(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 15/60 20060101AFI20241001BHJP
G06T 15/20 20110101ALI20241001BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20241001BHJP
【FI】
G06T15/60
G06T15/20 500
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2021573070
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(86)【国際出願番号】 JP2021000599
(87)【国際公開番号】W WO2021149526
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2020008905
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カダム アクシャト
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-175762(JP,A)
【文献】特開2008-234473(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031259(WO,A1)
【文献】特開2019-61558(JP,A)
【文献】特開2015-18294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 15/60
G06T 15/20
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成部と、
前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置とに基づいて、前記光源によって前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記影付与部は、前記自由視点映像の生成を開始又は終了する際に、前記背景情報に係る前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記影付与部は、撮像装置が撮影した映像と前記自由視点映像とを切り替える際に、前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度を制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記影付与部は、第1の背景情報に基づいて生成される前記自由視点映像と、第2の背景情報に基づいて生成される前記自由視点映像とを切り替える際に、前記第1の背景情報に係る前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度と、前記第2の背景情報に係る前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度とを制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記影付与部は、前記自由視点映像の生成を開始又は終了する際に、前記3Dオブジェクトの影の強度を徐々に強くする制御、又は徐々に弱くする制御のいずれか一方の制御を行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記影付与部は、
前記生成部が自由視点映像の生成を開始してから所定時間の間に、前記3Dオブジェクトの影の強度を徐々に強くして、
前記生成部が自由視点映像の生成を終了する所定時間前から、前記3Dオブジェクトの影の強度を徐々に弱くする、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記自由視点映像の中から、前記3Dオブジェクトの領域を抽出する抽出部を更に備えて、
前記影付与部は、
前記背景情報に重ね合わせた、前記視点位置に応じた前記3Dオブジェクトに、前記抽出部が抽出した当該3Dオブジェクトの領域と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記光源情報と、前記視点位置と、に基づいて生成された前記3Dオブジェクトの影を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記自由視点映像を一時停止させた状態で、当該自由視点映像の中の3Dオブジェクトを異なる自由視点から連続的に視聴する自由視点映像を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記3Dオブジェクトは、同一被写体を複数の視点位置から撮影した複数の画像で構成される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記3Dオブジェクトは、視点位置に応じたテクスチャ情報を有する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記3DオブジェクトはCG(Computer Graphics)である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成ステップと、
前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置と、に基づいて前記光源によって、前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与ステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成部と、
前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置と、に基づいて前記光源によって、前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関し、特に、3Dオブジェクト、即ち被写体を自由視点から観測した映像(自由視点映像)に、視点位置に応じた当該3Dオブジェクトの影を付与することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自由視点から観測した被写体の3次元モデル(以下3Dモデルと呼ぶ)を再生装置に送信する際に、被写体の3Dモデルと被写体の影とを別々に送信して、再生装置側で3Dモデルを再生する際に、影の有無を選択する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、再生側で影を付与する際に、任意の光源によって3Dモデルに生じる影を違和感なく付与する制御は行われていなかった。
【0005】
本開示では、3Dオブジェクトを自由視点から観測した自由視点映像に、視点位置に応じた3Dオブジェクトの影を付与することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の情報処理装置は、背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成部と、前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置とに基づいて、前記光源によって前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与部と、を備える情報処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】3Dモデルを生成する処理の流れの概要を示す図である。
