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特許7563475サーバ装置、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-30
(45)【発行日】2024-10-08
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20241001BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20241001BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04N21/258
G06Q30/0241
G09F19/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022558658
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2020040354
(87)【国際公開番号】W WO2022091237
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】荻窪 翼
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/244365(WO,A1)
【文献】特開2020-106912(JP,A)
【文献】特開2020-173807(JP,A)
【文献】植木 蒼馬, 外3名,なじみのある情報を提供する主体的観光支援システムの提案,ヒューマンインタフェースシンポジウム2018 論文集,ヒューマンインタフェース学会,2018年09月05日,pp. 539-544
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06Q 30/0241
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する、利用者登録部と、
端末が撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する、判定部と、
前記端末が撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、情報提供システムに参加する複数の店舗のうち前記登録者の出身地情報に基づいて選択された推薦店舗に関する情報を含む推薦情報を生成し、前記推薦情報と前記登録者の出身地情報とを対応付けて第2のデータベースに記憶させる、推薦情報生成部と、
前記生成された推薦情報を前記端末に送信する、送信部と、
前記推薦情報を受信した前記端末からの前記推薦店舗の予約に関する情報、及び前記登録者の前記推薦店舗に関する評価情報を前記第2のデータベースに記憶させる、管理部と、
前記第2のデータベースを参照して、前記出身地情報ごとの前記推薦店舗の満足率を含む推薦結果評価情報を出力する、評価情報生成部と、
を含む、サーバ装置。
【請求項2】
前記第1のデータベースは、前記複数の利用者それぞれの登録者IDを記憶し、
記管理部は、前記推薦店舗の予約を受け入れる場合に、前記推薦店舗を予約した登録者の前記登録者IDと前記推薦店舗の予約情報を対応付けて第のデータベースに記憶する、請求項に記載のサーバ装置。
【請求項3】
記管理部は、被認証者の生体情報を前記推薦店舗に設置された認証端末から取得し、前記被認証者の生体認証を前記第1のデータベース、前記第のデータベースを用いて行う、請求項に記載のサーバ装置。
【請求項4】
端末と、
前記端末と接続されたサーバ装置と、
前記サーバ装置と接続されたシステム管理者端末と、
を含み、
前記サーバ装置は、
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する、利用者登録部と、
前記端末が撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する、判定部と、
前記端末が撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、情報提供システムに参加する複数の店舗のうち前記登録者の出身地情報に基づいて選択された推薦店舗に関する情報を含む推薦情報を生成し、前記推薦情報と前記登録者の出身地情報とを対応付けて第2のデータベースに記憶させる推薦情報生成部と、
前記生成された推薦情報を前記端末に送信する、送信部と、
前記推薦情報を受信した前記端末からの前記推薦店舗の予約に関する情報、及び前記登録者の前記推薦店舗に関する評価情報を前記第2のデータベースに記憶させる、管理部と、
前記第2のデータベースを参照して、前記出身地情報ごとの前記推薦店舗の満足率を含む推薦結果評価情報を前記システム管理者端末に出力する、評価情報生成部と、
を含む、情報提供システム。
【請求項5】
サーバ装置において、
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録し、
端末が撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定し、
前記端末が撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、情報提供システムに参加する複数の店舗のうち前記登録者の出身地情報に基づいて選択された推薦店舗に関する情報を含む推薦情報を生成し、
前記生成された推薦情報を前記端末に送信し、
前記推薦情報と前記登録者の出身地情報とを対応付けて第2のデータベースに記憶させ、
前記推薦情報を受信した前記端末から前記推薦店舗の予約に関する情報を取得し、
取得した前記推薦店舗の予約に関する情報を前記第2のデータベースに記憶させ、
前記登録者の前記推薦店舗に関する評価情報を前記第2のデータベースに記憶させ、
前記第2のデータベースを参照して、前記出身地情報ごとの前記推薦店舗の満足率を含む推薦結果評価情報を出力する、
情報提供方法。
【請求項6】
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する処理と、
端末が撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する処理と、
前記端末が撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、情報提供システムに参加する複数の店舗のうち前記登録者の出身地情報に基づいて選択された推薦店舗に関する情報を含む推薦情報を生成する処理と、
前記生成された推薦情報を前記端末に送信する処理と、
前記推薦情報と前記登録者の出身地情報とを対応付けて第2のデータベースに記憶させる処理と、
前記推薦情報を受信した端末から前記推薦店舗の予約に関する情報を取得する処理と、
取得した前記推薦店舗の予約に関する情報を前記第2のデータベースに記憶させる処理と、
前記登録者の前記推薦店舗に関する評価情報を前記第2のデータベースに記憶させる処理と、
前記第2のデータベースを参照して、前記出身地情報ごとの前記推薦店舗の満足率を含む推薦結果評価情報を出力する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、情報提供システム、情報提供方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体情報を利用した各種サービスの普及が始まっている。例えば、ホテルのチェックイン手続き等に顔認証が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、周囲の個人を識別して、同時に複数の個人に対して個別情報を表示することができる情報表示装置を提供する、と記載されている。特許文献1の情報表示システムは、情報表示装置とサーバを含む。情報表示装置は、ユーザの顔画像を撮像する撮像部と、ユーザに応じた個別表示画面を表示する表示部と、を有する。サーバは、顔画像に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証部と、登録されたユーザ端末から個別情報を取得する個別情報取得部と、取得した個別情報に関連する情報に基づいて個別表示画面を生成する表示画面生成部と、を有する。
【0004】
また、近年では、映像や画像を用いて利用者に情報提供するデジタルサイネージが普及している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-017924号公報
【文献】特開2014-049003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、デジタルサイネージを用いて利用者に情報提供を行うことがある。その際、生体認証により利用者を特定することができれば、当該利用者にとってより有益な情報提供が可能となる。しかしながら、現状では、生体認証により利用者の氏名等を特定し、当該特定された氏名に基づいて利用者の訪問を歓迎するメッセージ等を出力することに留まることが多い。
【0007】
