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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】X線撮像装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/46 20240101AFI20241001BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20241001BHJP
   A61B 6/08 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A61B6/46 506B
A61B6/00 510
A61B6/08 509A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021124703
(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023019747
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】木下 博之
(72)【発明者】
【氏名】日比 柾宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 真人
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-190009(JP,A)
【文献】特開2018-126251(JP,A)
【文献】特開2020-081746(JP,A)
【文献】特開2009-226188(JP,A)
【文献】特開2003-310591(JP,A)
【文献】特開2015-077251(JP,A)
【文献】特開2020-171381(JP,A)
【文献】特開2019-080909(JP,A)
【文献】特開2015-083082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者にX線を照射するX線照射部と、
前記X線照射部から照射されたX線を検出するX線検出部と、
前記X線照射部と前記X線検出部との位置合わせを行う作業者の頭部に装着され、画像を視認しながら外界を視認可能な外界透過型表示部と、
前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置を取得するとともに、取得した前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置に基づいて、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御する制御部と、を備える、X線撮像装置。
【請求項2】
前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置を取得するための特徴部を撮像する撮像部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮像部による前記特徴部の撮像結果に基づいて、前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置を取得するとともに、取得した前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置に基づいて、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、請求項1に記載のX線撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置に基づいて、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とを生成するとともに、生成した前記X線照射部の位置を表す画像と前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、請求項2に記載のX線撮像装置。
【請求項4】
前記特徴部は、前記X線照射部および前記X線検出部に設けられ、かつ、前記撮像部は、前記外界透過型表示部の近傍に設けられているか、または、前記特徴部は、前記X線検出部に設けられ、かつ、前記撮像部は、前記X線照射部の近傍および前記外界透過型表示部の近傍に設けられている、請求項2または3に記載のX線撮像装置。
【請求項5】
前記特徴部は、面状マーカーまたは点状マーカーである、請求項2~4のいずれか1項に記載のX線撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とに加えて、前記X線照射部の位置の調整を案内する画像を、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内に表示するように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のX線撮像装置。
【請求項7】
前記X線照射部の位置の調整を案内する画像は、前記X線検出部に対する前記X線照射部の傾きの調整を案内する第1画像と、前記X線検出部に対する前記X線照射部の水平方向の位置の調整を案内する第2画像と、を含む、請求項6に記載のX線撮像装置。
【請求項8】
前記X線照射部の位置の調整を案内する画像は、調整値を表す数値情報、および、調整方向を表す図形情報の少なくとも1つを含む、請求項6または7に記載のX線撮像装置。
【請求項9】
前記X線検出部を収納する収納部をさらに備え、
前記X線検出部は、回診時に、前記収納部から取り出されて、前記被検者に対して配置されるように構成されており、
前記制御部は、回診時に、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のX線撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線撮像装置に関し、特に、X線照射部とX線検出部との位置合わせを行うX線撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線照射部とX線検出部との位置合わせを行うX線撮像装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1に開示されている放射線写真撮影装置(X線撮像装置)は、コリメータを含む放射線源(X線照射部)と、受像器(X線検出部)と、表示スクリーンと、を備える。この表示スクリーンには、放射線源と受像器との位置合わせのための画像(センタリングのための画像など)が表示される。また、この表示スクリーンは、放射線源のコリメータに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許9155509号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたX線撮像装置では、表示スクリーンが放射線源のコリメータに設けられているため、放射線源と受像器との位置合わせを行う作業者は、放射線源と受像器との位置合わせのための画像を確認するためには、視線を放射線源のコリメータに設けられた表示スクリーンに移動させる必要がある。