(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、プログラム、撮像装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20241001BHJP
G06F 21/16 20130101ALI20241001BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
G06F21/64
G06F21/16
H04L9/32 200B
(21)【出願番号】P 2021524704
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2020017494
(87)【国際公開番号】W WO2020246166
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2019104608
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】國頭 義之
【審査官】金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-345450(JP,A)
【文献】国際公開第2016/110967(WO,A1)
【文献】特開2008-187590(JP,A)
【文献】特開2008-270975(JP,A)
【文献】特開2004-208317(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03144793(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/64
G06F 21/16
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応
するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部
と、
前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部と、
前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理部と、を備える
画像処理装置。
【請求項2】
前記ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部を備える
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記設定部、前記ハッシュ値算出部及び前記統合処理部を備える装置と、
前記ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて前記署名データを生成する生成制御部を備え前記装置に対して着脱可能な外部端末と、を有し、
前記統合処理部は、前記外部端末から前記署名データを取得する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記撮像画像データに
関する複数項目
の情報には撮像対象までの距離情報が含まれる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記撮像画像データに
関する複数項目
の情報には露出制御に関する情報が含まれる
請求項1に記載の画像処理
装置。
【請求項6】
前記撮像画像データに
関する複数項目
の情報には前記撮像画像データの撮像日時に関する情報が含まれる
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記署名データ、前記撮像画像データ、及び
前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータを統合したファイルデータを出力する通信部を備える
請求項1に記載した画像処理装置。
【請求項8】
撮像画像データと、前記撮像画像データに
関する複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目
の情報を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する情報管理部と、
前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目
の情報との比較に基づき真正性を判定する真正性判定部と、
前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録部と、
前記情報管理部が取得した統合ファイルの前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、該算出したハッシュ値と、前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との比較に基づき真正性を判定する署名検証部と、を備える
画像処理装置。
【請求項9】
前記情報管理部は、前記撮像画像データと、前記撮像画像データに
関する複数項目の情報を含み前記撮像画像データの特徴に応じた項目にマーキング情報が
対応付けられているメタデータと、を含む統合ファイルから、前記マーキング情報が
対応付けられている項目の情報を取得し、
前記真正性判定部は、前記撮像画像データの特徴と、前記マーキング情報が
対応付けられている項目との
比較に基づき真正性を判定する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記情報管理部は、前記真正性判定部による真正性判定に応じた結果を出力する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記署名データは前記算出したハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて生成され、前記署名検証部は前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて前記署名データから前記算出したハッシュ値を取得する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記真正性判定部は、前記撮像画像データの撮像時間の前後の何れかに撮像された他の
前記撮像画像データの有無に応じて真正性を判定する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記真正性判定部は、前記撮像画像データよりも画角の広い他の前記撮像画像データの有無に応じて真正性を判定する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項14】
撮像部と、
前記撮像部により得られる撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応
するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部
と、
前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部と、
前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理部と、を備える
撮像装置。
【請求項15】
撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応
するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部
と、
前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出処理と、
前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理と、を画像処理装置が実行する画像処理方法。
【請求項16】
撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応
するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部
と、
前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出処理と、
前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理と、を画像処理装置に実行させるプログラム。
【請求項17】
撮像画像データと、前記撮像画像データに
関する複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目
の情報を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する
情報管理処理と、
前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目
の情報との比較に基づき真正性を判定する
真正性判定処理と、
前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録処理と、
前記情報管理処理において取得した統合ファイルの前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、該算出したハッシュ値と、前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との比較に基づき真正性を判定する署名検証処理と、を画像処理装置が実行する画像処理方法。
【請求項18】
撮像画像データと、前記撮像画像データに
関する複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目
の情報を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する
情報管理処理と、
前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目
の情報との比較に基づき真正性を判定する
真正性判定処理と、
前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録処理と、
前記情報管理処理において取得した統合ファイルの前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、該算出したハッシュ値と、前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との比較に基づき真正性を判定する署名検証処理と、を画像処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は画像処理装置、画像処理方法、プログラム、撮像装置に関し、特に撮像画像データの検証についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像画像データについて電子署名を付加することで、当該撮像画像データを撮像したユーザを認証する技術が知られている。
下記特許文献1には、電子署名を付加した撮像画像データを、ネットワーク等を介して他の機器に送信し、他の機器が撮像画像データを受信すると、付加した電子署名に基づいて受信した撮像画像データを撮像したユーザを認証する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで昨今は、デジタルスチルカメラなどの撮像装置、或いはスマートフォンなどの携帯端末により自身で撮像した撮像画像を投稿サイトやSNS(Social Networking Service)などへ投稿することが盛んに行われている。
このような環境下においては、他のユーザが撮像した撮像画像を複写等することにより、あたかも自身が撮像した撮像画像であるかのように投稿してしまうといった事案が散見される。
そのため、撮像画像データを撮像したユーザを認証するのみならず、ユーザの撮像した撮像画像が、ユーザ自身の創作に基づく撮像画像であることを認証することが望まれている。
そこで本開示では、ユーザの撮像した撮像画像が、ユーザ自身の創作に基づく撮像画像であるかの認証処理を可能とする技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術に係る画像処理装置は、撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部と、前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部と、前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理部と、を備える。これにより、撮像画像データの特徴を反映している項目が選択される。
真正性検証に関連するメタデータとは、例えば、「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」、「撮像した位置」、「感度(ISO感度)」、「絞り(F値)設定値」、「シャッタースピード(SS値)」、「撮像の際の日時」、「気温」、「気圧」などの値のことである。
また前記設定部は、前記真正性検証に関連するメタデータにマーキング情報を設定する。これにより、撮像画像データの特徴を反映している項目にマーキング情報が設定される。
【0006】
上記した本技術に係る画像処理装置において、撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部と、前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記マーキング情報が設定されたメタデータと統合して記録可能とする統合処理部と、を備えることが考えられる。
これにより、同じ撮像画像データであっても撮像画像データに対応するメタデータが異なる場合は異なるハッシュ値が算出される。
