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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
B65G1/04 511
B65G1/04 507
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021056925
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154066
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(72)【発明者】
【氏名】小原 生光
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-071674(JP,A)
【文献】特開2005-075501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0340122(US,A1)
【文献】特開昭52-126875(JP,A)
【文献】特開2008-044729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を収容する複数の荷収容部を有する保管棚と、
前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載装置と、を備えた自動倉庫において、
前記保管棚に並設され、荷を搬送する搬送装置を備え、
前記荷移載装置は、
前記保管棚および前記搬送装置の少なくとも一方の上方に設けられ、前記搬送装置による荷の搬送方向に沿って走行する走行体と、
前記走行体に設けられ、前記搬送装置と前記保管棚とを往復移動することにより、前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載機と、を備え
前記保管棚は、前記搬送装置の両側にそれぞれ並設され、
前記走行体は、前記保管棚の上方にそれぞれ配設されていることを特徴とする自動倉庫。
【請求項2】
荷を収容する複数の荷収容部を有する保管棚と、
前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載装置と、を備えた自動倉庫において、
前記保管棚に並設され、荷を搬送する搬送装置を備え、
前記荷移載装置は、
前記保管棚および前記搬送装置の少なくとも一方の上方に設けられ、前記搬送装置による荷の搬送方向に沿って走行する走行体と、
前記走行体に設けられ、前記搬送装置と前記保管棚とを往復移動することにより、前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載機と、を備え、
前記搬送装置は、前記複数の荷収容部に対応して独立駆動する複数のコンベア部を有していることを特徴とする自動倉庫。
【請求項3】
前記荷収容部は、荷を支持するとともに、前記荷収容部に収容された荷を前記荷収容部の延在方向に移動可能な搬送装置を有することを特徴とする請求項1又は2記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記走行体は、前記搬送装置の上方に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記搬送装置は、前記複数の荷収容部に対応して独立駆動する複数のコンベア部を有していることを特徴とする請求項1記載の自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
自動倉庫の従来技術として、例えば、特許文献1に開示された自動倉庫が知られている。特許文献1に開示された自動倉庫は、各段台車走行経路との間で台車が乗り移り可能な昇降ガイドレールを備えた台車昇降搬送装置を併設している。昇降ガイドレールが所定レベルにあるときに、昇降ガイドレールとの間で台車が乗り移り可能で且つ荷積み卸し作業場との間で台車を案内する台車走行経路が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-156630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された自動倉庫は、例えば、荷を入庫する場合、台車が荷を搬送して棚の荷支持部に移載する必要があり、荷が入庫されないと次の荷を入庫することができない。また、荷を出庫する場合には、台車が出庫すべき荷を取り出して出庫しないと、次の荷を取り出せない。