IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-計画作成システムおよび計画作成装置 図1
  • 特許-計画作成システムおよび計画作成装置 図2
  • 特許-計画作成システムおよび計画作成装置 図3
  • 特許-計画作成システムおよび計画作成装置 図4
  • 特許-計画作成システムおよび計画作成装置 図5
  • 特許-計画作成システムおよび計画作成装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】計画作成システムおよび計画作成装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20241001BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20241001BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241001BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20241001BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20241001BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241001BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20241001BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20241001BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241001BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20241001BHJP
   B60L 50/53 20190101ALI20241001BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20241001BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241001BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241001BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20241001BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20241001BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241001BHJP
   H01M 10/657 20140101ALI20241001BHJP
【FI】
H02J7/04 L
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J7/10 L
G06Q50/06
G06Q50/10
B60L53/68
B60L53/67
B60L58/12
B60L53/12
B60L50/53
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/657
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021111632
(22)【出願日】2021-07-05
(65)【公開番号】P2023008237
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 大樹
(72)【発明者】
【氏名】坂柳 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 緑
(72)【発明者】
【氏名】金子 智洋
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洋孝
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-047670(JP,A)
【文献】特開2019-213312(JP,A)
【文献】特開2010-268664(JP,A)
【文献】特開2018-160968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
H02J 50/10
H02J 7/00
H02J 7/10
G06Q 50/06
G06Q 50/10
B60L 53/68
B60L 53/67
B60L 58/12
B60L 53/12
B60L 50/53
G01C 21/34
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
H01M 10/615
H01M 10/625
H01M 10/657
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充電方式によるバッテリの充電が可能なモビリティの充電計画を作成する計画作成システムであって、
前記複数の充電方式は、非接触充電方式を含み、
前記モビリティは、目標温度が定められた対象機器を搭載し、
前記計画作成システムは、
パラメータと、前記対象機器を前記目標温度まで昇温させるために要する熱量である必要熱量との関係を定めた情報を記憶する記憶装置と、
前記モビリティの現在地から目的地までの前記充電計画を作成する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記パラメータを取得し、
取得された前記パラメータを前記情報に照合させて、前記必要熱量を算出し、
前記必要熱量が多い場合には、前記必要熱量が少ない場合に比べ、前記充電計画に占める前記非接触充電方式による充電の割合を増加させる、計画作成システム。
【請求項2】
前記パラメータは、外気温を含み、
前記情報は、前記外気温が低いほど、大きな前記必要熱量を示す、請求項1に記載の計画作成システム。
【請求項3】
前記非接触充電方式は、屋内で実行される第1の非接触充電方式と、屋外で実行される第2の非接触充電方式とを含み、
屋内の温度は、前記外気温よりも低く、
前記制御装置は、前記外気温が高い場合には、外気温が低い場合よりも前記非接触充電方式による充電に占める前記第1の非接触充電方式の割合を増加させる、請求項2に記載の計画作成システム。
【請求項4】
前記パラメータは、前記対象機器の温度をさらに含み、
前記制御装置は、
前記外気温および前記対象機器の温度を取得し、
前記外気温および前記対象機器の温度を前記情報に照合させて、前記必要熱量を算出する、請求項2または請求項3に記載の計画作成システム。
【請求項5】
前記対象機器は、前記バッテリを少なくとも含む、請求項4に記載の計画作成システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記充電計画を複数作成し、
前記複数の充電計画のうち、予め設定された条件に最も合致する充電計画を推奨計画とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の計画作成システム。
【請求項7】
前記条件は、前記目的地に到着時の前記バッテリの蓄電量に関する条件、前記現在地から前記目的地までの所要時間に関する条件、または、前記現在地から前記目的地までの走行距離に関する条件を含む、請求項6に記載の計画作成システム。
【請求項8】
複数の充電方式によるバッテリの充電が可能なモビリティの充電計画を作成する計画作成装置であって、
前記複数の充電方式は、非接触充電方式を含み、
前記計画作成装置は、
外気温を取得する情報取得部と、
前記モビリティの現在地から目的地までの前記充電計画を作成する計画作成部とを備え、
