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特許7563462金融商品抽出装置、金融商品抽出方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】金融商品抽出装置、金融商品抽出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241001BHJP
【FI】
G06Q30/0601 308
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022545664
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 JP2021031129
(87)【国際公開番号】W WO2022045181
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2020143858
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】下村 純一
(72)【発明者】
【氏名】増田 政伸
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126384(JP,A)
【文献】特開2018-007792(JP,A)
【文献】特開2019-067329(JP,A)
【文献】特開2019-075071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得する認知度取得手段と、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得する要望取得手段と、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定する契約条件判定手段と、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出する代替商品抽出手段と
前記代替商品抽出手段により抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認する第1の承諾受付手段と、
前記第1の承諾受付手段によって再確認された場合に、契約支援する対象を、前記要望取得手段で取得した商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更する第1の変更手段とを備える
金融商品抽出装置。
【請求項2】
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得する認知度取得手段と、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得する要望取得手段と、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定する契約条件判定手段と、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出する代替商品抽出手段と
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更する契約支援手段とを備え
前記契約支援手段は、前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更す
金融商品抽出装置。
【請求項3】
前記顧客の健康診断の結果を示す健康診断情報を取得する健康診断情報取得手段をさらに備え、
前記契約支援手段は、前記健康診断情報取得手段により取得した健康診断情報に応じて、前記顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を変更する
請求項に記載の金融商品抽出装置。
【請求項4】
前記顧客についての前記認知度は、前記表情に加えて、予め定められた認知度テストを実施することによって取得される
請求項1から3のいずれか1項に記載の金融商品抽出装置。
【請求項5】
前記顧客から取得した本人確認のための本人証明情報と、前記表情を含むテスト用情報と、前記認知度と、を関連付けた認知度情報を格納するための認知度記憶手段をさらに備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の金融商品抽出装置。
【請求項6】
前記顧客の認知度に応じて、予め定められた認知度確認者へ再確認するための指示を受け付ける再確認受付手段をさらに備える
請求項1からのいずれか1項に記載の金融商品抽出装置。
【請求項7】
コンピュータが、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと
前記抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認することと、
前記顧客の要望を再確認することが行われた場合に、契約支援する対象を、前記顧客の要望に関する商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更することとを含む、金融商品抽出方法。
【請求項8】
コンピュータが、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更することとを含み、
前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更す
金融商品抽出装置。
【請求項9】
コンピュータに、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと
前記抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認することと、
前記顧客の要望を再確認することが行われた場合に、契約支援する対象を、前記顧客の要望に関する商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更することとを実行させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更することとを実行させ
前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品抽出装置、金融商品抽出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
長寿命化が進展する中で、高齢者が、現役世代と同様の生活を継続できることが望まれる。その一方で、加齢に伴って認知機能が低下することは避け難い。例えば、認知症になった場合や、認知症に至らないまでもある程度の認知機能の低下が認められる場合などには、商品やサービスを購入するための契約を単独では自由に行えないなど、生活に一定程度の制約が課されることがある。
【0003】
例えば特許文献1には、認知症の比較的初期の症状の診断を支援するための表情認知診断支援装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の表情認知診断支援装置は、複数の動画パターンを予め記憶した顔表情パターン記憶部と、複数の質問パターンを予め記憶した質問パターン記憶部とを備え、動画パターン及び質問パターンに従って応答するユーザの顔面をカメラ部によって撮影し、顔情報を抽出する。
【0005】
また、表情認知診断支援装置は、予め設定された教師情報に基づいて、ユーザ顔情報記憶部の顔情報と、健常者顔情報記憶部の顔情報又は軽度認知障害者顔情報記憶部の顔情報とを用いて機械学習し、更新された顔面の各部位の重み係数を記憶する。
【0006】
そして、表情認知診断支援装置は、顔画像処理部で抽出された顔情報と、健常者顔情報記憶部に記憶された顔情報又は軽度認知障害者顔情報記憶部に記憶された顔情報との間で、所定の距離を計算しユーザが健常者グループ又は軽度認知障害者グループのいずれに属するかを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-007792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術によって、商品やサービスの購入を希望する顧客が健常者又は軽度認知障害者であるかの判定を支援することができたとしても、当該顧客の契約の締結にどのように反映するかは、特許文献1に何ら開示されていない。
【0009】
購入者の認知機能が低下している場合、購入者が、商品やサービスの内容を十分に理解せず、意図しないものを購入してしまうおそれがある。また、商品やサービスを販売する事業者には、一旦は締結したはずの契約が取り消されるなどの契約に関わるリスクがある。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る金融商品抽出装置は、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得する認知度取得手段と、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得する要望取得手段と、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定する契約条件判定手段と、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出する代替商品抽出手段と
前記代替商品抽出手段により抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認する第1の承諾受付手段と、
前記第1の承諾受付手段によって再確認された場合に、契約支援する対象を、前記要望取得手段で取得した商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更する第1の変更手段とを備える。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る金融商品抽出装置は、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得する認知度取得手段と、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得する要望取得手段と、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定する契約条件判定手段と、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出する代替商品抽出手段と、