このように、特許文献1に開示された自動倉庫では、台車の能力を超える荷の入出庫処理は不可能であり、台車の能力によって入出庫の作業効率が制限されるという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、複数の荷を搬送しつつ、荷の入出庫を可能とし、荷の入出庫の作業効率の向上を図ることができる自動倉庫の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、荷を収容する複数の荷収容部を有する保管棚と、前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載装置と、を備えた自動倉庫において、前記保管棚に並設され、荷を搬送する搬送装置を備え、前記荷移載装置は、前記保管棚および前記搬送装置の少なくとも一方の上方に設けられ、前記搬送装置による荷の搬送方向に沿って走行する走行体と、前記走行体に設けられ、前記搬送装置と前記保管棚とを往復移動することにより、前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載機と、を備え、前記保管棚は、前記搬送装置の両側にそれぞれ並設され、前記走行体は、前記保管棚の上方にそれぞれ配設されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、搬送装置は入庫又は出庫の対象となる複数の荷を搬送する。荷移載装置の走行体は、搬送装置に搬送されている入庫すべき荷又は保管棚に保管されている出庫すべき荷へ向かって走行し、荷移載機が荷搬送装置から入庫すべき荷を荷収容部に移載し、あるいは、荷収容部の出庫すべき荷を搬送装置へ移載する。つまり、入出庫すべき複数の荷を搬送しつつ、荷の入出庫が可能となり、荷の入出庫の作業効率の向上を図ることができる。
また、走行体が搬送装置の両側にそれぞれ並設された保管棚の上方にそれぞれ設けられているので、走行体が搬送装置の上方に設けられている場合と比べて、保管棚の上方に荷移載機がそれぞれ配設されるので、荷の入出庫の作業効率が大幅に向上する。また、荷移載機が保管棚の荷収容部に収容されている荷に対して直ちに近づくことができる。したがって、出庫すべき荷の移載を速やかに行うことができる。
さらに、上記の課題を解決するために、本発明は、荷を収容する複数の荷収容部を有する保管棚と、前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載装置と、を備えた自動倉庫において、前記保管棚に並設され、荷を搬送する搬送装置を備え、前記荷移載装置は、前記保管棚および前記搬送装置の少なくとも一方の上方に設けられ、前記搬送装置による荷の搬送方向に沿って走行する走行体と、前記走行体に設けられ、前記搬送装置と前記保管棚とを往復移動することにより、前記複数の荷収容部に対して荷を出し入れする荷移載機と、を備え、前記搬送装置は、前記複数の荷収容部に対応して独立駆動する複数のコンベア部を有していることを特徴とする。
本発明では、複数のコンベア部のうち、特定のコンベア部では荷移載装置による荷の保管棚に対する送り出し又は取り出しを行いつつ、特定のコンベア部を除くコンベア部を用いて入庫又は出庫のための荷を搬送することができる。つまり、複数の荷の搬送と保管棚に対する荷の入出庫を同時に行うことができる。
【0008】
また、上記の自動倉庫において、前記荷収容部は、荷を支持するとともに、前記荷収容部に収容された荷を前記荷収容部の延在方向に移動可能な搬送装置を有する構成としてもよい。
この場合、荷収容部に保管された荷を、出庫する前の段階からあらかじめ出庫場所へ移動できるので、荷の入出庫の作業効率をさらに向上することができる。
【0009】
また、上記の自動倉庫において、前記走行体は、前記搬送装置の上方に設けられている構成としてもよい。
この場合、走行体が搬送装置の上方に設けられているので、荷移載機が搬送装置により搬送されている荷に対して直ちに近づくことができる。したがって、入庫すべき荷の移載を速やかに行うことができる。
【0011】
また、上記の自動倉庫において、前記搬送装置は、前記複数の荷収容部に対応して独立駆動する複数のコンベア部を有している構成としてもよい。
この場合、複数のコンベア部のうち、特定のコンベア部では荷移載装置による荷の保管棚に対する送り出し又は取り出しを行いつつ、特定のコンベア部を除くコンベア部を用いて入庫又は出庫のための荷を搬送することができる。つまり、複数の荷の搬送と保管棚に対する荷の入出庫を同時に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の荷を搬送しつつ、荷の入出庫を可能とし、荷の入出庫の作業効率の向上を図ることができる自動倉庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る自動倉庫の概要を示す平面図である。
図2】第1の実施形態に係る自動倉庫における搬送コンベアおよび荷移載装置の概要を示す側面図である。
図3】第1の実施形態に係る自動倉庫の概要を示す正面図である。
