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特許7563309車載中継装置、車載装置およびスリープ通知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】車載中継装置、車載装置およびスリープ通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20241001BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04L12/46 V
H04L12/28 100A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021107615
(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公開番号】P2023005599
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】菊地 慶剛
(72)【発明者】
【氏名】萩原 剛志
(72)【発明者】
【氏名】浦山 博史
(72)【発明者】
【氏名】前田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】呉 ダルマワン
(72)【発明者】
【氏名】大津 智弘
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-92565(JP,A)
【文献】特開2005-159864(JP,A)
【文献】特開2011-87112(JP,A)
【文献】特開2006-248265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なるVLAN(Virtual Local Area Network)に属する複数の車載装置間の情報を中継する中継部と、
前記車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知する検知部と、
前記検知部により前記複数の車載装置のうちの第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、前記複数の車載装置のうちの第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う通知部とを備える、車載中継装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記第1の車載装置が属するVLAN内において前記第1の車載装置により定期的にブロードキャストされる、前記第1の車載装置がアクティブ状態であることを示す第1のNM(Network Management)メッセージが所定時間到来しない場合、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したと判断する、請求項1に記載の車載中継装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記第1のNMメッセージが所定時間到来しない場合、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したか、または前記第1の車載装置が故障したかを判定する、請求項2に記載の車載中継装置。
【請求項4】
前記車載中継装置は、さらに、
互いに異なるVLANに属する前記車載装置の組と、前記組における一方の前記車載装置がスリープ状態へ遷移した場合において前記組における他方の前記車載装置への前記スリープ通知の要否との対応関係を示す通知要否情報を記憶する記憶部を備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載中継装置。
【請求項5】
前記第2の車載装置は、センサであり、
前記第1の車載装置は、前記センサの計測結果に基づいて運転支援を行う運転支援装置である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車載中継装置。
【請求項6】
前記車載中継装置は、さらに、
前記車載中継装置がアクティブ状態であることを示す第2のNMメッセージを前記各車載装置へ定期的に送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記検知部により前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことが検知された後においても前記第2の車載装置への前記第2のNMメッセージの送信を継続し、
前記通知部は、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨を示す情報を、前記送信部により送信される前記第2のNMメッセージに含めることにより前記第2の車載装置への前記スリープ通知を行う、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車載中継装置。
【請求項7】
車載装置であって、
異なるVLANに属する他の車載装置へ車載中継装置を介して情報を送信する送信部と、
前記他の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を前記車載中継装置から受信する受信部とを備え、
前記送信部は、前記受信部が前記スリープ通知を受信した場合、前記他の車載装置への情報の送信を停止する、車載装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記車載装置がアクティブ状態であることを示すNMメッセージを、前記車載装置が属するVLAN内において定期的にブロードキャストし、
前記送信部は、前記受信部が前記スリープ通知を受信した後においても前記NMメッセージのブロードキャストを継続する、請求項7に記載の車載装置。
【請求項9】
互いに異なるVLANに属する複数の車載装置間の情報を中継するステップと、
前記複数の車載装置のうちの第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知するステップと、
前記複数の車載装置のうちの第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行うステップとを含む、スリープ通知方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載中継装置、車載装置およびスリープ通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載通信システムにおいて、たとえば自動運転制御のための通信が行われることにより、車載通信システムにおける通信量は増加傾向にある。車載通信システムにおける通信帯域の逼迫を軽減するために、車載装置の機能に影響の無い範囲で可能な限り車載通信システムにおける通信量を低減することが望まれている。
【0003】
たとえば、特許文献1(国際公開第2020/145334号)には、以下のような電子制御装置が開示されている。すなわち、電子制御装置は、車載のネットワークシステムを構成し、互いに通信可能な複数の電子制御装置のうちのいずれかの電子制御装置であって、他の電子制御装置とのCAN(登録商標)による通信を制御するように構成された第1の通信制御部と、前記他の電子制御装置とのイーサネット(登録商標)による通信を制御し、前記第1の通信制御部が制御する前記CANの通信状態がアウェイク状態であれば、前記他の電子制御装置との前記イーサネットによる通信状態を通信可能にし、前記第1の通信制御部が制御する前記CANの通信状態がスリープ状態であれば、前記他の電子制御装置との前記イーサネットによる通信状態を通信不可にするように構成された第2の通信制御部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-88568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術を超えて、車載通信システムにおける通信量をより低減することが可能な技術が望まれる。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、車載通信システムにおける通信量をより低減することが可能な車載中継装置、車載装置およびスリープ通知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の車載中継装置は、互いに異なるVLAN(Virtual Local Area Network)に属する複数の車載装置間の情報を中継する中継部と、前記車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知する検知部と、前記検知部により前記複数の車載装置のうちの第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、前記複数の車載装置のうちの第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う通知部とを備える。