この場合、作業者の視線をモニタに移動させながら放射線源と受像器との位置合わせを行う必要があるため、放射線源(X線照射部)と受像器(X線検出部)との位置合わせの作業の効率が低下するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、作業者の視線の移動を抑制することにより、X線照射部とX線検出部との位置合わせの作業の効率を向上させることが可能なX線撮像装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線撮像装置は、被検者にX線を照射するX線照射部と、X線照射部から照射されたX線を検出するX線検出部と、X線照射部とX線検出部との位置合わせを行う作業者の頭部に装着され、画像を視認しながら外界を視認可能な外界透過型表示部と、外界透過型表示部に対するX線照射部およびX線検出部の相対位置を取得するとともに、取得した外界透過型表示部に対するX線照射部およびX線検出部の相対位置に基づいて、X線照射部の位置を表す画像と、X線検出部の位置を表す画像とが、作業者が外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の被検者に重畳されるように、外界透過型表示部の表示を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記一の局面におけるX線撮像装置では、上記のように、X線照射部とX線検出部との位置合わせを行う作業者の頭部に装着され、画像を視認しながら外界を視認可能な外界透過型表示部と、X線照射部の位置を表す画像と、X線検出部の位置を表す画像とが、作業者が外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の被検者に重畳されるように、外界透過型表示部の表示を制御する制御部と、を設ける。これにより、X線照射部の位置を表す画像とX線検出部の位置を表す画像とを作業者が外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の被検者に重畳されるように表示することができるので、X線照射部の位置を表す画像とX線検出部の位置を表す画像とをX線照射部に設けられたモニタに表示する場合と異なり、作業者の視線をモニタに移動させる必要がない。その結果、作業者の視線をモニタに移動させながらX線照射部とX線検出部との位置合わせを行う場合に比べて、作業者の視線の移動を抑制することができる。これにより、作業者の視線の移動を抑制することにより、X線照射部とX線検出部との位置合わせの作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態によるX線撮像装置の全体構成を示したブロック図である。
図2】第1実施形態によるX線撮像装置の全体構成を示す側面図である。
図3】第1実施形態によるX線撮像装置における撮影時の様子を示す側面図である。
図4】第1実施形態による撮像部による特徴部の撮像について説明するための図である。
図5】第1実施形態による作業者の視野範囲内の景色について説明するための第1図である。
図6】第1実施形態による作業者の視野範囲内の景色について説明するための第2図である。
図7】第1実施形態によるX線照射部とX線検出部との位置合わせのための画像の表示処理について説明するためのフローチャートである。
図8】第2実施形態によるX線撮像装置の全体構成を示したブロック図である。
図9】第2実施形態による撮像部による特徴部の撮像について説明するための図である。
図10】第2実施形態によるX線照射部とX線検出部との位置合わせのための画像の表示処理について説明するためのフローチャートである。
図11】第1変形例による特徴部について説明するための図である。
図12】第2変形例による特徴部について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
(X線撮像装置の構成)
図1を参照して、一実施形態によるX線撮像装置100の構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態によるX線撮像装置100は、X線照射部1と、X線検出部2と、移動機構部3と、表示ユニット4と、制御部5と、通信部6と、記憶部7と、表示操作部8とを備える。
【0012】
X線照射部1は、被検者90(図3参照)にX線を照射するように構成されている。X線照射部1は、X線管駆動部によって電圧が印加されることにより、X線を照射するように構成されている。X線照射部1は、X線を発生させるX線管と、X線管により発生されたX線の照射範囲を調整するコリメータとを含む。
【0013】
X線検出部2は、X線照射部1から照射されたX線を検出するように構成されている。X線検出部2は、たとえば、FPD(フラットパネルディテクタ)を含む。また、X線検出部2は、ワイヤレスタイプのX線検出器である。X線検出部2は、X線撮影時以外には後述する収納部3b(図2参照)に収納されている。
【0014】
移動機構部3は、X線照射部1を支持した状態で移動可能に構成されている。移動機構部3の詳細な構成については、後述する。
【0015】
表示ユニット4は、X線撮像装置100の本体とは別個に独立して設けられ、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う作業者91(図3参照)の頭部に装着されるように構成されている。表示ユニット4は、作業者91の頭部に装着される無色透明のフェイスシールド92(図3参照)に設けられている。表示ユニット4は、外界透過型表示部4aと、制御部4bと、撮像部4cとを含む。外界透過型表示部4aは、画像を視認しながら外界(背景)を視認可能に構成されている。外界透過型表示部4aは、たとえば、網膜投影型および虚像投影型などのヘッドマウントディスプレイである。外界透過型表示部4aは、画像を形成する光を作業者91の目に向かって反射するとともに、外界(背景)からの光を作業者91の目に向かって透過するハーフミラーを有する。
【0016】
制御部4bは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されたコンピュータである。制御部4bは、外界透過型表示部4aの表示の制御、および、撮像部4cの撮像の制御などを行うように構成されている。制御部4bは、外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。
【0017】
撮像部4cは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するための特徴部9(図4参照)を撮像するように構成されている。撮像部4cは、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)センサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどを含んで構成される動画像を撮像可能なカメラである。撮像部4cは、外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。
【0018】
制御部5は、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されたコンピュータである。制御部5は、X線撮影した画像を表示操作部8に表示させることが可能なように構成されている。また、制御部5は、表示操作部8により入力された操作に基づいて、X線撮像装置100の各種構成の制御を行うように構成されている。
【0019】
通信部6は、外部ネットワークと通信可能に構成されており、被検者90の撮影オーダー情報を外部から取得したり、X線撮影した画像を外部に送信したりすることが可能に構成されている。なお、撮影オーダー情報は、たとえば、外部のサーバーなどにより事前に入力され、X線撮像装置100に外部から送信される。そして、X線撮像装置100を携えて病院内を巡回または待機している放射線技師により、撮影オーダー情報に基づいてX線撮影が行われる。
【0020】
記憶部7は、たとえば、不揮発メモリを含む。そして、記憶部7には、制御部5の処理に用いられるプログラムが記憶されている。また、記憶部7は、通信部6により取得した撮影オーダー情報およびX線撮影した画像などを記憶できるように構成されている。
【0021】
表示操作部8は、たとえば、タッチパネル式の液晶ディスプレイとして構成されている。そして、表示操作部8は、X線撮影された画像および撮影オーダー情報などが表示される表示部、および、各種の操作が入力される入力部として機能するように構成されている。
【0022】
(移動機構部の構成)