【0007】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部を備えることが考えられる。
撮像画像データの撮像を行ったユーザが公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを暗号化して送信した場合、当該署名データを受信した第三者が当該秘密鍵に対応する(ペアとなる)公開鍵で署名データを復号することができれば、撮像画像データの撮像を行ったユーザが送信したことを受信者側で検証することができる。
【0008】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部が着脱可能な外部端末に設けられており、前記統合処理部は、前記外部端末から前記署名データを取得することが考えられる。
これにより、異なる撮像装置で撮像した場合であっても、外部端末を接続することで、撮像するユーザに対応する公開鍵暗号方式における秘密鍵に基づいて署名データを生成することができる。
【0009】
上記した本技術に係る画像処理装置において前記撮像画像データに対応した複数項目には撮像対象までの距離情報が含まれることが考えられる。
これは特に、撮像画像の特徴が接写又は遠景を撮像したものである場合や、人や動物等、特定の被写体を対象に撮像したものである場合等に有用である。
【0010】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記撮像画像データに対応した複数項目には露出制御に関する情報が含まれることが考えられる。
これは特に、撮像画像の特徴が夜景又は昼景を撮像したものである場合等に有用である。
ここで露出制御に関する情報とは、例えば、撮影環境の明るさ情報(EV(Exposura Value)値)を求めるためのシャッタースピード(SS(Shutter Speed)値)情報、感度(ISO感度)、絞り(F値)設定値などのことである。
【0011】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記撮像画像データに対応した複数項目には前記撮像画像データの撮像日時に関する情報が含まれることが考えられる。
これは特に、撮像画像の特徴が夜景又は昼景等の撮像時刻を反映させたものである場合や、雪景等の撮像時期を反映させたものである場合等に有用である。
【0012】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記署名データ、前記撮像画像データ、及び前記マーキング情報が設定されたメタデータを統合したファイルデータを出力する通信部を備えることが考えられる。
これにより、署名データ、撮像画像データ及びマーキング情報が設定されたメタデータを統合したファイルデータを、撮像画像データの真正性を検証する装置に送信する。
【0013】
また本技術に係る画像処理装置は、撮像画像データと、前記撮像画像データに関する複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目の情報を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する情報管理部と、前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目の情報との比較に基づき真正性を判定する真正性判定部と、前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録部と、前記情報管理部が取得した統合ファイルの前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、該算出したハッシュ値と、前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との比較に基づき真正性を判定する署名検証部と、を備える。
これにより、撮像画像データの特徴を反映する度合いの高い、選択された項目が不自然
な値を示していることをもって、真正性がないと判定する。例えば、遠景を撮像したこと
を特徴とする撮像画像データにおいて、撮像対象までの距離があまりにも近い場合には真
正性がないものと判定する。
【0014】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記情報管理部は、前記真正性判定部による真正性判定に応じた結果を出力することが考えられる。
これにより、例えば真正性を判定するために統合ファイルを送信した端末に、真正性の判定結果が送信される。
【0015】
上記した本技術に係る画像処理装置において、撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録部と、前記情報管理部が取得した統合ファイルの撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、前記算出したハッシュ値と前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との真正性を判定する署名検証部と、を備えることが考えられる。
これにより、登録されている統合ファイルの撮像画像データと検証対象の撮像画像データが同じであっても撮像画像データに対応するメタデータが異なる場合は異なるハッシュ値となるため、真正性がないと判定する。
【0016】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記署名データは前記算出したハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて生成され、前記署名検証部は公開鍵を用いて前記署名データから前記算出したハッシュ値を取得することが考えられる。
撮像画像データの撮像を行ったユーザが公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを暗号化して送信した場合、当該署名データを受信した第三者が公開鍵で署名データを復号することができれば、当該署名データから取得したハッシュ値が、撮像を行ったユーザの撮像画像データによるものであることを検証することができる。
【0017】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記真正性判定部は、前記撮像画像データの撮像時間の前後の何れかに撮像された他の撮像画像データの有無に応じて真正性を判定することが考えられる。
撮像画像データの撮像時間の前後に撮像された撮像画像を有していることは、自身が撮像を行ったことの信頼性を高める根拠となる。
【0018】
上記した本技術に係る画像処理装置において、前記真正性判定部は、前記撮像画像データよりも画角の広い他の撮像画像データの有無に応じて真正性を判定することが考えられる。
撮像画像データよりも画角の広い他の撮像画像を有していることは、自身が撮像を行ったことの信頼性を高める根拠となる。
【0019】
また本技術に係る撮像装置は、撮像部と、前記撮像部により得られる撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部と、前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部と、前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理部と、を備える。
これにより、撮像画像データの特徴を反映させた項目を選択する等の処理が撮像装置で実現される。
【0020】
本技術に係る画像処理方法は、撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応するメタデータに含まれる前記撮像画像データに関する複数項目の情報から前記特徴に対応する項目の情報を真正性検証に関連する項目の情報として選択し、前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報を対応付ける設定部と、前記撮像画像データと前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出処理と、前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記選択した前記真正性検証に関連する項目にマーキング情報が対応付けられているメタデータと統合して記録可能とする統合処理と、を画像処理装置が実行するものである。
また本技術に係る画像処理方法は、撮像画像データと、前記撮像画像データに関する複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目の情報を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する情報管理処理と、前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目の情報との比較に基づき真正性を判定する真正性判定処理と、前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録処理と、前記情報管理処理において取得した統合ファイルの前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、該算出したハッシュ値と、前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との比較に基づき真正性を判定する署名検証処理と、を画像処理装置が実行するものである。
本技術に係るプログラムは、上記の画像処理方法に相当する各処理を画像処理装置に実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本技術の実施の形態における検証システムの説明図である。
【
図2】実施の形態で用いられる機器の説明図である。
【
図4】実施の形態の外部端末及び撮像装置の概要を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態の画像の特徴に応じた項目を示す説明図である。
【
図6】実施の形態の画像ファイルの構造を示す説明図である。
【
図7】実施の形態のコンピュータ装置のブロック図である。
【
図8】実施の形態の検証装置の概要を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態の解析部の処理例のフローチャートである。
【
図10】実施の形態の検証装置の処理例のフローチャートである。
【
図11】実施の形態の検証結果の第1の表示例を示す図である。
【
図12】実施の形態の検証結果の第2の表示例を示す図である。
【
図13】実施の形態の検証結果の第3の表示例を示す図である。
【
図14】実施の形態の検証結果の第4の表示例を示す図である。
【
図15】実施の形態の検証結果の第5の表示例を示す図である。
【
図16】実施の形態の検証結果の第6の表示例を示す図である。
【
図17】実施の形態の流通サービス側の端末の処理例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.本実施の形態における検証システム>
<2.画像処理装置として適用できる機器の構成>
<3.撮像装置の構成>
<4.検証装置の構成>
<5.実施の形態を実現するための処理>
<6.まとめ及び変形例>
なお、一度説明した内容、構造については、以下同一符号を付し、説明を省略するものとする。
【0023】
<1.本実施の形態における検証システム>
本技術は、撮像画像データが、例えば、他のユーザが撮像した撮像画像を複写したもの等でなく、ユーザ自身が撮像したものである(以下、撮像が真正であるとも表記する)ことを検証するための処理に関する。
以下、本実施の形態における本技術を用いた検証システムの一例について
図1を参照して説明する。
【0024】
本検証システムでは、例えば、ユーザ100、認証局200、流通サービス300、検証サービス400、が登場する。
ユーザ100は、撮像装置等により撮像をする者である。認証局200は、ユーザ100が撮像した撮像画像について、本人が撮像したものであることを証明するためのUIM(User Identification Module)を発行する機関である。
【0025】
ユーザ100は、認証局200のウェブサイトにアクセスし、本人確認情報として氏名、会社名、住所、職業などの情報を入力し、年間使用料等の料金の支払いすることで、認証局200からUIMを発行してもらう。UIMはUSBメモリ(Universal Serial Bus)等の外部端末として発行される。UIMには公開鍵暗号方式における秘密鍵と対応する公開鍵の鍵ペアが記録されており、ユーザ100の氏名等の情報についての公開鍵証明書、即ちユーザ識別情報が記録されている。
ユーザ100が自身の撮像装置に認証局200で発行されたUIMを接続することで、撮像装置により撮像した撮像画像データに署名データが付与される。
【0026】
流通サービス300は、例えば画像投稿サイトやSNSの提供サービスであり、撮像画像の投稿が可能なものである。ユーザ100は、撮像した撮像画像データを流通サービス300を介して公開する。
【0027】
検証サービス400は、流通サービス300の運営者等からの依頼に応じて、投稿された撮像画像が複写ではなくユーザ100自身の創作として撮像されたものであるかの判定を行い、その結果を流通サービス300に通知する。
また、検証サービス400では、UIMにより署名データを付与された撮像画像データが、撮像画像を撮像したユーザ100自身により登録されており、当該登録された撮像画像データに基づいて流通サービス300に投稿された撮像画像が、投稿したユーザ100自身が撮像した撮像画像であるかを判定することができる。
【0028】