本発明は、利用者にとってより有益な情報を提供することに寄与する、サーバ装置、情報提供システム、情報提供方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する、利用者登録部と、サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する、判定部と、前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する、推薦情報生成部と、前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する、送信部と、を含む、サーバ装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、サイネージと、前記サイネージと接続されたサーバ装置と、を含み、前記サーバ装置は、複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する、利用者登録部と、前記サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する、判定部と、前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する、推薦情報生成部と、前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する、送信部と、を含む、情報提供システムが提供される。
【0010】
本発明の第3の視点によれば、サーバ装置において、複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録し、サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定し、前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成し、前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する、情報提供方法が提供される。
【0011】
本発明の第4の視点によれば、サーバ装置に搭載されたコンピュータに、複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する処理と、サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する処理と、前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する処理と、前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する処理と、を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の各視点によれば、利用者にとってより有益な情報を提供することに寄与する、サーバ装置、情報提供システム、情報提供方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の概要を説明するための図である。
図2】第1の実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るサイネージの動作を説明するための図である。
図4】第1の実施形態に係るサイネージの動作を説明するための図である。
図5】第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る利用者登録部の動作を説明するための図である。
図7】第1の実施形態に係る登録者情報データベースの一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る郵便番号と店舗情報を対応付けたテーブル情報の一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係るサイネージの処理構成の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る情報提供システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図11】第2の実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係るサイネージの動作を説明するための図である。
図13】第2の実施形態に係るサイネージの動作を説明するための図である。
図14】第2の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図15】第2の実施形態に係る予約情報データベースの一例を示す図である。
図16】第2の実施形態に係る認証端末の処理構成の一例を示す図である。
図17】第2の実施形態に係る認証端末の動作を説明するための図である。
図18】第2の実施形態に係る認証端末の動作を説明するための図である。
図19】第2の実施形態に係る認証端末の動作を説明するための図である。
図20】第2の実施形態に係る情報提供システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図21】第3の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図22】第3の実施形態に係る推薦情報管理データベースの一例を示す図である。
図23】第3の実施形態に係る端末の動作を説明するための図である。
図24】第3の実施形態に係る推薦結果評価情報の一例を示す図である。
図25】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図26】本願開示の変形例に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。
図27】本願開示の変形例に係るサイネージの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0015】
一実施形態に係るサーバ装置100は、利用者登録部101と、判定部102と、推薦情報生成部103と、送信部104と、を備える(図1参照)。利用者登録部101は、複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する。判定部102は、サイネージが撮影した人物の生体情報が、第1のデータベースに登録されているか否か判定する。推薦情報生成部103は、サイネージが撮影した人物が第1のデータベースに登録された登録者の場合、登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する。送信部104は、生成された推薦情報をサイネージに送信する。
【0016】
サーバ装置100は、サイネージが撮影した利用者の出身地に応じて推薦情報を生成する。サーバ装置100は、特定地域の出身者が好む店舗等を予め把握し、情報提供を求める観光客が満足する可能性の高い店舗等を推薦する。利用者は、推薦情報に従って推薦店舗を訪れることで、旅行先の観光地で営業している各店舗の特徴を知らなくとも、自身の趣味、趣向に沿った店舗を利用することができる。即ち、利用者は、情報提供システムから有益な情報の提供を受けることができる。
【0017】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0019】
[システム構成]
図2は、第1の実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。図2を参照すると、情報提供システムには、サーバ装置10と、サイネージ20と、が含まれる。
【0020】
情報提供システムは、観光地を訪れた観光客等に情報を提供するシステムである。具体的には、情報提供システムは、鉄道や航空機等の交通手段を用いて観光地を訪れた観光客に情報提供を行う。
【0021】
サーバ装置10は、観光地の観光組合等により管理、運営されるサーバである。あるいは、サーバ装置10は旅行会社等により管理、運営されてもよい。サーバ装置10は、観光組合の建物に設置されたサーバであってもよいし、クラウド上に設置されたサーバであってもよい。
【0022】
サイネージ20は、観光地近傍の駅、空港、港等に設置される端末である。第1の実施形態では、サイネージ20は駅の構内に設置された端末として説明を行う。サイネージ20は、利用者に情報提供等を行うデジタルサイネージとして動作する。
【0023】
サーバ装置10とサイネージ20は、ネットワークを介して接続されている。サーバ装置10とサイネージ20は、有線又は無線の通信手段により接続されている。
【0024】
図2の構成は例示であって、本願開示の情報提供システムの構成等を限定する趣旨ではない。例えば、システムには2台以上のサーバ装置10が含まれていてもよいし、2台以上のサイネージ20が含まれていてもよい。あるいは、サーバ装置10とサイネージ20の機能が統合され、当該統合された1台の装置によりサービスが提供されてもよい。
【0025】
[システムの動作概略]
観光地を訪問する予定の利用者は、サーバ装置10に情報入力(利用者登録、システム登録)を行う。利用者は、所有するスマートフォン、パーソナルコンピュータ等の端末を利用して自身の「個人情報」をサーバ装置10に入力する。具体的には、利用者は、氏名、性別、年齢、連絡先(例えば、電話番号、メールアドレス)等の情報をサーバ装置10に入力する。
【0026】