前記計画作成部は、前記外気温が低い場合には、前記外気温が高い場合に比べ、前記充電計画に占める前記非接触充電方式による充電の割合を増加させる、計画作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計画作成システムおよび計画作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-140193号公報(特許文献1)には、複数の充電方式(プラグイン充電方式、非接触充電方式およびソーラー充電方式)の充電により車載のバッテリを充電可能な車両が開示されている。この車両は、ユーザからの設定時刻および設定充電量の入力を受け付け、設定時刻においてバッテリの充電量が設定充電量となるように、複数の充電方式による充電計画を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-140193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る車両では、バッテリに入力される電力だけを考慮して充電計画を決定している。ここで、非接触充電方式の充電は、プラグイン充電方式に比べて充電効率が低いことが知られている。この充電効率の低下分は熱エネルギとなる。エネルギの効率的な利用の観点からは、上記熱エネルギを有効活用し、上記熱エネルギも含めた充電計画を作成することが望ましい。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、エネルギ効率を高めることができる充電計画を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に係る計画作成システムは、複数の充電方式によるバッテリの充電が可能なモビリティの充電計画を作成する。複数の充電方式は、非接触充電方式を含む。モビリティは、目標温度が定められた対象機器を搭載する。計画作成システムは、パラメータと、対象機器を目標温度まで昇温させるために要する熱量である必要熱量との関係を定めた情報を記憶する記憶装置と、モビリティの現在地から目的地までの充電計画を作成する制御装置とを備える。制御装置は、パラメータを取得し、取得されたパラメータを上記情報に照合させて、必要熱量を算出し、必要熱量が多い場合には、必要熱量が少ない場合に比べ、充電計画に占める非接触充電方式による充電の割合を増加させる。
【0007】
上記構成によれば、モビリティが要する熱量である必要熱量が多い場合には、必要熱量が少ない場合に比べ、充電計画に占める非接触充電方式による充電の割合が増加される。充電計画に占める非接触充電方式による充電の割合が増加すると、充電により生じる熱エネルギが増加するので、必要熱量を得ることが可能となる。非接触充電方式による充電に起因する熱エネルギを、必要熱量として利用することで、エネルギ効率を高めることができる。
【0008】
ある実施の形態においては、パラメータは、外気温を含む。上記情報は、外気温が低いほど、大きな必要熱量を示す。
【0009】
外気温が低い場合は、外気温が高い場合に比べて、必要熱量が大きくなる。上記構成によれば、外気温に応じて適切な必要熱量を算出することができる。
【0010】
ある実施の形態においては、非接触充電方式は、屋内で実行される第1の非接触充電方式と、屋外で実行される第2の非接触充電方式とを含む。屋内の温度は、外気温よりも低い。制御装置は、外気温が高い場合には、外気温が低い場合よりも非接触充電方式による充電に占める第1の非接触充電方式の割合を増加させる。
【0011】
外気温が高い状態でバッテリの充電を行なうと、必要以上に熱量を得て、対象機器の温度が必要以上に上昇してしまう可能性がある。上記構成によれば、外気温が高い場合には、外気温が低い場合よりも、屋内での非接触充電の割合が増加するので、非接触充電方式による充電によって、必要以上の熱量を得ることを抑制することができる。
【0012】
ある実施の形態においては、パラメータは、対象機器の温度をさらに含む。制御装置は、外気温および対象機器の温度を取得し、外気温および対象機器の温度を上記情報に照合させて、必要熱量を算出する。
【0013】
必要熱量は、たとえば、モビリティに搭載される対象機器の温度を目標温度に到達させるために要する熱量である。上記構成によれば、外気温および対象機器の温度をパラメータとして、必要熱量を算出するので、必要熱量を精度よく算出することができる。
【0014】
ある実施の形態においては、上記対象機器は、バッテリを少なくとも含む。
ある実施の形態においては、制御装置は、充電計画を複数作成し、複数の充電計画のうち、予め設定された条件に最も合致する充電計画を推奨計画とする。
【0015】
ある実施の形態においては、目的地に到着時のバッテリの蓄電量に関する条件、現在地から目的地までの所要時間に関する条件、または、現在地から目的地までの走行距離に関する条件を含む。
【0016】
上記構成によれば、複数の充電計画のうち、予め設定された条件に最も合致する充電計画が推奨計画とされるので、モビリティのユーザに条件に適した充電計画を容易に認識させることができる。よって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0017】
本開示の他の局面に係る計画作成装置は、複数の充電方式によるバッテリの充電が可能なモビリティの充電計画を作成する。複数の充電方式は、非接触充電方式を含む。計画作成装置は、外気温を取得する情報取得部と、モビリティの現在地から目的地までの充電計画を作成する計画作成部とを備える。計画作成部は、外気温が低い場合には、外気温が高い場合に比べ、充電計画に占める非接触充電方式による充電の割合を増加させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、エネルギ効率を高めることができる充電計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1に係る充電管理システムの構成を概略的に示す図である。
図2】車両の構成を概略的に示す図である。
図3】充電計画の作成を説明するための図である。
図4】充電計画を設定する処理の手順を示すフローチャートである。
図5】充電計画を作成するための処理の手順を示すフローチャートである。
図6】実施の形態2における、充電計画を設定する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0021】
[実施の形態1]
<システム構成>
図1は、実施の形態1に係る充電管理システム1の構成を概略的に示す図である。充電管理システム1は、サーバ2と、車両3と、充電設備群5と、外部サーバ9とを備える。充電管理システム1は、車両3(バッテリ30)の充電計画を作成するためのシステムである。車両3は、バッテリ30を動力源とする電気自動車である。サーバ2は、車両3を管理し、車両3および外部サーバ9から受ける情報を用いて、車両3の充電計画を作成する。なお、実施の形態1に係る充電管理システム1に含まれる車両の台数は1台であるが、充電管理システム1には、複数台の車両が含まれてもよい。
【0022】
充電設備群5は、複数のDC(Direct Current)充電設備6と、複数の送電装置7とを含む。なお、充電設備群5に含まれるDC充電設備6および送電装置7の数は任意である。車両3は、DC充電設備6から供給される直流電力を用いたバッテリ30の充電(以下「DC充電」とも称する)、および、送電装置7から非接触で伝送される電力を用いたバッテリ30の充電(以下「非接触充電」とも称する)の両方が可能に構成されている。さらに、DC充電および後述のAC充電を「接触充電」と称する場合もなる。なお、車両3の構成の詳細は、後に図2を用いて説明する。
【0023】
DC充電設備6は、直流電力を供給する接触式の充電設備である。DC充電設備6は、充電ケーブル61および充電コネクタ62を含む。DC充電が実行される際には、車両3のインレット47に充電コネクタ62が接続される。