【
図2】3Dモデルを表現するために必要なデータの内容を説明する図である。
【
図3】3Dモデルを自由視点から観測した自由視点映像を生成する方法を説明する図である。
【
図4】第1の実施形態の情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
【
図5】第1の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】第1の実施形態の情報処理装置が、3Dモデルに影を付与する方法を説明する図である。
【
図7】第1の実施形態の情報処理装置が、3Dモデルに付与した影の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態の情報処理装置が、3Dモデルに影を付与する処理の流れを説明する図である。
【
図9】第1の実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】タイムフリーズの具体例について説明する図である。
【
図11】第2の実施形態の情報処理装置がタイムフリーズを行う際に、影の強度の制御に用いるテーブルの一例を示す図である。
【
図12】第2の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図13】第2の実施形態の情報処理装置が影の付与を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】第3の実施形態において、背景情報が変化する自由視点映像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0009】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.第1の実施形態
1-1.前提事項の説明-3Dモデルの生成
1-2.前提事項の説明-3Dモデルのデータ構造
1-3.前提事項の説明-自由視点映像の生成
1-4.第1の実施形態の情報処理装置のハードウエア構成の説明
1-5.第1の実施形態の情報処理装置の機能構成の説明
1-6.影の付与方法の説明
1-7.影の付与処理の説明
1-8.第1の実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの説明
1-9.第1の実施形態の効果
2.第2の実施形態
2-1.タイムフリーズの説明
2-2.影の強度制御の説明
2-3.第2の実施形態の情報処理装置の機能構成の説明
2-4.第2の実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの説明
2-5.第2の実施形態の効果
3.第3の実施形態
3-1.背景情報が変化する自由視点映像の説明
3-2.第3の実施形態の効果
【0010】
(1.第1の実施形態)
本開示の第1の実施形態である情報処理装置10aについて説明する前に、被写体の3Dモデルを生成する処理について説明する。
【0011】
[1-1.前提事項の説明-3Dモデルの生成]
図1は、3Dモデルを生成する処理の流れの概要を示す図である。
図1に示すように、3Dモデルの生成には、複数の撮像装置70(70a,70b,70c)による被写体90の撮像と、被写体90の3D情報を有する3Dモデル90Mを生成する3Dモデリングとが含まれる。なお、
図1では3台の撮像装置70を描いているが、撮像装置70の台数は3台に制限されるものではない。
【0012】
複数の撮像装置70は、
図1に示すように、現実世界に存在する被写体90を取り囲むように、被写体90の外側に、被写体90を向いて配置される。
図1は、撮像装置の台数が3台の例を示しており、3台の撮像装置70が被写体90の周りに配置されている。なお、
図1においては、所定の動作を行う人物が被写体90である。
【0013】
3台の撮像装置70によって、異なる視点から同期してVolumetric撮影された複数の画像を用いて3Dモデリングが行われ、3台の撮像装置70の映像フレーム単位で、被写体90の3Dモデル90Mが生成される。なお、Volumetric撮影とは、被写体90のテクスチャとデプス(距離)とをともに含む情報を取得することである。
【0014】
3Dモデル90Mは、被写体90の3D情報を有するモデルである。なお、3Dモデル90Mは、本開示における3Dオブジェクトの一例である。3Dモデル90Mは、被写体90のジオメトリ情報を、ポリゴンメッシュと呼ばれる、頂点(Vertex)と頂点との繋がりで表現したメッシュデータと、各ポリゴンメッシュに対応した、テクスチャ情報とデプス情報(距離情報)とを有する。なお、3Dモデル90Mが有する情報はこれらに限定されるものではなく、その他の情報を有してもよい。なお、被写体90のデプス情報は、例えば、互いに隣接する複数の撮像装置70でそれぞれ撮像された画像から、被写体90の同じ領域に係る視差に基づいて算出する。なお、撮像装置70の近傍にToF(Time of Flight)カメラ等の測距機構を備えるセンサを設置して、当該センサによって被写体90までの距離を測定することによってデプス情報を得てもよい。なお、3Dモデル90Mは、CG(Computer Graphics)で生成された人工的なモデルであってもよい。
【0015】
3Dモデル90Mには、メッシュ位置に応じて、当該メッシュの色や模様や質感を表すテクスチャを貼り付ける、いわゆるテクスチャマッピングが施される。テクスチャマッピングは、3Dモデル90Mのリアリティを向上させるために、視点位置に応じた(View Dependent)テクスチャを貼り付けるのが望ましい。これにより、3Dモデル90Mを任意の視点(以下自由視点と呼ぶ)から撮像した際に、視点位置に応じてテクスチャが変化するため、より高画質な自由視点映像を生成することができる。しかし、計算量が増大するため、3Dモデル90Mには、視線位置に依存しない(View Independent)テクスチャを貼り付けてもよい。3Dモデル90Mのデータ構造について、詳しくは後述する(
図2参照)。
【0016】
なお、3Dモデル90Mは、点群情報(ポイントクラウド)と呼ばれる形態で表現されてもよい。ポイントクラウドとは、被写体90を、当該被写体90の表面を形成する複数の点群情報として記述したものである。点群を形成する各点は、それぞれ、色情報と輝度情報とを有しているため、ポイントクラウドで記述された3Dモデル90Mは、被写体90の形状情報とテクスチャ情報とを備えている。
【0017】
読み出された3Dモデル90Mを含むコンテンツデータは、再生側の装置に伝送される。そして、再生側の装置において、3Dモデル90Mのレンダリングが行われて、当該3Dモデル90Mを含むコンテンツデータが再生される。
【0018】
再生側の装置としては、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末20が用いられる。そして、携帯端末20の表示画面に、3Dモデル90Mを含む画像が表示される。なお、情報処理装置10a自身が、コンテンツデータを再生する機能を備えていてもよい。
【0019】
コンテンツデータを再生する際に、3Dモデル90Mは、背景情報92と重ね合わせて表示されるのが一般的である。背景情報92は、被写体90とは別の環境で撮影された映像であってもよいし、CGであってもよい。
