(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】移動体制御装置、移動体制御方法及び移動体制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241001BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2022535984
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2020027190
(87)【国際公開番号】W WO2022013904
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 伸明
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/002527(WO,A1)
【文献】特開2002-274305(JP,A)
【文献】特開2017-174208(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106991591(CN,A)
【文献】特開2019-159768(JP,A)
【文献】特開2012-108868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせる認証制御手段と、
前記認証装置が前記ユーザの顔画像が含まれる画像データについて顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証に成功した前記ユーザの属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する記憶手段と、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に送信する指示送信手段と、
を備え
、
前記属性情報は、過去に前記ユーザが受けた運送サービスの履歴を利用して構成された情報である第1情報を含み、
前記判定手段は、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの前記第1情報が前記要件情報にも含まれるか否かを判定する、
移動体制御装置。
【請求項2】
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせる認証制御手段と、
前記認証装置が前記ユーザの顔画像が含まれる画像データについて顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証に成功した前記ユーザの属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する記憶手段と、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に送信する指示送信手段と、
を備え、
前記属性情報は前記ユーザが加入する保険の情報を含み、
前記要件情報は前記ユーザが予め設定された保険に加入していることについての情報を含み、
前記判定手段は、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件の少なくとも1つとして、前記顔認証にかかる前記ユーザが予め設定された前記保険に加入しているか否かを判定する、
移動体制御装置。
【請求項3】
前記保険にかかる所定のイベントが前記移動体に発生したことを示すイベント情報を前記移動体から受け取る情報受信手段と、
前記イベント情報を受信した場合に、前記イベントにかかる通報先に前記イベントの発生について通報する通報手段と、をさらに備える
請求項
2に記載の移動体制御装置。
【請求項4】
前記通報手段は、前記通報先に、前記ユーザの前記属性情報の少なくとも一部を併せて通報する、
請求項
3に記載の移動体制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの識別子が前記要件情報にも含まれるか否かを判定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
【請求項6】
前記指示送信手段は、前記判定の結果が、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているものと判定するものであった場合に、前記移動体が移動することを指示する指示情報を前記移動体に出力する、
請求項1~
5のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
【請求項7】
前記判定の結果が、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているものと判定するものであった場合に、前記属性情報に基づいて運行計画を生成し、生成した前記運行計画を前記移動体に出力する計画提示手段をさらに備え、
前記指示送信手段は、前記運行計画が確定した場合に前記運行計画に基づく前記移動体の移動を指示する前記指示情報を前記移動体に送信する、
請求項1~
6のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
【請求項8】
前記画像データ取得手段は、前記画像データとともに前記移動体の位置情報を取得するものであって、
前記計画提示手段は、前記移動体の前記位置情報に基づいて、前記運行計画を生成する、
請求項
7に記載の移動体制御装置。
【請求項9】
前記指示送信手段は、前記判定の結果が、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているものと判定しないものであった場合に、前記移動体における所定の機能を抑制することを指示する前記指示情報を前記移動体に出力する、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
【請求項10】
前記指示送信手段は、前記指示情報として、前記移動体の移動の抑制を指示する前記指示情報を前記移動体に出力する、
請求項
9に記載の移動体制御装置。
【請求項11】
前記指示送信手段は、前記指示情報として、前記移動体に前記ユーザが搭乗するためのドアが開くことの抑制を指示する前記指示情報を前記移動体に出力する、
請求項
9に記載の移動体制御装置。
【請求項12】
前記ユーザから前記移動体の利用に関する予約情報を予め受け付ける予約受付手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの識別子が前記予約情報にも含まれるか否かを判定する、
請求項1~
11のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
【請求項13】
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得し、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせ、
前記認証装置が前記ユーザの顔画像が含まれる画像データについて顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証に成功した前記ユーザの属性情報を取得し、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶し、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定
する判定処理を実行し、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に出力する
ことであって、
前記属性情報は、過去に前記ユーザが受けた運送サービスの履歴を利用して構成された情報である第1情報を含み、
前記判定処理は、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの前記第1情報が前記要件情報にも含まれるか否かを判定する、
ことをコンピュータが実行する移動体制御方法。
【請求項14】
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する処理と、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせる処理と、