また、利用者は、自身の出身地に関する情報(以下、出身地情報と表記する)をサーバ装置10に入力する。出身地情報には、例えば、出身地の住所、住所の一部(都道府県名、市名等)、郵便番号、地方名称(例えば、関東、関西)が例示される。第1の実施形態では、郵便番号を出身地情報として扱い説明を行う。
【0027】
さらに、利用者は、自身の生体情報をサーバ装置10に登録する。利用者の生体情報には、例えば、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)が例示される。あるいは、利用者の生体情報は、顔画像、指紋画像等の画像データであってもよい。利用者の生体情報は、利用者の身体的特徴を情報として含むものであればよい。第1の実施形態では、顔画像又は当該顔画像から生成された特徴量を生体情報として説明を行う。
【0028】
サーバ装置10は、利用者の生体情報、個人情報(出身地情報を含む個人情報)を対応付けて記憶する。
【0029】
駅に到着した観光客は、駅の構内に設置されたサイネージ20の面前に移動する。サイネージ20は、当該観光客を撮影し、生体情報をサーバ装置10に送信する。
【0030】
サーバ装置10は、サイネージ20の面前に立つ観光客(サイネージ20により撮影された観光客)がサーバ装置10に情報入力を事前に行った利用者か否かを判定する。具体的には、サーバ装置10は、取得した生体情報を用いた照合処理により上記判定を行う。サーバ装置10は、照合処理によりサイネージ20の面前に立つ観光客が事前に個人情報をサーバ装置10に登録した人物か否か判定する。
【0031】
以降の説明において、サーバ装置10に個人情報等を登録した利用者を「登録者」と表記する。サーバ装置10に個人情報等を登録していない利用者を「非登録者」と表記する。
【0032】
サーバ装置10は、サイネージ20の面前に立つ観光客が登録者であれば、当該登録者の出身地情報に基づいて「推薦情報」を生成する。例えば、サーバ装置10は、登録者が関西出身であれば、関西出身者の趣味、趣向にあった食事等を提供する店舗の情報を含む推薦情報を生成する。同様に、サーバ装置10は、登録者が関東出身であれば、関東出身者に適したサービスを提供する店舗の情報を含む推薦情報を生成する。なお、推薦情報には、店舗の情報以外にも他の情報が含まれていてもよい。例えば、登録者の氏名や出身地情報等が推薦情報に含まれていてもよい。あるいは、推薦情報には、推薦店舗の簡単な説明(例えば、提供する食事の内容;寿司屋、ステーキ屋等)や推薦店舗のPR(Public Relations)情報が含まれていてもよい。
【0033】
サーバ装置10は、生成した推薦情報をサイネージ20に送信する。
【0034】
サイネージ20は、受信した推薦情報に基づく情報提供を行う。サイネージ20は、登録者に対しては、例えば、図3に示すような表示を行う。サイネージ20は、郵便番号を出身地情報として受け取った場合には、郵便番号から対応する県名等を特定し、図3に示すような表示を行う。サイネージ20は、サーバ装置10から取得した推薦店舗の簡単な説明やPR情報を併せて表示してもよい。
【0035】
サイネージ20の面前に立つ観光客が非登録者であれば、サーバ装置10は、汎用的な推薦情報(予め定められた情報)をサイネージ20に送信する。この場合、サイネージ20は、例えば、図4に示すような表示を行う。図4に示すように、サーバ装置10は、事前登録していない観光客に対しては、定型的な観光情報等の提供を行う。例えば、サイネージ20は、図4に示すように観光施設等の案内を表示する。
【0036】
続いて、第1の実施形態に係る情報提供システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0037】
[サーバ装置]
図5は、第1の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図5を参照すると、サーバ装置10は、通信制御部201と、利用者登録部202と、判定部203と、推薦情報生成部204と、記憶部205と、を備える。
【0038】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、サイネージ20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、サイネージ20に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、サイネージ20から生体情報を受信する受信部としての機能と、生成された推薦情報をサイネージ20に送信する送信部としての機能を含む。
【0039】
利用者登録部202は、利用者(観光地への観光客)の事前登録を行う手段である。利用者登録部202は、複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を登録者情報データベース(第1のデータベース)に登録する。
【0040】
利用者登録部202は、利用者から出身地情報を含む個人情報、生体情報を取得する。利用者登録部202は、利用者が使用する端末からのアクセスに応じて、個人情報、生体情報を取得するためのGUI(Graphical User Interface)、入力フォーム等を当該端末に表示する。
【0041】
例えば、利用者登録部202は、図6に示すようなGUIを用いて、利用者の個人情報(例えば、氏名、性別、生年月日、電話番号、メールアドレス、出身地情報)、生体情報(例えば、顔画像)を取得する。なお、生体情報(顔画像)の登録に関し、図6に示すようにファイルを選択する形式でもよいし、利用者が端末を操作して自身の顔画像を取得(所謂、自撮り)し、サーバ装置10に送信してもよい。
【0042】
利用者登録部202は、取得した顔画像から特徴量(複数の特徴量からなる特徴ベクトル)を生成する。
【0043】
具体的には、利用者登録部202は、取得した顔画像から特徴点を抽出する。なお、特徴点の抽出処理に関しては既存の技術を用いることができるのでその詳細な説明を省略する。例えば、利用者登録部202は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、利用者登録部202は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算し、複数の特徴量からなる特徴ベクトル(顔画像を特徴づけるベクトル情報)を生成する。
【0044】
特徴量を生成すると、利用者登録部202は、登録者情報データベースに新規なエントリを追加する。
【0045】
図7は、登録者情報データベースの一例を示す図である。図7に示すように、登録者情報データベースは、登録者ID、生体情報(特徴量)、個人情報(氏名、メールアドレス、郵便番号等)を記憶するフィールドを含む。登録者IDは、登録者情報データベースに新規なエントリが追加される際に採番される。登録者は、登録者IDにより一意に識別される。なお、図7は、出身地情報として郵便番号が記憶される例を図示している。
【0046】
図7に示す登録者情報データベースは例示であって、登録者情報データベースが記憶する情報を制限する趣旨ではない。例えば、特徴量に替えて又は加えて顔画像が登録者情報データベースに記憶されていてもよい。
【0047】
判定部203は、サイネージ20が撮影した人物が登録者か否かを判定する手段である。判定部203は、サイネージ20が撮影した人物の生体情報が登録者情報データベースに登録されているか否か判定する。判定部203は、サイネージ20から生体情報(顔画像)を受信する。判定部203は、受信した生体情報から特徴量を生成する。
【0048】
判定部203は、上記生成された特徴量を照合側の特徴量、登録者情報データベースに格納された特徴量を登録側の特徴量にそれぞれ設定し、1対N照合を実行する(Nは正の整数、以下同じ)。具体的には、判定部203は、照合側と複数の登録側それぞれの特徴量との間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
【0049】
判定部203は、登録者情報データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在するか否か判定する。そのような特徴量が存在しない場合、判定部203は、サイネージ20が撮影した人物は登録者ではないと判定する(非登録者と判定する)。
【0050】
上記のような特徴量が存在する場合、判定部203は、サイネージ20が撮影した人物は登録者であると判定する。この場合、判定部203は、登録者情報データベースのエントリのなかから類似度が最も高いエントリを特定する。
【0051】
判定部203は、被判定者(サイネージ20が撮影した人物)が登録者であれば、上記特定された登録者情報データベースのエントリの情報を推薦情報生成部204に引き渡す。対して、判定部203は、被判定者が登録者でなければ、その旨を推薦情報生成部204に通知する。
【0052】
このように、判定部203は、サイネージ20が撮影した人物の生体情報を照合側、登録者データベースに登録された複数の生体情報を登録側に設定した照合処理を行い、被判定者が登録者か否か判定する。判定部203は、被判定者が登録者の場合、当該登録者の情報(個人情報)を推薦情報生成部204に引き渡す。
【0053】
推薦情報生成部204は、推薦情報を生成する手段である。推薦情報生成部204は、サイネージ20が撮影した人物が登録者情報データベースに登録された登録者の場合、当該登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する。