以上のように、検証サービス400により、流通サービス300で流通する撮像画像データが、投稿者であるユーザ100自身の創作に基づいて撮像されたものであるかを判定し、判定結果を流通サービス300に通知することで、本検証システムを実現することができる。
【0029】
<2.画像処理装置として適用できる機器の構成>
以下では、ユーザ100が撮像に用いる撮像装置において、本技術の画像処理装置が実現される例について説明する。画像処理装置は、各種の機器において実現される。
【0030】
本開示の技術を適用できる機器について説明する。
図2は、画像処理装置となりうる機器の例を示している。
画像処理装置となりうる機器としては、デジタルスチルカメラ1Aやデジタルビデオカメラ1Bなど撮像機能を有する撮像装置1、撮像機能を有するスマートフォンなどの携帯端末2などが想定される。
【0031】
例えば撮像装置1では、当該撮像装置1の内部のマイクロコンピュータ等が撮像画像データに対する様々な処理を行う。携帯端末2も撮像機能を備えることで、撮像により取得した撮像画像データに基づいて撮像画像データに対する様々な処理を行うことができる。
出力された撮像画像データにより撮像装置1や携帯端末2の表示部に撮像画像が表示される。
なお、撮像装置1や携帯端末2に限らず、画像処理装置となりうる機器は他にも各種考えられる。
【0032】
以上のように実施の形態の画像処理装置として機能する装置は多様であるが、以下では、デジタルスチルカメラ1Aとしての撮像装置1が画像処理装置として実現される例について説明する。
【0033】
<3.撮像装置の構成>
画像処理装置としての撮像装置1の構成例を
図3を参照して説明する。
図3に示すように撮像装置1は、光学系11、ドライバ部12、撮像部13、カメラ信号処理部15、記録制御部16、提示部17、通信部18、操作部19、カメラ制御部20、解析部21、コネクタ部22、メモリ部23、センサ部24を有する。
【0034】
光学系11は、カバーレンズ、ズームレンズ、フォーカスレンズ等のレンズや絞り機構などを備える。この光学系11により、被写体からの光(入射光)が導かれ撮像部13に集光される。
【0035】
ドライバ部12には、例えばズームレンズ駆動モータに対するモータドライバ、フォーカスレンズ駆動モータに対するモータドライバ、絞り機構駆動モータに対するモータドライバ、シャッター駆動モータに対するシャッタードライバ等が設けられている。
ドライバ部12は、カメラ制御部20やカメラ信号処理部15からの指示に応じて駆動電流を対応するドライバに印加し、フォーカスレンズやズームレンズの移動、絞り機構の絞り羽根の開閉、シャッター動作等を実行させる。
【0036】
絞り機構は絞り機構駆動モータによって駆動され、後述する撮像部13への入射光量を制御する。フォーカスレンズはフォーカスレンズ駆動モータによって駆動され、焦点調節に用いられる。ズームレンズはズームレンズ駆動モータによって駆動され、ズームの調節に用いられる。シャッター機構はシャッター駆動モータによって駆動され、シャッター動作が行われる。
【0037】
撮像部13は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型やCCD(Charge Coupled Device)型などのイメージセンサ14(撮像素子)を有して構成される。イメージセンサ14は、被写体の画像を撮像するための撮像画素と、被写体の光像の位相差を検出するための像面位相差画素とから構成される。
【0038】
撮像部13では、イメージセンサ14で受光した光を光電変換して得た電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理などを実行し、さらにA/D(Analog/Digital)変換処理を行う。撮像部13は、デジタルデータとしての撮像信号を、カメラ信号処理部15やカメラ制御部20に出力する。
【0039】
イメージセンサ14における撮像画素は、受光した光の強度に応じた電荷を蓄える。
撮像画素は、例えばそれぞれベイヤー配列のカラーフィルタにより覆われており、Rの分光感度を有する画素が左下の位置に、Gの分光感度を有する画素が左上と右下の位置に、Bの分光感度を有する画素が右上の位置に配置された画素群が複数形成される。
これらの画素群が受光した光を光電変換して得た電気信号から撮像信号を読み出すことができる。
イメージセンサ14は、撮像信号をカメラ信号処理部15やカメラ制御部20に出力する。
【0040】
イメージセンサ14における像面位相差画素は、位相差情報を検出する。像面位相差画素は一対の位相差信号を検出し、撮像部13は、像面位相差画素により検出した一対の位相差信号を出力する。当該位相差信号は例えば撮像装置1から撮像対象(被写体)までの距離を算出するための相関演算に用いられる。
撮像部13は、位相差信号をカメラ信号処理部15やカメラ制御部20に出力する。
【0041】
カメラ信号処理部15は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等により画像処理プロセッサとして構成される。
カメラ信号処理部15は、撮像部13からのデジタル信号(撮像画像信号)に対して、各種の信号処理を施す。例えばカメラ信号処理部15は、前処理、同時化処理、YC生成処理、各種補正処理、解像度変換処理等を行う。
【0042】
前処理では、撮像部13からの撮像画像信号に対して、R,G,Bの黒レベルを所定のレベルにクランプするクランプ処理や、R,G,Bの色チャンネル間の補正処理等を行う。
同時化処理では、各画素についての画像データが、R,G,B全ての色成分を有するようにする色分離処理を施す。例えば、ベイヤー配列のカラーフィルタを用いた撮像素子の場合は、色分離処理としてデモザイク処理が行われる。
YC生成処理では、R,G,Bの画像データから、輝度(Y)信号および色(C)信号を生成(分離)する。
解像度変換処理では、各種の信号処理が施された画像データに対して、解像度変換処理を実行する。
【0043】
カメラ信号処理部15におけるコーデック処理では、以上の各種処理が施された画像データについて、例えば記録用や通信用の符号化処理、ファイル生成を行う。例えばMPEG-4準拠の動画・音声の記録に用いられているMP4フォーマットなどとしての画像ファイルMFの生成を行う。また静止画ファイルとしてJPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、GIF(Graphics Interchange Format)等の形式のファイル生成を行うことも考えられる。
【0044】
記録制御部16は、例えば不揮発性メモリによる記録媒体に対して記録再生を行う。記録制御部16は例えば記録媒体に対し静止画データや動画データ等の画像ファイルやサムネイル画像、生成されたデフォーカスマップデータ等を後述するストレージメディアに記録する処理を行う。
記録制御部16の実際の形態は多様に考えられる。例えば記録制御部16は、撮像装置1に内蔵されるフラッシュメモリとその書込/読出回路として構成されてもよいし、撮像装置1に着脱できる記録媒体、例えばメモリカード(可搬型のフラッシュメモリ等)に対して記録再生アクセスを行うカード記録再生部による形態でもよい。また撮像装置1に内蔵されている形態としてHDD(Hard Disk Drive)などとして実現されることもある。
【0045】
提示部17は撮像者に対して各種表示を行う表示部を有し、表示部は、例えば撮像装置1の筐体に配置される液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイデバイスによる表示パネルやビューファインダーとされる。
なお、提示部17はスピーカ等の音声出力部を有していてもよく、例えばカメラ制御部20により読み出されたデジタル音声信号が、カメラ信号処理部15により音声信号に変換された後、音声出力部から出力することができる。
【0046】
提示部17における表示部は、カメラ制御部20の指示に基づいて表示画面上に各種表示を実行させる。例えば、カメラ信号処理部20で表示用に解像度変換された撮像画像データが供給され、表示部はカメラ制御部20の指示に応じて、当該撮像画像データに基づいて表示を行う。これによりスタンバイ中の撮像画像である、いわゆるスルー画(被写体のモニタリング画像)が表示される。
また表示部は、記録制御部16において記録媒体から読み出された撮像画像データの再生画像を表示させる。
表示部はカメラ制御部20の指示に基づいて、各種操作メニュー、アイコン、メッセージ等、即ちGUI(Graphical User Interface)としての表示を画面上に実行させる。
【0047】
通信部18は、外部機器との間のデータ通信やネットワーク通信を有線又は無線で行う。
例えば外部の表示装置、記録装置、再生装置等に対して撮像画像データ(静止画ファイルや動画ファイル)の送信出力を行う。
また通信部18はネットワーク通信部であるとして、例えばインターネット、ホームネットワーク、LAN(Local Area Network)等の各種のネットワークによる通信を行い、ネットワーク上のサーバ、端末等との間で各種データ送受信を行うようにしてもよい。
【0048】
操作部19は、ユーザが各種操作入力を行うための入力デバイスを総括して示している。具体的には操作部19は撮像装置1の筐体に設けられた各種の操作子(キー、ダイヤル、タッチパネル、タッチパッド等)を示している。
操作部19によりユーザの操作が検知され、入力された操作に応じた信号はカメラ制御部20へ送られる。
【0049】
カメラ制御部20はCPU(Central Processing Unit)を備えたマイクロコンピュータ(演算処理装置)により構成される。
メモリ部23は、カメラ制御部20が処理に用いる情報等を記憶する。図示するメモリ部23としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなど包括的に示している。
メモリ部23はカメラ制御部20としてのマイクロコンピュータチップに内蔵されるメモリ領域であってもよいし、別体のメモリチップにより構成されてもよい。
カメラ制御部20はメモリ部23のROMやフラッシュメモリ等に記憶されたプログラムを実行することで、この撮像装置1の全体を制御する。
例えばカメラ制御部20は、撮像部13のシャッタースピードの制御、カメラ信号処理部15や解析部21における各種信号処理の指示、レンズ情報の取得、ユーザの操作に応じた撮像動作や記録動作、動画記録の開始/終了制御、記録した画像ファイルの再生動作、レンズ鏡筒におけるズーム、フォーカス、露光調整等のカメラ動作、ユーザインタフェース動作等について、必要各部の動作を制御する。
またカメラ制御部20には、RTC(Real-Time Clock)が内蔵されている。
【0050】
解析部21はCPUを備えたマイクロコンピュータ(演算処理装置)により構成される。
解析部21は、撮像画像データの特徴を判定し、撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータにおいて、判定した特徴に応じた項目を選択し、選択した項目のマーキング情報をメタデータに設定する。
また解析部21は、撮像画像データと、マーキング情報が設定されたメタデータとを統合して記録可能とする。
なお解析部21はカメラ制御部20からの情報等を用いて、画像ファイルに付加するメタデータの生成も行う。
解析部21の詳細については後述する。
【0051】
コネクタ部22は、リモート端子やUSB端子等のホルダーまたはAC電源のジャック等を備え、例えば後述する外部端末とのインタフェースをなすものである。
【0052】
メモリ部23におけるRAMは、カメラ制御部20のCPUの各種データ処理の際の作業領域として、データやプログラム等の一時的な格納に用いられる。
メモリ部23におけるROMやフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)は、CPUが各部を制御するためのOS(Operating System)や、画像ファイル等のコンテンツファイルの他、各種動作のためのアプリケーションプログラムや、ファームウエア等の記憶に用いられる。
【0053】
センサ部24は、撮像装置1に搭載される各種のセンサを包括的に示している。センサ部24としては、例えばGPS(Global Positioning System)のような位置情報センサ、温度センサ、気圧センサ、照度センサ、加速度センサ等が搭載されている。
【0054】
以上の機能を備えた撮像装置1により、本技術を実現するための処理が行われる。
ここで、本技術を実現するための解析部21の機能構成の概要について
図4を用いて説明する。
図4は、説明の都合上、撮像装置1における他の機能構成について簡易的に示している。
解析部21は、特徴判定部25、項目情報取得部26、設定部27、ハッシュ値算出部28、統合処理部29を有している。
【0055】
特徴判定部25は、カメラ信号処理部15から撮像画像データを取得し、取得した撮像画像データについて画像解析処理を行うことで、当該撮像画像データの特徴を判定する。
撮像画像データの特徴とは、例えば「接写」であるか、「遠景」の撮像であるか、「夜景」であるか、「快晴(昼景)」であるか、「人」を撮像対象とした撮像であるか、「ボケ」が生じている撮像画像であるか、「雪景」であるか、「登山」中に撮像された画像であるか、「飛行体」が被写体に含まれているかなどの撮像画像データの内容を示唆するものである。
なお、特徴判定部25は、解析部21の必須の構成ではなく、例えば解析部21は、カメラ信号処理部15から取得した撮像画像データを外部機器に送信することとしてもよい。送信の場合、送信先は例えば特定の記録機器、情報処理端末、クラウドサーバなどである。
例えば、撮像装置1での動画撮像中に、解析部21は取得した撮像画像データをクラウドサーバにネットワーク送信する。クラウドサーバ側では、取得した撮像画像データについて画像解析処理を行うことで当該撮像画像データの特徴を判定し、その判定結果を解析部21を有する撮像装置1に送信する。
【0056】