図4】(a)は、保管棚への荷の送り出し中に、上流側で複数の荷を搬送する状態を示す平面図であり、(b)は保管棚からの荷の取り出し中に、下流側で複数の荷を搬送する状態を示す平面図であり、(c)は、荷の保管棚へ送り出し中に、上流側および下流側で複数の荷を搬送する状態を示す平面図である。
図5】第2の実施形態に係る自動倉庫の概要を示す平面図である。
図6】第3の実施形態に係る自動倉庫の概要を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る自動倉庫について図面を参照して説明する。図1に示すように、自動倉庫10は、搬送コンベア11と、入庫用コンベア12と、出庫用コンベア13と、一対の保管棚14と、荷移載装置15と、制御装置16と、を備えている。
【0015】
搬送コンベア11は、入庫又は出庫すべき荷Wを搬送するための搬送装置に相当する。本実施形態では、搬送コンベア11は、ローラコンベア方式を採用している。搬送コンベア11の詳細については後述する。図1に示すように、搬送コンベア11の一方の端部には、入庫用コンベア12が設置されている。入庫用コンベア12は、入庫すべき荷Wを搬送コンベア11へ向けて送り出す。搬送コンベア11の他方の端部には、出庫用コンベア13が設置されている。出庫用コンベア13は、搬送コンベア11から送り出された出庫すべき荷Wを搬送する。入庫用コンベア12および出庫用コンベア13は、ローラコンベアであるが、ベルトコンベア等、他方式のコンベアであってもよい。
【0016】
図1に示すように、搬送コンベア11の両側に複数の荷Wを保管するための保管棚14がそれぞれ設置されている。保管棚14は、搬送コンベア11の両側に配設され、荷Wを収容する10個の荷収容部17を有する。荷収容部17は搬送装置としてのローラコンベア18を有する。ローラコンベア18はコンベアフレーム19と、コンベアフレーム19に回転可能に支持されている複数のローラ20と、駆動源である電動モータ(図示せず)と、を備えている。荷収容部17は一定の間隔で搬送コンベア11に沿って配設されている。図1では、説明の便宜上、荷収容部17の境界を示す。荷移載装置15は、搬送コンベア11により搬送される荷Wを保管棚14へ移載したり、保管棚14に保管されている荷Wを搬送コンベア11へ移載したりする装置である。荷移載装置15の詳細については後述する。なお、保管棚14は10個の荷収容部17を有するとしたが、荷収容部17の数は複数であればよく、特に制限されない。
【0017】
制御装置16は入庫用コンベア12の近傍に設けられている。制御装置16は自動倉庫10の各部を制御する。具体的には、制御装置16は、搬送コンベア11、入庫用コンベア12、出庫用コンベア13および荷移載装置15を制御する。制御装置16は、図示はされないが各種プログラムを実行する中央処理部(CPU)および各種プログラムやデータを記憶する記憶部を有している。
【0018】
次に、搬送コンベア11について詳述する。図2に示すように、搬送コンベア11は、複数のコンベア部21を備えている。複数のコンベア部21が直線状に配設されることにより、搬送コンベア11が構成される。コンベア部21は、コンベアフレーム22と、コンベアフレーム22に回転可能に支持されている複数のローラ23と、駆動源である電動モータ(図示せず)と、を備えている。複数のローラ23は、互いに平行となるようにコンベアフレーム22において配設されている。コンベア部21における各ローラ23には伝動ベルト(図示せず)が掛装されており、電動モータにより特定のローラ23が回転されると、残りのローラ23も回転する。コンベア部21の側部は、保管棚14の荷収容部17と対向する(図1を参照)。
【0019】
各コンベア部21に備えられている電動モータは、制御装置16により制御される。つまり、制御装置16が、各コンベア部21の電動モータを制御する。このため、搬送コンベア11において、例えば、互いに隣り合う一部のコンベア部21を作動させ、残りのコンベア部21を停止させると、搬送コンベア11の一部では荷Wの搬送が行われ、荷Wの搬送を行う一部以外では荷Wの搬送が行われない。本実施形態の搬送コンベア11では、保管棚14の荷収容部17の数に対応するように10個のコンベア部21が配設されるとしたが、コンベア部21の数は複数であればよく、特に制限されない。
【0020】
次に、荷移載装置15について詳述する。図3に示すように、荷移載装置15は、一対の走行レール25と、走行体26と、荷移載機27と、を備えている。また、荷移載装置15は、図2に示す走行モータ28と、図3に示す駆動モータ29と、を備えている。図、図2に示すように、一対の走行レール25は、搬送コンベア11の上方において荷Wの搬送方向と平行となるように延在する。一対の走行レール25は搬送コンベア11の幅方向に配設され、互いに平行である。一対の走行レール25は、門形フレーム(図示せず)により支持される。
【0021】
