(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】仮締め工具
(51)【国際特許分類】
B25B 13/54 20060101AFI20241001BHJP
B25B 23/12 20060101ALI20241001BHJP
B25B 17/00 20060101ALI20241001BHJP
B25B 15/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B25B13/54 A
B25B23/12
B25B17/00 Z
B25B15/00 610A
(21)【出願番号】P 2021043331
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】吉良 和彦
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-051637(JP,A)
【文献】米国特許第04197889(US,A)
【文献】中国実用新案第201881307(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B13/00-23/18
B23P19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの被螺合部に螺合部材を仮締めする仮締め工具であって、
工具本体と、
前記工具本体に設置されたツマミと、
回転軸を有し、前記工具本体に回転可能に支持され、前記螺合部材の頭部に接する底面を有する少なくとも1つのソケットと、
前記ツマミに入力された回転駆動力を前記ソケットに伝達する伝達機構と、
前記ソケットの前記底面から突出し、前記頭部の穴または溝に挿入するソケット先端部と、
前記ソケット先端部の周りにおいて前記ソケットの前記底面から突出し、前記穴または前記溝に挿入する複数のピンと、
前記ソケットの前記底面において前記回転軸を挟んで対向する位置に配置された2個のマグネットと、
を備え、
前記ソケットの外径は、前記螺合部材の最大径よりも小さく、
前記穴または前記溝に前記複数のピンが挿入した状態で、前記ソケットが回転したときに、
各ピンの少なくとも一部は、前記回転軸を中心とした前記穴または前記溝の内接円の外側に位置し、
前記ピンの側面が前記穴または前記溝の内面に突き当たることで、前記螺合部材が回転して前記被螺合部に螺合
し、
前記複数のピンは、前記回転軸方向から見て、前記底面における前記内接円に沿って等間隔で配置され、
各マグネットは、前記内接円上において前記ピンと前記ピンとの間に配置されている、
仮締め工具。
【請求項2】
前記ピンの先端は、テーパ状である、
請求項1に記載の仮締め工具。
【請求項3】
前記マグネットは、前記ソケットの底面における磁極の向きが互いに異なるように配置されている、
請求項1
または2に記載の仮締め工具。
【請求項4】
前記ソケットは、前記回転軸方向に延びた貫通孔を有し、
前記貫通孔の前記底面側の開口の一部は、前記ソケット先端部によって塞がれ、
前記マグネットは、前記貫通孔の前記底面側に配置され、前記開口に露出している、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の仮締め工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮締め工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ピンの側面の少なくとも一部は、ソケットの内面部からソケットの中心軸の側に張り出しており、ソケットにボルトが挿入された状態でソケットが回転したときに、ピンの張り出した部分がボルトの角部に突き当たることで、ボルトが回転して雌ネジ部に螺合する仮締め工具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-051637号公報
【文献】特開2019-150933号公報
【文献】特開2008-213071号公報
【文献】特開2018-012155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の仮締め工具は、六角穴付きボルト等のように、多角形の穴が形成された螺合部材に対応することが困難である。
【0005】
本発明は、そのような課題を解決するためになされたものであり、穴等が形成された螺合部材を作業性よく仮締めすることができる仮締め工具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る仮締め工具は、ワークの被螺合部に螺合部材を仮締めする仮締め工具であって、工具本体と、前記工具本体に設置されたツマミと、回転軸を有し、前記工具本体に回転可能に支持され、前記螺合部材の頭部に接する底面を有する少なくとも1つのソケットと、前記ツマミに入力された回転駆動力を前記ソケットに伝達する伝達機構と、前記ソケットの前記底面から突出し、前記頭部の穴または溝に挿入するソケット先端部と、前記ソケット先端部の周りにおいて前記ソケットの前記底面から突出し、前記穴または前記溝に挿入する複数のピンと、前記ソケットの前記底面において前記回転軸を挟んで対向する位置に配置された2個のマグネットと、を備え、前記ソケットの外径は、前記螺合部材の最大径よりも小さく、前記穴または前記溝に前記複数のピンが挿入した状態で、前記ソケットが回転したときに、各ピンの少なくとも一部は、前記回転軸を中心とした前記穴または前記溝の内接円の外側に位置し、前記ピンの側面が前記穴または前記溝の内面に突き当たることで、前記螺合部材が回転して前記被螺合部に螺合する。このような構成により、穴等が形成された螺合部材を作業性よく仮締めすることができる。