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更する契約支援手段とを備え
前記契約支援手段は、前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更する。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第の観点に係る金融商品抽出方法は、
コンピュータが、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと
前記抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認することと、
前記顧客の要望を再確認することが行われた場合に、契約支援する対象を、前記顧客の要望に関する商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更することとを含む。
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る金融商品抽出方法は、
コンピュータが、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと、
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更することとを含み、
前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更する。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと
前記抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認することと、
前記顧客の要望を再確認することが行われた場合に、契約支援する対象を、前記顧客の要望に関する商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更することとを実行させるためのプログラムである。
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
撮像中の顧客の表情を用いて、当該顧客の認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
金融商品に関する前記顧客の要望を取得することと、
前記顧客の契約条件が、当該顧客の要望に係る金融商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定することと、
前記予め定められた契約条件を満たさないと判定された場合に、前記顧客の要望に係る金融商品に代替する商品であって、前記顧客の認知度に応じて契約内容と契約手続きとの少なくとも一方が前記顧客の要望に係る金融商品から変更される代替商品を抽出することと、
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更することとを実行させ、
前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係る契約支援システムを構成する装置群の一例を示す図である。
図2】一実施の形態に係る契約支援装置の機能的な構成を示す図である。
図3】マスタ情報の一例を示す図である。
図4】一実施の形態に係る契約支援部の機能的な構成を示す図である。
図5】一実施の形態に係る契約情報変更部の機能的な構成を示す図である。
図6】一実施の形態に係る契約管理装置の機能的な構成を示す図である。
図7】一実施の形態に係る契約用端末の物理的な構成の例を示す図である。
図8】一実施の形態に係る契約支援装置(認知度テスト装置、契約管理装置)の物理的な構成の例を示す図である。
図9A】本発明の一実施の形態に係る契約支援処理の一例を示すフローチャートである。
図9B】本発明の一実施の形態に係る契約支援処理の一例を示すフローチャートである。
図10A】一実施の形態に係る締結前契約支援処理の一例を示すフローチャートである。
図10B】一実施の形態に係る締結前契約支援処理の一例を示すフローチャートである。
図11】一実施の形態に係る契約後変更処理の一例を示すフローチャートである。
図12A】一実施の形態に係る契約情報変更処理の一例を示すフローチャートである。
図12B】一実施の形態に係る契約情報変更処理の一例を示すフローチャートである。
図13】変形例1に係る契約支援装置の機能的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0018】
<<契約支援システム100の機能的構成>>
本発明の一実施の形態に係る契約支援システム100は、商品の提供を希望する顧客との間で、商品関する契約の締結を支援するためのシステムである。商品は、契約の目的となるものであればよく、物品、サービスを含む。本実施の形態に係る商品は、例えば、保険商品、金融商品における金融リスクのようなリスクを伴う商品である。また、契約は、例えば商品の売買契約である。
【0019】
契約支援システム100は、図1に示すように、ネットワークNを通じて互いに情報を送受信できるように接続された契約用端末101、契約支援装置102、認知度テスト装置103、契約管理装置104を備える。
【0020】
ネットワークNは、有線、無線、又はこれらを適宜組み合わせたネットワークによって構築されるとよい。
【0021】
契約用端末101は、顧客との契約のために用いられる端末装置であって、カメラ、マイク、スピーカの少なくとも1つを含む。本実施の形態では、契約用端末101が、カメラ及びマイクの両方を含む例により説明する。
【0022】
本実施の形態では、商品を提供する事業者の営業担当者などと顧客とが対面で契約手続きをするものとする。契約用端末101は、例えば、営業担当者又は顧客によって操作される端末である。契約用端末101は、操作者の操作に従って、契約に必要な情報などの各種の情報を契約支援装置102などとの間で送受信する。
【0023】
なお、契約手続きは非対面で行われ、音声や画像による営業担当者などの案内、画面に表示される文字や画像の案内に従って顧客が契約用端末101を操作してもよい。この場合、契約用端末101は、顧客が所有するタブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどであり、顧客の操作に従って、契約に必要な情報などを契約支援装置102との間で送受信するとよい。
【0024】
契約支援装置102は、顧客との間で、商品に関する契約の締結を支援する装置である。契約支援装置102は、図2に示すように、要望取得部106と、マスタ情報記憶部107と、契約条件判定部108と、通常契約部109と、代替商品抽出部110と、第1テスト用情報取得部111と、第1認知度取得部112と、第1認知度記憶部113と、契約支援部115と、契約変更受付部116と、テスト要否判定部117と、通常変更部118と、第2テスト用情報取得部119と、第2認知度取得部120と、第2認知度記憶部121と、契約情報変更部122とを備える。
【0025】
要望取得部106は、商品に関する顧客の要望を取得する。ここでの要望は、顧客が商品の購入を希望することを示す情報であり、例えば、当該顧客の顧客情報、当該顧客が購入を希望する商品種別を含む。
【0026】
顧客情報は、顧客に関する情報であって、例えば、顧客の住所、氏名、生年月日などを含む。商品種別は、商品の種別を識別するための情報である。
【0027】
マスタ情報記憶部107は、事業者が提供する商品に関する情報であるマスタ情報107aを予め格納される記憶部である。
【0028】
マスタ情報107aは、図3に一例を示すように、商品種別、契約条件、契約手続きなどが関連付けられた情報である。
【0029】
商品種別は、商品の種別を示す情報であって、商品の内容などに応じて定められる。契約条件は、商品を契約するための顧客の条件を示す情報である。契約手続きは、商品を契約するための手続きを示す情報である。
【0030】
マスタ情報107aは、顧客から商品の購入の要望を受けた場合に、当該商品の代替商品となり得る商品を識別するための代替グループ情報を含む。本実施の形態では、商品種別の先頭に付されたアルファベットが代替グループ情報であるとする。
【0031】
すなわち、例えば、顧客が商品「A-1」の購入を希望したが、当該顧客が契約条件を満たさない場合など必要に応じて、商品「A-2」が、商品「A-1」の代替商品として顧客に提案される。商品「A-2」は、例えば、商品「A-1」よりも厳格な契約手続きが要求される保険商品、金融商品などである。
【0032】
契約条件は、年齢、認知度、健康状態に関する条件を含む。
【0033】
ここで、認知度は、予め定められた認知度テストを実施することによって得られる指標であって、認知機能の程度を示す。
【0034】
認知機能とは、人が外部から情報を取り入れ判断・意思決定を行い行動につなげる機能であり、記憶、判断、計算、理解、学習、思考、言語などを含む脳の高次の機能のことである。認知機能が低下することにより社会生活活動において記憶、注意行動、遂行機能、社会的行動に問題が発生することが多い。
【0035】
認知度は、このような脳の高次の機能群(認知機能)のうちの1つ又は複数の機能の状態を評価するための指標とも言いうる。
【0036】
本実施の形態では、認知度が0~100の数字(スコア)で表される例により説明する。なお、認知度は、例えば0~10など適宜のスコアで表されてもよく、またスコアに限らず、段階的な複数のレベルで表されてもよい。
【0037】
健康状態について、図3では、「高血圧症」であるか否かが採用される例を示す。健康状態は、必要に応じて、病院などでの検査の結果、健康診断の結果によって確認される。
【0038】
なお、健康状態に関する条件は、高血圧症に限られず、例えば、糖尿病であるか否か、所定の期間内の入院歴があるか否かなどが採用されてもよい。また、健康状態に関する条件は、身体に関する条件の1つであって、身体に関する条件として、例えば、BMI(Body Mass Index)、胴囲などで表される肥満度が含まれてもよい。さらに、契約条件には、例えば、喫煙歴、飲酒頻度など生活スタイルに関する条件が含まれてもよい。
【0039】
図3において、「-」は当該条件が設定されていないことを示す。すなわち、商品「A-1」では、認知度及び健康状態に関する条件は、契約条件に含まれておらず、年齢が65歳未満であれば、契約を締結できることを表す。
【0040】
契約手続きは、契約締結に至るまでの手続きを規定する情報である。本実施の形態に係る契約手続きには、通常手続き、緩和手続き、厳格手続きがある。