【0024】
送電装置7は、送電コイル71を有している。車両3は、受電コイル491を有する受電装置49を含み、送電装置7の頭上に位置する際に、送電コイル71から非接触で電力を受ける。実施の形態1における非接触充電には、「走行中非接触充電」と、「停車中非接触充電」とが含まれる。
【0025】
走行中非接触充電を実行するために、少なくとも1つの送電装置7を含んで「第1送電装置」が構成される。第1送電装置は、車両3が走行可能な走行レーンの地面下に設けられる。第1送電装置に含まれる送電装置7の各々は、走行レーンにおいて、たとえば、車両3の進行方向に沿って一列に配置されている。送電装置7は、送電装置7が設けられた走行レーンを走行する車両3に対して、非接触で電力を供給する。なお、以下では、走行レーンのうち、第1送電装置が設けられた箇所を「給電レーン」とも称する。なお、後述する充電計画の作成においては、第1送電装置を走行中非接触充電を実行するための1つの充電設備として捉えるものとする。
【0026】
停車中非接触充電を実行するために、屋内および屋外に送電装置7が設置される。送電装置7は、たとえば、施設の屋内駐車場の地面上に設置されたり、屋外駐車場の地面上に設置されたりする。車両3のユーザは、受電装置49(受電コイル491)が送電装置7(送電コイル71)と対向するように車両3の位置合わせを行なう。位置合わせが行なわれた状態において、送電装置7の送電コイル71は、受電装置49の受電コイル491へ磁界を通じて非接触で送電する。以下では、停車中非接触充電を実行するための送電装置7を「第2送電装置」とも称する。
【0027】
外部サーバ9は、全国各地の時間帯別の外気温を記憶している。外部サーバ9が記憶する外気温は、実測値であってもよいし、予測値であってもよい。外部サーバ9は、サーバ2からの求めに応じて、外気温を示す情報をサーバ2に出力する。
【0028】
サーバ2は、制御装置20と、記憶装置22と、通信装置24とを含む。制御装置20、記憶装置22および通信装置24は、通信バス26によって接続されている。
【0029】
制御装置20は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を含む集積回路によって構成される。制御装置20は、記憶装置22に記憶されたプログラムに記述された所定の演算処理を実行するように構成されている。
【0030】
記憶装置22は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含む。ROMは、制御装置20により実行されるプログラムを格納する。RAMは、制御装置20におけるプログラムの実行により生成されるデータと、通信装置24を介して入力されたデータとを一時的に格納する。RAMは、作業領域として利用される一時的なデータメモリとしても機能する。また、記憶装置22は、地図情報および後述の車両情を記憶する。
【0031】
地図情報は、交差点や行き止まり等を示すノード、ノード同士を接続して構成されるリンク、およびリンク沿いにある施設(建物や駐車場等)に関する情報を含む。また、地図情報は、複数のDC充電設備6の各々および複数の送電装置7の各々の仕様(たとえば充電方式、充電能力)、設置場所等に関する情報を含む。新たに道路が建設されたり、道路の形状が変更されたり、充電設備が設置されたり、充電設備が取り替えられたりする場合がある。そのため、地図情報は、たとえば、サーバ2の管理者により定期的に最新の状態に更新されている。
【0032】
通信装置24は、外部の機器との間で双方向の通信が可能に構成されている。外部の機器は、たとえば、車両3の通信装置41(図2)、複数のDC充電設備6の各々、および、複数の送電装置7の各々を含む。通信装置24と外部の機器との通信は、たとえば、無線通信により行なわれる。
【0033】
制御装置20は、通信装置24を介して、車両3から位置情報(GPS情報)およびSOC(State Of Charge)情報を収集する。これらの情報は、たとえば、車両3からサーバ2に定期的に送信されてもよい。制御装置20は収集された情報(位置情報およびSOC情報)を車両IDと紐付けて、「車両情報」として記憶装置22に記憶させる。車両IDの情報は、車両3を一意に特定するための情報であり、たとえば、VIN(Vehicle Identification Number)であってもよい。車両情報には、さらに、車両3の車種、年式、モデル、仕様(バッテリ30の仕様を含む)、状態(たとえばバッテリの劣化状態および満充電容量)に関する情報も含まれている。
【0034】
記憶装置22は、さらに、マップ23を記憶する。マップ23は、車両3が要する熱量を算出するための情報である。車両3の各機器は、低温時には性能が低下する。そのため、車両3の各機器のうちの特定の機器(以下「対象機器」とも称する)には、性能の低下を抑制するための目標温度が設定されている。車両3が要する熱量とは、対象機器の温度を目標温度まで上昇させるために要する熱量(以下「必要熱量」とも称する)Qである。マップ23は、外気温TOと、対象機器の温度と、必要熱量Qとの関係を定めた情報である。マップ23は、車両3の仕様、実験、またはシミュレーション結果等に基づいて予め定められ、記憶装置22に記憶される。マップ23は、たとえば、外気温TOが高くなるほど、必要熱量Qが少なくなる関係を示す。
【0035】
実施の形態1では、対象機器がバッテリ30であることを想定し、必要熱量Qは、バッテリ30の温度(バッテリ温度TB)を目標温度Ttagまで昇温させるために要する熱量である例について説明する。なお、対象機器には、車両3のPCU36(図2)、モータジェネレータ37(図2)、空調装置50図2)等が含まれてもよい。
【0036】
制御装置20は、車両3のナビゲーションシステム42(図2)と連携し、車両3のユーザによってナビゲーションシステム42に入力された目的地までの経路(走行ルート)を探索し、探索結果(複数の走行ルートを含み得る)毎に充電計画を作成する。具体的には、まず、制御装置20は、バッテリ30を目標温度Ttagに昇温させるために要する熱量である必要熱量Qを算出する。制御装置20は、車両3からバッテリ温度TBを取得し、外部サーバ9から外気温TOを取得する。制御装置20は、記憶装置22からマップ23を読み出して、バッテリ温度TBおよび外気温TOをマップ23に照合させることにより、必要熱量Qを算出する。
【0037】
制御装置20は、複数の走行ルートの各々に対して、必要熱量Qを得られる充電計画を作成する。ある1つの走行ルートに対して、複数の充電計画が作成される場合もある。制御装置20は、通信装置24を介して、作成された複数の充電計画を車両3に送信し、車両3のユーザに選択を要求する。充電計画の作成についての詳細は、後に図3を用いて説明する。
【0038】
図2は、車両3の構成を概略的に示す図である。車両3は、電気自動車である。車両3は、乗用車であってもよいし、商用車であってもよい。また、車両3は、手動運転と自動運転とを切り替え可能に構成された車両であってもよいし、自動運転のみが可能に構成された車両であってもよいし、手動運転のみが可能に構成された車両であってもよい。なお、車両3は、本開示に係る「モビリティ」の一例に相当する。
【0039】
図1および図2を参照して、車両3は、バッテリ30と、監視ユニット31と、システムメインリレー(以下「SMR(System Main Relay)」とも称する)35と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」とも称する)36と、モータジェネレータ37と、伝達ギヤ38と、駆動輪39と、ECU(Electronic Control Unit)40と、通信装置41と、ナビゲーションシステム42と、DC/DCコンバータ43と、補機装置44と、補機バッテリ45と、温度センサ46と、空調装置50とを含む。
【0040】