前記認証装置が前記ユーザの顔画像が含まれる画像データについて顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証に成功した前記ユーザの属性情報を取得する処理と、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する処理と、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定する
判定処理と、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に出力する処理とを、
含む処理であって、
前記属性情報は、過去に前記ユーザが受けた運送サービスの履歴を利用して構成された情報である第1情報を含み、
前記判定処理は、前記ユーザが前記移動体による運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの前記第1情報が前記要件情報にも含まれるか否かを判定する、
処理を、コンピュータに実行させる移動体制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体制御装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザを運送する移動体において様々な技術が開発されている。特に近年は自動運転車を利用したモビリティサービスの開発が進展している。自動運転車が乗客を運送するサービスは、例えばMaaS(Mobility as a Service)と称される。
【0003】
特許文献1に記載の技術によれば、サーバ装置は、ユーザに提供される車両に搭載された車載端末機から、車両に関するサービスを提供するサービス提供会社に対する前記ユーザのIDである第1ユーザIDを受信し、サービス提供会社のサーバ装置へ送信する。次に、サーバ装置は、サービス提供会社のサーバ装置から第1ユーザIDに基づく認証結果を受信し、車載端末機又はユーザの端末装置へ送信する。
【0004】
特許文献2に記載の技術によれば、送信データは、ユーザが使用する車両に搭載される車載端末機から、車両から情報を収集するサーバ装置へ送信される。そのデータ構造は、車両に関するサービスを提供するサービス提供会社に対するユーザのユーザIDと、車載端末機が搭載された車両を特定する車両IDと、を含む。この送信データは、サービス提供会社のサーバ装置によるユーザの認証に使用される。
【0005】
特許文献3に記載の技術によれば、登録情報は車両のユーザの端末装置に記憶される。そのデータ構造は、第1ユーザIDと、第2ユーザIDと、提供情報と、を含む。第1ユーザIDは、ユーザに車両を提供する車両提供会社に対するユーザのIDである。第2ユーザIDは、車両に関するサービスを提供するサービス提供会社に対するユーザIDである。提供情報は、車両により取得された情報のうち、サービス提供会社のサーバ装置へ提供される情報を示す。この登録情報は、車両により取得された情報のうち、サービス提供会社が要求する情報を当該サービス提供会社のサーバ装置へ提供するために用いられる。
【0006】
特許文献4に記載の技術によれば、運転者識別方法は、車両運転者の第1の画像を記録するステップと、第1の画像から車両運転者の顔の特徴のセットについての値のセットを抽出するステップと、フィルタリングパラメータを決定するステップと、を有する。
また運転者識別方法は、フィルタリングパラメータに基づいて、クラスタのセットから運転者識別子のクラスタを選択するステップと、値のセットがクラスタの各運転者識別子と関連付けられる確率を計算するステップと、を有する。さらに運転者識別方法は、運転センサシステムにおいて、運転セッション中の運転特性データを測定するステップと、計算した確率が第1の閾値確率を超えることに応答して、新たな値のセットが選択したクラスタ内の一つの運転者識別子に対応することを判定し、運転特性データを一つの運転者識別子と関連付けるステップとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-175184号公報
【文献】特開2019-175185号公報
【文献】特開2019-175189号公報
【文献】国際公開第2015/073375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1~3は、カーシェアリングにおける車両とユーザのマッチングを行うための技術である。また特許文献4は、運転者認証を行うことが記載されているに過ぎず、車両を利用した運送サービスについては記載されていない。近年急速に進むMaaSの運用を好適に実現するためには、ユーザに紐づけられた情報を適切に処理する技術が望まれる。
【0009】
本開示はこのような問題点を解決するためになされたものであり、自動運転機能を有する移動体によるユーザの運送を好適に実現する移動体制御装置、システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の1実施形態にかかる移動体制御装置は、画像データ取得手段、認証制御手段、属性情報取得手段、記憶手段、判定手段および指示送信手段を有する。画像データ取得手段は、ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影されたユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する。認証制御手段は、ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、画像データについて顔認証を行わせる。属性情報取得手段は、顔認証に成功した場合に、ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から顔認証にかかる属性情報を取得する。記憶手段は、移動体がユーザを運送するための要件情報を記憶する。判定手段は、属性情報と要件情報とに基づいて、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。指示送信手段は、判定の結果に基づく指示情報を移動体に送信する。
【0011】
本開示の1実施形態にかかる移動体制御方法は、コンピュータが、以下のステップを行うものである。コンピュータは、ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影されたユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する。コンピュータは、ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、画像データについて顔認証を行わせる。コンピュータは、顔認証に成功した場合に、ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から顔認証にかかる属性情報を取得する。コンピュータは、移動体にユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する。コンピュータは、属性情報と要件情報とに基づいて、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。またコンピュータは、判定の結果に基づく指示情報を移動体に出力する。
【0012】
本開示の1実施形態にかかるプログラムは、コンピュータに、以下のステップを実行させるものである。コンピュータは、ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影されたユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する。コンピュータは、ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、画像データについて顔認証を行わせる。コンピュータは、顔認証に成功した場合に、ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から顔認証にかかる属性情報を取得する。コンピュータは、移動体にユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する。コンピュータは、属性情報と要件情報とに基づいて、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。