【0041】
通常手続きは、顧客の認知度が契約条件に含まれない商品に適用される手続きであり、顧客の顧客情報と健康状態が契約条件を満たす場合に、商品の契約に適用される手続きである。
【0042】
厳格手続きは、顧客の認知度が契約条件に含まれる商品の契約において、標準認知度を満たさない顧客との契約に適用される手続きである。厳格な手続きは、例えば、契約を締結するために家族又は代理人の同意を得ることが要求されるなど、通常手続きよりも煩雑な手続きである。標準認知度とは、契約を締結するための顧客に要求される認知度として予め定められるものである。図3の例では、商品「A-2」の契約条件として、認知度80が標準認知度として設定されている。
【0043】
なお、標準認知度には複数の閾値を設定することができ、各閾値に対応をした緩和手続きを設定することができる。複数の閾値が設定されている場合、閾値が高い方が、より簡素な手続きとすることができる。
【0044】
緩和手続きは、顧客の認知度が契約条件に含まれる商品の契約において、標準認知度を満たす顧客との契約に適用される手続きである。緩和手続きの煩雑さは、厳格手続きよりも簡素な手続きである。
【0045】
再び、図2を参照する。
契約条件判定部108は、顧客の契約条件が、顧客の要望に係る商品について予め定められた契約条件を満たすか否かを判定する。
【0046】
通常契約部109は、契約条件を満たすと判定された場合に、顧客が要望する商品の契約を締結するための通常処理を行う。通常処理は、通常手続きに従った処理である。
【0047】
代替商品抽出部110は、顧客の契約条件が当該顧客の要求に係る商品の契約条件を満たさないと判定された場合に、顧客が要望する商品の代替商品を抽出する。
【0048】
代替商品は、上述の代替グループ情報に基づいて判定され、顧客の要望に係る商品と共通の代替グループ情報が付与された商品が、顧客の要望に係る商品の代替商品として抽出される。図3に例示するマスタ情報137aでは、上述の説明から分かるように、商品「A-2」は、商品「A-1」の代替商品である。
【0049】
なお、事業者がサービスを提供する場合、代替商品抽出部は、顧客が契約条件を満たさないと判定された場合に、顧客が要望するサービスの代替サービスを抽出するとよい。
【0050】
第1テスト用情報取得部111は、顧客の顔を撮影することによって得られる画像情報と、顧客の声を録音することによって得られた音声情報との少なくとも一方を含む第1テスト用情報を取得する。本実施の形態に係る第1テスト用情報は、契約用端末101に表示される認知度テストにおける質問項目に対する顧客の回答をさらに含む。このような第1テスト用情報取得部111は、テスト用情報取得手段の一例であり、第1テスト用情報は、テスト用情報の一例である。
【0051】
詳細には、第1テスト用情報取得部111は、契約用端末101のカメラによって撮影された顧客の顔を含む動画像又は静止画像を示す画像情報を契約用端末101からネットワークNを介して取得する。また、第1テスト用情報取得部111は、契約用端末101のマイクを通じて録音された顧客の声を示す音声情報を契約用端末101からネットワークNを介して取得する。
【0052】
また、認知度テストの質問項目を示す情報は、例えば認知度テスト装置103に予め保持され、契約用端末101が当該情報を認知度テスト装置103から取得することによって契約用端末101に表示される。認知度テストの質問項目に対する回答は、例えば、操作者の操作に基づいて、契約用端末101に入力される。
【0053】
第1テスト用情報取得部111によって取得される撮影情報、例えば、質問に対して顧客が回答する際に記録された映像、顧客との会話中の表情などを含む。第1テスト用情報取得部111によって取得される音声情報は、例えば、質問に対して顧客が回答する際に記録された音声、会話中の音声などを含む。第1テスト用情報は、質問に対する顧客の回答を示す情報を含んでもよい。
【0054】
本実施の形態では、第1テスト用情報取得部111は、撮影情報及び音声情報の両方を取得する例により説明する。
【0055】
第1認知度取得部112は、商品の提供を希望する顧客についての認知度を、詳細後述する認知度テスト装置103からネットワークNを介して取得する。第1認知度取得部112は、認知度取得手段の一例である。
【0056】
詳細には、第1認知度取得部112は、マスタ情報107aを参照し、代替商品抽出部110によって抽出された代替商品について予め定められた契約条件に応じて、顧客の認知度を取得する。本実施の形態では、第1認知度取得部112は、代替商品の契約条件が認知度に関する条件を含む場合に、顧客の認知度を取得する。
【0057】
また、第1認知度取得部112は、第1認知度情報を第1認知度記憶部113に格納する。
【0058】
ここで、第1認知度記憶部113は、第1認知度情報が格納される記憶部である。第1認知度情報は、第1本人証明情報と、上述の第1テスト用情報と、第1認知度取得部112によって取得された顧客の認知度とを関連付けた情報である。第1認知度情報は、認知度情報の一例であり、第1認知度記憶部113は、認知度記憶部の一例である。
【0059】
第1本人証明情報は、顧客から取得した本人確認のための情報であり、例えば顧客の免許証、マイナンバーカードなどの身分証明書を示す画像情報、顧客の画像情報、顧客の生体情報である。第1本人証明情報は、本人証明情報の一例である。
【0060】
契約支援部115は、顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、第1認知度取得部112によって取得された認知度に応じて変更する。
【0061】
契約支援部115によって変更される契約の内容としては、例えば、商品の提供条件を挙げることができる。また、契約支援部115によって変更される契約を締結するための手続きとしては、例えば、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、当該複数の画面が顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現を挙げることができる。
【0062】
詳細には、契約支援部115は、図4に示すように、第1の再テスト受付部123と、機能制御部124と、第1の承諾受付部125と、第1の変更部126と、意向確認部127と、契約処理部128とを含む。
【0063】
第1の再テスト受付部123は、緩和手続きで契約を締結してもよいか否かについて、顧客の認知テストにより得られた結果に疑義があるか否かを判定する。そして、第1の再テスト受付部123は、疑義があると判定した場合に、この判定結果を確認した認知度確認者から再テスト指示を受け付ける。
【0064】
認知度確認者とは、顧客の認知機能の程度を確認する者であり、例えば、契約を引き受ける事業者のスタッフ(例えば、当該契約の責任者など)、認知機能に関する専門家などの第三者である。認知度確認者は、認知度テストの後に、質問や確認を顧客に行うことによって顧客の認知度を再確認し、当該顧客が契約を締結するための認知度の基準を満たすか否かの判定の補助を行う。
【0065】
このような認知度確認者による確認は、緩和手続きで契約を締結してもよいか否かを判断するために、顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義がある場合に行われる。疑義がある場合としては、例えば、認知度テストにより得られた認知度が緩和手続きで契約をなし得るか否かの基準値近傍(すなわち、基準値から予め定められた範囲)である場合を挙げることができる。
【0066】
機能制御部124は、第1認知度取得部112によって取得された認知度に基づいて、緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にするか否かを制御する。
【0067】
詳細には例えば、取得された認知度が、契約を締結しようとしている代替商品にマスタ情報107aにおいて関連付けられた契約条件に含まれる認知度に関する条件を満たす場合に、緩和手続きに従った契約を行うための機能が有効にされる。
【0068】
第1の承諾受付部125は、代替商品抽出部110によって抽出された代替商品の契約を締結できる場合に、代替商品の契約に関して顧客の要望を再確認した結果を受け付ける。詳細には、第1の承諾受付部123は、第1認知度取得部112によって取得された認知度に応じて変更することによって代替商品の契約を締結できる場合に、当該変更することに関する顧客の承諾を受け付ける。ここでの変更の対象は、顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方である。
【0069】
第1の変更部124は、契約支援する対象を、要望取得部106で取得した商品の契約から、代替商品抽出部110によって抽出された代替商品の契約に変更する。詳細には、第1の変更部124は、顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、代替商品抽出部110によって抽出された代替商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとに変更する。
【0070】
このような第1の変更部124による契約支援する対象の変更は、第1の承諾受付部123によって再確認された場合、例えば、変更することに関する顧客の承諾が第1の承諾受付部123によって受け付けられた後に行われる。
【0071】
意向確認部127は、操作者の操作に基づいて、顧客の意向を確認した結果を受け付ける。詳細には、代替商品が顧客の意向に沿ったものであることが操作者によって顧客に確認され、意向確認部127は、操作者の操作に基づいて、その確認の結果を受け付ける。
【0072】
契約処理部128は、代替商品の契約を締結するための処理を行う。詳細には、契約処理部128は、緩和手続き又は厳格な手続きに従った画面を契約支援装置102の表示部に表示させる。そして、契約処理部128は、画面に従って代替商品の契約を締結するための各種の情報を受け付け、当該情報を保持しつつ処理を進める。
【0073】
再び、図2を参照する。
契約変更受付部116は、契約変更要求を受け付ける。契約変更要求は、契約情報137aを変更するための要求であり、契約情報137aは、既に締結された契約に関する情報である。
【0074】
契約情報137aは、例えば、契約者情報、商品情報、担保情報などである。
【0075】
契約者情報は、契約を締結した顧客(すなわち、契約者)に関する情報であって、例えば、契約者の住所、氏名、生年月日などを含む。
