(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】コネクタ及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20241001BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20241001BHJP
H01R 13/641 20060101ALN20241001BHJP
【FI】
H01R13/42 Z
H01R13/64
H01R13/641
(21)【出願番号】P 2021117852
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】福山 喬子
(72)【発明者】
【氏名】和泉 海志
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/072335(WO,A1)
【文献】特開2001-250639(JP,A)
【文献】登録実用新案第3126066(JP,U)
【文献】国際公開第2017/014057(WO,A1)
【文献】特開2004-031233(JP,A)
【文献】特開2015-095357(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0264887(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1537807(KR,B1)
【文献】実開平01-064974(JP,U)
【文献】特開2017-208170(JP,A)
【文献】国際公開第2017/104310(WO,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0456000(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線に電気的に接続される3以上の第1端子と、
3以上の前記第1端子を保持するハウジングと、を備え、
3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、
前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、
3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、
3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、
3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、
3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有
しており、
前記識別部は、前記第1端子に形成される印字であるコネクタ。
【請求項2】
3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って一定の前記第1間隔にて並んでおり、
3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って一定の前記第2間隔にて並んでおり、
3以上の前記第1端子において、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との前記第1方向におけるずれ量が、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて等差数列的に変化しており、
3以上の前記第1中間部は、対応する前記第1端子における前記ずれ量に応じて、互いに異なる形状に形成されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1端子の各々は、前記第1方向に延びる幅を有し、
前記第1間隔と前記第2間隔との差は、前記第1端子の幅よりも小さい請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記識別部は、前記第1端子のうち前記ハウジングにより被覆されていない部分に設けられる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ハウジングは、開口を有し、
前記第1端子の各々は、前記開口の内部に向けて前記第1方向と交差する第2方向に延びる前記第1電線接続部と、前記開口の内部から前記開口の貫通方向に沿って延びる前記第1中間部と、前記第2方向において前記第1中間部から前記第1電線接続部と反対側に延びる前記第1端子接続部とを有し、
前記識別部は、前記第1中間部のうち前記貫通方向に沿って延びる面に設けられる請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
3以上の前記第1端子と前記第1方向に沿って並んで設けられる第2端子と、
前記第1方向において前記第1端子と前記第2端子との間に設けられるインターロックコネクタとを更に有し、
前記第2端子は、前記識別部を有する請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第2端子は、前記電線に接続される第2電線接続部と、前記相手端子に接続される第2端子接続部と、前記第2電線接続部と前記第2端子接続部との間に設けられる第2中間部と、を有し、
前記第1方向において隣接する前記第1端子接続部と前記第2端子接続部との間の間隔は、前記第1間隔よりも大きい間隔であり、
前記第1方向において隣接する前記第1電線接続部と前記第2電線接続部との間の間隔は、前記第2間隔と同一の間隔である請求項
6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1端子の数は、5以上である請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
3以上の第1端子と、3以上の前記第1端子を保持するハウジングとを有する第1コネクタと、
3以上の第3端子を有する第2コネクタと、
前記第1端子の各々と前記第3端子の各々とを電気的に接続する3以上の電線と、を備え、
3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、
前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、
3以上の前記第3端子は、前記第1方向に沿って並んでおり、
前記第3端子の各々は、前記電線に接続される第3電線接続部を有し、
3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、
3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、
3以上の前記第3電線接続部は、前記第1方向に沿って前記第2間隔にて並んでおり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、
3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、
3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有
しており、
前記識別部は、前記第1端子に形成される印字であるワイヤハーネス。
【請求項10】
前記電線の各々の長さは同一である請求項
9に記載のワイヤハーネス。
【請求項11】
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの一方は、インバータに電気的に接続されるものであり、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの他方は、モータに電気的に接続されるものであり、
3以上の前記電線は、高電圧が印加される高圧電線である請求項
9又は請求項
10に記載のワイヤハーネス。
【請求項12】
電線に電気的に接続される3以上の第1端子と、
3以上の前記第1端子を保持するハウジングと、を備え、
3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、
前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、
3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、
3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、
3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、