バッテリ30は、車両3の駆動電源(すなわち動力源)として搭載される。バッテリ30は、積層された複数の電池を含んで構成される。電池は、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池である。また、電池は、正極と負極との間に液体電解質を有する電池であってもよいし、固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。
【0041】
監視ユニット31は、バッテリ30の状態を監視する。監視ユニット31は、電圧センサ32と、電流センサ33と、温度センサ34とを含む。電圧センサ32は、バッテリ30の電圧(バッテリ電圧)VBを検出し、その検出結果を示す信号をECU40に出力する。電流センサ33は、バッテリ30の入出力電流(バッテリ電流)IBを検出し、その検出結果を示す信号をECU40に出力する。温度センサ34は、バッテリ30の温度(バッテリ温度)TBを検出し、その検出結果を示す信号をECU40に出力する。
【0042】
SMR35は、PCU36とバッテリ30とを結ぶ電力線PL,NLに電気的に接続されている。SMR35が閉成状態であると、バッテリ30からPCU36に電力が供給される。SMR35が開放状態であると、バッテリ30からPCU36に電力が供給されない。SMR35は、ECU40からの制御信号に従って、閉成状態と開放状態とを切り替える。
【0043】
PCU36は、ECU40からの制御信号に従って、バッテリ30に蓄えられた直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ37に供給する。また、PCU36は、モータジェネレータ37が発電した交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に供給する。PCU36は、たとえば、インバータと、インバータに供給される直流電圧をバッテリ30の出力電圧以上に昇圧するコンバータとを含んで構成される。
【0044】
モータジェネレータ37は、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ37は、PCU36により駆動されて回転駆動力を発生する。モータジェネレータ37が発生した駆動力は、伝達ギヤ38を介して駆動輪39に伝達される。
【0045】
DC/DCコンバータ43は、電力線PL,NLと低電圧線ELとの間に電気的に接続されている。DC/DCコンバータ43は、電力線PL,NL間の電圧を降圧して低電圧線ELに供給する。DC/DCコンバータ43は、ECU40からの制御信号に従って動作する。
【0046】
低電圧線ELには、補機装置44および補機バッテリ45が電気的に接続されている。なお、低電圧線ELには、ECU40、通信装置41およびナビゲーションシステム42も電気的に接続されている。
【0047】
通信装置41は、サーバ2の通信装置24との双方向通信が可能に構成されている。通信装置41と通信装置24との通信は、たとえば、無線通信により行なわれる。また、通信装置41は、複数の送電装置7の各々との双方向通信が可能に構成されている。通信装置41と複数の送電装置7の各々との通信は、たとえば、近距離通信により行なわれる。
【0048】
ECU40は、CPU40aと、メモリ(ROMおよびRAM)40bと、各種信号が入出力される入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。ECU40は、各センサ等からの信号の入力および各機器への制御信号の出力を行なうとともに、各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
【0049】
ECU40は、バッテリ30のSOC(State Of Charge)を算出可能に構成される。SOCの算出方法としては、たとえば、電流値積算(クーロンカウント)による手法、または、開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)の推定による手法など、種々の公知の手法を採用できる。
【0050】
ECU40は、その起動中において、通信装置41を介して、所定の制御周期で自身の位置情報およびSOC情報をサーバ2に送信する。サーバ2に送信された位置情報は、サーバ2において、車両3の位置を特定するために用いられる。SOC情報は、サーバ2において、後述の充電計画の作成の処理に用いられる。
【0051】
ナビゲーションシステム42は、車両3の走行ルートを案内する。ナビゲーションシステム42は、CPU421と、メモリ422と、GPS(Global Positioning System)受信機423と、タッチパネル付きのディスプレイ424とを含む。
【0052】
メモリ422には、地図情報データベース(DB)が構成されている。CPU421は、サーバ2から最新の地図情報を受信し、地図情報DBに記憶させる。たとえば、サーバ2は、地図情報を更新する毎に車両3(ナビゲーションシステム42)に新たな地図情報を送信する。
【0053】
GPS受信機423は、人工衛星(図示せず)からの電波に基づいて車両3の位置を特定する。CPU421は、GPS受信機423により特定された車両3の位置情報(GPS情報)を、所定の制御周期毎にECU40に出力する。
【0054】
ディスプレイ424は、様々な情報を表示するとともにユーザの様々な操作を受け付ける。より具体的には、ディスプレイ424は、車両3の周辺の道路地図に車両3の現在地と、充電ポイントの位置とを重ね合わせて表示する。充電ポイントは、たとえば、DC充電設備6、第1送電装置(給電レーン)および第2送電装置を含む。また、ディスプレイ424は、目的地の入力操作や、提示(表示)された充電計画に対する選択操作等の種々の操作を受け付ける。
【0055】
ディスプレイ424に対する操作によって目的地が入力されると、CPU421は、目的地を示す情報をECU40に出力する。ECU40は、通信装置41を介して、目的地を示す情報をサーバ2に送信する。この際、ECU40は、目的地を示す情報とともに、車両3の位置情報をサーバ2に送信してもよい。上述のとおり、サーバ2は、走行ルートを探索し、走行ルート毎の充電計画を作成して、充電計画を車両3に返す。なお、1つの走行ルートに対して複数の充電計画が作成される場合もある。CPU421は、複数の充電計画をディスプレイ424に表示させ、表示された複数の充電計画の中から1つの充電計画をユーザに選択させる。なお、充電計画を選択することは、車両3の走行ルートを選択することでもある。なお、CPU421は、地図情報DBに記憶されている地図情報、車両3の位置情報、および、図示しない交通情報受信装置から取得する交通情報に基づいて、走行ルートの探索および提示する機能を有してもよい。
【0056】
補機装置44は、低電圧線ELから供給される電力で作動する。補機装置44は、たとえば、照明装置、ワイパー装置、オーディオ装置、パワーステアリング装置、メータパネル、ヘッドライトシステム、等を含む。
【0057】
補機バッテリ45は、たとえば、鉛蓄電池を含んで構成される。補機バッテリ45の電圧は、バッテリ30の電圧よりも低く、たとえば、12V程度である。
【0058】
温度センサ46は、車両3の周辺の外気温を検出し、その検出結果を示す信号をECU40に出力する。
【0059】
空調装置50は、電力線PL,NLに電気的に接続されている。空調装置50は、コンプレッサ(図示せず)を含み、ECU40からの制御信号に従ってコンプレッサを作動させて車室内の空調を行なう。
【0060】
車両3は、さらに、DC充電を行なう構成として、インレット47と、充電リレー48とを含む。
【0061】
インレット47は、DC充電設備6の充電ケーブル61の先端に設けられた充電コネクタ62が接続可能に構成される。DC充電を行なう際に、インレット47に充電コネクタ62が接続される。充電コネクタ62がインレット47に挿入されることでインレット47とDC充電設備6とが電気的に接続され、DC充電設備6から車両3への電力伝送(接触充電)が可能になる。なお、車両3は、DC充電に代えて、あるいは加えて、車両外部の交流(AC:Alternating current)充電設備(図示せず)から供給される交流電力を用いてバッテリ30を充電するAC充電が可能に構成されてもよい。