走行体26は、本体部31と、走行レール25に対して転動する複数の転輪32と、複数の転輪32を支持する転輪支持部33とを、有する。本体部31は平板状の部材により形成されている。本体部31の上部には、複数の転輪32を支持する一対の転輪支持部33が設けられている。転輪支持部33は、走行レール25の上面に対して転動する転輪32と、走行レール25の下面に対して転動する転輪32と、走行レール25の側面に対して転動する転輪(図示せず)と、を転動可能に支持する。図2に示すように、走行体26は走行モータ28の駆動によって走行する。走行モータ28は、図示されない門形フレームに支持されており、走行モータ28と走行体26とはベルト等の動力伝達部材により連結され、走行モータ28の回転力は走行体26の往復運動に変換される。走行モータ28は制御装置16により制御される。
【0022】
走行体26の本体部31の下面には、荷移載機27が備えられている。荷移載機27は、本体部31に対して搬送コンベア11の幅方向にスライド可能なスライド部34と、スライド部34の搬送コンベア11の幅方向の両端部に備えられた係止アーム35と、を備えている。スライド部34は、駆動モータ29の駆動により一方の保管棚14の上方と他方の保管棚14との間を往復移動する。したがって、荷移載機27は、一対の保管棚14に対して荷Wの出し入れが可能である。駆動モータ29は、本体部31の上面に備えられており、駆動モータ29の回転力は、動力伝達機構(図示せず)を介してスライド部34の往復移動運動に変換される。駆動モータ29は制御装置16により制御される。
【0023】
係止アーム35は、スライド部34の端部に回動可能に支持されている。係止アーム35は、スライド部34から下方へ向けて延在する状態と、係止アーム35の回動により水平方向へ延在する状態(図2を参照)と、に切換が可能である。係止アーム35は、スライド部34に設けられたアクチュエータ(図示せず)により行われる。アクチュエータは制御装置16により制御される。
【0024】
搬送コンベア11の荷Wを保管棚14へ送り出すときには、送り出し先の保管棚14と反対側の保管棚14側の係止アーム35を下方へ延在させ、送り出し先の保管棚14側の係止アーム35を水平方向へ延在するように退避させる。保管棚14の荷Wを搬送コンベア11に取り出すときには、スライド部34を保管棚14へ移動させた状態で、搬送コンベア11側の反対側の係止アーム35を下方へ向けて延在させ、搬送コンベア11側の係止アーム35を水平方向へ延在するように退避させる。
【0025】
次に、本実施形態に係る自動倉庫10による荷Wの入出庫について説明する。荷Wを入庫する場合、搬送コンベア11は、制御装置16の指令に基づき入庫すべき複数の荷Wを搬送する。搬送コンベア11により搬送される複数の荷Wは、入庫される荷収容部17が定められている。搬送コンベア11により搬送される複数の荷Wのうち、先頭の荷Wが保管棚14の入庫先となる荷収容部17と対向する位置に達すると、先頭の荷Wを含む入庫すべき荷Wが存在するコンベア部21を停止する。
【0026】
一方、荷移載装置15の走行体26は、先頭の荷Wが保管棚14の入庫先となる荷収容部17と対向する位置に達するとともに、先頭の荷Wの上方へ移動する。先頭の荷Wを含む入庫すべき荷Wが存在するコンベア部21を停止すると、荷移載機27のスライド部34をスライドさせ、係止アーム35を先頭の荷Wに押し付けて荷Wを搬送コンベア11から保管棚14の荷収容部17に送り出す。搬送コンベア11に残された入庫すべき荷Wは、先頭の荷Wと同様に、保管棚14において定められた荷収容部17と対向する位置まで搬送され、荷移載装置15によって荷収容部17に送り出される。全ての荷収容部17が荷Wで埋まるまで、入庫作業を行うことができる。
【0027】
次に、荷Wを出庫する場合について説明する。荷Wを出庫する場合、制御装置16の指令に基づき出庫すべき荷Wを保管棚14から取り出すため、荷移載装置15の走行体26が出庫すべき荷Wと対向するコンベア部21の上方に移動する。荷移載機27のスライド部34を搬送コンベア11から保管棚14へ向けてスライドさせ、荷収容部17の荷Wを取り出せるように係止アーム35を回動させる。次に、スライド部34を保管棚14から搬送コンベア11に向けて移動させ、係止アーム35を荷収容部17の荷Wに押し付けて荷Wを保管棚14から搬送コンベア11へ取り出す。搬送コンベア11に取り出された荷Wは、取り出された荷Wを支持するコンベア部21の作動により出庫用コンベア13へ向けて搬送される。全ての荷収容部17の荷Wが取り出されるまで、出庫作業を行うことができる。
【0028】
本実施形態の自動倉庫10では、荷移載機27が荷Wの送り出し又は取り出しを行っているとき、送り出し中又は取り出し中の荷Wが位置するコンベア部21を除くコンベア部21では、荷Wの搬送を行うことが可能である。このため、荷移載機27による荷Wの送り出し又は取り出しと同時に、荷Wが存在しないコンベア部21を作動させ、搬送コンベア11に供給される新たな入庫すべき荷Wを搬送したり、既に搬送コンベア11に取り出された出庫すべき荷Wを出庫したりしてもよい。