図2に示すように、本実施形態によるX線撮像装置100は、装置全体が移動可能であり、回診時に、病院の各病室にいる患者(被検者90、図3参照)の元へ移動してX線撮影可能に構成されている。X線撮像装置100のうち、X線照射部1と、X線検出部2と、表示操作部8とは、移動機構部3に設けられている。なお、上下方向をZ方向とする。Z方向のうち、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。
【0023】
移動機構部3は、X線撮像装置100の台車として構成されており、内部には、電源装置およびバッテリーなどが設けられている。また、移動機構部3には、複数の車輪3a、収納部3b、支柱3c、および、アーム部3dが設けられている。
【0024】
複数の車輪3aは、移動機構部3の下部に設けられている。これにより、X線撮像装置100を移動させることが可能である。
【0025】
また、収納部3bは、移動機構部3の後部に設けられている。収納部3bは、X線検出部2を取り出し可能に収納するように構成されている。X線検出部2は、回診時に、収納部3bから取り出されて、被検者90に対して配置される。
【0026】
支柱3cは、移動機構部3の前部に鉛直方向に延びるように取り付けられている。支柱3cでは、内部が中空になっており、アーム部3dを昇降可能にする部品が内部に収納されている。すなわち、X線照射部1は、アーム部3dの昇降に伴い、昇降可能に構成されている。また、支柱3cは、鉛直方向に延びる回転軸線回りに回転可能に構成されている。
【0027】
アーム部3dは、支柱3cから水平方向に延びるように取り付けられている。また、アーム部3dは、支柱3cに対して昇降可能であるとともに、X線照射部1の水平位置を変更できるように伸縮可能に構成されている。
【0028】
図3に示すように、被検者90を撮影する際には、図2のX線照射部1が支柱3cの後方(X2方向)にある状態から、X線照射部1を支柱3cの前方(X1方向)に配置させる。また、X線検出部2は、X線の照射時において、被検者90と被検者90が載置される天板10との間に配置される。すなわち、X線検出部2は、X線の照射時(被検者90の撮影時)には、X線撮影を行う者(放射線技師)により、天板10に載置された被検者90のうちのX線照射部1とは反対側(被検者90の背中90a側、点線の位置)に配置される。
【0029】
ここで、X線照射部1は、医師および放射線技師などの作業者91によって自由に移動されることが可能なように構成されている。また、X線検出部2は、作業者91によって配置される。そのため、X線撮影時には、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う。
【0030】
(位置合わせの構成)
そこで、第1実施形態では、図4図6に示すように、制御部4bは、回診時に、X線照射部1の位置を表す画像11(図5参照)と、X線検出部2の位置を表す画像12(図5参照)とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90(現実に視認されている被検者90)に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。X線照射部1の位置を表す画像11は、特に限られないが、図5および図6に示す例では、X線の照射野の中心を視覚的に識別可能な十字形状の画像により構成されている。また、X線検出部2の位置を表す画像12は、特に限られないが、図5および図6に示す例では、X線検出部2の検出範囲(有効視野)を表す矩形の枠形状の画像により構成されている。
【0031】
具体的には、制御部4bは、撮像部4cによる特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するとともに、取得した外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。
【0032】
より具体的には、制御部4bは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とを生成するとともに、生成したX線照射部1の位置を表す画像とX線検出部2の位置を表す画像とが、作業者91の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。
【0033】
制御部4bは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、作業者91の視点から見た(外界透過型表示部4aから見た)形状の、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを生成するように構成されている。言い換えると、制御部4bは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に応じて、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12との形状を変化させるように構成されている。
【0034】
たとえば、図5に示すように、制御部4bは、作業者91が正面から被検者90を見ている場合、作業者91が正面から被検者90を見た形状の、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを生成するように構成されている。また、たとえば、図6に示すように、制御部4bは、作業者91が斜め方向から被検者90を見ている場合、作業者91が斜め方向から被検者90を見た形状の、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを生成するように構成されている。
【0035】
また、第1実施形態では、図4に示すように、特徴部9は、X線照射部1およびX線検出部2に設けられ、かつ、撮像部4cは、外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。具体的には、X線照射部1には、特徴部9が複数設けられている。複数の特徴部9は、X線照射部1の筐体の互いに異なる側面に設けられている。これにより、X線照射部1の特徴部9を撮像しやすくすることが可能である。また、X線検出部2には、特徴部9が2つ設けられている。2つの特徴部9は、それぞれ、被検者90から露出するX線検出部2の2つの角部に設けられている。これにより、X線検出部2の特徴部9を撮像しやすくすることが可能である。また、第1実施形態では、撮像部4cにより、X線照射部1の特徴部9およびX線検出部2の特徴部9が、同時に撮像される。なお、X線照射部1およびX線検出部2のいずれにおいても、複数の特徴部9の全てが撮像される必要はなく、少なくとも1つの特徴部9が撮像されればよい。
【0036】
ここで、X線照射部1とX線照射部1の特徴部9との相対位置、X線検出部2とX線検出部2の特徴部9との相対位置、および、撮像部4cと外界透過型表示部4aとの相対位置は、いずれも予め設計により決められているため、既知である。
【0037】
このため、制御部4bは、撮像部4cによるX線照射部1の特徴部9の撮像結果に基づいて、撮像部4cに対するX線照射部1の特徴部9の相対位置を取得するとともに、撮像部4cに対するX線照射部1の特徴部9の相対位置と、既知のX線照射部1とX線照射部1の特徴部9との相対位置とに基づいて、撮像部4cに対するX線照射部1の相対位置を取得することが可能である。そして、制御部4bは、撮像部4cに対するX線照射部1の相対位置と、既知の撮像部4cと外界透過型表示部4aとの相対位置とに基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1の相対位置を取得することが可能である。
【0038】
同様に、制御部4bは、撮像部4cによるX線検出部2の特徴部9の撮像結果に基づいて、撮像部4cに対するX線検出部2の特徴部9の相対位置を取得するとともに、撮像部4cに対するX線検出部2の特徴部9の相対位置と、既知のX線検出部2とX線検出部2の特徴部9との相対位置とに基づいて、撮像部4cに対するX線検出部2の相対位置を取得することが可能である。そして、制御部4bは、撮像部4cに対するX線検出部2の相対位置と、既知の撮像部4cと外界透過型表示部4aとの相対位置とに基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線検出部2の相対位置を取得することが可能である。