【0020】
背景情報92は、一般に照明環境下で撮影される。したがって、再生される映像をより自然な映像にするために、背景情報92と重ね合わされる3Dモデル90Mにも、当該照明環境によって生じる影94が付与される。情報処理装置10aは、背景情報92の照明に係る情報(例えば、光源の位置と照明方向(光線の方向)とを含む光源情報)に基づいて、自由視点の位置に応じて、3Dモデル90Mに生じる影94を付与する。詳しくは後述する。なお、影94は、3Dモデル90Mの形態に応じた形状を有するが、簡単のため、図示する影94の形状は、全て簡略化したものとする。
【0021】
[1-2.前提事項の説明-3Dモデルのデータ構造]
次に、
図2を用いて、3Dモデル90Mを表現するために必要なデータの内容について説明する。
図2は、3Dモデルを表現するために必要なデータの内容を説明する図である。
【0022】
被写体90の3Dモデル90Mは、被写体90の形状を示すメッシュ情報Mと、被写体90の3D形状を示すデプス情報Dと、被写体90の表面の質感(色合い、模様等)を示すテクスチャ情報Tとによって表現される。
【0023】
メッシュ情報Mは、3Dモデル90Mの表面上のいくつかの部位を頂点として、それらの頂点の繋がりによって3Dモデル90Mの形状を表す(ポリゴンメッシュ)。デプス情報Dは、被写体90を観測する視点位置から被写体90の表面までの距離を表す情報である。被写体90のデプス情報Dは、例えば、隣接する撮像装置で撮影された画像から検出した、被写体90の同じ領域の視差に基づいて算出する。なお、デプス情報Dは、本開示における3次元情報の一例である。
【0024】
本実施形態では、テクスチャ情報Tとして2通りのデータを使用する。1つは、3Dモデル90Mを観測する視点位置に依らない(VI)テクスチャ情報Taである。テクスチャ情報Taは、3Dモデル90Mの表面のテクスチャを、例えば、
図2に示すUVテクスチャマップのような展開図の形式で記憶したデータである。即ち、テクスチャ情報Taは、視点位置に依らないデータである。例えば、3Dモデル90Mが衣服を着た人物である場合に、テクスチャ情報Taとして、衣服の模様を表すUVテクスチャマップが用意される。そして、3Dモデル90Mを表すメッシュ情報Mの表面に、テクスチャ情報Taを貼り付ける(VIレンダリング)ことによって、3Dモデル90Mを描画することができる。そして、このとき、3Dモデル90Mを視聴する視点位置が変化した場合であっても、同じ領域を表すメッシュには同じテクスチャ情報Taを貼り付ける。このように、テクスチャ情報Taを用いたVIレンダリングは、3Dモデル90Mが着用している衣服のテクスチャ情報Taを、衣服の部位を表す全てのメッシュに貼り付けることによって実行されるため、一般に、データサイズが小さく、レンダリング処理の計算負荷も軽い。但し、貼り付けられたテクスチャ情報Taは一様であって、観測位置(閲覧位置)を変更してもテクスチャは変化しないため、テクスチャの品質は一般に低い。
【0025】
もう1つのテクスチャ情報Tは、3Dモデル90Mを観測する視点位置に依存する(VD)テクスチャ情報Tbである。テクスチャ情報Tbは、被写体90を多視点から観測した画像の集合によって表現される。即ち、テクスチャ情報Taは、視点位置に応じたデータである。具体的には、被写体90をN台の撮像装置70で観測した場合、テクスチャ情報Tbは、各撮像装置70が同時に撮影したN枚の画像で表現される。そして、3Dモデル90Mの任意のメッシュに、テクスチャ情報Tbをレンダリングする場合、N枚の画像の中から、該当するメッシュに対応する領域を全て検出する。そして、検出された複数の領域にそれぞれ写ったテクスチャを重み付けして、該当するメッシュに貼り付ける。このように、テクスチャ情報Tbを用いたVDレンダリングは、一般に、データサイズが大きく、レンダリング処理の計算負荷は重い。しかし、貼り付けられたテクスチャ情報Tbは、視点位置に応じて変化するため、一般にテクスチャの品質は高い。
【0026】
3Dモデル90Mの元になる被写体90は、一般に時間とともに移動する。したがって、生成された3Dモデル90Mも、時間とともに変化する。即ち、前記したメッシュ情報Mとテクスチャ情報Taとテクスチャ情報Tbとは、一般に、時間とともに変化する時系列データを形成する。
【0027】
[1-3.前提事項の説明-自由視点映像の生成]
図3は、3Dモデルを自由視点から観測した自由視点映像を生成する方法を説明する図である。
図3において、撮像装置70(70a,70b,70c)は、被写体90の3Dモデル90Mを作成する際に使用した撮像装置である。3Dモデル90Mを使用する各種アプリケーションでは、生成した3Dモデル90Mをできるだけ様々な方向から再生できるのが望ましい。そのため、情報処理装置10aは、3Dモデル90Mを、撮像装置70とは異なる位置(自由視点)から観測した自由視点映像を生成する。
【0028】
例えば、
図3において、自由視点V1に置かれた仮想カメラ72aが3Dモデル90Mを撮影した際に得る自由視点映像J1(非図示)を生成する場合を想定する。自由視点映像J1は、仮想カメラ72aの近傍に置かれた撮像装置70aと撮像装置70cとがそれぞれ撮影した3Dモデル90Mの画像を補間することによって生成される。即ち、撮像装置70aが撮影した3Dモデル90Mの画像と、撮像装置70cが撮影した3Dモデル90Mの画像との対応付けを行って、被写体90のデプス情報Dを算出する。そして、算出されたデプス情報Dに対応する領域のテクスチャを仮想カメラ72aに投影することによって、仮想カメラ72aから見た3Dモデル90M(被写体90)の自由視点映像J1を生成することができる。
【0029】
同様にして、撮像装置70bと撮像装置70cとの近傍の自由視点V2に置かれた仮想カメラ72bから見た3Dモデル90Mの自由視点映像J2(非図示)は、撮像装置70bが撮影した3Dモデル90Mの画像と、撮像装置70cが撮影した3Dモデル90Mの画像とを補間することによって生成することができる。以降、仮想カメラ72a,72bを総称して仮想カメラ72と呼ぶ。また、自由視点V1,V2を総称して自由視点Vと呼び、自由視点映像J1,J2を総称して自由視点映像Jと呼ぶ。なお、
図3は、説明のために、撮像装置70と仮想カメラ72とを、被写体90に背を向けて描いているが、実際は矢印の方向、即ち被写体90の方向を向いて設置されている。
【0030】
このような自由視点映像Jを用いると、例えば、タイムフリーズに代表される効果的な映像表現が可能である。
【0031】
タイムフリーズとは、3Dモデル90M(被写体90)の一連の動きの再生中に、時間の経過を停止(フリーズ)して、3Dモデル90Mが静止した状態で、当該3Dモデル90Mを、異なる自由視点から連続的に再生する映像表現である。
【0032】
情報処理装置10aは、背景情報92と3Dモデル90Mとを重ね合わせて、自由視点Vから観測した自由視点映像Jを生成する。なお、自由視点映像Jの再生中に背景情報92を変更してもよい。
【0033】
被写体90の3Dモデル90Mは、当該被写体90に生じる影の情報を有していない。そのため、情報処理装置10aは、背景情報92に重ね合わされた3Dモデル90Mに、背景情報92に係る光源情報に基づいて、自由視点Vに応じた影を付与する。詳しくは後述する(
図6参照)。
【0034】
[1-4.第1の実施形態の情報処理装置のハードウエア構成の説明]
次に、
図4を用いて、情報処理装置10aのハードウエア構成を説明する。