またコンピュータは、判定の結果に基づく指示情報を移動体に出力する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、自動運転機能を有する移動体によるユーザの運送を好適に実現する移動体制御装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態1に係る移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る移動体制御方法を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2に係る移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2に係る移動体制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態3に係る移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態3に係る移動体制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態4に係る移動体制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】顔特徴情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】顔認証処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】顔認証ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図12】ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図13】移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0016】
<実施形態1>
図1を参照して移動体制御装置の構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る移動体制御装置10の構成を示すブロック図である。移動体制御装置10は、ユーザを運送する移動体を制御する。移動体制御装置10は、移動体を制御することにより、ユーザを所望の行先へ運送するサービス(運送サービス)を実現する。ユーザは、かかる運送サービスを受けることにより、移動体を占有し、占有する移動体により所望の行先へ移動できる。
【0017】
移動体は例えば自動運転機能を有する自動車である。移動体は自動車に代えて、船、飛行機、ヘリコプタまたは電車等であってもよい。移動体制御装置10は、乗客であるユーザに対して顔認証を行うことにより、移動体にユーザを運送させる。移動体制御装置10は、通信ネットワーク(以降、通信ネットワークを単にネットワークとも称する)に接続し、接続するネットワークを介して外部の装置と種々の通信を行う。
【0018】
具体的には、移動体制御装置10は、ネットワークを介して移動体、認証装置および記憶装置に接続する。移動体は撮影装置を含む。移動体は、撮影装置によりユーザの顔を撮影し、撮影した画像の画像データを移動体制御装置10に供給する。また移動体は移動体制御装置10からの指示を受けてユーザを運送する。認証装置は、移動体制御装置10から画像データを受け取り、受け取った画像データにかかる顔認証を行う。記憶装置は、ユーザの属性情報を記憶し、移動体制御装置10に対して顔認証にかかるユーザの属性情報を提供する。なお、ネットワークは、有線か無線であるかを問わないし、通信プロトコルの種別を問わない。移動体制御装置10は、主な構成として画像データ取得部110、認証制御部111、属性情報取得部112、判定部113、指示送信部114および記憶部120を有している。
【0019】
画像データ取得部110は、所定の撮影装置により撮影されたユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する。認証制御部111は、ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、画像データについて顔認証を行わせる。
【0020】
属性情報取得部112は、認証装置が顔認証に成功した場合に、ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から顔認証にかかる属性情報を取得する。属性情報は、ユーザが移動体を利用するための情報である。例えば属性情報は、ユーザの氏名、性別および使用言語等のプロファイル情報を含んでもよい。また属性情報は、ユーザの住所、ユーザの勤務先の住所およびその他ユーザに関連性が高い住所に関する情報を含んでもよい。属性情報は、ユーザが移動体による運送サービスを受ける場合に、移動体に対して要求する事項(要求事項)を含んでもよい。要求事項は、例えば、移動体が高速道路を利用してもよいか否かの設定、移動体の室内における空調の設定、または移動体の室内におけるオーディオ機器の設定等を含んでもよい。また要求事項は、ユーザの好みの映像コンテンツやオーディオコンテンツに関する情報を含んでもよい。属性情報は、ユーザが移動体による運送サービスを受けるための運送サービス提供者との契約情報(契約の有無、契約種別、有効期限等)を含んでもよい。また属性情報は、ユーザが移動体による運送サービスを受けるために加入する保険についての情報を含んでいてもよい。属性情報は、ユーザの連絡先(電話番号、電子メールアドレスやソーシャルネットワークサービスアカウント等)を含んでいてもよい。属性情報は、ユーザが運送サービスを受けた場合の決済方法を含んでいてもよい。また属性情報は、ユーザが運送サービスを受ける場合における行先を予め含んでいてもよい。なお属性情報は過去にユーザが受けた運送サービスの履歴を含んでもよい。また上述の属性情報は、かかる履歴により更新されてもよい。例えば属性情報は、かかる履歴に含まれるユーザの行動パターンや要求事項の傾向が分析された結果を利用して構成されてもよい。
【0021】
記憶部120は、不揮発性メモリを含む記憶装置であって、少なくとも要件情報121を記憶する。要件情報121は、移動体がユーザを運送するための要件となる情報である。要件情報121は、例えば、運送サービスを受ける会員の識別子を含む。この場合、移動体制御装置10は、ユーザが予め登録された会員に含まれることを要件として移動体にユーザを運送させる。要件情報121は、会員の年齢や利用実績などの情報を含んでいてもよい。また要件情報121は、運送サービスの利用者が予め設定された保険に加入していることを含んでいてもよい。要件情報121は、運送サービスを行う移動体の識別情報を含んでいてもよい。また移動体が複数存在する場合に、要件情報121は、移動体が有する個別の要件情報を含んでいてもよい。要件情報121が移動体ごとの要件情報を含むことにより、移動体制御装置10は、ユーザが利用する移動体を選択できる。また後述する判定部113は、移動体の識別子と要件情報121とを紐付けることにより、それぞれの移動体に応じて異なる判定基準を用いることができる。移動体制御装置10は、これらの要件を含む要件情報121を利用して移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。
【0022】
判定部113は、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。より具体的には、判定部113は、認証装置がユーザの顔認証に成功した場合に、記憶装置から顔認証にかかるユーザの属性情報を読み取るとともに、記憶部120から要件情報121を読み取り、属性情報と要件情報とを照合する。そして判定部113は、照合の結果、ユーザの属性情報が運送サービスを受けるための要件を充たしているか否かを判定する。すなわち判定部113は、属性情報と要件情報121とから、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。
【0023】
より具体的には、判定部113は、例えば移動体にユーザを輸送させることを判定するための要件の少なくとも1つとして、属性情報に含まれるユーザの識別子が要件情報にも含まれるか否かを判定してもよい。また判定部113は、例えば、移動体にユーザを輸送させることを判定するための要件の少なくとも1つとして、顔認証にかかるユーザが移動体による運送にかかる保険に加入しているか否かを判定してもよい。なお、判定部113は、上記判定において、ユーザを撮影した撮影装置を有する移動体から移動体識別情報を取得する。判定部113は、移動体識別情報を利用して、移動体にユーザを輸送させることを判定してもよい。移動体識別情報は、移動体の識別子、移動体が有する機能に関する情報および移動体が運送サービスを行う場合の条件に関する情報等を含んでもよい。