【0054】
例えば、推薦情報生成部204は、情報提供システムに参加する複数の店舗のうち出身地情報に基づいて推薦店舗を選択する。より具体的には、推薦情報生成部204は、観光地の店舗のなかから登録者の趣味、趣向に合うであろうと想定される店舗を選択する。推薦情報生成部204は、上記店舗の選択に登録者の出身地情報を利用する。
【0055】
推薦情報生成部204は、出身地情報を用いた任意の方法により登録者に推薦する店舗を選択する。例えば、推薦情報生成部204は、図8に示すような、郵便番号と店舗情報を対応付けたテーブル情報を参照して推薦する店舗を選択してもよい。店舗情報には、店舗ID、店舗の場所を明示するマップ情報、ホームページのアドレス情報、電話番号、メールアドレス等が含まれる。店舗IDは、情報提供システムに参加する店舗を一意に識別する識別情報である。店舗IDは、サーバ装置10と情報提供システムに参加する各店舗の間で共有される。なお、図8等では、理解の容易のため店舗IDとして店名を記載している。
【0056】
システム管理者等は、特定地域出身者の好みと各店舗の特徴等を考慮して、図8に示すようなテーブル情報を予め生成する。例えば、システム管理者は、関西出身者は薄い味を好むので薄い味付けの食事を提供する店舗を選択し、関東出身者は濃い味を好むので濃い味付けの食事を提供する店舗を選択し、上記テーブル情報を生成する。
【0057】
あるいは、各店舗それぞれが、自店舗で主たる対象とする客の地域情報をシステムに提供してもよい。例えば、店舗A自身が「店舗Aは関東向け」といった情報をシステムに提供してもよい。システム管理者等は、当該提供された情報を用いて図8に示すようなテーブル情報を生成してもよい。
【0058】
あるいは、推薦情報生成部204は、機械学習により得られる学習モデルを用いて登録者に推薦する店舗を選択してもよい。例えば、システム管理者は、各店舗の利用者に対してアンケートを行う。その際、システム管理者は、アンケート回答者の出身地情報と店舗の評価(満足、普通、不満足)を取得する。システム管理者は、「満足」と回答したアンケート回答者の出身地情報と回答結果(店舗名)を教師データとして扱ってコンピュータに機械学習を行わせ、学習モデルを生成する。システム管理者は、当該生成された学習モデルをサーバ装置10に実装する。
【0059】
推薦情報生成部204は、登録者の出身地情報を学習モデルに入力することで、当該登録者に推薦する店舗を取得してもよい。なお、学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
【0060】
推薦情報生成部204は、上記選択された店舗の店舗情報(店舗ID、マップ情報等)、登録者に関する情報(氏名、登録者ID等)を含む推薦情報を生成する。
【0061】
推薦情報生成部204は、被判定者が登録者でなければ、予め定めた定型情報を含む推薦情報を生成する。例えば、当該定型情報としては、景勝地等に関する観光情報や観光地で営業している店舗の情報等が例示される。このように、推薦情報生成部204は、サイネージ20が撮影した人物が登録者情報データベースに登録されていない非登録者の場合、観光情報を含む推薦情報を生成してもよい。
【0062】
推薦情報生成部204は、生成した推薦情報を、通信制御部201を介してサイネージ20に送信する。
【0063】
記憶部205は、サーバ装置10の動作に必要な情報を記憶する。記憶部205には、登録者情報データベースが構築される。
【0064】
[サイネージ]
図9は、第1の実施形態に係るサイネージ20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図9を参照すると、サイネージ20は、通信制御部301と、生体情報取得部302と、メッセージ出力部303と、記憶部304と、を備える。
【0065】
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0066】
生体情報取得部302は、カメラを制御し、利用者の生体情報(顔画像)を取得する手段である。生体情報取得部302は、定期的又は所定のタイミングにおいて自装置の前方を撮像する。生体情報取得部302は、取得した画像に人の顔画像が含まれるか否かを判定し、顔画像が含まれる場合には取得した画像データから顔画像を抽出する。
【0067】
なお、生体情報取得部302による顔画像の検出処理や顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、生体情報取得部302は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、生体情報取得部302は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
【0068】
生体情報取得部302は、抽出した顔画像を、通信制御部301を介してサーバ装置10に送信する。
【0069】
メッセージ出力部303は、利用者(登録者、非登録者)に対して種々のメッセージを出力する手段である。例えば、メッセージ出力部303は、登録者に関する推薦情報を取得した場合には、図3に示すような表示を行う。また、メッセージ出力部303は、非登録者に関する推薦情報を取得した場合には、図4に示すような表示を行う。
【0070】
記憶部304は、サイネージ20の動作に必要な情報を記憶する。
【0071】
[システムの動作]
続いて、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作について説明する。なお、動作の説明は、利用者に情報を提供する場合について行う。利用者登録に関するシステム動作の説明は省略する。
【0072】
図10は、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
サイネージ20は、面前の利用者の生体情報を取得し、当該生体情報をサーバ装置10に送信する(ステップS01)。
【0074】
サーバ装置10は、取得した生体情報を用いて、サイネージ20が撮影した人物が事前に利用者登録をしている登録者か否かに関する判定処理を実行する(ステップS02)。
【0075】
サーバ装置10は、サイネージ20に送信する推薦情報を生成する(ステップS03)。具体的には、被判定者(サイネージ20が撮影した利用者)が登録者であれば、サーバ装置10は、当該登録者の出身地に基づいて推薦情報を生成する。被判定者が登録者でなければ、サーバ装置10は、予め定めた定型的な情報を含む推薦情報を生成する。
【0076】
サーバ装置10は、生成した推薦情報をサイネージ20に送信する(ステップS04)。
【0077】
サイネージ20は、受信した推薦情報に基づく情報提供を行う(ステップS05)。登録者に関する推薦情報を受信した場合には、サイネージ20は、図3に示すような情報提供を行う。非登録者に関する推薦情報を受信した場合には、サイネージ20は、図4に示すような情報提供を行う。
【0078】
以上のように、第1の実施形態に係る情報提供システムでは、サーバ装置10は、サイネージ20が撮影した利用者(観光客)の出身地に応じて推薦情報を生成する。サーバ装置10は、特定地域の出身者が好む店舗を図8に示すテーブル情報や学習モデルにより予め把握し、情報提供を求める観光客が満足する可能性の高い店舗を推薦する。観光客は、推薦情報に従って推薦店舗を訪れることで、旅行先の観光地で営業している各店舗の特徴を知らなくとも、自身の趣味、趣向に沿った店舗を利用することができる。即ち、利用者は、情報提供システムから有益な情報の提供を受けることができる。
【0079】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0080】
第1の実施形態では、サイネージ20は、サーバ装置10から受信した推薦情報に基づいて利用者(登録者、非登録者)に情報提供をする場合について説明した。
【0081】
第2の実施形態では、登録者が、サイネージ20から推薦された店舗を予約する場合について説明する。
【0082】
第2の実施形態に係るサイネージ20の処理構成は、第1の実施形態と同一とすることができるのでその説明を省略する。
【0083】
以下、第1及び第2の実施形態の相違点について説明する。
【0084】
図11は、第2の実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。図11を参照すると、第1の実施形態に係るシステム構成に、認証端末30が追加されている。
【0085】
認証端末30は、各店舗の店先に設置される端末である。認証端末30は、来店した客の生体認証をサーバ装置10に要求する。より具体的には、認証端末30は、当該来客の生体情報を含む認証要求をサーバ装置10に送信する。
【0086】
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係るサーバ装置10は、利用者に対して情報提供を行う。サイネージ20のメッセージ出力部303は、登録者に対して情報提供する場合、図12に示すようなGUIを表示する。
【0087】