【0008】
本開示の車載装置は、異なるVLANに属する他の車載装置へ車載中継装置を介して情報を送信する送信部と、前記他の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を前記車載中継装置から受信する受信部とを備え、前記送信部は、前記受信部が前記スリープ通知を受信した場合、前記他の車載装置への情報の送信を停止する。
【0009】
本開示のスリープ通知方法は、互いに異なるVLANに属する複数の車載装置間の情報を中継するステップと、前記複数の車載装置のうちの第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知するステップと、前記複数の車載装置のうちの第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行うステップとを含む。
【0010】
本開示は、このような特徴的な処理部を備える車載中継装置として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得たり、車載中継装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、車載中継装置を含む車載通信システムとして実現され得る。また、本開示は、このような特徴的な処理部を備える車載装置として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする通信方法として実現され得たり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得たり、車載装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、車載装置を含む車載通信システムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、車載通信システムにおける通信量をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係る車載ECUの構成を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係る中継装置の構成を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る中継装置の記憶部が記憶する通知要否テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る中継装置が中継処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る中継装置がスリープ通知を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図7図7は、本開示の実施の形態に係る車載ECUが他の車載ECUへの情報の送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図8図8は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける通信のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0014】
(1)本開示の実施の形態に係る車載中継装置は、互いに異なるVLANに属する複数の車載装置間の情報を中継する中継部と、前記車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知する検知部と、前記検知部により前記複数の車載装置のうちの第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、前記複数の車載装置のうちの第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う通知部とを備える。
【0015】
このように、車載装置がスリープ状態へ遷移したことを車載中継装置において検知し、当該車載装置とは異なるVLANに属する他の車載装置へ、当該車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う構成により、当該車載装置がスリープ状態へ遷移したことを当該他の車載装置に認識させることができるので、たとえば当該車載装置がスリープ状態である期間における当該他の車載装置から当該車載装置への情報の送信を停止させることができる。これにより、車載通信システムにおける通信量をより低減することができる。
【0016】
(2)前記検知部は、前記第1の車載装置が属するVLAN内において前記第1の車載装置により定期的にブロードキャストされる、前記第1の車載装置がアクティブ状態であることを示す第1のNM(Network Management)メッセージが所定時間到来しない場合、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したと判断する構成であってもよい。
【0017】
このような構成により、既存の規格であるAUTOSAR(AUTomotive Open System ARchitecture)に従うNMメッセージを用いて、第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことを簡易な処理で正確に検知することができる。
【0018】
(3)前記検知部は、前記第1のNMメッセージが所定時間到来しない場合、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したか、または前記第1の車載装置が故障したかを判定する構成であってもよい。
【0019】
このような構成により、第1の車載装置からの第1のNMメッセージが所定時間到来しない場合において、第1の車載装置のスリープ状態への遷移と、第1の車載装置の故障とを判別し、判別結果に応じた処理を行うことができる。
【0020】
(4)前記車載中継装置は、さらに、互いに異なるVLANに属する前記車載装置の組と、前記組における一方の前記車載装置がスリープ状態へ遷移した場合において前記組における他方の前記車載装置への前記スリープ通知の要否との対応関係を示す通知要否情報を記憶する記憶部を備える構成であってもよい。
【0021】
このような構成により、記憶部が記憶する通知要否情報に基づいて、スリープ通知を行うべき車載装置へ選択的にスリープ通知を行うことができるので、たとえば、スリープ状態へ遷移した車載装置へ定期的な情報の送信を行う車載装置へ、スリープ通知を行うことができる。
【0022】
(5)前記第2の車載装置は、センサであり、前記第1の車載装置は、前記センサの計測結果に基づいて運転支援を行う運転支援装置であってもよい。
【0023】
運転支援システムにおいて、センサは計測結果を短周期で運転支援装置へ送信し、運転支援装置は車両が停車することにより頻繁にスリープ状態へ遷移する場合があるところ、運転支援装置がスリープ状態へ遷移したことをセンサに認識させ、運転支援装置がスリープ状態である期間におけるセンサから運転支援装置への計測情報の送信を停止させることにより、車載通信システムにおける通信量をより効果的に低減することができる。
【0024】