【0076】
商品情報は、契約を締結した商品に関する情報であって、当該商品の商品種別、契約日、テスト実施フラグなどを含む。
【0077】
テスト実施フラグは、契約時に認知度テストを実施したか否かを示すフラグである。
【0078】
担保情報は、契約した商品が担保に供された場合に、契約情報137aに登録される情報であって、契約した商品によって担保される債権(被担保債権)に関する情報などを含む。被担保債権に関する情報としては、例えば、債権者及び債務者に関する情報、債権の発生日及び発生原因などを例示することができる。
【0079】
契約変更要求の典型例として、契約者の住所変更の要求、担保情報の設定の要求を挙げることができる。
【0080】
テスト要否判定部117は、契約変更受付部116によって契約変更要求が受け付けられた場合に、契約情報137aに基づいて、契約変更要求に係る契約の契約者についての認知度の確認が必要か否かを判定する。本実施の形態では、テスト要否判定部117は、テスト実施フラグに基づいて、認知度の確認が必要か否かを判定する。
【0081】
通常変更部118は、契約者についての認知度の確認が必要でないと判定された場合に、通常手続きに従って契約情報137aを変更する。
【0082】
ここでの通常手続きとは、契約者の認知度が契約条件に含まれない商品に適用される手続きであり、契約者の契約情報と健康状態が契約条件を満たす場合に、契約の変更に適用される手続きである。
【0083】
第2テスト用情報取得部119は、契約者の顔を撮影することによって得られる画像情報と、契約者の声を録音することによって得られた音声情報との少なくとも一方を含む第2テスト用情報を取得する。本実施の形態に係る第2テスト用情報は、契約用端末101に表示される認知度テストにおける質問項目に対する顧客の回答をさらに含む。このような第2テスト用情報取得部119は、テスト用情報取得手段の一例であり、第2テスト用情報は、テスト用情報の一例である。
【0084】
詳細には、第2テスト用情報取得部119は、契約用端末101のカメラによって撮影された契約者の顔を含む動画像又は静止画像を示す撮影情報を契約用端末101からネットワークNを介して取得する。また、第2テスト用情報取得部119は、契約用端末101のマイクを通じて録音された契約者の声を示す音声情報を契約用端末101からネットワークNを介して取得する。
【0085】
第2テスト用情報取得部119によって取得される撮影情報、例えば、質問に対して契約者が回答する際に記録された映像、契約者との会話中の表情などを含む。第2テスト用情報取得部119によって取得される音声情報は、例えば、質問に対して契約者が回答する際に記録された音声、契約者との会話中の音声などを含む。第2テスト用情報は、質問に対する顧客の回答を示す情報を含んでもよい。
【0086】
本実施の形態では、第2テスト用情報取得部119は、撮影情報及び音声情報の両方を取得する例により説明する。
【0087】
すなわち、第2テスト用情報は、第1テスト用情報と同様に構成されるとよい。そして、第2テスト用情報取得部119は、第1テスト用情報に代わる第2テスト用情報を取得するタイミングが、商品の契約後であることを除いて、第1テスト用情報取得部111と同様の機能を備えるとよい。
【0088】
第2認知度取得部120は、テスト要否判定部117によって認知度が必要と判定された場合に、契約者の認知度を取得する。本実施の形態では、第2認知度取得部120は、詳細後述する認知度テスト装置103からネットワークNを介して契約者の認知度を取得する。第2認知度取得部120は、認知度取得手段の一例である。
【0089】
また、第2認知度取得部120は、第2認知度情報を第2認知度記憶部121に格納する。
【0090】
ここで、第2認知度記憶部121は、第2認知度情報が格納される記憶部である。第2認知度情報は、第2本人証明情報と、上述の第2テスト用情報と、第2認知度取得部120によって取得された認知度とを関連付けた情報である。
【0091】
第2本人証明情報は、認知度テストを実施する前に、契約者から取得した本人確認のための情報であり、例えば契約者の免許証、マイナンバーカードなどの身分証明書を示す画像情報、契約者の画像情報、契約者の生体情報である。第2本人証明情報は、本人証明情報の一例である。
【0092】
すなわち、第2本人証明情報、第2テスト用情報は、それぞれ、第1本人証明情報、第1テスト用情報と同様に構成されるとよい。また、第2認知度取得部120は、処理を実行するタイミングが、商品の契約後であることを除いて、第1認知度取得部112と同様の機能を備えるとよい。第2認知度情報は、第1認知度情報と同様に構成されるとよく、従って、この場合の第2認知度記憶部121は、第1認知度記憶部113と同様に構成されるとよい。
【0093】
契約情報変更部122は、契約情報137aを変更するための手続きを、契約者の認知度に応じて変更する。
【0094】
詳細には、契約情報変更部122は、図5に示すように、第2の再テスト受付部129と、第2の承諾受付部130と、第2の変更部131と、契約変更部132とを含む。
【0095】
第2の再テスト受付部129は、緩和手続きで契約情報137aを変更してもよいか否かを判断するために、契約者の認知度テストにより得られた結果に疑義があるか否かを判定する。そして、第2の再テスト受付部129は、疑義があると判定した場合に、この判定結果を確認した認知度確認者から再テスト指示を受け付ける。
【0096】
第2の承諾受付部130は、緩和手続きで契約情報137aを変更できる場合に、顧客の承諾を確認した結果を受け付ける。詳細には、第2の承諾受付部123は、第2認知度取得部120によって取得された認知度に応じて変更することによって契約情報137aを変更できる場合に、当該変更することに関する契約者の承諾を受け付ける。ここでの変更の対象は、契約情報137aを変更するための手続きである。
【0097】
第2の変更部131は、契約者の契約情報137aを変更するための手続きを変更する。変更後の手続きは、契約者の認知度が予め定められた標準認知度を満たさない場合に要求される厳格な手続きよりも簡素化された緩和手続きである。標準認知度には複数の閾値が含まれることもある。
【0098】
このような第2の変更部131による手続きの変更は、第2の承諾受付部130によって承諾が受け付けられた後に行われる。
【0099】
契約変更部132は、契約情報137aを変更するための処理を行う。詳細には、契約変更部132は、緩和手続き又は厳格な手続きに従った画面を契約支援装置102の表示部に表示させる。そして、契約変更部132は、画面に従って契約情報137aを変更するための各種の情報を受け付け、当該情報を保持しつつ処理を進める。
【0100】
再び、図1を参照する。
認知度テスト装置103は、予め定められた認知度テストを行うテスト実施機能を備える装置である。認知度テスト装置103は、契約支援装置102テストから実施指示を受け付けると、認知度テストを実施する。
【0101】
顧客の認知度テストについては、ネットワークNを介して契約支援装置102からテスト実施指示とともに取得する第1テスト用情報に基づいて、認知度テスト装置103により実施される。契約者の認知度テストについては、ネットワークNを介して契約支援装置102からテスト実施指示とともに取得する第2テスト用情報に基づいて、認知度テスト装置103により実施される。
【0102】
詳細には、認知度テスト装置103は、機械学習によって学習済みの学習モデルを用いて認知度テストを行うことによって認知度を求める。すなわち、認知度テスト装置103は、認知度を求めるための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、第1テスト用情報又は第2テスト用情報を入力することで、認知度を求める。
【0103】
学習時の学習モデルへのインプットデータは、第1テスト用情報又は第2テスト用情報と同様の、顧客又は契約者の顔を含む画像を撮影することによって得られる撮影情報と、顧客の声を録音することによって得られた音声情報とを含む。当該インプットデータは、質問に対する顧客又は契約者の回答を示す情報を含んでもよい。そして、機械学習においては、専門家などが顧客又は契約者に対して付与した認知度を正解とする教師あり学習を行うとよい。
【0104】
なお、テスト実施機能によって認知度を求める手法は、機械学習した学習モデルを採用する手法に限られず、統計解析などが採用されてもよい。また、テスト実施機能は、契約支援装置102に備えられてもよい。
【0105】
契約管理装置104は、契約を管理するための装置である。契約管理装置104は、図6に示すように、契約ログ受付部134と、契約ログ記憶部135と、契約情報受付部136と、契約記憶部137とを備える。
【0106】
なお、契約ログ記憶部135及び契約記憶部137は、契約支援装置102に備えられてもよく、この場合、契約管理装置104が契約支援システム100に備えられなくてもよい。
【0107】
契約ログ受付部134は、契約支援装置102から契約ログ情報135aを受け付ける。契約ログ記憶部135は、契約ログ受付部134によって受け付けられた契約ログ情報135aが格納される記憶部である。
【0108】
契約ログ情報135aは、未だ締結に至っていない契約に関して取得した各種の情報を関連付けた情報である。
【0109】
契約ログ情報135aは、例えば、顧客情報、商品種別を含み、必要に応じて、第1本人証明情報、第1テスト用情報、認知度、不成立情報などを含む。契約ログ情報135aに含まれる商品種別は、顧客が契約を締結しようとしている商品、すなわち、顧客の要望に係る商品又はその代替商品の商品種別である。
【0110】
第1本人証明情報と第1テスト用情報と認知度とは、例えば、顧客に対して認知度テストを実施した場合に格納されるとよい。
【0111】
不成立情報は、顧客との間で契約が締結に至らなかったこと、すなわち契約が不成立で完了したことを示す情報である。
【0112】
顧客との間で契約が締結に至らない場合としては、例えば、顧客が代替商品での契約を承諾しなかった場合、認知度テストの結果を受けた手続きでの契約を顧客が承諾しなかった場合などがある。このような場合に、不成立情報が設定される。
【0113】
契約情報受付部136は、契約支援装置102から契約情報137aを受け付ける。契約記憶部137は、契約情報137aが格納される記憶部である。
【0114】
<<契約支援システム100の物理的構成>>
契約支援システム100は物理的に、ネットワークNを介して接続された、契約用端末101、契約支援装置102、認知度テスト装置103、契約管理装置104から構成される。なお、これらの装置が備える機能の一部又は全部は、物理的に、共通の装置に集約されてもよく、さらに多くの装置に分割されてもよい。