【0007】
上記仮締め工具では、前記ピンの先端は、テーパ状でもよい。このような構成により、螺合部材の穴等に挿入しやすくすることができる。
【0008】
上記仮締め工具では、前記複数のピンは、前記回転軸方向から見て、前記底面における前記内接円に沿って等間隔で配置され、各マグネットは、前記内接円上において前記ピンと前記ピンとの間に配置されてもよい。このような構成により、螺合部材の穴等にピンが挿入した状態でソケットが回転したときに、螺合部材を回転させることができる。
【0009】
上記仮締め工具では、前記マグネットは、前記ソケットの底面における磁極の向きが互いに異なるように配置されてもよい。このような構成により、外部に磁力線を出さないため、隣り合う螺合部材の着磁を抑制することができる。
【0010】
上記仮締め工具では、前記ソケットは、前記回転軸方向に延びた貫通孔を有し、前記貫通孔の前記底面側の開口の一部は、前記ソケット先端部によって塞がれ、前記マグネットは、前記貫通孔の前記底面側に配置され、前記開口に露出してもよい。このような構成により、マグネットの外れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態によれば、穴等が形成された螺合部材を作業性よく仮締めすることができる仮締め工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係る仮締め工具を例示した側面図である。
【
図2】実施形態1に係る仮締め工具を例示した上面図である。
【
図3】実施形態1に係る仮締め工具において、ソケットを支持する工具本体を例示した断面図である。
【
図4】実施形態1に係る仮締め工具において、ソケットを例示した斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る仮締め工具によって仮締めされる螺合部材を例示した斜視図である。
【
図6】(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ソケット先端部が螺合部材の穴に挿入する動作を例示した図である。
【
図7】実施形態1に係る仮締め工具において、ソケットの底面を例示した図である。
【
図8】実施形態1に係る仮締め工具に螺合部材を供給する自動供給装置を例示した斜視図である。
【
図9】実施形態1に係る螺合部材を供給された仮締め工具がワークの被螺合部に螺合部材を仮締めする動作を例示した図である。
【
図10】実施形態1に係る螺合部材を供給された仮締め工具がワークの被螺合部に螺合部材を仮締めする動作を例示した図である。
【
図11】実施形態1に係るソケットの外径と螺合部材の最大径との関係を例示した図である。
【
図12】(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ソケット先端部が螺合部材の穴または溝に挿入する動作を例示した図である。
【
図13】比較例に係る仮締め工具において、ソケット先端部が螺合部材の穴に挿入する動作を例示した図である。
【
図14】実施形態1に係る仮締め工具において、ソケット先端部の外径と、螺合部材の穴または溝の内接円との関係を例示した図である。
【
図15】(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ソケット先端部が螺合部材の穴または溝に挿入する動作を例示した図である。
【
図16】実施形態1に係る仮締め工具において、マグネットが取り付けられるソケットの取り付け穴を例示した図であり、(a)は、ソケットの底面を示し、(b)は、ソケットの断面を示し、(c)は、ソケットの上面を示す。
【
図17】実施形態1に係る仮締め工具において、マグネットの材料と磁極を例示した図である。
【
図18】(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ソケットに螺合部材を着磁させる動作を例示した図である。
【
図19】実施形態1に係る仮締め工具において、ピンが配置されたソケットを例示した図であり、(a)は、ソケットの底面を示し、(b)は、ソケットの断面を示し、(c)は、ソケット先端部を省いたソケットの底面を示す。
【
図20】(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ピンを螺合部材の穴または溝の内面に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
【