メッセージ出力部303は、図12に示すようなGUIを用いて、観光客(登録者)がシステムから推薦された店舗の予約を希望するか否かを取得する。登録者が推薦店舗の予約を希望すると、メッセージ出力部303は、図13に示すようなGUIを用いて、利用者から予約情報を取得する。
【0088】
メッセージ出力部303は、所定の期間の間に利用者からの予約希望操作(予約ボタンの押下)を検出できない場合、当該利用者は推薦店舗の予約を希望していないと取り扱う。あるいは、生体情報取得部302が上記店舗を推薦された利用者とは異なる人物の生体情報を取得した場合には、メッセージ出力部303は、上記利用者は推薦店舗の予約を希望していないと判定してもよい。あるいは、メッセージ出力部303は、図12において、利用者が予約を希望しない旨を入力可能とするようなボタン(例えば、キャンセルボタン)を表示してもよい。メッセージ出力部303は、利用者が推薦店舗の予約を希望していないと判断した場合には、図12に示すようなGUIを消去し、初期設定画面等を表示する。
【0089】
利用者が推薦店舗の予約を希望する場合には、メッセージ出力部303は、予約する店舗の店舗ID、予約者の登録者ID及び取得した予約情報を含む予約登録要求をサーバ装置10に送信する(図11参照)。
【0090】
図14は、第2の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図14を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置10の構成に予約管理部206が追加されている。
【0091】
予約管理部206は、各店舗の予約状況の管理、制御等を行う手段である。予約管理部206は、サイネージ20(推薦店舗に関する情報を含む推薦情報を受信したサイネージ20)から推薦店舗の予約に関する予約登録要求を取得し、当該推薦店舗の予約を管理する。
【0092】
予約管理部206は、予約情報データベースを用いて予約状況の管理等を行う。図15は、予約情報データベースの一例を示す図である。予約管理部206は、推薦店舗の予約を受け入れる場合に、推薦店舗を予約した登録者の登録者IDと推薦店舗の予約情報(店舗ID、予約日、予約時間帯、人数)を対応付けて予約情報データベース(第2のデータベース)に記憶する。
【0093】
図15を参照すると、予約情報データベースは、予約された店舗の店舗ID、予約者の登録者ID、予約情報(予約日、予約時間、予約人数等)を記憶するフィールドを含む。
【0094】
予約管理部206は、サイネージ20から予約登録要求を受信する。予約管理部206は、当該予約登録要求を処理する。具体的には、予約管理部206は、サイネージ20からの予約登録を受け入れるか否か決定する。
【0095】
予約管理部206は、予約登録要求から予約対象の店舗ID、予約者の登録者ID及び予約情報を取り出す。予約管理部206は、予約情報データベースを参照し、予約対象の店舗における予約日、予約時間帯の予約済人数を計数する。例えば、図15の例では、店舗Aの予約日「Y1/M1/D1」、予約時間帯12:00-14:00の予約人数は5人とカウントされる。
【0096】
予約管理部206は、各店舗の収容可能人数、上記予約済人数、サイネージ20から取得した予約情報の予約人数に基づいて予約可否を判定する。予約管理部206は、予約済人数と取得した予約人数の合計値が収容可能人数以下であれば、予約受け入れ可能と判定する。予約管理部206は、上記合計値が収容可能人数を超えていれば、予約受け入れ不可と判定する。
【0097】
なお、システム管理者等は、各店舗の収納可能人数を予めサーバ装置10に登録する。予約管理部206は、当該予め入力された情報を用いて予約の受け入れ可否を判定すればよい。
【0098】
予約管理部206は、サイネージ20からの予約登録要求を受け入れる場合には、当該要求に含まれる予約情報、店舗ID、登録者IDを予約情報データベースに追加する。予約を受け入れる場合には、予約管理部206は、その旨を示す肯定応答をサイネージ20に送信する。予約を拒否する場合には、予約管理部206は、その旨を示す否定応答をサイネージ20に送信する。
【0099】
サイネージ20のメッセージ出力部303は、予約登録要求に対する応答(予約受入、予約拒否)に応じた表示等を行う。予約受入の場合には、メッセージ出力部303は、「予約が完了しました。」等のメッセージを出力する。予約拒否の場合には、メッセージ出力部303は、「予約はできませんでした。他の日時を選択して下さい。」等のメッセージを出力する。
【0100】
また、予約管理部206は、認証端末30から受信する認証要求を処理する。予約管理部206は、認証要求に含まれる生体情報を用いて生体認証を行う。予約管理部206は、被認証者の生体情報を推薦店舗に設置された認証端末30から取得し、被認証者の生体認証を登録者情報データベース、予約情報データベースを用いて行う。
【0101】
予約管理部206は、認証要求に含まれる生体情報(顔画像)を取り出す。予約管理部206は、顔画像から特徴量を生成する。予約管理部206は、当該生成された特徴量を照合側の特徴量、登録者情報データベースに格納された特徴量を登録側の特徴量にそれぞれ設定し、1対N照合を実行する。具体的には、予約管理部206は、照合側と複数の登録側それぞれの特徴量との間の類似度を計算する。
【0102】
予約管理部206は、登録者情報データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在するか否か判定する。そのような特徴量が存在しない場合、予約管理部206は、認証に失敗したと判定する。例えば、サーバ装置10に個人情報等を登録していない観光客(非登録者)が被認証者の場合に、当該認証失敗が発生し得る。
【0103】
上記のような特徴量が存在する場合、予約管理部206は、被認証者の来店に関する妥当性を検証する。この場合、予約管理部206は、登録者情報データベースのエントリのなかから類似度が最も高いエントリを特定する。予約管理部206は、認証要求から店舗IDを取り出す。予約管理部206は、当該取り出した店舗IDと上記特定されたエントリの登録者IDの組み合わせが予約情報データベースに登録されているか否かを判定する。即ち、予約管理部206は、被認証者は予約店舗に来店しているか否かを判定する。
【0104】
上記組み合わせ(店舗ID、登録者ID)が予約情報データベースに登録されていなければ、予約管理部206は、被認証者の来店は不当と判定する。この場合、予約管理部206は、認証処理の結果を「認証失敗」に設定する。このような認証失敗は、システム登録した利用者が推薦店舗を予約したが、実際に予約をした店舗とは異なる店舗に来店した場合に発生し得る。
【0105】
上記組み合わせが予約情報データベースに登録されていれば、予約管理部206は、予約情報データベースの対応するエントリから得られる予約情報と被認証者の来店日時を確認し、正しい予約日時に予約者が来店しているか否かを判定する。即ち、予約管理部206は、被認証者の来店時間は妥当か否かを判定する。
【0106】
予約者が正しい予約日時に来店していない場合には、予約管理部206は、被認証者の来店は不当と判定する。この場合、予約管理部206は、認証処理の結果を「認証失敗」に設定する。
【0107】
予約者が正しい予約日時に来店している場合、予約管理部206は、被認証者の来店は正当と判定する。この場合、予約管理部206は、認証処理の結果を「認証成功」に設定する。
【0108】
このように、予約管理部206は、登録者情報データベースを用いて被認証者の登録者IDを特定する。予約管理部206は、当該特定された登録者IDに対応する予約情報データベースのエントリから被認証者の予約情報を特定する。予約管理部206は、特定された予約情報に基づいて被認証者が予約した店舗を予約した日時に訪問しているか否か判定する。予約管理部206は、被認証者の来店は妥当(予約情報に合致)している場合に、生体認証に成功したと判定する。
【0109】
予約管理部206は、認証結果を認証端末30に送信する。
【0110】
認証に成功した場合には、予約管理部206は、予約者の氏名等を含む肯定応答を認証端末30に送信する。予約管理部206は、予約者の予約情報を含む肯定応答を認証端末30に送信してもよい。なお、予約管理部206は、予約者の氏名等を、登録者IDをキーとして登録者情報データベースを検索することで取得できる。
【0111】
認証に失敗した場合には、予約管理部206は、その旨を示す否定応答を認証端末30に送信する。その際、予約管理部206は、認証失敗と判定された要因を否定応答に含めてもよい。例えば、予約管理部206は、「被認証者がシステム登録されていない」、「予約した店舗以外に来店した」、「予約日時とは異なる日時に来店した」等の要因を含む否定応答を認証端末30に送信してもよい。
【0112】
図16は、第2の実施形態に係る認証端末30の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図16を参照すると、認証端末30は、通信制御部401と、生体情報取得部402と、認証要求部403と、メッセージ出力部404と、記憶部405と、を備える。
【0113】