3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有
しており、
前記識別部は、前記第1端子に設けられる突起であるコネクタ。
【請求項13】
3以上の第1端子と、3以上の前記第1端子を保持するハウジングとを有する第1コネクタと、
3以上の第3端子を有する第2コネクタと、
前記第1端子の各々と前記第3端子の各々とを電気的に接続する3以上の電線と、を備え、
3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、
前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、
3以上の前記第3端子は、前記第1方向に沿って並んでおり、
前記第3端子の各々は、前記電線に接続される第3電線接続部を有し、
3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、
3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、
3以上の前記第3電線接続部は、前記第1方向に沿って前記第2間隔にて並んでおり、
前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、
3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、
3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有
しており、
前記識別部は、前記第1端子に設けられる突起であるワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ及びワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される電気機器同士を電気的に接続するワイヤハーネスが知られている(例えば、特許文献1参照)。ワイヤハーネスの一端には、上記電気機器に取り付けられるコネクタが設けられている。この種のコネクタは、開口を有する樹脂製のハウジングと、ハウジングと一体に形成された複数の端子と、金属製のプレートとを有している。複数の端子は、一方向に沿って並んで設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したコネクタでは、組立作業性の向上が望まれており、この点においてなお改善の余地があった。
本開示の目的は、組立作業性を向上できるコネクタ及びワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のコネクタは、電線に電気的に接続される3以上の第1端子と、3以上の前記第1端子を保持するハウジングと、を備え、3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有する。
【0006】
本開示のワイヤハーネスは、3以上の第1端子と、3以上の前記第1端子を保持するハウジングとを有する第1コネクタと、3以上の第3端子を有する第2コネクタと、前記第1端子の各々と前記第3端子の各々とを電気的に接続する3以上の電線と、を備え、3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、3以上の前記第3端子は、前記第1方向に沿って並んでおり、前記第3端子の各々は、前記電線に接続される第3電線接続部を有し、3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、3以上の前記第3電線接続部は、前記第1方向に沿って前記第2間隔にて並んでおり、前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコネクタ及びワイヤハーネスによれば、組立作業性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略平面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(
図1における2-2線断面図)である。
【
図3】
図3は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(
図1における3-3線断面図)である。
【
図4】
図4は、一実施形態のコネクタを示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のワイヤハーネスを示す模式図である。
【
図6】
図6は、変更例のワイヤハーネスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
[1]本開示のコネクタは、電線に電気的に接続される3以上の第1端子と、3以上の前記第1端子を保持するハウジングと、を備え、3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有する。
【0010】
この構成によれば、第1端子の各々が第1電線接続部と第1端子接続部と第1中間部とを有し、3以上の第1端子接続部が第1間隔にて並ぶとともに、3以上の第1電線接続部が第1間隔と異なる第2間隔にて並んでいる。また、第1間隔と第2間隔との差に応じて、3以上の第1中間部が互いに異なる形状に形成されている。このため、3以上の第1端子は互いに異なる形状を有している。この場合において、コネクタの組立時等に、第1中間部の形状の違いのみに基づいて3以上の第1端子を識別すると、識別に多大な時間を要する。これにより、コネクタの組立作業性が低下する。これに対し、本開示のコネクタでは、3以上の第1端子に、互いを識別するための識別部を設けるようにした。これにより、3以上の第1端子が互いに異なる形状を有している場合であっても、識別部に基づいて3以上の第1端子を容易に識別できる。このため、3以上の第1端子の識別に要する時間を短縮でき、コネクタの組立作業性を向上できる。
【0011】
[2]3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って一定の前記第1間隔にて並んでおり、3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って一定の前記第2間隔にて並んでおり、3以上の前記第1端子において、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との前記第1方向におけるずれ量が、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて等差数列的に変化しており、3以上の前記第1中間部は、対応する前記第1端子における前記ずれ量に応じて、互いに異なる形状に形成されていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、3以上の第1端子接続部が一定の第1間隔にて並んで設けられ、3以上の第1電線接続部が一定の第2間隔にて並んで設けられる。また、第1電線接続部と第1端子接続部との第1方向におけるずれ量に応じて、3以上の第1中間部が互いに異なる形状に形成されている。このため、第1中間部の各々の形状により、第1間隔と第2間隔との差を吸収できる。すなわち、第1端子の構造のみによって、第1間隔と第2間隔との差を吸収できる。例えば、第1端子に接続される電線の長さを互いに異なる長さに設定することなく、第1端子の構造のみによって第1間隔と第2間隔との差を吸収できる。
【0013】
[3]前記第1端子の各々は、前記第1方向に延びる幅を有し、前記第1間隔と前記第2間隔との差は、前記第1端子の幅よりも小さいことが好ましい。
この構成によれば、第1間隔と第2間隔との差が第1端子の幅よりも小さい。このため、第1電線接続部と第1端子接続部との第1方向におけるずれ量の変化量、具体的には第1方向に隣接する2つの第1端子における上記ずれ量の変化量が、第1端子の幅よりも小さくなる。これにより、第1方向に隣接する2つの第1端子において、第1中間部における形状の変化度合が小さくなる。この結果、3以上の第1端子を形状の違いのみで識別することがより困難になる。このため、第1間隔と第2間隔との差が小さくなるほど、第1端子の各々に対して識別部を設けたことによる効果が顕著に現れる。
【0014】
[4]前記識別部は、前記第1端子のうち前記ハウジングにより被覆されていない部分に設けられることが好ましい。
この構成によれば、第1端子のうちハウジングにより被覆されていない部分に識別部が設けられる。このため、例えば第1端子がハウジングにより保持された状態においても、識別部を確認することができる。したがって、第1端子がハウジングにより保持された状態においても、識別部に基づいて3以上の第1端子を容易に識別することができる。