図21】(a)~(c)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ピンと螺合部材の穴または溝との関係を例示した図である。
【
図22】(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ピンが螺合部材の穴に挿入する動作を例示した斜視図である。
【
図23】(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ピンが螺合部材の穴に挿入する動作を例示した平面図である。
【
図24】(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具において、ピンが螺合部材の穴に挿入する動作を例示した断面図である。
【
図25】(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具において、マグネットの性質を例示した図である。
【
図26】実施形態2に係る仮締め工具において、ソケットの底面を例示した図である。
【
図27】(a)及び(b)は、実施形態2に係る仮締め工具において、ピンを螺合部材の穴または溝の内面に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
【
図28】実施形態2の別の例に係る仮締め工具において、ソケットの底面を例示した図である。
【
図29】実施形態2の別の例に係る仮締め工具において、ピンを螺合部材の穴または溝の内面に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
【
図30】(a)~(c)は、実施形態2に係る仮締め工具において、ピンを螺合部材の穴または溝の内面に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
(実施形態1)
実施形態1に係る仮締め工具を説明する。本実施形態の仮締め工具は、ワークの被螺合部に螺合部材を仮締めする仮締め工具である。ワークは、例えば、被螺合部が形成されたリアアクスルである。なお、ワークは、被螺合部が形成された部材であれば、リアアクスルに限らない。
【0015】
図1は、実施形態1に係る仮締め工具を例示した側面図である。
図2は、実施形態1に係る仮締め工具を例示した上面図である。
図1において、一部を断面図で示している。
図1及び
図2に示すように、仮締め工具1は、工具本体10、ツマミ20、伝達機構30、ソケット40、ソケット先端部50、ピン60、及び、マグネット70を備えている。なお、図が煩雑にならないように、一部のハッチング及び符号を省略している。以降の図も同様に一部のハッチング及び符号を省略している場合がある。
【0016】
工具本体10は、板状に形成されている。ここで、仮締め工具1の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を使用する。例えば、板状の工具本体10の一方の面に平行な面をXY面とする。一方の面に直交する方向をZ軸方向とし、一方の面側を+Z軸方向とする。例えば、+Z軸方向を上方と呼び、-Z軸方向を下方と呼ぶ。
【0017】
板状の工具本体10の一方の面を上面11と呼び、他方の面を下面12と呼ぶ。なお、上面11、下面12、上方及び下方は、仮締め工具1の説明のための便宜的な呼び名であり、仮締め工具1を使用する際の方向を意味するものではない。
【0018】
ツマミ20は、工具本体10に回転可能に設置されている。ツマミ20は円柱状のツマミ部21、棒状の回転軸22及び歯車23を有している。回転軸22の一端は、ツマミ部21に固定されている。回転軸22の他端は、工具本体10の孔13に回転可能に支持されている。回転軸22の一端と他端との間に歯車23が固定されている。例えば、ツマミ部21及び歯車23は、上面11上に配置され、回転軸22は、上面11側から孔13に挿入されている。ツマミ部21、回転軸22及び歯車23の中心軸は一致している。これにより、工具本体10の作業者がツマミ部21を指で把持して工具本体10に対して回転させると、歯車23は中心軸を回転軸として回転する。
【0019】
伝達機構30は、歯車及び回転軸で構成されている。歯車及び回転軸の数は、ソケット40の数に対応している。例えば、4個のソケット40を有する4軸仮締め工具1の場合には、伝達機構30は、4個の歯車31、4個の歯車32、4個の回転軸33を有している。そして、工具本体10には、回転軸33の個数に対応して4個の貫通した孔14が形成されている。2個のソケット40を有する2軸仮締め工具1の場合には、伝達機構30は、2個の歯車31、2個の歯車32、2個の回転軸33を有している。そして、工具本体10には、回転軸33の個数に対応して2個の貫通した孔14が形成されている。なお、ソケット40の数は、2個及び4個に限らず、少なくとも1つあれば、何個でもよい。歯車31及び歯車32は、上面11上に配置されている。回転軸33は、上面11側から工具本体10の孔14に挿入されている。
【0020】
