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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20241001BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20241001BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20241001BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241001BHJP
【FI】
H05K7/20 S
G06K7/00 073
G03B17/55
G03B17/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021570666
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(86)【国際出願番号】 JP2020043648
(87)【国際公開番号】W WO2021145072
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2020005042
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】山田 一成
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-271643(JP,A)
【文献】特開2015-125309(JP,A)
【文献】特開2015-29036(JP,A)
【文献】特開2017-191487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06K 7/00
G03B 17/55
G03B 17/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体がそれぞれ装着される複数のメディアスロットと、
前記複数のメディアスロットがそれぞれ実装されたプリント配線基板と、
前記プリント配線基板が取り付けられた基板取付ベースと、
前記記憶媒体で発生する熱を伝導し伝熱方向の切替が可能な伝熱方向切替部とを備え、
前記複数のメディアスロットにそれぞれ装着された前記記憶媒体に対するアクセス状態に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
電子機器。
【請求項2】
前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、
前記記憶媒体のうち少なくとも一つずつがそれぞれ駆動状態と非駆動状態にされたときに、
駆動状態にある前記記憶媒体に発生する熱が非駆動状態にある前記記憶媒体が装着された前記メディアスロットへ向けて伝導されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、
前記記憶媒体のうち少なくとも一つずつがそれぞれ駆動状態と非駆動状態にされたときに、
駆動状態にある前記記憶媒体に発生する熱が前記記憶媒体が装着されていない前記メディアスロットへ向けて伝導されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
熱を放出する放熱体が設けられ、
前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、
全ての前記メディアスロットにそれぞれ前記記憶媒体が装着され全ての前記記憶媒体が駆動状態にされたときに、
全ての前記記憶媒体から前記放熱体へ向けて伝熱されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記伝熱方向切替部として、供給される電流の向きに応じて伝熱方向が変換されるペルチェ素子が用いられた
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記記憶媒体に発生する熱が前記基板取付ベースを伝導される
請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記伝熱方向切替部が前記基板取付ベースに接した状態で配置された
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記プリント配線基板に銅ブロックが取り付けられ、
前記銅ブロックが前記基板取付ベースに接し前記メディアスロットの少なくとも一つに対向した状態で位置された
請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数のメディアスロットが前記プリント配線基板における同一の面に実装された
請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記記憶媒体に対するアクセス状態を検出するアクセス状態検出部が設けられ、
前記アクセス状態検出部の検出結果に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記複数のメディアスロットにそれぞれ装着された前記記憶媒体に対するアクセス状態を変更する変更操作部が設けられ、
前記変更操作部の操作に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は記憶媒体がそれぞれ装着される複数のメディアスロットを有する電子機器についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表される携帯端末や撮像装置として機能するカメラ等の各種の電子機器には、筐体の内部に配置されたプリント配線基板を有し、プリント配線基板に複数のメディアスロットが実装されたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。メディアスロットに対しては、例えば、筐体に開閉可能に支持された蓋体が開放されることによりメモリーカード等の記憶媒体の装着及び取出が可能にされ、メディアスロットに装着された記憶媒体に対してアクセスされることによりデータの書き込み又は読み出しが行われる。
【0003】
このような複数のメディアスロットを有する電子機器においては、記憶媒体に対するアクセスが行われ記憶媒体が駆動状態にされているときに、記憶媒体において熱が生じる。特に、近年、データ量の増加により、記憶媒体に記憶されるデータの大容量化が進展されていると共にデータの書込や読出を行うときのアクセス速度の高速化も図られ、記憶媒体からの発熱量も大きくなる傾向にある。
【0004】
記憶媒体の発熱量が増加すると、発生した熱により筐体の内部の温度分布が不均一になり、周囲の電子部品等に熱の影響が及んで電子機器の動作に支障が生じたり記憶媒体の寿命の低下や動作不良を生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-101478号公報
【文献】特開2012-134814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、近年、記憶媒体からの発熱量が大きくなる傾向にあり、特に、複数のメディアスロットを有する電子機器においては、記憶媒体の駆動時における発熱量が大きくなり易い。
【0007】
従って、複数のメディアスロットを有する電子機器においては、記憶媒体に発生した熱が効率的に放出されることが望ましいが、各メディアスロットに装着された各記憶媒体においては電子機器の動作状態に応じて熱の発生量が異なる場合もあり、放熱経路によっては効率的な放熱状態を確保し難くなるおそれがある。
【0008】
そこで、本技術電子機器は、各記憶媒体に対するアクセス状態に拘わらず放熱効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1に、本技術に係る電子機器は、記憶媒体がそれぞれ装着される複数のメディアスロットと、前記複数のメディアスロットがそれぞれ実装されたプリント配線基板と、前記プリント配線基板が取り付けられた基板取付ベースと、前記記憶媒体で発生する熱を伝導し伝熱方向の切替が可能な伝熱方向切替部とを備え、前記複数のメディアスロットにそれぞれ装着された前記記憶媒体に対するアクセス状態に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられるものである。
【0010】
これにより、複数のメディアスロットにそれぞれ装着された記憶媒体に対するアクセス状態に応じて切り替えられた伝熱方向へ記憶媒体に発生する熱が伝導される。
【0011】
第2に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、前記記憶媒体のうち少なくとも一つずつがそれぞれ駆動状態と非駆動状態にされたときに、駆動状態にある前記記憶媒体に発生する熱が非駆動状態にある前記記憶媒体が装着された前記メディアスロットへ向けて伝導されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられることが望ましい。
【0012】
これにより、伝熱方向が切り替えられた伝熱方向切替部によって駆動状態にある記憶媒体から非駆動状態にある記憶媒体が装着されたメディアスロットへ向けて熱が伝導される。
【0013】
第3に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、前記記憶媒体のうち少なくとも一つずつがそれぞれ駆動状態と非駆動状態にされたときに、駆動状態にある前記記憶媒体に発生する熱が前記記憶媒体が装着されていない前記メディアスロットへ向けて伝導されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられることが望ましい。
【0014】
これにより、伝熱方向が切り替えられた伝熱方向切替部によって駆動状態にある記憶媒体から記憶媒体が装着されていないメディアスロットへ向けて熱が伝導される。
【0015】
第4に、上記した本技術に係る電子機器においては、熱を放出する放熱体が設けられ、前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、全ての前記メディアスロットにそれぞれ前記記憶媒体が装着され全ての前記記憶媒体が駆動状態にされたときに、全ての前記記憶媒体から前記放熱体へ向けて伝熱されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられることが望ましい。
【0016】
これにより、伝熱方向が切り替えられた伝熱方向切替部によって駆動状態にある全ての記憶媒体から放熱体へ向けて熱が伝導される。
【0017】
第5に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記伝熱方向切替部として、供給される電流の向きに応じて伝熱方向が変換されるペルチェ素子が用いられることが望ましい。
【0018】
これにより、供給される電流の向きに応じて伝熱方向切替部として機能するペルチェ素子の伝熱方向が変換される。