(6)前記車載中継装置は、さらに、前記車載中継装置がアクティブ状態であることを示す第2のNMメッセージを前記各車載装置へ定期的に送信する送信部を備え、前記送信部は、前記検知部により前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことが検知された後においても前記第2の車載装置への前記第2のNMメッセージの送信を継続し、前記通知部は、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨を示す情報を、前記送信部により送信される前記第2のNMメッセージに含めることにより前記第2の車載装置への前記スリープ通知を行う構成であってもよい。
【0025】
このような構成により、第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨を示すメッセージを別途生成して第2の車載装置へ送信する構成と比べて、簡易な処理で第2の車載装置へのスリープ通知を行うことができる。
【0026】
(7)本開示の実施の形態に係る車載装置は、車載装置であって、異なるVLANに属する他の車載装置へ車載中継装置を介して情報を送信する送信部と、前記他の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を前記車載中継装置から受信する受信部とを備え、前記送信部は、前記受信部が前記スリープ通知を受信した場合、前記他の車載装置への情報の送信を停止する。
【0027】
このように、異なるVLANに属する他の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を車載中継装置から受信し、当該他の車載装置への情報の送信を停止する構成により、当該他の車載装置が情報を受信できない期間における当該他の車載装置への情報の送信を停止することができる。これにより、車載通信システムにおける通信量をより低減することができる。
【0028】
(8)前記送信部は、前記車載装置がアクティブ状態であることを示すNMメッセージを、前記車載装置が属するVLAN内において定期的にブロードキャストし、前記送信部は、前記受信部が前記スリープ通知を受信した後においても前記NMメッセージのブロードキャストを継続する。
【0029】
このような構成により、車載装置がアクティブ状態であることを車載中継装置等に認識させ、車載中継装置経由で他の車載装置からの情報を受信可能な状態を維持することができる。
【0030】
(9)本開示の実施の形態に係るスリープ通知方法は、互いに異なるVLANに属する複数の車載装置間の情報を中継するステップと、前記複数の車載装置のうちの第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知するステップと、前記複数の車載装置のうちの第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行うステップとを含む。
【0031】
このように、車載装置がスリープ状態へ遷移したことを車載中継装置において検知し、当該車載装置とは異なるVLANに属する他の車載装置へ、当該車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う方法により、当該車載装置がスリープ状態へ遷移したことを当該他の車載装置に認識させることができるので、たとえば当該車載装置がスリープ状態である期間における当該他の車載装置から当該車載装置への情報の送信を停止させることができる。これにより、車載通信システムにおける通信量をより低減することができる。
【0032】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0033】
[構成および基本動作]
図1は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの構成を示す図である。図1を参照して、車載通信システム301は、中継装置101と、車載ECU(Electronic Control Unit)111A,111B,111C,111Dとを備える。以下、車載ECU111A,111B,111C,111Dの各々を車載ECU111とも称する。中継装置101は、車載中継装置の一例である。車載ECU111は、車載装置の一例である。車載通信システム301は、車両1に搭載される。すなわち、中継装置101および車載ECU111は、車両1に搭載される。
【0034】
車載通信システム301は、1つの中継装置101を備える構成に限定されず、2つ以上の中継装置101を備える構成であってもよい。なお、車載通信システム301は、4つの車載ECU111を備える構成に限定されず、2つ、3つまたは5つ以上の車載ECU111を備える構成であってもよい。
【0035】
中継装置101は、ケーブル2を介して車載ECU111A,111B,111C,111Dと接続されている。ケーブル2は、たとえば、イーサネットケーブルである。中継装置101、車載ECU111およびケーブル2は、車載ネットワークを構成する。
【0036】
たとえば、車載ECU111A,111BはVLAN10に属し、車載ECU111C,111DはVLAN20に属し、中継装置101はVLAN10およびVLAN20に属する。
【0037】
中継装置101は、車載ネットワークにおける同じVLANに属する複数の車載ECU111間の情報を中継することが可能である。具体的には、中継装置101は、車載ECU111Aと車載ECU111Bとの間の情報を中継し、車載ECU111Cと車載ECU111Dとの間の情報を中継する。
【0038】
また、中継装置101は、車載ネットワークにおける互いに異なるVLANに属する複数の車載ECU111間の情報を中継することが可能である。具体的には、中継装置101は、たとえば車載ECU111Aと車載ECU111Cとの間の情報を中継する。
【0039】
車載ECU111は、たとえば、電動パワーステアリング(Electric Power Steering:EPS)、ブレーキ制御装置、アクセル制御装置、ステアリング制御装置、運転支援システム(Advanced Driver-Assistance System:ADAS)における各種装置への指示等を行う運転支援装置、オーディオ再生およびカーナビゲーション等の機能を有するIVI(In-Vehicle Infotainment)装置、またはカメラ等のセンサである。
【0040】
一例として、車載ECU111Aは、センサである。当該センサは、車両1の速度を計測する車速センサであってもよいし、車両1の周囲を撮影するカメラであってもよい。また、車載ECU111Bは、IVI装置である。車載ECU111Cは、運転支援装置である。車載ECU111Dは、ステアリング制御装置である。車載ECU111Aは、第2の車載装置の一例である。車載ECU111Cは、第1の車載装置の一例である。
【0041】
センサである車載ECU111Aは、たとえば定期的に、計測結果を示す計測情報を含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継装置101経由で車載ECU111Cへ送信する。車載ECU111Cは、中継装置101経由で車載ECU111Aからイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームから計測情報を取得する。運転支援装置である車載ECU111Cは、取得した計測情報が示す計測結果に基づいて運転支援を行う。
【0042】
なお、車載通信システム301は、車載ECU111A,111B,111C,111Dの一部または全部の代わりに、または車載ECU111A,111B,111C,111Dに加えて、ブレーキ制御装置およびアクセル制御装置等の他の車載装置を備える構成であってもよい。
【0043】
車載ECU111は、アクティブ状態において、車両1の状態が所定のスリープ条件を満たした場合、アクティブ状態からスリープ状態へ遷移する。また、車載ECU111は、スリープ状態において、車両1の状態が所定のウェイクアップ条件を満たした場合、スリープ状態からアクティブ状態へ遷移する。ここで、スリープ状態とは、車載ECU111の一部の機能の停止、車載ECU111への電力供給の停止、または車載ECU111におけるクロック周波数の低下等により、アクティブ状態よりも消費電力が小さい状態である。スリープ状態は、待機電源モード状態、待機状態、節電状態、またはスタンバイ状態等とも称される。アクティブ状態とは、通常起動状態、通常動作状態、または非スリープ状態等とも称される。
【0044】