また特徴判定部25は、撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータを生成し、取得する。特徴判定部25は複数項目の情報を項目情報取得部26から取得する。
項目情報取得部26は、複数項目の情報をカメラ制御部20を介して取得する。
撮像画像データに対応した複数項目の情報とは、撮像の際の撮像装置1の状態に関する情報であり、例えば、「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」、「撮像した位置」、「撮像環境の明るさ(EV値)」、「感度(ISO感度)」、「絞り(F値)設定値」、「シャッタースピード(SS値)」、「撮像の際の日時」、「気温」、「気圧」などに関する情報である。撮像画像データに対応した複数項目の情報は、後述する真正性検証に関連するメタデータとして用いられる。
【0057】
また特徴判定部25は、
図5に示すように、撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータにおいて、画像解析処理に基づいて判定した特徴に応じた項目を選択する。
撮像画像の特徴が「接写」である場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」が選択される。
撮像画像の特徴が「遠景」である場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像した位置」が選択される。
撮像画像の特徴が「夜景」や「快晴(昼景)」である場合は、例えば、上記の複数項目から「撮像環境の明るさ(EV値)」、「撮像の際の日時」が選択される。
撮像画像の特徴が「人」を被写体としたことである場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」が選択される。
撮像画像の特徴が「ボケ」が生じていることである場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」、「絞り(F値)設定値」が選択される。
撮像画像の特徴が「雪景」である場合は、例えば、上記の複数項目から「気温」、「撮像の際の日時」、「撮像した位置」が選択される。
撮像画像の特徴が「登山」中に撮像されたことである場合は、例えば、上記の複数項目から「気圧」、「撮像した位置」が選択される。
撮像画像の特徴が「移動体」を撮像したことである場合は、例えば、上記の複数項目から「シャッタースピード(SS値)」が選択される。
このように、撮像画像の特徴に応じて項目を選択しておくことで、ユーザ自身で撮像した撮像画像であるかを判定する際に、選択された項目の値が、撮像画像の特徴からみて不自然な値となっていることをもって、第三者が撮像した画像をユーザが複写した等、ユーザが自身の創作に基づいて撮像した画像でないことが推定できる。
【0058】
設定部27は、撮像画像データの特徴に基づき、当該撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータのうち、真正性検証に関連するメタデータを選択し、前記真正性検証に関連するメタデータにマーキング情報を設定する(フラグ付けを行う)。
ハッシュ値算出部28は、撮像画像データと、当該撮像画像データに対応するメタデータとを統合したものについてハッシュ値を算出する。ここでのメタデータには、撮像画像データに対応した複数項目の情報、及び撮像画像データの特徴に応じて選択された項目のマーキング情報が含まれる。またハッシュ値算出部28は、算出したハッシュ値を外部端末3の生成制御部30へ送信する。
また、ハッシュ値算出部28がハッシュ値を算出するにあたり用いるメタデータは、撮像画像データの特徴に応じて選択された(マーキングされた)項目の情報が含まれていればよい。即ち、ハッシュ値を算出するにあたり用いるメタデータは、必ずしも撮像画像データに対応した複数項目の情報の全てでなくてもよい。
【0059】
外部端末3は、認証局200により発行されるUIMであり、例えばUSB等の撮像装置1を用いて撮像を行うユーザを認証する端末である。UIMは秘密鍵を外部に漏らさないような構造を有しており、複製することが困難となっている。
外部端末3は撮像装置1のコネクタ部22を介して接続される(
図2参照)。
外部端末3の記憶部31には、署名データを生成するための秘密鍵、秘密鍵に対応付けられたユーザ識別情報、及び秘密鍵と対応する公開鍵の情報が記録されている。
【0060】
生成制御部30は、記憶部31から秘密鍵を取得し、ハッシュ値算出部28から取得したハッシュ値に対して秘密鍵を用いて暗号化することで署名データを生成する。これにより、第三者が公開鍵により署名データを復号化することで、ハッシュ値算出部28から取得したハッシュ値を取得することが可能となる。
生成制御部30は、生成した署名データと公開鍵をハッシュ算出部28に送信する。ハッシュ値算出部28は、取得した署名データと公開鍵を統合処理部29に送信する。
【0061】
統合処理部29は、ハッシュ値を用いて生成された署名データを、撮像画像データ及びマーキング情報が設定されたメタデータと統合して、
図6に示すような画像ファイルを生成する。その後、生成された画像ファイルは、
図3の記録制御部16によりストレージメディア32に記憶される。
【0062】
ユーザが自身で撮像した画像であることを証明するためには、検証装置4側で生成された画像ファイルを登録する必要がある。そこで通信部18は、統合処理部29が生成した画像ファイルを検証装置4へ送信する。このとき、通信部18は、外部端末3から公開鍵とユーザ識別情報を取得し、検証装置4に送信する。
【0063】
なお本実施の形態では、生成制御部30及び記憶部31を撮像装置1とは別体である外部端末3に設けることとしたが、生成制御部30及び記憶部31は撮像装置1の解析部21の機能として設けられていてもよい。
以上の撮像装置1により本実施の形態が実現される。
【0064】
上記では撮像装置1により本技術を実現する例について説明したが、本技術は、撮像機能を有するスマートフォン等の携帯端末2によっても実現できる。
当該携帯端末2が撮像制御処理を行う場合には、例えば
図7に示す構成を備えたコンピュータ装置70として実現できる。
【0065】
図7において、コンピュータ装置70のCPU(Central Processing Unit)71は、ROM(Read Only Memory)72に記憶されているプログラム、または記憶部79からRAM(Random Access Memory)73にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM73にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。CPU71には、画像処理装置としての解析部21が設けられている。
【0066】
CPU71、ROM72、及びRAM73は、バス74を介して相互に接続されている。このバス74には、入出力インタフェース75も接続されている。
入出力インタフェース75には、キーボード、マウス、タッチパネルなどよりなる入力部76、撮像レンズや、絞り、ズームレンズ、フォーカスレンズなどを備えて構成されるレンズ系や、レンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせるための駆動系、さらにレンズ系で得られる撮像光を検出し、光電変換を行うことで撮像信号を生成する固体撮像素子アレイなどよりなる撮像部77、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部78、HDD(Hard Disk Drive)が接続されている。
【0067】
例えば出力部78は、CPU71の指示に基づいて表示画面上に各種の画像処理のための画像や処理対象の動画等の表示を実行する。また出力部78はCPU71の指示に基づいて、各種操作メニュー、アイコン、メッセージ等、即ちGUI(Graphical User Interface)としての表示を行う。
【0068】
入出力インタフェース75には、ハードディスクや固体メモリなどより構成される記憶部79や、モデムなどより構成される通信部80が接続される場合もある。
通信部80は、インターネット等の伝送路を介しての通信処理を行ったり、各種機器との有線/無線通信、バス通信などによる通信を行う。
【0069】
入出力インタフェース75にはまた、必要に応じてドライブ81が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体82が適宜装着される。
【0070】
ドライブ81により、リムーバブル記録媒体82からは画像ファイル等のデータファイルや、各種のコンピュータプログラムなどを読み出すことができる。読み出されたデータファイルは記憶部79に記憶されたり、データファイルに含まれる画像や音声が出力部78で出力されたりする。またリムーバブル記録媒体82から読み出されたコンピュータプログラム等は必要に応じて記憶部79にインストールされる。
【0071】
このコンピュータ装置70では、例えば本開示の画像処理装置としての画像処理のためのソフトウエアを、通信部80によるネットワーク通信やリムーバブル記録媒体82を介してインストールすることができる。或いは当該ソフトウエアは予めROM72や記憶部79等に記憶されていてもよい。
【0072】
なお、コンピュータ装置70は、
図7のように単一で構成されることに限らず、複数のコンピュータ装置がシステム化されて構成されてもよい。複数のコンピュータ装置には、クラウドコンピューティングサービスによって利用可能なサーバ群(クラウド)としてのコンピュータ装置が含まれてもよい。
【0073】
以上の機能を備えた画像処理装置としての解析部21を有する携帯端末2によっても本技術を実現することができる。
【0074】
<4.検証装置の構成>
画像処理装置としての検証装置4の構成例を
図8を参照して説明する。
図8に示すように検証装置4は、ユーザ認証部41、コンテンツ登録部42、情報管理部43、署名検証部44、シーン解析部45、類似度判定部46、真正性判定部47、クローリング部48を有する。また検証装置4は、画像データベース(以下、DB(Database)と表記する)50と特徴点DB51を有している。
【0075】
ユーザ認証部41は、検証システムを利用するにあたってのユーザ認証を行う。即ち、ユーザ認証部41は、検証システムを利用としようとするユーザが、認証局200からUIMが発行されたユーザであるかを判定する。
ユーザ認証部41は、外部端末3からユーザ識別情報(公開鍵証明書)を取得し、チャレンジレスポンス等を用いて、正しいユーザであることの認証を行う。またユーザ識別情報が有効であるか否かの情報(失効情報)を認証局200から取得し、照合することでより正確なユーザ認証を行う。
このとき、ユーザ認証部41は、外部端末3に記憶されたユーザ識別情報を撮像装置1を介して取得する。なお、ユーザ認証部41は、外部端末3から直接ユーザ識別情報を取得してもよい。
【0076】
コンテンツ登録部42は、ユーザ認証部41によるユーザ認証が成功すると、撮像装置1から取得した署名データ、撮像画像データ及びマーキング情報が設定されたメタデータを統合した画像ファイルをユーザ識別情報に対応付けて画像DB50に記憶する。
これにより、ユーザが撮像した撮像画像を検証装置4に登録することができる。
【0077】
流通サービス300やユーザからの要求で署名の検証を行う場合は、情報管理部43に、検証を行いたい撮像画像データの画像ファイルが入力される。
このとき情報管理部43は、入力された画像ファイルにユーザ識別情報を有する署名データがあるかを判定する。
【0078】
情報管理部43に入力された画像ファイルにユーザ識別情報を有する署名データがある場合、署名検証部44は認証局200に署名データに対応する公開鍵証明書が失効していないかの確認を行う。公開鍵証明書が失効していない場合、署名検証部44は署名データの検証を行う。
【0079】
情報管理部43に入力された画像ファイルに署名データがない場合、類似度判定部46が、登録された撮像画像と入力された画像ファイルにおける撮像画像が類似しているかを判定する。
これはあらかじめシーン解析部45が、画像DB50に登録された撮像画像をDeepLearningをはじめとするAIにより、「何が写っているか」といった特徴点を判定し、判定した特徴点をユーザ識別情報に対応させて特徴点DB51として格納しておく。例えば、判定により「黒い犬が3匹、緑の草原に座っている」という特徴点を得ておく。
シーン解析部45は、類似度判定部46から検証対象の撮像画像データを取得することで、検証対象の撮像画像についても同様に特徴点を判定する。
類似度判定部46は、検証対象の撮像画像について判定された特徴点を取得し、特徴点DB51に記憶された特徴点との一致度合い(Key Point Matching)を判定する。
なお、類似度判定部46の判定結果は一致・不一致ではなく、「一致確率90%」のような判定結果としてもよい。
【0080】
入手した画像ファイルに署名データがある場合、真正性判定部47は、単に署名検証だけではなく、撮像画像データや撮像画像データに対応するメタデータの内容を判断することもできる。署名データのユーザ識別情報のみで判定する場合、作品が複写されたとしても複写した人による正規の署名データが付くことになるため、ユーザ自身の創作により撮像された(複写でない)作品であるか否かの真正性を判断できないからである。
この場合はまず、真正性判定部47は、撮像画像データに対応した項目のメタデータの内容と、特徴点の整合を判定する。例えば遠景の風景なのに、近距離にピントの合焦点があるのは整合が取れない、即ち、複写の可能性がある(真正性がない可能性がある)ということになる。
【0081】
情報管理部43は、署名検証部44、類似度判定部46や真正性判定部47により総合的に判断された判定結果を流通サービス300やユーザに通知する。
【0082】