図4は、第1の実施形態の情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。
【0035】
情報処理装置10aは、CPU(Central Processing Unit)40と、ROM(Read Only Memory)41と、RAM(Random Access Memory)42と、記憶部43と、入出力コントローラ44と、通信コントローラ45とが内部バス46で接続された構成を有する。
【0036】
CPU40は、記憶部43に格納されている制御プログラムP1と、ROM41に格納されている、カメラパラメータ等の各種データとをRAM42上に展開して実行することによって、情報処理装置10aの全体の動作を制御する。すなわち、情報処理装置10aは、制御プログラムP1によって動作する一般的なコンピュータの構成を有する。なお、制御プログラムP1は、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供されてもよい。また、情報処理装置10aは、一連の処理をハードウエアによって実行してもよい。なお、CPU40が実行する制御プログラムP1は、本開示で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、或いは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0037】
記憶部43は、例えばフラッシュメモリ等の、電源を切っても記憶情報が保持される記憶デバイスにより構成されて、CPU40が実行する制御プログラムP1と、3Dモデル90Mと、背景情報92と、光源情報93とを記憶する。
【0038】
3Dモデル90Mは、前記したように、被写体90のメッシュ情報Mと、テクスチャ情報Tと、デプス情報Dとを備えたモデルである。3Dモデル90Mは、前記した撮像装置70によって、被写体90を異なる方向から撮影した複数の画像に基づいて生成される。なお、被写体90は、単一被写体であってもよいし、複数の被写体であってもよい。また、被写体は静止していても動いていてもよい。さらに、3Dモデル90Mは一般に大容量であるため、情報処理装置10aとインターネット等で接続された非図示の外部サーバから、必要に応じてダウンロードして、記憶部43に記憶するようにしてもよい。
【0039】
背景情報92は、
図4に非図示のカメラ等で撮影される、3Dモデル90Mが配置される背景となる映像情報である。背景情報92は、動画であっても静止画であってもよい。また、背景情報92は、予め設定したタイミングで、複数の異なる背景が切り替わるものでもよい。さらに、背景情報92はCGであってもよい。
【0040】
光源情報93は、背景情報92を照明する照明光源の仕様を纏めたデータファイルである。光源情報93は、具体的には、照明光源の設置位置と照明方向等を有する。なお、照明光源の設置個数に制限はなく、同じ仕様の複数の光源、又は異なる仕様の複数の光源が設置されてもよい。
【0041】
入出力コントローラ44は、タッチパネルインタフェース47を介して、情報処理装置10aに係る情報を表示する液晶ディスプレイ52に積層されたタッチパネル50の操作情報を取得する。また、入出力コントローラ44は、ディスプレイインタフェース48を介して、液晶ディスプレイ52に映像情報を表示する。また、入出力コントローラ44は、カメラインタフェース49を介して、撮像装置70の動作を制御する。
【0042】
通信コントローラ45は、無線通信を介して、携帯端末20と接続される。携帯端末20は、情報処理装置10aが生成した自由視点映像を受信して当該携帯端末20の表示装置に表示する。これによって、携帯端末20のユーザは、自由視点映像を視聴する。
【0043】
なお、情報処理装置10aは、通信コントローラ45を介して、非図示の外部サーバ等との間で通信を行って、情報処理装置10aから離れた場所で作成された3Dモデル90Mを取得してもよい。
【0044】
[1-5.第1の実施形態の情報処理装置の機能構成の説明]
次に、
図5を用いて、情報処理装置10aの機能構成を説明する。
図5は、第1の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。情報処理装置10aのCPU40は、制御プログラムP1をRAM42上に展開して動作させることによって、
図5に示す各機能部を実現する。
【0045】
本開示の第1の実施形態の情報処理装置10aは、カメラが撮影した背景情報92と被写体90の3Dモデル90Mとを重ね合わせて、当該3Dモデル90Mを自由視点Vから視聴する自由視点映像Jを生成する。また、情報処理装置10aは、背景情報92に係る光源情報に基づいて、生成した自由視点映像Jに、視点位置に応じた影を付与する。さらに、情報処理装置10aは、生成された自由視点映像Jを再生する。すなわち、情報処理装置10aのCPU40は、
図5に示す3Dモデル取得部21と、背景情報取得部22と、視点位置設定部23と、自由視点映像生成部24と、領域抽出部25と、光源情報取得部26と、影付与部27と、レンダリング処理部28と、表示制御部29とを機能部として実現する。
【0046】
3Dモデル取得部21は、撮像装置70が撮像した被写体90の3Dモデル90Mを取得する。なお、3Dモデル取得部21は、記憶部43から3Dモデル90Mを取得するが、それに限らず、例えば、情報処理装置10aと接続された非図示のサーバ装置から3Dモデル90Mを取得してもよい。
【0047】
背景情報取得部22は、3Dモデル90Mを配置する背景情報92を取得する。なお、背景情報取得部22は、記憶部43から背景情報92を取得するが、それに限らず、例えば、情報処理装置10aと接続された非図示のサーバ装置から背景情報92を取得してもよい。
【0048】
視点位置設定部23は、被写体90の3Dモデル90Mを視聴する自由視点Vの位置を設定する。
【0049】
自由視点映像生成部24は、背景情報92と重ね合わせた被写体90の3Dモデル90Mを、視点位置設定部23が設定した自由視点Vの位置から視聴する自由視点映像Jを生成する。なお、自由視点映像生成部24は、本開示における生成部の一例である。
【0050】
領域抽出部25は、自由視点映像Jの中から、3Dモデル90Mの領域を抽出する。なお、領域抽出部25は、本開示における抽出部の一例である。具体的には、領域抽出部25は、背景情報92と自由視点映像Jとのフレーム差分を演算することによって、3Dモデル90Mの領域を抽出する。詳しくは後述する(
図8参照)。
【0051】
光源情報取得部26は、背景情報92に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報93を取得する。
【0052】
影付与部27は、背景情報92に係る光源情報93と、被写体90の3Dモデル90M(3Dオブジェクト)が有するデプス情報D(3次元情報)と、自由視点Vの位置とに基づいて、光源によって自由視点Vの位置に応じて3Dモデル90Mに生じる影94を生成して、自由視点映像Jに付与する。より具体的には、影付与部27は、背景情報92に重ね合わせた、自由視点Vの位置(視点位置)に応じた3Dモデル90M(3Dオブジェクト)に、領域抽出部25(抽出部)が抽出した3Dモデル90Mの領域と、当該3Dモデル90Mが有するデプス情報D(3次元情報)と、光源情報93と、自由視点Vの位置と、に基づいて生成された3Dモデル90Mの影94を付与する。
【0053】
レンダリング処理部28は、自由視点映像Jのレンダリングを行う。
【0054】