車載ECU111のスリープ条件は、たとえば、車両1が停車したこと、車両1の速度が所定値未満となったこと、および車両1の電源がオフされたこと等である。車載ECU111のウェイクアップ条件は、たとえば、車両1が走行を開始したこと、車両1の速度が所定値以上となったこと、および車両1の電源がオンされたこと等である。たとえば、車載ECU111は、車載ECU111ごとに予め設定されたスリープ条件およびウェイクアップ条件に基づいて、スリープ状態からアクティブ状態への遷移およびアクティブ状態からスリープ状態への遷移を行う。
【0045】
たとえば、車載ECU111は、アクティブ状態であるときに、AUTOSARに従うNMメッセージを、自己が属するVLAN内において定期的にブロードキャストする。具体的には、車載ECU111は、NMメッセージを含むイーサネットフレームを、自己が属するVLAN内においてブロードキャストする。
【0046】
また、たとえば、中継装置101は、アクティブ状態であるときに、AUTOSARに従うNMメッセージを車載ECU111へ定期的に送信する。具体的には、中継装置101は、NMメッセージを含むイーサネットフレームを車載ECU111へ送信する。
【0047】
中継装置101は、アクティブ状態において、たとえばすべての車載ECU111からのNMメッセージの到来が停止した場合、アクティブ状態からスリープ状態へ遷移する。また、中継装置101は、スリープ状態において、たとえば少なくともいずれか1つの車載ECU111からのNMメッセージを受信した場合、スリープ状態からアクティブ状態へ遷移する。
【0048】
図2は、本開示の実施の形態に係る車載ECUの構成を示す図である。図2を参照して、車載ECU111は、通信ポート11と、送信部12と、受信部13と、処理部14と、記憶部15とを備える。送信部12、受信部13および処理部14は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサにより実現される。記憶部15は、たとえば不揮発性メモリである。
【0049】
通信ポート11は、たとえばケーブル2を接続可能な端子である。なお、通信ポート11は、集積回路の端子であってもよい。通信ポート11は、ケーブル2を介して中継装置101に接続されている。
【0050】
処理部14は、他の車載ECU111へ送信すべき情報を生成し、生成した情報を送信部12へ出力する。具体的には、たとえば、センサである車載ECU111Aにおける処理部14は、所定周期に従う送信タイミングにおいて、計測結果を示す計測情報を生成して送信部12へ出力する。
【0051】
送信部12は、異なるVLANに属する他の車載ECU111へ中継装置101を介して情報を送信する。より詳細には、車載ECU111Aにおける送信部12は、処理部14から計測情報を受けて、受けた計測情報を含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを通信ポート11および中継装置101経由でVLAN20に属する車載ECU111Cへ送信する。なお、送信部12は、処理部14から受けた情報を含むイーサネットフレームを通信ポート11および中継装置101経由で同じVLAN10に属する車載ECU111へ送信してもよい。
【0052】
受信部13は、中継装置101および通信ポート11経由で他の車載ECU111からイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームから情報を取得して処理部14へ出力する。具体的には、たとえば、運転支援装置である車載ECU111Cにおける受信部13は、中継装置101および通信ポート11経由で車載ECU111Aからイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームから計測情報を取得して処理部14へ出力する。
【0053】
処理部14は、受信部13から受けた情報を記憶部15に保存し、記憶部15に保存した情報を処理する。具体的には、たとえば、運転支援装置である車載ECU111Cにおける処理部14は、受信部13から受けた計測情報に基づいて、運転支援に用いられる制御情報を生成し、生成した制御情報を送信部12、通信ポート11および中継装置101経由でアクセル制御装置等の他の車載装置へ送信する。
【0054】
たとえば、送信部12は、自己の車載ECU111がアクティブ状態であることを示すNMメッセージを、自己の車載ECU111が属するVLAN内において定期的にブロードキャストする。より詳細には、送信部12は、自己の車載ECU111の状態がアクティブ状態であるときに、定期的に、宛先IPアドレスとしてブロードキャストアドレスを含み、かつNMメッセージを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを通信ポート11経由で中継装置101へ送信する。送信部12によりブロードキャストされるNMメッセージは、第1のNMメッセージの一例である。
【0055】
たとえば、記憶部15は、車載ECU111のスリープ条件および車載ECU111のウェイクアップ条件を記憶している。
【0056】
処理部14は、車載ECU111の状態がアクティブ状態であるときに、車両1の状態が記憶部15におけるスリープ条件を満たしたことを検知した場合、車載ECU111をアクティブ状態からスリープ状態へ遷移させる。たとえば、処理部14は、車両1の状態がスリープ条件を満たしたことを検知してから所定時間経過後に、車載ECU111をアクティブ状態からスリープ状態へ遷移させる。
【0057】
より詳細には、処理部14は、車両1の状態がスリープ条件を満たしたことを検知してから所定時間経過後に、他の車載ECU111へ送信すべき情報の生成を停止する。また、処理部14は、車両1の状態がスリープ条件を満たしたことを検知した場合、受信停止指示を受信部13へ出力し、送信停止指示を送信部12へ出力する。
【0058】
受信部13は、処理部14から受信停止指示を受けた場合、受信停止指示を受けてから所定時間経過後に、中継装置101からのイーサネットフレームの受信を停止する。
【0059】
送信部12は、処理部14から送信停止指示を受けた場合、送信停止指示を受けてから所定時間経過後に、NMメッセージの定期的なブロードキャストを停止する。たとえば、送信部12は、送信停止指示を受けてから所定時間が経過するまでの期間において、スリープ状態へ遷移する旨を示す遷移情報を含む1または複数のNMメッセージをブロードキャストする。一例として、送信部12は、送信停止指示を受けてから所定時間が経過するまでの期間において最後にブロードキャストするNMメッセージに遷移情報を含めて当該NMメッセージをブロードキャストする。
【0060】
また、処理部14は、車載ECU111の状態がスリープ状態であるときに、車両1の状態が記憶部15におけるウェイクアップ条件を満たしたことを検知した場合、車載ECU111をスリープ状態からアクティブ状態へ遷移させる。
【0061】
より詳細には、処理部14は、車両1の状態がウェイクアップ条件を満たしたことを検知した場合、他の車載ECU111へ送信すべき情報の生成を開始する。また、車両1の状態がウェイクアップ条件を満たしたことを検知した場合、受信開始指示を受信部13へ出力し、送信開始指示を送信部12へ出力する。
【0062】
受信部13は、処理部14から受信開始指示を受けた場合、中継装置101からのイーサネットフレームを受信可能な状態である待ち受け状態へ遷移する。
【0063】
送信部12は、処理部14から送信開始指示を受けた場合、NMメッセージの定期的なブロードキャストを開始する。
【0064】
図3は、本開示の実施の形態に係る中継装置の構成を示す図である。図3を参照して、中継装置101は、4つの通信ポート21と、中継部22と、検知部23と、NM送信部24と、通知部25と、記憶部26とを備える。なお、中継装置101は、4つの通信ポート21を備える構成に限定されず、2つ、3つまたは5つ以上の通信ポート21を備える構成であってもよい。中継部22、検知部23、NM送信部24および通知部25は、たとえば、CPUおよびDSP等のプロセッサにより実現される。記憶部26は、たとえば不揮発性メモリである。
【0065】
通信ポート21は、たとえばケーブル2を接続可能な端子である。なお、通信ポート21は、集積回路の端子であってもよい。たとえば、4つの通信ポート21は、4つの車載ECU111にそれぞれ接続されている。