通信制御部401は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部401は、サーバ装置10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部401は、サーバ装置10に向けてデータを送信する。通信制御部401は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部401は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部401を介して他の装置とデータの送受信を行う。
【0114】
生体情報取得部402は、サイネージ20の生体情報取得部302と同様に、利用者の生体情報(顔画像)を取得する。生体情報取得部402は、抽出した顔画像を認証要求部403に引き渡す。
【0115】
認証要求部403は、サーバ装置10に対して利用者の認証を要求する手段である。具体的には、認証要求部403は、被認証者の生体情報を含む認証要求をサーバ装置10に送信する。認証要求部403は、自装置が設置された店舗に対応する店舗ID及び被認証者の顔画像を含む認証要求をサーバ装置10に送信する。
【0116】
認証要求部403は、サーバ装置10から取得した認証要求に対する応答(肯定応答、否定応答)をメッセージ出力部404に引き渡す。
【0117】
メッセージ出力部404は、認証結果に応じたメッセージ等を出力する。
【0118】
例えば、認証結果が認証成功の場合には、メッセージ出力部404は、訪問客(予約者)を歓迎するメッセージ等を表示する(図17参照)。対して、認証結果が認証失敗の場合には、メッセージ出力部404は、訪問者に対して店舗の外で待機してもらうようなメッセージ等を表示する(図18参照)。
【0119】
なお、認証結果によらず、メッセージ出力部404は、客の来店を店舗内の店員に通知するのが望ましい。店員にメッセージを通知する場合には、メッセージ出力部404は、店内に設置されたスピーカー等を用いてもよい。
【0120】
メッセージ出力部404は、否定応答に含まれる認証失敗の要因に基づいて出力するメッセージの内容を変更してもよい。例えば、メッセージ出力部404は、認証失敗の要因が「被認証者がシステム登録されていない」や「予約した店舗以外に来店した」の場合、図18に示すようなメッセージを出力する。メッセージ出力部404は、認証失敗の要因が「予約日時とは異なる日時に来店した」の場合、図19に示すようなメッセージを出力してもよい。
【0121】
記憶部405は、認証端末30の動作に必要な情報を記憶する。
【0122】
図20は、第2の実施形態に係る情報提供システムの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、サイネージ20から送信された予約登録要求の処理に関する動作の説明は省略する。図20を参照しつつ、認証端末30から送信された認証要求を処理する場合の動作を説明する。
【0123】
認証端末30は、面前の利用者を撮影すると、当該利用者の顔画像を含む認証要求をサーバ装置10に送信する(ステップS11)。
【0124】
サーバ装置10は、被認証者が事前にシステム登録をしている登録者か否か判定する(ステップS12)。被認証者が事前登録されていなければ(ステップS12、No分岐)、サーバ装置10は認証結果を認証失敗に設定する(ステップS15)。
【0125】
被認証者が事前登録されていれば(ステップS12、Yes分岐)、サーバ装置10は、被認証者は予約店舗に来店しているか否かを判定する(ステップS13)。被認証者が予約店舗に来店していなければ(ステップS13、No分岐)、サーバ装置10は認証結果を認証失敗に設定する(ステップS15)。
【0126】
被認証者が予約店舗に来店していれば(ステップS13、Yes分岐)、サーバ装置10は被認証者の来店時間は妥当か判定する(ステップS14)。被認証者が予約時間に来店しておらず、被認証者の来店時間が不当であれば(ステップS14、No分岐)、サーバ装置10は認証結果を認証失敗に設定する(ステップS15)。
【0127】
被認証者の来店時間が妥当であれば(ステップS14、Yes分岐;被認証者が予約時間内、又は、予約時間よりも所定時間前に来店)、サーバ装置10は認証結果を認証成功に設定する(ステップS16)。
【0128】
サーバ装置10は、認証結果を認証端末30に送信する(ステップS17)。
【0129】
認証端末30は、認証結果に応じた表示等を行う(ステップS18)。例えば、サーバ装置20が認証に成功していれば、認証端末30は、図17に示すような表示を行う。サーバ装置20が認証に失敗していれば、認証端末30は、図18図19に示すような表示を行う。
【0130】
以上のように、第2の実施形態に係る情報提供システムでは、サイネージ20にて推薦店舗の予約を可能とする。その結果、利用者自身が推薦店舗に連絡し、予約をする必要はなくなるので、利用者の利便性が向上する。
【0131】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0132】
第1の実施形態では、事前にシステム登録した利用者に対して、当該利用者の出身地域に基づき店舗等を推薦することを説明した。第2の実施形態では、利用者が当該推薦された店舗の予約を行うことを説明した。
【0133】
第3の実施形態では、推薦された店舗の評価に関して説明する。
【0134】
第3の実施形態に係る情報提供システムの構成は、第2の実施形態に係る情報提供システムの構成と同一することができるのでその説明を省略する。また、第3の実施形態に係るサイネージ20、認証端末30の処理構成は、第1、第2の実施形態と同一とすることができるのでその説明を省略する。
【0135】
以下、第1乃至第3の実施形態の相違点について説明する。
【0136】
図21は、第3の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図21を参照すると、第2の実施形態に係るサーバ装置10の構成に評価情報生成部207が追加されている。
【0137】
第3の実施形態に係るサーバ装置10の推薦情報生成部204は、利用者に対して店舗の推薦を行った際、その詳細を推薦情報管理データベースに記憶する。
【0138】
図22は、推薦情報管理データベースの一例を示す図である。図22を参照すると、推薦情報管理データベースは、店舗の推薦を受けた登録者の登録者IDを記憶するフィールド、当該登録者の出身地情報を記憶するフィールドを含む。さらに、推薦情報管理データベースは、推薦された店舗の店舗IDを記憶するフィールド、推薦された店舗を予約した否かを示す予約フィールド、予約した店舗に来店した否かを示す予約結果フィールド、評価フィールド等を備える。評価フィールドは、サービスを受けた店舗(予約した店舗)に関する利用者の評価を記憶するフィールドである。例えば、「良い」、「普通」、「悪い」といった3段階の評価が当該フィールドに記憶される。
【0139】
推薦情報生成部204は、利用者に店舗の推薦を行うと、推薦情報管理データベースに新規エントリを追加する。例えば、登録者IDが「ID_A41」の人物に店舗Bが推薦されると、図22に示す推薦情報管理データベースに最下段のエントリが追加される。つまり、推薦情報生成部204は、店舗の推薦を行うと、登録者の登録者IDと、推薦情報の生成に使用された出身地情報と、推薦店舗の店舗IDと、を対応付けて推薦情報管理データベースに記憶する。
【0140】
予約管理部206は、推薦した店舗に関する予約登録要求を受信すると、図22に示す推薦情報管理データベースの対応するエントリの予約フィールドに「予約あり」を記憶する。なお、図22において、予約ありを「〇」で示し、予約なしを「×」で示している。
【0141】
予約管理部206は、認証端末30からの認証要求を受信し、当該要求に対して認証成功(肯定応答)を返信した場合には、推薦情報管理データベースの対応するエントリの予約結果フィールドに予約者が来店した事実を記憶する。なお、図22において、予約者が来店した事実を「〇」で示し、来店していない状態を「-」で示している。
【0142】
また、予約管理部206は、認証に成功した場合には、認証成功者(認証成功と判定された被認証者)に対してアンケート回答依頼を送信する。具体的には、予約管理部206は、認証成功者の登録者IDをキーとして登録者情報データベースを検索し、当該認証成功者の連絡先(メールアドレス)を取得する。予約管理部206は、当該連絡先に対してアンケート回答依頼を送信する。
【0143】
当該アンケート回答依頼を受信すると、利用者の端末は、図23に示すようなGUIを表示し、利用者の評価を取得する。利用者の端末は、取得した評価結果をサーバ装置10に送信する。なお、利用者の端末として、携帯電話、スマートフォン、タブレット等を用いることができるので、その構成等の説明を省略する。
【0144】
予約管理部206は、送信元のメールアドレス等からアンケートの回答者を特定し、推薦情報管理データベースの対応するエントリの評価フィールドに評価結果を記憶する。このように、予約管理部206は、登録者が推薦店舗の予約をしたか否か、及び、登録者の推薦店舗に関する評価を推薦情報管理データベースに記憶する。
【0145】
評価情報生成部207は、サーバ装置10による店舗推薦を評価するための推薦結果評価情報を生成する手段である。評価情報生成部207は、推薦情報管理データベース(第3のデータベース)を参照して、推薦情報生成部204により生成された推薦情報を評価するための推薦結果評価情報を生成する。
【0146】