表示制御部29は、レンダリングされた自由視点映像Jを、例えば携帯端末20に表示させる。
【0055】
[1-6.影の付与方法の説明]
次に、
図6,
図7を用いて、情報処理装置10aが被写体90の3Dモデル90Mに、自由視点Vの位置に応じた影を付与する方法を説明する。
図6は、第1の実施形態の情報処理装置が、3Dモデルに影を付与する方法を説明する図である。
図7は、第1の実施形態の情報処理装置が、3Dモデルに付与した影の一例を示す図である。
【0056】
影付与部27は、光源情報93に基づいて、光源から見た3Dモデル90Mのデプス情報Dを格納したシャドウマップSmを生成する。
【0057】
図6において、光源Lは(X1,Y1,Z1)の位置に配置されて、3Dモデル90Mの方向を照らしているものとする。なお、光源Lは点光源であって、光源Lから放射した光線は、放射角θの範囲に広がるものとする。
【0058】
影付与部27は、まず、光源Lから見た3Dモデル90Mのデプス値を格納したシャドウマップSmを生成する。具体的には、予め分かっている3Dモデル90Mの配置位置と、光源Lの設置位置である(X1,Y1,Z1)とに基づいて、光源Lと3Dモデル90Mとの距離を算出する。そして、例えば、3Dモデル90M上の点E1と光源Lとの距離が、光源Lの放射方向に応じて配置されたシャドウマップSmの点F1に格納される。同様に、3Dモデル90M上の点E2と光源Lとの距離が、シャドウマップSmの点F2に格納されて、3Dモデル90M上の点E3と光源Lとの距離が、シャドウマップSmの点F3に格納される。また、光源Lが、3Dモデル90Mを配置した床面を直接照射している場合、床面上の点E4と光源Lとの距離が、シャドウマップSmの点F4に格納される。
【0059】
影付与部27は、このようにして生成されたシャドウマップSmを用いて、自由視点Vに応じた位置に3Dモデル90Mの影94を付与する。
【0060】
具体的には、影付与部27は、自由視点Vの位置と、シャドウマップSmとを用いて、光源Lから見て、3Dモデル90Mの陰になっている領域を探す。即ち、影付与部27は、座標系XYZ上の点と光源Lとの距離H1と、座標系XYZ上の当該点に対応するシャドウマップSmに格納された距離H2とを比較する。
【0061】
そして、H1=H2であるときには、着目している点には影94を付与しない。一方、H1>H2であるときには、着目している点に影94を付与する。なお、H1<H2となることはない。
【0062】
例えば、
図6において、光源Lと点E1とを結ぶ直線と床面との交点である点G1に着目する。このとき、点G1と光源Lとの距離H1は、光源Lと点E1との距離H2、即ちシャドウマップSmの点F1に格納された値よりも大きい。したがって、影付与部27は、自由視点Vから観測される点G1の位置に影94を付与する。
【0063】
これに対して、床面上の点E4に着目する。このとき、点E4と光源Lとの距離H1は、光源Lと点E4との距離H2、即ちシャドウマップSmの点F4に格納された値と等しい。したがって、影付与部27は、自由視点Vから観測される点E4の位置に影94を付与しない。
【0064】
影付与部27は、このようにして、任意に設定した自由視点Vの設定位置である(X0,Y0,Z0)から3Dモデル90Mが配置された空間を観測した際に、3Dモデル90Mの影94が出現する領域を探索する。
【0065】
なお、光源L(X1,Y1,Z1)の設置位置は1つに限定されるものではない。即ち、複数の点光源を設置してもよい。この場合、影付与部27は、光源毎に生成されたシャドウマップSmを用いて、影94の出現領域を探索する。
【0066】
また、光源Lは点光源に限定されるものではない。即ち、面光源を設置してもよい。この場合、影94は、点光源から放射される発散光束によって透視投影で生成されたのと異なり、面光源から放射される平行光束によって正射影で生成される。
【0067】
影付与部27は、低い計算負荷で高速に影94を付与するために、シャドウマップSmの生成を効率的に行う必要がある。本実施形態の情報処理装置10aは、後述するアルゴリズム(
図8参照)を用いることによって、シャドウマップSmの生成を効率的に実行する。なお、影94の付与は、影94に相当する領域の明るさを下げることによって行う。明るさをどの位下げるかは、光源Lの強さや背景情報92の明るさ等に応じて、適宜決定すればよい。
【0068】
影付与部27が影94を付与することによって、
図7に示すように、自由視点映像Jに臨場感を与えることができる。
【0069】
図7に示す自由視点映像Jaは、背景情報92に3Dモデル90Mを重畳した映像である。このとき、3Dモデル90Mには影94が付与されていない。したがって、自由視点映像Jaにおいて、前景、即ち3Dモデル90Mは浮き上がって見えるため、臨場感に欠ける映像である。
【0070】
これに対して、自由視点映像Jbは、背景情報92に重畳した3Dモデル90Mに影94が付与されたものである。このように3Dモデル90Mに、背景情報92に係る光源に応じた影94を付与することによって、自由視点映像Jbを臨場感のある映像にすることができる。
【0071】
[1-7.影の付与処理の説明]
次に、
図8を用いて、影付与部27が行う影付与処理の流れを説明する。
図8は、第1の実施形態の情報処理装置が、3Dモデルに影を付与する処理の流れを説明する図である。なお、
図8に示す処理は、情報処理装置10aの影付与部27及びレンダリング処理部28で行われる。
【0072】
領域抽出部25は、背景情報92と、当該背景情報92の所定の位置に、自由視点Vの位置に応じた3Dモデル90Mを重ね合わせた自由視点映像Jとのフレーム差分を演算する。この演算によって、3Dモデル90Mの領域を示すシルエット画像Siが得られる。
【0073】
続いて、影付与部27は、シルエット画像Siが示す3Dモデル90Mの領域情報と、3Dモデル90Mが有するデプス情報Dと、光源情報93とを用いて、前記したシャドウマップSmを生成する。
【0074】
次に、影付与部27は、自由視点Vの位置と、シャドウマップSmとを用いて、3Dモデル90Mに影94を付与する。そして、レンダリング処理部28は、3Dモデル90Mに影94が付与された画像を描画する。
【0075】
[1-8.第1の実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの説明]
次に、
図9を用いて、情報処理装置10aが行う一連の処理の流れを説明する。
図9は、第1の実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0076】
背景情報取得部22は、背景情報92を取得する(ステップS10)。
【0077】
3Dモデル取得部21は、3Dモデル90Mを取得する(ステップS11)。
【0078】
視点位置設定部23は、被写体90の3Dモデル90Mを視聴する自由視点Vの位置を取得する(ステップS12)。
【0079】
自由視点映像生成部24は、背景情報92と3Dモデル90Mを重ね合わせて、自由視点Vの位置から観測した自由視点映像Jを生成する(ステップS13)。
【0080】
影付与部27は、自由視点映像Jと背景情報92とからシルエット画像Siを生成する(ステップS14)。
【0081】
光源情報取得部26は、背景情報92に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報93を取得する(ステップS15)。
【0082】