【0062】
充電リレー48は、インレット47とバッテリ30との電気的な接続および遮断を行なうためのリレーである。充電リレー48は、インレット47とバッテリ30との間に電気的に接続されている。充電リレー48は、ECU40からの制御信号に従って、閉成状態と開放状態とを切り替える。
【0063】
車両3は、さらに、非接触充電を行なう構成として、受電装置49と、充電リレー(図示せず)とを含む。充電リレーは、受電装置49とバッテリ30との電気的な接続/遮断を行なうためのリレーである。充電リレーは、受電装置49とバッテリ30との間に電気的に接続されている。充電リレーは、ECU40からの制御信号に従って、閉成状態と開放状態とを切り替える。
【0064】
受電装置49は、たとえば、車両3のフロアパネルの下面に配置されている。受電装置49は、受電コイル491を含む。受電コイル491は、送電装置7から伝送される電力を非接触で受電する。受電装置49は、送電装置7から伝送された電力を整流し、バッテリ30に出力する。
【0065】
なお、受電装置49とバッテリ30との間には、受電装置49から受ける直流電力の電圧を、バッテリ30を充電するための電圧に変換するDC/DCコンバータ(図示せず)がさらに設けられてもよい。
【0066】
送電装置7は、交流電源8から電力の供給を受ける。交流電源8は、たとえば、商用系統電源である。送電装置7は、送電コイル71(図1)を含む。送電装置7は、交流電源8から交流電力の供給を受け、送電コイル71の周囲に電磁界を形成することで、受電装置49の受電コイル491に非接触で電力を伝送する。
【0067】
<走行中非接触充電>
車両3のECU40は、走行中非接触充電を実行する場合(第1送電装置からの給電を要求する場合)、通信装置41を介して、車両IDの情報とともに、要求電力の情報をサーバ2に送信する。要求電力の情報は、車両3が給電レーンから得たい電力を示す。サーバ2の制御装置20は、通信装置24を介して、車両3から、車両IDの情報および要求電力の情報を取得する。サーバ2の制御装置20は、車両IDの情報と、要求電力の情報とを紐付けて、記憶装置22に記憶させる。
【0068】
車両3のECU40は、通信装置41を介して、近距離通信により車両IDの情報を送信する。送電装置7は、近距離通信により車両IDの情報を受けることで、車両3が、まもなく自身の頭上を通過することを検知する。送電装置7は、車両3から近距離通信で車両IDの情報を受けると、車両IDをサーバ2に送信する。サーバ2の制御装置20は、受信した車両IDに紐付けられた要求電力の情報を記憶装置22から読み出し、車両IDの情報とともに要求電力の情報を送電装置7に送る。送電装置7は、車両IDに紐付けられた要求電力の情報が示す電力を供給するように駆動する。具体的には、送電装置7は、近距離通信により車両3から車両IDの情報を受けると、交流電源8から交流電力の供給を受け、送電コイル71の周囲に電磁界を形成する。たとえば、送電装置7は、近距離通信により車両3から車両IDの情報を受けてから、所定の時間が経過するまで動作を継続する。車両3が送電装置7の頭上を通過すると、車両3の受電装置49の受電コイル491に電力が非接触で伝送される。なお、送電装置7は、サーバ2からの制御信号に従って、動作/非動作を切り替えるように構成されてもよい。この場合には、たとえば、サーバ2は、車両3の位置情報に基づいて、車両3が通過する送電装置7を特定し、当該送電装置7に対して動作を指令する制御信号(動作指令)を出力してもよい。また、サーバ2は、車両3が送電装置7を通過した後には、当該送電装置7に対して非動作を指令する制御信号(非動作指令)を出力してもよい。あるいは、サーバ2は、複数の送電装置7を含む給電レーンへの車両3の侵入を検知した場合に、車両3が当該給電レーンを通過するまで、当該給電レーンに含まれる複数の送電装置7を一括して動作させてもよい。これにより、車両3は、給電レーンを走行することで、バッテリ30を充電することができる。
【0069】
あるいは、送電装置7は、要求電力の情報を記憶してもよい。たとえば、サーバ2の制御装置20は、通信装置24を介して、車両3から、車両IDの情報および要求電力の情報を取得すると、車両IDの情報と、要求電力の情報とを紐付けて、複数の送電装置7の各々に送信する。複数の送電装置7の各々は、車両IDの情報および要求電力の情報を紐付けて記憶する。そして、送電装置7は、近距離通信により車両3から車両IDの情報を受けると、交流電源8から交流電力の供給を受け、送電コイル71の周囲に電磁界を形成する。たとえば、送電装置7は、近距離通信により車両3から車両IDの情報を受けてから、所定の時間が経過するまで動作を継続する。
【0070】
<停車中非接触充電>
車両3のECU40は、停車中非接触充電を実行する場合(第2送電装置からの給電を要求する場合)、通信装置41を介した近距離通信により、充電を行なう送電装置7と通信しながら、受電装置49の受電コイル491と送電装置7の送電コイル71との位置合わせを行なう。位置合わせが完了すると、車両3のECU40は、要求電力の情報をサーバ2を介して、送電装置7に送信する。あるいは、車両3のECU40は、サーバ2を介さずに、要求電力の情報を近距離通信により送電装置7に直接送信してもよい。送電装置7は、要求電力の情報が示す電力を供給するように駆動する。送電装置7は、サーバ2あるいは車両3から停止要求を受けるまで動作を継続する。車両3のECU40は、終了条件が成立すると、サーバ2を介して、あるいはサーバ2を介さずに直接、送電装置7に停止要求を送信する。終了条件は、たとえば、バッテリ30のSOCが予め設定されたSOCに到達したという条件、予め設定された時間が経過したという条件、および/または、ユーザによる停止操作が行なわれたという条件、等を採用してもよい。
【0071】
<充電計画の作成>
図1を参照して、サーバ2の制御装置20は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部201、読み出し部202、算出部203、計画作成部204、決定部205、および、出力部206として機能する。
【0072】
情報取得部201は、通信装置24を介して、車両3および外部サーバ9から種々の情報を取得する。具体的には、情報取得部201は、所定の制御周期で、車両3からSOC情報および位置情報を取得する。また、情報取得部201は、車両3から目的地の情報を取得する。目的地の情報は、車両3のナビゲーションシステム42に対して目的地が入力された場合に、車両3からサーバ2に送信される。情報取得部201は、目的地の情報を取得すると、さらに、車両3からバッテリ温度TBを示す情報を取得するとともに、外部サーバ9から外気温TOを示す情報を取得する。情報取得部201は、バッテリ温度TBを示す情報および外気温TOを示す情報を算出部203に出力する。情報取得部201は、目的地の情報、SOC情報および位置情報を計画作成部204に出力する。
【0073】
また、情報取得部201は、車両3から、ユーザがナビゲーションシステム42に対して設定した設定情報を取得する。ユーザは、ナビゲーションシステム42に対して、たとえば、「走行距離優先」、「到着時刻優先」、「料金優先」、「到着時SOC優先」等の中から、ルート案内において優先する事項を選択することができる。情報取得部201は、この選択内容を、設定情報として、車両3から取得する。情報取得部201は、取得された設定情報を記憶装置22に記憶させる。
【0074】
読み出し部202は、記憶装置22からマップ23を読み出し、読み出されたマップ23を算出部203に出力する。
【0075】
算出部203は、車両3が要する必要熱量Qを算出する。算出部203は、バッテリ温度TBおよび外気温TOをマップ23に照合させることにより、必要熱量Qを算出する。算出部203は、算出された必要熱量Qを計画作成部204に出力する。