【0019】
第6に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記記憶媒体に発生する熱が前記基板取付ベースを伝導されることが望ましい。
【0020】
これにより、記憶媒体に発生する熱を伝導するための専用の部材を必要としない。
【0021】
第7に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記伝熱方向切替部が前記基板取付ベースに接した状態で配置されることが望ましい。
【0022】
これにより、記憶媒体に発生した熱が基板取付ベースと伝熱方向切替部の間で伝導され易くなる。
【0023】
第8に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記プリント配線基板に銅ブロックが取り付けられ、前記銅ブロックが前記基板取付ベースに接し前記メディアスロットの少なくとも一つに対向した状態で位置されることが望ましい。
【0024】
これにより、記憶媒体に発生した熱がメディアスロットに対向して位置された銅ブロックを介して基板取付ベース又はメディアスロットに伝達される。
【0025】
第9に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記複数のメディアスロットが前記プリント配線基板における同一の面に実装されることが望ましい。
【0026】
これにより、複数のメディアスロットがプリント配線基板の一方の面側に位置される。
【0027】
第10に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記記憶媒体に対するアクセス状態を検出するアクセス状態検出部が設けられ、前記アクセス状態検出部の検出結果に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられることが望ましい。
【0028】
これにより、アクセス状態検出部の検出結果に応じた伝熱方向切替部の伝熱方向の切替により記憶媒体に発生する熱が伝達される。
【0029】
第11に、上記した本技術に係る電子機器においては、前記複数のメディアスロットにそれぞれ装着された前記記憶媒体に対するアクセス状態を変更する変更操作部が設けられ、前記変更操作部の操作に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられることが望ましい。
【0030】
これにより、メディアスロットに装着された記憶媒体に対するアクセス状態を変更する変更操作部の操作に応じた伝熱方向切替部の伝熱方向の切替により記憶媒体に発生する熱が伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図2乃至図28と共に本技術の実施の形態を示すものであり、本図は、電子機器の斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3】プリント配線基板等の内部構造を示す電子機器の断面図である。
図4】プリント配線基板の背面図である。
図5】プリント配線基板等の斜視図である。
図6】電子機器の内部構造の一部を示す拡大断面図である。
図7図8及び図9と共に熱の伝導経路を示すものであり、本図は、第1の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図8】第2の記憶媒体が駆動状態にあり第1の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図9】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体が何れも駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図10図11と共に伝熱方向切替部として熱伝導部材が設けられた例を示すものであり、本図は、第1の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体が非駆動状態にある場合の熱の伝導経路を示す概略断面図である。
図11】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体が何れも駆動状態にある場合の熱の伝導経路を示す概略断面図である。
図12図13と共に第1のメディアスロットと第2のメディアスロットが基板取付ベースの反対側に配置された例を示すものであり、本図は、第1の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体が非駆動状態にある場合の熱の伝導経路を示す概略断面図である。
図13】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体が何れも駆動状態にある場合の熱の伝導経路を示す概略断面図である。
図14】三つのメディアスロットが設けられた例を示す斜視図である。
図15図16乃至図18と共に三つのメディアスロットが設けられた例における熱の伝導経路を示すものであり、本図は、第1の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体と第3の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図16】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体が駆動状態にあり第3の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図17】第1の記憶媒体と第3の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図18】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体と第3の記憶媒体が何れも駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図19】四つのメディアスロットが設けられた例を示す斜視図である。
図20図21乃至図27と共に四つのメディアスロットが設けられた例における熱の伝導経路を示すものであり、本図は、第1の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体と第3の記憶媒体と第4の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図21】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体が駆動状態にあり第3の記憶媒体と第4の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図22】第1の記憶媒体と第3の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体と第4の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図23】第1の記憶媒体と第4の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体と第3の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図24】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体と第3の記憶媒体が駆動状態にあり第4の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図25】第1の記憶媒体と第3の記憶媒体と第4の記憶媒体が駆動状態にあり第2の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図26】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体と第4の記憶媒体が駆動状態にあり第3の記憶媒体が非駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図27】第1の記憶媒体と第2の記憶媒体と第3の記憶媒体と第4の記憶媒体が駆動状態にある場合の例を示す概略断面図である。
図28】電子機器(撮像装置)のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本技術電子機器を実施するための形態を添付図面を参照して説明する。
【0033】
以下に示した実施の形態は、本技術電子機器をカメラ等の撮像装置のうちスチルカメラである一眼レフカメラに適用したものである。但し、本技術の適用範囲は一眼レフカメラに限られることはない。本技術は、例えば、一眼レフカメラ以外のスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置、携帯電話に代表される携帯端末、テレビジョン等の表示装置、ヘッドホンやイヤホンやスピーカー等の音響出力装置、コンピューター等の情報処理装置等の筐体の内部にプリント配線基板が配置された各種の電子機器に広く適用することができる。
【0034】
以下の説明にあっては、スチルカメラの撮影時において撮影者から被写体を見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、スチルカメラの有するレンズ又はマウント部の中心を通る光軸を基準に表現すれば、光軸上の物体側(被写体)が前方となり、光軸上の像面側が後方となる。尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0035】
<電子機器の構成>
電子機器(一眼レフカメラ)1は装置本体2と交換レンズ3によって構成されている(図1及び図2参照)。但し、交換レンズ3が装着されない撮像装置においては、電子機器1が装置本体2のみによって構成されていてもよい。
【0036】
装置本体2は筐体4の内外に所要の各部が配置されて成る。筐体4には、例えば、上面や後面等に各種の操作部5、5、・・・が配置されている。操作部5としては、例えば、電源釦、シャッター釦、ズーム摘子、モード切替摘子等が設けられている。
【0037】
筐体4の後面にはディスプレイ6が配置されている。筐体4の前面には円形状の図示しない開口が形成され、開口の周囲の部分に交換レンズ3を装着するための図示しない円環状のマウント部が設けられている。
【0038】
筐体4の内部にはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の図示しない撮像素子が配置され、撮像素子は開口の後方に位置されている。
【0039】
筐体4には、一方の側面部に第1の開口部4aが形成され下面部に第2の開口部4bが形成されている。筐体4の上端部にはファインダー部7が設けられている。電子機器1の使用者はディスプレイ6又はファインダー部7により被写体の像を視認することが可能であり、ディスプレイ6により撮影した画像や映像を視認することも可能である。
【0040】