評価情報生成部207は、システム管理者等からの明示的な要求、定期的又は予め定めたタイミングにおいて、推薦結果評価情報を生成する。
【0147】
例えば、評価情報生成部207は、出身地情報ごとの店舗予約率や、出身地情報ごとの推薦店舗満足率を、推薦情報管理データベースを参照することで算出する。評価情報生成部207は、上記店舗予約率及び推薦店舗満足率のうち少なくとも一方を算出する。
【0148】
例えば、評価情報生成部207は、出身地情報に応じて推薦した店舗が予約された割合を上記店舗予約率として算出する。図22の例では、郵便番号「001-00X1」の10人の登録者に対して、店舗Aが10回推薦されている。この10回の推薦のうち8回予約がされているので、評価情報生成部207は、店舗予約率を80%と算出する。
【0149】
また、8回の予約のうち7回は予約者が店舗Aを訪れ、7回のアンケート回答依頼に対して6の回答が取得されている。当該6の評価結果のうち、「良い」の評価結果が4であるので、評価情報生成部207は、郵便番号「001-00X1」に応じて推薦した店舗Aの推薦店舗満足率を67%と算出する。
【0150】
評価情報生成部207は、上記のような計算を出身地情報(郵便番号)ごとに繰り返し、推薦結果評価情報を生成する。評価情報生成部207は、出身地情報ごとに、推薦した店舗の店舗ID、店舗予約率、推薦店舗満足度をまとめて推薦結果評価情報を生成する(図24参照)。
【0151】
評価情報生成部207は、生成した推薦結果評価情報をシステム管理者等に提供する。例えば、評価情報生成部207は、当該情報を液晶モニタ等に表示したり、当該情報を印刷したりする。あるいは、評価情報生成部207は、当該情報を予め定めたメールアドレス等に送信してもよい。
【0152】
システム管理者等は、提供された推薦結果評価情報を参照し、必要な改善作業等を行う。例えば、システム管理者等は、店舗予約率や推薦店舗満足率が低い出身地情報に関しては推薦する店舗を見直す等の作業を行う。システム管理者等は、推薦店舗の見直した結果を図8に示すようなテーブル情報に反映する。
【0153】
あるいは、推薦結果評価情報に基づいて学習モデルの再学習が行われてもよい。
【0154】
以上のように、第3の実施形態に係る情報提供システムでは、推薦情報を評価するための推薦結果評価情報が生成される。システム管理者等は、当該評価情報を店舗推薦にフィードバックすることで、より利用者の好みに適合した店舗を推薦することが可能となる。
【0155】
続いて、情報提供システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図25は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0156】
サーバ装置10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図25に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
【0157】
但し、図25に示す構成は、サーバ装置10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置10に含まれるプロセッサ311等の数も図25の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置10に含まれていてもよい。
【0158】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0159】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0160】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0161】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0162】
サーバ装置10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0163】
なお、サイネージ20、認証端末30もサーバ装置10と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成はサーバ装置10と相違する点はないので説明を省略する。サイネージ20や認証端末30は、利用者を撮影するためのカメラ装置等を備えていればよい。
【0164】
サーバ装置10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置10の機能が実現できる。また、サーバ装置10は、当該プログラムにより情報提供方法を実行する。
【0165】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した情報提供システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0166】
上記実施形態では、サーバ装置10が登録者情報データベース等を備える場合について説明した。しかし、当該データベースは、サーバ装置10とは異なるデータベースサーバに構築されていてもよい。即ち、情報提供システムには、上記実施形態にて説明した各種手段(利用者登録部202、判定部203等)が含まれていればよい。
【0167】
上記実施形態では、サイネージ20や認証端末30からサーバ装置10に「顔画像」に係る生体情報が送信される場合について説明した。しかし、サイネージ20や認証端末30からサーバ装置10に「顔画像から生成された特徴量」に係る生体情報が送信されてもよい。この場合、サーバ装置10は、取得した顔画像から特徴量を生成する必要ない。
【0168】
上記実施形態では、サイネージ20が駅の構内等に設置される場合について説明した。しかし、サイネージ20の設置場所は駅の構内等に限定されない。例えば、ホテルや駅等に近接する商業施設や情報提供システムに参加している各店舗にサイネージ20が設置されていてもよい。即ち、空港や駅等の拠点ではなく、各店舗(各サービス提供所;飲食店等)にて推薦情報が提示されてもよい。例えば、決済が終了後に次のお勧め情報(例えば、観光地)が提示されてもよい。このような場合にも、サーバ装置10は、利用者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成すればよい。
【0169】
上記実施形態では、サーバ装置10が各店舗の予約情報を管理する場合について説明した。しかし、サーバ装置10と異なる装置が予約情報の制御、管理を行ってもよい。この場合、情報提供システムは、予約サーバ40を備えていてもよい(図26参照)。この場合、サーバ装置10は、サイネージ20から取得した予約登録要求や認証端末30から取得した認証要求を予約サーバ40に転送し、これらの要求に関する処理を依頼してもよい。
【0170】
あるいは、図11図26に示すように、情報提供システムに参加している店舗の予約を1台の装置が集中して制御、管理するのではなく、各店舗のサーバが自店舗の予約を管理してもよい。
【0171】
上記実施形態では、国内の観光客に情報提供することを前提として説明したが、外国からの観光客に対して情報提供がなされてもよい。この場合、利用者の出身地情報として国籍」が登録されてもよい。即ち、サーバ装置10は、外国からの旅行客に対して、その出身国に応じて推薦する店舗を決定してもよい。
【0172】
上記実施形態では、利用者(観光客)の出身地に基づいて情報提供する場合について説明した。しかし、利用者の出発地に基づいて情報提供されてもよい。例えば、出身地は関西であるが、長期間関東に住んでいる観光客に対しては出発地(関東)に基づいて情報提供してもよい。
【0173】
あるいは、サーバ装置10は、出身地情報に替えて又は加えて、他の情報に基づき推薦情報を生成してもよい。例えば、サーバ装置10は、利用者からホテルの予約情報(滞在ホテルの名称)、旅程(滞在日数)、復路の交通手段、観光地を訪れた理由等を取得できた場合に、これらの情報に基づいて推薦情報を生成してもよい。
【0174】
サーバ装置10は、利用者に情報提供する際、時間帯等を考慮して推薦情報を決定してもよい。例えば、サーバ装置10は、同じ出身地情報であっても、昼間と夜間では推薦店舗を変更してもよい。
【0175】
サイネージ20は、推薦店舗の詳細な情報を提供するためのGUIを表示してもよい(図27参照)。サイネージ20は、図27に示す「詳細」ボタンが押下されると、推薦店舗のより詳細な情報(ホームページ、電話番号、PR情報、おすすめメニュー等)を表示してもよい。
【0176】
上記実施形態では、サーバ装置10は、サイネージ20に推薦情報を送信する場合について説明した。しかし、サーバ装置10は、サイネージ20に替えて又は加えて、利用者(サイネージ20が撮影した利用者)が所持する端末に推薦情報を送信してもよい。この場合、サーバ装置10は、駅や空港等に設置されたカメラ装置から画像データを取得し、事前に登録された利用者が観光地(上記カメラが設置された駅、空港)に到着した否かを判定する。サーバ装置10は、利用者が観光地に到着した場合には、上記説明した推薦情報を利用者の端末に送信してもよい。
【0177】
上記実施形態では、利用者がサイネージ20を介して情報入力する場合について説明した。当該情報入力は、タッチパネル等の接触型の操作デバイスを用いて行われてもよいし、マイク等を用いた非接触な方法で行われてもよい。即ち、利用者による情報入力の全部又は一部が非接触な方法により行われてもよい。