伝達機構30は、歯車23と噛み合う歯車31と、歯車31と噛み合う歯車32と、歯車32の中心に固定された回転軸33を有する。回転軸33の先端は、ソケット40に固定されている。作業者がツマミ部21を指で把持して回転させると、伝達機構30を介してソケット40が回転する。つまり、伝達機構30は、ツマミ20に入力された回転駆動力をソケット40に伝達する。ツマミ部21の回転に伴って歯車23が回転し、歯車23の回転によって歯車31が回転し、歯車31の回転によって歯車32が回転する。これにより、回転軸33が回転するので、ソケット40も回転する。このようにして、ツマミ20に入力された回転駆動力が、伝達機構30を介してソケット40に伝達される。
【0021】
ソケット40は、回転軸を有し、工具本体10に回転可能に支持されている。ソケット40は、工具本体10の下面12側に配置されている。ソケット40は、円柱状に形成されている。ソケット40の工具本体10側の上面41、すなわち、上方を向いた面は、孔14を貫通した回転軸33に固定されている。
【0022】
図3は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット40を支持する工具本体10を例示した断面図である。
図3に示すように、ソケット40は、工具本体10に対して首振り状に回転できるように支持されている。例えば、工具本体10の孔14の内径は、回転軸33の外径より大きい。また、例えば、回転軸33の上面11側及び下面12側にそれぞれナットNT1及びナットNT2が固定され、ナットNT及びナットNT2の間隔が孔14の長さ、すなわち、工具本体10の厚さよりも長い。これにより、ソケット40は、工具本体10に首振り(すなわち、ソケット40が傾動)可能で、且つ、上下方向に移動可能に支持される。
【0023】
図4は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット40を例示した斜視図である。
図4に示すように、ソケット40は、上方を向いた上面41及び下方を向いた底面42を有している。底面42は、螺合部材の頭部の上面に接する。底面42には、ソケット先端部50が設けられている。ソケット先端部50は、螺合部材の頭部の穴または溝に挿入する。また、底面42には、複数のピン60及び2個のマグネット70が設けられている。
【0024】
図5は、実施形態1に係る仮締め工具1によって仮締めされる螺合部材を例示した斜視図である。
図5に示すように、螺合部材80は、円柱状の頭部81及び円柱状の軸82を有する。頭部81及び軸82の中心軸は一致している。頭部81の上面83には、穴84が形成されている。なお、頭部81の上面83には、溝85が形成されてもよい。穴84または溝85の内部には、内面86が形成されている。内面86は、例えば、頭部81の上面83側に向いた底面87、及び、上面83と底面87とを繋ぐ壁面88を有してもよい。
【0025】
穴84が六角穴の場合には、螺合部材80は、例えば、六角穴付きボルトである。穴84が四角穴の場合には、螺合部材80は、例えば、四角穴付きボルトである。穴84が十字穴の場合には、螺合部材80は、例えば、十字穴付きボルトである。溝85がマイナス状の場合には、螺合部材80は、例えば、マイナスネジである。溝85がプラス状の場合には、螺合部材80は、例えば、プラスネジである。
【0026】
図6(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット先端部50が螺合部材80の穴84に挿入する動作を例示した図である。
図6(a)に示すように、ソケット先端部50は、ソケット40の底面42から突出している。ソケット先端部50は、螺合部材80の頭部81の穴84または溝85に挿入する。これにより、
図6(b)に示すように、ソケット先端部50の周りの底面42は、螺合部材80の頭部81の上面83に接する。ソケット先端部50の先端は、テーパ状に形成されてもよい。
【0027】
図7は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット40の底面42を例示した図である。
図7には、ソケット40の回転軸を中心とした螺合部材80の穴84または溝85の内接円Cを示している。穴84が六角穴の場合には、内接円は、六角穴の6つの壁面88に接する円である。穴84が四角穴の場合には、内接円は、四角穴の4つの壁面88に接する円である。溝85の場合には、対向する壁面88に接する円である。
【0028】
図7に示すように、ソケット40の底面42からは、複数のピン60が突出している。複数のピン60は、ソケット先端部50の周りにおいてソケット40の底面42から突出している。各ピンの少なくとも一部は、回転軸を中心とした穴84または溝85の内接円の外側に位置している。
【0029】
本実施形態では、複数のピン60は、2本のピン60である。各ピン60は、ソケット40の回転軸を挟んで対向する位置に配置されている。すなわち、2本のピン60の間に回転軸が配置されている。好ましくは、2本のピン60は、回転軸に対して対称となる位置に配置されている。なお、後述するように、ピン60は、2本に限らない。
【0030】