【0066】
記憶部26は、車載ECU111から受信し得るイーサネットフレームに含まれる送信元IP(Internet Protocol)アドレスおよび宛先IPアドレスと、通信ポート21のポート番号との対応関係を示すアドレステーブルを記憶している。
【0067】
中継部22は、複数の車載ECU111間の情報を中継する。すなわち、中継部22は、車載ECU111から通信ポート21経由でイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームを中継する中継処理を行う。
【0068】
より詳細には、中継部22は、受信したイーサネットフレームから送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスを取得する。中継部22は、記憶部26におけるアドレステーブルを参照し、取得した送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスに対応するポート番号を特定する。そして、中継部22は、当該イーサネットフレームを、特定したポート番号の通信ポート21経由で宛先の車載ECU111へ送信する。
【0069】
中継部22は、車載ネットワークにおける異なるVLANに属する複数の車載ECU111間の情報を中継する。具体的には、たとえば、中継部22は、VLAN10に属する車載ECU111から対応の通信ポート21経由でイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームを送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由でVLAN20に属する宛先の車載ECU111へ送信する。また、たとえば、中継部22は、VLAN20に属する車載ECU111から対応の通信ポート21経由でイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームを送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由でVLAN10に属する宛先の車載ECU111へ送信する。
【0070】
中継部22は、車載ネットワークにおける同じVLANに属する複数の車載ECU111間の情報を中継する。具体的には、たとえば、中継部22は、VLAN10に属する車載ECU111から対応の通信ポート21経由でイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームを送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由でVLAN10に属する宛先の車載ECU111へ送信する。また、たとえば、中継部22は、VLAN20に属する車載ECU111から対応の通信ポート21経由でイーサネットフレームを受信し、受信したイーサネットフレームを送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由でVLAN20に属する宛先の車載ECU111へ送信する。
【0071】
中継部22は、VLAN10に属する車載ECU111から受信したイーサネットフレームの宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスである場合、当該イーサネットフレームを送信元IPアドレスおよびブロードキャストアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由でVLAN10に属する他の車載ECU111へ送信するとともに、当該イーサネットフレームにタイムスタンプを付与して検知部23へ出力する。また、中継部22は、VLAN20に属する車載ECU111から受信したイーサネットフレームの宛先IPアドレスがブロードキャストアドレスである場合、当該イーサネットフレームを送信元IPアドレスおよびブロードキャストアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由でVLAN20に属する他の車載ECU111へ送信するとともに、当該イーサネットフレームにタイムスタンプを付与して検知部23へ出力する。
【0072】
検知部23は、車載ECU111がスリープ状態へ遷移したことを検知する。たとえば、検知部23は、車載ECU111が属するVLAN内において当該車載ECU111により定期的にブロードキャストされるNMメッセージが所定時間到来しない場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判断する。
【0073】
より詳細には、検知部23は、中継部22からイーサネットフレームを受けて、受けたイーサネットフレームにNMメッセージが含まれている場合、当該イーサネットフレームから送信元IPアドレス、NMメッセージおよびタイムスタンプを取得する。検知部23は、取得したNMメッセージを、取得した送信元IPアドレスが示す車載ECU111および取得したタイムスタンプが示す受信時刻に対応付けて記憶部26に保存する。
【0074】
検知部23は、記憶部26に保存したNMメッセージを参照し、ある車載ECU111からのNMメッセージが所定時間到来していない場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判断する。
【0075】
たとえば、検知部23は、車載ECU111からのNMメッセージが所定時間到来しない場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したか、または当該車載ECU111が故障したかを判定する。
【0076】
より詳細には、検知部23は、ある車載ECU111からのNMメッセージが所定時間到来していない場合であって、当該車載ECU111からの最新のNMメッセージに遷移情報が含まれている場合、当該車載ECU111はスリープ状態へ遷移したと判定する。
【0077】
一方、検知部23は、ある車載ECU111からのNMメッセージが所定時間到来していない場合であって、当該車載ECU111からの最新のNMメッセージに遷移情報が含まれていない場合、当該車載ECU111は故障したと判定する。
【0078】
検知部23は、ある車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判定した場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移した旨を示すスリープ判定情報をNM送信部24および通知部25へ通知する。
【0079】
NM送信部24は、中継装置101がアクティブ状態であることを示すNMメッセージを各車載ECU111へ定期的に送信する。NM送信部24により送信されるNMメッセージは、第2のNMメッセージの一例である。
【0080】
より詳細には、NM送信部24は、中継装置101の状態がアクティブ状態であるときに、定期的に、NMメッセージを含む各車載ECU111宛のイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継部22へ出力する。
【0081】
中継部22は、NMメッセージを含むイーサネットフレームをNM送信部24から受けて、受けたイーサネットフレームを宛先IPアドレスに対応するポート番号の通信ポート21経由で車載ECU111へ送信する。
【0082】
たとえば、NM送信部24は、検知部23により車載ECU111がスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、当該車載ECU111へのNMメッセージの送信を停止する一方で、検知部23により車載ECU111がスリープ状態へ遷移したことが検知された後においても当該車載ECU111以外の車載ECU111へのNMメッセージの送信を継続する。
【0083】
より詳細には、NM送信部24は、検知部23からスリープ判定情報を受けると、受けたスリープ判定情報が示す車載ECU111宛の、NMメッセージを含むイーサネットフレームの生成を停止する。
【0084】
通知部25は、検知部23によりあるVLANに属する車載ECU111がスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、他のVLANに属する他の車載ECU111へ、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う。