クローリング部48は、流通サービス300やユーザからの要求だけではなく、いわゆるクローリングのようにインターネット上に流通している撮像画像60を取得することができる。例えば、クローリング部48が取得した画像データについて、署名検証部44が署名データの検証を行うことで、撮像画像データが違法に流通していることを判定することができる。
クローリング部48は、違法に利用されている撮像画像データであると判定した場合は、撮像画像データのアップロード先等に警告を行うこともできる。
以上の検証装置4により本実施の形態が実現される。
【0083】
<5.実施の形態を実現するための処理>
上述した実施の形態を実現するために行われる、撮像装置1における画像処理装置としての解析部21の処理を、
図9を参照して説明する。
解析部21は、例えば
図9の処理を撮像装置1が撮像対象を撮像したタイミングで実行する。
【0084】
図9において、解析部21は、ステップS101において、撮像画像データをカメラ信号処理部15から取得する。
そして、解析部21は、ステップS102において、撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータを生成し、取得する。
ここで、複数項目としての各項目の情報とは、撮像のタイミングにおける「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」、「撮像した位置」、「撮像環境の明るさ(EV値)」、「感度(ISO感度)」、「絞り(F値)設定値」、「シャッタースピード(SS値)」、「撮像の際の日時」、「気温」、「気圧」などの情報である。
【0085】
解析部21は、ステップS103において、取得した撮像画像データについて画像解析処理を行い、ステップS104において、画像解析結果に応じて撮像画像の特徴判定処理を行う。
そして解析部21は、ステップS105において、判定した撮像画像の特徴に応じて上記項目を選択し、選択した項目にマーキングをする処理を行う。
ステップS103からステップS105までの処理には、様々な例が考えられる。ここで、上記処理の例について説明する。
【0086】
(1)接写
例えば、桜の木を被写体として撮像装置1による撮像が行われた際の撮像画像データにおいて、画像解析処理の結果、撮像画像上に桜の花が大きく表示されていた場合は、近距離での撮像であったと推定できる。そこで、解析部21は、撮像画像の特徴を「接写」であると判定する。
このような特徴を有する撮像画像データにおいて、被写体との距離が遠かったり、レンズの焦点距離にずれが生じている場合は、ユーザが実際に桜を被写体として撮像を行った訳ではなく、撮像済みの画像を再度撮像するといった複写等をしている可能性が推定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「接写」である場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」を選択し、マーキングを行う。
【0087】
(2)遠景
また、画像解析処理の結果、遠景の風景であると判定した場合は、解析部21は、撮像画像の特徴を「遠景」であると判定する。
このような特徴を有する撮像画像データにおいては、被写体との距離が遠景というには短かった場合は、ユーザは現地でその撮像を行っておらず、複写等をしている可能性が推定できる。また、「遠景」の風景の地名が特定可能であれば、ユーザの撮像をした位置情報を取得することで、ユーザが実際にその地名の場所に訪れて撮像を行ったかどうかも判定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「遠景」である場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像した位置」を選択し、マーキングを行う。
【0088】
(3)夜景、快晴(昼景)
画像解析処理の結果、撮像画像を夜景であると判定した場合は、解析部21は、撮像画像の特徴を「夜景」であると判定する。
このような特徴を有する撮像画像データにおいては、撮像環境の明るさ(EV値)は低くなり、撮像する時間帯も夜間であると考えられる。そのため、夜景であるにも関わらずEV値が高くなったり、撮像した時間が昼時であったりした場合は、夜景の撮像画像を複写している可能性が推定できる。撮像画像の特徴を「快晴(昼景)」と判定した場合であっても同様である。即ち、撮像された際の撮像環境の明るさ(EV値)と時間帯が撮像画像の特徴と合致しない場合は、複写をしている可能性が推認できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「夜景」や「快晴(昼景)」である場合は、例えば、上記の複数項目から「撮像環境の明るさ(EV値)」、「撮像の際の日時」を選択し、マーキングする。
【0089】
(4)人
画像解析処理の結果、例えば人の全身が映っている場合は、解析部21は、撮像画像の特徴を「人」であると判定する。
このような特徴を有する撮像画像データにおいては、標準レンズの焦点距離であれば、被写体である人までの距離はおおよそ2mから3mほどと推定できる。従って、被写体である人までの距離が2mから3mよりも長い、又は短いときは、複写等をしている可能性が推定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「人」を被写体としたことである場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」を選択し、マーキングする。
【0090】
(5)ボケ
画像解析処理の結果、例えば、近景にピントが合っており、遠景がボケているといったように、解析部21は、撮像画像の特徴を「ボケ」の度合いであると判定することもできる。この場合は、近景にピントが合っており、遠景がボケているため、撮像レンズの焦点距離が比較的長く、絞り(F値)設定値が小さいと推定できる。
このような特徴を有する撮像画像データにおいて、撮像レンズの焦点距離及び絞り(F値)設定値が推定と異なる場合も複写をしている可能性が推定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「ボケ」が生じていることである場合は、例えば、上記の複数項目から「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」、「絞り(F値)設定値」を選択し、マーキングする。
【0091】
(6)雪景
画像解析処理の結果、撮像画像に雪や氷が写り込む場合は、解析部21は、撮像画像の特徴を「雪景」と判定することができる。この場合、撮像画像に雪や氷が写り込んでいることから、撮像時の気温が低く、冬の季節で、寒い地方であることが推定できる。
このような特徴を有する撮像画像データにおいて、撮像画像に雪や氷が写り込んでいるのに、撮像時の気温が高く、撮像した時期も冬ではなく、暖かい地方で撮像されていた場合は、撮像済みの撮像画像を複写したものである可能性があると推定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「雪景」である場合は、例えば、上記の複数項目から「気温」、「撮像の際の日時」、「撮像した位置」を選択し、マーキングする。
【0092】
(7)登山
画像解析処理の結果、登山の風景である場合は、解析部21は、撮像画像の特徴を「登山」と判定することができる。登山の風景は山地で撮像されるため、高い高度と低気圧が想定される。また、登山の風景が撮像された山の名称を特定できれば撮像時の位置を特定することができる。
このような特徴を有する撮像画像データにおいて、登山の風景であるのに、撮像時の気圧データが高く、位置データが山にいなかった場合は、自身で撮像したものではなく複写したものである可能性が高いと推定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「登山」中に撮像されたことである場合は、例えば、上記の複数項目から「気圧」、「撮像した位置」が選択される。
【0093】
(8)移動体
画像解析処理の結果、撮像画面に飛翔する鳥やジャンプする猫などが固定されて映り込んでいる場合は、解析部21は、撮像画像の特徴を「移動体」と判定することができる。飛翔する鳥やジャンプする猫などが固定されて映り込んでいるため、撮像画像は高いシャッタースピードで撮像が行われたものと推定できる。
このような特徴を有する撮像画像データにおいて、動く動物が固定して映り込んでいるのに撮像時のシャッタースピードが低い場合は、複写した撮像画像である可能性が高いと推定できる。
そこで解析部21は、撮像画像の特徴が「移動体」を撮像したことである場合は、例えば、上記の複数項目から「シャッタースピード(SS値)」が選択される。
【0094】
上記の他にも、様々な撮像画像の特徴に応じた様々な項目へのマーキングが行われる。
【0095】
ステップS105において、撮像画像の特徴に応じた項目にマーキングをする処理を実行すると、解析部21は、ステップS106において、撮像画像データと、撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出する。
撮像画像データのみならず撮像画像データに対応するメタデータを含めてハッシュ値を算出しておくことで、検証装置4側の検証処理において、検証対象の撮像画像データとの比較の際に、撮像時のメタデータを含めて比較を行うことができる。
【0096】
解析部21は、ステップS107において電子署名処理要求を行う。即ち、解析部21は、外部端末3に算出したハッシュ値を送信するとともに、署名データを生成することを要求する。
ここで、外部端末3は、記憶部31から秘密鍵を取得し、解析部21から取得したハッシュ値に対して秘密鍵を用いて暗号化することで署名データを生成する。これにより、公開鍵を持つ第三者であれば、署名データを復号化することで、当該撮像画像データに付与されたハッシュ値を取得することが可能となる。
その後、外部端末3は、生成した署名データと公開鍵を解析部21に送信する。これにより、解析部21は、ステップS108において、署名データを取得する。
【0097】
そして解析部21は、ステップS109において、ファイル統合処理を行う。即ち、解析部21は、ハッシュ値を用いて生成された署名データを、撮像画像データ及びマーキング情報が設定されたメタデータと統合して、
図6に示すような画像ファイルを生成する。
解析部21は、ステップS110において、生成した画像ファイルをストレージメディア32に記録する記録処理を行う。
【0098】
その後、解析部21は、ステップS111において、検証装置4へ画像ファイルを送信する。これにより、検証装置4へ登録するための画像ファイルが送信される。
【0099】
以上により、撮像装置1側の解析部21による撮像画像の特徴に応じた項目にマーキングする処理、及び検証装置4に送信するための画像ファイルを生成する処理が実現される。
【0100】
なお、本実施の形態では、解析部21が、取得した撮像画像データについて画像解析処理を行い、画像解析結果に応じて撮像画像の特徴判定処理を行うこととしたが、当該画像解析処理及び特徴判定処理を外部機器、即ち、特定の記録機器、情報処理端末、クラウドサーバなどが行うこととしてもよい。
この場合、例えば解析部21は、ステップS103において、カメラ信号処理部15から取得した撮像画像データをクラウドサーバに送信する。クラウドサーバ側では、画像解析処理及び特徴判定処理を行い、特徴判定処理による判定結果を解析部21を有する撮像装置1に送信する。
解析部21は、ステップS104において、クラウドサーバ側から送信された当該判定結果を取得する。その後解析部21は、ステップS105において、クラウドサーバから取得した撮像画像の特徴に応じたメタデータに対してマーキングを実行する。
【0101】
また、本実施の形態では、外部端末3が署名データを生成することとしたが、撮像装置1において解析部21が署名データを生成することとしてもよい。
この場合、解析部21は、ステップS107において、外部端末3から秘密鍵及び公開鍵の情報を取得し、ステップS108において取得した秘密鍵と、ステップS106で算出したハッシュ値を用いて署名データを生成することができる。秘密鍵は、撮像装置1の内部で保管することとしてもよい。
【0102】
また、
図9の処理では、解析部21はステップS110において、生成した画像ファイルをストレージメディア32に記憶してから、ステップS111において、検証装置4へ画像ファイルを送信することとしたが、検証装置4へ画像ファイルを送信してから当該画像ファイルをストレージメディア32に記憶することとしてもよい。
さらに、解析部21はステップS110において、生成した画像ファイルをストレージメディア32に記憶した時点で
図9の処理を一端終了し、検証装置4へ画像ファイルを送信するタイミングになった際に、ステップS111においてストレージメディア32から画像ファイルを読み出し、検証装置4に送信することとしてもよい。
またここでは、
図9のステップS105の処理において、解析部21が撮像画像の特徴に応じて撮像画像データに対応した複数項目に対してマーキングを行う例について説明したが、解析部21がマーキングをしなくてもよい処理例も考えられる。
例えば解析部21は、ステップS104で判定した撮像画像の特徴に応じて、ステップS105において項目を選択し、メタデータには選択された項目のみが含まれるようにしておく。
そして解析部21は、ステップS106において、撮像画像データと、撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出する。この場合の、ハッシュ値の算出に用いられるメタデータは、撮像画像の特徴の判定結果に応じて選択された項目の情報となる。
【0103】
次に、上述した実施の形態を実現するために行われる、検証装置4における撮像画像の検証処理について、
図10を参照して説明する。
検証装置4は、
図10の処理を例えば検証を希望する流通サービス300から画像ファイルを取得したタイミングで実行する。
【0104】