【0076】
計画作成部204は、目的地の情報および位置情報等を用いて、車両3の現在地から目的地までの走行ルートを探索する。探索結果には、複数の走行ルートが含まれ得る。計画作成部204は、走行ルートに対して、バッテリ温度TBを目標温度Ttagまで昇温することができる充電計画(すなわち、必要熱量Qを得られる充電計画)を少なくとも1つ作成する。
【0077】
一般に、非接触充電は、接触充電(本実施の形態ではDC充電)に比べて充電効率が低いことが知られている。この充電効率の低下分は熱エネルギEとなる。バッテリ温度TBが目標温度Ttagに対して所定温度以上低い場合には、計画作成部204は、充電計画における非接触充電の割合を増加させ、上記の熱エネルギEを利用して、バッテリ30を昇温させる。非接触充電の効率低下分による熱エネルギは、たとえば、車両3下面を昇温させ、特に受電装置49を昇温させる。受電装置49が昇温されると、受電装置49の近辺に配置されたバッテリ30も熱伝導により昇温される。また、車両3下面が昇温されると、PCU36、モータジェネレータ37等の対象機器も熱伝導により昇温される。受電装置49は、対象機器および空気への熱伝導により冷却される。なお、非接触充電の割合の増加とは、充電計画における受電電力量のうち、非接触充電により受ける電力量の割合を増加させることを意味する。すなわち、非接触充電の割合の増加は、接触充電(実施の形態1ではDC充電)の割合の低下となる。図1および図3を参照しながら、具体例を用いて充電計画の作成について説明する。
【0078】
図3は、充電計画の作成を説明するための図である。図3に示す例では、第1走行ルートR1および第2走行ルートR2の2つの走行ルートが探索されている。図3に示す例では、バッテリ温度TBは目標温度Ttagよりも低いことを想定する。
【0079】
第1走行ルートR1には、5つの充電ポイントP1~P5が含まれている。充電ポイントP1,P2,P5には、給電レーン(第1送電装置)が設けられている。充電ポイントP3には、DC充電設備6が設けられている。充電ポイントP4には、第2送電装置が屋内に設けられている。第2走行ルートR2には、3つの充電ポイントP7~P9が設けらている。充電ポイントP7には、給電レーン(第1送電装置)が設けられている。充電ポイントP8には、DC充電設備6が設けられている。充電ポイントP9には、第2送電装置が屋内に設けられている。
【0080】
計画作成部204は、第1走行ルートR1および第2走行ルートR2の各々に対して、(1)目的地に到着したときのバッテリ30のSOCが、所定SOCとなるように、かつ、(2)充電ポイントでのバッテリ30の充電による発熱量、および、車両3の走行に伴なうバッテリ30の充放電による発熱量の加算値が必要熱量Qと等しくなるように充電計画を作成する。所定SOCは、たとえば、ナビゲーションシステム42への操作によりユーザが設定した値であってもよい。あるいは、所定SOCは、計画作成部204により学習された、1トリップで車両3が使用するSOCの学習値であってもよい。
【0081】
非接触充電は、DC充電よりも充電効率が低い分、多くの熱エネルギを生じさせる。計画作成部204は、非接触充電での効率低下分による熱エネルギEも考慮して、必要熱量Qを得られるように、充電計画における非接触充電の割合を増加させる。なお、熱エネルギEは、第1送電装置および第2送電装置の仕様または実験結果に基づくデータ等に基づいて算出することができる。
【0082】
具体的な充電計画の作成手順の一例を示すと、計画作成部204は、まず、第1走行ルートR1に対する充電計画においては、たとえば、目的地への到着時のバッテリ30のSOCが所定SOCとなるように充電計画を仮作成する。そして、計画作成部204は、必要熱量Qを得られるよう、充電ポイントP1での要求電力を増加させるように充電計画を作成(変更)する。充電ポイントP1での非接触充電による発熱量と、現在地から充電ポイントP1まで走行したときのバッテリ30の充放電による発熱量との加算値AD1が必要熱量Qに満たない場合には、計画作成部204は、充電ポイントP2での要求電力を増加させるように充電計画を作成する。さらに、加算値AD1と、充電ポイントP2での非接触充電による発熱量と、充電ポイントP1から充電ポイントP2まで走行したときのバッテリ30の充放電による発熱量との加算値AD2が必要熱量Qに満たない場合には、計画作成部204は、充電ポイントP4での要求電力を増加させるように充電計画を作成する。また、加算値AD2が必要熱量Qに満たない場合、計画作成部204は、目的地への到着時刻を早めることを優先するパターンとして、充電ポイントP4よりも充電ポイントP5を優先させて、充電ポイントP5での要求電力を増加させるように充電計画をさらに作成する。目的地への到着時のバッテリ30のSOCが所定SOCを超える分に関しては、DC充電での充電電力量を減らすことで調整されてもよい。
【0083】
このように、計画作成部204は、少なくとも第1走行ルートR1を走行して目的地に到着した際にバッテリ30が目標温度Ttagに昇温されているように充電計画を作成する。さらに、計画作成部204は、第1走行ルートR1の走行において、早期にバッテリ30を目標温度Ttagに昇温させるために、現在地に近い非接触充電の充電ポイント(第1送電装置または第2送電装置)から順に要求電力を増加させる。これにより、早期にバッテリ30が昇温されて、バッテリ30の性能を向上させた状態で車両3を走行させることができる。
【0084】
また、計画作成部204は、第2走行ルートR2に対する充電計画においても、まず、目的地への到着時のバッテリ30のSOCが所定SOCとなるように充電計画を仮作成する。そして、計画作成部204は、必要熱量Qを得られるよう、充電ポイントP7での要求電力を増加させるように充電計画を作成(変更)する。充電ポイントP7での非接触充電による発熱量と、現在地から充電ポイントP7まで走行したときのバッテリ30の充放電による発熱量との加算値AD7が必要熱量Qに満たない場合には、計画作成部204は、充電ポイントP9での要求電力を増加させるように充電計画を作成する。
【0085】
上記のように非接触充電の割合が増加するように充電計画を作成することによって、非接触充電の割合を増加させない充電計画を作成する場合に比べて、バッテリ30の充電とともにバッテリ30をより昇温することができ、バッテリ温度TBを目標温度Ttagに到達させることができる。
【0086】
再び図1を参照して、決定部205は、作成された充電計画の中から、車両3のユーザに推奨する充電計画(以下「推奨計画」とも称する)を1つ決定する。決定部205は、車両3のユーザがナビゲーションシステム42に対して設定した設定情報を記憶装置22から読み出す。たとえば、設定情報が「到着時刻優先」を示す場合には、決定部205は、作成された充電計画の中から、目的地への到着時刻が最も早くなる充電計画を推奨計画とする。また、設定情報が「到着時SOC優先」を示す場合には、決定部205は、作成された充電計画の中から、目的地へ到着した際のバッテリ30のSOCが所定SOCに最も近い(合致する)充電計画を推奨計画とする。なお、この際において、決定部205は、目的地への到着時刻が最も早くなる充電計画から所定時間内に目的地に到着できる充電計画の中から推奨計画を決定するものとしてもよい。
【0087】
出力部206は、通信装置24を介して、作成された充電計画、および、作成された充電計画のうちのいずれが推奨計画であるかを示す情報を車両3に送信する。
【0088】
車両3のECU40は、通信装置41を介して、充電計画を取得すると、当該充電計画をナビゲーションシステム42に出力する。ナビゲーションシステム42のCPU421は、推奨計画をユーザが認識し得る態様(表示色の変更や強調表示等)でディスプレイ424に表示させ、任意の充電計画をユーザに選択させる。推奨計画を表示させることで、ユーザは、自身が設定している内容(設定情報)に適した充電計画を容易に認識することができる。よって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0089】