【0024】
指示送信部114は、判定の結果に応じた指示情報を生成し、生成した指示情報を移動体に出力する。すなわち指示送信部114は、判定部113が生成する判定の結果が移動体にユーザを運送させることを判定するものであった場合に、移動体が移動することを指示する指示情報を移動体に出力する。この場合、より具体的には、指示送信部114が出力する指示情報は、移動体の解錠を指示するものや、移動体の移動手段であるエンジンやモータを駆動することを指示するものであってもよい。また指示情報は、移動体に対してユーザを運送する際の運送計画として、ユーザの行先に関する情報や、かかる行先に到着するまでのルート設定に関する情報を含むものであってもよい。
【0025】
判定の結果が移動体にユーザを運送させないものである場合、指示情報は、移動体にユーザを運送させないことを指示する情報を含む。より具体的には、指示送信部114が出力する指示情報は、移動体における所定の機能を抑制することを指示するものを含む。例えば指示情報は、移動体の移動の抑制を指示するものであってもよい。移動体の移動の抑制とは例えば移動体の移動手段であるエンジンやモータを駆動しないことを指示するものであってもよい。また指示情報は、例えば移動体にユーザが搭乗するためのドアが開くことの抑制を指示するものであってもよい。より具体的には、指示情報は、外部からユーザが搭乗できないようにするために、移動体のドアの錠をロックするものであってもよい。
【0026】
次に、
図2を参照して移動体制御装置10が行う処理について説明する。
図2は、実施形態1に係る移動体制御装置10が行う移動体制御方法を示すフローチャートである。
図2に示すフローチャートは、例えば所定の移動体から移動体制御装置10に画像データが送信されることにより開始される。なお、移動体は、例えば移動体に設けられた所定のボタンが押下されることによりユーザ認証申請を受け付け、ユーザの顔画像を撮影する。そして移動体は、撮影した顔画像のデータである画像データを移動体制御装置10に送信する。
【0027】
まず、移動体制御装置10は、ネットワークを介して、移動体から画像データを取得する(ステップS11)。この場合、移動体制御装置10は、移動体から画像データに加えて移動体の位置情報を取得してもよい。移動体の位置情報は、例えば移動体にGNSS(Global Navigation Satellite System)等の測位システム用のアンテナおよび測位情報受信装置により取得される。
【0028】
次に、移動体制御装置10は、認証装置に顔認証を行わせる(ステップS12)。より具体的には、移動体制御装置10は、移動体から受け取った画像データを、認証装置に供給するとともに、認証装置に対して認証を行うことを要求する。認証装置は、複数のユーザの識別情報と顔特徴情報とを紐付けて記憶している。認証装置は、例えば画像データに含まれるユーザの顔画像から所定の特徴量を抽出し、抽出した特徴量と、ユーザの識別情報とを紐付ける。また認証装置は、認証に成功した場合に、受け取った画像データに紐付いたユーザの識別情報を移動体制御装置10に供給する。
【0029】
次に、移動体制御装置10は、認証が成功したか否かを判定する(ステップS13)。認証が成功したか否かは、例えば、認証装置から送られる信号により判定する。例えば、認証を行うための要求信号を送信した後の所定期間内に、認証装置から認証が成功した旨の信号を取得しない場合、移動体制御装置10は、認証が成功したと判定しない(ステップS13:NO)。この場合、移動体制御装置10は処理を終了する。
【0030】
一方、例えば、認証を行うための要求信号を送信した後の所定期間内に、認証装置から認証が成功した旨の信号を取得した場合、移動体制御装置10は、認証が成功したと判定する(ステップS13:YES)。この場合、移動体制御装置10は、成功した認証にかかるユーザの属性情報を記憶装置から取得する(ステップS14)。
【0031】
次に、移動体制御装置10は、取得した属性情報と、記憶部120から取得した要件情報とから、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する(ステップS15)。移動体にユーザを運送させると判定しない場合(ステップS15:NO)、移動体制御装置10は、処理を終了する。一方、移動体にユーザを運送させると判定する場合(ステップS15:YES)、移動体制御装置10は、移動体にユーザを運送させることを指示する指示情報を移動体に送信する(ステップS16)。移動体制御装置10は、指示情報を移動体に送信すると、処理を終了する。
【0032】
以上、実施形態1にかかる移動体制御装置10について説明した。尚、移動体制御装置10は、図示しない構成としてプロセッサ及び記憶装置を有するものである。移動体制御装置10が有する記憶部120は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む。この場合に、記憶部120は、上述の要件情報に加えて、属性情報を記憶するものであってもよい。この場合、移動体制御装置10は、成功した顔認証にかかるユーザの属性情報をかかる記憶部120から読み取ることができる。
【0033】
また記憶部120には、本実施形態に係る移動体制御方法を実行するためのコンピュータプログラム(以降、単にプログラムとも称する)が記憶されている。プロセッサは、記憶部120からコンピュータプログラムをメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。
【0034】
移動体制御装置10が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。
【0035】
また、移動体制御装置10の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、移動体制御装置10の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0036】
以上、実施形態1について説明した。なお、実施形態1にかかる移動体は、自動運転機能を有するものであるが、自動運転機能とは、完全自動運転に限られない。すなわち、実施形態1にかかる移動体は、ユーザが運転を行う場合に、運転機能の一部を支援するものであってもよい。
【0037】
上述の移動体制御装置10は、ユーザの顔認証を行うことで、ユーザの属性情報を取得し、取得した属性情報から移動体にユーザを運送させるか否かを判定する。そのため、ユーザは、移動体に顔画像を撮影させることにより、移動体による運送サービスを受けることができる。また移動体および移動体制御装置10を有する運送システムは、顧客であるユーザの顔認証を行うことで、ユーザ本人に確実に紐付けられた運送サービスを実行できる。そのため、かかる運送システムは、例えば自動運転機能を有する車両等の運送サービスを不正に利用する行為を抑制できる。以上のように、本実施形態によれば、自動運転機能を有する移動体によるユーザの運送を好適に実現する移動体制御装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【0038】
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。実施形態2にかかる移動体制御装置は、予約受付部および計画提示部を有する点が、実施形態1と異なる。
【0039】
図3は、実施形態2に係る移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
図3に示す移動体制御装置20は主な構成として、画像データ取得部110、認証制御部111、属性情報取得部112、判定部113、指示送信部114、予約受付部115、計画提示部116および記憶部120を有する。
【0040】
移動体制御装置20において、予約受付部115は、ユーザから移動体の利用に関する予約情報を予め受け付ける。予約情報は、例えばユーザの識別子、ユーザが運送サービスを受けるために移動体に搭乗する場所と時刻を含み得る。また予約情報は、ユーザが所望する行先についての情報を含んでいてもよい。予約情報は、予約時にユーザの属性情報と要件情報とからユーザに運送サービスを提供するか否かを判定するための情報を含んでいてもよい。この場合、移動体制御装置20は、予約情報を受け付けた場合に、属性情報と要件情報とから、ユーザに運送サービスを提供するか否かを判定し、判定の結果に応じて予約を受け付ける。また予約情報に対する上述の判定は、予約情報を受け付けた際に遅滞なく行ってもよいし、予約にかかる輸送サービスを開始する時点で行ってもよい。