複数のピン60における各ピン60は、略円柱形状に形成されている。ピン60の先端は、テーパ状に形成されてもよい。各ピン60は、螺合部材80の頭部81の穴84または溝85に挿入する。螺合部材80の頭部81の穴84または溝85に複数のピン60が挿入した状態で、ソケット40が回転したときに、ピン60の側面が穴84または溝85の内面86(壁面88)に突き当たることで、螺合部材80が回転して被螺合部に螺合する。
【0031】
ソケット40の底面42には、2個のマグネット70が配置されている。各マグネット70は、ソケット40の底面42においてソケット40の回転軸を挟んで対向する位置に配置されている。具体的には、各マグネット70は、ソケット40の回転軸に対して互いに反対側に位置している。好ましくは、2個のマグネット70は、ソケット40の回転軸に対して対称となる位置に配置されている。
【0032】
ここで、ソケット40を下方から見たときに、2個のマグネット70は、ピン60と重ならない位置に配置されている。例えば、2個のピン60が配置された場合には、ソケット40の底面42において、マグネット70を結ぶ方向は、ピン60を結ぶ方向と直交する。すなわち、ソケット40の底面において、ソケット40の回転軸を中心とした内接円を仮定した場合に、各ピン60は、回転軸方向から見て、内接円に沿って等間隔で配置され、各マグネット70は、内接円上においてピン60とピン60との間に配置されている。具体的には、2個のマグネット70は、マグネット70の位相がピン60の位相と同じとならないように、配置されている。内接円上の一方のマグネット70の位相を0°とし時計回りを正とすると、一方のピン60の位相は90°であり、他方のマグネット70の位相は180°であり、他方のピン60の位相は270°である。
【0033】
図8は、実施形態1に係る仮締め工具1に螺合部材80を供給する自動供給装置を例示した斜視図である。
図9及び
図10は、実施形態1に係る螺合部材80を供給された仮締め工具1がワークの被螺合部に螺合部材80を仮締めする動作を例示した図である。
図8に示すように、仮締め工具1は、例えば、自動供給装置90によって螺合部材80を供給されてもよい。例えば、自動供給装置90は、螺合部材80を所定の位置91に並べる。仮締め工具1は、所定の位置91に並べられた螺合部材80の頭部81を、ソケット40の底面42にマグネット70で着磁させる。
【0034】
その後、
図9及び
図10に示すように、仮締め工具1は、ソケット40の底面42に着磁させた螺合部材80の先端を被螺合部に差し込む。そして、ツマミ部21を回転させることにより、ソケット40の穴84または溝85にピン60を引っ掛けて仮締めする。以下で、仮締め工具1の特徴を詳細に説明する。
【0035】
<ソケットの外径と、螺合部材の最大径との関係>
図11は、実施形態1に係るソケット40の外径と螺合部材80の最大径との関係を例示した図である。
図12(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット先端部50が螺合部材80の穴84または溝85に挿入する動作を例示した図である。
図11、
図12(a)及び(b)に示すように、ソケット40の外径は、螺合部材80の最大径よりも小さい。具体的には、例えば、ソケット40の外径は、螺合部材80の頭部81の最大径よりも小さい。これにより、例えば、自動供給装置90を使用して、螺合部材80を仮締め工具1に供給する場合に、ソケット40が隣り合う螺合部材80に干渉することを抑制することができる。よって、螺合部材80間の位置がずれることなくスムーズにソケット先端部50を螺合部材80の穴84または溝85に挿入することができる。
【0036】
図13は、比較例に係る仮締め工具1において、ソケット先端部50が螺合部材80の穴に挿入する動作を例示した図である。
図13の比較例に示すように、ソケット40の外径が螺合部材80の最大径よりも大きいと、隣り合う螺合部材80に干渉し、螺合部材80間の位置がずれてしまう。よって、ソケット先端部50を螺合部材80の穴84に挿入することが困難となる。
【0037】
<ソケット先端部の外径と、螺合部材の穴またな溝の内接円との関係>
図14は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット先端部50の外径と、螺合部材80の穴84またな溝85の内接円との関係を例示した図である。
図15(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット先端部50が螺合部材80の穴84または溝85に挿入する動作を例示した図である。
図14及び
図15(a)~(d)に示すように、ソケット先端部50の外径は、螺合部材80の穴84または溝85の内接円Cの直径よりも小さく設定されている。このような構成とすることにより、ソケット先端部50が螺合部材80の穴84または溝85で抉ることを抑制することができ、スムーズに穴84または溝85にソケット先端部50を挿入することができる。
【0038】
<マグネットのソケットへの取り付け>