まず検証装置4は、ステップS201において、流通サービス300から取得した画像ファイルに署名データが含まれているか否かを判定する。
取得した画像ファイルに署名データが含まれていない場合、検証装置4はステップS202において、取得した画像ファイルに含まれる撮像画像データについて画像解析処理を行い、撮像画像の特徴点を抽出する。
【0105】
その後、検証装置4は、ステップS203において、
図8に示すような特徴点DB51を参照し、ステップS202で抽出した撮像画像の特徴点を有する撮像画像データが存在するかを確認する。特徴点DB51には、あらかじめ検証装置4が画像解析処理を行い、登録されている画像ファイルの撮像画像データごとに抽出した特徴点が記憶されている。
【0106】
ステップS203において、検証対象の特徴点を有する撮像画像データが存在しない場合、検証装置4は、ステップS204において、「類似コンテンツはありません」といった判定を行う。即ち、検証対象の画像と類似する撮像画像は、検証装置4に登録されていないと判定する。
【0107】
このとき、検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させる。
例えば、
図11に示すような、流通サービス300側の端末の表示画面90の画像表示領域91に検証対象となった撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「類似コンテンツはありません」といった判定結果を表示させる。その後、検証装置4は
図10の処理を終える。
【0108】
一方、ステップS203において、検証対象の特徴点を有する撮像画像データが存在する場合、検証装置4は、ステップS206において、「類似コンテンツがあります」といった判定をする。またこのとき「Aさんの×××の写真と80%の類似性があります」といったように類似コンテンツとされる撮像画像の類似の度合いを判定することもできる。類似の度合いは、例えば、検証対象と類似コンテンツの特徴点の合致する項目の数に応じて判定することができる。
【0109】
検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させる。
例えば、
図11に示すような、流通サービス300側の端末の表示画面90の画像表示領域91に類似していると考えられる撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「類似コンテンツがあります」との判定結果に加えて、「Aさんの×××の写真と80%の類似性があります」といった類似コンテンツの登録者情報や類似の度合いを表示させる。その後、検証装置4は
図10の処理を終える。
【0110】
ステップS201において、流通サービス300から取得した画像ファイルに署名データが含まれている場合、検証装置4は、ステップS207に処理を進め、当該署名データが失効しているかを判定する。検証装置4は、認証局200側の端末に署名データの情報を送信し、認証局200側の端末から署名データが失効しているか否かの情報を取得することで、署名データの有効性を判定する。
【0111】
署名データが失効している場合、検証装置4は、ステップS207からステップS208に処理を進め、「コンテンツの署名が無効です」といった判定をする。その後、検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させる。その後、検証装置4は
図10の処理を終える。
【0112】
一方、ステップS207において、署名データが失効していない(有効である)場合、検証装置4は、ステップS209に処理を進め、検証対象の画像ファイルに記録された撮像画像データと当該撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出する。
検証装置4は、ステップS210において、算出した検証対象のハッシュ値と登録された署名データのハッシュ値が同一であるかを判定する。同一でない場合は、検証対象の撮像画像データと撮像画像データに対応するメタデータの何れかに何らかの改ざんがあったものと考えられる。
そのため、検証装置4は、ステップS211において、「コンテンツは無効です」といった判定を行う。即ち、検証対象の撮像画像データは、登録されている撮像画像データに何らかの改ざんが行われたものであると判定する。
【0113】
検証装置4は、ステップS205においてその旨を流通サービス300側の端末に表示させる。
流通サービス300側の端末には、例えば、
図11に示すような、表示画面90の画像表示領域91に検証対象となった撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「コンテンツは無効です」といった判定結果を表示させる。その後、検証装置4は
図10の処理を終える。
【0114】
算出した検証対象のハッシュ値と署名データのハッシュ値が同一である場合、検証装置4はステップS210からステップS212に処理を進める。ステップS212において流通サービス300側が署名データのみの検証を要求している場合は、検証装置4はステップS212からステップS213に処理を進め、「コンテンツは有効です」といった判定を行う。即ち、検証対象の撮像画像データは、登録されている撮像画像データから何ら改ざん等されていない真正なものであることが判定される。
【0115】
検証装置4は、ステップS205においてその旨を流通サービス300側の端末に表示させる。
流通サービス300側の端末には、例えば、
図11に示すような、表示画面90の画像表示領域91に検証対象となった撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「コンテンツは有効です」といった判定結果を表示させる。その後、検証装置4は
図10の処理を終える。
【0116】
一方、ステップS212において、流通サービス300側が、メタデータを用いた真正性検証や登録された撮像画像との類似性判断といった、署名データ以外についても検証を要求している場合、検証装置4はステップS212からステップS214に処理を進め、検証対象の撮像画像データについて画像解析処理を行う。検証装置4は、取得した画像ファイルに含まれる撮像画像データについて画像解析処理を行い、撮像画像の特徴点を抽出する。
【0117】
その後、検証装置4は、ステップS215において、メタデータの真正性を判定する。
具体的には、検証装置4は、署名データを有する画像ファイルについて、当該画像ファイルの撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータについて、マーキングされた項目を抽出する。そして検証装置4は、マーキングされた項目が当該画像ファイルに含まれる撮像画像データの特徴を反映させた値の範囲内であるか否かを判定する。
なお、前述した当該画像ファイルのメタデータが選択された項目のみで構成される例については、マーキング情報が付加されていなくてもよいが、この場合、メタデータがそのような撮像画像データの特徴に応じた項目のみで構成されている。このとき検証装置4は、メタデータとされた項目の情報が当該画像ファイルに含まれる撮像画像データの特徴を反映させた値の範囲内であるか否かを判定すればよい。
【0118】
ステップS215において、マーキングされた項目の値が撮像画像データの特徴を反映させた値の範囲内でなく、メタデータの真正性がないと判定された場合、検証装置4はステップS216において、
図8に示すような特徴点DB51を参照し、ステップS214で抽出した撮像画像の特徴点を有する撮像画像データが存在するかを確認する。
【0119】
ステップS216において、検証対象の特徴点を有する登録された撮像画像データが存在しない場合、検証装置4は、ステップS217において、「コンテンツに疑義があります」「複写の可能性が疑われます」といった判定を行う。即ち、登録された撮像画像とは類似していないが、登録されていない他の撮像画像の複写である可能性があると判定する。
【0120】
そのため、検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させ、
図10の処理を終える。
【0121】
ここで、流通サービス300側の端末に表示させる提示態様には様々な例が考えられる。
例えば、メタデータの真正性がないと判定された項目が「被写体までの距離」であった場合は、
図12に示すような、流通サービス300側の端末の表示画面90の画像表示領域91に検証対象となった撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「コンテンツに疑義があります」「複写の可能性が疑われます」といった判定結果を表示させる。また領域93にメタデータの真正性がないと判定された「被写体までの距離」の値を表示させることができる。
【0122】
またメタデータの真正性がないと判定された項目が「撮像環境の明るさ(EV値)」であった場合は、
図13に示すような、流通サービス300側の端末の表示画面90の画像表示領域91に検証対象となった撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「コンテンツに疑義があります」「複写の可能性が疑われます」といった判定結果を表示させる。また領域94にメタデータの真正性がないと判定されたEV値を表示させることができる。
【0123】
上記の他にも撮像画像データに対応した様々な項目、例えば、「被写体までの距離」、「撮像レンズの焦点距離」、「撮像した位置」、「感度(ISO感度)」、「絞り(F値)設定値」、「シャッタースピード(SS値)」、「撮像の際の日時」、「気温」、「気圧」などの値について表示させることができる。また表示する項目は、例えば、「被写体までの距離」、「撮像環境の明るさ(EV値)」といったように複数の項目を同時に表示させることもできる。
上記のような表示を行うことで、判定結果を確認する者が、検証結果とともに撮像した構図と、距離情報やEV値等の項目とを見比べることができるため、撮像画像に対してより高度に判断することができる。
【0124】
一方、ステップS216において、検証対象の特徴点を有する登録された撮像画像データが存在する場合、検証装置4は、ステップS218において、「類似コンテンツがあります」「Aさんの×××の写真と80%の類似性があります」といった判定を行う。即ち、類似コンテンツは、Aさんの登録している撮像画像の複写の可能性があると判定する。
そこで、検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させ、
図10の処理を終える。このときの表示態様としては、上述した
図12や
図13に示すような表示が考えられる。
【0125】
ステップS215に戻り、マーキングされた項目の値が撮像画像データの特徴を反映させた値の範囲内であり、メタデータの真正性があると判定された場合、検証装置4はステップS219において、
図8に示すような特徴点DB51を参照し、ステップS214で抽出した撮像画像の特徴点を有する撮像画像データが存在するかを確認する。
【0126】
ステップS219において、検証対象の特徴点を有する登録された撮像画像データが存在しない場合、検証装置4は、ステップS213に処理を進め、「コンテンツは有効です」といった判定を行う。即ち、検証対象の撮像画像データは、登録されている撮像画像データから何ら改ざん等されていない真正なものであることが判定される。
そこで検証装置4は、ステップS205において、
図11に示すようにその旨を流通サービス300側の端末に表示させ、
図10の処理を終える。
【0127】
一方、ステップS219において、検証対象の特徴点を有する登録された撮像画像データが存在する場合、検証装置4は、ステップS220において、特徴点を有する登録された撮像画像データ(検証対象の撮像画像データ)について、特殊撮像された撮像画像データが登録されているか否かを判定する。
例えば、検証装置4は、特徴点を有する登録された撮像画像データの前後に、連写によって時刻の連続する撮像画像が
図8の画像DB50に記憶されている場合に、撮像画像データが特殊撮像されていると判定する。
複数の連写された撮像画像の比較により、動いている被写体は移動が確認できるため、画像の真正性(オリジナリティ)、つまりその撮像者が実際に現場にいて撮像した事実が、より高い蓋然性で検証されるためである。
なお、画像DB50に記憶されている時刻の連続する撮像画像は、検証対象の撮像画像データの前後の撮像画像データであるとしたが、検証対象の撮像画像データの前後の何れかに撮像された撮像画像データがあるか否かのみをもって、特殊撮像されていると判定することとしてもよい。
【0128】
また、検証装置4は、撮像画像データよりも画角の広い他の撮像画像データが画像DB50に記憶されている場合に、撮像画像データが特殊撮像されていると判定する。
ここで画角とは、撮像する画像のうちイメージセンサに写る範囲を表すものである。従って、画角が広くなると撮像範囲が広くなり、逆に画角が狭くなると撮像範囲が狭くなる。
例えば、検証装置4は、特徴点を有する登録された撮像画像データと共に、当該撮像画像のズームアウト画像が画像DB50に記憶されている場合に、撮像画像データが特殊撮像されていると判定する。
また、検証装置4は、特徴点を有する登録された撮像画像データがクロップされた画像である場合に、クロップされた撮像画像と共に、クロップ前の撮像画像が画像DB50に記憶されている場合に、撮像画像データが特殊撮像されていると判定することもできる。
撮像者でしか記録しえない画角の広い(情報の多い)画像と組み合わせることで、高い蓋然性で撮像者が正にその場で撮像したこと、つまり画像の真正性(オリジナリティ)が検証されるためである。
【0129】
ステップS220において、上記のような特徴点を有する撮像画像データに関連する画像が登録されていなかった場合は、検証装置4は特徴点を有する登録された撮像画像データが特殊撮像されていないと判定し、ステップS206に処理を進める。