【0039】
そして、制御部4bは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12との形状および表示位置を取得するとともに、取得した形状のX線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを、取得した表示位置に表示するように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。
【0040】
また、第1実施形態では、特徴部9は、面状マーカーである。面状マーカーとしては、たとえば、印刷された図形および装置の外形(X線照射部1およびX線検出部2の外形)などを用いることが可能である。この場合、特徴部9に電力を使用する必要がないので、特徴部9に電力を使用する場合に比べて、電力使用量を抑制することが可能である。図4に示す例では、面状マーカーは、一方側の面に粘着剤が設けられた粘着シートの他方側の面に印刷された図形である。また、面状マーカーは、矩形形状の図形である。面状マーカーは、いわゆる、AR(Augmented Reality)マーカーである。制御部4bは、予め登録された面状マーカー(特徴部9)の外形と、撮像部4cにより撮影された面状マーカー(特徴部9)の外形とを比較することによって、撮像部4cに対する特徴部9の位置および角度を取得することが可能である。
【0041】
また、第1実施形態では、図5および図6に示すように、制御部4bは、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とに加えて、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13を、作業者91の視野範囲91a内に表示するように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。また、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13は、X線検出部2に対するX線照射部1の傾きの調整を案内する第1画像13aと、X線検出部2に対するX線照射部1の水平方向の位置の調整を案内する第2画像13bと、X線照射部1とX線検出部2との間の距離(SID:Source to image receptor distance)の調整を案内する第3画像13cとを含む。また、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13(13a~13c)は、調整値を表す数値情報、および、調整方向を表す図形情報の少なくとも1つを含む。
【0042】
第1画像13aは、X線検出部2に対するX線照射部1の傾きの調整を案内する数値情報と、X線検出部2に対するX線照射部1の傾きの調整を案内する図形情報とを含む。また、第1画像13aは、X線検出部2に対するX線照射部1のピッチ方向、ロール方向およびヨー方向の傾きの調整を案内するように構成されている。第1画像13aの数値情報は、ピッチ方向、ロール方向およびヨー方向の各々の傾きの現在値を表す数値情報と、ピッチ方向、ロール方向およびヨー方向の各々の傾きの理想値に対する現在値のずれを表す数値情報とを含む。また、第1画像13aの図形情報は、ピッチ方向、ロール方向およびヨー方向の各々のX線照射部1の傾きを調整する方向を表す矢印の図形情報を含む。また、第1画像13aの図形情報は、矢印の図形情報とは別個に設けられ、ピッチ方向、ロール方向およびヨー方向の各々のX線照射部1の傾きを同時に表す図形情報を含む。この図形情報は、現在値を表す1つの円形状のアイコンと、理想値を表す円形内に十字を設けたアイコンとを有する。この図形情報では、現在値を表す円形状のアイコンを、理想値を表す円形内に十字を設けたアイコンの中心(十字の中心)に移動させると、X線検出部2に対するX線照射部1のピッチ方向、ロール方向およびヨー方向の傾きの調整が完了することが表されている。
【0043】
第2画像13bは、X線検出部2に対するX線照射部1の水平方向の位置の調整を案内する図形情報を含む。第2画像13bの図形情報は、X線照射部1の照射野の中心と、X線検出部2の有効視野の中心とを一致させるように、X線照射部1の水平方向の位置を調整する方向を表す矢印の図形情報を含む。
【0044】
第3画像13cは、X線照射部1とX線検出部2との間の距離の調整を案内する数値情報と、X線照射部1とX線検出部2との間の距離の調整を案内する図形情報とを含む。第3画像13cの数値情報は、X線照射部1とX線検出部2との間の距離の現在値を表す数値情報と、X線照射部1とX線検出部2との間の距離の理想値に対する現在値のずれを表す数値情報とを含む。第3画像13cの図形情報は、X線照射部1とX線検出部2との間の距離を調整するためにX線照射部1を調整する方向を表す矢印の図形情報を含む。また、第3画像13cの図形情報は、矢印の図形情報とは別個に設けられ、X線照射部1とX線検出部2との間の距離の現在値を表すX線照射部1およびX線検出部2のアイコンを含む。
【0045】
(位置合わせのための画像の表示処理)
次に、図7を参照して、第1実施形態のX線撮像装置100によるX線照射部1とX線検出部2との位置合わせのための画像の表示処理を、フローチャートに基づいて説明する。
【0046】
図7に示すように、まず、ステップ101において、X線照射部1およびX線検出部2の特徴部9が、表示ユニット4の撮像部4cにより同時に撮像される。
【0047】
そして、ステップ102において、ステップ101において取得された特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置が取得される。ステップ102では、X線照射部1の特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1の相対位置が取得される。また、X線検出部2の特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線検出部2の相対位置が取得される。
【0048】
そして、ステップ103において、ステップ102において取得された外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせのための画像が生成される。ステップ103では、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12と、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13とが生成される。
【0049】
そして、ステップ104において、ステップ103において生成されたX線照射部1とX線検出部2との位置合わせのための画像(11~13)が外界透過型表示部4aに表示される。その結果、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91の視野範囲91a内の被検者90(現実に視認されている被検者90)に重畳されるように表示される。そして、作業者91は、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12と、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13と、現実の被検者90とを同時に視認しながら、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う。
【0050】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0051】