図16は、実施形態1に係る仮締め工具1において、マグネット70が取り付けられるソケット40の取り付け穴を例示した図であり、(a)は、ソケット40の底面42を示し、(b)は、ソケット40の断面を示し、(c)は、ソケット40の上面41を示す。
図16(b)では、マグネット70を示している。
【0039】
図16(a)~(c)に示すように、ソケット40は、回転軸方向に延びた2つの取り付け穴43を有している。各取り付け穴43は、上面41から底面42までつながった貫通孔でもよい。取り付け穴43の底面42側の開口の一部は、ソケット先端部50によって塞がれている。2つのマグネット70はそれぞれ各取り付け穴43の内部に挿入されている。例えば、マグネット70は、上面41側から取り付け穴43に挿入され、底面42側まで圧入されている。マグネット70は、取り付け穴43の底面42側に配置されている。マグネット70は、底面42側の開口に露出してもよい。マグネット70は、底面42側の開口おけるソケット先端部50により塞がれた部分で固定される。このように、ソケット先端部50にマグネット70の一部が掛かるように、底面42における開口の一部は塞がれている。これにより、マグネット70の圧入時の抜け止めを抑制することができる。また、マグネット70が外れ、紛失することを抑制することができる。
【0040】
取り付け穴43は、ソケット40の底面42において回転軸を挟んで対向する位置に形成されている。各取り付け穴43は、ソケット40の回転軸に対して互いに反対側に位置している。好ましくは、2個の取り付け穴43は、ソケット40の回転軸に対して対称となる位置に形成されている。
【0041】
また、取り付け穴43の内径は、マグネット70の外径より若干小さく設置する。これにより、マグネット70の圧入時の抜け止めを抑制することができる。また、マグネット70が外れ、紛失することを抑制することができる。
【0042】
<マグネットの材料と磁極>
図17は、実施形態1に係る仮締め工具1において、マグネット70の材料と磁極を例示した図である。
図18(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ソケット40に螺合部材80を着磁させる動作を例示した図である。
図17及び
図18(a)~(d)に示すように、マグネット70は、材料として、ネオジューム磁石を含むことが望ましい。ネオジューム磁石を含むマグネット70は、長時間、螺合部材80と着磁していても、螺合部材80の磁化を抑制することができる。具体的には、
図18(a)に示すように、ネオジューム磁石を含むマグネット70は、長時間、螺合部材80と着磁した後で、
図18(b)に示すように、螺合部材80を外した場合に、螺合部材80の磁化を抑制することができる。なお、マグネット70の材料は、磁石であれば、ネオジューム磁石に限らない。
【0043】
マグネット70は、ソケット40の底面42における磁極の向きが互いに異なるように配置されてもよい。すなわち、一方のマグネット70は、ソケット40の底面42にN極が露出し、他方のマグネット70は、ソケット40の底面42にS極が露出してもよい。底面42における2つのマグネット70を異極にすることで、外部に磁力線が出ることを抑制することができる。よって、
図18(c)に示すように、隣り合う螺合部材80が着磁せず、磁力を嫌うセンサ等の近くでも使用することができる。また、
図18(d)に示すように、接触した螺合部材80の一方を着磁させて持ち上げた場合に、隣り合う螺合部材80を着磁しないようにすることができる。これに対して、底面42における2つのマグネット70を同極にすると、隣り合う螺合部材80が着磁してしまう。
【0044】
<回転用のピン>
図19は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ピン60が配置されたソケット40を例示した図であり、(a)は、ソケット40の底面42を示し、(b)は、ソケット40の断面を示し、(c)は、ソケット先端部50を省いたソケット40の底面42を示す。
図19(a)~(c)に示すように、ソケット40を下方から見たときに、2本のピン60が並ぶ方向は、2個のマグネット70が並ぶ方向と直交してもよい。すなわち、回転用のピン60を、マグネット70の取り付け位置の垂直方向に2本配置してもよい。ピン60の先端部はテーパ状でもよい。また、ピン60の取り付け位置は、回転軸方向から見て、ピン60の少なくとも一部が螺合部材80の穴84または溝85の内接円よりも外側に位置するように設置する。
【0045】
図20(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ピン60を螺合部材80の穴84または溝85の内面86に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
図20(a)及び(b)に示すように、2本のピン60で穴84または溝85の壁面88に引っ掛けて回す。ピン60の少なくとも一部が螺合部材80の穴84または溝85の内接円よりも外側に位置するので、ピン60は、穴84または溝85の壁面88に突き当たる。
【0046】