影付与部27は、光源情報93に基づいて、光源から見た3Dモデル90Mのデプス情報Dを格納したシャドウマップSmを生成する(ステップS16)。
【0083】
影付与部27は、自由視点映像Jの中の3Dモデル90Mに影94を付与する(ステップS17)。
【0084】
レンダリング処理部28は、自由視点映像Jのレンダリングを行う(ステップS18)。
【0085】
表示制御部29は、レンダリングされた自由視点映像Jを、例えば携帯端末20に表示させる(ステップS19)。
【0086】
自由視点映像生成部24は、自由視点映像Jの生成が完了したかを判定する(ステップS20)。自由視点映像Jの生成が完了したと判定される(ステップS20:Yes)と、情報処理装置10aは、
図9の処理を終了する。一方、自由視点映像Jの生成が完了したと判定されない(ステップS20:No)と、ステップS21に進む。
【0087】
自由視点映像生成部24は、自由視点映像Jの背景を変更するかを判定する(ステップS21)。自由視点映像Jの背景を変更すると判定される(ステップS21:Yes)と、ステップS22に進む。一方、自由視点映像Jの背景を変更すると判定されない(ステップS21:No)と、ステップS12に戻って、
図9の処理を繰り返す。
【0088】
ステップS21において、Yesと判定されると、背景情報取得部22は、新たな背景情報92を取得する(ステップS22)。その後、ステップS12に戻って、
図9の処理を繰り返す。
【0089】
[1-9.第1の実施形態の効果]
以上説明したように、第1の実施形態の情報処理装置10aによると、自由視点映像生成部24(生成部)が、背景情報92と重ね合わせた3Dモデル90M(3Dオブジェクト)を任意の視点位置から視聴する自由視点映像Jを生成する。そして、影付与部27が、背景情報92に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報93と、3Dモデル90Mが有するデプス情報D(3次元情報)と、視点位置とに基づいて、視点位置に応じて3Dモデル90Mに生じる光源の影94を生成して、自由視点映像Jに付与する。
【0090】
これにより、3Dモデル90Mを自由視点から観測した自由視点映像Jに、視点位置に応じた3Dモデル90Mの影94を付与することができる。
【0091】
また、第1の実施形態の情報処理装置10aによると、領域抽出部25(抽出部)が、自由視点映像Jの中から、3Dモデル90Mの領域を抽出して、影付与部27が、背景情報92に重ね合わせた、自由視点Vの位置に応じた3Dモデル90Mに、領域抽出部25が抽出した3Dモデル90Mの領域と、3Dモデル90Mが有する3次元情報と、光源情報93と、視点位置と、に基づいて生成された3Dモデル90Mに影94を付与する。
【0092】
これにより、3Dモデル90Mの領域が簡便に抽出できるため、3Dモデル90Mに影94を付与する処理を、低い計算負荷で効率的に実行することができる。
【0093】
また、第1の実施形態の情報処理装置10aにおいて、3Dオブジェクトは、同一被写体を複数の視点位置から撮影した複数の画像で構成される。
【0094】
これにより、自由視点映像(画像)Jを容易に生成することができる。
【0095】
また、第1の実施形態の情報処理装置10aにおいて、3Dモデル90M(3Dオブジェクト)は、視点位置に応じたテクスチャ情報を有する。
【0096】
これにより、3Dモデル90Mを高い品質でレンダリングすることができる。
【0097】
また、第1の実施形態の情報処理装置10aにおいて、3Dモデル90M(3Dオブジェクト)はCGである。
【0098】
これにより、被写体の種類(実写、CG)に関わらずに、影94を付与することができる。
【0099】
(2.第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態である情報処理装置10bについて説明する。情報処理装置10bは、本開示をタイムフリーズと呼ばれる映像効果に適用した例である。
【0100】
[2-1.タイムフリーズの説明]
本実施形態について説明する前に、まずタイムフリーズについて説明する。タイムフリーズとは、自由視点映像Jの再生を一時停止して、一時停止した状態で、自由視点映像Jの中の3Dモデル90Mを異なる自由視点Vから連続的に視聴することによって、着目した3Dモデル90Mを強調する映像効果の一種である。
【0101】
図10は、タイムフリーズの具体例について説明する図である。
図10において、時刻t0より前では、前記した撮像装置70が撮像した映像が再生されている。このとき、背景に光源がある場合、3Dモデル90Mには、光源による影94が生じる。
【0102】
情報処理装置10bは、時刻t0において映像の再生を一時停止する。そして、情報処理装置10bは、時刻t0から時刻t1までの間に、自由視点Vを、3Dモデル90Maの周りに360°移動させながら、自由視点映像Jを生成する。そして、時刻t0から時刻t1までの間に亘って、背景には、3Dモデル90Mを照らす光源が設定されるものとする。
【0103】
即ち、タイムフリーズ期間においては、自由視点映像Jとして、3Dモデル90Ma,90Mb,90Mc,90Md,90Meが順次生成される。そして、これらの3Dモデルには、背景情報に係る光源の影が付与される。付与された影は、
図10に示す影94a,94b,94c,94d,94eのように、自由視点Vの位置に応じて変化する。
【0104】
そして、時刻t1においてタイムフリーズが解除されると、光源は消灯して、撮像装置70が撮像した映像の再生が再び開始される。
【0105】
[2-2.影の強度制御の説明]
情報処理装置10bは、3Dモデル90Mに付与する影94の強度を調整する機能を備える。例えば、タイムフリーズ期間中に、3Dモデル90Mを強調するために、背景情報に係る新たな光源を用いて3Dモデル90Mを照らす場合、タイムフリーズ開始前の映像とタイムフリーズ中の映像との間で、影の有無が突然変化するため、不自然な映像になる可能性がある。同様に、タイムフリーズ中の映像とタイムフリーズを解除した後の映像との間でも、影の有無によって、映像の繋ぎ目が不自然になる可能性がある。情報処理装置10bは、このような映像の繋ぎ目において、影94の強度を調整する機能を備える。
【0106】
図11を用いて、情報処理装置10aが影94の強度を制御する様子を説明する。
図11は、第2の実施形態の情報処理装置がタイムフリーズを行う際に、影の強度の制御に用いるテーブルの一例を示す図である。
【0107】
タイムフリーズを行う際には、当該タイムフリーズを行う所要時間Wが、予め設定されているものとする。即ち、
図11において、時刻t=t0でタイムフリーズを開始した場合、時刻t=t0+W=t1でタイムフリーズが解除されるものとする。
【0108】
情報処理装置10bは、3Dモデル90Mに付与する影94の強度Iを、
図11に示すテーブルに従って調整する。即ち、タイムフリーズ開始時には、影94の強度Iを0(影がない状態)とする。そして、時間の経過とともに徐々に影94の強度を強く調整して、時刻t=t0+Δtにおいて、影94の強度Iを、通常の強度とする。
【0109】
その後、時刻t=t1-Δt以降は、影94の強度Iを徐々に弱く調整して、時刻t=t1、即ちタイムフリーズを解除する時刻において、影94の強度Iを0とする。なお、Δtの値は適宜設定される。
【0110】
なお、
図10において、タイムフリーズの前後で光源に変更がない場合には、映像の繋ぎ目で影94の強度を調整する必要がない。したがって、情報処理装置10bは、自由視点映像Jを生成する環境、特に、設定される光源の設定状態に応じて、影94の強度調整を行うか否かを判断するのが望ましい。