【0041】
移動体制御装置20において、判定部113は、移動体にユーザを輸送させることを判定するための要件に、上述の予約情報を含み得る。判定部113は、例えば、移動体にユーザを輸送させることを判定するための要件の少なくとも1つとして、属性情報に含まれるユーザの識別子が予約情報にも含まれるか否かを判定するものであってもよい。判定部113は、予約受付部115が受け付けた情報から、予約情報に含まれる処理が実行可能であるか否かを判定してもよい。判定部113は、かかる処理を、予約情報の受付後に遅滞なく行ってもよいし、予約にかかる輸送サービスを開始する時点で行ってもよい。
【0042】
なお、移動体制御装置20は、ユーザから受け付けた予約情報に応じて、例えば移動体をユーザの指定する場所に向かわせることができてもよい。また本実施形態における判定部113は、予約受付部115が予約情報を受け付けた場合に、受け付けた予約情報と移動体の運行状況とから、当該予約を実行することが可能か否かを判定するものであってもよい。この場合、例えば判定部113は、予約情報に含まれる情報と移動体の位置情報とを照合し、ユーザが所望する日時および場所に移動体を移動させることが出来るか否かの判定を行う。また判定部113は、移動体が任意の運行計画を実行中である場合や、すでに予定されている運行計画がある場合には、これらを鑑みた上でかかる判定を行う。移動体制御装置20が複数の移動体を制御している場合には、複数の移動体のそれぞれの状況からユーザの予約が実行可能か否かを判定する。そして例えば判定部113がユーザの予約情報に応じた運行計画を実行することが可能であると判定した場合に、移動体制御装置20はユーザの予約を受け付ける。また本実施形態における判定部113は、予約受付部115が予約情報を受け付けた場合に、予約にかかるユーザの属性情報と要件情報とから、当該予約を実行することが可能か否かを判定するものであってもよい。
【0043】
計画提示部116は、判定の結果が移動体にユーザを運送させることを判定するものであった場合に、属性情報に基づいて運行計画を生成し、生成した運行計画を移動体に出力する。また、計画提示部116は、画像データ取得部110が画像データとともに移動体の位置情報を取得する場合には、移動体の位置情報を利用して運行計画を生成するものであってもよい。計画提示部116は、例えば、取得した移動体の位置情報を出発地点として、予約情報に含まれるユーザの所望する行先を目的地として、ルート設定を行うことができる。
【0044】
計画提示部116は、生成した運行計画を移動体に出力し、移動体を介してユーザから運行計画の承認を得ることにより、生成した運行計画を確定させる機能を有していてもよい。この場合、指示送信部114は、運行計画が確定した場合に、指示情報を移動体に送信する。また、計画提示部116は、生成した運行計画を移動体に出力し、移動体を介してユーザから運行計画の変更指示を受ける機能を有していてもよい。
【0045】
移動体制御装置20において、記憶部120は、要件情報121に加えて属性情報122を記憶している。なお、記憶部120のハードウェア構成は、一体となったメモリであってもよいし、分散したメモリであってもよい。要件情報121と属性情報122とは同じメモリの異なる記憶領域に記憶されていてもよいし、それぞれ異なるメモリに記憶されていてもよい。
【0046】
次に、
図4を参照して、移動体制御装置20が行う処理について説明する。
図4は、実施形態2に係る移動体制御方法の例を示すフローチャートである。
図4にかかるフローチャートは、ステップS13から後の処理の一部が、実施形態1のフローチャートと異なる。なお、以降のフローチャートにおいて、上述のフローチャートにおける処理と同等の処理については適宜説明を省略する。
【0047】
ステップS13において、移動体制御装置10は、認証が成功したか否かを判定する(ステップS13)。ユーザの認証が成功したと判定しない場合(ステップS13:NO)、移動体制御装置20はステップS24に進む。一方、ユーザの認証が成功したと判定する場合(ステップS13:YES)、移動体制御装置10は、成功した認証にかかるユーザの属性情報を記憶装置から取得し(ステップS14)、ステップS15に進む。
【0048】
ステップS15において、移動体制御装置20は、取得した属性情報と、記憶部120から取得した要件情報とから、移動体にユーザを運送させるか否かを判定する(ステップS15)。移動体にユーザを運送させると判定しない場合(ステップS15:NO)、移動体制御装置10は、ステップS24に進む。一方、移動体にユーザを運送させると判定する場合(ステップS15:YES)、移動体制御装置10は、ステップS21に進む。
【0049】
ステップS21において、移動体制御装置20の計画提示部116は、運行計画を生成し、生成した運行計画を移動体に送信する(ステップS21)。さらに移動体制御装置20は、送信した運行計画に対して変更の要求があるか否かを判定する(ステップS22)。送信した運行計画に対して変更の要求がないと判定しない場合、つまり運行計画を変更する場合(ステップS22:NO)、移動体制御装置20は、ステップS21に戻り、再度運行計画を生成する。この場合、計画提示部116は、変更の指示に対応する項目についての運行計画を変更する。一方、送信した運行計画に対して変更の要求がないと判定する場合(ステップS22:YES)、移動体制御装置20の指示送信部114は、移動体にユーザの運送を指示する(ステップS23)。移動体にユーザの運送を指示する指示情報を送信した後に、移動体制御装置20は処理を終了する。
【0050】
ステップS24において、移動体制御装置20は、移動体に対してユーザを運送させないように指示を送る。すなわち、移動体制御装置20の指示送信部114は、移動体に対して所定の機能の抑制を指示する(ステップS24)。移動体に所定の機能の抑制を指示する指示情報を送信した後に、移動体制御装置20は処理を終了する。
【0051】
以上、
図4のフローチャートについて説明した。なお、
図4にかかる移動体制御方法は、移動体制御装置20と複数の移動体とが通信可能に接続する場合には、画像データ取得部110が、移動体の識別情報を併せて取得する。そして移動体制御装置20は、取得した識別情報にかかる移動体に対して指示情報を送る。これにより、移動体制御装置20は、複数の移動体を制御できる。
【0052】
以上のように、移動体制御装置20は、自動運転機能を有する移動体と、移動体による運送サービスを受けることを所望するユーザとを紐づけるとともに、ユーザの所望する運送サービスを好適に提供できる。よって、本実施形態によれば、自動運転機能を有する移動体によるユーザの運送を好適に実現する移動体制御装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【0053】
<実施形態3>
次に、実施形態3について説明する。実施形態3にかかる移動体制御装置は、情報受信部および通報部を有する点が、上述の実施形態1と異なる。
図5は、実施形態3に係る移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
図5に示す移動体制御装置30は、主な構成として、画像データ取得部110、認証制御部111、属性情報取得部112、判定部113、指示送信部114、情報受信部117、通報部118および記憶部120を有する。
【0054】
情報受信部117は、イベント情報を移動体から受け取る。イベント情報は、運送サービスの保険にかかる所定のイベントが移動体に発生したことを示す情報である。所定のイベントとは、例えば移動体に生じる故障や事故等のインシデントをいう。移動体は移動体が有する加速度センサ、カメラおよび故障診断装置等の機能を利用して、移動体自身に生じるイベントを検出する。イベント情報は、イベントが発生した日時、場所、移動体の識別情報、移動体が検出したインシデントの発生状況等を含む。またイベント情報は、運送サービスを受けているユーザの識別子、運送サービスの内容等を含んでもよい。
【0055】