【0029】
具体的には、例えば、図4(a)に示すように、荷移載機27が荷Wを搬送コンベア11から保管棚14へ送り出しているとき、搬送コンベア11において送り出されている荷Wよりも上流側のコンベア部21が入庫すべき複数の荷Wを搬送する。また、図4(b)に示すように、荷移載機27が保管棚14の荷Wを搬送コンベア11へ送り出しているとき、搬送コンベア11において送り出されている荷Wよりも下流側のコンベア部21が出庫すべき複数の荷Wを搬送する。さらに、図4(c)に示すように、荷移載機27が荷Wを搬送コンベア11から保管棚14へ送り出しているとき、搬送コンベア11において送り出されている荷Wよりも上流側のコンベア部21が入庫すべき複数の荷Wを搬送する。それと同時に、搬送コンベア11において送り出されている荷Wよりも下流側のコンベア部21が出庫すべき複数の荷Wを搬送する。
【0030】
本実施形態に係る自動倉庫10は、以下の効果を奏する。
(1)搬送コンベア11は入庫又は出庫の対象となる複数の荷Wを搬送する。荷移載装置15の走行体26は、搬送コンベア11に搬送されている入庫すべき荷W又は保管棚14に保管されている出庫すべき荷Wへ向かって走行する。荷移載機27は搬送コンベア11から入庫すべき荷Wを荷収容部17に移載し、あるいは、荷収容部17の出庫すべき荷Wを搬送コンベア11へ移載する。つまり、入出庫すべき複数の荷Wを搬送しつつ、荷Wの出し入れが可能となり、荷Wの入出庫の作業効率の向上を図ることができる。
【0031】
(2)荷収容部17は、荷Wを支持するとともに、荷収容部17に収容された荷Wを荷収容部17の延在方向に移動可能なローラコンベア18を有する。このため、荷収容部17に保管された荷Wを、出庫する前の段階からあらかじめ出庫場所へ移動できるので、荷Wの入出庫の作業効率をさらに向上することができる。例えば、荷収容部17に保管された荷Wを、保管棚14において出庫前にあらかじめ出庫場所として定めた別の荷収容部17へ移動させておき、その後に移動された荷Wを出庫する。
【0032】
(3)走行体26は、搬送コンベア11の上方に設けられている。このため、荷移載機27が搬送コンベア11により搬送されている荷Wに対して直ちに近づくことができる。したがって、入庫すべき荷Wの移載を速やかに行うことができる。
【0033】
(4)搬送コンベア11は、複数の荷収容部17に対応して独立駆動する複数のコンベア部21を有している。このため、複数のコンベア部21のうち、特定のコンベア部21では荷移載装置15による荷Wの保管棚14に対する送り出し又は取り出しを行いつつ、特定のコンベア部21を除くコンベア部21を用いて入庫又は出庫のための荷Wを搬送することができる。つまり、複数の荷Wの搬送と保管棚14に対する荷Wの出し入れを同時に行うことができる。
【0034】
(5)入出庫すべき荷Wの搬送の役割を搬送コンベア11が果たし、搬送コンベア11と保管棚14との荷Wの出し入れの役割を荷移載装置15が果たす。したがって、荷Wの搬送により荷Wの出し入れが制約され難くなり、また、荷Wの出し入れにより荷Wの搬送が制約され難くなる。その結果、荷Wの搬送および入出庫の高速化を図ることができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る自動倉庫について説明する。本実施形態は、荷移載装置の走行体が保管棚の上方に設けられている点で第1の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
【0036】
図5に示す自動倉庫40では、荷移載装置41は、保管棚14の上方にそれぞれ配設された一対の走行レール25と、一対の走行レール25を荷Wの搬送方向に沿って走行する走行体26と、走行体26にそれぞれ設けられる荷移載機42と、を備える。走行体26は、図示されないが走行モータ28により走行レール25を往復走行する。一方の保管棚14の上方に位置する荷移載機42は、一方の保管棚14と搬送コンベア11とを往復移動することにより、一方の保管棚14の荷収容部17に対して荷Wを出し入れする。他方の保管棚14の上方に位置する荷移載機42は、他方の保管棚14と搬送コンベア11とを往復移動することにより、他方の保管棚14の荷収容部17に対して荷Wを出し入れする。一対の荷移載機42は、互いに干渉しない位置で荷Wの出し入れを行う。
【0037】
それぞれの荷移載機42には、図示されないがスライド部34および係止アーム35が備えられている。スライド部34は、走行体26に備えられた駆動モータ29により往復移動する。荷移載機42が荷Wを搬送コンベア11から保管棚14に送り出すときは、スライド部34を搬送コンベア11の上方へ移動させ、係止アーム35によって荷Wを搬送コンベア11から保管棚14へ送り出す。荷移載機42が保管棚14の荷Wを搬送コンベア11へ取り出すときは、スライド部34を荷Wの上方に位置させ、係止アーム35によって荷Wを保管棚14から搬送コンベア11へ取り出す。