筐体4の一部、例えば、シャッター釦が設けられた部分である右端部は、グリップ部4cとして設けられている。グリップ部4cは前側の部分が他の部分より前側に膨らむように突出され、電子機器1の撮影時等に使用者の手で把持される部分である。
【0041】
前側の部分が他の部分より前側に膨らむように突出されたグリップ部4cが撮影時に手で把持されることにより、電子機器1の安定した把持状態が確保される。また、シャッター釦が設けられた部分がグリップ部4cとして設けられることにより、使用者がグリップ部4cを把持した手と同じ手でシャッター釦を操作することが可能になり、撮影を容易かつ速やかに行うことが可能になり、撮影を容易に行うことができると共に撮影機会の損失を低減することができる。
【0042】
筐体4には第1の開口部4aを開閉する第1の蓋体8が支持されている。第1の蓋体8によって第1の開口部4aが開閉されることにより、筐体4の内部において第1の開口部4aの内側に配置された内壁部9と内壁部9が開放され又は閉塞される。内壁部9には下側と上側に第1の挿通孔9aと第2の挿通孔9bが離隔して形成されている。尚、内壁部9は筐体4の一部として筐体4に一体に形成されていてもよい。
【0043】
筐体4には第2の開口部4bを開閉する第2の蓋体10が支持されている。筐体4の内部にはバッテリーケース11が配置されている。バッテリーケース11は、例えば、放熱性の高い金属材料によって下方に開口された箱状に形成され、第2の蓋体10の上方に位置されている。
【0044】
第2の蓋体10によって第2の開口部4bが開閉されることにより、バッテリーケース11が開放され又は閉塞される。バッテリーケース11の内部には図示しない端子部が設けられている。
【0045】
バッテリーケース11にはバッテリー40が挿入されて装着される。バッテリーケース11にバッテリー40が装着され第2の蓋体10が閉塞された状態においては、バッテリーケース11の内部に設けられた端子部がバッテリー40に設けられた図示しないコネクター部に接続される。
【0046】
交換レンズ3は装置本体2に着脱可能にされ、外筒12の内外に所要の各部が配置されて成る。
【0047】
外筒12の外周面には複数の調整用リング13が回転可能に支持されている。調整用リング13は、例えば、フォーカシング調整やズーミング調整や絞りの光量調整等を行う機能を有している。
【0048】
外筒12の内部には図示しない複数のレンズ群が光軸方向(前後方向)に離隔して配置されている。外筒12の後端部には図示しないレンズマウントが取り付けられている。レンズマウントがマウント部に結合されることにより、交換レンズ3が装置本体2に装着される。
【0049】
筐体4の内部には基板取付ベース14が配置されている(図2参照)。基板取付ベース14は、例えば、熱伝導性の高い金属材料によって形成されたシャーシであり、横長の略矩形状に形成されている。基板取付ベース14の前面14aにおける左右一方の側部にはバッテリーケース11の後面部11aが取り付けられている。
【0050】
筐体4の内部にはプリント配線基板15が配置されている(図2乃至図5参照)。プリント配線基板15は、例えば、横長の形状に形成され、例えば、両面にそれぞれ図示しない電子部品等が実装された両面基板として用いられている。尚、プリント配線基板15は厚み方向における一方の面のみに電子部品等が実装された片面基板であってもよい。
【0051】
プリント配線基板15は前面15aが基板取付ベース14の後面14bに接した状態で取り付けられている(図6参照)。プリント配線基板15は左右一方の側部16が基板取付ベース14を挟んでバッテリーケース11の真後ろに位置されている。
【0052】
側部16にはペルチェ素子17と銅ブロック18が上下に離隔した状態で取り付けられている(図4乃至図6参照)。ペルチェ素子17と銅ブロック18は、例えば、矩形の板状に形成されている。
【0053】
ペルチェ素子17は、例えば、一対の第1のセラミック基板17aと第2のセラミック基板17bの間に半導体素子を有する導電層17cが設けられた構造にされている(図6参照)。ペルチェ素子17は厚み方向において熱を伝導する機能を有し、導電層17cに供給される電流の向きに応じて伝熱方向の切替が可能にされている。
【0054】
従って、ペルチェ素子17において、導電層17cに一方の向きで電流が供給されると、第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向けて熱が伝導され、導電層17cに他方の向きで電流が供給されると、第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向けて熱が伝導される。このようにペルチェ素子17は伝熱方向の切替が可能にされており、伝熱方向切替部として機能する。
【0055】
ペルチェ素子17は、例えば、第1のセラミック基板17aの前面がプリント配線基板15の前面15aと同一平面上に位置されて基板取付ベース14の後面14bに面接触され、第2のセラミック基板17bの後面がプリント配線基板15の後面15bと同一平面上に位置されている。
【0056】
銅ブロック18は、例えば、前面18aがプリント配線基板15の前面15aと同一平面上に位置されて基板取付ベース14の後面14bに面接触され、後面18bがプリント配線基板15の後面15bと同一平面上に位置されている。
【0057】
側部16の後面には下側と上側にそれぞれ第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20が離隔した状態で取り付けられている(図3及び図5参照)。
【0058】
第1のメディアスロット19は熱伝導性の高い金属材料によって形成された第1のケース体21と側部16に取り付けられた第1のコネクター22とを有している。第1のケース体21は前方及び側方における一方に開口され、銅ブロック18を後方から覆う状態でプリント配線基板15の後面15bに取り付けられている。従って、第1のケース体21の後面部は銅ブロック18と対向した状態にされている。第1のケース体21の側方における一方の端部は第1の挿通孔9aの近傍において内壁部9に取り付けられ、第1のケース体21の側方における他方の端部には第1のコネクター22が位置されている。
【0059】
第1のメディアスロット19には第1の記憶媒体50が挿入されて装着される。第1の記憶媒体50は第1の蓋体8が開放された状態において、内壁部9の第1の挿通孔9aに挿通され第1のケース体21に挿入されて第1のメディアスロット19に装着される。第1の記憶媒体50が第1のメディアスロット19に装着された状態においては、第1の記憶媒体50に形成された図示しない端子部が第1のコネクター22に接続される。
【0060】
第1のメディアスロット19に装着された第1の記憶媒体50には、プリント配線基板15及び第1のコネクター22を介して中央演算処理装置等の図示しない制御部によりアクセスが行われて信号の入出力が行われ、データの書込又は書き込まれたデータの読取が行われる。第1の記憶媒体50に対するデータの書込又は読取が行われている状態は第1の記憶媒体50の駆動状態であり、第1の記憶媒体50に対するデータの書込も読取も行われていない状態は第1の記憶媒体50の非駆動状態である。
【0061】
第2のメディアスロット20は熱伝導性の高い金属材料によって形成された第2のケース体23と側部16に取り付けられた第2のコネクター24とを有している。第2のケース体23は前方及び側方における一方に開口され、ペルチェ素子17を後方から覆う状態でプリント配線基板15の後面15bに取り付けられている。従って、第2のケース体23の後面部はペルチェ素子17と対向した状態にされている。第2のケース体23の側方における一方の端部は第2の挿通孔9bの近傍において内壁部9に取り付けられ、第2のケース体23の側方における他方の端部には第2のコネクター24が位置されている。
【0062】
第2のメディアスロット20には第2の記憶媒体60が挿入されて装着される。第2の記憶媒体60は第1の蓋体8が開放された状態において、内壁部9の第2の挿通孔9bに挿通され第2のケース体23に挿入されて第2のメディアスロット20に装着される。第2の記憶媒体60が第2のメディアスロット20に装着された状態においては、第2の記憶媒体60に形成された図示しない端子部が第2のコネクター24に接続される。
【0063】
第2のメディアスロット20に装着された第2の記憶媒体60には、プリント配線基板15及び第2のコネクター24を介して制御部によりアクセスが行われて信号の入出力が行われ、データの書込又は書き込まれたデータの読取が行われる。第2の記憶媒体60に対するデータの書込又は読取が行われている状態は第2の記憶媒体60の駆動状態であり、第2の記憶媒体60に対するデータの書込も読取も行われていない状態は第2の記憶媒体60の非駆動状態である。
【0064】
尚、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に関し、第1のメディアスロット19又は第2のメディアスロット20に装着された状態でデータの書込又は読取が行われている場合は駆動状態であり、第1のメディアスロット19又は第2のメディアスロット20に装着された状態においてもデータの書込又は読取が行われていない場合は非駆動状態である。
【0065】
第1のコネクター22と第2のコネクター24はそれぞれ銅ブロック18とペルチェ素子17の近傍に位置されている。
【0066】
上記のように、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60は駆動状態又は非駆動状態の何れかの状態にされるが、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が駆動状態にあるときには第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60がそれぞれ発熱する。
【0067】
電子機器1には第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に対するアクセス状態をそれぞれ検出するアクセス状態検出部が設けられ、例えば、上記した中央演算処理装置等の制御部がアクセス状態検出部として機能する。従って、アクセス状態検出部によって第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に対するアクセス状態が検出され、アクセス状態検出部の検出結果によって第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60がそれぞれ駆動状態であるか非駆動状態であるかが判別される。
【0068】
<熱の伝導経路>
以下に、上記した電子機器1において第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生する熱の伝導経路について説明する(図7乃至図9参照)。
【0069】
尚、図7乃至図9においては、理解を容易にするために、各部の構成及び位置関係を簡略化して示すと共に伝熱方向の切替が可能にされた伝熱方向切替部として機能するペルチェ素子17をクロスした斜線を付して示す。また、以下には、説明を簡単にするために、第1のメディアスロット19又は第2のメディアスロット20に装着された第1の記憶媒体50又は第2の記憶媒体60は何れも駆動状態にあり、装着された状態において非駆動状態にはされていないこととして説明を行う。