【0015】
[5]前記ハウジングは、開口を有し、前記第1端子の各々は、前記開口の内部に向けて前記第1方向と交差する第2方向に延びる前記第1電線接続部と、前記開口の内部から前記開口の貫通方向に沿って延びる前記第1中間部と、前記第2方向において前記第1中間部から前記第1電線接続部と反対側に延びる前記第1端子接続部とを有し、前記識別部は、前記第1中間部のうち前記貫通方向に沿って延びる面に設けられることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第1中間部のうち開口の貫通方向に沿って延びる面に識別部が設けられる。このため、例えば第1端子がハウジングにより保持された状態においても、開口を通じて識別部を視認しやすい。したがって、識別部に基づいて3以上の第1端子を容易に識別することができる。
【0017】
[6]前記識別部は、前記第1端子に形成される印字であることが好ましい。
この構成によれば、印字により識別部が構成される。このため、例えばコネクタを組み立てる作業者の指等が識別部に干渉することを抑制できる。これにより、コネクタの組立作業性を向上できる。また、識別部を設けたことに起因して、第1端子の体格が増大することを抑制できる。
【0018】
[7]3以上の前記第1端子と前記第1方向に沿って並んで設けられる第2端子と、前記第1方向において前記第1端子と前記第2端子との間に設けられるインターロックコネクタとを更に有し、前記第2端子は、前記識別部を有することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第1方向において第1端子と第2端子との間にインターロックコネクタが設けられる。このインターロックコネクタにより、コネクタが接続対象に対して正規の位置にて接続されているか否かを容易に検知できる。また、第2端子に対しても識別部が設けられるため、識別部に基づいて第1端子と第2端子とを容易に識別することができる。
【0020】
[8]前記第2端子は、前記電線に接続される第2電線接続部と、前記相手端子に接続される第2端子接続部と、前記第2電線接続部と前記第2端子接続部との間に設けられる第2中間部と、を有し、前記第1方向において隣接する前記第1端子接続部と前記第2端子接続部との間の間隔は、前記第1間隔よりも大きい間隔であり、前記第1方向において隣接する前記第1電線接続部と前記第2電線接続部との間の間隔は、前記第2間隔と同一の間隔であることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、第1方向において隣接する第1端子接続部と第2端子接続部との間の間隔が第1間隔よりも大きい間隔に設定される。このため、例えば第1端子接続部と第2端子接続部との間にインターロックコネクタを好適に配置することができる。
【0022】
[9]前記第1端子の数は、5以上であることが好ましい。
この構成によれば、互いに形状の異なる第1端子の数が5以上になるため、部品の種類が増大する。この場合には、5以上の第1端子を識別することが煩雑になる。このため、第1端子の数が多くなるほど、第1端子の各々に対して識別部を設けたことによる効果が顕著に現れる。
【0023】
[10]本開示のワイヤハーネスは、3以上の第1端子と、3以上の前記第1端子を保持するハウジングとを有する第1コネクタと、3以上の第3端子を有する第2コネクタと、前記第1端子の各々と前記第3端子の各々とを電気的に接続する3以上の電線と、を備え、3以上の前記第1端子は、第1方向に沿って並んでおり、前記第1端子の各々は、前記電線に接続される第1電線接続部と、相手端子に接続される第1端子接続部と、前記第1電線接続部と前記第1端子接続部との間に設けられる第1中間部と、を有し、3以上の前記第3端子は、前記第1方向に沿って並んでおり、前記第3端子の各々は、前記電線に接続される第3電線接続部を有し、3以上の前記第1端子接続部は、前記第1方向に沿って第1間隔にて並んでおり、3以上の前記第1電線接続部は、前記第1方向に沿って第2間隔にて並んでおり、3以上の前記第3電線接続部は、前記第1方向に沿って前記第2間隔にて並んでおり、前記第1間隔と前記第2間隔とは互いに異なっており、3以上の前記第1中間部は、前記第1間隔と前記第2間隔との差に応じて、互いに異なる形状に形成されており、3以上の前記第1端子は、互いを識別するための識別部を有する。
【0024】
この構成によれば、第1端子の各々が第1電線接続部と第1端子接続部と第1中間部とを有し、3以上の第1端子接続部が第1間隔にて並ぶとともに、3以上の第1電線接続部が第1間隔と異なる第2間隔にて並んでいる。また、第1間隔と第2間隔との差に応じて、3以上の第1中間部が互いに異なる形状に形成されている。このため、3以上の第1端子は互いに異なる形状を有している。この場合において、第1コネクタ及びワイヤハーネスの組立時等に、第1中間部の形状の違いのみに基づいて3以上の第1端子を識別すると、識別に多大な時間を要する。これにより、ワイヤハーネスの組立作業性が低下する。これに対し、本開示のワイヤハーネスでは、3以上の第1端子に、互いを識別するための識別部を設けるようにした。これにより、3以上の第1端子が互いに異なる形状を有している場合であっても、識別部に基づいて3以上の第1端子を容易に識別できる。このため、3以上の第1端子の識別に要する時間を短縮でき、ワイヤハーネスの組立作業性を向上できる。
【0025】
[11]前記電線の各々の長さは同一であることが好ましい。
この構成によれば、電線の各々の長さが同一である。このため、電線の各々の長さが異なる場合に比べて、部品の種類が増加することを抑制できる。
【0026】
[12]前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの一方は、インバータに電気的に接続されるものであり、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの他方は、モータに電気的に接続されるものであり、3以上の前記電線は、高電圧が印加される高圧電線であることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、高電圧が印加されるインバータ及びモータ間の導電経路に対してワイヤハーネスを適用することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタ及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。各図面では、互いに直交するXYZ軸を図示している。本明細書における「直交」は、厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書において、「沿って」と記載する場合には、基準となる方向と、対象の延びる方向とのなす角度が10度以下であることが好ましい。この場合に、基準となる方向と対象の延びる方向とのなす角度は、5度以下であることが好ましく、1度以下であることがさらに好ましく、0度つまり平行であることが最も好ましい。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0028】
(ワイヤハーネス10の構成)
図1に示すように、ワイヤハーネス10は、3以上の端子30を有するコネクタ20を有している。3以上の端子30は、第1方向D1に沿って並んで設けられている。本実施形態の第1方向D1は、Y軸に沿う方向である。ワイヤハーネス10は、3以上の端子90を有するコネクタ80を有している。3以上の端子90は、第1方向D1に沿って並んで設けられている。ワイヤハーネス10は、例えば、端子30の各々と端子90の各々とを電気的に接続する3以上の電線110とを有している。ワイヤハーネス10は、例えば、モータやインバータなどの車両用の電気機器同士を電気的に接続するものである。コネクタ20は、例えば、インバータに電気的に接続されている。コネクタ80は、例えば、モータに電気的に接続されている。
【0029】
(電線110の構成)
図2に示すように、各電線110は、導電性を有する芯線111と、芯線111の外周を囲うとともに絶縁性を有する絶縁被覆112とを有している。各電線110は、例えば、高電圧が印加される高圧電線である。本明細書における「高圧電線」とは、「JASO D624(2015)」に規格される電線である。高圧電線の定格電圧は、交流電圧の場合には、30Vを超え600V以下であり、直流電圧の場合には、60Vを超え750V以下である。
【0030】