通報部118は、情報受信部117が移動体からイベント情報を受信した場合に、イベントにかかる通報先にイベントの発生について通報する。イベントにかかる通報先は、例えば保険を運営する会社の受付窓口である。あるいは、イベントにかかる通報先は、移動体の故障や事故の処理を行う個人または法人であってもよい。またイベントにかかる通報先は、警察などの公共機関であってもよい。なお通報部118は、上述の通報先に、イベント情報と併せて、ユーザの属性情報の少なくとも一部を通報するものであってもよい。例えば通報先が保険を運営する会社の受付窓口であった場合、通報部118は、ユーザの識別情報およびユーザが加入する保険の契約内容に関する情報を併せて通報する。この場合に、移動体制御装置30は、通報部118から通報を受けた保険会社等が通報を受けて決定した保険適用の範囲や保険金等に関する情報を保険会社等から受け取ってもよい。なお、通報部118は、複数の通報先に対してイベントの発生について通報してもよい。また通報部118は、イベント情報に含まれる内容に応じて、通報先を設定してもよい。
【0056】
記憶部120は、上述の要件情報121および属性情報122に加えて、通報先情報123を記憶する。通報先情報123は、イベント情報を受信した場合に通報する通報先に関する情報である。移動体制御装置30が通報先に対して電子メールを送信する場合には、通報先情報は、通報先の電子メールアドレスを含む。移動体制御装置30が通報先に対して所定のIPアドレスを利用して通報する場合には、通報先情報は、通報先のIPアドレスおよび所定の通信プロトコルを含む。
【0057】
次に、
図6を参照して移動体制御装置30が実行する処理について説明する。
図6は、実施形態3に係る移動体制御方法を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、ユーザの認証が成功し、指示送信部114が移動体にユーザを運送させることについての指示情報を送信した後に開始する。
【0058】
まず移動体制御装置30は、移動体による運送サービスを開始させる(ステップS31)。次に、移動体制御装置30は、移動体からイベント情報を受信したか否かを判定する(ステップS32)。移動体からイベント情報を受信したと判定しない場合(ステップS32:NO)、移動体制御装置30は、ステップS32を繰り返す。一方、移動体からイベント情報を受信したと判定した場合(ステップS32:YES)、移動体制御装置30は、記憶部120から通報先情報123を取得する(ステップS33)。
【0059】
次に、移動体制御装置30は、取得した通報先情報を利用して、所定の通報先に、イベント情報を通報する(ステップS34)。なお、移動体制御装置30が移動体から受信するイベント情報と、移動体制御装置30が通報先に通報するイベント情報とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0060】
以上、実施形態3にかかる移動体制御装置30の処理について説明した。なお、実施形態3にかかる移動体制御装置30は、実施形態2にかかる構成を含んでいてもよい。
【0061】
移動体制御装置30は、自動運転機能を有する移動体に所定のイベントが発生したときに所定の通報先にイベントの発生について通報できる。これにより、移動体制御装置30は、ユーザの安全性の低下を抑制しつつ、運送サービスを行うことができる。よって、本実施形態によれば、自動運転機能を有する移動体によるユーザの運送を好適に実現する移動体制御装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【0062】
<実施形態4>
次に、実施形態4について説明する。実施形態4は、上述した実施形態1にかかる移動体制御装置10を含むシステムの例である。
図7は、実施形態4に係る移動体制御システム700の構成を示すブロック図である。移動体制御システム700は、移動体制御装置10、認証装置200、移動体600およびユーザ端末400を有する。上述のそれぞれの構成は、ネットワーク500を介して接続されている。なお、本実施形態においては、移動体制御装置10は記憶部120を含むものとする。また、実施形態1と重複する説明については適宜省略する。
【0063】
移動体制御装置10は、ユーザU1が撮影された撮影画像についての認証が成功した場合に、ユーザU1の属性情報から、移動体にユーザを運送させるか否かを判定し、判定の結果に応じて移動体600に指示情報を送信する情報処理装置である。移動体制御装置10は、例えば、コンピュータにより実現されるサーバ装置である。
【0064】
認証装置200は、顔認証を行う装置である。認証装置200は、顔特徴DB210を有する。顔特徴DB210は、ユーザIDと当該ユーザの顔特徴情報とを対応付けて記憶する顔特徴データベースである。尚、顔特徴DB210は、顔特徴情報記憶部の一例である。
【0065】
移動体600は、端末装置300を有する。端末装置300は、移動体600に設置されたコンピュータであって、演算装置、メモリ、通信装置等を含む。また端末装置300は、ユーザの顔画像を撮影する撮影装置を含む。端末装置300の形態は、各構成が移動体600の内部に互いに通信可能に分散して配置されていてもよいし、タブレットやスマートフォンのように一体となっていてもよい。端末装置300は、移動体600そのものであってもよい。
【0066】
端末装置300は、実施形態1において説明した撮影装置を含む。端末装置300は、移動体600に近づいたユーザU1の顔を撮影し、撮影された撮影画像を含めた顔認証要求を移動体制御装置10へ送信する。また端末装置300は、かかる顔認証の後に、移動体制御装置10から指示情報を受信して、受信した指示情報を移動体600のECU(Electronic Control Unit)に供給する。移動体は受信した指示情報に従って、移動体における所定の機能を制御する。
【0067】
ユーザ端末400は、ユーザU1が操作する情報処置装置である。ユーザ端末400は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPC等の通信機能を有する携帯端末である。ユーザ端末400は、端末装置300が受信する情報の一部を受信してもよい。
【0068】
次に、
図8を参照して、認証装置200の構成について詳細に説明する。
図8は、認証装置200の構成を示すブロック図である。認証装置200は、顔特徴DB210、顔検出部220、特徴点抽出部230、登録部240及び認証部250を有する。
【0069】
顔特徴DB210は、ユーザIDと当該ユーザの顔特徴情報とを対応付けて記憶する顔特徴データベースである。顔検出部220は、撮影画像が含む顔領域を検出し、特徴点抽出部230に出力する。特徴点抽出部230は、顔検出部220が検出した顔領域から特徴点を抽出し、登録部240に顔特徴情報を出力する。顔特徴情報は、抽出した特徴点の集合である。
【0070】
登録部240は、顔特徴情報の登録に際して、ユーザIDを新規に発行する。登録部240は、発行したユーザIDと、登録画像から抽出した顔特徴情報と、を対応付けて顔特徴DB210に登録する。認証部250は、顔画像から抽出された顔特徴情報と、顔特徴DB210内の顔特徴情報と、の照合を行う。認証部250は、顔特徴情報が一致している場合、顔認証が成功したと判断し、顔特徴情報が不一致の場合、顔認証が失敗したと判断する。認証部250は、顔認証の成否を移動体制御装置10に返信する。顔特徴情報の一致の有無は、認証の成否に対応する。また、認証部250は、顔認証に成功した場合、当該成功した顔特徴情報に対応付けられたユーザIDを特定し、特定されたユーザIDと認証成功の旨とを含めた認証結果を移動体制御装置10に返信する。
【0071】
図9を参照して、顔特徴DB210にユーザID及び顔特徴情報を登録する際における認証装置200の動作を説明する。
図9は、顔特徴情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
顔特徴情報を登録する際には、顔情報登録端末(不図示)が、ユーザの顔を含む画像を登録用画像として撮影し、認証装置200に対してネットワーク500を介して顔特徴情報登録要求を行う。顔情報登録端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の情報処理装置である。顔情報登録端末は、例えばユーザ端末400である。顔特徴情報登録要求は、登録用画像を含む。まず、認証装置200は、顔情報登録端末からネットワーク500を介して顔特徴情報登録要求に含まれる登録用画像を取得する(ステップS301)。
【0073】
次に、顔検出部220は、登録用画像が含む顔領域を検出し(ステップS302)、検出した顔領域を特徴点抽出部230に出力する。次に、特徴点抽出部230は、顔領域から特徴点を抽出し、登録部240に顔特徴情報を出力する(ステップS303)。次に、登録部240は、出力された顔特徴情報に対応するユーザIDを発行し、当該ユーザIDと顔特徴情報とを対応付けて顔特徴DB210に登録する(ステップS304)。