図21(a)~(c)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ピン60と螺合部材80の穴84または溝85との関係を例示した図である。
図21(b)は、(a)及び(c)のピン60とピン60との間の距離を示す。
図21(a)及び(c)に示すように、穴84が六角穴の場合であって、ピン60が2本の場合には、ピン60とピン60との間の距離が狭い程、六角穴の2面幅に干渉しない範囲が大きくなり、ピン60が六角穴に入りやすくすることができる。
【0047】
図22(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ピン60が螺合部材80の穴84に挿入する動作を例示した斜視図である。
図23(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ピン60が螺合部材80の穴84に挿入する動作を例示した平面図である。
図24(a)~(d)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、ピン60が螺合部材80の穴84に挿入する動作を例示した断面図である。
【0048】
図22(a)、
図23(a)及び
図24(a)に示すように、ソケット先端部50が螺合部材80の六角穴に挿入する。その際に、
図22(b)、
図23(b)及び
図24(b)に示すように、ピン60が螺合部材80の2面幅に干渉する場合がある。そのような場合でも、ソケット40は、工具本体10に首振り可能で、且つ、上下方向に移動可能に支持されている。よって、
図22(c)、
図23(c)及び
図24(c)に示すように、ソケット40は微小に回転する。これにより、
図22(d)、
図23(d)及び
図24(d)に示すように、ピン60を六角穴に挿入させることができる。また、後述するように、マグネット70の中心位置に磁性体を着磁させようとする性質により、ソケット40は微小に回転する。これによっても、ピン60を六角穴に挿入させることができる。
【0049】
<マグネットの性質>
図25(a)及び(b)は、実施形態1に係る仮締め工具1において、マグネット70の性質を例示した図である。マグネット70は、中心位置に磁性体を着磁させようとする性質を有している。例えば、
図25(a)に示すように、マグネット70を、六角穴の角部89に着磁させようとしても、
図25(b)に示すように、マグネット70の中心位置に磁性体を着磁させようとする性質により、ソケット40は回転する。例えば、2本のピン60は、マグネット70を結ぶ方向と直交する方向に配置されている。また、2本のピン60の少なくとも一部は、穴84または溝85の内接円Cの外側に位置している。よって、
図25(a)の状態では、ピン60が穴84または溝85に挿入されない場合がある。しかしながら、マグネット70の性質により、
図25(b)の状態に移行するので、ピン60を穴84または溝85に挿入させることができる。
【0050】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の仮締め工具1は、工具本体10に回転可能に支持されたソケット40を備えている。そして、ソケット40の底面42には、ソケット先端部50、ピン60、マグネット70が配置されている。したがって、ソケットの底面42を、螺合部材80の頭部81に磁着させた場合に、螺合部材80の頭部81の穴84または溝85にソケット先端部50が挿入する。それに伴って、複数のピン60も穴84または溝85に挿入される。よって、ソケット40を回転したときに、ピン60により、螺合部材80を回転させ、被螺合部を螺合することができる。これにより、穴等が形成された螺合部材を作業性よく仮締めすることができる。
【0051】
ソケット40の外径は、螺合部材80の最大径よりも小さいので、螺合部材80への干渉を抑制することができる。よって、仮締め工具1は、複数の螺合部材80を同時に着磁させ、仮締めすることができる。また、仮締め工具1は、自動供給装置90によって所定の位置91に並べられた螺合部材80をマグネット70で着磁させ、穴84等の内面86をピンで引掛かけ、仮締めすることができる。よって、螺合部材を作業性よく仮締めすることができる。
【0052】
ピン60の先端を、テーパ状とすることにより、螺合部材80の穴84等に挿入しやすくすることができる。また、複数のピン60を、内接円Cに沿って等間隔で配置させ、各マグネット70を、内接円C上に並べたピン60とピン60との間に配置させている。これにより、螺合部材80の穴84等にピン60が挿入した状態でソケット40が回転したときに、螺合部材80を回転させることができる。
【0053】
ソケット先端部50の外径を、内接円Cの直径よりも小さくすることにより、ソケット先端部50を穴84等に挿入しやすくすることができる。
【0054】
2個のマグネット70が並ぶ方向を、2個のピン60が並ぶ方向と直交させれば、ソケット先端部50が穴84等に干渉しても、マグネット70の着磁させる性質により、ソケット40を回転させ、ソケット先端部50を穴84等に挿入させることができる。
【0055】