【0070】
尚、以下には、各記憶媒体に発生する熱が伝熱される主とした伝熱経路のみについて説明する(メディアスロットが三つ又は四つ設けられた例(図14乃至図27)においても同じ。)。従って、例えば、第1の記憶媒体50が第1のメディアスロット19に装着された状態においては第1の記憶媒体50に発生した熱が第1のメディアスロット19やプリント配線基板15等からも放出され、第2の記憶媒体60が第2のメディアスロット20に装着された状態においては第2の記憶媒体60に発生した熱が第2のメディアスロット20やプリント配線基板15等からも放出されるが、これらの熱の放出量は少なく、以下には、これらの熱の伝導経路についての説明は省略する。
【0071】
また、以下においては、記憶媒体がメディアスロットに装着されていない場合にも、この記憶媒体が非駆動状態にあるとして説明する(メディアスロットが三つ又は四つ設けられた例(図14乃至図27)においても同じ。)。
【0072】
第1の記憶媒体50が駆動状態にされ第2の記憶媒体60が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図7参照)。
【0073】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からバッテリーケース11に伝導されると共に基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。
【0074】
バッテリーケース11に伝導された熱はバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。従って、バッテリーケース11とバッテリー40は熱を放出する放熱体として機能する。
【0075】
一方、ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0076】
従って、第1の記憶媒体50に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0077】
逆に、第1の記憶媒体50が非駆動状態にされ第2の記憶媒体60が駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図8参照)。
【0078】
このとき第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からバッテリーケース11に伝導されると共に基板取付ベース14から銅ブロック18に伝導される。
【0079】
バッテリーケース11に伝導された熱はバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0080】
一方、銅ブロック18に伝導された熱は、銅ブロック18から第1のメディアスロット19に伝導され、第1のメディアスロット19から放出される。
【0081】
従って、第2の記憶媒体60に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40又は第1のメディアスロット19から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40又は第1のメディアスロット19から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0082】
また、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が何れも駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図9参照)。このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からバッテリーケース11に伝導される。第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からバッテリーケース11に伝導される。
【0083】
バッテリーケース11に伝導された熱はバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0084】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生した熱は何れもバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。また、バッテリーケース11又はバッテリー40から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0085】
上記したように、電子機器1にあっては、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生する熱がプリント配線基板15の取付部材として機能する基板取付ベース14を伝導される。
【0086】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生する熱を伝導するための専用の部材を必要とせず、部品点数の削減を図った上で伝熱効率の向上を図ることができる。
【0087】
また、伝熱方向切替部として機能するペルチェ素子17が基板取付ベース14に接した状態で配置されている。
【0088】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生した熱が基板取付ベース14とペルチェ素子17の間で伝導され易くなるため、ペルチェ素子17による伝熱方向の切替によって伝熱効率の向上を図った上で放熱効率の向上を図ることができる。
【0089】
さらに、プリント配線基板15に銅ブロック18が取り付けられ、銅ブロック18が基板取付ベース14に接し第1のメディアスロット19に対向した状態で位置されている。
【0090】
従って、第1の記憶媒体50又は第2の記憶媒体60に発生した熱が第1のメディアスロット19に対向して位置された銅ブロック18を介して基板取付ベース14又は第1のメディアスロット19に伝達されるため、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60から基板取付ベース14又は第1のメディアスロット19への伝熱効率の向上による放熱効率の向上を図ることができる。
【0091】
尚、上記には、プリント配線基板15に取り付けられた銅ブロック18によって伝熱が行われる例を示したが、銅ブロック18に代えて、例えば、スルーホールが形成され、スルーホールによって伝熱が行われる構成にされていてもよい。
【0092】
さらにまた、全てのメディアスロットである第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20にそれぞれ装着された第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が何れも駆動状態にされたときに、全ての記憶媒体である第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60から放熱体として機能するバッテリーケース11とバッテリー40へ向けて伝熱されるように伝熱方向切替部として機能するペルチェ素子17の伝熱方向が切り替えられる。
【0093】
従って、伝熱方向が切り替えられたペルチェ素子17によって駆動状態にある全ての記憶媒体から放熱体へ向けて熱が伝導されるため、伝熱効率及び放熱効率の向上を図ることができる。
【0094】
さらにまた、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20がプリント配線基板15における同一の面に実装されているため、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20がプリント配線基板15の一方の面側に位置され、電子機器1の薄型化を確保した上で第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生する熱の放熱効率の向上を図ることができる。
【0095】
上記したペルチェ素子17の伝熱方向の切替は、例えば、アクセス状態検出部の検出結果に応じて行われる。
【0096】
即ち、アクセス状態検出部の検出結果によって第1の記憶媒体50が駆動状態であり第2の記憶媒体60が非駆動状態であることが検出されると、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられる。また、アクセス状態検出部の検出結果によって第1の記憶媒体50が非駆動状態であり第2の記憶媒体60が駆動状態であることが検出されると、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられる。さらに、アクセス状態検出部の検出結果によって第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60の何れもが駆動状態であることが検出されると、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられる。
【0097】
従って、アクセス状態検出部の検出結果に応じたペルチェ素子17の伝熱方向の切替により第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生する熱が伝達されるため、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生する熱を状況に応じた方向へ伝導して放熱効率の向上を図ることができる。
【0098】
尚、アクセス状態検出部の検出結果によって第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60の何れもが非駆動状態であることが検出された場合には、例えば、ペルチェ素子17に電流が供給されないように設定されている。
【0099】
<異なる伝熱方向切替部の例>
上記には、伝熱方向の切替が可能にされた伝熱方向切替部としてペルチェ素子17が設けられた例を示したが、伝熱方向切替部はペルチェ素子17以外であってもよく、例えば、以下のような熱伝導部材が伝熱方向切替部として設けられていてもよい(図10及び図11参照)。
【0100】
尚、以下の例においては、説明を簡単にするために、第1の記憶媒体50が第2の記憶媒体60に対して優先的に使用され、第1のメディアスロット19に装着された第1の記憶媒体50は第2の記憶媒体60が駆動状態か非駆動状態にされているか否かに拘わらず駆動状態にされることとして説明を行う(以下の図12乃至図27に示す構成の説明についても同じ。)。
【0101】
熱伝導部材25は基板取付ベース14とプリント配線基板15の内部において、例えば、上下方向へ図示しないアクチュエーター等を有する移動機構によって移動可能にされている。熱伝導部材25は、例えば、熱伝導性の高い金属材料によって形成されている。