【0115】
契約用端末101は、物理的には例えば、タブレットPC(Personal Computer)、スマートフォンなどである。
【0116】
詳細には例えば、契約用端末101は物理的に、図7に示すように、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ユーザインタフェース1050、ネットワークインタフェース1060、カメラ1070マイク1080及びスピーカ1090を有する。
【0117】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ユーザインタフェース1050、ネットワークインタフェース1060、カメラ1070、マイク1080及びスピーカ1090が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0118】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0119】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0120】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、契約用端末101の各機能部を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能部が実現される。
【0121】
ユーザインタフェース1050は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースとしてのタッチパネル、キーボード、マウスなど、及び、ユーザに情報を提示するためのインタフェースとしての液晶パネルなどである。
【0122】
ネットワークインタフェース1060は、契約用端末101をネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0123】
カメラ1070は、画像を撮影して、当該画像を示す画像情報を生成する。マイク1080は、音声を取得して、当該音声を示す音声情報を生成する。
【0124】
次に、契約支援装置102、認知度テスト装置103、契約管理装置104は、物理的には例えば、汎用のパーソナルコンピュータであり、共通の構成を備えるとよい。
【0125】
詳細には例えば、これらの装置102(103,104)は物理的に、図8に示すように、バス1110、プロセッサ1120、メモリ1130、ストレージデバイス1140、ユーザインタフェース1150及びネットワークインタフェース1160を有する。
【0126】
これらの物理的な構成要素1110、1120、1130、1140、1150及び1160は、それぞれ、上述した物理的な構成要素1020、1030、1040、1050及び1060に順に対応する。説明の重複を避けるため、これらの詳細な説明は省略する。
【0127】
ストレージデバイス1140は、各装置102(103,104)の各機能部を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1120がこれら各プログラムモジュールをメモリ1130に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能部が実現される。
【0128】
<<契約支援システム100の動作>>
ここから、契約支援システム100の動作について、図を参照して説明する。
【0129】
図9A及び9Bは、本実施の形態に係る契約支援処理の一例を示すフローチャートである。契約支援処理は、例えば営業担当者が契約用端末101を通じて契約支援装置102にログインすることによって開始される。
【0130】
要望取得部106は、操作者による契約用端末101の操作に応じて契約用端末101から出力される顧客の要望を取得する(ステップS101)。
【0131】
要望には、マスタ情報107aに含まれる契約条件の少なくとも一部を満たすか否かを判定するための情報が含まれる。
【0132】
操作者は、例えば、顧客情報、顧客の意思などを顧客から確認したうえで操作する営業担当者である。
【0133】
本実施の形態では、契約条件に含まれる「年齢」を満たすか否かを判定するための情報として、顧客の生年月日が要望に含まれる。なお、要望に、顧客の年齢が含まれてもよい。また、本実施の形態では、その他の契約条件である認知度、健康状態は、要望に含まれないものとする。
【0134】
なお、健康状態が要望に含まれてもよいが、認知度は、認知度テストを実施することによって得られるため、認知度は、通常、要望に含まれない。
【0135】
契約条件判定部108は、ステップS101にて取得された要望及びマスタ情報107aを参照して、顧客が要望する商品の商品種別に関連付けられた契約条件を、顧客の契約条件が満たすか否かを判定する(ステップS102)。顧客の契約条件は、例えば、顧客の要望に含まれる情報である。
【0136】
契約条件を満たすと判定された場合(ステップS102;Yes)、通常契約部109は、通常処理を行う(ステップS103)。本実施の形態に係る通常処理では、マスタ情報107aにおいて顧客の要望に係る商品種別に関連付けられた契約手続きに従って処理が行われる。
【0137】
詳細には、通常契約部109は、マスタ情報107aの契約手続きに規定された画面を契約用端末101に表示させ、画面に表示された項目に対して入力された情報を契約用端末101から順次取得する。このようなステップS103を実行することによって、通常契約部109は、契約情報137aを契約用端末101から取得する。
【0138】
例えば顧客の要望に係る商品の商品種別が「A-1」又は「A-2」であり、当該顧客の年齢が65歳未満である場合、顧客は契約条件を満たすと判定される。
【0139】
通常契約部109は、契約締結指示を契約用端末101から取得すると、取得した契約情報137aを契約管理装置104へネットワークNを介して送信する契約締結処理を行う(ステップS104)。
【0140】
契約締結指示は、契約を締結する旨の指示であり、例えば操作者の操作に基づいて、契約用端末101から契約支援装置102へ送信される。ステップS104が実行されることによって契約情報137aを取得した契約管理装置104は、当該契約情報137aを契約記憶部137に格納する。ステップS104を実行すると、通常契約部109は、契約支援処理を終了する。
【0141】
顧客が契約条件を満たさないと判定された場合(ステップS102;No)、代替商品抽出部110は、マスタ情報107aを参照して、顧客が要望する商品の代替商品を抽出する(ステップS105)。
【0142】
例えば顧客の要望に係る商品の商品種別が「A-1」であり、当該顧客の年齢が65歳以上70歳未満である場合、顧客は契約条件を満たさないと判定される。そして、この場合、代替商品抽出部110は、代替商品として商品「A-2」を抽出する。
【0143】
代替商品抽出部110は、顧客の要望に係る商品の代替商品がマスタ情報107aにない場合(ステップS106;No)、契約支援処理を終了する。
【0144】
顧客の要望に係る商品の代替商品がマスタ情報107aにある場合(ステップS016;Yes)、第1テスト用情報取得部111は、認知度テストを実施するか否かを判定する(ステップS107)。
【0145】
詳細には、第1テスト用情報取得部111は、契約用端末101からの実施確認情報に従って判定する。実施確認情報は、認知度テストの実施を顧客が許諾するか否かを示す情報であり、操作者の操作に基づいて、契約用端末101から契約支援装置102へ送信される。
【0146】
上述の例では、代替商品として商品「A-2」が抽出されるので、代替商品がマスタ情報107aにある。そのため、第1テスト用情報取得部111は、実施確認情報を取得し、当該実施確認情報に基づいて、認知度テストを実施するか否かを判定する。
【0147】
なお、図示していないが、マスタ情報107aにおいて代替商品の商品種別に関連付けられた契約条件が認知度に関する条件を含まない場合には、当該商品種別に関連付けられた契約手続きに従って、契約のための手続きが進められるとよい。また、この場合において契約条件が認知度に関する条件を含むか否かは、第1テスト用情報取得部111が、マスタ情報107aを参照することによって判定されるとよい。
【0148】
第1テスト用情報取得部111は、顧客が許諾しないことを示す実施確認情報を取得した場合、認知度テストを実施しないと判定し(ステップS107;No)、契約支援処理を終了する。
【0149】
第1テスト用情報取得部111は、顧客が許諾することを示す実施確認情報を取得した場合、認知度テストを実施すると判定し(ステップS107;Yes)、第1テスト用情報を取得する(ステップS108)。
【0150】
第1テスト用情報は、例えば、契約用端末101のカメラによって撮影された顧客の顔を含む動画像を示す画像情報、録音された顧客の声を示す音声情報を含む。第1テスト用情報は、例えば、契約用端末101に表示される認知度テストにおける質問項目に対する顧客の回答をさらに含む。
【0151】
第1テスト用情報に含まれる画像情報及び音声情報は、例えば、認知度テストの質問項目に対する顧客の回答中に、カメラ1070で契約者を撮影することによって得られた動画像及びマイク1080を通じて取得された契約者の音声を録音した音声情報であってもよい。
【0152】
また、ステップS108にて、第1テスト用情報取得部111は、認知度テストを実施する前又は実施した後に、顧客の第1本人証明情報も取得する。第1本人証明情報を取得することで、認知度テストが顧客自身によって行われたことを確認できるので、顧客とは異なる者が認知度テストを受ける不正を防止することが可能になる。
【0153】
なお、第1テスト用情報は、契約用端末101のカメラ1070及びマイク1080が商品の契約のために顧客と会話した状況を撮影、録音することによって得られる画像情報や音声情報を含んでもよい。
【0154】
第1テスト用情報取得部111は、操作者の操作に基づくテスト実施指示及びステップS108にて取得した第1本人証明情報ととともに、ステップS108にて取得した第1テスト用情報を認知度テスト装置103へ送信する(ステップS109)。
【0155】
これにより、認知度テスト装置103は、テスト実施指示を受け付け、第1本人証明情報と第1テスト用情報とを取得する。認知度テスト装置103は、第1テスト用情報を入力として、認知度を求める。
【0156】
図9Bを参照する。