【0038】
本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)、(2)、(4)と同等の効果を奏する。また、自動倉庫40では、一対の保管棚14の上方で荷移載機42を備えた走行体26がそれぞれ往復移動する。したがって、2個の荷Wの同時の出し入れが可能であり、走行体26が搬送コンベア11の上方に設けられている第1の実施形態と比較して、荷移載装置15による荷Wの入出庫を倍増させることができ、荷Wの入出庫の作業効率が大幅に向上する。また、保管棚14の上方に荷移載機42がそれぞれ配設されるので、荷移載機42が保管棚14の荷収容部17に収容されている荷Wに対して直ちに近づくことができる。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る自動倉庫について説明する。本実施形態は、荷移載装置の走行体が搬送コンベアの上方に設けられているととともに、保管棚の上方に設けられている点で第1の実施形態および第2の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と同じ構成については第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
【0040】
図6に示す自動倉庫50では、荷移載装置51は、搬送コンベア11および一対の保管棚14の上方にそれぞれ配設された一対の走行レール25と、一対の走行レール25を荷Wの搬送方向に沿って走行する走行体26と、を備える。さらに、荷移載装置51は、荷移載機27と、一対の荷移載機42と、を備える。走行体26は、図示されない走行モータ28により走行レール25を往復走行する。荷移載機27は一方の保管棚14の上方と他方の保管棚14の上方とを往復移動するため、一対の保管棚14に対して荷Wの出し入れが可能である。一方の荷移載機42は、一方の保管棚14と搬送コンベア11とを往復移動し、他方の荷移載機42は、一方の保管棚14と搬送コンベア11とを往復移動する。荷移載機27および一対の荷移載機42は、互いに干渉しない位置で荷Wの出し入れを行う。
【0041】
本実施形態では、第1の実施形態の効果と同等の効果を奏する。また、自動倉庫50では、搬送コンベア11および一対の保管棚14の上方で荷移載機42を備えた走行体26がそれぞれ往復移動する。したがって、3個の荷Wの同時の出し入れが可能であり、第1の実施形態および第2の実施形態と比較して、荷移載装置51による荷Wの入出庫を増大させることができ、荷Wの入出庫の作業効率が大幅に向上する。
【0042】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
【0043】
○ 上記の実施形態では、搬送装置の両側に保管棚をそれぞれ設けるようにしたが、これに限らない。搬送装置の一方に保管棚を設けるようにしてもよい。
○ 上記の実施形態では、搬送装置としてローラコンベアの搬送コンベアを例示して説明したが、これに限らない。搬送装置は、ローラコンベア以外のコンベアを用いてもよく、例えば、ベルトコンベアによる複数のコンベア部を有する搬送装置としてもよい。
○ 上記の実施形態では、荷収容部は荷を支持するとともに、荷収容部に収容された荷を荷収容部の延在方向に移動可能な搬送装置を有するとしたが、これに限定されない。荷収容部は、荷を支持することが可能であれば搬送装置以外の構成であってもよく、例えば、比較的単純な形状であって単に荷を支持する棚板であってもよい。
○ 上記の実施形態では、走行体の走行のための走行モータと、スライド部の往復移動のための駆動モータと、を設けるようにしたが、これに限らない。走行体の走行とスライド部の往復移動とを共通のモータの駆動により行うようにしてもよい。
○ 上記の実施形態では、荷移載機が備える係止アームにより押し込むようにして保管棚に対する荷の出し入れを行うようにしたがこれに限らない。荷移載機は、例えば、荷を吊り下げる吊下手段等、荷の出し入れを可能とする手段を備えてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10、40、50 自動倉庫
11 搬送コンベア
12 入庫用コンベア
13 出庫用コンベア
14 保管棚
15、41、51 荷移載装置
16 制御装置
17 荷収容部
18 ローラコンベア(搬送装置)
21 コンベア部
26 走行体
27、42 荷移載機
34 スライド部
35 係止アーム
W 荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6