各電線110は、端子30に接続される第1接続部120を有している。第1接続部120は、電線110の長さ方向の一端に設けられている。第1接続部120では、芯線111の端部が絶縁被覆112から露出している。第1接続部120では、絶縁被覆112から露出された芯線111の端部が端子30に接続されている。
図1に示すように、各電線110は、端子90に接続される第2接続部130を有している。第2接続部130は、電線110の長さ方向において第1接続部120と反対側の端部に設けられている。第2接続部130では、第1接続部120と同様に、芯線111(
図2参照)の端部が端子90に接続されている。
【0031】
3以上の電線110は、第1方向D1に沿って並んで設けられている。各電線110は、例えば、X軸に沿って延びている。各電線110は、例えば、X軸に沿って真っすぐ延びている。例えば、電線110の各々の長さは同一である。本明細書において「同一」とは、完全に同一の場合の他、製造公差や組み付け公差の範囲内において比較対象同士に多少の相違がある場合も含む。
【0032】
(コネクタ20の構成)
図2に示すように、コネクタ20は、インバータの有するケース200に取り付けられている。ケース200は、開口201を有している。
【0033】
図1に示すように、コネクタ20は、3以上の端子30を保持するハウジング50を有している。
ハウジング50には、例えば、ハウジング50の外周から外方に突出する金属製のプレート60が一体に設けられている。プレート60は、複数の取付孔61を有している。取付孔61の各々には、プレート60をケース200(
図2参照)に取り付けるための図示しないボルトが挿入されている。プレート60がケース200に取り付けられることによって、コネクタ20がケース200に取り付けられている。
【0034】
(ハウジング50の構成)
ハウジング50は、例えば、筒状をなす筒状部51と、複数の端子30を保持する保持部52とを有している。ハウジング50は、例えば、筒状部51と保持部52とが一体に形成された単一部品である。ハウジング50は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0035】
図2に示すように、筒状部51は、筒状部51を貫通する開口53を有している。開口53の貫通方向は、例えば、Z軸に沿う方向である。
図1に示すように、開口53は、例えば、長円状をなしている。
【0036】
保持部52は、筒状部51から筒状部51の外周側に突出している。保持部52は、例えば、筒状部51から電線110に向かって図中下方に突出している。保持部52は、例えば、第1方向D1において、筒状部51の中心からずれた位置に設けられている。例えば、保持部52の第1方向D1における中心は、筒状部51の第1方向D1における中心から第1方向D1の一方向(本実施形態では、図中左方向)にずれている。
【0037】
保持部52は、端子30の一部と、第1接続部120を含む電線110の一部とを保持している。例えば、複数の電線110に接続された複数の端子30と、ハウジング50とはインサート成形によって一体化されている。各端子30の一部及び各第1接続部120は、例えば、保持部52に埋設されている。
【0038】
図2に示すように、ハウジング50のうちケース200に対向する部分には、開口53を取り囲む溝54が設けられている。溝54には、ハウジング50とケース200との間をシールするリング状のシール部材55が設けられている。
【0039】
ハウジング50のうちケース200に対向する部分には、例えば、筒状部51から離れる方向、具体的にはケース200に向かって突出するガイド部56が設けられている。ガイド部56は、例えば、ケース200の開口201の内周面に沿って開口201の内部に挿入される。ガイド部56は、ハウジング50をケース200に取り付ける際に、端子30を開口201の内部に誘導するガイド機能を有している。
【0040】
(端子30の構成)
図1に示すように、各端子30は、保持部52から開口53の内部に向けて、第1方向D1と交差する第2方向D2に突出している。本実施形態の第2方向D2は、X軸に沿う方向であって、第1方向D1と直交する方向である。
【0041】
各端子30は、電線接続部31と、端子接続部32と、電線接続部31と端子接続部32との間に設けられた中間部33とを有している。各端子30は、電線接続部31と端子接続部32と中間部33とが一体に形成された単一部品である。各端子30は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料により形成されている。なお、各端子30は、第1方向D1に延びる幅を有している。すなわち、第1方向D1は、各端子30の幅方向と一致している。また、各端子30の長さ方向は、各端子30の幅方向と直交する方向であって、電線接続部31と中間部33と端子接続部32とが並ぶ方向に延びている。
【0042】
図2に示すように、各電線接続部31には、電線110の第1接続部120が電気的に接続されている。電線接続部31には、絶縁被覆112から露出された芯線111が接合されている。電線接続部31と芯線111との接合方法としては、圧着、超音波溶着やレーザ溶着などの溶着、その他の公知の接合方法を用いることができる。
【0043】
図1に示すように、各電線接続部31は、XY平面において、第1方向D1及び第2方向D2の双方向と交差する方向に屈曲する屈曲部34を有している。屈曲部34は、例えば、筒状部51の第1方向D1における中心と保持部52の第1方向D1における中心とのずれ量に応じて曲げ量が設定されている。
【0044】
図2に示すように、電線接続部31の長さ方向のうち中間部33に接続される第1端部31Aは、開口53の内部に突出している。ここで、各電線接続部31のうち芯線111と接合された部分から屈曲部34までは、例えば、ハウジング50により被覆されている。また、電線接続部31の第1端部31Aは、筒状部51の内周面から開口53の内部に向かって突出しており、筒状部51及び保持部52から露出している。
【0045】
図2に示すように、中間部33は、例えば、板状をなしている。中間部33は、電線接続部31の第1端部31Aから屈曲して第3方向D3に沿ってケース200の開口201に向かって延びている。本実施形態の第3方向D3は、Z軸に沿う方向であって、第1方向D1(
図1参照)及び第2方向D2の双方と直交する方向である。本実施形態の第3方向D3は、開口53の貫通方向と一致している。中間部33は、例えば、開口53から突出している。中間部33の長さ方向の一部は、例えば、開口53から第3方向D3に突出している。例えば、中間部33の長さ方向のうち端子接続部32と接続される端部は、開口53の外部に位置するとともにケース200の開口201の内部に位置している。
【0046】
端子接続部32は、端子30の長さ方向において電線接続部31の反対側の端部に設けられている。端子接続部32は、例えば、板状をなしている。端子接続部32は、中間部33から屈曲して第2方向D2において電線接続部31とは反対側に延びている。端子接続部32は、例えば、第2方向D2に延びている。端子接続部32は、例えば、開口53の外部に位置するとともにケース200の開口201の内部に位置している。
【0047】
端子接続部32は、端子接続部32を第3方向D3に貫通する挿入孔35を有している。挿入孔35は、例えば、円形状をなしている。挿入孔35の中心軸線が延びる軸線方向は、開口53の貫通方向と一致している。第3方向D3から見た平面視において、挿入孔35の全体は、開口53に重なっている。
【0048】
各端子30は、例えば、クランク形状に形成されている。各端子30は、例えば、XZ平面で切断した断面形状がクランク形状に形成されている。各端子30は、例えば、第2方向D2に延びる電線接続部31と、その電線接続部31から屈曲して第3方向D3に延びる中間部33と、その中間部33から屈曲して第2方向D2に延びる端子接続部32とによって、クランク形状に形成されている。
【0049】
複数の端子30は、ケース200の開口201の内部に設けられた金属製の複数の相手端子202にそれぞれ電気的に接続されている。図示は省略するが、複数の相手端子202は、複数の端子30と同様に、第1方向D1(
図1参照)に沿って並んでいる。相手端子202は、相手端子202を第3方向D3に貫通する貫通孔203を有している。貫通孔203は、例えば、円形状をなしている。相手端子202には、例えば、貫通孔203に連通するナット204が取り付けられている。端子30の挿入孔35と、相手端子202の貫通孔203とに挿入されたボルト205がナット204にねじ込まれることによって、端子30と相手端子202とが締結されている。
【0050】