第1認知度取得部112は、認知度テスト装置103によって求められた認知度を認知度テスト装置103から取得する(ステップS110)。第1認知度取得部112は、取得した認知度と、ステップS108で取得した第1本人証明情報及び第1テスト用情報とを関連付けた第1認知度情報を第1認知度記憶部113に格納する。
【0157】
なお、本実施の形態では、ステップS109にて第1テスト用情報取得部111が第1テスト用情報を取得する例を説明した。
【0158】
しかし、一般的に、商品の販売主体と認知度テストの実施主体とは異なることがある。この場合、通常は、契約支援装置102と認知度テスト装置103とは、別主体で管理されるので、第1テスト用情報は、第1テスト用情報取得部111を介さずに、契約用端末101から認知度テスト装置103へ直接送信されてもよい。
【0159】
また、この場合において、ステップS110にて第1認知度取得部112が第1認知度情報を取得するには、契約支援装置102と認知度テスト装置103とを連携させる必要がある。この連携は、契約用端末101にインストールされるプログラムモジュールの機能を用いて実現されるとよい。また、この連携には、電子メールやファイル転送などの手段が用いられてもよい。
【0160】
契約支援部115は、ステップS110にて取得された認知度に基づいて、締結前契約支援処理を行う(ステップS111)。
【0161】
締結前契約支援処理(ステップS111)は、ステップS110にて取得された認知度に基づいて、顧客の要望に係る商品の契約の内容と当該契約を締結するための手続きとを、顧客の認知度に応じた商品である代替商品の契約の内容と当該契約を締結するための手続きとに変更して契約の締結を進める処理である。
【0162】
なお、変更の対象は、契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方であってもよい。
【0163】
締結前契約支援処理(ステップS111)において詳細には、図10A及び10Bに示すように、第1の再テスト受付部123は、ステップS110にて取得された認知度とマスタ情報107aの代替商品に関連付けられた契約条件とに基づいて、緩和手続きで契約を締結してもよいか否かについて、顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義があるか否かを判定する(ステップS121)。
【0164】
詳細には例えば、第1の再テスト受付部123は、マスタ情報107aにおいて代替商品の商品種別に関連付けられた契約条件を参照し、ステップS110にて取得された顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義があるか否かを判定する。例えば、第1の再テスト受付部123は、ステップS110にて取得された認知度が、契約条件で定められた認知度の基準値と予め定められた範囲内である場合に、顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義があると判定する。
【0165】
例えば、図3に示すマスタ情報107aの商品「A-2」では、基準値が80である。例えば、認知度について予め定められた範囲が±5である場合、第1の再テスト受付部123は、ステップS110にて取得された認知度が、75以上85以下である場合に、顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義があると判定する。
【0166】
なお、疑義がある場合としては、例えば、認知度テストにより得られた認知度が基準値近傍である場合に加えて、或いはこれに代えて、顧客の年齢、健康状態、生活状況などから認知度が基準を満たす可能性が低い場合、認知度テストを受けた者が顧客本人でない可能性がある場合などが採用されてもよい。
【0167】
顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義があると判定した場合(ステップS121;No)、第1の再テスト受付部123は、認知度確認者の操作に基づいて、認知度テストを当該顧客に再度実施する旨の再テスト指示を受け付ける(ステップS122)。このとき、認知度確認者は、第1の再テスト受付部123による判定結果だけでなく、本人確認情報などに照らして、認知度テストが顧客本人によって実施されたか否かなどを考慮して、再テスト指示をするための操作を行うとよい。
【0168】
第1の再テスト受付部123が再テストの指示を受け付けると、第1テスト用情報取得部111は、ステップS108と同様に、第1テスト用情報を取得する(ステップS123)。第1テスト用情報取得部111は、S109と同様に、ステップS123にて取得した第1テスト用情報を認知度テスト装置103へ送信する(ステップS124)。第1認知度取得部112は、ステップS110と同様に、認知度テスト装置103によって求められた認知度を認知度テスト装置103から取得する(ステップS125)。
【0169】
顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義がないと判定し(ステップS121;Yes)、再テスト指示が受け付けられなかった場合、又は、ステップS125の後に、機能制御部124は、緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にするか否かを判定する(ステップS126)。
【0170】
詳細には、再テスト指示が受け付けられなかった場合、すなわち、ステップS110にて取得された認知度を基に顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義がないと判定された場合に、機能制御部124は、緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にすると判定する。また、ステップS125にて取得された認知度を基に、当該認知度が代替商品の契約条件を満たす場合に、機能制御部124は、緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にすると判定する。
【0171】
これに対して、ステップS125にて取得した認知度テストの再テストの結果が代替商品の契約条件を満たさない場合に、機能制御部124は、緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にしないと判定する。
【0172】
契約支援部115の機能を有効にするか否かは、例えば、当該機能を有効にするためのボタンを契約用端末101に表示させるか否か、或いは、当該ボタンを契約用端末101において有効にさせるか否かによって制御される。
【0173】
緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にしないと判定された場合(ステップS126;No)、契約処理部128は、代替商品の原則的な手続きである厳格な手続きに従って、代替商品の契約を締結するための処理を行う(ステップS127)。
【0174】
詳細には、契約処理部128は、代替商品の契約を締結するための厳格な手続きに従った画面を契約用端末101に表示させ、これに応じて入力された契約情報137aを契約用端末101からネットワークNを介して取得する。契約処理部128は、契約情報137aを取得すると、当該取得した契約情報137aを契約記憶部137に格納し、契約情報137aを格納した旨を契約支援装置102へネットワークNを介して通知する。
【0175】
契約処理部128は、契約情報137aを格納した旨の通知を契約管理装置104から受信することによって、契約情報137aを格納する処理の完了を確認すると(ステップS128)、締結前契約支援処理(ステップS111)を終了する。そして、契約処理部128は、図9Bに示すように、契約支援処理を終了する。
【0176】
緩和手続きに従った契約を行うための機能を有効にすると判定された場合(ステップS126;Yes)、第1の承諾受付部125は、操作者の操作に基づいて、契約する商品が代替商品であること及び当該契約の契約手続きに関する顧客の承諾を受け付ける(ステップS129)。
【0177】
第1の変更部124は、契約支援する対象を、ステップS101にて取得した要望に係る商品から、ステップS105にて抽出された代替商品に変更する(ステップS130)。これにより、契約支援の対象として、商品に代替商品が設定されるとともに、契約手続きに緩和手続きが設定される。
【0178】
意向確認部127は、操作者の操作に基づいて、契約する商品が顧客の意向に沿っているか否かを判定する(ステップS131)。
【0179】
操作者の操作に基づいて、例えば顧客の意向に沿っていないため契約を締結しない旨の指示を受け付けた場合に、顧客の意向に沿っていないと判定し(ステップS131;No)、意向確認部127は、締結前契約支援処理(ステップS111)を終了する。そして、意向確認部127は、図9Bに示すように、契約支援処理を終了する。
【0180】
操作者の操作に応じて、顧客の意向に沿っていることを示す情報を受け付けた場合に、意向確認部127は、顧客の意向に沿っていると判定し(ステップS131;Yes)、契約処理部128は、ステップS128にて変更された手続き、すなわち緩和手続きに従って、代替商品の契約を締結するための処理を行う(ステップS132)。
【0181】
詳細には、契約処理部128は、代替商品の契約を締結するための緩和手続きに従った画面を契約用端末101に表示させ、これに応じて入力された契約情報137aを契約用端末101からネットワークNを介して取得する。契約処理部128は、契約情報137aを取得すると、当該取得した契約情報137aを契約記憶部137に格納し、契約情報137aを格納した旨を契約支援装置102へネットワークNを介して通知する。
【0182】
契約処理部128は、契約情報137aを格納した旨の通知を契約管理装置104から受信することによって、契約情報137aを格納する処理の完了を確認すると(ステップS133)、締結前契約支援処理(ステップS111)を終了する。そして、契約処理部128は、図9Bに示すように、契約支援処理を終了する。
【0183】
なお、ステップS108~S110或いはステップS123~S125と同様の処理による認知度テストが、第1の変更処理(ステップS130)の前後、又は、契約締結処理(ステップS132)の前後に、再度行われてもよい。このとき、第1テスト用情報は、再度取得されてもよく、ステップS108~S110或いはステップS123~S125と同じものが採用されてもよい。
【0184】