<サーバおよび車両で実行される処理>
図4は、充電計画を設定する処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、目的地が設定された際に、車両3のECU40、ナビゲーションシステム42のCPU421およびサーバ2の制御装置20により開始される。図4のフローチャートの各ステップ(以下ステップを「S」と略す)は、制御装置20、ECU40およびCPU421によるソフトウェア処理によって実現される場合について説明するが、その一部あるいは全部が、制御装置20内、ECU40内および/またはCPU421内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
【0090】
S10において、ナビゲーションシステム42のディスプレイ424への入力操作により、目的地が設定される。ECU40は、ナビゲーションシステム42から目的地を取得すると、目的地の情報をサーバ2に出力する。
【0091】
S20において、制御装置20は、目的地の情報、車両3の現在の位置情報およびSOC情報を用いて、車両3の現在地から目的地までの走行ルートを探索する。
【0092】
S22において、制御装置20は、走行ルートに対して、充電計画を少なくとも1つ作成する。図5は、充電計画を作成するための処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
S221において、制御装置20は、通信装置24を介して、外部サーバ9から外気温TOを取得する。たとえば、制御装置20は、車両3の現在地と目的地とが同一の地域に存在する場合には、当該地域の外気温TOを外部サーバ9から取得する。車両3の現在地と目的地とが異なる地域に存在する場合には、制御装置20は、たとえば、現在地の地域、目的地の地域、および、現在地から目的地までの間に存在する地域の外気温を外部サーバ9から取得し、これらの平均値を外気温TOとしてもよい。なお、制御装置20は、現在地の地域の外気温に、車両3の温度センサ46により取得された温度を用いることも可能である。
【0094】
S222において、制御装置20は、通信装置24を介して、車両3からバッテリ温度TBを取得する。
【0095】
S223において、制御装置20は、記憶装置22からマップ23を読み出す。
S224において、制御装置20は、外気温TOおよびバッテリ温度TBをマップ23に照合させて、バッテリ温度TBを目標温度Ttagまで昇温させるために要する必要熱量Qを算出する。
【0096】
S225において、制御装置20は、充電計画を作成する。制御装置20は、記憶装置22から所定SOCを読み出し、目的地への到着時のバッテリ30のSOCが所定SOCとなるように、かつ、充電ポイントでのバッテリ30の充電による発熱量、および、車両3の走行に伴なうバッテリ30の充放電による発熱量の加算値が必要熱量Qと等しくなるように充電計画を作成する。制御装置20は、1つの走行ルートに対して、複数の充電計画を作成してもよい。たとえば、制御装置20は、1つの走行ルートに対して、到着時間を優先した充電計画、到着時のSOCを優先した充電計画、等を作成してもよい。
【0097】
S226において、制御装置20は、車両3のユーザがナビゲーションシステム42に対して設定した設定情報を記憶装置22から読み出す。
【0098】
S227において、制御装置20は、作成された複数の充電計画のうち、設定情報に最も合致する充電計画を推奨計画に決定する。なお、作成された充電計画が1つである場合には、制御装置20は、当該充電計画を推奨計画に決定する。
【0099】
再び図4を参照し、S24において、制御装置20は、作成された充電計画を車両3に送信する。
【0100】
S12において、ECU40は、サーバ2から受けた充電計画をナビゲーションシステム42に出力する。ナビゲーションシステム42のCPU421は、充電計画をディスプレイ424に表示させる。車両3のユーザは、表示された充電計画の中から、充電計画を1つ選択する。なお、以下では、ユーザによって選択された走行ルートを「選択計画」とも称する。
【0101】
S14において、ナビゲーションシステム42のCPU421は、選択計画をECU40に出力する。そして、ECU40は、ナビゲーションシステム42から受けた選択計画をサーバ2に出力する。
【0102】
S26において、制御装置20は、選択計画を記憶する。以降、制御装置20は、所定の制御周期で、選択計画に従った案内情報を車両3に出力する。車両3はトリップを開始し、案内情報に従って目的地へ向かう。
【0103】
以上のように、実施の形態1に係る充電管理システム1において、サーバ2は、車両3の対象機器(実施の形態1ではバッテリ30)の温度(バッテリ温度TB)が目標温度Ttagに達していない場合には、バッテリ温度TBを目標温度Ttagまで上昇させるために要する熱量(必要熱量)Qを算出する。そして、サーバ2は、非接触充電での効率低下分による熱エネルギEを考慮し、目的地への到着時のバッテリ30のSOCが所定SOCとなるように、かつ、充電ポイントでのバッテリ30の充電による発熱量、および、車両3の走行に伴なうバッテリ30の充放電による発熱量の加算値が必要熱量Qと等しくなるように充電計画を作成する。すなわち、サーバ2は、必要熱量Qを得られるように、充電計画における非接触充電の割合を増加させる。非接触充電により得られる熱量は、DC充電により得られる熱量よりも多い。よって、充電計画における非接触充電の割合を増加させることで、充電により、車両3下面をより昇温させ、特に受電装置49をより昇温させる。受電装置49が昇温されると、受電装置49の近辺に配置されたバッテリ30も熱伝導により昇温される。これにより、バッテリ30を目標温度Ttagに昇温させることができるので、バッテリ30の性能が低下することを抑制することができる。
【0104】
またサーバ2は、作成した充電計画の中から、車両3のユーザが設定した設定情報に最も合致するものを推奨計画に決定する。車両3は、推奨計画をユーザが認識し得る態様でナビゲーションシステム42のディスプレイ424に表示させる。ユーザは、ディスプレイ424に表示された充電計画から、自身が望む充電計画を選択する。推奨計画を表示させることで、ユーザは、自身の設定に適した充電計画を容易に認識することができる。よって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0105】
[変形例1]
外気温TOは刻々と変動し得る。外気温TOが変動した場合、一般に、屋内の温度変化は、屋外の温度変化に比べて小さい。すなわち、屋内の非接触充電においては、屋外の非接触充電に比べて、外気温TOの影響を受けにくい。屋外の非接触充電においては、外気温TOが変動して高くなると、バッテリ30が熱エネルギを得てより昇温され得る。それゆえに、充電計画の作成後に外気温TOが変動すると、充電計画により想定された熱量以上の熱量を得て、バッテリ30が必要以上に昇温される可能性がある。そこで、変形例1では、充電計画の作成において、サーバ2は、外気温TOが基準温度Tref以上であるときには、屋内の非接触充電の割合を、屋外の非接触充電の割合よりも増加させる。すなわち、充電計画において非接触充電の割合を増加させる中で、さらに、屋内の非接触充電(第2送電装置による非接触充電)を屋外の非接触充電(第1送電装置による非接触充電)よりも優先して、その割合を増加させる。基準温度Trefは、第2送電装置が設置された屋内の温度よりも高い温度である。
【0106】