【0111】
[2-3.第2の実施形態の情報処理装置の機能構成の説明]
次に、
図12を用いて、情報処理装置10bの機能構成を説明する。
図12は、第2の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0112】
情報処理装置10bは、情報処理装置10aの機能構成(
図5参照)に対して、影付与部27の代わりに影付与部27aを備えた構成を有する。影付与部27aは、影付与部27が有する機能に加えて、付与する影94の強度を制御する機能を備える。強度の制御は、例えば、
図11に示したテーブルに基づいて行う。なお、情報処理装置10bのハードウエア構成は、情報処理装置10aのハードウエア構成(
図4参照)と同じである。
【0113】
[2-4.第2の実施形態の情報処理装置が行う処理の流れの説明]
次に、
図13を用いて、情報処理装置10bが行う処理の流れを説明する。
図13は、第2の実施形態の情報処理装置が影の付与を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、情報処理装置10bが行う一連の処理の流れは、情報処理装置10aが行う処理の流れ(
図9参照)とほぼ同じであり、影の付与を行う処理(
図9のステップS17)のみが異なる。そのため、
図13を用いて、影の付与を行う処理の流れのみを説明する。
【0114】
影付与部27aは、情報処理装置10bがタイムフリーズを開始したかを判定する(ステップS30)。情報処理装置10bがタイムフリーズを開始したと判定される(ステップS30:Yes)とステップS31に進む。一方、情報処理装置10bがタイムフリーズを開始したと判定されない(ステップS30:No)とステップS32に進む。
【0115】
ステップS30においてNoと判定されると、影付与部27aは、タイムフリーズが行われていない条件で、3Dモデル90Mに影94を付与する(ステップS32)。その後、影付与部27aは、影の付与を終了する。なお、ステップS32で行う処理は、
図9のステップS17で行う処理と同じである。
【0116】
ステップS30においてYesと判定されると、影付与部27aは、タイムフリーズを開始した時刻t0を取得する(ステップS31)。
【0117】
続いて、影付与部27aは、
図11のテーブルを参照して、現在の時刻に対応する影の強度Iを取得する(ステップS33)。
【0118】
影付与部27aは、3Dモデル90Mに、強度Iの影94を付与する(ステップS34)。なお、ステップS34で行う処理は、付与する影94の強度Iが異なるだけで、
図9のステップS17で行う処理と同じである。
【0119】
続いて、影付与部27aは、現在の時刻tを取得する(ステップS35)。
【0120】
影付与部27aは、現在の時刻tが、t0+Wと等しいかを判定する(ステップS36)。現在の時刻tが、t0+Wと等しいと判定される(ステップS36:Yes)と、影付与部27aは、影の付与を終了する。一方、現在の時刻tが、t0+Wと等しいと判定されない(ステップS36:No)と、ステップS33に戻って、前記した処理を繰り返す。
【0121】
[2-5.第2の実施形態の効果]
以上説明したように、第2の実施形態の情報処理装置10bにおいて、影付与部27aは、自由視点映像Jの生成を開始又は終了する際に、背景情報92に係る光源情報93に基づいて生成される3Dモデル90M(3Dオブジェクト)の影94の強度Iを制御する。
【0122】
これにより、自由視点映像Jの繋ぎ目において、3Dモデル90M(3Dオブジェクト)の影94が不連続になることによって映像が不自然になるのを防止することができる。
【0123】
また、第2の実施形態の情報処理装置10bにおいて、影付与部27aは、撮像装置70が撮影した映像と自由視点映像Jとを切り替える際に、光源情報93に基づいて生成される3Dモデル90M(3Dオブジェクト)の影94の強度Iを制御する。
【0124】
これにより、自由視点映像Jの繋ぎ目において、影94が不連続になることによって映像が不自然になるのを防止することができる。
【0125】
また、第2の実施形態の情報処理装置10bにおいて、影付与部27aは、自由視点映像Jの生成を開始又は終了する際に、3Dモデル90M(3Dオブジェクト)の影94の強度Iを徐々に強くする制御、又は徐々に弱くする制御のいずれか一方の制御を行う。
【0126】
これにより、3Dモデル90Mに付与される影94の強度Iが徐々に強くなるか、徐々に弱くなるため、影94の不連続さが緩和されることによって、自由視点映像Jの自然さを向上させることができる。
【0127】
また、第2の実施形態の情報処理装置10bにおいて、影付与部27aは、自由視点映像生成部24(生成部)が自由視点映像Jの生成を開始してから所定時間の間に、3Dモデル90M(3Dオブジェクト)の影94の強度Iを徐々に強くして、自由視点映像生成部24が自由視点映像Jの生成を終了する所定時間前から、3Dモデル90Mの影94の強度Iを徐々に弱くする。
【0128】
これにより、3Dモデル90Mに付与される影94の不連続さが緩和されることによって、自由視点映像Jの自然さを向上させることができる。
【0129】
また、第2の実施形態の情報処理装置10bにおいて、自由視点映像生成部24(生成部)は、自由視点映像Jを一時停止させた状態で、当該自由視点映像Jの中の3Dモデル90M(3Dオブジェクト)を異なる自由視点Vから連続的に視聴する自由視点映像Jを生成する。
【0130】
これにより、タイムフリーズの開始時と終了時に、3Dモデル90Mの影94の強度Iを制御することができるため、映像効果に伴って影94の不連続さが発生する場合であっても、強度Iを制御することによって不連続さが緩和されるため、自由視点映像Jの自然さを向上させることができる。
【0131】
(3.第3の実施形態)
第2の実施形態において、タイムフリーズの開始時と終了時に影94の強度Iを制御する例を説明したが、影94の強度Iを制御するのが望ましい場面は、タイムフリーズの場面に限定されるものではない。次に説明する本開示の第3の実施形態である情報処理装置10cは、時間とともに背景情報が変化するシーンに、影の強度制御を適用した例である。なお、情報処理装置10cのハードウエア構成及び機能構成は、第2の実施形態で説明した情報処理装置10bと同じであるため、説明は省略する。
【0132】
[3-1.背景情報が変化するシーンの説明]
図14は、背景情報が変化するシーンの一例を示す図である。
図14は、3Dモデル90Mが、時刻t0から、時間とともに徐々に自由視点Vに接近するシーンを表す自由視点映像Jの一例である。
【0133】
特に、
図14の例では、時刻t1において、背景情報92が、第1の背景情報92aから第2の背景情報92bに切り替わる。また、時刻t0から時刻t1までと、時刻t1以降とで、光源の位置が変化する。そのため、時刻t0から時刻t1までの間で3Dモデル90Mに付与される影94aと、時刻t1以降に3Dモデル90Mに付与される影94bとは、異なる方向に延びる。
【0134】
情報処理装置10cは、このように背景情報92が変化するシーンにおいて、シーンが切り替わる時刻t1の前後において、影の強度Iを制御する。
【0135】
即ち、時刻t1-Δtからt=t1の間において、3Dモデル90Mの影94aの強度Iを徐々に弱くする。そして、時刻t1において、背景情報92が、第1の背景情報92aから第2の背景情報92bに切り替わったタイミングでは、影94aは消失する。