第1実施形態では、上記のように、X線撮像装置100は、被検者90にX線を照射するX線照射部1と、X線照射部1から照射されたX線を検出するX線検出部2と、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う作業者91の頭部に装着され、画像を視認しながら外界を視認可能な外界透過型表示部4aと、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御する制御部4bと、を備える。
【0052】
これにより、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように表示することができるので、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とをX線照射部1に設けられたモニタに表示する場合と異なり、作業者91の視線をモニタに移動させる必要がない。その結果、作業者91の視線をモニタに移動させながらX線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う場合に比べて、作業者91の視線の移動を抑制することができる。これにより、作業者91の視線の移動を抑制することにより、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの作業の効率を向上させることができる。
【0053】
また、モニタ上に被検者90の画像を表示する場合、モニタ上に表示される被検者90の画像は、現実の被検者90よりも縮小されているため、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの際の調整量(移動量)を直感的に容易に把握することが困難である。これに対して、第1実施形態では、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とを、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように表示することができる。その結果、縮小された被検者90の画像ではなく、現実の被検者90(等倍率の被検者90)を確認することにより、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの際の調整量(移動量)を直感的に容易に把握することができる。これによっても、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの作業の効率を向上させることができる。
【0054】
また、モニタ上に被検者90の画像を表示する場合、モニタ上に表示される画像は、作業者91の視点とは異なる視点から見た(たとえばX線照射部1から見た)画像であるため、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの際の調整方向および調整量(移動量)を直感的に容易に把握することが困難である。これに対して、第1実施形態では、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とを、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように表示することができる。その結果、作業者91の視点から見た(外界透過型表示部4aから見た)X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを確認することにより、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの際の調整方向および調整量(移動量)を直感的に容易に把握することができる。これによっても、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの作業の効率を向上させることができる。
【0055】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0056】
すなわち、第1実施形態では、上記のように、X線撮像装置100は、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するための特徴部9を撮像する撮像部4cをさらに備える。制御部4bは、撮像部4cによる特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するとともに、取得した外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。これにより、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を精度よく取得することができるので、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とを、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に精度よく重畳することができる。その結果、作業者91は、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを精度よく行うことができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部4bは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とを生成するとともに、生成したX線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。これにより、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、作業者91の視点から見た(外界透過型表示部4aから見た)X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを容易に生成することができるので、作業者91の視点から見た(外界透過型表示部4aから見た)X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に容易に重畳することができる。その結果、作業者91は、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを容易に行うことができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、特徴部9は、X線照射部1およびX線検出部2に設けられ、かつ、撮像部4cは、外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。これにより、1つの撮像部4cで2つの特徴部9を撮像することができるので、比較的簡素な構成で、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得することができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、特徴部9は、面状マーカーである。これにより、比較的簡素な構成の面状マーカーを用いて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得することができる。その結果、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するための構造が複雑化することを抑制することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部4bは、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とに加えて、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13を、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内に表示するように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。