図3に示すように、3以上の端子30は、端子30Aと、端子30Bと、端子30Cと、端子30Dと、端子30Eと、端子30Fとの合計6つの端子を有している。6つの端子30A~30Fは、互いに異なる形状を有している。6つの端子30A~30Fは、例えば、中間部33が互いに異なる形状に形成されている。具体的には、端子30Aの中間部33Aと、端子30Bの中間部33Bと、端子30Cの中間部33Cと、端子30Dの中間部33Dと、端子30Eの中間部33Eと、端子30Fの中間部33Fとは互いに異なる形状に形成されている。6つの中間部33A~33Fは、電線接続部31の第1端部31Aから、第1方向D1及び第3方向D3の双方と交差する方向に屈曲しつつ端子接続部32の端部に向かって延びている。6つの中間部33A~33Fでは、第1方向D1及び第3方向D3の双方と交差する方向における曲げ量が互いに異なっている。
【0051】
図1に示すように、6つの端子30A~30Fは、例えば、中間部33以外の構造、つまり電線接続部31及び端子接続部32の構造が互いに同一の形状及び同一の大きさに形成されている。例えば、6つの端子30A~30Fでは、電線接続部31の屈曲部34の曲げ量が同一の曲げ量に設定されている。換言すると、6つの端子30A~30Fは、例えば、中間部33の構造のみが互いに異なっている。また、6つの端子30A~30Fにおける電線接続部31は、第2方向D2における位置が全て同一の位置に設けられている。6つの端子30A~30Fにおける端子接続部32は、第2方向D2における位置が全て同一の位置に設けられている。
【0052】
(識別部40の構成)
図3に示すように、6つの端子30A~30Fは、互いを識別するための識別部40を有している。識別部40は、例えば、目視可能な位置に設けられている。識別部40は、例えば、端子30A~30Fがハウジング50により保持された状態において、ハウジング50の外部から目視可能な位置に設けられている。識別部40は、例えば、端子30A~30Fのうちハウジング50により被覆されていない部分に設けられている。識別部40は、例えば、中間部33A~33Fに設けられている。例えば、識別部40は、各端子30A~30Fのうち開口53の貫通方向と一致する第3方向D3に沿って延びる中間部33A~33Fの面に設けられている。
図2に示すように、識別部40は、例えば、中間部33の面のうち第2方向D2に向く面に設けられている。識別部40は、例えば、中間部33の面のうち第2方向D2に向く面であって、第2方向D2のうち端子接続部32側を向く面に設けられている。
図3に示すように、識別部40は、例えば、中間部33A~33Fのうち開口53の外部に突出した部分に設けられている。識別部40は、例えば、中間部33A~33Fの表面に形成された印字により構成されている。本実施形態の識別部40は、中間部33A~33Fの表面にそれぞれ印字された「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」という記号である。なお、識別部40として印字される記号は特に限定されない。識別部40として印字する記号としては、例えば、順序性を有する記号であると好ましい。例えば、識別部40として、中間部33A~33Fの表面にそれぞれ「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」という記号を印字するようにしてもよい。
【0053】
(カバーユニット70の構成)
図4に示すように、コネクタ20は、例えば、ハウジング50に取り付けられるカバーユニット70を有している。カバーユニット70は、カバー71と、インターロックコネクタ72と、電磁シールドカバー73とを有している。
【0054】
カバー71は、第3方向D3における開口53の一端側を塞いでいる。カバー71は、例えば、開口53におけるケース200(
図2参照)に向く側とは反対側を塞いでいる。カバー71は、例えば、開口53の内側に嵌合する嵌合部74を有している。嵌合部74は、開口53を塞いでいる。嵌合部74の外周面には、シール部材75が取り付けられている。シール部材75は、嵌合部74の外周面と開口53の内周面との間をシールする。カバー71は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。カバー71は、例えば、電磁シールドカバー73にねじ等によって固定されている。
【0055】
インターロックコネクタ72は、コネクタ20が接続対象であるインバータのケース200(
図2参照)に対して正規の位置にて接続されているか否かを電気的に検知するものである。コネクタ20がケース200に対して正規の位置にて接続されると、インターロックコネクタ72は、ケース200の内部に設けられた図示しない待ち受けコネクタに嵌合される。インターロックコネクタ72と待ち受けコネクタとによって、インターロック回路が構成されている。インターロックコネクタ72が待ち受けコネクタに嵌合されると、コネクタ20とインバータとが通電可能な状態となる。
【0056】
インターロックコネクタ72は、嵌合部74から開口53に向かって突出している。インターロックコネクタ72は、嵌合部74から端子30A~30Fに向かって第3方向D3に延びている。インターロックコネクタ72は、例えば、第1方向D1において、端子30Aと端子30Bとの間に配置されている。インターロックコネクタ72は、ハウジング50にカバーユニット70が取り付けられた際に、第1方向D1において6つの端子30A~30Fと並列して設けられている。
【0057】
電磁シールドカバー73は、例えば、金属などの導体により構成されている。電磁シールドカバー73は、ハウジング50におけるケース200(
図2参照)に向く側とは反対側を覆っている。電磁シールドカバー73は、例えば、プレート60にボルト締結などによって固定されている。
【0058】
(コネクタ80の構成)
図1に示すように、コネクタ80は、図示しないモータのケースに取り付けられている。コネクタ80は、3以上の端子90を保持するハウジング100を有している。コネクタ80は、例えば、6つの端子90を有している。6つの端子90は、第1方向D1に沿って並んで設けられている。6つの端子90の各々は、例えば、互いに同一の形状を有している。
【0059】
(ハウジング100の構成)
ハウジング100は、筒状をなす筒状部101と、複数の端子90を保持する保持部102とを有している。ハウジング100は、例えば、筒状部101と保持部102とが一体に形成された単一部品である。ハウジング100は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
【0060】
筒状部101は、筒状部101を貫通する開口103を有している。開口103の貫通方向は、例えば、Z軸に沿う方向である。開口103は、例えば、長円状をなしている。
保持部102は、筒状部101から筒状部101の外周側に突出している。保持部102は、例えば、筒状部101から電線110に向かって図中上方に突出している。保持部102は、端子90の一部と、第2接続部130を含む電線110の一部とを保持している。複数の電線110に接続された複数の端子90と、ハウジング100とはインサート成形によって一体化されている。各端子90の一部及び各第2接続部130は、例えば、保持部102に埋設されている。
【0061】
(端子90の構成)
各端子90は、保持部102から開口103の内部に向けて突出している。各端子90は、第1方向D1と交差する第2方向D2に延びている。
【0062】
各端子90は、電線接続部91と端子接続部92とを有している。各端子90は、電線接続部91と端子接続部92とが一体に形成された単一部品である。各端子90は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料により形成されている。なお、各端子90は、第1方向D1に延びる幅を有している。すなわち、第1方向D1は、各端子90の幅方向と一致している。また、各端子90の長さ方向は、各端子90の幅方向と直交する方向であって、電線接続部91と端子接続部92とが並ぶ方向に延びている。
【0063】
電線接続部91には、電線110の第2接続部130が電気的に接続されている。電線接続部91には、例えば、電線110の芯線111(
図2参照)が接合されている。
端子接続部92は、例えば、板状をなしている。端子接続部92は、例えば、筒状部101の内周面から開口103の内部に向かって突出しており、ハウジング100から露出している。
【0064】
端子接続部92は、端子接続部92をZ軸に沿う方向に貫通する挿入孔93を有している。挿入孔93は、例えば、円形状をなしている。挿入孔93の中心軸線が延びる軸線方向は、開口103の貫通方向と一致している。Z軸に沿う方向から見た平面視において、挿入孔93の全体は開口103に重なっている。