【0085】
より詳細には、通知部25は、検知部23からスリープ判定情報を受けると、受けたスリープ判定情報に基づいてスリープ通知を行う。
【0086】
図4は、本開示の実施の形態に係る中継装置の記憶部が記憶する通知要否テーブルの一例を示す図である。図4を参照して、記憶部26は、互いに異なるVLANに属する車載ECU111の組と、組における一方の車載ECU111がスリープ状態へ遷移した場合において当該組における他方の車載ECU111へのスリープ通知の要否との対応関係を示す通知要否テーブルTb1を記憶する。通知要否テーブルTb1は、通知要否情報の一例である。
【0087】
通知部25は、検知部23からスリープ判定情報を受けると、記憶部26における通知要否テーブルTb1を参照し、受けたスリープ判定情報が示す車載ECU111を含む組における他の車載ECU111へのスリープ通知を行うか否かを決定する。
【0088】
一例として、通知部25は、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨を示すスリープ判定情報を検知部23から受けた場合、通知要否テーブルTb1を参照し、車載ECU111Cを含む組P1における車載ECU111Aへのスリープ通知を行うことを決定する一方で、車載ECU111Cを含む組P3における車載ECU111Bへのスリープ通知を行わないことを決定する。
【0089】
たとえば、通知部25は、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨を示す情報を、NM送信部24により送信されるNMメッセージに含めることにより車載ECU111Aへのスリープ通知を行う。
【0090】
より詳細には、通知部25は、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨を車載ECU111Aへ通知すべき旨の通知指示をNM送信部24へ出力する。
【0091】
NM送信部24は、通知部25から通知指示を受けて、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨を示すスリープ情報SLを含むNMメッセージを生成する。そして、NM送信部24は、生成したNMメッセージを含む車載ECU111A宛のイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継部22および通信ポート21経由で車載ECU111Aへ送信する。
【0092】
再び図2を参照して、車載ECU111Aにおける受信部13は、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を中継装置101から受信する。より詳細には、受信部13は、スリープ情報SLを含むNMメッセージを含むイーサネットフレームを通信ポート11経由で中継装置101から受信し、受信したイーサネットフレームからNMメッセージを取得する。受信部13は、取得したNMメッセージを処理部14へ出力する。
【0093】
送信部12は、受信部13がスリープ通知を受信した場合、車載ECU111Cへの計測情報の送信を停止する。
【0094】
より詳細には、処理部14は、受信部13からNMメッセージを受けて、受けたNMメッセージからスリープ情報SLを取得する。処理部14は、取得したスリープ情報SLに基づいて、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを認識する。そして、処理部14は、車載ECU111Cへ送信すべき計測情報の生成を停止する。
【0095】
たとえば、送信部12は、受信部13がスリープ通知を受信した後においてもNMメッセージのブロードキャストを継続する。
【0096】
再び図3を参照して、検知部23は、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを検知した後、車載ECU111からのNMメッセージが到来した場合、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移したと判断する。そして、検知部23は、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨を示すアクティブ判定情報をNM送信部24および通知部25へ通知する。
【0097】
NM送信部24は、検知部23からアクティブ判定情報を受けると、受けたアクティブ判定情報が示す車載ECU111C宛の、NMメッセージを含むイーサネットフレームの生成を開始する。
【0098】
再び図4を参照して、記憶部26における通知要否テーブルTb1は、互いに異なるVLANに属する車載ECU111の組と、組における一方の車載ECU111がアクティブ状態へ遷移した場合において当該組における他方の車載ECU111へのアクティブ通知の要否との対応関係をさらに示す。
【0099】
再び図3を参照して、通知部25は、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨を示すアクティブ判定情報を検知部23から受けた場合、通知要否テーブルTb1を参照し、車載ECU111Aへの、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨のアクティブ通知を行うことを決定する。そして、通知部25は、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨を車載ECU111Aへ通知すべき旨の通知指示をNM送信部24へ出力する。
【0100】
NM送信部24は、通知部25から通知指示を受けて、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨を示すアクティブ情報ACを含むNMメッセージを生成する。そして、NM送信部24は、生成したNMメッセージを含む車載ECU111A宛のイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継部22および通信ポート21経由で車載ECU111Aへ送信する。
【0101】
再び図2を参照して、車載ECU111Aにおける受信部13は、アクティブ情報ACを含むNMメッセージを含むイーサネットフレームを通信ポート11経由で中継装置101から受信し、受信したイーサネットフレームからNMメッセージを取得する。受信部13は、取得したNMメッセージを処理部14へ出力する。
【0102】
処理部14は、受信部13からNMメッセージを受けて、受けたNMメッセージからアクティブ情報ACを取得する。処理部14は、取得したアクティブ情報ACに基づいて、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移したことを認識する。そして、処理部14は、送信部12への定期的な計測情報の出力を開始する。
【0103】
送信部12は、処理部14から受けた計測情報を含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを通信ポート11および中継装置101経由で車載ECU111Cへ送信する。
【0104】
[動作の流れ]
本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態でまたは通信回線を介して流通する。
【0105】
図5は、本開示の実施の形態に係る中継装置が中継処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図5を参照して、中継装置101は、まず、車載ECU111からのイーサネットフレームを待ち受け(ステップS102でNO)、ある車載ECU111からイーサネットフレームを受信すると(ステップS102でYES)、受信したイーサネットフレームを中継する。たとえば、中継装置101は、計測情報を含むイーサネットフレームをVLAN10に属する車載ECU111Aから受信し、受信したイーサネットフレームをVLAN20に属する車載ECU111Cへ送信する(ステップS104)。
【0106】