これにより、作業者91は、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13の案内に従って、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを正確に行うことができる。また、X線照射部1の位置を表す画像11、および、X線検出部2の位置を表す画像12とともに、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13を、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内に表示することができるので、作業者91は、視線の移動を伴わずに、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13を確認することができる。その結果、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの作業の効率を向上させながら、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを正確に行うことができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13は、X線検出部2に対するX線照射部1の傾きの調整を案内する第1画像13aと、X線検出部2に対するX線照射部1の水平方向の位置の調整を案内する第2画像13bと、を含む。これにより、作業者91は、X線検出部2に対するX線照射部1の傾きの調整を案内する第1画像13aに基づいて、X線検出部2に対するX線照射部1の傾きの調整を正確に行うことができる。また、作業者91は、X線検出部2に対するX線照射部1の水平方向の位置の調整を案内する第2画像13bに基づいて、X線検出部2に対するX線照射部1の水平方向の位置の調整を正確に行うことができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13は、調整値を表す数値情報、および、調整方向を表す図形情報の少なくとも1つを含む。これにより、作業者91は、調整値を表す数値情報に基づいて、調整すべき量を正確に理解することができる。また、作業者91は、調整方向を表す図形情報に基づいて、調整すべき方向を直感的に理解することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、X線撮像装置100は、X線検出部2を収納する収納部3bをさらに備える。X線検出部2は、回診時に、収納部3bから取り出されて、被検者90に対して配置されるように構成されている。制御部4bは、回診時に、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。ここで、回診用のX線撮像装置100は、病院の病室などの様々な配置の制限が存在する環境で用いられるため、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせのための画像を、X線照射部1に設けられたモニタに表示する場合には、作業者91が見やすい位置にモニタを配置することができるとは限らない。そこで、上記のように、回診用のX線撮像装置100において、制御部4bは、回診時に、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。これにより、病院の病室などの様々な配置の制限が存在する環境であっても、作業者91の視線の移動を抑制することができるので、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの作業の効率を向上させることができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、図8図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、特徴部がX線照射部およびX線検出部に設けられ、かつ、撮像部が外界透過型表示部の近傍に設けられている上記第1実施形態とは異なり、特徴部がX線検出部に設けられ、かつ、撮像部がX線照射部の近傍および外界透過型表示部の近傍に設けられている例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
(X線撮像装置の構成)
図8に示すように、X線撮像装置200は、X線照射部1と、X線検出部2と、移動機構部3と、表示ユニット204と、制御部5と、通信部6と、記憶部7と、表示操作部8と、撮像部201aとを備える。表示ユニット204は、外界透過型表示部4aと、制御部204bと、撮像部204cとを含む。
【0066】
制御部204bは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されたコンピュータである。制御部204bは、外界透過型表示部4aの表示の制御、および、撮像部204cの撮像の制御などを行うように構成されている。制御部204bは、外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。
【0067】
撮像部204cは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するための特徴部9(図9参照)を撮像するように構成されている。撮像部204cは、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)センサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどを含んで構成される動画像を撮像可能なカメラである。撮像部204cは、外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。
【0068】
撮像部201aは、撮像部204cと同様に、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するための特徴部9(図9参照)を撮像するように構成されている。撮像部204cは、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)センサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどを含んで構成される動画像を撮像可能なカメラである。撮像部204cは、X線照射部1の近傍に設けられている。
【0069】
ここで、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、制御部204bは、回診時に、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91が外界透過型表示部4aを介して外界を視認する際の視野範囲91a内の被検者90(現実に視認されている被検者90)に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。なお、以下では、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
【0070】
第2実施形態では、図9に示すように、特徴部9は、X線検出部2に設けられ、かつ、撮像部201aおよび204cは、それぞれ、X線照射部1の近傍および外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。また、第2実施形態では、撮像部201aおよび204cにより、X線検出部2の特徴部9が、同時に撮像される。
【0071】
ここで、撮像部201aとX線照射部1との相対位置、X線検出部2とX線検出部2の特徴部9との相対位置、および、撮像部204cと外界透過型表示部4aとの相対位置は、いずれも予め設計により決められているため、既知である。
【0072】