【0065】
複数の端子90は、図示しないモータのケースの内部に設けられた金属製の複数の相手端子に電気的に接続されている。端子90の端子接続部92と相手端子とは、例えば、図示しないボルトによって締結されている。
【0066】
(ワイヤハーネス10の具体的構造)
次に、
図5を参照してワイヤハーネス10の構成についてより具体的に説明する。
図5は、3以上の端子30と、3以上の端子90と、3以上の電線110との位置関係を示す模式図である。
【0067】
6つの端子30A~30Fは、第1方向D1に沿って並列に設けられている。5つの端子30B~30F(第1端子)における端子接続部32(第1端子接続部)は、第1方向D1に沿って間隔P1にて並んでいる。ここで、間隔P1は、第1方向D1に隣接する端子30B~30Fの端子接続部32同士の間の間隔である。間隔P1は、例えば、第1方向D1に隣接する端子30B~30Fにおいて、端子接続部32の幅方向の中心同士の間における第1方向D1に沿う距離である。このとき、端子接続部32の幅方向の中心は、例えば、挿入孔35の中心軸線における第1方向D1の位置と一致している。本実施形態では、5つの端子30B~30Fにおける端子接続部32は、第1方向D1に沿って一定の間隔P1にて並んでいる。すなわち、5つの端子30B~30Fにおいて、2以上(ここでは、4つ)の間隔P1が全て同一の距離に設定されている。具体的には、端子30B,30Cの端子接続部32同士の間の間隔P1と、端子30C,30Dの端子接続部32同士の間の間隔P1と、端子30D,30Eの端子接続部32同士の間の間隔P1と、端子30E,30Fの端子接続部32同士の間の間隔P1とが全て同一の距離である。
【0068】
第1方向D1に隣接する端子30Aの端子接続部32と端子30Bの端子接続部32との間には、インターロックコネクタ72が設けられている。端子30Aの端子接続部32は、例えば、インターロックコネクタ72と干渉しないように、インターロックコネクタ72を避けて設けられている。このため、端子30A(第2端子)の端子接続部32(第2端子接続部)は、第1方向D1に隣接する端子30Bの端子接続部32(第1端子接続部)と間隔P1よりも大きい間隔P2を空けて設けられている。ここで、間隔P2は、第1方向D1に隣接する端子30A,30Bの端子接続部32同士の間の間隔である。間隔P2は、例えば、第1方向D1に隣接する端子30A,30Bにおいて、端子接続部32の幅方向の中心同士の間における第1方向D1に沿う距離である。間隔P2は、インターロックコネクタ72を避けた分だけ間隔P1よりも大きい。
【0069】
5つの端子30B~30Fにおける電線接続部31(第1電線接続部)は、第1方向D1に沿って間隔P3にて並んでいる。ここで、間隔P3は、第1方向D1に隣接する端子30B~30Fの電線接続部31同士の間の間隔である。間隔P3は、例えば、第1方向D1に隣接する端子30B~30Fにおいて、電線接続部31の幅方向の中心同士の間における第1方向D1に沿う距離である。本実施形態では、5つの端子30B~30Fにおける電線接続部31は、第1方向D1に沿って一定の間隔P3にて並んでいる。すなわち、5つの端子30B~30Fにおいて、2以上(ここでは、4つ)の間隔P3が全て同一の距離に設定されている。具体的には、端子30B,30Cの電線接続部31同士の間の間隔P3と、端子30C,30Dの電線接続部31同士の間の間隔P3と、端子30D,30Eの電線接続部31同士の間の間隔P3と、端子30E,30Fの電線接続部31同士の間の間隔P3とが全て同一の距離である。
【0070】
端子30Aの電線接続部31(第2電線接続部)は、第1方向D1において隣接する端子30Bの電線接続部31(第1電線接続部)と間隔P4を空けて設けられている。ここで、間隔P4は、第1方向D1に隣接する端子30A,30Bの電線接続部31同士の間の間隔である。間隔P4は、例えば、端子30Aの電線接続部31の幅方向の中心と端子30Bの電線接続部31の幅方向の中心との間における第1方向D1に沿う距離である。本実施形態では、間隔P4は、間隔P3と同一の距離である。すなわち、第1方向D1に隣接する端子30Aの電線接続部31と端子30Bの電線接続部31との間の間隔P4は、間隔P3と同一の間隔である。このため、6つの端子30A~30Fにおける電線接続部31は、第1方向D1に沿って一定の間隔P3にて並んでいる。
【0071】
本実施形態では、6つの端子30A~30Fにおける電線接続部31が互いに同一の形状及び同一の大きさに形成されている。また、6つの端子30A~30Fの電線接続部31は、第2方向D2における位置が揃っている。このため、間隔P3,P4は、電線接続部31の長さ方向のいずれにおいても同一の距離になる。すなわち、6つの電線接続部31のうち中間部33と接続される第1端部31Aにおける間隔P3,P4と、6つの電線接続部31のうち電線110と接続される部分における間隔P3,P4とは互いに同一の距離になる。
【0072】
間隔P3,P4は、間隔P1と異なっている。本実施形態では、間隔P3,P4は、間隔P1よりも小さい。間隔P3,P4は、間隔P2と異なっている。本実施形態では、間隔P3,P4は、間隔P2よりも小さい。5つの端子30B~30Fの各々では、間隔P1と間隔P3との差に起因して、第1方向D1において、電線接続部31の幅方向の中心と、端子接続部32の幅方向の中心との間にずれが生じる。具体的には、5つの端子30B~30Fの各々では、間隔P1と間隔P3との差に応じて、電線接続部31の第1端部31Aにおける幅方向の中心と、端子接続部32における幅方向の中心とがずれ量a1の分だけ第1方向D1に位置がずれている。
【0073】
本実施形態では、5つの端子30B~30Fにおける電線接続部31と端子接続部32との第1方向D1におけるずれ量a1が、間隔P1と間隔P3との差に応じて等差数列的に変化している。詳述すると、端子30Fでは、電線接続部31の第1端部31Aにおける幅方向の中心と、端子接続部32の幅方向の中心とが一致している。すなわち、端子30Fでは、電線接続部31の第1端部31Aと端子接続部32との第1方向D1におけるずれ量a1が0である。端子30Fに隣接する端子30Eでは、電線接続部31の第1端部31Aにおける幅方向の中心と、端子接続部32の幅方向の中心とが、間隔P1と間隔P3との差の距離だけ第1方向D1に位置がずれている。すなわち、端子30Eにおけるずれ量a1は、間隔P1と間隔P3との差の距離、つまり(P1-P3)になる。端子30Eに隣接する端子30Dでは、電線接続部31の第1端部31Aにおける幅方向の中心と、端子接続部32の幅方向の中心とが、間隔P1と間隔P3との差の2倍の距離だけ第1方向D1に位置がずれる。すなわち、端子30Dにおけるずれ量a1は、間隔P1と間隔P3との差の2倍の距離、つまり(P1-P3)×2になる。同様に、端子30Dに隣接する端子30Cにおけるずれ量a1は、間隔P1と間隔P3との差の3倍の距離、つまり(P1-P3)×3になる。端子30Cに隣接する端子30Bにおけるずれ量a1は、間隔P1と間隔P3との差の4倍の距離、つまり(P1-P3)×4になる。このように、端子30Fを基準にして、端子30E、端子30D、端子30C、端子30Bと進むに連れて、ずれ量a1が、間隔P1と間隔P3との差(P1-P3)の分ずつ増加している。すなわち、5つの端子30B~30Fでは、第1方向D1に隣接する端子30B~30F同士におけるずれ量a1の変化量が、間隔P1と間隔P3との差(P1-P3)になる。ここで、第1方向D1に隣接する端子30B~30F同士におけるずれ量a1の変化量は、例えば、各端子30B~30Fの幅よりも小さい。例えば、第1方向D1に隣接する端子30B~30F同士におけるずれ量a1の変化量は、各端子30B~30Fの幅の1/2の大きさよりも小さい。
【0074】
端子30Aは、上述したように、隣接する端子30Bと間隔P1よりも大きい間隔P2を空けて設けられている。但し、第1方向D1に隣接する端子30Aの電線接続部31と端子30Bの電線接続部31との間の間隔P4は、間隔P3と同一の間隔である。このため、端子30Aでは、間隔P2と間隔P4との差に応じて、電線接続部31の第1端部31Aにおける幅方向の中心と、端子接続部32の幅方向の中心とがずれ量a2の分だけ第1方向D1に位置がずれる。例えば、端子30Aにおけるずれ量a2は、端子30Bにおけるずれ量a1、つまり間隔P1と間隔P3との差の4倍の距離(P1-P3)×4と、間隔P2と間隔P4との差(P2-P4)とを合算した距離になる。
【0075】