図6は、本開示の実施の形態に係る中継装置がスリープ通知を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図6を参照して、まず、中継装置101は、車載ECU111からのNMメッセージの到来状況の変化を待ち受け(ステップS202でNO)、たとえば車載ECU111CからのNMメッセージの到来が停止した場合(ステップS202でYESかつステップS204でYES)、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したと判断する。より詳細には、たとえば、中継装置101は、車載ECU111CからのNMメッセージが所定時間到来していない場合であって、車載ECU111Cからの最新のNMメッセージに遷移情報が含まれている場合、車載ECU111Cはスリープ状態へ遷移したと判定する(ステップS206)。
【0107】
次に、中継装置101は、車載ECU111Aへ、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う。より詳細には、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨を示すスリープ情報SLを含むNMメッセージを生成し、生成したNMメッセージを含むイーサネットフレームを車載ECU111Aへ送信する(ステップS208)。
【0108】
次に、中継装置101は、車載ECU111からのNMメッセージの到来状況の新たな変化を待ち受け、たとえば車載ECU111CからのNMメッセージの到来が再開した場合(ステップS202でYESかつステップS204でNO)、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移したと判断する(ステップS210)。
【0109】
次に、中継装置101は、車載ECU111Aへ、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨のアクティブ通知を行う。より詳細には、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移した旨を示すアクティブ情報ACを含むNMメッセージを生成し、生成したNMメッセージを含むイーサネットフレームを車載ECU111Aへ送信する(ステップS212)。
【0110】
次に、中継装置101は、車載ECU111からのNMメッセージの到来状況の新たな変化を待ち受ける(ステップS202でNO)。
【0111】
図7は、本開示の実施の形態に係る車載ECUが他の車載ECUへの情報の送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図7は、車載ECU111Aが車載ECU111Cへの計測情報の送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0112】
図7を参照して、まず、車載ECU111Aは、車載ECU111Cへの計測情報の送信を開始する。具体的には、車載ECU111Aは、定期的に、計測情報をイーサネットフレームに含めて中継装置101経由で車載ECU111Cへ送信する(ステップS302)。
【0113】
次に、車載ECU111Aは、スリープ通知またはアクティブ通知を中継装置101から受信するまで、車載ECU111Cへの計測情報の定期的な送信を繰り返す(ステップS304でNO)。
【0114】
次に、車載ECU111Aは、スリープ通知を中継装置101から受信した場合、具体的には、スリープ情報SLを含むNMメッセージを含むイーサネットフレームを中継装置101から受信した場合(ステップS304でYESかつステップS306でYES)、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを認識し、車載ECU111Cへの計測情報の送信を停止する(ステップS308)。
【0115】
次に、車載ECU111Aは、スリープ通知またはアクティブ通知を待ち受け(ステップS304でNO)、アクティブ通知を中継装置101から受信した場合、具体的には、アクティブ情報ACを含むNMメッセージを含むイーサネットフレームを中継装置101から受信した場合(ステップS304でYESかつステップS306でNO)、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移したことを認識し、車載ECU111Cへの計測情報の送信を再開する(ステップS310)。
【0116】
図8は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける通信のシーケンスの一例を示す図である。図8は、中継装置101および車載ECU111A,111Cの通信のシーケンスを示している。
【0117】
図8を参照して、まず、車載ECU111Aは、NMメッセージをVLAN10内において定期的にブロードキャストする(ステップS402)。
【0118】
また、車載ECU111Cは、NMメッセージをVLAN20内において定期的にブロードキャストする(ステップS404)。
【0119】
また、中継装置101は、NMメッセージを車載ECU111Aへ定期的に送信し(ステップS406)、NMメッセージを車載ECU111Cへ定期的に送信する(ステップS408)。
【0120】
また、車載ECU111Aは、定期的に、計測情報を含む車載ECU111C宛のイーサネットフレームを中継装置101へ送信する(ステップS410)。
【0121】
中継装置101は、車載ECU111Aから受信したイーサネットフレームを車載ECU111Cへ中継する(ステップS412)。
【0122】
次に、車載ECU111Cは、車両1の状態がスリープ条件を満たしたことを検知し、遷移情報を含むNMメッセージをブロードキャストする(ステップS414)。
【0123】
次に、車載ECU111Cは、スリープ状態へ遷移し、NMメッセージの定期的なブロードキャストを停止する(ステップS416)。
【0124】
次に、中継装置101は、車載ECU111CからのNMメッセージの到来が停止し、かつ最新のNMメッセージに遷移情報が含まれていることから、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したと判断し、車載ECU111CへのNMメッセージの送信を停止する(ステップS418)。
【0125】
次に、中継装置101は、NMメッセージにスリープ情報SLを含めて車載ECU111Aへ送信する(ステップS420)。
【0126】
次に、車載ECU111Aは、スリープ情報SLを含むNMメッセージを中継装置101から受信し、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを認識する。そして、車載ECU111Aは、計測情報を含む車載ECU111C宛のイーサネットフレームの送信を停止する(ステップS422)。
【0127】
次に、車載ECU111Cは、車両1の状態がウェイクアップ条件を満たしたことを検知し、アクティブ状態へ遷移する(ステップS424)。
【0128】
次に、車載ECU111Cは、NMメッセージの定期的なブロードキャストを再開する(ステップS426)。
【0129】
次に、中継装置101は、車載ECU111CからのNMメッセージを受信し、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移したと判断する(ステップS428)。
【0130】
次に、中継装置101は、車載ECU111CへのNMメッセージの送信を再開する(ステップS430)。
【0131】
次に、中継装置101は、NMメッセージにアクティブ情報ACを含めて車載ECU111Aへ送信する(ステップS432)。
【0132】
次に、車載ECU111Aは、アクティブ情報ACを含むNMメッセージを中継装置101から受信し、車載ECU111Cがアクティブ状態へ遷移したことを認識する。そして、車載ECU111Aは、計測情報を含む車載ECU111C宛のイーサネットフレームの送信を再開する(ステップS434)。
【0133】
中継装置101は、車載ECU111Aから受信したイーサネットフレームを車載ECU111Cへ中継する(ステップS436)。
【0134】