検証装置4は、ステップS206において、「類似コンテンツがあります」いった判定をする。またこのとき「Aさんの×××の写真と80%の類似性があります」といったように類似コンテンツの類似の度合いを判定することもできる。即ち、署名データにより検証対象は登録されたユーザ自身の撮像画像であるが、Aさんの撮像画像を真似て撮像した可能性があると判定することができる。
【0130】
検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させる。
例えば、
図11に示すような、流通サービス300側の端末の表示画面90の画像表示領域91に類似していると考えられる撮像画像を表示させ、判定結果表示領域92に「類似コンテンツがあります」「Aさんの×××の写真と80%の類似性があります」といった判定結果を表示させる。その後、検証装置4は
図10の処理を終える。
【0131】
ステップS220において、上記のような特徴点を有する撮像画像データに関連する画像が登録されていた場合は、検証装置4は特徴点を有する登録された撮像画像データが特殊撮像されていると判定し、ステップS221に処理を進める。
【0132】
検証装置4は、ステップS221において、「類似コンテンツがあります」といった判定をする。またこのとき「Aさんの×××の写真と95%の類似性があり、かつ特殊撮像がされています」といったように類似コンテンツの類似の度合いを判定することもできる。
ここで、特徴点を有する登録された撮像画像データは特殊撮像を有しているため、検証対象の撮像画像とAさんの撮像画像では、Aさんの撮像画像のほうがオリジナルである可能性が高い。そのため、検証対象である撮像画像の類似度合いを80%よりも高く判定する。
【0133】
検証装置4はステップS205において、その旨を流通サービス300側の端末に表示させる。
ここで、特殊撮像の種類によって様々な表示態様が考えられる。
例えば、
図14に示すように、特徴点を有する登録された撮像画像データの前後に、連写によって時刻の連続する連続写真が記憶されている場合は、検証装置4は流通サービス300側の端末の表示画面90に特徴点を有する撮像画像データの前後の撮像画像データも画像表示領域91に表示される。このとき、連続写真であることが分かるように、それぞれの画像の領域95に撮像日時の情報を表示させる。
【0134】
また、例えば、
図15に示すように、特徴点を有する登録された撮像画像データとズームアウトした状態の撮像画像データが記憶されている場合は、検証装置4は流通サービス300側の端末の表示画面90に特徴点を有する撮像画像データの他にズームアウトした状態の撮像画像データも画像表示領域91に表示される。このとき、ズームアウトした状態であることが分かるように、それぞれの画像の領域96に撮像レンズの焦点距離の情報を表示させる。
【0135】
また、例えば
図16に示すように、特徴点を有する登録された撮像画像データがクロップされたものである場合に、クロップ前の撮像画像データが記憶されている場合は、検証装置4は流通サービス300側の端末の表示画面90にクロップ前の撮像画像データを画像表示領域91に表示してもよい。このとき、クロップされた撮像画像データが分かるように、クロップされた撮像画像データの領域97を破線で囲って表示する。
検証装置4は上記のような表示態様を流通サービス300側の端末に表示させた後、
図10の処理を終える。
以上により、本実施の形態における検証装置4による撮像画像の検証処理が実現される。
【0136】
最後に、上述した実施の形態を実現するために行われる、流通サービス300側の端末の検証要求処理について、
図17を参照して説明する。
流通サービス300側の端末はステップS301において、検証したい撮像画像データを含む画像ファイルを検証装置4に送信し、ステップS302において検証装置4からの検証結果を受信するまで待機する。
流通サービス300側の端末は、検証装置4からの検証結果を受信すると、ステップS303において、検証結果を表示部に表示する。流通サービス300側の端末には、その判定結果に応じて
図11から
図16等の画像が表示される。
以上により、本実施の形態における流通サービス300側の端末による撮像画像の検証要求処理が実現される。
【0137】
<6.まとめ及び変形例>
実施の形態の撮像装置1に搭載された画像処理装置(解析部21)は、撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータのうち、真正性検証に関連するメタデータを選択する設定部27を備える。また設定部27は、前記真正性検証に関連するメタデータにマーキング情報を設定する設定部27を備える(
図9参照)。
これにより、撮像画像データの特徴を反映している項目にマーキング情報が設定される。 このように、検証対象の撮像画像が真正なものであるか(他人の作品を複写したもの等でないか)を判定する際に、撮像画像の特徴を加味することで、精度の高い判定を行うことができる。
例えば、撮像画像の特徴が遠景である場合に、「被写体までの距離」を撮像画像の真正性判定に用いることで、一見同じに見える撮像画像であっても、一方の「被写体までの距離」が不自然であることをもって、既に撮像した他人の作品を複写したものであることを推定することができる。
【0138】
また、真正性検証に関連するメタデータにマーキング情報を設定する処理は、撮像装置1から送信されてきた撮像画像データを登録する際に、
図8に示す検証装置4側で特徴点を抽出して特徴点DB51に記録することもできる。
ここで、当該マーキング情報を設定する処理を外部端末における画像処理装置(解析部21)が行うことで、検証装置4側の処理負担を軽減することができる。
【0139】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部28を備え、統合処理部29は、前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記マーキング情報が設定されたメタデータと統合して記録可能とすることが考えられる(
図9のS105からS110等参照)。
これにより、同じ撮像画像データであっても撮像画像データに対応するメタデータが異なる場合は異なるハッシュ値が算出される。
このように、撮像画像データのみではなく、撮像の際の「被写体までの距離」、「撮像環境の明るさ(EV値)」等の撮像装置1の状態に関する情報を含むハッシュ値を算出し、署名データを生成することで、一見同じ撮像画像であっても、実際にユーザがその場で構図を決めて撮像をしたものであるか、即ち、既に撮像したものを複写したものでないかどうかをハッシュ値が一致するか否かをもって判定することができる。
従って、「被写体までの距離」、「撮像環境の明るさ(EV値)」等の撮像装置1の状態に関する情報を反映させたうえで、検証対象の撮像画像がオリジナルであるか(他人の作品を複写したものでないか)を容易に判定することができる。
【0140】
なお、ハッシュ値算出部28は、マーキング情報が設定された項目に対応するメタデータにてハッシュ値を計算することとしてもよい(
図9のS105,S106等参照)。これにより、マーキング情報が設定された項目、即ち、撮像画像データの特徴を反映する項目のメタデータを用いてハッシュ値が算出される。
【0141】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部30を備える(
図9のS107,S108等参照)。
撮像画像データの撮像を行ったユーザが公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを暗号化して送信した場合、当該署名データを受信した第三者が公開鍵で署名データを復号することができれば、撮像画像データの撮像を行ったユーザが送信したことを受信者側で検証することができる。これにより、ハッシュ値を暗号化することによる署名データの生成が、ユーザの操作に基づいて行われたことを容易に証明することができる。
また、画像処理装置(解析部21)に生成制御部30を設けておくことで、他の端末を用いることなく画像処理装置(解析部21)が内蔵された撮像装置1があれば、署名データの生成を行うことができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0142】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部30が着脱可能な外部端末3に設けられており、統合処理部29は、外部端末3から前記署名データを取得する(
図9のS107,S108等参照)。
これにより、異なる撮像装置1で撮像した場合であっても、外部端末3を接続することで、撮像するユーザに対応する公開鍵暗号方式における秘密鍵に基づいて署名データを生成することができる。即ち、外部端末3を所持していれば、複数の撮像装置1についてユーザ自身が撮像したことを証明する署名データの生成を行うことができる。これは、例えば、自身の所持している撮像装置1が故障したとき、代替品としての撮像装置1においても署名データの生成が可能となる点で便利である。
【0143】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、撮像画像データに対応した複数項目には撮像対象までの距離情報が含まれる(
図5等参照)。
これは特に、撮像画像の特徴が接写又は遠景を撮像したものである場合や、人や動物等、特定の被写体を対象に撮像したものである場合等に有用である。
例えば、無限遠近くの円形の構図で、撮像距離が無限遠であれば、実際に遠景を撮像した蓋然性が高くなる。逆に無限遠近くの円形の構図であるのに撮像距離が短ければ、撮像された画像を複写したものである蓋然性が高くなる。
そこで、撮像対象までの距離を、真正性を担保した状態で記録しておくことで、実際に撮像した者が撮像した画像であるか(例えば、既に撮像された画像を複写したものでないか)を容易に判定することができる。
【0144】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、撮像画像データに対応した複数項目には露出制御に関する情報が含まれる(
図5等参照)。
これは特に、撮像画像の特徴が夜景又は昼景を撮像したものである場合等に有用である。
例えば、夜景の構図で、EV値が0付近であれば、実際に暗い夜景を撮像した蓋然性が高くなる。逆に、EV値が10程度と高ければ、暗い環境でなく、明るい室内で複写したものである蓋然性が高くなる。
そこで、撮像対象のEV値を真正性を担保された状態で記録しておくことで、実際に撮像した者が撮像した画像であるか(例えば、既に撮像された画像を複写したものでないか)を容易に判定することができる。
【0145】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、撮像画像データに対応した複数項目には前記撮像画像データの撮像日時に関する情報が含まれる(
図5等参照)。
これは特に、撮像画像の特徴が夜景又は昼景等の撮像時刻を反映させたものである場合や、雪景等の撮像時期を反映させたものである場合等に有用である。
例えば、雪景の構図で、撮像日時が冬である12月であれば、実際に冬に撮像した蓋然性が高くなる。逆に、雪景の構図であるにも関わらず、撮像日時が夏である7月であれば、雪が降っていることは想定しにくいため、既に撮像された雪景の画像の複写である蓋然性が高くなる。
そこで、撮像対象の撮像日時を真正性を担保された状態で記録しておくことで、実際に撮像した者が撮像した画像であるか(例えば、既に撮像された画像を複写したものでないか)を容易に判定することができる。
【0146】
実施の形態の画像処理装置(解析部21)において、署名データ、撮像画像データ、及びマーキング情報が設定されたメタデータを統合したファイルデータを出力する通信部18を備える(
図9のS111等参照)。これにより、署名データ、撮像画像データ及びマーキング情報が設定されたメタデータを統合したファイルデータを、撮像画像データの真正性を検証する装置に送信することができる。
【0147】
また実施の形態の画像処理装置(検証装置4)は、撮像画像データと、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含み前記撮像画像データの特徴に応じた項目にマーキング情報が設定されたメタデータと、を含む統合ファイルから、前記マーキング情報が設定された項目の情報を取得する情報管理部43と、前記撮像画像データの特徴と、前記マーキング情報が設定された項目との真正性を判定する真正性判定部47と、を備える(
図10のS214、S215等参照)。
即ち、撮像画像データの特徴を反映する度合いの高い、マーキング情報が設定された項目が不自然な値を示していることをもって、真正性がないと判定する。例えば、遠景を撮像したことを特徴とする撮像画像データにおいて、撮像対象までの距離があまりにも近い場合には真正性ないものと判定する。これにより、撮像画像が本人が撮像したものでなく、既に撮像したものを複写したものである等、本来の撮像環境とは異なる環境で撮像がされたことを推定することができ、撮像者自身が撮像した画像でないことを判断することができる。
【0148】
実施の形態の画像処理装置(検証装置4)において、情報管理部43は、真正性判定部47による真正性判定に応じた結果を出力する(
図10のS205等参照)。
これにより、例えば真正性を判定するために統合ファイルを送信した端末に、真正性の判定結果が送信される。従って、流通サービス300側の端末に判定結果が表示されることで、検証の依頼者が撮像画像を見ながら判断を行うことができる。特に真正性判定に用いられた、マーキングされた項目の情報を検証結果の撮像画像と共に表示することで、依頼者側は、検証結果の理由を知ることできるようになる。
【0149】