【0102】
第1の記憶媒体50が駆動状態にされ第2の記憶媒体60が非駆動状態にされている場合に、熱伝導部材25は下方の移動端に移動される(図10参照)。このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からバッテリーケース11に伝導されると共に基板取付ベース14から熱伝導部材25に伝導される。
【0103】
バッテリーケース11に伝導された熱はバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0104】
一方、熱伝導部材25に伝導された熱は、熱伝導部材25から第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0105】
従って、第1の記憶媒体50に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0106】
また、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が何れも駆動状態にされている場合に、熱伝導部材25は上方の移動端に移動される(図11参照)。このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からバッテリーケース11に伝導される。第2の記憶媒体60に発生した熱は熱伝導部材25に伝達され、熱伝導部材25からバッテリーケース11に伝導される。
【0107】
バッテリーケース11に伝導された熱はバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0108】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生した熱は何れもバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。また、バッテリーケース11又はバッテリー40から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0109】
上記したように、第1の記憶媒体50が駆動状態にされ第2の記憶媒体60が非駆動状態にされている場合には、熱伝導部材25が下方の移動端に移動されて第1の記憶媒体50に発生した熱が基板取付ベース14から熱伝導部材25を介して第2のメディアスロット20に伝導され、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が何れも駆動状態にされている場合には、熱伝導部材25が上方の移動端に移動されて第2の記憶媒体60に発生した熱が熱伝導部材25を介してバッテリーケース11に伝導される。
【0110】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に対するアクセス状態に応じて熱伝導部材25の伝熱方向が切り替えられることになる。
【0111】
<メディアスロットの配置位置が異なる例>
上記には、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20が基板取付ベース14の後面14b側に配置された例を示したが、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20は基板取付ベース14の前面14a側と後面14b側に配置されていてもよい(図12及び図13参照)。例えば、第1のメディアスロット19が基板取付ベース14の後面14b側に配置され、第2のメディアスロット20が基板取付ベース14の前面14a側に配置される。
【0112】
この場合には、例えば、基板取付ベース14の前面14aにプリント配線基板15とは別のプリント配線基板26が取り付けられ、プリント配線基板26の前面に第2のメディアスロット20が取り付けられ、プリント配線基板15の第1のメディアスロット19に対向する位置に銅ブロック18が取り付けられ、プリント配線基板26の第2のメディアスロット20に対向する位置にペルチェ素子17が取り付けられる。
【0113】
第1の記憶媒体50が駆動状態にされ第2の記憶媒体60が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図12参照)。このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。
【0114】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0115】
従って、第1の記憶媒体50に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0116】
また、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が何れも駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図13参照)。このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0117】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生した熱は何れも基板取付ベース14から放出される。また、基板取付ベース14から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0118】
<三つのメディアスロットが設けられた構成>
上記には、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20の二つのメディアスロットが設けられた構成の例について説明したが、電子機器1には第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20に加えて第3のメディアスロット27の三つのメディアスロットが設けられていてもよい(図14参照)。
【0119】
第3のメディアスロット27は第3のケース体28と図示しない第3のコネクターとを有し、プリント配線基板26に取り付けられ、基板取付ベース14を挟んで第1のメディアスロット19の前側に位置されている。プリント配線基板26には第3のケース体28の前面部に対向する位置にペルチェ素子29が取り付けられ、ペルチェ素子29はペルチェ素子17と同様に、供給される電流の向きに応じて伝熱方向の切替が可能な伝熱方向切替部として機能する。ペルチェ素子29は一対の第1のセラミック基板29aと第2のセラミック基板29bを有し、第1のセラミック基板29aが第2のセラミック基板29bの前側に位置されている。
【0120】
以下に、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20と第3のメディアスロット27が設けられた場合における熱の伝導経路について説明する(図15乃至図18参照)。
【0121】
尚、図15乃至図18においては、理解を容易にするために、各部の構成及び位置関係を簡略化して示すと共にペルチェ素子17、29をクロスした斜線を付して示す。また、以下には、説明を簡単にするために、第1のメディアスロット19、第2のメディアスロット20又は第3のメディアスロット27に装着された第1の記憶媒体50、第2の記憶媒体60又は第3の記憶媒体70は何れも駆動状態にあり、装着された状態において非駆動状態にはされていないこととして説明を行う。
【0122】
第1の記憶媒体50が駆動状態にされ第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図15参照)。
【0123】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達される。基板取付ベース14に伝達された熱は基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導されると共にペルチェ素子17にも伝導される。ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0124】
一方、ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0125】
従って、第1の記憶媒体50に発生した熱は第3のメディアスロット27、バッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出される。また、第3のメディアスロット27、バッテリーケース11、バッテリー40又は第2のメディアスロット20から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0126】
第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が駆動状態にされ第3の記憶媒体70が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図16参照)。
【0127】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導される。ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0128】
一方、第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導される。
【0129】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0130】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40又は第3のメディアスロット27から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40又は第3のメディアスロット27から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0131】
第1の記憶媒体50と第3の記憶媒体70が駆動状態にされ第2の記憶媒体60が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図17参照)。
【0132】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0133】
一方、第3の記憶媒体70に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0134】
従って、第1の記憶媒体50と第3の記憶媒体70に発生した熱は第2のメディアスロット20から放出される。また、第2のメディアスロット20から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0135】
第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70が何れも駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図18参照)。