再び図3を参照し、たとえば、第1走行ルートR1であれば、サーバ2(計画作成部204)は、目的地への到着時のバッテリ30のSOCが所定SOCとなるように充電計画を仮作成する。そして、サーバ2は、必要熱量Qを得られるよう、充電ポイントP4(屋内の非接触充電)での要求電力を増加させるように充電計画を作成(変更)する。充電ポイントP4での非接触充電による発熱量と、現在地から充電ポイントP4まで走行したときのバッテリ30の充放電による発熱量との加算値AD10が必要熱量Qに満たない場合には、サーバ2は、充電ポイントP1(屋外の非接触充電)での要求電力を増加させるように充電計画を作成(変更)する。なお、仮作成された充電計画に、現在地から充電ポイントP4までの間にある充電ポイント(たとえば充電ポイントP1)での充電が組み込まれている場合には、加算値AD10には、当該充電ポイント(たとえば充電ポイントP1)での非接触充電による発熱量がさらに加算される。
【0107】
さらに、加算値AD10と、充電ポイントP1での非接触充電による発熱量との加算値AD11が必要熱量Qに満たない場合には、サーバ2は、充電ポイントP2での要求電力を増加させるように充電計画を作成する。
【0108】
上記のように、外気温TOが基準温度Tref以上であるときには、充電計画において、非接触充電のうち、屋内の非接触充電の割合を増加させる。これにより、充電計画により想定された熱量以上の熱量を得て、バッテリ30が必要以上に昇温されることを抑制することができる。
【0109】
[変形例2]
実施の形態1では、車両3は、DC充電および非接触充電が可能である例について説明した。しかしながら、車両3は、DC充電に代えてAC充電が可能に構成されてもよい。さらに、車両3は、DC充電および非接触充電に加えて、AC充電が可能に構成されてもよい。
【0110】
[変形例3]
実施の形態1では、車両3は電気自動車である例について説明した。しかしながら、車両3は、車両外部から受けた電力を用いた充電が可能な車両であればよく、電気自動車に限られるものではない。車両3は、たとえば、プラグインハイブリッド車または燃料電池車であってもよい。
【0111】
[変形例4]
実施の形態1では、対象機器がバッテリ30である例について説明した。変形例4では、対象機器が空調装置50である例について説明する。変形例4では、図示はしないが、受電装置49の周囲には、空調装置50の冷媒が流通する配管が設けられている。すなわち、変形例4では、受電装置49は、空調装置50の冷媒によって液冷される。
【0112】
電気自動車やハイブリッド車では、エンジンを搭載していなかったり、エンジンが常時動作されなかったりするため、空調装置50(特に暖房装置)の熱源を確保することが課題となる場合がある。変形例4では、非接触充電による受電装置49の発熱を空調装置50の熱源として用いる。
【0113】
変形例4に係る目標温度Ttagは、受電装置49を冷却した後の空調装置50の冷媒の目標温度である。変形例4に係る必要熱量Qは、受電装置49を冷却した後の冷媒の温度を目標温度Ttagまで昇温させるために要する熱量である。受電装置49を冷却した後の冷媒の温度は、たとえば、冷媒の温度を検出可能に構成された温度センサ(図示せず)によって取得される。
【0114】
また、変形例4に係るマップ23は、外気温TOと、冷媒の温度と、必要熱量Qとの関係を定めた情報である。
【0115】
制御装置20(計画作成部204)は、走行ルートに対して、受電装置49を冷却した後の冷媒の温度を目標温度Ttagまで昇温することができる充電計画(すなわち、必要熱量Qを得られる充電計画)を少なくとも1つ作成する。この手順は、実施の形態1で説明した、バッテリ温度TBを目標温度Ttagまで昇温することができる充電計画の作成の手順と同様である。
【0116】
変形例4によれば、非接触充電による受電装置49の発熱を利用して、空調装置50の熱源を確保することができる。
【0117】
[実施の形態2]
実施の形態1では、充電計画の作成および推奨計画の決定をサーバ2が行なう例について説明した。しがしながら、充電計画の作成および推奨計画の決定は、車両3が行なってもよい。実施の形態2では、充電計画の作成および推奨計画の決定を車両3が行なう例について説明する。
【0118】
実施の形態2では、車両3のユーザによってナビゲーションシステム42に目的地が入力されると、ナビゲーションシステム42のCPU421は、車両3の現在地から目的地までの経路(走行ルート)を探索し、探索結果(複数の走行ルートを含み得る)をECU40に出力する。ECU40は、走行ルートに対して、実施の形態1に係るサーバ2と同様の手法により、充電計画を作成し、かつ、推奨計画を決定する。そして、ECU40は、ナビゲーションシステム42に充電計画を出力する。
【0119】
ナビゲーションシステム42のCPU421は、ECU40から受けた充電計画をディスプレイ424に表示させ、ユーザに選択させる。ユーザによって充電計画が選択されると、その選択された充電計画(選択計画)をECU40に出力する。また、CPU421は、選択計画に従って、ナビゲーションシステム42による案内を開始する。
【0120】
ECU40は、CPU421から受けた選択計画をサーバ2に出力する。これにより、サーバ2は、車両3の走行予定経路を認識する。
【0121】
図6は、実施の形態2における、充電計画を設定する処理の手順を示すフローチャートである。
【0122】
S30において、ナビゲーションシステム42のCPU421は、ディスプレイ424への目的地の入力操作を受け付け、目的地を設定する。
【0123】
S32において、CPU421は、設定された目的地の情報および車両3の現在の位置情報を用いて、車両3の現在地から目的地までの走行ルートを探索する。そして、CPU421は、探索された走行ルートをECU40に出力する。
【0124】
S40において、ECU40は、走行ルートに対して、充電計画を作成する。充電計画を作成するための処理は、図5の処理と同様であるので、繰り返し説明しない。
【0125】
S42において、ECU40は、作成された充電計画をナビゲーションシステム42に出力する。
【0126】
S34において、CPU421は、充電計画をディスプレイ424に表示させる。車両3のユーザは、表示された充電計画の中から、充電計画を1つ選択する。充電計画を選択することは、車両3の走行ルートを選択することでもある。
【0127】
S36において、CPU421は、選択された充電計画(選択計画)をECU40に出力する。
【0128】
S44において、ECU40は、ナビゲーションシステム42から受けた選択計画をサーバ2に送信する。
【0129】
なお、充電計画の作成および推奨計画の決定の機能は、ナビゲーションシステム42のCPU421に持たせることも可能である。
【0130】
以上のように、充電計画の作成および推奨計画の決定を車両3が行なう構成であっても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0131】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0132】
1 充電管理システム、2 サーバ、3 車両、5 充電設備群、6 DC充電設備、7 送電装置、8 交流電源、9 外部サーバ、20 制御装置、22 記憶装置、23 マップ、24 通信装置、26 通信バス、30 バッテリ、31 監視ユニット、32 電圧センサ、33 電流センサ、34 温度センサ、35 SMR、36 PCU、37 モータジェネレータ、38 伝達ギヤ、39 駆動輪、40 ECU、40a CPU、40b メモリ、41 通信装置、42 ナビゲーションシステム、43 DC/DCコンバータ、44 補機装置、45 補機バッテリ、46 温度センサ、47 インレット、48 充電リレー、49 受電装置、50 空調装置、61 充電ケーブル、62 充電コネクタ、71 送電コイル、201 情報取得部、202 読み出し部、203 算出部、204 計画作成部、205 決定部、206 出力部、421 CPU、422 メモリ、423 GPS受信機、424 ディスプレイ、491 受電コイル、NL,PL 電力線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6