なお、本開示の実施の形態に係る車載通信システム301では、車載ECU111Aは、センサであるとしたが、これに限定するものではない。車載ECU111Aは、センサ以外の車載装置であってもよい。また、車載ECU111Cは、運転支援装置であるとしたが、これに限定するものではない。車載ECU111Cは、運転支援装置以外の車載装置であってもよい。
【0135】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置101では、検知部23は、車載ECU111が属するVLAN内において当該車載ECU111により定期的にブロードキャストされるNMメッセージが所定時間到来しない場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、検知部23は、車両1に搭載された図示しない電源から車載ECU111への電力の供給状態を監視し、監視結果に基づいて、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判断する構成であってもよい。具体的には、検知部23は、当該電源から車載ECU111への電力の供給量が所定値未満となった場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判断する。
【0136】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置101では、検知部23は、車載ECU111からのNMメッセージが所定時間到来しない場合、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したか、または当該車載ECU111が故障したかを判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検知部23は、車載ECU111からのNMメッセージが所定時間到来しない場合、当該車載ECU111が故障したか否かの判定を行うことなく、当該車載ECU111がスリープ状態へ遷移したと判断する構成であってもよい。
【0137】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置101では、記憶部26は、互いに異なるVLANに属する車載ECU111の組と、組における一方の車載ECU111がスリープ状態へ遷移した場合において当該組における他方の車載ECU111へのスリープ通知の要否との対応関係を示す通知要否テーブルTb1を記憶する構成であるとしたが、これに限定するものではない。記憶部26は、通知要否テーブルTb1を記憶しない構成であってもよい。この場合、たとえば、通知部25は、検知部23により車載ECU111がスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、当該車載ECU111が属するVLANとは異なるVLANに属するすべての車載ECU111へスリープ通知を行う。
【0138】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置101では、通知部25は、ある車載ECU111がスリープ状態へ遷移した旨を示す情報を、NM送信部24により送信されるNMメッセージに含めることによりスリープ通知を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、通知部25は、スリープ情報SLを含むイーサネットフレームを別途生成し、生成したイーサネットフレームを中継部22および通信ポート21経由で宛先の車載ECU111へ送信することによりスリープ通知を行う構成であってもよい。
【0139】
また、本開示の実施の形態に係る車載ECU111では、送信部12は、受信部13がスリープ通知を受信した後においてもNMメッセージのブロードキャストを継続する構成であるとしたが、これに限定するものではない。送信部12は、受信部13がスリープ通知を受信した場合、NMメッセージのブロードキャストを停止し、受信部13がアクティブ通知を受信した場合、NMメッセージのブロードキャストを再開する構成であってもよい。
【0140】
ところで、車載通信システムにおける通信量をより低減することが可能な技術が望まれる。より詳細には、車載ECU111Aから車載ECU111Cへ、計測情報を含むイーサネットフレームが定期的に送信される車載通信システムにおいて、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した場合、車載ECU111Aにより送信される車載ECU111C宛のイーサネットフレームは、車載ECU111Cにおいて受信されない。したがって、車載通信システムにおける通信量を低減するために、車載ECU111Cがスリープ状態である期間において、車載ECU111Aによる車載ECU111C宛のイーサネットフレームの送信を停止することが望ましい。
【0141】
車載ECU111Aは、たとえば車載ECU111Cと同じVLANに属する場合、車載ECU111CからブロードキャストされるNMメッセージの到来状況に基づいて車載ECU111Cのスリープ状態への遷移を検知し、車載ECU111C宛のイーサネットフレームの送信を停止することができる。
【0142】
しかしながら、車載ECU111Aは、車載ECU111Cと異なるVLANに属する場合、車載ECU111Cのスリープ状態への遷移を検知することができないので、車載ECU111Cがスリープ状態である期間において、車載ECU111C宛のイーサネットフレームの送信を停止することができない。
【0143】
これに対して、本開示の実施の形態に係る中継装置101では、中継部22は、互いに異なるVLANに属する複数の車載ECU111間の情報を中継する。検知部23は、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを検知する。通知部25は、検知部23により車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことが検知された場合、車載ECU111Aへ、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う。
【0144】
このように、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを中継装置101において検知し、車載ECU111Cとは異なるVLANに属する車載ECU111Aへ、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行う構成により、車載ECU111Cがスリープ状態へ遷移したことを車載ECU111Aに認識させることができるので、たとえば車載ECU111Cがスリープ状態である期間における車載ECU111Aから車載ECU111Cへの情報の送信を停止させることができる。これにより、車載通信システムにおける通信量をより低減することができる。
【0145】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0146】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
互いに異なるVLANに属する第1の車載装置および第2の車載装置と、車載中継装置とを備える車載通信システムであって、
前記車載中継装置は、前記第1の車載装置と前記第2の車載装置との間の情報を中継し、
前記第2の車載装置は、前記第1の車載装置へ前記車載中継装置を介して情報を送信し、
前記車載中継装置は、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移したことを検知し、前記第2の車載装置へ、前記第1の車載装置がスリープ状態へ遷移した旨のスリープ通知を行い、
前記第2の車載装置は、前記スリープ通知を前記車載中継装置から受信し、前記第2の車載装置への情報の送信を停止する、車載通信システム。
【符号の説明】
【0147】
1 車両
2 ケーブル
11 通信ポート
12 送信部
13 受信部
14 処理部
15 記憶部
21 通信ポート
22 中継部
23 検知部
24 NM送信部
25 通知部
26 記憶部
101 中継装置
111,111A,111B,111C,111D 車載ECU
301 車載通信システム
Tb1 通知要否テーブル
図1
図2
図3
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図8