第2実施形態では、制御部204bは、撮像部201aによるX線検出部2の特徴部9の撮像結果に基づいて、撮像部201aに対するX線検出部2の特徴部9の相対位置を取得するとともに、撮像部201aに対するX線検出部2の特徴部9の相対位置と、既知のX線検出部2とX線検出部2の特徴部9との相対位置とに基づいて、撮像部201aに対するX線検出部2の相対位置を取得することが可能である。そして、制御部204bは、撮像部201aに対するX線検出部2の相対位置と、既知の撮像部201aとX線照射部1との相対位置とに基づいて、X線検出部2に対するX線照射部1の相対位置を取得することが可能である。
【0073】
同様に、制御部204bは、撮像部204cによるX線検出部2の特徴部9の撮像結果に基づいて、撮像部204cに対するX線検出部2の特徴部9の相対位置を取得するとともに、撮像部204cに対するX線検出部2の特徴部9の相対位置と、既知のX線検出部2とX線検出部2の特徴部9との相対位置とに基づいて、撮像部204cに対するX線検出部2の相対位置を取得することが可能である。そして、制御部204bは、撮像部204cに対するX線検出部2の相対位置と、既知の撮像部204cと外界透過型表示部4aとの相対位置とに基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線検出部2の相対位置を取得することが可能である。また、制御部204bは、X線検出部2に対するX線照射部1の相対位置と、外界透過型表示部4aに対するX線検出部2の相対位置とに基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1の相対位置を取得することが可能である。
【0074】
そして、制御部204bは、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置に基づいて、X線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12との形状および表示位置を取得するとともに、取得した形状のX線照射部1の位置を表す画像11とX線検出部2の位置を表す画像12とを、取得した表示位置に表示するように、外界透過型表示部4aの表示を制御するように構成されている。
【0075】
(位置合わせのための画像の表示処理)
次に、図10を参照して、第2実施形態のX線撮像装置200によるX線照射部1とX線検出部2との位置合わせのための画像の表示処理を、フローチャートに基づいて説明する。なお、上記第1実施形態と同一の処理については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図10に示すように、まず、ステップ201において、X線検出部2の特徴部9が、X線照射部1の撮像部201aおよび表示ユニット204の撮像部204cにより同時に撮像される。
【0077】
そして、ステップ202において、ステップ201において取得された特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置が取得される。ステップ202では、撮像部201aおよび撮像部204cの各々によるX線検出部2の特徴部9の撮像結果に基づいて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置が取得される。
【0078】
そして、上記第1実施形態と同様に、ステップ103および104の処理が行われることによって、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせのための画像(11~13)が外界透過型表示部4aに表示される。その結果、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91の視野範囲91a内の被検者90(現実に視認されている被検者90)に重畳されるように表示される。そして、作業者91は、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12と、X線照射部1の位置の調整を案内する画像13と、現実の被検者90とを同時に視認しながら、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う。
【0079】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0080】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0081】
第2実施形態では、上記のように、X線撮像装置200は、被検者90にX線を照射するX線照射部1と、X線照射部1から照射されたX線を検出するX線検出部2と、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせを行う作業者91の頭部に装着され、画像を視認しながら外界を視認可能な外界透過型表示部4aと、X線照射部1の位置を表す画像11と、X線検出部2の位置を表す画像12とが、作業者91の視野範囲91a内の被検者90に重畳されるように、外界透過型表示部4aの表示を制御する制御部204bと、を備える。
【0082】
これにより、上記第1実施形態と同様に、作業者91の視線の移動を抑制することにより、X線照射部1とX線検出部2との位置合わせの作業の効率を向上させることができる。
【0083】
また、第2実施形態では、上記のように、特徴部9は、X線検出部2に設けられ、かつ、撮像部201aおよび204cは、X線照射部1の近傍および外界透過型表示部4aの近傍に設けられている。これにより、2つの撮像部201aおよび204cの各々が1つの特徴部9を撮像するだけでよいので、広範囲を撮像可能な撮像部を用いる必要がない。その結果、使用可能な撮像部の種類の自由度を向上させることができる。
【0084】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0085】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0086】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、X線撮像装置が、回診時に患者のいる病室に移動して撮影する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線撮像装置は、検査室に備えられていてもよい。X線撮像装置が検査室に備えられている場合、移動機構部は、装置全体ではなく、X線照射部を移動可能に支持するように構成すればよい。
【0087】
また、上記第1実施形態では、特徴部は、X線照射部およびX線検出部に設けられ、かつ、撮像部は、外界透過型表示部の近傍に設けられている例を示し、第2実施形態では、特徴部は、X線検出部に設けられ、かつ、撮像部は、X線照射部の近傍および外界透過型表示部の近傍に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外界透過型表示部に対するX線照射部およびX線検出部の相対位置が取得可能であれば、特徴部および撮像部は、どこに設けられていてもよい。
【0088】
また、上記第1および第2実施形態では、表示ユニットの制御部が、外界透過型表示部に対するX線照射部およびX線検出部の相対位置を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示ユニットの制御部およびX線撮像装置の本体の制御部が、外界透過型表示部に対するX線照射部およびX線検出部の相対位置を協働して取得してもよい。
【0089】
また、上記第1および第2実施形態では、特徴部が、面状マーカーである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11に示す第1変形例のように、特徴部9aが、点状マーカーであってもよい。この場合、比較的簡素な構成の点状マーカーを用いて、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得することができる。その結果、外界透過型表示部4aに対するX線照射部1およびX線検出部2の相対位置を取得するための構造が複雑化することを抑制することができる。なお、図11では、便宜上、X線検出部2に点状マーカーを設ける例を示しているが、X線照射部1に点状マーカーを設けてもよい。