6つの中間部33A~33Fは、間隔P1と間隔P3との差に応じて、互いに異なる形状に形成されている。5つの中間部33B~33F(第1中間部)は、対応する端子30B~30Fにおけるずれ量a1に応じて、互いに異なる形状に形成されている。中間部33A(第2中間部)は、対応する端子30Aにおけるずれ量a2に応じて、中間部33B~33Fと異なる形状に形成されている。5つの中間部33B~33Fは、例えば、対応する端子30B~30Fにおけるずれ量a1を吸収するように、第1方向D1と交差する方向に延びる形状に形成されている。中間部33B~33Fは、例えば、対応する端子30B~30Fにおけるずれ量a1の分だけ第1方向D1に延びるように屈曲した形状に形成されている。このように、中間部33B~33Fにおける曲げ量は、対応する端子30B~30Fにおけるずれ量a1、つまり間隔P1と間隔P3との差に応じて設定されている。すなわち、中間部33B~33Fが延びる方向と第1方向D1とがなす角度は、対応する端子30B~30Fにおけるずれ量a1に応じて設定されている。このため、中間部33B~33Fでは、対応する端子30B~30Fにおけるずれ量a1が大きいほど、曲げ量が大きくなる。すなわち、中間部33B~33Fでは、中間部33F→中間部33E→中間部33D→中間部33C→中間部33Bのこの順番で曲げ量が徐々に大きくなる。ここで、第1方向D1に隣接する端子30B~30F同士のずれ量a1の変化量が小さい場合には、第1方向D1に隣接する中間部33B~33F同士の曲げ量の差が小さくなる。このため、ずれ量a1の変化量が小さい場合には、第1方向D1に隣接する中間部33B~33F同士における形状の変化度合が小さくなる。このように5つの中間部33B~33Fにおける形状の差が小さくなると、それら5つの中間部33B~33Fを形状の違いのみにより識別することは困難になる。そこで、本実施形態では、端子30B~30Fを互いに識別するための識別部40が端子30B~30Fの各々に設けられている。
【0076】
中間部33Aは、例えば、端子30Aにおけるずれ量a2を吸収するように、第1方向D1と交差する方向に延びる形状に形成されている。中間部33Aは、例えば、ずれ量a2の分だけ第1方向D1に延びるように屈曲した形状に形成されている。中間部33Aにおける曲げ量は、中間部33A~33Fの中で最も大きい。
【0077】
6本の電線110は、例えば、第1方向D1に沿って間隔P3にて並んで設けられている。ここで、電線110における間隔P3は、第1方向D1に隣接する電線110同士の間の間隔である。電線110における間隔P3は、例えば、第1方向D1に隣接する電線110の中心軸線同士の間における第1方向D1に沿う距離である。本実施形態では、6つの電線110は、第1方向D1に沿って一定の間隔P3にて並んで設けられている。
【0078】
6つの端子90は、例えば、第1方向D1に沿って間隔P3にて並んで設けられている。ここで、端子90における間隔P3は、第1方向D1に隣接する端子90同士の間の間隔である。端子90における間隔P3は、例えば、第1方向D1に隣接する端子90において、端子90の幅方向の中心同士の間における第1方向D1に沿う距離である。本実施形態では、6つの端子90は、第1方向D1に沿って一定の間隔P3にて並んで設けられている。このように、6本の電線110及び6つの端子90は、第1方向D1において、6つの端子30A~30Fの電線接続部31と同じ間隔P3にて並んでいる。また、6つの端子30A~30Fの電線接続部31は、第2方向D2における位置が揃っている。6つの端子90は、第2方向D2における位置が揃っている。このため、6本の電線110の各々の長さを同一に設定することができる。
【0079】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)3以上の端子30B~30Fの各々が電線接続部31と端子接続部32と中間部33とを有する。3以上の端子30B~30Fにおける端子接続部32は、第1方向D1に沿って間隔P1にて並んでいる。3以上の端子30B~30Fにおける電線接続部31は、第1方向D1に沿って間隔P1と異なる間隔P3にて並んでいる。また、3以上の中間部33B~33Fは、間隔P1と間隔P3との差に応じて、互いに異なる形状に形成されている。このため、3以上の端子30B~30Fは互いに異なる形状を有している。この場合において、コネクタ20の組立時等に、中間部33B~33Fの形状の違いのみに基づいて3以上の端子30B~30Fを識別すると、識別に多大な時間を要する。これにより、コネクタ20の組立作業性が低下する。これに対し、本実施形態のコネクタ20では、3以上の端子30B~30Fに、互いを識別するための識別部40を設けるようにした。これにより、3以上の端子30B~30Fが互いに異なる形状を有している場合であっても、識別部40に基づいて3以上の端子30B~30Fを容易に識別できる。このため、3以上の端子30B~30Fの識別に要する時間を短縮でき、コネクタ20の組立作業性を向上できる。
【0080】
(2)3以上の端子30B~30Fにおける端子接続部32を一定の間隔P1にて並んで設けるようにし、3以上の端子30B~30Fにおける電線接続部31を一定の間隔P3にて並んで設けるようにした。また、電線接続部31と端子接続部32との第1方向D1におけるずれ量a1に応じて、3以上の中間部33B~33Fを互いに異なる形状に形成するようにした。このため、中間部33B~33Fの各々の形状により、間隔P1と間隔P3との差を吸収できる。例えば、端子30B~30Fに接続される電線110の長さを互いに異なる長さに設定することなく、端子30B~30Fの構造のみによって間隔P1と間隔P3との差を吸収できる。
【0081】
(3)間隔P1と間隔P3との差が各端子30B~30Fの幅よりも小さい。このため、電線接続部31と端子接続部32との第1方向D1におけるずれ量a1の変化量、具体的には第1方向D1に隣接する端子30B~30Fにおける上記ずれ量a1の変化量が、各端子30B~30Fの幅よりも小さくなる。これにより、第1方向D1に隣接する中間部33B~33Fにおける形状の変化度合が小さくなる。この結果、3以上の端子30B~30Fを中間部33B~33Fの形状の違いのみで識別することがより困難になる。このため、間隔P1と間隔P3との差が小さくなるほど、端子30B~30Fの各々に対して識別部40を設けたことによる効果、つまり上述した(1)の効果が顕著に現れる。
【0082】
(4)端子30B~30Fのうちハウジング50により被覆されていない部分に識別部40を設けるようにした。このため、例えば端子30B~30Fがハウジング50により保持された状態においても、識別部40を確認することができる。したがって、端子30B~30Fがハウジング50により保持された状態においても、識別部40に基づいて3以上の端子30B~30Fを容易に識別することができる。
【0083】
(5)中間部33B~33Fのうち開口53の貫通方向に沿って延びる面に識別部40を設けるようにした。このため、例えば端子30B~30Fがハウジング50により保持された状態においても、開口53を通じて識別部40を視認しやすい。したがって、識別部40に基づいて3以上の端子30B~30Fを容易に識別することができる。
【0084】
(6)端子30B~30Fの表面に形成される印字により識別部40を構成するようにした。このため、例えばコネクタ20を組み立てる作業者の指等が識別部40に干渉することを抑制できる。これにより、コネクタ20の組立作業性を向上できる。また、識別部40を設けたことに起因して、端子30B~30Fの体格が増大することを好適に抑制できる。
【0085】
(7)第1方向D1において端子30Aと端子30Bとの間にインターロックコネクタ72を設けるようにした。このとき、第1方向D1に隣接する端子30Aの端子接続部32と端子30Bの端子接続部32との間の間隔P2を、間隔P1よりも大きい間隔とした。これにより、端子30Aの端子接続部32がインターロックコネクタ72と干渉することを好適に抑制しつつ、端子30Aの端子接続部32と端子30Bの端子接続部32との間にインターロックコネクタ72を好適に配置することができる。
【0086】
(8)端子30B~30Fと同様に、端子30Aにも識別部40を設けるようにした。このため、識別部40に基づいて端子30A~30Fを容易に識別することができる。
(9)間隔P1にて並んで設けられる端子30B~30Fの数を5つとした。この構成によれば、互いに形状の異なる端子30B~30Fの数が5つとなるため、ワイヤハーネス10における部品の種類が増大する。この場合には、5つの端子30B~30Fを識別することが煩雑になる。このため、端子30の数が多くなるほど、端子30の各々に対して識別部40を設けたことによる効果、つまり上述した(1)の効果が顕著に現れる。
【0087】
(10)電線110の各々の長さが同一である。このため、電線110の各々の長さが異なる場合に比べて、ワイヤハーネス10における部品の種類が増加することを抑制できる。