【0074】
図10を参照して、顔認証を行う際における認証装置200の動作を説明する。
図10は、顔認証処理の流れを示すフローチャートである。顔認証を行う際には、端末装置300は、ユーザの顔を含む画像を認証用画像として撮影し、移動体制御装置10に対してネットワーク500を介して顔認証要求を行う。顔認証要求は、認証用画像を含む。まず、移動体制御装置10は、認証用画像から抽出した顔領域又は顔特徴情報を認証装置200に送信する。特徴点抽出部230は、受信した顔領域から顔特徴情報を抽出し、又は顔特徴情報を受信することによって、顔特徴情報を取得する(ステップS401)。
【0075】
次に、認証部250は、取得した顔特徴情報を顔特徴DB210と照合する(ステップS402)。顔特徴情報が一致した場合(ステップS403:YES)、認証部250は、顔特徴情報が一致したユーザのユーザIDを特定し(ステップS404)、顔認証に成功した旨と特定したユーザIDとを移動体制御装置10に返信する(ステップS405)。一致する顔特徴情報がなかった場合(ステップS403:NO)、認証部250は、顔認証に失敗した旨を移動体制御装置10に返信する(ステップS406)。認証装置200は、顔特徴情報に基づいてユーザの年代及び性別を推定することができる。ステップS406では、認証部250は、推定した年代及び性別を含めて移動体制御装置10に返信するものとする。
【0076】
次に、
図11を参照して、端末装置300の構成について詳細に説明する。端末装置300は、ハードウェア構成として、カメラ等の撮影装置と、表示装置と、コンピュータとを有する。端末装置300は、顔認証による顔認証要求を行う装置である。端末装置300は、例えば、顔認証による決済を行う端末、顔認証による入場制御を行う端末、顔認証に応じて情報を提示するデジタルサイネージ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
図11は、端末装置300の構成を示すブロック図である。端末装置300は、撮影装置310、記憶部320、通信部330、表示部340及び制御部350を有する。撮影装置310は、画像を撮影する撮影装置である。
【0078】
記憶部320は、端末装置300の各機能を実現するためのプログラムが格納される記憶装置である。通信部330は、ネットワーク500との通信インタフェースである。また通信部330は、移動体600のECUとの通信インタフェースでもある。表示部340は、ユーザに対して顔認証結果及び運送サービスにおける情報等を表示する表示装置である。制御部350は、端末装置300が備えるハードウェアの制御を行う。制御部350は、撮影部352、登録部353および認証部354を有する。
【0079】
撮影部352は、撮影装置310に対して撮影要求を行う。撮影装置310は、ユーザの顔を含む画像を撮影する。撮影装置310が撮影した画像は、登録用画像及び認証用画像として使用される。登録部353は、顔特徴情報登録要求を、ネットワーク500を介して認証装置200に送信する。顔特徴情報登録要求は、撮影装置310が撮影した登録用画像を含む。認証部354は、顔認証要求を、ネットワーク500を介して移動体制御装置10に送信する。顔認証要求は、撮影装置310が撮影した認証用画像を含む。認証部354は、移動体制御装置10から顔認証の成否を受信し、その結果を表示部340に表示させる。
【0080】
次に、
図12を参照して、ユーザ端末400の構成について詳細に説明する。
図12は、ユーザ端末400の構成を示すブロック図である。ユーザ端末400は、カメラ410、記憶部420、通信部430、表示部440及び制御部450を有する。制御部450は、撮影部452、登録部453および認証部454を有する。ユーザ端末400が備える各構成の機能は、端末装置300が備える各構成と同様であるから、説明を省略する。
【0081】
次に、
図13を参照して、移動体制御装置10の構成について詳細に説明する。
図13は、移動体制御装置10の構成を示すブロック図である。移動体制御装置10は、制御部100、記憶部120、バッファメモリ130及び通信部140を有する。
【0082】
記憶部120は、要件情報121、属性情報122およびプログラム124を少なくとも記憶する不揮発性の記憶装置である。要件情報121は、移動体がユーザを運送するための要件となる情報である。
【0083】
属性情報122は、各ユーザのユーザIDと各ユーザのそれぞれに紐付けられた属性情報の集合である。ユーザIDは、ユーザを識別可能な識別情報であり、例えば、氏名、電話番号、メールアドレス、又は任意の識別番号等である。各ユーザID122b、122cには、個人属性情報122d、122eが対応付けられている。つまり、記憶部120には、複数のユーザの識別情報と、各ユーザの個人属性情報と、が紐付けられている。個人属性情報122d、122eは、例えば、性別、年齢、趣味又は身体情報等であるが、これらに限定されない。プログラム124は、本実施形態に係る情報制御処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0084】
バッファメモリ130は、制御部100の処理内容を一時的に記憶する記憶領域であり、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置である。通信部140は、移動体制御装置10の外部との通信を行うインタフェースである。
【0085】
制御部100は、登録部101、領域検出部103、画像データ取得部110、認証制御部111、属性情報取得部112、判定部113および指示送信部114を有する。制御部100は、移動体制御装置10の動作を制御する制御装置であり、例えば、CPU等のプロセッサを含む。制御部100は、記憶部120からプログラム124をバッファメモリ130へ読み込ませ、実行する。これにより、制御部100は、制御部100が有する各ブロックの機能を実現する。
【0086】
登録部101は、端末装置300又はユーザ端末400からネットワーク500を介して、登録要求を受信する。登録部101は、受信した登録要求に含まれるユーザIDに対応するユーザIDを発行する。登録部101は、ユーザIDと個別のユーザIDにそれぞれ対応する個人属性情報とを紐付けて、属性情報122を生成し、生成した属性情報122を記憶部120に登録する。
【0087】
領域検出部103は、画像データから顔領域を検出する。例えば、領域検出部103は、画像データを解析してユーザの顔領域を認識する。認証制御部111は、画像データに顔領域が特定された場合、認証装置200に対して、特定された各顔領域について顔特徴情報を用いた顔認証を行わせる。
【0088】
以上、実施形態4について説明したが、実施形態4にかかる移動体制御システム700は、移動体制御装置10に代えて、上述の移動体制御装置20または移動体制御装置30を構成としてもよい。
【0089】
次に
図14を参照して、端末装置300の表示部340が表示する画面について説明する。
図14は、端末装置に表示される画面の例を示す図である。
図14は、移動体600が自動運転機能付きのタクシーである場合の例である。
【0090】
図14には、端末装置300の表示部340が表示する画面341が示されている。画面341は、管理者および移動体600の車両番号に関する情報表示342、ユーザU1の顔認証にかかる画像343、顔認証の結果表示344、属性情報表示345、運行計画表示346、計画変更指示ボタン347および出発許可ボタン348を含む。
【0091】
図14に示す例は端末装置300の管理者が****タクシーという会社である。****タクシーは、移動体600にユーザU1を搭乗させてユーザU1の所望の行先へユーザU1を運送する。属性情報表示345は、ユーザの認証番号、氏名、加入している保険の種別および決済方法を含む。運行計画表示346は、移動体600の行先、経由地および高速道路使用が可能であることを示す表示を含む。
【0092】
ユーザU1は、上述の表示内容に対して承諾せず、運行計画を変更したい場合には、「計画を変更する」と表示された計画変更指示ボタン347を押下する。計画変更指示ボタン347を押下することにより、端末装置300は、ユーザU1に対して運行計画の変更を実現させるためのインタフェースを表示する。
【0093】