【0090】
また、特徴部9aが点状マーカーである場合、点状マーカーとしての特徴部9aが3つ以上設けられることが好ましい。図11に示す例では、点状マーカーとしての特徴部9aがX線検出部2の1つ角部に3つ設けられている。なお、図11に示す例に限られずに、点状マーカーとしての特徴部9aがX線検出部2の2つの角部に3つずつ設けられていてもよい。
【0091】
また、点状マーカーを用いる場合、予め登録された複数の点状マーカー(特徴部9a)の位置関係と、撮像部により撮影された点状マーカー(特徴部9a)の位置関係とを比較することによって、撮像部に対する特徴部9aの位置および角度を取得することが可能である。また、点状マーカーとしては、たとえば、点光源(LEDおよびLDなど)および照明光を反射させる再帰性反射部材などを用いることが可能である。
【0092】
また、上記第1および第2実施形態では、X線検出部の角部に、特徴部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線検出部の角部以外の部分に、特徴部が設けられていてもよい。たとえば、図12に示す第2変形例のように、X線検出部2の角部に対して外側に離間した位置に、特徴部9が設けられていてもよい。これにより、特徴部9がX線検出部2の角部から離間した位置に配置されるので、X線検出部2の全面が被検者90によって覆われた場合でも、特徴部9が被検者90によって隠れて撮像部によって特徴部9が撮像できなくなることを抑制することができる。
【0093】
また、この場合、X線検出部2には、X線検出部2の角部に対して外側に離間した取出位置とに、X線検出部2の本体に収納された収納位置との間で、特徴部9を移動可能に支持する移動機構2aが設けられていてもよい。移動機構2aは、たとえば、回動機構および直動機構(図12では、回動機構)などにより構成することが可能である。なお、図12に示す例では、移動機構2aがX線検出部2の1つの角部に設けられているが、移動機構2aがX線検出部2の2つの角部に1つずつ設けられていてもよい。
【0094】
また、上記第1実施形態では、X線照射部に、複数の特徴部が設けられるとともに、X線検出部に、2つの特徴部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線照射部に、1つの特徴部が設けられてもよい。また、X線検出部に、1つまたは3つ以上の特徴部が設けられていてもよい。
【0095】
また、上記第1および第2実施形態では、表示ユニットが、フェイスシールドに設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示ユニットが、作業者の頭部に装着されるゴーグルに設けられていてもよい。また、表示ユニットが、フェイスシールドおよびゴーグルなどを介することなく、直接的に作業者の頭部に装着されることが可能なように構成されていてもよい。
【0096】
また、上記第1および第2実施形態では、X線照射部の位置を表す画像と、X線検出部の位置を表す画像とに加えて、X線照射部の位置の調整を案内する画像を、作業者が外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内に表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線照射部の位置を表す画像と、X線検出部の位置を表す画像とを表示すれば、X線照射部の位置の調整を案内する画像を表示しなくてもよい。
【0097】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0098】
(項目1)
被検者にX線を照射するX線照射部と、
前記X線照射部から照射されたX線を検出するX線検出部と、
前記X線照射部と前記X線検出部との位置合わせを行う作業者の頭部に装着され、画像を視認しながら外界を視認可能な外界透過型表示部と、
前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御する制御部と、を備える、X線撮像装置。
【0099】
(項目2)
前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置を取得するための特徴部を撮像する撮像部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮像部による前記特徴部の撮像結果に基づいて、前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置を取得するとともに、取得した前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置に基づいて、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、項目1に記載のX線撮像装置。
【0100】
(項目3)
前記制御部は、前記外界透過型表示部に対する前記X線照射部および前記X線検出部の相対位置に基づいて、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とを生成するとともに、生成した前記X線照射部の位置を表す画像と前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、項目2に記載のX線撮像装置。
【0101】
(項目4)
前記特徴部は、前記X線照射部および前記X線検出部に設けられ、かつ、前記撮像部は、前記外界透過型表示部の近傍に設けられているか、または、前記特徴部は、前記X線検出部に設けられ、かつ、前記撮像部は、前記X線照射部の近傍および前記外界透過型表示部の近傍に設けられている、項目2または3に記載のX線撮像装置。
【0102】
(項目5)
前記特徴部は、面状マーカーまたは点状マーカーである、項目2~4のいずれか1項に記載のX線撮像装置。
【0103】
(項目6)
前記制御部は、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とに加えて、前記X線照射部の位置の調整を案内する画像を、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内に表示するように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、項目1~5のいずれか1項に記載のX線撮像装置。
【0104】
(項目7)
前記X線照射部の位置の調整を案内する画像は、前記X線検出部に対する前記X線照射部の傾きの調整を案内する第1画像と、前記X線検出部に対する前記X線照射部の水平方向の位置の調整を案内する第2画像と、を含む、項目6に記載のX線撮像装置。
【0105】
(項目8)
前記X線照射部の位置の調整を案内する画像は、調整値を表す数値情報、および、調整方向を表す図形情報の少なくとも1つを含む、項目6または7に記載のX線撮像装置。
【0106】
(項目9)
前記X線検出部を収納する収納部をさらに備え、
前記X線検出部は、回診時に、前記収納部から取り出されて、前記被検者に対して配置されるように構成されており、
前記制御部は、回診時に、前記X線照射部の位置を表す画像と、前記X線検出部の位置を表す画像とが、前記作業者が前記外界透過型表示部を介して外界を視認する際の視野範囲内の前記被検者に重畳されるように、前記外界透過型表示部の表示を制御するように構成されている、項目1~8のいずれか1項に記載のX線撮像装置。
【符号の説明】
【0107】
1 X線照射部
2 X線検出部
4a 外界透過型表示部
4b、204b 制御部
4c、201a、204c 撮像部
9、9a 特徴部
11 X線照射部の位置を表す画像
12 X線検出部の位置を表す画像
13 X線照射部の位置の調整を案内する画像
13a 第1画像
13b 第2画像
90 被検者
91 作業者
100、200 X線撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12