【0136】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0137】
第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0138】
第3の記憶媒体70に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0139】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70に発生した熱は基板取付ベース14から放出される。また、基板取付ベース14から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0140】
<四つのメディアスロットが設けられた構成>
上記には、二つのメディアスロット又は三つのメディアスロットが設けられた構成の例について説明したが、電子機器1には第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20に加えて第3のメディアスロット27と第4のメディアスロット30の四つのメディアスロットが設けられていてもよい(図19参照)。
【0141】
第4のメディアスロット30は第4のケース体31と図示しない第4のコネクターとを有し、プリント配線基板26に取り付けられ、基板取付ベース14を挟んで第2のメディアスロット20の前側に位置されている。プリント配線基板26には第4のケース体31の前面部に対向する位置にペルチェ素子32が取り付けられ、ペルチェ素子32はペルチェ素子17及びペルチェ素子29と同様に、供給される電流の向きに応じて伝熱方向の切替が可能な伝熱方向切替部として機能する。ペルチェ素子32は一対の第1のセラミック基板32aと第2のセラミック基板32bを有し、第1のセラミック基板32aが第2のセラミック基板32bの前側に位置されている。
【0142】
以下に、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20と第3のメディアスロット27と第4のメディアスロット30が設けられた場合における熱の伝導経路について説明する(図20乃至図27参照)。
【0143】
尚、図20乃至図27においては、理解を容易にするために、各部の構成及び位置関係を簡略化して示すと共にペルチェ素子17、29、32をクロスした斜線を付して示す。また、以下には、説明を簡単にするために、第1のメディアスロット19、第2のメディアスロット20、第3のメディアスロット27又は第4のメディアスロット30に装着された第1の記憶媒体50、第2の記憶媒体60、第3の記憶媒体70又は第4の記憶媒体80は何れも駆動状態にあり、装着された状態において非駆動状態にはされていないこととして説明を行う。
【0144】
第1の記憶媒体50が駆動状態にされ第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70と第4の記憶媒体80が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図20参照)。
【0145】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達される。基板取付ベース14に伝達された熱は基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導されると共にペルチェ素子17とペルチェ素子32にも伝導される。
【0146】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0147】
従って、第1の記憶媒体50に発生した熱は第3のメディアスロット27、バッテリーケース11、バッテリー40、第2のメディアスロット20又は第4のメディアスロット30から放出される。また、第3のメディアスロット27、バッテリーケース11、バッテリー40、第2のメディアスロット20又は第4のメディアスロット30から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0148】
第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60が駆動状態にされ第3の記憶媒体70と第4の記憶媒体80が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図21参照)。
【0149】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導されると共にペルチェ素子32にも伝導される。
【0150】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0151】
一方、第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子32に伝導されると共にペルチェ素子29にも伝導される。
【0152】
ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0153】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40、第3のメディアスロット27又は第4のメディアスロット30から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40、第3のメディアスロット27又は第4のメディアスロット30から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0154】
第1の記憶媒体50と第3の記憶媒体70が駆動状態にされ第2の記憶媒体60と第4の記憶媒体80が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図22参照)。
【0155】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導されると共にペルチェ素子32にも伝導される。
【0156】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0157】
一方、第3の記憶媒体70に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導されると共にペルチェ素子32にも伝導される。
【0158】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0159】
従って、第1の記憶媒体50と第3の記憶媒体70に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40、第2のメディアスロット20又は第4のメディアスロット30から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40、第2のメディアスロット20又は第4のメディアスロット30から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0160】
第1の記憶媒体50と第4の記憶媒体80が駆動状態にされ第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図23参照)。
【0161】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導されると共にペルチェ素子17にも伝導される。
【0162】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0163】
一方、第4の記憶媒体80に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導されると共にペルチェ素子29にも伝導される。
【0164】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0165】
従って、第1の記憶媒体50と第4の記憶媒体80に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40、第2のメディアスロット20又は第3のメディアスロット27から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40、第2のメディアスロット20又は第3のメディアスロット27から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0166】
第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70が駆動状態にされ第4の記憶媒体80が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図24参照)。
【0167】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子32に伝導される。
【0168】
ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0169】
第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子32に伝導される。
【0170】
ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0171】
第3の記憶媒体70に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子32に伝導される。
【0172】
ペルチェ素子32に伝導された熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第2のセラミック基板32bから第1のセラミック基板32aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板32aから第4のメディアスロット30に伝導され、第4のメディアスロット30から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0173】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70に発生した熱はバッテリーケース11、バッテリー40又は第4のメディアスロット30から放出される。また、バッテリーケース11、バッテリー40又は第4のメディアスロット30から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0174】
第1の記憶媒体50と第3の記憶媒体70と第4の記憶媒体80が駆動状態にされ第2の記憶媒体60が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図25参照)。
【0175】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。