【0088】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0089】
・上記実施形態における識別部40の形成位置は特に限定されない。例えば上記実施形態では、識別部40を、各端子30のうちハウジング50により被覆されていない部分に設けるようにしたが、識別部40の形成位置はこれに限定されない。例えば、各端子30のうちハウジング50により被覆される部分、例えば電線接続部31に識別部40を設けるようにしてもよい。この場合であっても、例えば端子30がハウジング50により保持される前の状態において、識別部40に基づいて端子30を識別することができるため、コネクタ20を組み立てる際の組立作業性を向上できる。また、各端子30のうち端子接続部32に識別部40を設けるようにしてもよい。
【0090】
・上記実施形態では、識別部40を各端子30の表面に形成される印字により構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、識別部40は、3以上の端子30を互いに識別可能な構造を有していれば、その他の構造は特に限定されない。
【0091】
例えば
図6に示すように、識別部40を、各端子30に設けられる突起41により構成してもよい。例えば、突起41は、各端子30の端子接続部32に設けられる。突起41は、例えば、6つの端子30A~30Fの端子接続部32において、それら端子接続部32の外側面の互いに異なる位置から外方に突出するように設けられている。例えば、各端子接続部32は、円形状に形成されている。突起41は、6つの端子30A~30Fの端子接続部32において、それら端子接続部32の周方向において互いに異なる位置から外方に突出している。このような突起41を各端子30に設けることにより、突起41の形成位置に基づいて6つの端子30A~30Fを容易に識別することができる。
【0092】
・上記実施形態では、端子30A~30Fの全てに識別部40を設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、端子30Aの識別部40を省略してもよい。
・上記実施形態では、6つの端子30A~30Fにおける電線接続部31を互いに同一の形状及び同一の大きさに形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、6つの端子30A~30Fにおける電線接続部31を互いに異なる形状に形成してもよい。
【0093】
・上記実施形態では、6つの端子30A~30Fにおける電線接続部31を、第2方向D2の位置が全て同一の位置になるように設けたが、これに限定されない。例えば、6つの端子30A~30Fの電線接続部31を、第2方向D2の位置が互いに異なる位置になるように設けてもよい。
【0094】
・上記実施形態では、6つの端子30A~30Fにおける端子接続部32を互いに同一の形状及び同一の大きさに形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、6つの端子30A~30Fにおける端子接続部32を互いに異なる形状に形成してもよい。
【0095】
・上記実施形態では、6つの端子30A~30Fにおける端子接続部32を、第2方向D2の位置が全て同一の位置になるように設けたが、これに限定されない。例えば、6つの端子30A~30Fの端子接続部32を、第2方向D2の位置が互いに異なる位置になるように設けてもよい。
【0096】
・上記実施形態では、3以上の電線110の各々の長さを一定としたが、3以上の電線110の各々の長さを異なる長さに設定してもよい。
・上記実施形態では、3以上の端子30B~30Fの端子接続部32において、2以上の間隔P1を全て同一の距離としたが、2以上の間隔P1を互いに異なる距離に設定してもよい。
【0097】
・上記実施形態では、3以上の端子30B~30Fの電線接続部31において、2以上の間隔P3を全て同一の距離としたが、2以上の間隔P3を互いに異なる距離に設定してもよい。
【0098】
・上記実施形態では、間隔P1を間隔P3よりも大きくしたが、間隔P1を間隔P3よりも小さくしてもよい。
・上記実施形態におけるインターロックコネクタ72の設置位置は特に限定されない。例えば、第1方向D1において、端子30Bと端子30Cとの間にインターロックコネクタ72を設けてもよい。この場合には、例えば、端子30Bの端子接続部32と端子30Cの端子接続部32との間の間隔が間隔P2になる。また、第1方向D1において、端子30Aよりも外側にインターロックコネクタ72を設けてもよい。例えば、第1方向D1において、端子30Bと端子30Aとインターロックコネクタ72とがこの順番で並ぶように、インターロックコネクタ72を設けてもよい。この場合には、端子30Aの端子接続部32と端子30Bの端子接続部32との間の間隔を間隔P1としてもよい。
【0099】
・上記実施形態におけるインターロックコネクタ72を省略してもよい。
・上記実施形態における電線接続部31の形状は特に限定されない。例えば、電線接続部31における屈曲部34を省略してもよい。
【0100】
・上記実施形態における端子接続部32の形状は特に限定されない。例えば、端子接続部32における挿入孔35を省略してもよい。この場合には、例えば、端子30の端子接続部32として、ピン形状をなす雄端子を採用するとともに、相手端子202として雌端子を採用することができる。この変更例は、端子90についても同様にして適用できる。
【0101】
・上記実施形態のコネクタ20において、端子30の端子接続部32を、ハウジング50の開口53の内部に位置するようにしてもよい。この場合には、コネクタ20がケース200に取り付けられた状態において、相手端子202が開口53の内部に位置する。
【0102】
・上記実施形態において、電線110の第1接続部120及び第2接続部130が、ハウジング50及びハウジング100にそれぞれ埋設されていなくてもよい。この場合には、例えば、電線110が挿入可能に構成された保持部52,102に対して、保持部52,102と電線110との間をシールするシール部材を設けることができる。
【0103】
・上記実施形態のコネクタ20における端子30の数は適宜変更することができる。
・上記実施形態のコネクタ80における端子90の数は適宜変更することができる。
・上記実施形態のコネクタ20は、端子30とは異なる端子を別途有するものであってもよい。同様に、コネクタ80は、端子90とは異なる端子を別途有するものであってもよい。
【0104】
・上記実施形態では、インバータに電気的に接続されるコネクタにコネクタ20を適用し、モータに電気的に接続されるコネクタにコネクタ80を適用した。これに限らず、インバータに電気的に接続されるコネクタにコネクタ80を適用し、モータに電気的に接続されるコネクタにコネクタ20を適用してもよい。
【0105】
・上記実施形態では、インバータとモータとを電気的に接続するワイヤハーネスにワイヤハーネス10を適用したが、これに限定されない。例えば、インバータ及びモータ以外の車両に搭載される2以上の電気機器同士を電気的に接続するワイヤハーネスにワイヤハーネス10を適用してもよい。
【0106】
・上記実施形態における電線110を、低電圧が印加される低圧電線としてもよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0107】
10 ワイヤハーネス
20 コネクタ(第1コネクタ)
30 端子
30A 端子(第2端子)
30B~30F 端子(第1端子)
31 電線接続部
31A 第1端部
32 端子接続部
33 中間部
33A 中間部(第2中間部)
33B~33F 中間部(第1中間部)
34 屈曲部
35 挿入孔
40 識別部
41 突起
50 ハウジング
51 筒状部
52 保持部
53 開口
54 溝
55 シール部材
56 ガイド部
60 プレート
61 取付孔
70 カバーユニット
71 カバー
72 インターロックコネクタ
73 電磁シールドカバー
74 嵌合部
75 シール部材
80 コネクタ(第2コネクタ)
90 端子(第3端子)
91 電線接続部(第3電線接続部)
92 端子接続部
93 挿入孔
100 ハウジング
101 筒状部
102 保持部
103 開口
110 電線
111 芯線
112 絶縁被覆
120 第1接続部
130 第2接続部
200 ケース
201 開口
202 相手端子
203 貫通孔
204 ナット
205 ボルト
a1 ずれ量
a2 ずれ量
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
P1 間隔(第1間隔)
P2 間隔
P3 間隔(第2間隔)
P4 間隔