これまで、顧客の認知度に応じて、顧客が要望する商品についての契約の内容及び当該契約の手続きの少なくとも一方を適切に変更して契約を進める処理を説明した。
【0185】
一般的に、商品の販売契約を締結した後に、契約者の契約情報の変更(例えば、契約者の住所の変更、商品を担保に供すること)や、契約の履行(例えば、契約者への金銭の支払い)などが行われることがある。このような場合、顧客の認知度に応じて、手続きを適切に変更することが望ましい。
【0186】
本実施の形態では、契約者の契約情報を変更する場合を例に、契約者の認知度に応じて手続きを変更する契約後変更処理について、図を参照して説明する。
【0187】
図11は、本実施の形態に係る契約後変更処理の一例を示すフローチャートである。契約後変更処理は、例えば営業担当者が契約用端末101を通じて契約支援装置102にログインすることによって開始される。
【0188】
契約変更受付部116は、操作者による契約用端末101の操作に応じて契約用端末101から出力される契約者の契約変更要求を受け付ける(ステップS201)。
【0189】
契約変更要求には、変更後の住所、担保を設定した被担保債権に関する情報など、変更後の情報が含まれる。
【0190】
操作者は、例えば、契約者情報、契約者の意思などを契約者から確認したうえで操作する営業担当者である。
【0191】
テスト要否判定部117は、契約情報137aに基づいて、契約変更要求に係る契約の契約者についての認知度の確認が必要か否かを判定する(ステップS202)。
【0192】
詳細には例えば、テスト要否判定部117は、契約情報137aに含まれるテスト実施フラグに基づいて、認知度の確認が必要か否かを判定する。
【0193】
なお、認知度の確認が必要であるか否かは、契約者が契約情報137aの変更を要求した時の契約者の年齢を予め定められた基準と比較することによって判定されてもよい。この場合、例えば、年齢が基準以上である場合に、認知度の確認が必要であると判定され、年齢が基準未満である場合に、認知度の確認が必要でないと判定されるとよい。
【0194】
契約者についての認知度の確認が必要でないと判定された場合(ステップS202;No)、通常変更部118は、通常手続きに従って契約情報137aを変更する通常処理を行い(ステップS203)、契約後変更処理を終了する。
【0195】
契約者についての認知度の確認が必要であると判定された場合(ステップS202;Yes)、第2テスト用情報取得部119は、第2テスト用情報を取得する(ステップS204)。
【0196】
第2テスト用情報は、ステップS108と同様の処理によって取得されるとよい。
【0197】
また、ステップS204にて、第2テスト用情報取得部119は、認知度テストを実施する前又は実施した後に、契約者の第2本人証明情報も取得する。第2本人証明情報を取得することで、認知度テストが契約者自身によって行われたことを確認できるので、契約者とは異なる者が認知度テストを受ける不正を防止することが可能になる。
【0198】
なお、第2テスト用情報は、契約用端末101のカメラ1070及びマイク1080が契約者と会話した状況を撮影、録音することによって得られる画像情報や音声情報を含んでもよい。
【0199】
第2認知度取得部120は、ステップS109と同様に、操作者の操作に基づくテスト実施指示及びステップS204にて取得した第2本人証明情報ととともに、ステップS204にて取得した第2テスト用情報を認知度テスト装置103へ送信する(ステップS205)。
【0200】
これにより、認知度テスト装置103は、テスト実施指示を受け付け、第2本人証明情報と第2テスト用情報とを取得する。認知度テスト装置103は、第2テスト用情報を入力として、認知度を求める。
【0201】
第2認知度取得部120は、認知度テスト装置103によって求められた契約者の認知度を認知度テスト装置103から取得する(ステップS206)。第2認知度取得部120は、取得した認知度と、ステップS204で取得した第2本人証明情報及び第2テスト用情報とを関連付けた第2認知度情報を第2認知度記憶部121に格納する。
【0202】
なお、本実施の形態では、ステップS204にて第2テスト用情報取得部119が第2テスト用情報を取得する例を説明した。
【0203】
しかし、商品の販売主体と認知度テストの実施主体とは異なる場合について上述した第1テスト用情報と同様に、第2テスト用情報は、第2テスト用情報取得部119を介さずに、契約用端末101から認知度テスト装置103へ直接送信されてもよい。
【0204】
また、この場合において、ステップS206にて第2認知度取得部120が第2認知度情報を取得するには、契約支援装置102と認知度テスト装置103とを連携させる必要がある。この連携は、契約用端末101にインストールされるプログラムモジュールの機能を用いて実現されるとよい。また、この連携には、電子メールやファイル転送などの手段が用いられてもよい。
【0205】
契約情報変更部122は、例えば契約用端末101に表示されたボタンの押下などの操作者の操作に従って、契約情報変更処理を行う(ステップS207)。
【0206】
契約情報変更処理(ステップS207)は、契約変更要求に係る契約情報137aを変更するための手続きを、契約者の認知度に応じて変更して進める処理である。
【0207】
契約情報変更処理(ステップS207)において詳細には、図12A及び12Bに示すように、第2の再テスト受付部129は、ステップS205にて取得された認知度に基づいて、緩和手続きで契約情報137aを変更してもよいか否かについて、顧客の認知度テストにより得られた結果に疑義があるか否かを判定する(ステップS211)。
【0208】
ここでの判定基準は、契約情報137aを変更する際の認知度の基準として適宜定められてもよく、変更の対象となる契約に係る商品の商品種別にマスタ情報107aにおいて関連付けられた契約条件に設定された認知度の基準であってもよい。
【0209】
第2の再テスト受付部129は、ステップS204にて取得された認知度が、判定基準と予め定められた範囲内である場合に、契約者の認知度テストにより得られた結果に疑義があると判定する。
【0210】
例えば、ステップS211における認知度の判定基準として70が設定され、認知度について予め定められた範囲が±5である場合、第2の再テスト受付部129は、ステップS205にて取得された認知度が、65以上75以下である場合に、契約者の認知度テストにより得られた結果に疑義があると判定する。
【0211】
契約者の認知度テストにより得られた結果に疑義があると判定した場合(ステップS211;No)、第2の再テスト受付部129は、認知度確認者の操作に基づいて、認知度テストを当該契約者に再度実施する旨の再テスト指示を受け付ける(ステップS212)。
【0212】
第2の再テスト受付部129が再テストの指示を受け付けると、第2テスト用情報取得部119は、ステップS204と同様に、第2テスト用情報を取得する(ステップS213)。第2テスト用情報取得部119は、S205と同様に、ステップS213にて取得した第2テスト用情報を認知度テスト装置103へ送信する(ステップS214)。第2認知度取得部120は、ステップS206と同様に、認知度テスト装置103によって求められた認知度を認知度テスト装置103から取得する(ステップS215)。
【0213】
契約者の認知度テストにより得られた結果に疑義がないと判定し(ステップS211;Yes)、再テスト指示が受け付けられなかった場合、又は、ステップS215の後に、第2の承諾受付部130は、契約情報137aを変更するための緩和手続きの条件を満たすか否かを判定する(ステップS216)。
【0214】
詳細には、再テスト指示が受け付けられなかった場合、すなわち、ステップS205にて取得された認知度を基に契約者の認知度テストにより得られた結果に疑義がないと判定された場合に、第2の承諾受付部130は、緩和手続きの条件を満たすと判定する。また、ステップS215にて取得された認知度を基に、当該認知度が代替商品の契約条件を満たす場合に、第2の承諾受付部130は、緩和手続きの条件を満たすと判定する。
【0215】
これに対して、ステップS215にて取得した認知度テストの再テストの結果が、例えばステップS211と同様の判定基準を満たさない場合に、第2の承諾受付部130は、緩和手続きの条件を満たさないと判定する。
【0216】
緩和手続きの条件を満たさないと判定された場合(ステップS216;No)、契約変更部132は、認知度テストの対象となる契約者に対する原則的な手続きである厳格な手続きに従って、契約情報137aを変更するための処理を行う(ステップS217)。
【0217】
詳細には、契約変更部132は、契約情報137aを変更するための厳格な手続きに従った画面を契約用端末101に表示させ、これに応じて入力された変更後の契約情報137aを契約用端末101からネットワークNを介して取得する。契約変更部132は、変更後の契約情報137aを取得すると、当該取得した契約情報137aを契約記憶部137に格納し、契約情報137aを格納した旨を契約支援装置102へネットワークNを介して通知する。
【0218】
契約変更部132は、契約情報137aを格納した旨の通知を契約管理装置104から受信することによって、契約情報137aを格納する処理の完了を確認すると、契約情報変更処理(ステップS207)を終了する。そして、契約変更部132は、図11に示すように、契約後変更処理を終了する。
【0219】
緩和手続きの条件を満たすと判定された場合(ステップS216;Yes)、第2の承諾受付部130は、操作者の操作に基づいて、契約情報137aを変更することの承諾を受け付ける(ステップS218)。
【0220】
第2の変更部124は、契約者の契約情報137aを変更するための手続きを変更する(ステップS219)。これにより、契約情報137aを変更するための手続きに、緩和手続きが設定される。
【0221】
契約変更部132は、ステップS128にて変更された手続き、すなわち緩和手続きに従って、契約情報137aを変更するための処理を行う(ステップS220)。
【0222】
詳細には、契約変更部132は、契約情報137aを変更するための緩和手続きに従った画面を契約用端末101に表示させ、これに応じて入力された変更後の契約情報137aを契約用端末101からネットワークNを介して取得する。契約変更部132は、変更後の契約情報137aを取得すると、当該取得した契約情報137aを契約記憶部137に格納し、契約情報137aを格納した旨を契約支援装置102へネットワークNを介して通知する。
【0223】