ユーザU1は、上述の表示内容に対して承諾し、運送サービスを受けたい場合には、「出発する」と表示された出発許可ボタン348を押下する。出発許可ボタン348が押下されると、移動体600は、運行計画が承諾されたことを示す信号を移動体制御装置10に供給する。そして移動体制御装置10は、移動体600に対して、ユーザの運送を指示する。
【0094】
以上、実施形態4について説明した。実施形態4にかかる移動体制御システム700は、移動体制御装置10に代えて、実施形態2にかかる移動体制御装置20または実施形態3にかかる移動体制御装置30を有していてもよい。移動体制御システム700において、移動体制御装置10は、認証装置200を含むものであってもよい。移動体制御システム700において、移動体制御装置10は、認証装置200に含まれるものであってもよい。実施形態4によれば、自動運転機能を有する移動体によるユーザの運送を好適に実現する移動体制御装置、システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【0095】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0096】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0097】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせる認証制御手段と、
前記顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証にかかる前記属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する記憶手段と、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記移動体に前記ユーザを運送させるか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に送信する指示送信手段と、
を備える
移動体制御装置。
(付記2)
前記判定手段は、前記移動体に前記ユーザを輸送させることを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの識別子が前記要件情報にも含まれるか否かを判定する、
付記1に記載の移動体制御装置。
(付記3)
前記判定手段は、前記移動体に前記ユーザを輸送させることを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記顔認証にかかる前記ユーザが前記移動体による運送にかかる保険に加入しているか否かを判定する、
付記1または2に記載の移動体制御装置。
(付記4)
前記保険にかかる所定のイベントが前記移動体に発生したことを示すイベント情報を前記移動体から受け取る情報受信手段と、
前記イベント情報を受信した場合に、前記イベントにかかる通報先に前記イベントの発生について通報する通報手段と、をさらに備える
付記3に記載の移動体制御装置。
(付記5)
前記通報手段は、前記通報先に、前記ユーザの前記属性情報の少なくとも一部を併せて通報する、
付記4に記載の移動体制御装置。
(付記6)
前記指示送信手段は、前記判定の結果が前記移動体に前記ユーザを運送させることを判定するものであった場合に、前記移動体が移動することを指示する指示情報を前記移動体に出力する、
付記1~5のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
(付記7)
前記判定の結果が前記移動体に前記ユーザを運送させることを判定するものであった場合に、前記属性情報に基づいて運行計画を生成し、生成した前記運行計画を前記移動体に出力する計画提示手段をさらに備え、
前記指示送信手段は、前記運行計画が確定した場合に前記指示情報を前記移動体に送信する、
付記1~6のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
(付記8)
前記画像データ取得手段は、前記画像データとともに前記移動体の位置情報を取得するものであって、
前記計画提示手段は、前記移動体の前記位置情報に基づいて、前記運行計画を生成する、
付記7に記載の移動体制御装置。
(付記9)
前記指示送信手段は、前記判定の結果が前記移動体に前記ユーザを運送させることを判定しないものであった場合に、前記移動体における所定の機能を抑制することを指示する指示情報を前記移動体に出力する、
付記1~8のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
(付記10)
前記指示送信手段は、前記指示情報として、前記移動体の移動の抑制を指示する指示情報を前記移動体に出力する、
付記9に記載の移動体制御装置。
(付記11)
前記指示送信手段は、前記指示情報として、前記移動体に前記ユーザが搭乗するためのドアが開くことの抑制を指示する指示情報を前記移動体に出力する、
付記9に記載の移動体制御装置。
(付記12)
前記ユーザから前記移動体の利用に関する予約情報を予め受け付ける予約受付手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記移動体に前記ユーザを輸送させることを判定するための要件の少なくとも1つとして、前記属性情報に含まれる前記ユーザの識別子が前記予約情報にも含まれるか否かを判定する、
付記1~11のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
(付記13)
付記1~12のいずれか一項に記載の移動体制御装置と、
前記移動体制御装置から前記画像データを受け取って前記顔認証を行う前記認証装置と、を備える
移動体制御システム。
(付記14)
付記1~12のいずれか一項に記載の移動体制御装置と、
前記ユーザと前記属性情報とを紐付けて記憶する記憶装置と、
を備える
移動体制御システム。
(付記15)
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得し、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせ、
前記顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証にかかる前記属性情報を取得し、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶し、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記移動体に前記ユーザを運送させるか否かを判定し、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に出力する、
移動体制御方法。
(付記16)
コンピュータが、
ユーザを運送する機能を有する移動体に設置された撮影装置により撮影された前記ユーザの顔画像が含まれる画像データを取得する処理と、
前記ユーザの顔特徴情報を記憶した認証装置に対して、前記画像データについて顔認証を行わせる処理と、
前記顔認証に成功した場合に、前記ユーザの属性情報を記憶する記憶装置から前記顔認証にかかる前記属性情報を取得する処理と、
前記移動体に前記ユーザを運送させるための要件に関する情報である要件情報を記憶する処理と、
前記属性情報と前記要件情報とに基づいて、前記移動体に前記ユーザを運送させるか否かを判定する処理と、
前記判定の結果に基づく指示情報を前記移動体に出力する処理と、
を、コンピュータに実行させる移動体制御プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0098】
10 移動体制御装置
20 移動体制御装置
30 移動体制御装置
101 登録部
103 領域検出部
110 画像データ取得部
111 認証制御部
112 属性情報取得部
113 判定部
114 指示送信部
115 予約受付部
116 計画提示部
117 情報受信部
118 通報部
120 記憶部
121 要件情報
122 属性情報
123 通報先情報
130 バッファメモリ
140 通信部
200 認証装置
210 顔特徴DB
220 顔検出部
230 特徴点抽出部
240 登録部
250 認証部
300 端末装置
310 撮影装置
320 記憶部
330 通信部
340 表示部
350 制御部
400 ユーザ端末
410 カメラ
420 記憶部
430 通信部
440 表示部
500 ネットワーク
600 移動体
700 移動体制御システム