【0176】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0177】
第3の記憶媒体70に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。
【0178】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0179】
第4の記憶媒体80に発生した熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板32bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子17に伝導される。
【0180】
ペルチェ素子17に伝導された熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第1のセラミック基板17aから第2のセラミック基板17bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板17bから第2のメディアスロット20に伝導され、第2のメディアスロット20から放出される。
【0181】
従って、第1の記憶媒体50と第3の記憶媒体70と第4の記憶媒体80に発生した熱は第2のメディアスロット20から放出される。また、第2のメディアスロット20から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0182】
第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第4の記憶媒体80が駆動状態にされ第3の記憶媒体70が非駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図26参照)。
【0183】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導される。
【0184】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0185】
第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導される。
【0186】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0187】
第4の記憶媒体80に発生した熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板32bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14からペルチェ素子29に伝導される。
【0188】
ペルチェ素子29に伝導された熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第2のセラミック基板29bから第1のセラミック基板29aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板29aから第3のメディアスロット27に伝導され、第3のメディアスロット27から放出されると共にバッテリーケース11に伝導されてバッテリーケース11又はバッテリー40から放出される。
【0189】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第4の記憶媒体80に発生した熱は第3のメディアスロット27から放出される。また、第3のメディアスロット27から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0190】
第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70と第4の記憶媒体80が何れも駆動状態にされている場合に、ペルチェ素子17は伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子29は伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向になる状態に切り替えられ、ペルチェ素子32は伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向になる状態に切り替えられる(図27参照)。
【0191】
このとき第1の記憶媒体50に発生した熱は銅ブロック18を介して基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0192】
第2の記憶媒体60に発生した熱は、ペルチェ素子17の伝熱方向が第2のセラミック基板17bから第1のセラミック基板17aへ向かう方向に切り替えられているため、第1のセラミック基板17aから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0193】
第3の記憶媒体70に発生した熱は、ペルチェ素子29の伝熱方向が第1のセラミック基板29aから第2のセラミック基板29bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板29bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0194】
第4の記憶媒体80に発生した熱は、ペルチェ素子32の伝熱方向が第1のセラミック基板32aから第2のセラミック基板32bへ向かう方向に切り替えられているため、第2のセラミック基板32bから基板取付ベース14に伝達され、基板取付ベース14の主に外周面から放出される。
【0195】
従って、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60と第3の記憶媒体70と第4の記憶媒体80に発生した熱は基板取付ベース14から放出される。また、基板取付ベース14から放出された熱の少なくとも一部は筐体4に伝導され、筐体4から大気中に放出される。
【0196】
<まとめ>
以上に記載した通り、電子機器1にあっては、熱を伝導し伝熱方向の切替が可能にされた伝熱方向切替部(ペルチェ素子17、29、32又は熱伝導部材25、以下同じ。)を備え、複数のメディアスロット(第1のメディアスロット19、第2のメディアスロット20、第3のメディアスロット27又は第4のメディアスロット30、以下同じ。)にそれぞれ装着された記憶媒体(第1の記憶媒体50、第2の記憶媒体60、第3の記憶媒体70又は第4の記憶媒体80、以下同じ。)に対するアクセス状態に応じて伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる。
【0197】
従って、複数のメディアスロットにそれぞれ装着された記憶媒体に対するアクセス状態に応じて切り替えられた伝熱方向へ記憶媒体に発生した熱が伝導されるため、記憶媒体に対するアクセス状態に拘わらず放熱効率の向上を図ることができる。
【0198】
特に、各メディアスロットに装着された各記憶媒体においては電子機器1の動作状態に応じて熱の発生量が異なる場合があり、記憶媒体に対するアクセス状態に応じて伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられることにより、各記憶媒体の駆動状態や熱の発生量に応じた放熱経路を設定して効率的な放熱状態を確保することができる。
【0199】
また、記憶媒体のうち少なくとも一つずつが駆動状態と非駆動状態にされたときに、駆動状態にある記憶媒体に発生する熱が非駆動状態にある記憶媒体が装着されたメディアスロット又は記憶媒体が装着されていないメディアスロットへ向けて伝導されるように伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる。
【0200】
従って、伝熱方向が切り替えられた伝熱方向切替部によって駆動状態にある記憶媒体から非駆動状態にある記憶媒体が装着されたメディアスロット又は記憶媒体が装着されていないメディアスロットへ向けて熱が伝導されるため、伝熱効率及び放熱効率の向上を図ることができる。
【0201】
さらに、伝熱方向切替部として、供給される電流の向きに応じて伝熱方向が変換されるペルチェ素子17、29、32が用いられることにより、供給される電流の向きに応じて伝熱方向切替部として機能するペルチェ素子17、29、32の伝熱方向が変換されるため、伝熱方向の制御を容易かつ確実に行うことができる。
【0202】
尚、電子機器1は、複数のメディアスロットにそれぞれ装着された各記憶媒体に対するアクセス状態を変更する変更操作部を有し、変更操作部の操作に応じて伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる構成にされてもよい。変更操作部として、例えば、操作部5、5、・・・のうちの何れかの操作部5を用いることが可能である。
【0203】
このような変更操作部が設けられることにより、メディアスロットにそれぞれ装着された各記憶媒体に対するアクセス状態を変更する変更操作部の操作に応じた伝熱方向切替部の伝熱方向の切替により各記憶媒体に発生する熱が伝達されるため、各記憶媒体に発生する熱を状況に応じた方向へ伝導して放熱効率の向上を図ることができる。
【0204】
<その他>
電子機器1においては、少なくとも二つのメディアスロットが設けられているが、複数のメディアスロットのうち一つのメディアスロットに装着される記憶媒体がメインの記憶媒体として用いられる構成にされていてもよい。
【0205】
例えば、第1のメディアスロット19と第2のメディアスロット20が設けられている場合に、第1のメディアスロット19に装着される第1の記憶媒体50がメインの記憶媒体として用いられ、第2のメディアスロット20に装着される第2の記憶媒体60が補助的な記憶媒体として用いられ、第1の記憶媒体50が有する記憶容量の全てが使用された場合に、自動的に第2の記憶媒体60に対してデータが記憶される構成にされていてもよい。
【0206】
このような場合に、第1の記憶媒体50が非駆動状態にされ第2の記憶媒体60が駆動状態にされたことがアクセス状態検出部によって検出されることにより、検出結果に応じて伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられるようにすることが可能である。
【0207】
また、第1の記憶媒体50と第2の記憶媒体60の駆動状態と非駆動状態が使用者の操作によりの切替可能にされ、使用者の切替操作に応じて伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる構成にすることも可能である。
【0208】
さらに、メディアスロットの数は五つ以上設けられていてもよく、これらのメディアスロットに対向して位置される銅ブロック、ペルチェ素子及び熱伝達部材の数及び配置態様は少なくとも一つのペルチェ素子又は熱伝達部材が設けられていれば任意である。
【0209】
<電子機器の一実施形態>
以下に、本技術電子機器(撮像装置)の一実施形態の構成例について説明する(図28参照)。
【0210】