契約変更部132は、契約情報137aを格納した旨の通知を契約管理装置104から受信することによって、契約情報137aを格納する処理の完了を確認すると、契約情報変更処理(ステップS207)を終了する。そして、契約変更部132は、図11に示すように、契約後変更処理を終了する。
【0224】
これまで、本発明の一実施の形態について説明した。
【0225】
本実施の形態によれば、顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、当該顧客の認知度に応じて変更する。これにより、契約時の顧客の認知度に応じた適切な商品を顧客に提供することができる。従って、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することが可能になる。
【0226】
また、顧客が要望する商品を購入するには、家族や代理人の同意を得るなどの複雑な手続きが必要な場合であっても、その代替商品を提案することによって、より簡素な手続きで代替商品の契約をすることができる。当初の要望に係る商品と似た商品を、比較的簡素な手続きで購入することができる。従って、顧客は適切な商品を購入することが可能になり、事業者は販売機会を逃すことを低減することが可能になる。
【0227】
本実施の形態によれば、認知度テストは、第1テスト用情報又は第2テスト用情報を基に行われ、これらの情報は、認知度テストにおける質問に対して回答する様子を記録した撮影情報と音声情報との少なくとも一方を含む。これにより、その時の顧客又は契約者の認知度を客観的に推定することができる。従って、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することが可能になる。
【0228】
また、認知度テストにおける質問に対して回答する様子を記録した撮影情報と音声情報との少なくとも一方を残しておくことによって、認知度テストが正しく行われたことを記録として残しておくことができる。従って、認知度が低下した顧客と契約する事業者のリスクを軽減することが可能になる。
【0229】
本実施の形態によれば、また、契約後に契約情報の変更や契約の内容に応じた履行などが行われる際に、契約者の認知度に応じて、変更や履行のための手続きを変更する。これにより、契約後においても、認知度を考慮して契約情報の変更などを行うことができる。同時に、可能な範囲で手続きを簡素化することができる。従って、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減しつつ、利便性を向上させることが可能になる。
【0230】
本発明は、これまで説明した一実施の形態に限られず、例えば以下のように変形されてもよい。
【0231】
<変形例1>
実施の形態では、顧客の認知度に応じて、当該顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を変更する例を説明した。このような変更は、顧客の認知度及び健康状態に応じて行われてもよい。
【0232】
変形例1に係る契約支援装置202は、図13に示すように、実施の形態に係る契約支援装置102が備える構成に加えて、健康診断情報取得部238をさらに備える。健康診断情報取得部238は、顧客の健康診断の結果を示す健康診断情報を取得する。健康診断情報は、例えば、病院での検査結果や診断結果を示す情報、顧客の健康診断票をスキャン又は撮影した画像情報である。
【0233】
本変形例に係る契約支援部115は、健康診断情報に応じて、顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を変更するとよい。すなわち、本変形例に係る契約支援部115は、認知度及び健康診断情報に応じて、契約の内容と手続きの少なくとも一方を変更してもよく、健康診断情報のみに応じて、契約の内容と手続きの少なくとも一方を変更してもよい。
【0234】
本変形例によれば、契約時の顧客の認知度及び健康状態に応じた適切な商品を顧客に提供することができる。従って、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することが可能になる。
【0235】
本発明によれば、顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、当該顧客の認知度に応じて変更する。これにより、契約時に顧客の推定される顧客の認知度に応じた適切な商品を顧客に提供することができる。従って、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することが可能になる。
【0236】
<変形例2>
実施の形態では、契約支援装置102が機能制御部124を備える例により説明した。しかし、機能制御部124は、契約支援装置に備えられなくてもよい。これによっても、実施の形態と同様に、契約において、認知機能の低下に伴うリスクを軽減することが可能になる。
【0237】
上記の実施の形態の一手段または全手段は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0238】
1.商品の提供を希望する顧客について、認知機能の程度を示す認知度を取得する第1認知度取得手段と、
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更する契約支援手段とを備える
契約支援装置。
【0239】
2.前記顧客の顔を撮影することによって得られる画像情報と、前記顧客の声を録音することによって得られた音声情報との少なくとも一方を含む第1テスト用情報を取得する第1テスト用情報取得手段をさらに備え、
前記顧客についての前記認知度は、前記第1テスト用情報に基づいて、予め定められた認知度テストを実施することによって取得される
上記1に記載の契約支援装置。
【0240】
3.前記顧客から取得した本人確認のための本人証明情報と、前記テスト用情報と、前記認知度と、を関連付けた認知度情報を格納するための認知度記憶手段をさらに備える
上記2に記載の契約支援装置。
【0241】
4.商品に関する前記顧客の要望を取得する要望取得手段と、
前記顧客の契約条件が、前記要望取得手段で取得した商品について予め定められた契約条件を、満たすか否かを判定する契約条件判定手段と、
前記顧客の前記契約条件を満たさないと判定された場合に、前記要望取得手段で取得した商品に代替する代替商品を抽出する代替商品抽出手段とをさらに備える
上記1から3のいずれか1つに記載の契約支援装置。
【0242】
5.前記契約支援手段は、
前記代替商品抽出手段により抽出された代替商品の契約に関し、前記顧客の要望を再確認する第1の承諾受付手段と、
前記第1の承諾受付手段によって再確認された場合に、契約支援する対象を、前記要望取得手段で取得した商品から、前記抽出された代替商品の契約に変更する第1の変更手段とを含む
上記1から4のいずれか1つに記載の契約支援装置。
【0243】
6.前記契約支援手段は、
前記顧客の認知度に応じて、予め定められた認知度確認者へ再確認する再確認受付手段を含む
上記1から5のいずれか1つに記載の契約支援装置。
【0244】
8.前記契約支援手段は、前記契約を締結するための手続きを変更する場合には、当該契約のために表示される複数の画面の表示順序、前記複数の画面が前記顧客に対する質問をするための質問画面を含む場合における当該質問の数、当該質問の表現、の少なくとも1つを、前記取得された認知度に応じて変更する
上記1から7のいずれか1つに記載の契約支援装置。
【0245】
9.前記顧客の健康診断の結果を示す健康診断情報を取得する健康診断情報取得手段をさらに備え、
前記契約支援手段は、前記健康診断情報取得手段により取得した健康診断情報に応じて、前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を変更する
上記1から8のいずれか1つに記載の契約支援装置。
【0246】
10.前記取得された認知度に基づいて、前記契約支援手段の機能を有効にするか否かを制御する機能制御手段をさらに備え、
前記契約支援手段は、前記機能制御手段によって機能が有効にされた場合に、前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更する
上記1から9のいずれか1つに記載の契約支援装置。
【0247】
11.上記1から10のいずれか1つに記載の契約支援装置と、
前記契約支援装置からの要求に応じて、前記認知度を取得するための認知度テストを実施する認知度テスト実施装置とを備える、契約支援システム。
【0248】
12.前記顧客との契約のために用いられる端末であって、カメラ、マイク、スピーカの少なくとも1つを有する契約用端末をさらに備える
上記11に記載の契約支援システム。
【0249】
13.コンピュータが、
商品の提供を希望する顧客について、認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更することとを含む、契約支援方法。
【0250】
14.コンピュータに、
商品の提供を希望する顧客について、認知機能の程度を示す認知度を取得することと、
前記顧客が要望する商品について予め定められた契約の内容と当該契約を締結するための手続きとの少なくとも一方を、前記取得された認知度に応じて変更することとを実行させるためのプログラム。
【0251】
この出願は、2020年8月27日に出願された日本出願特願2020-143858号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0252】
100 契約支援システム
101 契約用端末
102,202,302 契約支援装置
103 認知度テスト装置
104 契約管理装置
106 要望取得部
107 マスタ情報記憶部
107a マスタ情報
108 契約条件判定部
109 通常契約部
110 代替商品抽出部
111 第1テスト用情報取得部
112 第1認知度取得部
113 第1認知度記憶部
115 契約支援部
116 契約変更受付部
117 テスト要否判定部
118 通常変更部
119 第2テスト用情報取得部
120 第2認知度取得部
121 第2認知度記憶部
122 契約情報変更部
123 第1の再テスト受付部
124 機能制御部
125 第1の承諾受付部
126 第1の変更部
127 意向確認部
128 契約処理部
129 第2の再テスト受付部
130 第2の承諾受付部
131 第2の変更部
132 契約変更部
134 契約ログ受付部
135 契約ログ記憶部
135a 契約ログ情報
136 契約情報受付部
137 契約記憶部
137a 契約情報
238 健康診断情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13