、これに代えて、複数本のティースに1本の単位コイルを巻く分布巻にしてもよい。
【0074】
第1実施形態では、図3に示すように、ロータ40が界磁磁石47を8つ有する8極であるが、それ以外の極数にしてもよい。また、第2実施形態では、図10に示すように、ロータ40が界磁磁石47を16個有する16極であるが、それ以外の極数にしてもよい。ただし、このように6つの各一連コイルUa~Wbが、自身に属する単位コイルを、「2×N」個ずつ有することにより、計「12×N」個の単位コイルが存在する場合、ロータ40は、「8×N」個の界磁磁石47を有する「8×N」極のロータであることが好ましい。
【0075】
第1,第2実施形態では、図3図10に示すように、回転電機31,32は、ロータ40に界磁磁石47を有する同期モータであるが、これに代えて、ロータ40に界磁磁石47を有しないインダクションモータにしてもよい。
【0076】
第1,第2実施形態では、図3図10に示すように、回転電機31,32は、環状のステータ50の径方向内方にロータ40を有するインナロータ型であるが、これに代えて、ステータ50の径方向外方に環状のロータ40を有するアウタロータ型にしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
31,32…回転電機、40…ロータ、50…ステータ、50a,50b…3相コイル、55…ステータコア、Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wb…一連コイル、Ua1,Ua2,Va1,Va2,Wa1,Wa2,Ub1,Ub2,Vb1,Vb2,Wb1,Wb2…単位コイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10