電子機器(撮像装置)1には、例えば、撮像機能を担うカメラブロック90を有する交換レンズが装着される。尚、電子機器1がレンズ鏡筒を有する場合には、電子機器1にカメラブロック90が設けられる。
【0211】
電子機器1は、撮影された画像信号のアナログ-デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部91と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部92とを有している。また、電子機器1は、撮影された画像等を表示する表示部93と、メモリー99への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)94と、電子機器1の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)95と、カメラブロック90に配置されたレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部96と、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等の操作部97(操作部5)とを有している。
【0212】
電子機器1には、カメラブロック90によって取り込まれた光学像を電気的信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子98が設けられている。
【0213】
カメラ信号処理部91は、撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
【0214】
画像処理部92は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。
【0215】
表示部93はユーザーの操作部97に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。尚、電子機器1においては、表示部93が設けられていなくてもよく、撮影された画像データが他の表示装置に送出されて画像が表示されるように構成されていてもよい。
【0216】
R/W94は、画像処理部92によって符号化された画像データのメモリー99への書込及びメモリー99に記録された画像データの読出を行う。
【0217】
CPU95は、電子機器1に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、操作部97からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0218】
レンズ駆動制御部96は、CPU95からの制御信号に基づいてレンズを移動させる駆動源を制御する。
【0219】
操作部97はユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU95に対して出力する。
【0220】
メモリー99は、例えば、R/W94に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリー又は電子機器1の内部に予め組み込まれている半導体メモリーである。
【0221】
以下に、電子機器1における動作を説明する。
【0222】
撮影の待機状態では、CPU95による制御の下で、撮影された画像信号がカメラ信号処理部91を介して表示部93に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、操作部97からの指示入力信号が入力されると、CPU95がレンズ駆動制御部96に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部96の制御に基づいてレンズが移動される。
【0223】
操作部97からの指示入力信号により撮影動作が行われると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部91から画像処理部92に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W94に出力され、メモリー99に書き込まれる。
【0224】
メモリー99に記録された画像データを再生する場合には、操作部97に対する操作に応じて、R/W94によってメモリー99から所定の画像データが読み出され、画像処理部92によって伸張復号化処理が行われた後に、再生画像信号が表示部93に出力されて再生画像が表示される。
【0225】
尚、本技術において、「撮像」とは、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理から、カメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理、画像処理部92による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理、R/W94によるメモリー99への画像信号の書込処理までの一連の処理の一部のみ、または全てを含む処理のことを言う。
【0226】
即ち、「撮像」とは、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理のみを指してもよく、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理までを指してもよく、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理を経て、画像処理部92による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理までを指してもよく、撮像素子98による取り込まれた光を電気信号に変換する光電変換処理からカメラ信号処理部91による撮像素子98からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の処理、及び画像処理部92による所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理までを指してもよく、R/W94によるメモリー99への画像信号の書込処理までを指してもよい。
【0227】
上記の処理において各処理の順番は適宜入れ替わってもよい。
【0228】
また、本技術において、カメラブロック90及び電子機器1は、上記の処理を行う撮像素子98、カメラ信号処理部91、画像処理部92、R/W94の一部のみまたは全てを含むように構成されていてもよい。
【0229】
さらに、カメラブロック90が撮像素子98、カメラ信号処理部91、画像処理部92、R/W94のうち一部を含んで構成されていてもよい。
【0230】
<本技術>
本技術は、以下のような構成にすることもできる。
【0231】
(1)
記憶媒体がそれぞれ装着される複数のメディアスロットと、
前記複数のメディアスロットがそれぞれ実装されたプリント配線基板と、
前記プリント配線基板が取り付けられた基板取付ベースと、
前記記憶媒体で発生する熱を伝導し伝熱方向の切替が可能な伝熱方向切替部とを備え、
前記複数のメディアスロットにそれぞれ装着された前記記憶媒体に対するアクセス状態に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
電子機器。
【0232】
(2)
前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、
前記記憶媒体のうち少なくとも一つずつがそれぞれ駆動状態と非駆動状態にされたときに、
駆動状態にある前記記憶媒体に発生する熱が非駆動状態にある前記記憶媒体が装着された前記メディアスロットへ向けて伝導されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
前記(1)に記載の電子機器。
【0233】
(3)
前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、
前記記憶媒体のうち少なくとも一つずつがそれぞれ駆動状態と非駆動状態にされたときに、
駆動状態にある前記記憶媒体に発生する熱が前記記憶媒体が装着されていない前記メディアスロットへ向けて伝導されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
前記(1)に記載の電子機器。
【0234】
(4)
熱を放出する放熱体が設けられ、
前記記憶媒体はアクセス時に駆動状態にされ非アクセス時に非駆動状態にされ、
全ての前記メディアスロットにそれぞれ前記記憶媒体が装着され全ての前記記憶媒体が駆動状態にされたときに、
全ての前記記憶媒体から前記放熱体へ向けて伝熱されるように前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
前記(1)に記載の電子機器。
【0235】
(5)
前記伝熱方向切替部として、供給される電流の向きに応じて伝熱方向が変換されるペルチェ素子が用いられた
前記(1)から前記(4)の何れかに記載の電子機器。
【0236】
(6)
前記記憶媒体に発生する熱が前記基板取付ベースを伝導される
前記(1)から前記(5)の何れかに記載の電子機器。
【0237】
(7)
前記伝熱方向切替部が前記基板取付ベースに接した状態で配置された
前記(6)に記載の電子機器。
【0238】
(8)
前記プリント配線基板に銅ブロックが取り付けられ、
前記銅ブロックが前記基板取付ベースに接し前記メディアスロットの少なくとも一つに対向した状態で位置された
前記(1)から前記(7)の何れかに記載の電子機器。
【0239】
(9)
前記複数のメディアスロットが前記プリント配線基板における同一の面に実装された
前記(1)から前記(8)の何れかに記載の電子機器。
【0240】
(10)
前記記憶媒体に対するアクセス状態を検出するアクセス状態検出部が設けられ、
前記アクセス状態検出部の検出結果に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
前記(1)から前記(9)の何れかに記載の電子機器。
【0241】
(11)
前記複数のメディアスロットにそれぞれ装着された前記記憶媒体に対するアクセス状態を変更する変更操作部が設けられ、
前記変更操作部の操作に応じて前記伝熱方向切替部の伝熱方向が切り替えられる
前記(1)から前記(9)の何れかに記載の電子機器。
【符号の説明】
【0242】
1 電子機器
11 バッテリーケース(放熱体)
14 基板取付ベース
15 プリント配線基板
17 ペルチェ素子(伝熱方向切替部)
18 銅ブロック
19 第1のメディアスロット
20 第2のメディアスロット
25 熱伝導部材(伝熱方向切替部)
26 プリント配線基板
27 第3のメディアスロット
29 ペルチェ素子(伝熱方向切替部)
30 第4のメディアスロット
32 ペルチェ素子(伝熱方向切替部)
40 バッテリー(放熱体)
50 第1の記憶媒体
60 第2の記憶媒体
70 第3の記憶媒体
80 第4の記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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