マグネット70を、磁極の向きが互いに異なるように配置させることにより、外部に磁力線を出さず、隣り合う螺合部材80の着磁を抑制することができる。
【0056】
ソケット40の貫通孔における開口の一部をソケット先端部50で塞ぐことにより、圧入時のマグネット70の外れを抑制することができる。また、貫通孔の内径をマグネット70の外径より小さくすることにより、圧入時のマグネット70の外れを抑制することができる。
【0057】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る仮締め工具を説明する。本実施形態の仮締め工具は、ピン60の本数を2本の代わりに、3本または6本にする。
図26は、実施形態2に係る仮締め工具において、ソケット40の底面42を例示した図である。
図27(a)及び(b)は、実施形態2に係る仮締め工具において、ピン60を螺合部材80の穴84または溝85の内面86に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
図28は、実施形態2の別の例に係る仮締め工具において、ソケット40の底面42を例示した図である。
図29は、実施形態2の別の例に係る仮締め工具において、ピン60を螺合部材80の穴84または溝85の内面96に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
図30(a)~(c)は、実施形態2に係る仮締め工具において、ピン60を螺合部材80の穴84または溝85の内面86に突き当たて回転させる動作を例示した図である。
図26及び
図28では、ソケット先端部50を省略している。
【0058】
図26、
図27(a)及び(b)、
図28、並びに、
図29に示すように、仮締め工具は、3本または6本のピン60を有してもよい。
【0059】
3本のピン60を有する場合には、各ピン60は、ソケット40の底面42において正三角形を形成するように配置されている。各マグネット70は、ソケット40の回転軸を挟んで対向して配置されている。ソケット40の底面42において、マグネット70を結ぶ方向は、正三角形の1つの内角の2等分線と直交してもよい。
【0060】
6本のピン60を有する場合には、各ピン60は、ソケット40の底面42において正六角形を形成するように配置されている。各マグネット70は、ソケット40の回転軸を挟んで対向して配置されている。ソケット40の底面42において、マグネット70を結ぶ方向は、正六角形の対向する1組の頂点を結ぶ線と直交してもよい。
【0061】
3本または6本のピン60を有する場合には、マグネット70の外径を小さくすることが好ましい。また、マグネット70の長さは、長い方が好ましい。マグネット70の外径を小さくし、加工の手間やピン60の数が多くなることを無視できるならば、ピン60を3本、6本等に増やして、ピン60間の距離をできる限り狭くすることが好ましい。これにより、干渉しない範囲を大きくすることができる。
【0062】
図30(a)に示すように、ピン60を3本(または6本)設置した場合に、螺合部材80が浮いても螺合部材80を保持できる程度にマグネット70の磁力が強ければ、ピン60の先端のテーパはなくてもよい。
図30(b)に示すように、ピン60の先端が穴84または溝85に入らず、螺合部材80の上面83にピン60が乗り上げた場合に、浮いたままでも、螺合部材80が傾かない。このため、
図30(c)に示すように、ソケット40の首振り可動及びマグネット70の性質によって、ソケット40を回転させることができ、ソケット先端部50を螺合部材80の穴84または溝85に挿入することができる。これにより、ピン60を六角穴に挿入させることができる。
【0063】
これに対して、2本のピン60の場合には、螺合部材80の上面83にピン60が乗り上げた場合に、マグネット70の磁力により、左右どちらかに傾くため、着磁させた状態で螺合部材80の穴84または溝85に挿入することが困難な場合がある。したがって、2本のピン60の場合には、螺合部材80の上面83への乗り上げを抑制するため、ピン60の先端は、テーパ状が好ましい。
【0064】
本実施形態によれば、螺合部材80の穴84または溝85と、ピン60との間の干渉しない範囲を大きくすることができる。また、螺合部材80の上面83にピン60が乗り上げた場合でも、螺合部材80が傾かないので、ピン60の先端をテーパ状にしなくてもよい。これ以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1及び2の各構成を組み合わせたものも、本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 仮締め工具
10 工具本体
11 上面
12 下面
13、14 孔
20 ツマミ
21 ツマミ部
22 回転軸
23 歯車
30 伝達機構
31、32 歯車
33 回転軸
40 ソケット
41 上面
42 底面
43 取り付け穴
50 ソケット先端部
60 ピン
70 マグネット
80 螺合部材
81 頭部
82 軸
83 上面
84 穴
85 溝
86 内面
87 底面
88 壁面
89 角部
90 自動供給装置
91 所定の位置