実施の形態の画像処理装置(検証装置4)において、撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録部42と、情報管理部43が取得した統合ファイルの撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、前記算出したハッシュ値と前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との真正性を判定する署名検証部44と、を備える(
図10のS209、S210等参照)。
これにより、登録されている統合ファイルの撮像画像データと検証対象の撮像画像データが同じであっても撮像画像データに対応するメタデータが異なる場合は異なるハッシュ値となるため、真正性がないと判定する。従って、検証対象の撮像画像データと撮像画像データに対応するメタデータの何れかに何らかの改ざんがあったことを容易に判定することができる。
【0150】
実施の形態の画像処理装置(検証装置4)において、署名データは算出したハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて生成され、署名検証部44は前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて前記署名データから算出したハッシュ値を取得する(
図10のS210等参照)。
撮像画像データの撮像を行ったユーザが公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを暗号化して送信した場合、当該署名データを受信した第三者が当該秘密鍵に対応する(ペアとなった)公開鍵で署名データを復号することができれば、当該署名データから取得したハッシュ値が、撮像を行ったユーザの撮像画像データによるものであることを検証することができる。従って、署名データに係るハッシュ値の真正性を担保した状態で、検証対象の撮像画像のハッシュ値と比較をすることができる。
【0151】
実施の形態の画像処理装置(検証装置4)において、真正性判定部47は、撮像画像データの撮像時間の前後の何れかに撮像された他の撮像画像データの有無に応じて真正性を判定する(
図10のS220等参照)。
撮像画像データの撮像時間の前後に撮像された撮像画像を有していることは、自身が撮像を行ったことの信頼性を高める根拠となる。即ち、連写のうちの一部の画像が流通され、その他の時刻を非公開にして保管しておくことで流通した画像の真正性が問われた際に、保管した前後の時刻の画像をもって自らが撮影者で撮影したことの証拠となることが期待できる
このような複数の連写画像の比較により、動いている被写体は移動が確認できるため、画像の真正性(オリジナリティ)、つまりその撮影者が実際に現場にいて撮影した事実が、より高い蓋然性で検証することが可能になる。
【0152】
実施の形態の画像処理装置(検証装置4)において、真正性判定部47は、撮像画像データよりも画角の広い他の撮像画像データの有無に応じて真正性を判定する(
図10のS220等参照)。
撮像画像データよりも画角の広い他の撮像画像を有していることは、自身が撮像を行ったことの信頼性を高める根拠となる。即ち、ズームアウトの画像を非公開にして保管しておくことで、流通した画像(画角の狭い画像)の真正性が問われた際に、自らが撮像者で撮像したことの証拠となることが期待できる。
このような撮像画像の真正性の判断にあたり、撮像者でしか記録し得ない画角の広い(情報の多い)画像とを組み合わせることで、高い蓋然性で撮像者がまさにその場で撮像したこと、つまり画像の真正性(オリジナリティ)を検証することが可能となる。
【0153】
また実施の形態の撮像装置1は、撮像部13と、撮像部13により得られる撮像画像データの特徴を判定し、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータにおいて前記判定した特徴に応じた項目を選択する特徴判定部25と、特徴判定部25で選択した項目のマーキング情報をメタデータに設定する設定部27と、前記撮像画像データと、前記マーキング情報が設定されたメタデータとを統合して記録可能とする統合処理部29と、を備える(
図9等参照)。
従って、上記した画像処理装置(解析部21)の機能が撮像装置1として同様に実現され、画像処理装置(解析部21の構成により発揮される効果と同様の効果が実現される。
また、上記した画像処理装置(解析部21)の機能が撮像装置1で実現されることで、撮像装置1から直接、撮像画像データを検証装置4に送り登録することができるようになる。即ち、マーキング情報を設定する処理を撮像装置1に内蔵された画像処理装置(解析部21)が行うことで、検証装置4側の処理負担を軽減することができる。
【0154】
実施の形態のプログラムは、
図9の処理を、例えばCPU、DSP等、或いはこれらを含むデバイスに実行させるプログラムである。
即ち実施の形態のプログラムは、撮像画像データの特徴を判定し、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータにおいて前記判定した特徴に応じた項目を選択する特徴判定処理と、前記特徴判定処理において選択した項目のマーキング情報をメタデータに設定する設定処理と、前記撮像画像データと、前記マーキング情報が設定されたメタデータとを統合して記録可能とする統合処理と、を画像処理装置に実行させるプログラムである。このようなプログラムにより、上述した画像処理装置を、例えばデジタルスチルカメラ1Aやデジタルビデオカメラ1B等の撮像装置1や、撮像機能を有するスマートフォン等の携帯端末2などの機器において実現できる。
【0155】
また実施の形態のプログラムは、
図10の処理を、例えばCPU、DSP等、或いはこれらを含むデバイスに実行させるプログラムである。
即ち実施の形態のプログラムは、撮像画像データと、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含み前記撮像画像データの特徴に応じた項目にマーキング情報が設定されたメタデータと、を含む統合ファイルから、前記マーキング情報が設定された項目の情報を取得する取得処理と、前記撮像画像データの特徴と、前記マーキング情報が設定された項目との真正性を判定する真正性判定処理と、を画像処理装置に実行させるプログラムである。このようなプログラムにより、上述した画像処理装置を、例えば検証装置4として用いられるコンピュータ装置などの機器において実現できる。
【0156】
このようなプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記録媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))、磁気ディスク、半導体メモリ、メモリカードなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0157】
またこのようなプログラムによれば、実施の形態の画像処理装置の広範な提供に適している。例えばパーソナルコンピュータ、携帯型情報処理装置、携帯電話機、ゲーム機器、ビデオ機器、PDA(Personal Digital Assistant)等にプログラムをダウンロードすることで、当該パーソナルコンピュータ等を、本開示の画像処理装置として機能させることができる。
【0158】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
また、本明細書に記載された実施の形態の説明はあくまでも一例であり、本技術が上述の実施の形態に限定されることはない。従って、上述した実施の形態以外であっても、本技術の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能なことはもちろんである。
【0159】
本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータのうち、真正性検証に関連するメタデータを選択する設定部を備える
画像処理装置。
(2)
前記設定部は、前記選択した前記真正性検証に関連するメタデータにマーキング情報を設定する
上記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータについてハッシュ値を算出するハッシュ値算出部と、
前記ハッシュ値を用いて生成された署名データを、前記撮像画像データ及び前記マーキング情報が設定されたメタデータと統合して記録可能とする統合処理部と、を備える
上記(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部を備える
上記(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記ハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて署名データを生成する生成制御部が着脱可能な外部端末に設けられており、
前記統合処理部は、前記外部端末から前記署名データを取得する
上記(3)に記載の画像処理装置。
(6)
前記撮像画像データに対応した複数項目には撮像対象までの距離情報が含まれる
上記(1)から(5)の何れかに記載の画像処理装置。
(7)
前記撮像画像データに対応した複数項目には露出制御に関する情報が含まれる
上記(1)から(6)の何れかに記載の画像処理装置。
(8)
前記撮像画像データに対応した複数項目には前記撮像画像データの撮像日時に関する情報が含まれる
上記(1)から(7)の何れかに記載の画像処理装置。
(9)
前記署名データ、前記撮像画像データ、及び前記マーキング情報が設定されたメタデータを統合したファイルデータを出力する通信部を備える
上記(3)から(5)の何れかに記載の画像処理装置。
(10)
撮像画像データと、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する情報管理部と、
前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目との真正性を判定する真正性判定部と、を備える
画像処理装置。
(11)
前記情報管理部は、前記撮像画像データと、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含み前記撮像画像データの特徴に応じた項目にマーキング情報が設定されたメタデータと、を含む統合ファイルから、前記マーキング情報が設定された項目の情報を取得し、
前記真正性判定部は、前記撮像画像データの特徴と、前記マーキング情報が設定された項目との真正性を判定する
上記(10)に記載の画像処理装置。
(12)
前記情報管理部は、前記真正性判定部による真正性判定に応じた結果を出力する
上記(10)又は(11)に記載の画像処理装置。
(13)
撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータと、前記撮像画像データ及び前記撮像画像データに対応するメタデータについて算出したハッシュ値を用いて生成された署名データと、を含む統合ファイルを登録するコンテンツ登録部と、
前記情報管理部が取得した統合ファイルの撮像画像データと、前記撮像画像データに対応するメタデータとを用いてハッシュ値を算出し、前記算出したハッシュ値と前記登録した統合ファイルの署名データに用いられたハッシュ値との真正性を判定する署名検証部と、を備える
上記(10)から(12)の何れかに記載の画像処理装置。
(14)
前記署名データは前記算出したハッシュ値と公開鍵暗号方式における秘密鍵を用いて生成され、前記署名検証部は前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて前記署名データから前記算出したハッシュ値を取得する
上記(13)に記載の画像処理装置。
(15)
前記真正性判定部は、前記撮像画像データの撮像時間の前後の何れかに撮像された他の撮像画像データの有無に応じて真正性を判定する
上記(10)から(14)の何れかに記載の画像処理装置。
(16)
前記真正性判定部は、前記撮像画像データよりも画角の広い他の撮像画像データの有無に応じて真正性を判定する
上記(10)から(15)の何れかに記載の画像処理装置。
(17)
撮像部と、
前記撮像部により得られる撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータのうち、真正性検証に関連するメタデータを選択する設定部と、を備える
撮像装置。
(18)
撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータのうち、真正性検証に関連するメタデータを選択することを画像処理装置が実行する画像処理方法。
(19)
撮像画像データの特徴に基づき、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報を含むメタデータのうち、真正性検証に関連するメタデータを選択する処理を画像処理装置に実行させるプログラム。
(20)
撮像画像データと、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得し、
前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目との真正性を判定することを画像処理装置が実行する画像処理方法。
(21)
撮像画像データと、前記撮像画像データに対応した複数項目の情報から真正性検証に関連するものとして選択された項目を含むメタデータと、を含む統合ファイルから、前記選択された項目の情報を取得する取得処理と、
前記撮像画像データの特徴と、前記選択された項目との真正性を判定する真正性判定処理と、を画像処理装置に実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0160】
1 撮像装置、3 外部端末、4 検証装置、13 撮像部、18 通信部、21 解析部、25 特徴判定部、27 設定部、28 ハッシュ値算出部、29 統合処理部、30 生成制御部、42 コンテンツ登録部、43 情報管理部、44 署名検証部、47 真正性判定部