【0178】
観光地を訪れる旅客の旅行が団体旅行やビジネス上の旅行(接待旅行、職場旅行)の場合には、複数の利用者の情報(生体情報、出身地情報等)がサーバ装置10にまとめて登録されてもよい。利用者は、複数の利用者のうちの代表者をサーバ装置10に登録してもよい。サーバ装置10は、代表者にフラグを付与する等の対応により、同伴者と代表者を区別可能に記憶してもよい。サーバ装置10は、代表者のフラグが設定されてない同伴者の検出した場合には、代表者の情報(出身地情報)に基づいて推薦情報を生成してもよい。例えば、利用者Aと利用者Bが旅行をする際、利用者Aが代表者、利用者Bが同伴者として登録される。例えば、代表者は接待を受ける人物、同伴者は接待をする人物が選択される。サーバ装置10は、利用者A、利用者Bのどちらを認識した場合であっても、代表者である利用者Aの出身地情報に基づいて推薦情報を生成してもよい。
【0179】
図13に示す推薦店舗の予約において、同伴者の情報が登録されてもよい。その際、サイネージ20は、同伴者の顔画像を取得し、サーバ装置10に送信してもよい。この場合、サーバ装置10や認証端末30は、同伴者も推薦店舗の予約者として扱ってもよい。即ち、同伴者が単独で推薦店舗を訪れた場合でも、その来店時間等が正しければ認証に成功し、当該同伴者は入店することができる。
【0180】
各装置(例えば、サーバ装置10、サイネージ20)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、生体情報が送受信され、当該生体情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
【0181】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0182】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0183】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、観光客に店舗(飲食店、小売店、宿泊施設等)に関する情報を提供する情報提供システムなどに好適に適用可能である。
【0184】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する、利用者登録部と、
サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する、判定部と、
前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する、推薦情報生成部と、
前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する、送信部と、
を含む、サーバ装置。
[付記2]
前記判定部は、前記サイネージが撮影した人物の生体情報を照合側、前記第1のデータベースに登録された複数の生体情報を登録側に設定した照合処理を行う、付記1に記載のサーバ装置。
[付記3]
前記推薦情報生成部は、前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録されていない非登録者の場合、観光情報を含む前記推薦情報を生成する、付記1又は2に記載のサーバ装置。
[付記4]
前記推薦情報生成部は、情報提供システムに参加する複数の店舗のうち前記出身地情報に基づいて推薦店舗を選択し、前記選択された推薦店舗に関する情報を含む前記推薦情報を生成する、付記1乃至3のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記5]
前記推薦店舗に関する情報を含む前記推薦情報を受信したサイネージから前記推薦店舗の予約に関する予約登録要求を取得し、前記推薦店舗の予約を管理する、予約管理部をさらに備える、付記4に記載のサーバ装置。
[付記6]
前記第1のデータベースは、前記複数の利用者それぞれの登録者IDを記憶し、
前記予約管理部は、前記推薦店舗の予約を受け入れる場合に、前記推薦店舗を予約した登録者の前記登録者IDと前記推薦店舗の予約情報を対応付けて第2のデータベースに記憶する、付記5に記載のサーバ装置。
[付記7]
前記予約管理部は、被認証者の生体情報を前記推薦店舗に設置された認証端末から取得し、前記被認証者の生体認証を前記第1のデータベース、前記第2のデータベースを用いて行う、付記6に記載のサーバ装置。
[付記8]
前記予約管理部は、
前記第1のデータベースを用いて前記被認証者の前記登録者IDを特定し、
前記特定された登録者IDに対応する前記第2のデータベースのエントリから前記被認証者の予約情報を特定し、
前記特定された予約情報に基づいて前記被認証者が予約した店舗を予約した日時に訪問している場合に、前記生体認証に成功したと判定する、付記7に記載のサーバ装置。
[付記9]
前記予約管理部は、前記生体認証に失敗した要因を前記認証端末に通知する、付記8に記載のサーバ装置。
[付記10]
前記推薦情報生成部は、前記登録者の登録者IDと、前記推薦情報の生成に使用された出身地情報と、前記推薦店舗の店舗IDと、を対応付けて第3のデータベースに記憶し、
前記予約管理部は、前記登録者が前記推薦店舗の予約をしたか否か、及び、前記登録者の前記推薦店舗に関する評価を前記第3のデータベースに記憶し、
前記第3のデータベースを参照して、前記推薦情報生成部により生成された推薦情報を評価するための推薦結果評価情報を生成する、評価情報生成部をさらに備える、付記5乃至9のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記11]
前記評価情報生成部は、前記出身地情報ごとの前記推薦店舗の予約率、及び/又は、前記出身地情報ごとの前記推薦店舗の満足率を算出する、付記10に記載のサーバ装置。
[付記12]
前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、付記1乃至11のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記13]
前記推薦情報生成部は、前記登録者のホテルの予約情報、旅程、復路の交通手段及び観光地を訪れた理由のうち少なくとも1以上に基づいて前記推薦情報を生成する、付記1乃至12のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記14]
サイネージと、
前記サイネージと接続されたサーバ装置と、
を含み、
前記サーバ装置は、
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する、利用者登録部と、
前記サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する、判定部と、
前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する、推薦情報生成部と、
前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する、送信部と、
を含む、情報提供システム。
[付記15]
サーバ装置において、
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録し、
サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定し、
前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成し、
前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する、情報提供方法。
[付記16]
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
複数の利用者それぞれの生体情報と出身地情報を第1のデータベースに登録する処理と、
サイネージが撮影した人物の生体情報が、前記第1のデータベースに登録されているか否か判定する処理と、
前記サイネージが撮影した人物が前記第1のデータベースに登録された登録者の場合、前記登録者の出身地情報に基づいて推薦情報を生成する処理と、
前記生成された推薦情報を前記サイネージに送信する処理と、
を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0185】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0186】
10、100 サーバ装置
20 サイネージ
30 認証端末
40 予約サーバ
101、202 利用者登録部
102、203 判定部
103、204 推薦情報生成部
104 送信部
201、301、401 通信制御部
205、304、405 記憶部
206 予約管理部
207 評価情報生成部
302、402 生体情報取得部
303、404 メッセージ出力部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
403 認証要求部
図1
図2
図3
図4
図5
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