【0136】
そして、時刻t1から時刻t1+Δtの間において、3Dモデル90Mの影94bの強度Iを徐々に強くする。これによって、背景情報92が切り替わる時刻t1の前後において、影が不連続に切り替わることがなくなるため、自然な自由視点映像Jを生成することができる。なお、影の強度Iの調整方法は、第2の実施形態で説明した通りであるため、説明は省略する。
【0137】
また、時刻t1において光源の位置が変化しない場合は、時刻t1以前に付与された影94aの状態が、時刻t1以降も維持される。そして、この場合には影94の強度Iの制御は行わない。
【0138】
[3-2.第3の実施形態の効果]
以上説明したように、第3の実施形態の情報処理装置10cにおいて、影付与部27aは、第1の背景情報92aに基づいて生成される自由視点映像Jと、第2の背景情報92bに基づいて生成される自由視点映像Jとを切り替える際に、第1の背景情報92aに係る光源情報93に基づいて生成される3Dモデル90M(3Dオブジェクト)の影94aの強度Iと、第2の背景情報92bに係る光源情報93に基づいて生成される3Dモデル90Mの影94bの強度Iとを制御する。
【0139】
これにより、自由視点映像Jの切り替わり箇所(背景の変更箇所)における繋ぎ目の不自然さを緩和することができる。
【0140】
なお、本明細書に記載された効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。また、本開示の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0141】
例えば、本開示は、以下のような構成もとることができる。
(1)
背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成部と、
前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置とに基づいて、前記光源によって前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与部と、
を備える情報処理装置。
(2)
前記影付与部は、前記自由視点映像の生成を開始又は終了する際に、前記背景情報に係る前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度を制御する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記影付与部は、撮像装置が撮影した映像と前記自由視点映像とを切り替える際に、前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度を制御する、
前記(1)又は(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記影付与部は、第1の背景情報に基づいて生成される前記自由視点映像と、第2の背景情報に基づいて生成される前記自由視点映像とを切り替える際に、前記第1の背景情報に係る前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度と、前記第2の背景情報に係る前記光源情報に基づいて生成される前記3Dオブジェクトの影の強度とを制御する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(5)
前記影付与部は、前記自由視点映像の生成を開始又は終了する際に、前記3Dオブジェクトの影の強度を徐々に強くする制御、又は徐々に弱くする制御のいずれか一方の制御を行う、
前記(2)乃至(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)
前記影付与部は、
前記生成部が自由視点映像の生成を開始してから所定時間の間に、前記3Dオブジェクトの影の強度を徐々に強くして、
前記生成部が自由視点映像の生成を終了する所定時間前から、前記3Dオブジェクトの影の強度を徐々に弱くする、
前記(2)乃至(5)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(7)
前記自由視点映像の中から、前記3Dオブジェクトの領域を抽出する抽出部を更に備えて、
前記影付与部は、
前記背景情報に重ね合わせた、前記視点位置に応じた前記3Dオブジェクトに、前記抽出部が抽出した当該3Dオブジェクトの領域と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記光源情報と、前記視点位置と、に基づいて生成された前記3Dオブジェクトの影を付与する、
前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
前記生成部は、前記自由視点映像を一時停止させた状態で、当該自由視点映像の中の3Dオブジェクトを異なる自由視点から連続的に視聴する自由視点映像を生成する、
前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(9)
前記3Dオブジェクトは、同一被写体を複数の視点位置から撮影した複数の画像で構成される、
前記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(10)
前記3Dオブジェクトは、視点位置に応じたテクスチャ情報を有する、
前記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)
前記3DオブジェクトはCG(Computer Graphics)である、
前記(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成ステップと、
前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置と、に基づいて前記光源によって、前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与ステップと、
を備える情報処理方法。
(13)
コンピュータを、
背景情報と重ね合わせた3Dオブジェクトを任意の視点位置から視聴する自由視点映像を生成する生成部と、
前記背景情報に係る光源の位置と当該光源が放射する光線の方向とを示す光源情報と、前記3Dオブジェクトが有する3次元情報と、前記視点位置と、に基づいて前記光源によって、前記視点位置に応じて前記3Dオブジェクトに生じる影を生成して、前記自由視点映像に付与する影付与部と、
して機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0142】
10a,10b…情報処理装置、20…携帯端末、21…3Dモデル取得部、22…背景情報取得部、23…視点位置設定部、24…自由視点映像生成部(生成部)、25…領域抽出部(抽出部)、26…光源情報取得部、27,27a…影付与部、28…レンダリング処理部、29…表示制御部、70,70a,70b,70c…撮像装置、72,72a,72b…仮想カメラ、90…被写体、90M,90Ma,90Mb,90Mc,90Md,90Me…3Dモデル(3Dオブジェクト)、92…背景情報、92a…第1の背景情報、92b…第2の背景情報、93…光源情報、94…影、D…デプス情報(3次元情報)、H1,H2…距離、J,Ja,Jb,J1,J2…自由視点映像、L…光源、M…メッシュ情報、Si…シルエット画像、Sm…シャドウマップ、T,Ta,Tb…テクスチャ情報、V,V1,V2…自由視点